夏だから西瓜を割るしかなかった(作者 鈴木リョウジ
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#カクリヨファンタズム  #お祭り2021  #夏休み  #スイカ割り  #人間大砲 


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●コンテストお疲れ様でした!
 水着コンテストの会場となったビーチに妖怪親分たちが妖怪花火を用意しました!
 やったぜワイちゃん超有能! 打ち上げは楽しい花火大会だ!
「では西瓜を割るぞ」
 どうしてそうなった。

●割るぞ!
 自身の顔ほどもある大きな西瓜を抱えた織部・泰親(妖狐の戦巫女・f04498)が言うには。
「夏は西瓜を割ると聞いた。うむ、では割ろう」
 あっこれよく分かってないやつだ。
「なんで花火なのに西瓜割り?」
「というか花火だけでいいのでは?」
 不安げに問うてくる猟兵たちの様子に、グリモア猟兵は惜しげもなく晒した大胸筋を特に意味もなく反らして答える。
 妖怪親分たちが用意したこの妖怪花火には、猟兵も乗って一緒に打ち上げられたり、花火で空中に生じる模様の上で空中散歩を楽しんだりすることができる。
 ちょっとワクワクするシチュエーションだ。
「そこでお前たちを打ち上げて西瓜を割るのだ」
「どうしてそうなるんだ」
「おお、そうだな。どうせならばユーベルコードを使わず、己の技量のみで挑戦するのがよかろう。よもや猟兵ともあろう者が、ユーベルコードがなければ西瓜ひとつ割れぬなどということもなかろう?」
 どこか挑発するような含みのある言い方だ。多分、彼にしては珍しく面白がっている。
 ちなみに西瓜を割るための武器は一本の棒のみ。目隠しをした状態で西瓜に一撃を叩き込め!
「目隠しで打ち上げられるのか……」
「西瓜割りとはそういうものなのであろう? 俺はそう聞いたのだが」
 間違ってないけどさ。
 西瓜の位置などは、泰親なり近くの誰かなりが教えてくれる。まったく何も分からない状態での挑戦にはならないので安心してほしい。
 ああ、と泰親が言い添えた。
「案ずるな。妖怪花火ではない花火の支度もしてある。それらを楽しむもよし、妖怪花火での上で楽しむのも風情があろうかね。無論、割らずに切り分けるための西瓜の用意もある」
「とりあえずは分かった。で、ひとつ聞いていいか」
「何だ」
「それなに?」
 猟兵が泰親の背後を指差す。
 グリモア猟兵は振り返り、人ひとりかふたりくらいは入れそうな、なんかすっごいでっかい筒を見た。
 それからもう一度向き直るといい笑顔で笑いかける。
「うむ! 打ち上げるぞ!」
 あ、これが人間大砲ってやつかあ……。
 ちなみに妖怪花火で打ち上げられることも可能なので、無理に人間大砲で打ち上げられる必要はない。
 複雑な表情の猟兵たちとは対照的に、とにかく楽しそうなグリモア猟兵。
「深く悩む必要はない。各々思うように楽しめばよいのだ」
 言って、自身の持つ西瓜をくるぅりと片手で回してみせた。
 とりあえず……楽しもう。夏を。


鈴木リョウジ
 こんにちは、鈴木です。
 水着コンテストお疲れ様でした。
 今回お届けするのは、打ち上げ花火(※猟兵含む)と西瓜割り。

●西瓜割り。
 目隠しをした状態で人間大砲に入って空に打ち上げられ、妖怪花火によって空に置かれた西瓜を割ります。
 使用する武器は、普通の木の棒一本のみ。その他は、己の肉体のみ使用可能です。
 西瓜の位置については、近くの誰かが教えてくれるので、ノーヒントでの挑戦にはなりませんが、ノーヒントで挑戦したい方はその旨をプレイングに記載してください。
 西瓜は普通の西瓜です。ちゃんとおいしく食べられます。
 人間大砲のサイズや射程については深く考えなくても大丈夫です。どんな種族の誰でもみんな使える便利なやつです。
 打ち上げられるのは人間大砲でなく、妖怪花火を使用しても構いません。
 但し、打ち上げられる(空に向かう)のも含めて、ユーベルコードの使用はお控えください。

●西瓜と花火
 妖怪親分たちの用意してくれた妖怪花火の他にも、普通の花火の用意があります。
 また、西瓜割り用ではない普通の西瓜もありますので、「西瓜割りはちょっといいかな……」という方でも大丈夫です。
 スイカ割りの様子を眺めながら花火をしたり西瓜を食べたりするのもOKです。

●お願い
 一緒に行動される方がいる場合【○○(ID)と一緒】と分かるようにお願いします。お名前は呼び方で構いません。
 グループでの場合はグループ名をお願いします。
 複数名で行動される場合、リプレイ執筆のタイミングがずれてしまうのを避けるために、プレイングの送信タイミングを可能な限り同日中に揃えてください。

 水着コンテストの後ではありますが、水着での参加は必須ではありません。
 また、水着イラストがない場合やそれ以外の服装での参加の場合、文字数を圧迫しない程度にプレイングに記載していただければその旨描写いたします。
 お声がけいただいた場合、織部・泰親(妖狐の戦巫女・f04498)が面識の有無に関わらず接します。お声がけがない場合登場しません。

