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隣国の侵攻を食い止めよ!

#クロムキャバリア #東亜国

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#クロムキャバリア
#東亜国


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●亜神東亜国にて
 クロムキャバリアのとある所にある小国、亜神東亜国(以後略して『東亜国』と記載します)かつて建国時代に神のごとき力を持ったキャバリアがその建国に多大に貢献した為「亜神」という名が国名に付く事となった、それ以外は特に目立った特徴もない国である。

 東亜国は隣国とも共存関係にあり国家間の仲は良好、特に問題もなかった・・・。そう、先日までは。今、東亜国は何故か隣国よる侵略の危機に瀕していたのだ。
 侵攻してきている部隊は隣国でも名の知れたレオン隊長率いるキャバリア部隊。レオン隊長といえば、義に厚く正義感溢れる隊長として東亜国にも知られている存在。何故、そのような人物が唐突に東亜国へ侵攻して来ているのか・・・。東亜国は隣国へ状況説明を求めるが要領を得ない。最近になり新機体を受領したレオン隊長が、唐突に東亜国への侵攻を提案したというのだ。無論、そのような事は隣国としても望まない事。その反対を振り切り手勢の部隊を率いてレオン隊長が侵攻を開始したというのだ。

 レオン隊長の独断での侵攻であり、隣国のトップからの侵攻停止命令にも従わない。となればもう交戦するしかない。東亜国のキャバリア部隊も量産型キャバリアに乗り迎撃態勢を整えた。両者は東亜国の国境付近にある荒野にて相対する事となった。

●レオン隊長率いる部隊にて
「これより第一陣は侵攻を開始せよ。第二陣は第一陣が消耗させた部隊を、砲撃にて仕留めるのだ!」

 空戦型の機体である『ハルピュイア』がまず第一陣として東亜国の部隊へ襲い掛かる!このクロムキャバリアの世界では高高度の飛行をすれば例外なく暴走衛星「殲禍炎剣(ホーリー・グレイル)」によって狙い撃たれてしまう。それ故にほとんど宙に浮いている程度の高度しかないが、起伏に富んだ荒野の地形の影響を受けないのは大きい。そして地形や機体の影響だけでなく部隊の練度の差も大きく出た。東亜国は長らく戦いとは無縁であった為、その部隊の練度は決して高いとは言えない。レオン隊長率いるキャバリア部隊相手には荷が重かった。次々と撃破されていく東亜国部隊・・・。

 そして、その勢いのままレオン隊長の率いる部隊は東亜国へ雪崩れ込み、大量虐殺の末東亜国を占領してしまうのだった。

●とある世界の炎武邸にて
「皆さま、お集まりいただきありがとうございます。今回はクロムキャバリアでの任務になります」

 炎武・瑠美(天然系お嬢様…らしき者・f31245)は悲痛な表情で、自分が見た予知を集まった猟兵達に語った。

「どうも予知に出て来るレオン隊長の受領したというキャバリアがオブリビオンマシンだったようですね。別人のようになってしまったのも、オブリビオンマシンによる影響と見ていいでしょう」

 そのキャバリアがオブリビオンマシンであるかどうかは、猟兵以外では識別出来ない。故に現地の者がオブリビオンマシンに意図せず搭乗してしまう可能性は十二分にある事なのだ。

「現状では荒野で東亜国部隊とレオン隊長の部隊が睨み合っている段階のようですが・・・。予知の通りならば、この後一方的に東亜国部隊が攻撃を受け壊滅してしまう事でしょう。皆さんには東亜国部隊を援護する形でこの戦いへ介入していただきます」

 一旦、息を落ち着け瑠美は集まった猟兵達の様子を伺う。特に質問はないようだと判断した瑠美は続けて作戦の概要に移った。

「第一陣で交戦する事になるのは空戦型の機体のようです。ですが、皆さんも知っての通りクロムキャバリアの世界では高高度での飛行は自殺行為に等しいです。それ故、荒野を低空飛行する形で進軍してくるようです。まずはこの第一陣を突破してください」

「続けて第二陣と交戦する事になりますが、こちらは砲撃型の機体のようですね。第一陣との交戦時には同士討ちを防ぐ為、砲撃をしてこないようですが第一陣を打ち破ったあとはその限りではないでしょう。ですが、もし第一陣で交戦したパイロットを保護していれば・・・。正常の精神状態に戻った彼らなら同僚への呼びかけも可能なはず。大きな隙を作る事が出来るかもしれません」

 人的被害は極力避けたい、という意図もある。敵対する部隊のパイロットは、全てオブリビオンマシンによって性格を捻じ曲げられているだけなのだから。

「第二陣を突破したその先に敵の指揮官機がいるはずです。この機体を撃破する事で任務は終了となります。レオン隊長の拘束する手はずになっておりますので、くれぐれもコックピットを狙うという事は避けて下さいね」

 政治的な判断は国同士で何とかするのだろう。その為にも出来るだけ人的被害を少なくし事を穏便に済ませる必要がある。

「また、中にはキャバリアを持っておられない方もいらっしゃるかもしれませんが、東亜国より量産型キャバリアを借り受けることも出来るようです。武装は『キャバリアソード』『キャバリアライフル』『ハイパーバズーカ』が借りられるようですね。標準的な武装ではありますが、皆さんが扱えば東亜国の部隊よりも効果的に運用が出来るはずです。東亜国の部隊も量産型キャバリアで出撃し、皆さんと連携を取ることも出来るようなので必要があればコンタクトを取っていただければ、と思います」

 あとは確認事項のみのようだ。

「皆さんが使うUCはキャバリアに搭乗しても発動する事が可能です。その際は装備したキャバリアの武装より発現する形になるかと思います。後・・・、先程も言いましたがくれぐれも高度を取っての行動は控えるように。起伏に富んでいるとはいえ遮蔽物のない荒野ですので、高度を取れば『殲禍炎剣』によって確実に狙い撃たれてしまうと思います」

 気を引き締め直す猟兵達。高度を取っての飛行はNGと自分に戒める。

「それでは、皆さんを現地へお送りしますね。どうかこの騒動を人的被害を出さず果たせるよう、私もお祈りしております」

 そういうと猟兵達を現地へ送る為、瑠美は転送準備に入るのだった。


黄昏空
 MSの黄昏空(たそがれ・そら)です。初のクロムキャバリアのシナリオをお届けします。東亜国へ侵攻して来た隣国のキャバリア部隊への対処をお願いします。敵のキャバリア部隊とは、東亜国の国境付近にある荒野にて交戦となります。

 第1章では『ハルピュイア』と交戦します。この機体は空戦型ですが「殲禍炎剣」に狙い撃たれないよう低空飛行をしています。イメージとしては荒野の地形影響を受けない程度に浮遊している、とお考えいただければと。オブリビオンマシン化している為、パイロットのその影響を受けてやや交戦的になっておりますが、機体だけを破壊出来ればパイロットを救出する事が可能です。

 第2章は『機動殲龍『堅牢』』との交戦。第1章で交戦したパイロット達の親友達が第2陣として侵攻してきます。第1章と同じく機体のみを破壊出来ればパイロットの救出が可能。また、第1章で救ったパイロット達の呼びかけがあればこの章で交戦する機体のパイロットの戦意を削いでくれます。(逆に死亡していた場合戦意向上し、成功難度が跳ね上がります)

 第3章は侵攻して来たキャバリア部隊の隊長のレオンの乗るオブリビオンマシンとの交戦。前章までと同様、機体のみを破壊すればレオンを救出する事が可能です。

 全章とも、人的被害を出さない事がプレイングボーナスとなってきます。
 また、全章を通して東亜国のキャバリア部隊が皆さんを支援します。機体は量産型キャバリア、武装はキャバリアソードとキャバリアライフル。主に遠距離からの射撃攻撃に専念します。援護を受けたい場合はプレイングに盛り込んでいただければと思います。また、量産型キャバリアを借り受ける事も可能です。

●シナリオの運営に関して
 今回のこのシナリオのみ、プレイングの締め切りを設けずにゆっくり運営します。システム的に受取可能な期間ならば再送も可です。また、このシナリオに関しては申し訳ありませんが『お一人ずつの描写を』と考えています。キャバリアでの戦闘描写に慣れない為、今回のシナリオのみとなると思いますがご了承の上、ご参加いただければと思います。
 また、お一人ずつじっくりリプレイを書いていくつもりでいますので、プレイングが流れる方が発生する可能性がありますが、先述の通りシステム的に締め切られていなければ再送いただければ、と思います。
 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『ハルピュイア』

POW   :    タロン・クロー
【猛禽類の爪を思わせる鋭いクローアーム】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    マルチプル・コンバット
【対キャバリア用三連装チェーンガン】が命中した対象に対し、高威力高命中の【無誘導式ロケット弾】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    ツインローター・アングルチェンジ
自身の【二基のティルトローター・ユニット】を【戦闘中に角度を垂直と水平のどちらかへ同時】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シーカ・アネモーン
ふむ……どうも、相手側の思想が見えないな
気が触れているにしろ、私兵を率いて攻め込むにも動機はある筈だろう
狙いがわからん相手をただ迎撃するというのもやりづらいが、まぁそれも仕事か。

相手は空戦機、とすれば先遣隊か
武装は豊富なようだが、装甲はさほどでもないかな

こちらアンヘル。空戦機相手では辛いだろう。援護する

上から攻撃するのには強いようだが、上手を取られるのはどうかな?
コルセスカで牽制しつつスキを見て相手の上を取る
シールドとベイツァーセルで多少の被弾は問題あるまい
ローター飛行でアンヘルに追いつけるものかな
近付いたらセイバーでローターを狙う

聞こえるか。脱出しろ。その機体で墜落すればただでは済むまい



 猟兵達が現地へ転送を完了すると、まさに戦闘が目の前で開始されようとしている所であった。

(ふむ……どうも、相手側の思想が見えないな)

 グリモア猟兵から聞いた話だけでは相手の思惑が見えてこない。どこかモヤモヤした気持ちを抱いたシーカ・アネモーン(忘れられた刃・f32230)。

(気が触れているにしろ、私兵を率いて攻め込むにも動機はある筈だろう)

 心をオブリビオンマシンに付け入られたにしろ、レオンなる存在が引き起こした今回の騒動、根底にある出来事が何かあったのではないか…。シーカにはそう思えてならない。

(狙いがわからん相手をただ迎撃するというのもやりづらいが、まぁそれも仕事か。まずは目の前の敵を黙らせる)

 ひとまず浮かび上がった考えを振り払い、戦闘に集中する事にする。シーカは自身の空戦型キャバリア『アンヘル』を東亜国の部隊へ隣接させ呼びかける。

「こちらアンヘル。空戦機相手では辛いだろう。援護する」

「援軍か!感謝する!」

(相手は空戦機、とすれば先遣隊か)

 迫って来る機体は以前にシーカも交戦経験のあるハルピュイア。

(無論特殊な武装を積んでいる可能性もあるが…。相手の基本スペックは把握済みだ。武装こそ豊富だが、装甲はさほどでもなかったはずだ)

 東亜国のキャバリア部隊の援護射撃を受けつつ、シーカは最大加速で敵陣へと切り込んでいった!


「なにっ!東亜国軍に専用機だと?は、速い!」

 ハルピュイア部隊は突然高速で迫って来る空戦機に射撃攻撃を行うが、その動きを捕えられない。

「こんな機体の情報はなかったはず、どうなっているんだっ!くそっ!」

 相手の機体はこちらよりも明らかに機動性が上だ。かろうじて命中した弾丸も、相手が構えたシールドによってダメージらしきものを与えられたようには全く見えない。

「ならば、火力を底上げして!」

 起死回生を狙いハルピュイアはローターを変形させ始める。


「そのような隙をこちらが見逃すと思うか?」

 相手がローターを変形し始めたのを確認したシーカは、敵の一機へ肉薄した。そして変形途中のローターの一つを手に持った光の剣で叩き切る!続けてバランスを崩した機体へシールドバッシュを叩き込んだ。連続攻撃を受けた敵機は、ふらつきながら地上へと不時着していく。

「あの機体は…問題なさそうだな。では、次だ」

 不時着した敵機を東亜国軍のキャバリアが包囲し武装解除を促している様子を確認したシーカは、次の獲物へと襲い掛かる!

「そちらの機体は上から攻撃するのには強いようだが、上手を取られるのはどうかな?」

 相手の上を取り、一体ずつ肉薄してローターを切り伏せていくシーカー。味方の援護をしようとする敵を素早くマシンガンで牽制し、確実に無力化していく。敵はローターでの機動ゆえにアンヘルの動きにはついていけない。しかも回避が困難な死角から撃たれた攻撃もアンヘルの周りに展開された特殊なフィールドによって無効化されていく。瞬く間に敵の数は減っていき、アンヘルの前に立ち塞がっていた機体は残り一機のみとなっていた。

「聞こえるか?後はお前だけだ。脱出しろ。その機体で墜落すればただでは済むまい」

 ローターへ剣を突き付けたシーカーの呼びかけに、最後の機体は大人しく着陸し投降して来た。

「まさか、最初から躓くなんてな…東亜国にこんな戦力があるなんて」

「最初?どういうことだ?」

 眉をひそめたシーカーは、敵パイロットに詰め寄るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​


 投降した敵パイロットから齎された情報は「東亜国占領は近隣諸国制圧の橋頭保となる行動であった」という事であった。
 レオンは東亜国だけではない、近隣諸国を制圧するつもりであったようだ。

 この情報を猟兵達は情報共有する。これ以後も投稿して来たパイロットから、断片的に何か情報が得られるかもしれない。それがレオン攻略に繋がる一手になるかどうかは猟兵達次第である。
姫神・咲夜(サポート)
 桜の精の死霊術士×悪魔召喚士、女性です。
 普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、
 片思いの人には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

清楚で女流階級風の口調で、お淑やかな性格です。
基本的に平和的な解決を望みますが
戦わざるを得ない時は果敢に戦いに向かう勇敢さを持っています。

 あとはおまかせです。よろしくおねがいします!



「援護に参りました。よろしくお願いします」

 東亜国より量産型キャバリアを借り受け、姫神・咲夜(静桜・f24808)が戦いに参入する。東亜国のキャバリア部隊と共にこちらへ迫って来るハルピュイア部隊へキャバリアライフルで射撃を行う。

(出来るだけ人的被害を出さないように、という話でしたが…。相手は地形効果を受けない分、こちらが圧倒的に戦い難い…ですね)

 コックピットを直撃させないようにライフルを撃つものの、相手はひらりと躱してしまう。咲夜はキャバリアでの戦闘に慣れていないのは確かだが、それだけではないようだ。敵は高度こそ出せないとはいえ飛行型、やはり地上型の機体であるこちらが不利である事には変わりがない。
 悠々とこちらの攻撃を躱しながらハルピュイアが迫って来る!

