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大江戸月夜忍法帖

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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「やあやあ猟兵諸君。くるるちゃんの召集に集まってくれて感謝するねっ」
 グリモアベースに集まった猟兵達を前に腕を広げ、鏡繰・くるる(バーチャルキャラクターの電脳魔術士・f00144)は愛らしい笑顔と共に元気よく切り出した。
「今回の事件はサムライエンパイア。江戸幕府要人の暗殺を阻止してもらうよ!」
 暗殺が決行されるのは深夜。オブリビオンの忍者によって、暗殺が行われる。
「とはいえまあ、今回は早めの予知が出来たからねー。阻止するのは簡単。問題は、その後なんだ」
 暗殺を妨害された実行犯のオブリビオンは、すぐに逃走を開始する。これを追跡、そして撃破するのが今回の任務となる。

「敵は妖魔忍者達が十数名だよ。キミ達に見つかったら、屋根の上を走って逃走していくから、これを追いかけて欲しい」
 基本的に彼らは一塊となって逃げていき、バラバラに分散する事はない。
 追いかける方法は自由だ。そのまま一緒に屋根の上を追いかけても良いし、道を追いかけても良い。先回りしたり妨害したりも自由だ。相手に追いつく事に成功すれば、そこで戦闘になる。おそらく、屋根の上下を利用した立体的な戦闘が想定される。
 そして、妖魔忍者達を全滅させると、彼らの棟梁である羅刹のくノ一が現れるので、これを倒せば依頼は終了となる。

「ただし! 大事な注意を一つ。深夜で、一般人はみんな寝静まってるからね。あまり大きな音を立てないで欲しいんだ」
 もし町人達が音を聞きつけて目を覚ませば、当然外に出てくる。そうなれば、戦闘に巻き込む危険が高まってしまうだろう。
 幸い、忍者側は進んで騒ぎにしようとは思っていない。猟兵側は気をつけていれば、町人達を起こす事はない。
「普通の声での会話程度なら大丈夫だから、安心して。大声も少しぐらいは平気だけど、ずっと叫んでると危険だね。剣戟の音とかも大丈夫、爆発音とかはまずいかな」
 基本的に、『普通にしている分には問題ない』『普通以上に大きな音を出すのは危険』と考えると良いだろう。

「全ては真夜中、皆が寝静まっているうちに……なんて言うと格好良いよね、まあそんな感じだから……」
 わざとらしいほど可愛くそう言った後、くるるはビシッとポーズを決めて猟兵達を見渡す。
「ばっちり、解決してきてね。良い知らせを待ってるよ」


一二三四五六
 音もなく、静かに。

 ごきげんよう。忍法帖って言葉になんとなくときめく、一二三四五六です。

 第一章の冒険『大江戸大追跡』はくるるが自分で投稿したやつで、第二章の宿敵『妖魔忍者』は山田さん(トミーウォーカーのNPC)のやつです。
 第三章の宿敵『邪忍軍の女棟梁』は、エルシー・ナイン(微笑の破壊兵器・f04299)さんの宿敵です。投稿ありがとうございます。

 補足。
 第一章は、妖魔忍者を追いかけている所からスタートします。江戸幕府要人の暗殺云々、と言うのは、あくまで依頼背景の説明であり、リプレイには関係ありません。

 今回のシナリオの趣旨は『真夜中に人知れず戦う猟兵達かっこいい』と言うものであり、『音を出す攻撃を制限する』のは本旨ではありません。よって、大きな音が出そうな攻撃も、何かしらプレイングで工夫して上手い事やれば問題なく使えます。そもそも、音が出るかどうかも自己申告です。
 大事なのは猟兵がかっこいいかどうかです。

 現在戦争中ですので、リプレイの執筆は戦争依頼が優先されます。と言っても、最初のプレイングが失効する前には問題なくちゃんと返却します。まあ、普段よりまったり速度気味、ぐらいの気持ちで、のんびりどうぞ。

 それでは、皆様のプレイングを楽しみにお待ちしております。
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第1章 冒険 『大江戸大追跡』

POW   :    相手が逃げるのを、妨害しながら追いかける

SPD   :    自分が進みやすい道を探して、効率良く追いかける

WIZ   :    相手の逃げるルートを予測し、先回りする

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

髪塚・鍬丸
忍者は引退した身だが、悪の忍びの類が悪さしてるとあっちゃあほっとけねぇな。
一肌脱がせて貰おうかね。

闇に紛れる忍装束を纏って奴らを追いかけるぜ。
【ジャンプ】【クライミング】【ダッシュ】等の体術を駆使して、奴らと同じく屋根の上に登って飛び移りながら追跡する。無論【忍び足】で物音を立てない様に行動するさ。
異世界の技術で忍び道具は改良してある。暗視ゴーグルで【暗視】【視力】を強化し、敵の姿は見逃さねぇ。
更に、足場の無い所でも【猿飛の術】で多段跳躍だ。【世界知識】でこの界隈は庭みたいなもんだ。ショートカットして敵の逃げ道に回り込む。
他の仲間の動きとも合わせて、連中を追い詰めるぜ。


六代目・松座衛門
「忍者か。追いつけるか?」
人形「暁闇」を自分に並走させつつ、忍者たちの追跡を開始。マキビシ等の妨害を想定し、忍者たちが通ったルートは極力使わずに追いかける。
手裏剣を放ってきたら「暁闇」で【武器受け】。

「遠回りしたり、登っていたら巻かれちまう。最短最速で突破だ!」
ルート上に大きな堀や壁がある場合は、UC【錬成カミヤドリ】で自分の器物「十字型の操作板」を複製し、それを足場にして突破!
また、人形を足場にしたり、人形と操作糸をフック付きワイヤーの代わりにして、町中を駆け抜ける!

