たまにはまともな夏休みを過ごそう(作者 唐揚げ
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#カクリヨファンタズム  #お祭り2021  #夏休み 


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「サマーシーズン、到来ッ!!」
 なぜかグラサンにリュックサック装備のグリモア猟兵、白鐘・耀。
 ニカッと不気味なスマイルを浮かべ、猟兵たちに呼びかける。
「というわけで夏よ。夏休み! 私こう見えても(?)学生なのよ!
 物騒な予知もなさそうだし、今は全力で夏を楽しむべきじゃない!?
 ほら、あんたたちあのあれ、水着コンテストとかもやってたんでしょ?
 そのコンテスト会場に妖怪親分たちの力でビーチが作り出されたのよ!
 てなわけで、いっちょ夏らしく派手に騒ごうじゃないの、ってワケ」
 耀はサングラスを外すといつもの眼鏡をかけた。
「なんか妖怪花火? とかいう派手な催しもあるらしいわよ。夏っぽいわね。
 よくわかんないけど、猟兵が花火と一緒に打ち上げられることも出来るし、
 花火で出来た模様の上を歩いて空中散歩もできるんですって。ロマンチックね~」
 そこで猟兵の中から、「お前はどうすんだ」的な質問が出た。
「え? 私? 私は出店とか回って食えるだけ美味しいもん食べてるけど?
 だって私水着とか買ってないし。可憐な私が日焼けとかしちゃったら大変でしょ?」
 こういうことをシラフで言ってのけるのが、この女の図太いところだった。

「まあ私のことはいいのよ私のことは、いいから盛大に泳いで呑んで食べて騒ぎなさい!
 こういう平和な夏ってのはめったにないんだから、今の時間を楽しまないとでしょ!」
 とまあそんなわけで、猟兵たちの夏休みが始まることとなった。
 耀以外にもグリモア猟兵は居るらしいが、あんまり重要ではないだろう。
 だってこれは、めったに無い平和な夏の時間――ネタとかなしにまともにサマーシーズン出来る(当社比で)貴重なシナリオなんだから!!


唐揚げ
 というわけで夏休みシナリオです。
 唐揚げが運用しているグリモア猟兵は、希望があれば呼び出せます。
 なければ、背景で飯を食ったり本を読んだり花火で飛んでいます。

 ビーチには出店とか、海の家とか、ビアガーデンなどもあるようです。
 未成年の方も大人の方も、食べて呑んで楽しめるというわけですね。
 もちろん泳いだり、ふたりっきりで静かに過ごせるスペースもあります。
 夏らしいことは全部出来ます。お気軽にご参加ください!

●プレイング受付期間
 7/28 12:59前後まで。
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第1章 日常 『猟兵達の夏休み2021』

POW妖怪花火で空へGO!
SPD妖怪花火の上で空中散歩
WIZ静かに花火を楽しもう
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


メレディア・クラックロック
ファンくん/f31118と!

へぇ…さすがは失われたモノが流れつくカクリヨファンタズム。
まさかこんな宝の山をリアルに拝める日が来るとは……

そっか、ファンくん目瞑ってるから分かんないよね。
ここにはたっくさんの本があります!
スゴいよねぇ、永遠の夢のひとつが叶っちゃったよ。
早速ボクも一冊拝借(ガチムチ系ゲット)

え、秘められた感じ(年齢制限的な意味で)…?
ちょっと待ってて…
よし、幾つかあるからまず一冊渡すね。
ファンくんの好みに合えばいいんだけど…

…って、ファンくん!?
そんな鼻血吹くほど喜ばないで!?
まだ茶髪引っ込み思案っ子のスク水本も橙髪元気っ子のセパレート本も残ってるんだから!

(次回、牙・虎鉄死す!)


牙・虎鉄
◆メレディア/f31094と

ふむ、遺失された物が辿り着く、か……

(もしや失伝した武の奥義書や秘伝書……そういったものもあるのやもしれぬ。)
(しかし(偶々鉢合わせたメレディアは知らないが)己の弱点が弱点である。なので此処は……)

すまぬがメレディア
何かこう……
秘められた感じ(※秘伝書)の書籍などがあれば俺に教えて渡してくれぬか。

おお、早速見つけたか……忝い、どれ
(開眼)
(金髪少女黒ビキニのそういう感じの本が視界に映る)

(ブーーーーーーーッッッッ)

耐雪梅花麗耐雪梅花麗耐雪梅花麗耐雪梅花(プピーーーッッ)

(念仏のようにまじないを唱えるも追い討ちの本を前に 虎、轟沈す)
(●🐯ーそういう本◯)


●まともな夏休みを過ごそうって言ったよなあ!?
 世の中には「フリ」というものがある。
 本当はそうしてほしいけど、あえてそれを禁じることで、逆にそれをやらせる……いわゆる「押すなよ、絶対押すなよ」というやつだ。

 しかしあえて言わせてもらいたい。
 それでも、やっちまった奴の責任なのだと。
 つまりこちらの責任は0であり、すべてはやっちまった奴らが悪いのだと!

 え? 開幕からなんで言い訳めいた文章から入ってるのかって?
 それはなぜかと言うと、メレディア・クラックロックと牙・虎鉄のせいである(語弊)
「知ってるかいファンくん、このカクリヨファンタズムには、現世……つまりUDCアースから喪われた様々なモノが流れ着くんだよ」
 メレディアの言葉に、虎鉄は目を閉じたまま顎をさすった。
「遺失された物が辿り着く、か……」
 彼の頭に浮かんだのは、失伝した武の奥義書や秘伝書といったものだ。
「そう、ここには様々な宝というべき書物が流れ着くんだよ、ファンくん!」
「なるほど……宝と呼ばれるほどの書物とは、実に興味深い」
 たしかに海岸には、様々な書物が流れ着いていた。
 しかし残念ながら、それらは虎鉄が思い描くようなものではない。

 ――エロ本。
 どの世界の、どんな男子でも、いやさ女子すらも追い求める至極の宝物!
 この世でエロ本を求めない者などいない!(語弊)いるわけがない!!(大放言)
 なのでここにもエロ本はやってきていた。何度立ちはだかるというのだエロ本!
「スゴいよねぇ、永遠の夢のひとつが叶っちゃったよ!」
「たしかに……(武の探求は)武人にとっても夢のひとつだ」
「ふふっ、武人でもそこは同じなんだね。まあ男の子だから当然か」
 虎鉄は目を閉じたまま頷く。なんせ目を閉じているので彼は惨状に気付かない。
「よーし、さっそくボクも一冊拝借だ!」
 メレディアさん、ガチムチ系のエロ本を探してごそごそと海岸を漁り始めた。
 仮にも21歳の女性が、こんな気持ちいい夏の空の下でエロ本探しである。
 恥も外聞もない。なぜならメレディアは……記者(トーキー)だから!!(関係なし)
「すまぬがメレディア、何かこう……秘められた感じ(※秘伝書的な意味で)の書籍があれば俺に教えて渡してくれぬか」
「え、秘められた感じ(年齢制限的な意味で)……? んもーファンくんったら、好きだね~」
「? まあたしかに俺は(鍛錬が)好きだが……」
「わかったわかった、お姉さんが探してあげるからちょっと待ってて!」
 ここに来て致命的なすれ違いである。もう状況が致命的なんだけども。

 でまあ、メレディアさん、それらしいエロ本をいくつかチョイスした。
 虎鉄の年齢を鑑み、フェチいのよりもストレートにエロいやつを。
「よし、いくつかあるから……どれにしようかな」
「なんと……それほどまでに(秘伝書が)流れ着いていたのか。驚きだな」
「うん! (エロ本が)色々あったよ! うーんじゃあまずこれかな~」
「かたじけない」
 メレディアが差し出した本を受け取り、虎鉄は目を見開いた。
「一体いかなる秘伝…………」
 そこにあったのは、金髪美少女の黒ビキニという鮮烈なグラビアだ!
 もちろんエロ本なので、黒ビキニもかなり布面積が小さくとてもきわどい。
 さらに体つきがとてもワーオであり、ポージングだって……WOW……。

 間。

「どう? ファンくん。気に入ってもらえ」
 ブーーーーーーーーーーーーーッッッ!!
「ウワーッ!? ファンくん、ウワーッ!?」
 虎鉄、大量の鼻血を噴射! ギャグみてえな量の鼻血が飛び出した!
 メレディアは知らなかった。虎鉄の弱点を……!
 彼は女性免疫が、ゼロ! 女性を目視しただけでも倒れかねないほどだ!
 そこにこんな健康的エロスの黒ビキニである。鼻血が天を衝く!
「ファンくん……!!」
 メレディアは震えた。そして彼女は言った。
「そんな鼻血吹くほど喜ばないで!?」
「いや違うメレディアこれは」
「まだ茶髪引っ込み思案っ子のスク水本も橙髪元気っ子のセパレート本も残ってるんだから!」
「耐雪梅花麗耐雪梅花麗耐雪梅花麗耐雪梅花(ブビーーーーーーッッ)」
 虎鉄、ひたすら心を"無"にして念仏めいて唱え続ける。
 だがもはや一度網膜に焼き付いた映像は拭い難く、鼻血も止まらなかった。

 おお虎よ、キャバリアすらも打ち倒す猛き虎よ。
 彼はここに黒星を喫した……エロ本の力、恐るべし……!
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

リュカ・エンキアンサス
ベイメリアお姉さんf01781と

普通の夏休みってぴんと来なかったから調べたけど
ビーチバレーしたり、西瓜割したり、夕陽を背景に殴りあったり、人間を砂で埋めたりするみたい…?
お姉さんは何かしたい事あ…
…え、全…部?
……
よし分かった全力で行こう

そういうわけで全力で戦い
全力で割り
全力で埋まり
いったい何の競技だ次は殴りあ…
あ、はい。そうですね。平和が一番です
(全力で分け合ったたこ焼きを食べて休憩する
なんかすっごい疲れた気がする……
俺たちは一体何にチャレンジしてたんだろうね

あ、本当だね
あれはあれで楽しそう
流石に疲れたから、のんびり見ていようか
はしゃぎすぎた
でもたまにはこんなのも、いいかも
これはこれで楽しい


ベイメリア・ミハイロフ
リュカさま(f02586)と
普通の夏休みを全力で楽しみとうございます


見上げれば
青い空、白い雲
花火と共に打ち上げられる人々
…?

