#UDCアース
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●少女達の狂演
ねぇ、今度の集会の話覚えてる?
みんなで魔法をするんだよね。
なりたい私になれる魔法。あの人の気持ちを教えてくれる魔法。あの人に愛してもらえるようになる魔法。
まるで童話に出てくる魔法使いみたいね。
ああ、でも。この方法だと白雪姫の継母みたいかしら?
それでもいいの。やりたいことが出来るのだから。
鏡よ鏡、私の願いを叶えてちょうだい。
貴女に全てを捧げるから。
●猟兵達の協演
「集合ありがとう。今回はUDCアースで事件だよ」
グリモア猟兵のレン・デイドリーム(白昼夢の影法師・f13030)は手にしたバインダーを開きながら説明し始めた。ぱらぱらと資料を捲り、少し笑みを浮かべながら猟兵達の方を向き直す。
「どうやら邪神が町に住む女の子達を誑かしているみたいで。復活の儀式に彼女達を利用しているんだ」
今回の現場はそれなりの都市部で若者の数も多いようだ。それが邪神にとって好都合だったのだろう。
事件の被害者は中高生の少女達。その多感さを利用されてしまっているようだ。
「ただ、その儀式の詳細は女の子達が隠していて。本人達に直接聞いても絶対に教えてくれないだろう。彼女達は既に邪神の影響下にもあるから、無理やり聞き出そうとすれば口封じとして自殺させられたりもするみたいだ」
物騒な話だがレンの調子は変わらない。説明は続いていく。
「でも完全に情報が封鎖されているわけじゃない。学校で儀式の話をしてた子もいて、そういうのを聞き付けた人が噂にしたりしてる。だから最初は噂を調べて儀式の詳細を掴んできて欲しい」
少女達の近くにいる者……クラスメイトや先生、家族など少女達と関わりのある者なら何かしらの話を聞いているだろう。
話を聞くだけなら手段は問わない。彼らにとってもそこまで重要な話ではないだろうし聞けばあっさり答えてくれるかもしれない。
改めて流れを確認すると、出来るだけ早く噂を調べて儀式の詳細を掴む。そして儀式を阻止して原因の邪神を討伐する。
今回はこのような仕事になりそうだ。
「儀式の詳細は分からないけど……サバトって分かるかな、魔女達の集会。あんな感じかな。儀式の時も彼女達は邪神の支配下にあるから、あんまり乱暴に止めない方がいいとは思う。
それと邪神なんだけど……人の心に作用する力を持ってるんだ。心を覗き、暴いて、喰らいつくして最後は自分のものにしてしまう。皆も完全に喰われないよう気を付けてね。皆が無事に帰ってくるのを待ってるよ」
ささかまかまだ
こんにちは、ささかまかまだです。
今回はUDCアースを舞台にした事件です。
儀式を止め少女達を救ってもらえればと思います。
今回は1章と2章で調査を行ってもらいます。
まずは噂を調べて儀式の話を掴む。そして現場に潜入し儀式を止める。
最後の3章は邪神とのボス戦です。この時に「心を喰われ曝け出された時の反応、内容」をプレイングに盛り込んでいただけると嬉しいです。
また、今回のシナリオには一部性的な表現を含む可能性があります。それがメインのシナリオではないため、過激な内容のプレイングをいただいた場合マスタリングさせていただきますのでご留意下さい。
それでは今回もよろしくお願いいたします。
第1章 冒険
『噂の真実を突き止めろ!』
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POW : スタミナ・腕力を使って調査(物理的手段を使う、聞き込みを行う相手を脅すなど)
SPD : スピード・技術を駆使して調査(速やかに情報を集める、聞き込み相手を買収するなど)
WIZ : 知性や精神面に訴える手段で調査(情報の分析、聞き込み相手を懐柔するなど)
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
摩訶鉢特摩・蓮華
思春期の女の子たちが心に秘めた願いを利用して復活の儀式をするなんて、相変わらず邪神っていうのは狡賢いよね~。
しかもその儀式っていうのも、けっこうえげつないみたいだし、絶対に阻止しないとね!
WIZ
フリージャーナリストを装って被害者の女の子たちの友達や家族から情報を聞き出してみよう!
にこやかに適当な名刺を渡して、最近噂になっている儀式について聞いてみるよ。
クラスメイトにはスイーツなどをご馳走しつつ、親しみを込めた態度で聞き出しやすくするね。
家族の人には丁寧な口調で、儀式という不穏なものに対する未成年者への悪影響などの不安などを前面に出しながら聞き出してみるよ。
アドリブ歓迎。好きに動かしてください。
●
放課後、夕日に包まれる街の中。
人間の女性、摩訶鉢特摩・蓮華(紅蓮眼・f09007)は道行く人々を見ていた。
彼女が探しているのは女生徒。儀式に関わる情報を集めるために話を聞かなければ。
暫く待っていると、少し派手な雰囲気の女生徒グループがやってきた。彼女達ならきっと何か知っている、そう判断した蓮華は早速情報収集に入る。
「こんにちは、ちょっとお話を聞きたいんだけど大丈夫かな?」
なるべく明るく親しみやすく。まずはそう意識して声をかけてみる。
「おねーさん誰? 時間はあるけどー」
「蓮華は雑誌の記者なんだ。噂になってる儀式について教えて欲しいんだけど……」
良かったらあのお店でお話を聞かせてもらえないかな、ご馳走するから、と近くにあった喫茶店を指させば女生徒達も顔を綻ばせる。年の近い蓮華からの誘いである事も幸いして、彼女達は快く協力してくれた。
喫茶店へと移動し、人数分のケーキや紅茶を注文すると早速本題に入っていく。
「おねーさんが知りたいのは噂だよね。うちらは話しか知らないんだけど……」
どうやら彼女達は儀式そのものには関わっていないらしく、周りから話を聞いているだけのようだった。彼女達の顔色を伺っても嘘を吐いているようには見えない。本命に当たることが出来なかったのは残念だが、有益な情報を手に入れる事は出来た。
どうやら一部の生徒の間で『鏡の儀式』というものが目論まれているという事。
『魔法の鏡』の忠告を受け入れると願いを叶えたりなりたい自分になれるという事。
場所は秘密だがこの街のどこかで行う予定だという事。
大まかな点としてはこの3つだ。
更には儀式に関わっている生徒に関しても話を聞く事が出来た。名字くらいなら、と何人かの生徒の名前を教えてもらうと蓮華はいそいそと手帳にそれらを書き込んでいく。話を聞く生徒の指標に出来そうだ。
「今日はお話を聞かせてくれてありがとう。すっごく助かったよ!」
一通り情報を集められたと判断し、彼女達と別れる時間がやってきた。蓮華が笑顔を見せると女生徒達も笑顔を返す。
雑誌に載せてくれるならよろしくね、読者モデルとかもやるよ、と冗談めかして言う彼女達。
その姿を見て少しだけ胸が苦しくなる。
(こんな女の子たちが心に秘めた願いを利用して復活の儀式をするなんて……絶対に阻止しないとね!)