 それではよろしくお願いいたします。
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第1章 日常 『猟兵達の夏休み2021』

POW妖怪花火で空へGO!
SPD妖怪花火の上で空中散歩
WIZ静かに花火を楽しもう
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 渡された棒を、しげしげと眺める。
 それから、とりあえず野球のバットのように素振りしてみる。
「振りやすい」
「ホームラン打てそう」
 そういう用途で用意されたわけではないけども。
 ただその、なんていうか、これもしかして妖怪花火と一緒に猟兵を打てば空まで飛べるんじゃない? 人間ホームランも可能? とか、そんなことを考えてしまった。
 空を見上げると、鮮やかな色彩の花火が、日差しの中でもきらめいている。
 ひとつふたつ、時にはいくつも打ち上げられては消えていく花火。これに西瓜を乗せるとは。
 とはいえ普通に空を飛んでもいいし、そういえば普通に食べる用の西瓜もある。
 妖怪花火と西瓜を前に、猟兵たちはさてどうしようかと顔を見合わせた。
 やたら存在感を主張してくる人間大砲の前で。
海老名・轟
イロハちゃん(f10327)と
先に飛んだイロハちゃんにしっかり地上から位置を教えるぜ
そこだイロハちゃん、いけー!
イロハちゃんの次は俺だな
泰親、もし割れなかった時は…分かってるよな?
人間大砲とか初体験だなあとか思いながら目隠しして棒を持って打ち上げ
よし、綺麗に真っ二つだぜ!
オッサンがお揃い向日葵なあ…いや偶然だろ
偶然だろ?(にっこり)

おい泰親、イロハちゃんに程よくお触りさせてやれよ
あ、俺のも触るの?

っていつの間にかイロハちゃん空中散歩してるな
俺も行くかな
待たせたな!イロハちゃん
白馬の王子様ならぬ鉄騎のオッサン登場
花火を眺めながら上空ツーリングと洒落込むか
楽しいな、イロハちゃん
アドリブ、アレンジ可


冬原・イロハ
【海老ちゃんさん(f13159)と一緒】
アレンジ歓迎

私、カイリキーですので割るのはお任せ下さい!

木の棒、もった
目隠し、しました
ドキドキしながら空へと打ち上げ

声を頼りに
空の上だからか、方向感覚狂っちゃいますね(模様の上を歩いたら斜め気味)
思いっきり、ブン!
目隠しをとれば美味しそうな赤♪

私も声掛け頑張ります

妖怪さんや泰親さんも一緒に食べ
美味しいですねぇ♪
お二人の水着はお揃いで向日葵なのですねぇ(にこり)
(見上げて大胸筋に気付き)
……おさわりしても大丈夫です??
心臓とは違う動きに不思議

