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露悪の果ての狂宴

#UDCアース

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#UDCアース


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「さぁ語ろうか――舞台はUDCアース、淫らな欲の露悪と混乱を招こうとした邪神の陰謀と戦う猟兵の物語を――本音としては、あまり語りたくないがね」

●燃えて盛って滅ぶのみ
「っふふふ……あははははっ……」
「ははははっ……ひひっ……」
 そこはあまりにも異様な光景であった。
 倦怠感を強く煽るようなオレンジ色の灯火が絶え間なく輝き、床にはすえた匂いを放つどこか淫靡な幾何学模様の方陣が刻まれていて。
 外界から離されたこの部屋で、艶めかしい肢体の美女たちが、老若男女問わず甘ったるい嬌声と耐え難い音を立てて、熱い劣情をぶつけ合う。
 荒々しく、退廃的な欲望の臭気と飛沫を下着姿の美女たちは喜んで受けて。
 ただ方陣の中央に立てられた鏡に映る影が、その光景を微笑ましく見守っていた。

●結局何が悪いのか
「欲望というのは、結局は上手いこと折り合いをつけるしかないのさ」
 グリモア猟兵スフィーエ・シエルフィートは椅子に座り、開いていた文庫本を閉じると、どこか落ち着かない様子で脚を組み替えた。
 細い目を少し落ち着かない様子で泳がせて、集まった猟兵達に語り掛ける。
「とある僧侶がそれを切り捨てたは良いが、切り捨てた筈の欲望が自我を持ち、大いなる悲劇を齎した……なんて話もあったりね」
 どこか湿り気を帯びたような溜息を漏らし、脚をまた組み替えつつ猟兵を見回して愛用の手帳を開くと、グリモアを輝かせ始めた。

「さぁ語ろうか。今回の舞台はUDCアース、現代に蘇った邪神の陰謀渦巻く世界だ。君達にはそこで、人の欲を糧にして世界中の劣情を暴き、混乱に陥れようとする邪神を討って貰いたい」
 スフィーエの語るところによれば、とある邪神とその眷属が夜な夜な鬱屈した老若男女を巧妙に隠匿された儀式会場に導かれそのまま失踪する事件が続いているという。
 邪神復活の儀式の為に、その場所で「サバト」を行った結果、色々なモノを絞りつくされて邪神復活の糧とされているらしい。
 そうして蘇った邪神は、人々の濁った欲情を煽り掻き立て世界中を不埒な欲望の饗宴が繰り広げられる地獄絵図にし、破滅させるそうだ。
「そういった世界も興味深いが、そればかりとなると結局は何も生み出さない雲散霧消していくだけの世界さ。人間は伝説の中の淫魔ではないのだよ」
 長い脚をまたせわしなく組み換え、グリモアを輝かせると一連の事件の首謀者はこれだ、と一見清楚な町外れの教会を映し出した。
「だからまずは、この悪の根城こと『春府蜜教会』に赴き、サバトの日時と場所を突き止めて貰いたい」
 表向きは真面目な教会に見えるが、神父もシスターも全て邪教の手先。
 確証はないがあの「黄昏秘密倶楽部」とも繋がってるらしい。
 合言葉と幾ばくかの金を以てやってきた鬱屈した欲望の持ち主に、サバトの場所を教えて色々と搾取しているらしい。
 既に場所の候補はいくつかあるようだが、会場を転々としているらしく、どこで行われるかは分からないそうだ。

「方法は色々あるだろうが、懺悔室で思うがままに欲望をアピールして取り入るのが手っ取り早いだろうね」
 合言葉は「どろどろした靄がある」で、万札の一枚でも握らせれば懺悔室に入れてくれるだろうと語った。
 そこで自分の鬱屈した欲望を大いに語り、取り入るのが一つ。
 ただ、正解を一発で教えてくれるとは限らないので何発も当たってみても良いかもしれないとも補足して。

「他には警察などに当たるか、教会の資料室に忍び込んで探るという手もある」
 警察の方にも行方不明事件として届けが出ている。
 目撃証言などもあるだろうが、上手いこと行方不明者の家族友人を装うなど、警察関係者を説得する必要もあるだろうと告げて。

「あとは神父かシスターを脅すのも手だね。尤も簡単に口を割るとは思えないから……懺悔室で、脅すぐらいに情熱的にアピール、という方向でも良いかもしれないね」
 前者の方はあまり効果は無いだろうから、懺悔室でのアピールに焦点を当てた方が良いかもしれないと補足もした。

「何というかね。欲望への付き合い方とか、そういう話じゃないと思うのだよ。ただ、悪意を以て煽ろうとする奴を倒せ、そういうことなのだと思うよ」

「……実は予知してから身体がやたらとむずがゆくて仕方ないんだ。
 だから、ここで一刻も早く君達の活躍が聞ける時を待っているよ。
 君達なら問題ないと私は確信しているから。ささ、行ってくれたまえ」


裏山薬草
 どうも、裏山薬草と申します。
 OPに目を通して頂けて有難うございます。
 えー……はい、ちょっとしたお色気?ありなシナリオです。
 あんまり過激な描写はマスタリング対象となりますのでご注意を。

 第一章ではサバト(隠語)の行われる場所と日時を突き止める為に奔走するシナリオとなっております。
 とはいえあまり難しく考えず、POWかWIZの方は思い思いに普段隠していたり、抑えていたりする欲望(もちろん性的なものでなくて大丈夫ですよ)を存分に語るぐらいの気持ちで来てください。
 性質上個別描写になると思いますので、そこだけはご了承を。

 第二章以降ではサバト会場に突入し、邪神の眷属や邪神そのものとの対決を描いていく予定です。
 あの手この手で、色々と誘惑してくるので、溺れすぎると不利になるかもしれないのでご注意ください。

 それでは、皆様のプレイングを心よりお待ちしております。
 今回も皆様の素晴らしきプレイングと合わせ、楽しい物語を作っていきたいです。
 裏山薬草でした。
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第1章 冒険 『お楽しみは自己責任で?』

POW   :    関係者を脅して開催日時を聞き出し、強引に会場へ突入します。

SPD   :    警察や報道への聞き込み、資料を調査して開催日時を推測。会場へ忍び込みます。

WIZ   :    関係者に言い寄る事で正式に入会したり、関係者に成り済まして潜入します。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

有澤・頼
うーん…どうやって日時と場所を見つけていこうか…

【WIZ】
関係者に言い寄って正式に入会して潜入するよ。
「私、最近恋愛とか大人なこととかに興味あるんだよね。でも、どうしたら良いのかわからないの。入会したら私の願いって聞いてもらえるよね…?」
て感じでいこうかな?

まあ、恋愛も大人なことも興味あるし、それも私の欲望のひとつだけど、私の本当の欲望はあいつらに聞かせたくはないね。それは私自身のものだからね。



●深く、もっと深く
 ――春府蜜教会。
 町外れにある小さな教会ではあるが、その裏で邪教の儀式と繋がっており、司法機関も迂闊に手が出せないという噂の教会。
 見た目だけ見れば真面目なこの場所へ立ち入り、有澤・頼(人間の剣豪・f02198)は支給されていた万札を、真面目そうな神父に渡して。
「どろどろした靄があるの」
「……こちらへどうぞ」
 所定の合言葉と寄付金の名目で出された万札を握ると、顔色を一切変えず懺悔室と書かれた狭い部屋の中に彼女を案内する。
 中は椅子があるのみで、仕切りを隔てた向こう側にシスターの気配を感じると彼女は語り出した。
「私、最近恋愛とか大人なこととかに興味あるんだよね」
 ――それは、全くの嘘ではないし、彼女自身にも確かにある欲望。
 尤も、本心の欲は決して晒すつもりはないが。
「でも、どうしたら良いのかわからないの」
「――相手がいない、ということでしょうか?」
「んー……ま、そうなるかな……?」
 互いに本心を隠し合った他愛のない問答。
「なんかこう……でも、ヤるとなると恥ずかしいっていうか」
「溺れすぎてもいけませんが……悪いものではないのですよ」
「へぇー……」
 どの口がいうか、と思った。
 嘘はつかないが、本心も言わない――邪教側からすれば逆にそれが鬱屈した欲を抱えているようで好ましく思うのか。
「入会したら私の願いって聞いてもらえるよね……?」
「……わかりました。貴方にはその資格があるようです。共に歩みましょう。世界を喜びに満たすために」
 一押しが決まり、仕切り越しにシスターは日時と場所を告げた。
 ――ルートルーム写真館、某日23時。合言葉は「豊かな喜び」
 これが本当の場所と日時なのか、カモフラージュの偽の場所なのか。
 判断は付きそうにないが、一先ずは大きな手掛かりを手に入れて。
 外に出た頼は緑の瞳を教会の十字架に向けてから、場を後にした。