その苦しみをバネに決意を改める蓮華。彼女は別の情報を求めるべく、再び街へと繰り出していった。
成功
🔵🔵🔴
楠瀬・亜夜
さてさて今日もオカルト探究を……ではなく猟兵のお仕事を
頑張らせて頂きますか。
しかし人の心に作用する力、ふむ、興味がそそられますね。
まずは学校の方を調べてみましょうか。
自然に調査ができるようオカルト記者を偽って取材という形で
聞き取り調査を行いますね。【情報収集】を駆使します。
クラスメイト達に噂の概要を聞き、知り合いにその噂に
のめり込んでいる人物はいないかどうかも聞き出します。
同学校の教師達にはこのような噂が広まって
生徒の非行が目立ち始めていたりしないかを聞いてみましょう。
●
ある日の昼下がり、曇り空の下。
ダンピールの女性、楠瀬・亜夜(追憶の断片・f03907)は儀式に関わっているという生徒が通っている高校に訪れていた。
オカルト雑誌の取材に来たという彼女を学校側は少し訝しんだものの、学校に関する悪評を吹聴しないという事さえ守ってくれれば大丈夫だという事で受け入れてくれた。
「さてさて今日もオカルト探究を……ではなく、猟兵のお仕事を頑張らせて頂きますか」
手帳とペンを手に持って校内を歩く亜夜の姿は記者らしい雰囲気を纏っている。実際彼女の胸中には邪神の『人の心に作用する力』への関心が強くあり、それが取材に意欲的な雰囲気を出すのに役立っていた。
亜夜はまず二年生の教室へと足を踏み入れた。一年生よりも危険な事に関わりそうで、三年生のように勉強に追われない。恐らく関係者は多いはずだ。
教室には昼食を取っている生徒や雑談に興じている生徒で賑わっていた。まずは入り口の一番近く、のんびりと雑談をしていた男子のグループに話しかけてみる。
「こんにちは、少し取材をさせてもらっても大丈夫ですか?」
亜夜はヴァンパイアの血を引いている。それ由来の透き通るような美しさを持つ彼女に話しかけられた事で、男子生徒達は少しどぎまぎしだした。これはチャンスだ。
「最近若者の間で妙な噂が流行っていると聞きまして……何かご存知ではないですか?」
「噂……廃屋のやつ、ですかね」
グループの一人に何か心当たりがあったようだ。彼はぽつりぽつりと噂について話してくれた。
儀式の舞台は街外れにある古い廃屋、元々豪邸だったかなりの大きな建物で行うという事。
そこで何人もの女生徒が夜な夜な準備をしているという事。
具体的な決行日時は分からないが、準備はもうすぐ完了するという事。
亜夜が聞き出せたのはこの辺りの情報だ。それらをしっかり手帳に認めると、彼らに向かってきちんと礼を言う。
「教えてくれてありがとうございます。これで良い記事が書けそうです」
笑顔でお礼を告げると、生徒達も少しデレデレとした笑顔を返す。感謝の気持ちは本心だ、この情報を活かさなければ。
続いて先生達にも話を伺うと、先程の話と同様に『夜間にうちの女生徒らしき姿を見た』という話を聞くことが出来た。
近々夜間パトロールを行い補導に務めるとのことだが、恐らくそれでは儀式は止められないか先生達も巻き込まれてしまうだろう。
(少しでも早く儀式の真実を突き止めて……その力を見せて貰いたいですね)
決意を新たに、関心もどんどん膨らませていく亜夜であった。
成功
🔵🔵🔴
八上・偲
【WIZ】
なりたい自分になる、って、むずかしいことだよね。分かるの。
今までの自分を捨てる覚悟がないと出来ないことだもの。
少なくとも、わたしはそうだった。
被害者の女の子たちの妹とか、わたしと歳の近い子がいたら、その子に話を聞いてみたいな。
【おびき寄せ】【コミュ力】【誘惑】【手をつなぐ】とか使えるかな?
あのねあのね、この街に魔法使いがいるって聞いて探しに来たの!
どこに行ったら会えるかなあ。わたしも魔法使いになりたいな。何か知らない?
……みたいな感じで!
情報聞けても聞けなくても、キリのいいところでありがとーって言って離れるね。
※アドリブ歓迎
●
太陽が西へ傾いてきた頃、小さな公園にて。
オラトリオの少女、八上・偲(灰かぶり・f00203)は同年代の少女達と仲睦まじげに雑談に興じていた。
大人しい性格でありながら無邪気でよく笑う偲に少女達もすぐに打ち解ける。自己紹介をしたらすぐに仲良しだ。
「偲ちゃんって別の街から遊びに来たんだね」
「うん、この街に魔法使いがいるって聞いて探しに来たの! わたしも魔法使いになりたいなって。何か知らない?」
あのねあのね、と自然な流れで噂について切り出してみる。果たしてこの子達は何を知っているのだろうか。
「私も私も! あ、そういえばお姉ちゃんが魔法使いの事知ってるって言ってたよ!」
幸運な事に一緒に話している子の中に被害者の妹がいたのだ。これはチャンス、どんどん話を続けていく。
「ほんと? どこに行ったら会えるかなあ。お姉さん、何か言ってなかった?」
「それがね……お姉ちゃん、子供は魔法使いになれないからダメだって……でもね、本当は私知ってるんだ」
少女は悪戯っぽい笑みを浮かべてこっそり話を続けてくれた。偲もぐっと距離と詰め、真剣に話に聞き入る。
「魔法使いはね、お月さまが出てない日にだけ会えるんだって。女の子だけに『なりたい自分になれる魔法』をかけてくれるんだよ」
「お月さまが出てない日……」
