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天空の宝石少女~屍人艦隊を越えて行け

#ブルーアルカディア #艦隊戦 #幻獣 #前作を知らなくてもOKです

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#幻獣
#前作を知らなくてもOKです


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●迫り来る暗黒艦隊
 雲海をかき分け、飛空艇が行く。
 浮遊する大陸と大陸を繋ぐ交易船。だが、その姿はどこか継ぎ接ぎで、おまけに少しばかり厳めしい。
 高速で空を翔けるのは、かつて猟兵達の手によって修復され、そして生まれ変わった船だった。継ぎ接ぎな見た目に反し、補修に使った素材はしっかりと艇に馴染んでいる。おまけに、新たに搭載された艦載砲により、商船ながらにして魔獣と戦えるだけの攻撃力も手に入れていた。
「おう、嬢ちゃん。もうすぐ、アンタの行きたがっていた街のある大陸に到着するぜ」
 船員が、甲板から外の様子を伺っている少女に告げる。少女の額にあるのは青白い宝石。彼女は人間ではなく、人々と共に暮らしている幻獣種族なのだ。
「ありがとうございます。もし、必要がありましたら、私の力も使ってください」
 そう、少女が船員に告げると、途端に追い風が吹いて船の速度が更に上がった。偶然ではない。これは少女の持つ幻獣としての力。風を自在に操る能力の賜物だ。
「恩に着るぜ。この調子なら、明日にでも目的の港へ到着……って、なんだ、ありゃ!?」
 だが、順調な航海は突如として終わりを告げる。目を丸くして叫ぶ船員が視線の先に見たのは、武装した何艘もの飛空艇。
「こりゃ、たまげたぜ……。まさか、軍隊のお出ましとはな」
「余裕こいてる場合か! ありゃ、屍人帝国の軍艦だ! やつら、問答無用でこっちを撃ってくるつもりだぞ!」
 途端に緊迫した空気が流れ出す船内。こちらも武装しているとはいえ、多勢に無勢。おまけに、敵は戦いを専門とする軍艦ともなれば、まともに撃ち合ったところで勝ち目はない。
「悪いな、嬢ちゃん。万が一の時にゃ、アンタだけ逃げてくれ。脱出艇として積んでる小型船にアンタの力で追い風を加えりゃ、一人くらいは逃げられるはずだ」
「そ、そんな……! いやです! 私も……私も、皆さんと一緒に戦います!」
 船員の提案を突っぱね、少女は両手を胸の前で組み意識を集中させる。風の流れを操ることで敵の船のバランスを崩すことができれば、あるいはそこに突破口が見つかるのではないかと信じて。
「船長! 敵艦から、艦載機の小型飛空艇が発進しやがりましたぜ!」
「総員、砲雷撃戦用意! 弾幕を張りつつ、敵包囲網を強行突破する!」
 空を埋め尽くさんばかりの艦載機。その先には絶望しかないと分かっていたが、それでも空に生きる男たちは、最後まで諦めるような素振りは見せなかった。

●帝国の追撃
「え~っと、何から話せばいいのかな? あ、そうそう! この前、ブルーアルカディアで、屍人帝国から狙われていた幻獣の女の子を猟兵達で守ったのよ。ボロボロになった飛空艇も修理して、女の子も村を出発して、めでたしめでたし……って、なればよかったんだけどね~」
 先の戦いは、あくまで単なる前哨戦に過ぎなかった。そう言って、パトリシア・パープル(スカンクガール・f03038)は猟兵達に、幻獣の少女に迫る新たなる危機について説明を始めた。
「女の子を狙って浮遊大陸に降りて来たやつらは全部倒されたんだけど、屍人帝国は、それとは別に艦隊を動かしていたみたい。あいつら……飛空艇の進路で待ち伏せして、艦隊で取り囲んで一斉に攻撃するつもりよ!」
 どうやら屍人帝国は、是が非でも幻獣の少女を手に入れたいようである。いったい、何がそこまで帝国を動かすのか。その理由は、未だ全てが明らかになっていない。
「幻獣の女の子は、『カーバンクル』っていう種族なのね。額に宝石……普通は真っ赤なルビーが埋まっているんだけど、その子はちょっと違うみたい」
 少女の額に埋まっているのは、ルビーではなく青白いオパール。そして、彼女は風を自在に操り、自らの力とする術を持っている。どうやら、姉を探して旅をしているようで、自分が追われているということには気づいていない。
「不思議な力のせいで帝国から狙われているのか、それとも他に理由があるのか……そこまでは、わたしにも分からないんだけどね~。でも、このままだと飛空艇は沈められちゃうし、女の子も帝国に捕まっちゃうわ。そんなの、放っておくわけには行かないっしょ!」
 そうなる前に、帝国の艦隊を返り討ちにし、なんとしても空域を抜ける必要がある。幸い、今回は飛空艇にいきなり転送することができるので、事前にあれこれ準備する必要も殆どない。
「女の子を乗せてる飛空艇は、前の事件で改造されているからね。軍艦相手だと、ちょっち厳しい感じだけど……一応、最低限の砲撃能力はあるから、たぶんそこそこ戦えるわよ」
 そこに少女の力も加えれば、あるいは猟兵が手を貸すことで、艦隊を強行突破することも可能だろう。敵は艦載機である小型飛空艇を発進させ、最終的にはこちらの飛空艇に乗り込んで、白兵戦を仕掛けるつもりらしい。
「折角、こっちで守ったのに、それを待ち伏せなんかで奪われちゃ堪らないわ。猟兵の強さ、屍人帝国に、ガツーンと教えてあげちゃおう!」
 時に宇宙空間で大型戦艦をも相手にすることがあるのが猟兵だ。本気を出せば、軍用飛空艇の艦隊が相手でも、決して引けを取ることはない。
 そう言って、パトリシアは猟兵達を、屍人帝国の艦隊に包囲されてしまった飛空艇へと転送した。


雷紋寺音弥
 こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。

 このシナリオは、以前に公開した『天空の宝石少女~風のカーバンクル(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=35945)』より派生したシナリオになります。
 前作に引き続き幻獣の少女が登場しますが、前作を全く知らなくても、特に依頼の成否や参加には問題ありません。

●第一章
 屍人帝国の艦隊との戦いになります。
 敵は艦載機を多数飛ばして、最終的にはこちらの飛空艇に兵士を乗り入れさせ、白兵戦を行わせるつもりのようです。
 飛空艇の乗員達と協力し、これを撃破してください。

●第二章
 艦隊を指揮するボスとの戦いになります。
 この敵を撃破すれば、艦隊の生き残りは全軍撤退します。
 飛空艇の乗員達も、飛空艇に搭載された武装を使わせることで、それなりの戦力にはなります。

●第三章
 戦いを終えて到着した街で、宴会を楽しみましょう。
 幻獣の少女とも、ゆっくり話をすることができるかもしれません。

●幻獣の少女
 額に宝石を宿す、カーバンクルと呼ばれる種族の少女です。
 通常はルビーを宿していることが多いのですが、彼女は額にオパールを宿しています。
 また、風を操る能力に長けるので、彼女と協力することで、戦いを楽に運べるかもしれません。
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第1章 冒険 『対空戦闘』

POW   :    総員白兵戦闘用意! 強制接舷して敵飛空艇と白兵戦だ!

SPD   :    総員砲雷撃戦用意! 備え付けの火器で敵飛空艇を叩き落せ!

WIZ   :    総員対魔術戦闘用意! 魔法でこの困難を切り抜けろ!

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

久留米・圓太郎
■WIZ
ここに来てまた、あの女の子と再会することになるとはなぁ。
本当なら依頼じゃ無ければよかったんだが。

なんにせよ、困った人々を助けるのは、魔法使いたるオレの役割だからな!
(……いや、守る相手が女の子だから、じゃないぞ!……って、前にも言ったな)

■戦闘
艦隊に包囲された、というのならまずは広範囲に迎撃だな
[ウィザード・ミサイル]を初撃は【範囲攻撃】のせで、まずは広範囲にぶつけて隊の弱いところを焙り出させよう。

もしスキが見つかったなら、そこを【高速詠唱、全力魔法、2回攻撃】で一気に叩く!

