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空の平穏を破る銃砲

#クロムキャバリア #王国ガルヴァ #聖国アルス

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#クロムキャバリア
#王国ガルヴァ
#聖国アルス


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●飛行船を襲う銃火
「センサーに異常なし」
 ゴウンゴウンとエンジン音を響かせ、巨大な飛行船が夕日に向かって飛ぶ。
「予定通り。この調子なら時刻通りに到着できるな」
「コンラッド中佐、そろそろディナーパーティの時間です」
 艦長席に座る壮年の上官に向かい、神経質そうな副官が次の予定を告げた。
「そうか、では顔を出しに向かうか……しかし飛行船に一般人を乗せてパーティとは、平和になったものだな」
「はっ、戦争が終わって一年以上経ちます。こうして両国での交流を活発に行うことで、互いの感情も落ち着いてきていると思われます。ですので、パーティには参加してください中佐」
 パーティと聞いて嫌そうな顔をして話を逸らそうとした上官に、副官は話しを戻して出席を促す。
「そうだな、両国の友好に一役買う為なら、パーティも悪くはないか……」
 重い腰を上げようとしたところで、船が揺れて緊急事態を告げるアラートが鳴る。
「なにごとだ!」
「船下部に攻撃を受けました! 地上からのキャバリアによる銃撃です!」
「レーダーはどうなっている!」
「反応なし! ジャミングを受けているもよう!」
「待ち伏せか! 高度を上げながら護衛の飛行型キャバリアを出せ! 一般人には窓に寄るなと伝えろ!」
「了解!」
 長らく戦争を経験してきただけあって、襲撃に遭っても軍人達は各々の仕事を熟していく。
「敵キャバリアの出した無人ユニットが我が方のキャバリアを撃墜!」
「不味いです! そのままパーティ会場に!」
 見晴らしのいい大きな窓が並ぶパーティ会場に円盤状の無人ユニットが突っ込み、自爆して大勢の一般人を吹き飛ばした。
「馬鹿な……この船は両国の友好を象徴するものなんだぞ。それが墜ちれば……」
 コンラッド中佐は新たに戦争の火種が生み出されてしまうと苦い顔をする。
 船がさらに大きく揺れ、船を浮かべる気嚢が割られて浮力を失い、落下を始めた。
「正気か! また戦争になるぞ!」
 怒声を掻き消すように、眼前に空を飛ぶ敵のエースキャバリアが迫り、巨大なドリルによって全てが吹き飛んだ。

●グリモアベース
「クロムキャバリアで飛行船が撃墜される事件が起きる。諸君にはそれを阻止してもらいたい」
 バルモア・グレンブレア(人間の戦場傭兵・f02136)が猟兵に新たな事件の情報を提示する。
「王国ガルヴァと聖国アルスという長らく戦争をしていた小国が和平を結んだ。友好の一環として飛行船を行き来させて、人と物資を運び交流を図っている」
 順調に互いの信頼を築き、少しずつだがお互いのわだかまりが解消され始めていた。
「だがその飛行船が撃墜され、築き上げたものが一瞬にして瓦解してしまう。そうさせない為に、襲撃してくるキャバリア部隊を迎撃しなくてはならん」
 このままではまた戦争が再開される恐れもある。それを止められるのは猟兵だけだ。

「襲って来るキャバリア部隊は地上の森に身を潜めている。銃火器による遠距離戦を得意としたキャバリアのようだ」
 待ち伏せていたキャバリア部隊がまずは銃撃による攻撃を行う。それを先に叩かねばならない。
「そして敵のリーダー格のオブリビオンマシンは飛行型だ。船を直接叩かれないように迎撃する必要がある」
 自分達に注意を引かなくては、船が襲われる可能性もあるだろう。
「襲って来る賊のキャバリア部隊は、オブリビオンマシンに操られている。マシンだけを破壊すれば中のパイロットは助かるはずだ」
 オブリビオンマシンは人々を操る能力を持っている。故にマシンさえ倒してしまえばパイロットは正気に戻る。

「手に入れた平穏が破られるのは一瞬だ。だからこそ大切に守らなくてはならん」
 説明を終えるとバルモアが飛行船の通るルートにゲートを繋いだ。
「諸君の力でオブリビオンマシンの邪悪な企みを阻止し、人々と平和を守れ!」