忍者たちが逃げるのをやめたら、月を背にして「もう逃げないのか?」と忍者たちに呼びかけよう。

アドリブ、連携歓迎


秋津洲・瑞穂
どう考えても、道を走った方が早いでしょう。

フォックスファイアたちを引き連れて、
【ダッシュ12】で前へ前へと回り込んでいくよ。
むこうからの飛び道具は【残像12、オーラ防御12】で対処し、
なにか大技が来たら神獣剣で【なぎ払い12】の防御を。

要所要所で狐火を一つずつぶつけ、または数個で壁を作り、
相手の進行方向を制限していくよ。
上向きに撃つから流れ弾の心配もなし。
出来るだけ広い場所に追い込むように、誘導最優先で行く。

相手が飛び移れる屋根がなくなり、いったん地上に降りる、
その着地の瞬間に生じる隙を見逃さずに勝負を掛けよう。
【鎧無視攻撃12、2回攻撃12】を乗せた剣刃一閃、
渾身の一刀二斬を躱せるもんかっ。



 江戸の街、草木も眠る月夜。
 屋根の上を、妖しき影が音もなく駆ける。
「忍者は引退した身なんだが……」
 その影を追いかける、もう1つの影。妖魔忍者達を、離れず追走する鍬丸。
「悪の忍びの類が悪さしてるとあっちゃあほっとけねぇな。一肌脱がせて貰おうかね!」
 忍者としての生き方を捨てた鍬丸だが、その根底にあるのは、悪を見過ごせぬ勇者の基質。必要とあらば、忍者として戦う事を躊躇いはしない。
『……!』
「おっと、そんなものが届くと思ってるのか?」
 闇夜に紛れた撒菱、苦無。それを無造作に払い、斬り捨てる。
「生憎と、俺にとっては夜闇なんて、何の脅威でもないんでなっ!」
 異界の力で改良したそのバイザー、独鬼眼。その視界は、月明かりしかない深夜でも日中と同じだ。
「追いつけるか? いや、追いつかないとな……!」
 直線で追いかける鍬丸に対し、松座衛門は敵の妨害を強く想定。相手の通った場所を通らず、それでいて大きく迂回しないルートを巧みに割り出していく。
「遠回りしてたら巻かれちまうからな……!」
 巧みに屋根の上を跳び移り、駆ける。直線距離より追走の速度は落ちるが、甲斐あって妨害は少ない。
 時折飛んでくる手裏剣も、並走する戦闘用人形・暁闇が撃ち落とす。
『……』
 2人の追走を巻こうと、妖魔忍者達は逃走のルートを変えた。街中を流れる川を大ジャンプで飛び越え、対岸の屋根に飛び移らんとする。
 この距離は、普通に飛び越えられる距離ではない。さりとて道に降りてしまえば、その分の時間をロスする事になる。
 だがそんな状況にも、2人は全く動じない。
「おっと……逃さねぇぜ? 踏!」
 鍬丸にとって、空とは足場に過ぎない。屋根の上も空の上も変わりなく、その脚で蹴って突き進む。
「最短最速で突破だ!」
 松座衛門は、自身が宿る十字の板……人形の操作盤を錬成、宙にばら撒いた。生み出した足場の上を、一気に駆け抜ける。
 飛ぶがごとく空を蹴る2人の前に、この程度の距離など何ら苦にならない。妖魔忍者達を、一歩も離す事なく追いかける。
 追走してくる2人の姿を確認すべく、ちらりと振り返った妖魔忍者達。だがその瞬間、彼らの目の前に、炎の壁が立ちはだかる。
『っ……』
 とっさに、鬼火の忍法でそれを相殺する忍者達。だが急な事に対応が遅れ、一人が炎に巻かれて落下する。
「迂闊、だったね。よそ見するからよ?」
 その落下を見逃さず、駆け寄る瑞穂。細身の刀、神獣刀を手に携え、一気に間合いを詰める。
 妖魔忍者も、炎を振り払いながらとっさに苦無を投げる。
「そんなものは、届かないわっ!」
 それを切り払い、さらに間合いを詰める瑞穂。妖魔忍者が、忍者刀を構えて着地するよりも早く、横を駆け抜ける。
「一刀二斬……躱せるもんかっ!」
『……!』
 すれ違いざま、目にも止まらぬ二閃。妖魔忍者の身体を斬り捨てる。
『……』
「さあ、残りも逃さない……!」
 他の妖魔忍者達は、仲間の一人がやられた動揺など一切見せぬまま、屋根の上を駆けていく。切り捨てた妖魔忍者が塵に帰るのを見届けてから、瑞穂も再び駆け出した。
 彼女には、屋根の上を駆けるような技はない。代わりに狐火を操り、妖魔忍者達の逃走経路を狭めていく。
 炎を飛ばし、時には今のように壁を作っての妨害。少しでも隙を見せれば、逃しはない。
「江戸界隈は、俺にとっちゃ庭みたいなもんだ。逃げられると思うなよ?」
 最短最速、あらゆる地形と妨害を苦にせず、真っ直ぐに追いかけ続ける鍬丸。
「お前達がどうやって逃げようと、俺達を振り切れはしない!」
 人形を先行させては、その糸を引いて一気に加速。僅かな迂回のロスを埋めて離れない松座衛門。
「そもそも好き勝手に逃げられるとは、思わない事ね」
 その後ろから追いかけつつ、巧みに炎を操って2人を援護する瑞穂。
 3人の猛追によって、妖魔忍者達の逃走経路は徐々に狭められていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ニコラ・クローディア
なるほど、月夜を駆けて音もなくオブリビオンを始末せよ、と…普段とは立場が逆転するな
そうなると、手数で押したほうが有利か
「戦闘は任せたぞ、アンフィス、バイネイン」
主な戦闘行動はUCで召喚する使い魔の双子竜に一任
戦闘方法も格闘戦法でのグラップル、見切り、力溜め、マヒ攻撃あたりを基点に行動制限と無力化を重視させよう
自分は忍者を追いかけつつ後方から高速詠唱、情報収集で魔術的に相手を監視しを逐次指示
「ずっと屋根があるわけでもあるまい、跳躍したところを狙ってやれ」
鼓舞、見切り、戦闘知識で効果的なタイミングを指示
いわゆる指揮官プレイだ
情報は猟兵にも共有する
うまく役立ててくれよ?
アドリブ・連携歓迎
口調:ドララ