(このままでは東亜国の部隊にも被害が出かねません。それならば…)

 咲夜はキャバリアライフルでの射撃を止め、精神を集中する。イメージするのは咲き乱れる桜の木々。そして舞い落ちる桜の花びら。

「桜の花々よ、その華麗なる舞により敵を切り刻みなさい」

 咲夜の機体のライフル銃口より、渦を巻きながら大量の桜の花びらが放出される!それは瞬く間にキャバリアの周囲へと広がってゆき…。


「な、なんだこの花びらは!ま、前が見えないっ!」

 目の前で一瞬棒立ちとなった東亜国のキャバリアへその鋭いアームを突きつけようとしていたハルピュイアだったが、その視界を突然奪われ混乱する。アームは空を切り、相手の位置を把握しようにも周囲は花びらで覆いつくされ、相手がどこにいるのかも把握できない。
 だが、ハルピュイアに起こったのは視界を奪われる事だけではなかった。次々と各部位のエラー表示が点灯していく。

「こ、今度はなんだ?そ、損傷だと?いつの間に攻撃を受けた?」

 吹き荒れる桜の花びらはハルピュイアの機体の関節部に入り込みながら、次々とその部位を切り刻んでいった。必死にもがくハルピュイア達だが、視界を遮られ動きを封じられ、なす術もなく次々と切り刻まれていくのだった。

(なんとか間に合いましたね。敵のコックピットは避けて攻撃するように注意しなくては…。その分、集中力が要りますね)

 桜の花びらは東亜国の部隊に被害を与えない事はUC発動前に伝えておいた。咲夜の放ったUC『清浄なる桜吹雪』は、敵と識別した相手のみを切り刻む。咲夜は敵の視界を遮ると同時に敵を切り刻む、まさに攻防一体の攻撃を放っていたのだ。

(これで周囲の敵機は全て無力化出来たはずですが…。私としても無益な殺生は好みませんし…。これで投降していただけると良いのですが)

 咲夜がUCを解除し、桜吹雪が収まると…。周囲一帯には傷だらけのハルピュイアの集団が機体を横たえていた。

「これ以上の抵抗は無意味です。大人しく投降してください」

 本来は平和的な解決を望む咲夜は、それ以上の敵への攻撃は避けたい思いで言葉を紡ぐ。咲夜の呼びかけに応じ、次々とハルピュイアのハッチが開放されていく。両手を挙げ、抵抗の意志がないと意思表示をする敵パイロット達の姿を見て、やっと咲夜は一息つくのだった。東亜国の兵士達によって敵パイロットは連行されていく。

(まだ、これは敵の第一陣。この調子で無力化していけるといいのですが…)

 そう願わずにはいられない咲夜であった。

成功 🔵​🔵​🔴​


「…おかしい、そろそろ東亜国の部隊を殲滅出来ているはずの時刻だというのに、報告もない…か」

 状況を確認すると配下の機体の何割かの反応が無くなっている事に気が付く。

「東亜国にこちらを退けられるほどの戦力などない事はずだ。それを上回る戦力を投入している。…、何が起こっているというのか」

 東亜国占領は足掛かりに過ぎない、まさかそこで躓く事など…。

「お前達、直ぐにでも出撃出来るよう準備しておけ。万一に備えて…な」

 レオンは第二陣の部隊に戦闘準備を整えさせるのだった。
桐嶋・水之江
空戦型のキャバリアというよりオーバーフレームよね
イカルガで戦えば同じ空戦タイプのキャバリアとの戦闘データ取りになるし、圧勝すれば周辺諸国への良いデモンストレーションにもなる
でもってお給料も出るんだから良い事尽くしよね
オーケー任せなさい

さーてそんなフラフラ浮いてるようじゃビームスマートガンの良い的…え?殺っちゃだめ?
殺るなと言われると殺りたくなるのよね
まあ、1割方冗談よ
生かしておいた方が用途が広いしね
ん?独り言よ

必然手繰る解式でチェーンガンをのらりくらりと躱して地道に撃ち落として行きましょう
あんまり簡単に倒しちゃうとデータ取りにならないものね
ロケット弾なんて当たらなければどうという事はないのよ



「相手の機体は…空戦型のキャバリアというよりオーバーフレームよね。じゃあ、私はイカルガで出ようかしらね」

 機械工学専門の天災科学者は目の付け所が違うのだろうか?桐嶋・水之江(機巧の魔女・f15226)は相手の機体を確認すると、空戦型キャバリアのイカルガへ乗り込んだ。

「イカルガで戦えば同じ空戦タイプのキャバリアとの戦闘データ取りになるし、圧勝すれば周辺諸国への良いデモンストレーションにもなる」

 空戦型には空戦型をぶつけるのが手っ取り早い。自身の手掛けたイカルガでの戦闘データを取るのにちょうどいい相手である。まぁ、元よりどう見ても相手の機体は自身のイカルガに比べ圧倒的に機動性が低いと思われる。戦いにすらならない可能性が高いわけだが…。圧勝すればそれはそれで得られる効果もあるわけだ。

「でもってお給料も出るんだから良い事尽くしよね。オーケー任せなさい。国の危機を救うんだから勿論報酬はたんまりもらえるのよね?」

 今回のこの任務、水之江にとっては良い事尽くめだ。目覚ましい戦果を挙げる事でその機体性能を垣間見た周辺諸国への牽制にもなるし、もしかしたらキャバリアについての問い合わせが殺到する可能性もある。そうなれば1粒の任務で何粒も美味しい結果を得られるというわけだ。

「じゃあ、張り切っていってみましょうか!イカルガ、出るわよ!」


 水之江はハルピュイアを視界に収めるとトリガーを引こうとして、ハッと大事な事を思い出す。

「っと、そう言えば殺っちゃダメだったわね、危ない危ない。そんなにフラフラと浮いているものだからつい撃ちたくなっちゃったじゃない」

 イカルガがロックしていたのはハルピュイアのコックピット。ビームスマートガンの火力ならば一撃でコックピットを撃ち抜く事が出来るだろう。だが、敢えてそれを外す。グリモア猟兵から「出来るだけ人的被害を抑えるよう」言われていた事を思い出したのだ。

 それにしてもこれではあまりにも張り合いがなさすぎる。イカルガの戦闘データを取る為にも、もう少し敵には頑張ってもらいたい所だ。そこでハルピュイア部隊へ向けてわざと聞こえるように独り言を呟いた。

「あなた達、フラフラ浮いているだけの的じゃ面白くないわよ?つまらなさ過ぎて『殺るな』と言われているんだけど、ついつい殺りたくなっちゃうじゃない」

 ほんのり冗談を込めたつもりで投げかけた言葉は、相手を激高させるのに十分な効果があったようだ。

「ふ、ふざけるな!我々を侮辱するかっ!」

「侮辱なんかしていないわよ。本音を言っただけだし。まぁ、生かしておいた方がその後の用途が広いしね。遊んであげるわよ?」

「こ、このっ!」

「あら?独り言よ、独り言。くすくす…」

 水之江の挑発に乗った敵パイロットがチェーンガンで攻撃してくるが、それをイカルガはひらりと躱していく。相手の攻撃は完全に予測済みだ。UC『必然手繰る解式』を発動させた水之江に死角はない。性能差を見せつけるように回避しながら、スマートガンで相手の機体の致命傷にならない部分を狙ってダメージを与えていく。
 相手も弄ばれていると感じたのかロケット弾を発射してくるが…。

「ロケット弾なんて、当たらなければどうとういう事は無いのよ?」

 イカルガの機動性で難なく回避に成功する。

「…さて、そろそろデータも揃ったかしらね。じゃあ仕上げと行くわよ?」

 ひとしきり戦闘データ取りを行い満足した水之江は、最後に残った敵機にスマートガンを一射し敵機を無力化させたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​


「東亜国は軍事力が貧弱だが、その代わりに資源は豊富だ。それ故に、『まずは東亜国を制圧しその資源を確保する』っていう話をしていたな、隊長は」

 東亜国は隣国にとって最も制圧しやすい国であったようだ。実際、東亜国は軍事力は周辺諸国の中でも決して高いとは言えなく、その分を外交力でフォローしなんとか平穏を保って来ていたのだ。だが、今回はそれが裏目に出た、というわけだ。

 だが、東亜国が攻められた直接の理由はわかったものの、今回の騒動の発端であると思われる「周辺諸国の制圧を何故考えたのか」までは、まだ見えてこない。さらに情報を収集すれば、何かが見えて来るだろうか…。
禍沼・黒絵(サポート)
『クロエと遊んでくれる?』
 人間の人形遣い×ビーストマスター、11歳の女の子です。
 普段の口調は「無感情(自分の愛称、アナタ、ね、よ、なの、かしら?)」、独り言は「ちょっと病んでる(自分の愛称、アナタ、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

一人称はクロエ、人からクロエと呼ばれると喜ぶ。
ちょっと暗い感じの無表情なキャラ
武器は装備している物を自由に使って構いません。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「ふわふわ浮かんでいるお人形さんが一杯ね」

 前方からやって来る敵の部隊を見ながらそう呟いた禍沼・黒絵(災禍の輩・f19241)。黒絵は借り受けた量産型キャバリアのキャバリアライフルの銃口をその群れに向け、随伴する東亜国の部隊に声を掛ける。

「皆、クロエの合図に従って撃ってね。せーのっ」

 一斉に放たれるキャバリアライフル、流石にその弾幕に回避行動を取るハルピュイア達。ライフルの一斉射によって、敵の部隊がやや分断された形になる。

「続けて、今度はあの目の前のお人形さん一体に集中攻撃、せーのっ」

 追撃に関しては合図をしつつも黒絵はライフルを構えたまま、仲間と分断された敵の一機の回避軌道をしっかり観察する。東亜国部隊の一斉射を回避して油断した敵機、その隙を突く様にライフルを放った。そうしながら黒絵はキャバリアの動きに体を慣れさせていく。東亜国の部隊も少しずつだが命中率精度が向上してきているようだ。とはいえ、圧倒的な練度の差が劇的に狭まるような事は無い。だが、少しずつ敵を追い込む形が出来て来ている。部隊内の連携を一時的にとはいえ上げる訓練をしているようなものだ。そして東亜国部隊の命中精度が上がれば上がるだけ、黒絵も敵を狙いやすくなる。

 そしてついに…。

「捕まえた。アナタもクロエと遊ぼう?」

 黒絵の一撃が敵機を掠った。すると、今度は掠った敵から視界を外し、次の敵機を品定めし始めた。

「今度はあの子、皆、構えて」

「え?あの機体はそのままでいいのか?」

「うん、あの子はもう放っておいても大丈夫。次の子を狙おう」

 相手は掠っただけ、さらなる追撃を加えない黒絵の言動に東亜国の部隊から疑問の声があがったが、それに黒絵は取り合わない。

「大丈夫、もうじきあの子は動かなくなるから」


「くっ、とうとう掠ったか。あの一体だけ別に攻撃してくる奴が指揮しているのか。急に敵の練度が上がった気がするが…。まぁ、だが、こちらがやられるような脅威ではないがな…。…なんだ?何故、急にこちらを狙わなくなった?」

 先程までしきりに攻撃を仕掛けて来ていたというのに、攻撃を掠らせたら満足してしまったのか、自機への攻撃が止んでしまった。

「拍子抜けさせやがって、ヒヤッとさせてくれたお礼をしてやるよ!」

 ローターを変形させて反撃に移ろうとしたハルピュイアは、自機の異変にそこで初めて気が付いた。

「…?ローターの動きが鈍い。さっき掠った程度でそんな事になるはずはないのだが…、整備不良か?」

 それもあり得ないとは思いながらも計器を確認しているパイロットの耳に、何かを複数の物体がひっかくような音が聞こえて来た。なんとも耳障りな音だ。まるで金属に爪を立てているかのような…。

「一体、さっきから何の音が…。な、なんだこれはっ!」

 周囲を見渡すとそこには自機を囲むように浮遊する刃物の大群の姿があった。そしてその大群は…、なんと自機に少しずつ刃を突き立てているではないか!そう、先程から聞こえて来た音はこの刃物が機体に傷をつける音だったのだ!

 パニックを起こすパイロットに、誰かから声が掛かる。その声は先程敵機を指揮していた少女のものと酷似していた。

「早くその子から出た方がいいと思うよ。もうじきその子、壊れちゃうと思うから」

 どこか無感情な少女の声が更にパイロットの恐怖を煽った。堪らずコックピットより脱出したパイロットは、呆然と目の前で切り刻まれ鉄くずになってゆく自機を眺める事になるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャナミア・サニー
んー……状況がよくわからん!
でもまぁこのままだと東亜国がヤバいのはわかった
それじゃいこうか『レッド・ドラグナー』
全部叩き落すよ

【メインウェポン・チェンジ】で
ファンシェイプ・マルチプルビームキャノンに換装
攻撃回数5倍、装甲半分
重い分取り回しのために装甲が犠牲になるけど
この状況ならこれが最善のハズ!

いくよ!
ドラグナー・ウィング、フルスロットル!
最前線まで出て、ビームキャノン発射!
回避できるものならしてごらん!
味方を巻き込まないようにしながら
エネルギーが持つ限り撃ち続ける
近づいてきたらカイトシールドで受け止めて
標準兵装のビームブレイドで叩き斬る!
良い調子だねレッド・ドラグナー
このままいくよ!



「んー……状況がよくわからん!」

 赤き竜騎兵『レッド・ドラグナー』のコックピット内でシャナミア・サニー(キャバリア工房の跡取り娘・f05676)は頭を抱えた。グリモア猟兵が困っているようだったのでつい協力を名乗り出たのはいいが…。少しずつ捕虜になった敵兵からの証言も集まってきているが、未だ相手の意図が見えてこない。

「でもまぁこのままだと東亜国がヤバいのはわかった。それじゃいこうかレッド・ドラグナー、全部叩き落すよ!」

 状況は良くわからないものの、困っている人達を見たら手助けせずにはいられない性格のシャナミアは、わからないなりに結論を出しレッド・ドラグナーで出撃する。目の前の救わねばならない者達の為に。

 敵の数が多い、シャナミアはその事に注目し武装を選択した。扇形のビームキャノンに換装するとさらにUCを発動させる!