折角でございますので、リュカさまの仰った事を全て致したく
水着姿でビーチバレーをし
砂浜にて砂に埋もれて休憩を
その後はスイカを割り頂きましょう
…ちょっと、生温かくなってしまっておりますね

夕陽を背に、殴り合うのは物騒でございますので
屋台にてたこ焼きを購入し
夕陽の下で砂浜に座り、分け合って頂きたいと思います
中々に密なスケジュールでございますね(ハアハアしながら)

あっ、ご覧くださいリュカさま
花火の上を歩く方々がいらっしゃいますよ
下からお見上げ致しましても、不思議な光景でございますね


●普通の夏休みを全力で
「綺麗でございますねえ……」
 ベイメリア・ミハイロフは、晴れ渡った青い空を見上げた。
 一面の青い空に浮かぶのは、白い雲……と、なぜかカラフルに輝く妖怪花火。
 しかも一緒に打ち上げられる人が……ん? 打ち上げられる人々?
「…………???」
 ベイメリアは首を傾げた。夏休みって、こういうもんだっけ。

 それはさておき。
「普通の夏休みって、ぴんと来なかったから調べてみたんだ」
 リュカ・エンキアンサスは言った。
「ビーチバレーしたり、スイカ割りしたり……」
「まあ、そのへんは定番でございますね。わたくしも聞いたことがございます」
「夕陽を背景に殴り合ったり?」
「……ん?」
「人間を砂で埋めたりするみたい……?」
「はて、聞いたことがございませんねそのあたりは……」
 残念ながらベイメリアもUDCアースの人間ではないため、ツッコミが入らない。
 だがリュカが調べたことならきっとそうなのだろうと納得してしまう始末だ。
「で、お姉さんは何かしたいことあ」
「すべていたしましょう」
「え」
 ベイメリアはにこりと笑顔で微笑んだ。
「リュカさまのおっしゃったことを、すべて。せっかくでございますし」
「……よ、よし。わかった、全力でいこう」
 ニコニコと微笑むベイメリアの圧に押され、リュカは頷いてしまった。
 まったく普通でない夏休みが、火蓋を切ってしまったのである。

「まいりますよ、リュカさま! えいっ!」
「くっ……!」
 水着姿になったふたりは、まずはビーチバレーを全力で楽しんだ。
 ユーベルコードはなし、身体能力のみの全力ガチバトルである。
 ベイメリアのスパイクをリュカが全力で受け止め、打ち返す。
「そーれ!」
「やるねお姉さん……このっ!!」
「まだまだでございます!」
 日頃メイスをぶん回しているためか、ベイメリアのスパイクは強烈だ。
 リュカは砂だらけになりながらボールを受け続ける。なかなかに執念深い。
「今度はこっちの……番っ!」
「な――!」
 そしてベイメリアの虚を突いたスパイクが、ざしゅ! と砂浜に突き刺さった。
「お見事でございますリュカさま、敗けてしまいましたね……」
「つ、つ……つかれ、た」
 砂浜に、どさりと仰向けで倒れるリュカ。

 ……に、ベイメリアは笑顔でどさどさと砂をかけはじめた。
「え、お姉さん何を」
「次は砂に埋れる番でございますので」
「えっあっいや」
「休憩でございます」
 あっという間にリュカの身体は埋まり、身動きできなくなった。
 そして砂をぶっかけたぶんで生まれた穴に、ベイメリアは寝転がる。
「さ、全力で砂をかけてくださいませリュカさま」
「いや俺動けないんだけど……」
 当然であった。

 それからしばらくして。
「お、お姉さん、いつまで回転すればいいの……!?」
「まだまだでございます、全力でスイカ割りをしませんと!」
 なぜかふたりは目隠しをし、並んでぐるぐる回転していた。
 普通なら片方が誘導役になるところなのだが、全力だし勝負なのだ。
「で、ではそろそろ参りましょう……!」
「う、き、気持ち悪……」
 平衡感覚がオシャカになったふたりは、千鳥足めいてへろへろ歩く。
 水に艶めくスイカを上手いこと割れたのは、かなりあとの話だった。

「……ちょっと、生暖かくなってしまってしまいましたね」
「あれだけ割るのに苦労したらね……」
 日が沈んで暮れつつある頃、ふたりはたこ焼きとスイカを手に腰掛けていた。
「それにしても、なんかすっごい疲れた気がする……」
「なかなかに密なスケジュールでございますね……」
 さすがに殴り合いは危ない、ということで休憩と相成ったのだが、
 ふたりはもうへろへろであった。一体何にチャレンジしていたというのか。
「……あっ、ごらんくださいリュカさま」
「ん」
 ベイメリアが指差す夕陽の空に、ぱぱん、と妖怪花火が咲いた。
 よく見れば、その上を歩いている猟兵らしき人影が見える。
「下からお見上げいたしましても、不思議な光景でございますね」
「……お姉さん、あれ、行く?」
「リュカさまがご所望なら……」
「……いや、はしゃぎすぎたし、のんびり見てるだけでいいかな」
 リュカは苦笑めいて眉を下げ、しゃくっとスイカを食べた。
「……でもたまにはこんなのも、いいかも」
「そうでございますね。たまの休みの贅沢でございます」
 ふたりの見上げる空で、またひとつ花火が咲いた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

シャルロッテ・ヴェイロン
(夏だってのに読書に耽ってるムルヘルベルを引っ張り出し)
いやー、今年の夏休みは確かに平穏無事っぽいですねー。
例年だと、戦争ともろに被ってましたからねー。

――そういえば、お世話になってる賢者さんに贈り物がありまして。
「ドーモ、カクリヨ急便です。お届け物です」

――そうです、(ムルヘルベル名義で注文した)段ボール一箱分のエロ本(新品)です(ぉぃ)。
――ええ、実は【ハッキング】でIDとカード情報をゲットしまして(証拠隠滅も万全(ぉぃ))。
――ところで、どのエロ本がお好きですか?私がひそかに気に入ってるのもおすすめしますよ?(いい加減にしろw)

※アドリブ・連携歓迎


●カクリヨ急便一丁おまち!
「いやー、今年の夏休みはたしかに平穏無事っぽいですねー。
 例年だと、戦争ともろに被ってましたしねー。よかったですねー」
「よくない! ワガハイこの状況全然よくないのであるが!?」
 ニコニコ笑顔のシャルロッテ・ヴェイロン……に引きずられるムルヘルベル。
 読書中のところを無理やり引きずり出された形である。大変不服だった。
「いやあそういえば、お世話になってる賢者さんに贈り物がありまして」
「だったらその場で手渡せばよいであろうが……ワガハイ読書の時間が……」
「まあまあー、いいじゃないですか。大量にあるから場所を取らないと」
「……嫌な予感がしてきたのでワガハイ帰りたいのだが???」
 ムルヘルベル、この流れに既視感を覚える。そうあれは年末のこと……。
「そんなことはいいですから! お、来ましたよ!」
「は? 来た?」
 海の彼方……なんか近づいてくるジェットスキー!

 ジェットスキーに乗る何某かは、シュバーッ! と回転ジャンプした!
「ドーモ、カクリヨ急便です。お届けものです」
「アイエエエ!? ナンデ!? ニンジャ急便ナンデ!?」
「ドーモ、ありがとうございます。はいこれサイン」
「アリガトゴザイマス! オタッシャデー!」
 あきらかにニンジャめいた何かは、ダンボールを置いて去っていった。
「アイエエエ……で、なんであるかこれ」
「何って、あなたの名義で注文したエロ本ですよ!」
「は???」
「いやー、実は、ハッキングでIDとカード情報をゲットしまして」
「何さらっと犯罪してるんであるか!?」
「大丈夫です、証拠隠滅も万全ですから!」
「そういう問題では!! ない!!!」
 がぱり。ダンボールの中には新品未開封のエロ本がたくさん!
「ところでどのエロ本が好きです? やっぱりこういうグラマラスな女性」
「そもそもワガハイはそんな本なぞ好まんわーーーーっ!!」
「私がひそかに気に入ってるのもおすすめしますよ!」
「いらんわーーーーーーー!?」
 晴れた夏のビーチに、賢者の怒号が響き渡ったという。どっとはらい。
大成功 🔵🔵🔵

オリヴィア・ローゼンタール
国臣さん(f07153)とご一緒に花火見物です!

花火の本番はやはり夜
それまでは今年の新しい水着で、コンテストやビーチスポーツに興じて時間潰し
ふぅ、いい勝負でした

日が暮れたら国臣さんと合流
今年の水着、どうでしょう?
参加賞にスポーツドリンクをいただきました!


出店や海の家で美味しそうなものを購入
焼きそばは定番と聞きました!
あとは焼きとうもろこしも捨てがたいですね……!

昼間遊んでいる間に見繕っておいた眺めの良さそうな場所へ
ビニールシートに腰を下ろし、夜景とトンチキな花火を楽しみながら頬張る
あ、見てください、高速ジグザグ軌道で飛んで炸裂しましたよ! 面白いですね!


蔵座・国臣
オリヴィア(f04296)と…

お昼はお疲れ様。紳士としては何か言うべきなんだろうが、紳士だからこそノーコメントとさせていただきたい。いや、君が楽しかったならいいんだ。その水着に言及すると紳士やれなくなっちゃうだけで…まぁそれは置いておいて、水分など、ちゃんと摂ったかね?

