アポカリプス・ランページ⑦~ロンメルさんは非科学がお嫌
●その男、徹底した現実主義につき
男、ロンメル・ヴォーテックスはクソでかいため息をついていた。
「異世界からきた猟兵?そんな奴いる訳がなかろう」
いるんだよなあこれが……ただ彼がそれを信じていないだけで。
兄妹同士による世界の覇権をかけた戦いに忙しい中、兄妹たちの頭でも狂ったのかというような言動を思い出して肩を竦める。
まさか禄に嘘も吐けぬ程度の連中であったのかと少し頭が痛くなる思いであった。
差し向けた刺客をカモフラージュするならもっとマシな嘘を吐け、と……。
いやあ、本当なんですよ?貴方が信じてないだけで。
「まあ、見ていろ。兄妹共が差し向けた刺客は、戦車軍団で完膚無きまでに粉砕してくれる」
――そして。兄妹の争いを制した渡しが、世界の王として君臨するのだ!
近づきつつ野望への一歩を踏み出すべく、ロンメルは自らの最強と信じて疑わぬ戦車軍団に出撃の号令をかけたのであった。
●事実を嘘と断じるということは
「最早ここまでくると現実主義というより現実逃避にも近い気がしますね」
終夜・日明(終わりの夜明けの先導者・f28722)は予兆の内容を見てそう一言。
すげ―――――ばっさり切り捨てたぞこのグリモア猟兵。
「と、それはさておき本題ですが。
皆さんのおかげでストレイト・ロードの追加舗装が完了しまして、新たな戦場への道が開けました。
次なる戦場は旧ロズウェル付近――『軍人宰相』ロンメル・ヴォーテックスが支配するロンメル起動陸軍基地になります」
ロンメル・ヴォーテックスは特定の地域に拠点を置かず、自慢の戦車軍団とやらを動く拠点としている。
故に旧ロズウェル付近に存在している軍事施設等はほとんど手つかずの状態で廃棄されているそうだ。
これらや付近の拠点から集めた車両群、旧ロズウェル付近の地形そのものを片っ端から利用して上手く攻め入ればあっという間に敵将の懐に飛び込むことも可能であろう。
「幸い、ロンメル本人は対して強くありません。頭が随分と回るようですが、それを上回る知略で奇襲を仕掛けるなり、戦車軍団を無力化してしまえばほぼほぼ丸腰も同然になるでしょう。
車両についてはバス型の巨大な物がいくつか近隣の拠点に存在しているようです。武装搭載も可能なようですし、拠点の方々に交渉すれば貸してもらうことは可能かと」
とどのつまり、上手いこと親玉を孤立させてフルボッコしろ、という回答だけは単純明快な戦いになるワケである。
「……ぶっちゃけますと、頭は回るようですが大分視野狭窄な様子ですしきっと目の前でガチの怪奇現象超常現象的なことを目の当たりにしたら多分思考追いつかなくなってあっさりいける気がするんですよね」
この少年兵士、あまりにもぶっちゃけすぎである。
「というワケで、あまり頭を使うのが得意でなくてもそういったものを使えば油断を誘って一気に一網打尽にすることは不可能ではないのではないかと僕は思っています。
勝てば官軍と言いますし、皆さんの自由な発想で敵の理論的で緻密な戦略をブチ壊して頂けたらと思いますのでよろしくお願いしますね」
まあ、頭を使うのが得意でない者でも大丈夫であると言いたいのは伝わった……かもしれないし、そうじゃないかもしれない。
猟兵諸兄の多彩な発想で、ロンメル率いる最強戦車軍団を打ち破れ――!
御巫咲絢
※このシナリオはトンチキな発想も大歓迎するシナリオです。
こんにちはこんばんはあるいはおはようございます、初めましての方は初めまして御巫咲絢です。
シナリオ閲覧ありがとうございます!御巫のシナリオが初めての方はお手数ですがMSページもご一読くださると幸いです。
戦争シナリオ2本目をお届けします。
今回もまたこんな感じでトンチキ容認シナリオもぽつぽつ出していきますのでよろしくお願いします(?)。
そこまで嘘ってばっさり言うなら見せてやろうじゃない、という気概で皆さんの多彩な発想、奇抜な発想をお待ち致しております!
ただ文章力が追いつかなかったらごめんなさい。先に謝罪しておきます。
●シナリオについて
当シナリオは『戦争シナリオ』です。
一章で完結し『アポカリプス・ランページ』の戦況に影響を及ぼすことのできるシナリオとなっています。
また、このシナリオには以下のプレイングボーナスが存在しています。
●プレイングボーナス
知略で戦車軍団を排除する。
また、当シナリオに限り追加プレイングボーナスとして「非科学的超常現象で洗車軍団を排除する」も追加させて頂きます。
大層な文字列ですがようはロンメル視点で非科学的だとしか言えないことであれば何でもオッケーです。魔術とかも全然アリです。
●プレイング受付について
『9/5(日)8:31』から受付を開始し、締切は『クリアに必要な🔵の数に達するまで』とさせて頂きます。
冒険シナリオの為🔵が少ない都合、こちらのシナリオの最低ご案内人数は『4名様』とさせて頂き、それ以降は不採用になる場合がございます。
予めご了承の上プレイングをご投函頂きますようお願い致します。
それでは皆様の自由な発想知略戦略超常現象なんでもござれなプレイングをお待ち致しております!
第1章 冒険
『VSウォーゲーム』
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POW : 敵の予想を上回るパワーで攻撃する
SPD : 身を隠して移動し、奇襲を仕掛ける
WIZ : 知略で敵を誘導し、釘付けにする
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
黒木・摩那
軍略には長けているというロンメル・ヴォーテックスですが、頭が硬すぎるということです。戦場は臨機応変。それにも柔軟に対応しないといけないはずなのですが。
しかし、おかげで付け入るスキがあります。
奇襲して、一気に攻め込みましょう。
まずはロンメルへの道をドローン『マリオネット』で確認して。
次は戦車軍団にマジカルボード『アキレウス』で突撃。
行く手を阻む戦車をUC【胡蝶天翔】で黒蝶に変換。
センサーを妨害する黒蝶を煙幕代わりにして、ロンメルのもとに向かいます。
近くまで来たら、魔法剣『緋月絢爛』でロンメルを【衝撃波】&【なぎ払い】ます。
●埒外現象レポート ①無機物黒蝶化の巻
黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は考える。
ロンメル・ヴォーテックスは軍略に長けているという、が。
「頭が硬すぎるということですね。戦場は臨機応変、それにも柔軟に対応しないといけないハズなのですが」
それにしては色々と超常現象を認めなさすぎである。
逆に言えば彼女ら猟兵の実力を過小評価していることの示唆に他ならない。
故に、そのおかげで付け入る隙があちこちにあるようなものだ。
「ここは奇襲して一気に攻め込みましょう」
早速摩那は索敵ドローン『マリオネット』を飛ばし、戦場の地形を把握すべく情報を集める。
『マリオネット』は各種センサーを備えた上、高いステルス性を保有している。いかにロンメル率いる戦車軍団のセンサーであろうとそう簡単に見つかることはない。
それのカメラとセンサーが捉えたデータを随時スマートグラス『ガリレオ』と同期、データの統計からロンメルの懐に飛び込む為の最適ルートを割り出す。
「ふむふむ。今ここから一気に滑っていく感じでよさそうですね」
丁度摩那は現在戦車軍団から少しばかり離れた崖の上から様子を伺っている。
『マリオネット』が撮影した映像によると対空装備は然程強くはなさそうだ。
摩那は次に愛用のマジカルボード『アキレウス』に乗り、崖から一気に滑り降りる!
「ぬっ!?敵襲!敵襲――な、何だあれはッ!?」
戦車軍団の一兵卒共は混乱していた。
まあそりゃそうだ、どう見ても良くてスノーボードにしか見えないものに乗った女性が単騎で突撃してくるのだから、思わず二度見するのは当然である。
「お、女か!?いやあの乗り物はなんだッ!?」
「ええい、撃て!撃て!!」
放たれる大砲、しかしその程度軌道を見切ることは造作もない。華麗にバク転するが如く回避し、摩那はユーベルコードで反撃に出る――!
「"天に漂いし精霊よ。物に宿りて我に従え。姿さずけよ”」
【胡蝶天翔(パピヨン・ノワール)】の詠唱が次弾の装填をしようとしていた戦車たち、半径にして摩那から112m範囲内の全てを黒い蝶の群れへと変化させた。
黒い蝶たちには各種センサーを妨害するジャミング能力も備わっており、現実主義でありセンサー等といった科学的根拠由来の備えしかないロンメルの戦車軍団にはまさに相性抜群のユーベルコードであろう。
それを煙幕代わりに摩那は真っ直ぐにロンメルの乗る戦車へと突っ込んでいく――!
「宰相!敵襲です!」
「何!?何故今になるまで気づかなかった!」
「そ、それが……何か黒い竜巻のようなものが……いや、あれは……蝶!?」
「蝶、だとォッ!?」
そんなバカなことがあるものか、そう言ってロンメルは乱暴にスコープを奪い外を見やる。
――そこには確かに、竜巻と見紛う程の大量の黒い蝶の群れがこちらに向かってきている信じ難い光景。
ロンメルは一度眉間を抑え、目の疲れを取ってから再びスコープから覗く……が、当然蝶なのは変わりない。
「な、何故こんな数の蝶が突然……」
「さ、宰相!友軍機の反応が消失しました!」
「何ィッ!?そんなバカな!どこで爆撃を受けた!!」
「い、いえ、それが――」
部下の報告を受けるよりも早く、ロンメルは自慢の戦車軍団の象徴である戦車が黒い蝶の群れに変貌するのを目の当たりにし、絶句。
「ば、バカな……こんな、こんなことがあるワケが……!兄妹たちめ、一体どんな刺客を呼ん――」
その刹那、ロンメルの足元が急に消えたかのような浮遊感に襲われ部下共々地面に叩きつけられる。
「な、な、な……!?せ、戦車が……!?」
どれだけ辺りを見回しても戦車の姿はなく、あるのは絶えず羽ばたき続ける黒い蝶の群れ。
そして目と鼻の先にはこの黒い蝶を出現させた張本人である摩那が剣を構えていた――!
