Battle with Oblivion(作者 御影イズミ
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#ダークセイヴァー  #地底都市  #第五の貴族 


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#第五の貴族


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●憎悪の前奏曲
 ダークセイヴァーのとある土地では『憎悪』の紋章を持つ吸血鬼で溢れかえっている。
 地上を生きる人間達に、放置された神に、同族に、あらゆる憎悪を持つことになってしまう紋章。その憎悪の紋章を持つ吸血鬼は、1人2人では済まされなかった。

 そんな憎悪の紋章を持つ吸血鬼達に向けて、ヴィオローネ・チェロは水のドレスを舞わせて歌い、踊る。憎悪を持つ者達の綴る物語の前奏曲を。

「さあ、歌いなさいな。我が同胞、我が配下達」
「その肚に眠る憎悪を全てに向けて、地上を支配しましょう」
「貴方の憎悪は、私が受け止め、力に変えましょう」

 水葬のチェロを用いた前奏曲は物悲しくも鳴り響き、紋章を持つ者への力を溢れさせては憎悪による破壊活動を推進させる。
 地上では人々が嘆き、恐怖に打ち震え、明日への絶望を受け入れ始めるというのに……ヴィオローネ・チェロは演奏をやめることはない。
 人々の悲鳴こそが、神々からの嫉妬こそが、他の支配していない吸血鬼からの畏怖こそが彼女を突き動かす根底。まさに憎悪による支配を成り立たせていた。

 第五の貴族ヴィオローネ・チェロ。その存在を破るために、猟兵達が動き出す。

●穿て、憎悪を。
「……っつーことで、ダークセイヴァーでドンパチしてきてもらいたい」
 心底狂いそうだと嫌そうな顔をする木々水・サライ(《白黒人形》[モノクローム・ドール]・f28416)は、今回の事件の予知についての詳細を説明する。

 以前、闇の救済者達による反乱活動で第五の貴族の存在を示唆されていたことがわかった。今回は、その第五の貴族に直接乗り込みに行ってもらいたいのだと。
 場所はダークセイヴァーの辺境の土地から入ることが出来る洞窟、その最奥にある地底都市にあり、猟兵達はその場所へと転移される。

 敵は『憎悪』の紋章を使って吸血鬼達を操り、地上で戦を起こさせている。反乱があったからとはいえ、その灯火は未だ大きくはならない。
 更には地底都市に存在する第五の貴族ヴィオローネ・チェロによって番犬の紋章を与えられた強力なオブリビオンの群れが存在するため、闇の救済者達では太刀打ちが難しい。

 ということで、直々に予知を手に入れた猟兵達が今回直接乗り込んでくれ、とのことだ。
 色々と説明するのも面倒になったのか、ヴィオローネ・チェロが使う『憎悪の紋章』の弱点を伝え始めた。

「どうやら憎悪の紋章は武器で一突きするのが良いらしい。予知では掠った奴もいたが、そういう奴の紋章は剥がされなかったから……思いっきり、貫いてやれ」

 とん、と自分の額を指でつついたサライ。思いっきり貫いてやれという言葉通りに、容赦なくぶち抜けということらしい。

 地底都市にて始まる第五の貴族の物語。
 果たしてその顛末や如何に。


御影イズミ
 閲覧ありがとうございます、御影イズミです。
 ちょっとシリアスめなシナリオ作りたいなと思って投げました。
 殴る! 殴る!! 殴る!!! というタイプです。
 なおこちらは拙作「反撃の灯火を!」の続編っぽい立ち位置で造られてはいますが、前作を知らなくても問題はありません。

 初めての方はMSページをご確認の上、ご参加ください。

●第一章:集団戦シナリオ
 地底都市にいる第五の貴族の邸宅……にいる番犬の紋章を持つオブリビオン『喰われた神々』との戦いです。
 このオブリビオン達は個々が非常に強く、また数も多いため全てを撃破することは出来ません。
 故にある程度倒すことが出来たら邸宅内部へ侵入するという形になります。

●第二章:ボス戦シナリオ
 第五の貴族『『死響楽団』ヴィオローネ・チェロ』との戦いです。
 彼女は自身が配布している『憎悪の紋章』を自分に付与して、猟兵への憎悪を高めた上で戦闘を行います。
 この章にはプレイングボーナス『紋章の弱点を突く』があります。
 その他状況等は断章にて。

●第三章:ボス戦シナリオ
 ヴィオローネ・チェロが別の紋章で変化してしまった姿『ウィステリア・デスパレート』との戦いです。
 別の紋章がなんなのか、またその紋章の弱点については断章にて説明します。
 この章にはプレイングボーナス『紋章の弱点を突く』があります。
 状況等も断章にて。

 皆様の素敵なプレイング、お待ち致しております。
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第1章 集団戦 『喰われた神々』

POW ●この世のものでない植物
見えない【無数の蔦】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
SPD ●名称不明の毒花
自身の装備武器を無数の【金属を錆びつかせる異形】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ ●異端の一柱
【一瞬だけ能力が全盛期のもの】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


シャオロン・リー
呵々ッ、海で遊ぶのも悪ないけどやっぱ俺にはいまいち乗り切れへん
そろそろ体も鈍ってきたとこや、暴れ倒してやろうやんか!
倒すしかない相手言うんはええなあ
ごちゃごちゃした理由がいらへん
俺は暴れたいから戦う、暴れたいから暴れる
それだけや
俺は悪党やからなぁ!

二槍で手近な敵に近距離攻撃を仕掛ける
相手からの攻撃はできる限り見切って躱して、それでもあかん分は継戦能力と激痛耐性で耐える

三尖刀
俺の槍はどこまでも増える!そんでどこまでも飛ぶ!
大量に敵がおるなら、そいつらに一撃ずつ?はっ、足らんわ
どこまでも増える槍で炎の属性攻撃と範囲攻撃、とことん串刺しにしてなぎ払ってやろうやんか
ただ暴力による蹂躙、たんまり食らえや


●ただ己の欲のままに。
 世間は今や夏休みではあるのだが、シャオロン・リー(Reckless Ride Riot・f16759)は1人、ダークセイヴァーの地底都市へと地に足をつける。
 水着コンテストや夏休みといったイベントが用意されている中で、彼は特に気になるイベントには目も向けず、戦いの場を求め続けていた。
「そろそろ体も鈍ってきたとこや。たっぷり、暴れ倒してやろうやんか!」
 彼なり悪の笑顔を浮かべ、シャオロンは地底都市を走った。


 第五の貴族の邸宅周りには『番犬』の紋章を与えられたオブリビオンの群れ――喰われた神々が存在する……というのはグリモア猟兵からも情報を得ている。これらの紋章については剥がす方法などは聞いていないが、ごちゃごちゃ言う前にぶん殴ってしまえば終わりだろう? と、シャオロンは右手の禍焔竜槍『閃龍牙』で襲いかかる神々の身体を一気に5体は貫いた。
 喰われた神々の身体は槍の一撃に軽く吹っ飛ぶのだが、残念ながら『番犬』の紋章はその名の通り、邸宅を護る番犬に与えられるもの。そう簡単には倒れはしないようだ。
 起き上がる神々を見据えて、普通なら畏れを抱くところだろう。だがシャオロン・リーという男は違う。彼はまさに"暴れるための化身"故に、起き上がったそれを見ても畏れを抱くどころか、楽しさのあまりに牙を剥いて笑った。
「はっ、こらぁええなぁ。どんだけ殴っても、起き上がる。まさにここで思う存分に暴れてくださいと言うてるようなもんやな!!」
 だったら、全部倒してやろうじゃあないかと、左手の発破竜槍『爆龍爪』をくるくるとぶん回す。何度起き上がろうが何度でも倒してやるよと。……なお、ここは本来ある程度蹴散らして行くだけで良いのだが、暴れ足りなかった彼にそんな言葉は野暮というものだろう。そもそもある程度蹴散らせとか、言われてないし聞いてないし。
 この男が危険だと気づいた喰われた神々は、周囲に異形の花びらを撒き散らす。あらゆる金属を錆びつかせるその花びらを使って、シャオロンの槍を打ち崩そうという魂胆なのだろう。
 1本、花びらの力でボロボロに崩れ去った。残る1本を崩せば勝利だと、喰われた神々は身体で喜びを示して空を見上げるが……何故か、空に崩れたはずの槍が存在していた。
「残念やったなぁ! 俺の槍は何処までも増える! そんで、何処までも飛ぶ! ちまちました花びらなんかで俺の槍を崩せるもんなら崩してみぃや!」
 念には念をと、シャオロンはユーベルコード『三尖刀』を用いて炎を纏わせた槍を多重分身させていた。いくつも増えた槍は邸宅近辺を埋め尽くす程に広がり、やがては地底都市の闇で広がる黒い空を炎の滾る赤い空へと切り替える。
 轟々と燃え盛る炎は異形の花びらを焼き尽くし、何十、何百と分裂させた炎の槍で1つの個体を撃破する。一撃で倒れないというのなら、十、百、千と増やしてやると言わんばかりに暴力で蹂躙していった。
「――さぁ、限界までいかしてもらうで!!」

