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アポカリプス・ランページ⑦〜タンクコープス・ホライズン

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●予知:軍人宰相、推参
 ニューメキシコ州の南東部に位置する旧ロズウェル付近に、その戦車軍団はあった。
 ロンメル機動陸軍基地。
 特定の拠点を置かず、付近一帯を支配する戦車軍団を動く拠点として運用している、軍人宰相『ロンメル・ヴォーテックス』の自慢の部隊である。
 戦車軍団の中心で指揮を執るロンメルは、こめかみを人差し指で叩き、部下から上がって来た報告を聞いていた。

「やれやれ……。無能な兄妹共は、まともな情報戦もできないようだな。
 異世界から来た猟兵? フィールド・オブ・ナインの復活?
 眉唾にも程度がある。もう少し信じたくなるような嘘もつけないのか」

 ロンメルは、各地で一族の拠点が襲撃されている情報を他の兄妹の仕業と断定して防御を固めていた。

「だがクライストが討たれたというならば、山を越えたこの地域にも刺客が向かって来るだろう。
 猟兵、フィールド・オブ・ナイン。どちらを名乗る者にしても、十中八九兄妹共の刺客と考えて間違いない。
 来るなら来い、身の程知らずめ。
 私の戦車軍団で完膚無きまでに粉砕してくれる」

 指揮官座席に腰を下ろして、不敵に笑うロンメルは遠く地平線を睨みつけていた。

●招集:戦車軍団との野戦
「今度のヴォーテックス一族を発見しマシター!」

 バルタン・ノーヴェが映し出すプロジェクターには、右腕に戦車砲を生やした軍人が見える。
 軍人宰相『ロンメル・ヴォーテックス』。今回の攻略目標だ。

「ロンメルは大量の戦車軍団と共に行動していマース!
 地上いっぱいの戦車たちを指揮して、蹂躙戦術を行ってきマース!」

 なお、本人の戦闘力は猟兵には敵わないという。
 その右腕の戦車砲はもっぱら一般人相手に振るわれているのだろう。たぶん。

「ロンメルは戦略とか戦術とかに秀でているようで、抜群のパフォーマンスを活かして攻撃してきマース!
 配下の練度もさることながら、戦車の火力、耐久力、機動力も、そこらのレイダーの乗り物とは桁違いの性能デース!
 まともに戦っては厳しい戦いになるデショー……。
 しかし、ワタシたちは猟兵!
 まともではない常軌を逸した戦闘プランが組める存在であります!」

 個人で戦車を破壊する、魔法や魔術を駆使する、物理法則を超えた動きをする。
 そして機動兵器の類を所持している者もいる。
 つくづく、猟兵という存在は何なのだろうか。

「という訳で、好き勝手に大暴れして戦車軍団を蹴散らしてくださればOK!
 搦め手や策を仕込んでみるのも良い手デショー!
 そして、どうやらロンメルは、一定以上損害を出したら敗北を自覚して、尊敬する元帥に倣って自害するみたいデース。
 ……なので、大将首を狙うかは、お任せしマース!」

 バルタンはゲートを展開して、戦場付近へと猟兵たちをテレポートしていく。
 現地は見晴らしのいい平野部であり、すぐに戦車軍団の影を見ることができるだろう。
 すなわち、即会敵することになるのだった。


リバーソン
 こんにちは。リバーソンです。
 マスターとして皆様に喜んでいただけるよう、つとめさせていただきます。

 今回のシナリオは一章構成です。アポカリプスヘルの戦争シナリオとなります。
 軍人宰相『ロンメル・ヴォーテックス』を撃破することが目的となります。

 プレイングボーナスは、『戦車軍団に対処する』です。
 内容としては、「多くの戦車をまとめて破壊するように暴れる」です。
 一つ一つ順番に処理していくような行動では、数に押しつぶされる可能性があります。ご注意ください。

 今回はオープニング公開後の断章はありません。
 皆様、よろしくお願いいたします。
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第1章 ボス戦 『ロンメル・ヴォーテックス』

POW   :    軍人宰相の指揮
自身が操縦する【戦車軍団】の【反応速度】と【耐久力】を増強する。
SPD   :    アンブッシュ・タクティクス
戦場の地形や壁、元から置かれた物品や建造物を利用して戦うと、【ロンメル率いる戦車軍団の搭載火器】の威力と攻撃回数が3倍になる。
WIZ   :    戦場の掟
敵より【指揮する配下の数が多い】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。

イラスト:秋原 実

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

備傘・剱
数相手って、苦手なんだがなぁ…
さて、っと…

と言うわけで、青龍撃、発動!全兵装、兵器、完全起動!
高速移動しつつ、鎧無視攻撃と鎧砕きを重ねた爪で切り裂くぞ
そして、念動力、衝撃波、誘導弾、斬撃波、呪殺弾、水弾、頭の上の一足りないのダイス攻撃に、ブレス攻撃をばら撒きながら、戦場を駆けまわって混乱させてやるわ
こっちに向かってくる奴は、オーラ防御で攻撃を防ぎつつ、結界術で動きを止めて、切り裂いてやる

諦めて自殺するなら、指揮はほかっておけば問題ない、それよりも、戦力を削ぐことを最優先で考えるぜ
しかしまぁ、潔しというべきか、無責任と言うべきか…
ま、かまってちゃんじゃなきゃ、それでいいや

アドリブ、好きにしてくれ


地籠・凌牙
【アドリブ連携歓迎】
「勝負は時の運」って言葉を知ってるか?
てめえが非科学的な根拠を頑なに信じまいと、天運っつー最も非科学的な存在からは逃げられねえ。
お前の勝ちはたまたま"運が良かったに過ぎない"んだよ!