「重い分取り回しのために装甲が犠牲になるけど、この状況ならこれが最善のハズ!」

 このビームキャノンはその形状も独特だが、特出しているのはその砲門の数。10門の砲門を持つビームキャノンは、シャナミアのUCによってさらにその砲門を5倍に増やしたのだ。元々重いビームキャノンが更に重くなり姿勢制御に注意する必要があるが…、手数で先制攻撃し場の流れをこちらへ引き寄せようというのだ。

「いくよ!ドラグナー・ウィング、フルスロットル!」

 最大加速で最前線へ合流したシャナミアはビームキャノンを発射する!東亜国部隊へ襲い掛かろうとしていたハルピュイア達は、強襲するように放たれたビームキャノンによって瞬く間に撃ち落とされていく。

「一応致命傷になるような部分は避けたはずだけど…。まずは味方救助を優先で!」

 味方を巻き込まないように注意しつつ放たれたビームは、その圧倒的な手数でハルピュイア達を翻弄する。

「回避できるものならしてごらん!そっちの機動性じゃ、無理だろうけどね!」

 慌ててレッド・ドラグナーに対応しようとするハルピュイアだが、ローターでの浮遊の為にその機会を与えられる事もなく次々と撃墜されていった。ビームキャノンのビームが尽きるまでにほとんどのハルピュイアが無力化され、残りはあと少数といった所だ。


「くそっ!なんなんだあの機体。こっちの部隊が一瞬で…」

 ハルピュイア部隊は突然現れた敵機になす術もなく翻弄されたが、敵の攻撃が止むと反撃に移る事にした。

「よし!敵の攻撃が止んだぞ!一気に間合いを詰めて仕留めるぞ!」

 残った戦力で赤い竜騎兵へ襲い掛かる、が…。


「まぁ、そう来るだろうね。でも、こっちも近接戦闘が出来ないわけじゃないんだよ?」

 ビームキャノンを手放したレッド・ドラグナーが白兵戦に備える。左腕に固定された竜鱗のような盾で向かってきた敵機の一体の攻撃をガードし、その隙を突いて右手に持ったビームブレイドでローターを叩き切る!取り回しの難しいビームキャノンを手放した今のレッド・ドラグナーは、今度はその俊敏さで敵を翻弄し始めた!レッド・ドラグナーはシャナミア曰く「器用貧乏を突き詰めた機体」ではあるのだが…、それは裏返せばあらゆる戦況下で戦えるオールラウンダーな機体でもあるという事だ。

「良い調子だねレッド・ドラグナー。このままいくよ!」

 戦場を大暴れするシャナミアとレッド・ドラグナー。ハルピュイア部隊が完全に沈黙するまでそう時間は掛からなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

グァンデ・アォ(サポート)
《アドリブ、連携、苦戦描写、ユーベルコード詠唱変更、その他何でも歓迎です》

「おや? あれは何だろう……ねーねー、そこのオネーさん、これは何なの?」

通常はだいたいイラストの通りのキャラクターです。
好奇心の向くまま、あちこちウロチョロ飛び回っては、なんやかんやで状況を動かします。
念動力でその場にあるものをなんやかんやしたり、ウロチョロ飛び回ってなんやかんやしたり、危険な行為に勇気を出してなんやかんやします。

「サポートAI、『大人の』グァンデです。よろしくお願いします」

マシンヘルムに変形して誰かに装着してもらう(攻性ユニット化)場合に限り、口調と人格が大人のそれになり、装着者の行動をアシストします。


ラング・カエルム(サポート)
「ほほう、私の力が必要なようだな。安心するがよい、私が来たならもはや解決したも同然だ!」
何かと首を突っ込みたがる。とても偉そうだけど人類みな友達だと思っている毎日ご機嫌ハイカラさん。
別に男に間違われてもなんら気にしない。そもそも自分の性別を意識していない。
別に頭が悪いわけもなく、むしろ回転は速い方だが、明後日の方に回転させる。
とてもポジティブ。人類みな友達だけど、悪いことした奴に叱るのも友達。なので誰にだって容赦もしない。容赦なく殴る。容赦なくUCも使う。だって友達だからな!



「ほほう、私の力が必要なようだな。安心するがよい、私が来たならもはや解決したも同然だ!」

 遅れて登場した私こそが真の切り札だ!とばかりに東亜国の兵に声掛けしたラング・カエルム(ハイカラさんの力持ち・f29868)。キャバリアによる集団戦などラングにとっては初の体験。何かと首を突っ込みたがる彼女であるが、さて戦場に出ようにも自前のキャバリアがない。借り受けよう…と案内を受けてキャバリアが待機する格納庫へ移動していた。
 そして、その後方をふよふよと浮遊しながら興味深そうについていく一つの物体が。グァンデ・アォ(敖 広徳・f10200)。

 格納庫にラングが到着すると、目の前に立つ量産型キャバリアを見上げる。

「おぉ、これが…!」

「ね-ねー、そこのオネーさん、これは何なの?」

「?どこから声が…おぉ、そこか!」

 自分の頭上より声が掛かったラングが見上げると、そこを浮遊していたグァンデとばっちり目線が合う。

「これはキャバリアというロボットだ。これに乗って今からこの国の者達を救いに行くのだ」

「おぉー!凄い、オネーさん強いんだ?…オネーさん、でいいんだよね?」

「そうだな、ほとんど意識した事は無いが性別上は女だ。実はこの世界には何度か任務できた事があるのだが、これがキャバリアなるものへの初の搭乗でな!それはそれで心が躍るのだが!」

 ラングはふるふると震えていた。それは武者震い、初の体験からくる歓喜によるものだ。

「えー、そうなのー?ならボクもついて行っていいかな?ここの世界に来たのは初めてだけど、サポートは出来ると思うんだ!」

「ふむ、お前がか?そのなりでキャバリアは操縦出来なさそうだが…」

「オネーさんがボクを被ってくれれば大丈夫。マシンヘルムに変形出来るんだ」

「ほう、それはまた…。面白そうだな!」

「でしょー?」

「では、行くか!」

「うん、じゃあマシンヘルムに変形するね」

 どちらも好奇心旺盛で面白そうな物には自ら突っ込んでいく性格の為、ラングとグァンデは意気投合したようだ。

『自立行動モードを終了し、攻性ユニット支援モードに移行します』

 グァンデからシステム音声が発せられ、その形状が変形した。

「おぉ、本当に変形した!」

『…続けてユニット素体と接続します。戦術級攻性機能がアンロックされます』

「おぉ、装着すると脳内に声が聞こえてくるようになるのか!」

 思わずラングもテンションが上がる。こういう時、大抵のものが楽しく感じるラングの性格はまさに長所なのであろう。

「サポートAI、『大人の』グァンデです。よろしくお願いします。マスター」

「口調が変わるのだな!それとマスターはよせ、共に戦う戦友ではないか。ラングだ、頼むぞグァンデ」

「はい、こちらこそ。ラングさん」

 グァンデを装着したラングが借り受けた量産型キャバリアに乗り込む。

「ラング及びグァンデ、出撃するぞ!」

「お、おい?2人乗り込んだのか?それ1人乗りだぞ?」

「大丈夫だ、2人だが1人だ!」

「???…あ、あぁ、武運を祈る!」

 首を傾げるメカニックに自信ありげに応えたラングは、勢いよくスロットルを踏み込んだ!

「おぉ!この加速、これがキャバリアの動きか!」

「これは支援し甲斐がありそうですね。直ぐにデータを収集し最適化しましょう」

「ふむ、頼むぞグァンデ。当然だが、初の搭乗となる私は今は適当に動かしている!」

 とても偉そうだけど特に自信あって事ではなかった。まぁ、だが、なるようになるだろう。サポートもしてくれるようだし、と思うままキャバリアを動かしていくラング。
 その動きをモニターで見ていた東亜国のメカニック達は頭を抱えた事だろう。あれで本当に大丈夫か?と。だが、次第に動きが的確になっていく。まるで人が変わったようだ。

「おぉ、なるほど…こう動かせばこう動くわけだな…。でかしたぞグァンデ」

「情報蓄積のおかげです。感謝いたしますラングさん。このまま私はサポートに徹します。が…」

「が…、どうした?」

「このマシンヘルム形態になった際に、装着者の能力を強化出来るのですが…。どういたしましょう?攻撃力、防御力、状態異常力、どれかを選べますが?」

「それは…決まっておろう!」

「というと、やはり?」

「無論、攻撃力だ!敵をぶちのめさないといけないからな!」

「了解いたしました。ですが、敵パイロットは無傷で、との話を小耳に挟みましたので…その辺りは私がサポートしましょう。ラングさんはどーんとやっちゃってください」

「わかった、そこは任せる!」


「な、なんだあの東亜国の量産型は…。他と別格だぞ!なんかおかしい!」

 突然襲撃して来た一体の東亜国所属機の動き。ハルピュイア部隊にはその動きが異質に見えたのだ。大胆・大雑把な動きをしたかと思ったら、その直後に精密な攻撃を仕掛けて来る。その変則的な動きに翻弄されている内に一気に間合いを詰められ、ハルピュイアの一機がローターを剣で一刀両断され地上へ不時着していく。


「おぉ、敵が慌てふためいているぞ。これは痛快!よし、次はあの敵を叩き伏せるぞ!」

「了解しましたラングさん」

 グァンデを装着する事で彼の持つサイキックなパワーをも身に纏ったラング機は、俊敏な身のこなしで地上という不利な状況をものともしない戦いを繰り広げていた。
 攻撃を受けていた東亜国のキャバリア部隊は駆けつけたラング機に窮地を救われ、そして同じ機体に乗るのにその桁違いの機動性に心底驚きを隠せずにいた。

「す、凄い…こんな動きが出来るなんて…あれが同じ機体での動きとは思えない」

「ふ、お前達も呆けておらず男気を見せてみよ!私の歌声を聞いてな!」

 機内スピーカー越しにラングが歌声を響かせる。ラングのUCはその歌声に共感した者達の戦闘力を強化するのだ!

「おぉ、力が漲って来た。俺達もやれる、やれるぞ!」

「その意気だ、お前達。悪い事をする奴らには一度しっかりお灸を据えねばならないのだ!やるぞ」

「おぉぉぉ!」

 ラングに鼓舞された東亜国のキャバリア部隊の奮戦する。息を吹き返した東亜国部隊の援護を受け、さらに猛威を振るうラング機。途中でキャバリアソードを使うのも飽きて、サイキックなパワーを纏った拳で叩き伏せたりし始めた。戦場は完全にラング機の独壇場と化し、もう誰もラングとグァンデのコンビを止められる敵はこの場にはいなくなる。

「ふっ、なかなかにキャバリアでの戦いというのも面白いものだな!」

「ええ、興味深い体験になりました」

 周囲の敵機が全て沈黙した後、2人は初のキャバリア戦闘をこなしたお互いの健闘を称え合うのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『機動殲龍『堅牢』』

POW   :    ヘビーバレットストーム
全身を【全武装から砲撃し続ける状態】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    シールドアライアンス
【機動殲龍『堅牢』】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[機動殲龍『堅牢』]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
WIZ   :    ヘビーアーマーキャバリア
全身を【重装甲モード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●レオン部隊駐屯地
「…第一陣の全ての反応が消えた…か」

「どういうことです隊長!東亜国など、直ぐに制圧出来るだけの戦力を投入したはずなのに」

「それは俺が聞きたいくらいだ。この短い間に東亜国が近隣諸国へ援軍要請を行ったのか…」

「くそっ、東亜国の奴ら、仲間をよくも!」

(こちらが投入した部隊は、東亜国の部隊の3倍以上の戦力だった。万一、本当に東亜国が近隣諸国へ要請したとしても、それを覆すだけの戦力を早々に揃えられるはずもないのだが…)

「第2陣、戦闘開始だ。あいつらの敵を討つぞ!」

「あぁ、やってやるぜ。見ていてくれよ、東亜国の奴らを直ぐにお前達の元へ送ってやるからな!」

 普段のレオンを知る者ならば、部下達の生存も視野に入れた作戦を実行に移さず敵討ちを前面に押し出して部下を鼓舞するこの立ち振る舞いに首を傾げた事だろう。だが思考にどこか靄の掛かったレオン本人はおろか、同様の状態の部下達にはそれが異常な状況とは認識できず、ただただ目の前の敵を屠る事で頭が一杯になっていた。

「よし、行け第2陣!東亜国を手始めに周辺諸国を制圧し、この地に真の平穏を取り戻すのだ!」

「おぉぉ!」

●東亜国の国境付近
 攻めて来ていた空戦型で編成された敵の部隊を、無事に無力化した東亜国と猟兵達。だが、気の休まる時間もないままに次の戦闘が開始される。

「今度は砲撃か?第一陣が居なくなったことで遠慮なく撃ってくるようになったか。だが…、相手の姿が見えない!」

 猟兵達のキャバリアならば、敵の遠距離攻撃も回避したり防御したり、特に問題なく出来るのだが…いかんせん敵が視認出来る位置にいない。このままではじりじりと消耗していくだけだ。そこで敵の部隊へ強襲する事にする東亜国部隊と猟兵達。

 空戦型のキャバリアを駆る猟兵達が牽引する形で前線を押し進め、それに東亜国の量産型キャバリアが続く。敵の砲撃の注意を引く猟兵達のキャバリアのおかげで、東亜国の消耗も最小限のまま歩を進める事が出来た。やがて…。

「見えた!あれが敵の第二陣か!」

 前面を固い鎧で覆ったかのような機体がこちらに向け砲撃して来ているのがモニターから見える位置まで押し進める事に成功したのだ。

「こうなれば、反撃開始だ!」

 東亜国のキャバリアが一斉にキャバリアライフルを発射するが…。その堅固な鎧は傷一つ付かない。恐らく前面からでは効果的なダメージは期待出来ないだろう。高火力のビーム等で撃ち抜く事も出来なくはないかもしれないが…それでは敵パイロットの命もないだろう。

 となれば…。さらに間合いを詰め、敵機の側面又は背後から攻撃を仕掛けるしかあるまい。もしくは…。グリモア猟兵が転送前に話をしていた「第一陣で保護したパイロット達による呼びかけ」を行ってみるのも良いかもしれない。
 相手はかなり殺気立っているようだ。ある程度接近した事で分かった事だが、「○○の仇!」「よくもあいつをやってくれやがったな!お前達のあの世へ送ってやる!」など、という怒りの声がこちらまで聞こえてくるのだ。第1陣のパイロット達が無事である、という認識がないようなのだ。揺さぶりをかけられるかもしれない。

 この先にはレオンの隊長機がいるはず。そこへ辿り着く為にも、まずは目の前のこの堅固な砲撃機を無力化しなくては!
【補足説明】
 敵部隊は前面を堅固な鎧で覆っている為、前面からの攻撃は無効化される可能性があります(特にWIZの場合は顕著になります)
 その鉄壁の防御をなんとか皆さんは攻略していただく、という形になります。
 また、第1章で捕虜となった敵部隊のパイロット達は戦闘終了後に東亜国へ搬送されましたが、東亜国の量産型キャバリアの通信機器を介し彼らと通信する事は可能です。

 東亜国の量産型キャバリアの武装では、まず敵を前方から攻撃してもダメージを与えられないでしょう。攻撃支援をしてもらう代わりに敵パイロットへの呼びかけをしてもらうのも手です。

 第1章と同じく東亜国のキャバリア部隊と共に連携しながらこの局面を乗り切って下さい!
 まず真っ先に動いたのはシャナミアだった。東亜国の量産型キャバリアのキャバリアライフルは標準的な装備だから、猟兵達の持つキャバリアの武装に比べると確かに見劣りはする。だが、それでもそれを一斉射撃すればそれなりの威力にはなるのだ。それをものともしない敵の装甲…侮れなさそうだ。

(面倒な構成というか堅実というか。ま、でもここまで近づけば後は踏み込むだけ。懐に入り込んじゃいさえすればなんとかなる!)

