手のひらに星を(作者 ささかまかまだ
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#カクリヨファンタズム  #お祭り2021  #夏休み 


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「こっちこっち! イベントの案内始めるよー!」
 集まってきた猟兵に向け、ぶんぶんと手を振るのは花凪・陽(春告け狐・f11916)だ。
 彼女が浮かべるのはリラックスした笑顔であり、今回の案内が危険ではないことを伝えている。
「カクリヨの妖怪親分達がね、特製の妖怪花火を用意してくれたんだって。大きなビーチもあるし、そこで花火大会をやるよ!」
 そんな説明を続けつつ、陽はグリモアで目的地を映し出す。
 そこにあったのは巨大なビーチ。時刻はすっかり夜のようで、空には星も煌めいていた。

「それから、妖怪花火についてなんだけど……なんとこの花火、一緒に乗って打ち上がることが出来たり、打ち上がった花火の模様の上を歩き回ったり出来るんだよ。だから皆で空まで飛んでいって、キラキラの夜空を散歩したりとかもやれちゃうんだ!」
 妖怪花火は特殊な方法で作られており、一緒に打ち上がったり模様の上に乗ったりしても問題はない。安心安全、不思議妖怪パワー製だ。

「空に輝く星々もね、親分達や妖怪パワーの影響を受けているのか不思議なことになってるみたいなんだよ」
 陽は更にグリモアを操作して、夜空の星をズームにしていく。
 見れば星々の輝きが、妙に近くに感じられるような。
「星の煌めきにも妖力が付与されたみたいでね。煌めきがキラキラ輝く石みたいな感じで、夜空のあちこちに浮遊してるんだ。更にこの石を採取しても、元の星に悪影響はないみたい。つまり……このキラキラ小石は持って帰っても問題がないんだ」
 小石自体は小さな妖力の塊であり、それ自体に何か特別な力がある訳ではないと思われる。
 けれど砂浜で綺麗な貝殻を集めたり、河原で可愛い石を集めるように――夜空で星の石を持ち帰る、というのも乙なものだろう。
「ちょっと季節はズレるけど天の川みたいに星が密集してるところだと、キラキラ石もいっぱい取れるみたいだね。そういうスポットを目指すのもいんじゃないかな」
 夜空中を歩き回って小石を探すもよし、天の川のような場所を目指すもよし。
 勿論ただ空中を散歩したり、ビーチでのんびり花火を見上げるのもいいだろう。
 各々自由に楽しんでほしいと陽は付け加えた。

「という訳で改めて纏めるね。カクリヨの妖怪ビーチで花火大会があって、その花火を使えば夜空まで飛んでいけるし空中散歩も出来るんだ。そして夜空のあちこちに星の煌めきが石になったものが浮いてるから、それを持ち帰っても大丈夫。それ以外にもビーチらしい感じなら、自由に楽しんでいって欲しいな」
 説明を終え、陽は猟兵達へと改めて笑顔を向ける。
「カクリヨらしい不思議な花火大会、皆で楽しんで来てね。それじゃあ、行ってらっしゃい!」


ささかまかまだ
 こんにちは、ささかまかまだです。
 夏休みの思い出に星のお土産はいかがですか。

●『猟兵達の夏休み2021』
 妖怪親分が用意した妖怪花火と共に夜空に繰り出しましょう!
 勿論花火に乗らず、地上から花火を見たり海で泳ぐのもオッケーです。

 また現在、不思議妖怪パワーにより夜空中に『星の煌めきのようなキラキラ小石』が散らばっています。
 大きさは最大で手のひらに収まるくらい、色や形は様々です。
 小さな妖力の塊で特殊な能力はないと思われますが、純粋に綺麗なのでお土産として持ち帰ってもらっても構いません。実際の設定などは自由に決めていただいても大丈夫です。
 こちらからアイテムの発行は行いませんが、当シナリオを元にしたアイテム作成はご自由にどうぞ。

 また、お誘いがあれば陽(f11916)も同行します。話相手が欲しい時などにどうぞ。


 進行状況や募集状況はマスターページに適宜記載していく予定です。
 締め切りの告知もそちらで行っているので確認していただけると幸いです。

 それでは今回もよろしくお願いします。
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第1章 日常 『猟兵達の夏休み2021』

POW妖怪花火で空へGO!
SPD妖怪花火の上で空中散歩
WIZ静かに花火を楽しもう
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


アイン・ツヴァイ
「…妖怪、か」
此方(欧州圏)にも、似たような存在が無くはないが…まぁいい
「日中の気温のせいで、排熱が儘ならない一部の拠点に居るよりは遥かにマシ、か」

行動
別に水に浸るくらいなら問題にもならないこの身体だが、ビーチに居ると失った部下との思い出に浸って動けなくなりそうなので、頭を振って切り替えて、別の場所に。
「…妖怪花火、か」
空に昇った後、一応念動力も展開しておき、落下防止は万全に。
「別に小石を集める趣味がある訳では無いが…」
全天で一番明るい星。
その輝きを持ち帰って、心の支えの一つにした所で
「誰も咎める事はないだろう?」

脳裏に浮かぶ部下達の顔。
何れ程悼んでも泣く事すら叶わぬ鋼の身体。
今は、今だけは。



 カクリヨの特設ビーチは、集まった猟兵達や話を聞きつけた妖怪達により賑わいを見せていた。
 その様子をちらりと見遣り、アイン・ツヴァイ(失いし者・f26129)は息を吐く。
「……妖怪、か」
 自身が生まれ育った欧州にも、似たような存在はいるだろう。なんだか不思議な感じだが悪いことでは決してない。
 それに時刻は夜だ。潮風が頬を撫でれば、不思議と心が落ち着くような感触があった。
 ここなら機械部位の排熱にも支障はないだろう。暑苦しい一部の拠点にいるよりは、此処で静かに夜を過ごそうか。
 そう思ったアインは、改めて海を眺める。
 機械の身体でも海中行動は可能だ。けれど――。
(ここにいると、動けなくなってしまいそうだ)
 思い出すのは、嘗ての部下達と海にいった時のこと。きっとこのまま海を見ていては、その思い出に浸ってしまう。
 ならばどうしようか。砂浜にしっかりと足をつけ、アインは当てもなくカクリヨのビーチを進んでいく。

 散策の途中、ふと目に入ったのは大きな看板だ。
 派手な装飾と共に書かれているのは『妖怪花火体験! 今ならお手軽夜空ツアー!』の文字。
「……妖怪花火、か」
 ビーチにいるよりは、夜空まで飛んでいってしまった方が気も晴れるだろう。
 アインは受付らしき妖怪に声をかけ、早速空へと飛び立つことにした。

