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さま★ばけ 水鉄砲大会GOGO! 屋台と花火もあるよ♪

#カクリヨファンタズム #お祭り2021 #夏休み #同行は4名まで、それ以上の人数は複数グループに分かれて下さい #し

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#夏休み
#同行は4名まで、それ以上の人数は複数グループに分かれて下さい
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「水着大会、みなさんとっても素敵でした!」
 マリンブルーの水着姿で出迎えるレテ・ラピエサージュ(忘却ノスタルジア・f18606)は、いつもよりはしゃいだ笑みでみんなを出迎えた。
「今日は、更なる楽しいイベントのお知らせです! お祭り好きなおやぶんさんたちが『妖怪花火』をはじめとした、楽しめるイベントを用意してくださいました」
 じゃん★
 両手でプレゼントを差し出す所作をするレテ、浮かんだ画像は浜辺につらなるあれやこれやの屋台の群れ。
 唐傘オバケが串焼きを焼いてたり、花子さんが林檎飴とチョコバナナを掲げて客寄せしたりと、大層賑やかだ。
「美味しく屋台ご飯するための運動に、水鉄砲対戦なんていかがでしょう?」
 レトロチープな青の水鉄砲を上向きに構えるレテは、ふっふっふーと挑戦的に眉をつりあげる。
「もし人数が足りないや対戦相手希望でしたらお呼び下さい。喜んでわたしもごいっしょさせていただきます」
 とまぁ、昼間はそんな風に賑やかに過ごせる。
「夜は花火大会です。屋台もずっと出てますよ」
 虚空の電脳画面につっと指を滑らせたなら、オーソドックスな大輪の花やポップなオバケや動物の焔絵が浮かび上がった。
「この花火はですね、一緒に打ち上げてもらって空中散歩、なんてこともできるんですよ」
 猟兵の中にも、空を楽しめる種族とそうでない種族が混在している。
 でも、今宵なら“空”を共有できる。
「まだまだ夏はこれからです、めいっぱいに欲張って楽しみましょう♪」
 ぱきゅん! と水鉄砲、水弾がおちた先に開いたゲートは、今か今かとお祭りの参加者を待ち構えているのだ!


一縷野望
>募集日時
現時点~31日23時59分まで

>採用人数
先着12名様まで確定、書ければ+若干名
(それ以上の需要が見込める場合は、プレイングをいただいた方採用優先の依頼をもう一本出します、上限超えても挑戦OKです)

※公序良俗に反するプレイング、その他扱いきれないと判断したものは採用しません

1日1グループか2名様ぐらいを書いていきます
一部の期間に参加者が集中した時は、再送か新しい依頼への移動をお願いするかもしれません

>同行
冒頭に【チーム名】を記載してください

グループは4名様まででお願いします
ただし、同じ旅団や集まりから4名と3名などの2グループ参加はOKです
グループ名で同じとわかれば、手を振ったりの絡みと共に同章1、2として採用します

>文字数
調査や冒険よりは控えめとなります

>水着
水着イラストがある方は最新のものを着ている前提で描写します
他の恰好がしたい、過去イラストがいい方は別途ご指定ください
イラストがない方もプレイングにいただければ描写します

>グリモア猟兵
レテ・ラピエサージュ(忘却ノスタルジア・f18606)にお声がけいただければご一緒させていただきます
水鉄砲の人数合わせ、その他、お好きなようにどうぞ

>できること
ふたつまでに絞ってください。昼と夜にまたがっても構いません
例)水鉄砲の後、屋台ご飯
※文字数はひとつだけの方と変わらないです

【昼】
>水鉄砲大会!
勝敗をマスターお任せの場合はこちらでダイスを振って決めます
戦いの形式はバトルロイヤル、チーム戦、なんでもOK

>屋台
浜辺沿いに屋台が出てます。概ねどんな屋台もあるのでお好きなように過ごしてください

【夜】
>花火見物
大輪の花が空に咲きます、風物ですよね

>花火で空中散歩
どぉんと打ち上げられた後、空中散歩、眺めおろす夜景はとっても特別

>屋台
浜辺沿いに屋台が出てます。概ねどんな屋台もあるのでお好きなように過ごしてください

それではプレイングをお待ちしています!
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第1章 日常 『猟兵達の夏休み2021』

POW   :    妖怪花火で空へGO!

SPD   :    妖怪花火の上で空中散歩

WIZ   :    静かに花火を楽しもう

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

朱赫七・カムイ
⛩神櫻


花火は好きだ
私達の出逢の象徴で、大切なもの
でも共に打ち上げられるだなんて!
私は花火に撃ち落とされたことはあれど、打ち上がるのは初めてだ

サヨッ、サヨ!花火が……!
打ち上がる瞬間、咄嗟にサヨを抱いて守るよ
大丈夫だとしてもサヨの繊細な桜が焔に焼かれぬように

咲いた花火に感嘆ひとつ
美しい景色と笑うサヨに自然と笑みが咲く
はしゃぐ巫女が愛おしくてたまらない
絆ぐ手を離さずに空を歩もう
きみと一緒に満開の花火の並木道をかけるのは
なんて絶景だろう!