空中散歩気になるなぁってウロウロ
いつの間にか海老ちゃんさんとタンデムしてて、登場の仕方に
「王子様みたいですね♪」
って


「私、カイリキーですので割るのはお任せ下さい!」
 冬原・イロハ(戦場の掃除ねこ・f10327)が西瓜割り装備でキリッとポーズを決める。
 木の棒、もった。
 目隠し、しました。
 打ち上げられる準備はOK。
 ドキドキしながら小さな少女が空へと打ち上げられていくのを、海老名・轟(轟く流星・f13159)が、たまや〜と口にしながら見上げる。
 イロハちゃんにしっかり地上から位置を教えるぜと意気込んで、西瓜の場所と彼女の位置を見定める。
「イロハちゃん、そっちじゃないぞー!」
「はあーい」
 声を頼りに西瓜の場所を探してウロウロ。
「空の上だからか、方向感覚狂っちゃいますね」
 言いながら模様の上を歩いたら斜め気味。足元から伝わる不思議な感覚に、とたとたとおぼつかない足取りで西瓜を探し。
「そこだイロハちゃん、いけー!」
 轟の喚声に背を押され、ぴたりと足を止めた。
 ……む。ここですね。
 狙いを定めて、思いっきり、ブン!
 わああっと歓声があがるのを聞きながら、目隠しをとれば美味しそうな赤♪
 思ったよりもきれいに割れて、これならみんなで食べられそう。
「海老ちゃんさーん!」
「おう、しっかり見ていたぞ!」
 ブンブンと手を振るイロハに轟も手を振って応えた。
 イロハちゃんの次は俺だな。
「泰親、もし割れなかった時は……分かってるよな?」
「む?」
 突然言われた織部・泰親(妖狐の戦巫女・f04498)は空を見上げしばらく思案し、
「うむ、分からんがとりあえずお前さんをもう一度打ち上げればいいんだな?」
 いい笑顔で応える。違う、そうじゃない。でもまあ何とかなるだろ。
 人間大砲とか初体験だなあとか思いながら目隠しして棒を持って打ち上げられるのを、地上に戻ってきたイロハが楽しそうに見上げる。
 私も声掛け頑張りますと、せいいっぱい大きな声を出しながら、あっちですそっちじゃないですもうちょっとこっち、と指示を出すイロハに従い、大人げなく全力で棒を振り下ろした。
 バッコーン! と重くも軽快な音が跳ね、目隠しを取った轟の前にあるのは、見事に割れた西瓜。
「よし、綺麗に真っ二つだぜ!」
 イロハが割ったものと合わせれば、結構な人数で食べられそうだ。
 さてさて、みんなで一緒に西瓜を食べ食べ。
「美味しいですねぇ♪」
 嬉しそうなイロハに、みんなもにこにこ。
 しかし、不意に不穏な発言がこぼれた。。
「お二人の水着はお揃いで向日葵なのですねぇ」
 にこりとしたその指摘に、ふたりのオッサンは西瓜を食べる手を止めた。
「オッサンがお揃い向日葵なあ……いや偶然だろ」
「んむ……」
「偶然だろ?」
 にっこり。
 まあ別に、一緒に買ったとかおそろいペアルックとかそういうことはないので、本当に偶然なんだけども。本当ですよ。
 一触即発っぽくてそうでもない雰囲気のオッサンふたりを見上げて、大胸筋に気付き。
「……おさわりしても大丈夫です??」
 キラッキラな目でお願いする。
「おい泰親、イロハちゃんに程よくお触りさせてやれよ」
「…………む」
 娘御に裸身を触れさせるというのは同義上問題はなかろうか、と複雑な表情を浮かべつつ、泰親がしゃがんでアロハシャツの前を広げて見せる。
 心臓とは違う動きに不思議そうに、しかしキラキラと目を輝かせながら、イロハは轟のほうへ振り返った。
「あ、俺のも触るの?」
「いいですか?」
 いいかどうか考えたらよくない気もするが、まあお願いされたなら仕方ない。
 ぺちぺちと触られた轟の表情も、決して不快ではないがどこか複雑そうだ。
 よく鍛えているなあ。そちらこそ。などとオッサンふたりが言葉を交わしている間に、イロハは空中散歩気になるなぁってウロウロ。
 花火の上をふらふらしているその様子を、おやと示されて気付く。
「っていつの間にかイロハちゃん空中散歩してるな」
 俺も行くかな。
 言う間にすっと姿を消す轟へ泰親が手を振った。
 一方。花火の上でふらふらと空中散歩を楽しむイロハ。
「待たせたな! イロハちゃん」
 白馬の王子様ならぬ鉄騎のオッサン登場!
 突然現れたバイクに驚く隙もなく、いつの間にかイロハはちょこんとタンデムしてて、その登場の仕方に、
「王子様みたいですね♪」
 ってほんわり笑顔。
 ロマンスの王子様には少々歳がいっているが、こんな王子様も悪くない。
 花火を眺めながら上空ツーリングと洒落込むか。
 スロットルを開き、バイクを加速させて花火の上を滑るように疾走っていく。
「楽しいな、イロハちゃん」
「はい!」
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

御魂・神治
ビーチバレーは酷い目に遭ったわ
ワイ、タッパあるから前衛なのはわかる
せやけど顔面レシーブ顔面ブロックはアカンて
天将、わざとやろ
天将『偶然です』

スイカ割りかいな?何年振りや、小学生以来やな
ならこの叢雲で一発派手に...何やて?人間大砲で打ち出されて空中で割れ?
暑さで頭おかしなったか?
ワイは地上でスイカ割りがしたいんや
天将『後がつっかえてますので早く入ってください、さあ』
次は打ち上げ顔面スイカ割りってか??やめてや!
これ以上顔面やられたらイケメンが台無しになってまう!
天将『発言の訂正を要求、自称が抜けています』
押すなよ?絶対押すんやないで?
あっ(蹴っ飛ばされて大砲に犬神家のポーズで突っ込む)


 ドーンとまたひとり人間大砲で打ち上げられるのに気づかず、御魂・神治(除霊(物理)・f28925)は深い深い溜息をついた。
「ビーチバレーは酷い目に遭ったわ」
 ワイ、タッパあるから前衛なのはわかる。
 せやけど顔面レシーブ顔面ブロックはアカンて。
 ボール以外のなにかも受け止めた気もする。
「天将、わざとやろ」
『偶然です』
 人工式神の天将がほぼ即答で否定した。
 絶対嘘やろ……と渋い顔でまた溜息をつき、ふと目についた諸々に注目する。
「スイカ割りかいな? 何年振りや、小学生以来やな」
 スイカ割り。それは、気軽に楽しめるアクティビティでもあり、エクストリームスポーツでもある(※諸説あります)。
 競技協会によりこまかくルールが制定されているがそれはさておき、目隠しをして西瓜を割ることには違いない。
 近接用剣型スタンロッドを取り出し、気分転換もかねて気合を入れる彼に、あーちょっとちょっとお兄さん気になってます? とスタッフをやっている妖怪が説明する。
「ならこの叢雲で一発派手に……何やて? 人間大砲で打ち出されて空中で割れ?」
 暑さで頭おかしなったか?
 いえ正気です。ただちょっと、どうしてこうなったのか分からないだけで。
 やや距離をとりつつ不審げに眺めていると、お兄さんやっていく? むしろやっていこう? と手招きされた。
 もちろん丁重にお断りする。
「ワイは地上でスイカ割りがしたいんや」
 そりゃあね、普通は地上でやるものだからね。ワイワイしながらね。
 でもほら、こういうのは普通じゃないのがいいんだし。とかそういう理屈で食い込み気味にじりじりと人間大砲との距離を詰められていく。
『後がつっかえてますので早く入ってください、さあ』
 この際目隠しはなしでいいですね、と、天将が一方的に決めてきた。
「あ、すみません。危ないのでこちらで用意している棒以外のご使用は……え、使わない? 剛毅ですね!」
「次は打ち上げ顔面スイカ割りってか?? やめてや!」
 これ以上顔面やられたらイケメンが台無しになってまう!
 悲鳴をあげる神治に、淡々と天将が言葉を投げた。
『発言の訂正を要求、自称が抜けています』
 そこは指摘しなくてもいいと思うんだ!
 さて、そんな神治の前にどんと置かれた人間大砲。
「押すなよ? 絶対押すんやないで?」
 この後に及んでなおも抵抗する彼の背後に、すっ……と人影が迫った。
「あっ」
 蹴っ飛ばされて大砲に犬神家のポーズで突っ込む神治。
 そして、愉快な入り方だね! と言われながら着火。
『ショウタイムです』
 機構を動作させ、ドッ、と鈍い音とともに打ち上げられる。
 パァン……――!!
 朱を散らして見事な華が咲いた。
 大丈夫、割れた西瓜の汁です。
成功 🔵🔵🔴