て感じで【挑発】と同時に【指定UC】を使用するぜ。
奴の戦車軍団も人員で構成されてる、このUCは効果抜群だろうよ。
攻撃の軌道の【見切り】回避も【怪力】と【鎧砕き】の技術を組み合わせた【貫通攻撃】も全部成功する程の幸運を得られるってワケだ。
ついでに【地形の利用】でハメてこようとしても"運良く"俺は避けられて、あっちは"運悪く"同士討ち沙汰になったりもするだろうな?

言ったろ、「勝負は時の運」だって!


朱鷺透・小枝子
オブリビオンの走狗と見なされるのはやや納得いかない。
が、戦場ではそんな事どうでも良い。

亡国の主に搭乗操縦。
戦車軍団へ向けて、RSパルスガトリングの弾幕貫通攻撃!戦車列なぎ払い破壊したら姿勢を低くして推力移動、戦車の影に隠れるように接近し、怪力で戦車を掴んで盾にして【戦塵無窮】を発動

一台でも多く、壊す、壊し尽くしてやる事こそ、最優先事項!!

膨大な霊物質をサイキックエナジーに変換し超能力を行使、念動力で戦車を浮かし地形利用なんてさせず、磁力操作で集めて強引に圧縮!

だから、壊れてしまえぇえええ!!

圧縮して丸めた戦車の塊を残る戦車軍団へ念動力で投げ飛ばし、圧縮を解除!諸々引火させて爆破、範囲攻撃!



●鶴翼の陣・起

「多数相手ってのは、苦手なんだがなぁ……」
「なーに、戦車軍団も人員で構成されてるなら、やりようはあるさ」
「それよりも自分たちがオブリビオンの走狗と見なされるのが納得いかないであります。
 しかしまあ……、戦場ではそんな事どうでも良いですね」

 現地に降り立ち、三人の猟兵が戦いの準備を始める。
 首を回して身体をほぐしているのは、備傘・剱(絶路・f01759)だ。酒屋業で生計を立てながら、我流の格闘技を始めとして多彩な技能を駆使して戦う熟練の冒険者だ。
 剱の隣に立つのはドラゴニアンの青年、地籠・凌牙(黒き竜の報讐者・f26317)だ。不運や呪いの原因となる"穢れ"を喰う力を持ち、天運という最も非科学的な存在を扱う熟練の猟兵だ。
 そして、二人の背後にて『亡国の主』という名のジャイアントキャバリアに搭乗しているのは、歴戦の戦士である朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)だ。遠くに展開している敵たちには、体高5mの『亡国の主』が良く見えていることだろう。

 三人に向かって、地形を意識した陣形を組んでロンメル率いる戦車軍団が向かって来る。

「さて、っと……と言ってもられんし、行くか」
「ああ。あの野郎には言ってやりたいことがあるからな」
「一台でも多く、壊す、壊し尽くしてやる事こそ、最優先事項!!」

 まず先行したのは、小枝子と『亡国の主』だ。
 戦車軍団は、巨大ロボットが向かってくる事態に対して動揺する様子を見せない。
 ロンメルの指揮により、相手が何であろうと適切に対処しようと左右の部隊を迫り出して、『亡国の主』を半包囲しようとする。
 正体不明の敵に対する防御策だが、小枝子にとっては無意味な小細工であった。
 地形を利用した包囲砲火が放たれる前に、小枝子が攻撃を開始する。

「壊れてしまえぇえええ!!」

 気勢を吐き、小枝子は『亡国の主』のRSパルスガトリングを放つ。
 電磁徹甲弾や徹甲榴弾を連射する三連ガトリング砲は、戦車軍団の装甲を容易く貫通し、前線を薙ぎ払う。
 弾幕を展開したまま、『亡国の主』の姿勢を低くして推力移動で戦車軍団へ接近する。
 戦車を貫く機関銃という脅威、人型でありながら無限軌道を超える機動力。
 ロンメルの戦車軍団は彼らの交戦データにないスペック差に反応できず、陣形の懐へと侵入を許してしまった。