噫、綺麗だねサヨ
ずっとこうして二人一緒に
どこまででも旅をしようよ

きみになら食べられてもいいけれど
けれどこうして並んで、共に時を重ねたいから

もっと先まで一緒にいこう


誘名・櫻宵
🌸神櫻


よく掴まっていてカムイ!
また花火に撃ち落とされちゃうわ
嘗ての「あなた」が花火に撃ち落とされ降ってきて
嘗ての「私」に出会ったのが私達のはじまり

今宵は──花火と一緒に打ち上げられるの
素敵ねカムイ
狼狽えるかぁいい神の手を握り
たーまやー!と盛大に空へ

花火が弾ける瞬間抱き込められ
こんな時も私を守ろうとしてくれるのだと優しさに鼓動が跳ねた

みて!私達、空を歩いてるわ!
花咲く花火をひょいと超えて、はしゃぐようくるりとまわる
私は飛ぶの上手くないから…カムイと手を繋いで空の散歩なんて夢のよう

見下ろす絢爛を駆け抜けて何処へでも旅できそう

ええ
ずっと
握った手は離さない
かぁいくて愛しくて食べてしまいたいくらいよ




 空に焔の花が咲いた時、神様が降ってきた。
 それが、嘗ての“私たち”のはじまりだった。

「私は花火に撃ち落とされたことはあれど、打ち上がるのは初めてだ」
 赤色髪が桜花の袖と共にゆらめく。
 朱赫七・カムイ(厄する約倖・f30062)は、どぉんと打ち上がる花火を前に幾ばくかあどけなくはにかんだ。
「ええ、よく憶えているわ、カムイ」
 此方はいつも通りの無邪気さの塊で、誘名・櫻宵(爛漫咲櫻・f02768)は崩し着物からちらりのぞく薄紅フリルの水着にぴったりの愛らしさで破顔。
「今宵は──花火と一緒に打ち上げられるの。素敵ねカムイ」
 昼間、たっぷり楽しんだメロンソーダに苺のかき氷、ネオンカラーの甘味に似た色の花火がパッとひらき、カムイの頬に緑や赤の化粧を施す。網飾りの袖からのぞく己の二の腕もお揃い化粧。
 着火役の一反木綿がひょいひょいと揺れて手招きする、順番が廻ってきたのだ。
 棒きれで描かれた円の中に二人で寄り添い立つよう言われ従う。てんと置かれた花火玉にやはり妖怪の火車が分けた火が灯る。
 じ、じじじじ……じっ、……ッ!
「サヨッ、サヨ! 花火が……!」
 導火線が焦げる音にひくりと震える肩、つられてたゆむ組紐にサヨは堪えきれずに吹きだした。
 落ちた時を想い出した狼狽えか、かぁいい。
 戦慄く手を握ったならば、反対の腕は逞しく自分を抱き寄せてくるではないか。
「サヨ、此方へ寄っておいで。その花が焔に焼かれてはいけないから」
 耳元に触れる吐息が熱い。とくんと跳ね出す鼓動と暗がりでもわかる程に赤く染まる頬。
「……ッ」
 じ。
 着火と共に、櫻宵は天を指さし殊更はしゃぐ。
「たーまやー!」
 だって、照れくさい。
「……ふふふ」
 カムイは、腕の中ではしゃぐ巫女がただただ愛しくて、今一度腕に力を込めると勢い良い上昇気流に身を任せた。

 ひゅうぅ。
 ちりり、ちりり。
 二人の袖が一羽の鳥の翼のようにはためいて宙を打つ。飾り花と龍の花を一片ずつ散り、櫻宵の袖の鈴が夜を転がし涼しく啼いた。

 夜空から花火を通して眺めおろす砂浜は異界の美。それは確かだが、どんっと爆ぜた刹那に腕の中の巫女が七色に彩づいたのが何より絶景と、カムイは瞳を眇めた。
 陶然と喫驚に身を竦める櫻宵の隣で、どぉん、更に球体の焔が花咲く。手をつないだ儘で、そっと伸ばした素足が花を踏みしめ一歩前へ。
 妖怪花火は熱くなく、空気の塊めいた感触で二人の躰を確り受止めてくれる。
 て、て、てててて。
 最初はおずおず、やがて弾む足取りで虚空に遊び出す櫻宵と共に、カムイは花を渡る。
「みて! 私達、空を歩いてるわ!」
「噫、綺麗だねサヨ」
 ぽん、どぉん……次々あがる花火へ小さく飛んで渡っていくコツはすぐにつかめた。
 つま先で飛び移り、くるり。ちりんちりんと鈴が鳴り、紅色の蝶達が櫻宵という華のまわりで遊ぶ。
 飛翔は不得手な龍は、愛しき神と手を携えての空中散歩の夢を叶え、弾ける花火の音に片耳を抑える素振りで屈託なくはしゃぐ。
「きみと一緒に満開の花火の並木道をかけるのは、なんて絶景だろう!」
 絡めた指を握りしめて、進み出たカムイは振り返る。
 ――はぐれるものか、もう二度と。
「ずっとこうして二人一緒に、どこまででも旅をしようよ」
 花火と空にまで昇れたのだ、他の所に行くのはもっともっと容易い筈。容易いと、言えるぐらい二人寄り添うのが日常と、したい。
「ええ、ずっと……」
 ひゅるるーっと下からの風が、二人結ぶ桜花を擽った。花火の隙間から見下ろす地上の砂浜、海、明日は踏んで共に歩くのもいいだろう。
 離れない、と絡めた指を頬に近づけて、櫻宵は朱で飾り付けた瞳をあやしくも甘えるように傾がせる。
「かぁいくて愛しくて食べてしまいたいくらいよ」
「きみになら食べられてもいいけれど……」
 彼女の手を握ったままでそっと髪を擽って、
「けれどこうして並んで、共に時を重ねたいから」
 もっと先まで一緒にいこう――。