 夜空の上に広がっていたのは、きらきらの花火で出来た光の道だ。
 念の為に念動力の足場も展開しつつ、アインも煌めく夜空を眺める。
 花火の道も印象的だが、同じくらい目についたのは――星の煌めきで出来た、小さな石。
 見れば夜空の至る所に煌めく石が浮いている。これもまた不思議だが、決して厭な気分ではない。
(別に小石を集める趣味がある訳では無いが……)
 心の内でそんなことを呟きつつ、アインが手に取ったのは全天で一番明るい星の欠片。
 それを懐にそっと仕舞い、浮かべるのは微かな笑みだ。
「誰も咎める事はないだろう?」
 その呟きも誰かに聞こえることはない。だからこそ、それでいい。

 眼下に広がる海に星空、そして無数の煌めき。
 それを見遣れば思い出すのは部下達の顔だ。
 彼らのことを幾ら悼んでも、鋼の身体では泣くことすら叶わない。
 でも、今は。今だけは。
「……少しくらい、構わないだろう」
 アインの想いに応えるように、周囲の星が眩く――けれど静かに、瞬いた。
大成功 🔵🔵🔵

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。

第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風

そういう花火もいいだろう、ということでな。陰海月が既に乗っとるし。
分かれて乗って、空へ。
陰海月も霹靂も、変わった空の旅を楽しんどるの。わし…『わしら』もじゃが。
なかなかないぞ、花火を伝って歩くの。

ああしかし、近くで見るこの星々もよいものだ。とてもよいものだ。
…陰海月、星の石を取って宝物にするつもりだの。元気なのはいいことだ。


陰海月、一緒に打ち上がる気満々である。星の石は人数分持っていく(六人分)。ぷきゅ
霹靂、『カクリヨってこんな世界なのか…』としみじみ。クエッ
二匹は友達。



 確かな足取りで砂を踏みしめながら、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057は妖怪花火師の元を目指していた。
 現在身体の主導権を握っているのは『侵す者』。武人である彼から見ても、不思議で楽しいカクリヨの海は見ていて飽きの来ないもの。
 そんな彼を先導するように進むのは、ミズクラゲの陰海月とヒポグリフの霹靂だ。
 陰海月はぷきゅぷきゅ鳴きながら元気いっぱい進んでいるし、霹靂も小さく鳴き声を上げつつ初めての幽世を楽しんでいる。
「変わった花火に夜空の旅、か。そういうのもいいものだろう」
 うむうむ、と納得しつつ義透もまた花火の元へ。
 気のいい妖怪に案内され、義透一行は空へと打ち上がる。さてさて、どんな景色が待ち受けているだろう。

「……っと。こんな風になっておるのか」
 花火がぱぁっと開ければ、出来上がるのは光の道だ。その上にしっかりと足をつけ、義透はぐるりと周囲を眺める。
 先行していた陰海月は早速星をつついて楽しんでいるし、霹靂は周囲の景色をしみじみ楽しんでいる様子。
 ならば自分も――いや、『自分達』も楽しもうか。
 義透はそっと一歩を踏み出して、光の道の感触を確かめる。思ったよりはしっかりしていそうだ、
 更に数歩歩いてみれば、見え隠れするのは様々な星の煌めきだった。
 『侵す者』自身も、自分の内にいる他の仲間達も。誰もがその煌めきに息を吐いているような感覚がある。
「……良い光景だな」
 独り言か、あるいは別の仲間へ向けた言葉か。小さく呟かれた言葉は、光の中へと呑まれていく。

 義透は更に花火の道を進み、煌めく星を間近で観察してみることにした。
 空の星々と同じく、一つとして同じ輝きはない。その上で手に届かないはずのものなのに、目の前に淡い光が煌めいているのだ。
「この星々もよいものだ。とてもよいものだ」
 感嘆と共に星々をじーっと眺めていると――ぽんぽん、と陰海月が肩を叩く。
「む? どうした、陰海月」
 そちらの方へと振り向けば、陰海月が六つの石を嬉しそうに掲げている。
 赤、緑、青、黒、そして水色と金。まるで自分達四人と二匹を表したような色合いの、綺麗な星の石だ。
『ぷきゅっ!』
「……成程、これを宝物にするつもりだな。元気なのはいいことだ」
 陰海月から赤色の石を手渡されつつ、義透はゆるりと柔らかな笑みを浮かべる。
 見れば霹靂も金色の石を受け取って、嬉しそうに鳴いていた。
 改めて感じる自分達の絆と、今日見た美しい景色。そのどちらも大切にしようと、義透は密かに思うのだった。
大成功 🔵🔵🔵

夜鳥・藍
SPD
妖怪パワーって便利な言葉ですよね。
でも誰でしたでしょうか、その言葉にある現象に妖怪っぽい名をつけるか科学的な名をつけるかの違いしかないと。

夜空の星々を手に取れる?!やだそんなの参加しないわけないですよ!たくさん集めて暗い部屋に浮かべてみたいわ……。
でも元の星のきらめきが石となったというと、日本の神様の分霊みたいな感じですね。
季節は違いますが、ぜひ真珠星、つまり乙女座α星スピカに似た輝きの石を拾ってみたいです。ぜひとも探します。
UDCでの観測によると、スピカは複数の連星系から成り立っているらしいので、小さくとも連なって真白に輝く小石たちが見つかればとても嬉しいです。



 いやはや、妖怪パワーとは便利な言葉で概念だ。
 でも誰かが言っていた。結局は現象に妖怪っぽい名をつけるか科学的な名をつけるかの違いしかないのだと。
 そんなことを考えつつ、夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)もまたカクリヨのビーチを進む。
 様々な考え事をしていても、彼女の表情からは目的に対するワクワク感が隠せていない。
(夜空の星々を手に取れる、だなんて素敵だもの。参加しないわけないわ……!)
 星々に負けないくらい瞳を輝かせつつ、まずは花火師の元へ。
 さっくり説明を受けたのならば――あとは夜空と星たちが、藍のことを待っている。

 それから数刻。無事に藍は夜空へと降り立ち、輝く花火の道を進み始めた。
「わぁ……」
 思わず感嘆の声が漏れる。いつも見上げている夜空が目の前にあって、星々の煌めきがすぐそばにあって。
 この煌めきを持ち帰り、たくさん集めて暗い部屋に浮かべてみるなんてどうだろう。きっと素敵な光景になるはずだ。
 そう思って手近な欠片に手を伸ばし――そこでふと、藍は考える。
(元の星のきらめきが石となったというと、日本の神様の分霊みたいな感じかしら)
 きらきら輝くこの小石は、偶然が生み出したものだろうか。それとも生まれるべくして生まれたものなのだろうか。
 そんなことを考えつつ、まずは小石をひとつ。手のひらの中に収まっても、石は暖かな光を放っていた。