「ロンメル・ヴォーテックス、覚悟!」
魔法剣『緋月絢爛』の放った斬撃が、確かに敵将を捉えた――!
成功
🔵🔵🔴
柊・はとり
こいつひょっとしてデッドマンの存在知らないんじゃね
まあそう言うならガチの怪奇現象を見せてやるよ
UC【第六の殺人】
ロンメルに恨みある奴は全員出てこい
死ぬほどビビらせて間抜け面拝んでやろうぜ
まず被害者達の亡霊を
敵軍にもはっきり見えるようにしてやろう
殺した人間の顔なんか覚えちゃいないだろうが
幾ら攻撃しても霊体には当たらないぜ
さあ幽霊以外にどう解釈する?
闇と炎属性の人魂を飛ばし
俺も裏方として殺気と冷たい風を放つ
ゾワゾワくる雰囲気を演出したら
いよいよ殺人トリックのお披露目だ
ポルターガイストって知ってるか?
ロンメル所有の車や戦車を空中浮遊させ
暫く動かしたら奴に纏めて叩きつける
種も仕掛けもない…霊的な暴力だ
●埒外現象レポート② 霊的現象オンパレード
「……こいつ、ひょっとしてデッドマンの存在知らないんじゃね」
柊・はとり(死に損ないのニケ・f25213)は訝しんだ。
……デッドマン、アポカリプスヘル出身が多いんですけどね。
というか、デッドマンでなくとも割とゾンビが屯していることもあるのに知らないというのは一体どんな情報制限をかけているのかとも思ってしまう。
「まあ、そう言うならガチの怪奇現象を見せてやるよ。
――ロンメルに恨みある奴は全員出てこい」
ユーベルコード【第六の殺人『墓場村』】。
『白雪坂のホームズ』と謳われた『名探偵・柊はとり』としての誇りを代償として支払うことで、事件の被害者や死んだ犯人の亡霊を呼び出すことができる。
これを用いて、今までロンメルに殺された者たちの全員を一時的に現世に呼び戻したのである。
もちろん宣言通り、全員だ。元よりヴォーテックス一族により理不尽に命を奪われた者は少なくないワケであり、相当の人数の亡霊たちがはとりの前にその姿を現す。
“ロンメル……ロンメル・ヴォーテックス!奴だけは殺す……!”
“許さない!決して許すものか!家族も何もかもあいつに奪われたんだ!!”
“あいつに恨みをぶつけられるのか!?私は何をしたらいい、教えてくれ!”
次々と飛び出す恨みの言葉から、どれだけ残酷な仕打ちを受けてきたのかは嫌でも理解できる。
故に尚更奴にぶつけるには最適だとはとりは確信した。
「よし……死ぬほどビビらせて間抜け面拝んでやろうぜ」
はとりのその言葉に、亡霊たちは腕と鬨の声を上げて応えた。
◆
「敵襲!その数は200を有に越えていると思われます!」
「武装の類は?」
「今の所見受けられません!」
「ふん、ならば羽虫程度よ。砲撃用意、一気に殲滅しろ」
亡霊が出たとも知らず、ロンメルは淡々と部下に指示を出し砲台が一斉に新たに出現した軍勢へと向けられる。
「ん?あの顔……いや、気のせいか」
首を傾げながらも命令通りのタイミングで撃たねばロンメルの機嫌を損ねてしまうと、一兵卒たちは着々と発射準備に備える。
“奴らめ……我らの顔を忘れるとは……!”
「殺した人間の顔なんか覚えちゃいないだろうなとは思ったさ」
そう、いつの時代であろうと殺しであろうと何であろうと、した側はされた側のことを微塵も覚えてなどいないものだ。
……しかし、だからこそ死ぬほど驚かせることができるというもの。
はとりは裏で用意をしながら亡霊たちの軍勢にその大砲が放たれるのを淡々と待ち続ける。
先に先手を許していなければ、奴に非科学的存在であることを知らしめることができない。
それにどの道――霊体に火薬の詰まった弾丸など通じはしないのだ。
ロンメルの戦車軍団、その砲台が一斉に火を噴き、亡霊へと飛んでいき――そして当然すぅ、とすり抜けて後ろの地形を爆破し破壊するだけに終わった。
「なっ……!?」
ロンメルが驚愕の声を上げる。にわかに信じ難いことが目の前で起こっていることを認められず、部下に状況の確認を命ずるが返ってくる答えはどれも同じであった。
「だ、弾丸効きません!まるで壁をすり抜けるかのようです!」
「バカな!?実弾の利かない生物などいるものか!!」
「で、ですが宰相!よく見ると奴ら、足がないようで――」
「ええい黙れ!そんなこと有り得るワケがなかろう!!次弾装填用意!」
動揺する部下たちを抑え込み、ロンメルの戦車軍団は再び発砲。
もちろん再びすり抜けて無駄に地形が破壊されるだけに終わった。
「幾ら攻撃しても霊体には当たらないぜ。
さあ――幽霊以外にどう解釈する?……尤も、意地でも認めたがらなさそうだがな」
亡霊の軍勢が進軍を始め、それに合わせてはとりも裏方として用意した演出を披露する。
紫黒と赤白、闇と炎の属性をそれぞれ宿した人魂を軍勢の進軍に合わせて飛ばしながら、殺気と冷たい風を加えて放つ。
それだけで戦場は一気に混乱の渦に呑み込まれていく――
「なっ、何だこれは!」
「ひっ……よ、よく見たらこいつら腕が変な方向に!?」
「こ、こいつら人間じゃない!ひぃっ!!」
眼前でその恐怖を目の当たりにした一兵卒共。
殺気と冷風を受けてより錯乱し、逃げるように戦車を撤退させ始めていく。
「貴様ら!私の指示なく戦線を下げるとは何事だ!!」
「む、無理です宰相!弾丸も機関銃も通用しません!あいつら人間じゃあ――ひぃいいいいっ!?」
「おい!?どうした、何、が――……ッ!?」
ロンメルは我が目を疑った。
こちらにまで下がってきていた戦車が急に宙に浮いたのだ。
当然一台だけではなく、二台、三台、四台……次々と浮かび上がっては空中をふよふよと浮いて回る。
「……ポルターガイストって知ってるか?」
ポルターガイスト現象。特定の場所において、誰一人として手を触れていないのに物体の移動や物音の発生、発光等が繰り返し起こるとされる超常現象。
オブリビオン・ストームにより文明が崩壊し荒廃したアポカリプスヘルの住人でも、その名称は聞いたことがある可能性は高い。
いくら非科学的なことを認めないロンメルであってもその単語ぐらいは耳にしたことがあり、それが今目の前で起こっているという事実を目の当たりにしたのだ。
「……い、いや、そんなことあるワケがない!あるハズが……!」
“あるんだよなァ?”
後ろからぞっとするような声と共に寒気を感じる。
ロンメルの真後ろには、先程報告が入った足のない、身体が変な方向に捻じ曲がった人間――亡霊であるが、頑なに彼が認めようとしないならこう記述するよりないだろう――が立っていた。
ああ、もし幽霊だと存在を認めていれば、こうしてすり抜けて内部に侵入することも想定できたであろうに。
「……まあ、仮に気づいて備えようとしたってもう後の祭りだけどな」
亡霊たちが戦車を次々に浮かせて好き勝手に動かしているのを後方から見ながら、はとりはぽつりと呟いた。
ロンメルとの距離はあるし、彼がここまで考えているであろうことを推測しての一言。
もちろん、たまたまそれが現在の奴の思考と一致していたという事実も流石に知る由はない……知りようがない。
だが、このような恐慌状態に陥っても尚認めたがらない者の思考回路というものは単純で、推測することは非常に容易だったというだけだ。
「種も仕掛けもない……霊的な暴力だ」
宙に浮かんだ戦車たちが一斉にロンメルの乗っているであろう戦車に叩きつけられる光景を見ながら、はとりはまた呟く。
亡霊たちは次々と戦場を駆け回り、ポルターガイスト現象を引き起こして戦車軍団を恐怖に陥れる光景を淡々と見つめながら。
……尚これは余談であるが、はとりに協力した亡霊たちは霊界に戻る際にすっきりしたような顔を浮かべて帰っていったそうな。
成功
🔵🔵🔴
尖晶・十紀
アドリブ連携可
刺客というのはあながち間違ってないかもね…そういや遺伝子改造と呪術の融合な十紀は科学と非科学どっちにカテゴライズされるのかな、興味ないけど
超常現象…というかビックリ人間ショーで驚かせるなら【UC】が一番かな?将を射んとすれば。戦車の燃料部に当て炎上、爆破させて討つ。軍団というくらいだしある程度は密集してるはず、なるべく沢山巻き込んで蹂躙したいね
相手の砲弾を野球っぽく鉄パイプで武器受けし打ち返すのも度肝抜けるかも。これは純然たる十紀自身の怪力……つまり規模は兎も角原理は十分科学で説明つくんだけど…流石にこれは信じる、よね?