泉宮・瑠碧
僕は風鳥飛行で
風に暗めの色の鳥になって貰い、空から追跡
気付かれない様に
影の落ちる位置にも気を付けよう

暗視もあるが月明かりでも見えるか
一塊ならそれなりに目立つだろうし追う者も居る筈
目的の姿を確認したら
上昇して広く街の地形を見る

猟兵を撒こうと逃亡していても
屋根の連なりもあるし
行き先への方向からは大きく逸れないだろう

開始地点から向かっている大まかな方向を線で繋ぎ
行き先を予測
戦い易そうなしっかりとした屋根や足場のありそうな位置へ先回り

蛇行や撒こうとしていたり追われているなら
そう真っ直ぐには行けないだろう

多少の誤差があってもすぐ移動出来る様に風鳥には乗ったまま
目的の位置まで引き付けてから降下して威嚇射撃



「地上の皆は、順調に追えているようだね……」
 その追跡の、遥か上。月夜の空を、音もなく飛ぶ者がいる。
 風が形を為した、姿なき鳥。その上に跨るのは瑠碧だ。空から見渡す事で地形を把握し、妖魔忍者たちの逃走経路をより正確に把握する。
 さらに、その風鳥に並走する影が2つ。アンフィスとバイネイン、双子の竜が、地上を睥睨する。
『そのようだな。そろそろ俺様達も仕掛けるか?』
 瑠碧に話しかける声は、その竜から漏れるもの。だが、話しているのは彼らではない。
「ああ、おそらく、彼らはこのまま東に逃げるだろうから……」
『だったら、次の跳躍が仕掛けどころだな。遠慮なく狙ってやれ』
 ここにはいない彼らの召喚者、ニコラも地上から、妖魔忍者を追っている。
 だが彼女は、自身としての追跡は程々、本命はこの双子竜による追跡だ。竜と五感を共有し、念で瑠碧と会話して、この場にいないことも何ら苦にはならない。
「よし、じゃあ……タイミングは、君に合わせるよ」
『良いだろう、ならば……』
 風鳥の上で、杖を構えた瑠碧。主の念に応じ、杖は弓へと変化する。弦を引けば、携えられるは水の矢。狙いを定め、タイミングを図る。
『そら、今だっ!』
「っ……!」
 妖魔忍者達が、大きく跳び上がろうとするその一瞬。ニコラの念と共に、弓弦を離す。放たれた水矢……それは本来、この距離と暗さでは、到底忍者達に届くものではない。
 だが、その逸れていく軌道を、風が優しく包んで誘導する。
『……!』
 急に空から降ってきた矢にも、妖魔忍者はよく対応した。とっさに忍者刀で斬り捨てる……だが、その動き自体が隙に他ならない。
『戦闘は任せたぞ。裂いてやれ、アンフィス』
 タイミングを合わせて急降下した兄竜が、その爪をもって、脚を止めた一体の忍者をズタズタに引き裂く。
 爪を受けて、痺れ動けなくなった忍者は、地上から追跡している者達の手によってトドメを刺され、塵と帰る。
『よし、良いぞ。バイネイン、道を塞いでやれ』
 さらに弟竜が、忍者達の道を遮るように動く。当然、迂回してそれを回避する忍者達だが、そこに再び水矢が降り注ぐ。
「そうそう、思い通りに逃げられる訳がないだろう」
 徐々に降下を始める風鳥。距離が詰まると、瑠碧の矢の狙いもより正確さを増していく。
「そろそろ、だな」
 だが、瑠碧の目は敵を見ていない。彼女が見るのは、敵のこれまでの逃走経路、そしてこれからの予測逃走経路。
 当てるのではなく、敵の動きを制限し、軌道を操るように、矢を落としていく。
「これで……狙い通りだ」
『俺様がわざわざお膳立てしてやったんだ。役立ててくれよ?』
 道を塞ぎ、捻じ曲げて。妖魔忍者達を、狙いの場所へと誘い込んでいく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ソモ・サン
忍者。これはアタシの出番ってところかしら?

【暗殺】、【盗み】はアタシの領分よ。
それにそんな奴らの考える事なんて手に取る用にわかる。

追いかける?冗談…
罠を事前に張ってそこに追い込めばいいの。
【第六感】に従って指定の場所に罠を設置。

後は逃げられてるふりをして、じっくり嬲ってやればいいのよ…。
まるで、蛇がネズミを追い込むように……


藤原・紫苑
「世界は違えど政府に関するテロは許せません」

アドリブ・他者交流歓迎
【WIZ】妨害は他人に任せて自分は先回りを選択
事前に地形の下見を行いGlass eyeに地形情報をインプットしておく
敵と相対した時に追跡ビーコンを打ち込んでおく
一人なら敵を追い払った後は暫く追いかけたら先回りに以降
同僚と共闘できれば追跡を任せ先回りに迂回

狭い路地に入り込まれる前に高所に【目立たない】よう隠れ暗視ゴーグルと【視力】で索敵
高台から姿を隠しつつ触手を放って【先制攻撃、スナイパー、鎧無視攻撃、暗殺】
「目標視認、交戦を開始する」
逃げる目標は射撃などで有効な地点に誘導【おびき寄せ】つつ狩る
ここが貴方達の土壇場ですよ


法悦堂・慈衛
■WIZ重視

草木も眠る丑三つ時、月明かりの下悪党退治、それを見遣るは月のみぞ。
カッコええなぁ。んじゃちょっと頑張ろか。

とはいえ忍者の肉体能力に追いつく程やないからな、俺。
まぁとりあえずは屋根に上って家々の構造を見てみよか。
軒の並びを見ればある程度は進行方向も読めるやろ。
おや、あちらの雨どいを開けて寝とるお嬢さん、随分艶やかな…
いかんいかん。今はそういうのダメやったね。

ある程度見通しを自分で付けて、【式の弐・卑弥呼】を使うて読みが合うとるか答え合わせといこか。
愛しき卑弥呼ちゃん、仰せのままに動くから忍者がどっちに向かうか教えてやぁ。

んで、先回りしたら音出さんように偏愛真言符でマヒ攻撃しとこか。



 時を少し遡る。
「あちらの雨どいを開けて寝とるお嬢さん、随分艶やかな……」
「何を見ているの、何を」
 屋根の上から周囲を見回し、鼻の下を伸ばす慈衛に、ソモが突っ込みを入れる。
「すまんすまん。せっかくカッコええシチュエーションだってのに、気ぃ抜いたらあかんわな」
 頭を掻いて謝ると、改めて街を見渡せば、忍者達と、それを追いかける猟兵達の姿。
「草木も眠る丑三つ時、月明かりの下悪党退治、それを見遣るは月のみぞ……いやぁ、頑張りがいがあるってもんや」
「そういうものでしょうか」
 極めて事務的な口調を返す紫苑は、冷静に、その地形データをサイバーアイにインプットする。対UDC用にカスタマイズされた『Glass eye』だが、当然他のオブリビオンに対してもその機能は流用可能だ。
「格好良いかどうかはともかく……世界は違えど政府に関するテロは許せません」
「まあ、報いは受けて貰わないとねぇ」
 同意しつつも、周囲に罠を仕込んでいくソモ。
「暗殺、盗みはアタシの領分よ。奴らの考える事なんて手に取るようにわかる」
 逃走経路を予測しての先回り。他の猟兵達が巧みに経路を誘導しているとはいえ、寸分の狂いなく狙った場所に誘導出来る筈もない。
 それを、ソモの経験と、紫苑のデータによって補正し、正確な場所を割り出していく。
「高確率で、この位置を通ります。あと2分という所でしょうか」
「そんじゃ、答え合わせといこか」
 紫苑の言葉を聞き、慈衛は懐から式神符を1枚抜き出した。
「さあさ、愛しき卑弥呼ちゃん。仰せのままに動くから、ありがたい御言葉で未来を教えてやぁ、と!」
 符術によって呼び出されるは、吉凶を見通し予言を告げる、古の女帝。未来を見通し、推測を裏付ける。
「ふむ、予言と言うのは便利ですね」
「いやいや、俺に言わせりゃ、紫苑ちゃんのサイバーウェアも随分便利やで?」
 経験と、科学と、陰陽術、そして他の猟兵達の行動。その全てが、妖魔忍者の逃走経路を裏付ける。
「後は、逃げられる振りをして追い込んで……ここで捕まえるだけ」
 罠を張り終えると、舌舐めずりを見せるソモ。
「蛇がネズミを追い込むように、ね」
「ええ……さて、時間ですね」
 音もなく、近くの物見櫓へと向かう紫苑。他の2人も、近くへ身を隠す。

