悪堕ちナイトメア(作者 雷紋寺音弥
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#ヒーローズアース  #猟書家の侵攻  #猟書家  #カーネル・スコルピオ  #スピリットヒーロー  #悪堕ち  #暴走 


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●悪夢の街の戦い
 どことも知れぬ廃墟と化した街の中。互いに超常の力を駆使しながら相対するのは、人ならざる力を持った二人のヒーロー。
 もっとも、その片方は、既に『元ヒーロー』と呼んだ方が相応しい存在だった。彼女は既に心も体も完全なる悪へと染まり、ヒーローの敵となってしまったのだから。
「ほらほら、どうしたの? あなたは天候を操るのが得意なんじゃなかったのかしら?」
「……ぐっ!! そ、それは……」
 悪の権化と化した女の拳が、褐色の肌をした女性ヒーローの腹へと食い込んだ。ほんの少し殴られただけにも関わらず、彼女は数十メートルも吹き飛ばされ、廃墟と化したビルの壁に激突した。
「うふふ……その様子じゃ、私に倒されるのも時間の問題ね。さあ、あなたも大人しく悪の洗礼を受けて、身も心も邪悪に染まるといいわ」
 そのために、まずはお前の心を折る。そう言って襲い掛かってくる女に対し、ヒーローの女性は何もできないまま殴られ続けるだけだった。

●悪への誘い
「皆を守るはずの正義の味方が、ヴィランになっちゃったか……。でも、そうなったら、もうバシッとやっつけなきゃダメな時だってあるっしょ!」
 物事は割り切りが大事なのだと、猟兵達に告げるパトリシア・パープル(スカンクガール・f03038)。もっとも、意外とサバサバしたところがある彼女だが、人並みの感情は持ち合わせている。元は仲間だった存在と戦うことに対し、心が痛まないはずはない。
「ヒーローズアースで、猟書家の意思を継いだオブリビオンが、スピリットヒーローを狙って動き出したの。特別なユーベルコードでヒーローを眠らせて、悪夢を見せて力を暴走させようってわけね」
 その暴走により、悪夢に登場する存在は、無敵の怪物『スナーク』として現実に具現化することになる。そうなる前に、こちらも夢の中に入って、ヒーローを助けてやれば良いのだが。
「今回、オブリビオンに狙われたのは、ラトゥナ・ラムっていう女の人よ。天候を操るスーパーパワーを持ったスピリットヒーローなんだけど、もうヒーロー稼業からは引退しちゃってるみたいね」
 その超パワーは引退した今も健在だが、彼女には心の中に抱えたトラウマがある。ジャスティス・ウォーの際、まだ幼い少女だった彼女もまた最年少ヒーローの一人として戦っていたのだが、その際に共に戦っていた仲間の一人がヴィランに攫われ、手酷い拷問を受けた上で、洗脳されてしまったのだ。
「要するに、悪堕ちってやつ? 洗脳されたお友達は、脳みそまで弄られて元には戻せなかったから……最後はラトゥナさんと戦って、そのまま死んじゃったのよ」
 その際、死に際に洗脳が解けて記憶が戻ったというのだから、最後まで救いがない。結果、ラトゥナは心に大きな傷を負い、ヒーローを引退せざるを得なくなってしまったという。
「で、そのラトゥナさんの悪夢に現れるのが、『夕闇レディ』っていう悪堕ちした女ヒーローなのよね。昔のトラウマがあるから、ラトゥナさんは悪堕ちした相手に攻撃できなくて、一方的にやられちゃうわ」
 このまま放っておけば、ラトゥナは力を暴走させ、スナークを誕生させてしまうだろう。そうなる前に、こちらもラトゥナの収容されている病院に向かい、夢の中に入って彼女を助けねばならない。
「ラトゥナさんと一緒に戦って、彼女のトラウマを克服させれば、黒幕が姿を現すはずよ。『夕闇レディ』は悪堕ちヒーローだけど、死に際に正義に戻るなんてこともないから、構わずブッ飛ばしてOKってわけ」
 後は、その戦いを通して、ラトゥナが自身のトラウマを克服するきっかけが作れれば問題ない。黒幕のオブリビオンは未だ正体不明だが、なにしろ相手のトラウマを利用するような作戦を立てる敵だ。
 恐らくは、精神攻撃の類が得意なオブリビオンだろう。最後まで心を強く以て挑んで欲しいと言って締めくくり、パトリシアは猟兵達を、ヒーローズアースの病院へと転送した。


雷紋寺音弥
 こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。

 このシナリオは猟書家の幹部シナリオのため、2章で完結する仕様です。
 悪夢に囚われたスピリットヒーローを助け出し、彼女のトラウマを克服させてください。

●第一章
 『夕闇レディ』との戦いです。
 悪堕ちした女ヒーローのオブリビオンですが、説得や記憶操作の類で善人になることはありません。
 下手に情けを見せると、それを利用してラトゥナのトラウマを更に抉るようなことをしてくるため、ラトゥナを鼓舞しつつ問答無用で殴り倒しましょう。

●第二章
 今回の事件を仕組んだ黒幕との戦いになります。
 現時点で正体は不明ですが、精神攻撃の類が得意なオブリビオンであることは間違いありません。

●ラトゥナ・ラム
 天候を操作する能力を持ったスピリットヒーローです。
 かつて、ジャスティス・ウォーの際に、10歳に満たない年齢でヒーローとして戦いに参加。
 その戦いの中、友人でもあったヒーローが悪堕ちし、彼女を自らの手に掛けてしまったことで、心に大きな傷を負ってしまいました。

●プレイングボーナス
 スピリットヒーローにトラウマを克服させる、もしくは共に戦うと、プレイングボーナスが得られます。
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第1章 ボス戦 『夕闇レディ』

POW ●歪んだ正統派格闘術
【悪落ち前に覚えた格闘術】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【癖と装備の弱点】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
SPD ●取り巻きの愚連隊
自身の【身体の使用権】を代償に、【手なずけたチンピラ達】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【悪の組織製の型落ち武器】で戦う。
WIZ ●悪堕ちの接吻
【悪に染まった心】を籠めた【キッス】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【抵抗心】のみを攻撃する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は草柳・華穂です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


多倉・心太
ましろ&ノワールと

この世界はオークの姿でもヒーローと思われるのがいいですねぇ
レディをオークでいたぶって遊びますか
…と思いましたが、ましろちゃん発見

前に彼女を撮影した動画は悪魔に取られたんですよねぇ
新しいのを…あ、心の友のノワールくんが撮ってますね?
じゃあ僕は参加しましょうか…ウヒッ

【異形分身】で普段の姿の僕の分身を出し、モブに紛れてましろちゃんを襲いましょう
ぶっちゅーとキスして、裸にして、胸をペロペロ
脚を広げさせてくぱぁと全部ノワールくんに撮らせて
最後には僕が犯すところまで…ウヒッ

その間オークの本体は、撮影の邪魔にならないように敵を抑えておきますよぉ

ノワールくん、後で僕にも映像くださいねぇ?