「この戦況なら!メインウェポン・チェンジ、ハンマーガントレット!」

 ガシャンと両手に近接格闘用の籠手を装着したレッド・ドラグナー!

「射程なんて投げ捨てるっ!攻撃力特化!」

 蒸気の力で稼働する籠手に力が練り込まれていく。UCによって圧倒的な攻撃力を引き出したレッド・ドラグナーが流星の如く駆け抜ける!

「『ドラグナー・ウイング』ブースト!狙う敵は…あいつだ!」

 向かう先は東亜国のキャバリア部隊が一斉射撃を行っている敵機。その機体はダメージこそ受けていないが、一斉攻撃を受けている為その場から一歩も動けていないのだ。まさに狙い目!

 自機に向けてまっすぐ突進してくるレッド・ドラグナーを流石に危険と感じたのか、慌てて全武装砲撃モードで砲撃を開始する。

「甘い甘いっ、ここまで辿り着くのに、どれだけあなた達の砲撃を掻い潜って来たと思ってるの?ほとんど避けれるし、万一当たっても威力の程は想定済みだよ!」

 ひらりひらりと舞うように敵の砲撃を回避しながら詰め寄るレッド・ドラグナー。時折機体を掠める砲撃が来るが、そんな時は手に嵌めた籠手が、その防御力でダメージを軽減してくれる。

「さぁ、懐まで入り込めたね!小細工はなし、真正面から殴りつけてやるよ!」


「ふっ、愚かな。こっちの装甲は伊達じゃないんだよ!そんな攻撃でダメージなど食らうかっ!」

 真正面から敵機に殴りつけられた『堅牢』。ぐらりと揺れたが、パイロットは素早くモニターで破損個所をチェックしうすら笑いを浮かべる。そう、どんなに攻撃されようとも、真正面から叩かれた程度でこの機体が倒されるはずがないのだ。

「馬鹿の一つ覚えのように殴りやがって!…?な、なにっ?!」

 パイロットは驚愕した。ダメージは確かに受けていない。だが、じわりじわりと押されているのだ、そう物理的に。


「懐まで入り込んじゃえば砲撃なんて無理だろう?ガンガン行くよ!」

 動揺する敵機にお構いなしに殴り続けるシャナミア。UCで大幅に強化された攻撃力でも、敵の機体へダメージは与えられていない。だが、それはシャナミアも百も承知の上。

「どうせ硬い装甲でコックピットまでダメージが通らないし、一切の遠慮なしに殴りつけてあげるよ!そらそらっ!」

 猛ラッシュを受けた『堅牢』がズルズル、ズルズルと地面を抉りながら後退していく。

(やっぱり予想通りだ。相手はダメージを無効化するだけ。『これだけの威力と質量は激突』してるんだから物理的な衝撃は受けるよね?)

「無効化?そんなの上等!パイロットの事を気にしなくていい分、かえって戦いやすいよ!」

 ズルズル、ズルズルと後退し続けた『堅牢』は足元にあった窪みに足を取られ、盛大に転倒してしまう。砲撃モードを解除する事も出来ず、そのまま身動きが取れなくなってしまった『堅牢』。これでは敵機も戦闘続行は不可能だ。

「さ、次行くよ、次!片っ端から殴りつけてやる!」

 レッド・ドラグナーとシャナミアの猛攻はこの後も繰り返されるのだった!
(お詫び)
投降ミス発生しました。

再度、断章部分を表記後、リプレイへ続きます。
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●レオン部隊駐屯地
「…第一陣の全ての反応が消えた…か」

「どういうことです隊長!東亜国など、直ぐに制圧出来るだけの戦力を投入したはずなのに」

「それは俺が聞きたいくらいだ。この短い間に東亜国が近隣諸国へ援軍要請を行ったのか…」

「くそっ、東亜国の奴ら、仲間をよくも!」

(こちらが投入した部隊は、東亜国の部隊の3倍以上の戦力だった。万一、本当に東亜国が近隣諸国へ要請したとしても、それを覆すだけの戦力を早々に揃えられるはずもないのだが…)

「第2陣、戦闘開始だ。あいつらの敵を討つぞ!」

「あぁ、やってやるぜ。見ていてくれよ、東亜国の奴らを直ぐにお前達の元へ送ってやるからな!」

 普段のレオンを知る者ならば、部下達の生存も視野に入れた作戦を実行に移さず敵討ちを前面に押し出して部下を鼓舞するこの立ち振る舞いに首を傾げた事だろう。だが思考にどこか靄の掛かったレオン本人はおろか、同様の状態の部下達にはそれが異常な状況とは認識できず、ただただ目の前の敵を屠る事で頭が一杯になっていた。

「よし、行け第2陣!東亜国を手始めに周辺諸国を制圧し、この地に真の平穏を取り戻すのだ!」

「おぉぉ!」

●東亜国の国境付近
 攻めて来ていた空戦型で編成された敵の部隊を、無事に無力化した東亜国と猟兵達。だが、気の休まる時間もないままに次の戦闘が開始される。

「今度は砲撃か?第一陣が居なくなったことで遠慮なく撃ってくるようになったか。だが…、相手の姿が見えない!」

 猟兵達のキャバリアならば、敵の遠距離攻撃も回避したり防御したり、特に問題なく出来るのだが…いかんせん敵が視認出来る位置にいない。このままではじりじりと消耗していくだけだ。そこで敵の部隊へ強襲する事にする東亜国部隊と猟兵達。

 空戦型のキャバリアを駆る猟兵達が牽引する形で前線を押し進め、それに東亜国の量産型キャバリアが続く。敵の砲撃の注意を引く猟兵達のキャバリアのおかげで、東亜国の消耗も最小限のまま歩を進める事が出来た。やがて…。

「見えた!あれが敵の第二陣か!」

 前面を固い鎧で覆ったかのような機体がこちらに向け砲撃して来ているのがモニターから見える位置まで押し進める事に成功したのだ。

「こうなれば、反撃開始だ!」

 東亜国のキャバリアが一斉にキャバリアライフルを発射するが…。その堅固な鎧は傷一つ付かない。恐らく前面からでは効果的なダメージは期待出来ないだろう。高火力のビーム等で撃ち抜く事も出来なくはないかもしれないが…それでは敵パイロットの命もないだろう。

 となれば…。さらに間合いを詰め、敵機の側面又は背後から攻撃を仕掛けるしかあるまい。もしくは…。グリモア猟兵が転送前に話をしていた「第一陣で保護したパイロット達による呼びかけ」を行ってみるのも良いかもしれない。
 相手はかなり殺気立っているようだ。ある程度接近した事で分かった事だが、「○○の仇!」「よくもあいつをやってくれやがったな!お前達のあの世へ送ってやる!」など、という怒りの声がこちらまで聞こえてくるのだ。第1陣のパイロット達が無事である、という認識がないようなのだ。揺さぶりをかけられるかもしれない。

 この先にはレオンの隊長機がいるはず。そこへ辿り着く為にも、まずは目の前のこの堅固な砲撃機を無力化しなくては!

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【補足説明】
 敵部隊は前面を堅固な鎧で覆っている為、前面からの攻撃は無効化される可能性があります(特にWIZの場合は顕著になります)
 その鉄壁の防御をなんとか皆さんは攻略していただく、という形になります。
 また、第1章で捕虜となった敵部隊のパイロット達は戦闘終了後に東亜国へ搬送されましたが、東亜国の量産型キャバリアの通信機器を介し彼らと通信する事は可能です。

 東亜国の量産型キャバリアの武装では、まず敵を前方から攻撃してもダメージを与えられないでしょう。攻撃支援をしてもらう代わりに敵パイロットへの呼びかけをしてもらうのも手です。

 第1章と同じく東亜国のキャバリア部隊と共に連携しながらこの局面を乗り切って下さい!
シャナミア・サニー
面倒な構成というか堅実というか
ま、ここまで近づけば後は踏み込むだけ
【メインウェポン・チェンジ】
『RX-MWスチームエンジン・ハンマーガントレット』に換装(攻撃力5倍、射程半分)
射程なんて投げ捨てるっ!

『ドラグナー・ウイング』ブースト!
突撃中の攻撃はハンマーガントレットの外側装甲で防御
一気に距離を詰めて
懐に踏み込んだら『真正面』から殴りつける!

無効化上等!
ダメージが通らなくても『これだけの威力と質量は激突』してるんだから
後退させるだけなら全然問題なし!
簡単に言うと『真正面からぶん殴って物理的にぶっ飛ばす』!!

どうせ硬い装甲でコックピットまでダメージが通らないし
一切の遠慮なしに殴りつけてあげるよ!



 まず真っ先に動いたのはシャナミアだった。東亜国の量産型キャバリアのキャバリアライフルは標準的な装備だから、猟兵達の持つキャバリアの武装に比べると確かに見劣りはする。だが、それでもそれを一斉射撃すればそれなりの威力にはなるのだ。それをものともしない敵の装甲…侮れなさそうだ。

(面倒な構成というか堅実というか。ま、でもここまで近づけば後は踏み込むだけ。懐に入り込んじゃいさえすればなんとかなる!)

「この戦況なら!メインウェポン・チェンジ、ハンマーガントレット!」

 ガシャンと両手に近接格闘用の籠手を装着したレッド・ドラグナー!

「射程なんて投げ捨てるっ!攻撃力特化!」

 蒸気の力で稼働する籠手に力が練り込まれていく。UCによって圧倒的な攻撃力を引き出したレッド・ドラグナーが流星の如く駆け抜ける!

「『ドラグナー・ウイング』ブースト!狙う敵は…あいつだ!」

 向かう先は東亜国のキャバリア部隊が一斉射撃を行っている敵機。その機体はダメージこそ受けていないが、一斉攻撃を受けている為その場から一歩も動けていないのだ。まさに狙い目!

 自機に向けてまっすぐ突進してくるレッド・ドラグナーを流石に危険と感じたのか、慌てて全武装砲撃モードで砲撃を開始する。

「甘い甘いっ、ここまで辿り着くのに、どれだけあなた達の砲撃を掻い潜って来たと思ってるの?ほとんど避けれるし、万一当たっても威力の程は想定済みだよ!」

 ひらりひらりと舞うように敵の砲撃を回避しながら詰め寄るレッド・ドラグナー。時折機体を掠める砲撃が来るが、そんな時は手に嵌めた籠手が、その防御力でダメージを軽減してくれる。

「さぁ、懐まで入り込めたね!小細工はなし、真正面から殴りつけてやるよ!」


「ふっ、愚かな。こっちの装甲は伊達じゃないんだよ!そんな攻撃でダメージなど食らうかっ!」

 真正面から敵機に殴りつけられた『堅牢』。ぐらりと揺れたが、パイロットは素早くモニターで破損個所をチェックしうすら笑いを浮かべる。そう、どんなに攻撃されようとも、真正面から叩かれた程度でこの機体が倒されるはずがないのだ。

「馬鹿の一つ覚えのように殴りやがって!…?な、なにっ?!」

 パイロットは驚愕した。ダメージは確かに受けていない。だが、じわりじわりと押されているのだ、そう物理的に。


「懐まで入り込んじゃえば砲撃なんて無理だろう?ガンガン行くよ!」

 動揺する敵機にお構いなしに殴り続けるシャナミア。UCで大幅に強化された攻撃力でも、敵の機体へダメージは与えられていない。だが、それはシャナミアも百も承知の上。

「どうせ硬い装甲でコックピットまでダメージが通らないし、一切の遠慮なしに殴りつけてあげるよ!そらそらっ!」

 猛ラッシュを受けた『堅牢』がズルズル、ズルズルと地面を抉りながら後退していく。

(やっぱり予想通りだ。相手はダメージを無効化するだけ。『これだけの威力と質量は激突』してるんだから物理的な衝撃は受けるよね?)

「無効化?そんなの上等!パイロットの事を気にしなくていい分、かえって戦いやすいよ!」

 ズルズル、ズルズルと後退し続けた『堅牢』は足元にあった窪みに足を取られ、盛大に転倒してしまう。砲撃モードを解除する事も出来ず、そのまま身動きが取れなくなってしまった『堅牢』。これでは敵機も戦闘続行は不可能だ。

「さ、次行くよ、次!片っ端から殴りつけてやる!」

 レッド・ドラグナーとシャナミアの猛攻はこの後も繰り返されるのだった!