その言葉が指しているのは恐らく新月。ふと空を見上げると、茜色に染まり始めた空にか細い月が浮かんでいるのが見える。新月まではあと2、3日くらいだろうか。彼女の言っている事が事実なら儀式決行の時は近い。
これは他の猟兵にも伝えたほうがいいだろう。偲はそう判断すると帰る準備を整えだす。
「今日はもう帰らなくちゃ。お話してくれて、ありがとー!」
ベンチから立ち上がろうとした時、一人の少女が偲の手に何かを握らせた。小さなチョコ菓子だった。
「私も楽しかった! 魔法使いに会えるといいね、またねー!」
友情の証ということだろうか。こちらにもありがとう、と感謝を返すとお互いにっこり笑顔になる。
こんなやり取りを挟みつつ、お互い手を振って笑顔で別れた。チョコはあとでゆっくり食べよう。
帰路につく中、偲はふと思う。
魔法使いが掛けるのは『なりたい自分になれる魔法』だと。
なりたい自分になる、って、むずかしいことだよね。今までの自分を捨てる覚悟がないと出来ないことだもの。
少なくとも、わたしはそうだった。
果たして噂に関わる少女達はどうなのだろうか。思いを巡らせ、偲は夕日の中を歩いていった。
大成功
🔵🔵🔵
サフィ・ヴェルク
協力はおしみません、情報手に入れたら猟兵に共有します。
多重人格者ですが誰かを相手する際は表人格のサフィだけ喋る
調査対象には猫かぶりであざとく 仲間には素になって冷静に
多重人格一人会話
「まず噂を洗いましょうか学校に入り込むことも必要かもしれません。学校に入り込めるのは楽しそうです」
「運が良ければぽろっと噂が聞けたりするかもしれません」
「まぁ僕らエージェント生活長くて学校なんて行けないんですけど」苦笑
中高生対象に己の年齢を利用。学校に入り込む。外部生のふりや親しみやすさ、儀式に興味あるふりを演技して調査 中性的なんで顔も利用。
【コミュ力】、怪しまれたら【催眠術】など使える……かも?恐らくWIZ
●
気持ちのいい昼下がり、とある高校の校門にて。
一人の少年が何かを喋っているが、彼の周りには誰もいない。
「まず噂を洗いましょうか。学校に入り込むことも必要かもしれません。学校に入り込めるのは楽しそうです」
彼はサフィ・ヴェルク(氷使いの不安定多重人格者・f14072)。サイキッカーでUDCのエージェントだ。
先程の言葉のあと、うんうんと何かに頷いて更に言葉を紡いでいく。
「運が良ければぽろっと噂が聞けたりするかもしれませんね」
彼が話しかけているのは自分の中にあるもう一つの人格・ロゼ。内側の自分に語りかけている彼らの姿は傍から見ると不思議な光景だ。
何かの言葉をかけられ、サフィは思わず苦笑する。
「ええ、まぁ僕らエージェント生活長くて学校なんて行けないんですけど」
本来は高校に通う年齢であるサフィだが、どうしても仕事が忙しい。だけど今回はその仕事で高校に潜入するのだ。その逆転がなんだが妙だが嬉しくもあった。
高校にはあっさり潜入出来た。サフィの中性的で整った顔立ちは早速生徒の興味を引きつける。
「君、留学生?」
廊下で一人の女生徒が声をかけてきた。真面目そうな雰囲気の子だ。
「最近この辺りで不思議な噂があると聞いて、話を聞きに来たんです」
「噂……鏡のやつだよね?」
いきなり当たりを引けたようだ。それです、と返事をすると話を続けてくれた。
「鏡の向こうにいる女神様が願いを叶えてくれる……ってやつ。私も友達に誘われたんだけど、怖くて断っちゃった」
「なるほど……もう少し詳しく教えていただけませんか?」
優しい笑顔を浮かべて話を促すと、女生徒は顔を赤らめながら話してくれた。
女神様に心を捧げれば、願いを叶える事が出来る新しい私にしてくれる。それが彼女の友達が言っていた事らしい。
実際先に心を捧げた先輩は好きだった人と結ばれたらしい。その先輩は一週間前に転校してしまったそうだ。
その話を聞いたサフィの胸中には厭な考えばかり浮かんでしまう。
(女神はきっと邪神でしょうね……何かの儀式で人を動かすのでしょう。その先輩と恋人は恐らく……)
エージェントとしてこのような話は度々耳にする。既に被害が出ているなら復活の時も近いかもしれない。
「ありがとう、助かりました。それでは僕はこれで」
一礼すると女生徒も礼を返してそのままサフィを見送った。訝しまれたら彼女の記憶を操作しようと思っていたが、そのような事はしないで済みそうだ。
ともかく今聞いた話を他の猟兵と共有しなければ。そう思いながらサフィは足早に校舎をあとにした。
大成功
🔵🔵🔵
摩訶鉢特摩・蓮華
最初の情報収集で儀式に関わってる生徒さんたちの名前を聞けたわけだけど…直接、本人さんに聞くわけにはいかないし…やっぱり本人に近しい人たちから聞いてみないとダメだよね。
でもまた雑誌記者を装うっていうのもちょっとね~…あっ、そうだ!UDC組織からこの辺りの学校の制服を借りて学生のフリをするっていうのはどうかな!うん、大丈夫!蓮華ならまだJKやJCでもいけるいける!(思考停止)
そうと決まれば学生のフリをして、改めて情報収集だよ!
有効な方法とか蓮華には思いつかないから、名前を教えてもらった本人の友達とか家族とかに接触して、とにかく話を聞きだそう!
有益な話をゲットできるまで足で稼ぎまくるよ!