●埒外現象レポート③ 蛍火サヨナラホームラン
「刺客というのはあながち間違ってないかもね……」
事実、ヴォーテックス・シティ等に潜入する際に刺客を装ったことはあり、ロンメルがそう決めつけてきてもそれはまあ当然ではある。
ただあんまりにもその、実際にユーベルコードとか使ってるのとか結構目撃されてるだろうし認めたがらないのは現実逃避と言われても誰も反論できないんですね。
「……そういや遺伝子改造と呪術の融合な十紀は科学と非科学どっちにカテゴライズされるのかな」
興味ないけど――と、付け加えながらも。
尖晶・十紀(クリムゾン・ファイアリービート・f24470)はフラスコチャイルドであり、彼女が生まれるきっかけとなった計画はそれはもうおぞましいものであった。
【蠱毒】計画……その名が何を意味するかは言わずとも理解できよう。彼女を構成しているのは姉妹たちの力と怨嗟全てが詰まった混沌と猛毒、呪詛――それらが一つに固まったもの。本人が言う通りの遺伝子改造と呪術のハイブリッド体、それが十紀である。
……うーん、ロンメルさん的にはフラスコチャイルドってとこしか認めなさそうな気がしますね、とだけ言っておきましょうか。興味ないって言ったけど。
「さて、超常現象……というか、ビックリ人間ショーで驚かせるなら【UC】が一番かな?」
将を射んとすればまず馬を射よ。
アポカリプスヘルでもその言葉はきっと多くの国の言葉に訳されて人々に伝わっていたであろうなら、ロンメルももしかしたら耳にしたことがあるかもしれない。
しかし、きっと自らがまさにそれに遭うとはきっと奴本人は思いもしていないだろう……
「"ゆらゆらと、燃やせ、舞い踊れ、ゆらゆらと”」
十紀のユーベルコード【紅弾:蛍火・陽炎之舞(ブラッドバレット・ホタルビカゲロウノマイ)】にて放たれた浮雲流しに合わせ舞う蛍火が戦場を覆い尽くす。
「な、何だあれは―――ぎゃああああああああッ!?」
突然発生した現象に戦車軍団を駆る兵士たちは備える暇もなく唐突な爆音と炎上に巻き込まれる。
種も仕掛けももちろんある。数にして515もある蛍火が戦車の燃料部に触れ爆発を引き起こしたという至極単純な原因だ。
ただ、その炎が起こっていることがロンメルからしたら非科学的にも程があり、にわかに信じ難いというだけで。
「で、伝令!友軍機が次々に爆破!燃料部が着火したものと思われます!」
「バカな!?つい先日メンテナンスを入れたばかりのモノが不調に陥ったとでも言うのか!」
「そ、それが、戦場に謎の火が次々と……!」
「ええいさっきから有りえんことばかり言いおって!!」
いやだから貴方が信じてないだけですって。
そうしている間にも十紀による蛍火が戦車の燃料部に着火し、派手に爆発の繰り返し。
元々軍団なだけあってある程度密集しており、そこの中心から一気に着火してしまえばそれだけでかなりの被害を被ることになるだろう。
そこに突然爆発する恐怖に怯えた兵士たちが錯乱して逃げようとすれはする程被害は取り返しのつかぬ程甚大なものになっていた。
「ええい貴様ら!!それでも軍人かッ!!」
ロンメルは部下たちの情けない姿に怒号を飛ばす。
たかだか禄に嘘も吐けぬ兄妹如きの刺客にやられるなどあってはならないと、自らが砲手に着き始める。
「どのような攻撃も必ず元凶が存在する!それが一人であるならば叩けばいいだけのことよ……!」
スコープから注意深く戦場を見渡し――蛍火を舞わせる一人の少女を捉えた。
にやり、とロンメルは勝利を確信する。
……それがあまりにも尚早すぎる判断であることにも気づかないままに。
「それ見たことか、敵兵が火薬を用いて攻撃しているだけではないか!これしきのことで音を上げおって……!見ていろ、今に吹き飛ばしてやる……!」
そうして放たれたロンメル渾身の一射。確実に十紀をターゲッティングした上での砲撃であり、並大抵の人間ならばこれを避ける術は当然なかろう。
――と、勝ちを確信して疑わなかったその直後。
「」
ロンメルは絶句した。
確かに弾は正確に十紀へと向けられた。一直線に飛んでいった。
だが十紀はそれを至極冷静に受け止め、鉄パイプを手にバッターの構えをしたかと思うとかっき――――――――ん!!と気持ちの良い音を立てて打ち返しサヨナラホームランをキメたのである!!
「 … … … … 」
戦車軍団の生き残り兵士たちも口をぽかーんと開けてそれを見やる。
全員が全員絶句している様はある意味笑いを誘わなくもない光景であるが、そうして見ていたら当然撃ち返した弾がひゅーるるるると落ちていくのもすっかり頭からすっぽ抜けてしまい……
\どっか―――――――――ん/
それはもうギャグアニメよろしくでかいドクロのような雲がもくもくと空に上がっていった。
「……規模は兎も角、原理は十分科学で説明つくんだけど……
――流石にこれは信じる、よね?」
これで信じないのであれば完全な現実逃避と言うより他にないし敵がそこまでバカだとは思いたくないので、信じてくれることを少しだけ祈りながら雲を見上げる十紀であった……
成功
🔵🔵🔴
スキアファール・イリャルギ
ほう、非科学的なことがお嫌い?
怪奇人間に喧嘩売ってますねぇこの人(にっこり)
いいでしょう、影人間の恐ろしさを見せてやります
私自身は物陰に隠れて存在感をがっつり消して……
まず霊障で付近の物をびゅんびゅん飛ばします、ポルターガイスト現象みたいね
次にグレムリン効果も起こしましょう、戦車は所詮機械ですからねぇ
そしてUCで範囲内の無機物を片っ端から"影"に変えて敵を襲うんです
もうそりゃ大群で、属性攻撃の火や雷、呪詛をぶちまけつつ取り付く感じで
大将はスプーキーシャドウでぺちっと(雑)
……ぶっちゃけユーベルコードとかオブリビオンって
全部非科学的なものだと思うんですけどどうなんでしょう?(素朴な疑問)
●超常現象レポート④ スプーキーシャドウとグレムリン
「ほう、非科学的なことがお嫌い?怪奇人間に喧嘩売ってますねぇこの人」
スキアファール・イリャルギ(抹月批風・f23882)はそれはもうにっこりとした笑顔を浮かべた。
彼の種族は怪奇人間。そう、怪奇人間である。
つまり、ロンメルの発言はスキアファールを始め全怪奇人間の存在否定に他ならない。そんなことのたまいやがったからには相応の覚悟があるということだろう。
ならば度肝を抜きに行くしかあるまいと、今彼はめちゃくちゃやる気に満ちていた――!
「いいでしょう、影人間の恐ろしさを見せてやります」
にっこりとした笑顔を浮かべたまま、スキアファールは物陰に隠れて自らの気配を完全に殺し――霊障で適当なところに転がった破損した戦車のパーツを持ち上げた。
「う、うわああああ!何もしていないのに浮いたッ!?な、何だこれはッ!?!?」
結果、早速ロンメルの戦車軍団は阿鼻叫喚である。
(敵側視点で)何もしてないのに浮いてあちこちにひゅんひゅん飛んでいっては戦車にぶつかっていく戦車の破片やら大岩やらに既に大混乱の有様。
「ただかだか物が飛んでぐるぐらい何を叫ぶ!!撃て!」
「せ、センサーに反応がなくてどこを撃てば……うわっ!?」
センサーがザザザ、ピーと音を上げたかと思ったらぼすん!と音を立てて煙を上げる。
明らかに内側の回路が完全に逝ったような音にロンメルは思わず耳を疑った。
「ば、バカな!?何が起きた!」
「わ、わかりません!メンテナンスでも問題は検出されなかったハズなのです、が――」
瞬間、無線機がザザザザっと砂嵐の音を流したかと思うとピィ――――――――!!とそれはそれはもう耳に痛い音を上げ、戦車内の全員が思わず耳を抑えてうずくまった。
\ピィ―――――――ヒョ――――ロロロロロロ/
「な、何だこの音は!?」
「わ、わかりませ……め、メッセージ受信!?こんな時に!?」
ガガガガガと音を立てて送られてくるメッセージ。
アポカリプスヘルに果たしてFAXというものはまだ生きているのだろうかとかそんなことはさておき、そうして届いたメッセージは。
『逃 ガ さ ナ I』
――と、犯行予告状のように新聞から様々な文体の文字を切り取って貼り付けたかのようなものであった。ついでに何か血が滲んだような痕っぽい黒い何かもついてきた。
「誰だこんな遊びをしている奴はァ!!!!」
ロンメルは激昂しながらこんな時にFAXなんぞを送りつけてきた奴を探すが、部下たち全員はそんなことしていないの一点張り。
「(戦車は所詮機械ですからねぇ)」
一方スキアファールは戦場の混乱ぶりを物陰から見てそう独りごちていた。
俗に言うグレムリン効果という奴である。
グレムリン効果で勝手にFAX送られるとかあるのかって?グレムリンならやるんじゃない?