高千穂・ましろ
多倉と一緒だにゃ

『ましろ、ヒーローがピンチだにゃ!
今こそ魔法少女の出番だにゃ!』
「ノワール、いつも以上にやる気ですね?」

今回は以前にメアド交換した親友の多倉と協力して、ましろのエロ画像を撮るのにゃ。
多倉の能力は美味しいシチュエーションを撮るのに向いてるからにゃー。

「ラトゥナさん、トラウマなんかに負けないでください!
【エクスプロージョン】……」
『待つにゃ、ましろ!
そんな範囲魔法でチンピラをやっつけたら、トラウマを悪化させてしまうにゃ!』
「ええっ、そんな、どうすればっ!?」

多倉の分身やチンピラたちに抵抗できず、組み敷かれて裸で犯されるましろの様子を魔法で撮影だにゃ。

後で多倉にも映像を渡すにゃ。


●ミイラになったミイラ取り?
 夢の中、廃墟の街で戦う元ヒーロー。その潜在能力こそ兄弟ではあるものの、しかし既に一線を退いて久しい彼女では、とてもではないがオブリビオンと化したヴィランには敵わない。
「ほら、少しは反撃したらどう? それとも、引退して戦い方まで忘れてしまったのかしら?」
「そ、そんなこと……私なんかに、できるわけ……」
 悪堕ちしてヴィランと化した夕闇レディに、ラトゥナは翻弄されるだけだった。レディの目的からして、ラトゥナがいきなり殺されることはないのだろうが、このままでは万に一つも勝ち目はない。
『ましろ、ヒーローがピンチだにゃ! 今こそ魔法少女の出番だにゃ!』
「ノワール、いつも以上にやる気ですね?」
 そんな中、駆け付けた高千穂・ましろ(黒猫ノワールと契約した魔法少女エターナル・ホワイト・f29622)は相棒のノワールが妙にやる気を出していることに、どうにも疑問を抱かずにはいられなかった。
 この黒猫、今までも碌でもないアドバイスから、ましろを数々のピンチに陥れて来た確信犯である。そんな彼が、至って真面目に任務を遂行しようとは、いったいどんな裏があるのだろうか。
(「でも、考えていても始まりませんよね。よ~し……」)
 だが、このまま傍観していてはラトゥナがやられてしまうため、ましろは仕方なく魔法少女の姿に変身した。その上で、夕闇レディが呼び出したチンピラどもに囲まれ、身動きの取れないラトゥナを助けるべく、爆破魔法を発動させようとしたのだが。
「ラトゥナさん、トラウマなんかに負けないでください! エクスプロージョン……」
『待つにゃ、ましろ! そんな範囲魔法でチンピラをやっつけたら、トラウマを悪化させてしまうにゃ!』
 なんと、ここに来てノワールからまさかの待ったが入ってしまった。確かに、彼の言う通り、レディの呼び出したチンピラは一般人。ユーベルコードで吹き飛ばそうものなら、重症間違いなしであるが。
「ええっ、そんな、どうすればっ!?」
 とにかく魔法で強引に解決しようとしていたましろには、直ぐに代案が思いつかなかった。そんな彼女に気付いたチンピラ達が、今度はましろの周りにも集まって来た。
「グヘヘヘ……誰かと思ったら、随分と可愛いヒーロー様の登場じゃねぇか」
「ちょうどいいぜ。まずはお前で、準備運動をさせてもらうぜ!」
 下品な笑みを浮かべながら、その手に武器を持ち、悪漢どもがましろに迫る!
 哀れ、抵抗しようにも相手を傷つけるわけにはいかないましろは、何もできないまま彼らに捕まってしまったのであった。

●下種VS下種
 夕闇レディの配下であるチンピラどもに、何もできないまま捕まってしまったましろ。彼女はチンピラ達が持っている型落ち武器で、好き放題に甚振られていた。
「オラオラ、もっといい声で鳴きやがれ! ほれ、高圧電流100万ボルトだぁ!!」
「……っ!? あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!」
 ある者は、スタンガンを改造した放電装置でましろの敏感な部分に電流を流して痛めつけ。
「なかなか粘るじゃねーか。だが、コイツを食らっても、果たして我慢できるかな?」
「……んぐっ!? んぅぅぅぅっ!!」
 また、ある者は、水鉄砲のような形をした武器の銃口をましろの口の中に突っ込むと、情け容赦なく毒液を発射し、彼女に強引に飲ませて来た。
「うぅ……がはっ! ごほっ! た、助けてください、ノワール……!!」
 毒液の効果で身体が痺れる中、ましろは懸命に助けを求めて手を伸ばすが、その声はノワールに届かない。なぜなら、彼はましろの辱められる姿を撮影するのに夢中だったから。それこそが、ノワールの考えていた恐るべき作戦だったのである。
「あ……あぁ……。そ、そんな……」
 悪漢に好き放題嬲られるましろの姿を見て、ラトゥナもまた完全に腰が引けてしまっていた。
 そもそも、彼女は仲間の一人がヴィランに囚われ、拷問の末に悪堕ちさせられたという過去を持っている。ましろが嬲られる光景を見て、そんな過去がフラッシュバックしてしまい、とても戦える状況ではなくなってしまった。
 このまま、ましろは何もできないまま犯され、ラトゥナはスナークを誕生させてしまうのか。正に絶体絶命の大ピンチ。そんな現場へ遅れてやってきた多倉・心太(力を与えてはいけない奴・f31526)だったが……しかし彼もまた、ましろの助けになるような人物などでは到底なく。 
(「この世界はオークの姿でもヒーローと思われるのがいいですねぇ。レディをオークでいたぶって遊びますか……と思いましたが、ましろちゃん発見♪」)
 以前、彼女の痴態を撮影した動画を悪魔に没収されたことを思い出し、なんと心太は、この状況で新しい動画を撮影しようと考えていたのである。
 動画そのものはノワールが撮影していたので、後でもらえば良いと判断したようだ。もっとも、それで心太の暴走が止まることはなく、なんと彼はドサクサに紛れ、悪漢と共にましろに襲い掛かることにしたのだ。
「僕が2人いるといろいろできますからねぇ……ウヒッ」
 オークの姿をした本体とは別に、普段の冴えない学生姿の分身を生み出した心太は、悪漢に襲われているましろのところへ自分の分身を向かわせた。その上で、悪漢達に混ざってましろの服を破り捨てると、徐に顔を近づけて行き。
「うぅ……だ、誰か助け……あっ! あなたは……んむぅっ!?」
 ましろが気づくと同時に、まずは強引に唇を奪って言葉を封じた。それだけでなく、ましろが何も着ていないのを良いことに、胸を始めとしたイケない箇所に悪戯をし、果ては欲望のままに襲い掛かり。
「ウヒヒ……ましろちゃん、と~っても可愛いですねぇ」
「いやぁぁぁっ! も、もう止めて……んぁっ! い、痛っ……はぁぁぁぁ!!」
 泣き叫ぶましろ。本能のままに腰を振る心太。そして、それらの光景を撮影するノワールに、周りで囃し立てる悪漢達。
 もはや、完全にメチャクチャである。あまりのことに、ラトゥナも呆然自失したまま立ち尽くすしかなく、そんな彼女を悪堕ちさせんと夕闇レディが迫り来る。
「とんだハプニングだったけど、なかなか面白いものを見せてもらったわ。さあ、後はあなたを倒して、その力を暴走させれば……っ!!」
 だが、レディがラトゥナに手を出すよりも早く、その間に割って入ったのはオークの姿をした心太の本体。
「おっと、邪魔はさせませんよぉ。ここで戦いが終わってしまったら、ましろちゃんのお宝動画撮影が、中途半端なところで終わってしまいますからね……ウヒッ!」
「……私が言うのもなんだけど、最低ね、あなた。でも、そういうの嫌いじゃないわ」
 対峙する心太と夕闇レディ。互いに拳と拳をぶつけ合って戦う二人のパワーは、殆ど互角で決着がつかない。
「なかなかやるじゃない。どうかしら……あなた、私の下僕どもの隊長にならない?」
「魅力的なお誘いですが、お断り致します。それよりも、僕はあなたを犯してメチャクチャにしてやる方が趣味なのでねぇ」
 レディの勧誘を、より下種な欲望だけで跳ね除け、心太は強烈なカウンターパンチをお見舞いした。なお、彼がレディを消耗させている間に、ましろの痴態はノワールによって余すところなく撮影され、心太の分のデータもコピーされていたという。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