成功 🔵​🔵​🔴​

江戸川・律
アースは相変わらずだな

宇宙(そら)や他世界から
久々にアースの寝ぐらである
資料室に帰って来た俺は
まずこの手の事件に強いフリーの記者仲間を電話でサ○ゼリア的なファミレスに呼び出し

適当に飯を奢りながら
罠使いとコミュ力で話を誘導

『春府蜜教会』について

最近の行方不明ネタについて

虚偽を交えながら
知りたい情報について
情報収集を行います

仲間と別れた後

資料室に帰り
分身と情報をまとめ
得られた情報とUDCからの情報を照らし合わせ
万年筆で頭を掻きながら
手帳とにらめっこしつつ
次の儀式の会場を推理します

アドリブ大歓迎です



●自分に語り掛けて分かることもある
「ああ、春府蜜教会ね……噂は聞いてるさ」
 江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)は相変わらずアースの空気は変わらないなどと思いながら、その手の事件に詳しいフリー・ジャーナリストを呼びつけて話を聞いていた。
 美食の国の味覚が味わえるファミレスの中で食後のエスプレッソをスプーンでかき混ぜながら記者は話す。
 同じく頼んでいたエスプレッソの苦みに緊張を適度に緩めながら、律は万年筆を手帳に滑らせて。
 適度に嘘も交えながら、彼の前身が故かの優れた人当りで情報を聞き出していく。
 幸いにしてこの事件の資料――報道関係なら誰でも集められるがやや手間な量の資料まで用意してくれていたのは僥倖か。
 やや眉唾な話も多かったが、資料の補足程度の話は聞き終えて。
「ここは奢りにしとくぜ。情報料代わりだ」
 決して安くはない量を頼みやがってと内心呆れながらも会計を済ませ、手を振り見送ると。
「さぁもう一人の俺、頼むぜ」
 この世界の寝床にしている資料室に帰り、己の分身を生み出すと記者から受け取った資料のコピーと話を元に、分析を始めた。
 かつての前身――犯罪都市で活躍した遺品の万年筆で、金に光る前髪の一房を持ち上げたりしながら、文字通りの自問自答を繰り返す。
「んー……やっぱ会場は『ルート・ルーム記念館』か『クロノ・グラス塾』だな」
「となると後は日時だよな? 夜遅くってのは間違いなさそうだ」
「けど21時か23時か……両方とも両方の時間帯で行われてるみたいだぜ?」
 律ともう一人の律は、鏡合わせのように、今度は万年筆の柄で頭を掻き手帳とにらみ合う。
 会場と行方不明者の目撃情報、そして家族などの最後の目撃情報から察するに21時か23時が開催時なのは間違いないだろう。
 とりあえず分かったのは今の情報ではこれぐらいか。
 一先ずは分かった情報を伝えに律は連絡を入れるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​


●判明点
 候補に挙がっていたのは「ルートルーム写真館」「御影園芸店」「クロノ・グラス塾」
 いずれも人目には中々目に着きづらい場所でとっくに廃業されているが何故か建物は取り壊されず残っており、そこで行方不明者の目撃情報が――といっても、何となく似た人を見かけたような、のレベルでしかないが。
 内、御影園芸店で目撃された者は数日後に全く無事な姿で――裏で記憶消去は受けているだろうが――戻ってきているという。恐らくは御影園芸店は完全なダミーなのだろう。
 運よく正規の手順で招待されたとて、それに際どい部分まで目撃されたとして、多少ならば引き込めば邪神の眷属にあっという間に色欲の宴に呑まれ溺れて後には何も残らない……という寸法だ。
 
 「ルートルーム写真館」または「クロノ・グラス塾」
 時刻は21時か23時。
 絞り込むには、まだまだ手がかりが必要となるだろう。
ラザロ・マリーノ
【POW】
ヤりたいなら表でも裏でももっとマシな方法があるだろうに、なんでコレを選んじまうかね。
まあ、まずは話を聞いてみるか。

マスカレイド・マスクでUDCアースによくいる【目立たない】人間に【変装】するぜ。

シスターが教会を出たら【追跡】だな。【地形の利用】で人気のない場所に誘導する。

誘導できたら、笑顔で話しかけつつ【怪力】で肩を組むぜ。
俺の変装はあくまで視覚だけのもので、触覚や嗅覚までは騙せない。
だから、手の甲で頬を撫でられると鱗の感触がしたり、見えない尻尾が足を這い上ってきたりするわけだ。

さて、ゆっくり【情報収集】させてもらうか。
この世界には、普通じゃない奴がいる事を解ってもらわないとな…



●堕落
「よお」
「ごきげんよう。なにかなさいまし……っ!?」
 ゴミ出しなのか教会を出たシスターの一人をさり気なく人目のつかない茂みまで誘導し、声を掛けた平々凡々な青年がいた。
 もっとも、その実はラザロ・マリーノ(竜派ドラゴニアンのバーバリアン・f10809)、変装を解けば竜派のドラゴニアンであるが。
 首をかしげるシスターの肩を強引に掴むと、彼は剛力を以て無理やり近くまで引き寄せ囁いた。
「――どろどろした靄がある、って言えば、良いよな……?」
「……強引な方」
 人間と変わらぬように見せかけても、見た目だけの問題。
 その実は――シスターの頬に当たる手の甲には硬い鱗のざらつきが。
 さり気なく脚に絡みつく竜の尾は硬い鱗の質感と筋肉の締め付けが足から臀部へ、臀部から腰へと張っていく。
 常人には決して味わえない特有の感触に嫌悪を漏らすどころか、どこか紅潮し甘く吐息を漏らし、ラザロの胸へ指先をそっと置く。
「ヤりたいなら表でも裏でももっとマシな方法があるだろうに、なんでコレを選んじまうかね」
「――その手間が嫌だから求めるのでしょう? 表も裏も超える快楽ならば、あぅ……尚更……ふふ、くすくす」
 世の中には普通では無い者がいると分からせてやるつもりだったが、この女は寧ろ楽しそうだ。
 あのような邪神と儀式を肯定する連中なのだから、不自然ではないだろうが。
 じゃあどこでやってる、と問う彼に。
 頬を紅潮させ、瞳に沼の如き濁った湿度を帯びた顔でラザロの首に腕を周し、震えた唇をそっと耳元へ近づけて。
 ――ルートルーム写真館、23時。合言葉は豊かな喜び。
 最後に不意打ちで、生暖かい「風」を風穴に取り込ませ、笑顔でシスターは頭を下げ去っていった。
「『肩揉み』有難うございました。丁度凝ってたところでして」
「……ちっ」
 脅せたんだか楽しませたのだか分からない。
 耳に残る生暖かい空気を代償に、彼は一つ情報を持ち替えるのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

黒木・摩那
★正式に入会して潜入を試みる
【WIZ】

春府蜜教会に懺悔します。
設定は敬虔な(正しい方の)信者。
性的な目覚めに戸惑う潔癖症。
サバトのことは知らずに来た、新人さんです。
飛んで火にいる夏の虫です。

こちらに行けば、悩みが解決すると聞きましたと
大変深刻そうに装います【言いくるめ】。

懺悔内容としては、
 神は私を試そうとしている。
 日々いやらしい妄想が頭を過り、体の火照りが苦しい。
 早く解決して、この苦しみから解放されたい。
 頭がおかしくなりそう!
です。