 こうやって気になるものを手に取っていくのもいいだろうが、せっかくの夜空だ。何か気になるものを探してみようか。
(……真珠星)
 頭の中に浮かんだのは、ひとつの星の名前。
 真珠星、即ちスピカ。おとめ座α星とも呼ばれる、春の夜に輝く星。
 季節は違っていても星空は広い。探せばきっと真珠星のような煌めきもあるはずだ。
 けれど闇雲に探していては時間が勿体ない。藍は今まで得てきた知識を巡らせ、少しずつ必要な情報を集めていく。
(確かUDCでの観測によると、スピカは複数の連星系から成り立っているらしい……のよね)
 ならばきっと、この夜空でもあの星は連なっているはずだ。
 小さくてもいい。それらしき輝きがないかと藍は夜空を進んでいく。
 着込んだ中華風の水着を揺らしつつ夜空を歩く彼女の姿は、どこか仙女のようにも見えた。
 そしてその仙女が見つけ出すのは――。
「……あ、ありました!」
 喜びの声と共に、手の中に収めたのは小さく連なる真白の石だ。
 手にした石を大事に抱え、藍は小さく笑みを浮かべる。
 その笑みは控えめだけれども――何よりも彼女の喜びを示していた。
大成功 🔵🔵🔵

クレア・オルティス
【輝月】
水着:今年の参照

私達羽がなくて飛べないからね
空中散歩は楽しみ
でも花火と一緒に打ち上がるって…大丈夫なのかな
うん…私もしっかりつかまってるね!

うひゃぁ~!
え…も、もう着いたの?
すごい…花火の上だ…!

天の川?もちろん行くよ
差し出された手を取り、未知なる冒険に胸を弾ませる
花火の上を歩くって不思議な感覚だね
夏輝に助けてもらいながら進む
助かるよ

ん、どこいくんだろ?
手渡された青い煌めきに瞳を輝かせ
こんな綺麗な色が私の目と同じなの?
ちょっと照れちゃう
えへへ、ありがと
なんだか私、夏輝から貰ってばかりだね
いつか私にも…お返しさせてね
うん、お気に入りは天の川で
でも…貰ったこの石が一番のお気に入りになるかな


小林・夏輝
【輝月】
水着:今年の参照

クレアと一緒にいざ、空の旅へ!

自力で空中散歩なんて初めてだな
上着くまでしっかり支えてやるよ

着いたぞクレア
ほら、周り見てみ

無数の煌めきに
足場には花火も鮮やかに

クレアさえ良ければだけど
一緒に天の川目指してみようぜ

満面の笑顔で手を差し出す
普通の道とは違うしな
足場が不安定な時はそっと引き上げてやれるように

お、ちょっと待っててな

足場をひょいひょい移動
すぐに戻った時には、小さな青い煌めきを手に
それをそっとクレアの髪に当ててから満足気にクレアの手へ

クレアの目と同じ色
俺ともお揃いだな、なんて

いーよ、気にしなくて
でもそうだな…楽しみにしてる

ちゃんとしたお気に入りは、天の川で一緒に探そうぜ



 夜の砂浜を、二人並んで歩く少年と少女。
 楽しげに先導するのが小林・夏輝(お調子者の珍獣男子・f12219)で、笑みを浮かべつつもどこか緊張しているのがクレア・オルティス(宵闇・f20600)だ。
「空の旅、楽しみだな! 自力で空中散歩なんて初めてだ」
「私達羽がなくて飛べないからね。楽しみだけど……花火と一緒に打ち上がるって、大丈夫なのかな」
 夜空を歩くことは楽しみでも、その道行きはちょっぴり不安。
 そんなクレアに対し、夏輝はニカっとした笑みを返す。
「それなら、上着くまでしっかり支えてやるよ」
「本当? ありがとう、夏輝」
 二人で軽く手を繋いで花火の台まで。気のいい妖怪の説明を受け、そして音が弾けて――。

「うひゃぁ~! す、すごい衝撃……!」
「もう大丈夫だぞクレア。ほら、周り見てみ」
 夏輝が縮こまるクレアの肩をそっと叩けば、彼女もおっかなびっくり目を開く。
 青い瞳に飛び込むのは、きらきら輝く夜の世界だった。
 足元には花火の道、周囲には無数の星々。無事に上空まで辿り着いたのだ。
「え……も、もう着いたの? すごい……花火の上だ……!」
 煌めきに負けないくらいクレアの表情が華やいで、つられて夏輝も楽しげに笑みを浮かべる。
 せっかくのこの景色、もっともっと楽しもうか。
 そこで夏輝が提案したのはこんな意見だ。
「あのさ、クレアさえ良ければだけど一緒に天の川目指してみようぜ。近くにあるみたいだし」
 その言葉にクレアもこくこくと頷き、柔らかな笑みを向ける。
「天の川? もちろん行くよ。楽しみだね」
「おう!」
 せっかくの道行きだ、何かあっては危険だろう。夏輝が満面の笑みと共に手を差し出せば、クレアがそっと握り返す。
 頼もしいエスコートがついてくれれば、未知の場所でも怖くない。
 普段の道とも砂浜とも違う、不思議な空の冒険。果たして何が待っているだろう。

「花火の上を歩くって不思議な感覚だね」
「そうだなぁ。そっちの道、ちょっと花火が少ないみたいだし気をつけて行こう」
 二人は手を取り助け合い、少しずつ道を進んでいく。
 視線の先に見えるのは光の帯。あれがきっと天の川だ。
 けれどその最中――夏輝が見ていたのは別の方向だった。
「お、ちょっと待っててな」
「ん、どこいくんだろ? 大丈夫?」
 少しだけクレアと手を離し、軽い足取りで光の足場を進む夏輝。
 クレアの方はどこか心配そうにその様子を見つめているようだ。
 けれど心配はいらない。進んだ先で少しだけしゃがみ込み、夏輝はすぐにクレアの元へと戻ってきたのだから。

「夏輝、おかえり。どうしたの?」
「じゃーん!」
 笑顔と共に夏輝が翳したのは、小さな青い光だった。
 それをクレアの髪にそっと当て、そして彼女の手の中へと握らせる。その表情は満足げだ。
「わぁ、綺麗……これを見つけてたんだね」
「うん。ほら、クレアの目と同じ色だろ?」
「こんな綺麗な色が同じなの? ちょっと照れちゃうな。でも嬉しい、ありがとう」
 そうやって笑う夏輝の瞳も、同じくらいきらきら輝く青色だ。
「……俺ともお揃いだな、なんて」
「うん、二人でお揃いだね。えへへ、これも嬉しいな」
 瞳と同じ色のきらきらを二人で見つめ、そして一緒に笑い合う。
 二人の表情は、星々に負けないくらい眩しいものだった。