 色づいた火花一つが大きな宝石めいた輝きで互いを飾る。一秒たりとも同じ姿はなくて、美麗であり可憐である姿がぱたぱたと記憶の裡につもっていくのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

備傘・剱
屋台飯

めぐる方じゃなく、出店する方だがな
いやさ、最近、自分が飯屋じゃなく、飲み屋のマスターだって事をはたと思いだしてな…
折角の夏のバーテン姿だし、さび付いた腕を鍛えなおすためにもみんなの飲みたい飲み物を作る方に回ったわけなのよ
…あ、未成年にはノンアルコールのカクテルジュースな?

いろんな奴の、注文聞いて、片っ端から作っていけば、カンも戻るし、収入にもなるって寸法なのよ
ただし、何でもいいって言われたら、もうね、実験に付き合ってくれるって事で、こう、新しい味の開拓のじっk…もとい、協力者になってもらおうか
飲んだ人の反応を見て、いけそうと思った奴はノートに書き留めておこう

アドリブ、絡み、好きにしてくれ


南雲・海莉
夜の屋台で花火鑑賞

台湾カステラに烏龍茶のチーズティを楽しみながら空を見上げてるわ
こんな美味しいものと一緒に楽しめるなんて
バズりに敏感なあの妖怪(ひと)に感謝ね
(最初は音に驚いていたリンデンも、今は寝そべって骨ガム堪能中)

昔、義兄さんと花火を見たのはマンションの屋上
(UDC関係者用の社宅の一つだと知ったのは後の事)
近所の浜辺にある会場の打ち上げを
サンドイッチと一緒に楽しんだのよね
『花火をイメージしてみたんだ』
なんて水筒から注いでくれたのは
果物の様々な香りが鮮やかで、仄かにスパイシーなアイスティ

今は違う空、違う香りに温もりだけど
今夜の記憶も
(相棒の背をそっと撫で)
新しい家族も連れて迎えに行くわ
必ず




 ぷるぷる震える台湾カステラ。濃厚なチーズケーキの舌触りと懐かしい卵蒸しパンの味わいが同居する、南雲・海莉(コーリングユウ・f00345)の最近のお気に入りだ。
 バズりに敏感なあの妖怪(ひと)に感謝である。
『はいよ、お待たせ。これが最後のチーズティだよー』
 運が良かったと受け取ろうとしたら、後ろから「えーっ」と泣きそうな女の子の声。振り返ると髪をシニョンで纏めた水着の花子さんが、しょんぼり。
 お利口に待っていたリンデンが真っ黒な瞳を瞬かせて、慰めるように見上げる。
「よかったら、どうぞ」
 海莉は迷わず手に持っていたチーズティを花子さんへ渡す。
『え? いいの……?』
「私はいつでも買いに行けるから。すみません、普通の烏龍茶を追加でお願いします」
 女の子はチョコ味カステラを受け取ると、ちょこりんとお辞儀して一足先に去って行く。
「ふうん、今はそんなのが流行ってんだな」
 他屋台偵察中の備傘・剱(絶路・f01759)が後ろから加わった。
 蝶ネクタイに紫のシャツがシック。見かけ倒しではなく、バーの屋台でシェイカー振るいマドラーまわして大盛況、さすが本業酒場のマスターである。
「なぁ、良かったらそのチーズティのクリームの材料と作り方を教えてくれないか? 飲み屋マスターの腕を鍛え直してる最中でな、あと流行りは押さえておきたい」
 黒髪を切り揃えた娘に視線をくれると、こうつけたした。
「そこの『右のお客様からです』って粋な真似をしたお嬢さんに、マスターとしては奢りたいのよ」
 ニカッと笑った海坊主は材料とコツを教えてくれた。
 クリームチーズはつまみ、生クリームはカクテルで使うから、バッチリ揃う。
「なぁ、よかったらうちの店に来てくれよ。幸い、懐はかなり潤ってるから奢るぜ……チーズクリームのみだけど」
「ありがとう。ご馳走になるわ」