●
夕暮れの中、摩訶鉢特摩・蓮華は同じ街へと再び訪れていた。
しかしその様子は前回とは違う。いつもの可愛らしい服装ではなく高校の制服に身を包んでいるのだ。
それは前回話を聞かせてくれた少女達と別の学校のもので、女性としてはかなり長身の蓮華に合うサイズのものをUDC組織に用意して貰ったのだ。
彼女が元々持っている素直さや柔らかな雰囲気も相まって大きな違和感は出ていない。
「蓮華ならまだJKやJCでもいけるいける! だから……これでお話、聞けるよね?」
手元には前回とったメモがある。そこには儀式に関わる生徒の名前が書かれており、更にその子達が所属するクラスの事も記入してある。今回はこれを使って情報収集を行うのだ。
しかし事前に聞いている話だと、儀式の関係者から直接話を聞くのは難しい。ならばまずはその友達から、その家へ向かうべく蓮華は足を進めだした。
今回は住宅街へ訪れた。ここには目的の家が何軒もあり、当たりを引くまで粘る事が出来そうだ。
まずは最初の家へ。インターホンを押すと女性の声が聞こえてきた。
「どちら様ですか?」
「はじめまして、学校で調べ物をしていて……同い年くらいの女の子に話を聞かせてもらいたいん……です」
応対したのは恐らく母親。ならば柔らかい口調よりはまずは丁寧な口調を心がけよう。
「分かりました、少々お待ち下さい」
インターホンが切られ、しばらくすると一人の少女が玄関から現れた。彼女は不思議そうな顔をして蓮華を見ている。
「あの……話ってなんですか?」
「最近流行ってる噂の事なんだ。学校で興味を持ってる人が増えてて、調べてほしいって言われてるんだよ」
事前に考えておいた設定を元に話を進める。少女も半信半疑ながら知っている事を教えてくれるが、それは既に他の猟兵が集めた情報ばかりだった。
だがそれは事実の裏付けになる。一通り話を聞くと、お礼を言ってこの家を去った。
(この調子で聞いていけば、新しい事も分かるかも)
出だしは好調、それから蓮華は何軒も家を回り情報を集めていく。
ほとんどが既知の情報であったが、新しい話を聞く事も出来た。
それは『儀式の際にはいくつかの道具を使う』というものであった。それを揃えるためにホームセンターや雑貨店に通いつめている者もいるようだ。
「道具を使う……じゃあ、儀式の時に道具を壊したり出来るかも」
そろそろ現場へ乗り込む事も考えないといけない。その時に備え、更にしっかり情報をまとめていく蓮華であった。
大成功
🔵🔵🔵
コルネリア・メーヴィス
なりたい自分になれる、願い事を叶えてくれる、か
引かれる気持ちはわたしもわかるけど…他者から与えられたモノを本当の意味で自分のモノにするのって、実は結構難しいんだよね
対価もなしにそう簡単に願いは叶わないってわたしは身をもって知ってる
普段は若く見られるの気にしちゃうけど、こういうときに役立つなら
近隣の高校の制服を着用し
校門などで女子生徒に声掛け
「あ、あのっ…鏡の噂についてっ、知っていたら聞かせて、ください…」
声が小さくて内気な自分と違う自分になりたい
藁にもすがる気持ちで鏡の噂について教えてほしいと祈りながら請う
噂について聞いてるって知られたら儀式の子たちに避けられるか、逆に声かけられるか…どうかな
●
線のように細い月が見える青空の下、ある高校の校門にて。
「なりたい自分になれる、願い事を叶えてくれる、か」
オラトリオの女性、コルネリア・メーヴィス(闇に咲いた光・f08982)は慣れない制服を着て門の側に立っていた。
幼く見える容姿を活かし、同年代の少女として学生達に声をかけようとしているのだ。
心の中では儀式について色々な思いが巡る。果たして関わる少女達は。
しばらくすると女生徒グループがやってきた。雑談しながら歩く彼女達は儀式と無関係の生徒のようだ。まずは彼女達に話を聞こう。
「あ、あのっ……少しお話、大丈夫ですか?」
小さく気弱そうな声で話しかけるコルネリアに、女生徒達は少し心配そうだ。
「私ら? どうしたの?」
「鏡の噂についてっ、知っていたら聞かせて、ください……。わたし、あのお話を試して、みたくて……」
ああ、あれか。女生徒達は何かに納得したように話を聞き入れてくれた。
「いいけど……私らよりユイ達のが詳しいよね」
一人の少女が携帯を取り出しどこかへ電話をかける。相手と軽く言葉を交わすとコルネリアにも声をかけた。
「鏡のアレをやってる子が来るから、直接聞いてみない?」
「あ、ありがとうございますっ」
コルネリアがぺこりと頭を下げると、その様子が微笑ましかったのか少女は安心したように笑った。
そしてしばらくすると別の少女がやって来る。恐らくユイと呼ばれていた子だろう。
「貴方が鏡の噂に興味がある子?」
「はいっ、なりたい自分になれるって、聞いて……わたし、違う自分になりたい、です」
ユイはその話を聞いてにっこりと笑みを浮かべる。どうやらコルネリアの話を信用しているようだ。
「わかったよ。それじゃあ明日の夜にこの場所に来てくれる? ここで儀式の本番をするんだ」
彼女が示したのは街外れの屋敷。他の猟兵が事前に調べていてくれた場所だ。
今回はユイを含めて10人の少女が参加するらしい。他に特別な準備はいらない、との事だ。
「儀式の事は誰にも話さないでね。それじゃあ明日、待ってるから」
「はい、よろしく、お願いします」
コルネリアは感謝の言葉を告げ、帰路に着く彼女達を見送った。
彼女達は『なりたい自分になれる』という事をどう捉えているのだろう。
その言葉に引かれる気持ちはわかるけど……他者から与えられたモノを本当の意味で自分のモノにするのって、実は結構難しい。
対価もなしにそう簡単に願いは叶わないって事を、わたしは身をもって知ってる。
彼女達はどのような対価を払い、どのように変わる自分を受け入れるのだろう。
真実を確かめるべく、コルネリアも明日に備える準備を始めていった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 冒険
『背徳の儀式を妨害せよ』
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POW : 力尽くで儀式を妨害する
SPD : 潜入して隠れながら儀式を妨害する
WIZ : 儀式に潜り込んで儀式に参加しながら妨害する
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●新月の響宴
深夜、指定された屋敷にて。
巨大な鏡が据え付けられた大部屋にて、10人の少女の姿があった。
床には大きな魔法陣が描かれ、不思議な香りのする香が炊かれている。
魔法陣の上では何本もの蝋燭が灯され非現実的な光景を彩っていた。
「鏡よ鏡、私の願いを叶えてちょうだい」
「貴女に全てを捧げるから」
彼女達の詠唱と共に鏡の奥から女の影が浮かび上がる。その立ち姿は美しく本当の女神のようだ。
「ええ、全てを捧げるならば願いを叶えましょう。貴女の願いはなぁに?」
女が鏡面に手を触れると、そこから影の触手が伸びていき一人の少女を捕らえる。
「女神様、私は好きな人に愛されたいです」
「ええ、それなら嫌われる部分は食べてあげましょう。代わりに愛される部分をあげましょう」
触手は少女の身体をゆっくりと包み、慈しむように撫で始める。
「あ、ああ、変わる! 私が変わる! 女神様、ありがとう!」
触手に包まれた少女は鏡へ近づき甘えるように身を擦り寄せた。彼女はもう女神の虜だ。
「女神様、私もお願いします!」
「私も早く!」
他の少女も鏡へ殺到していく。影は彼女達も抱きしめる。大事な我が子のように、あるいはとっておきのご馳走のように。
影が行っているのは所詮洗脳。少女達の心を喰らい、空いた部分に自分の思想を受け付ける邪悪な行為だ。
幸いこの洗脳には時間がかかる。すぐに介入して儀式を止めれば少女達を救う事は出来るだろう。
影も少女達の命までは奪おうとしていない。介入者が現れるとも思っておらず、儀式が終わるまで猟兵には構わないだろう。
少女達は触手に捕らわれている。女神の虜になっている影響で自主的に動こうともしていない。
この状況を解決する方法はたくさんある。少女達を救出したり場を荒らす事で儀式は止められるはずだ。
猟兵達は各々思いついた方法を試すべく、屋敷へ潜入していった。
八上・偲
うー……この部屋変なにおいするの。頭痛いの。
あと何かにょろにょろしてて嫌な感じするの。
女の子たちをみんな助けるにはわたし、小さすぎるの。
……力尽く!