 片手で夏輝の手を握り、反対の手で青いきらきらを掲げて。
 そんなクレアの表情は、やっぱりとってもきらきらだった。
「なんだか私、夏輝から貰ってばかりだね」
「いーよ、気にしなくて。俺がやりたくてやってるんだから」
「ありがとう。でも、いつか私にも……お返しさせてね」
 夏輝から様々なものを貰う度、嬉しくなるのはそこに気持ちが籠もっているからだろう。
 そして今日この時を一緒に過ごしていることだって、何かを貰っていることに変わりはない。
 せっかくの夏に新調した水着を着込んで、二人で星空を冒険して。
 そんな素敵な思い出をくれる友人だからこそ――お返しをしたいと思うのだ。
「……そうだな。そう言ってくれるなら、楽しみにしてる」
「うん、待っててね。それじゃあまずは……天の川で綺麗な石を探してみようかな」
「あ、いいな。ちゃんとしたお気に入りも天の川で一緒に探そうぜ」
 クレアの提案を受け、またしても眩しい笑みを浮かべる夏輝。
 その言葉にクレアも頷き、再びぎゅっと手を握る。
「うん、お気に入りは天の川で。素敵な石が見つかるといいね」
「そうだな。いっぱい見つけていっぱい持って帰ろう!」
 きっと天の川なら、色んな星が待っていてくれるはずだから。
 待ち受ける光景に胸は弾むばかりだけれど、クレアはこっそりこう思う。
(でも……貰ったこの石が一番のお気に入りになるかな)
 これから見つけるきらきらと同じくらい、お揃いの青色が嬉しくて。
 大切な宝物を抱き、少年と少女は星の海を進んでいくのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

アスカ・ユークレース
【ワンダレイ】
花火に乗るなんて滅多にない経験しちゃったわ……さ、星空はこの辺かしら?着いたらロマンチックに星拾いよ!私が狙うのは大きな石。出来れば綺麗に透き通った物が良いですね。この後のルイスとの勝負にも勝ちたいですし

たくさん拾ったら戦利品のお披露目兼交換会。ふむ、ルイスが探してたのはこういうのでしたか……ええ、良いですよ、差し上げましょう。その代わりそちらの石を頂いても?

ところでどちらが良いものを拾えるか競争する約束でしたけど…判定基準と審判どうしましょう?


ルイス・グリッド
【ワンダレイ】
相手を呼ぶ時は名前の左側を呼び捨て

手が届きそうな星空とは言うが、本当に手が届いて星を持って帰れるとは思ってなかった

星空に着いたら星を拾っていく
俺が狙うのは変わった形の物、後は色が鮮やかな物
ここに来る前に勝負をしようと提案したのは俺だ、絶対に勝ちたい
ある程度集めたら交換会、狙っている星をアスカが持っていたら自分の持っている星と交換
それで勝負の話を振られると、そういえば判断基準と審判を決めていなかったと思い出す
誤魔化すように笑いながら今回は引き分けにしようと提案
最後はぐだぐだになってしまったし、後日彼女に何かを奢ろう



 夜空の上に出来上がった花火の道。その上に、二人の猟兵が軽快に降り立った。
「花火に乗るなんて滅多にない経験しちゃったわ……」
 制服風の水着を着込み、そう満足気に呟くのはアスカ・ユークレース(電子の射手・f03928)。
 そんな彼女の隣では、紺の水着で身を包むルイス・グリッド(生者の盾・f26203)の姿があった。
「手が届きそうな星空とは言うが、本当に手が届いて星を持って帰れるとは思ってなかった。本当に……星空まで来たんだな」
 いつも見上げている場所に、不思議な方法で向かって立って。貴重な体験と光景に思わず感嘆の息が漏れる。
 そんなルイスと対照的に、アスカはどこかはしゃいでいるようだ。
「さあ、早速ロマンチックに星拾いに行きましょう!」
「ああ、そうだな。約束もしているし……」
「ええ、ええ。負けませんからね!」
 勢いよく花火の道を駆けるアスカと、慎重に周囲の星々を吟味するルイス。
 二人の在り方はどこか真逆だけど、目指す場所は同じ。
 即ち交わした約束――星拾い勝負を頑張るために!

「どの星も綺麗ですけど……あっ、こっちのも気になります」
 ぴょんぴょんと光の足場を進み、アスカは次々に星の石を手に取っていく。
 色も形も大きさもバラバラな星は、空から見上げるのと同じくらい綺麗だ。
 でもせっかくの勝負なのだから、拾う内容にも拘りたい。例えば――。
「……これなんて良さそうですね」
 アスカが拾い上げたのは、ガラスのように透き通った石だ。纏う輝きは、他の星の光も取り込んできらきらと瞬いている。
 大きさもなかなかのものだ。これなら良い勝負になるだろう。
 けれどせっかくの星空だ。もっと良い石を探してみようか。
「いっぱい拾っても大丈夫なようですし……ふふ、ロマンチックでいいですね」
 ふふりと笑みを零すアスカの顔も、星の光を受けて愛らしく輝いていた。

「これは……どうかな」
 ルイスの方もどんどん星の石を吟味している最中だ。
 『星拾い勝負をしよう』と提案したのは自分自身。それなら絶対に勝ちたいもの。
 散らばる石達はどれも綺麗だけれど、勝負となると――。
「……こういうのはどうだろう」
 ひょい、と右腕で拾い上げたのは五角形の石だ。ちょっと歪だけれど、だからこそ星型にも見えたりする。
 よく見ると所々で色々な光が混ざり合い、独特の色合いを作り上げている。
 地上から見ていたら、こんな星の色合いにも気づくことはなかったかもしれない。
「こんな色になったりもするんだな……綺麗だ」
 星の煌めきは銀の右腕にもきらきらの光を当てて、柔らかく瞬いている。
 こんな体験が出来るのも、きっと今日が特別な日だからだろう。

 それから暫くして、二人は到着地点で合流することにした。
「……という訳で。たくさん拾ってきましたよ」
「ああ、こっちもだ」
 せーので見せ合うのは、拾ってきた沢山の星の石達。
 それぞれの戦利品を覗き込み、それから二人で笑い合って。
「ふむ、ルイスが探してたのはこういうのでしたか……形や色に拘りがある感じ、でしょうか」
「そちらのは綺麗なものが多いな。透明感があるというか……あ、アスカ」
 とある石を目にした時、ルイスが少し身を乗り出す。彼が見つけたのは、どこかマーブル模様にも見える星だ。
「その石、よければ譲ってもらえないだろうか」
「ふむ……ええ、良いですよ、差し上げましょう。その代わりそちらの石を頂いても?」
 アスカが指差したのは、ルイスの懐にある大きな石。手のひらにギリギリ収まりそうなくらい、大きなものだ。
「ああ、構わない。交換しよう」
「ありがとうございます。どれも綺麗で素敵ですね」
 それぞれが拾ってきた石に、それぞれが言葉をかけあう。
 お披露目兼交換会もいいものだ。