天木一
 こんにちは天木一です。
 クロムキャバリアで飛行船を守る護衛ミッションとなります。

 第1章は地上の敵キャバリア部隊を叩くことになります。

 第2章は敵の指揮官機が空を飛んで攻撃してきます。

 第3章では船の乗組員や乗客から歓迎され、パーティに参加して食事や飛行船からの夕焼けの景色、船の乗員乗客との会話などと自由に楽しめます。
 お誘いがあればバルモアも参加します。

 コンラッド中佐は王国ガルヴァの叩き上げの兵士で、状況判断に優れていますが、平和が続いていたため気が抜けています。

 複数人で参加する方は最初にグループ名などをご記入ください。
 プレイングの締め切り日などは決まり次第マスターページかタグにて。
 それでは平和を守る為にオブリビオンマシンを撃破し、飛行船でのひと時をお楽しみください!
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第1章 集団戦 『MCK04SC-パラティヌス・スローター』

POW   :    BSフレイムガン&RS-Sグレネードランチャー
【耐熱塗装を施した機体が装備する銃火器】から【対人用の広域火炎放射】か【対装甲榴弾】を放ち、【酸欠と火傷】もしくは【爆風】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    RBXSランスライフル&Sマイン&EPジャミング
【連射ビームと共に対人殺傷用鉄片と妨害電波】を降らせる事で、戦場全体が【情報封鎖されたキャバリアによる虐殺現場】と同じ環境に変化する。[情報封鎖されたキャバリアによる虐殺現場]に適応した者の行動成功率が上昇する。
WIZ   :    RSレッグガン&RS-Fポイズンソー
自身の【脚部対人機銃を掃射、精密狙撃の精度】を代償に、【複数の対人・対キャバリア用無人ユニット】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【対装甲機械刃と自爆、戦場に散布する毒ガス】で戦う。

イラスト:イプシロン

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●戦争の残り火
「ニコラス大尉! 獲物がきました!!」
 森に隠れていたキャバリア部隊の兵達が、安全な航行だと油断している飛行船を視界に収めた。
「ふん、航路も変えないとは、軍部も腑抜けたようだな」
 その中心にいた青年将校が悪態を吐く。
「では作戦決行だ。撃墜してくすぶっている戦火を燃え上がらせるぞ!」
「ええ、ああやって呑気に平和ごっこをしてるヤツらに、まだ戦争は終わってないんだと教えてやりましょう!」
「そうですよ、戦争が再開すれば、俺達は英雄になれる!」
 まだ青年と呼べるくらいの若い部下達が血気盛んにキャバリアに乗り込み、その銃口を空に向けた。
 集まった者達は、終戦に不満を持つ若い兵達。軍学校を卒業し憎き敵軍に勝てと心身ともに教育された集団だった。その力を発揮する前に戦争が終わり、自分達の存在理由に疑問を持ち、不満がくすぶっていた。
「戦争再開の銃砲を轟かせろ。我々が求めるのは友好ではない。戦争と勝利だ!」
 ニコラス大尉が一人だけ違うエース機に乗り込む。それはまるで生物のような形態をしていた。その目が輝くと精神波が周囲の兵士達を包み、戦意を高揚し戦場へと駆り立てる。

 戦争の残り火に油を注ぎ燃え上がらせようとするオブリビオンマシンの邪悪な企み。
 猟兵達はそれを阻止するべく地上のキャバリア部隊へと強襲を仕掛けた――。
霧島・絶奈
◆心情
彼らもまた、戦争の犠牲者ではあるのでしょう
だからこそ、彼らを加害者にするわけにはいきませんね

◆行動
戦争を知らない雛鳥を「教育」しましょう

木々に紛れ【目立たない】様に行動
センサー類は搭載しているでしょうけれど、人間サイズへの警戒はどれ程でしょうか?