遠くから見た感じ中々良い感じに敵は混乱しているようなので追い打ちをかけるかとスキアファールは物陰から出てユーベルコードを使用する。
「――”伝染(うつ)れ 伝染(うつ)せ”」
【Ainsel(インフェクション)】。
スキアファールの半径105m以内の無機物を全て自らの怪奇と同じ影にし五感を共有することができる――そして、戦車は当然無機物である。
つまり、戦車に乗ってた兵士共は……
「う、うわああああああああああ!?何だこれ、ひぃっ、た、たすけ、あ゛あああああああああああああ!!!!!」
当然悲鳴を上げて一目散に戦場から逃げ出していくのである。
いきなり乗っていたものが影に呑まれ、それがまるで自分たちが見えているかのような空気を放っていれば本能的に恐れないワケがないのだ。
「な、な、な……ッ!?」
ロンメルはその(彼視点で)おぞましい光景に空いた口が塞がらない。
「……き、貴様ら!!それでも誇り高きロンメル戦車軍団か!!戦え!!!戦うのだ!!!」
先程から尽くあるワケないと断じていた非科学的現象が次々起きているのだが、それを認めてしまいたくないのか首をぶんぶんと振るって兵士たちに撃を飛ばす。
が、兵士たちは既に恐怖の方が勝っている始末。
「ええい貴様ら、たかがこれ如きに何を恐――」
瞬間、ぞわぞわとした寒気が奔る。そう、まるで後ろから自分の頭を掴まれているかのような。
「 ―― !!!!」
ロンメルの乗っていた戦車が黒く染まり形を成さなくなっていく。
そう、兵士たちを抑えるのに必死こいていて接近されていることに気づかなかったのだ。
視野狭窄というものはは片方に気が逸れることで簡単に陥るものであり、指揮官がそれに陥った軍に勝利があるかと言われると、当然否である。
派手に尻餅をついたロンメルの眼前には自分など簡単に覆えてしまいそうな程のスプーキーシャドウが陽の光を遮っており―――
\ぺちーん/
「ブゲラッ」
至ってシンプルなぶっ叩きによりロンメルはそのまま地面に埋もれ、足だけ突き出す羽目になったのだった。地中版犬●家。雑に見える?気の所為だと思いますよ。
「よし」
手応えに満足したスキアファール、小さく拳を握ってガッツポーズ。
「……でもぶっちゃけ、ユーベルコードとかオブリビオンって全部非科学的なものだと思うんですけどどうなんでしょう?」
最後まで認めたがろうとしなかった辺り何か非科学にもトラウマでもあるのだろうか、はたまた。
スキアファールのそんな素朴な疑問に答える者はその場にはいなかった……でもわかるよ、どう考えても全部非科学的だよね。
骸の海は消費した時間という物質の廃棄場だからセーフなんてそんな理論は流石に適応できないと思います。はい。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第二『静かなる者』霊力使いの武士
一人称:私 冷静沈着
武器:白雪林
頭が固いのは何とも言えませんね。
しかし、こちらも自動車とか戦車とかは勉強途中で理解が及ばず、苦手なのです。
ですから…空中浮遊する陰海月に乗りまして。最初から地面に向かって【四天境地・水】を。
…戦車とか鉄の塊ですからね、湖に沈みますよね?
運転手、でしたっけ。まあ生命力吸収されるので、疲れますよ?
ロンメルに対して、白雪林からの氷雪属性霊力矢を発射。矢だと馬鹿にすると、痛い目に合いますよ。
…凍りなさい。ただただ、凍りなさい。ここであなたは終わるのです。
※
陰海月「ぷきゅう」
空飛ぶジャイアントミズクラゲ。
●超常現象レポート⑤ 空飛ぶくらげと突然の湖
「頭が固いのは何とも言えませんね」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は少しばかり眉を潜めた。
彼は四人で一人の複合型悪霊であり、戦場によって誰が表に出るかで大きく戦術が変わる。
そう、まさしくロンメルが非科学的と断じた存在そのものであり、ある意味でロンメル特効属性の持ち主と言える人物であった――(?)!
現在表に出ているのは『静かなる者』。
霊力を操ることのできる武士であり、4人の中で尤もロンメルが信じたくない能力を扱う者だろうという満場一致の結論により戦場に向かうこととなった。……のであるが。
「しかし、こちらも自動車とか戦車とかは勉強途中で理解が及ばず……」
生まれの都合近代・現代の武器や乗り物に対してはまだまだ疎い義透、真っ向から戦車と相対するには流石に頭を悩ませずにはいられない。
少なくとも生身で突撃するにはいささか難のある数だ。
……なので。
「ぷきゅう」
ふわんふわんと義透の隣にやってきたのはジャイアントくらげの陰海月。
アホみたいにでかいし空中に浮いているが種族は普通のミズクラゲらしい。ほんまか??メガリス食っとるんちゃうかこいつ???
ぷきゅぷきゅと人懐こく鳴く上に、触ればひんやりぷにぷにもちもちの触感で癒し度合いはそのでかい躯体に見合うものを備えた最強のくらげである(?)
そんな陰海月に義透はひょいっと飛び乗り、空中からダイレクトに攻め入ることにしたのだ。
「で、で、伝令ッ!伝令―ッ!!巨大なくらげがこちらに向かってきております!」
「何をバカなことを、よもや雲と勘違いしているのではあるま……い……」
ロンメルは顎が外れんばかりにあんぐりと口を開けた。
流石にアポカリプスヘルに賢い動物はいても空飛ぶジャイアントクラゲは存在しないから口を開けざるを得ないだろう。いやワンチャン突然変異ででかいくらげが海にならいるかもしれないけど。
「ぷきゅ!ぷきゅーう!」
戦車軍団が唖然と止まっているのを見て陰海月は「どーだ凄いだろー」と言わんばかりにふんすふんすとご機嫌な様子。
一方義透は至って冷静に、陰海月が指示した通りの位置にまで飛んだところで静かに長弓『白雪林』に矢を番え――
「"六出の血にて、これをなしましょう”」
ユーベルコードを発動すると同時に放った。
【四天境地・水】にて、氷雪の霊力を纏った矢が次々と『白雪林』が放たれ次々と戦車を凍らせ――るのではなく、地面に突き刺さり、その場に雪解け水を溢れさせていく。
最早そこは荒野でも平原でもなく、雪解け水に満たされた大きな湖だ。
「……戦車とか鉄の塊ですからね。湖に沈みますよね?」
Of Course.
初戦陸上戦車であり対水武器や設備などあるワケがなく、あっという間に沈みました。
基本的に火器装備なのだから当然大砲や機関銃の部類も全滅だ。
ロンメル戦車軍団はこうしてあっさりと無力化させられたのである――!
「ば、ば、バカな……!!こんな、こんなことが有り得るものか!ここに水源はなかったハズだぞ!?」
どう考えても矢から水があふれるように出てきたの見えたと思うんだけどそれでも信じない様子のロンメルであるが、急に力が抜けるかのように膝をつく。
「な、何だ……!?身体の力が抜けて……」
「う、うぐ……ダメだ、動かない……さ、宰相、お逃げください……」
【四天境地・水】で生み出された湖の水に備わった生命力吸収の効果がじわりじわりとロンメルたちの体力を削っていく。
このままこの水の中にいたらまずい、ロンメルは部下の言葉に従ったというワケではないが、指揮官が一番生存していなければならないとハッチを開けて外に出た――そして。
「が……ッ!?」
刹那、氷雪の霊力矢がその身体を射止めた。
大きく身体を仰け反らせて倒れ、生命を吸い取る雪解け水に身体を浸す。
そうなってやっと、既に巨大なくらげ眼前に迫っていたことにロンメルは気づいた。
「……凍りなさい。ただただ、凍りなさい。ここで貴方は終わるのです」
義透はただ淡々とロンメルに向けて矢を放ち、湖諸共凍らせていく。
最後までこの非科学的要因としか言うことができぬ現象を認められないのか、信じられないといった、あるいは拒絶するような表情のままロンメルは氷漬けにされていった。
大成功
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神代・凶津
怪奇現象超常現象を信じないお堅い軍人野郎が今回の相手って訳か。
こりゃ、自分の価値観でしか生きられない野郎に現実ってやつを教えてやらないとな。くっくっくっ。
「……何か楽しんでない?」
戦車軍団の前に堂々と現れるぜ。喋る仮面が現れただけでも怪奇現象な気もするが腹話術だと勝手に納得しそうだな。
じゃあ、あの軍人野郎の度肝を抜いてやろうぜ、相棒ッ!妖刀憑依ッ!
「……鬼面の大霊剣。」
仮面と刀が合体してあり得ないサイズの大霊剣になったんだ。これだけでも相手は、仰天してんじゃねえかッ!?
更に、敵の思考がフリーズしてる隙に相棒が大霊剣になった俺を横一閃で戦車軍団をなぎ払ってやるぜッ!
【アドリブ歓迎】
●超常現象レポート⑥ 大霊剣に断てぬもの無し
敵の詳細を聞かされた神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)はくっくっくと笑う。
「怪奇現象超常現象を信じないお硬い軍人野郎が今回の相手って訳か……こりゃ自分の価値観でしか生きられない野郎に現実って奴を教えてやらないとなァ。くっくっく……」
「……何か楽しんでない?」
相棒であり妹分の神代・桜はじとっとした目で凶津を見るが、全く気に留めずくっくっくと笑っている。
まあめちゃくちゃからかいがいあると思いますよ今回の敵、猟兵の存在全面否定な挙げ句あらゆる非科学現象をないと切り捨ててんだもん。
どう考えても何度かユーベルコード使ってるとこに遭遇してるハズだしそもそも非科学的だって言うならゾンビとかが存在してるのもおかしいですし。
アポカリプスヘルの成り立ちも大分否定してらっしゃいません?ってなるもんね。
まあ、つまりヒーローマスクの存在で大分ビビらせられそうなのは間違いないってことです。
◆
「敵襲!数1……い、一名……?」
「報告ははっきりと確実な数を言えと言っているだろう」
「い、いえそれが確かに女が一人目の前に現れたのですが、男の声も聞こえて、仮面が喋っているように見えて、はっきりとした数はわかr」
「バカ者が。腹話術に決まっているだろう」
「アッハイ」
ロンメルが一言で切り捨てたので部下たちは考えるのをやめた。
「聞こえるか、女!
妙に腹話術が上手いようだが、それで人数を惑わそうとしても無意味だと覚えよ!