 一通り戦果を確認し終えたところで――ふと、アスカが首を傾げた。
「ところで、どちらが良いものを拾えるか競争する約束でしたけど……判定基準と審判どうしましょう?」
「……ああ、そうだ。判断基準と審判を決めていなかったな」
 勝負をする、とは決めていたけれど基準がなければ判定は難しい。
 どっちも素敵だと思う石を見つけたのだから甲乙だってつけ難いのだ。
 だからこそ、ルイスはくすりと苦笑を浮かべアスカの方を見た。
「今回は引き分けにしよう。どちらも良いものを拾ってきた訳だしな」
「そうですね。お土産はたくさん手に入りましたし」
 アスカも小さく笑みを返し、拾ってきた石を愛おしそうにじぃと眺める。
 二人で集めた小石達は、二人で作った星空のようなもの。
 これはこれで良い思い出になるのだ。今日のことはきっと忘れない。
「……だが有耶無耶のぐだぐだのままでは良くないな。今度何か奢ろうか」
「いいんですか? それなら一緒に美味しいものを食べにいきましょう!」
 同時に交わすのは、これからの約束だ。
 地上に戻ってからも、二人の楽しい時間は続いていくのだから。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

ガーネット・グレイローズ
【かんにき】

たまやー?…そうか、確かニホンではそんな声を出すのだったね。
まつりんのいうしゃらしゃらの花火とは、あれかな?
降り注ぐ光の雨みたいだね。
あの白い炎は真琴と杏か。楽しそうな歓声がここまで聞こえてくるよ。
私も打ち上げられてこようかな!
マン太、海でのんびりしていなさい。

【グラビティマスター】で空中を飛び回り、
星の煌めきの石を探しにいくよ。
夜空に咲き乱れる大輪の花…触れても、不思議と熱くない。
牡丹花火の中央に輝く、ピンクゴールドの石発見!

まつりんの見つけた石はタマゴ型か。杏の石は跳ね回って元気だね、
確かにうさぎみたいだ。
真琴のは、花が好きな妖怪の趣味かな。
小太刀も、お気に入りを見つけられた?


木元・杏
【かんにき】
花火に乗れる(そわそわ
一緒に打ち上がり失敗したら空から落ち…る(ぞわっ
ん、真琴のエスコートなら安心
ふふ、白炎さん達もよろしくね
お言葉に甘えて、れっつ、空の上

ぱちぱち夜を彩る花火と共に眺める景色
ん、海面にも花火が映る
まるで足元で花開く光の花は幻想的ね

空の上に着けばお礼を言って

ん、ガーネットそれは何?
星の石?
色んな形があるみたい
わたしはうさぎ形の石を探そう
小さい頃に見た、おかあさんのペンダントの…すごくヘンな形のうさぎ

…んむ?飛び跳ねて逃げていく石、もしや
いた、うさぎ石!
花火の模様を駆けて追いかけ
とうっ!
最後は飛びかかりしっかりホールド

ふふ
ヘンなうさぎ、げっと
皆と石を見せ合いっこしよう


琶咲・真琴
【かんにき】
花火と一緒に打ち上がるなんて
滅多にない経験だよね

そのまま、文字通りの夜空の散歩ができるのもスゴイっ
星の石が取れるのも素敵

アルダワで風鈴などに入れて楽しむお祭りの話を聞いた事があるし
そういう物や小瓶に入れて部屋に飾るのもいいかも


そういえば
杏姉さんは大丈夫かな
一緒に石探ししよー
UCでエスコートするよ

白鷹(氣鷹翔駆)も杏姉さんのサポートよろしく

ボクも飛びながら写真撮ろう

足元に広がる綺麗な風景もパシャリ


お祖父ちゃんとお祖母ちゃんも
姉さん達の石探し手伝うってさ

あ、色んな花の石を発見
桜や撫子、勿忘草もある

持ってきたガラスの小瓶に入るかな?

皆のも綺麗だね

小瓶、まだあるけど使う?


アドリブ歓迎


鈍・小太刀
【かんにき】

花火で打ち上がって星空散歩?
ふーん、なかなか粋じゃないの(うきうきそわそわ)
祭莉んに負けてなんていられない
私も行くわよ、たーまや―♪

そういえば、杏は高い所大丈夫?
エスコートする弟の成長ぶり、お姉ちゃんは嬉しいよ(姉バカ

足場習熟で、並ぶ星の上をトントントン
いざとなれば空中浮遊もあるしへーきへーき♪

次々上がる花火はとても綺麗で
その上を兎の様に跳ね渡る
ガーネット、手を振ったらマン太にも見えるかな、遠すぎる?

色んな形の星の石
お魚さんもあるかな?探してみよう
お祖父ちゃんお祖母ちゃん(真琴の片翼人形達)も手伝ってくれるの?
ありがと
一匹二匹と集めれば
掌のアクアリウムも賑やかに

皆どんなの捕まえた?


木元・祭莉
【かんにき】で来たよー!

打ち上げられ花火かー。
おいらはね、どーんってなったあと、しゃらしゃらしゃらってなる花火がいいなあ♪
(枝垂れ柳がお好み)

じゃあ行くよー、そぉれぇーい!(ずどーん)
うっひゃー♪(しゃらしゃら流れて行く光に)(嬉しそうに笑う)

あ、みんなも来た来た♪ やほー♪
ほら、さっきの花火が石になってるよ!

あ。(拾う)
ほらほら、真ん中にマグマが入った茹で卵が割れかけたみたいな色!
わあ、ほんのりあったかいー。
ほらほら、見て見てー♪(見せ回る)

ウサ石捕まえた?
え、母ちゃんのペンダント?
あれ、父ちゃん作だったよね、前衛芸術みたいなヤツ。

あー、天の川みたいだねぇ。
石もさらさら流れないかなあ♪



 カクリヨの夜はまだまだ長い。妖怪達で賑わうビーチへと、更に賑やかな集団もやってきたようだ。
「花火で打ち上がって星空散歩って話よね? ふーん、なかなか粋じゃないの」
 言葉とは裏腹に、うきうきとそわそわを隠しきれていないのは鈍・小太刀(ある雨の日の猟兵・f12224)だ。
 そんな彼女の前を、楽しそうに進んでいくのは木元・祭莉(マイペースぶらざー・f16554)。
「打ち上げられ花火かー。おいらはね、どーんってなったあと、しゃらしゃらしゃらってなる花火がいいなあ♪」
「それはニホンの文化……なのだろうか。まつりんのいうしゃらしゃらの花火とは、あれかな? 降り注ぐ光の雨みたいだね」
 祭莉の話を聞きながら、ガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)がこくこく頷く。慣れない文化に触れるのも猟兵としての楽しみだろう。
 そんな一行の後ろを少し控えめに、けれどわくわくした様子で進むのは琶咲・真琴(1つの真実に惑う継承者・f08611)だ。
「花火と一緒に打ち上がるなんて滅多にない経験だよね。そのまま文字通りの夜空の散歩をして、星の石が取れるのも素敵でスゴイっ」
 きらきら石を拾ってきたらどうしよう。異世界で見た風鈴飾りのお祭りのように、小物や小瓶に入れて飾ったりしてみようか。
 そうやってわくわくそわそわする一行の最後尾で――木元・杏(シャー・オブ・グローリー・f16565)は小さくぷるぷるそわそわしているようだ。
「花火に乗れる。でも一緒に打ち上がり失敗したら空から落ち……る」
 ぞわり。じんわりを顔を青ざめる杏に気付いたのか、真琴がそちらへと歩み寄ってきた。
「杏姉さん大丈夫? ほら、一緒に石探ししよー」
「ん、真琴のエスコートなら安心。それならお願いするね」
 不安げな杏を支えるように、真琴が生み出したのは暖かなサイキックエナジーだ。
 白炎のような輝きが二人を包み込んだのなら、高い所でもきっと大丈夫。
 そんな二人の様子を振り返り、小太刀がほろりとした表情を浮かべていた。
「エスコートする弟の成長ぶり、お姉ちゃんは嬉しいよ」
「そ、そう? 杏姉さんぷるぷるしてたから、心配で」
「ありがとう、真琴。ふふ、白炎さん達もよろしくね」
 皆が少しずつ準備を整えているのを確認し、ガーネットと祭莉も安堵の笑みを浮かべている。
 せっかくの空の旅だ。皆で力を合わせれば、きっと怖くない。むしろ、とっても楽しい!
「あの白い炎は真琴と杏か。二人一緒なら安心だな。それじゃあ……」
 発射台に向かう直前、ガーネットは少し海の方へと歩を進める。
 一緒に連れてきたオニイトマキエイのマン太にはお留守番を頼もう。
「マン太、海でのんびりしていなさい」
 マン太はのんびり頷いて、ぱしゃぱしゃと海を進んでいく。この子には花火の様子を見届けてもらうのだ。