早く解決して~は本当ですけどね。
被害をここで食い止めないと。



●乱れ髪
「こちらに行けば、悩みが解決すると聞きました」
 黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は珍しく何も知らぬ初心な新人を装い、案内されるままに懺悔室へと向かった。
 ロザリオを手に頬を紅潮させ、衣擦れが肌を刺激する毎に苦悶と快楽の混じる小さな呻きを漏らし、嫌悪に怯える姿は、目覚めに戸惑う敬虔な信者――尤も、それは演技だが。
 そんな彼女は懺悔室に着くや否や悲痛な声で訴えた。
「神様は私を試そうとしているのです」
 衝立を拳で叩く。
「ええ、だってそうでしょう? 日々いやらしい妄想が頭を過り、体の火照りが苦しい!! 私は距離を置いてきた筈なのに!!」
 そう漏らす間にもそれは襲ってくる。
 そう装わんばかりに、切なくも甘い荒れる息遣いを聞かせたりもし。
「このままでは頭がおかしくなりそうです!! 神よなぜ貴方は!?」
 仕切り越しには見えなくも、彼女の熱演は止まらずに。
 仕切り板に爪を立て、はぁっと熱く息を漏らしつつ天井を仰ぐ。
「……早く、早く解決してください。この疼きから、私を解き放って欲しいのです!!」
 最後に一つ、盛大に仕切りをバンっと叩く。
 ここまで演技をすれば無事に言いくるめられるだろうか――沈黙が永劫にも感じられる。
 願わくば、この演技が本心に変わらぬ内に――仮に天地が逆になろうと有り得ないだろうが――返答を待つ彼女にシスターの声が響く。
「――良いでしょう。貴方は試練を受ける資格があるようです」
(――よし!!)
「今から言う場所へ、合言葉を忘れずに。……そこで、貴方の苦しみを共に乗り越えましょう。ふふふ……はぁっ……」
 ――ルート・ルーム写真館、21時。豊かな喜びを合言葉に。
 日時は同じだが事前に聞いていた他の情報とは、唯一時刻が違う。
 これが正解なのかどうなのかは分からないが、早く解決したいことだけは本心に、シスターの最後に残した熱っぽい声に嫌悪を向けながら、彼女は情報を渡しに行くのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

胡・翠蘭
「サバトだなんて…いかにも邪教集団らしいんですのね」
邪神よりも人間の欲の果てのなさのほうが、余程恐ろしいですわ
【WIZ】
そうですわね…私は、きっちりビジネススーツを着て、眼鏡をかけて、いかにも"硬くて真面目で欲を抑え込んで我慢してきたOL"を装って関係者に近付きましょう
合言葉も、戸惑いがちに告げて
「わたくし、近頃自分の…自分で抑えてきた何かを、我慢出来なくなってきてしまって…そんな自分が恐ろしくて堪らないのです。此方で、そんな私を救ってくださると聞いたのですが…」
と、自然に演じて、告白致しましょう

乗ってくださればいいのですけれど、ふふ。
得た情報は、仲間と共有しましょう

※アドリブ等お任せします



●チツジョ
「あの……どろどろした……その、“靄”が、あるんです……」
 眼鏡をかけた女がせわしなく内腿をすり合わせ、臍の下で組んだ手を擦り合わせながら告げた。
 地味なスーツに身を包んだ彼女――胡・翠蘭(鏡花水月・f00676)の見た目はお堅いオフィス・レディにも見えた。
 尤も、それが演技なのは言うまでも無いだろうが。
 案内されるまま懺悔室まで来た彼女は、切なくも甘ったるく仕切り板にしなだれかかると、耳元に囁くように告げた。
「わたくし、近頃自分の……自分で抑えてきた何かを、我慢出来なくなってきてしまって」
「抑えて来た何か、とは?」
「……」
 ――えっちな、ことです。
 言い出したことに後悔と、言い出したが故の疼きを演出するように胸部と腰を自らなぞる様にしながら慄き。
「そんな自分が恐ろしくて堪らないのです」
 今にも泣きだしそうな声で。
「此方で、そんな私を救ってくださると聞いたのですが……」
 ――名演という他ないだろう。
 しばしの沈黙の後に、仕切り越しのシスターは熱を帯びた声で語り始めた。心なしか、蛇のごとく舌なめずりする音が聞こえたかもしれない。
「救うのは私達ではありませんよ。それは貴方自身の手で救われなければなりません」
 それは、至極最もと言えば最もな指摘だろう。
 だが、ここで疼く獲物を邪教が逃がすかと言われると、そうではなく。
「ですがお手伝いはいくらでもしましょう。――貴方と同じ悩みを抱える方々と、一つお話をしてみては?」
 ――ルート・ルーム写真館、23時。合言葉は豊かな喜び。
 今までの情報で一番よく見たパターンだが、正解かどうか。
 懺悔室を後にした翠蘭は教会を振り返り、眼鏡を外し谷間へと引っ掛けて。
「――お話だけで、終わる訳ないでしょうに」
 逆光にヘテロクロミアを影で隠し、濡れた舌先を唇から覗かせて。
 人差し指と中指の間に親指を通したモノを十字架に向けると彼女は場を後にした。

成功 🔵​🔵​🔴​

プフェルトラム・メーベルナッハ
教会を訪ねまして、欲望を吐き出してみましょうかと思います。
合言葉を告げ、お金を握らせて懺悔の機会を求めます。

懺悔室に入りましたらば、早速私の欲望を語りましょうかと。

ええ、どうにも肉の交わりを求める心が抑えきれず…
夜な夜な自らを慰め、身体の疼きを鎮めてきたのですが、それも限界。

殿方でも女性でも構いません、とにかく身体を重ね互いに肉を貪り快楽に溺れたいのです。
それも一人や二人では物足りません、出来うる限り多くの方と交わりたいという…!

…勿論、望まれるのならば私の身体も…(己の身体、胸や尻や太股やを強調するように身をくねらせて見せ)

どうか、お願い致します。



●水音
 ――ドロドロした靄があるんです。
 神父に万札を握らせて、さり気なく内腿の熱と湿度を握らせた手に味わわせながら、プフェルトラム・メーベルナッハ(千夜の踊り手・f00012)は懺悔室へ行くと語り始めた。
「ええ、どうにも肉の交わりを求める心が抑えきれず」
 座れば弾む、女の膨らみ。
 絶え間なく擦れる、腿と腿の熱。
「夜な夜な自らを慰め、身体の疼きを鎮めてきたのですが、それも限界」
 好色そうに相槌を打つシスターに、仕切り越しに“疼き”の香りを嗅がせるように指先を向けて。
 それを口に含み、くぐもった呻きと粘着する水音をわざとらしく響かせ、歯先と口唇に指の強張りを擦り。
「殿方でも女性でも構いません、とにかく身体を重ね互いに肉を貪り快楽に溺れたいのです」
 引き抜かれた指が透明に照り、彼女の褐色を彩る。
 それを張り付けるように、仕切り板へ持っていき。
 重ねた背を強く掻くように、爪に力を、力を入れていき熱を訴える。
「それも一人や二人では物足りません、出来うる限り多くの方と交わりたいという……!!」
 ぱんっ、ぱんっ。
 語りに帯びた熱の滲ませる汗が、頻りに自らの腿を叩く掌に張り付き、剥がれる音が。
「……勿論、望まれるのならば私の身体も……」
 仕切り越しには決して見えないが、それでもシスターは感じていた。
 プフェルトラムの艶やかな肢体が目の前に踊り、弾む良き肉付きと脂の乗った身体の情欲が伝わるのを。
 ならば応えぬは不義理と、震わせた熱を帯びた声で答えた。
「……本日、ここまでの情動をぶつけてくる方はいませんでした」
「ダメですか……?」
「……ここまで言われて、断れるとでも?」
 ――ルート・ルーム写真館、21時。豊かな喜びを合言葉に。
 本件、二つ目の情報――真偽は別として。
 懺悔室を後にするプライフェルムの後ろ姿をこっそりと見守った偽の聖職者は、身体をのけ反らせ荒れる息遣いを懺悔室の狭い中に籠らせた。

成功 🔵​🔵​🔴​

レイチェル・ケイトリン
警察の人たちや報道機関の人たちの資料をしらべてみるね。

10才のわたしだとあまりいかない方がいいみたいだし「念動力」と「ハッキング」と「情報収集」の技能で「サイコリンクデバイス」をつかってユーベルコード「管理権限取得」を発動して、データベースにアクセスして情報をひきだすの。

いなくなっちゃった人たちの直前のようすとかからどこにいこうとしてたか、かんがえていくね。
なにもないとこからだとむずかしいけどほかの猟兵さんたちががんばってもう二か所にまでしぼりこんでくれたんだもの。