 "悪党"は笑う。
 ただただ、己がやりたいことをやるために。
大成功 🔵🔵🔵

枯井戸・マックス
「辛気臭い場所だな。さっさと片付けて一服つこうぜ」

天蠍宮ポイズンウィップを手に邸宅に乗り込む
初戦の目標は、後に続く猟兵達の助けとなるよう、可能な限り多くの雑兵を足止めすること
迫る不可視の蔦の動きを予想し、こちらも無数の蠍の尾の薙ぎ払いで絡めとって防御
そのまま蔦ごと敵を振り回し、投げ飛ばし、尾による追撃を叩き込む【第六感、怪力、毒使い、属性攻撃】
邸宅内に乗り込む仲間を追う敵がいれば、もう片方の手に持ったマンデリンで牽制射撃

「おっと行かせねえよ。憎悪は全部俺に向けろ。珈琲と一緒に飲み下しちまうけどな! あ、失礼。君らは口も鼻も無いんだったな」

◇アドリブ、連携大歓迎


●無数には、無数を。
 黒い空――という名前の岩肌が広がる地底都市。枯井戸・マックス(マスターピーベリー・f03382)は地底都市の暗さを利用して、邸宅の前へと近づいていた。
 うじゃうじゃといる『番犬』のオブリビオン・喰われた神々は侵入者を逃すまいと、周囲を警戒している。既に誰かが進入を済ませたところなのだろうか、警戒は強まっていた。
「はぁ、辛気臭い場所だな。さっさと片付けて、一服付きたいところだ」
 サングラスをかけ直し、天蠍宮ポイズンウィップをその手に握りしめたところでいざ任務開始。神々の隙間を縫うように走り、邸宅へと近づいた。
 音と風が喰われた神々の身体に迸ると同時、侵入者を感知して不可視なる無数の蔦を張り巡らせる。視覚もなく聴覚もない喰われた神々が、肌で感じ取った感覚を利用して作り出す無限のトラップだ。
 足を絡め取られて、動きを阻害されてしまうマックス。流石に見えない、無数となっては1人の1つの武器で相手は難しい。……本来であれば慌てるところではあるのだが、マックスはそんな表情は一切見せていない。むしろ、余裕を持った表情を見せていた。
「おぉっと、蔦が無数と来たか。なら、同じように無数で相手しなきゃならねぇな!」
 足元を這っている見えない蔦に向け、ポイズンウィップを一薙ぎ。ユーベルコード『魔道遺物「毒より怖い美女の怒り」』によって解けた毛髪が天蠍宮を冠する名の通りに毒蠍の尾へと変形し、無数の針のように蔦へと突き刺さる。
 それが刺さって抜けないとわかっているのか、追加の見えない蔦はマックスを攻撃するでもなくポイズンウィップを剥がそうと試みる。
 そんな中で複数体をまとめて絡め取ることが成功したマックスはポイズンウィップを引っ張り、追加で増えた見えない蔦もろとも神々を引き抜いて、黒い空へと投げ飛ばす。
「おっと、いい感じ。番犬といえども、遠くに飛ばされちゃ何も出来まい!」
 遠くに投げ飛ばされた神々とは別の喰われた神々が、音を聞きつけて次々にマックスを取り囲む。だが番犬といえど侵入者を倒すだけが能というわけではないようで、数匹の神々が邸宅内へと入り主へと報告しようとしていた。
 それを許すまいと、マックスは長年愛用しているコンバットマグナム・マンデリンを左手に呼び出し、抜け駆けしようとする者達へ牽制射撃。先に行った仲間がいる場合に備え、彼はここで『番犬』を足止めするつもりだ。
「行かせるわけ無いだろ? お前さん達の相手は、この俺だ。憎悪は全部こっちに向けろ! 珈琲と一緒に飲み下しちまうけどな!」
 もう一発、マンデリンで牽制射撃。射撃による痛みが彼への憎悪の引き金になったのだろう、邸宅へ戻ろうとしていた神々もマックスに向けて攻撃を行い始めた。

 そんな中で、マックスはのんびりとただ一言。
「あっ、失礼! 君らは口も鼻もないんだったな!」
 ……この一言は、耳がなくて聞こえていないはずの喰われた神々の怒りを買ったとか、なんとか……。
成功 🔵🔵🔴

堆沙坑・娘娘
とても心地良い響きの言葉をグリモア猟兵が喋っているのを聴いて、つい参加してしまいました。一突き…楽しみです。

この番犬たちについているのは憎悪の紋章ではないようですね…しかも数が多い上に雑魚ではない…私はここが鬼門かもしれませんね。
なので奥義発動。先の先の境地に至った私には生半可な攻撃は当たりません。というか、相手に攻撃させないように動くのがこの技の真骨頂です。
敵はどうやら一瞬だけ恐ろしい力を発揮するようですが、その一瞬の動き出しを察知し潰します。パイルバンカーによる【貫通攻撃】で。
敵の数が多いので全てを完璧に捌ききれるわけではないと思いますが。

やれるだけやって、体を温めておきましょう。


●心地良い響きを聞いたので
「一突き……楽しみです」
 グリモア猟兵から憎悪の紋章についての話を聞いて嬉しそうな表情を浮かべている堆沙坑・娘娘(堆沙坑娘娘・f32856)は、真っ先に地底都市にある第五の貴族の邸宅へと走った。
 憎悪の紋章を剥がすには紋章に向けて武器で一突き。ただそれだけなのだが、彼女はそれを気兼ねなく行えるという感情だけでこの任務に参加した様子。魂に焼き付いた命令が頭の中に響いて仕方ないのだ。

「ふむ……この番犬達についているのは、憎悪の紋章ではないようですね……」
 邸宅を守る『番犬』の紋章と役割を与えられたオブリビオン・喰われた神々。その身体に刻まれている紋章によって超強化されており、また番犬というだけあって数も多いことから娘娘はここが鬼門かもしれないと危ぶんでいた。
 しかしここで倒れてしまえば、その先にある楽しみさえも奪われてしまう。それだけは回避しなければと、娘娘は走る。
「――……!」
 侵入者を発見したと、喰われた神々は娘娘に向き直る。相手は恐ろしいものだと理解に及んでいるのか、神々は一瞬だけ全盛期の力を取り戻し、娘娘を追いかけはじめた。
 手を伸ばし、足を伸ばし、どうにかして神々は娘娘を捕まえようとする。しかし娘娘はその手に、その足に捕まえられることはなく、まるで未来を既に知っているかのように躱し続けていた。
 ユーベルコード『幽灵』による先の先に到達した先読みの力は、相手の気の起こりを読めるまでに高まる。故に喰われた神々がどんなに手を伸ばそうと、どんなに足を差し込もうと、娘娘に当たることはない。
 また先読みの力のおかげで娘娘は反撃の兆しを見ることさえも可能となっている。ほんの僅か、一瞬の動き出しの際の身体の緩みこそが兆しとして現れるため、娘娘はパイルバンカーを喰われた神々を貫いて道を開く。
「貫く。私はどんなモノが立ちはだかろうと、"コレ"で貫いてみせる」
 ……とは言え、貫いても立ち上がるモノに対しての戦いでは長く相手と戦う必要はない。全てをパイルバンカーで貫くことが使命だと言っても、逃げる必要だってある。
 ある程度の先読みの力で道を切り開いた後は、娘娘は喰われた神々の身体をパイルバンカーで貫いた状態から遠くへ投げ飛ばしてなるべく戻りづらくしておいた。

 ――彼女が貫きたい『憎悪』の紋章に至るまで、あと僅か。
大成功 🔵🔵🔵

リーヴァルディ・カーライル
…憎悪の紋章ね。辺境伯の紋章だけでは飽きたらず、
そんな物までばらまいている第五の貴族がいるなんて…

UCを発動し右眼に血の魔力を溜め防御力を強化し、
動作や感情から不可視の蔓や紋章の位置を暗視して見切り、
敵の攻撃を"火の精霊結晶"を投擲する早業のカウンターで迎撃して受け流し、
紋章を銃で乱れ撃ちながら懐に切り込み呪詛を纏う大鎌をなぎ払い、
怪力任せに本体を切断して生命力を吸収する追撃を行い敵集団の突破を試みる