カー・ウォーターメロン
【ニイヅキちゃん(f31104)】がスイカ割りに行くって言ってたんだよー。
ニイヅキちゃん、すっごくいっぱい食べるからスイカの差し入れに行くね。

ちょっとその辺の妖怪さんにお手伝いお願いしようかな。
「あのね、あそこの女の子目掛けてこの大砲でスイカを飛ばして欲しいんだけど……」
一つや二つじゃ足りないと思うんだ。だからスイカを追加してあげ……
ん? ボクはウォーターメロンだけどスイカじゃないよ?
あれ? なんでボクが大砲に詰められてるのかな?
「ボクはスイカじゃないんだよおおおおおおお?!」

射出されてもめげないんだよ。
正しいスイカの位置を教えてあげれば叩き割られないはず……!
「ニイヅキちゃん逆ー! 左ー!」


尾花・ニイヅキ
【カー(f01967)】と一緒に来たんだが……はぐれちゃったかな。どこ行ったんだろう。

暫くカーを探すけど……あ、僕の番来ちゃった。仕方ない、後で探そう。
軽く棒を素振りしてから人間大砲に入って――いざ、出撃!

凄い威力で飛ばされるしこれ結構難しいんじゃ……!
右?もう少し? そんな声は聞こえるけれど……、そっちに西瓜の気配、しないんだが?(※はらぺこセンサー発動)

――あれ、この声、まさか……。
「カー、出荷……されちゃったのか……?」(わなわな)

他の声は無視してカーの声だけを頼りにして本物の西瓜を狙う。
「――大き目の西瓜の気配!ここだ!」

綺麗に割れたらカーと一緒に食べるよ。
……共食いにはならないよね?


 きょろきょろと周囲を見回す尾花・ニイヅキ(新月の標・f31104)。
(「カーと一緒に来たんだが……はぐれちゃったかな。どこ行ったんだろう」)
 そこまで小柄ではないけど、ちょっと迷彩効果のある友人。もしかしたら見つけられないだけですぐそばにいるのかも。
 暫くカーを探すけど……。
「あ、僕の番来ちゃった。仕方ない、後で探そう」
 空の上から見えるかもしれないしね。
 軽く棒を素振りしてから人間大砲に入って――いざ、出撃!
 ドォン! 激しい音と衝撃に押し出され……気付いた。
「凄い威力で飛ばされるしこれ結構難しいんじゃ……!」
 いえ、大丈夫。勢いがあるのは打ち出される時だけなので、これに耐えれば何とかなります。
 ぺしょっと妖怪花火の上に着地して、聞こえてくる指示に耳を澄ませた。
(「右? もう少し? そんな声は聞こえるけれど……、そっちに西瓜の気配、しないんだが?」)
 はらぺこセンサーが正常に発動している彼女は、『なにか』の気配を感じてはいるものの、それはスイカではない。
 では、それは何なのか。

 これよりほんの少し前のこと。
「ニイヅキちゃんがスイカ割りに行くって言ってたんだよー」
 カー・ウォーターメロン(マンゴーフレイム・f01967)が、たくさんのスイカを抱えてぽてぽてと歩く。
 ニイヅキちゃん、すっごくいっぱい食べるからスイカの差し入れに行くね。
 待っててね! と気負うものの、ひとりで運ぶのは大変そうだ。
 ちょっとその辺の妖怪さんにお手伝いお願いしようかな。
「あのね、あそこの女の子目掛けてこの大砲でスイカを飛ばして欲しいんだけど……」
 一つや二つじゃ足りないと思うんだ。だからスイカを追加してあげ……。
 お願いしているうちに、話の早いことでころころと台車が運ばれてくる。大きく『スイカ用』と書かれているところを見ると、人間用ではない大砲にスイカを詰めるためのものらしい。
 よいしょよいしょとスイカが載せられ、ついでにカーも載せられた。
「ん? ボクはウォーターメロンだけどスイカじゃないよ?」
 スイカに囲まれてきょときょとと見回すけれど、気づかれていないのかころころと大砲の前に運ばれる。
 よいしょよいしょとカーごとスイカが持ち上げられて、丁寧に詰められていく。
「あれ? なんでボクが大砲に詰められてるのかな?」
 何かの間違いかな? 不安げに大砲から顔を出したその時、何かの音がした。
 直後。
 ドォン! 激しい音と衝撃に押し出される。
「ボクはスイカじゃないんだよおおおおおおお?!」