「……今っ!」
 そして、定刻通り。妖魔忍者が、屋根の合間を飛び越えようとした瞬間、ソモの仕掛けた網が彼らを掬い上げた。意表をつかれ、脚を取られる妖魔忍者。
「ほれ、そこやっ!」
 素早く符を放ち、それを炎へと変える慈衛。炎はさらに縄となり、妖魔忍者を縛る。
「綺麗な姉ちゃんへの熱い想いを込めた俺の符や。あんたらみたいなのに使うんは勿体無いが……特別やでっ!」
 さらに、妖魔忍者達の脚を正確に狙い、降り注ぐ光線。
「目標視認、交戦を開始する」
 絶滅者の名を持つ大型の光線銃を構え、櫓の上より狙いを定める紫苑。モードを戦闘用に切り替えての射撃は、当たれば無論、当たらずともその動きを誘導する。
「もう、逃げられはしません。ここが貴方達の土壇場ですよ」
 これらの足止めは、時間稼ぎに過ぎない。だが、稼げる時間に意味がある。
 彼らに罠に手間取り、攻撃に対応している間に、他の猟兵達が追いつき、妖魔忍者達を取り囲む。
「これで、逃げ場がなくなったわね?」
 忍具を構え、妖魔忍者を見据えるソモ。
「じっくり……嬲ってあげる」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『妖魔忍者』

POW   :    忍法瞬断
【忍者刀】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    忍法鎌鼬
自身に【特殊な気流】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    忍法鬼火
レベル×1個の【鬼火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 完全に取り囲まれ、観念したか。
 妖魔忍者達は屋根の上下に分かれ、忍者刀や苦無を抜き放つ。意識を猟兵達の排除に切り替えたのだろう、もはや逃走する気配はない。
 彼らの感情無き殺気が、猟兵達に向けられる――。
秋津洲・瑞穂
相手が普通の剣士だったら、一撃離脱を繰り返せば、
多数相手だろうと戦えるんだけど。忍者の群れじゃなー。

とはいえ、搦め手で戦ったら相手の土俵だもんね。
真っ向勝負させてもらうわ。おまけ付きでね。

自分を中心にフォックスファイアを散らばして、浮かぶ盾に。
至近に敵が来れば格闘代わりに激突させられるよう制御しつつ、
手近な一人を狙って【ダッシュ12】で強襲。

狐火を払えば、【なぎ払い12/鎧無視攻撃12/2回攻撃12】の剣刃一閃を。
私を攻めても、狐火たちの一斉突撃をまともに受けることになるよ。
むろん私も【残像12/オーラ防御12】で身を護るしね。

攻防一体の炎の城に守られた突進を、準備もなく一手で凌ぐのは骨よね?


ニコラ・クローディア
「もう鬼ごっこは終わりかい?」
アンフィス&バイネインを呼び戻し槍モードで装備しながら参じるとしよう
「ちょっとしたマラソンで体も温まっている――やるとしようか」
龍闘術で槍を使用、相手の数が多いので一撃一殺を目指し攻撃力を重視、ついでに言えば怪力だ
「さぁ、触れれば首が飛ぶぞ!」
命中力は見切り、戦闘知識、なぎ払いでカバー
基本的に自分の位置は動かさず、拠点防御、激痛耐性、オーラ防御で最前衛の盾役をしつつ力溜め+カウンターによる後の先狙い
真の姿のおかげで龍翼外套の防御力も高い、そう簡単に貫けると思うな?
「間合いが違うんだよォ!」
特に忍法瞬断は射程30cm、こちらの槍が届く方が早いぞ!
アドリブ・連携歓迎


髪塚・鍬丸
「ようやく逃げるのにも飽きたかい。」
と身構える。ちと数が多いか。
『影分身の術』を使用。自身と瓜二つの、意識の繋がった分身が現れ、背中合わせに武器を構える。
「「さぁ、始めようか」」

右手に刀、左手の指に数本の手裏剣を挟んで構える。
敵の連携を【見切り】つつ、分身とお互いの死角を補いながら敵達の攻撃をかわし、包囲されない様【ダッシュ】【ジャンプ】で位置を変えながら交戦。
分身との連携で【2回攻撃】、複数の敵に対して一度に複数の手裏剣を打ち【範囲攻撃】。堅実且つ静穏に敵の数を減らしていく。
静かな夜に派手な術は無粋ってもんだ。【暗殺】の技能、久々に振るわせて貰おうか。