いずれにしても、数は多いけれども、小型とは言え即フネを墜とせるわけじゃないからな。

※アドリブ、連携は歓迎します



●踊る、大空中戦!
 飛空艇の進路を遮るようにして迫り来る大艦隊と、そこから発進する無数の艦載機。空を覆い尽くさんばかりの小型飛空艇群を相手に、幻獣の少女を乗せた勇士達の飛空艇は、殆ど防戦一方だった。
「おい、弾幕が薄いぞ! これ以上、敵を近づけさせるな!」
「そ、そんなこと言っても、相手が多過ぎるんっすよ!!」
 竜艇より奪った武装により強化された船であっても、やはり数の差を覆すことは難しい。そんな中、久留米・圓太郎(自称魔法使いの一番弟子・f00447)は幻獣の少女を横目に、なんとも数奇な何かを感じていた。
(「ここに来てまた、あの女の子と再会することになるとはなぁ。本当なら依頼じゃ無ければよかったんだが」)
 こんな乱戦では、まともの声を掛けている機会さえない。本当ならば、ゆっくりとカフェでお茶でもしながら話をしたかったが、それはそれ。
 なんにせよ、困った人々を助けるのが猟兵の……否、正義の魔法使いたる圓太郎の役割だ。困っている相手が女の子だから……と、いうのは、恐らく関係ないと思いたい、たぶん。
「まずは、敵の陣形を乱さないとね」
 徐々に包囲網を狭めつつある艦載機に向け、圓太郎は問答無用で炎の矢を放つ。一本、一本は大したことのない威力かもしれないが、それらを複数、一転に集中して発射すれば。
「うおっ! な、なんだ!?」
「身一つで飛空艇に抗うだと!? どうやら、優れた勇士を乗せているようだな……」
 撃墜を恐れ、屍人帝国の兵士達も、それ以上は距離を詰めて来ようとしない。そこを逃さず、今度は飛空艇に備え付けられた対空砲が、帝国の小型飛空艇を撃ち落とす。
「よし、流れがこっちに向いて来たぞ!」
 この調子で攻撃を続ければ、とりあえず敵の接近は阻めそうだと拳を握る圓太郎。
 願わくは、この戦いが終わった後は、今度こそ洒落た街でゆっくりと紅茶でも楽しみたいものだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フレミア・レイブラッド
(前作最後に一緒に船に乗り込んでたのでそのまま)
まぁ、予想はしてたけどね。
(少女へ)そういえば、今更だけど名前を聞いてなかったわね。教えてもらっても良いかしら?

さて、また鷲獅子を呼んで迎撃しても良いけど、数が多くて少し面倒ね…。

【ブラッディ・フォール】で「黒竜を駆る者」の「ドラゴンテイマー」の姿(テイマーの黒衣と剣を装備し、翼が生えた姿)へ変化。

【文明侵略】でこちらの飛空艇に接近して来た艦載機(及び兵士の装備)は全て黒竜に変換してあげるわ。
空中で自分達の足も武器も無くなったらどうなるでしょうね♪

後は黒竜をそのまま艦載機の迎撃に向かわせ、て接近して来た機体はまた【文明侵略】で変換を繰り返すわ



●黒き侵略者
 こちらの航路を予測して、予め軍艦を配備していた屍人帝国。なかなかの用意周到さだが、しかしフレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)は、そんな状況にも何ら驚くことなく甲板へと上がった。
(「まぁ、予想はしてたけどね」)
 幻獣の少女を是が非でも欲している帝国が、あの程度で諦めるとは思えない。先の事件を思い出しつつ、フレミアは甲板の上で風を操り、懸命に帝国の艦載機を近づけんとしている幻獣の少女を見つけて声を掛けた。
「あ! あなたは……あの時、船を直すのを手伝ってくれた方ですね!」
 どうやら、少女の方もフレミアのことを覚えていたようだ。このまま一緒に戦っても良いが、しかしいつまでも名前が分からないのも不便であり。
「そういえば、今更だけど名前を聞いてなかったわね。教えてもらっても良いかしら?」
 取り急ぎ、何と呼べば良いかだけでも教えて欲しい。そんなフレミアの問いに、少女は快く返事をし。
「名前……ですか? 私はカルミナと言います。そちらは?」
「フレミア・レイブラッドよ。さて……それじゃ、今は目の前の鬱陶しいカトンボを落とすことに集中しましょうか」
 また、鷲獅子でも呼び出して戦わせても良かったが、なにしろ数が多いので面倒だ。ならば、ここはそんな連中を一網打尽にする技を使わせてもらうとしよう。その間、少しばかり休憩していて欲しいと、フレミアはカルミナに告げて飛空艇の舳先に身を乗り出し。
「骸の海で眠るその異形、その能力…我が肉体にてその力を顕現せよ!」
 己が過去に邂逅したオブリビオンの中から、ドラゴンテイマーの姿を選んでその身に宿す。漆黒の翼を背中より生じ、あらゆる無機物を任意で黒竜へ変える力を持った存在へと。
「さあ、どこからでも来なさい。迂闊に近づくと……そのまま落とされても知らないわよ?」
 何も考えず接近して来る小型飛空艇を、それを駆る兵士の装備と共に、フレミアは躊躇うことなく黒竜へと変えた。今まで手足のように操っていた飛空艇が、いきなり凶暴な竜に変わったことで、帝国の兵士達は瞬く間にパニック状態に陥った。
「うおっ! な、なんだ、これは!?」
「俺の飛空艇が竜に!? や、やめろ! それ以上暴れたら、落ち……うわぁぁぁぁっ!!」
 哀れ、黒竜と化した飛空艇は、兵士達の制御など受け付けない。背に乗せた兵士を鬱陶しそうに払い落とし、果ては近くを飛んでいた他の飛空艇に襲い掛かり、本能のままに暴れ回った。
「す、凄い……。フレミアさん……あなた達は、いったいどういう人なんですか……?」
 こんな魔術は、産まれてこの方、見たこともない。唖然とした表情で立ち尽くすカルミアを他所に、フレミアは進路を妨害する小型飛空艇を、次々に黒竜へと変えて敵の母艦へ向かわせて行き。
「悪いけど、こっちには着艦させてあげるだけの余裕がないの。だから……どんな姿になったとしても、そちらで責任持って迎え入れてあげることね」
 敵の本隊である大型飛空艇さえも、黒竜の群れを使って蹂躙して行く。艦載機の大半を黒竜へと変えられた屍人帝国の艦隊は、一転して防戦一方にさせられてしまうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

露木・鬼燈
まぁ、空中戦くらい余裕ですが。
アポイタカラを召喚して戦うですよ。
ライフル&マシンガンから放たれる徹甲榴弾。
徹甲榴弾の弾幕の恐ろしさを知るがいい、なんてね。
敵の数が多いからばら撒いとけば当たるから。
それでも数が多いのはめんどうだよね。
こーゆー時は強力な範囲攻撃が便利なんだよなー。
ここはサイレントヴォイスを<滅びの咆哮>で強化。
数が多ければ多いほど効果的なんだよね。
弾丸をばら撒きながら敵集団の中に突入!
そこをUCで一掃して次の集団へ。
防御はダークネスウイングがあるしね。
それに結界魔法の守りが加わる。
これなら装甲を貫かれることはほぼないのです。
たぶんこれでイケルイケル!