…番犬の紋章、五体を無敵化するお前達の唯一の弱点だもの
当然、敵に見つからないように上手く隠しているつもりかもしれないけど…無駄よ

…私の右眼は感情や魂を映しだす。寄生虫の魂だろうと見逃したりしないわ


●黒騎士、地底へ至る。
「……憎悪の紋章、ね……」
 ぽつりと呟きながら地底都市へ至る道を素早く駆け抜けるリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)。その手に大鎌・グリムリーパーを携えて、第五の貴族の邸宅へと走る。
 邸宅の周りには既に『番犬』であるオブリビオン・喰われた神々が放たれているのだが、先んじて突破していた仲間達が散り散りに飛ばしてくれたためにリーヴァルディの元へ到達する神々が多少減っていた。
「……限定解法。光を灯せ、血の赫眼」
 ユーベルコード『限定解放・血の赫眼』発動させ、限定的な吸血鬼化で染まる真紅の瞳に血の魔力を貯め、防御力を強化。神々の感情や動作から見えない蔦が何処から飛んでくるか、どんな動きで迫ってくるかを見切りつつ、紋章の位置を割り出して突き進んだ。
 喰われた神々は頭が無い故に、顔から手に入れる情報は使えない。肌で感じた情報からリーヴァルディの位置を割り出して見えない蔦を這わせ続け、一部は先の猟兵達の戦闘で崩れた岩を投げたりして彼女を追い詰めようとしていた。
「……番犬の紋章、五体を無敵化する……」
 紋章の効果についてはある程度の知識を持つリーヴァルディ。『番犬』はその名の通り第五の貴族の忠実な番犬として働く代わり、己の持つ力を最大限に高められるもの。生命力も尋常ではない増加を見せるため、本来であれば完全に叩きのめす前に邸宅にたどり着くのが最適解だ。
 だがリーヴァルディにはそれを少しでも打ち崩すための手段がある。そのためにはまず不可視の蔦をどうにかしなくては、神々の身体に届くことはないだろう。
「……これで、どうかしらね」
 一呼吸入れて、見えない蔦から発せられる喰われた神々の感情を読み取り、蔦に向けて火の精霊結晶を投擲。それを受け止めた見えない蔦はまたたく間に炎に包まれ、あっという間に全ての蔦を伝って焼け始めた。
 轟々と燃え盛る炎に唯一の情報源と言える肌の感覚を失わされた喰われた神々。その隙を狙い、リーヴァルディは紋章に向けて銃を乱れ打ちしつつ、懐に切り込んで『生命吸収の呪詛』をグリムリーパーに纏わせて力いっぱいに薙ぎ払う。
 神々が切断されても『番犬』の紋章はその身体をもう一度作り直し、リーヴァルディに襲いかかる……はずだった。しかし、生命吸収によって復帰に時間がかかっている様子だ。
「……私の右眼は、感情や魂を映し出す。寄生虫の魂だろうと、見逃したりはしないわ」

 燃え盛る蔦の海の中を、切っては薙いで、撃っては滅する。
 憎悪を断ち切る、その瞬間まで気は抜けないのだ。
大成功 🔵🔵🔵

神宮時・蒼
…世間は、のんびり、空気、では、ありますが
…事件は、待っては、くれない、のが、現状、ですよね
…さあ、行きましょう、か

【WIZ】
喰われたと言えど、神は神、ですか
自身に【結界術】を張って、一撃で倒れぬよう対策を
無差別の攻撃は【見切り】出来れば回避
…数が、多く、倒し、きれない、というので、あれば
一点集中、して、突破口を開くのが、いい、でしょうか
【範囲攻撃】で道を作るように
【魔力溜め】と【全力魔法】でありったけの魔力を注ぎ込んで
紋章目掛けて、一斉に【白花繚乱ノ陣】を描きます

白い花びらが、目くらましになれば、尚、良いのですけれど

…さあ、前へ、進み、ましょうか


●事件《とき》は待ってくれない。
「……世間は、のんびり、空気……では、ありますが……」
 時というのは誰にでも等しく訪れるのだと、小さくため息を付いた神宮時・蒼(追懐の花雨・f03681)。地上も地底も変わりなく、流れ行く時の中にぽつんと事件が立つもので。
 潜り込む前に己に結界術を張り巡らせて一撃で倒れない対策を立てた後、彼女は地底都市を走る。

 他の猟兵達が『番犬』の紋章を持つ喰われた神々にダメージを与えているのか、無限に続く体力を持った者と言えども回復が追いついていないようだ。これを機に蒼は一気に邸宅へと向かった。
 だがそれでも、呪いにも等しい紋章が彼女を逃すことを許さない。風が神々の身体を掠めて蒼の存在を知らしめると一目散に蒼を追いかけ始め、やがては邸宅の直前で複数人が輪になって蒼を囲む。
「う。……数が、多く、倒し、きれない……というので、あれば」
 何処か1点でも突破できる道を作るために、広い範囲に全力の魔法が届くようにありったけの魔力を溜め込み始めた。倒せないのなら吹き飛ばして、時間を稼ごうと。
 しかし神々も馬鹿ではないし、侵入者に攻撃を許すほど甘くはない。神々は蒼に魔力の高まりを感じると、一瞬だけ全盛期の力を取り戻し、蒼へと襲いかかる。
「……っ、まだ……!」
 全力で撃つには、まだ時間がかかった。どうにか先に張っておいた結界術が蒼を守るものの、数分の内に蒼の結界術は薄くなってしまっていた。
 ガリガリと削られる結界崩壊の音に耐えながら、慎重に魔力を貯める。やがて完全に魔力が溜まったその瞬間……ユーベルコード『白花繚乱ノ陣』を発動。杖を軽く振り回しては神々を引き離し、陣術を編んで周囲の神々に月花ノ吹雪による風と白い花びらによる攻撃を喰らわせる。
「……舞え、吹き荒れろ……! どうか、私に、道を……!」
 溜めに溜めた魔力は蒼の言葉に答えるように、大きな嵐を巻き起こして神々を黒い空――岩盤へと打ち付けて蒼から引き剥がす。神々は蒼のユーベルコードによって殆どが舞い上がってしまったため、今や蒼の進入を拒むものは誰もいない。
「……今、なら……!」
 戻ってくるまでに時間がかかるだろうと踏んだ蒼。急いで邸宅へと入り込み、その入口をかっちりと締め切ったのだった。

 ――事件は、待ってくれない。
 ――どんなに、手を伸ばして握りしめても。
成功 🔵🔵🔴


第2章 ボス戦 『『死響楽団』ヴィオローネ・チェロ』

POW ●アクア・ヴェール・ドレスコード
【戦場に適した水のドレスを纏った姿 】に変身し、武器「【水葬のチェロ】」の威力増強と、【空中を水中のように泳ぐこと】によるレベル×5km/hの飛翔能力を得る。
SPD ●ウォーター・バーリオル・ドルフィン
【武器「水葬のチェロ」を水のイルカ 】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【生命力を奪う水飛沫】を放ち続ける。
WIZ ●ディープ・シー・リサイタル
【武器「水葬のチェロ」を用いた演奏 】を披露した指定の全対象に【本当に息が詰まってしまう程の緊張の】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は幻武・極です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 『憎悪』の紋章を地上にばら撒き、その土地を支配下に収めようとしている第五の貴族ヴィオローネ・チェロ。
 彼女の屋敷の中は地底都市だと言うのに美しく、広く、しかしほとんど一本道。
 もともと襲われるであろうと予見していたのか、それともこういう趣味なのか。
 いずれにせよここは既に第五の貴族の手のひらの上である。

 音もなく、屋敷の奥から現れたヴィオローネ・チェロは猟兵達の姿を見て、その儚げな表情を崩すこと無くただ一言だけ呟いた。
 ――『憎い』と。

 彼女の胸元には既に己が地上でばら撒いた『憎悪の紋章』が張り付いている。
 猟兵達との戦いに備え、あえて己に付与してその力を借りようということなのだろう。
 その手に持ったチェロを弾き鳴らし、己の憎悪を音に乗せてぶちまける。

「ああ、憎い、憎い、憎い! 私の地上を、私の地底を穢す者達が!!」
「この憎しみを、この憎悪を、お前達に与えなくては!!」
「さあ、さあ、さあ!! 憎悪の狂想曲をはじめましょう!!」