もちろんわかったことはほかの猟兵さんにもおしえてあげるし、しらべてほしいことがあったらおてつだいするね。

わたしはここでがんばるよ。



●幕を破り
「わたしはここでがんばるよ」
 ――さあ、わたしの心にこたえて。
 レイチェル・ケイトリン(心の力・f09500)はネットカフェで地道に捜査をしていた。
 せわしなく細指で鍵盤をたたき、ネットワークから警察や報道関係の資料をこじ開けて無理矢理引っ張りだしていく。
 彼女の比類なき念力を合わせたハッキングの前には、隠匿された資料だろうと丸裸も同然だ。
 一瞬の内でありとあらゆる些細な情報や目撃証言を集めていき、資料を精査していく。
 これまでの情報を纏めれば妖しいのは二か所。他の猟兵が絞り、また別の猟兵が多くの情報を寄せたのだから更に絞るのは自分の役目だ。
 内、告げられた場所はルート・ルーム写真館だけ……となれば、そこが今回の会場である可能性は高い。
 ならクロノ・グラス塾は?
 調べていけば塾方面で行方不明になった日、写真館の近くで姿見を運んでいた人物が見えたという。
 恐らくは邪神降臨の媒体――調べていけば、ここ最近、またクロノ・グラス塾から姿見を持ち出す姿が見られたらしい。
 また、その時写真館に清掃具が持ち込まれる姿――恐らくは塾は掃除の間の代用といったところか。
 恐らく今回の儀式会場は写真館で間違いないだろう。
「でも、二時間のずれは?」
 だが同じ場所と同じ日に、時刻を変えるのは――いや。
 これまでの記録を探れば、同日で21時頃に姿を消して戻ってきた人もいれば、戻ってきていない人もいる。
 つまり、二時間の誤差も結局は焦らす為のスパイスといったところか。去るなら去るで別に捨て置くと。
 写真館がメイン、塾は写真館を掃除する間の代わり、そして園芸店はフェイク。時間の誤差は捜査の攪乱と焦らしのスパイス。
(――わかってみれば、なんてことないね)
 穏やかに微笑むレイチェルの顔は、濁った欲望渦巻くこの渦中で数少ない癒しにも見えたかもしれない。
 ――ルート・ルーム写真館、23時。
 導き出した捜査の結論が、欲望の渦巻く陰謀を穿つ楔となるか――

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『搾取するモノ』

POW   :    搾取準備
自身の【性欲を搾取するという目的】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    捕食搾取
【大量の触手の群れ】が命中した対象に対し、高威力高命中の【大型丸呑み触手】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    捕縛搾取
小さな【穴から這い出た、対象を拘束する大量の触手】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【対象の理想の性的状況で、性欲を満たす事】で、いつでも外に出られる。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●インサート
 かつては地元の名士として慕われていたが、突如として店主が失踪したことによって倒産。
 その理由が、店主の女遊びだった――などという噂もある、某所ルート・ルーム写真館。
 その裏庭に集まっていた猟兵達は、邪教の一員と思われる黒いローブで身を覆った女に合言葉を告げた。
「豊かな喜び」
 女は頷くと、裏庭の土を払い除け、現れたのは地下へと続く扉だった。
 案内されるままに、階段を下りていくと――猟兵達の目の前に、広い空間が現れた。
 周囲は淫靡な空気を盛り上げる橙色の灯りに照らされ、焚き詰められた香は否応なしにそれを煽る。
 その中で天鵞絨の床に描かれた幾何学模様の中央に、異彩を放つ姿見があった。
 恐らく、ここで不埒な「儀式」を行いその力を姿見に与え続けていたのだろう。
「ようこそ、私達の楽園へ」
 ローブを脱ぎ捨てた女――長い金髪に豊かな肢体を持ち、際どい下着だけを身に着けただけの女が現れた。
 モデルのように長く伸びた手足を揺らし、煽情的な乳房と尻を揺らし猟兵達の周りを巡るように踊ると、彼女と全く同じ身体と姿を持った女が次々と現れる。
 幻想的ながらも淫靡な――この女たちがただの女ではなく、姿見に控える邪神の眷属であることは明白だろう。
「ここでは何も我慢する必要なんてない。好きなだけ交わって、好きなだけ溺れて許される極上の世界」
「溺れれば溺れるだけ、神様は祝福してくださるわ」
「退廃と、享楽と、淫猥に満ちた世界を」
「偉大なるお力で、作り出してくださるの」
 二人の女が肢体を絡めあい、膨らみを押し付け合い、口づけを交わし。
 また別の二人が抱き合い、脚を絡めあい、内腿に互いの指を這わせ。
「貴方達も楽しみましょう」
「楽しめば楽しむほど」
「神様はより強く蘇る」
「……さぁ」
 唇を繋ぐ糸を。
 指を繋ぐ糸を。
 それが生み出すモノは滅びでしかないことは、猟兵達にはもう分かっている。
 これ以上の犠牲者を出さない為に、不埒な世界を作らない為に。
 猟兵達は手招きをする女たちに自らの得物を突き出すのだった。
プフェルトラム・メーベルナッハ
大変美味しそうなお嬢様方、楽しみたいのは山々ですが。
その楽しみが邪神の糧となってしまう以上、そうは参りませんわね。
残念ですが、滅びて頂くと致しましょう。

基本はフォックスファイアにて攻撃。
此方に意識を向けている対象の数に応じて炎を合体させ威力を高めた上で射出します。
敵の触手攻撃はスカイステッパーで空中へ跳び回避。そこから敵の側面ないし背後へ着地しつつルーンソードで攻撃したりもします。

「次にお会いする時には、邪神とかそういうの抜きで愉しみましょう?」
トドメを刺す際は、せめてもの餞別にキスの一つでもして差し上げましょうか。


胡・翠蘭
「……嗚呼、ふふ。退廃的な雰囲気は私好みですわね。貴女達が邪神の眷属ではなく人間でしたら……楽しく宴に興じれたでしょうに」
残念ですわ、なんて白々しく笑って、窮屈なスーツから普段着に戻りましょうか

【SPD】
とても私にとって都合の良い攻撃をしてくださるわね、相手の方。
攻撃を受けたりして、快感を感じたならば……ユーベルコードに捧げて、発動させましょう
「御褒美になってしまうかしら……でも、まぁ。快楽に充ちた最後ならば、本望でしょう?」

通常攻撃はハンマーに変形させたガジェットによる属性攻撃とマヒ攻撃と2回攻撃

サバト好きの邪神の、その眷属……なら、もっともっと、楽しませてくださるわよね?

アドリブ等お任せ



●From here The Point is R-rated!
 見るにも毒、籠る熱気すらも毒、香る淫靡な煙も毒――されど、毒も薬も相手次第。
 こと、生温さと焼け付く熱を兼ね備えた空気が何の毒にもならないどころか、彼女達には活力にすらなっているかもしれない。
「……嗚呼、ふふ。退廃的な雰囲気は私好みですわね。貴女達が邪神の眷属ではなく人間でしたら……楽しく宴に興じれたでしょうに」
「ええ、大変美味しそうなお嬢様方で、楽しみたいのは山々ですが」
 黄金と新緑のヘテロクロミアと、銀月の瞳が濡れて輝く。
 艶めかしい唇の間から絶え間なく漏れるのは、落胆――いや、彼女達の興奮、淫香に宛てられた性的な興奮か。
 ヘテロクロミア――翠蘭と、銀月――プフェルトラムは少なくともこの乱れを快く思っているようで。
 翠蘭は残念ですわ、と白々しくも谷間に掛けた眼鏡を放り捨て、地味なスーツの釦を一つ一つ、ブラウスの釦も業とらしく艶めかしい吐息を漏らして解いていき。
 衣擦れの音をぱさりと立てて下ろせば、そこには中華の娼妓のようにゆったりとした衣が現れて。
 プフェルトラムは中近東の舞手の如き薄布と際どく“急所”を隠す身で、依然として恵まれた肢体を、今も尚舞う邪神の眷属たちへ見せつけて。
 美しくも淫らな性の上位者に、眷属たちはこぞって身体を躍らせていく。
 まず眷属が目を付けたのはストリップショーを見せつけた翠蘭の方だった。
 喜々として豊かな双丘の間から呼びつけた、糸ミミズのように細く大量に絡みつく触手が翠蘭の身体を貼っていく。
「はぁっ……」
 だがそれを何の抵抗もなく、寧ろ自ら受け入れるように、生暖かく粘液にぬめり、程よくざらついた表皮が女の鋭敏な箇所を焦れるように刺激していく。
 次第に焼けるが如き熱を足に絡みつけた触手が感じると、それを引き金に彼女の身体をひときわ大きな触手で飲み込めば――その内部に仕掛けられた、微細な絨毛が水音を立て彼女の身体を嬲っていく。
 暫くの後に解放されると、紅潮した顔で指先を向けると。
「甘くて深い泥濘の沼に堕ちてしまいましょう?」
 与えられた快楽が邪神の糧となるその前に、彼女の邪法に転用し。
 目に移る限りの眷属たちを触手の群れで埋め尽くし、筆舌に尽くしがたい快楽を与え、その命を吸い上げていき。
 その様子を愉悦に満ちた顔で彼女はこう下した。
「御褒美になってしまうかしら……でも、まぁ。快楽に充ちた最後ならば、本望でしょう?」
 尻尾を巻いて逃げ出す眷属の狙いは、今度はプフェルトラムだった。
 快楽の上位種――まぁ、それはプフェルトラムもまた同じだが。
 飛んで火にいる夏の虫――ただし、焼き焦がされるのは情欲の炎ではなく、妖しき狐の火。
「私が楽しめば糧となってしまいそうですので。残念ですが滅びて頂くとしましょう」
 大変に良い笑顔で告げる彼女の放つ炎は、時に束ねられ戦意を向ける眷属の肌を巧みに焼き焦がし、伏していく。
 眷属が臍の下から湧き出る触手を嗾けんとすれば、豊かな膨らみを激しく上下に揺らしながら飛び上がり背後へと回り込み。
 ぐさり。
 プフェルトラムの剣の先が、下腹から突き出るのであった。
 ぐらりと髪の毛を揺らし、その命を終えんとする彼女を支えるようにしなやかに腕を回し後ろから抱き寄せて。
「次にお会いする時には、邪神とかそういうの抜きで愉しみましょう?」
「……その時は違う剣で」
 せめてものはなむけにと。
 豊に過ぎる乳房を眷属の背へと押し付けるようにしなだれかかり、半ば強引に顎を指先に添えて顔を向けさせて。
 蠱惑的な唇に唇を重ね、暫しの別れを惜しむように一時を交わし合うと。
「さようなら」
 剣を引き抜く先には紅い糸が。
 唇を剥がし、覗く美しいピンクの舌先は銀糸が互いを繋ぎ続けるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