『黒騎士を伴う残火の王女』で騎士を呼んで、手伝ってもらうね。
お願い、ガイスト君。
わたしも持ってる槍(残火)で、床の魔法陣とか、触手とか、
部屋にある儀式のために準備されてるものとかをぐさーっとする!
女の子たちを巻き込まないように気を付けて。
すべて捧げるべきは神様なんかじゃない。好きな人にだよ。
わたしは、そう思う。
コルネリア・メーヴィス
制服着用で屋敷へ
念の為羽と花はしまっておきます
追加で参加させてもらったので、遠慮がちに
女神様の視界に入らない部屋の隅や人の後ろに待機
見られたらきっと猟兵だとバレてしまう
繰り広げられる光景を見てびっくり
えっ…これ、が?
元々女神様を信じてはいなかったし嫌な予感しかしなかったけど
方向性は違うけど
呪い子と皆から言われ
洗脳されるように自分は呪い子だと信じていた過去の自分に似てる気がする
このまま洗脳なんてさせない
サイコキネシスかフォースセイバー投擲で鏡を壊す
彼女達を目覚めさせるために必要ならば
翼+生まれながらの光で自身を神秘的な存在として表現
生じる驚きで彼女達が目を覚ます切欠になれば
みんな、目を覚まして!
摩訶鉢特摩・蓮華
他の全てを捨ててでも願いを叶えたいっていう気持ちはわからないでもないけど…でも頑張る方向性が違うというか、なりたい自分になる為の努力じゃないよね、これって。その努力をやり尽くした後っていうなら別だけど…どちらにしても邪神にお願いしてる時点で致命的に間違えてるから、悪いけど儀式は潰すよ!
儀式を完了させるわけにはいかないから、即行で邪魔をするよ!
まずはお香はロウソクを作り出した炎の折鶴で消し飛ばすね!
それから魔法陣も役に立たなくなるくらいまでこんがり焦がしちゃうね!
そんで、鏡に鉄塊剣の“紅蓮華”をブッ刺してみよう!バラッバラの粉々になるまで剣を叩き込んであげるよ!
●
儀式が始まる直前、屋敷の前にて。
「それじゃあ……先に、行ってくるね」
先程と同じく制服に身を包んだコルネリアが、共にこの場を訪れた偲と蓮華に確認を取る。
女生徒との約束を果たすために事前に潜入し合図と共に猟兵達で儀式を打ち破る作戦だ。
「変だなって思ったらすぐに呼んでね」
「蓮華達もすぐに入るから!」
少女達と年の近い二人も潜入するか考えたが、人数が増えて不審に思われるのは避けたい。なので偲と蓮華は儀式開始後すぐに突入する事にしていた。
二人にありがとう、と告げて屋敷へ入るコルネリア。玄関ホールにはユイが待っており目的の部屋まで案内してくれた。
屋敷の中には既に甘ったるい香りが漂っている。何の香りだろう、と思いながら案内された部屋へ足を運ぶと……。
「えっ……これ、が?」
少女達が、鏡と触手に縋る光景が繰り広げられていた。
元々嫌な予感はしていたし女神も信用出来なかった。少女達は幸せそうだが、コルネリアにとっては辛い過去を思い出させる一因になる。
呪い子と皆から言われ、洗脳されるように自分は呪い子だと信じていた過去の自分に似てるようで。
ならばこの儀式は、少女達の洗脳は止めなければならない。
「っ……お願い、一緒に儀式を、止めてっ!」
コルネリアの叫び声と共に、燃え盛る槍と大剣が戸を叩き壊した。
「うー……この部屋変なにおいするの」
頭痛いの、と呟きながら灼炎を宿す槍『残火』を携えるのは偲。触手も何かにょろにょろしてて嫌な感じで、でも女の子たちをみんな助けるにはわたしは小さすぎて。
それなら力尽く、大きな存在と共に戦えばいい。
「ガイスト君、そこにいる?」
『黒騎士を伴う残火の王女』の詠唱と共に現れたのは大きな全身甲冑の騎士。偲と同じく槍を携え指示を待っており、彼女を守るように立つその姿はまさに姫と騎士のようだ。
一方蓮華は鉄塊剣『紅蓮華』を構えながら儀式の現場を観察している。
他の全てを捨ててでも願いを叶えたいっていう気持ちはわからないでもない。でもこれは頑張る方向性が違う、なりたい自分になる為の努力じゃない。
邪神にお願いしてる時点で致命的に間違えてるから、間違っているのならば止めなければ。
「ひとつふたつと生まれ出づ、おぼろな命……」
蓮華も『朱華散華』の詠唱をし、手元に炎の折り鶴達を召喚していく。幻想的にも見える光景だが、その炎は苛烈。彼女の指示一つで飛んでいき儀式を中断させるだろう。
「……このまま洗脳なんてさせない」
コルネリアも自らのサイキックエナジーを高めフォースセイバーを形成させる。自分と同じような目に遭う子は一人でも助けたい、強い気持ちが輝く刃に伝わっていく。
三人の少女はそれぞれの武器を手に、部屋の中を駆け回っていく。
偲と騎士の槍が触手を振り払って少女達を解放していき。
蓮華の折り鶴は儀式の道具を焦がしていき。
コルネリアの刃は魔法陣を切り裂いていく。
その様子を少女達も女神も黙ってみていた。抵抗はせず、かといって自分達から動こうともせず。
触手から解放されても少女達は微動だにしなかった。目の焦点は合っておらずどこか遠くを見ているようだ。
「もしかして、洗脳終わっちゃった……!?」
その様子を見て蓮華が焦ったような声を出す。自分達は出来るだけ早く突入し、彼女達を救い出したはずなのにと。
だが諦めているわけでもない。女神が動く気配のない今のうちに出来る事をするのだ。
蓮華は『紅蓮華』を振るい更に触手を振り払っていく。大振りな武器だが丁寧なコントロールにより少女達は決して傷つけない。
一方偲とコルネリアは動かない少女達へと駆け寄った。
「あのね、すべて捧げるべきは神様なんかじゃない。好きな人にだよ」
わたしは、そう思う。だから目を覚まして、好きな人の所に戻ろう。まずは偲が声をかける。
「これが、きっかけになれば……! みんな、目を覚まして!」
コルネリアは隠していた羽根を広げ、『生まれながらの光』で少女達を照らした。
優しい光は彼女達の心を癒やしていく。何人かの少女はそれに合わせて目を覚ました。
「あれ……ここは……?」
彼女達はまだぼんやりとして動くことが出来ない。正気を失ったままの子もいる。
「だったら……あの鏡を壊せばいいんじゃないかな!」
触手を叩き切っていた蓮華が再び声をあげる。確かに根本を断てば彼女達をより正気に戻せるかもしれない。偲とコルネリアもそれに頷き武器を構えた。
「お願い、ガイスト君!」
「これで……えいっ!」
「バラッバラの粉々になるまで叩き込んであげるよ!」
二本の炎の槍、サイキックエナジーの刃、炎の鉄塊が振るわれ、女神の鏡へと大きなエネルギーが叩きつけられる!