移動しつつ【罠使い】の技を活かし、「魔法で敵を識別する指向性散弾」を複数設置

ある程度設置した後『【1/0】』を使用
【集団戦術】を駆使した【範囲攻撃】で敵を蹂躙

私自身も【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復

目標に意識を向け、「足元」が疎かになっているのは貴方方も同じですよ


チロル・ツークシュピッツェ
アドリブ歓迎

登場早々に艦の姿になるよぉ
ツークシュピッツェ級水陸両用双胴戦闘空母五番艦チロル、右側が空母で左側が戦艦のキャバリア運用ホバー空母だよぉ
ちなみに撃沈されてから半年経ってないけど、異世界で100年近く幽霊船やったよ

主砲及び副砲で敵部隊を牽制しつつ、飛行船から引き剥がすよぉ
まぁ艦砲が当たれば量産型キャバリアなんて木っ端微塵のざぁこだから、こっちを無視できないよねぇ?
さっ、敵がこっちに来たらジェネムⅡ隊を出撃させて迎撃させるよぉ
普通に陸戦するのと、サブフライトシステムのゾーリに乗せて飛行船の護衛と上空からの支援攻撃する部隊に分けてねぇ~
あははっ、亡霊が動かす機体に毒ガスなんて無駄無駄ぁ~♥


エルマ・ハインツェル
アドリブ歓迎

ジェネムⅡに最初からGフォーゲルを合体させてスーパージェネムにしてるよ
ジェネムⅡも旧式のジェネムⅠの改修機じゃなくて最初からジェネムⅡで生産された改修機より微妙に性能上の機体だし

森に隠れても、それじゃ偽装が半端だよ
戦闘起動状態で待機だなんて、周辺との熱量パターンとかから場所がバレバレ
まぁ上を飛ぶ飛行船から隠れるだけなら、それでもいいかもだけどねぇ?
奇襲するつもりの連中を遠距離から奇襲してやるー!
さぁ~て、と……
Pi……仮想人格を一時停止し狙撃に電脳の演算を集中……周辺環境計算完了、予測弾道計算完了、目標の予測行動パターン……計算完了、ロングレールガン加速開始……発射


カシム・ディーン
やれやれ…どの世界でも無責任な教育ってか洗脳が流行ってますね
「ご主人サマはどんな教育受けてたの?」(鶏立体映像
ほぼ我流でしたね
でもまぁ…学校って奴は少し憧れます

【属性攻撃・迷彩】
光水属性を機体に付与
光学迷彩を施し更に水の障壁で熱源を隠蔽しつつ敵の火炎攻撃も妨害

【情報収集・視力・戦闘知識・集団戦術】
敵の陣形とその連携パターンを把握
その死角を見出しどこを壊せば連携が崩れるかも捕捉
更に機体構造を分析し何処を引き抜けば無力化できるかも捕捉
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
接近してわたぬき発動
敵の武装を切断し無力化しつつ動力炉を強奪
無力化させていく
そして他の機体にも襲い掛かり無力化
不殺徹底

後で売るか



●奇襲
「彼らもまた、戦争の犠牲者ではあるのでしょう。だからこそ、彼らを加害者にするわけにはいきませんね」
 兵士として育てられ、その能力を発揮できずに燻っている新兵達もまた犠牲者ではあると、霧島・絶奈(暗き獣・f20096)はまだ若い兵達を止めようと動き出す。
「戦争を知らない雛鳥を「教育」しましょう」
 生身のまま絶奈は木々に紛れてひっそりと森を進み、潜むキャバリア部隊に近付く。
「センサー類は搭載しているでしょうけれど、人間サイズへの警戒はどれ程でしょうか?」
 キャバリアの相手はキャバリアを想定している。その予想通り、こちらに気付いた様子はなく、絶奈は隠密行動を続けて罠を仕掛けていった。

「森に隠れても、それじゃ偽装が半端だよ」
 遠距離からジェネムⅡとGフォーゲルが合体した【スーパージェネム】に搭乗したエルマ・ハインツェル(ナニカサレマシタ・f33269)が森の様子を窺う。
「戦闘起動状態で待機だなんて、周辺との熱量パターンとかから場所がバレバレ」
 この距離からでも丸見えだと、その教本通りの素人臭い動きを馬鹿にする。
「まぁ上を飛ぶ飛行船から隠れるだけなら、それでもいいかもだけどねぇ?」
 だが戦場を想定するならば突発的な遭遇戦なども考えられるものだ。経験のない新兵にはそれが分からない。
「奇襲するつもりの連中を遠距離から奇襲してやるー!」
 エルマはスーパージェネムに片膝をつかせ、全長8m近くもある長砲身【RSロングレールガン】を構えた。そして狙撃の機を計る。