大成功 🔵​🔵​🔵​

イリヤ・クニーガ(サポート)
 ダンピールのサバイバルガンナー×剣豪、銃剣突撃系紅茶紳士です。基本的にイギリス紳士的振る舞いをします。
 普段の口調は「紳士的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、覚醒すると「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」です。
 銃器で制圧射撃、銃剣で突刺して零距離射撃または間合いを詰めてサーベルで切断を組み合わせて戦います。
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「なかなかに難敵のようですが、突破口は見出せそうですね」

 量産型キャバリアのコックピット内で、イリヤ・クニーガ(銃剣突撃系紅茶紳士・f32101)がそう呟いた。猟兵達の実力なら、たとえ難敵であろうと攻略の糸口を見出せる。それはイリヤ自身も経験して来た事だった。今もその片鱗が他の猟兵達によって形になりつつある。彼も自分に出来る事を素早く考えるのだった。

(主力となる猟兵達のキャバリアが思う存分に戦えるよう、支援が必要でしょうか。ですが、東亜国のキャバリア部隊のパイロット達だけでは少々荷が重いようですね。ならば、私はそちらの支援をする事にしましょう)

「こちらイリヤ機。東亜国の部隊、連携して敵の機体を足止めしましょう」

「了解した!相手に一斉射をすれば足止めはとりあえず出来そうだが…」

「ええ、それで問題ないですよ。守りの方は私に任せて下さい。君達は攻撃に集中してもらえれば大丈夫です」

「それはありがたいが…、イリヤ殿、と仰ったか。その機体も同じ量産型。装甲はそこまでではないぞ?無理はされるな」

「ええ、分かっています。ですが、戦いようはあるのですよ。私とてライフル連隊として伊達に戦ってきたわけではありませんから」

 イリヤはかつて銃剣を手に戦場を駆け巡った経験を持っている。たとえ生身からキャバリアへ変わったとしても、培われた戦闘センスを活かせる局面はあるのだ。

「まずはライフルで制圧射撃を」

 東亜国部隊と共に一斉に射撃攻撃を仕掛け、敵の移動を封じる。堪らず相手は身を屈めるように防御一辺倒になってしまった。

「よし、この敵機をこの状態に維持させるよう、絶え間なく攻撃を続けましょう…」


「おのれ、東亜国の奴らめ!好き勝手しやがって!おい、援護を頼む。このままじゃ動けない!」

「わかった、そっちを攻撃している一団に向けこちらから攻撃を仕掛けてみよう」

「助かる!頼んだぞ!」


「む?新手ですか。援護に入られると厄介ですね」

 ゆっくりとした足取りで移動しながら、別の機体がイリヤ達の前に姿を現した。

「新手はこっちで時間を稼ぎます。そっちへの攻撃はお願い出来ますか?」

「一人で立ち向かう気か!無茶だ!」

「大丈夫です、ただ時間を稼ぐだけですから。じきにそっちの敵機を倒す為に他の猟兵の機体が駆けつけるはず。それまでもたせればいいだけですからね」

「…わかった、武運を!」

 東亜国の部隊と通信を一旦切り、イリヤは持ち込んだ紅茶を一口だけ口に含む。気持ちを引き締め、戦いに臨む為に。

「…では、いきますか」


「無謀な!狙い撃ってやる!」

 一体だけで向かってくる量産型キャバリアへ『堅牢』がミサイルを放つ!だが、相手の機体はミサイルを手に持ったキャバリアソードで切り払ってしまった!

「な?!あいつ、東亜国のパイロット、じゃないのか!?」

 侮りの表情は一気に緊張の表情へ切り替わり、続けてミサイルを放ち続けるが…。敵機は切り払い、回避しながら徐々に間合いを詰めて来た。


「この間合い、取りましたよ!」

 イリヤ機は敵機に取りつくとキャバリアソードを突き立てた!だが、相手は強固な守り故に傷一つ付けられない。

「流石に、傷一つ付きませんか。ですが、これならどうです?」

 ふいにイリヤ機の全身を漆黒の光が覆い尽くす。UCにより負傷を自身の力に変えたイリヤ機は、その戦闘力増加分の力で敵機を蹴り上げた!ダメージこそ与えられなかったが、その衝撃に堪らず体勢を崩す敵機。窮地を凌いだイリヤ機は、なんとかその場を切り抜け、その後も戦況維持に貢献するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シーカ・アネモーン
なるほど、単なる自走砲ではなく、砲撃戦も可能なキャバリアという訳だ。
火力と装甲は大したものだが、そのために4脚にせざるを得ない重量か。
破壊に手間取る相手は中身を壊すのが手っ取り早いが、そうもいかないか
こちらアンヘル。敵は堅牢だ。正面は避けろ
こちらで撹乱し、足を封じるから、パイロットを確保するなり、してほしい

さて、こちらで撹乱をと言ったが、相手も多数。手数には手数だ。
ソードスレイヴ、セット
カサドレス、ガトリングとミサイルで弾幕を。こちらの位置を悟らせるな
私は姿を晒して回避と防御に専念する
まさか、本体が囮とは思うまい
ソードスレイヴで脚部を破壊し、擱座を狙う
降伏しろ。何度も言うが、命までは取らない



(なるほど、単なる自走砲ではなく、砲撃戦も可能なキャバリアという訳だ)

 確かに移動砲台としての特色が強い機体ではあるが、単にそれだけではない。敵の一部が集結し始めたのだ。互いに連携を取り個々の戦闘力が底上げされたように感じる。
 徐々にその脅威度を増してきている『堅牢』の集団へ対処する為、シーカは防戦一方となっている東亜国部隊の元へアンヘルを急行させた。

「こちらアンヘル。敵は堅牢だ。正面は避けろ」

「っ!助力感謝する、だが、今のままでは相手の密集陣形が崩せない。正面を避けようにも対処されてしまう」

「大丈夫だ、その辺りは私が引き受けよう。こちらで撹乱し、足を封じるから、パイロットを確保するなり、してほしい」

(さて、こちらで撹乱をと言ったが、相手も多数。どう立ち回るか)

 シーカは相手の隙を作るための作戦を頭の中で素早く構築し始める。

(火力と装甲は大したものだが、そのために4脚にせざるを得ない重量であるようだ。破壊に手間取る相手は中身を壊すのが手っ取り早いが、可能な限り人的被害を避けるように言われている手前そうもいかないか。なら、こちらも相手に合わせ手数で勝負し攪乱するとしよう)

「カサドレス、こちらの位置を悟らせるな。ガトリングとミサイルで弾幕を張るんだ」

 アンヘルと合体していた支援ユニット『カサドレス』を分離させ、支援指示を送る。ある程度の自立行動が可能なカサドレスはシーカの指示に従い、まずは煙幕となるスモーク弾を発射する。その煙に紛れ、東亜国の部隊も移動を開始する。そしてスモーク弾を発射した後カサドレスはミサイルとガトリングを一斉発射し敵にプレッシャーを与える。


「くそっ、煙幕で姿を隠したうえで飽和攻撃か。相手の位置が見えん!まずは防御を固め攻撃を凌ぎきるぞ」

 相手の位置が特定出来ない以上、徒に消耗させられる可能性がある。守りに関しては『堅牢』に絶大な信頼を寄せているパイロット達は迷いなく守りを固めた。

 そんな中、煙幕の中から飛び出してくる機体が!

「な?くそっ接近戦を挑む気か!迎撃する!」

 慌てて二門あるガトリングを斉射し、敵の空戦型を近づけまいとする。相手はマシンガンを撃ってくるが、それは『堅牢』の鉄壁な防御によって弾かれ被害はほとんどない。

「このまま接近だけは許すな!ええい、それにしてもちょこまかとっ!」

 先手こそ打たれたものの、その後は1対多数の戦いゆえに相手は防戦一方だ。このままならば、いずれ押し切れる、そう確信した『堅牢』部隊に変化が唐突に起きた。後方に位置していた一機が倒れ伏したのだ。

「な、なにがあった?状況を説明しろ!」

「何かがこちらの足を攻撃してきた!後ろからだ」

「なんだと!敵影など…」


 慌てて振り向いた『堅牢』のその先には、仲間の機体の足を攻撃する小型浮遊砲台の姿があったのだった。


「まさか、本体が囮とは思わなかったようだな」

 煙幕を飛び出る際に、アンヘルは背部に格納されていたソードスレイヴを展開していたのだ。自身が囮となり注意をひきつけ、その間に背後を取らせていた。

「降伏しろ。何度も言うが、命までは取らない」

「命までは取らないだと?ふざけるな、俺達の仲間を全滅させておいて!」

「嘘ではない。証拠もある」

 シーカの呼びかけに倒れ伏しながらも殺気立って捲し立てる『堅牢』を、東亜国のキャバリアが包囲する。そして通信機で本部から捕虜の声を聞かせてやった。

「な?!…隊長は俺達に嘘をついていたというのか?なぜだ…」

 混乱し戦闘どころではなくなった敵兵は、次々と投降する事になるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャイニー・デュール(サポート)
『拙者は剣士でござります故!』
ウォーマシンの剣豪×クロムキャバリアです

真面目な性格ですが勘違いや空回りも多く、かつ自分がズレているという自覚もありません
正々堂々とした戦い方を好みますが、それに拘泥して戦況を悪化させたりはしません

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
公序良俗に反する行為は(そういう依頼でない限り)しません

サムライというものに憧れていますが、正しい知識はありません
銃を使うことを嫌っているわけではなく、必要に応じて刀と内蔵兵器を使い分けます
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「なるほど、あのような攻略法があったのでありますか。ならば拙者にも出来る事があるというもの!」

 シャイニー・デュール(シャイニングサムライ・f00386)はキャバリア『ブロッケン』で戦場に馳せ参じていた。周囲の猟兵達の立ち回りは非常に参考になるというもの。シャイニー自体が少女の姿をしたウォーマシンではあるが、その姿を巨大化したようなブロッケンは戦場で異彩を放っていた。

「むっ、女の巨人か?武器は剣だけのようだぞ!密集隊形を取り、遠距離からの砲撃で畳みかけるぞ!」

 ブロッケンの姿に一瞬気を取られた『堅牢』部隊だが、慌てて集結しブロッケンへ射撃攻撃を始める。

「なるほど。機体の特性を活かし、こちらの接近を封じる作戦でござるか」

 襲い来るミサイルの群れを借り受けたキャバリアソードで切り払っていく。

「拙者は剣士でござります故!このような芸当も出来ますぞ!」

 普段使っている刀とは少々勝手は違うが、やってやれない事もない。敵の一斉射撃を耐えきったシャイニーは随伴する東亜国の部隊へ声をかける。

「これより拙者が貴殿らを援護いたしまする。相手の動きが止まっている間に制圧をお頼み申す」

「わかった、だが、大丈夫か?相手の攻撃を防ぐだけでは…」

「問題ないでござる。拙者剣士故に刀での戦いを好みますが、銃火器の扱いも出来ます故」

「だが、手元には…?」

 出撃の際にもシャイニーが借り受けたのはキャバリアソードのみだった。射撃武器を借り受けなかったのを疑問に思ったスタッフにもその事を指摘されたが、シャイニーは問題ない、と返答していた。

「答えは、これでござる!」

 ジャキンという機械音と共に、ブロッケンの左肩の内部より多連装ロケットランチャーが姿を現す。

「なんと!内蔵武器か!」

 相手も突然射撃武器を取り出したので驚きを隠せないようだ。

「まだまだ驚くのは早いでござるよ!攻撃対象設定完了。弾倉、砲身拡張成功」

 シャイニーはUCを発動し肩のロケットランチャーを巨大化させる。ブロッケンの体に不釣り合いともいえるほど巨大化したロケットランチャーを構えるシャイニー。

「これより一斉射撃を行う故、それに合わせて行動くだされ。くれぐれも巻き込まれぬよう警戒くだされ」

「わ、わかった。援護頼む」

 唖然としたのも一瞬の事、シャイニーの声に我に返った東亜国部隊は部隊を敵背後へ回らせるため、進軍経路を再確認する。

「では、参るでござる!弾頭接続及びロケット装填確認。全弾発射します」

 全弾敵をロックした巨大な多連装ロケットランチャーが一斉に火を噴く!ロケットランチャーが巨大化すれば、その砲弾も巨大化する。普通のキャバリアでは一発食らっただけでもひとたまりもないだろう。


「くそっ、あれはやばい!守りを固めろ、やられるぞっ!」

 『堅牢』は襲い来る砲弾から身を守るため、慌てて攻撃を中止し防御態勢をとった。

「ぐあっ、なんて火力だ。この機体じゃなければお陀仏だったぞ…。ま、また来るのかっ!」

 襲い来る砲弾は3回。その凶悪な砲弾から身を守るのに全神経を集中する事になる『堅牢』部隊。

「…砲撃が止んだ?終わった…のか?」

 恐る恐る防御態勢を解除した『堅牢』部隊が周囲を確認すると…。立ち上った土煙のその向こうに…、自分達を包囲するように布陣する東亜国のキャバリア達の姿があった。

「もうやめろ、こちらは手荒な真似をするつもりはない」

「そういう事でござる。貴殿らの仲間も東亜国で全員生きている故、安心めされよ」

 シャイニーの一斉射撃によって勝敗は決した。『堅牢』部隊のパイロットは次々と投降したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​


●捕虜達の証言
「冷静になってみると、今回の出兵も隊長らしからぬ行動といえば行動だよな…」

 キャバリアから降り、捕虜となったパイロット達はどこか憑き物が落ちたかのように、ぽつりぽつりと話を始めた。

「そうだな、副隊長の件が仮にあったとしても、流石に周辺諸国を制圧するなんて強引すぎる。でも、なぜか俺達もそんな隊長の事をおかしいと思わなくなっていたんだよな…。どうかしていたぜ、本当に」

 副隊長の事とは?とパイロット達の会話を聞いていた猟兵が疑問をぶつける。その場にいたパイロット達は互いに顔を見合わせ一瞬躊躇うが…、命を救ってくれた者達に隠し事はしておきたくなかったのだろう、時間を掛けながらだが事情を話してくれた。

「俺達の国は多数の周辺諸国と同盟を結んでいる。それは俺達の部隊が治安維持という抑止力になり平和を維持する為だ。だが…、周辺諸国の中にはそれを隠れ蓑にして近隣諸国と揉め事を頻繁に起こしている国があるんだ」

 いわゆる虎の威を借る狐、という奴だろう。その国が他国と問題ごとを起こすたびに仲介役として自分達の部隊が派遣され、近年その頻度が非常に上がってきているという事だった。

「その事に関して、俺達部隊のメンバーから不満の声が挙がっている事を当時副隊長だったカールという男が隊長に報告したんだ。特定の国の使いっぱしりにされていると感じている、と。隊長も思う所があったらしく、国の上層部に取り合ってくれたらしいんだが…」

 そこまで言うと、話をしていたパイロットの表情が曇る。どうやら、その後にあまり良くない事があったらしい。別のパイロットが不快げな表情をしながら話を続けた。

「隊長がそのあと戻ってきてな。『軍の者が政治に口出しするのか!お前達は我々の指示に従い任務を遂行すればいいのだ』と酷く叱責された、と。普段あまり怒る事のない隊長だったが、俺達部下の事をひどく言われたりもあったらしく珍しく激昂していたっけな。そのあと…だ。カール副隊長が副隊長を解任されて地方に飛ばされちまったのは。どうも上層部が発言の出元を独自に探り当てたらしい。見せしめの解任…だったんだろうな」

「あれ以来、隊長はどこか悩みを抱えているみたいだった。同盟国に助力するという義の心と、上層部との軋轢、他国との癒着もあるのでは…とも思える上層部の特定国への特別待遇具合等…。今のままで本当にいいのか、迷っていたのかもしれねぇな」