鏡が割れる大きな音と凄まじい煙が巻き起こり……鏡は女神の周辺だけが残った状態となる。
だが彼女の周りは何かの力で守られ、今は触れる事が出来ないようだ。
それでも儀式に対して大きな損傷を与える事が出来た。あとひと押しあれば儀式を止め少女達を救う事が出来る。
そのひと押しのため、猟兵達は再び武器を構え直した。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
摩訶鉢特摩・蓮華
みんなで協力したおかげでお香とか魔法陣とかの道具は全部壊せたし、触手に捕まってた女の子たちもとりあえず解放できたよ!
でもこのまま、この子たちをここに置いておく訳にはいかないかな。
いつまた触手に捕まってしまうかわからないからね!
サイコキネシスを使って、できるだけたくさんの女の子たちを宙に浮かせて外に運び出そう!
全員は無理かもしれないから、その時は蓮華が直接抱えることにするよ!
こう見えて蓮華は力持ちだから何人かくらいなら抱えられると思うよ。
●
何人かの少女達の意識が覚醒しだした頃。
蓮華は彼女達を観察し、出来る事を考え始めた。
ここまで皆で協力したおかげで儀式の準備はほとんど壊す事が出来た。
少女達も触手からは解放する事が出来た。
それなら次に蓮華がすべき事は……?
「このまま、この子たちをここに置いておく訳にはいかないかな」
その一言と共に近くにいた猟兵達と顔を見合わせる。これ以上言葉を交わさなくとも意思は伝わる。
蓮華は頷きと共に少女達に駆け寄り、彼女達の救出を開始した。
4人の少女が完全に目を覚ましており、残り6人はまだ気を失っているかぼんやりとしている。
「起きてる子は付いてきて! 他の子も大丈夫、蓮華が助けるから……!」
手に力を籠めて『サイコキネシス』を発動させると、蓮華の手からサイキックエナジーが放たれる。
エナジーにより動けない少女のうち5人を浮かび上がらせると、彼女達を壁や道具にぶつけないように気をつけながら部屋の外へと運び出せた。
残る1人は抱きかかえ、残りの4人と共に部屋を出る。その間女神も触手も追ってくる事はなかった。
「あとで必ず助けを呼ぶから、ここで待っててね!」
少女達を屋敷の外まで運び出すと屋敷の側まで避難させる事が出来た。
正気に戻った少女達も蓮華の言葉に頷き、気を失った子達を守るように待機してくれた。
彼女達のためにも必ず邪神を討たなければ。
そう覚悟を改めて、蓮華は再び屋敷へ入っていった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『『貴方の魔性を映す鏡の女神・スペクルム』』
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POW : 『アナタは、私(アナタ)の過去に囚われ続ける』
【対象自身の過去のトラウマを抱えた姿】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 『欲望に素直になりなさい、"私(アナタ)"』
質問と共に【対象の理性を蕩けさせる甘い香りと囁き】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
WIZ : 『アナタが"私"を認めるまで、躾てあげる』
【従属の首輪】【躾の快楽触手】【欲に堕落する媚薬の香】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠風雅・ユウリ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●女神の鏡宴
猟兵達は無事に儀式を阻止し少女達を救い出せた。
しかし肝心の女神は取り乱す様子もなく、むしろ楽しそうに嗤い出す。
「ああ、これで十分なのよ。これまで食べた心で十分。それでアナタ達も食べてしまえるの」
鏡の女神――『スペクルム』は猟兵達を見渡すように動くと改めて触手を生み出していく。
先程まで少女を包んでいたものよりも鋭利でグロテスクな形状のそれは、悍ましく動きながら猟兵達へと向けられた。
「アナタ達は自分の心に殺される。私(アナタ)によって潰され、食べられてしまうの!」
スペクルムは完全復活こそ出来なかったものの、ある程度の力は取り戻しているようだ。
ただし攻撃的な姿勢を示した事で防御の力は薄れている。
これ以上の犠牲を防ぐため、あるいは自らの心を守るため。
猟兵達とスペクルムとの最後の戦闘が始まる。
摩訶鉢特摩・蓮華
「自分の心に殺される?何言ってるのか全然わかんないけど、あなたは蓮華がぶっ飛ばすから!」
突然のフラッシュバック
陰鬱な空
密告が横行する街
領主に連行される隣人
仲の良かった友達
助けを求める声
無力な自分を言い訳に目を背け耳を塞ぎ口を閉ざす自分
悲嘆慟哭後悔慚愧絶望憎悪、あらゆる負の感情が浮かび上がり―そして最後に表出したのは怒り
自分への怒り、友を奪った領主への怒り―今、目の前にいる敵への怒り
「大事な過去を思い出させてくれてありがとう、クソッタレな女神様。お礼に蓮華のこの身を焦がす怒りの炎をご馳走してあげるよ」
真の姿に身を変え獄炎闘気を使い、激情のままに捨て身の剣戟をお見舞いする
もう同じ過ちは繰り返さない
●
「自分の心に殺される? 何言ってるのか全然わかんないけど、あなたは蓮華がぶっ飛ばすから!」
スペクルムに対し強い口調で怒りを示したのは蓮華。武器を構えて再び鏡を叩き割りに走る。
思い切り駆け出し、鏡へ大剣を振り下ろそうとした瞬間……邪神の触手が蓮華の額に当たった。
ダメージはない。このまま触手ごと振り払えばいい。そう判断して鏡を見る蓮華だが、次の瞬間目に入ったものにより彼女の動きは止まってしまう。
スペクルムの鏡に映っている、忘れてしまったはずの光景。
陰鬱な空模様の下、お互いを見張り出し抜き合う人達。
この間まで普通に喋っていた人達が領主に連行されていき、もう二度と会う事はないだろう。この街ではよくある光景だ。
だが……その時連れて行かれたのは、蓮華の大切な友人だった。
その人は悲痛な叫び声をあげて助けを求める。お願い、助けて、行きたくない。
蓮華は何も出来なかった。だって立ち向かう力はないから。蓮華に出来る事は何もないから。
そう言い訳して、目をぎゅっと閉じて耳を塞いだ。
心の中がぐちゃぐちゃになる。悲嘆慟哭後悔慚愧絶望憎悪、あらゆる負の感情が浮かんでいく。
最後に残ったのは――怒りだった。
それは蓮華への怒り、大切な友を奪った怒り。そして……今、目の前にいる敵への怒り。
「大事な過去を思い出させてくれてありがとう、クソッタレな女神様」
静かに呼吸を整え、剣を下ろす蓮華。その様子を見てスペクルムはくすくすと笑い声をあげた。
「自分の心に殺されるっていうのはこういう事。さあ、これ以上辛い過去を思い出したくないのなら素直に食べられて」
この猟兵の心は折れた。あとは美味しく頂いてしまうだけ。余裕を見せる邪神だが……それは間違いだった事にすぐ気付かされた。
「うん……蓮華、大切な事を思い出せたんだ。お礼に蓮華のこの身を焦がす怒りの炎をご馳走してあげるよ」
不思議な程静かな口調で話す蓮華だが、彼女の瞳は怒りに燃えている。かつて潰されたその瞳から地獄の炎が溢れているのだ。
「絶技、獄炎闘気!!」
叫びと共に蓮華は炎の魔人へと姿を変える。燃え盛る蒼い炎がその身を焦がし、対照的な紅い炎が瞳として滾っている。
彼女が纏うは『獄炎闘気』、その怒りを力に変えて全力で邪神へと振り下ろす!