「やれやれ……どの世界でも無責任な教育ってか洗脳が流行ってますね」
「ご主人サマはどんな教育受けてたの?」
 新兵たちを見たカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)が盗賊団にいた時の事を思い出していると、その頭に乗った鶏立体映像のメルシーが尋ねた。
「ほぼ我流でしたね。でもまぁ……学校って奴は少し憧れます」
 同年代の子供達が集まって楽しそうにする光景に憧れを持っていた。
「さて、思い出話はここまでです。その手を汚す前に戦場の厳しさってものを教えてあげましょう」
「ビシバシいくぞー!」
 カシムは乗騎【界導神機『メルクリウス』】に光水属性を機体に付与し、光学迷彩を施し更に水の障壁で熱源を隠蔽しつつ敵の火炎攻撃への耐性を得た。そしてキャバリア部隊の死角へ向けて森の中を動き出す。

「そろそろ通過する。攻撃準備!」
「いつでも撃てます!」
 ニコラス大尉が指揮を執りパラティヌスが装備する銃器を空に向けた。
「間に合ったねぇ、さっそく艦の姿になるよぉ」
 チロル・ツークシュピッツェ(メスガキガレオノイド・f34507)がその姿を人のものから変化させて巨大な艦へと変わる。
「ツークシュピッツェ級水陸両用双胴戦闘空母五番艦チロル、右側が空母で左側が戦艦のキャバリア運用ホバー空母だよぉ」
 突如として空に艦が姿を現し、地上のキャバリア部隊に向けて砲門を向ける。
「なんだあれは!? 空に艦が現れたぞ!!」
 キャバリア部隊はいきなり現れたチロルの艦を見上げ驚きにどうしていいか分からず動きを止めていた。
「主砲及び副砲発射ぁ~」
 チロルののんびりした声と共に放たれた砲撃は激しく、地上に降り注いでキャバリア部隊の頭を押さえて攻撃を止めさせた。
「砲撃を受けています! 命令を!」
 突然の襲撃に慌てて命令を乞う。
「げ、迎撃せよ! 攻撃して来る所属不明の敵艦を撃ち落とせ!!」
 ニコラス大尉が慌てて命令を出し、それから銃撃を開始して無人ユニットを放出する。ノコギリのようなものでキャバリアさえも切断するユニットが浮かび上がった。
「まぁ艦砲が当たれば量産型キャバリアなんて木っ端微塵のざぁこだから、こっちを無視できないよねぇ?」
 上手くこちらに注意を引き寄せられたとチロルは笑う。
「でもダメダメぇ~、そんな新兵丸出しの動きしてたらぁ。こっちは撃沈されてから半年経ってないけど、異世界で100年近く幽霊船やってたんだからぁ」
 そしてユーベルコード『悪霊懲罰部隊』を使用し、自身のクルーだった懲罰部隊の霊『ジェネムⅡ隊』を召喚した。ジェネムⅡ隊は分かれ、半分は盾を構えながら地上に降下して敵へとビーム攻撃を始め、半分はサブフライトシステムのゾーリに乗って艦の護衛をしながら地上へ支援攻撃を開始した。

「落ち着け! 敵機体の性能はそこまで高くない! 冷静にやれば対処できるはずだ!」
「そうだ! 訓練を思い出せ!」
「攻撃を集中させる!!」
 ニコラス大尉が何とか教練で教わった通りに状況判断を下し、一斉に反撃に出る。
「さぁ~て、と……」
 そろそろ出番だとエルマはユーベルコード『カリキュレイト・スナイプ』を発動する。
「Pi……仮想人格を一時停止し狙撃に電脳の演算を集中……周辺環境計算完了、予測弾道計算完了、目標の予測行動パターン……計算完了、ロングレールガン加速開始……発射」
 スーパージェネムがロングレールガンを発射し、放たれた弾丸はとんでもない速度で飛ぶとパラティヌス数機の腕や脚を粉砕していた。
「な!?」
「狙撃! 狙撃です! 方角は3時の方向!」
「夕日を背にしてるのか! センサーで探れ!」
 狙撃手であるエルマのスーパージェネムを探そうとするが、さらなる弾丸が飛んできて頭を吹き飛ばした。まるで精密機械になったように、エルマは淡々とトリガーを引いてパラティヌスの頭や手足を吹き飛ばして、コックピットを傷つけずに戦闘不能にしていった。