有澤・頼
(嫌な雰囲気の場所だな。この場にいるだけでなんかへんな気分になってくる)

女たちの誘いに乗った振りをして彼女たちに近づくよ。
「体が熱いんだ。どうしたら良い…?」
相手は隙を見せるからぶっすりと「サムライソード」で敵を刺すよ。あ、「傷口をえぐる」のも忘れずにね。
彼女たちのユーベルコードはいろんな意味で危険だから「咎力封じ」を使うよ。全て命中すればユーベルコードを封じることができるからね。

「私の演技はどうだったかな?お姉さんたち?」
敵の懐に飛び込むから多少のリスクはあるけどやるしかない…!



●Doubt
(嫌な雰囲気の場所だな)
 頼は立ち込める香と生暖かい灯り、そして残響を残すように笑い淫靡な肢体を見せつける眷属たちに体温が上がっていくのを感じた。
 そうした欲とは適度に距離を置いている筈だが、無意識のうちに身体が捩れ痺れるような何かが走り焦れるような感覚に侵される。
(この場にいるだけでなんかへんな気分になってくる)
 抜いた刀の腹の、冷たい金属の質感で火照る頬を冷やし意識を覚醒させ流されるのを防ぎながら、ふらり、ふらりと熱に浮かされた顔で眷属たちに近づいていく。
 妙な気分になっているのなら、逆に利用させて貰うだけだ。
 意識は流されないように、相手を流すように。
「体が熱いんだ。どうしたら良い……?」
 湿潤を帯びた瞳で息も荒く、肢体を晒す眷属の下着の肩紐へ手を掛ける。
 だがそれは彼女の精一杯の演技――そうとは知らずにクスクスと笑う眷属たちは彼女の手を導き、留め具へ触れさせようとするが。
 次の瞬間、白く滑らかな背に白銀の刃が生えて、その周囲から赤黒い液体が垂れ始める。
 苦悶の呻きを上げる女を嫌悪を込めて見下し、柄をぐいっと捻れば身体の内側と宿す邪の力を搔き乱され崩れ落ち。
「騙したのね!!」
 どっちが、と内心思いながらも、胸の谷間から触手を嗾けんとする眷属たちに頼は猿轡と目隠し、頑丈な荒縄を解き放つ。
 快楽に呑み込もうと試みた眷属たちは逆にその身を強調するように縛られ、視界と口を封印されながらも、どこか恍惚とした顔で涎を零し始め。
 それを心底見下しながら、一体一体を鋭く刀で斬り伏せていき、最後の一体に介錯を行うように刀の峰を下着に引っ掛け軽く持ちあげて。
「私の演技はどうだったかな? お姉さんたち?」
「大根ね。どうせなら大根ぐらいに」
 負け惜しみに下着をずらそうとした眷属の身体を、冷たい刀の閃きがその言葉と共に切り捨てるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

江戸川・律
(分身)
色に溺れるのはヒトの性て聞くけど
マジで18歳未満はご遠慮下さいって感じだな…
はぁ、まぁ依頼されてるしなぁ…
やるだけやりますかね?

取り巻きとのガチの対峙は仲間達に任せて
俺は俺の仕事をするぜ?

仲間と同伴するのは
鏡写しの影法師で作った分身

本体の俺はブラスターを構えながら
罠感知に罠使いを使用、攻撃に先制攻撃、二回攻撃、戦闘知識、早業など使える技能を屈して隠密行動に徹して

①裏庭の見張りの撃破
②出入口の確保
③居るであろう囚われている一般人の捜索と可能なら『幻影の城』への回収を目的に動きます。

憂いなく戦える状況を
作らないと本気で戦えないだろうしさ
分身の俺しっかり引きつけてくれよな?

アドリブ大歓迎



●Doppel
「色に溺れるのはヒトの性て聞くけど、マジで18歳未満はご遠慮下さいって感じだな……」
 下着姿の美女たちが肢体を弾ませ、欲情と興奮の汗を滲ませ、自らの身体を撫でて煽情的なアピールをする光景に、律?は顔を顰めた。
 状況が状況で無ければ健全な男子ならば有難かったのかもしれないが、それよりも悍ましい嫌悪の感情が勝る。
「はぁ、まぁ依頼されてるしなぁ……やるだけやりますかね?」
「ヤるだけヤりたいの? ……良いわよ、くすくす」
 谷間から湧き出る触手に、律?は銃を撃ち出し迎撃をしていくのだった。

「……うわ、ひでえ」
 ――ところ変わって地下のとある一室。
 そこには律――戦場に残してきたのは彼の分身。
 彼は退路の確保と、行方不明者の救助にあたっていた。
 そこで発見した行方不明者達は意識を失い命に別状はないようだが、案の定、行為を連想させる嫌な臭いと姿に顔を顰めるが何とか外に運び出し、適当な衣で裸体を隠しUDC組織に連絡を入れる。
「もしもし? ……行方不明者を確保、命に一応別状は無し。ルートルーム写真館裏側まで至急回収を」
 見張りは片付けた。一般人のようだったので気絶に留めたし、後は組織に任せておけば大丈夫だろう。
 幻影の城に手出しは出来なかったが、人命の救助はこれで片は着いたし、後続の憂いは一切心配いらない。
 心配は要らない、のだが……。
「さて、と……」
 様々な声が響く戦場とここまで漂う嫌な淫らな匂いに顔を顰めながら思う。
 このままいくら何でも逃げ帰る訳にはいかないな、と。
「任せっきりってわけには、いかねぇよなぁ……はぁ……」
 いくら分身とはいえ、全てを他人任せにはしてられない。
 若干胃の痛みを覚えながらも、戦場へと舞い戻っていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒木・摩那
【WIZ】

わわわわー。

懺悔のときは言いくるめで何とかなったけど、
実技は……
ちゅーがくせいには刺激が強すぎます。

えっちなのはいけないと思います。

顔を手で覆って見ないようにします(でも指の間から見るけど)。

眷属は、こっち来ないでー、とばかりにUC【サイキックブラスト】で
突き飛ばします。

【呪詛耐性】【破魔】あります。



●Hole
「わわわわー……、うわ、わぁ……!!」
 摩那は顔を真っ赤にして美女たちの艶姿と、響き渡る甘い声と匂い立つ夜の香りに完全に戸惑っていた。
 見たくはないが、でもどこかしらの興味も隠せないのはご愛敬か。
(懺悔のときは何とかなったけど、実技は……ちゅーがくせいには、刺激が強すぎます)
 花も恥じらうとはやや古いが15歳の少女にはこの光景はあまりにも刺激が強すぎるようで、火照る顔を冷ますように手で覆い、視界を完全に隠す。
「えっちなのはいけないと思います」
 キリッ。
 ……となってはいるものの、指の間から覗く泳ぐ瞳は100%の断定を、60%の迷いに変えているだろう。
 初心な少女の戸惑いに気付いた眷属たちはこぞって涎を垂らしながら、艶めかしい肢体を絡みつかせようと体液の際どい輝きを帯びながら向かうが、摩那は掌を向けて激しい稲光を放つ。
「こっち来ないでー!!」
「ああっ!! んぁっ……し、びれ、るぅっ……!!」
「なんて声出してるんですかー!!」
 常人なら即死レベルの電圧を受けても、甘ったるい声を挙げて身体をのけ反らせ、眷属たちはとあるところから衣擦れ音を立てながら触手を這い出させていく。
 なるべくその痴態は目に移さないようにはしているが、気配だけで宛てられそうになるし、触手には絶対捕らえられたくない。
 捕らえられたらもうお終いだろう――これは仕方ない、一体どこから来るのだろうと、恥じらいながらも好奇心で指を軽く開き瞳を向けてみたりもするが。
「!!!?」
 見なけりゃ良かった。
 ……どこを見たのかは敢て記すことはないが。
「いやぁあああ!!」
 羞恥と嫌悪と、僅かな好奇心の入り混じる、思春期の戸惑いを乗せた莫大な高圧電流の帯が。
 中規模都市の一日の消費量にも比肩しうるほどに引き出された、落雷をもしのぐ雷の波動が喘ぎ声すらもかき消して眷属の大半を塵に変えていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラザロ・マリーノ
うへぇ…ここまで堕ちきってるとは、読み違えたなぁ…。
まあ、汚名はここで返上させてもらうとするか!