 それから数刻。
 真っ先に発射台へと辿り着いたのは祭莉だ。係の妖怪に元気いっぱい挨拶して、枝垂れ柳の花火の台にしっかり着席。
 合わせるように仲間達もそれぞれの台に着席し、あとは点火するだけだ!
「みんな準備万端だねー! それじゃあじゃあ行くよー、そぉれぇーい!」
「祭莉んに負けてなんていられないわね。私も行くわよ、たーまや―♪」
 ずどーんと勢いよく発射される祭莉と小太刀に、少し送遅れて飛び立つのはガーネットだ。
「たまやー? ……そうか、確かニホンではそんな声を出すのだったね」
 それじゃあ自分も。たーまやー!
 真琴と杏も幻畏白炎に守ってもらいつつ一緒にたーまやー!
 ひゅるるる、とお馴染みの音がして――そして空に、幾つもの大輪が弾けた。

「うっひゃー♪ しゃらしゃらだねーっ」
 真っ先に夜空へと辿り着いた祭莉が、花火の道を駆け回りつつニコニコ笑う。
 乗ってきた花火が光の雨のように降り注いで、その輝きが空をふわふわ浮いて。
 見たこともない光景にわくわくが止まらない。
 続いてぴょんっ、と光に飛び乗る仲間達に向け、祭莉はぶんぶんと手を振っていた。
「あ、みんなも来た来た♪ やほー♪」
「無事到着ね。ここ、飛び石みたいに飛べるかしら?」
 慣れた足取りでとんとん進みつつ、小太刀はきょろきょろと周囲を眺める。
 夜空を覆い尽くすのは星の煌めきと次々上がる花火達。
 地上を見下ろせば広い広い海だって見える。
「貴重な体験だったな。宇宙空間とはまた違って……」
「あっ、ガーネットちゃんもやっほー♪」
「お疲れ様よ。ほら、ここから海も見えるわ。マン太もいるかな?」
 三人で並んで地上をきょろり。見ればマン太はぷかぷかと海を楽しんでいるようだ。
 そちらに手を振ったりしていれば、白炎に包まれた真琴と杏も無事に空へとやって来た。
「真琴、ありがとう。お陰で安心して来れたよ」
「こちらこそ。あ、皆は海を見てるのかな」
 仲間達に駆け寄りつつ、二人も広がる海を見遣る。
 自分達の近くにも、足元にも、そして海にも。爆ぜる花々は美しく咲いて、夜を鮮やかに彩っていた。
「足元で花開く光の花……幻想的だね」
「うん、すっごく綺麗」
 今しか見れない光景だ。真琴はカメラを取り出すと、周囲の光景を次々に写し取っていく。
 星の石も素敵だけれど、この光景だってきっと宝物になるはずだ。
 杏もその様子を楽しげに見守って、そして再び仲間の元へと進んでいく。
「無事に皆で合流出来たわね」
「夜空も広いからな。迷子にならないように気をつけないと……」
 安堵の笑みを浮かべる小太刀に、年長者らしく皆の様子を気遣うガーネット。
 地上と変わらない仲間の様子に真琴と杏もリラックスしているようだ。
 それなら、ここからは――。
「みんな集まったから、石集めしよー!」
 祭莉が元気いっぱいに声をあげれば、楽しい時間のはじまりだ!

「あ。花火のきらきらも石になってるよ!」
 真っ先に気になる石を見つけたのも祭莉のようだ。
 到着地点にしゃがみこみ、見つけたのは――。
「ほらほら、見て見てー♪」
「ふむ、タマゴ型か」
 ぶんぶん手を振り仲間の元へ駆け寄る祭莉へ、ガーネットが顔を寄せる。
 見れば彼女の身体はふわりと宙に浮いており、夜空捜索モードに入っている様子。
「ほらほら、真ん中にマグマが入った茹で卵が割れかけたみたいな色!」
「独特の表現ね……!」
「花火のきらきらも石になるなんて、不思議」
 小太刀と杏も不思議な石をじーっと見つめ、それから周囲をきょろり。他にはどんな石があるだろう?
 そんな二人の後ろでは、真琴が二体の人形を抱えていた。
 見れば人形達からは暖かな気配が溢れ、それは人形と同じ男女の形を取っている。
「お祖父ちゃんとお祖母ちゃんも姉さん達の石探し手伝うってさ」
「本当? お祖父ちゃんお祖母ちゃんもありがと」
 人形に宿っていたのは真琴と小太刀の祖父母の霊だ。彼らの手助けもあれば、きっとたくさんの石が探せるはず。