余裕を見せていた邪神もこのままではまずいと判断し慌てて触手で身を護るが、怒りの炎はお構いなしだ。全てを焼き尽くさんばかりの勢いで鏡と触手を溶かしていく。
流石に邪神も復活間際であったからか、一撃で斃しきる事は出来なかった。だが確実に大打撃は与えられている。
「……もう同じ過ちは繰り返さない」
怒りと共に強い意志を示す蓮華。彼女は邪神を斃し切るまでは絶対に折れない。
炎の魔人は次の一撃を繰り出すべく、再びその身を滾らせていた。
大成功
🔵🔵🔵
コルネリア・メーヴィス
粗末な離れ
一日に一度の食事と
週に一度最低限の身の回りの世話に来る使用人
自分が呪い子とされる事に疑問を持つ事すら知らない私
丁度彼女達と同じ位の時
下働きの女性が助け出してくれた
でもわたしを待っていたのは
わたしを買った男達だった
身も心も傷ついたけど
信じた人に裏切られたのが一番辛い
今も信じるのが怖いよ
傷を見ると今でも辛い
鈴蘭の嵐で二回攻撃
敵の攻撃はオーラ防御
でもね
いろんな人に助けられて
わたしは生かされてきた
文字も覚えたし
グリモア猟兵としての予知が誰かを助けられると信じてる
最初こそ切欠を貰ったけど
それからは努力したつもり
変えたい所はまだあるけど
それはわたしが自分で頑張って変えていくから
あなたはいらない!
●
コルネリアは鏡の前に立ち尽くしていた。
フォースセイバーをしっかり握り邪神に攻撃を仕掛けようとした時だった。
ほんの一瞬触手が触れて、その時に何かを喰われた。気がつけば甘ったるい匂いに包まれて。
彼女が油断していたわけではない。ただ間が悪かったのだが……心を曝け出されるには十分な時間だったのだ。
眼前の鏡に映るのは思い出したくない光景。
呪い子の烙印を押され最低限の世話だけをさせられて暮らしていた頃。
食事も部屋も粗末なもので、使用人も最低限の事しかしてくれなかった。
でもわたしは呪い子だから。嘗てのコルネリアは自分に押された烙印を当然だと受け入れていたのだ。
転機はある日突然やってきた。
同い年くらいの下働きの女性がコルネリアを連れ出してくれたのだ。
これからは暖かい部屋で眠れるのかな、ちゃんとした食事を取る事が出来るのかな、優しい彼女と一緒に暮らせるのかな。
そう期待したコルネリアを待ち受けていたのは、冷たい目をした男達だった。
下働きの女性がコルネリアの事を売ったのだ。
そこから先の事はもっと思い出したくない。
心も体もたくさん傷付いた。今も体についた傷を見るとあの時の事を思い出す。
でも一番辛かったのは、初めて優しくしてくれた人に裏切られた事。
今も信じる事は怖い。傷付けられてしまう事が怖い。
「ああ、可哀想なコルネリア。私と居ればもう辛い思いをしなくていいのよ」
触手がそっと頭を撫でる。少女達と同じように、慈しむように。
だがコルネリアがそれに身を委ねる事はなかった。フォースセイバーで触手を薙ぎ払うと、一歩後退し距離を取る。
「確かにあの時は辛くて怖かった……でもね。いろんな人に助けられて、わたしは生かされてきた」
瞳にまっすぐな意志を宿し邪神を見るコルネリア。彼女の表情に迷いはない。
猟兵となってからは大変だったけれど、良い事もたくさんあった。文字も覚えたしグリモア猟兵としての予知が誰かを助けられると信じてる。
「最初こそ切欠を貰ったけどそれからは努力したつもり。変えたい所はまだあるけど、それはわたしが自分で頑張って変えていくから」
コルネリアの周りに鈴蘭の花びらが舞う。髪に咲く蔓薔薇コクテールの赤とは対照的な純白の花弁は、彼女を護る盾のように、そして彼女の意志を示す剣のように動いていた。
「だから……あなたはいらない!」
叫びと共に鈴蘭はまっすぐに飛んでいき、帯びた魔力で鏡を削っていく。
鏡の中から邪神が悲痛な叫びをあげるのが聞こえる。効いているならもう一度、『鈴蘭の嵐』による連撃だ。
コルネリアの攻撃は確実に邪神の力を削っている。
邪神に打ち勝ち、辛い過去にも打ち勝とう。彼女の瞳に更に強い意志が宿っていった。
大成功
🔵🔵🔵
八上・偲
……わたしの欲……。
(目を背けたい。耳を塞ぎたい。でも出来ない。ただ手の内の槍を握る)
「もっと愛してほしい。苦しいくらい愛してほしい。
もっと強く、もっと深く。親子の絆でも足りない。
貴方の人生の内で誰よりも愛してほしい!」
……うるさいよ。
一緒にご飯も食べてくれるし、抱っこもしてくれる。
わたしは今のままでいい。
あの人はわたしを捨てられた女の子から「偲」にしてくれた。それだけで十分。
『炎帝の審判来たりて』で鏡に【属性攻撃】を。
……うん、帰って、一緒にご飯食べよう。お部屋にいてくれたらいいな。
※アドリブ・絡み歓迎です
●
鏡の前にて、偲が見せられていたのは己の過去ではない。
邪神が放つ甘い香りに誘われ、覗かれていたのは自らの欲望。
「欲望に素直になりなさい、私(アナタ)」
「……わたしの欲……」
優しい囁きに思わず答えてしまえばあとは心の内から何かが溢れてしまう。
目を背けたい。耳を塞ぎたい。でも出来ない。手の中にある『埋火』の感覚だけが妙にはっきりしていた。
偲の欲望は鏡の中から彼女の姿を以って現れた。
自分と同じ声で欲は叫んでいる。
「もっと愛してほしい。苦しいくらい愛してほしい」
脳裏に浮かぶのは見慣れた姿。黒い髪の保護者の姿。
「もっと強く、もっと深く。親子の絆でも足りない」
奴隷だったわたしを拾ってくれたあの人の姿。難しい話をしていたり、一緒に違う世界に行ったりするあの姿。
年も離れているし、義理の親子のようなわたし達。でも本当は……。
「貴方の人生の内で誰よりも愛してほしい!」
誰よりも、何よりも、強く、強く、わたしを愛して!!