数は我々が圧倒的に有利である、大人しく投降するのであれば命だけは助けてやらんこともない!」
「やっぱり腹話術ってことにしやがったな」
喋る仮面が現れたというだけでも大分怪奇現象なのだが、腹話術という科学的というより技術的根拠が存在している以上そう思われるような気はしていた凶津。
ただここまで即言い切っちゃうのは予想外だなー、とだけ思った。桜も「まあ、ですよね……」と呟いた。
「じゃあ……あの軍人野郎の度肝を抜いてやろうぜ、相棒ッ!」
「……ん」
桜の持つ無銘の妖刀が刀から引き抜かれ、凶津の身体はまるで骸魂を彷彿とさせるかのようなスピリット形態と化した。
そしてそれが、ユーベルコードの発動と共に同調し、同化する――!
「"妖刀憑依”ッ!!」
「……――【鬼面の大霊剣(ソードオブヒーローマスク)】」
骸魂そっくりスピリットフォームな凶津が妖刀と合体!巨大霊剣が姿を現したッ!
どれだけ巨大か、それはそれこそスーパーロボットでなくば簡単に振るうことのできぬレベルのとんでもサイズ、その刀身だけで最早天に届き貫かんばかりの勢いである。
上空から雲耀の如く振るわれてもおかしくない。
「な、な、何だあのバカでかい剣はッ!?!?」
ロンメルたち戦車軍団に戦慄走る――!
恐らく生まれてから――いや、例え一度死んで骸の海から還ってきたとしても早々見たことのないサイズであろう。そのようなものを目にしたら当然びっくり仰天待ったなしであり、それこそが凶津の狙いである。
「任せたぜ相棒ッ!思い切り派手にやっちまおうぜッ!!!」
「――ふっ!」
凶津と一体化した妖刀、そのあまりにも巨大で巨大な刀よ桜は易々と振るう。
めちゃくちゃでかいがその実は高密度の霊力で生成されている為物理的質量重量に変化はなく、いつもの感覚で振り回すだけで敵をずばっと薙ぎ払っていけるのである。
巫女服姿の女性がめちゃくちゃでかい刀を横に一薙ぎするだけで戦、車軍団の戦車たちが一気に真っ二つにされていくその光景は、あまりにも非現実的すぎてロンメルは最早口をあんぐり開けすぎて顎が外れた。
「あ、があが!あがあがあがががががッ!!(訳:ええい怯むな!女たった一人に臆する暇があるなら撃たんかッ!!)」
「さ、宰相!何と仰っているのかわかりかねます!!顎を戻してください!!」
「あがががががっ!」
「て、敵がこちらに迫ってきています!宰相、ご指示を!!」
「あーががががががががあががががががあがあがーっ!!」
顎を必死に戻しながら言ったところで兵士たちには伝わらず、統率が取れなくなったロンメル軍。
ついに指揮官の乗っている戦車にその巨大な刃が完璧に届き、ハッチが空を飛ぶ。
そして顎の外れたロンメルの目にはありえない程の巨大な妖刀をぶん回す巫女と、妖刀の鍔に刻まれた鬼面が映った――!
「びっくりしすぎて顎外れてんじゃねえか!!こいつぁ驚いたぜ!よくそんな状態で今まで戦ってこれたな」
凶津は逆に感心すら覚えた。
いやだってアポカリプスヘルも中々非科学的超常現象起きてるからね、そらびっくりだよね。
クライストみたいな兄弟がいたのに信じないっていう時点で最早才能ではなかろうか。
「あが、あががががが!!(お、おのれ……ッ!!)」
「何言ってるかわかんねぇよ!!!!!まあ顎を戻す時間は与えねえがな!いい学習になったと思いやがれッ!!」
「……覚悟」
そうして振り下ろされた一撃は荒野の果てまで届き、衝撃波がまるでモーゼの奇跡を起こしたかのような形をしていたのであった――!
大成功
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南六条・ヴィクトリア三世
(何故かバグパイプが鳴り響き、紅茶を片手に登場)
これぞ砲火前ティータイムですわ
関ケ原の戦いをご存知かしら?
勝敗を決定づけたファクターに、西軍から東軍への寝返りがあったそうですわね
つまりこうですわ(片っ端から敵戦車隊にUCの籠もった視線を浴びせ威圧)
さ、今からはわたくしが貴方がたの指揮官ですわ
敵前逃亡と裏切りを働いたらその時はわかってますわよねぇ(威圧)
え? 超常現象?
いやいやこれ生来の眼力ですわ(威圧)
わたくし、誠意(威圧)を込めてお願い致しました
最後は指揮官同士の一騎打ちが当家のしきたりですわ(威圧)
はいリングに上がる! プロレス(グラップル)ですわよ!
3ラウンド後に立ってた方が勝ちですわ!
リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【POW】
※アドリブ連携絡み歓迎、ギャグ可
…ウソ、オブリビオンのアイデンティティ無さ過ぎ…?
『自分は本物だ』的な認識阻害でもされてる?
と呆れたり考察しつつも…弄らない手はないね♡(にこり)
まずはDA45号【サーベラス】から
疑似生体機『サーベラス・ブレイド』放出
剣のわんこは元からキャバリアで背負う巨躯
ソレが敵戦車を貪り食えば喰うほど
砲撃の傷を瞬間補修しつつ益々巨大化
エサは山程あるから堪能してね♪
次は【マトリクス・メモリ】で『妖怪の発生源』生成
なんたってバズりん制作のメモリだしね
基地等の放棄された兵器を妖怪化して襲わせるっ
…その間にアタシはロンメルを探索
発見したら【ナインス・ライン】で強襲するよっ
●超常現象レポート⑦ ティータイムは砲火前する前に
「……ウソ、オブリビオンのアイデンティティ……無さ過ぎ……?」
リーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)は口元を両手で覆って目を丸くした。どっかで見たことあるようなポーズだって?気の所為だよ多分。
しかし彼女のその言動は明らかに猟兵たち全員――大分主語をでかくした表現であることをお詫び申し上げます――の思考を代弁しているものに他ならないだろう。
「『自分は本物だ』的な認識阻害でもされてる……?」
流石に生命であれば何者でも必ずイカしてやれると自負するだけの実力を持つ医者であるリーゼロッテもであっても現実逃避に近い現実主義に対する治療薬は持っていない。
呆れもするが、同時に興味も湧いて考察も色々としたくなるが、とりあえず結論としては――
「……ま、弄らない手はないね♡」
リリー先生の悪戯スイッチが入りました。
まあそりゃ元々小悪魔なお方ですからね、こんなの見たら悪戯したくなりますよ。
と、早速仕掛けてやろうかというところで――
\ドルルルルルルルルルルルルルルン♪ ドルルルルルルルルルルルルルルン♪/
\ピュ―――――――ピューロピューロピューローローロープュゥープューゥ♪/
唐突に流れる『勇敢なるスコットランド』の前奏を飾る小太鼓とバグパイプ、そして香るウバフレーバー。
そんなメントール香溢れるフルーティーな深いコクのミルクティーをが注がれたカップを片手に、南六条・ヴィクトリア三世(株式会社UAI最高経営責任者(現職)・f30664)が戦場に馳せ参じたのである。
「誰かと思ったらヴィクトリアさんじゃん。何してんの?」
「これぞ砲火前ティータイムですわ」
「なる程?せっかくだからアタシももらっていい?」
「ええどうぞ、今がシーズンですから格別ですわよ」
端から見たらめちゃくちゃ余裕ぶっこいているように見える女子二人の砲火前ティータイムだが、ただティータイムをしているワケではない。
「宰相、前方にティータイムをしている謎の人物が!」
「ティータイム……?戦場でそのような腑抜け事をするとは……」
と、こんな感じでロンメルを挑発する意味合いも兼ねているのである。多分。きっと、そう、めいびー。
「そこの指揮官!関ヶ原の戦いをご存知かしら?」
「は……?」
とか思ってたら唐突にヴィクトリアがもうとっくに紅茶を飲み終えたらしく遠くからそれはもうよく通る声でロンメルに問いかけてきた。
「セキガハラ=ウォーズ……西暦1600年にジャパンで行われた戦か」
一応おさらい程度に記述しておくと、戦国時代後期、豊臣秀吉の死後に起こった徳川家康率いる東軍が石田三成率いる西軍を破った日本史上でも有数の戦いの一つである。
しかしそれが今回何の関係があるというのか。
「勝敗を決定づけたファクターに、西軍から東軍への寝返りがあったそうですわね?」
「文献によるとヒデアキ=コバヤカワが東軍に離反、離反への備えであった武将たちも西軍より離反し、マツオ=マウンテンを下り西軍は壊乱した……だったか。だがそれがどうしたというのだ」
「つまりこういうことですわ」
ギラッ、とヴィクトリアの視線が光る!
「この株式会社UAI代表取締役社長が命じますわ。”Do it, now”」
「ピッ」
目の前で蛇に睨まれた蛙の如く固まる一部戦車隊。
その眼力の威圧たるや、それこそ心臓を今にも掴まれ潰されかねない程の恐ろしさが戦車隊の兵士たちを襲い――
「さ、今からはわたくしが貴方がたの指揮官ですわ。
――敵前逃亡と裏切りを働いたら……その時は、わかってますわよねぇ?」
「「「「「SIR,YES,SIR!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」
な、何と!戦車隊の一部が一気に反転しロンメル率いる戦車隊に向けてその砲身を向けるッ!!
そう、ヴィクトリアの眼力には無意識に友好的な行動を行わざるを得ない謎の魔力が込められているのだ――一応言うと別に抵抗してもいいけど今回はそんなメンタルがなかった連中だったんだと思います――!!
「なっ……た、たった一言で我が戦車軍団の優秀な戦士たちを手駒に、だと……!?バカな!!こんな非科学的現象があってたまるものか!!」
「え?いやいやこれ生来の眼力ですわよ」
ギラァンッとヴィクトリアの視線が再び強烈なプレッシャーを放つ!