ニクロム・チタノ
フン、悪堕ちするなんて反抗心が足りないでしょ
キミも元ヒーローなのに情けない、悪いけどボク一人でやらせてもらうよキミはブザマに寝転がって居ればいい
反抗の竜チタノよ降り立て
無重力にすればどれだけ運動能力が高くても関係ない、ジタバタもがいてるうちにトドメを、と言いたいけど・・・
悪堕ちした元ヒーローには罰が必要だね?
重力を掛けて地面にひざまずくといいよ、ついでにラトゥナ、キミも重力で平伏すんだ、なぜ?キミの弱い覚悟への罰だよ
いい眺め、二人ともお似合いだよ
特に悪堕ちした元ヒーローには相応しい無様な姿だね
後悔した顔を見せてごらん、その顔のまま葬ってあげるよ


●全てに抗う竜
 正義の心を忘れて悪堕ちした元ヒーローに、トラウマからヒーロー稼業を引退した元ヒーロー。それぞれ、かつては正義のために力を行使しながら、しかし志半ばにして正義の戦いを放棄した者達。
 そんな彼女達は、ニクロム・チタノ(反抗者・f32208)にとって、不愉快極まりない存在でしかなかった。
「フン、悪堕ちするなんて反抗心が足りないでしょ」
 悪の軍門に下るのであれば、最初からヒーローなんて名乗るべきではない。そして、それは過去のトラウマから逃れるために、戦いを放棄した者も同じであった。
「キミも元ヒーローなのに情けない。悪いけど、ボク一人でやらせてもらうよ。キミはブザマに寝転がって居ればいい」
 それだけ言って、チタノは周囲の環境を、瞬く間に超重力の支配する力場へと変化させた。
「……っ!? こ、これは……!!」
 気が付いた時には既に遅く、夕闇レディは重力の枷に捕らわれて動けなくなった。どれだけ素早い動きができる者であろうと、いきなり自分の体重が何倍にもなれば、それだけで身体が重たくなり俊敏性が失われ。
「きゃぁっ! ちょ、ちょっと、いきなり何す……っ!!」
 そして力場は、同じ場所にいたラトゥナでさえも巻き込んで行く。戦場全体を変化させるユーベルコードは、当然のことながら敵と味方の識別などしてくれない。
「悪堕ちした元ヒーローには罰が必要だね? 重力を掛けて地面にひざまずくといいよ」
 この力場の中、動けるものなら動いてみろ。まずは夕闇レディの足を超重力によって圧し折り、チタノはそのままラトゥナの方へと振り返り。
「ついでにラトゥナ、キミも重力で平伏すんだ。……なぜ? キミの弱い覚悟への罰だよ」
 相手が悪なら徹底的に倒すしかない。正義の味方を語るなら、悪を倒すことを躊躇ってはならないし、仲間が傷つき、時に死ぬことを恐れてはならない。
 それが怖いというのなら、いくら正義を語ったところで偽善に過ぎない。そんな偽善で正義の味方を名乗るなどおこがましいというのが、全ての存在に抗うチタノの持論でもあったのだろうが。
「そ、そんな……! あの頃の私は……まだ八歳だったのよ! いきなり不思議な力に目覚めて……右も左も分からないまま、大人達の言う通りに戦って……」
 まさか、自分が責められると思っていなかったのか、ラトゥナは苦悶の表情を浮かべながらも懸命に叫んだ。
 自分の力の正体も分からず、化け物と恐れられながらも、それでも必死で戦った。他に方法など知らなかったし、それ以外に自分が生きる術もなかった。
 強大な力に覚醒したとはいえ、中身は僅か八歳の少女。そんな彼女に、覚悟などありはしないし、そもそも覚悟を強いることなどできないだろう。生まれながらにして戦場で過ごして来た少年兵か、あるいは殺し屋として英才教育を受けていた者でもなければ、八歳の子どもに悪堕ちした仲間を……友達を殺す覚悟など、普通に考えてできるはずもない。
「……結局、私が仲間を殺しても、誰も助けてなんかくれなかった……。それで……ヒーローを止めて……それから、何日も何日もカウンセリングを受けて……ようやく、まともな生活ができるようになったのに……」
 その平穏が唐突に破られ、おまけに自分が悪いと責められる。そんな理不尽な話があるか。こんなことなら、ヒーローの力なんて欲しくなかった。どこか遠く、誰も知らない土地で静かに余生を送りたかったと嘆くラトゥナだったが……そんな彼女の態度は、チタノを更に苛立たせた。
「うるさい。そんなもの、ボクの知ったことじゃない」
 自分の運命は自分で切り開け。理不尽や不幸に抗うのに、年齢など関係ない。そう言って、チタノが更に力場の重力を強めれば、ついにレディもラトゥナも立つことさえできなくなり、そのまま地面にへばりついてしまった。
「いい眺め、二人ともお似合いだよ。特に、悪堕ちした元ヒーローには相応しい無様な姿だね」
 己の選択を後悔しているなら、その顔のまま葬ってやる。武器を構え、身動き一つ取れないレディへ、チタノはゆっくりと近づいて行くが。
「うふふ……あはははは!!」
 既に抵抗する術さえもないのに、レディはいきなり笑い出した。追い詰められて気が狂ったのかと思われたが、どうにも様子がおかしい。
「どうやら、私の負けみたいね。でも……あなたのお陰で、目的は果たせたわ」
 自分はあくまで、真の黒幕が送り込んだ使者に過ぎないとレディは告げた。そして、その目的はラトゥナを殺すことでもなければ、猟兵と戦って勝つことでもない。
 自分の体重で骨を砕かれながらも、レディはひたすらに笑っていた。そんな彼女が、無理矢理に上げた指の先が示す場所。ラトゥナが倒れているはずのそこへ、唐突に巨大な雷が炸裂し、周囲の大地を焼き焦がしながら、レディの身体を吹き飛ばした。
成功 🔵🔵🔴