●鶴翼の陣・承

 同時期に、剱と凌牙は戦場を高速で駆け抜けていた。
 小枝子が開幕射撃で衆目を集めている隙に、二人は左右の戦車軍団の端へと向かっていた。

「天よ、祝え! 青龍、ここに降臨せり! 踊り奏でよ、爪牙、嵐の如く!」

 剱は身体中を、凝固した水で覆っていた。
 空気中の水分を凝縮し、形成した青龍の爪と牙を纏い、高速移動を可能とするユーベルコードだ。

「《青龍撃(バレットスピーディング)》、発動! 全兵装、兵器、完全起動!」

 その戦車の搭乗員が気づいたときには、すでに装甲が剥離されているところだった。
 青龍の爪による真空の刃、青龍の牙から放たれる高圧の水弾。
 剱は歩兵とは思えない機敏な動きで戦車にとりつき、装甲の強弱に頓着することなく、片端から切り裂き、貫き、吹き飛ばしていく。

 数両が破壊された頃合いから、戦車軍団は破壊された戦車や地形を利用して、剱を包囲しようと連携を取り出す。
 走り回って剱の動きを制限し、キャタピラで轢殺しようと立ち回る。
 だが、その動きも剱の頭の上にしがみついている妖怪一足りないにダイスを投げられ、一歩届かず当たらない。
 近接防御用の散弾を射出しても、その規模では剱を覆うオーラ防御は貫けない。
 至近距離に入られてしまっては、自慢の砲塔は威力があだとなり、同士討ちを避けるために使えない。
 この歩兵を何とかしなければ、と。戦車部隊は、剱に意識を集中してしまっていた。

●鶴翼の陣・転

 もう一方、凌牙もまた片翼に近づいていた。
 小枝子のようなキャバリアを持たず、剱のような形態変化も行わず、戦車軍団に近づいた凌牙は声を張り上げて叫んだ。

「オイ、てめえ! 『勝負は時の運』って言葉を知ってるか?
 てめえが非科学的な根拠を頑なに信じまいと、天運っつー最も非科学的な存在からは逃げられねえ。
 お前の勝ちはたまたま"運が良かったに過ぎない"んだよ!
 聞いてるかロンメル! お前のことだよ!」

 『亡国の主』に向けられていた戦車軍団の砲塔が、一斉に凌牙へと向けられる。
 侮辱されたロンメルが命令を下したのか、あるいは指揮官を侮辱されたことに部下たちの意思が合致したのか。
 戦車軍団はキャタピラを動かして、凌牙を逃さぬよう半包囲する。
 前方150度ほどを戦車軍団に埋め尽くされてもなお、凌牙は不敵な笑いを止めずにいる。
 これは、凌牙の思惑通りの動きであった。

「食らいやがれ、【喰穢】弐ノ禁呪《精気汚染》!」

 その瞬間、あたり一面に淀んだ何かが漂い、戦車軍団を包み込んだ。
 だが、非現実的なオカルトに頓着しないロンメルは、戦車軍団に三連続の砲撃を命じた。
 まずは一人と、ロンメルたちが確信したその瞬間。"運"が作用した。

 乾いた大地が突如揺れる。小さな局地的地震が起きたのだ。
 その揺れにより、本来は動かないはずの砲塔の角度や向きが"偶然"ズレ、前方の仲間に"運悪く"直撃してしまった。
 後部の装甲の薄い箇所を"運悪く"貫かれた戦車は、瞬く間に爆散する。
 爆発と共に"不運"にも飛んで行った砲弾が、左右や後ろにいる仲間の戦車に向かっていき、"たまたま"砲口やキャタピラに入り込み、致命的な爆発を引き起こしていく。
 先頭にいた戦車たちは仲間を撃つことはなかったものの、凌牙は"運よく"崩れた地面のくぼみに嵌り、砲弾に当たることはなかった。
 "不幸"にも、一瞬で戦車軍団のいくつかが吹き飛んだ。

「言ったろ、『勝負は時の運』だって。
 ……人の不幸を喜ぶ程、俺は性根腐ってねえから、できれば使いたくないんだがな」

 凌牙は眉をしかめて、嫌悪する様子で独り言つ。
 【喰穢】弐ノ禁呪《精気汚染》は、凌牙がこれまでに溜め込んだ"穢れ"を解放して、敵の幸運の因果を奪い不幸を与える力である。
 同時に凌牙自身に奪った因果の総量に応じた幸運を付与することができ、短い期間ではあるが凌牙は"運"が良い状態となっているのだ。

「だが、そうも言ってられねぇからな。今なら回避も攻撃もやりたい放題だ。
 小枝子が蹂躙するまで、付き合ってもらおうか!」

 そう。
 凌牙と剱は小枝子が中央の部隊を食らいつくすまでの時間稼ぎをしていたのだ。

●鶴翼の陣・結

「嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼!!!」

 左右の翼が翻弄されている間、戦車軍団の中央部隊は惨劇の会場となっていた。
 小枝子が戦争期間中にのみ使用できるユーベルコード、
 《戦塵無窮(エンドレスダスト)》を発揮して大いに暴れまわっていた。