「わたくし、誠意を込めてお願い致しました」
威圧っていう名の誠意こもった視線に真っ直ぐな兵士たちは答えざるを得なかっただけなんですよね、わかります。
その光景を見ていたリーゼロッテは口笛をひゅうと吹いて称賛した。
「流石、やるねえ♪アタシも負けてられないな……っと!」
ヴィクトリアが攻めている方向とは反対の方向からリーゼロッテは攻めるべくユーベルコードを発動。
キャバリア本来の規格を無視した超大我は兵器搭載用ハンガー『ディヴィエイト・アームズ』が開く――!
「ご飯の時間だよ、サーベラス・ブレイドっ!」
『アォ――――ン!!』
飛び出したのは刀剣武装した、『ディヴィエイト・アームズ』が内包可能なサイズ限界ギリギリまでのサイズを誇る巨大な犬。
ご飯だと言われて喜び勇んで飛び出した『サーベラス・ブレイド』はいっただっきまーす!と言わんばかりにヴィクトリアの眼力(という名のユーベルコード)の適応外の戦車たちを次々と貪り喰らう!
「うわああああああ!食われるっ、食わrぎゃあああああああ!!!!!」
悲鳴が上がるが空腹の獣がそんな声を聞くハズもなく、次々と平らげられていく戦車の群れ。
食えば食う程『サーベラス』を形成する金属製筋繊維がますます綿密になり、その体躯を巨大にする。
そんな光景が繰り広げられるだけでも敵は混乱不可避であるが、当然リーゼロッテの攻めはまだまだ終わらない。
『マトリクス・メモリ』を起動し、近隣に存在する廃棄された軍事基地の兵器を妖怪化させて襲いかからせていく!
「う、うわあああ化け物だあああ!?」
「たわけが!そんな物が存在するワケがなかろう!!敵が無線で操作しているに過ぎんだろうが!!戦え!逃げるな!!」
ロンメルが激を飛ばしても唐突な仲間の裏切りに戦車を食べる巨大な犬、妖怪化したあらゆる軍事兵器とメンタルフルボッココンボを立て続けに叩き込まれた兵士たちは完全に混乱していた。
ここでロンメルが一番混乱してない辺り腐っても指揮官ということなのだろう、多分。
「ええい、寝返ったり音を上げたり軟弱者共め!我が戦車軍団は最強ではなくてはならぬというに……操縦を代われッ!!」
ちびりそうなぐらいビビってる部下を横から蹴っ飛ばしてロンメルはそのハンドルを握――ろうとしたその時。
「!」
唐突に上空からの砲撃を受け、ロンメルの乗る戦車に大きく穴が空く。
リーゼロッテ駆る量産型重量級キャバリア『ナインス・ライン』のレーザービームが綺麗に穴を開けたのである。
「ロンメルみーっけ♡」
「ここまでのようですわねロンメル・ヴォーテックス!さあ、最後は指揮官同士の一騎打ちが当家のしきたりですわよ!!はいリングに上がる!!!」
「い、いきなり何をバカなことを!!!いいだろう!!!!!」
「ヴィクトリアさんがーんばっ♡」
リーゼロッテの応援を背に受けながら、ヴィクトリアは『ナインス・ライン』の肩部からとうっと飛び上がり戦車の上に着地!
ギラァっと先程と同じ脅威的な威圧を込めた視線をロンメルに向け、ロンメルはリングに入場ッする!!
おおーっとヴィクトリア、先制攻撃で腕ひしぎ脇固めに入ったァ――――ッ!!
「ぐわあああああああああああああッ!?ば、バカな、こんな女のどこにこんな力が、ぐ、おおおおおっ!!!」
「関節技(サブミッション)は王者の業、決められぬ関節などございませんわよ!3ラウンド後に立っていた方が勝ちですわ!!!」
「お、おのれえええええええ!!!!」
それから社長と軍人宰相によるサブミッション合戦が始まったが、この報告書が提出されている時点で結果は言うまでもないだろう。
リーゼロッテは後に「あんなに面白いプロレス初めて見たよ♪」と満足げに話していたとか。
大成功
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ライカ・ネーベルラーベ
【白岩】
「ぶふぉ」(変身した仲間たち主に野郎2名を見た第一声)
うん、ごめん…ちょっと、こう、普段とイメージが違って…
「ぶっほぉぉぉぉぉ」(耐えきれずに吹き出した声)
あー笑った笑った
死んでからこんなに笑ったの久しぶりかも
作戦としてはボスたちが全力で囮をやるから
その隙にわたしが親玉を始末するんだったよね
自前のUCでバイクを翼竜の姿に
空高く舞い上がって戦車軍団を飛び越えよう
高度が限界まで来たら一気に急降下
ロンメルの傍に降りてしまえばほぼ勝ち確定
「っていうわけで覚悟してもらうよ。お前もわたしも終わってるのは同じだ」
(自分のUC発動時に数宮さんのUCでついでに変身させられたピンクのふりふり魔法少女姿で)
ヴィゼア・パズル
【白岩】 バイクにタンデム、ダンクルは空中を泳がせ追いかけさせる【範囲攻撃・全力魔法・属性攻撃】の星脈精霊術で天候操作。暗雲連れた雷撃攻撃と地面を隆起させる2回攻撃で…… なんだ?数宮ペットなんか…まさかの再変身。大きな鍔付きの魔女風ハットに体格フィットしたワンピース。既視感ある姿に愕然。と、言う事はもしかして… ぶっ、ふぉっ、っ! ちょっ、ぶはははははは!!エスタ!…、お前エスタ…! 語彙力崩壊して爆笑してしまう 数宮もひらひら案外似合うな?良いぞ乙女ちっくでぶくく👍笑い過ぎて戦闘に支障が無いと…良いな😇(ダンクルを引き連れセクシーな魔女らしくUC使用)視界の隅にシリアス顔のライカに撃沈
数宮・多喜
【白岩】
非科学的なものは認めない、ってのはまぁ分かるんだよな。
アタシもこうならなかったら、
サイキックなんて信じもしなかっただろうし。
でも、食わず嫌いは良くないぜ?
しっかり目にもの見せてくれ……ってオイ
お前出てくるんじゃねぇよ珍獣!
オーナーもヴィゼアさんもライカさんも居るんだぞ!!
どうすんだよこの3人!?
いや確かに超常現象って意味じゃお前がうってつけだけどさぁ!?
仕方ねぇ、覚悟決めるか……
【ラジカル☆まじかる★チャームあーっぷ!!】
ちょい待ち全員変身した!?
そういや確かに他の奴変身させてたな!
アタシも動揺してるっちゃしてるけど、
ロンメルが我に戻る前に特大魔法の【範囲攻撃】で戦車軍団をブッ飛ばす!
エスタシュ・ロックドア
【白岩】
シンディーちゃんに【騎乗】
後ろにヴィゼアを乗せt
(多喜のUCにより黒ゴス系魔法少女服に身を包む、 パツキンのヅラを雑に付け鼻眼鏡グラサンをかけた羅刹の大男)
おいサイズあってねぇぞコレ
ああ、大将首は任せたぜライカ
よーし方向性はわーった
こーいうのに不思議な動物のお供はお約束だろ
っつーわけで行くぜえびせん丸(宙を泳ぐ10m級シャチ「キュイキュイ」)
『羅刹旋風』発動 【怪力】で鬼棍b マジカルステッキ燧石振り回して【存在感】マシマシ
多喜の魔法の後から敵に【ダッシュ】で突っ込んでいくぜ
バイクの高軌道で攪乱してから【なぎ払い】【吹き飛ばし】
ついでにえびせん丸が10t超の体当たりで【重量攻撃】だ
●超常現象レポート⑧ ラジカル☆まじかる★ホワイトろっく
「宰相、またしても敵襲です!」
「ええい、今度は何だ!!」
「見たところバイクにのった二……いや、空中に対空機を1機確認!おおよそ4名程と思われます!」
「たったの4名だと……?尽く舐め腐りおって。迎撃しろ!」
戦車軍団がゆっくりと前進を始め、砲弾を各々発射する。
バイクに乗った3人――いや、一人タンデムしているので正確には4人と一機は華麗な運転捌きで回避。
適宜合流しては散開を繰り返しながら、戦車軍団の攻撃をかいくぐりながら距離を保つ。
そう、まだまだ猟兵たちの引き起こす超常現象は終わらないのだ――!
「……非科学的なものは認めない、ってのはまあ、わかるんだよな」
数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)はロンメルがこうも認めたがろうとしない状態に理解を示せないワケではなかった。
何故なら、サイキックに目覚めなければ彼女とてその存在を信じることはなかっただろう故に。
まあ、普通の人間ならばそういったものが本当にあるとは信じないのは当然ではある。ただちょっと頑なすぎるだけで。
「でも食わず嫌いは良くないぜ?なぁ?」
「その通りだぜ多喜ちゃん!」
「しっかり目にもの見せてくれ……ってオイ」
聞き覚えがあるけど聞き覚えたくなかった声がしたような気がした。
でも今自分の視界にはいないからきっと大丈夫だ、大丈夫だと言い聞かせてスルーしようとしたが、ヴィゼア・パズル(風詠う猟犬・f00024)が無慈悲にも現実を直視させる。
「なんだ?数宮、ペットなんk「連れてきてねえ!!連れてきてねえから!!」
「酷いぜ多喜ちゃん!ちゃんとここにいるじゃんよ!!」
「何だ?さっきから存在主張してるのはこいつか?」
そこにエスタシュ・ロックドア(大鴉・f01818)が追い打ちをかけるかのように声の招待をつまみ上げて否応無しに多喜の視界に見えるように位置取った。
「お前!!!出てくるんじゃねえよ珍獣ッッ!!!!!!」
「何でだよ!!!超常現象っつったらこっちの出番だろォ!?」
「オーナーもヴィゼアさんもライカさんもいるんだぞ!!どうすんだよこの3人!?」
「……わたしたち関係あったっけ?」
ライカ・ネーベルラーベ(りゅうせいのねがい・f27508)は首を傾げた。
関係があるかと言われると否だが、この多喜曰く「珍獣」な不思議な生物は多喜のユーベルコードによる産物であり、彼女の持つユーベルコードの中でもっとも超常現象という意味ではうってつけの存在であることは確かである。
あるのだが、使うのをためらう理由はあった。それはもうかなりでかいのが。
それも多喜的には思い出したくなかったのだがヴィゼアが再び無慈悲にも現実と向き合わせた――もちろん悪気はありません――!