 一行は更に手分けして、夜空を飛び回ることにしたようだ。
「やっぱり宇宙遊泳とは違うな……と」
 仙人のようにふわりと宙を舞い、ガーネットが探すのは綺麗な石だ。
 時折花火の上に着地もしてみるが、触れても不思議と熱くない。
 何度も何度も咲き乱れる大輪の花を眺めるのも、これはこれで楽しいものだ。
 そんな最中、ふと見つけたのは――。
「なるほど、これは愛らしいな」
「ん、ガーネット、それは何?」
 ひょい、と石を拾い上げると同時に、杏がぱたぱたと駆け寄ってくる。
 ガーネットの手元を覗き込めば、そこに収まっていたのはピンクゴールドの星型石だ。
「牡丹花火の輝きから生まれたみたいなんだ。どうかな?」
「ふむふむ……色んな形があるみたいだね」
 夜空に散らばる石は丸っこいのだけではないようだ。それなら何か面白いものは探せないだろうか。
 杏が記憶を手繰り思い出したのは、小さい頃に見た、おかあさんのペンダント。
「うさぎ石、探そうかな」
「ウサ石? えっと、母ちゃんのペンダント?」
 杏の話を小耳に挟み、双子である祭莉がひょっこりと顔を出す。
「そうそう。すごくヘンな形のうさぎ」
「あれ、父ちゃん作だったよね、前衛芸術みたいなヤツ」
 懐かしいなぁ、と思わずニコニコ。性格は違えども、こうやって一緒に笑い合えば杏と祭莉が双子なのはよく分かる。
 そんな二人を優しく見つめていたガーネットだが――ふと、彼女の視界を何かが掠めた。
「む、あれは……?」
「どうしたの、ガーネット?」
「なんかあったー?」
 二人に促され、見ていた方向を指差すガーネット。その視線の先にいたのは……ぴょんぴょん跳ねる小さな石だ!
「もしや……いた、うさぎ石!」
「捕まえよー!」
 元気いっぱい駆けてく木元兄妹。彼らのうさぎ(石)狩りは始まったばかりだ。
「気をつけて行くんだぞー。さて、真琴と小太刀は大丈夫かな?」
 遠のく二人の背中を見送り、ガーネットも自分の進路へ戻るようだ。
 さてさて、ここからは何が見つかるだろう。石探しはまだまだ続く。

 一方真琴と小太刀の姉弟は、祖父母と共に夜空の様々なスポットを巡っていたようだ。
「あ、あっちは花畑みたい。色んな花の石があるよ」
「綺麗ね、行ってみましょう」
 真琴に手を引かれ、踏み入れたのは光の花畑だった。
 そこに咲くのは桜や撫子、勿忘草のような石達。それらを摘むようにそっと引き寄せ、真琴はゆるりと笑みを浮かべる。
「これを、こうやって……」
 からん。持ってきたガラス瓶に花を収めれば、それだけで可愛らしい飾りになるのだ。
 その様子をちらりと一瞥し、小太刀もまた星の密集地へと視線を向ける。
「こっちは……星の湖、かな」
 どこか青みを帯びた光の集まりを覗き込めば、そこに浮遊するのは魚のような石達だ。
 そっと手を光に沈め、そして魚を一匹手のひらへ。
 魚石は手の中に収まっても、優しい光を放っている。
 もう一度手を沈めて、魚を拾って。手のひらに収まる不思議なアクアリウムはどんどん賑やかになっていく。
「姉さん、小瓶使う?」
「そうね、ずっと持っておく訳にもいかないし……ありがとう」
 コトリと小瓶に魚を入れて、しっかりと懐に収めて。帰ったらどんな風に飾ろうか。考えるだけでもワクワクしそうだ。
 孫達が楽しげに石を集めているのを、祖父母も和やかに見つめている。
 けれど見てもらってるだけでは勿体ない。真琴と小太刀は祖父母を手招きし、共に光の中を進んでいく。
「お祖母ちゃんも花の石、摘む?」
「お祖父ちゃん、一緒に魚を集めない?」
 せっかくの思い出だ、皆で作るのがきっと楽しい!
 孫達の誘いを受け、祖父母達もまた光の中へと入っていき――そして、暖かな団欒の時間が続くのだ。

「ああ、二人はここにいたのか」
 光の花畑と湖を楽しむ二人の元へ、ガーネットもまたやって来た。
「あ、ガーネット。見て、皆でこんな石を拾ったの!」
 じゃーん! と小太刀が差し出すのは、幾つもの小瓶に収まる魚達。
 満足げな小太刀の様子を見遣り、ガーネットもにこにこと笑みを浮かべている。
「お気に入りが見つかったみたいだな。真琴は?」
「ボクのは花の石だよ。いっぱい集めたんだ」
 真琴もまた小瓶に収めた花を掲げ、優しくにこにこ。
「花が好きな妖怪の趣味かな。これも綺麗だ」
「お祖父ちゃんお祖母ちゃんと一緒に探したんだよ」
「きらきらで素敵よね……そういえば、杏と祭莉んは?」
 ゆるやかに成果を確認しあっていた一行だが、そういえば木元兄妹はどうしたのだろう。
 ――そう思った瞬間だった。

「待て待てーっ」
「あとちょっと……!」
 聞こえてきたのは二人の声。見れば杏と祭莉は花火の上で、うさぎ石を追い詰めていたのだ……!
 祭莉が逃げ道を塞ぎ、うさぎ石はぴょこぴょこ戸惑っている。そこにすかさず飛び込むのは勿論杏!
「とうっ!」
 ぴょんっ、と飛びつきしっかりホールド。杏の両手の中へ、うさぎ石はひょっこり収まった。
「ふふ。ヘンなうさぎ、げっと」
「やったね!」
 満足げに笑い合う二人の元へ、仲間達もぱたぱたと駆け寄っていく。
「元気いっぱいな石だったみたいだな……そういうのもいるのか」
「すごい、見せて欲しいわ!」
 興味津々なガーネットと小太刀に向け、早速うさぎ石を差し出そうとする杏。
 しかしうさぎはまだまだ元気だ。このままだと逃しちゃうかもしれない。
 そこですかさず、真琴が小さな瓶を差し出した。
「これに入れておけばいいんじゃないかな」
「わぁ、真琴ちゃんナイスだね♪」
「ありがと。これでうさぎ、逃げないね」
 しっかりうさぎ石を捕まえて、ようやく一息。
 そういえば夜空に登ってからそれなりの時間も経った。そろそろ皆、色々な石を見つけた頃合いだろうか。
「皆どんなの捕まえた?」
 真琴に促され、皆はそれぞれの成果を提示していく。

 ガーネットは牡丹花火の星。
 杏はヘンな形の、けれど可愛いうさぎ。
 真琴は色とりどり、種類も様々な花達。
 小太刀は小さな魚達のアクアリウム。
 そして祭莉は立派な花火のたまご。
 皆ばらばらだけど、だからこそその光景は星空のようで。
「あー、天の川みたいだねぇ」
 祭莉が零した言葉に合わせ、皆はその場に石を並べていく。
 本当にきらきらで、天の川みたいだ。
「石もさらさら流れないかなあ♪」
「流れたら、うさぎもまた跳ねるかも」
「魚達は元気に泳いじゃうね」
「花はぷかぷかして綺麗かも……」
「私の石は、皆の石を照らすだろうな」
 そんな光景も、きっと綺麗。
 地上に帰ったら試してみようか。それとも別の並べ方をしてみようか。
 楽しみは尽きないまま、皆の笑顔も夜空に鮮やかに咲いていた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

梟別・玲頼
雪音(f17695)と

水着姿で肩のストールは前で軽く結んで
一瞬でビーチ作るくらいだし、何でも有りだよな…マジで

丸い花火って見る分には平面だけど、実際は球状だもんなぁ
どこから見ても同じまん丸だけど、流石にこんな間近だと迫力あるぜ
本当に不思議だよなぁ…こうして夜空を散歩出来るって
オレはほら、飛べるけど――誰かと人のかたちのままゆっくりなんて、さ

ああ、これが陽の言ってた星の小石
はしゃいで見える雪音が拾い集める様子についつい此方も和み見つめて
え、オレ? いやいや、自分に似合いそうな色のも探しとこうぜ?
そっちの蒼いのとか、乳白色のとか…案外赤いのも映えて雪音に似合いそうじゃね?