去年も言ったが、夏祭りと言えば買い食いである。動いて疲れただろうし、出店や海の家をちょっと回って、歩き食いしながら食料集めて、ビーチにシート敷いて花火を見ながら食べようか。

いや、今の妖怪乗ってなかったか?ホントに花火と一緒に打ち上がって………猟兵も打ち上げられる気がする。探せば知り合い打ち上がってそうだな。


●ふたりきりの夏休み
 カッ! と晴れ渡る青空――が、暮れゆく夕陽で橙に染まる頃。
「ふぅ、いい勝負でした」
「お疲れ様。どうやらいい順位に入れたみたいだな」
 汗を拭い戻ってきたオリヴィア・ローゼンタールに、蔵座・国臣は出店で買ってきた涼しげなドリンクを差し出す。
「ありがとうございます、国臣さん。ん……疲れた身体に染み渡りますね」
 オリヴィアが何をしていたかというと、それはコンテストやビーチスポーツ。
 健康的なスタイルを誇るオリヴィアは、どうやらコンテストで入賞できたようだ。
 特にダンピールの女性の中では、五指に入るほどのスコアである。
「…………」
「国臣さん? どうしました?」
「あ、いや……君が楽しかったならいいんだ、うん」
 国臣は言及を避けた。なにせオリヴィアは……そう、スタイルがよい。
 そこらへんに言及してしまうと、頑張って取り繕ってる紳士顔が色々終わる。
 そんな彼の苦悩も露知らず、オリヴィアはこてんと首を傾げた。
「ま、まぁそれは置いといてだ。少し買い食いでもしないかな?
 動いて疲れただろうし、あの様子では出店などを見て回る様子もなかったろう?」
「ええ、喜んで! ところで国臣さん、今年の水着はどうでしょう?」
「よし、それじゃあまずは出店から行こうか」
「国臣さん? あの、水着……国臣さん! 国臣さーん!!」
 主にキャライメージを護るため、国臣は全力でオリヴィアの質問から逃げた。
 決して彼女を軽んじているわけではない、そう決して……!

 ともあれ、そんなふたりが見て回った出店や海の家は、どれも美味そうな品々。
 以前の戦争でオブリビオン化してしまった、妖怪屋台も店を広げているようだ。
「一部あきらかにビーチにそぐわないようなものもあった気がしたんだが……」
「まあまあ、いいじゃないですか。夏らしい食べ物は手に入りましたし」
「ん、まあそうだな。……でもやはりビーチに鍋はどうなんだろうか……?」
 妖怪って不思議だな。国臣はそう思った。

 歩き食いをしつつ食料を集めたふたりは、ビーチにシートを敷いて着席。
 彼らの目当ては、妖怪花火だ。オリヴィアのとっておきの場所である。
「どうですか? ここなら眺めがいいですし、よく見えると思いますよ」
「あれだけはしゃぎまわっていたのに、場所取りまでしてくれてるなんてな」
「ふふふ。国臣さんとふたりで花火を楽しみたかったので」
 楽しそうに微笑むオリヴィアの笑顔は、夕日に照らされて美しかった。
 国臣は思わず視線を下に降ろしそうになり、咳払いして目をそらす。
「国臣さん?」
「いや……ほら、そろそろ花火が上がりそうだと思って」
「あ、本当ですね!」
 つられてオリヴィアが空を見上げると、ちょうど最初の花火が上がった。
 ……上がった、のだが……その軌道は稲妻のようにジグザグしている。
「高速ジグザグ軌道で飛んでますよ! 面白いですね!」
「花火ってそんな飛び方するものだったか……???」
 妖怪花火だから、そういうこともあるのだ。
 しかもよく見ると、その火種になんか妖怪がしがみついている気がする。
 そして案の定、空高く飛び上がった火種はパーン! と盛大に炸裂した。

「……いま、妖怪と一緒に炸裂したような……」
「でも、無事みたいですね。きっとそういう仕組みがあるんでしょう」
「あっちでは猟兵が打ち上がっているな、本当にどういう作りになってるんだ……?」
 国臣は首を傾げつつ、焼きとうもろこしをかじって咀嚼した。
 海で食べるのはまた格別だ。隣に美女がいるとなれば、なおさらだろう。
「お酒、買ってありますよね。お酌しますか?」
「えっいや……今飲んでしまうと色々危なそうというか」
「???」
「まずは花火を楽しもうじゃないか。ほら、焼きそば」
「あ、ありがとうございます」
 国臣はほっと胸を撫で下ろした。胸からは目をそらしつつ。
 いつも以上にドギマギしてしまうのも、きっと夏のせいなのだろう。
 カラフルでへんてこな花火を楽しみつつ、ふたりは平穏な時間をしばし楽しんだ。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

清川・シャル
りっちゃん(f01013)と
今どきのかき氷はふわふわが主流ですけど海の家のは昔ながらのジャリジャリですよね
これが美味しいんだよね〜
私は青いヤツが好き!ブルーハワイ!味はどれも一緒らしいけど気分的に涼しいのがいいな。
海ってカップラーメン食べたくない?散々海辺で遊んで冷えたあと食べるの
あと熱々たこ焼き食べたいな〜あとカレー!
無限に入る10代の胃袋です。
スイカ割りは私がやると粉砕してしまいそうなのでりっちゃんを誘導しましょうか
あ、そっちは人が居ます、そっちは逆〜
正しく誘導してるとは限らない
地面めり込んでるよ!スイカはあっち!
斬るなら華麗な包丁さばき待ってる!


硲・葎
シャルちゃん(f01440)と。
うーみー!
よし、まず来たからには!
海の家でかき氷たべちゃう!?
大食いでいろんな料理堪能しまくってやる!
やっぱイチゴシロップかな!
「りんご味とかないかな?あったらたべたいのにね」
あと焼きそばとイカ焼き!
夏の海といえばこれだよね!
今回はビールは我慢してラムネで乾杯しよう!
「では本日のメインイベントだよシャルちゃん!スイカ割って食べよう!」
ここは作法に乗っ取って目隠しつけて。
第六感で!!叩き割ったらあ!
どりゃあああ!
どうどう?割れた!?
ありゃ……めり込んで……なんで割れないんだよ!?鉄製なの!?
こうなったら斬っちゃう!?
よし、包丁借りた!今日はスイカを!ズバッと!


●夏といえば!
「「うーーみーー!!」」
 ざっぱーん! と、女たちの呼び声に返すは爽やかな波音。
 清川・シャルと硲・葎は顔を見合わせて、何がおかしいのかくすくす笑う。
「いやー、来ちゃいましたね、海!」
「だねえ、それじゃあまずは……」
 シャルの言葉に葎は笑顔で頷き、そして顔を見合わせて声を揃えた。
「「海の家でかき氷!!」」
 以心伝心、海といえばやはりまずはこれだろう。ふたりはハイタッチ。
 そのまま水着姿で海の家に急ぐ。夏の乙女は駆け足なのだ!

「妖怪のおじさん! かき氷ふたつくださいな!」
「はいいらっしゃい! シロップはどうするね?」
 店主が問いかけると、シャルと葎はうーん、と考え込んだ。
「りっちゃんは何が好きです? ちなみに私はブルーハワイ!」
「いいねー、好みなら私はイチゴシロップかなー」
「ならふたりとも、それでいいかい?」
「私はおっけーです! りっちゃんはどうします?」
「うーん、りんご味とかないかな? あったら食べてみたいなって」
「もちろんあるよ!」
「よし、じゃあそれにしよう!」
「あいよ!」
 店主は昔ながらのかき氷機を台に載せ、その場でゴリゴリと氷を削る。
「今どきのってふわふわが主流ですけど、海の家のは昔ながらのジャリジャリですよね~」
「シャルちゃんはジャリジャリのが好きなんだ?」
「どっちも好きです! あ、ほかにも注文しときません? りっちゃん」
「いいねー! じゃあ焼きそばとイカ焼きもおねがーい!」
「私は~……カップラーメン、いや……たこ焼き! あとカレー!」
「かき氷からそのまま食事すんのかい? お嬢ちゃんたちタフだねえ」
「なにせ無限に入る10代の胃袋ですので! えへん!」
 呆れる店主に、シャルは胸を張ってドヤ顔をした。
「私は20代だけど、それはそれこれはこれってね。今回はビールは我慢でラムネちょうだい!」
「はいはい、まずはかき氷食べな」
「「わーい!」」
 どん、とテーブルに置かれた山盛りのかき氷をしゃりしゃりかっこむふたり。
「「ん~、美味しい~!」」
 そしてキーンと襲い来る例のアレ! アイス頭痛だ!
「「ん~~~~!!」」
 じたばた足を悶えさせつつ、楽しそうに次々平らげていくふたりである。

 海の家でグルメを楽しんだあと、ふたりが始めたのは……。
「では本日のメインイベントだよシャルちゃん! スイカ割って食べよう!」
「おー、いいですね! でもシャルがやると粉砕しちゃいそうだな……」
「なら私が目隠しをつけて、シャルちゃんが誘導するっていうのはどう?」
「それでいきましょう!」
 葎はきちんと目隠しをする。やる前に回転するのは大変なのでナシだ。
「よし、こっちだな!」
「あ、そっちは人が居ますよー」
「じゃあこっち!?」
「そっちは逆~」
 むむむ、と葎は唸る。そこでシャルの意図に気付いて声を上げた。
「もしかしてシャルちゃん、正しく誘導してないね!?」
「おや、気付かれましたか。ふふふ、でも正解を言ってるかもですよ?」
「ぐぬぬぬ……こうなったら私の第六感を駆使して……!」
 葎は神経を尖らせ、スイカを感じ取ろうとした。
 が、浮かれているせいかあんまりわからない! 直感に従い駆け出す!
「あ、そっちは――」
「叩き割ったらぁ! どりゃあああ!!」
 スパーン!! ……砂飛沫が盛大に散った。
「どうどう? 割れた!? ってありゃ、木の棒がめり込んで……」
「そっちじゃないです、スイカはあっち!」
「いやどっち!? ていうかもしかしてこのスイカ、鉄製!?」
「そんなわけないでしょ! 後ろです後ろ!」
「でりゃー!!」
「棒を横に振っても割れるわけないですよー!!」
 結局業を煮やした葎が、海の家の店主から包丁を借り、真空の刃でスパッと切ってしまうまで、ビーチのあちこちに小さな窪みが出来たとかなんとか。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

杜鬼・カイト
【兄妹】
紺色のサーフパンツにアロハシャツ
ちゃんと男物を着こなす"妹"

兄妹水入らずで夏休みを楽しみましょうね♪

水鉄砲でバトル
勝ったほうがこの後奢る、ということで。
兄さま相手でも手は抜きませんよ?
障害物を利用して水を避け、気配を殺して死角から撃つ
笑顔は絶やさず(目は笑ってない)に追い詰めていく戦法
……うあ!それは卑怯ですよ!?