「ようやく逃げるのにも飽きたかい」
 右手には刀。異界の蛮刀を打ち直した無窮の刀、銘を松明丸。
 左手には手裏剣。忍の八法を仕込んだそれを数枚、指の合間に挟む。
 そうして構えた鍬丸は、妖魔忍者達をバイザー越しに見渡すと、ふと呟いた。
「ちと、数が多いか」
 その身体が、僅かにぶれる。直後、その背を守るように、分身が姿を現した。同時に口を開く。
「「さて、始めようか」」
 妖魔忍者が飛びかかってくるが、彼……いや、彼らに隙はない。巧みな位置取りで敵の連携と包囲を阻み、戦場を飛び回る。
「いや実際、数が多いよね。本当」
 手にした刀は神獣刀。細身のそれを構え、瑞穂は妖魔忍者達を見回す。
「剣士相手だったら、一撃離脱を繰り返せば、多数相手だろうと戦えるんだけど。妖魔忍者の群れじゃなー」
 素早い相手に一撃離脱は無理がある。そうぼやきながら……彼女の周囲に浮かぶのは、数多の狐火だ。
「搦め手じゃそっちの土俵よね。真っ向勝負で挑ませてもらう、わっ!」
 その狐火を盾に、手近な妖魔忍者に斬りかかった。相手は即座に印を組み、鬼火を出して狐火を相殺する。
「あら、そっちで良いの?」
 一閃。術を放った直後の相手を、鋭い一撃で斬り捨てる。返す刀で別の妖魔忍者へ斬りかかり、今度は刀を防いだ相手の身体を、狐火で包み込んだ。
「この、攻防一体の炎の城。一手で凌ぐのは骨よ?」
 瑞穂を脅威と見た妖魔忍者は、後ろに大きく飛び下がる。
「おっと、迂闊だな」
 だが、そのうち一人の首筋に、鍬丸が刀を突き立てた。
「暗殺の技を使うのは久しぶりだが……鈍っちゃいないな、我ながら」
 一瞬前まで別の妖魔忍者の相手をしていたが、そちらは分身に任せての隙をついた一撃。敵の命を無駄なく奪うと、再び元の戦いに跳ね戻る。
「逃げるから、そうなるのよ。まあかと言って、逃げなければ……」
 当然、瑞穂の炎城の相手をする事になる。妖魔忍者達に、単身この城を突破する術はない。
「「もちろん、連携もさせないけどな」」
 鍬丸は巧みに手裏剣を投げつけ、彼らの動きを妨害する。単身では勝てず、連携は阻害され。窮した妖魔忍者達は、選択肢を変える。
「……あら?」
 それは瑞穂を迂回し、別の猟兵に飛びかかる事。狙われたのは、今追いついたばかりの少女だ。
「おや。もう鬼ごっこは終わりかい?」
 その少女は、両側に刃のついた槍を構える。その槍が、先程まで江戸の夜空を飛んでいた双子の竜だと誰が知ろう。彼女こそがニコラ、双竜の操り手であり、自身も竜たる賢者である。
「ちょっとしたマラソンで体も温まっている――やるとしようか」
 妖魔忍者の一人が、飛びかかり、刃を振るう。だがそれが少女に届くより先、槍は妖魔忍者の心臓を一突きにした。
「はっ……間合いが違うんだよォ!」
 それを引き抜き、吹き出す返り血を竜翼の防御壁で跳ね返す。口元を笑みに歪めたニコラは、次いで、飛び来る斬撃の衝撃波を全て弾き飛ばした。
「俺様の翼、アンタら如きに貫ける訳ねぇだろ!」
 嘲笑うように、近づいてきた相手へ槍を振るう。瑞穂が動き回り破壊を振りまく炎の城ならば、ニコラは不動不落の竜人城塞。修めた竜の闘術を存分に振るい、近づく者へ、公平に死を与える。
「さぁ、触れれば首が飛ぶぞ。どうする?」
「まあ、どうもできないのだけど」
 迂回された瑞穂が、追って駆けた。刹那の二斬、次いで狐火、妖魔忍者をその血ごと焼き尽くす。
「ほら、そこな」
 それを恐れて隙を見せた所に、また一殺。鍬丸が、無駄なく命を刈り取った。
 攻めればニコラ、止まれば瑞穂、逃げれば鍬丸。妖魔忍者たちに生きる術はない。
「真夜中に派手は無粋ってもんだ。静かに殺してやるよ」
 飄々と笑みを浮かべる鍬丸。だが、感情無き妖魔忍者達は、それを恐れる事なく飛びかかる。
「無駄って分かっても戦い続けるのは、哀れね」
「なら望み通り殺してやろうかァ……!」
 そして、そんな妖魔忍者達を、彼らは容赦なく葬り去っていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

六代目・松座衛門
屋根の上下、天守閣のような瓦屋根の足場を想定し、広く、傾斜が緩やかそうな下層の戦闘に参加。
「正面から戦うか。受けて立つ!」

人形「暁闇」は自分の本体である操作板からの糸で操り、人間体は多節棍「双爪丸」を使い、連携攻撃を仕掛ける!

「隙を見せたな!【角砕き】!」
相手が上の屋根に移る(or目の前で隙を見せた)際には、人形を自分の体を足場に、勢いよくジャンプさせて、アッパーを喰らわせるように(or操作糸で人形を振り下ろすように急降下させ、)UC【角砕き】を発動!

急降下攻撃では、屋根が壊れて大きな音が出るだろう。もし、一般人が巻き込まれそうなら、人形で【かばう】!