●空翔ける機人
 雲海に落ちたら最後、オブリビオン化は待ったなしの危険な空。そんな場所での空中戦はリスクの高いものだったが、しかし露木・鬼燈(竜喰・f01316)は何ら気にせず、愛機のキャバリアを駆って大空へと飛翔した。
「まぁ、空中戦くらい余裕ですが。装備の性能差を思い知らせてやるのですよ」
 小型飛空艇を相手に、鬼燈は情け容赦なく大型のライフルとマシンガンで攻撃して行く。元より、数メートルはあろうかというキャバリアを仮想敵とした装備だ。いかに機動性が高いとはいえ、木製部品も多用されている小型飛空艇など、叩き落すことは造作もない。
「くそっ! なんだ、あの鋼の巨人は!」
「敵の新兵器か? あんなやつがいるとは、聞いていないぞ!!」
 小型の機銃程度では何ら怯むことなく進撃を続ける鬼燈のキャバリアを前に、屍人帝国の飛空艇部隊は成す術もなく落とされて行く。
「う~ん……それにしても、数が多いのは面倒だよね。正直、弾が勿体ないのですよ」
 もっとも、銃弾に限りがある以上、鬼燈としても可能な限り弾は節約したかった。
 敵の本隊を叩くには、いつまでも艦載機の相手などしていられない。このままでは、敵群を抜けて大型飛空艇と戦う頃には、こちらの弾薬が尽きてしまう。
 ならば、ここは敵が密集していることを生かし、音波兵器を使わせてもらうとしよう。たかが音と、侮ることなかれ。普通に放てば敵を吹き飛ばす程度の威力かもしれないが、それをユーベルコードによって強化すれば。
「ぽいぽいぽーいっ!」
 本来であれば、海の生物がコミュニケーションに用いる超音波。それを戦闘レベルまで高め、鬼燈は音波兵器より発射した。
「うぎゃぁぁぁっ! な、なんだ、この毒音波はぁぁぁぁっ!」
「あ、頭が割れ……おわっ! ふ、船が!!」
 途端に繰り広げられる、阿鼻叫喚の地獄絵図。強化された超音波は屍人帝国の兵士達の鼓膜を情け容赦なくブチ破り、挙句の果てには乗っていた小型飛空艇さえも、バラバラに解体してしまったのだ。
「さて、これで露払いは済んだのですよ。後は……」
 いよいよ、本命である軍艦を相手にする時が来た。一気に距離を詰め、鬼燈は敵艦の中枢を狙い、徹甲榴弾の雨をお見舞いする。図体だけは大きいので、狙いなどつけずとも当たってくれるのは幸いだ。
「第二、第三甲板、被弾! 隔壁の閉鎖、間に合いません!!」
「えぇい、小型飛空艇部隊は何をしている! 敵は、たかだか一機ではないか!」
 火の手が上がった大型飛空艇の中で、屍人帝国の兵士達が狼狽する様子が見えた。これ以上、鬼燈を近づけてはならないと、ありったけの砲弾を応戦するが……鬼燈はキャバリアの背面から翼状のエネルギーを展開すると、それを盾のように扱い、攻撃を弾きながら撤退した。
「残念ですが、こちらは守りも完璧なのです。そのまま何もできずに、雲の下へ沈むといいのですよ」
 去り際に放った止めの一撃が、敵艦のブリッジに直撃する。轟沈を確認するまでもなく、指揮系統を失った敵の軍艦は、そのまま炎に包まれて、雲海の下へと消えて行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エメラ・アーヴェスピア
あら、意外と早く再会になったわね
とはいえ、あまり私は顔を合わせていないから覚えられているか怪しいけれど
さ、猟兵の仕事を始めましょう?

さて、船上から迎撃よね?
白兵戦されると私も困るから、出来るだけ撃滅しておきたい所だけれど…
なら、私にしかやれない事をしておきましょうか
『我が紡ぐは戦装束』、対象は今回乗っている船ね
機動力や砲撃力を強化する事で出来るだけ危険を減らしておきましょう
私も前回この船の修復を手伝っている訳だから、どこを強化すればいいのかもわかりやすいと思うわ
UCで強化、増設した砲台等の操作は私がやるとしても操船自体は船長さんにお任せした方が良いわよね
腕の見せ所よ、船長?

※アドリブ・絡み歓迎



●即席強行突破
 額にオパールの宝玉を宿し、風を操ることのできる幻獣の少女。そんな彼女と再び顔を合わせたエメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)だったが、少しばかり不安だった。
 先の事件では、自分は飛空艇の整備にばかり気が入ってしまい、殆ど彼女と話をしていなかったのだ。果たして、そんな自分のことを覚えてくれているのかと思ったが……どうやら、それは杞憂だったらしい。
「あ! あの時、船を直してくれた方ですね!」
「ええ、そうよ。覚えていてくれて、光栄だわ」
 こうなると、俄然やる気が出るというもの。顔見知りの相手を前に、無様な戦いは見せられない。こちらの船の周りを散開する小型飛空艇は、かなり数を減らしていたが、それでも次から次へと攻撃を仕掛けて来るので厄介だ。
「左舷、被弾したっす! このままでは、航行に支障が出るっすよ!!」
「なんとか持ち堪えさせろ! ここで沈むことは許さんぞ!」
 船長の怒号が、艦内に響く。武装強化を施されているとはいえ、所詮は商船。おまけに多勢に無勢な展開となれば、船の損傷も激しくなる。
「さて、船上から迎撃よね? 白兵戦されると私も困るから、出来るだけ撃滅しておきたい所だけれど……」
 そんな状況を打破すべく、エメラはしばし考えた。
 この状況で、自分にしかできないことは何だろうか。少しばかり考えた後、彼女が至った結論は。
「必要な兵器の選定終了……魔導蒸気缶装填……魔導蒸気機関起動確認……兵器の換装を開始……完了! さぁ、行ってきなさい!」
 魔導蒸気兵器を召喚し、飛空艇へと取り付ける。即席の応急処置と同時に、更なる武装強化を図るというのが、エメラの出した答えである。
「す、凄い……。不思議な機械が、どんどん武器に変わって……」
 幻獣の少女、カルミナも、これには呆気に取られて呆然と立ち尽くすばかりだった。時に、超自然の力さえ味方につける彼女達からしても、アルダワ由来の魔導蒸気文明の技術は、ブルーアルカディアの天使核文明に勝るとも劣らないものだ。
「増設した砲台の操作は私がやるわ。悪いけど、操船はお願いね、船長」
「了解した。よ~し、行くぞ、お前達! 面舵一杯、全速前進!!」
 武装が強化されたことで強気になったのか、船長も船を敵の軍艦目掛けて突貫させ始めた。このまま、敵艦の防御が甘いところをすり抜けて、包囲網を脱出するつもりなのだ。
「これは、かなり揺れそうね。しっかりつかまっていないと、振り落とされるかもしれないわよ」
「え……? きゃぁっ!!」
 カルミアが軽く悲鳴を上げたところで、エメラの操る砲台が一斉に火を噴き、凄まじい弾幕を形成して行く。轟音と爆音の中、目の前に浮かぶ雲へ飛空艇は正面から突っ込み……次に雲海の上に顔を出した時には、敵の軍艦を後方に抜き去っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル
うりゃりゃー、ボク参上☆助けにきたよ!

取り付けておいた艦載砲をどっかんどっかん撃って敵の艦載機を近づけさせないぞ☆
ふふーん、こんなこともあろうかと準備した装備がさっそく役に立ったね♪

敵からの砲撃は風鳴りのレイピアで風を操った【オーラ防御】ではじいちゃうよ!
カーバンクルの女の子にも風を操るのを手伝ってもらうね!

それでもいざとなったら、【妖精姫と空飛ぶ大熊猫ロボ】でパンダミサイルの弾幕を追加しちゃうよ!