真の姿を開放(体格が一回り大きくなり、牙・角・翼が生えて、よりドラゴンに近い外見になる)したうえで、UC「極限の領域」を使用。

【フェイント】をかけた【ダッシュ】で女達の間をを走りぬけ、自分の近くに【おびき寄せ】たところを、
【怪力】【なぎ払い】【属性攻撃】で、電撃を纏わせたハルバードを振り回して一気に片づけるぜ。

子供の情操教育に悪影響がありそうなオネエチャンには、退場してもらうぜ!



●Tyrant
(うへぇ……ここまで堕ちきってるとは、読み違えたなぁ……)
 艶やかな肢体を踊らせ続ける眷属たちの姿を映し、日中に暴力で脅すつもりで寧ろ逆に楽しませてしまった――まあ情報は得られたのだから結果オーライではあったが――シスターのことを思い出す。
 微笑みながら、その豊かな肢体をラザロの硬い鱗を逆に楽しむように淡く擦り付け、手足を絡めていく彼女達に、金の瞳の瞳孔を細くする。
「……汚名はここで返上させてもらうとするか!!」
 柔肌の刺激を意にも介さないように、竜が吼えた。
 ラザロの見た目は珍しく角も翼もない、二足歩行のトカゲといった出で立ちだが、湧き上がる怒りを爆発させるようにその真の姿を開放していく。
 その身体は一回りほど大きく筋肉の力強さを魅せ、頭部に映えた何者をも貫くような角と、羽ばたけば竜巻を起こしそうな力強い角、そして鋼をも容易く噛み砕くだろう牙を兼ね備えた――神話のドラゴンが如き姿となった。
「いくぜ!! 俺の全開!!」
 心理と生理、とうに限界は超えている――纏う竜の闘気は情欲に満ちた眷属たちを一瞬で慄かせて。
 力強くハルバードを構え一瞬で横を通り過ぎていく彼に、懲りずに情欲を向けながら肢体を彼の前へ躍らせていく。
「素敵。裂けちゃいそうっ……!!」
 その瞳に情欲と機会を伺う虎のような気迫を宿し、彼女達は彼に誘き寄せられるままに肢体を預けようとするが。
 だがそれはラザロの狙いそのもの――牙を剥き出しにしてニヤリと笑い、ハルバードに凝縮された雷を宿す。
「じゃあ裂いてやる。子供の情操教育に悪影響がありそうなオネエチャンには、退場してもらうぜ!」
 それはあまりにも一瞬のことだった。
 呆気にとられた眷属たちは莫大な熱と衝撃の雷と、只管に力強い竜の斧槍に薙ぎ払われ、追い詰められた末の力を発揮することも無く、塵一つ残さずに消滅するのだった。
 ――全ての眷属たちが消え去ったのを確かめたドラゴンの咆哮が、勝鬨のようにいつまでも響いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『貴方の魔性を映す鏡の女神・スペクルム』』

POW   :    『アナタは、私(アナタ)の過去に囚われ続ける』
【対象自身の過去のトラウマを抱えた姿】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    『欲望に素直になりなさい、"私(アナタ)"』
質問と共に【対象の理性を蕩けさせる甘い香りと囁き】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
WIZ   :    『アナタが"私"を認めるまで、躾てあげる』
【従属の首輪】【躾の快楽触手】【欲に堕落する媚薬の香】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠風雅・ユウリです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●露悪狂
 猟兵達の奮戦によって、淫らな容貌の邪神の眷属達は見事に打ち破られた。
 既に後続の憂いも断っている以上、後は心配ない――と思いきや。
 部屋の中に立ち込める淫らな甘い香りと気配は一向に収まる気配もなく、それどころか寧ろより濃密になっていくばかりだった。
 部屋の魔法陣が淡く輝いたかと思えば、中央に安置されていた姿見が濁った桃色のオーラを纏い始めていた。
 姿見には何も映らない――否、鏡ならばそれはおかしいのだ――その違和感は、鏡面に黒い影が映ることで解決した。
 ――それこそが、邪神だと。
 どうやら今までに集められた邪淫の精気と、眷属たちの命を元に不完全ながらも降臨を遂げたらしい。
「――ああ、何と強く欲と向き合え、時に受け入れ、時に拒めるのでしょう」
 響く声色は女のそれだった。
 鏡の中の影が一瞬だけ揺らめくと、むせ返るほどの強く甘い香りが部屋を満たし、その鏡の中にとあるヴィジョンを映し出していく。
 それはかつてこの部屋で行われていた、鬱屈した男女が淫らに欲望を肯定し、邪神の眷属も含めて衝動と情熱の迸りを交わし合う姿。
 思い思いのままに、睦む相手を変え、吐き気を催すほどの甲高い愛の媚声と、見るだけなのにも関わらずどこか酸えたような、それでいて甘く刺激と甘やかしを両立させた交わりの匂いを漂わせるようであった。
 再び鏡に映るヴィジョンが黒い影に戻ると、耳の奥に残響を残すような甘ったるい声で邪神は告げた。
「だからこそアナタ達のそれを見てみたい。誰もが持つ欲。誰もが求める喜び。一夜の夢に狂う姿」
 ――まるで性の悦びをなぎ倒しやってきた猟兵達だからこそ、それを狂わせたいと。
 だが、それは受け入れてやるわけにはいかない。
 彼女の為す露悪の果てが雲散霧消の世界だということは、既に聞き及んでいる。
「好きなだけ愛を交わし、欲を燃やし、快楽のままに果てられる世界――アナタ達のそれならば尚更に」
 ――それが、ただの破滅を導くモノだとしても。
 例え快楽を救いにする者がいたとしても――世界を滅ぼさない為に。
 一斉に戦意を向ける猟兵達に、邪神は穏やかな声で己が興味の果てを告げた。
「刹那の快楽、一時の夢に溺れ、燃えて盛る――その悦びの姿を、私に見せなさい」
有澤・頼
「こいつが邪神…さっきの眷属よりもヤバい雰囲気だな…」
(奴が現れてから甘ったるい香りが強くなっている…それに現れた時からに体がさらに火照ってきてる。心してかからなければね…)

邪神と戦うのは初めてだね。慎重に相手の様子を見ながら戦闘を開始するよ。敵の攻撃には「残像」で避けつつ「剣刃一閃」で邪神を叩き斬るよ。

「ははは…ちょっと、やらしい雰囲気に当てられちゃったかも…でも負けるわけにはいかないんでね!」
愛だの快楽だの人の心を利用しようとする邪神にそういうことは語ってほしくないね。