勝っても負けても食事は楽しく
定番の焼きそば、イカ焼きもいけますよね?
次はかき氷を食べましょう。兄さまは何味にしますか?
オレはブルーハワイにしようかな。
うっ、頭キーンてしました。
兄さま、べーってしてください。アハハ、兄さまの舌の色すごい。

来年もオレと一緒にいてくれますよね?


杜鬼・クロウ
【兄妹】
朝顔の羽織
黒の水着

最近、テメェと一緒に祭り行ったばっかじゃねェか
またかよ

内心満更でも無い
唯一人の妹(おとうと)故に

ははーん、この俺に勝負持ち掛けるたァ凝りねェなお前も
上等、お兄サマが華麗に勝利決めてヤるわ(…俺はお前を殺められなかったが

腕捲りしUC使用
2枚出す
鏡で自分を映して罠仕掛ける
カイトが鏡を打った所で仕留める

神鏡(おれ)使うの禁止って言われてねェし

その後に屋台で食い倒れ
お好み焼き等

ン、全部食えるぜ(出来立てが美味
かき氷で甘くねェ味あるか?(宇治金時を選ぶ
ハハ、急いで食うからだよ
…べー
お前の舌の色の方がヤベェだろ!

こういう時間過ごすのも悪くなかったからな
気ィ向いたらまた遊んでヤるよ


●きょうだいの夏休み
「はぁ~……」
「なんです兄さま、着いたばっかりだっていうのにため息なんかついて」
 サーフパンツにアロハシャツを羽織った杜鬼・カイトが、水着に朝顔の羽織を着た杜鬼・クロウを見上げ、唇を尖らせた。
 クロウはそんなカイトの眼差しに軽く舌打ちし、だるそうに言う。
「最近、テメェと一緒に祭り行ったばっかじゃねェか……またかよ」
 口ぶりは不機嫌そうだが、こうして来ているあたりが何よりの証左。
 クロウは、カイトとともにレジャーを楽しむことがまんざらでもないのだ。
 そんな兄の信条を知ってか知らずか、カイトは呆れたように眉尻を下ろす。
「いいじゃないですか、夏休みですよ夏休み」
「夏休み、ねェ……」
「きょうだい水入らずで、楽しみましょう、兄さま♪」
「そういうトコだよ、そういうトコ」
 クロウは呆れた顔をして、これ以上からかわれないように歩き出した。

 ――するとそんなクロウの背中に、ぴゅっと冷たい水がかかる。
「冷てッ!?」
 クロウはギロリと背後を睨み返した。当然、カイトの仕業だ。
 カイトの手には水鉄砲があり、彼はくすくす笑うともうひとつを兄に投げ渡す。
「勝ったほうがこのあと奢る、ということで。どうです?」
「ははーん、この俺に勝負持ちかけるたァ懲りねェなお前も」
 クロウは水鉄砲をキャッチし、ニヤリと笑った。
「上等だぜ。お兄サマが華麗に勝利決めてヤるわ」
「兄さま相手でも手は抜きませんよ? では、さっそく開始です!」
 言うや否や、カイトはすばしっこい動きで近くの障害物に身を潜めた。
「チ、身のこなしばっか速ェヤツ……ユーベルコードは禁止されてねェよなァ?」
 キン――と澄んだ音とともに、クロウの本体である黄金鏡の複製体が出現。
 駆け出したクロウに鏡の複製は追従し、カイトの隠れた障害物に回り込む。

 一方カイトは、障害物に背中を当てつつ気配を殺し様子を伺っていた。
 表情は笑顔だが、目は笑っていない。じわじわとクロウを追い詰めるつもりだ。
(身を隠して狙い撃つならオレのほうが得意だもんね、死角から狙って……)
 とカイトが考えていたところ、まさしくそこにクロウがやってきた。
 カイトは笑みを深め、ぐるりと回り込む形でクロウを撃とうとする……が!
「――鏡!?」
 然り、カイトが狙ったのは複製鏡に映ったクロウの鏡像である。
 ということは、クロウは鏡に映るどこかにいるというわけで、つまり……。
「コッチだよ」
 声は背後から。振り返ったカイトの顔面にぴゅーっ! と冷水がぶちまけられた。
「冷たっ!?」
「ハ、勝負アリだな」
「わぷ……って、それは卑怯ですよ兄さま!?」
「別に鏡(オレ)使うコト禁止されてねェし? 知力の差だよ、知力の差」
「こういうのは底意地が悪いって言うんです!」
「大人のずる賢さだぜ、ハハハ」
 結局カイトが頬を膨らませ、クロウが得意げに笑う結果となった。

 勝負の行方はどうあれ、食事は楽しむ過ごすもの。
 屋台を次から次に食べ歩き、お好み焼きや焼きそば、イカ焼きなど定番のメニューを楽しむ。
「美味しいですねえ兄さま!」
「ン、奢りってのがなおさらイイな。出来たてでサイコーだ」
「もうっ、リベンジマッチは必ずしますからね?」
「機嫌がよけりゃ受けて立ってやるよ」
 そんな話をしつつ、きょうだいがやってきたのはかき氷の屋台。
「次はこれを食べましょう! 兄さまは何味にしますか?」
「かき氷で甘くねェ味あるか? ……宇治金時でイイか」
「じゃあ、オレはブルーハワイで!」
 ふたりは山と盛られたかき氷を受け取り、しゃりしゃりと歩きながら食べる。
「うっ、頭キーンてします……」
「ハハ、急いで喰うからだよ……ッ」
「あ、兄さまもキーンとしましたね? 急いで食べるから~」
「うるッせェな……」
「しかも舌の色すごいですよ? ほら、オレのも見てください。べー」
「お前の舌の色の方がヤベェだろ! んべー」
 互いに顔を見合わせて舌を出し合い、そのさまがおかしくてケラケラ笑う。
 そんな様子は、誰がどう見ても仲のいい悪童きょうだいそのものだ。

「はーぁ、楽しいな~。来年もオレと一緒に来てくださいね、兄さま?」
「ン、気ィ向いたらな。ま、悪くはなかったぜ」
 相変わらずつっけんどんな兄の物言いに、カイトはくしゃりと笑顔を見せた。
 空ではぱんぱぱん、と、色とりどりの花火が上がっていた――。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

葛籠雄・九雀
ジニアちゃん(f01191)と

うむ、オレも泳げぬであるからな!
のんびり過ごすとしようぞ。

オレも一昨年の水着ではあるが、遊ぶ分には特に問題ないであるしな。
しかしビーチまで作れてしまうのであるから、妖怪親分の力は凄まじいものである。

さて花火もよいが、オレは昼間の海辺を楽しみたい。ジニアちゃんと一緒に浮き輪で浮かんで遊んだり、人目がないのであれば、ジニアちゃんの持ってきた食事を多少つまむなどしようか。無論、飲み物にはストローを付けてな。

ああ、誕生日プレゼントの感謝も伝えておくである。
手紙をくれて感謝であるよ。誕生日はオレにとって然程意味を持たぬが、こうして祝ってもらえるのは、大層嬉しいものであるな。


ジニア・ドグダラ
葛籠雄・九雀さん(f17337)と

葛籠雄さん、とても素敵なビーチへお誘い、ありがとうございますね。
しかしお互いはしゃぐという訳でも無いですし……のんびり、過ごしましょ?

一昨年の水着を着て、お昼のビーチで、人影のない場所でのんびり、です。
持ち込んだ浮き輪で海の上をぷかぷかしたり、木陰や岩肌でお話ししながらぼんやりと……色々な世界は見てきましたが、こうして景色を楽しむ暇は少なかったので、こうしてお話ししながら楽しむのは良い、ですね。

小腹が空いたりしたら、出店や海の家で幾つか食べ物と飲み物を買ってきて、またひっそりとした場所で頂きます。
此処なら人の眼も無いですので、葛籠雄さんも頂けるでしょうか?


●ひそやかに、なごやかに
「……しかし、ビーチまで作れてしまうとは。妖怪親分の力は凄まじいものであるなあ」
「そうですねえ……」
 葛籠雄・九雀とジニア・ドグダラは、ぷかぷかと浮き輪で浮かんでいた。
 あたりからは賑やかなはしゃぎ声が聞こえてくるが、彼らはマイペースだ。
「とても素敵なビーチです。葛籠雄さんに誘えてもらえてよかったです。ありがとうございます」
「なんのなんの、せっかくの夏休み、のんびり過ごすのも乙なものであろう?」
「はい。こうして人気のない場所があるのも、配慮を感じますね」
 ジニアも九雀も、騒ぎに混ざって元気にはしゃぐようなタイプではない。
 こうして青空を見上げながら波に揺られているだけで、彼らは十分だった。
「色々な世界を見てきましたが、こうして景色を楽しむ暇は少なかったですし」
「いかにもその通りである。昼時になったら、そこの木陰で食事としようか」
「はい。それまではもう少し波に揺られていましょう」
「うむ。潮騒が心地よい……人の声も、余韻を与えてくれる」
 何も元気いっぱい遊び回ることだけが、夏休みの楽しみ方ではないのだ。

 しばらく波を楽しんだふたりは、入り江めいて窪んだ木陰にやってきた。
 大きなヤシの木が彼らを覆い隠し、燦々と照らす太陽から涼しげに護ってくれる。
 シートの上には、出店や海の家で調達してきた食べ物と飲み物が並ぶ。
 焼きそば、お好み焼き、たこ焼きやらなんやらに、果物の刺さったビーチドリンク。
「いやはや、熱に浮かされてか少々買いすぎてしまったのである」
「でも、お腹がすきましたし。このぐらいなら平らげてしまいそうですね」
「ふたりで分ければちょうどいい量になろう。では、乾杯である」
「はい、乾杯です」
 ふたりはドリンクのグラスをかちんと鳴らすと、ストローを差してジュースを楽しんだ。
 ほとんど動いてないとはいえ、この気候に身を置けば当然汗はかくもの。
 火照った身体に冷たいドリンクが染み渡り、とても心地よい。
「ああ、そうそう……誕生日のプレゼントの感謝を忘れていたのである」
「そんな……ジニアは日頃の感謝をお伝えしたまでですよ」
 謙遜するジニアに、九雀は肩を揺らして笑った。
「誕生日は、オレにとってさほど意味を持たぬ。が、その上で祝ってくれるその心意気が嬉しかったのだ。だから礼を直接伝えたくてな。手紙をくれて、ありがとう。ジニアちゃん」
「……そういうことであれば、こちらこそです」
 ジニアはにこりと微笑み、よく焼けたたこ焼きをぱくりと食べた。
「ん。これ、とても美味しいですよ葛籠雄さん」
「ほう、どれどれ……ここなら人気もないし問題あるまい」
 九雀はマスクをずらし、もぐりと一口。そしてなるほどと頷いた。
「やはりこういった食べ物は、現地で食べてこそであるなあ」
「夏の風物詩、というやつですね。室内で食べたらこうはいきません」
 夕暮れの浜辺にあがる妖怪花火は、きっとカラフルで綺麗なのだろう。
 しかしビーチというものは、晴れ渡った昼の空の下でもとても魅力的なもの。
 隣に信頼できる相手がいればなおさらだ。ひそやかでなごやかな時間が過ぎる。
「これからも、平穏な夏が続けばよいのであるが」
「そうするために戦うのも、ジニアたちの使命ではないですか?」
「……違いないのである」
 戦いの合間の日常を、ふたりはしばし静かな波音の中で楽しんだ――。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