「……うるさいよ」
欲の叫びに静かに応える偲。自分の一番目を背けたい部分をかき乱されて苦しいけれど、欲の声を否定するその意志は強かった。
だってあの人は一緒にご飯も食べてくれるし、抱っこもしてくれる。
それでいいんだ。わたしは今のままでいい。
あの人はわたしを捨てられた女の子から「偲」にしてくれた。それだけで十分。
灰の中からわたしを助けてくれて、灰かぶりにしてくれた。
何よりも大切なものをくれて、そして一緒にいてくれる。それ以上は望まなくても十分。
だから、これ以上はこの思いを汚したくない。
「燃えて、燃やして、灰になるの。なにもかも」
様々な思いを胸に言葉を紡げば、偲の周りに何輪もの薔薇が咲く。それは炎の薔薇だった。
『炎帝の審判来たりて』、よく馴染むユーベルコードが今の気持ちにぴったりだ。
腕を振り下ろせば薔薇が舞い、鏡へ飛んでいく。炎が鏡の中の偲を焼いていくがお構いなしだ。
気持ちのいい光景ではない。だがこれ以上心を蝕まれるよりは。
炎が広がる度に鏡の偲は消えていく。代わりに現れたのは邪神のシルエットだ。
「ど、どうして呑まれないの? アナタは自分の望みを叶えたくないの?」
「わたしの望みは今のままでいる事だよ。これでいいの」
だから、その望みを汚す敵は灰になってしまえ。
まだ邪神は斃しきれない。だが偲の心は先程よりも落ち着いている。
帰ったら、あの人と一緒にご飯食べよう。お部屋にいてくれたらいいな。だから早く帰らなきゃ。
再び意志を固め、偲は炎を舞わせていった。
大成功
🔵🔵🔵
クラーラ・ストルイピン
戦うのが一族の定め。
最初に思い出すのは、いつも同じ風景。フォースセイバーを構えた父親と、打ちのめされて地面に横たわる自分。父親に嫌われているんじゃないのか、そう思ったこともある。楽しそうに遊んでる友達を見てずるい、と思ったこともある。
それが、嘘偽らざる過去の自分だった。
〇POW
敵の手数の前に防戦一方で、追い込まれた所で【無敵城塞】を発動。[2回攻撃]でカウンターを狙います。
戦うのが一族の定め。だけど、父様はもっと大事なことを教えてくれました。みんなを守るために、ラーラは戦うんだと。
●
戦闘が激化する屋敷にて、新たな猟兵が訪れる。
「遅れてしまいました……ここから頑張ります!」
スペースノイドのクラーラ・ストルイピン(ミセリコルデ・f14091)は屋敷の外で待つ少女達を確認してから邪神の元へと駆けていく。
「っ……アナタの心を食べれば、まだ!」
しかし……影響力は薄れているとはいえ部屋の中は邪神の領域。鏡から放たれる芳香を初めて嗅いだクラーラは思わず脚を止めてしまう。その一瞬に触手が触れて、心を齧られてしまった。
「わっ……な、何をされたんですか……!?」
鏡の中にクラーラのトラウマが映し出されていく。思い出したくない光景だが目を離す事はできない。
人工の雪が降るスペースコロニーにて、ずっと見慣れてきたあの光景。
戦うのが一族の定め。お父さんはいつも厳しくラーラを鍛えていた。
フォースセイバーを手に訓練をするお父さんは怖かったし、ラーラは何度も何度も地面に横たわった。
お父さんはラーラの事が嫌いなのでしょうか?
だからこんなに厳しくするのでしょうか?
冷たい雪の感触が忘れられなくて、とてもとても辛かった。
近くで年の近い子達が遊んでいるのが見えるのも悲しかった。
皆ずるいです、ラーラだって遊びたい。
もう、こわいことはしたくない。
「辛かったわね。もう戦わなくていいのよ、戦士はやめてしまってもいいの」
スペクルムはそっと触手を伸ばしてきた。先端は父のフォースセイバーのような形を取り、それが頭上から振り落とされる。
だがその刃がクラーラを傷つける事はなかった。振り下ろされる瞬間、彼女は『無敵城塞』を発動しその身を守ったのだ。
「いいえ、違います。戦うのが一族の定め。だけど、父様はもっと大事なことを教えてくれました」
クラーラの目はしっかりと邪神の触手を見ていた。形は父の武器と似ているけれど、太刀筋は全く違う。
父の教えはこんな風に誰かを傷つけるものではない。だからラーラはこんなもので傷つかない!
「それは……みんなを守るために、ラーラは戦うんだと。戦うのはこわいけど、苦手じゃないんです!」
クラーラは超防御モードを解除すると、一瞬でその身の翻し自らのフォースセイバーを握りしめる。
「これが……お父さんの教えてくれた力です!」
彼女の顔つきは勇ましい戦士のそれだった。その勢いのまま二度剣撃を放つと、鏡に大きなヒビが入った!
「ああ……狙う相手を間違えた、かしら。ふふ、残念ね……」
割れた鏡の中からスペクルムの笑い声が聞こえる。その声は次第に小さくなっていき……鏡が完全に割れると共に影も声も消え去った。
こうして邪神は消え去り、鏡の破片だけが辺りに残る。この戦いは猟兵達で終わったのだ。
後処理はUDC組織が行う事になった。少女達は保護され、記憶処理やトラウマの治療を経てから帰させる事となる。
猟兵達の心にも大きな支障は残されない。ただし暴かれたものから何か思う者もいるかもしれない。
だが、これ以上悪戯に誰かの心が晒される事はない。
猟兵達は皆の心と平穏を守ることが出来たのだ。
屋敷の外では月のない夜空が皆を迎え入れてくれる。
どこか暗さを感じさせる空だが、それがどこか心の帳を守ってくれているようだった。
大成功
🔵🔵🔵