草柳・華穂(サポート)
草柳・華穂(くさやなぎ・かほ)、ウサギ等動物の能力を移植された強化改造人間。
悪の秘密結社から脳改造寸前で脱出し復讐のため戦っていたわ。
悪い奴らに容赦は要らない、特に邪神とか邪教団とか手加減をする理由がないわね
まあ、容赦しなさ過ぎてダークヒーロー扱いになったんだけどね、後悔は無いわ

戦闘では蹴り技を主体とした戦い方をすることが多いわ
色々な動物が入っているけど、メインはウサギだからね脚力はちょっとした自慢よ


ルク・フッシー(サポート)
こ、こんにちは。ぼ、ボクは、ルクといいます

戦いは怖いですけど…誰かの大切な物を守るために…
大丈夫です。ボク、戦います…!

できるだけ敵と中〜遠距離を保ち、相手の能力を考え、最適だと思うユーベルコードを使い戦います
塗料に属性や誘導弾などの性質を宿す事もあります

攻撃はよけるよりオーラ防御や武器で受けて軽減したり、激痛耐性で耐えたりする方が得意です

たとえ依頼達成のためでも、他の猟兵や一般人などに迷惑をかけるような事や公序良俗に反する事はしません

よ、よろしくお願いします…!(絵筆をきゅっと抱きしめる)


●こんなの聞いてません!!
 夢の世界で苦戦するヒーローと、猟兵仲間を助けて欲しい。
 グリモア猟兵からの救援依頼を受け駆け付けた草柳・華穂(強化人間のダークヒーロー・f18430)とルク・フッシー(ドラゴニアンのゴッドペインター・f14346)だったが、しかし目の前の光景に、思わず自分の目を疑った。
「ちょっと、なんなのよ、これ? いきなり嵐の中に放り出されるとか聞いてないわよ!?」
「えぇと……あ、あれがヒーローさんでしょうか? でも、なんだか様子が変ですよぉ……」
 白目を剥いて、空中に浮いたまま静止しているラトゥナを指差し、ルクが怯えた様子で言った。
 ヒーローといえば、子どもの憧れ。だが、目の前のラトゥナはヒーローというよりも、怒れる自然の神、そのものだ。
「………」
 無言のままラトゥナが手を翳せば、それだけで彼女の髪が激しく逆立ち、凄まじい暴風が駆け抜けた。それだけでなく、周囲には無差別に雷が落ち、弾丸のような激しい雨が降り注いだかと思えば、それはすぐさま雹や霰へと変化して、嵐もまた吹雪へと変わって行く。
「気象コントロール能力ってやつ? でも、この力は……」
「こ、このままじゃ、ボク達もやられちゃいますよぉ!!」
 事情は分からないが、あのヒーローはこちらの話など聞いてくれそうにない。このままでは埒が明かないと、華穂は仕方なくラトゥナを殴り飛ばして気絶させようとするが。
「わわっ! だ、駄目ですよ! そんなことして怒らせたら、もっと大変なことになるかもしれませんよ!」
「じゃあ、どうすればいいのよ! このまま誰かの夢の中で、遭難するわけにもいかないでしょ!?」
 ルクが慌てて止めたことで事なきを得たが、しかし華穂の言うこともまた正しい。このまま議論していても始まらないので、とにかく今は事件の元凶たるオブリビオンを倒すことに専念せねば。
「グリモア猟兵の話じゃ、敵は悪堕ちした元ヒーローって話だったわね。と、いうことは……」
「あっ! もしかして、あそこにいる女の人ですか!?」
 そう言ってルクが指差した先には、雷や吹雪で翻弄される夕闇レディの姿が。
 これはチャンスだ。暴風が吹き荒れる中、華穂は風の止んだ一瞬の隙を突いて、物凄いスピードでレディへと肉薄した。
「……っ!? だ、誰……ぐはっ!!」
 まずは挨拶代わりに、その腹へと蹴りをお見舞いする華穂。対するレディも格闘術で対抗してくるが、そこはルクがさせはしない。
「優しく暖かく、柔らかく描きます」
 空中にふかふかなベッドを描けば、それらは具現化して現実の物となり、レディの攻撃から華穂を守るクッションとなる。おまけに、クッションで攻撃を相殺すれば、その隙に再び華穂が攻撃する隙が生まれるのだ。
「隙だらけよ! スピン・バニー・キック!!」
 炸裂する、鋭い回し蹴り。何かの折れる音と潰れる音がして、夕闇レディは嵐の風に流されながら、廃墟の壁に激突して動きを止めた。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

エイル・リフィアベルク
「悪の道に堕とされたヒーローですか……」

私も悪の科学者の手によって改造され、あと一歩で洗脳されるところだった身です。
そのヒーローさんの気持ち、わかるつもりです。

「ラトゥナさん、もし私が完全に洗脳されて人を傷つけるようになってしまっていたなら、殺してでも止めて欲しいと願います。
……あなたのお友達も、きっと同じ気持ちだったはずです!」

ラトゥナさんをトラウマから救おうと励ましつつ、一緒に戦います。

「外装装着!」
『ツインレーザービット攻撃ヲ開始シマス』

ですが、苦手な近接戦を挑まれ、AIによるビット攻撃のパターンを覚えられてしまい……
このままでは……

「お願いです、ラトゥナさん。敵に隙を作ってください!」


クロエ・アスティン
ラトゥナ様をお助けするであります!

夕闇レディの呼び出したチンピラ達の姿にトラウマを刺激されますが、
ここで自分がトラウマに屈してしまったらラトゥナ様まで立ち直れなくなってしまうであります

信仰する女神様に祈りを捧げ、【戦乙女の鎧】を纏えば、もう守られるだけの自分じゃないであります!
戦って戦って戦い抜かねば守りたいものも守れないでありますよ!