千桜・エリシャ
【甘くない】
いくら待っても現れないジンさんにいらいら
待ち合わせしましたのに…って!?
あなた!何してますの!?
私を置いて一人で楽しんで…
せっかく素敵な水着を仕立てていただきましたのに…
何か言うことはないのかしら?
きゃー!?ちょ、ちょっと!破廉恥ですわ!
…!
はぁ…まあいいですわ
そのさーふぃんとやらをやりましょう?
二人乗りくらいできるでしょう?教えてくださる?
私を置いていった分、ちゃんと楽しませてくださいまし!

さーふぃんを堪能したならばジンさんの手を引いて
さあ、次は私の番ですからね?
そちらの我儘を聴いたのですから
次は花火を見に行きましょう!
ち、ちが…!まあ、ご飯も食べたいですけれど…
お腹がぐぅと鳴る


ジン・エラー
【甘くない】
待ち合わせそっちのけでサーフィンを楽しむ聖者
さァ~~~~!!波がオレを乗せやがるぜェ~~~~~~!!!
ア?おォ~~~~、遅かったなァ~~~~エリシャァ~~~~~!
何ってお前、見てわかンねェ~~~のか?

言うことォ~~~~??
………へェ~~~この裏ってこォ~~~なってンのか
ギリギリじゃァ~~~ねェ~~~かよォ~~~~!!ウッヒェヒッヒャラハッハ!!!
わァ~~~ったわァ~~~った、水着のお前も綺麗だよ
これでいいか?

ノリがいィ~~ンだか悪いンだかなァ~~~~
手取り足取り教えてやンよォ~~~~

お前は花火より飯だろォ~~~!!ビャッヒャッヒャヒヒャ!!!


●聖者と寵姫の夏休み
「…………おかしいですわ」
 ビーチの一角、それは見事な水着に身を包んだ美女が苛立たしげに立っていた。
 誰であろう千桜・エリシャは、ジン・エラーと待ち合わせをしていた……の、だが。
「もう待ち合わせ時間を1時間は過ぎてるではないですの……!!」
 時計を何度も見、たむたむと砂を踏みしめる。
 ジンがいつまで経っても来ないようだ。それでご立腹というわけらしい。
「はぁ、まったくどこで何をして――」
「イィイイヤッホォオオオオオオウ!!」
「は?」
 そのジンの超楽しそうな声に、エリシャは顔を上げ、ぽかんとした。

 ――サーフィンである。
「波がオレを乗せやがるぜェ~~~~~!! ビッグウェーブはオレのもんだァ~~~~!!」
 エメラルド色の波に乗り、そのジンが超楽しそうにサーフィンをしていた。
「なかなかやるじゃねェかァ~~~!! ここまでオレを愉快にさせるとはなァ~~~!!」
「……ジンさん」
「だがまだ足りねェ、もっとビッグウェーブが来る予感がするぜェ~~~!!」
「ちょっと! ジンさん!!!」
「あン?」
 ざぱーん! と波が砕けると、そこにエリシャが立っていた。
「あなた! 何してますの!?」
「見りゃわかンだろォ? サーフィンだよ。ヒーローズアースでやっただろォ~~~?」
「私はやってません……というかそうではなく!! 何か言うことは!?」
「遅かったなァ~~~」
「あーなーたーねぇー!?」
 ぷんすこ怒り散らすエリシャに、爆笑しながら笑い転げるジン。
 まったく悪びれていなかった。なんなら待ち合わせを忘れて玉である。
「せっかく素敵な水着を仕立てていただきましたのに……」
「へェ~~~この裏ってこォ~~~なってンのか、ギリギリじゃァ~~~ねェ~~~かよォ~~~!!」
「って、きゃーっ!? ちょ、ちょっと! 破廉恥ですわ!?」
「ウッヒェヒッヒャラハッハ!!!」
「この、本当に怒り――」
「わァ~~~~ったわァ~~~った」
 ジンはよっこいせと立ち上がる。
「水着のお前も綺麗だよ」
「……っ!」
「これでいいか? ン?」
「……ふ、ふんっ! ま、まあいいですわ」
「チョロいなァ~~~こいつ~~~(チョロいなァ~~~こいつ~~~)」
「今何か言いました!?!?」
 なんだかんだ機嫌を直すあたり、わりとチョロかった。

 とまあそれはさておいて。
「まずはその「さーふぃん」とやらを、私に教えなさい!」
 と、拗ねたままのエリシャは言った。
「アァ~~~? ノリがいいンだか悪いンだかよォ~~~」
「いーいーかーら! 二人乗りくらい出来るでしょう?
 それに私は置いていかれてたのですから、そのぶん楽しまないと損ですわ!」
「はいはい、手取り足取り教えてやンよォ~~~」
「そのあとは花火ですわよ、いいですわね? 私のわがままを聞くように」
「あァ~~~? お前は花火より飯だろォ~~~?」
「なっ!」
 エリシャは反論しようとしたが、その彼女自身の腹の虫が「ぐぅ~~~」と大きな音を鳴らし、声を遮ってしまった。
「……っ!」
「ヒャッヒャヒャヒヒャ!!」
「い、い、いいから! まずはさーふぃんですわ!!」
「へいへい、終わったら昼飯だなァ~~!!」
「いちいち大声で言わなくていいですわーっ!!」
 残念ながら、エリシャがジンを引っ張り回すというわけにはいかないようである。
 しかしなんだかんだ妖怪花火も出店も楽しんだエリシャは、最終的にはご機嫌になったとか、ならなかったとか。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

栗花落・澪
【龍狼師団/7人】


水着:月の女神

うぅー、ううぅー…
ほんとに出なきゃだめぇ…?

紫崎君の後ろに隠れかつ片手で鉄馬君の腕引っ張って傍に寄せ
けれど紫崎君に軽く抱えられ前に出され

ふえぇ~!!
自分で歩く!歩けるからぁ!!

座らされたら少しそわそわとしつつ
皆の気遣いも、気持ちも、全部わかるから
目の前に置かれたサンデーを見てぱぁっと笑顔を見せ

えっ、ほんとに…食べてもいいの?
やったー!ありがとう夏輝君!
皆もありがとー♪

え、なに?
ごめん聞いてなかった(もぐもぐ

え、こ、この格好で撮るの…!?
ちょ、し、紫崎君僕の前に
ふええぇ~…!!

夏輝君にホールドされたら流石に逃げられないのでもじもじピース
もー、今回だけだからねっ?


栗花落・深香
【龍狼師団】
水着:太陽の女神

宗田君に抱えられた可愛い弟の姿を見てふふっと微笑み
可愛いわよぉ、澪
似合ってるから自信もって♪

あらありがとう、王子様
ほら、澪もいらっしゃい

自分の隣に澪を座らせ
うふふ、私も可愛い弟が認められたみたいで誇らしいわ

嬉しそうな澪を見ると私も嬉しくなるから

一緒に食べましょ
リンゴは澪に譲ってあげるわね
それにしても…貴方達も本当に似合うわねぇ、星の王子様
このテーマ選んで正解だったわぁ

あらぁ、だって私達の護衛兼王子様でしょう?
信頼してるのよ
ね、澪♪

あらぁ、写真?いいわねぇ
ほら澪、ピースよ、ピース♪

澪に寄り添い反対の手でピースを作りながら満面の笑顔を
夏輝君、後で現像よろしくねぇ


紫崎・宗田
【龍狼師団】
水着:全員今年の。星の王子

お前いつまで隠れてんだよ
全員水着デザイン知ってんだから今更だろ

後ろに隠れ続けるチビ(澪)に呆れ
鉄馬の声掛けを合図に唐突に振り返り小さい体を抱き上げ
全員の前に大公開

ほれ、姉さんに呼ばれてんぞ、女神様

そのまま深香の隣の席に降ろし
以降は暫く澪の隣位置に立ちやり取りを見守っていたが
深香の言葉に息を吐き

小林達はともかく…俺と鉄馬は元ヤンだぞ
王子なんて柄じゃねぇだろ
まぁ…大分楽ではあるが
堺の水着着ろって言われたらマジで無理だわ

とりあえず、帰ったら俺らで飯作ってやっから
お前は一日休んでろ

写真はどうせ小林の隣は金子だろうし
俺は深香側の一番端で軽く仁王立ち
めんどくせぇ


不知火・鉄馬
【龍狼師団】
水着:
元ヤンらしく少し着崩しつつクールさも保ったイメージの
星の王子合わせでお任せ

宗田とは幼馴染のため互いに名前呼びだが
その他は澪、深香以外苗字呼び
※宗田も同様


高身長二人揃って隠れ蓑に任命され
捕まってない方の手で軽く頭を掻きつつ

このメンバーには流石に勝てねぇだろ
潔く諦めとけ
おい宗田

宗田の隣に並んで暫く傍観しつつ
まぁ…俺はともかく、宗田は特にそうだろうな
コイツ単純なお洒落にすら興味無ェのに
とはいえ宗田のは大分ワイルドな部類になってるとは思うが

写真は宗田の隣で適当に
お前、たまにはピースでも決めてやれば?
写真にすると俺ら浮くぜ?