 オープンテラスの剱の店、一番外に近い場所に腰掛けて、海莉は空を見上げる。
 どぉん、と花咲く花火の音に、最初はびくんっと小さく跳ねていたリンデンも今は慣れたもので、骨ガムをあぐあぐと囓って知らん顔。
「お待たせ、つっても烏龍茶はあっちの店のだけどな」
 透明プラケースの内側、こんもりとのっかったクリーム、きめの細かさは作りたての特権。
「ありがとう、却って特別のチーズティに巡り合えてラッキーだったかも」
「そう言ってくれると嬉しいね。では、ごゆっくり」
 一人で過ごしたい客はバーにはごまんと来る、此度も悟りバーテンはカウンターへと引いた。
「……」
 ちゅっと濃密なチーズティを啜った後で、改めて海莉は打ち上がる花火に目を向ける。
 ――昔、義兄とこうして花火を見たことがある。
 コンクリートマンションの屋上からの花火はとても近くって……海莉がはしゃぐ間も義兄はなにやら準備をしていた。
「さぁ、どうそ」
 そう手招かれた給水塔の階段には、華やか色のフルーツや野菜を挟んだサンドイッチがお店のように飾られていた。
「すごい、花火みたい!」
 切り口をあわせればまんまる花が咲く。
「うん、花火をイメージしてみたんだ」
 更に、水筒から注がれた紅茶はスパイシーフレッシュのアイスティ。ツンっときて果実のように、甘い。
 今は違う空、違う香りに温もり――だけど、今夜の記憶もあの日の記憶もどちらも大切なページとして胸に納まる。
「くぅん?」
「リンデン、いつかね、新しい家族のあなたをつれて行きたいところがあるの」
 掌に頬をのせるリンデンに口元を緩め、言葉を何時もの誓いに変える――必ず、迎えに行くわ、義兄さん。

 グラスを磨いていた剱は、新たな客の足音に顔をあげる。
「こんばんは。バー、ですか? えっと、奇麗な色のお酒が飲めるんですよね」
 マリンブルーの水着に身を包んだ金から蒼の髪を持つ娘へ、剱は席を勧める。
「ところでお嬢ちゃんは、成人してんのか?」
「してますよ。こう見えて22歳です!」
 えっへんと胸を反らす。頭でひよこがぴよってした。
(「まぁ、勧めるならノンアルコールから軽いのにしとくか」)
「なんか飲みたいもんあるか? 慣れてないならこの辺りがー……」
「マスターのお任せでお願いします!」
 おっと、何でもいい入りました!
「ほう? 言ったな。では、新しい味の開拓のじっk…もとい、協力者になってもらおうか」
 ドンッ! と、カウンターに色とりどりの瓶を並べる。
 ――さて、1杯目。
「茜色がゆらゆらで奇麗ですね、下には雪が積もっているようです」
 ショットグラスに満たされた赤いお酒、砕いた氷砂糖とカンパリをメインであれやこれやしてみた。
「……苦いです」
 ぱたり。
「だめか」
 ノートに×をつけつつ、この娘さんは実験の相手には向かないとすぐに悟る。

『お、面白そうなことしてんなー』
『唐傘ちゃんな僕色カクテル、おねがーい』

 次なる犠牲……実験の友がやってきた、バーテンダー剱の腕のふるい所です!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ニコリネ・ユーリカ
【鏡花】
20'水着

海うぇーい!バカンスうぇーい!
急いで駆け寄った先、ミスターが格好良くてドキドキ
率直に褒めてくれた後で揶揄うの反則!
深海の王子様は危険が一杯なんだから
火照る頬を抑えてタンク付き水鉄砲を構える

レテさんもご一緒したいな
どうぞ三つ巴の戦いに加わって下さいな
相手の筒先を注意深く見つつ高機動回避し
敵の水の残量を見極めて反撃に掛かるわ
ズブ濡れ覚悟で戦いきる!(ギンッ
ぴゃっ、やったわねー!

全力で動いたらお腹ペコペコ
ソースの香りにホイホイつられちゃう
屋台巡りは先ず焼きそば屋さんへ
夏の味、美味しいわねぇ!(ほこほこ

型抜きはお花の型に挑戦
ミスターをチラチラ偵察しつつ
集中力で勝つ……アッー!(われた


杜鬼・クロウ
【鏡花】アドリブ歓迎
去年の水着

あんまはしゃいでっと転ぶぞ、ニコリネ
しっかし…(思わず水着ガン見
お前の水着、色っぽいよなァ
深海に游ぐ人魚みてェで似合ってるぜ
ハハ、照れてる?(顔覗き込む
うっし、じゃァそろそろバトル開始と行こうや!