 ――あれ、この声、まさか……。
「カー、出荷……されちゃったのか……?」
 遠くからだんだん近づいて聞こえてきた声に、目隠しをしたままニイヅキがわなわなと震える。
 ではうっかり間違えて思いっきり振り下ろした先が友人かもしれない。ていうか多分スイカと思われているから、他の人からの誘導先がその可能性が高い。
 これは……気をつけなければ。
 神経を集中させるニイヅキとは対照に、ぽてんと妖怪花火の上に乗っかったカーは、ふるふると頭を振ってから周囲を確認した。
 目隠しをしたまま棒を構えてじりじりと近づいてくる友人の姿を見留め、邪魔をしないよう動く……のは難しい。
 射出されてもめげないんだよ。
 正しいスイカの位置を教えてあげれば叩き割られないはず……!
「ニイヅキちゃん逆ー! 左ー!」
「!」
 スイカと間違えられた彼の指示だけが正しいはず。
 他の声は無視して、ニイヅキはカーの声だけを頼りにして本物の西瓜を狙う。
 はらぺこセンサーも強めに反応し――。
「――大き目の西瓜の気配! ここだ!」
 大上段からの一閃!
 パッカァン!!
 見事な音とともに、手応えのある衝撃が棒を伝わり手に響く。
 目隠しを外すと、ほとんど真っ二つの状態で転がる大きなスイカと、見事な一撃に拍手喝采のカー。
 ハイタッチで喜びあい、花火の上で一緒にスイカを食べるふたり。
 美味しいねえと嬉しそうなカーを見て、ふとニイヅキは疑問を覚えた。
「……共食いにはならないよね?」
「ならないよ?!」
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

タビタビ・マタタビ
【POW】
前の水着だけどいいかな……? いいよね?
ってわけで、ボクも頑張って西瓜を割るよー。
親分さんたちも見ててね!

良い感じの棒、おっけー!(素振りぶんぶん)
目隠しせっと!(見えてない見えてないヨシ!)
それじゃあケットシー大砲……ふぁいあー!

みんなが導いてくれる声に耳を傾ける……
こっち? あれ、こっちかな?

そうだ、西瓜の心の声を聞けば、きっとたどりつけるはず!
たとえばそう、『コッチダヨ……ボクヲ……ボクヲワッテ……』みたいな……
いやホラーだねそれ!

てなわけで、結局最後は自分自身の『第六感』に頼って、木の棒一閃!
当たった……かな?

割った西瓜はもちろん美味しくいただきます


「前の水着だけどいいかな……? いいよね?」
 水泳ゴーグルの位置を直しながら、タビタビ・マタタビ(猫勇者一歩手前・f10770)はこっくり首を傾げる。
 大丈夫ですよーと妖怪スタッフさんからOKをもらった彼は、足跡総柄の涼し気なパンツにペンギンさんの浮き輪という格好。トレードマークのミニ王冠も忘れずに。
 ってわけで、ボクも頑張って西瓜を割るよー。
「親分さんたちも見ててね!」
 くるり振り返れば、物珍しさにか様子を見に来ていた妖怪親分たちが、遠くから手を振るのが見えた。
 ふふっと笑って、差し出された木の棒と目隠しを受け取る。
「良い感じの棒、おっけー!」
 素振りぶんぶん。
「目隠しせっと!」
 見えてない見えてないヨシ!
 よいしょっと大砲に入って……さあ、準備はできたよ!
「それじゃあケットシー大砲……ふぁいあー!」
 っドーン!!
 ややひねりを加えて打ち出されると、ぎゅーっとした感覚に潰されそうな気持ちになったところで、妖怪花火の上にぽぉんと着地。
 立ち上がって、落とし物がないか確認。うん、大丈夫。
 みんなが導いてくれる声に耳を傾ける……。
 だけど、もうちょっとそっちだよーとか。行きすぎだよーとか。分かるようで……分かりにくい。
「こっち? あれ、こっちかな?」
 とことこ。ととっ。……うーん。
 探してみるけれど西瓜の気配は見つからない。聞こえてくる声も、なんだかはっきりしない。
 そうだ、西瓜の心の声を聞けば、きっとたどりつけるはず!
 西瓜に心があるかは分からないけど!
 たとえばそう、『コッチダヨ……ボクヲ……ボクヲワッテ……』みたいな……。
「いやホラーだねそれ!」
 ぴんっとしっぽを立てるタビタビのすぐそばに、不意に気配が忍び寄り……。
「もっと右だよ……」
「わあ!!」
 こそっと聞こえた声にびっくりして悲鳴があがった。
 予想以上の反応にこちらもびっくりして、「分かりにくかったかと思って」と謝るスタッフさんたち。驚かせるつもりはなかったのだけど。
「びっくりしたー!」
 しっぽがちょっとぼわってなってしまった。
 でも、おかげでちょっと気持ちが切り替わったかも。
 てなわけで、結局最後は自分自身の第六感に頼って、木の棒一閃!
 ぱこぉんっ!
 手応え……あり!
「当たった……かな?」
 おそるおそる目隠しをはずせば、いい感じに食べやすく割れた西瓜がコロンと転がる。もとはタビタビと同じくらいか、もうちょっと大きいくらいの、とっても大きな西瓜のようだ。
 割った西瓜はもちろん美味しくいただきます。
 大きく口を開いて、真っ赤な果肉にかぶりつく。じゅわりこぼれ出た果汁をすすって、しゃくしゃく噛んで。
「美味しーい!」
 食べても食べてもなくならないくらい大きな西瓜に囲まれて、幸せな悲鳴がこぼれた。
成功 🔵🔵🔴