 戦車軍団の火砲は『亡国の主』の怪力で掴んだ戦車を盾に使い、
 無尽蔵に生成される膨大な霊物質をサイキックエナジーに変換して限界なく超能力を行使して、念動力で無数の戦車たちを自在に浮かび上がらせていた。
 地形を利用させることも連携を取らせることも許さずに、為すすべを失った戦車たちをかき集めて、磁力操作で圧縮させていく。砲弾の爆発すらも、潰しにかかる。
 そうして造られた鉄の塊を、遠巻きの戦車軍団へと投げ飛ばす。
 手を使わないボーリングのように、次々に戦車部隊が飛んでは、潰れて、砕かれていく。

「さあ、どこからでもかかってこいオブリビオン! 壊しつくしてくれる!」

 手にした戦車を握りつぶし、すぐに新しい盾を補充して、小枝子と『亡国の主』は左右の残存戦力に目を向ける。
 剱と凌牙が立ち回っていたせいで支援砲火をすることも、撤退することもできなかった次の獲物たちだ。
 順序良く念動力で拘束して、破壊を続けるその様は、まるで悪鬼。
 遠く、本陣で指揮を執るロンメルの心肝を寒からしめるのは十分な蹂躙劇だった。

 その総数の三割が剱、凌牙、小枝子の活躍によって失われた。
 ロンメルの戦車軍団は三人のいる戦場に殿を置いて、退き始める。
 その撤退の判断は、機を逸しているのだが。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ツキカ・アシュヴィン
見渡す限りの戦車、戦車、戦車…いやー壮観やねぇ。
これを相手にっちゅうのも無茶な気ぃするけども…ま、やってみよか!

戦車軍団の中に飛び込んで、その中を走り回って撹乱しつつ攻撃してくで。
戦車言うたら間近の敵には弱いモンやし、仲間の傍におる敵に戦車砲ぶっ放したら同士討ちも誘えそうやしね。
まごついとる間に、手榴弾をハッチから車内に直接放り込んだり、車体の下に投げ込んでどてっ腹吹っ飛ばしたるでー。
生身の敵が対処しようと出て来たら、ショットガンの【零距離射撃】叩き込んだろかと。

後はなるたけ足を止めんようにして、狙われんよう逃げ回ってく。
敵が纏まってきたら『従星、群れを成す』で一網打尽や。


ダンド・スフィダンテ
敵の数が多いならこのUCが役に立つか!?

と言う事で防壁の【盾受け】で攻撃をいなしながら【おびきよせ】【戦略知識】で敵を一番巻き込めそうな場所に行って、【怪力】【薙ぎ払い】を使って一気にやろう。

と言うわけでいくぞー、せーの!!

上手く行ったか?
なんにしろこの調子で殲滅していこう!

とはいえこのUC、敵の数が減ると途端に威力がだだ下がるんだよな。
他の猟兵の邪魔にならない様にタイミングを見て離脱するか……あるいは他の猟兵のが敵を仕留めやすい様な場所に誘き寄せるかしよう。

さーてがんばるぞー!

(アドリブ、改変、連携、ご自由にお願いします。)


土御門・泰花
※アドリブ等歓迎

成程……戦術や知略に長けた指揮官と。
左様、その点では私よりも其方のほうが上手やも知れません。
ですが、それは数多の戦車頼みのもの。戦車を無力化してしまえばどうなりますやら。

【早業】で自身へ【結界術】【オーラ防御】展開、守りを。

敵の攻撃は【第六感】【聞き耳】【戦闘知識】を基に【軽業】【早業】で回避。
間に合わない攻撃は結界で弾くか薙刀で【武器受け】。

数の暴力なら、私もよく知っていますよ。

戦車軍団の車体をも足場に(地形の利用)し【早業】で半径110m以内に可能な限り多くの戦車を捉えるよう位置取り、【高速詠唱】で【多重詠唱】し敵群へUC発動。
戦車の数より多い式神で敵UCを封じる事も試行。



●鋒矢の陣・起

 ロンメルの戦車軍団が撤退する先には、転移していた猟兵たちが待ち構えていた。

「すでに撤退を始めているのですね。……成程、判断が早い。
 戦術や知略、その点では私よりも上手やも知れません」

 静かに呟くのは、土御門・泰花(風待月に芽吹いた菫は夜長月に咲く・f10833)。
 サムライエンパイアの駿府藩にある陰陽師の家系『土御門家』の若き当主である。

「見渡す限りの戦車、戦車、戦車……いやー壮観やねぇ。
 これを相手にっちゅうのも無茶な気ぃするけども……」

 ツキカ・アシュヴィン(星追いの渡り鳥・f24375)は手を額にかざして、地平線を覆う戦車軍団を見つめていた。
 アポカリプスヘルの荒野に生まれ、元気に陽気に戦うサバイバルガンナーだ。

「はっはっは! 敵の数が多いか! ならば俺様の技が役に立つな!」

 溢れんばかりの笑顔とはちきれんばかりの筋肉を披露しているのは、ダンド・スフィダンテ(挑む七面鳥・f14230)。
 明るく穏やかな気質で、女性に優しいナイスガイである。

「されど、ロンメルの戦略は数多の戦車頼みのもの。戦車を無力化してしまえば、どうなりますやら」
「よし、任せてくれミューズ・土御門! 俺様のかっこいいところをご覧に入れよう!」
「ま、やるだけやってみよか! 泰花ちゃん、ダンドさん! ウチもガンガンいくで!」
「おお! 共に頑張ろう、ミューズ・アシュヴィン!」