●快楽の救い
「こいつが邪神……さっきの眷属よりもヤバい雰囲気だな……はぁっ」
 鏡に映る黒い影を見ながら、頼は額に汗を浮かべていた。
 いや……息遣いが自分でも分かるほどに乱れ、剣を持つ手が震える。
(奴が現れてから甘ったるい香りが強くなっている……それに)
 体も更に火照ってきてる。
 腰の奥から決して委ねてはいけない、しかし委ねたくなる甘い疼きすら感じながら、強く剣の柄を握りしめ笑いの残響鳴らす鏡に相対する。
「心してかからなければね……」
「くすくす……我慢は良くないわ。本当は今すぐにでも委ねたいでしょう?」
「ははは……ちょっと、やらしい雰囲気に当てられちゃったかも……でも負けるわけにはいかないんでね!!」
 苦笑しながらも駆ける――駆けて擦れる脚に嫌な汗を帯びていくのが分かるが、彼女は刀を真っ直ぐに振るう。
 絶え間なく濁ったモノが湧き出そうな焦れと戦いながらとは、とても思えないほどに鋭く冷たい一閃が鏡の表面を大きく切り付けた。
 しかし邪神は笑って鏡の表面に付けられた傷から、闇が漏れ出すように一つの影を作る。
「拒めば拒むほど私<アナタ>は求める。救いを、許しを」
 濃密な愛の香りでぼやけてきた頼の頭の中に、遠き記憶にある声を以て邪神は語る。
 とても大事な何か――その存在が、優しく己を抱き目くるめく桃源郷に導くヴィジョンを魅せるような――
「――溶け合いましょう。許しも罰も不要な愛と快楽の中に」
 だが、邪神の言の葉が最後まで告げられることもなければ、その幻影が害を及ぼすこともなく。
 頼がもう片手で抜き放った黒い刃が鋭く鏡の表面を切り裂いた。
「――なんか分からないけど、お陰で少し醒めて来た。やっぱり愛だの快楽だの人の心を利用しようとする邪神にそういうことは語ってほしくないね」
 俄然、疼きが収まることは無いがそれでも逆にどこか冷静になれたように、再び距離を取って剣を構えるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

胡・翠蘭
「鏡は真の姿を映しだす…なんて言いますけれど。この邪神も、そうなのかしら」
隠している本性をわざわざ剥き出しにさせて覗きたいだなんて、趣味が宜しいこと
【SPD】
快楽、欲望…別段、隠す事柄はないつもりですけれど
気持ち良い事なら何でも、楽しめますし…奪うのも、奪われるのも…嫌いではありませんもの
…生娘かどうか、だなんて。
それは、秘されていた方が、愉しいでしょうから…ふふ、致し方ありませんわ。
さて、それでは色々してくださったお礼に、ユーベルコードを差し上げましょう
「…相手が相手だけに、少し複雑な気持ちになるモノですわね」
鏡には自分が映るモノですものね…仮に自分の姿を模されたなら、ね?

※アドリブお任せ



●ヒメゴト
「鏡は真の姿を映しだす……なんて言いますけれど。アナタもそうなのかしら」
「さあ。私は存るモノを映すだけ。映るモノは事実……くすくす」
「趣味が宜しいこと」
 ひび割れた鏡に映るのは、翠蘭自身の姿――それは、邪神の転じた姿だが、ひび割れからより濃密な甘い香りと囁きを放ちながら翠蘭自身と問答を繰り広げていた。
 覗き見なんてと思いながら、翠蘭は何を楽しみたいかと告げる邪神に熱を帯びた吐息を交えて語る。
「私、気持ち良い事なら何でも、楽しめますし……快楽も欲望も隠すモノはありませんが……」
「ここまで知るなら……生娘じゃないようね?」
 その質問には答えない。
 鏡に映る邪神が微笑み五指を突き出し蠢かせれば、翠蘭の内側から快楽の渦が巻かれていくような、溶岩のような快楽の情動が下腹から灼熱していくような。
 腿を自ら撫で上げ、紅潮させた頬で息を吐き、潤んだ眼で軽く指を弾くと。
「――ヒミツ。ただ、隠すことで得られるモノも愉しめる、というだけですわ……ふふっ」
 鏡の中の邪神の身体を翠蘭の呼び出した触手が一瞬で絡めとる。
 服の隙間を縫って這い、甘く濡れた快楽の使徒が際どい鼠径と胸元を敢て急所には触れず、耳朶と唇を時々煽るように、口づけを落とす如く弾力と粘性を備えた先で触れて嫐っていき。
「……相手が相手だけに、少し複雑な気持ちになるモノですわね」
 鏡の中の邪神の本体を削っている、とは頭では理解はしていても。
 映る姿が自分自身ならばやや複雑――尤も。
「まぁ、双子を抱くと思えば……くすくす……」
 それもまた一興。
 しなやかな指が躍るたびに、彼女の指に応じて動くように。
 硝子の中に移る娼妓の身体を艶めかしく這う触手が踊り、扉を開き呼び鈴を持ち上げ鳴らすように。
 映る翠蘭が淫靡に膝を着けば硝子の表面と囲う枠組が僅かに――弓なりにのけ反るような気がした。
 ――姿見の立つ周りの天鵞絨が濃く見えるのは、影かあるいは――

成功 🔵​🔵​🔴​

江戸川・律
へぇ鏡の邪神ね…

後続の憂いを断ち、部屋の入口付近で様子を見ていた俺は
おもむろに腰のブックホルダーに刺している。
「飛べない鳥の王様」というタイトルの魔導書を抜き取り
何か思いついたように「ニヤリ」といたずらぽい表情を浮かべます。

ユーベルコード「Whiteout」
【罠使い】【早業】【高速詠唱】【先制攻撃】【破魔】を併用
手にした魔導書を、瞬時に視界を白く覆う
雪の結晶の花びらに変え
周囲を超低温で包み込めば
鏡面をギチッギチと白く凍てつかせて行きます。

中距離範囲技だけど
急に視界を奪えば多少は隙が生まれるかな?
オマエにとっては見えないのはキツイだろ?
まぁこの程度は嫌がらせの範疇、ただ徹底的に嫌がらせしてやるよ



●White Ink
「へぇ鏡の邪神ね……」
 無事に後続の憂いを断つことに成功した律は、徐に腰に下げてある一冊の本を、そのタイトルを読み上げた。
 飛べない鳥の王様。
 だったら相手が相手なのだから、することは決まっている。
 悪戯を思いついた少年のように笑う律の姿を、邪神は好ましそうに笑いつつ、淫らな香を張り巡らせた。
「漸く来てくれたわね。鏡映しじゃない本当のアナタ――見せて頂戴。アナタのいやらしい姿」
 甘く囁き笑う邪神へ開いた本に白い霜を纏わせると。
 刹那の動きで唇を動かし、濁るような白い風を鏡面に放つ。
「お望み通り解放してやる、思いっきり暴れろ――見えなくなるのは、キツイだろ!?」
 鏡ならば見えなくしてしまえばいい。
 その狙いを込めて解き放たれた結晶達に鏡面を徐々に覆われながらも、邪神はくすくす笑って言葉を続け。
「――暴れるモノは好き。だからアナタのいやらしい姿が見たいの」
 律が気付いた時にはもう遅く。
 白い敵意を放つと同時に放たれていた首輪が律の首に絡まり、結晶の浸食を遅らせて。
「だから躾けたくなるの。インクが出なくなるまで、躾けてあげる……」
 続き、イソギンチャクのように嗾けられた細くうねる触手が律の身体に絡みつき、服に潜り込み、鈍痛を訴える箇所へ――
 ただ、鏡が凍り付いていくのに比例し、その勢いはあまりに遅く。
「――ああ、見えないわ。鏡に酷いことをする子だわ」
「お互い様さ。……ただ、こいつは嫌がらせに過ぎないがな」
 唇を噛みしめ、快楽による従属に抗いながら、律はその手を向けて霜の浸食を続けていき。
 一時の皮肉の応酬が逢瀬のように互いを繋ぐ。
「くすくす……じゃあ、その筆が折れるまで」
「――ただ、徹底的にヤってやる」
 触手がペンに絡みつき。
 弱弱しく這うようであった霜が漸く鏡面を覆い。
 互いに互いの力を封じる、白をぶつけたモノと白を導こうとしたモノの抗いは相殺され、冷めた眼差しで互いを見つめるのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