言うだけ言うも自分も片手を腰に添えるのみ
宗田の返答には苦笑を


堺・晃
【龍狼師団】
水着:星の王子

夏輝君を手伝い浜辺に休憩出来る場所を設置

まぁ…大丈夫でしょう
流石にあの額ではあれもこれも買えませんよ
多少のおまけは着いてくるかもしれませんが

ところで良かったんです?
空の散歩なんて、滅多に無い機会でしょう
あぁ、なるほど
それならまた別の機会に改めて、ですね

さぁ、準備が出来ましたよ
どうぞお座りください、女神様

2人を座らせたら一歩引いたところで見守りつつ

おやおや、宗田君ならこういう水着も案外似合うと思いますがね
ギャップで

深香さんの信頼の言葉には苦笑を
…誰も深香さんには叶いませんね

写真はそのまま深香さんの隣で高さを合わせるように屈みましょう
今回の主役は、彼女達でなければね


金子・諒太
【龍狼師団】
水着:星の王子

僕は、夏輝に言われたから、一人で買い出し
あ、お金は勿論夏輝のだぞ
美味しそうなもの、いっぱいだ…お腹鳴りそう…
でも、色々は買えないなー

とりあえず、ノンアルコールカクテル(夏輝の水着絵参照)と
サンデー(僕の水着絵参照)を買う
あ、カクテルは、ストロー二つ、お願いします

皆のところへ戻り
買ってきたものを、深香姉と澪の前に

ほい、これ、夏輝の驕りだってー
いいなー、夏輝ぃ、僕にもなんか奢れよー
お腹空いたよー

僕も入賞したー

後で奢ってくれるって言質取ったから、満足
楽しみだなー

え、写真?
ちょ、先に行くなよ夏輝ぃー!

えっほえっほと走って
タイマーギリギリに夏輝の隣に滑り込み
…ちゃんと映った?


小林・夏輝
【龍狼師団】
水着:星の王子

後ろで澪達がわちゃわちゃしてる間に
晃と浜辺にパラソルや女神様達を迎えるためのテーブル、イスを設置

諒太のやつ、ちゃんと頼んだやつ”だけ”買えてっかな…
いやオマケ付いてる時点でダメなやつー

あー、俺前一回澪と経験してるからさ
花火触る程度だけど
お、諒太お帰りー

ばーか、これはお祝いなんだから諒太は我慢しろっての
澪、3年連続入賞達成おめでとう
あと部門2冠もな
保護者としては誇らしいぞっ
あ、勿論お姉様も食ってくれな

あーもうお前の奢りは後!
それより写真撮ろうぜ!
ほらほら澪もー

持ち込んだ組み立て式の三脚にタイマーをセットしたカメラを設置し
自分は澪の隣で肩を組み満面笑顔でピース☆


●龍狼師団の夏休み
「うぅー……ううぅー」
 栗花落・澪は、紫崎・宗田の長身の影でもじもじしていた。
「お前、いつまで隠れてんだよ」
「でもぉ……ほんとに出なきゃだめぇ……?」
「全員水着デザイン知ってんだからいまさらだろ? ったく」
 宗田はいつまでも恥ずかしがる澪に呆れた。
 そんな彼の水着は、海賊めいた荒々しいスタイルに、星を散りばめたような不思議なストールがアクセントの「星の王子」だ。
 実はこれは、彼ら『龍狼師団』の仲間たちで合わせて考えた、今年の水着のテーマに一貫している。
 その証拠に、澪にぐいぐいと引っ張られて隠れ蓑に任命させられた不知火・鉄馬も、おとぎ話の王子様が着る礼服を夏らしくラフにした上で、随所に星のモチーフと天体模様を散りばめた凝った水着である。
「このメンバーにはさすがに勝てねぇだろ……潔く諦めとけ」
 鉄馬は澪に掴まれていない方の手で頭をかきつつ、嘆息した。

 このメンバーというのは、主に澪の水着お披露目を楽しみにしている澪の姉、栗花落・深香のことだろう。
 彼女の水着は澪と対になった「太陽の女神」をモチーフにしたもの。
「ふふっ、いつまでもぐずって可愛いわねぇ……でもそろそろきちんと見せてほしいわ?」
 そう言って深香がちらりと目配せすると、「隠れ蓑」ふたりは互いに視線を交わしふぅ、と嘆息する。
「おい宗田」
「おう」
「「せーの!」」
「え……うわっ!?」
 宗田と鉄馬は同時に澪の身体を抱え上げ、ぐいと前に押し出した。
「月の女神」をモチーフとした、完全に女性的な水着姿が露わとなる。
「ふえぇ~!?」
「あらありがとう、王子様。可愛いわよぉ、澪。似合ってるから自信持って♪」
「う、うううう……!」
 姉に褒められ、澪は気恥ずかしさでどうしていいやらわからない。
 宗田と鉄馬はもう一度顔を見合わせて頷くと、それぞれ澪の脇の下に手を差し込んで、彼の男とは思えない華奢な身体を抱き上げた。
「ほれ、姉さんに呼ばれてんぞ、女神様」
「いつまでももじもじしてんじゃねぇよ澪」
「わ、わわ……! 自分で歩く! 歩けるからぁ!!」
「ほら、澪。いらっしゃい」
 澪は観念して深香のもとまで歩き出したが、まだ気恥ずかしそうである。

 ところでそんな騒ぎを尻目に、休憩所の設営を急ぐ少年がふたり。
「"女神様"たちは騒がしく遊んでるねー」
「いいじゃないですか。楽しそうですし」
 小林・夏輝の言葉に、堺・晃はくすりと笑った。
 4人がじゃれあっている隙に、パラソルやビーチチェアといったものを設営する。
 これも"女神様"たちのためのものだ。なかなか甲斐甲斐しい従者たちである。
「まああっちはいいんだけどさー」
「何か心配事でも?」
「……いや諒太のやつがさ、買い出しきちんと出来るかなって」
「ああ……そのことですか」
 どうやら夏輝は、買い出しに行かせた金子・諒太のことが気になるらしい。
「あいつ、ちゃんと頼んだやつ"だけ買えてっかなー」
「まぁ……大丈夫でしょう。さすがにあの額ではあれもこれも買えませんよ」
「たしかにそれを見越してお金は渡したけどさぁ」
「多少のおまけはついてくるかもしれませんけどね」
「いやオマケついてる時点でダメなやつー」

 ……で、その諒太が実際どうなのかというと。
「えーと、ノンアルコールカクテルと、サンデーと……」
 飲み物を買ったところで、諒太は指折りしつつメモを確認していた。
 カクテルにはきちんとストローがふたつささっている。ここまでは完璧だ。
「あとは焼きそばにかき氷に……」
 ……きちんとメモに従ってはいるのだが、ちらちら足を止めて出店を見る。
 あちこちからじゅうじゅうといい音、いい匂いがして、諒太を誘惑していた。
「あの出店、美味しそう……ていうかどこも美味しそうなのでいっぱいだぁ」
 ここはパラダイス? いや、もしかしたら失楽園めいた禁断の園かもしれない。
 その証拠に、諒太は財布をぱかりと開けて、はぁとため息をついた。
 夏輝の渡したお金は、目的の品々を買い揃えて多少余る程度。
 つまみ食いがてらに買うとしても、あれもこれもというわけにはいかない。
「色々とは買えないなー……でも美味しそう、お腹鳴りそう……」
 諒太ははっと我に返り、微妙に口からはみ出ていた涎をぬぐった。
「我慢我慢、さすがに夏輝のお金使ったら大変だし……!」
 どうやら自制心はかろうじて働いたらしい。諒太、えらい子である。
「……あ、そうだ! これ夏輝の奢りなんだし、みんなの前でその話して僕も奢ってくれるよう頼んだら、いけるんじゃないかなー」
 と思ったら、割と悪知恵は働くようだ。

 そんな諒太のけなげな(?)働きも知らない晃と夏輝。
「そういえば、よかったんです?」
「ん、何が?」
「空の散歩。めったに無い機会でしょう?」
「あー……」
 夏輝はパラソルをどすりと砂浜に突き刺しつつ、笑った。
「俺、前一回澪と経験してるからさ。花火触る程度だけど」
「なるほど。それならまた別の機会に改めて、ですね」
 ちょうどその時、"女神様"たちと"王子様"のふたりがやってきた。
「おっと、準備は出来ましたよ。どうぞお座りください、女神様」
「ありがとう。澪はこっちよ?」
「う、うん……」
 深香に促され、澪はおずおずとビーチチェアに腰掛ける。
 そんなふたりからやや離れ、様子を見守る"王子様"ふたりと晃、そして夏輝。
 まるで地上にお忍びで遊びにやってきた女神の、護衛のような光景だ。
「ねえ王子様たち、もう少し近くに寄ってきてもいいんじゃない?」
「……小林たちはともかく、俺と鉄馬は元ヤンだぞ。王子なんて柄じゃねぇよ」
 深香のからかい言葉に、宗田は嘆息した。
「そうそう。俺はともかく、宗田は特にそうだろ」
「おい、それどういう意味だ?」
「お前は単純なオシャレにすら興味ねェじゃねぇか」
「それは……まあ、そうだけどよ」
 宗田、鉄馬の言葉にごにょごにょと黙ってしまう。
「いやまあ実際、堺の水着着ろって言われたらさすがに俺は無理だな」
「そこは俺もそうだぜ。似合うとかじゃなくてこう、品格っつーの?」
「おやおや、ふたりとも不思議なことを言いますねえ」
 うんうん頷き合う鉄馬と宗田に、晃は驚いてみせた。
「こういう水着、案外似合うと思いますけどね?」
「案外っていう言葉が出てくる時点でもう無理だっつってんだよ」
 宗田はぎゃんぎゃん言い返した。
「いやほら、世の中ギャップというものがありますし」
「それつまり着こなせてねえってことじゃねえか……」
 鉄馬は呆れて嘆息した。晃はくすくすと笑う。