 狂ったようにチェロを弾き鳴らす第五の貴族。
 少々うるさいその音を止めるには――。

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 プレイング受付:8/6(金) 8:31~
 プレイングボーナス:紋章の弱点を突く。(武器で紋章を貫く)

 第五の貴族『『死響楽団』ヴィオローネ・チェロ』との戦いです。
 この章ではプレイングボーナスとして『憎悪の紋章を武器で貫く』があります。
 武器の内容についてはなんでもOKです。
 己の拳でも、近代兵器でも、魔法でも。自分が武器だと言えば武器なので。

 屋敷内部、エントランスホールでの戦いから始まります。
 エントランスホールは2階に至るための階段、シャンデリアがあり、玄関~エントランスホールに続く廊下とその他細々した部屋の扉が数箇所あります。
 手すりもありますが強度はそこまでありませんので、武器にするには難しいです。

 状況によってはヴィオローネ・チェロが廊下に吹き飛ばされたりする場合もあります。
 ヴィオローネ・チェロが吹き飛ばされた場合は、なんとか邸宅内部に留まろうとエントランスへ移動します。

 なお邸宅なのでそこまで高さがなく、キャバリアの使用は不可能となっています。

-----------------------------------------------
シャオロン・リー
ぎゃあぎゃあうっさいわ、その口掻っ捌いたろか

空中戦で俺も空に飛ぶ
翼は生やされへんけどただ飛ぶ分には問題あらへんやろ
飛翔速度は出ぇへんから待ちの戦いになるな
二槍で突きかかる
炎属性の範囲攻撃でのなぎ払いに串刺し
槍やのうても頭突き、蹴り、とにかく「攻撃」が当たればええ
相手からの攻撃は見切って躱して
激痛耐性と継戦能力で何とか持たせる
とにかく一撃でも掠り傷でも攻撃を当てさえすれば
火尖鎗!
そこに!俺の無数の槍をぶちかましてやれんねんからなぁ!
炎属性の貫通攻撃の一斉発射、たっぷり食らえや

こちとら暴力、暴動、暴走の三拍子揃った暴れ竜やぞ
喧しいがなり声なんぞ知ったことちゃうわ
俺に蹂躙されときゃええねん
貫かれろや


●暴力は最高の言語
 シャオロンは屋敷の中で響くチェロの音が喧しいと感じながらも、その音を出す元凶の下へと走る。屋敷が複雑な構造ではなく一直線な作りなのは、このチェロの音を響かせたいというかの第五の貴族の欲が具現化したのだろう。迷わなくて済むのは、むしろありがたいもので。
 元凶――第五の貴族ヴィオローネ・チェロは『憎悪』の紋章に全てを委ねた様子で、乱雑にチェロをかき鳴らしたままシャオロンを出迎えた。赤の瞳を見つけるや、憎いと声を荒げて曲を終わらせる。
 そんな彼女の音は、それはもうシャオロンにとってはただの"煩い音"なわけで。
「楽器も口も、ぎゃあぎゃあうっさいわ。その両方、掻っ捌いたろか」
 曲も本人も煩くて仕方がないから、とっとと言われたとおりに紋章を貫いてやろうと2つの槍を構えて空中を飛ぶ。攻撃さえ当たれば彼の考える立ち回りが上手く発動するからだ。
 だがその前に曲を鳴らし終えたチェロがヴィオローネ・チェロの手から離れ、水のイルカへと変貌する。彼女の指示に従うかのように空中を飛び跳ねるイルカは、『憎悪』の紋章を貫こうとするシャオロンとヴィオローネ・チェロの間を陣取り、邪魔をする。
「ああぁぁ! 邪魔や!!」
 シャオロンは紋章に向けて伸ばした槍を振り払い、イルカを薙ぎ払う。しかし水の身体というのはなかなかに厄介なもので、振り払っても振り払っても、水滴がくっついてはイルカの身体を作り出す。
 主を狙われていると理解したイルカはとんでもない速度で空を飛び、シャオロンめがけて突撃してきた。それをなんとか見切って躱しながらも、ヴィオローネ・チェロめがけて真っ直ぐに禍焔竜槍『閃龍牙』で何度も何度も突く。
「っ――……!」
 水飛沫で揺らめく部屋の中、わずかに歪んだヴィオローネ・チェロの顔。痛みを堪える顔、予想外だという顔が水飛沫の向こう側で見えていた。
 あーあ、やっちまったなぁ。そう言いたげなシャオロンの周囲には、既に炎を纏った無数の槍が現れていた。ユーベルコード『火尖鎗』の力によって分裂した2つの槍が、さらなる暴力を求めて無尽蔵に増え続けている状態である。
「な、なぜ……」
「なんでって言われてもなぁ。こちとら暴力、暴動、暴走の三拍子揃った暴れ竜やぞ。どうせ声かけたって、聞かんやろ?」
 ――だから、暴力という言語で喋ってるだけ。
 ニヤリと、"悪"の笑顔を浮かべたシャオロンの炎を纏う槍は、水のイルカもヴィオローネ・チェロも関係なく、屋敷もろともぶち抜いたのだった。
大成功 🔵🔵🔵

堆沙坑・娘娘
憎悪の紋章…あれを貫くのが今日の私の修行ですね。

水のドレスを纏おうが演奏攻撃が強化されようが空中を飛ぶように泳ごうが関係ありません。
私はあの胸元の紋章に向かってまっすぐ突き進み、このパイルバンカーで穿ち貫くのみ。
どのような理由があるのかは分かりませんが敵は高速で飛翔する能力があるのにこの屋内を戦場に選び、しかも邸宅内部に留まろうとしている。
ならば、猟兵である私が、体高5mのキャバリアさえ使えないというこの戦闘スケールの狭い場所で、敵を貫ける瞬間がないわけがありません。
追いに追い、耐えに耐え、UCで強化された身体能力で飛び掛かれば届く範囲まで敵に接近できた瞬間に、憎悪の紋章へ【貫通攻撃】。


●貫く。
「憎悪の紋章……あれを貫くのが今日の私の修行ですね」
 パイルバンカーを構えた娘娘は、第五の貴族ヴィオローネ・チェロと対面する。彼女は憎しみのあまりにチェロを弾き鳴らしているが、他の猟兵による傷がまだ少々残っているのか、ぎこちない弾き方になっている。
 憎悪に身を任せたまま弾き鳴らす彼女は、娘娘が来たことでその憎悪を膨らませる。その憎しみに集うように、水がヴィオローネ・チェロの身体を包み込みドレスを作り出したかと思うと……素早く、水の中を漂うかのように空中を飛び交った。
「っ……!」
 真っ直ぐに、娘娘めがけて高速飛翔するヴィオローネ・チェロ。その速度に反応が一瞬だけ遅れた娘娘だが、パイルバンカーの先を向けたことで上手く盾の代わりとして働き、直撃を免れた。
 弾かれたヴィオローネ・チェロの身体は再び室内を飛び回り、娘娘を水葬のチェロで殴っては退いて、殴っては退いてとヒット・アンド・アウェイを繰り返していた。
 少々狭い室内で、弾いて、追いかけて、弾いて、追いかけて……。何度も繰り返される攻撃に対しての娘娘の行動は、傍から見れば不利な行動にしか見えないだろう。だが彼女はそんな不利な状況でも、信念――必ずやパイルバンカーで敵を貫いてみせるという信念を持ち続けていた。
 ユーベルコード『信念』はそんな彼女が敢えて取った不利な行動の分だけ、身体能力を増長させる。受けた攻撃が彼女の信念のために不利な行動である間は、ヴィオローネ・チェロに娘娘の力を止める手立てはないのだ。
 ヴィオローネ・チェロが飛び交う中で最初はゆったりと攻撃を受け続けていた娘娘だったが、ユーベルコードによって身体能力の向上が伺えるようになるとヴィオローネ・チェロに並んで、彼女を追いかけ始めていた。
「なっ……?! さっきまで、立ち止まっていたはずなのに……!」
 並走する娘娘に驚くヴィオローネ・チェロはもう一度水葬のチェロを振りかぶる。しかし既に身体能力が最大級にまで達した娘娘は、軽々とその攻撃を躱し……ヴィオローネ・チェロの『憎悪』の紋章に一気に近づいた。
「貫く。……貫いてみせる。待ち焦がれた、この瞬間のために!」
 パイルバンカーの先を憎悪の紋章へ押し当て、その砲身に込められた一撃必殺の槍を射出。弾け飛ぶ火薬の音と匂いに紛れ、ヴィオローネ・チェロの肉体と共に紋章は貫かれた。

 ……しかし、第五の貴族というのは少ししぶとい様子。
 憎悪の紋章は1度や2度剥がされたところで、次々に生まれ出てくるようだ。
 パイルバンカーの射出を終え、次の装填までに時間がかかってしまう娘娘は次の猟兵達に託すため、ヴィオローネ・チェロの身体を切っ先でもう少しだけ貫いてから撤退したのだった。
成功 🔵🔵🔴

リーヴァルディ・カーライル
自ら憎悪に塗れて冷静さを投げ捨てるとは…

…それで私達に勝てると思っているのなら、随分となめられたものね

…良いわ。その侮りの対価はお前自身の生命で支払ってもらいましょうか

今まで戦闘知識から第六感が捉えた敵の殺気や憎悪を暗視して見切り、
"写し身の呪詛"の残像と入れ替わる早業で敵の攻撃を受け流し、
死角から懐に切り込み大鎌を武器改造して手甲剣化させてUCを発動

…いくら力が強かろうと、そんな感情任せの攻撃が通じるとでも?