 ツキカ、ダンド、泰花の三人は、このまま戦車軍団を逃さぬよう迎撃を開始する。

●鋒矢の陣・承

「さーて、麗しいご令嬢たちが見ているぞ、がんばるぞー!」

 ダンドは戦車軍団の進行方向にて、堂々と仁王立ちしていた。
 武器らしい武器もなく、防具らしい防具もない、大柄の男を確認した戦車軍団は、速度を落とすことなく前進する。
 陣形の先端にいる精鋭が、最後尾に着く指揮官ロンメルの指揮を受けて、反応速度と耐久力を増強させながら加速する。
 先ほどの猟兵たちのような、化け物のような兵器が現れようとも、超常現象が起ころうとも、見逃さずに対応できるように。

 先頭を走る戦車が、そのままダンドに体当たりをする。
 接触した。

「せーの!」

 そして、ロンメルは信じられぬものを見た。
 異形でもなく、不思議な兵器を用いるでもなく。
 ただの一人の大男が、素手で戦車を持ちあげてなぎ払ったのだ。
 それも、一両や二両ではない。
 まるで団扇で風船を飛ばすように軽々と、戦車たちが宙を舞っていく。
 横転して大破するもの、地面に叩きつけられて爆発するもの、着地するも衝撃で走行不能に陥るもの。
 いずれも、再起不能なダメージを負っていく。

「上手く行ってるか? なら、この調子で殲滅していこう!」

 ダンドの怪力を活かしたユーベルコード《殲滅(センメツ)》は、敵が多いほど威力が上がる攻撃を行える能力だ。
 ダンドの周囲半径92m以内にいるならば、それが小さな虫であろうと大きな戦車であろうと区別なく、数が多ければ多いほどになぎ払える。

「あ、ありえん……幻覚ではないのか? 私の戦車軍団は、クッキーではないのだぞ。
 金属の塊だ! いくら何でも、ありえんだろう!?」

 幾ら否定しようとも、目の前の光景は変わらない。
 ロンメルは前方の男を迂回すべく、部隊に方向転換を命じようとした。
 その間際に、さらなる攻撃が戦車軍団を襲った。

●鋒矢の陣・転

「やるやんダンドさん! ほらな、ウチも励まなあかんな!」

 ダンドがポンポンと戦車を投げ捨てている横を駆け抜けて、ツキカは戦車軍団の中に飛び込んでいく。
 前方の異常事態に驚きつつも、指揮官の命令に従って前進を続けている戦車軍団の中には、走るツキカに反応する者もいた。
 急ぎ近接防御用の散弾を射出するが、ツキカを捉えることなく空を切る。
 ハッチを開けて銃器を手に向かってきたものに対しては、ツキカはショトガンの零距離射撃をプレゼントする。
 ツキカを轢こうと加速する戦車に対しては手榴弾を投げつけて、そのキャラピタを砕き車輪を破壊して動けなくする。上手く車体の下に入り込んで、どてっ腹を吹き飛ばすこともあった。

 そうしているうちにツキカは戦車軍団の列を走破して、最後尾の戦車まで到達していた。

「お、ここで仕舞いやな? ここからならぎょーさん見えるわー、戦車の背中」
「お、お前、何をするつもりだ! 何をしでかすんだ!?」

 ロンメルが戦車の中から、戦車の上に立つツキカに問いただすが、その声は届くことなく。
 ツキカはアサルトライフルを構えて、己のユーベルコードを起動する。

「これで一網打尽や! 纏めていただきやでー☆
 《従星、群れを成す(アルデバラン・スウォーム)》!

 アサルトライフルから放たれた弾丸が、多段に射出して戦車軍団の後ろを貫いていく。
 薄い後部装甲やエンジン部分を穿たれ、戦車は次々に爆発していく。
 砲塔を旋回させればその砲口に弾丸が叩き込まれ、奥の弾頭に衝突して誘爆を引き起こす。
 ツキカの周囲半径89m以内にいるならば、一発から何発にも分裂する弾幕から逃れることはできない。

 すなわち戦車軍団は、前門からダンドの、後門からツキカの、制圧攻撃に挟まれることになった。

「左右に方向転換! 散開せよ、固まってはならん! この化け物たちから退避せよ!」
「あわっと! あかんあかん、人が乗っとんのに急に動かんといてや!」

 急旋回する戦車から振り落とされる前に、慌ててツキカは飛び降りる。
 それを待っていたかのように、後方にいた戦車たちのうち、健在なものたちが襲い来る。
 ツキカは自身を狙う戦車たちの牽制砲撃をかいくぐりつつ、アサルトライフルで無力化していく。
 それらはロンメルを逃がすための捨て駒として残ったのだが、わかっている上でツキカは対応していた。
 ロンメルが向かった方へと駆けていく者がいることを知っているからだ。