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



●無敵! グレートパンダラーZ!
 敵の包囲網を辛くも突破し、飛空艇は雲の海を行く。
 だが、屍人帝国はそれでも諦めず、執拗に飛空艇を追ってきた。船の速度では、残念ながら相手の方が少しばかり上手。このままでは、遠からず追い付かれた挙句、今度こそ沈められてしまい兼ねない。
「くそっ! しつこい連中だ!」
「敵、艦載機、再び来るっす! このままじゃ、こっちの弾が尽きるのが先っすよ!!」
 砲手の口から情けない声が飛び出す。現に、今までの激しい戦いで、船に積んでいた砲弾の類は殆ど底を突きかけている。
 弾幕が薄くなったことで、敵の艦載機は再び追いつき、飛空艇に砲撃を開始した。その攻撃の先にいるのは、幻獣の少女、カルミア。目の前に迫る砲弾に反応しきれず、このままでは撃ち抜かれてしまうと思われたが。
「……っ! あ、あれ……?」
 着弾する寸前、何かが砲弾を弾き飛ばしたことで、カルミアは思わず顔を上げた。 
「うりゃりゃー、ボク参上☆助けにきたよ!」
 そこにいたのは、風鳴りのレイピアを手にしたティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)だった。彼女の背丈は20cmほどしかないが、風を操る細剣の力を駆使して空気の幕を張り、敵の砲弾を跳ね返したのだ。
「それにしても、本当にしつこいね。よ~し、こうなったら……」
 もはや、出し惜しみなどしている場合ではない。ありったけの砲弾を増設した艦載砲に詰めるよう指示し、ティエルは一人、船の上から飛び出して行き。
「キミ、風を操れるんでしょ? 悪いけど、手伝ってくれないかな?」
「え? は、はい! わかりました!!」
 カルミアが両手を組んで意識を集中させれば、ティエルの周りを激しいつむじ風が覆い始める。それは風のバリアとなって敵の攻撃を弾くと共に、ティエルを更に加速させ、敵陣の中へと送り届け。
「そ~んなヘロヘロ弾じゃ、ボクは落とせないよ……と、言いたいところだけど、さすがに剣で軍艦はやっつけられないよね……」
 敵の主力艦と正面から相対しつつ、ティエルは最後の切り札を使うことにした。そちらが軍用の飛空艇で来るなら、こちらは空飛ぶスーパーロボットで応戦だ。
「いっくぞー! パンダラー、ゴー!!」
 高々と剣を掲げて叫べば、なんと現れたのはパンダの姿をした巨大ロボ。もっとも、飛行能力を持っていないため、このままでは雲海に落下するだけなのだが。
「ようし、ジェットパンダラーと合体だー!」
 続けて現れた飛行ユニットと一直線に並び、パンダロボは翼とドッキング!
 これにて、飛行能力を得たグレートパンダラーZは、もはや空の上では無敵である。
「なんだあれは! 撃て! 撃ち落とせ!!」
 いきなり現れた謎のマシンに、屍人帝国の兵士達は困惑しながらも攻撃を仕掛けた。だが、堅牢な装甲を誇るスーパーロボットが相手では、飛空艇の機銃など豆鉄砲に過ぎない。
「そんな攻撃、全然平気だよ! 今度はボクの方からお返しだ~!」
 Zの文字が書かれた腹の装甲が展開し、グレートパンダラーZの中から現れたのは無数のミサイル。立て続けに発射されたそれは小型飛空艇を執拗に追尾し、果ては敵艦そのものにさえもダメージを与え。
「な、なんだこの武器は!?」
「くそっ! 振り切れな……うわぁぁぁぁっ!!」
 哀れ、殆ど抵抗もできずに沈んでゆく小型飛空艇群。かくして、グレートパンダラーZの活躍で、屍人帝国の艦隊は、残る艦載機を全て叩き落されてしまったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『騎士道を捨てた略奪騎士』

POW   :    アーマー・クラッシャー
【左手の剣による強烈な水平斬りを放って】から【右手の剣による急所を狙った振り下ろし】を放ち、【装甲を砕く頑丈な双剣の重たい斬撃】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    ミサイル・テンペスト
【目標を追尾するマイクロミサイル】が命中した対象に対し、高威力高命中の【時間差で放った大量のミサイルでの飽和攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    フェイタリティ・コンボ
【マイクロミサイルで陽動攻撃を行う事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【死角から高速で突撃し両手の双剣】で攻撃する。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はグレゴワール・ロジェです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●天空の略奪騎士
 敵の軍艦から立ち昇る煙。幻獣の少女を追い求め、是が非でも捕獲せんと大艦隊を送り込んで来た屍人帝国だったが、猟兵達を相手にした結果、むしろ艦隊の被害の方が甚大だった。
 このまま行けば、逃げ切れる。猟兵達を乗せた飛空艇は一気に速度を上げ、艦隊を引き離さんと飛翔するが、しかし全ての艦載機を失ったにも関わらず、屍人帝国は未だ諦めてはいないようだった。
「船長! 後方から、物凄いスピードで何かが追って来やがるっす!」
「数は? また、敵の艦載機か?」
 訝し気に思い、船長が船のクルーに確認したところで、その飛行物体は瞬く間に飛空艇を追い越し、進路の前に立ちはだかる。全身を強固な鎧で覆い、最新鋭の武装を装備した、天を翔ける重騎士だ。
「ロケットナイトだと!? まさか、たった一人だけで、この船に挑むつもりなのか!?」
 船長が叫ぶが、そのまさかであった。艦隊より発進した、たった一人のロケットナイト。彼こそが艦隊の指揮官たるオブリビオンであり、同時に最強にして最大の切り札でもあったのだ。
「逃がさぬ……逃がさぬぞ……。そこの娘……我と共に来てもらおうか」
 騎士道を捨て、略奪騎士と成り果てたロケットナイトが、幻獣の少女、カルミアへ迫る。敵はたった一人ではあるが、下手な魔獣も凌駕する程の戦闘力を誇るため、決して油断することはできない。
 ここまで来て、少女を攫われてなるものか。屍人帝国の艦隊が送り込んで来た最強の刺客から、飛空艇と幻獣の少女を守り抜くのだ!
久留米・圓太郎
■SPD
追尾は怖いが、あてられなければ良いんだな!?
とにかく速度出して逃げ回って追撃しよう
だれが、カルミアを渡すかよ!
今度こそ、お前を倒してお茶に誘うんだよ!
(あれ?了承取れるかどうか、まだわからんのは、ここは置いておくか)

■[ナジュム・ダウ・ダナブ]で飛び回って、攻撃だ!

諸撃を喰らうと元も子もない。【オーラ防御、地形の利用、野生の勘】動員して避けて【高速詠唱、全力魔法、2回攻撃、範囲攻撃】で、マイクロミサイルを叩いて、あたらないミサイルは無視して略奪騎士を叩く!

もし叩き損なったら、空飛ぶ箒で逃げつつ、マイクロミサイルの対処と同様に対処し、その後に騎士を倒す!

※アドリブ、連携共に歓迎


露木・鬼燈
単騎で乗り込んでくるとは…
やっぱりあれです?
先遣隊全てを合わせたより強いやつです?
母艦を先に沈めたらそれで終わらない?
いや、こっちの船を乗っ取るくらい普通にやりそう。
ふつーに倒すしかないか。
まぁ、アポイタカラならイケルイケル!
とは言え、あれに徹甲榴弾を当てるのは難しそう。
かと言って、散弾で鎧を貫くのも難しい。
これは八方塞がりっぽい?
いやいや、そんなのUCでどーとでもなるっぽい!
威力が足りなければ上乗せすればよしっ!
<凶鳥強襲>を起動して51cm砲の概念を付与。
装填するのはもちろん散弾。
敵を倒すだけでなく身を守るのにも最適。
散弾でもこの威力ならミサイルを撃ち落とすのも容易いのです。


エメラ・アーヴェスピア
だから白兵戦は苦手だと…もう、しょうがないわね
それにしても、あの武装量を素早く飛ばす出力に対してあのサイズ…興味があるわ
鹵獲できるといいのだけれど…

とりあえず、念の為私は彼女のすぐ近く、守れる位置に立つとして…
そうね、壁と手数を増やしましょうか。『出撃の時だ我が精兵達よ』
大盾と魔導蒸気ライフルを装備させ、同僚さん達の邪魔にならない程度に広がりなさい
後は【盾受け】で防ぎつつ【集団戦術】で相手を射撃よ
どうにも相手はあの豊富なミサイル量をばら撒くのではなく、集中運用しているようだから一機で防げば他の機体は攻撃できるでしょう
さぁ、油断なく近寄らせずに叩き落とすとしましょう