【POW】選択。アドリブ、連携歓迎。


法悦堂・慈衛
さて、と。
むさ苦しい男の忍者にかこまれても面白ぅないやろ。
町ではみんなが夢の中におるんや。迅速かつ静かに応えるとしよか。

初手で【式の弐・吉備津彦命】を発動。
お供に俺の護衛をさせ、吉備津彦命ちゃんにゃバッサバッサ切ってもらうとしよか。
結構便利やろ?式神術っちゅーんやけどな。

自身から出来るのは偏愛真言符と煩悩切による助力くらいやな。
まぁ厄介そうやから、あの鬼火をまとめる技を使わせる前に倒すとしよか。


泉宮・瑠碧
風の鳥は還し
近付かない様に遠距離から妨害しよう

弓を杖に戻し
僕は主に精霊祈眼で援護射撃と属性攻撃

鎌鼬なら風の精霊に願い、気流を乱そう
気流が空気の流れならば、風と違いは無いだろう
衝撃波を放つ前に、突風を当てたりして気流を乱す

鬼火なら水の精霊に願う
可能な限り火を消して、と
風の精霊にも火を集めたり、空気を送らない様に
大きく燃えれば僕達以外に町人にも被害が出そうだ

忍者達が固まっている様なら範囲攻撃
氷の精霊へ、氷に閉じ込める様に願う
纏う気流でも凍えるだろうし、悴めば動きも鈍くはなるだろう

自身への攻撃は
第六感や見切りで避けられる様に
地形の利用やジャンプも使って飛び退ったり
精霊と森の気の守りによるオーラ防御



「さあ、いくぞ、暁闇」
 己の人形と連携し、大立ち回りを見せる松座衛門。
 無論、連携と言っても、人形を操っているのも彼自身。自分の動きと人形の動き、それを同時に操りながら、一切の隙を見せない。近づく敵の刃を、巧みに払う。
「そこだっ……!」
 敵の隙をつき、多節棍を突き出した。間合いの外より、一気に伸びたそれが急襲し、双爪丸の名の通りの爪が妖魔忍者の心臓を貫く。
「どうした、来ないのか?」
 間合いの外は、松座衛門の多節棍が。内は暁闇の拳が。妖魔忍者達にとって安全な場所はない。
「それとも、来れないのか?」
 ならば松座衛門を排除するしかない……が、それができぬ理由が彼らにはある。
(精霊よ……力を貸して)
 妖魔忍者達が一斉に放った鬼火。それが、局地に振り注ぐ雨によってかき消された。
 無論、自然の雨ではない。涼やかなる杖を手に、瑠碧の祈りが呼びかけた、水の精霊の手によるものだ。
(次は……風をお願い)
 生じる鎌鼬を、風の精霊が吹き散らす。心中の祈りを、精霊を通して具現する祈眼。その眼に囚われ、逃れられるものなどいない。
 そもそもにして松座衛門と暁闇の連携が脅威なのに、そこに彼女の妨害が加われば、妖魔忍者達には為す術などないのだ。
 まず、瑠碧をどうにかするしかない。そう悟った妖魔忍者達は、一気にそちらへ駆け出し……その直後、長刀の一閃に斬り捨てられた。
「むさ苦しい男の忍者が、寄ってたかって、女の子を襲おうとするなんて感心せんなぁ」
 割って入ったのは、慈衛。そして彼が従えるのは勇壮美麗なる女武者だ。
「お、この別嬪さんが気になるか? 吉備津彦命ちゃん、っちゅーんやけどな」
 聞かれてはいないが、己の愛しい相手を誇るように紹介する。
「便利やろ、わいの式神術。こないな別嬪さん呼んで……しかも強いんやからな」
 刃を振るい、次々と妖魔忍者を斬り捨てにかかる吉備津彦命。さらに、術を狙って印を組む相手には、その脚に犬の霊獣が噛み付いて妨げる。
「まあわい自身が戦えなくなるのが難やけど。女の子に自分守らせるっちゅーのは、ちょいとばかし見栄え悪いか?」
「そんな事はない……と思うよ?」
 共に式神に守られながら、瑠碧はじっと戦場を見つめる。
(氷の精霊……お願い、閉じ込めて)
 再び捧げた祈りと共に、生み出された冷気が妖魔忍者達を囲む。そこから逃れようと、気流を纏って駆け出す妖魔忍者……の動きが、一段と鈍りを見せた。
「氷の精霊の支配下で、気流を纏って走る……凍え竦んで当然。満足に動けるはずがない」
「隙あり、だなっ!」
 体温を奪われ動きの鈍った妖魔忍者へ、すぐさま松座衛門が暁闇を向かわせる。妖魔忍者はとっさに逃げようと跳躍するが、そんな動きはむしろ、松座衛門の狙い通りだ。
「さあ、叩き込んでやる……一ノ型、角砕き!」
 跳び上がった暁闇が、その妖魔忍者に体当たり、体勢を崩させる。直後、強烈なアッパーが、妖魔忍者を打ち砕いた。
「まだまだっ!」
 落ちてきた暁闇を、己の身体を踏み台にして再び宙を舞わせる。巧みな人形使いは、まるで空を飛ばしているかのようだ。
「おうおう、狙い放題やね」
 吉備津彦命も、武器を弓に持ち替え、鋭い矢で撃ち落とす。鋭い射撃は百発百中、一矢足りとも外しはしない。
「迅速かつ静かに。頼むで、吉備津彦命ちゃん」
「迂闊に跳んだのが、愚かだったね……」
 打ち砕かれ、撃ち落とされて。命脈を断たれ落ちてくる妖魔忍者達は、墜落の音を響かせぬよう、瑠碧の風が受け止める。
「静かに……」
 そのままそっと地面に落とせば、過去へと帰し、塵と化す妖魔忍者。その全てを撃ち倒すのに、そう時間はかからない。
「さあ、これで……」
「しまいや、ね」
 最後の二体を、暁闇の拳が思い切り打ち下ろし、吉備津彦命が串刺しにして葬り去った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『邪忍軍の女棟梁』

POW   :    闇闘技・流血乱舞
【手裏剣】が命中した対象に対し、高威力高命中の【血濡れの鉤爪の連撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    邪忍法・身代わりの術
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【呪いの木偶人形】から排出する。失敗すると被害は2倍。
WIZ   :    禁術・影分身
レベル×1体の、【胸元】に1と刻印された戦闘用【妖艶なる分身体】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠エルシー・ナインです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「……使えぬ連中だ。こんな奴らに任せたのが間違いだったか」
 全ての妖魔忍者を葬ったその直後。猟兵達の前に、音もなく一人の女が姿を現す。
「まあ、良い。ここでお前たちを葬り、然る後に私が任務を遂行する。それで、しまいだ」
 血濡れの鉤爪を嵌めた、妖艶な……しかし同時に、美女と言うにはあまりに禍々しき女。
 口元は隠されているが、おそらくその下では笑みを……冷酷な笑みを浮かべているのだと、容易に想像がつく。
「そら。この鉤爪の血も、乾きつつあった所だ。新しく、お前達の血で彩ってやるとしよう!」
ニコラ・クローディア
「そういう時に、自分の審美眼を疑わないのはよくないぜ?」
部下をくさす女忍者に説教口調になりながら迎撃開始。太股のホルスターから抜いた愛用の拳銃「バリスティカ」で牽制しながら、龍闘術で強化した槍で一撃を差し込むのを狙おう。特に手裏剣の類は着弾前に見切って撃ち落としたり槍で払ったりだな。攻撃のタイミングを掴めるまではあくまで防御重視だ。激痛耐性やオーラ防御で耐えられそうなら率先して壁役を務めよう。
「多数の力を甘く見るなよ、オブリビオン――連携ってのは、こういうもんだ」
他の猟兵との連携を重視。誰かが作った隙を狙うようにして槍で一撃。そのまま真竜解放へと繋げるのが目的。
アドリブ歓迎


法悦堂・慈衛
むさ苦しい野郎共の頭は別嬪さんやないか。
初めまして、くの一のお嬢ちゃん。
ご挨拶に手の甲にキスでもしてあげたいところやな。だめやろか?

まぁだめやろねぇ。
偏愛真言符と煩悩切で支援、および露払い。必要なら吉備津ちゃんも出しとこか。
他の猟兵さんらと協力して、確実に削っていくとしよか。
分身の術っちゅーんはめんどくさいけど、別嬪さんが増えるのはええよなぁ。
っとと、見惚れとったら首が飛びかねんし、しっかり働こうか。