レテも含めて三人で楽しく水鉄砲バトロワ
色つきの水で判定
障害物を上手く使い盾に
隙あらばドヤ顔でウォーターガンで狙い撃ち
勝敗お任せ

沢山動いたら腹減ったなァ
レテも一緒に食おうぜ!
付き合ってくれた礼に二人へ奢るからよ

焼きそばなど食べて空腹満たす
レテと別れた後、型抜きの屋台見つける

ニコリネ、どっちが綺麗に型抜き出来るか勝負しねェ?
負けねェし
コレ難しいな…あァ割れちまった

傘の形を削る




「海うぇーい! バカンスうぇーい!」
 目一杯に広げた腕に、エメラルドグリーンのパレオがひらり、ニコリネ・ユーリカ(花屋・f02123)の屈託ないはしゃぎ声が蒼天に弾ける。
 さく、さく、と先行く足音、深海の裾を翻す杜鬼・クロウ(風雲児・f04599)がくるりと振り向く。
「あんまはしゃいでっと転ぶぞ、ニコリネ」
「わっぷ……ッ」
 危うくぶつかりかけたニコリネは、波を象った首飾りの元にある逞しい胸板に内心ドキドキ。
 一方のクロウは紅蒼の瞳で無遠慮にニコリネを見る。アクアマリンのビキニと繊細な金細工の飾りが誠に悩ましい。
「しっかし……お前の水着、色っぽいよなァ」
「それって揶揄ってるの」
 むむぃっと頬を膨らませて腕を前でクロスしてエメラルドの薄布で覆い隠す、すると一気に神秘的な様相に変じた。
「深海に游ぐ人魚みてェで似合ってるぜ」
 呑み込みそうになる息を茶化し笑う彼から続くのは素直な賞賛。
「率直に褒めるのも反則!」
 深い水底でも見失わぬ金色の錨、それを思わせる房飾りがシャラリ。
「ハハ、照れてる?」
 至近距離に顔を近づけるの、狡い。
「……深海の王子様は危険が一杯なんだから」
 カッと薔薇色に熟れる頬に、
「冷やしタオルを用意しましょうか?」
 水鉄砲に誘われやってきたレテが広げたタオルに、ニコリネは遠慮をしめす。
「三つ巴戦線異状なしです」
 がっつりタンクの水鉄砲を構えて照れ隠し、中には金色の水がちゃぷりと踊る。
「うっし、じゃァそろそろバトル開始と行こうや!」
 クロウの水鉄砲が真っ赤な水を天に向けて一発! 戦闘開始だ!

 突如の開戦で、虚を突かれたレテの前を人魚と深海王子が交差し過ぎ去っていく。
「では、フィールド湧き全て倒してレベルアーップ!」
 レテは狙いを定めずばらまく。クロウが隠れる椰子の木が青く染まり、ニコリネの頬に小さな飛沫が跳ねた。
「待てば海路の日和ありだぜ」
 ぱきゅん。
 余裕綽々、椰子の木影でニコリネを待ち構えていたクロウは、にぃっと唇を持ち上げてトリガーを引いた。
「ぴゃっ、やったわねー!」
 赤い水が肩口にヒット! 速攻でカウンターだ。
「当たらねぇよ」
 でも、椰子の葉に黄色の染みが出来るに留まる。
 遮蔽を使ってちょこまかと隠れるクロウと、一発は食らったものの後は軌跡を見極め踊るように躱すニコリネ。
「二人とも見つけましたよ、くらってくだ……きゃ」
 レテは左右から赤と黄色をふんだんに喰らって脱落しました、ばたんきゅー。
 顔を出した所を逃さずにリコリネからシュート! クロウの左側の房が金色まだらになる。
「同点ってとこだなァ」
 ぴしゃりと髪を後ろに払い、クロウは水の残量に気を配る。
(「さすがにそこは考えるわよね」)
 それでも、お互いあと二発がせいぜい。故にニコリネは勝負に出た。
 ――ズブ濡れ覚悟で戦いきる!
「てやっ!」
 椰子の木を短く駆け上がりクロウの顔面真ん前にてトリガーを引き絞る。
「わっぷ……ッ」
 大胆な不意打ちに鼻に入ってツンとするのを押さえながらやり返し。きゃっと楽しげな悲鳴と共にニコリネが尻餅をついた。その胸元は赤色で濡れている。
「相打ちってところね……派手にやられちゃったわ」
「いいや、お前の勝ちだぜ、おもいっきり喰らっちまったからなァ!」
 負けても豪快に呵々と笑うクロウ。
 レテの頭からひよこさんが飛び出てぴよっ、持ち上げた羽根はリコリネ側だ。
 優勝はニコリネ――の声は、三人のお腹からのくるる~という音に打ち消される。
「沢山動いたら腹減ったなァ」
「本当、全力で動いたらお腹ペコペコ」
「レテも一緒に食おうぜ! 付き合ってくれた礼に二人へ奢るからよ」
「わぁ、ありがとうございます、クロウさん」