※アドリブ・絡み歓迎


ティエル・ティエリエル
むむむー、しつこーーーい!
相手のスピードに対抗するため、ボクもパンダくんから降りて戦うぞー☆

追尾してくるミサイルを【スカイステッパー】を使って直角に避けて一気にロケットナイトの懐まで潜り込んじゃうぞ!
そのまま至近距離に張り付いてミサイルを封じたら、レイピアで鎧の繋ぎ目やミサイルの発射口を狙った「鎧無視攻撃」をしちゃうよ!
つんつんうりゃうりゃうりゃーと攻撃を続けながら、なんであの子を狙うんだ!って問い詰めていくぞ☆

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



●終わらぬ追撃
 艦隊を振り切ってもなお、単機で追跡を続けて来る屍人帝国の略奪騎士。そのスピードは瞬間的な速度なら飛空艇を遥かに凌駕し、鋭角的な軌道や旋回も可能という恐るべきもの。
「むむむー、しつこーーーい!」
 なんとか追い払おうとするティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)だったが、彼女の駆るパンダ型のスーパーロボットでは、パワーは勝っていても機動性で負けてしまう。
「奇妙な鎧を使う……だが!」
 略奪騎士の放ったミサイルが、ティエルの駆るパンダ型スーパーロボットに直撃した。あわや、一貫の終わりかと思われたが……しかし、この程度で大破させられるスーパーロボットではなかった。
「ふぅ……危ない、危ない……」
 間一髪、ティエルはロボから脱出していたのだ。もっとも、このままではジリ貧なことに変わりはないので、なんとか打開策を編み出さねば。
「お前達が何者かは知らぬが……我が帝国の悲願を成就させるため、ここで死んでもらおう」
 再び、騎士がミサイルを発射して来た。一発の威力よりも、数を優先した仕様のようだ。
「単騎で乗り込んでくるとは……やっぱりあれです? 先遣隊全てを合わせたより強いやつです?」
 同じく、キャバリアに乗ったまま、露木・鬼燈(竜喰・f01316)が首を傾げる。体格から考えれば先発隊と大差ないような気もするが、相手を見た目で判断するのは愚か者のやることだ。
「追尾は怖いが、あてられなければ良いんだろ! とにかく、速度出して逃げ回って追撃だ!」
 迫り来るミサイルに我慢が効かなかったのか、久留米・圓太郎(自称魔法使いの一番弟子・f00447)が飛び出した。それに続く形で、鬼燈やティエルもまた空中を翔け回る略奪騎士へと向かい飛翔する。
「ちょっと、あなた達!? ……あぁ、もう! だから、白兵戦は苦手だと言っているのに……しょうがないわね!」
 先行する仲間達を前に、エメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)が溜息を吐く。敵を前にして、退かずに挑んで行くのは良い。だが、敵の目的が幻獣の少女である以上、守りを手薄にするのは得策ではない。
(「それにしても、あの武装量を素早く飛ばす出力に対してあのサイズ……興味があるわ」)
 個人的には鹵獲したいところだったが、残念ながら、そんな余裕はなさそうだった。仕方なく、カルミナを守るようにして彼女の傍に立つと、エメラは総勢100体以上の魔導蒸気兵を召喚した。
「さぁ出番よ、私の勝利の為に出撃なさい」
 左手に盾を、右手に銃を。この状態でカルミアを囲うようにして配置すれば、とりあえず流れ弾が飛んできても安心だ。
 後は、残る3人が、上手く敵を誘導してくれれば良いのだが。飛空艇の砲手にも指示を出しながら、エメラは上空で激しく激突する猟兵と略奪騎士の戦いに視線を向けた。

●ミサイル大サーカス!
 屍人帝国の艦隊を指揮する略奪騎士。その豊富なミサイルは尽きることなく、延々と追尾する誘導弾の波状攻撃で、猟兵達を追い込んで行く。
「くそぉ! 振り切れない!!」
 逃げても逃げても追ってくるミサイルの雨に、圓太郎は反撃の糸口を掴めない。同じく、愛機であるアポイタカラに乗って戦う鬼燈もまた、人間サイズにしながらキャバリアと互角以上の戦闘力を誇る略奪騎士に対し、決定的な攻撃を当てられないままだ。
「あれに徹甲榴弾を当てるのは難しそう。かと言って、散弾で鎧を貫くのも難しい……」
 正に、進退窮まった状態。弾の威力を上げれば命中率が犠牲になり、面制圧力を上げれば攻撃力が犠牲になる。
 このまま戦っていても埒が明かない。しかし、次の一手を考えるよりも早く、ミサイルが四方八方から二人のところへ迫ってくる。
「させるか! こうなったら、強行突破だ!!」
「散弾でも、ミサイルを撃ち落とすくらいはできるのですよ!」
 圓太郎と鬼燈が、それぞれ炎の矢と散弾を使って敵の放ったミサイルを迎撃する。たちまち、周囲に巻き起こる大爆発。これだけの範囲で爆発を起こせば、全てのミサイルを迎撃できたかと思われたが。
「……っ! マジかよ!?」
「ミサイルの数が多過ぎるのですよ!!」
 爆風を抜けて現れたのは、更に追加で放たれたミサイルだった。このままでは、本当に直撃を食らってしまう。咄嗟に、回避行動に移ろうとする二人だったが……しかし、何故か彼らに迫っていたミサイルは、目の前で次々に謎の爆発を起こして撃墜された。
「ミサイルは、こっちで迎撃するわ。その間に、あなた達は敵の本体を叩いてちょうだい!」
 見れば、飛空艇の甲板の上から、エメラが蒸気兵を使って援護射撃を繰り出していた。先程のミサイルは、彼女が全て撃墜してくれていたようだ。
 これで、戦いの流れはこちらに向いた。散開し、それぞれの得意な技や武器を使って、略奪騎士を追い詰める猟兵達。
「さあ、今度はこちらの番なのですよ。散弾とはいえ、51cm砲の概念を付与した弾丸なら……」
 まずは鬼燈が、キャバリアの手にしたライフルで散弾を連射。無論、ただの散弾ではなく、ユーベルコードによって戦艦の主砲クラスの威力を付与した特別な弾だ。
「ぐぅっ! 馬鹿な!! なぜ、拡散弾にこれほどの威力が!?」
 攻撃を弾けると思っていた矢先、鎧がガリガリと削られるのを感じ、略奪騎士は慌てて距離を取った。だが、彼は鬼燈の散弾攻撃を避けることに意識を集中させ過ぎて、先の攻撃で生じた鎧の隙間に、何かが入り込んだことに気付かなかった。
「ふふ~ん、鎧の中に入っちゃえば、こっちのものだよね~。それ、お仕置きだ~!!」
 散弾に紛れ込み、鎧の中に侵入したのはティエルである。彼女はレイピアを抜くと、それを使って略奪騎士の地肌を情け容赦なく貫いて行く。
「……っ! おのれ……虫ケラの分際で!!」
 鋭い痛みを感じ、略奪騎士は鎧の上から叩くことで、強引にティエルを追い出そうとした。しかし、ティエルは巧みに中を動き回り、関節や鎧のつなぎ目といった、弱い部分だけを狙って攻撃して行く。
「なんであの子を狙うんだ! 言わないと、もっとつんつんするぞー!」
「虫ケラなどに、話す舌など持たぬわ! いい加減に、我が鎧の下から出て行くがよい!!」
 完全に怒り狂った略奪騎士が、手にした大剣を自らの鎧に叩きつける。瞬間、凄まじい振動が鎧の中を駆け巡り、そのショックでティエルは外に弾き出されてしまったが。
「チャンス! もらったぜ!!」
 彼女に集中し過ぎていたのが、運の尽き。ノーマークだった圓太郎が、略奪騎士に向けてありったけの炎の矢を叩き込んだのだ。
「お前なんかに、カルミナを渡してたまるかよ! 街に着いたら……今度こそ、あの子をお茶に誘うんだよ!!」
 煩悩丸出しな理由を叫ぶ圓太郎だが、それはそれ。
 単発では威力に乏しい火矢も、無数に放てば流星となる。そして、流星を一転に束ねれば、それは巨大な彗星と化す。放たれた無数の火矢は一点に収束し、巨大な火球となって行き。
「今よ! 全蒸気兵、集中砲火!!」
 火球が直撃する瞬間、エメラが蒸気兵達に一斉攻撃を命じた。放たれた無数の弾丸は、略奪騎士を飲み込む巨大な火球に吸い込まれ、やがて大きな爆発を起こして青き空を赤く染めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フレミア・レイブラッド
しつこいわね…。あの子の為にも、あの子は絶対に渡さない