さて、狙いどころは一つ。身代わりの術や。
あの術を発動させる段までとって、七星七縛符で発動を阻止。
二倍の被害を被ってもらおかね。

残念やなぁ、次はえぇ恋出来るようちゃんと輪廻を巡っておいで。


泉宮・瑠碧
妖魔忍者達へ心中で「すまない…」と謝罪し
女棟梁、君も、もう静かに眠ると良い

杖を再び弓に変え
僕は主に消去水矢で相殺と援護射撃
第六感も使用して事前に動ける様にも備えよう

手裏剣はなるべく射落として
初撃を外させる様に

影分身は
合体する前に射った矢を分散させて纏めて範囲攻撃

身代わりの術は
僕は相手からの攻撃を相殺するのであまり関係は無いが
他者の攻撃から木偶人形が分かる様ならそちらを狙う
呪いが何かある様なら呪詛耐性で

自身が狙われれば基本的に見切り
間に合わないなら精霊の守護と森の気によるオーラ防御

僕はあまり音の出る攻撃や行動では無いが…
あまり音が目立ちそうな事があれば
風の精霊に頼めるなら風の流れを遮断して貰おう


秋津洲・瑞穂
連携・アドリブご自由に

一人の忍者に大勢で掛かってもね。混乱するだけの気がする。
フォックスファイアで炎の城を構築して、しばらく見ていよう。

女棟梁が流血乱舞の予備動作――手裏剣――に入ったら、
標的になった人の前に狐火をいくつか突っ込ませるね。
強引に連撃掛けると燃えるよ。

影分身が出たら、剣刃一閃のなぎ払いでわたしが斬っておく。
合体前なら、狐火との連携でごり押しても行けるでしょう。

あとは流れ次第だけど。
一発物の大技が必要になったなら、狐火をぜんぶ戦場の上に飛ばして、
空を落とすような一斉急降下を目標にお見舞いしつつ、
同時に私が突っ込んで剣刃一閃。
狐火は誘導が利くから、広範囲から落とせば避け切れないよ。


髪塚・鍬丸
【影分身の術】を維持したまま対峙。二人同時に手裏剣を打ち【先制攻撃】を仕掛ける。
無効化されたら「身代わりの術か!ならば……!」と分身と二手に分かれ、敵を挟み撃ちにする位置へ回り込み移動。
「これならどうだ!」と別方向から【2回攻撃】で手裏剣打ち。死角から攻める。

これも無効化されても、全ては【だまし討ち】。本当の狙いは本体が敵の風上に回る事。
自然の風に乗せて【春花の術】発動。奴の力を抑える。

後は分身と二人刀を抜き斬りかかる。例えユーベルコードを封じられなくとも、身代わりの術を使うには他に何も出来ない。刀とクナイの連続攻撃で奴の動きを封じる。
反撃してくれば、その時が仲間が攻撃する好機さ。


六代目・松座衛門
「あんた強そうだな。鬼猟流 六代目・松座衛門、推して参る!」
十指と操作板の先端から人形「暁闇」へ操作糸を繋ぎ、人形を軸に戦うつもりだ。
常に相手と自分の間に人形を割り込ませ、攻撃を人形で【武器受け】。手裏剣は、投げ返して牽制しつつ、敵へ接近するように行動しよう。

音が出る大型銃「玲瓏」の使用は、人形の手足では対応できない場合のみ、人形の口から銃口を出し、【援護射撃】。

「その身に刻め!【疾風】!」
十分接近したと判断したら、UC【疾風】を繰り出す!
【身代わりの術】が発動したら、仮初の肉体で本体の操作板は死守し、操作板だけで人形を操作し、【だまし討ち】を狙う!