「おーいみんなー、買ってきたよ―」
 そんなところへ、買い出しを終えた諒太が帰還した。
「お、諒太おかえりー。買い食いしてないだろうな?」
「してないってば、ちゃんと僕我慢したんだからさぁ」
 夏輝の言葉に唇を尖らせつつ、諒太は品物を配置していく。
「……これは?」
「夏輝の奢りだってー。いいなー」
 きょとんとしていた澪だが、サンデーと手渡されるとぱあっと表情を明るくする。
「ほんとに? 食べてもいいの?」
「もちろん。お姉様も食ってくれな」」
「やったー! ありがとう夏輝君!」
「ふふっ、ありがとう」
 笑顔でさっそく堪能しはじめる女神のふたり。
「僕も食べたいんだけどなー……」
「ばーか、これはお祝いなんだから諒太は我慢しろっての。
 ……というわけで澪、三年連続入賞達成と、部門2冠おめでとう!」
「えへへ、ありがとう! みんなも!」
 澪が笑顔で感謝を述べると、王子様たちはそれぞれに笑みを浮かべた。
「つっても俺ら、大したことはしてねぇけどな」
 と鉄馬が言うと、深香がくすりと笑った。
「あら、してるじゃない。よく似合ってるわよ? 王子様たち♪
 本当にこのテーマ選んで正解だったわぁ、私も可愛い弟が認められて誇らしいし」
「だとさ」
「誰も深香さんには叶いませんね」
 肩をすくめる宗田に同調し、晃は困ったような笑みを浮かべた。

「ところでさー夏輝ぃ、僕にもなんか奢れよー僕も入賞したぞー」
「あーもうお前の奢りはあと! ほら、それより写真撮ろうぜ!」
「やったー、言質取ったぞー!」
「え、写真?」
 きょとんとする澪をよそに、夏輝あてきぱきとカメラを設置する。
「ほら皆も並べよ、受賞記念ってことでさ!」
「お前、たまにはピースでも決めれば?」
「やめろやめろ。俺らなんざ後ろで仁王立ちしてりゃいいんだっつーの」
 鉄馬のからかいにうんざりとした顔を向けつつ、宗田は面倒くさそうに仁王立ち。
 写真はちょうど栗花落姉弟を中心になるようにセットアップされた。
「今日の主役は、おふたりでなければいけませんからね」
「ちょ、待って紫崎君、僕の前に!」
「もう動きたくねえ。諦めろ」
「ふええぇ~……!!」
「いまさら恥ずかしがるなって! よっと!」
 もじもじする澪の隣に来た夏輝は肩を組み、満面笑顔でピースをした。
「も、もぉ~、今回だけだからね!」
「はいはい。ほら、シャッターそろそろ切られるぜ~!」
「えっほ、えっほ……!」
 急いで夏輝の隣に回り込む諒太。一方、反対側では澪に寄り添った深香がピースを作る。
「ほら、澪もピースよ、ピース♪」
「うぅ、わかったよぉ……」
 恥じらい顔の澪がピースした瞬間、ぱしゃりといい音がした。

 笑顔の者もいれば、ぶっきらぼうに無表情なヤンキーたちもいる。
 なんともちぐはぐだが、それもまた彼ららしいというべきなのだろう。
 現像された写真は、彼らにとっていい夏の思い出になったようだ。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

アン・カルド
【書庫組】

…妖怪って賑やかなもの好きだよねぇ。ま、僕も嫌いじゃないけどねそういうのは。
しかし…打ち上げる方の妖怪花火はともかく手持ちの花火もなかなか愉快なのが揃ってるじゃあないか。
これは鬼火が飛んでくるやつ…これは鬼火が憑りつくやつ…これは鬼火を噴射するやつ…これも鬼火あれも鬼火、鬼火専門店?
面白そうだし全部買って行こう。

…さて、お楽しみの打ち上げ妖怪花火なんだけれども。
…なんだか2人えらいことなってるなぁ、本当に飛んで大丈夫なやつ?
僕、この中で一番ひ弱な自信があるんだけども…
ええいままよ、ぽろっと落ちそうになったら誰か助けてくれるはず…

あ、メルヴォルド君見つけた…ちょっと手を振っちゃえ。


ゴロウザエモン・サンモト
【書庫組】
夏休みでございます!
しかもお友達と一緒に遊ぶ夏休みでございます!
どーだ百鬼ども!我にもお友達がいるのであるぞ!…ごほん。

さて色々できるようでございますが…皆様と空中散歩!やはりメインは外せないのでございます!
あっ!皆で手持ち花火をやるというのはいいアイデアでございますね!
手持ち花火を買うついでに出店を見て回るというのも楽しそうでございます!

空中散歩は…これよく考えたら花火と一緒に打ち上げられるって大丈夫なのでございましょうか?
これって妖怪たちが丈夫だから成立しているだけなのでは…。
あっ!待って!やっぱり私もロラン様たちと一緒にアルターギア様にうおああああああああああっっ!!?!?!


二條・心春
【書庫組】
ビーチに屋台、それに特別な打ち上げ花火まであるなんて、とても豪華です。今日は目一杯楽しみましょうね!

まずは屋台を見て回るんですね。何か変わった手持ち花火があれば買って試してみようかな。

打ち上げ花火と一緒に打ち上げられる?……それは楽しそうですね!せっかくですから高く飛びたいところです……!
なぜかローザさんのは普通のとちょっと違う気がしますが、大丈夫でしょうか……?アウラさんも、あっ……。

打ち上げられてそのまま花火に乗れば、空中散歩ができる、と。こんなに近くで、皆さんと花火を見れるなんて思ってもみませんでした。ロランさんが作ってくれた特製花火もよく見えます。ふふ、ここは特等席ですね。


夜刀神・鏡介
【書庫組】
カクリヨの夏……割と変わった所はあるが、概ね見慣れた花火大会ではあるのかな
なんにせよ、皆と一緒ならこれも面白い

さて、楽しむ為には腹ごしらえも必要だろう
花火の調達は皆に任せて、幾つか食べられる物を買ってこよう
祭りの定番と言えばたこ焼きに焼きそば……他にも何か面白いものがあれば買うか

それにしても、花火と共に打ち上げられるというのが文字通りとは恐れ入った
若干楽しそうだというのは否定しないけど、先に打ち上げられたローザとアウラが大変な事になっている……
俺は追いかけるように打ち上げられて、堅実に着地しよう
しかし、上から見ても下から見ても花火とは。本当に贅沢な光景だよな
この光景は、きっと忘れない


メノン・メルヴォルド
【書庫組】


妖怪花火、とても面白そうなのよ
ワクワクしちゃう

皆と一緒に、出店でお買い物するのは賑やかで楽しいの
ワタシは…この色が変わる手持ち花火にしよう、かしら?
煙が出るのもあるの?(迷いつつ
えと…ん、全部買う、ね

ぽーんっと空へ
すごい、花火がキラキラしていて、とてもキレイ
え、あれはローザちゃん、なの??
大きな声が聴こえてきたけれど…
ええっ、アウラさんまで?

…お2人は大丈夫、かな
心配そうに見上げれば

あら、あれはアルターギア、なのよ
上空の絵や文字を見て手持ち花火を大きく振ってみるね
アンさんが手を振り返してくれて、銀の翼が輝くのも見える
光が溢れているの

ステキな夏休みの想い出
もっといっぱい、増やしたい、な


アウラ・ウェネーフィカ
【書庫組】
ふむ、夏休みと言った概念は良く分からないが……
友人達と過ごす夏の日々、それに祭りというのは心躍るな

しかし色々な屋台があるものだ
焼きそばにたこ焼き、カキ氷、どれも良い香りに見た目で興味を惹かれるな
妖怪が作った花火というのも興味深い、魔法の参考にならないか少し見てみよう
(どれもUCで食べたり操作します)

(妖怪花火の説明を聞いて)
ほぅ、空中散歩
仲間達と空からの景色を見て語らえるとは、中々に乙な……ローザさん!?(※ゴロウザエモンさんの事)
え、大丈夫なのか、あれ
何かローザさんのだけ他と違うような――ほ? 順番?
いや、私は他の花火で……おい待て、離せ!
というか私は自力で飛べ、ほぉおああああ!?


ロラン・ヒュッテンブレナー
【書庫組】
みんなと、夏の思い出作りなの
この花火、妖怪さんなの?
へぇ、色々できるんだね
じゃ、じぃやとマリア(無口な執事&メイド)に手伝ってもらって、
みんなを驚かせるの

アルターギアの各部に花火を設置
シャトルの様に真上に打ち上がるの
みんなの打ち上げ花火より上で待機
落ちそうな人は助けて、みんなの所に連れていくね
間に合えばいいんだけど…

その後は、花火を点火して、空中を機動しながらみんなに見えるように文字やイラストを描くの
ブルーインパルス、ってやつなの

描く文字は「Happy Barthday ローザさん」
絵はケーキがいいかな?
ローザさん(ゴロウザエモン)のお誕生日、近いからね
ちょっとしたサプライズなの


●書庫組の夏休み
 いつもは魔導書庫にこもる面々も、夏となれば外に繰り出さざるを得ない。
 そんなわけでロラン・ヒュッテンブレナー率いる『書庫組』の面々は、まずは妖怪たちの屋台を見て回ることにしたのだが……。

「夏休み、で、ございます……っ!!」
 なにやら、ゴロウザエモン・サンモトが天を仰いで拳をぶるぶる震わせていた。
「しかも、お友達と! 一緒に遊ぶ!! 夏休みでございます!!!」
「……どうしたんだい? やけに張り切っているみたいだけど」
「どーだ百鬼ども! 我にもお友達が……はっ!」
 アン・カルドが訝しげに声をかけると、ゴロウザエモンは我に返った。
「あ、いえ、えっと、ちょっとテンションが上がったと申しますか……」
「ローザさん、みんなと一緒に来れてよほど嬉しかったんですね」
「楽しむのはとてもいいこと、なのよ。ローザちゃんと一緒、嬉しいの」
 二條・心春とメノン・メルヴォルドが屈託なく言うと、ゴロウザエモンはかぁっと赤面した。
 完全に舞い上がっているところを見られた恥ずかしさと、そんな自分を暖かく迎え入れてくれる「友達」の優しさに色々いたたまれなくなったらしい。
「まあまあ、そう落ち込まずに。妖怪って賑やかなもの好きだしねぇ」
「百鬼はともかく私は妖怪ではございませんが!?」
「細かいことは置いといてさ、楽しもうじゃないか。あはは」
 アンは色々アバウトに流した。