●ダブル・アームド・ガールズ
 際限なく荒れ狂う暴風雨。雷と雹が敵味方関係なく襲い掛かり、廃墟の街を蹂躙して行く。
 それは、己と世界、全てに対して拒絶の意を示した結果、力に飲まれた女の末路。彼女はもう、自分で自分を抑えられない。善悪を越えた存在になってしまったのだから。
「悪の道に堕とされたヒーローですか……」
 だが、そんなラトゥナを見ても、エイル・リフィアベルク(強化外装ウラノス適合者・f26733)は彼女のことを責めようとは思わなかった。
 その外見こそ人間の少女と大差ないが、エイルもまた悪の科学者によって改造された者の一人。辛くも洗脳前に脱出できたが、あのまま脳を改造されていたら、自分は今頃、悪の改造人間として人類の敵になっていた。
「ラトゥナさん、もし私が完全に洗脳されて人を傷つけるようになってしまっていたなら、殺してでも止めて欲しいと願います。……あなたのお友達も、きっと同じ気持ちだったはずです!」
 だから、己の過去を悔いる必要はないし、不要に自分を責める必要もない。そう言って落ち着かせようとするエイルだったが、しかしラトゥナは止まらない。
「……っ!?」
 全方位に放たれた雷が、エイルの頬を掠めた。幸い、この状況では夕闇レディも迂闊に手が出せないようだが、それでもこのまま嵐に巻き込まれては、こちらが先に殺されてしまう。
「エイル様、ここは自分に任せるであります!」
 大盾を構えたクロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)が、ラトゥナの雷撃からエイルを庇うようにして前に出た。それを見た夕闇レディは、クロエの動きを妨げるべく、再びチンピラ達を召喚して来た。
「グヘヘヘ……今日は大量だなぁ」
「今度は、あの嬢ちゃんが相手をしてくれるってか? クックック……俺達が可愛がってやるぜぇ」
 下劣な笑みを浮かべながら、武器を手にクロエへと迫るチンピラども。粗暴な男が苦手なクロエにとっては最悪の相手だ。
「うぅ……ま、負けないであります! ここで自分がトラウマに屈してしまったら、ラトゥナ様まで立ち直れなくなってしまうであります!」
 しかし、それでもクロエは辛うじて己を奮い立たせ、槌を片手に悪漢達へと立ち向かった。
「戦女神様、自分に力をお貸しください! ――ヴァルキリーズアーマー!」
 突貫しながら祈りを捧げ、光に包まれることで聖なる鎧を身に纏う。この姿になれば、もう悪漢など恐れるに足らず。戦女神の加護を得た今のクロエは、守られるだけの存在ではない。
「こっちの雑魚は、自分が引き受けるであります! エイル様は、その間にあの女を!」
「は、はい! 外装装着!」
 クロエに促される形で、遅れてエイルも外装を身に纏う。重武装形態だ。敵は接近戦が得意のようだが、それならば遠距離から複数の砲台で同時に攻撃すれば。
『ツインレーザービット攻撃ヲ開始シマス』
 AI制御のビット兵器を展開し、エイルは夕闇レディを遠距離から狙撃する。しかし、最初は防戦一方に思われた夕闇レディは、直ぐにエイルの攻撃パターンを覚えると、そのまま一気に距離を詰めて来た。
「舐められたものね。悪の軍門に下ったとはいえ、私だって元ヒーローなのよ? こんなAI兵器如き、一度に何十体も相手にしてきたことだってあるわ」
「くっ……! このままでは……」
 拳の力だけでビットを破壊し、レディの攻撃がエイルを追い詰めて行く。接近戦に対応していない外装で挑んだことも災いし、攻守が完全に逆転してしまった。
「ほらほら、どうしたの? さっきまでの勢いは嘘だったのかしら?」
 強烈な拳と蹴りの連打によって、瞬く間に損傷して行くエイルの外装。このままでは拙い。せめて、ラトゥナの力を借りることができれば。ふと、エイルがそんなことを考えた時、彼女に変わってクロエが叫んだ。
「いい加減、目を覚ますであります、ラトゥナ様! 戦って、戦って……戦い抜かねば、守りたいものも守れないでありますよ!」
 叫びながら、クロエは最後の悪漢を殴り飛ばして気絶させる。吹き飛んだ男の身体がラトゥナの足元に転がるが、それでも彼女は未だ無表情のまま宙に浮いているだけであり。
「お願いです、ラトゥナさん。敵に隙を作ってください!」
 そう、エイルが懇願したところで、ラトゥナが徐に片手を夕闇レディへと向けた。
「……っ!?」
 炸裂する雷光。レディが気づいた時には遅く、稲妻が彼女の胸を貫き、激しい火花を上げる。もう、意識などないはずなのに。心を閉ざし、スナークを生み出す一歩手前であるはずなのに。それにも関わらず、ラトゥナはエイルの言葉に応え、レデイだけを攻撃したのだ。
「うぅ……そ、そんな馬鹿な……」
 雷撃の当たり所が悪かったのか、夕闇レディは片手で胸を抑えたまま、力なく膝をついて崩れ落ちた。そこを逃さず、拳を構えて駆け出すエイルとクロエ。敵を殺すための剣や銃などないが、それでも聖鎧や外装の力を得た、今の二人のパワーならば。
「これで……」
「終わりにしてやるであります!!」
 炸裂する少女の鉄拳が、悪に堕ちた元ヒーローを打ち砕く。豪雨の降り注ぐ悪夢の街。その上空へとカチ上げられた夕闇レディの身体に、一際強烈な稲妻が落下し、彼女の身体を黒焦げにした。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第2章 ボス戦 『スーパーウィッチ・マッドメンタル』

POW ●メンタルブレイク
いま戦っている対象に有効な【精神を衰弱させる異形】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
SPD ●メンタルキュア
【闘争】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【精神治療眷属】から、高命中力の【戦闘意欲を奪う視線】を飛ばす。
WIZ ●ドゥームマイワールド
【精神を衰弱させ自身に付き従いたくなる歌声】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はビードット・ワイワイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●史上最悪の悪夢
 引退したヒーローのトラウマを刺激し、スナークを生み出さんと暗躍していた夕闇レディ。彼女は悪夢の街に降り注ぐ稲妻に打たれて消滅したが、しかし未だ悪夢は終わらない。
「……なるほど。どうやら、あの女は失敗したようだな」
 一瞬、空間が歪んだかと思うと、その歪みから現れたのは、不思議な服を纏った女だった。
「それにしても、まさか猟兵に感づかれていたとは。だが……私の目的は、もはや達せられたも同然だ。他でもない、君達のお陰でね」
 そう言って、女は未だ意識が戻らず、ただ周囲に災厄を振りまくだけの存在と化したラトゥナを指差した。
「この女が本気で暴れ回れば、もうスナークなど作り出す必要もない。代わりに、この女自身が新たなスナークとして、世界を破壊してくれるはずだ」
 だから、それを邪魔する猟兵を抹殺するために、自分は現れたのだと女は告げた。そして、この事態の元凶を生み出したのは、他でもない猟兵達自身であると。
「ふふふ……カウンセラーを生業としていたこともある私から言わせてもらうと、もう彼女は手遅れだよ。君達は彼女を救えなかった。ここで私を倒しても、このまま彼女が目を覚ましたら、スナークが誕生したのと同じことだ」
 潔く諦めて身を退くなら、命だけは助けてやろう。そう言って凄む女だったが、当然、そんな脅しに屈する必要などない。
 彼女の話が本当ならば、わざわざ猟兵達の前に姿を現したのは不自然だ。本当にラトゥナが助からないのであれば、傍観を決め込んで放置するだけでも構わない。あるいは、ラトゥナを猟兵に殺されるのではないかと思ったのかもしれないが……どちらにせよ、自ら危険を冒してまで、精神世界に介入して来るのはリスクを伴う。
 スーパーウィッチ・マッドメンタル。彼女が現れたのは、ラトゥナを真に暴走させ、スナークを生み出す最後の一押しをするために他ならない。もしくは、そのままラトゥナを発狂させて、彼女自身をスナークに代わる存在にするつもりか。
 ラトゥナを救うにしても、彼女を無視してマッドメンタルを倒すにしても、どの道、戦いは避けられない。
 暴走寸前の元ヒーロー。敵味方問わず襲い掛かる暴風と落雷。そして、人の精神を操ることに長けた、なんとも厄介な能力を持つオブリビオン。
 幾重にも絡んだ様々な悪夢。それら全てを打ち破るため、マッドメンタルを撃破せよ!