カルミナに風を操る能力で支援(敵ミサイルの軌道を風で乱して誘爆させたり、敵の体勢を崩したり)、船員達には敵が足を止めた際等に砲撃を依頼。

UCで真祖の力を解放し、飛行能力で【空中戦】

敵の剣を【見切り】、超高速と【第六感】で回避。
近接では竜種以上の膂力・【怪力】と【早業】、雷撃【属性攻撃】を付与した魔槍の連撃【切断、串刺し、2回攻撃】、遠距離では真祖の魔力による雷撃や凍結の魔力弾【属性攻撃、高速・多重詠唱、全力魔法、誘導弾】の【弾幕】や【砲撃】を放って敵の機動力を削ぐわ。

カルミナや船員達と協力して動きを止めた隙を狙い、神槍グングニルを叩き込むわ



●天空を翔ける
 超機動力とミサイルの雨を巧みに用い、猟兵達を苦戦させた略奪騎士。
 だが、戦況は一転し、彼は火球と砲撃の前に大きなダメージを負ってしまった。
「おのれ……やってくれたな……」
 丸焦げになった鎧は破損が目立ち、ミサイルポッドも大破して使い物になるまい。それでも、その手に握られた巨大な剣は、未だ獲物を求めて止まないようだったが。
「本当にしつこいわね。あの子の為にも、あなたなんかには絶対に渡さないわ」
 甲板を軽く蹴って、フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)は雲の海へと飛び込んだ。そのままでは瞬く間に落下してしまうが、当然のことながら何も考えず船を離れたわけではない。
「我に眠る全ての力……真祖の姫たる我が真の力を今ここに!」
 真祖の魔力を解放し、フレミアは高々と大空を舞う。この状態の彼女は、限定的ではあるものの、竜さえも屠るだけの凄まじい戦闘力を秘めている。
 相手が悪に堕ちたロケットナイトであっても、何ら不足はない姿だった。敵は遠距離攻撃力が低下した状態。ならば、こちらも遠間から攻めるのが普通だが……放たれたミサイルを雷撃や霰で迎撃しつつ、フレミアは一気に飛翔して距離を詰めた。
「ほぅ……その身だけで、我に接近戦を挑むつもりか……」
「ええ、そうよ。悪いけど……見た目で判断していると、後悔することになるかもね」
 略奪騎士の双剣が、フレミアの繰り出した神槍と激突する。本来であれば大振りになる槍の一撃だが、連続での突き攻撃を巧みに混ぜることで、フレミアは相手に反撃する隙を与えない。
 また、それにも増して騎士の動きを制限していたのが、甲板に残されたカルミナの存在だった。彼女は自らの能力、風を操る力によって気流を操作し、騎士の武器である機動力を完全に奪ってしまったのだ。
「やるな、小娘! さては、貴様も幻獣の類か!?」
「さあ、どうかしら? 少なくとも、あなた達にとっては、神様よりも悪魔に近い存在かもしれないけれどね」
 反撃として敵が繰り出した斬撃を軽々と避け、フレミアは咄嗟に牽制の雷撃を放った。思わず顔を手で覆ってしまった騎士はニ撃目を繰り出すことができず、一瞬だけだが動きが止まり。
「今よ! こいつに砲撃を浴びせなさい!」
 飛空艇の砲手達に向かって叫べば、彼らもまたありったけの砲弾を略奪騎士へと浴びせて行く。それらは決して騎士に致命傷を与えるようなものではなかったが、それでも弾幕で動きが更に制限されれば、それで十分だ。
「これで終わりよ! 屍人はおとなしく、雲の下に帰るがいいわ!」
 カルミナの操る気流に乗って、フレミアは一気に降下する。狙うは、騎士の急所であろう頭のみ。爆風で身動きの取れない略奪騎士の頭に、神をも屠る紅き槍の一撃が炸裂し。
「……ぐぁぁぁぁぁっ!!」
 断末魔の悲鳴を上げて、騎士は雲海の下へと落ちて行く。そのまま、しばらく浮遊していたフレミアだったが、しかし雲海より騎士が上がってくることは、二度と再びなかったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『勇士達の酒盛り』

POW   :    沢山飲んで沢山食べる

SPD   :    宴会芸で盛り上げる

WIZ   :    自慢の料理やドリンクを振る舞う

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●白と紫のカーバンクル
 屍人帝国の襲撃を辛くも退け、飛空艇は目的地である浮遊大陸へと到着した。
「いやぁ……今回も、こっ酷くやられたなぁ……」
「こいつは、しばらくドックに入れてオーバーホールが必要だな。まあ、この規模の街なら、整備する場所には事欠かないのが幸いか」
 損傷した飛空艇を着艦させつつ、船員達はそれぞれ持ち場について客を下ろし始めた。乗客の大半は、猟兵達を除けば商人が殆どであり、出迎える側もまた同じようなものだったが。
「……姉様!!」
 突然、幻獣の少女であるカルミナが、人込みを掻き分けて走り出した。その先にいたのは、これまたカルミナと同じく額に宝石を持つ紫色をした髪の女性。カルミナと比べて随分と大人びた雰囲気であり、どことなく緩い雰囲気が漂っている。
「あら? もしかして……カルミナちゃん? よかったわ、無事だったのね」
 カルミナに姉と呼ばれた女性は、そのふくよかな胸元でカルミナのことを受け止めた。どうやら、雰囲気だけでなく体型もまた、カルミナに比べて大人のようで。
「あの人達が、私を助けてくれたのです」
 猟兵達を指差して、カルミナは言った。それを聞いたカルミナの姉は、柔和な微笑みを浮かべると、深々と礼をして名前を名乗った。
「この度は、ありがとうございました。私はターニア。この子と同じ、幻獣です」
 ターニアと名乗った幻獣の女性は、それだけ言って頭を上げた。額に輝く宝石は、妖しい色彩を放つアメジスト。
 いったい、彼女達の身に何が起きているのか。ターニアにもそれは分からないようだったが、少なくとも各地に暮らしている姉や妹たちが、次々と音信不通になっていることだけは確かだった。
「とりあえず、ここは場所を変えた方が良さそうね。飛空艇が到着した日は、その村や町で歓迎の宴を開くのが習わしだから」
 まずは、妹を助けてくれたお礼をさせて欲しい。そう言って、ターニアは町にある大きな店へと猟兵達を案内した。店の中は飛空艇乗りや勇士達で賑わっており、なかなかどうして活気がある。
「お代は、私が受け持つわ。さあ、遠慮なく何でも注文してね」
 折角の好意、無下にするのは無粋だろう。姉妹と話をするも良し、存分に宴会を楽しむも良し。戦いの疲れを癒すため、ここでしばしの休息を取ることにしよう。
アドナ・セファルワイド
(勇士達が酒盛りをしていると、豪奢な意匠を盛り込まれた飛空艇が近づく)
ん?あれは……
余は家臣の子孫の元へと赴いていてその帰りだったのだが……どうやら猟兵がいるな、妾も混ぜよ

成程な、屍人帝国どもが暴れていたのだな
全てが終わってから来てもしょうがないとは思うが……まぁ、せめて宴会を豪奢にするか
余は酒が好きでな。アース系世界のロマネコンティやヘネシー・リシャール、レミーマルタンのルイ16世なども蒐集している
余だけが飲むのも流石に妾であっても贅沢が過ぎるというもの
皆、飲むと良い。この店の料理も美味だな……