紋章に虚の魔力を溜めた手甲剣を怪力任せに叩き込み、
切断面から広がる虚無のオーラが防御を無視して敵を呑み込む虚属性攻撃の追撃を行う

…結果は最初から分かっていた事よ。消えなさい、この世界から


●虚ろに飲み込まれる憎悪
 第五の貴族ヴィオローネ・チェロは身体の痛みに耐えながらも、憎悪の紋章を貼り直して次の猟兵に向けて憎悪を滾らせる。水葬のチェロを弾き鳴らし、怒りを、憎しみをその音に乗せてリーヴァルディの前へと姿を表した。
「ああ、憎い……この地を荒らすモノ達が憎い……!」
 憎しみの声はいつしか彼女の身体に水のドレスを纏わせ、水中のように空に漂わせる。そんな様子にリーヴァルディは呆れ返っていた。この程度の憎悪を侍らせるだけで勝てると思われているとは、と。
「……それで私達に勝てると思っているのなら、随分となめられたものね」
 ふぅ、と小さく息を吐いた後に大鎌を構え、写し身の呪詛をすぐに扱えるように密かに準備する。ゆっくりと前へ出るや、銃に撃ち出された弾丸のごとくヴィオローネ・チェロへ近づき、その手に握りしめていた大鎌を瞬時に武器改造。ヴィオローネ・チェロを穿つ直前に手甲剣へと変化させる。
 その手甲剣には虚の魔力が込められている。それを叩き込むことで対象を虚無へと誘うことが出来るため、今回の相手にはぴったりだ。しかしその性質を見破られているのか、それとも本能が逃げろと囁くのか、ヴィオローネ・チェロは一瞬後ずさりをして数メートルにまで引き下がり、手甲剣を避けた。
「む……。感情だけで動いてるかと思ったけれど、回避行動も取れるのね……」
「私を侮らないでいただきたい! この地下を奪われるぐらいなら、私はなんだってやるわ!」
「……そう。なら、その侮りの対価はお前自身の生命で支払ってもらいましょうか」
「うるさい、うるさい!!」
 ヴィオローネ・チェロは空中を泳ぐように飛び交いながら、リーヴァルディへ向けて水葬のチェロを振り下ろす。その威力は何倍にも跳ね上がっているのか、リーヴァルディをかすめるだけでもその風圧が骨にビリビリと伝わる。
 これに直撃してはまずいだろうと、すぐに写し身の呪詛を使って早業で入れ替わって攻撃を受け流す。直撃してしまった写し身の霧に紛れて死角を取り、気付かれないようにユーベルコード『吸血鬼狩りの業・虚空の型』を発動させて手甲剣に纏っている虚の魔力を更に増大させた。

 感情任せに飛び回るヴィオローネ・チェロ。写し身の呪詛を使って入れ替わり立ち替わりのリーヴァルディ。その動きに優劣はなかったが、ただ一瞬の隙を見出したのは……リーヴァルディの方だった。
「……いくら力が強かろうと、そんな感情任せの攻撃が通じるとでも?」
 振りかぶったチェロを蹴り飛ばし、体勢がよろめいたところで手甲剣で腕をざっくりと斬る。虚の魔力は切られた断面をじわじわと塗りつぶし、やがては傷口から大きく広がる虚無のオーラがヴィオローネ・チェロの体力を削り取り始めた。
「……結果は最初から分かっていた事よ。消えなさい、この世界から」
 大きく、しかし冷徹に言い放つリーヴァルディの前にはすべてを飲み込む虚が広がっていた。
成功 🔵🔵🔴

神宮時・蒼
…憎悪、というのは、ヒトだけ、ではなく、オブリビオンすら、染め上げて、しまう、のですね
…まあ、何かを、憎む、気持ちは、ボクも、大変、身に覚えが、あるので、わからなくは、ない、です、けれど。

【WIZ】
相手は水を操るのであれば
凍らせてしまうのが一番早い、でしょうか
相手の攻撃は【結界術】で軽減
直接向かってくるものは【見切り】や【弾幕】で叩き落しましょう


隙を見て、【高速詠唱】で【全力魔法】の【彩花万象ノ陣】を
氷の嵐を生み出しましょうか
全てを、凍てつかせる、氷の、嵐

憎悪の紋章は、手に持つ武器で貫きます
一点集中で狙えば、紋章も壊れる、でしょうか


●憎悪を凍らせる嵐
「……憎悪、というのは、ヒトだけ、ではなく、オブリビオンすら、染め上げて、しまう、のですね……」
 憎悪に染まったチェロの音に、僅かな共感を得た蒼は少しだけ手を握りしめる。過去に何かを憎んでいたという記憶が彼女の脳裏を掠めるが、今はそれを思い出すときではないと首を軽く横に振った。
 目の前では第五の貴族ヴィオローネ・チェロが水葬のチェロを弾き鳴らし、怒りと憎悪を高ぶらせている。既に何人かの猟兵達が彼女にダメージを与えているようで、その音楽には少々乱れがあった。
 しかし、それがヴィオローネ・チェロの攻撃であることに気づいたのは音を聞いてからほんの数秒、僅かな一瞬の時間だった。息が詰まるほどの極度の緊張を与えることで蒼の足を止めること、それこそがヴィオローネ・チェロの目論見でもあったのだ。
「……っ……!」
 僅かな緊張が足から全身へ迸る直前に、蒼は結界術を張り巡らせてチェロの音による極度の緊張を和らげ、弾き鳴らしによって弾き飛ばされた水滴は見切って躱す。ギリギリのところで動きを阻害されずに済んだようだ。
「……相手は、水を、使うの、なら……ボクは……!」
 チェロの音に合わせて軽快なステップを踏んだ蒼は、高速詠唱を音に重ねユーベルコード『彩花万象ノ陣』を発動させる。全力で打ち出した氷の嵐はヴィオローネ・チェロが弾き鳴らす音をかき消し、水滴を凍らせはじめた。
 氷の嵐によって直線を走る勢いを失った氷の粒はからりからりと蒼の周囲に落ち、無害な氷の絨毯を作り出す。ヴィオローネ・チェロはその勢いに負けまいと、何度も憎悪を乗せた音楽を弾き鳴らしては蒼を止めようと躍起になっていった。
「誰かを、何かを、憎む、気持ちは、ボクも……大変、身に覚えが、あるので、わからなくは、ない、です、けれど……」
 ――それでも、憎しみの連鎖は何処かで断ち切らなければならない。
 蒼の決意を受けて魔力は高まり、さらなる大吹雪を作り出してはすべてを凍らせてゆく。暴走寸前の氷の嵐はヴィオローネ・チェロの身体を持ち上げると、水葬のチェロをも凍りつかせて攻撃手段を奪った。
「……これ、なら……!」
 空中に持ち上げられたヴィオローネ・チェロが嵐の中心、無風の目へと到達すると……その身体が急激に地へと落とされる。その一瞬の隙を見つけた蒼は刻を紡ぐ時計草を利き手に、真っ直ぐにヴィオローネ・チェロの胸の『憎悪』へ走った。
 身体を刺すような冷たい痛みが襲っていたヴィオローネ・チェロは、なんとか体勢を立て直そうとするものの……蒼の刻を紡ぐ時計草が先にその胸を貫き、紋章から赤の飛沫を上げた。
「……コレで、終わり、です……!」
 ぐっと強く、憎悪を止めるように力を込めた蒼の刻を紡ぐ時計草は、深く、深く、ヴィオローネ・チェロの時を止めた。
大成功 🔵🔵🔵