●鋒矢の陣・結

 左右に分かれた片割れに、泰花が疾駆して先回る。
 戦闘経験から得る知識と勘を頼りに、ロンメルが向かうであろう方向を見定め、立ち塞がった。
 すでに猟兵への侮りが消えうせた戦車軍団は、ロンメルの指揮に従い距離を保っての砲撃を開始する。
 敵の数が指揮する配下より少ないならば、ロンメル戦車軍団は本領を発揮することができる。
 精密な十字砲火が泰花に向かっていく。

 泰花は軽やかな足さばきで、舞うように砲弾の直撃を回避する。
 回避が間に合わない砲撃は薙刀で受け払い、至近距離で発生する爆風は展開している結界で弾いている。
 ただの一度も、砲撃が当たることはなかった。
 一斉攻撃が済み、土煙が晴れた時に、泰花が埃一つついていない姿を見せる。
 戦車軍団の動きが一時、停止する。

「数の暴力、でしたか。それなら、私もよく知っていますよ」

 静かに取り出した霊符より、泰花は無数の黒揚羽蝶を解き放つ。

「さて、自由に飛びなさい、黒揚羽たち。あの者たちに、数の暴力を教えましょう」

 戦車に追いつく足の速さで、泰花は戦車軍団に近づいていく。
 泰花の周囲半径110mにいるならば、敵を蝕み麻痺の状態異常を与える黒揚羽たちが、猛威を振るう。
 屈強な戦車といえど、宙を舞う蝶に対抗する方法など、知らない。考えたこともない。
 搭乗者たちは次々に麻痺していき、戦車は鋼の棺桶と化していく。

「貴方が、術に関して知識を持ち合わせていたのならば、こうもうまくは行かなかったでしょう。
 ……あら?」

 残党を始末していくうちに、ロンメルを乗せた戦車が見当たらないことに泰花は気づいた。
 ロンメルは泰花が姿を見せた瞬間に、側にいた戦車たちを泰花に対する時間稼ぎとして置き、もう一方に逃げた戦車軍団へと合流しべく走り去っていた。
 間に残っていた残党をすりつぶして、ツキカとダンドが合流を果たす。

「なんや、数が減ったら自害するっつー話やなかったん?」
「まあ、まだ立て直せると思っているのかも……いえ、もしかしたら立て直せるのかもしれません」
「ふむ。それならば、ミューズ・泰花。追いかけたほうが良いかな?」

 遠く、土煙を上げる戦車軍団の行く手を見つめ、泰花は穏やかに首を振る。

「いえ、その必要はなさそうです」

 泰花の言葉に、ツキカとダンドも目を向ける。
 そこに見える光景を見て、揃って笑みをこぼした。
 三人は作戦の成功を確信して、ハイタッチをするのであった。

 ロンメル戦車軍団の、残り戦力、三割強。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

卜一・アンリ
随分お堅い指揮官さんね。その石頭、御自慢の戦車でお手玉をされても落ち着いて指揮していられるのかしら?
行くわよ、牡丹。

キャバリア『牡丹』の肩に乗り【騎乗突撃】。
UC【悪魔召喚「フォカロル」】。魔術を施すのは牡丹と悪魔憑きの拳銃の銃弾。

戦車の攻撃は【オーラ防御】で凌ぎつつ、【クイックドロウ】【乱れ撃ち】する銃弾【弾幕】や牡丹に生やした魔獣の翼で周囲の風を支配し【属性攻撃】【範囲攻撃】。
手近の戦車をひっくり返すように宙へ浮かせたら他の戦車軍団に向かって殴り飛ばし!
質量弾としてぶつけるもよし、敵戦車砲撃に対して壁にするもよし。活用させてもらうわ。(【体勢を崩す】【怪力】【吹き飛ばし】【敵を盾にする】)


トリテレイア・ゼロナイン
もしや、O・ストームによる文明崩壊後に骸の海から蘇ったことで、今まで対等以上の敵手との交戦経験が兄弟以外無かったのが視野狭窄の原因…?

いえ、アポカリプスヘルの人々の為、私達の脅威を正しく認識しての雪辱戦の機会など与えはしません

機械馬に●騎乗し騎馬のスラスターの推力移動も合わせ戦車部隊へ肉薄
敵の攻撃に対しUC使用

大盾を無数のバリアビットに変換し●操縦
幾枚にも重ね防御力を●限界突破したバリアでの●盾受けで砲撃防御
爆炎の中から飛び出し戦車部隊に突っ込みます

懐に入れば此方の手番
電脳剣を指揮棒の如く振るい紫の花弁を花吹雪の竜巻の如く配置

無数の花弁を支点に「バリアのギロチン」を形成
戦車部隊を●蹂躙


カシム・ディーン
「ご主人サマ!同時殲滅ならもうあれしかないよ!!」(きらきら銀髪少女
だーっ!くそがっ!やれってのか…!