しかし、カーバンクルの姉妹を狙う屍人帝国か……
余も追ってみるとするか



●お忍びの皇帝陛下
 勇士達が、そこかしこで宴会を繰り広げる街の上。公共の運び屋や、あるいは個人所有の小型飛空艇とは明らかに異なる、豪華な意匠を盛り込まれた飛空艇が現れた。
(「ん……あれは?」)
 船の中より、望遠レンズで外の様子を伺っているのはアドナ・セファルワイド(セファルワイド初代にして最後の皇帝・f33942)。皇帝である彼女にとって、この飛空艇は動く帝国領そのものだ。
「……どうやら猟兵がいるな、妾も混ぜよ」
 家臣の子孫の下へ所要で赴いた帰りではあるが、ここで休息というのも良いだろう。船を空に停泊させたまま、アドナは身一つで飛び降りると、颯爽と店の屋上に設置されたオープンテラスに降り立った。
「成程な、屍人帝国どもが暴れていたのだな」
 酒盛りを続ける勇士達の会話を小耳に挟み、アドナは何が起きていたのかを察した。ここ、ブルーアルカディアでは珍しいことではないが、自分も討伐に参加できなかったのは少し残念だ。
「全てが終わってから来てもしょうがないとは思うが……まぁ、せめて宴会を豪奢にするか」
 協力できなかったせめてもの埋め合わせにと、アドナは高級な酒を次々と振舞った。それら全ては彼女が世界の壁を越えて集めた秘蔵の品。アース系世界の高級酒は、こちらの世界ではどれも飲めないようなものばかり。
「余だけが飲むのも、流石に妾であっても贅沢が過ぎるというもの。皆、飲むと良い」
「おぉ、気前がいいな! それじゃ、遠慮なくいただくぜ!!」
 アドナの正体を知らない者は、何の遠慮もなしに彼女の酒を堪能している。まさか、一国の主がこんな酒場に訪れているなど、誰も想像できないのだろう。
「ふむ、この店の料理も美味だな……。しかし……」
 恐らくは魔獣肉を使ったであろう料理を堪能しながら、アドナは考えた。
(「カーバンクルの姉妹を狙う屍人帝国か……。余も追ってみるとするか」)
 屍人帝国が、これで諦めるとは思えない。次なる襲撃に備え、宴が終わったら早急に飛空艇の発進準備を整えるべきだと、高級な竜の尾を口にしながら思うのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

久留米・圓太郎
■POW
飛空艇は、今度はオレ達が手伝うよりも技師の方々がしっかり直してくれるだろうし、そっちはあまり心配しなくてもいいか。

(お酒のむわっとした匂いに軽くたじろぎながら)
うわ。やっぱこうなるか。
こうなると、オレが未成年なのが残念だけど、それは言っても仕方がない。

カルミナさん姉妹(で良いのかな?どうも年齢はイマイチ解らん)をお茶に誘う、を実行するときは今!

交易が盛んとあれば、美味しいお茶とか茶菓子とかがあるだろうし、それを切欠にしよう。
(これでどっちも成人してて、どっちもお酒に強かったら、ガックリもんなんだけど)
「猟兵としてではなくて、平時にまた逢いたいものだぜ」

※アドリブ、連携共に歓迎


フレミア・レイブラッド
あら、美味しいお酒や名物料理とかあるのかしら。
可愛い子達と一緒の食事は一層美味しく感じるわね♪

自己紹介したりしてターニアとカルミナと親交を深めながらお酒や料理を頂き、ここへ来た経緯(屍人帝国が二人や他の姉妹達を狙ってるらしい事等)を説明。
ターニアの方には現状まで問題なかったのか(襲撃や監視等)や、他の姉妹の安否について確認取れないか質問。
とりあえず現状について確認しつつ、問題ないか確認するわ

後は一応、【パンドラ】で護身用の装備とか護衛用の戦闘ドローンとか生産しておいた方が良いかしら…。
最後、お守りとして「ブラッド・クリスタル」を二人に渡しておくわ

いざとなったらその御守りが貴女達を守ってくれるわ


ティエル・ティエリエル
わーい、おいしいスイーツを頼んじゃうぞー☆
奢ってもらったお礼に持ち込んだはちみつもたっぷり使っちゃうぞ♪
それで、島の特産スイーツに舌鼓を打ちながら幻獣の姉妹とお話しちゃうね♪

むむむっ、そういえば、カルミナもターニアも姉妹なのになんで離れて暮らしてるんだろ?
はっ、もしかして聞いちゃいけないことだった!?

そんなこんなでお話してたら段々眠くなってきたかも?
(問題なければターニアさんの服の中に潜り込んでぐっすりお休みモードに)

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



●束の間の談笑
 店の扉を開けると、途端にむせ返るような酒の匂いが周囲に漂ってきた。
(「うわ。やっぱこうなるか。こうなると、オレが未成年なのが残念だけど……」)
 避けの匂いに当てられ、久留米・圓太郎(自称魔法使いの一番弟子・f00447)は思わず一瞬だけ顔を顰めた。未だ酒を飲んだことがないため詳しくは分からないが、かなり強い酒か、あるいは癖のある酒を提供しているようだ。
「あら、美味しいお酒や名物料理とかあるのかしら」
 その一方で、フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)はこのような場に慣れているのか、特に気にすることもない。彼女からすれば、高級な酒や癖の強い酒を楽しむのもまた、高貴な者の嗜みと言ったところだろうか。「さあ、皆さん。遠慮なく楽しんでください」
「お代は私が持つわ。大事な妹を助けてくれたお礼にね」
 カルミナとターニアの姉妹が、店の奥へと猟兵達を案内した。人込みの多い入口近くのカウンター席を避け、奥にある少しばかり落ち着いたテーブルへと。
「わーい、おいしいスイーツを頼んじゃうぞー☆」
 ここぞとばかりに、ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)は特性のスイーツを頼み、その上にはちみつをたっぷりとかけている。種類からしてケーキか何かのようだが、どんな素材が使われているのかまでは、さすがに見た目だけでは分からない。
「……っ! 美味し~い!! 甘いのに、いくらでも食べられそうな感じがするよ!」
 舌が喜ぶ上品な甘さ。それでいて、どれだけ食べても飽きず、腹がもたれない不思議な味。
「あら、気に入ってくれたかしら? このケーキ、この街の名物なの」
 まだまだたくさんあるので、好きなだけ注文して構わない。そう言って勧めて来るターニアからケーキを受け取り、圓太郎もまた彼女に声を掛け。
「確かに、すごく美味しいね。この店以外にも、専門のお店とかあるのかな?」
 できることなら、今度は猟兵としてではなく、個人的に会いたいものだ。どこか素敵な店があるなら、是非とも紹介して欲しいと頼んでみた。
「専門のお店? 私の知っているところで良ければ、喜んで紹介させてもらうわよ」
 特に警戒することもなく、ターニアは圓太郎に微笑んで返した。これにて、第一関門は突破完了だ。心の中でガッツポーズを取る圓太郎だったが、未だ二人のカーバンクルが、屍人帝国から狙われているという事実は変わらないわけで。
「ところで……わたし達がここへ来たのは、あなた達が屍人帝国に狙われているらしいって話を聞いたからなの。二人とも、特に思い当たるところはないかしら?」
 食事と酒を程よく楽しんだところで、フレミアが尋ねた。
 現状、ターニアの方は特に問題はなかったのか。他の姉妹の安否については分からないのか。そんなフレミアの問いに、ターニアとカルミナはしばし考え込んだ後、静かに言葉を切り出した。
「私の方は、特に問題はなかったわ。でも……」
「他のお姉様達とも、連絡が取れないんです」
 やはり、水面下で何か良くないことが起きているのだろう。あるいは、他の姉妹は既に屍人帝国の手に……。そんな想像が頭をよぎったところで、今度はティエルが続けて尋ねた。
「むむむっ、そういえば、カルミナもターニアも姉妹なのに、なんで離れて暮らしてるんだろ? 一緒にいた方が、安全だよね?」
 家族であれば、共に暮らすのは当然のこと。見たところ、ターニアはともかくカルミナの方は未成年。たった一人、田舎の浮遊大陸で暮らすというのは、あまりに寂しいのではないかと思ったようだが。
「そうね……確かに、あなたの言う通りだわ。でも、強すぎる力は、災いを呼ぶって話、聞いたことはないかしら?」
「私達姉妹は、それぞれ他のカーバンクルとは違った、特別な力を持っています。その力が一ヵ所に集まれば、それは良くない何かを引き寄せることになるかもしれませんから」
 だから、普段は一般の人々に紛れ、隠居のような生活をしているのだとカルミナが説明した。滅多に姉妹と会えないのは寂しいが、それでも今までは問題なかった。そう、今までは……。
(「強すぎる力、か……。もしかすると、屍人帝国が彼女達を狙っているのも、それが理由なのかもしれないわね」)
 だんだんと敵の狙いが判明してきたことで、フレミアは誰にも気づかれないよう注意しつつ、護衛用の戦闘ドローンを生成した。こんなもので全ての危険を防げるとは思えないが、それでも無防備なまま彼女達を帰すわけにはいかない。
「これから必要になるかどうかは分からないけど……念のため、これを渡しておくわ。いざとなったら、わたしの城へ一時的に避難することも可能だから」
 お守りとして、フレミアは姉妹に吸血姫の加護を与えるクリスタルを手渡した。本当なら、こんなものを使わなくても済むのが一番なのだが、この状況ではあらゆる危険に備えて準備をしておくことは無駄ではない。
「まあ、素敵な宝石ね」
「これ、本当にいただけるんですか? ありがとうございます!」
 クリスタルを受け取った姉妹が礼を述べたところで、なにやら小さな欠伸が聞こえた。見ると、スイーツを食べ尽くしたティエルが、眠そうに腕を伸ばしていた。
「あらあら、仕方ないわね。よかったら、こっちへいらっしゃい」
 苦笑しつつティエルに手招きし、ターニアは自分の胸元へと招き入れた。それは、小さな生き物を愛でるのと同じ感覚だったのかもしれないが、しかし傍から見ていた圓太郎にしてみれば、なんとも羨ましい光景なわけで。
(「くっ……! な、なんてこった!? 俺もフェアリーだったら、今頃は、あのお姉さんの胸の間で……あぁ、いかん! こんなこと考えてるのがバレたら、お茶の約束もパーになる!!」)
 理性と欲望の狭間で、苦悩しながら頭を抱え続ける圓太郎。未だ14歳の少年にとっては、年上のお姉様のお色気は、少々刺激が強過ぎたようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