「あぁ、そんな姿が頻繁に見られるようになったのは…そうだ。あの新機体が隊長に受領された頃からだった気がするな。あれから人が変わっちまったように…どうしちまったんだろう隊長」

 どうやら、レオンは直ぐに解決が出来ないような悩みがあったようだ。もしかしたら、その心の弱った部分をオブリビオンマシンに付け込まれたのかもしれない。
 話を聞いていた猟兵達は、そう感じたのだった。
紫野崎・結名(サポート)
音は、こころ。こころは、ちから。
今はたぶん、この音が合ってる…と思うから

音によるサポート、妨害、撹乱が好み
攻撃や運動は苦手、特に腕力はほとんど無いです
なので、キーボードも肩にかけます

ピンチは黒い天使、歩くのはセブンリーグブーツ、Float on soundをふわっと浮かべてキーボードを演奏
キーボードはスマホとつないで音源を自由に設定変更できるよ
動物の鳴き声にしたり、管楽器の音にしたり、弦楽器の音にしたり

食は細くてすぐお腹いっぱい
そして人見知り気味

他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません


ルナリリス・シュヴァリエ(サポート)
何かお困りですか? 私は旅の聖剣使いです
誰かの力になりたい、そんな思いから猟兵活動をしています
私で良ければ力になりましょう。

お人好しな性格で、並みいる敵を聖剣でなぎ払い、罠やトラブルは体当たりで乗り越えていく
そんな突撃隊長的なキャラクターです。

あとはお任せで、よろしくおねがいします。



「敵機の数も残り少ないようですね。あともう少し、頑張りましょう!」

「私も…頑張って支援しますね」

 量産型キャバリアに乗ったルナリリス・シュヴァリエ(サキュバスの剣姫・f25397)と紫野崎・結名(歪な純白・f19420)の2人の猟兵は、東亜国の部隊と共に攻撃を開始した。

「聖剣使いとしてはキャバリアに乗っても、やはり剣が性に合うのですよね。東亜国の皆さん、援護の方よろしくお願いします!」

「あぁ、任された!射撃でなんとか敵を足止めしてみよう」

 ルナリリスのキャバリアはキャバリアソードを手に突撃を敢行するが…。

「流石に敵は砲撃型なだけはありますね。このままでは近付けません」

 なんとか敵のミサイルを切り払ったりなどはしているが、接近戦の間合いには入り込めずにいた。そこへ東亜国の部隊の掩護射撃が入り、相手の攻撃が少し和らいだ。

「これなら!切り込みます!」

 チャンスとばかりに敵機に近付き、ルナリリスはキャバリアソードで切りかかる。が、その一撃を『堅牢』ははじき返してしまった。

「相手の装甲はかなりのもののようですね…。この剣では攻撃が通りません、まずいですね」

 人的被害を避けるためにもコックピット部分は狙えない。なんとか無力化出来るよう敵の関節部を剣で叩き切ろうとしたのだが、相手が身をかがめ防御姿勢を取った事で試みは失敗に終わる。
 こちらの攻撃が通らないとわかると、敵も防御姿勢を解き攻撃を再開する素振りを見せた。慌てて距離を取り砲撃から逃れるルナリリス。

 そこへ支援のための準備を整えた結名から声が掛かった。

「お待たせしました。即興だけれど…」

 キャバリアのコックピット内でスマホとキーボードを接続し、演奏準備を整えていたのだ。結名の立ち回りは基本的に味方の支援がメインとなる。それは生身での戦いだけでなくキャバリアに搭乗した今も変わらない。今の結名に出来る事は、自分の歌を演奏を皆に届けて支援する事!

「なんとなくだけど…今必要な『音』はコレだと思うから…」

 結名の奏でる演奏が、通信を通して他の東亜国所属の量産型キャバリアへ届けられる。

「力が湧いてきました!ありがとうございます」

「私に出来るのは…こういう事くらいだから」

「俺達も負けていられないな。よし気合い入れていくぞ!」

 結名の演奏に共感したルナリリスと東亜国のキャバリア部隊は自分の内より力が満ち溢れて来るのを感じた。気持ちと力の高ぶりに合わせ、攻撃を再開する。
 相手は先程よりも強力になった東亜国側の攻撃にたまらず防戦一方となる。

「敵は守りを固めたみたい。…このままだとさっきと同じになっちゃう。…妨害、試みてみますね」

「え?妨害とか出来そうですか?ありがたいです」

「…これで、どうかな?」

 結名は指向性を持たせた音をキャバリアの外部スピーカより発した。それは音波となり防御姿勢を取った『堅牢』に襲い掛かる。音波は敵にシステムに介入し、相手の防御姿勢をしばらく解除してしまう。

「少しの間ですが、相手の防御姿勢を解除出来ている…はず。今がチャンスです」

「それなら!行きます!」

 相手が棒立ちになったのを確認したルナリリスが、一気に間合いを詰める。

「前方からは攻撃が通らなくとも…、がら空きになった状態の背後からなら!」

 敵の背後に回ったルナリリスがキャバリアソードを天に掲げる!

「アストレア、貴女の力を貸してください!」

 コックピット内でルナリリスが自身の腰に携えた聖剣アストライアに呼びかける。ルナリリスの呼びかけに応じて聖剣が光を放つと、その光がキャバリアソードに伝播し、光の奔流となって敵に襲い掛かった!

「コックピットは狙いません。狙うは敵の足元!この一撃で身動きを封じます!」

 強烈な光が無防備となった『堅牢』の足元へ降り注ぎ、焼き切り…。『堅牢』は大地に崩れ落ちるのだった。


「くそっ、なんだんだあの光は。こっちの機体が動きさえすればっ!」

 倒れこんだ『堅牢』のコックピット内で必死に機体を立ち上がらせようと試みる『堅牢』パイロット。だが、焼き切られた脚部のダメージは深刻で、もう立ち上がる事も出来ない。
 そんな悪戦苦闘するパイロットの元へ、東亜国の者と思わしき少女より通信が入る。

「…もう、投降してください。勝負はつきました」

「まだだ、まだやられてない!くそっ動けっ!このままじゃあいつら同様に俺も殺されちまうじゃねぇか」

「それは誤解です。あなたの仲間の方々は全て無事です。先程も投降する旨の通信を他の方がしていたはずです。聞いていなかったのですか?」

「知るかよっ!俺はあいつらの仇を取るのに必死だったんだ。そんなもの聞いてる暇はない!」

 先程とは別の少女のものと思われる通信も届けられたが、戦闘による極度の興奮状態にあったパイロットは彼女達の言葉に耳を傾ける事が出来ないのだった。


「もう、相手は戦う事が出来ないはずなのですが…。投降の意思が見られないですね…どうしましょうか」

 ルナリリスは相手パイロットと通信を試みたが「聞く気はない」の一点張りだ。ほとほと困り果てていると、そこへ結名から通信が入る。

「私の方で、相手の興奮状態を鎮静化出来ないか試みてみます」

「そんな事も出来るの?凄いですね…」

 結名のキャバリアからゆったりとしたリズムの演奏が流れ始める。敵パイロットに向けた演奏ではあったが、その場にいたルナリリスや東亜国の部隊もその演奏を聴いているうちに戦闘で高ぶっていた気持ちが徐々に落ち着いていくのを感じた。

「…落ち着きましたか?」

「…、あぁ…、すまなかったな…。なんであれだけ気持ちが高ぶっていたのか…。そちらにこちらを害するつもりがない事はわかった。投降しよう」

 落ち着きを取り戻した敵パイロットが投降する姿を見て、思わずルナリリスと結名はホッと胸を撫で下ろすのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

紫峰・時雨(サポート)
名前の呼ばれ方すら気にかけない、頭のネジが緩いキャラです。
戦闘まではのらりくらりとしていますが、いざ戦いの場となると一人称は変わらずとも敬語でハキハキと喋る真面目な人格が出てきます。
多重人格者ですが、上記のふたつの人格しか表には出てきません。
索敵などが必要な時はゆるふわ人格を「オルタナティブ・ダブル」で引っ張り出してきます。
主とする攻撃方法は「有象無象(テンタクルズ)」。威力より命中率重視です。
他の猟兵から作戦指示などがあれば忠実にそれに従います。
普段の人格だとやや空気を読まない言動をしますが、他の猟兵に迷惑をかける行為や公序良俗に反する行動は嫌います。
他はお任せです。宜しくお願い致します。


赤嶺・愛(サポート)
『世界が平和になりますように』
 人間のパラディン×シーフの女の子です。
 普段の口調は「平和を愛する(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、怒った時は「憤怒(私、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は明るく、人と話す事が好きで
平和的な解決を望む優しい性格の女の子ですが
戦う事でしか依頼を成功出来ない時は戦う事も厭わないです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「どうやら後は僕達が交戦中の集団だけみたいですね」

「ええ。皆さんのおかげで今の所は敵味方共に人的被害は出ていないようだし…、あと一息ね」

 量産型キャバリアに乗った紫峰・時雨(ジギタリス・f06641)と赤嶺・愛(愛を広める騎士・f08508)は最後の一団を無力化する為に奔走する。

「まぁ、囮役は僕に任せてよ。なんとかやってみるからさ」

 ゆるふわな口調のパイロットが操る量産型キャバリアが敵陣に向け距離を詰めながら、バズーカとライフルを打ち込む。

「頼みますね、もう一人の僕。でも無理は禁物ですよ?」

「わかってるよ、もう一人の僕。やられちゃったら元もこうもないからね」

 通信しあう時雨ともう一人のパイロット。「もう一人の僕」とお互いに呼び合っているように、二人はもとは同じ存在。時雨のUC『オルタナティブ・ダブル』によって現れたもう一人の自分なのだ。時雨はゆるふわの人格とハキハキとした真面目な人格の二人が表層に出て来るのだが、今主導で動いているのは戦闘の際を受け持つ真面目な人格の方。UCで現れたのがゆるふわの人格の方だった。
 同じ声同士の掛け合いを聞きながら愛も時雨達と一緒に応戦する。

「一般的な操作には何とか慣れたけど、まだまだ戦闘となるとちょっと大変ね」

「こっちもですね、空戦型のキャバリアの人達のおかげで敵から狙われる事なくここまで来られたから、その間に移動とかの操作には慣れる事が出来たんですけど…。戦闘となるとまたちょっと勝手が違いますね」

 時雨も愛もキャバリアの操縦は慣れていない。そのため、搭乗した直後は色々と大変だったのだが、『堅牢』と交戦可能領域までの移動の間に基本的な操作に関しては何とかこなせるようになっていた。

「流石猟兵だな。俺達じゃここまで短い時間でキャバリアをまともに動かすなんて出来ないしな」

 そう二人に話し掛けてきたのは、ここに辿り着くまでに二人に同行しながら操縦のアドバイスをしてきた東亜国のキャバリア部隊のメンバーだった。彼らのおかげもあって二人は短い時間に基本的な操縦をこなすレベルまで上達していたのだ。

「二人…いや、三人か?この場合は。三人が思うように行動してくれればいい、こっちはそれを援護しよう」

 東亜国部隊の提案に、時雨は自分ともう一人の自分の掩護をお願いしてみた。

「相手は物凄く硬いですけれど、うまく隙を突ければ相手を無力化する事が出来る気がするんです。さっきの通信越しに聞こえてきた演奏のおかげで力も満ち溢れてきていますし」

「そうだな、それは確かにあるか。了解した、こちらの部隊は射撃で援護しよう」

 先程、通信機越しに東亜国所属のキャバリアには演奏が流れてきていた。そのおかげか、時雨と愛だけでなく東亜国の部隊も普段以上の力が出せる状態にあるのだ。

「皆が注意を引いてくれれば、その間に私が敵の背後に回り込んでみるよ」

「わかりました、それでは僕達と東亜国の皆さんで注意を引きましょう。その後の事はよろしくお願いします」

「任せて!」

「じゃあ、行きましょう!作戦開始です!」

 二人の時雨と東亜国の部隊が一斉に射撃武器で攻撃を開始する。バズーカやライフルの弾が大量に降り注ぎ、流石の『堅牢』も防戦一方となる。じりじりと密集隊形となりお互いをカバーするように守りを固める『堅牢』達。目の前の猛攻に対処するのに手一杯となっている敵の状況を確認し、愛も行動を開始した。

「今がチャンスね!東亜国の皆も、相手の人達も…誰も死なせない。皆を護る為の力を、今ここに!」

 愛が力ある言葉を紡ぐと共に、自身の全身を温かなオーラが包んでいく。それは愛の体だけに留まらず、愛の乗るキャバリアにも広がっていった。そしてそのオーラがキャバリア全身に広がり切ったその時、キャバリアが空に舞った。

「東亜国の量産型キャバリアが…飛んだ?!」

 その光景は東亜国のキャバリア部隊だけでなく、敵である『堅牢』の部隊にも動揺を与えた。


「馬鹿なっ!東亜国のキャバリアが空を飛ぶだと?飛行ユニットも持たないキャバリアがなぜっ?えぇい、応戦だ!」

 慌てて空中に浮かび上がった東亜国のキャバリアに向け砲撃を開始する『堅牢』達。とはいえ、真正面からは別の東亜国のキャバリア達が攻撃してきているため、迎撃に回せる人数はわずかだ。

「あの真正面から攻撃してくる二機、周りの機体より明らかに連携が出来ている。あんな奴らが東亜国にもいたのか。恐ろしい練度だ」

 互いの動きを完全にフォローし合っている2機のキャバリアの動きに舌を巻く。そうこうしているうちに、浮遊した東亜国のキャバリアも行動を開始していた。
 『殲禍炎剣』の事がある為に高度は取っていないものの、こちらの攻撃を空中でひらりひらりと回避している。

「くそっ、ちょこまかと!」

 二方面からの敵の行動に『堅牢』部隊も次第に焦りを募らせていく。


「さっきの演奏の効果に、追加で私自身の『ヒロイック・ハート』で強化した今なら…行ける!」

 敵の攻撃を難なく回避出来る。そのまま敵の攻撃をかいくぐり、一気に敵の背後に回り込んでしまう。素早く愛は着地し『堅牢』部隊の背後を取ると、一気に攻撃を仕掛ける!