 立ち並ぶ極彩色の店名、ワクワクいっぱいの屋台の中で三人はソースの匂いにホイホイと釣られて焼きそば屋さんに一直線。
「夏の味、美味しいわねぇ!」
「はい、海辺でみなさんと食べると、とっても美味しいです」
 クロウの立ててくれた傘の元、並んでもぐもぐ。
 ほこほこと膨らむほっぺたには幸せいっぱい★ 奢ったクロウは二人の笑顔で大満足だ。
 レテと別れた二人は『型抜き屋台』で足を止めた。
「ニコリネ、どっちが綺麗に型抜き出来るか勝負しねェ?」
 第2ラウンドに誘われて、受けて絶たねば女が廃る。
「もちろん!」
 数ある模様の中から、リコリネは髪飾りに似た花を選ぶ。
『それ、難しい奴だよー』
「だから選んだのよ」
 花子さんに歯を見せ笑い爪楊枝でカリッと外枠を削り取る。上手く出来た、敵情視察でミスターを見るアメジストの瞳。
「負けねェし」
 クロウの手元では、ひらかれた傘が奇麗に削り取られている、順調だ。
「集中力で勝つ……」
 形的には不利かもしれないなんて泣き言はなし、目を細めて繊細につついて……つつ、いて……。
「アッー!」
 リコリネの悲鳴が響き渡った!
「仇は取るぜ……って、コレ難しいな……」
 持ち手の部分がなんとまぁ細かい。爪楊枝よりも細い軸を残せとは無理難題。
 ぺき★
「………………あァ割れちまった」
 リコリスとクロウが顔をあげたなら、満面の笑みのテキヤ海坊主が新たな型抜きをぶら下げニンマリ。
 これぞ型抜きの罠、永久ループ。
 かりかりかりかり、かりかり、かり……。
「く、また割れた、ここがいっつも駄目だ」
「見て、見て、もうあと1枚で……あ、あ、アーーーーッ」
 お互い夢中になって削る夏、失敗して叫ぶのも含めてとにかく楽しいものなのです♪

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

菫宮・奏莉
カティアさん(f05628)と

水着は新しいのがありませんので、スクール水着でいきますですね。
胸に大きく「かなり」って書いてあるのがちょっと気になりますですけど、そこはしかたありません。

屋台でお買い物をしてから花火ですね。
今日はカティアお姉ちゃんと、しっかりデートなのです!

屋台では、かき氷と飴細工を狙います。
かき氷は普通……え?あーんですか?あ、あーん、です
飴細工では、カティアおねーちゃんの名前をべっこう飴で作ってもらうのですよ。

花火は、打ち上がるよりはカティアお姉ちゃんとゆっくり眺めたいですね。

手を繋いで、花火を見上げながら、
ときどきお姉ちゃんの横顔を眺めたり……お姉ちゃん、綺麗なのです♪


涼月・カティア
奏莉さん(f32133)と

白地に花柄の女性用ワンピ着用
体型隠さないといけませんから

……ん゛っ(奏莉さんの言動全てに思わず口元押さえて呻いた)

いえ、すみません挙動不審でした
大丈夫ですよ奏莉さん可愛いなと思っていただけですから(なでなで)
それではお買い物から行きましょうか

奏莉さんと手を繋いでデートです
まずはかき氷ですか?
奏莉さん早く食べないと溶けちゃいますよ?はい、あーん
飴細工では細工してもらっているのをじっと見ている奏莉さんを
さらにじっと見て奏莉さん成分補充です
可愛いですね(どっちも)

最後は花火
浜辺に座って二人で花火を見上げましょう
え?綺麗ですか?
奏莉さんの可愛さにはかなわないお姉ちゃんですよ?




 水平線の彼方からの橙の輝きは、屋台を行き交う人々を茜色に飾る。
 ひらがな三文字を恥ずかしがるように隠す仕草が愛らしくて、涼月・カティア(仮初のハーフムーン・f05628)の頬がふわわんと緩む。
「カティアお姉ちゃん、やっぱりこれ、変なのです?」
 ぬにゅっと『かなり』の四角い布を引っ張る菫宮・奏莉(血まみれもふりすと ときどき勇者・f32133)のポーズは無防備すぎる。誰かに見られたら……!
「……ん゛っ」
 そもそも自分がやられると、カティアさん。
 水着に散らされた小花のままに可憐なおねーさん(見た目)が口元を手で覆って悶絶、すれ違う男性客はそっちに釘付けになっているのだがさておき。
「?」
「……いえ、すみません挙動不審でした。大丈夫ですよ奏莉さん可愛いなと思っていただけですから」
「変じゃなくてよかったです」
 一歩遅れて「かわいい」に気づき照れてもじもじ。そしてまたカティアの喉から疼くような「ん゛っんん゛」が漏れる。
「じゃあ、屋台でお買い物をしてから花火ですね」
 ネーム布から手を離すきゅっと握り、上目の瞳でワクワクキラキラ。普段は控えめな奏莉は内心デートには大はしゃぎなのだ。
 かわいいの大洪水に流されてハグしたくなるのを堪え、カティアはふわふわの髪をなでなで。
「そうですね、夜の花火まではまだ時間がありますし、お買い物から行きましょうか」
 はぐれないようにと差し出した手にちっちゃな指がからむ。
「行きたいところはありますか?」
「かき氷と飴細工を狙いたいです」
 丁度、かき氷のポップなイラストが目に入った。
「……! わぁ、大きいのですよ!」
 かるく奏莉の背ぐらいはある大ぶりの氷のてっぺんには直接ハンドルが凍りつけてある。
『へい、らっしゃーい♪』
 のっぺらぼうがにぃっと口元部分を持ち上げて、しゃりしゃりしゃりと景気よく氷を削り出す。
「すごいのです。あっという間にかき氷なのですよ」
 薄く削られた淡雪がお皿にたまるのに奏莉の瞳はまんまるだ。まるで好奇心に煽られた猫のような様子にカティアは奏莉成分をチャージ。
 可愛いですね。
 削れる氷より、奏莉さんが可愛いです。
『はいよ』
 レモン氷とイチゴ氷をそれぞれ手にして切り株の椅子に並んで腰掛ける。
 繊細な氷はあっという間に崩れて溶けていく。カティアは素早くすくい取ると、
「はい、あーん」
 自分が食べる前に奏莉の口元へ差し出した。
「かき氷は普通……え? あーんですか?」
 わたわた。
 自分もすくってお姉ちゃんに差し出した方がいいのか、でも零しちゃうかもしれないし……。
「奏莉さん早く食べないと溶けちゃいますよ?」
 ちょん、と林檎の唇をスプーンでつつけば、おずりとひらく。
「あ、あーん、です」
「はい、どうぞ」
 あむりと食べて、キーンとなって頭を抱えるところまでがお約束。
「ふぅぅ~」
「ゆっくり食べるといいですよ」
「でも、早く食べないと溶けちゃうって……」
「そうですね、ふふふ、ゆっくりはやく、です」
 ――食べてる内にどんどん日が沈む。
「ごちそうさまでしたなのですよ」
 ぴょこりと立ち上がり氷で冷えた手を温め合うようにまたつなぎ、お次の目当て『飴細工』屋さんへ。
 鉄板を挟んだ向こうの一つ目小僧さんに、奏莉は背伸びしてリクエスト。
「あの……文字をお願いしたいのです。カティアって」
 自分の名前を描いてくれるのが嬉しくてカティアの頬は至福のゆるゆる。
「では私は猫さんを」
「ねこさん、かわいいのです」
 練られた飴がとろりと鉄板を奔る。一瞬で描かれた達筆の“かてぃあ”に奏莉は小さく拍手。との隣ではもっふるなにゃんこが黒砂糖多めの飴で焼かれている。
 カティアは飴細工より奏莉さんを見つめ、更なる可憐さ補充完了。