「弾幕を張れ! 狙撃手の視線を塞げ!」
 パラティヌス部隊は地面に銃を撃ち込み土煙によって射線を見えなくした。
「混乱してるね。これなら簡単に接近できそうです」
「やっちゃえやっちゃえー!」
 メルシーが頭の上で囃し立て、カシムは混乱するパラティヌス部隊に背後から接近し、機体の構造を分析しながらユーベルコード『わたぬき』を発動して手を伸ばす。メルクリウスの手がするりとパラティヌスの体内に入り込み、腰にあった動力炉を強奪する。
「なに? 機体のシステムが落ちた……?」
 何が起きたのかも分からずにパイロットは呆気に取られる。
「どうした? うわっ!!」
 声をかけた僚機も動力を奪われ機体が動かなくなる。
「何者かがいるぞ!」
「円陣を組んでフレイムガンで炙り出せ!」
 パラティヌスがBSフレイムガンから火炎を撒き散らし、周囲を燃やすが何も見当たらない。
「いない?」
「うわぁ!!」
 すると突如として円陣が崩れる。
「ププッ! 円の中は安全だよね!」
「このまま一気にパーツを奪い尽くす」
 メルシーが笑い、カシムは円陣の中心から次々と動力を奪い取って無力化していった。
「しかし大漁だな。後で売るか」
 カシムは書き入れ時だと奪えるだけのパーツを集めた。

「くっ、このままでは何事もなく飛行船に通過される!」
「ニコラス大尉は上に上がって飛行船を叩いて下さい。下は我々で何とかします!」
「……わかった。後の事は任せる。私は当初の予定通り飛行船を墜とす!」
「はっ!」
 一機だけ明らかに他とは違う指揮官機が空に飛び上がる。
「よし、飛行船を墜とすまで時間を稼ぐぞ!」
 猟兵の奇襲を受けて数の減っているパラティヌス部隊は、何とか時間を稼ごうと弾幕を張って森を動き回る。
「目標に意識を向け、「足元」が疎かになっているのは貴方方も同じですよ」
 絶奈が仕掛けて置いた指向性散弾を発動し、あちこちから銃撃を行う。
「森の中から銃撃です! うわぁっメインモニターが!」
「何だと! 歩兵が潜んでいたのか!?」
 散弾ではキャバリアの装甲は貫けないが、運悪くメインモニターが破壊された機体も出て、新兵ではゲリラ的な敵に対する心得も知らず混乱が生じた。
「此の程度で混乱するようでは戦争となれば容易く戦死してしまうでしょう」
 そうなる前に止めてやろうと、絶奈はユーベルコード『【1/0】』を発動し、量産型キャバリア【Evolution】を増殖して部隊を編成し、AI操縦で敵キャバリアへとアサルトライフルによる銃撃を開始した。
「被弾! キャバリアの部隊までいるぞ!」
「馬鹿な! さきほどまでセンサーに反応はなかったぞ!!」
 突如として現れたキャバリア部隊に混乱は深まり、隊列が乱れてバラバラになっていく。
「集まれ! 隊列を乱すな!」
 拙いと気付いた者が声を上げる。
「毒ガスを撒け! パイロットさえ殺せばキャバリアは動かなくなる!」
 無人ユニットRS-Fポイズンソーが毒ガスを撒き散らし、展開しているジェネムⅡ隊やEvolution隊のパイロットを殺そうとする。だが何の効果も無く、ジェネムⅡ隊とEvolution隊は銃撃を続けた。
「あははっ、亡霊が動かす機体に毒ガスなんて無駄無駄ぁ~♥」
 そんな見当違いな攻撃に面白そうに笑い声を上げたチロルは、上空から砲撃を浴びせて衝撃で敵キャバリアを吹き飛ばし無力化していった。
「AI操縦による自動化された攻撃です。残念ですがパイロット狙いは効果がありません」
 絶奈は手にした黒剣と白槍を振るうと衝撃波が飛び、キャバリアの膝関節を破壊して横転させた。さらに煙幕が晴れるとエルマの狙撃が容赦なく頭部を撃ち抜いた。