枯井戸・マックス
「俺抜きで随分楽しんでるみたいだな……こらぁ?」
怪物バイク、ゼノシリウスを駆り登場
一番最後まで外の足止めに残っていたためボロボロの姿

「憎しみを糧に強くなっても所詮は独りよがり。俺とお前さんじゃ背負ってるものが違うんだよ!」
ゼノシリウスの速度を活かして敵の飛行を追跡
階段や壁面を走破し加速をつけた跳躍突撃でヴィオローネを叩き落す

◇UC
命中率重視で紋章を射抜く
仲間の活躍で相手も消耗している筈
繋いできた勝機をモノにする
例え浅くてもそれが次の勝機に繋がるさ

「カプリチオは嫌いじゃないが、これで閉幕(カーテンフォール)だ」
「仲間のありがたみをしってる分、外の奴らの方がよほど面倒だったぜ」

連携アドリブ大歓迎


●最後に現れるは天狼
 音も弱く、しかし憎悪だけは込めたチェロの音が辺りに鳴り響く。ここまで痛めつけられた憎しみは消えぬことはないと、まるで恨みを残すかのように。
 そんな中で屋敷の中を走り回るバイクの音が、チェロの音に並んで聞こえてくる。しかも外にいる番犬達が無理矢理にそれを止めようとする音も一緒に聞こえてきた。
「えぇい、しぶといっての! バイクで轢かれたんだから倒れとけ!!」
 吐き捨てるような声が屋敷の奥まで聞こえてくると、バイクの音がヴィオローネ・チェロの下まで近づいてくるのがはっきりと分かる。
 轟々と音が鳴り響く怪物バイク――狼を象ったその姿の名は、天狼二輪ゼノシリウス。運転者はマックス。先に駆けつけていた猟兵達のために殿を務めていたようだが、こちらのほうがクライマックスが近いということで番犬達を振り払ってきたようだ。
「――ふう。どうやら、俺抜きで随分楽しんでるみたいだな……こらぁ?」
 マックスは番犬達をギリギリまで食い止めていた故に、その姿は既にボロボロだ。だが気概だけは全くの無傷なのか、ヴィオローネ・チェロに向けて狼の如く牙を剥いて笑っていた。まだまだ楽しむ時間はあるだろう、と。
 楽しみなんてどこにもないと言いたげに、ヴィオローネ・チェロはその身体に水のドレスを纏わせる。ここにあるのは憎しみだけだと言いたげに、水の中を泳ぐように空を舞う。ついてこれるものならついてこいと、ただ一瞥して。
 そんな眼を向けられるのならと、マックスはゼノシリウスのエンジンをフル回転。彼女の動きに合わせて床を、壁を、階段を、そして天井を走り、地を走りながら空を飛ぶヴィオローネ・チェロへ追いついた。
「憎しみを糧に強くなっても所詮は独りよがり。俺とお前さんじゃ背負ってるものが違うんだよ!」
 彼女と並んだその瞬間、ゼノシリウスの前輪を急転換。同じ速度で並ぶヴィオローネ・チェロの体勢を崩し、その速度を保ったままで壁に激突させ、紋章を顕にさせた。
「カプリチオは嫌いじゃないんだが……残念、これで閉幕《カーテンフォール》。仲間のありがたみを知ってる分、外の連中の方がよっぽど面倒だったぜ」
 ユーベルコード『痛打必中』によってその手に握られたコンバットマグナムの命中精度が上がる。僅かな秒数、ヴィオローネ・チェロが体勢を立て直そうと腕に力を込めた瞬間を狙い、憎悪の紋章に向けて引き金を引き絞った。
 既に彼女の身体は幾人もの猟兵達によって痛めつけられており、起き上がるには多少の体力が必要だった。その僅かな隙間の中を、マックスの銃弾が通り抜けて突き刺さる。

 ――赤い飛沫が、幾重にも折り重なって飛び散った。
大成功 🔵🔵🔵


第3章 ボス戦 『ウィステリア・デスパレート』

POW ●絶望の藤
【絶望への喰らいつき】が命中した対象を切断する。
SPD ●慄け、震えろ、怯えろ
戦闘中に食べた【恐怖】の量と質に応じて【より獲物を絶望させるために】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ ●死に至る病
【獲物を追いつめる姿無き気配】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はウラン・ラジオアイソトープです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵達によって、第五の貴族ヴィオローネ・チェロの『憎悪』は剥ぎ取ることが出来た。
 かの紋章は既に効力を失っており、二度と彼女に憎悪を与えることはないだろう。
 これで戦いは終わり……と思いきや、突如ヴィオローネ・チェロの額に『憎悪の紋章』とはまた違う、異質な紋章が現れた。

「っ……! これは、ああ、嫌……私は……!」

 息を呑み、恐怖に震えたヴィオローネ・チェロの身体が突如黒く染まる。
 まるで蛹のようにヴィオローネ・チェロは包み込まれ……鳴り響く嫌な音と共に、その姿を無理矢理に変え始めた。

 人の姿だったものが、大きく、いびつな動きで元の姿を捨てさせて、獣の形を作り出す。
 『絶望』を抱いたモノを無理矢理変質させ、ただ戦うだけの獣へと変化させる。
 それが新たについた紋章――『絶望』の力のようだ。

 ……だが、何やら獣はガリガリと前足で額をひっかく様子が見える。
 まだヴィオローネ・チェロとしての意識が残されてる故に、その部分が痛い、あるいは違和感があるから剥がしたいというように。

 鋭い爪が紋章を切り裂く度に、紋章の光を失う様子が伺えた――。

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 プレイング受付:8/15(日) 8:31~
 プレイングボーナス:紋章の弱点を突く。(武器で紋章を貫く)

 ヴィオローネ・チェロが『絶望』を抱いたことで変化した姿、『ウィステリア・デスパレート』との戦いになります。
 この章では第二章と同じくプレイングボーナスとして『紋章の弱点を武器で切り裂く』があります。
 どの部分に当てれば良いかは断章をよくお読みください。

 戦場は第二章とほぼ同じで変わりはありません。
 キャバリアの使用についても同等となります。

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シャオロン・リー
呵呵ッ、なんや、ええ面になったやんけ、なあ?
これでより一層暴れられるっちゅうもんや

んで、何や
要は紋章の張り付いとる額をぶち抜けばええねんな?
恐怖?笑かすなや
こっちは久々に暴れ倒しに来とんのやぞ、お前ごとき相手に恐怖なんぞ塵ほども感じへんわ

火炎の属性攻撃を槍に纏わせて二槍で突きかかる
敵の攻撃は見切って躱して継戦能力と激痛耐性で耐える

たっぷり蹂躙した後は紋章に向けて、三尖刀
炎属性攻撃一斉発射、貫通攻撃
槍の雨降らせたるわ
「俺を誰やと思とんねん、暴力、暴走、暴動の権化!暴れ竜シャオロンやぞ」
竜に獣の勝てる道理はあらへんよなぁ!
紋章ごと串刺しにしたる、ぶちかましたろやんけ!

俺はまだまだ暴れたらへんねんぞ


●蹂躙、蹂躙、また蹂躙。
 大きく唸るその声は、屋敷の中を震わせる。
 普通の、戦う意志を持たない一般人であればその咆哮だけで怖れてしまい、動くことすらままならない。まさに恐怖の権化といった存在が、そこにはあった。

 だが彼は――シャオロンは違う。むしろその咆哮は新たな戦いの鐘、終わりにして始まりの合図。これから巻き起こる新たな争いに、思わず嗤った。
「なんや、ええ面になったやんけ。……なあ?」
 まさに"悪"そのものの笑顔を浮かべたシャオロンだが、もはや第五の貴族だったモノには通じていない様子だ。がり、がり、と何度も爪を額に立て、紋章の位置を知らせるかのように身悶えしている。
 反応が薄くて面白みがないと言うように一瞥の目を向けたシャオロン。何度も唸って恐怖を与えに来てるであろうウィステリア・デスパレートに対しては、特に感想が浮かばなかったそうで。
「だいたいなぁ、こっちは久々に暴れ倒しに来とんのやぞ。お前ごとき相手に、恐怖なんぞ塵ほど感じへんわ」
 吐き捨てるように言い放ったシャオロンに対し、ウィステリア・デスパレートはそれを煽りと受け取ったのだろう。恐怖を与える云々をかなぐり捨てて、シャオロンに飛びかかってきた。
 ウィステリア・デスパレートの一直線な攻撃を身体を捻って躱した直後、待ってましたと言わんばかりに炎を纏わせた2つの槍で突きかかってその身を灼いてやった。
 爪と槍、交互に打ち鳴らされる音はいつしか槍が獣の肉を貫く音に変わっていた。爪はシャオロンの身体を切り裂こうと動くものの、まるでシャオロンの身体が『その動きをすることを知っていた』かのように爪を躱し、代わりに炎の槍で足を貫いた。
「はっ、なんや。獣程度が俺に勝てるとでも思ったんか?」
 そう嘲笑った瞬間、ウィステリア・デスパレートの目の前が、屋敷の内部が、赤い炎で一気に染め上げられた。
 シャオロンのユーベルコード『三尖刀』によって炎を纏った禍焔竜槍『閃龍牙』と発破竜槍『爆龍爪』が無限に増殖した故に、部屋の中を真っ赤に染め上げたのだ。