 すっかり日も沈み星が主役の空の元、遮るものは何もない浜辺に並んで座った。
「はい、どうぞ」
「え、それはカティアお姉ちゃんのじゃないのです?」
「もふりすとの奏莉さんにプレゼントです」
「! ……あ、ありがとうなのですよ」
 ドォンと、響く音に一瞬遅れて夜空に満開の花火。奏莉は赤と青たゆたう瞳に更に複雑な綾を宿す。
「はじまりましたね」
 パラパラパラ……っと、砕け落ちる火花が、カティアの白磁の肌を色づかせる。大人の色香にどきっと鼓動を跳ねさせて、奏莉は思わずほろり。
「……お姉ちゃん、綺麗なのです♪」
「え? 綺麗ですか?」
 ぱらり、紅火の頬紅に飾られてカティアは柔和に口元をかしがせる。
「奏莉さんの可愛さにはかなわないお姉ちゃんですよ?」
「そんな、えっと……」
 照れてごにょごにょな語尾は、またまた景気のいい打ち上げの音にかき消された。
 可愛いも綺麗もめいっぱいのデートを最後まで楽しむお二人さんなのでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ファン・ティンタン
【水魚之交】
狼サマ【f18268】と

野良水鉄砲サバゲーに参加
二人で競うだけじゃすぐ終わっちゃうからね
お互い別々の野良チームに混じって不確定要素を楽しもうか

狼サマは隠れたり庇ってもらうのが上手そうだ
こう、庇護欲が湧く小動物的な?
私はそーゆー方面とは無縁だから、やりたいようにやらせてもらおうかな、前衛を

戦闘経験こそあれど、こういった遊びの領分に精通しているかと言われれば、うーん
移動が速すぎれば、水が思った方へ飛んでくれないし
殺気の籠らぬ水に反応出来るかと言われると、これが意外と……ふむ

勝ったら、そうだね……髪やら尻尾を好きなだけ弄らせてもらおうか
まあ、負けは無いと思うから、お好きにご要望をどうぞ?


御城・三卵
【水魚之交】
ファン【f07547】と。
野良水鉄砲サバゲーに互いに別チームとして所属、どちらがより長く生き残れたかを競う

とりあえず仲間の影に隠れて、生き延びることを第一に
その間にファンの側が勝手にやられてくれる可能性もある。うむ、名案
人数が減ってきたら……仕方ない、思い切って正面から勝負をかけよう
幸い私の方が当たり判定(体)は小さい
単純な撃ち合いなら、幾らか分のいい勝負になるはず
どうせ水鉄砲の技術なんて持ってないんだ、あとは運、運

勝利:さて、敗者には何か美味しいものでも御馳走して貰おうか。アイスがいいかなぁ。いちご味お願いね
敗北:……銃を交換してもう一戦するのがフェアだと思うのだけど、どうだい