「これでも食らいなさいっ!えぇぇぃっ!」

 自身のキャバリアの足にオーラを纏わせ、目の前で無防備をさらしている『堅牢』の一機に強烈な足払いを食らわせた。足払いを掛けられた『堅牢』はダメージこそ受けないものの、体勢を崩してしまう。

「さらに体当たりよ!」

 今度はキャバリアの全身にオーラを纏わせ、体勢を崩した『堅牢』に体当たりを食らわせた!その衝撃に耐えきれず吹き飛ばされる敵機。その先には他の『堅牢』達が…。密集隊形を取っていたのが裏目に出たパターンだ。吹き飛ばされた一機に巻き込まれる形で次々と『堅牢』が衝突し、まるでドミノ倒しかのように倒れこんでいった。

「おぉ、凄い。やりますね、お見事!」

 その一手によって状況は完全に東亜国側に傾いた。思わず時雨も愛に称賛の声を上げた。

「もう、これで終わりにしよう。誰も命まで取りはしないんだからさ」

 ゆるふわな性格の方の時雨が敵部隊へ呼びかける。その戦闘中とは思えないふわふわした口調に敵部隊も毒気を抜かれた。

「…わかった。投降しよう」

 全ての『堅牢』が無力化された瞬間であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『エヴォルグ玖號機『Diffusion』』

POW   :    狂機拡散『Trance』
【機体からキャバリアに侵蝕する鱗粉を放出。】【キャバリアの中枢を侵蝕し、暴走させる。】【人にも高い毒性を持ち、自己進化する事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    黒殲拡散『Diffusion』
【感染侵蝕し体を黒く染める鱗粉を込めた刃】で攻撃する。[感染侵蝕し体を黒く染める鱗粉を込めた刃]に施された【理性低下、空気感染、凶暴化、衰弱】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
WIZ   :    国死拡散『Lost paradise』
【機体から放出される黒い鱗粉】を降らせる事で、戦場全体が【高い毒性を持つ瘴気が蔓延する死の土地】と同じ環境に変化する。[高い毒性を持つ瘴気が蔓延する死の土地]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はビードット・ワイワイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 配下の反応が全て消えた。その事実に驚きを隠せないレオンの前に、東亜国の量産型キャバリア達が姿を現す。姿を現したのは東亜国のキャバリアだけではない。レオンが見た事もない形状のキャバリアも一緒だ。

「まさか、あの第1陣、第二陣を退けるとは…。近隣諸国の援軍を得たのか、とも考えたがそうではなかったようだ」

 それにしても信じられない。あの人数で我が部隊を退けたというのか。あの見慣れぬキャバリア達の性能なのか、それとも乗り手の力量なのか…。

「だが、まだ天は俺にチャンスをくれたようだ。あのキャバリア達を打倒しさえすれば、近隣諸国制圧の障害はなくなるだろう」

 目の前のキャバリア達が武器を構え戦闘態勢に入る。

「どちらにせよ、上層部に逆らった時点でもう後には引けないのだ。お前達を打倒し、勝利を掴む!この近隣諸国の平和のために!」


 『堅牢』をすべて無力化した猟兵と東亜国の部隊はそのまま進軍する。その先で一機佇むキャバリアと遭遇した。恐らくこの機体のパイロットが件のレオン隊長とやら、なのだろう。
 それぞれに武器を構え、戦闘態勢に入る。レオンの乗るオブリビオンマシンさえ破壊出来れば、この戦いも終わる。レオンの身柄は確保する必要がある。強敵ではあるが、コックピットの破壊だけは避けねばならない。その事を通信で確認し合った猟兵達はレオンとの戦いに突入した。

 東亜国をめぐる戦いは最終局面へと入ったのだ。
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捕虜となった敵パイロットからの証言の簡単なまとめ

・レオンは東亜国の制圧を皮切りに周辺諸国の制圧を目論んでいる
・レオンは近隣諸国の一部の国との関りについて思う所があり、悩みを抱えていた
・レオンの部隊の副官だったカールが解任される事となった一件で、レオンとその所属する国の上層部との関係は悪化していた

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(以上の捕虜から得た情報は猟兵間で共有されています。この情報をどう扱うかは、参加者の皆さんに委ねられます)
大崎・玉恵(サポート)
妖狐の戦巫女×陰陽師女です。
普段の口調は「女性的(わし、おぬし、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)」、気にいったら「尊大(わらわ、おぬし、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、公序良俗に反する行動はしません。
ユーベルコードを絡めた【誘惑】による認識操作や籠絡、【呪符】に【破魔】【焼却】等の【呪詛】を込め【呪殺弾】とする、薙刀による【薙ぎ払い】【2回攻撃】が得意です。
卑劣な手段をとる敵には【威厳】【存在感】を放ち神として振る舞います。


フィオリナ・ソルレスティア(サポート)
◆性格
普段から冷静沈着で人当たりが良く優しいお姉さん。
実は猫と弟を溺愛する困ったさん。隠しているつもりが割とダダ洩れ
口調は「私~だわ」「私~かしら」『下の名前+さん付け』
胸にトラウマがあるため巨乳の敵には容赦しない。絶対に。

◆戦闘
オートフォーカスで敵をロックオンし、遠距離からの魔法系UCで戦う。
アイギスの盾で相手のUCを相殺したり、敵の弱点に応じた属性攻撃等を
得意とする。フィニッシュはバベルの光が多い。
TPOに応じて愛用の宇宙バイクで戦うことも。意外と乗りこなす。

◆非戦闘
動物と話す等、情報収集を中心にしつつも、ハッキングやシステム破壊等
荒業で対応することも



「おぬしがレオンとやらか。もう残っているのはおぬしのみ、投降せよ…と言っても聞かぬのであろうな」

「まだた、お前達さえ倒せば!」

「仕方ありません。レオンさんには少し冷静になってもらう必要がありそうですね」

 大崎・玉恵(白面金毛・艶美空狐・f18343)の呼びかけに、投降を拒否するレオン。ため息をついたフィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)は玉恵と合図を交わし、レオンの乗るオブリビオンマシンと交戦を開始する。

「どうした!この俺を何とかするのではないのか!狙いが甘いぞ!」

 玉恵とフィオリナが量産型キャバリアのキャバリアライフルで応戦するも、それを難なく回避するレオン機。

「わらわはキャバリアというものにまだ慣れておらぬ故、狙いが定めにくいのう」

「ええ、私もです。キャバリアでの戦いには慣れていなくて…。一人で対応じゃなくてホッとしています」

「では、キャバリア初心者同士、力を合わせてこの局面を打開するとしよう」

「はい!それにしてもコックピットに当てないように、と注意しながらの戦いは結構大変ですね…」

「そうじゃな、射撃武器での攻撃よりは接近戦の方が相手に命中させやすいかもしれぬ。無論その分、敵の懐へ飛び込む故にリスクも伴うがのう」

「そうなのですよね…。あの刃はちょっとまずい気がしますし…。さて、どうしましょうか」

 次の一手に迷う二人に救いの手が差し伸べられた。

「俺達が援護しよう。あとは猟兵さん達が思ったように行動してくれ!」

「東亜国の皆さん!ありがとうございます!」

 通信元は東亜国のキャバリア部隊だ。二人を援護するように複数の量産型キャバリアがライフルで射撃攻撃を行い、レオン機を牽制する。

「ふむ、援護ありがたい限りじゃな。ここはいっそキャバリアの武器にこだわる必要はないのかもしれぬな」

「!そうですね、確かに。私達猟兵だからこそ出来る戦い方で戦えば!」

 二人は次の手を決め、行動に移った。


「ええい、東亜国の部隊共かっ!」

 慣れぬ2機のキャバリアを庇うように、援護に入った複数の量産型キャバリアが連携しこちらへライフルを撃って来てた。レオンはひらりと躱しダメージこそ受けていないが、件の2機へ近付けずに苛立ちを募らせていた。

「忌々しい奴らめ。ならばこれを食らうがいい!黙らせてやる」

 レオン機が機体から鱗粉を放出し始めた。舞い上がる黒い鱗粉は戦場を覆い降り注ぐ。

「この鱗粉は降り注いだその場を死の大地へと変える。お前達の機体はその毒性に耐えられまい!」

 大地が変貌し東亜国の部隊の動きが鈍くなってきた。もうじき毒性に完全に侵され動きを止めるだろう。勝利を確信したレオン、だが…。


「相手は痺れを切らして一手打ってきたようですね」

「そのようじゃな、あれは呪術の類か」

 みるみるうちに、自分達を援護に来てくれた東亜国のキャバリア達の動きが鈍っている。二人が操るキャバリアもエラー表示が点滅し始めた。このままではまずい…、そう思われる状況ではあったが二人は落ち着いたものだった。

「相手が呪術で来るならこちらも呪術で対抗するのみじゃ」

「なら、わたしがその時間を稼ぎます!『エレクトロレギオン』発動です!」

 フィオリナはUCを発動させ、小型の戦闘用機械兵器を多数召喚した。

「毒や呪詛に耐性を持たせた特別製です。これならこの地形でも戦えますから。お願い皆」

 戦闘用機械兵器達はフィオリナ機の元を離れ、レオン機へ攻撃を開始した。レオン機の作り出した地形に適応した機械兵器達はその能力を向上させ、レオン機に弾幕を張っていく。


「くっ、おのれ。小型兵器か!忌々しいっ!」

 一体ずつ切り伏せるにも数が多すぎる。機械兵器達の攻撃を回避し、こちらへの反撃の隙を伺うレオン機。そのレオン機の死角からライフルが撃ち込まれる!

「掠ったか!だが、この程度!」

 しかし、レオン機に攻撃が掠ったと同時に機体に異変を感じたレオン。

「な、なんだ?何が起こった?」

 そして動揺するレオンの目の前で、自身が変貌させたはずの戦場が元に戻っていくのを見て愕然とする。

「こ、これは?!」


「おかげであ奴の不意を突けたようじゃな。感謝する。では、今度はわらわの番じゃ。最たる苦しみは内にある。己が炎に焼かれよ。レオンよ、おぬしが放った呪詛、そのままおぬしに返してやろうぞ!」

 玉恵が放った不意の一撃はレオン機へ掠らせる事が出来た。フィオリナが作ってくれたチャンスをものにし、UC発動の条件を満たした玉恵が満を持してUCを発動させる!
 するとレオン機によって変貌したはずの大地が元へ戻っていく。大地を変貌させる呪詛を含んだ鱗粉が大地より除去されたのだ。そしてその鱗粉と呪詛を纏めてレオン機へ付与してしまったのだ!

「これであ奴の動きは制限されるはず。チャンスじゃ!」

「はい、皆、今よ!一斉攻撃です」

 フィオリナは小型兵器達に一斉攻撃を指示する。無論コックピットは避けて、だ。キャバリアを介し発動するUCは普段生身で使っているUCの時とほぼ勝手は同じ。中途半端にキャバリアの武器を使うよりはこちらの方がより正確な攻撃が可能なのだ!

「相手は呪詛の類を扱う機体のようですし、破魔の力を増幅させて打ち込んだ方が効果的なようですね」

 敵の攻撃手段から、そう推察したフィオリナは小型兵器達に力を注ぎこみ破魔の力を付与した攻撃を放ち始める。徐々に、だが確実に、レオン機の消耗が広がっていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

吉岡・紅葉(サポート)
サクラミラージュ出身の學徒兵で、ハイカラさんの少女。
礼儀正しく快活で、困った人を放っておけない性格。
いつも愛用のダルマ自転車で事件現場に現れます。
流行に敏感で勉強熱心なので、いろいろな世界の文化にうまく順応できます。
元怪盗の師匠に武術を習い、素早さや器用さを活かした
体術や偵察行動を得意とします。得意な戦法は剣術による接近戦、ボウガンによる射撃戦。人型機動兵器キャバリアの操縦も得意で、愛機の「くれはカスタム」は桜學府の技術を組み込んだ特別仕様。レトロモダンな外見とは裏腹に、中身は最新鋭のクロムキャバリアと同等の性能です。

特にサポートの必要がない場合は、採用しないまま流してください。



「…まだやる気のようですね」

 ダメージを負いながらもまだ戦意を失っていないレオン機を見やり、吉岡・紅葉(ハイカラさんが通り過ぎた後・f22838)はため息をつく。

「ならば、この私と『くれはカスタム』が相手になります!」

「ぬかせ!そのような古びたキャバリアで俺の相手をするというのか!」

「古びたとは失敬な。レトロモダンと言ってください!それにこう見えても最新鋭のキャバリアに引けは取りませんよ?それは戦ってみればわかる事!」

「いいだろう、相手になってやる!」

「いきますよ、くれはカスタム!あの失礼な人に自分の言った事を後悔させてやりましょう!」

 くれはカスタムはライフルを構える。幻朧ブラスタア「春日」と名付けられたそのライフルは、影朧を擬似発生させることで高重力弾を発射する特別製のライフルだ。

「当たれっ!…っ、相手の機体は近接仕様ですか。回避率が高いようですね」

 高威力のライフルだが、それも当たらなければ意味がない。レオン機は先程の戦いで見せた鱗粉を使った攻撃以外では、近接仕様になっている。それ故か回避能力が高いようだ。

「よし、俺達も猟兵の方を援護するぞ!皆で弾幕を張るんだ!相手が回避が高かろうが、手数で攻めれば当たるはずだ!」

「東亜国の部隊の方々ですか!感謝します!」

 援護に入ってくれた東亜国の部隊のライフルによる援護射撃。それに合わせるように紅葉も幻朧ブラスタアを連射する!

「くそっ小癪なっ!だが、そこの小娘の乗るキャバリアの攻撃以外はそこまでの脅威ではない。まずは東亜国の奴らを片付けるか」

「…?!まずいっ、皆さん散開してください!敵が狙っているのは皆さんのようです!」

 相手の狙いが、くれはカスタムから東亜国のキャバリアに移った事を紅葉。レオン機が東亜国のキャバリアライフルの被弾をものともせず、それを放つ機体へ間合いを詰めようとしているのを見て、慌てて周囲の東亜国の部隊へ呼びかける!だが、間に合いそうもない!

「仕方ありませんっ!それならばっ。天狗の力を借りれば! 空だってこんなに速く飛べるんですよ!」

 取り出したメダルをキャバリアのコックピット内部に張り付ける紅葉。妖怪【烏天狗】の描かれたメダルはその力を発揮し、くれはカスタムは疾風のように飛翔する!そしてレオン機に狙われている東亜国の機体を抱えると、即座にその場を移動した!

「ほぅ、今の一撃から逃れたか。お前の機体も機動性を上げる事が出来るようだな」

「これは奥の手だったのですけれどね。この手を使った以上、こちらからも攻めさせてもらいますよ!」

 幻朧ブラスタアから巨大な退魔刀へと装備を切り替えたくれはカスタムが、今度は一気に間合いを詰め接近戦を仕掛けた!

「いいだろう、接近戦ならこちらも望むところだ!」

 レオンも不敵に迎え撃つ。鱗粉を込めた刃がくれはカスタムに襲い掛かる!