七那原・望
えくるん(f07720)と参加
ノーヒント希望

今年のスイカ割りはなんだか恐ろしくスリリングなのー。
でもとっても楽しそうなの!えくるん、早く早くー♪

この大砲で飛ぶのです?誰よりも高く飛び上がってわたしは風になるのですー♪そしてスイカの花火を咲かせるのですー♪

わあぁぁっ♪すごい勢いなのです!風が気持ちいいのですー♪
と、スイカなのです。いつも目隠ししてるわたしからすればスイカなんて……スイカなんて……あれ?風の勢い強すぎてスイカの位置わからない?!
いえ、落ち着いて……風と一体化し、音の違和感を感じ取るのです。

さぁ、今年も勝負なのです!

ふふふー♪とっても楽しかったのですー♪ってえくるん?!大丈夫ー?!


七那原・エクル
七那原・望と参加

【シチュエーション】
普段視界を塞がれて物の場所を探り当てる行為はやったことないので不慣れです

【心情】
視界を塞がれるだけでも動きづらいのに、さらに上空に発射されるとか…。めっちゃ怖いやん、それ…(ガクガク)

望すごいや、普段からこんな視界に慣れっこなんだもの

しかし、挑戦すると宣言した手前引き下がることはできない!男に二言はないんだよ~!!

とゆーわけで、逝ってきます…。さようなら地上、こんにちは青い空(いや目隠しされてるからどんだけ青いのかは分からないけど)無事地上に還ってこれたら、そのときは、たくさんスイカを食べてやるんだっ!ただ怖い思いしただけじゃ割に合わないしね~!!


「今年のスイカ割りはなんだか恐ろしくスリリングなのー」
 言葉とは裏腹に、嬉しそうな七那原・望(封印されし果実・f04836)。
「でもとっても楽しそうなの! えくるん、早く早くー♪」
 踊る足取りで先をゆく少女を、七那原・エクル(ツインズキャスト・f07720)がゆっくりと追いかける。
 穏やかな気持ちだからでも、彼女の姿を少しでも長く眺めていたいからでもない。
 彼女が向かう先にある巨大な大砲が、否応なく近づいてくるのがとても怖かったから。
 幼く小柄な望と比べても、年頃らしい背丈のエクルと比べても、ものすごく大きな大砲。
 好奇心を抑えられない様子で大砲に近づくと、ぺたぺた触ったりあちこち覗き込んだり、妖怪スタッフにいろいろ訊いたりする望。
「この大砲で飛ぶのです? 誰よりも高く飛び上がってわたしは風になるのですー♪ そしてスイカの花火を咲かせるのですー♪」
「視界を塞がれるだけでも動きづらいのに、さらに上空に発射されるとか……。めっちゃ怖いやん、それ……」
 心の底から楽しそうな望とは対照的に、ガクガクと震えるエクル。彼をよそに、妖怪スタッフと望が手続き……といっても、ちょっとした確認だけども……を済ませていた。二人分。
 目隠しは自前のもので大丈夫。武器はどうする? はい、OK。
 するりと人間大砲に入って、望はドキドキしながらその時を待つ。
 ずんっ、と軽い振動を感じた直後、ぎゅっと押しこまれるような感覚を経て発射!
 心底心配そうなエクルの姿があっという間に小さくなっていくのを、目で見る代わりになびく髪と翼に風を感じながら察知する。
「わあぁぁっ♪ すごい勢いなのです! 風が気持ちいいのですー♪」
 その姿はまさしく銀の風。そう、今彼女は風になっているのだ。
「と、スイカなのです。いつも目隠ししてるわたしからすればスイカなんて……スイカなんて……」
 激しい勢いで風が耳を打つ。……えっと。
「あれ?風の勢い強すぎてスイカの位置わからない?!」
 そりゃあもうすごい勢いで飛んでいるし、相対的に風も強くなるし。
 なんと、これは万事休すか?
「いえ、落ち着いて……風と一体化し、音の違和感を感じ取るのです」
 ざわざわと風が音を立てるなか、かすかにその流れが違う一点に耳を澄ませた。
 翼をはためかせてそちらへ向かうと、思いきって一撃を叩き込む!
「さぁ、今年も勝負なのです!」
 パァンッ!!
 小気味よい音とともにスイカが割れて、見事にスイカの花火が散った。それを見ていた人々からも歓声の声があがる。
 さて次はエクルの番。目隠しを渡され渋々身につけ……何も、見えない。
 望すごいや、普段からこんな視界に慣れっこなんだもの。改めて感心する。
 エクルは普段、視界を塞がれて物の場所を探り当てる行為はやったことがない。たいていの人はそうだと思う。
「しかし、挑戦すると宣言した手前引き下がることはできない! 男に二言はないんだよ~!!」
 ここまで来たら引き返せないしね!
 大丈夫? ギブアップもありだよ? と心配してくれる妖怪スタッフに、もう一度男に二言はないと伝える。
「とゆーわけで、逝ってきます……。さようなら地上、こんにちは青い空」
 いや目隠しされてるからどんだけ青いのかは分からないけど。
 いつか見上げたあの空くらい青いのかもしれない。
 心を落ち着かせるため、ふう……と深呼吸。
「無事地上に還ってこれたら、そのときは、たくさんスイカを食べてやるんだっ! ただ怖い思いしただけじゃ割に合わないしね~!!」
 そう叫んで意気込む声が、ちょっとだけ震えている。
 大丈夫、アフターフォローも完璧です。うっかり落ちても大丈夫。
 さあ、3、2、1……GO!