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●プレイングボーナス
 この章では、ラトゥナにトラウマを克服させて正気に戻すか、あるいは共に戦うかすると、プレイングボーナスが得られます。
 暴走寸前の彼女は敵味方識別不能なユーベルコードを見境なく使用しますが、それを利用して敵を攻撃するだけでも、一応は共闘であると見做されます。
ニクロム・チタノ
ラトゥナ何暴走してんの
クソ、オブリビオンお前の仕業か、許さないよ
さっきから不快な歌声を響かせてそれで戦ってるつもりなの馬鹿にして
ボクの真の名紅明日香の名を以てチタノヤタテを降臨させる
チタノヤタテは八つの重力槍と蒼焔の盾を持つ例え稲妻が降ろうと八つ蒼焔の盾があれば防ぎきれるさ
そして重力槍を空に打ち出して雷雲を破壊するよ
これで一時的に稲妻を無効化出来る
後はオブリビオンお前だけ・・・アレ、チタノヤタテが消えている?それに体の自由が、お前何をした
まさかこの歌声がUCなの
ダメだボクは反抗者ラトゥナとは違う悪堕ちなんて・・・


そのまま意識作り替えられ悪堕ちする
この戦いの後、自分の行いを反省して初心に立ち返る


●スタンドアローンの結末
 己のトラウマを克服できず、むしろ悪化させてしまったことで、ラトゥナは暴走寸前だった。
 ただ、目の前にある全てを破壊し尽くす。本能的な衝動にだけしたがって、彼女は天変地異を引き起こす。仮に、その力が現実世界でも行使されることとなれば、猟兵であっても容易く止めることはできないだろう。
 そんな状態のラトゥナだったが、ニクロム・チタノ(反抗者・f32208)は彼女に対して、殆ど興味を示さなかった。
「ラトゥナ、何暴走してんの?」
 元より、自分ひとりで戦うと決めていた。だから、ラトゥナがどれだけ暴走しようと、ニクロムは戦力として宛てにしていなかった。
「クソ、オブリビオン。お前の仕業か、許さないよ」
 今は目の前の敵を倒すのみ。不敵な笑みを浮かべるマッドメンタルに対し、怒りの感情を露にするニクロムだったが、マッドメンタルはそれを一笑に付した。
「私のせいだと? ……いや、それは違うな。この結果は、君達の選択が招いたことだ。私はそれを、ほんの少し利用させていただくだけだよ」
 それだけ言って、マッドメンタルは奇妙な歌を歌い始めた。それ以外には何もして来る素振りがなかったが、その行動はニクロムの神経を逆撫でするのに十分だった。
「さっきから不快な歌声を響かせて、それで戦ってるつもりなの? 馬鹿にして!」
 こうなれば、最初から全力で殲滅してやる。真名、紅・明日香の名を以て、反抗の竜チタノヤタテを降臨させると、ニクロムは一気にマッドメンタルへ向かって距離を詰めた。
「ほう、面白い技を使う。だが……敵は私だけではないぞ。もはや、あの女の心は私のものだ」
 戦慄の合間に、マッドメンタルはラトゥナのことを指差しながら告げた。そして、彼女が告げた通り、何故かラトゥナはマッドメンタルの指示するままに、ニクロムだけを狙って雷撃や暴風を繰り出して来た。
「甘いよ。チタノヤタテは、八つの重力槍と蒼焔の盾を持つ……。例え稲妻が降ろうと、八つ蒼焔の盾があれば防ぎきれるさ」
 それでもニクロムは、それらの天災全てを凌ぎ。マッドメンタルへと肉薄する。暴風も稲妻も、全て蒼炎の盾で受け止めた上で、重力の槍を天空目掛けて撃ち出せば、吸い込まれるようにして雷雲が消え、空が晴れて行く。
「後はオブリビオンお前だけ……アレ、チタノヤタテが消えている?」
 だが、いざ攻撃に移ろうとしたところで、肝心の竜が消えていた。慌てて周囲を探すも、チタノハヤテはどこにもいない。それどころか、気が付けばニクロムは、自分で自分の身体を動かすことさえできなくなっていた。
「体の自由が……お前、何をした!」
「ふふふ……ほんの少し、君達の心の中を弄らせてもらっただけさ」
 不敵に笑うマッドメンタル。ニクロムが気が付いた時には既に遅く、彼女の身体は金縛りのように、指先一つ動かせず。
「君の竜には、先にお帰りいただいた。そして、最後は君の番だ。せいぜい、無駄な足掻きを続けてくれたまえ」
 そう言って、再びマッドメンタルが歌を奏でれば、ニクロムの意識は深淵の奥深くへと落ちて行く。
(「ダメだ、ボクは反抗者……。ラトゥナとは違う……悪堕ちなんて……」)
 頭では理解していても、ユーベルコードの効果は気合だけでは防げない。マッドメンタルの奏でる歌は、それを聞いた全ての者を、彼女の下僕にしてしまうのだ。
「さあ、どうした? 悪堕ちするのは、反抗心が足りない証拠ではなかったのか?」
 煽るように告げるマッドメンタルだったが、その言葉は既にニクロムの頭には届いていなかった。やがて、完全に意識を失ったニクロムは、マッドメンタルの意のままに操られる人形と化し。
「……ふむ、この程度か。大したことはなかったな。このまま同士討ちをさせても面白いが……下手に目を覚まされても面倒だ。しばらく、眠っていてもらおうか」
 戦いの邪魔だと言わんばかりに、マッドメンタルはニクロムを深い眠りへと誘ってしまった。
 闇の中、薄れる意識の奥底で、ニクロムは誓った。
 これは、無事に帰ったら反省会ものだ。今一度、初心に帰り、猟兵のなんたるかを学び直す必要がありそうだと。
苦戦 🔵🔴🔴

クロエ・アスティン
ラトゥナ様はきっとあの状態でも戦っているであります!
でなければ、自分達を助けてくれたりしないでありますよ!