【情報収集・視力・戦闘知識・迷彩】
戦車軍団の陣形と武装
死角となりえる位置を分析
後は安全に隠れられる位置を確認して己は隠れ

UC発動
地獄の門が今開かれる…!
「「お祭りの門だよ☆ヒャッハー☆」」
嬉々として襲い掛かる幼女軍団

【空中戦・砲撃・集団戦術・弾幕・属性攻撃・念動力】
空が暗くなる
戦艦も登場し砲撃
周囲の空に幼女軍団が展開され…念動障壁展開
陣形を組み砲撃兵装から超高熱熱線斉射してまとめて粉砕
【二回攻撃・切断・盗み攻撃】
残った戦車軍に鎌剣を持った幼女軍団が群がり切断し分解し資源強奪
戦車を乗っ取り大暴れ



●横陣・起

「今回のことでよくわかった。
 猟兵……あれは兄妹たちの新兵器だ。間違いない。
 人型の整体兵器を量産しているのだ。おのれ、奴らに人の心はないのか!」

 戦車の中で歯を食いしばるロンメルは、猟兵たちへの脅威を理解していく。
 いまや自慢の戦車軍団を70%失い、逃走を続けている。
 通常の軍隊であれば半分の戦力を失えば全滅といわれるが、ロンメルを始めとする戦車軍団の人員はすべてがオブリビオンである。
 補給や兵站を考慮する必要が無く、ただ戦闘にのみ機能を集中させることができる。
 最低限の戦力、二割の戦車軍団が残ってさえいれば、付近のレイダーを強制徴用して再編成することはできると、ロンメルは信じていた。

 そう。まだ、二割残せると信じていた。

「この経験を活かし、次に備えて……」
「ロ、ロンメル様……前方に、また……」
「ハッ。今度はなんだ? 小さな子どもか? ローブを来た魔法使いか?
 二足歩行の動物が出てきても驚かんぞ。全軍直ちに」

 転進の指示を出す前に、ロンメルは見てしまった。
 空を覆うグリフォンの翼の翼を生やした悪魔の軍勢を。
 地平線を覆いつくす、無数の銀髪幼女の軍勢を。
 それらを伴う、機械の騎士と人型のロボット、空を飛ぶ巨大な戦艦を。

「オー、マイ、ゴット」

 さすがに、ロンメルも神に祈りをささげた。

●横陣・承

 時は少し遡り。
 遠くで猟兵たちと戦っている戦車軍団を見つめて、猟兵たちが作戦を立てていた。

「ご主人サマ! 同時殲滅ならもうあれしかないよ!!」
「だーっ! くそがっ! やれってのか……!」

 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)とその相棒『メルクリウス』は、名案があると張り切っている。
 歴戦の猟兵である二人にとっては、地上を走る戦車への対処法はすでに構築されているのだろう。和気藹々と語らっている。

「随分お堅い指揮官さんね。
 その石頭、御自慢の戦車でお手玉をされても落ち着いて指揮していられるのかしら?」
「もしや、オブリビオン・ストームによる文明崩壊後に骸の海から蘇ったことで、
 今まで対等以上の敵手との交戦経験が兄弟以外無かったのが視野狭窄の原因……?」

 卜一・アンリ(今も帰らぬ大正桜のアリス・f23623)とトリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)は、ロンメルの指揮能力について検討し話し合っていた。
 戦いを前にして余裕のある様子だが、カシムとメルシーの作戦を聞いたアンリとトリテレイアは、それなら勝てると確信していた。
 注意すべきは、油断による被害を被ることと、敵を取りこぼすことだけだ。

「何にせよ、アポカリプスヘルの人々の為、私達の脅威を正しく認識した状態で逃がすわけにはいきません。ロンメルに雪辱戦の機会など与えはしません」
「そうね。ここでしっかりと全滅させておきましょう」
「おっと。お二人ともー、戦車軍団が動きますよー! 作戦通り先回りしましょう!」

 残存戦力を引き連れて逃亡を開始するロンメルの戦車軍団の後を、カシムの盗賊魔術を駆使して気づかれないように移動を開始する。
 光学迷彩と風操作による音の遮断により、ロンメルたちに気づかれることなくベストポジションにつき、猟兵たちは作戦を開始した。

「さて、と……今から地獄の門が開かれますが、お気になさらず」
「「お祭りの門だよ☆ ヒャッハー☆」」

 現れたのは、《対軍撃滅機構『戦争と死の神』》。
 カシムと同等の戦闘力を有する幼女姿のメルシーが、1130師団。
 人数にしておよそ700万体から2200万体の……正確に数えることがもはやできない。無数の銀髪幼女の軍勢であった!
 幼女メルシーたちは、カシムを依り代として戦場に召喚される。
 ゆえに、カシムはこの場で隠れて見送る立場だ。

「あとは任せた、しっかり働けよ?」
「「はーい☆ いっくぞー☆ おー☆」」

 幼女たちは小型化したキャバリア武装を掲げ、群れを成して駆け出していく。
 その様に圧倒されることなく、アンリとトリテレイアも準備を整えた。

「行くわよ、牡丹。来なさい、フォカロル!」
「我々は運ぶだけ。他を傷つけるとすれば」
「それは私の罪! 承知していてよ!」

 アンリは霊力機関搭載古代キャバリア『牡丹』の肩に乗り、悪魔『フォカロル』の分身を呼び出す。
 その数、103体。風と水を支配する魔獣の翼を生やし、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を有する。
 自分以外にも他の物体に魔術を施すのも可能であり、『牡丹』にも飛翔能力を与えていた。