 発射の音とともに、低く押さえつつも長く尾を引く悲鳴が空に向かって飛んでいった。

 空から降りてきた望は、とってもごきげんな様子で旦那様のもとへと戻る。
「ふふふー♪ とっても楽しかったのですー♪ ってえくるん?! 大丈夫ー?!」
 にこにこ笑顔から慌てて彼女が駆け寄ったエクルは、スイカを抱えてぐったりとしていた。
 割ったよ、割って男を見せたよ。
 うちわであおがれたり濡らしたタオルを顔に当てたり、よく冷えたスイカで冷やされて気分が少し落ち着いてから、ようやくふわりと笑ってみせる。
「……一緒にスイカを食べようか」
 少しだけ力のない声で誘う彼に、ふふっと笑って望はもちろん頷いた。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

レイカ・ヴァンスタイン
【ミューちゃん(f07712)と一緒】
POWで花火になります

「ノーヒントで!飛び出すことが楽しそうなの!」
目隠しでみえない?気にしない気にしない
西瓜に直撃できなくても気にしないの
空に輝く光になれるから
「たーまやー?なの~?」

怯えてるミューちゃんにちょっとのアドバイスを
「考えるな、感じろ。ってどっかの誰かにから聞いたの」
アドバイスになってるかは気にしない

終わった後でスイカ頂きます
「ミューちゃんの努力しょー、いいこいいこなの」
スイカにばらばらっとお塩をかけてあげますの

お声かけはしますの。どんな人とも仲良くがモットーのひとつなの。
スイカを持ってたらお塩をドバーッとかけてあげますの(防がれるの前提)


ミュー・ティフィア
レイカと一緒に!(f00419)
ヒントください!

えっとえっと、なんで人間大砲とスイカ割り一つにしちゃったんですか?
でもレイカは乗り気だし、試してみようかな?

目隠しをして、大砲に乗り込んで……待って!これ結構怖い!目が見えないまま撃ち出されるって絶叫マシンより怖い!やっぱやmきゃあぁぁっ?!

真っ暗闇の中でこの浮遊感本当に怖い!ふえぇぇん……参加するんじゃなかったです!
え?右?右ってなんですか!何の話で……スイカ?そうです、スイカ割らないと!えーい!

もう目隠し取っても良いですよね?まさか着地するまでダメなんて言わないですよね?!

……うん。レイカ、スイカ食べましょうか。
え?別に泣いてないですからね?