メンタルブレイクでトラウマを刺激する豚のような姿をした山賊の異形が現れる。
また好き勝手に弄ばれるんじゃないかと足が震えて逃げ出したくなるけど……
ここで逃げ出したらラトゥナ様に伝えた言葉が嘘になるであります。

【戦乙女の誓い】を立て、真の姿である戦乙女に変身!
戦乙女の槍を構え「ランスチャージ」で異形を突き抜ければ
その勢いのままに暴風の嵐を突き抜けて、ラトゥナ様に抱き着いて落ち着かせるであります!

※アドリブや連携も大歓迎


●ヒーロー・カムバック
 理性と本能の狭間で苦しみながら、歩く天災と化したラトゥナ。だが、その心が未だ完全に理性を捨て去っていないことを、クロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)は先程の戦いから感づいていた。
(「ラトゥナ様は、きっとあの状態でも戦っているであります! でなければ、自分達を助けてくれたりしないでありますよ!」)
 本当に暴走しているなら、猟兵もオブリビオンも関係なく、嵐で纏めて吹き飛ばしていたはず。しかし、実際はそんなことはせず、ラトゥナはこちらの声に応え、オブリビオンだけに雷撃を放ったからだ。
「おや、まだ猟兵がいたようだね。だが、あの女の心は既に私のものだ。そして、君はここで、過去のトラウマに敗れて死ぬがいい」
 そんなクロエの想いを否定するかの如く、マッドメンタルが醜悪な豚のような山賊を召喚した。以前、クロエを虜囚として捕らえ、慰み者として好き勝手に弄んでいた男だ。
(「うぅ……。あの男は……」)
 今の自分なら、間違いなくあの男よりも実力は上だ。そう、頭では理解していたが、しかし身体が動かない。
「グヘヘヘ……久しぶりだな、嬢ちゃん。また可愛がってやるぜぇ、あの頃のようになぁ!」
 下品な欲望を剥き出しにして、男がクロエに迫る。このまま、かつてと同じように男の玩具にされてしまうのかと思われたクロエだったが、しかし彼女は最後の最後で残された勇気を振り絞った。
 ここで逃げ出してしまったら、ラトゥナを信じたことでさえ嘘になってしまう。だから、自分は退けない。忌むべき過去に決別するためにも、今一度、信仰の力を見せなければ。
「戦女神様、見ていてくださいであります!」
「なっ……ぐべぇっ!?」
 男が襲い掛かろうとした瞬間、クロエの姿が戦乙女へと変わり、槍の一撃が不細工な顔面を貫いた。
「ほぅ……己の意思だけで、過去のトラウマを振り切ったか」
 一瞬、感心した表情を見せたマッドメンタルだったが、直ぐに切り替え、今度は心を支配したラトゥナを使ってクロエを始末しようと攻撃させてくる。嵐が、稲妻が、それぞれクロエの行く手を阻むが、今のクロエにとっては天災でさえも足止めにならない。
「落ち着くであります、ラトゥナ様! ここで負けたら、駄目であります!」
 その心の奥底に、少しでもヒーローとしての精神の欠片を残しているのであれば、先程のようにこちらの気持ちに応えて欲しい。果たして、そんなクロエの言葉は、ラトゥナの中に残っていた、最後の希望を繋ぎ止めることができたのだろうか。
「……ありがとう。もう、大丈夫よ」
 自分に抱き着いたままのクロエの頭を優しく撫で、ラトゥナの瞳に光が戻る。心の闇を打ち払い、彼女は戻ってきてくれたのだ。一般人のラトゥナ・ラナではなく、かつてジャスティス・ウォーで戦った、天候を操るヒーローとして。
「今まで、よくも好き勝手やってくれたわね。でも、ここからはヒーローが反撃する時間よ」
 嵐、豪雨、雷、吹雪、それら全てが、今や猟兵達とラトゥナの味方となった。彼女が迷いを振り切れば、もう怖い者などない。人の心を弄ぶマッドメンタルに、反撃の狼煙を上げる時が来た!
大成功 🔵🔵🔵

大周・照(サポート)
『ーーそこまでだ。ここには猟兵(ぼくたち)がいる』

一人称は“僕”。その他口調等はステシ参照のこと
キャラ崩れない範囲でアドリブOK・連携歓迎

基本、お人好しで温厚かつ前向き。
その性格から、虐げられているもの、不幸になりそうな者が居る場合は割と積極的に肩入れする
が、正邪善悪の判断はキッチリつけるタイプ

戦闘では、数多の世界からの祈りの歌(【祈り】【歌唱】)を
力に変えるデバイス・事象鍵を用い、
[無尽錠]を任意の各武装に変形させて行動する
※UCは必ず適した武装変換からの行使描写をお願いします

非戦闘パートでも、事象鍵の力と自らの手足(技能)で事件解決へ努力を止めることはない人物です


アメリア・イアハッター(サポート)
【サポート】
他の猟兵の行動が成功するようにサポートに徹し、下記のような行動をとります。
・機動力が必要であれば宇宙バイク「エアハート」に仲間を乗せる。
・仲間の攻撃が当たるように、敵の行動をUC「風の友」で読んだり、氷系のUCを使って敵の機動力を封じる。
・仲間の攻撃を強化するために支援系UCを使ったり、鼓舞をする。
・敵の注意を逸らすため、宇宙バイク騎乗や空中にて囮となる。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


月山・カムイ(サポート)
すいません、少々遅れましたが援護に参りました

既に戦いに入っている猟兵達の援護に入る形で参戦
集団戦なら攻撃のきっかけになるように、縦横無尽に切り結び
ボス戦なら他の猟兵がトドメを刺す為のサポートを行う
武器を切り裂く、受け止めたり逃がすべき相手を空を跳んで抱えて逃したり
上記の様な行動で現在戦っている猟兵が活躍出来るよう動かしていただければありがたいです