「――俺を誰やと思とんねん」
 牙を向ける。
 暴れ足りないと喚く、赤い竜の牙を。
「暴力、暴走、暴動の権化。暴れ竜のシャオロンやぞ?」
 『絶望』に至った獣を蹂躙するためだけに呼び起こされた牙を。
 ただ1つの楽しみのためだけに、振るった。
「竜に獣が勝てる道理なんて、あらへんよなぁ!!」
 さっきから戦闘中にもかかわらず、鬱陶しくガリガリと爪を立てている額へ。
 思いっきり、炎の槍の雨を降らせて切り裂いてやった。

 槍の雨が収まる頃には、ウィステリア・デスパレートの身体はフラフラになっている。
 だが、まだまだ戦う意志は残されているようで、シャオロンをしっかりと睨みつけていた。
 そんなウィステリア・デスパレートの睨みつけなど気にせずに、まるで雑魚乙と言いたげに、鼻で笑った。
「まあええわ。まだまだ暴れ足らへんし、もうちょい付き合えや」

 ――暴れ竜の蹂躙は、長く、長く続いた。
大成功 🔵🔵🔵

堆沙坑・娘娘
今度の紋章は突く以上に切り裂く方が効果があるようですね。
あの紋章に有効な杭として先端部が太く、プラスドライバーのような形状の杭を召喚しパイルバンカーに装填します。杭の先端のプラスドライバー形状の部分の曲線部は刃物のような鋭さになっています。この杭を紋章に撃ち込めば【貫通攻撃】でありながらも攻撃の当たり出しは紋章を切り裂く斬撃攻撃になるという計算です。

あなたがどれだけ強くなろうと今更恐怖はありません。私にとって真の恐怖とは闘いの末の死ではなく自身が堕落し使命を忘れてしまうこと。故にあなたという殺しても後腐れのない強敵と闘っている今この瞬間はとても有意義な時間です。

死合、ありがとうございました。


●己の恐怖とは
 ウィステリア・デスパレートは娘娘に向けて吠え続け、その強さに比例して生まれた恐怖を食べて強くあろうとしていた。彼女に勝つために恐怖を喰らい、還元してやろうと。

 だが……娘娘は全く動じなかった。
 娘娘にとって恐怖とは、戦いの中で、そして戦いの終わりにも生まれることはない。むしろその戦いの合間は恐怖どころか、喜びにも等しい感情が芽生えるものだ。
「私にとっての真の恐怖とは、自身が堕落して使命を忘れてしまうこと。ただそれだけですから」
 魂に刻みつけられた1つの命令――パイルバンカーを極めろという、唯一無二の使命を忘れ去った時。その時に娘娘はすべてに恐怖し、終わりの絶望を迎えるのだと。
 だからこそ一切忘れてはならないし、堕ちることさえも許されない。それが堆沙坑・娘娘、パイルバンカーのみを頼りに行きてきた少女のような人形なのだ。

 今もなお、ウィステリア・デスパレートが何度も吠えて襲いかかって来たところで、彼女の心は揺らぐことは一切ない。ただ冷静にその爪を避けては、額の紋章を貫くことが出来る瞬間を待っていた。
「だから、今。この瞬間。あなたを殺しても後悔のない、後腐れのない強敵と闘っているこの瞬間こそがとても有意義な時間です」
 見えないように薄く笑みを浮かべた娘娘は、ユーベルコード【召喚】を使ってウィステリア・デスパレートに最も有効なパイルバンカーに装着する杭を呼び寄せた。
 既に娘娘は紋章のある場所、そしてその弱点について気づいていた。額を掻き毟る度に薄れる紋章は、切り裂かれることに弱い。しかしパイルバンカーは本来貫くことに特化している武器故に、今回のような切り裂きに有効という状況になれば切っ先を変える他ないわけで。
「あなたがどれだけ強くなろうと、今更恐怖はありませんから」
 冷たく、無慈悲に言い放つその一言に、ウィステリア・デスパレートは再び吠える。彼女に恐怖を与えられないのならば、戦う以外他ないと判断したのだろう。恐怖を与えることを捨てて飛びかかってきた。
 娘娘はパイルバンカーを振り払ってウィステリア・デスパレートの足を弾き、更には追撃の蹴りを加えて距離を取る。なるべくパイルバンカーがきっちりと射出出来るように、装填された切っ先が確実に額を捉えるように。
 ウィステリア・デスパレートは蹴られた瞬間、変身前の行動を思い出してしまったのか、慌てて体勢を整え直して腕を振りかぶって娘娘の身体を押さえつけようと叩きつけるのだが……少々、間に合わず。

「――貫く」
 かの者の額に向けられたパイルバンカーは『いつものように』準備をして。
 『いつものように』射出されて。
 ただ、絶望を貫いた。
成功 🔵🔵🔴

神宮時・蒼
…姿すらも、変質させる、とは
…紋章とは、何とも、恐ろしい、もの、ですね
…オブリビオンを、救う、というのも、変、ですが、早々に、紋章を、破壊、しませんと、なりません、ね

【WIZ】
姿は無くとも、気配はある、と言う事でしょうか
自身の周りに【結界術】を張りつつ、周囲に弾幕を撒きましょう
当たれば動きを止められるはず

額の紋章が、全ての、元凶、でしょうか
額だけを狙うのは困難、ですね
【呪詛】を織り交ぜた【呪殺弾】で相手の動きを封じて
【無月残影ノ舞】で紋章ごと身体を割いてしまいましょう

オブリビオンも、絶望を、抱くとは、何とも、不思議な、感覚が、しますが
此れで、ヴィオローネ・チェロも、安らかに、眠れるでしょうか


枯井戸・マックス
「お前さんまで狼みたいな姿にならなくたって…って危ねえな!」
牙の大剣、グレートファングを召喚し武器受けと怪力で受け止める

紋章を掻きむしるチェロの姿を見て
「あんな姿になってもまだ消えては無いみたいだな。独りよがりに憎悪を振り撒いた報い、か」

荒ぶる闘志を引き出す獅子の鎧を身に纏いユーベルコードを発動
「吼えろ獅子宮!荒ぶる暴食を解き放て!」

ゼノシリウスを駆って狼を追跡しつつ、受け止めた際にグレートファングに覚えさせた穿つ牙のユーベルコードを刀身に宿らせ、何度も何度も叩きつけ四肢にダメージを与える
動きが鈍ったらトドメの一撃は紋章に

「もう報いは十分だろ…楽になれ。もし来世があるなら、仲間、作れよ?」


●救うというのはおかしな話
 『絶望』の紋章によって姿が獣へと変質した第五の貴族ヴィオローネ・チェロ――もとい、ウィステリア・デスパレート。『憎悪』の果てに掴み取った『絶望』は蒼とマックス、2人の猟兵達の前に立ちはだかる。
「……姿すらも、変質させる、とは……紋章とは、何とも、恐ろしい、もの、ですね……」
「ああ、まったくだ。お前さんまで狼みたいな姿にならなくったってなあ……」
 無理矢理に変化させられたその身体に向けて、なんとも言えない気持ちがこみ上げてくる。オブリビオン相手に救うというのはおかしな話だが、蒼とマックスの手によって葬られることがウィステリア・デスパレートを救うことに繋がるのだろう。牙の大剣・獅子宮グレートファングを構えたマックス、嘆きの刃・宵に咲く茉莉花を構えた蒼はそれぞれゆっくり動き出す。
 そんな2人の動きを見ることなく、ウィステリア・デスパレートはがりがりと額を掻き毟る仕草をしている。そこに違和感がある、その部分をどうにかしたいという仕草は、まるで声のない悲鳴を上げているようにも見えた。
「あんな姿になっても、まだ消えてはいないみたいだな……」
「……そう、ですね……。あれが、全ての、元凶、でしょうか……?」
「おそらくはな。……独りよがりに、憎悪を振りまいた報い……か」
「……救う、という、のは……おかしな、話です、が……。倒す、ことが、救う道に……なる、と思い、ます」
 そうだなと、蒼の言葉に同意の声を上げたマックスは更に決意を固め、その身に獅子の鎧を纏わせる。
 蒼もまた、ここに来て本気にならないのは失礼に値すると判断した故に、2人を防護する結界術を張り巡らせた。
 結界術の発動と同時に、ウィステリア・デスパレートは動き出す。その結界もろとも絶望を与えてやろうという勢いを持ったまま、周囲に獲物を追い詰めるための気配をばらまき始めた。
 気配については蒼の結界術によって居場所を割り出して振り払うことが出来たが、ウィステリア・デスパレートの食らいつきへの対処は気配と同時に襲われてしまうと、対処に遅れが生じてしまっていた。
「っ……!」
「ちっ……気配を共有されると、かなり面倒だな!」
 蒼もマックスも、ウィステリア・デスパレートの獲物を追いつめる姿無き気配と本体の気配が入り混ぜになってしまっていて、本体へのダメージが軽減されてしまっていた。
 結界術によって気配を捉えることが出来、運が良ければ本体へダメージを与えることが出来ている。しかし捉えたその気配が本体のものかどうかまでは判断がつかず、2人は少しずつ危機感を覚えていた。