 どぉん……と巨大な人間大砲を前に、ミュー・ティフィア(絆の歌姫・f07712)は絶句した。
 あまりの存在感に彼女がどうしていいか分からないでいる間にも、「そこの人、ちょっと一発打ち上げられない? 楽しいよ」「スイカが割れたら気持ちいいよー!」などと誘う声につられて、何人かが挑戦して打ち上げられていく。
「お嬢さんたちもやる?」
 興味を持ったと思われたのか、スタッフの妖怪がミューに声をかけてきた。
 やるかはともかく、とりあえず疑問は解決しておこう。
「えっとえっと、なんで人間大砲とスイカ割り一つにしちゃったんですか?」
「そりゃあ、楽しいことと面白いことを一緒にやったら、もっと面白いと思ったからねえ」
 スイカ割りに合わせるのに、なんで人間大砲を選んだのか分からないけど。
 いよいよもって挑戦すると思われて、妖怪スタッフは他のスタッフに指示を出しながら少女たちに説明する。
「目隠しはみんなしてもらうからね。棒は自分のを使っても、使わないでパンチやキックでやっても大丈夫。あとは……ヒントのあるなしも選べるよ」
 簡単な説明を聞いて、レイカ・ヴァンスタイン(銀光精・f00419)が目を輝かせた。
「ノーヒントで! 飛び出すことが楽しそうなの!」
「えっ…………」
 ノリノリの彼女と対照的に、ミューは気後れしてためらう。
 でもレイカは乗り気だし、試してみようかな?
 ……まず先に、彼女がやるのを見てから。
 フェアリーサイズの、それでも結構大きな大砲に入って準備万端のレイカは、ワクワクしながらその時を待つ。
 目隠しでみえない? 気にしない気にしない。
 西瓜に直撃できなくても気にしないの。
 だって、割ることが目的じゃないから。
 空に輝く光になれるから。
「たーまやー? なの~?」
 パァーン……!!
 大空に、大きな花火が打ち上がった。
 鮮やかな大輪の華を見上げ、ミューが不安げにぽつりと口にする。
「レイカ……」
「はーい!」
 すぐ耳元で元気な返事。空から戻ってきたレイカは、傷ひとつなく楽しそうだ。
 うん、ミューもレイカ自身の心配はしていなかった。どっちかというと、「私もあれやるんだ……」という不安だったのだけど。
 見事に打ち上げられたものの、でもスイカは割れなかったので、残念賞でスイカをひとつプレゼント。
 怯えてるミューにちょっとのアドバイスを。
「考えるな、感じろ。ってどっかの誰かにから聞いたの」
 アドバイスになってるかは気にしない。
 かくしてミューは、妖怪スタッフから「お友達みたいに楽しんでおいで!」と応援されて、おそるおそる目隠しを手に取った。
 目隠しをして、大砲に乗り込んで……。
 何も見えないまま大砲に収まった少女は、不意に激しい恐怖を覚える。あと後悔も。
 考えないようにしたってつい考えちゃうし、感じろって言われても何を感じているのか分からないし余計に怖い。
「待って! これ結構怖い! 目が見えないまま撃ち出されるって絶叫マシンより怖い! やっぱやmきゃあぁぁっ?!」
 ズズッ……と重い振動を感じたと思った直後、押しつけられるような圧迫感から間髪入れずに、ふわっと放り投げられた感覚に変わる。
「真っ暗闇の中でこの浮遊感本当に怖い! ふえぇぇん……参加するんじゃなかったです!」
 時間にすれば、きっとほんのちょっとの間のことだけど。
 半泣きになりながらなんとか体勢を整え、ふと聞こえてきた声に軽くパニックになる。
「え? 右? 右ってなんですか! 何の話で……スイカ? そうです、スイカ割らないと! えーい!」
 あっそうだこれスイカ割りだった。
 なにがなんだか分からないまま、思いっきり一撃を叩き込む!
 ボンッ!
 割れた……というよりはとりあえず当たった、くらいのような音が聞こえた。
 とりあえずやることはやった! やったからもういいよね!
「もう目隠し取っても良いですよね? まさか着地するまでダメなんて言わないですよね?!」
 ほとんど悲鳴に近い確認に、レイカがミューのもとへ飛んでいって目隠しをとってやる。
 はたして彼女の目の前にあったのは、大小さまざまに割れたスイカと、ニコニコ笑顔の小さなお友達。
 そして足元に広がる、不思議な色彩の妖怪花火。いつの間にか着地していたみたいだ。
 はああ…………と深く深い溜息をついて、ぺったり座り込んでしまう。
「……うん。レイカ、スイカ食べましょうか」
 食べるのにちょうどいい大きさに割れたスイカを取った。
 そこへレイカがお塩を持ってくる。
「ミューちゃんの努力しょー、いいこいいこなの」
 スイカにばらばらっとお塩をかけてあげると、ミューはお礼を言ってスイカをかじる。
 なんだかちょっとしょっぱい。きっとレイカが塩をかけすぎたせいだ。多分。
「え? 別に泣いてないですからね?」
 頬を濡らす雫を拭いて言う。位置的にも果汁で濡れたのだろう。
 スイカを飲み込んで、もう一度溜息をつく。
「悲鳴が聞こえたが……無事かね?」
 妖怪花火の上を渡り少女たちを案じた泰親が寄ってくる。割ったのと違う、きれいにカットされたスイカとジュースを持っていて、それは具合が悪くなった人やうまく割れなかった人用に用意したものだそう。
 大丈夫そうだと見て取って、ついでにとジュースを差し出した。
 どんな人とも仲良くがモットーのひとつなの。
「よかったらどうぞなの」
 言って、彼の持つスイカにお塩をドバーッとかけてあげる。
 防がれると思ったのだけど、そのままドバーッとかけてもらったまま、何のためらいもなく口に運ぶ。
 かじったとたんビタッと動きが止まり、……うん。と、唸るようなうめくような声をこぼした。
「楽しい思い出になったの」
 本当に楽しそうなレイカの笑顔に、ミューは少しだけ迷って、
「……怖かったけど、うん。終わったら楽しかったです」
 ふふっと笑い返した。

 空に咲いた夏の大輪。
 どうして妖怪花火でスイカ割りするのに人間大砲もしようと思ったのかは分からないけども。
 それはそれで、きっと楽しい思い出になる。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年08月07日
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