「行きましょう、ロシナンテ! トリテレイア・ゼロナイン、参る!」

 トリテレイアは宇宙バイクと同等の機動性備える機械白馬「『ロシナンテⅡ』を呼び出して、騎乗する。
 その様子は、白き騎士そのもの。
 『ロシナンテⅡ』のスラスターとトリテレイア自身のスラスターを併用して、高速で推力移動を行う。

 かくして。
 戦車軍団を蹂躙する戦いが始まった。

●横陣・転

 戦車軍団は数の利を失い、半ば恐慌状態に陥っていた。
 視界を埋め尽くす幼女の軍勢など、正気で見れるものではないだろう。
 それでもなお、潰走することなくロンメルの指揮に従い、戦いを続けている。
 横陣を組み、迫りくる脅威に立ち向かうべく呼吸を整えていた。

 戦車軍団への一番槍を果たしたのは、トリテレイアだ。
 接近するトリテレイアに向けて戦車軍団が砲撃を開始すると同時に、トリテレイアはユーベルコードを起動する。

「電脳禁忌剣・通常駆動機構:兵装改造『守護の花』、起動!」

 自身の持つ重質量大型シールドを、無数の花弁を支点にバリアを形成するブローディアの花びらを模ったバリアビットに変換して、幾重にも重ねて防御力を強化する。
 限界を突破したバリアで砲撃を受け止め、トリテレイアは戦車軍団の前線へと飛び込んだ。

「どうしましたか? 弾幕が薄いですよ!」

 トリテレイアは防御の役目を終えた電脳剣を、指揮棒の如く振るう。
 紫の花弁を花吹雪の竜巻の如く配置して、無数の花弁を支点にバリアのギロチンを形成する。
 極薄の切断力場を攻撃に転用して、戦車軍団の装甲を切り裂いていく。

「どうしたの、狙いがお粗末よ」

 アンリは『牡丹』と共に空を舞い、クイックドロウで放たれた砲弾を撃ち落としていく。
 戦車砲では空への攻撃は十分とは言い難いが、もしもがある。
 『フォカロル』たちや幼女たち、そして自分たちに被弾することがないよう、片っ端から弾幕を張っていく。
 トリテレイアの背後に回り込もうとした戦車を見つけては、乱れ撃って動きを封じていた。

 そして『牡丹』の役目は攻撃だ。
 『牡丹』は、生やした魔獣の翼で周囲の風を支配し、戦車をひっくり返すように宙へと浮かせて他の戦車と衝突させていく。
 ロンメルの脳裏には、開戦時にボーリングの玉にされた戦車軍団がよぎっていた。

 トリテレイアの地上からの蹂躙、アンリの上空からの攪乱。
 どちらも、ロンメルの常識を打ち破る脅威であった。
 陣形は崩壊し、散漫とした反撃もままならない。
 ロンメルが、敗北を理解するには十分な戦力であった。

 だが、それでも。

「いただきまーす☆」「わーすごいねー☆」「かっこいー☆ メルにちょうだーい☆」

 無数の幼女に集られて戦車軍団が物理的に解体されるというのは、果たして誰が想定できるのだろうか。
 空を浮かぶ戦艦からは超高熱の熱線が降り注ぎ、戦車軍団の退路を断っている。
 戦うことも逃げることも叶わず、鎌剣によって切断され、分解され、戦車軍団はそのすべてを剥ぎ取られていく。
 幼女たちに略奪の限りを尽くされていく部下を、ロンメルは絶望と共に眺めていた。

●横陣・結

 戦いが終わり。
 いくつかの戦車は鹵獲され、搭乗員は全員討たれていた。
 残されたのは、軍人宰相『ロンメル・ヴォーテックス』の指揮車両のみ。
 地上に降りたアンリと、『ロシナンテⅡ』から降りたトリテレイアが囲む。

「出ては来ない、のね」
「……私が開きましょう」

 トリテレイアが警戒しながら、戦車のハッチを切り開く。
 中を覗き込めば、虚無の表情を浮かべ、息絶えたロンメルが座っている。
 その目に光はなく、手に握られた瓶から毒を服用したことが察せられる。

「潔しとは言いません。
 将たる者、部下を率いて戦ったのならば最後まで戦い抜くべきでしょう」

 ロンメル・ヴォーテックスは、思い違いをしていたのだろう。
 彼の尊敬する元帥が自害した理由を考えることなく、上辺だけを模倣して安易に死に逃げたのだ。
 たとえ戦車軍団か壊滅しようとも戦い続ける意思を持っていれば、あるいは……。

「「ヒャッハー☆ 分捕りだよー☆」」「「ご主人サマ褒めてくれるかなー☆」」

 いや。それはあまりにも酷な話かもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年09月07日


挿絵イラスト