「っと、危ないですね。その刃には何かまずいものを感じます!」

「ほぅ、見抜いたか。これはさっきも使った鱗粉をふんだんに込めた刃だ。切り裂いた相手に侵食する」

「なるほど、それは受けるわけにはいきませんねっ!」

「だが、いつまでも回避しきれまいっ!力を開放し威力を増した一撃を食らえっ!」

「っと!」

 レオンが自身の寿命を代償に一段階封印を解いた刃による一撃を繰り出す!万事休すのくれはカスタム!

「躱してみせます!くれはカスタムの底力を見せる時です!」

 紅葉のUCによってくれはカスタムは機動性だけではない、命中と回避も底上げされていたのだ!レオンの渾身の一撃を紙一重で躱すくれはカスタム。そしてレオン機の攻撃直後の隙を突き、退魔刀によるカウンターの一撃を叩き込むのだった!

成功 🔵​🔵​🔴​

クリミネル・ルプス(サポート)
関西弁の元気な肉体武闘派人狼。
人狼の身体能力と鍛えた格闘技で戦う。
痛み等の耐性用いての潰し合い上等。
体内に蓄積させた糖原物質を使用した搦め手も使う。
周囲(空間、物質)の匂いからの状況把握推察も可能。

基本は『生き残る事』だが、オブリビオンは許さない姿勢。
特に命や尊厳を踏み躙る系統には本性(真の姿など)が出る。
【ネタ、絡み、合わせなど歓迎です】
【肌の露出やエッチな事には羞恥心はあまり無い。彼氏持ちで一線は超えさせない】

・真の姿時
身体能力の向上と体の変化。
戦闘思考が先立ち、やや、残忍(確実にトドメ刺す)


天宮院・雪斗(サポート)
『なせば大抵なんとかなる』
 妖狐の陰陽師×ビーストマスター、8歳の男の子です。
 普段の口調は「子供(ぼく、相手の名前+ちゃん、年上名前+お兄(姉)ちゃん、、おじ(ば)ちゃん等。だね、だよ、だよね、なのかな? )」、怒った時は「子供(ぼく、呼び捨て、だね、だよ、だよね、なのかな? )」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。甘えん坊で、頭撫でられるの好き、お姉ちゃんたちに甘えるのも好き。あとはおまかせ(アドリブ・行動OK)です。おねがいします!



「確かにアンタのいう近隣諸国の平和のために、っていう理想は立派やけどね。せやからと言って力でねじ伏せるのは許されへん。うちがその心根叩き直してやる」

「ぼくもそういうのはいけないと思うんだ。お姉ちゃん、ぼくも一緒に手伝うね」

 クリミネル・ルプス(人狼のバーバリアン・f02572)と天宮院・雪斗(妖狐の陰陽師・f00482)は連携し、レオン機と向き合った。

「キャバリアって初めて乗るし、ちょっとぼくが操作するにはちょっとサイズが大きいけど…。なんとかなるかな?」

 雪斗はなんといっても8歳の男の子。専用機を持たない雪斗は東亜国から量産型キャバリアを借り受けていたが、コックピット周りは流石に成人したパイロットが乗る想定で作られている。ちょっと今の雪斗にはサイズが合わない。
 だが、その辺りは持ち前のポジティブさで乗り切ることにした。自身の陰陽師としての魔法力を使えば、多少手が届かなかったりとかでも、何とかなる…はずだ。

「ほな、頼むね。敵の攻撃はこっちで受け止めるから」

「うん、うまくいったら後で一杯褒めてねお姉ちゃん!」

「えぇい、ごちゃごちゃと!お前達のキャバリアに侵食し、暴走させてやる!」

 退魔刀による一撃でふらついた機体を必死に制御し、レオン機が二人に攻撃を仕掛けてくる!レオン機より立ち上ったのは鱗粉、こちらのキャバリアを侵食する気なのだ!

「不壊手」

 クリミネルの乗る量産型キャバリアが鱗粉に巻き込まれる直前、レオンは何かクリミネルが呟いたような気がした。だが、もう遅い。

「これでお前の機体はもう無力も同然だ…。ははっ、他愛ないじゃ…っ?!なんだと?」

 大量の鱗粉に巻き込まれたクリミネル機は既に暴走状態、そのパイロットも無事では済まないとほくそ笑んでいたレオンは驚愕する。

「ふっ、アンタの部下がつこうとったのと同じような理屈や。今のウチには一切の攻撃が通用せぇへんよ?今や、攻撃は任せるで!」

「いっけぇっ!」

 UCによってキャバリアの全身を鋼鉄のように変化させたクリミネル機は、一切のレオン機の攻撃を無効化したのだ。パイロットへも高い毒性を持つ鱗粉だが、一切の攻撃を遮断する無敵の鋼鉄の鎧に覆われたクリミネルにはその効果も届かない。ただ、難点はこの状態だと一切動く事が出来ない事だ。だが、その為に雪斗がいる!
 鋼鉄化したキャバリアの背後から、雪斗機や東亜国のキャバリア部隊がキャバリアライフルで一斉攻撃する!

「くそっ、こちらの攻撃が通らないとは…厄介な。だが、守りが鉄壁でも攻撃がお粗末なら、なっ!」

 雪斗や東亜国のキャバリアの攻撃を紙一重で避けていくレオン機。度重なる戦闘でレオン機も損傷が激しくなってきている。戦闘開始直後ほどの余裕さはないものの、それでも慣れない雪斗の攻撃を回避する事は出来るようだ。

「ん~…、やっぱり操作しにくい!そうだ!こういう時は…。青龍・白虎・朱雀・玄武・勾陳・帝台・文王・三台・玉女…。トリプルこんこんチェンジだよ!」

 慣れない機体での強敵との戦い。しかも、体格の影響でうまく操作がしにくい状況。良い事を閃いたと雪斗はUCを発動させる!

「よし、これなら動かしやすい。変身して正解だったね!」

 雪斗は戦闘力が増強される玉藻の前へと変身し、その際にこのキャバリアのコックピットに合った背丈へと体のサイズも調整したのだ。操作性が向上した事、そして純粋に雪斗の戦闘力が増強された事で雪斗機は先程までと見違えるようにレオン機を追い詰めていく。

「くそっ、間合いを取られたままではこっちが不利か。あの壁となるキャバリアの事もある、接近戦で仕留める!」

 動けないクリミネル機を無視し、雪斗機へ肉薄するレオン機。

「第二段階、封印解除!食らえっ小僧!」

「おっと、と…。レオンお兄ちゃん、その技って使えば使うだけ寿命が縮むんでしょ?無理はしない方がいいと思うよ?」

「ふざけるな!敵に情けをかけるか!」

 レオン機の一撃を残像で回避する雪斗機。心配しての一言は頭に血が上っているレオンには逆効果だったようだ。

「ん~そういうつもりじゃないんだけどなぁ…、よっ…っと」

 戦闘力が増強された雪斗機はレオン機の攻撃を回避し続ける。

「どうした!反撃して来ないのか?なら、まだまだ行くぞっ!」

「ん~…そうだね、そろそろ反撃しようかな?お姉ちゃんの準備も整ったみたいだし」

「何を言って…」

 雪斗機へ接近戦を仕掛ける事に夢中になっていたレオンは、もう一人の猟兵の存在がすっかり頭から抜け落ちていた。雪斗の言葉にハッとしたレオンは背後を振り返ると…。

「さて、ここからはウチも反撃させてもらおうかな。覚悟しぃ!」

 衝撃波を纏わせたクリミネル機の拳がレオン機の顔面に叩きつけられる。

「ぐはっ!き、貴様…動けなかったはず!なぜ動ける」

「そりゃ当たり前やろ、解除したからに決まっとるやがな」

 クリミネルは生身でも接近戦を好むタイプだ。格闘戦もお手の物。衝撃波を拳や脚部に纏わせる事でキャバリアによる格闘戦を仕掛けたのだ。

「安心せぇ、コックピットは外すさかいに」

 クリミネル機の猛ラッシュにさらされるレオン機。

「あぁ~…、これはもうぼくの出番ないかも。お姉ちゃん凄いや!」

 一瞬クリミネル機の援護に入ろうと雪斗機が試み、断念した。レオン機に肉薄する状態でラッシュを浴びせるクリミネル機のかえって邪魔になってしまう恐れを感じたからだ。

 とりあえず手持ち無沙汰になった雪斗機は東亜国の部隊と合流し、機体の損傷具合がどの程度のものか確認する事にした。
 恐らくもうじきレオンとの戦いにも決着がつくだろう。レオンも含め、この場で戦った人々を誰一人欠けさせる事無く戦闘を終えるために。
 雪斗機は東亜国の部隊と共にクリミネル機に万一の事がないよう、いつでも援護出来るよう体勢を整えておくのだった。

「ぐはっ、こ、こんなはずでは…」

「まだやる気かい?なら立ちぃ」

 自身の渾身の一撃に吹き飛ばされたレオン機に悠然と構えるクリミネル機だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シーカ・アネモーン
国の方針、軍の方針に不満があるという訳だ。
そこに何があったか聞いたりはしないが、お前の目論見が仮に通ったとしても、国はそうそう傾かないぞ
上も下も、代わりの首はいくつもあるものさ
話しすぎたか
まあなんだ。国の内側に抱いた不満を、他所の国にぶつけるなよ。
一般的にそれは八つ当たりと言うんだ

カサドレス、ドッキングだ
相手のガス状の兵器には警戒が必要だな
アンヘル・カサドレスとなった以上、出力と武装は強化されている
拡散ビームで牽制しつつ、位相変換フィールドで体当たりだ。

機体を捨てろ。もう持たんはずだ。
国の仕組みは知らんが捕虜になるなり亡命でもすればどうだ。生き抜いて理想の国とやらを作ってみたらどうだ



「レオン、だったな。そろそろ少しは頭が冷えたか?」

「くっ…」

 猟兵達の総攻撃を受け、レオンの乗る機体もそろそろ限界が近いようだ。

「少し、こちらの話を聞く気になってくれたのなら、耳を傾けてくれ」

「…」

 先程までのように猟兵の呼びかけに対し反発する素振りはない。もはやその余裕もないのかもしれない。シーカはその様子を確認し、再び言葉を紡ぐ。

「お前の部下たちの話によれば、お前は国の方針、軍の方針に不満があるという訳のようだな」

「…それが、どうした」

「そこに何があったか聞いたりはしないが、お前の目論見が仮に通ったとしても、国はそうそう傾かないぞ?上も下も、代わりの首はいくつもあるものさ」

「そんな事、そんな事…わかってはいるさ…。わかっては…」

 シーカの話に絞り出すように応えるレオン。この道を選ぶにあたり悩みに悩んだのだろう。それが例えオブリビオンマシンによる思考誘導があったとしても…だ。

「…話しすぎたか。まあなんだ…。国の内側に抱いた不満を、他所の国にぶつけるなよ。一般的にそれは八つ当たりと言うんだ」

「だが、それでも…俺はっ!」

 悲痛な叫びを上げ、レオン機が機体を軋ませながら武器を構えた。明確な決着を望んでいると感じたシーカは、言葉を紡ぐのを止め同様に戦闘態勢に入った。

「カサドレス、ドッキングだ」

 先の戦いの際に分離していたカサドレスを呼び戻し、アンヘルと再度合体させる。

(相手のガス状の兵器には警戒が必要だな)

 先程他の猟兵達との戦いの際に、レオン機が使った鱗粉による機体の侵食攻撃。それを食らえば機体だけでない、パイロットまでもその毒に侵されてしまう。シーカはレオンとの決着を付ける為、攻防一体の攻撃を模索する。

「決着を付けようレオン」

「この鱗粉で機体を暴走させて、その隙を刃で切り刻んでやるっ!食らえっ!」

 レオン機から再びあの鱗粉が放出される!

「今のアンヘルはカサドレスと合体し、アンヘル・カサドレスとなった。出力と武装は強化されている。だからこそ、こういう戦い方も出来る」

 カサドレスから拡散ビームが放たれる。そのビームは舞い散る鱗粉を吹き飛ばしアンヘルに近付けさせない。

「なっ!」

 まさかビームによって鱗粉を拡散されるとは思っていなかったのだろう。絶句するレオンに向け、アンヘルが迫る!

「いくぞ、アンヘル。最大出力だ」

 最大加速でレオン機に迫りながら、アンヘルは自身の前方に位相変換フィールドを展開させる。

「防護フィールドの出力も上がっているんだ。ぶつけるぞ!」

 無防備を晒していたレオン機に、フィールドを展開したアンヘルが体当たりをぶちかます!

「これで、決着だレオン」

 レオン機は限界が来たのだろう。あちこちからスパークが立ち上っている。

「機体を捨てろ。もう持たんはずだ」

「…わかった。俺の負けだ。素直に認めよう」

 レオンが機体より飛び降りる。そこまでが限界だったのだろう。レオンが機体を降りるのとほぼ同時にレオン機が爆発する。慌ててその爆風からレオンを守るアンヘル。

「…何故、俺を庇った?俺は敵だぞ」

「その旨の指令を私達は受けている。それに…だ」

 一旦言葉を区切り、一息つくシーカ。

「国の仕組みは知らんが捕虜になるなり亡命でもすればいい。お前は生き抜いて理想の国とやらを作ってみたらどうだ?」

「…俺が、国を?」

「実際にどうするかは、お前が決めろ。お前の人生だ」

「…そう…だな。俺は恐らく国で罰を受ける事になるだろう。その間に、これからの事を考えてみよう」

「それがいい。お前は今回こうして思い切った行動を取った。手段はまずかったがな。だが、その行動力があれば何かをなせるかもしれない」

「…あぁ、感謝する」

 深くシーカ達猟兵に頭を下げると、レオンは東亜国の部隊に連行されていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​


 こうしてレオンによる東亜国制圧作戦は、猟兵達によって阻止されたのだった。その後レオン達の部隊は隣国へと身柄を返還される。人的被害が一切発生しなかったため、周辺諸国へは「東亜国と隣国との合同軍事演習を実施した」という報告がなされたらしい。
 隣国の上層部からの要望だったのか、詳細は不明だ。
 レオンは隣国にて今回の騒動の責任を取らされ刑罰を受ける事になった。レオンの実力が周辺諸国では随一である事は変わりない。その実力を手放すのは惜しいとでも、考えたのだろうか。一度僻地送りとしていた元副隊長のカールを呼び戻し隊長代理に任命した辺り、隣国も軍事面での優秀な人材は豊富なわけではないのかもしれない。

 その後、刑期を終えたレオンが隣国から離脱し、共に隣国を離れた部下達と新しい国づくりを始めたという噂が飛び交ったが、真偽のほどは定かではない。


【完】

最終結果:成功

完成日:2021年09月12日


挿絵イラスト