露木・鬼燈
無下にするのは無粋。
とは言え、ホントに遠慮なくとは…
まぁ、常識的にそこまではできないのです。
これでもいい大人なので適切なラインを見極める。
その上でしっかりと楽しむ。
それくらいよゆーなのです。
とゆーことで、地酒とか名物料理とかを楽しむですよ。
美味い地酒があれば翌日にたくさん買えばいいしね。
料理も好みのものがあればレシピを聞いておくですよ。
サクッと作れるものであればこの場で提供してもいい。
もちろんアレンジしたものを、ね。
他の世界の技法や材料を使ってのアレンジ。
こーゆーのも世界を渡る醍醐味だよね。


エメラ・アーヴェスピア
さて、今回の仕事も一先ず終了ね
それにどうやら彼女一人を狙っていたのではなく、カーバンクル自体が狙われている可能性、と
まだ先は長そうね…なら今は少しでもゆっくりさせてもらおうかしら

私はお茶でも飲みつつ端の方で雰囲気を楽しませてもらうわね
とはいえ、何か話しかけられたら答えるつもりではあるけれど…
何か面白いお話はあるかしら?
こういう騒がしいものも…嫌いでは無いわ

※アドリブ・絡み歓迎



●竜酒と竜尾と幻と
 冒険を終えた勇士達が、酒場でそれぞれ自分の活躍を語り合う。
 ここ、ブルーアルカディアでは、どこにでもあるありふれた光景。一仕事終えた猟兵達にとっても、歓待を受けるのは悪い気分ではない。
「さて、今回の仕事も一先ず終了ね」
「折角の好意、無下にするのは無粋。存分に楽しむのですよ」
 エメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)と露木・鬼燈(竜喰・f01316)の二人も、ターニアに招かれる形で席に着いた。とはいえ、本当に無礼講をするわけには行かないので、あくまで常識の範囲内で楽しむつもりだが。
「さあ、遠慮なく何でも頼んでね。お酒が強い人でも、満足できるものを用意してあるわ」
 そう言ってターニアが勧めて来たのは、なんとも濃厚な色をした謎の酒。匂いだけなら随分と甘いが、度数がヤバそうなのは鬼燈が見ても一目瞭然。
「……っ! なかなか刺激的な味なのですよ。これ、なんというお酒です?」
「これはブレスリキュールね。慣れない人が飲むと、ドラゴンがブレスを吐くみたいに、口から火が出ちゃうかもしれないってことで付いた名前なの」
 なんとも凄まじい命名理由を、ターニアはサラっと言ってのけた。
 見た目に反し、彼女は酒に強いのだろうか。味は悪くなかったので、後で買って行くことに決めた鬼燈だったが、しかし一気に飲むのは躊躇ってしまう程の強い酒だ。
「あ……良かったら、こちらもどうですか? お酒が好きな人だったら、美味しいと思います……たぶん」
 少しばかり控え目に、今度はカルミナが鬼燈へ肉料理を勧めて来た。何かの輪切りをステーキにしたようだが、これは一体何だろうか。
「牛の尻尾……に、しては、随分と大きいのです。ふむ……歯ごたえがあって、なかなかイケるのですよ」
 試しに食べてみると、多少の癖はあるものの、なんとも熟成された良い味だ。聞けば、これはドラゴンの尾を調理したものとのこと。種類によって食べられるものとそうでないものがいるようだが、熟成させた竜の尾を食材にするのは、この地方では割と一般的なことのようだ。
「気に入っていただけたようで嬉しいわ。ほら、あなたもそんなところにいないで、一緒にお食事を楽しまない?」
 そんな中、端の方で様子を伺っていたエメラにターニアが声を掛けた。本当なら、お茶でも楽しみながら雰囲気を味わうだけのつもりだったエメラではあったが、話を振られたのであれば、答えないのも無粋だろう。
「そうね……。だったら、何か面白いお話はあるかしら? こういう騒がしいものも……嫌いでは無いわ」
 エメラにとっての面白い話。それは、まだ見ぬ世界のまだ見ぬ技術。そして、己の知らぬ魔術についてのものである。それを知ってか知らぬか、カルミナとターニアが語り出したのは、彼女達カーバンクル姉妹についての話だった。
「私達は、他にも姉妹がいるんです。カーバンクルは、普通は額にルビーを持っているんですけど……私達は、それぞれ別の宝石を持っています」
 自分ならオパール、ターニアならアメジスト。それぞれ、宝石に合わせて異なる能力を持っており、単に守護を司るだけの幻獣ではないようで。
「この子の能力は風。そして、私の能力は幻。例えば……ほら、こんなことだって、できるのよ」
 そう言ってターニアが額の宝石を輝かせると、なにやら周囲に紫色の霧が広がり、一瞬だけ酒場の天井に夜空が現れた。
「本物じゃなくて、これは幻よ。この程度なら直ぐに見せてあげられるけど……さすがに、大掛かりなものとなると、ちょっと意識を集中させないと難しいわ」
 妹の能力と比べ、なんともつまらないこけおどしだ。苦笑しながら謙遜するターニアだったが、エメラにとっては十分に興味深いものであり。
(「呪文を唱えることもなく、意識を集中させるだけで幻を生み出せるなんて……。屍人帝国が彼女達を欲しがったのも、分かるような気がするわ」)
 こんな力を戦場で行使されたら、兵士は敵も味方も分からずに、最悪の場合は同士討ちをして自滅させられる。直接的な攻撃力がなくとも、人の視覚や精神に作用する魔術は、それだけで十分に強力な武器となる。
 姉妹を狙う屍人帝国との戦いは、なんとも先の長い話になりそうだ。彼女達を帝国の魔手から守らねば大変なことになると、エメラは改めて気合を入れ直すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年08月02日


挿絵イラスト