 ――猫と狼の後ろには(野良)とつく。
 河童と一反木綿が二人ずつのチーム戦に、ふらりと名乗り上げたのはファン・ティンタン(天津華・f07547)と御城・三卵(燻む去年草・f18268)である。
『あんたら、おんなじチームじゃなくていいゲコ?』
 くりんと瞳を瞬かせる河童に三卵はふふーんと鱗細工の胸をはる。
「ファンとは敵同士がたぎるのだ」
「二人で競うだけじゃすぐ終わっちゃうからね」
 涼しげに答えるファンも三卵とおそろの鱗胸。茜と黒、パレオも色違いの特注品だ。
「そうだな、考えなしに飛び込んできたところを打ち取って即終了だ」
「ほう、それは逃げ回り勝ち狙いの臆病者宣言と取ってもいいかい?」
 バチバチバチィ!
 二人の間で無言で散る火花に、河童は大はしゃぎで手をたたき、大柄な一反木綿はふよふようねって快を示す。
『いいだろう、どっちがどっちに入るんだい?』
 答える代わりに三卵が一反木綿側へ。河童たちは小柄だし。ファンも異議なしとすばしっこそうな河童チームへ下がる。
 チーム分けも終わったところで、デュエルスタート!

 開幕一番、河童兄弟が素早く左右の手にある水鉄砲のトリガーを引く。
『わほほほっ』
「あ、ぶない」
 三卵はしゅっとしゃがみ一反木綿を盾にした。
『ぬぬぬ、負けぬぞ』
 きゅるりとねじれて水気を絞り反撃、ぷしゃーっと水を浴びた河童は皿が潤って狂喜乱舞である。
「……これは、そもそも勝負になるのか?」
 味方が倒れなさそうなのはいいがと首を傾げるファンは、足下から突き出た筒先を見逃さずバックステップ。遅れていた場所の砂に着弾した水が吸われた。
「ああ、持久戦になりそうだ」
 おへそのあたりに砂をつけ腹ばいの三卵は、外したかと舌打ちし一反木綿の陰へ転がり潜んだ。
 一反木綿もまんざらではないようで、ひらり幻惑の舞にて隠してくれる。
(「狼サマは隠れたり庇ってもらうのが上手そうだ。こう、庇護欲が湧く小動物的な?」)
 予想通り、とはいえ、一反木綿の縦に大きく横にもうねる遮蔽力は莫迦にはできない。
 一方のファンはそーゆー方面は無縁、きゃっきゃとはしゃぐ河童を左右に侍らせて威風堂々。
「やりたいようにやらせてもらうよ、前衛を」
『ゲコ! 支援射撃は任せるゲコーー』
 プシャーーーッと左右を駆け抜ける水の軌跡に併せ、ファンは思いっきり砂浜を蹴った。
「! はやく、ファンを打ち落としてくれ」
 でも、私は隠しておいてくれ、とは無理難題。一反木綿たちは河童の水しぶきを思うさま浴びながらも、一人が応戦し一人は三卵を隠してうねうね作戦だ!
「とった」
「させるか」
 飛び跳ねたファンの上空からの射出に、三卵は側転でよけた。当たり判定は三卵の方が小さい、有利なはず。
 しかし隠れての持久戦に持ち込もうという目論見は、早くも崩れようとしている。
 あ、一反木綿たちが水を吸った体が重たくて砂浜に突っ伏した、盾終了。
「こんなに早く真っ向勝負になるとはね」
 河童さんたちはトリガーハッピーで打ち過ぎて水切れを起こしている。故に隠れなければこちらが勝ち、とは言えないファンである。
(「ふむ、水鉄砲は本当にまっすぐ飛んでくれないな」)
 さっきだって、三卵の避ける方向を読み打ったが、かなり手前に着弾してしまった。
 しゃかしゃかと水鉄砲を振った後、軌道を覚えるために一反木綿に打ちまくる。
「弘法筆を選ばず、ではないのか」
 そのチャンスを逃さずに真正面まで迫った三卵はトリガーを引いた。殺気がないのがかえって足を引っ張って、ファンの反応が遅れのだ。
『水ゲコー!』
 おっと! 河童の水浴び(かばう)
「まだまだ」
 べしっと河童を避けて更に打てばファンの肩口が水に濡れた。同時に三卵も同じ場所にくらう。
「相打ちか」
 なんて、と騙し討ち、しかしファンが放った水流は三卵の頬を掠めて抜けていった。
「負けはないと思う~なんて生意気を言っていたが、これで終わりだ……ん?」
 ガキッ!
 おっと、ここで三卵の水鉄砲が動作不良を起こしてしまう。まことに“運”が悪い。
「はい、尻尾もふもふご案内」
 余裕綽々で引き金を引いたファンの目の前で、顔面水浸しの三卵――勝負あり!

「うー……」
 砂浜に腹ばいになっている狐さんは口をへの字に曲げる、尻尾を思うさまもふもふする猫さんは感触におおう、といちいち感嘆。
「……銃を交換してもう一戦するのがフェアだと思うのだけど、どうだい?」
「ふむ」
 もふもふもふもふもふもふもふもふ、たまにしっとり。すべすべに指で溶かし頭にくっついてるお耳をしこたまつついたファンは鷹揚に頷いた。
「いいだろう。調子が悪い水鉄砲を引いた不運で負けた、なんて言われ続けるのも癪だからな」
 ――二回戦の後は、二人してイチゴアイスを食べて、仲良く頭キーンでしたとさ★

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年08月04日


挿絵イラスト