 そんな頃、夜刀神・鏡介とアウラ・ウェネーフィカは主に食べ物の屋台を見て回っていた。
「なにやらみんなは他のものに興味津々みたいだったからな、その間に食べるものを調達しておくといい感じだろう」
「夏休みといった概念はよくわからないのだがな……それでも祭りというのは心躍る」
 うんうん、とアウラは頷いた。
「ところで鏡介さん、祭りではどんな食べ物が乙なものなのだろうか?」
 アウラは立ち並ぶ出店がどれも真新しく、また種類も豊富なのでどれにすべきか迷ってしまっているらしい。
「たこ焼き、かき氷、焼きそば……どれもいい香りに見た目で興味をそそられる……!」
「祭りの定番、か。それならたこ焼きと焼きそば……いやイカ焼きや鉄板焼きなんかもアリか……?」
 鏡介はアウラと並んで品定めをしつつ、顎に手をおいてうーんと考えた。
「たしかにどれも魅力的だ……というか、屋台の種類が多くないだろうか」
「なにせカクリヨには、妖怪屋台なるものもあるからな」
 アウラが言っているのは、先のカクリヨファンタズムの戦争でオブリビオン化した戦場のことである。
 もちろんその妖怪屋台も祭りに参加しており、祭りの定番メニュー以外の珍妙な品々までそこらで売られていた。
 たとえば鍋、酒、ロシア料理、カレー、デパ地下スイーツなどなど。
「……祭りという概念に激しく違和感が浮かぶな」
「それに中には、妖怪が作った花火の屋台もあるそうだ」
「そうか、花火の屋台……えっ」
 鏡介は思わずアウラを二度見した。
「ちょっと待った。それじゃあみんなが物色している屋台というのは」
「ああ、その妖怪花火の屋台だ。私も実に興味深い、魔法の参考になるかもしれないのでな」
「そういうもの、なのか……?」
「ふむ、ならば実際に食べながら物色するのもいいか……持ち運びも自我を与えれば手間いらずだし」
「食べ物を歩かせるのか? それ、食べる時に気にならないか???」
「気にならないが?」
「ええ……」
 改めて、アウラの変わった感性に引……驚愕する鏡介だった。

 で、その妖怪花火を物色してきたほうの連中はというと。
「……これが、みんなの買ってきた花火の火種なの?」
 なにやら色々準備をしていたらしいロランが、ずらりと並ぶ火種を前に首を傾げた。
「そうだよ。これは鬼火が飛んでくるやつで、これが鬼火が取り憑くやつ、そしてこれが鬼火を噴射するやつで……」
「鬼火ばっかりなの……」
「鬼火専門店があったのだよ。妖怪って本当に不思議だよねぇ」
 にこにこと、いやにやにやと戦利品を誇示するアン。先行き不安である。
「私は手持ち花火を買ってきたのでございます! みんなでぜひやろうと!」
 機嫌を取り戻した、もといペースを取り戻したゴロウザエモンはぐっと拳を握りしめた。
「打ち上げ花火もよろしいですが、やはり夏の風物詩は手持ち花火でございます……!
 今までの夏は百鬼どもと線香花火を分け合っていたゆえ非常に寂しく……」
「そ、それはたしかに物悲しいですね……でも今年はみんないっしょですよ」
 心春は、気落ちするゴロウザエモンの肩にぽんと手をおいた。
 ちなみに手持ち花火を立案したのは彼女であり、ゴロウザエモンは「ぜひやりましょう!!」とだいぶ食い気味に同意した形である。
「それに手持ち花火も色々あるんですよ。色が変わったりするのはもちろん、
 ひとりでに踊りだす人魂花火ですとか、めちゃめちゃ大きい音が出る花火とか」
「えっそれ手持ち花火でございますよね? 大丈夫でございます???」
「売ってるっていうことは(妖怪たちにとっては)大丈夫なんだからいけますよ!」
 こっちもこっちで不安が募る。大丈夫なのかこの花火大会。
「えと……ワタシは、面白そうなの、全部買ってみた……の」
 メノンがおずおずと取り出したのは、煙が盛大に出る火種だとか、打ち上げ花火がぐるんぐるん回転してめちゃめちゃ軌跡を描くものなど、普通なら誰も手を出さないような花火ばかりだった。
「メノンさん、思ったより冒険するタイプだったの」
「み、みんなと一緒なら大丈夫かなって思ったのよ。それに、迷ってしまって……」
 だからって全部買うのはどうなのか。札束で顔を殴る系のムーブである。
 おとなしいように見えるが、メノンもけっこうエキサイティングなのかもしれない。

「ところでぼくはみんなが買い出ししてる間、色々と準備をしてたの」
「「「「準備?」」」」
 なにやら唐突に切り出したメノンの言葉に、4人は首を傾げる。
「具体的に言うと――」
 がしゃん! 突如としてアルターギアを纏うロラン!
「「「「えっ!?」」」」
 そしてアルターギアの各部からシュババババと火花が出る。まさか!?
「「「「ちょ――」」」」
 シュパーン! まるでスペースシャトルめいてまっすぐに撃ち出されるロラン!
 なんとロランは、アルターギアそのものに花火を仕込んでセルフ打ち上げ花火をしてみせたのだ!
 至近距離で炸裂している気がするが、まあそこはそれ。妖怪花火なので安心だ。
「す、すごいでございます! 妖怪花火に勝るとも劣らぬ迫力……!」
「なんだか派手なことになっているな……」
「ほぅ、あれが空中散歩というやつか、興味深い」
 そこへ、食料の買い出しに出ていた鏡介とアウラが戻ってきた。
「あ、アウラさんと鏡介さん、おかえりです」
「ぽーんって空に飛んで、すごいきれいだったのよ」
「そうだねぇ、ところで……誰かあの空中散歩に挑戦してみないかい?」
 アンの言葉に、場が静まり返った。
「えっ、あっいやよく考えたらこれって妖怪だから大丈夫じゃないかと思ったのでございますどうせならロラン様と一緒にアルターギア様にって百鬼どもどこから湧いてきたのだえっあっやめろ筒に私をくくりつけるなおいバカマジでやめろ」
「ローザさんの、なんかおかしい気がするね……」
 見守りつつ手は出さない一同。ギャグの本質を理解していた。
「だから私はアルターギア様にうおおおおおああああああああ!?」
 シュポーン! 妖怪花火で撃ち出されるゴロウザエモン! ドップラー効果で離れていく悲鳴!
「「「「「あー……」」」」」
 ぱぱーん! 空に咲き誇るゴロウザエモンの顔の形の花火! あれっこれ死んでね?
「盛大に散りましたね……」
「盛大に散った、のよ……」
「無茶しやがったねぇ……」
「まさか文字通りとは……」
 心春、メノン、アン、鏡介の4人は、ゴロウザエモンの散り様に敬礼した。
 いやまあ死んでねえけど。空に撃ち出されたのをメノンが回収してるけど。

「ふっ、だがこうして仲間たちと景色を見て語らえるとは……ん?」
 なにやらわらわらと集まってきた妖怪たちがアウラの身体をがっしり掴んだ。
「ほ? 順番? いや、私は他の花火で……おい待て離せそもそも私は自力で飛べほぉおおおあああああ!?」
 シュポーン! 撃ち出されるアウラ! そしてやっぱり空に浮かぶアウラの顔!
「盛大に散りましたね……」
「盛大に散った、のよ……」
「無茶しやがったねぇ……」
「まさか文字通りとは……」
 心春、メノン、アン、鏡介の4人は、アウラの散り様に敬礼した。
 いやまあ死んでねえけど。ゴロウザエモンと一緒に回収されてるけど。
「……これ、本当に飛んで大丈夫なやつなんだろうかね?」
「ロランさんが作ってくれた特製花火みたいですからね……命に別状はないかと」
「なんだかんだ、楽しそう、なのよ! ワタシたちもやってみるの!」
「この流れでそう言えるのはなかなかタフだな……」
 結局4人も、残っていた火種でシュポーン! と打ち上げられることに。
 見た目の派手さに対して意外と打ち上げは安全であり、しかも周囲の風景を楽しむ余裕もある。
 まあ火種が爆ぜるとなぜか4人の顔を遺影めいて空中に描くんだが、そこはそれ。
「みんな、大丈夫なの? そういえばこれ、見てほしいの」
 ロランは自在に空を舞い、空中に花火で模様を描き出してみせた。
「おや、あれは――ケーキ、かな?」
「文字も書かれてますね……なるほど、ハッピーバースデー、ローザさん、と」
 それはちょうど30日に誕生日を迎える、ゴロウザエモンへの祝いの文字だった。
「見事なものだ。これは記念に残るだろうな」
「そうだ! 空中で手持ち花火つけてみたら、きっと楽しいの!」
「いいですね。ローザさんアウラさん、見えてますかー」
 心春はメノンの言葉に頷き、さっそく購入した手持ち花火を点火してみせた。

 ところで、その祝われている当事者であるゴロウザエモンと、あとついでみたいにふっとばされたアウラはというと。
「この火種空中で連続発火してるんでございますが!? 嬉しいのでございますが気持ちが! 気持ちがついていかずアアアアアアーッ!!」
「と、飛べない! なんかもう色々頭が動転してしまって飛べないのだがーッ!?」
 どこぞのスーパーロボットみたいな軌道でジグザグに飛びながら爆発しまくる火種に翻弄されていた。でもダメージとかはないのでごあんしんください。
「ステキな夏休みの思い出、もっといっぱい、増やしたい、な」
「上から見ても下から見ても花火とは、本当に贅沢な光景だ……俺はこの光景を、きっと忘れない」
「ふふ、ここは特等席ですね。ロランさんに感謝です」
「ひ弱な僕でも楽しめるのはいいねぇ……よし、僕も飛んでみようか!」
「一緒に空に模様を描くの!」
「アアアアアアーッ!! ありがとうございますーッ!!」
「ほあああああ!? なぜ空を飛んでいるのに飛べないんだーッ!?」
 ……なんか思い出づくりどころじゃねえふたりがいるのはさておき。
 この賑やかで騒がしい思い出は、彼ら彼女らにとって忘れられない思い出になるだろう。
 ちなみに繰り返すがダメージはない、まったくの無傷なのでごあんしんください。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年08月03日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