黒木・摩那
やっと邪神が出てきました。

このいやらしい空間を統べてきた神だけあって、
人の快楽には敏感みたいです。

気を強くもって、快楽に流されないようにしないと。
ここで負けたら、世界中がえっちな空間になってしまいます。

UC【偃月招雷】で魔法剣にサイキックエナジーを籠めて【属性攻撃】【破魔】。
鏡を割りに行きます。



●ヒトサシ
「やっと出てきましたね。お覚悟を」
「くすくす……それは、アナタが解き放つ覚悟かしら」
 鏡目掛けてレイピアを優雅に突き出す摩那に、余裕を崩さない邪神は煽るように鏡面に移る影を揺らめかせた。
 影が揺らめく度に邪神の箱から放たれるのは、何処か生臭さもあるが焦げた砂糖のように甘ったるく鼻腔から脳髄を刺激する香り。
 流石にこの淫靡な空間を統べる神であり、こうした手立てには敏感で練達しているようだと踏むが。
(気を強くもって、快楽に流されないようにしないと)
(聞こえますか。流されて悪いことなど一つもないわ)
 脳内に語り掛ける邪神の声。
 くらくらするような甘い香りの中、放たれた首輪を細剣を突き出して撃墜する。
 これを喰らえば完全に落ちてしまうと歯を食いしばるが。
(ここで負けたら、世界中がえっちな空間になってしまいます)
(聞こえますか。世界のみんなが幸せになれるわ。……アナタも興味が無い訳ではないでしょう?)
 思い起こされる先ほどの眷属との戦いで、否定をしながらも思わず行った己の目を恥じらい。
 嗾けられた無数の触手を、正確に急所の穴を正確に貫くように着実に落としていきながら、逆光を受けてレンズの奥に隠された瞳に怒りが宿る。
「ウロボロス起動……励起」
 細く優美な刃にサイキックの莫大な力が宿り輝く。
 刀身に刻まれたルーン文字が万華鏡の如く、千変万化に煌めき、ルーンとサイキックの相乗がより強大な力――超高電圧の雷となって刀身に宿った。
「昇圧、集束を確認……帯電完了」
 早く解決したいという気持ちに今でも偽りはない。
 影を揺らめかせ香を焚きつける邪神を、その香諸共吹き飛ばさんと。
「痺れるくらいに貫いてあげましょう」
 香によっていくばくかの減衰が起こっていることもまるで感じさせない――最も重く鋭い刺剣(エペ)の雷神が如き、必殺の一刺しが鏡面に吸い込まれ内部に移る邪神の影を苛めていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラザロ・マリーノ
視覚、聴覚、嗅覚。触手につかまりゃ触覚と味覚もか。
奴にとっては、五感すべてが心に入り込むための入り口ってわけだな。
なるほど、邪神なんて呼ばれるわけだぜ。匂いだけでも眩暈がしてきやがった。

小細工で勝てる気はしねえな。正面から行くか。

真の姿を開放(体格が一回り大きくなり、牙・角・翼が生えて、よりドラゴンに近い姿になる)。

目覚ましがてらハルバードを自分の胸に突き立てて、刃先に血を纏わせる。
【覚悟】を決めて、奴に向かって真っすぐ【ダッシュ】。その勢いのまま【怪力】でハルバードを叩き込んで【串刺し】にしたまま、UC「竜の血」を発動させて焼き尽くすぜ。

※アドリブ・連携歓迎



●One Night of Blaze
(視覚、聴覚、嗅覚。触手につかまりゃ触覚と味覚もか。奴にとっては、五感すべてが心に入り込むための入り口ってわけだな)
 手段を問わず心を乱す。
 だからこそ。
「なるほど、邪神なんて呼ばれるわけだぜ。匂いだけでも眩暈がしてきやがった」
「心地よいでしょう? このまま心を任せ、欲動のまま、熱の滾りをぶつける姿を見せて……アナタの、本当の欲望を……」
 何処がだ。
 だが見せろって言うなら見せてやる。
 唸る口からは覗く牙が剣山のように隆起し、身体の筋肉は膨張し巨人すらも捻じ伏せる体躯を、背には翼、頭部には角を生やした姿――眷属を暴力のままに塵に帰したドラゴンの姿があった。
「これがアナタの真の姿? 嬉しいわ。アナタが初めて見せてくれた。……さぁ、どうするの? 鏡の私をその槍で貫くのかしら」
 鏡面に映る影を楽しそうに揺らめかせ、鏡の中で笑う邪神にラザロは翼を軽くはためかせ――尤も、それだけで邪神の香が一瞬で吹き飛ぶほどの暴風にはなったが。
 だが一瞬で香はまた焚き詰められ、抗えば抗うほどそれは濃密に甘く香ってくる。
「――小細工は無理。だったら真っ向勝負しかねぇな」
 決意と覚悟を以て、斧槍の刃を胸に突き立てる。
 その様子すらも意外とマゾなのかしらと邪神は笑って見ているが、これでいい――痛みで目は冴えた。
 充電完了――激痛で冴えた頭と巡る血の力を腕に集め、床をへこませるほどに力強く駆けだすと、鮮血を纏ったハルバードをその怪力を以て勢いよく突き刺した。
 硝子がひび割れるが中の邪神はどこか恍惚と甘い息を漏らし、
「ああ……素敵だわ。アナタの熱いのが……」
「――望み通りくれてやるぜ。覚悟しな!!」
 邪神の昂ぶりが功を為す前に。
 斧槍に纏わせた血を、何者をも焼き尽くす竜の業火に変えて。
 ひび割れた鏡面の中、体液の熱に悶え苦悶と快楽の入り混じった耐え難い声を聴きながらドラゴンは破片の反撃を後退しながら躱した。

成功 🔵​🔵​🔴​

プフェルトラム・メーベルナッハ
私、貴女が考えるよりも欲張りな性質でして。
「一時の」夢では満足できませんの。
激しく熱い快楽を、何度でも、何度でも…一夜の夢を、千夜に渡って貪り、与える。
それが私の望みにございます故。

室内の淫気に乗るかの如く、胸や尻を強調するように舞いつつも、その気に身を委ねることはせず。
舞踏に合わせてフォックスファイアを発動し敵へ向け射出。ダメージの通りが悪いようなら複数個を纏めて投射。

そのまま徐々に距離を詰めたところで、剣の刺突にて影ごと鏡を貫きにかかります。
熱くて硬い、私の剣で、深い深い悦楽の闇へ、堕ちるが良いでしょう。

※アドリブ大歓迎です



●刹那のこの別れ、いざサラバ
「私、貴女が考えるよりも欲張りな性質でして」
 鏡面がひび割れ枠組みが崩壊していく邪神に、プフェルトラムは豊かな肢体を弾ませ、上下と前後の律動を刻み舞いつつ言った。
 香が染み込み豊かな乳房が弾み、脚から零れる汗を撒き散らすように脚を振り上げ鏡面を狐火で焼いて。
「『一時の』夢では満足できませんの。激しく熱い快楽を、何度でも、何度でも…一夜の夢を、千夜に渡って貪り、与える。それが私の望みにございます故」
「世界がアナタのような人ばかりならいいのに」
「破滅すれば千夜を楽しめませんので」
 最後まで望む光景が見られなかったが、漸く望み通りの人物と出会えても――相容れない者は相容れない。
 宴の終わりを惜しむように、互いに炎が表面を炙れば触手を軽く下腹に這わす。
 逢瀬の別れを名残惜しむ恋人のような一時を交わし合いながら、ゆっくりと距離を詰めたプフェルトラムの握る剣が吸い込まれるようにして突き刺さり。
「熱くて硬い、私の剣で、深い深い悦楽の闇へ、堕ちるが良いでしょう」
 角度を変え。
 深く、浅く。
 グラインドと振動を甘く捧げ。
 刃から柄に伝わる、鏡の破片が強くきつく締め付ける感覚に唇を釣り上げると、柔らかく豊かな肢体で甘く抱きしめるように。
 邪神は破片で彼女を傷つけないようにしながら、影を徐々に薄くしていきながら息も絶え絶えに囁いた。
「……最期に一つ良いかしら」
「なんでしょう」
「あの子達にシたように、土産の一つを頂けないかしら」
 ――よろこんで。
 熱と冷の入り混じる硝子の表面に、熱く濡れた唇をためらいなく貼り付けるように重ね。
 無機質な冷たさがありながら、何処か生命の生暖かさを備えるような鏡面から最後の精気を吸い上げていくように。
 暫しの逢瀬を楽しみ離れ、陶酔に満ちた顔で艶めかしく輝く舌先と鏡面を繋ぐ糸が断ち切れて。
 鏡の中から神の圧倒的な気配は、完全に消滅するのだった。

●果てた後
 こうして禄でもない熱情と欲望の入り混じる邪神の企みは阻止された。
 誰もが持つ欲望。
 誰もが味わえば心地よい快楽。
 それは間違いではなかったのかもしれないが――かの邪神が、悪意を以て暴き煽ろうとしていたのも、また間違いではないだろう。
 誰もが求めたとしても、また誰もが溺れられるわけでもなければ、制することができない訳でもないのだから。

 後日、救出された行方不明者達は全員、無事に元の生活には戻ったそうだ。
 しかしまた彼等が鬱屈した欲の捌け口を求めるかは――それは、正に秘めたる事か。

 願わくばもう二度とこのような事はなきように。
 だがその一方で、それもまた避けられぬ業だとも言うのかもしれないが。
 一先ずは事態の解決に安堵をしながら、猟兵達は各々の場所へ帰っていく。
 ――ふと、そんな彼等の鼻腔を、栗の花と磯と鉄の入り混じる臭いが擽ったような……気のせいか気のせいかは、それもまたアナタ次第……

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月16日


挿絵イラスト