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


●ザ・ヒーローズタイム
 己のトラウマを振り切って、ラトゥナは再びヒーローとして帰還した。
 かつて、友を救うことができず、殺すことでしか解放できなかった自分。そんな自分が嫌いだったが、しかし今はそれも過去のこと。
 あの頃は、言われるがままに戦い、自分や誰かが傷つき、あるいは傷つけられることに対して、何の自覚も責任もなかった。ただ、周りに恐れられることが嫌で、無我夢中で戦っていただけだ。
 そんなラトゥナだったが、今の彼女は違う。猟兵達の戦いを見て、自分がどう在るべきかを知った彼女は、あの頃よりもヒーローとして強くなっている。
「どうやら、完全復活したようだね。だが、私とて、ここで負けるつもりはない。それに、たった一人で私に勝とうなど、少しばかり無謀だと思うが?」
 ラトゥナと対峙するマッドメンタル。彼女の言う通り、確かにラトゥナの力だけでは、オブリビオンを倒すには至らないのかもしれないが。
「残念ね。あなたを倒したいって思っている人は、いくらでもいるみたいよ」
 そう、ラトゥナが告げて視線を向ければ、その先には新たに3人の猟兵が!
「そこまでだ。ここには猟兵(ぼくたち)がいる」
「すいません、少々遅れましたが援護に参りました」
 大周・照(夜明けの灯・f00980)がデバイスを構え、月山・カムイ(絶影・f01363)が刃を抜いた。それに合わせるようにして、アメリア・イアハッター(夢想空流・f01896)が静かに帽子の鍔を摘まみ。
「さて……ヒーローが暴走しそうだからって聞いて来たけれど、その心配はないみたいね。それじゃ、遠慮なく戦わせてもらうわよ!」
 宣戦布告と当時に、宇宙バイクでマッドメンタルへと突貫する。咄嗟に横跳びで避けたマッドメンタルだったが、今度はそこへ、照の放った光の矢が次々と彼女を追尾する形で襲い掛かる。
「演算完了。この一矢よりは何者も逃れる事能わじ――“放て、事象鍵”」
「くそっ! なんなんだ、この矢は!?」
 予測不可能、回避不可能な個所から攻撃され、マッドメンタルは早くも焦っていた。ならば、照の戦う意欲を奪おうと眷属を呼び出すものの、それらは全て光の矢と衝突する形で倒されて行き、互いに決定打を与えられない。
「あなた、天候を操るのよね? だったら、私の魔法に合わせられるかしら?」
「ええ、大丈夫よ。この力……もう、自在に使えるから」
 膠着した状況を打破すべく、アメリアがラトゥナに尋ねた。二人の力を合わせて、あの敵の動きを封じる。そのためには、ラトゥナの力である天候操作が、この作戦の鍵になっているのだと。
「釘付けにしてあげる。そこで私だけのステージを眺めながら、過去へ帰りなさい」
 自分の周囲、全ての存在を凍結させる氷の呪文。普通なら、こんなものを使えば敵だけでなく味方も巻き込んでしまいそうなものなのだが。
「残念、凍るのはあなただけよ!」
 すかさず、ラトゥナが熱風を発生させたことで、仲間達への被害を相殺する。結果、凍り付いたのはマッドメンタルだけであり、彼女は足を完全に凍らされ、全く動けなくなってしまった。
「どうやら、勝負あったようだな。どれだけ雑魚を呼び出そうが、もうお前に勝ち目はないんだよ」
 苦し紛れにマッドメンタルが呼び出した異形を、カムイが情け容赦なく斬り捨てる。
 剣刃一閃。放たれた刃の一撃は、異形の首を刎ね飛ばし……その隙に、マッドメンタルは己の眷属を盾にすることで、凍った足を強引に引き摺って逃げ出した。
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

ニクロム・チタノ
アハハ、みーつけたひどいじゃないボクを悪堕ちさせて捨てるなんて
顔をそむけないでボクの姿をちゃんと見てよチタノの加護も失っちゃったよアナタのせいだよ?
アナタにも同じ苦しみを味わってもらうよ?
ボクの身体から生み出すヘドロは有毒なんだ悪臭で顔をそむけてると避けられないよ、苦しい?なら解放してあげるキミもヘドロ怪人になるんだボクのヨダレを沢山飲ましてあげる、まずいって?大丈夫すぐに美味しくなるからね、ホラ身体がヘドロ怪人になってきたよこれでキミもヘドロの民
そうボクの仲間入りさ
反抗なんて無意味なんだ、アハハ


●泥濘
 悪夢の廃墟を、マッドメンタルは肩を抑えながら逃げていた。
 猟兵に斬り付けられた傷口が痛む。凍った足はなんとか動くようになったが、それでも石のように重たく、歩くたびに苦痛を感じる。
「くっ……まさか、あそこでこの女が自分を取り戻すとは……」
 猟兵の力と、なによりもラトゥナの力を侮っていたことが、マッドメンタルの敗因だった。それでも、彼女は諦めることなく生き延びようとしていたが、しかし運命は彼女のことを許しなどしない。
「アハハ、みーつけた。ひどいじゃない、ボクを悪堕ちさせて捨てるなんて」
 目の前に広がっていた水溜りが唐突に起き上がったかと思うと、そこにいたのはニクロム・チタノ(反抗を忘れた悪堕ちヘドロ・f32208)だった。もっとも、彼女の姿は以前に戦った時のそれとは似ても似つかず、腐臭を放つおぞましいものと化していた。
「顔をそむけないでボクの姿をちゃんと見てよ。チタノの加護も失っちゃったよ。アナタのせいだよ?」
 あまりの腐臭に思わず口元を抑えたマッドメンタルに、ニクロムは腐敗した身体のまま迫る。堕とすだけ堕として放置していたが、まさかこんなことになるとは、マッドメンタルでさえも想像していなかっただろう。
「アナタにも同じ苦しみを味わってもらうよ? ボクの身体から生み出すヘドロは有毒なんだ。悪臭で顔をそむけてると避けられないよ」
 狂った笑いと共に、ニクロムは全身からヘドロを撒き散らし始めた。それは彼女の身体の一部でもあり、凄まじい悪臭と猛毒を秘めている。表面のヘドロがなくなれば、彼女は自らの涎で自身を溶かし、更にヘドロを撒き散らす。
「くっ……なんという化け物……それが、君の本性か!」
 心を揺さぶるべく、少しでも相手の嫌がりそうな言葉を選んで叫ぶマッドメンタルだったが、今のニクロムには何の効果もなかった。ならばと、精神を衰弱させる異形の者を召喚しようとするも、そもそも心の壊れた今のニクロムには、彼女自身を超える異形の存在などありはしない。
「ば、馬鹿な……。この私が……こんなところで……!」
 ついには、ヘドロの海に捕まって、マッドメンタルは完全に動きを封じられてしまった。どこを見ても一面のヘドロ。周囲に漂う空気は全て有毒ガスと化し、もはや呼吸をすることさえ困難だ。
「苦しい? なら解放してあげる。キミもヘドロ怪人になるんだ。ボクのヨダレを沢山飲ましてあげる。まずいって? 大丈夫、すぐに美味しくなるからね」
 既に抵抗することさえ叶わなくなったマッドメンタルに、ニクロムは容赦なく自分のヘドロを注入して行く。彼女のヘドロは触れた物体をヘドロ化させる。つまり、それを浴びた者もまた、肉体をヘドロにさせられてしまう。
「あ……が……ぁ……」
「ホラ、身体がヘドロ怪人になってきたよ。これでキミもヘドロの民。そう、ボクの仲間入りさ……」
 身体の半分以上を溶かされ、もはやまともな言葉さえ発することのできなくなったマッドメンタルだったが、それでもニクロムは容赦しなかった。最後は完全にヘドロの塊と化してしまったマッドメンタルの肉体を、ズルズルと自らの身体に吸収し。。
「反抗なんて無意味なんだ、アハハ……」
 心の闇を反映した精神世界。その深層にて、彼女はいつまでも狂った声で笑い続けるのだった。
成功 🔵🔵🔴

最終結果:成功

完成日2021年08月17日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