 次に結界術に引っかかった気配に気づいた蒼は、すぐさま反応のあった方向へと振り向いて対処を取ろうとするものの……僅かな秒数の差でウィステリア・デスパレートの爪が素早く蒼の身体を捉えてしまう。
「わっ……!?」
 引き寄せられる身体は牙を目前にして呪詛を練り込んだ呪殺弾を打ち込むが、紋章の力が働いているのかあまり効果がない。
 このまま喰らわれるのかと思ったが――。
「お前さん本体の相手は……こっちにもいるぞ、狼!!」
 マックスの声が聞こえたかと思えば、大きな衝撃と共に蒼の身体が宙に浮き……いつの間にかマックスの天狼二輪ゼノシリウスに同乗していた。
 ゼノシリウスの前輪をウィステリア・デスパレートの大顎にぶち当て、蒼を捕まえていた足をグレートファングでぶった切って、蒼を救出したというのが真相。しかしそれが一瞬だったために蒼は何が起こったのか全く理解できておらず、マックスの後ろに座って目をまんまるとしていた。
「大丈夫か? ちょいと手荒くやらせてもらったが」
「……あ、はい、大丈夫、です……ちょっと、びっくり、した、だけで……」
「それなら、もうちょい荒くても大丈夫そうか? あの噛みつきに対処取れる方法、思いついたんでな」
「……なら、ボクは、あの紋章を、どうにか、して、みますね……!」
「じゃあ、振り落とされないように気をつけな!!」
 ゼノシリウスのエンジンを全開にし、気配の波に埋もれたウィステリア・デスパレートを追いかけ始めるマックス。息が詰まるほどに気配が増えてきたため、蒼は温存していた分の力を結界術と呪殺弾の弾幕へ回し、ゼノシリウスの進路を新たに作り出した。
 もはや逃げ場はない。そう判断したウィステリア・デスパレートは急に振り向いて、マックスと向かい合ってすぐに食らいつきにくる。
 ――この瞬間を待っていた。そう笑ったマックスはユーベルコード『魔道遺物「百獣の王」』を発動させて、グレートファングに牙を食い込ませる。
「――吼えろ獅子宮! 荒ぶる暴食を全て解き放て!!」
 食らいついた牙を元に、グレートファングは力を吸収。振り払った時にはその牙をコピーしており、刃に宿された獅子が絶望を与える牙を再現していた。
「蒼、この牙は1分ちょっとしか持たない! 合図と共に紋章を斬るぞ!」
「……はい……!」
 蒼はマックスの声と同時にユーベルコード『無月残影ノ舞』を発動させて、合図を待つ。『切り裂く』ことで紋章に痛手を負わせ、『救う』ために。


「どうか、安らかに、眠って、ください……」
「もう報いは十分だろう。……楽になれ。そして……来世があれば、仲間、作れよ?」

 絶望をコピーした希望の牙と、呪詛を纏う茉莉花の花びら。
 本来救うべきではないモノを救うため、『絶望』を切り裂いた。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

リーヴァルディ・カーライル
…憎悪に絶望。お前達がこの百年の永きに渡り地上に振り撒いていたものだけど、
今のお前なら少しは蹂躙される人間の気持ちが理解できたんじゃないかしら?

…まぁ、だからといって手心を加える気は無いけどね

UCを発動し肉体に限界突破した"闇の炎"の魔力を溜め、
自身を黒炎の不死鳥に変身する肉体改造を施し空中機動の早業で突撃

…せめてもの手向けよ。この一撃でお前の絶望を終わらせてあげる

敵の攻撃を黒炎のカウンターオーラで防御して受け流し、
残像のように額の紋章から敵の体内に切り込み生命力を吸収して傷口を抉り、
黒炎の全魔力を解放して大爆発を起こす闇属性攻撃の追撃を行う

…その憎悪も絶望も全て、この力で切り裂いてみせるわ


●絶望を切り裂き、終わらせる。
「……憎悪に絶望。お前達がこの百年、長きに渡り地上に振りまいていたものだけど……今のお前なら、少しは蹂躙される人間の気持ちが、理解できたんじゃないかしら?」
 大鎌を構えたまま、リーヴァルディはウィステリア・デスパレートの雄々しい姿を冷ややかな目で見つめている。がりがりと額を掻き毟る様も、ただただ、それこそが与えられた罰であると言うように。
 軽く息を吐き、彼女は手心を加える気はない、とだけ言い放ってユーベルコード『限定解放・血の魔装』を発動。限界突破した闇の炎の魔力がリーヴァルディの身体を包み込むと、姿を不死鳥の姿へと変貌させる。飛翔の力を得たリーヴァルディは加速を重ね、ウィステリア・デスパレートの周囲を飛び回った。
 獣は最初は目が慣れることはなく、空中機動の早業による突撃を回避することが出来なかった。幾何学模様を描いて飛び続ける黒炎の不死鳥は突いては引いて、突いてはまた引いてを繰り返す。
 どうにか、どうにかリーヴァルディに一撃を与えようと、ウィステリア・デスパレートは大顎を開いて黒炎の不死鳥に食らいつこうと必死になる。しかし、その身体は既に数多の猟兵達によって傷つけられた後。素早く飛び交う不死鳥には、あと一歩というところで捕まえられなかった。
「――せめてもの手向けよ。この一撃で、お前の絶望を終わらせてあげる」
 ウィステリア・デスパレートの動きに対して凛とした声が空を横切ると、黒炎の不死鳥は方向を急転換してウィステリア・デスパレートと対面になって真っ直ぐに奔って額の『絶望』の紋章に向かって翼を横切らせる。ギリギリ喰われそうになったが、黒炎のカウンターオーラでその牙を焼き無理矢理引き剥がした。
 獣の叫び声が喧しく響き渡る中、リーヴァルディは更に追撃で残像を作りながらもウィステリア・デスパレートの身体を翼で切り刻む。時には食らいつく牙を回避しては焼き落とし、生命力を奪い傷口を抉っては己の速度を上げながら回復を絶たせる。

 何度も、何度も、何度も、何度も。
 切って、焼いて、吸って、切って、焼いて、吸って。
 切って、焼いて――……。

 何度同じことを繰り返したのだろうか。その回数はもう、理性を失っている黒炎の不死鳥・リーヴァルディには数え切れないほど。
 それでもなお、ウィステリア・デスパレートは反抗の意識を見せていた。まるでダークセイヴァーに生きる人々が、吸血鬼に対して反抗の意思を見せるかのように。
 そんな絶望の獣に向けて、リーヴァルディは飛翔で与え続けた傷口から黒炎の魔力を全て流し込み――。
「……その憎悪も絶望も全て、この力で切り裂いてみせるわ」
 淡々と言い放った直後に、大爆発を起こさせた。


●陥落、憎悪と絶望の貴族
 第五の貴族ヴィオローネ・チェロ――もとい、絶望の獣ウィステリア・デスパレートは猟兵達の手によって、絶望を振りまく前に倒れた。
 『憎悪の紋章』を振りまいていた貴族が倒れたことで、周辺で暴れていた吸血鬼達は少しおとなしくなることだろう。

 ……だが、紋章はまだまだいくつも残されている故に、完全に根絶したとは言い難い。
 『憎悪』のみならず、『絶望』も存在するとは予想外のことだ。
 第五の貴族と紋章。その今後の動向には、少し注視しなければならないだろう……。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年08月23日
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