御乃森・雪音
玲頼(f28577)と

21年水着で
花火に乗れるって言うのが凄くない?
上から見る花火ってどういう感じなのかしら…ああでも、円型のはそんなに変わり無いわよねぇ
お花の形の上から覗いたり、柳の花火が下がるのを眺めたり
こうやって歩けるなんて不思議だわ、玲頼は飛べるから…ああ、そうね。人の姿のままは無いわよね

歩いていくうちにこつり、とキラキラが一つ爪先に当たって
ねぇねぇ、玲頼、そういえばこれ拾えるんですって
どの色も綺麗…拾っては透かし見て。玲頼はやっぱり…薄緑、黄緑に琥珀色!
玲頼に似合いそうな色を探して色々拾ってみるわ
ふふ、じゃ一つ選んで交換ね、玲頼は…やっぱりこれかしら。橄欖石色の小さいのをはい、と。



 結ったストールをゆらりと揺らし、梟別・玲頼(風詠の琥珀・f28577)は夏の夜風を静かに浴びる。
 眼下に広がるのはどこからどう見ても素敵なビーチ。これを不思議な力で用意したというのだから、妖怪親分というのは凄まじい。
「一瞬でビーチ作るくらいだし、何でも有りだよな……マジで」
「そうね、花火に乗れるって言うのも凄くない? 上から見る花火ってどういう感じなのかしら……」
 同じく人魚のような水着を夜風に揺らしつつ、御乃森・雪音(La diva della rosa blu・f17695)もこくりと頷く。
 二人が立っているのは花火の道。すでに空へと打ち上げられて、広がる光景を楽しんでいたようだ。
「花火といえば……円型のはそんなに変わり無いわよねぇ」
「丸い花火って見る分には平面だけど、実際は球状だもんなぁ。でもどこから見ても同じまん丸だけど、流石にこんな間近だと迫力あるぜ」
 玲頼の言葉通り、眼下でぱっと弾ける花火は大迫力だ。妖力で出来ているためか熱くもないし、打ち上げられた光が次々に道を作り上げるのも面白い。
 立て続けに花開くのは花型花火に、しゃらりと垂れる柳の花火。これも上から見るのは貴重な体験で、そして楽しい。
「こうやって歩けるなんて不思議だわ。でも玲頼は飛べるから、あんまり不思議じゃないかしら」
 雪音は一歩、また一歩と花火の道を進みつつ、玲頼の方へと視線を向ける。
 コタンクルカムイである彼からすれば、空の上を進むことは馴染みのある行為だろう。けれど玲頼は首を振り、そして緩く笑顔を浮かべる。
「オレはほら、飛べるけど――誰かと人のかたちのままゆっくりなんて、さ。本当に不思議だよなぁ……こうして夜空を散歩出来るって」
「ああ、そうね。人の姿のままは無いわよね。せっかくの機会だもの、楽しんでいきましょ」
「そうだな。ゆっくり、進んでいこうか」
 自分の足で道を踏んで、誰かと肩を並べて。そんな空中歩行は、二人共はじめてだ。
 友人同士で気兼ねなく一緒に進めるというのはありがたい。二人は歩調を合わせつつ、次々に夜空を歩いていく。

 暫くは夜空と浜辺、花火の光を楽しんでいた二人だが――ふいに、足元にこつりと何かがぶつかった気がした。
 不思議に思った雪音が足元に視線を向ければ、そこにあったのは小さく輝く星の光だ。
 それをひょいと拾い上げ、掲げてみれば雪音の表情は子供のような笑みへと変わる。
「ねぇねぇ、玲頼、そういえばこれ拾えるんですって」
「ああ、これが陽の言ってた星の小石」
 玲頼も周囲に散らばる光に気付き、そっと手を伸ばしてみる。
 きらきら光る星の石は色んな形があって、色んな色があって、そしてどれも優しく輝いていて。
「沢山拾っても大丈夫なのよね。それなら……」
 軽い足取りで花火の道を跳ねながら、雪音は次々に石を拾い上げていく。
 本物の小石のようなものもあれば、ガラスのように透き通っているものもある。時折上がる花火の輝きに透かしてみれば、きらきらと眩い光を放つのが愛らしい。

 石の輝きに負けないくらい表情を華やがせる雪音を見遣り、玲頼は思わずくすりと微笑んでいた。
(こういう風に、楽しんでいる誰かの姿を見るのは……なんていうか、和むな)
 そんな玲頼の視線に気付いてか気付いていないか、ふいに雪音が彼の方へと歩を進める。
 彼女の手の中には――幾つかの輝く小石が握られていた。
「これ、玲頼に似合うかしら?」
 どうやら彼女が集めていたのは玲頼に似合う色合いの石らしい。
 薄緑、黄緑に琥珀色。どこか自然の色合いに似た、優しい色の石達。
 確かにこの石達は愛らしいが、まさか雪音が自分のための石を探していたとは知らず、玲頼は少し目を丸くしていた。
「え、オレ? いやいや、自分に似合いそうな色のも探しとこうぜ? 拾ってくれたのは嬉しいけどさ」
「あら、そうかしら。うーん、自分に似合うって言われても難しいのよね……」
 雪音が首を傾げて悩むのなら、此方からチョイスしようか。
 玲頼は周囲をざっと見渡し、幾つかの石を手元に収めていく。
「そっちの蒼いのとか、乳白色のとか……案外赤いのも映えて雪音に似合いそうじゃね?」
 よく身にまとう薔薇によく似た色や、いつもとは少し違う色。
 それらの石を拾い上げ、雪音の前に差し出せば――ぱぁっと彼女の表情が輝いた。
「ふふ、素敵。それじゃあ一つ選んで交換しない?」
「なるほど、それは良い提案だ。オレは……せっかくだから、この赤色」
「玲頼は……やっぱりこれかしら。水着とも合うと思うの」
 玲頼が選んだのは、真紅の薔薇を思わせる鮮やかな紅い石。
 雪音が選んだのは、本物の鉱物のように煌めく橄欖石色の石。
 二人でせーので交換しあって、くすりと微笑み合って。
「ありがとう。大事にさせてもらうぜ」
「こちらこそ。良い思い出になったわ」
 一緒に夜空を歩いて、花火を見て、そして宝物を交換し合う。
 忘れられない思い出を胸に、二人は不思議な夜を過ごしていくのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年08月03日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