「まさかの再変身」
「いや確かに超常現象って意味じゃうってつけだけどさぁ!?」
「そうだぜ多喜ちゃん!今こそもう一度変身するんだ!!」
「ぐぐ……仕方ねぇ、覚悟決めるか……」
ええいままよ、と多喜は手を天に翳し、やけくそ気味に起動詠唱を謳い上げる――!
「【ラジカル☆まじかる★チャームあ―――――っぷ!!!!】」
すると不思議生物の何かどっかの仮面の男子を彷彿とさせるようなサングラスから不思議でコミカルな光が放たれ、多喜たちを包み込む!
この変身フィールドは変身モノお決まりのお約束フィールドにより決して敵の介入ができない為、安心してアニメよろしく派手で小さい子供を引きつける変身シーンが展開されていく。
……え、何故多喜「たち」と記述したのかって?
それはね、このユーベルコードは変身するのは彼女だけじゃないからなんだよ。
「……!?」
まず気づいて驚愕したのはヴィゼアである。大きな鍔付き魔女風ハットに体格フィットしたワンピース、どう考えても既視感しかない。
「ブフォッ」
次にライカが思わず噴き出した。必死に笑いをこらえようとしているかの如く息を止め始め、お腹を抑えている!!
「……うん、ごめん……ちょっと、こう、普段とイメージが、違……ぶっ、ぶくっ」
「もしかして……」
ヴィゼアもライカが噴き出した側に目を向けた途端思い切り派手に噴き出した。
そりゃ目の前に黒ゴス系魔法少女服に身を包むパツキンウィッグを雑につけた鼻眼鏡グラサンをかけた羅刹の男性、しかも大男と言っても指し支えない体格の御仁が結構ぱっつぱつな魔法少女服着てたら吹かないワケがないんだよなあ……
「おいサイズ合ってねぇぞコレ」
「ぶっほぉぉぉぉ」
「ぶはははははは!!エスタ!!お前、エスタ、……っ!!」
「ぶふっ、……ぷくく、ごめ……ちょっと、無理、これ、笑う……!!」
エスタファのその一言が見事にとどめになったようでライカもヴィゼアも思い切り噴き出し大爆笑。
それこそこれで一生分笑うんじゃないかと言う程に腹がよじれるぐらい大爆笑している――!
一方多喜は自分だけ変身しかと思ったら全員変身してたことに思わず顎を外しそうになりながらも、「ちょい待ち!?!?」と珍獣くんの胸ぐら――胸ぐらどこだ?――を掴んだ。
「全員変身したってどういうことだよ!!」
「やだなー多喜ちゃん前からだぜ?」
「そういや確かに他の奴変身させてたな!?!?!そうだったな畜生ォ!!!!!」
「数宮もひらひら案外似合うな?良いぞ乙女ちっくdぶくくっ」
「ヴィゼアさァん!!褒めてるんだろうけど流石に嬉しくねえなァ――――!?!?」
多喜は頭を抱えずにはいられなかった。
いい年した女が魔法少女に変身するという時点で彼女的にはかなり複雑なこのユーベルコードにより確かにロンメルたちは呆然としているようだ。
「 」
ロンメル、また顎開きすぎて外れてもうとるやんけ。今回はそうなる気持ちもわからんでもないが。
「あー、笑った笑った……死んでからこんなに笑ったの久しぶりかも」
目をごしごしと拭うライカ。
笑うとストレスが吹き飛ぶし作業能率が上がると言われているが、実際その通りだなと思わされるぐらいにはやる気が溢れてくるのを感じていた。
「ボスたちが全力で囮をやるから、その際に私が親玉を始末するんだったよね」
「ああ、任せたぜライカ。だいたい方向性はわーった」
「いやオーナー何の方向性!?」
「こーいうのに不思議な動物のお供はお約束だろ?っつーワケで行くぜえびせん丸」
「キュイキュイ!」
もしかしたら一番適応しているのはもしかしなくてもエスタシュではなかろうか、と言わんばかりに至って冷静に相棒の一人である10m級シャチのえびせん丸を呼び寄せた。
わーい、がんばるぞー!と言っているのだろうか、とても元気な鳴き声だ。
そしてエスタシュ自身はもうひとり(一車?)の相棒であるシンディーちゃんに乗り、ヴィゼアも同席させる。
「ああもうアタシも動揺してるっちゃしてるけどロンメルが我に戻る前に特大魔法でぶっ飛ばすッ!!!!!!」
多喜のサイキックエナジーと魔法少女の魔力が合わさった特大魔法が戦車軍団に炸裂!!
詠唱?そんなものなくても魔法少女は必殺の特大魔法は撃てるもんですわよ。
「しっかり捕まってろよヴィゼア!」
「笑いすぎて戦闘に師匠がないと……いいな!いくぞダンクル」
それに続くかのように鬼棍bマジカルステッキ燧石を構えたエスタシュと、彼とタンデムしているヴィゼア、その愛車にして相棒であるダンクルが駆ける。
片手で器用にバイクを操縦して二人乗りしながら怪力でぶぉんぶぉんとマジカルステッキ燧石を振り回し高軌道で撹乱していく様は実に存在感マシマシだ!
思わず戦車たちの砲身が二人に向くが――
「”おいで、狩りの始まりだ”―― 【星脈精霊術(ポゼス・アトラス)】!」
ユーベルコード名は必殺技名、名前を叫ぶのはお約束。
セクシー魔女路線を意識し持てる声帯全てを使ってのハイパーイケボで詠唱したヴィゼアの精霊術が炸裂した!
暗雲が立ち籠め落雷があちこちに落ちると同時に地面を隆起させることで戦車軍団を混乱させていく。
さらにそこにエスタシュのユーベルコードを絡めてのマジカルステッキ燧石が薙ぎ払い、えびせん丸がその体躯に相応しい10t超の全重量をかけた体当たりを容赦なく仕掛け、多喜も引き続き特大魔法をどっかんどっかんと発射。
特大魔法にマジカル★ステッキ燧石ぶん回しにシャチアタックに2属性の精霊魔術と徹底的に畳み掛けられた戦車軍団はもう既にボロボロであった。
そしてそのタイミングでやっとロンメルの顎外れが治るという。
「おが……っ!!おのれ貴様ら!!あんなトンチキ集団に何遅れを取っている!!私が指揮を取れずとも動けるようになっておけとあれほd「て、敵接近!正面上空から急降下してきます!!」
「な、何ィッ!?」
そう、完全に目の前で繰り広げられているラジカル☆まじかる★非科学的超常現象にすっかり目を奪われたのがロンメルの運の尽きで。
愛車である『Donner』にであるユーベルコードで飛竜の亡霊を憑依させることで飛翔能力を得たライカが一気に肉薄してきたことに今気づいたのだから。
「っていうワケで覚悟してもらうよ。お前も私も終わってるのは同じだ」
その終わってる、は自らの種族であるデッドマンとしてなのか、多喜のユーベルコードによりピンクのふりっふりな魔法少女の姿に変身してしまったからなのか果たしてどっちだろうか。
……と、思ってしまったが野暮なので前者ということにしておこう。
ヴィゼアがまた噴き出したような声が聞こえたような気がしながら、ライカはとどめの一撃をロンメルに放った――!
大成功
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尾守・夜野
なるほどなるほど…非科学的と
…?この世界の科学とは…?
宇宙を背負いつつこの世界における科学技術とは何をさすのかわからぬまま、取り敢えずホラーやっとけばなんとかなんじゃね?