【SPD】選択。アドリブ、連携歓迎



「そういう時に、自分の審美眼を疑わないのはよくないぜ?」
 部下を罵倒する女忍者に対し、ホルスターから杖を抜き放つニコラ。拳銃の形をしたその『バリスティカ』を焦点具として放たれる魔弾が、女忍者を狙う。
「ふん……弱者は罪、そして強者が正義。それだけだ」
「そういうのがよくないって言ってるんだけどな。上に立つ器じゃないぜ、アンタ!」
 その魔弾を躱す女棟梁に対し、ニコラは続け様に魔弾を放つ。素早い動きを捕らえる事は出来ないが……元より牽制だ、当たらずとも構わない。
「無駄な事を……!」
「なら、こっちとも、始めようか」
 そこへ重ねるように、分身と同時に手裏剣を投げ放つ鍬丸。二つの刃はしかし、女棟梁の鉤爪によって撃ち落とされた。
「ふん、その程度で当たるものか」
「流石にやるな。ならば……!」
 正面からでは当たらぬと見てか、分身と別れて左右に走る鍬丸。変わって飛び出したのは暁闇、すなわち松座衛門の繰る、からくり人形だ。
「鬼猟流 六代目・松座衛門、推して参る!」
「ふん、人形風情が!」
 松座衛門の巧みな操作板捌きが、糸で繋がれた人形の、人を越えた動きを実現する。その動きは、女棟梁の鉤爪捌きにも負けてはいない。人形とくノ一の爪がぶつかり合い、弾き合う。
「ちっ……鬱陶しい。ならば、これでどうだっ!」
 近接戦では埒が開かぬと見た女棟梁は、素早く飛び退って間合いを取る。直後、放たれるは手裏剣。それはただの手裏剣ではない、僅かに掠めれば、即座に暗闘技に繋がる初手だ。
「させは、しないよ……」
 それを阻むべく、瑠碧が精霊の弓弦を引く。水の精霊を集め、風の精霊で導く。
 元来、彼女は戦いを好まない。先に倒した妖魔忍者さえ、悼むほどだ。
「だが、猟兵として、引けはしないのでね……女棟梁、君も、もう静かに眠ると良い」
 弓弦を離し、解き放つは水の矢。力の流れを阻害し、敵意を押し流すそれが、手裏剣を狙い違わず撃ち落とす。
「ちっ、次から次へと。誰が眠るか……!」
 尽く攻撃が妨害される事に苛立った女棟梁は、素早く指で印を組む。
「なら、これは防ぎきれるか。禁術・影分身!」
 その術によって生み出されるのは、妖艶なる分身。胸に刻印を打たれた、無数の影の忍びによって、彼我の戦力差があっという間に入れ替わる。
「むさ苦しい野郎共の頭は、別嬪さんが、しかもぎょーさんか。ええやないの」
 それを脅威と思うどころか、歓迎すらしてみせる慈衛。飄々と笑みを浮かべ、一礼する。
「初めまして、くの一のお嬢ちゃん。ご挨拶に手の甲にキスでもしてあげたいところやけど」
「ふざけた男め……!」
 無論、その言葉は、女棟梁を怒らせるばかりだ。分身達が一斉に手裏剣を投げ、雨霰と降り注がせる。
「っととっ! 吉備津ちゃん、頼むで!」
 慌てて式神を呼んでそれを払わせると共に、自身も薙刀を抜き放って身を守る。銘は煩悩切……と言う割に、煩悩を全く断ち切れていないのは、むしろ煩悩『で』切ると言う意味か。
「やれやれ、見惚れとったら首が飛びかねんし、しっかり働こうか」
「安心しろ……すぐに飛ばしてやるっ!」
 とはいえ、これほどの数だ。巧みに躱し、防御していく猟兵達も、その全てを躱しきれる訳ではない。
 威力は低いが、僅かでも掠めれば、それを闇闘技へと繋げるべく分身が間合いを詰める。
「さあ、斬り裂いてやれ……!?」
 だが、そこに立ちはだかった炎の城壁が、猟兵達を守り、分身達の進撃を阻んだ。
「強引に突っ切ると、燃えるよ?」
 操り手は瑞穂。自らを守る無数の狐火による城塞から、いくつかを飛ばして巧みに壁を作る。本体ならともかく、弱い分身では、この火を突っ切る力は持っていない。
「小賢しい……!」
 苛立ちを隠さない女棟梁は、壁の合間を縫って分身に手裏剣を投げさせる。
 それを防ぐべく、今度はニコラが前に飛び出した。
「大した攻撃じゃないな、オレ様を傷つけるには……まるで足りないぜ!」
 竜翼を展開し、身を護る障壁と為す。所詮は1の分身、その投げる手裏剣など、ほとんどを障壁によって弾く。僅かに抜けた物とて、その竜麟を貫かせはしない。
「この程度の相手なら、ごり押しで十分だね」
 瑞穂も、自身を狐火で守らせながらすばやく駆け寄っていく。その炎の守りを破る術を、分身達は持ちはしない。
「そら、もうおしまいか?」
 ニコラの竜の槍と、瑞穂の獣の刀。敵陣に飛び込んだ2人によって、分身達が次々と消滅していく。
 挑発的なニコラの笑みに苛立ちながら、分身達を手元に引き戻す女棟梁。
「ならば、これで……っ!」
「おっと。合体させる訳にはいかないな」
 そこへ、再び瑠碧が精霊の弓弦を弾いた。今度の矢は、上空めがけて飛び……そして雨となって、分身達の上へ降り注いだ。
 合体寸前で集まった隙を狙って打ち込んだ消去の魔力によって、残る分身達を消滅匂いこんでいく。
「よそ見は禁物、だ!」
 その分身に気を取られた隙を、逃さない。鍬丸が再び、分身と共に手裏剣を放つ。今度は前後から挟み撃つ形で、容易な回避や防御を許さない。
「ぐっ……!」
 そのまま、女棟梁の身体に、前後から突き刺さり……
「っ!?」
 次の瞬間、その身体が、木偶人形へと変化した。
「これは、変わり身の術、か……!?」
「その通り、だ……」
 意表をつかれた様子の鍬丸に対し、死角から飛びかかる女棟梁。闇闘技を仕掛けるべく、手裏剣を手に大きく腕を振りかぶり……だがその動きが急激に鈍る。
「悪いが、実は読めていたんでな」
「これは……春花の術、か!」
 ここまでの鍬丸の全ては、この瞬間のための誘いに過ぎない。背後を取るべく風下に立った女棟梁へ流す風が、その動きを封じにかかる。
「ぐっ……小癪な……」
「まあ、褒め言葉として受け取っておくが……しかしお前さんもしぶといね」
 眠り・痺れ・惑わしを、風に乗せて流すのが彼の術。そのうち痺れに囚われ、動きの自由を大きく制限されながら、しかし女棟梁は動きを止めない。
「ならば、行け……暁闇」
 そこへ追撃をかけるべく、暁闇を差し向ける松座衛門。その爪を警戒し、女棟梁が爪を構える。だが、その瞬間、暁闇は大きく口を開いた。
「何……!?」
 その口に仕込まれた大型銃の一撃が、女棟梁に直撃。その身体を大きく吹き飛ばす。
「本来は使うつもりはなかったんだが……その分、威力は十分だろう?」
「ぐっ……おの、れっ……」
 その銃……玲瓏の名を持つそれは、いわゆる対物ライフル。本来轟音を響かせるものであり、見合った威力を持つとはいえ、この静かな夜には似つかわしくない。
「音と言うのは、風の支配するものだからな……精霊に手を借りれば、操れぬ事はない」
 そんな一撃を実現した瑠碧が、ふわりと風を纏ってその種を明かす。
「貴様、ら……くっ!?」
 そちらに気を取られていた女棟梁を、音もなく迫った鍬丸と分身が挟み打つ。とっさに、鉤爪で防御を固める女棟梁だが、それは鍬丸の計算の内だ。
「おっと、上手く受け止めたな。が……」
 そのまま鍔迫り合いに持ち込めば、両側から圧力をかける。痺れの風はなお効果を発揮しており、合わせて女棟梁の動きを封じる。
「手裏剣も、撃たせないぞ?」
 ならばと手首の動きだけで手裏剣を投げようとする女棟梁だが、それも目ざとく、瑠碧が見逃さない。水矢で弾き飛ばし、反撃の手段を奪う。
「ぐ、こんな……」
「さて、大きいの行こうかな」
 大量の狐火が雨となって降り注ぐ。素早く鍬丸が飛び退ると同時、それが女棟梁を包み込んだ。
「もう一発……これも貰っておいてね」
 炎上する女棟梁めがけて急接近、すれ違いざまに一閃。首を落とそうと狙ったが、女棟梁は必死に身を庇い……ならばと腕を斬り飛ばす。
「ここで決めるぞ!」
「そうだな、そろそろ終わり、だ」
 腕を失い、身体も燃え続け。もはや瀕死となった女棟梁へ、暁闇とニコラが迫った。その爪で、その槍で、貫かんとする。
「が、あ……っ!」
 だが、彼女はまだ諦めてはいない。グッ、と身体を脱力させ、その身体を木偶人形と入れ替えようと……。
「なっ……!?」
 その動きが急に止まり、瞳が見開かれた。
「七星にて力を縛る、ってな。この瞬間、狙っとったんやで?」
「ぐっ……貴様……」
 符を構え、飄々と笑う慈衛。術に失敗し、致命的な隙を晒した女棟梁を、暁闇とニコラの攻撃が深く裂く。
「その身に刻め! 疾風ッ!」
「がっ……」
 さらに追撃で繰り出される、暁闇の連撃。数多のギミックを用いた攻撃が、次々と繰り出されては女棟梁の身を裂く。
「今ここに真の姿を許す――」
 そして、女棟梁に突き刺さったニコラの槍が、その姿を変える。真なる姿を晒す、双頭竜。
「これが多数の力だ、オブリビオン――まあ、聞いちゃいないだろうが」
 その放つブレスが、女棟梁を、灰も残さず世界から消滅させた。
「残念やなぁ、次はえぇ恋出来るようちゃんと輪廻を巡っておいで」
「そうだな。願わくば、オブリビオンとして蘇る事なく……」
 戦いを終えると、慈衛と瑠碧が言葉を残し、猟兵達はその場を後にした。残ったのは、静寂のみ。

 江戸の町に朝が来た。町人達が慌ただしく仕事に出かけ、賑わいを見せる百万都市。
 だが、つい先刻までこの町で戦いが繰り広げられていた事は、猟兵達を除いて誰も知らない――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月20日


挿絵イラスト