と思考停止して行動するぞ
知略とか俺(人格)向けじゃねぇし
雨を降らしながら錆鉄に乗って行動する
血の雨を降る中ぎぃぎぃ軋む、まともに動いてる筈のない機械がナニかを探しながら動き回り、雨(実際には雨に紛れて上の方にばら蒔いた黒鉄の弾丸)に撃たれ、ご自慢の戦車は錆はて…
同じように錆び、同じように動き、探し、襲ってくる(ハッキング)
うん
多分ホラー
手帳の作戦も…滲んで見えねぇがこれの筈だし
バレて襲われても、対機械であれば相応に錆鉄は強い
●超常現象レポート⑨ 紅い雨に錆び果てる
「なるほどなるほど……非科学的と…… ……
……?この世界の科学とは……??」
尾守・夜野(墓守・f05352)は一気に宇宙を背負った。
この世界における科学技術とは果たして一体何を指すのか。
というか、アポカリプスヘルに限らずどの世界でもそんなことを考えても答えは出るのか疑問である。
「……とりあえずホラーやっとけば何とかなるんじゃね?知略とかそもそも俺向けじゃねえし。よし」
夜野は考えるのをやめてキャバリア『錆鉄』に搭乗し、ユーベルコードで雨を降らせながら戦車軍団へと向かった――。
◆
して一方、ロンメル戦車軍団。
「む……雨か。火器のケアを怠るな」
「……ん?宰相、雨の色が些かおかしいようです」
「何?放射性落下物でも降ったか……?そのような巨大兵器はまだ使っていないハズだが。確認しろ」
「はっ」
ロンメルはまたしてもまんまと戦術にひっかかることとなる。
ああ、少しでも非科学的要素を訝しんでいればまだまともの対応ができたであろうに。
「……ひっ!?」
「どうした!」
「さ、宰相!これは雨ではありません!血です!血が大量に降っていますっっ!」
「そんなバカなことがあるものか!!」
「本当ですっ!ベリスコープがま、真っ赤に!!」
戦車というものは往々にしてでかいフロントガラスなどを作ればまんまとそこを狙われてしまう為操縦手ハッチにベリスコープ(覗き窓)が備え付けられている程度。
――そのベリスコープから真っ赤な液体がどろどろ、どろどろ。
水のような何もない流体ではなく、微妙に固まったかのようなどろっとした液体がつぅ……と窓を流れ落ちていく。
まだ敵を仕留めたワケでもないのに、唐突に降り注ぐ赤い雨は戦車軍団を動揺させるには十二分すぎる程の効果を齎した。
「ええい、慌てるな!敵が何かしらの兵器を使って化学物質を混ぜて意図的に降らせているに過ぎん!」
「は、はいっ!……はっ、前方から何かがきます!」
「敵か!?」
「わかりません!驚くぐらいに錆びていてまともに動きそうにはない何かですが……」
ギィ、ギィ――軋む音を立ててこちらにのそのそとゆっくり近づくそれは、兵士の報告通りにひどく錆びている。
最早まともに動いているのが奇跡とも呼べるようなものなようにすら見えた。
しかし、それは緩慢ながらも軋む音を立ててゆっくり、ゆっくり……ナニカを探すように今にも千切れそうな首を回しながら――正確にはそう見せているだけなのだが――動き回っている。
「不気味な……だが一発当てるだけですぐに沈むハズだ、砲撃用――」
ロンメルが指示を出そうとした瞬間、周囲に激しい衝撃が走り戦車が大きく揺れる。
「何事だ!」
「て、敵の攻撃と思われます!上空から雨と共に何かが――いや、まさかこの雨……」
「何をバカなことを言っている!被弾したのはどこだ!」
「しゅ、周囲の数十機が被弾しています、被害はあまr「うわああああああああああああ!?」
報告を遮る程の劈く悲鳴が外から装甲を突き破るかのように空気を振動して伝わってくる。
何があったのかと悲鳴のする方向に視点を回し、スコープで覗き見れば何と、被弾した戦車たちが一気に錆びていくではないか。
まるで今目の前動き回っているナニカのように――!
「な、バカな……一瞬にして錆びる等、何の物質を混ぜたというのだ……!」
「さ、宰相!被弾した友軍機が襲ってきます!」
「何ィッ!?」
ギィ、ギィ――軋む音を立て、その砲塔を向ける戦車、否、戦車"だったもの”。
ナニカを探し回るようにあちこちに向ける度に今にも取れそうな程に軋む音が響き、それだけで周りを恐慌状態に陥れていく。
「ひ、ひぃっ!」
「慌てるな!落ち着いて迎撃しろ、最早洗脳されたならば走行不能にし――」
ドォン、と戦車から砲弾が放たれロンメルの声はかき消される。
錆びたかつての友軍機から放たれた砲撃が同じ仲間であったハズの戦車を一気に数機爆破させていく。
恐慌状態はますます酷くなる一方だ。正気であれとロンメルが指示しても一向に聞かないどころかその度に洗脳された友軍機だったものが襲いかかり悪化する始末。
「何なのだ……これは……!どうすれば良いというのだ……ッ!?」
敵が仕掛けた罠に違いない、こんな非科学的なことなどありえない。そう信じて疑わず――いや、そう現実から逃げないとやっていられない程にロンメルの精神もまた著しく削られていた……
「……うん、多分ホラー」
と、この状況に持ち込んだ夜野本人は手帳に認めていた作戦を確認しようとして、滲んで全く見えなかったので閉じていた。
錆鉄には表面に待とうおびただしい錆を接触した物にも移す効果がある。
先程の砲撃もユーベルコードで発生した血の雨の中に混ぜた黒鉄の弾丸を経由して自らの錆を移し、ついでにハッキングでコントロールを奪ったという固有能力やユーベルコードは非科学的であるが、それ以外は科学に基づいた戦法だ。
仕掛けがバレても機械相手であれば錆鉄は相応に強いし、自衛対策も備えたホラー作戦が完全に功を奏したのである。
正気であろうとすればする程死に近づく領域とかした今、平静を保とうとする以上、ロンメルに反撃の手立てはないだろう。
結果、これにより戦車軍団の頭数は大きく損なわれることとなった――。
大成功
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オメガ・カストゥール
非科学的なものが嫌か?
世界は、科学だけで成り立ってはおらん。
幻想を受け入れろ。
こうなれば、ドラゴンを召喚するのみ。
「火」の属性を持つ竜…火竜を12体呼んで、空対地で仕掛ける。
各戦車に【属性攻撃】【ブレス攻撃】仕掛けて、圧倒的に溶かすのみ。
【空中機動】で蹂躙しならが高機動でどんどん破壊する。
無理なものがあった場合は、空中からプレス仕掛ける。
「ふん、たわいもない。幻想を否定するから、我らに勝てぬのだ、貴様ら」
●超常現象レポート⑩ ドラゴンは実在していました。
「も、もうダメだ……おしまいだ……」
「ええい泣き言を吐くな!まだ負けてはおらん!戦え!!それでも誇り高きロンメル戦車軍団の一員か貴様ら!!」
すっかり頭数の減ったロンメル戦車軍団には諦めの色が入り始めていた。
激をとにかく飛ばすロンメルであるが、そもそも彼が非科学的現象であることを認めた上で冷静に指示をしていればここまで混乱することもなかったのではなかろうか。
「(そんなこと言いますけど宰相、どう考えてもあれ非科学的現象なのに信じないんだからどうあがいても無理なんじゃないんですか……)」
と、兵士たちは内心思っていたのだが、それを言っても意味がなかった為結局黙っているしかできない。
だが内心どうせまた非科学現象くるんだろと静観しながら一応それっぽく士気を保つ振りをして迎撃準備をし始めた。
頑なに受け入れないとやがては部下たちの心も離れていくものだとロンメルが思い知るのはきっと骸の海に還ってから――いやもしかしたら還っても信じてくれないかもしれない。困ったね。
「非科学的なものが嫌か?」
「!?何奴!」
荘厳な男性の声が響く。
それは大きな羽ばたきを立て、ロンメルの戦車軍団を覆うように現れた。
6000年以上もの永き時を生きる全長99mの巨大な赤竜、ファイアードラゴンの長たるドラゴンロード、オメガ・カストゥール(火焔竜にして、竜神王・f34605)。
召喚獣であると同時に竜であるという、まさにロンメル視点非科学中の非科学現象たる存在がここに降臨したのである。
「……ど、ドラゴン……だと……バカな、ドラゴンは空想上の生物のハズでは……」
「これが現実だ。世界は科学だけでは成り立っておらん。幻想を受け入れろ」
「あ、あ、あり得ん。あり得るワケがない!兄妹たちがこんな兵器を持っているモノか!」
「(ここまで頭の固い人の子は初めて見たな)」
どうあがいても認めようとしない様子、完全に現実逃避真っ最中な様子にオメガは正直呆れ果てて何も言えないな……と逆に生暖かい目で見たくすらなった。
何でそこまでして認めようとしないのか、何かしらのトラウマでもあるのだろうかと言わんばかりである。
「全く、聞き分けがないにも程があろう……それで一軍の将とはな。こうなればさらなる現実を思い知らせるのみよ」
グロロロォウル――!!
大きく息を吸い込んだオメガの咆哮が世界の次元を越えて響き渡り、12匹もの同胞たちを呼び寄せる。
ドラゴンロードであるオメガよりは小さいとはいえもちろん戦車など遙かに凌駕する体躯で、それが12匹。もう一度言うが12匹だ。
それらが一気に行動を始めたらどうなるかなど、言わずともわかるだろう。
「うわああああああああああああ!!」
「ひぃっ、て、鉄が溶けっ、ひぃいいいいいい!!!!」
「だ、ダメだ全然砲弾も効かない!!こんなの勝てるワケがないっっ!!」
炎のブレスが戦車の装甲をいとも簡単に溶かし、兵士たちの骨すら遺さず焼き尽くし、最早八大地獄が一つの焦熱地獄ですら生ぬるい程の灼熱地帯がそこには形成されていた。
「は……はは……何だこれは……」
最早ロンメルもそのまさに阿鼻叫喚の光景に顎が外れる以前に最早口を開ける気力すらなく、ただただ乾いた笑いが漏れ出るのみ。
空を縦横無尽に駆け巡り、炎で尽く灼き尽くす。世界をカタストロフに導く存在を全て灰燼に帰すまでドラゴンたちは止まらない。
「ふん、たわいも無い。幻想を否定するから我らに勝てぬのだ、貴様ら」
最早完全に抗う気力も尽き、ただただ呆然としているロンメルの乗った戦車を前にオメガはまた呆れたように口を開き、大きく息を吸い込むと口内で酸素が燃やされ、炎となって膨れ上がる。
呼び寄せたドラゴンの誰よりも熱く、深紅の炎のブレス。
それが吐き出されると同時に、荒野の果てに巨大な炎の柱が立ち昇り――静まった頃には荒野にあった戦車全ては鉄の溶けた痕跡すら遺さず灰となって消えた。
「幻想を否定し、非科学と科学で成り立っているという世界の現実から目を逸らす以上、貴様が勝てる道理は無いと覚えよ」
火焔の竜神王はそう言い残して踵を返し、ドラゴンたちと共に飛び去っていった。
◆
かくして、ロンメル戦車軍団は猟兵たちを前に敗れ去ることとなった。
ヴォーテックス一族の血族はこうして、残すところあと僅かのみ。
アポカリプスヘルを混沌に陥れたかの一族に真に制裁を与えることのできる日はそう遠くないだろう……
大成功
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