 猟兵達はパラティヌス部隊を制圧し、森からもくもくと煙が上がる。そして空を見上げると上昇する指揮官機を追い、飛行船を守るべく攻撃を継続した――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『エビルガーロボ』

POW   :    チェンジ・ダゴン「メイルシュトロム」
自身の【超高速回転する八本の腕】から【あらゆる物を飲み込む、激しく大きな渦潮】を放出し、戦場内全ての【キャバリアの防御力と機動力】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
SPD   :    チェンジ・パズス「エビルマッハ」
【腕から生える巨大なドリル】で攻撃する。[腕から生える巨大なドリル]に施された【超音速による分身と残像攻撃】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
WIZ   :    チェンジ・サタン「オブリビオンスパーク」
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【光り輝く全身】から【あらゆる生物を一瞬で消滅させる邪悪な閃光】を放つ。

イラスト:V-7

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は仇死原・アンナです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●飛行船襲撃
「センサーに反応あり! 前方で戦闘が行われているようです」
「すぐに護衛の飛行型キャバリアを出せ!」
 管制官の緊迫した声に船長であるコンラッド中佐が反応して指示を出す。
「……下から上昇してくるキャバリアあり! こちらに向かっています!」
「迎撃だ! 弾幕を張って近づかせるな!」
「了解!」
 飛行船から飛行型キャバリアが出撃し、銃を撃ちまくって接近するキャバリアを迎撃する。
「気付かれたか、奇襲作戦が完全に台無しだ……だがまだ終わってはいない。ここから巻き返してみせる!」
 ニコラス大尉はスーパーロボットタイプのオブリビオンマシン『エビルガーロボ』を駆り、既に破綻した作戦に固執して弾丸を避けながら飛行船に接近を試みる。
「お母さん! キャバリアが飛んでるよ!」
「まあ、何かしら……」
 飛行船のパーティ会場にある大きな窓から夕陽が差し込む。そして眩しそうに外を覗いてみると、そこではキャバリア同士の戦闘が行われていた。
「戦闘!? 危ないわ! こっちに!」
 子供の手を引き母親が窓から離れる。続けて他の乗客たちも気付き慌てて動き出す。だがここは空の上の飛行船。逃げ場など存在しない。ただ無事に済むように祈るしかなかった……。

 その人々の祈りが通じたように、襲撃者を阻止しようとする猟兵が追いついていた。
 オブリビオンマシンによって暴走する青年将校を止め、船を守ろうと猟兵達は動き出す。
カシム・ディーン
「ご主人サマ!これきっとあれだよ!ゲッターロ…」
黙れぇっ!てめーは何言ってやがる!?
【情報収集・視力・戦闘知識】
その動きから攻撃の癖と回避行動を冷徹に解析
【属性攻撃・迷彩】
光水属性を機体に付与
光学迷彩で存在を隠し水の障壁で熱源隠蔽
「ご主人サマ!あれ速さ自慢だよ!もうあれでいこう!」
ったく…速さ勝負で負けんじゃねーぞ!
「勿論☆」
【空中戦・二回攻撃・念動力・弾幕・スナイパー】
超高速で飛び回りながら常に本体を捕捉し
念動光弾を乱射して
動きを止めたところで
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
鎌剣で襲い掛かり連続斬撃でドリルを切り裂いて強奪
中々面白い構造ですね
売ればそれなりになりますかね?



●空中戦
「ご主人サマ! これきっとあれだよ! ゲッ〇ーロ……」
「黙れぇっ! てめーは何言ってやがる!?」
 思ったまま禁句を口にしそうになるメルシーをカシムが口に手を当てるポーズを取って慌てて止める。そして誰にも聞かれていないなと、周囲を見渡して冷や汗を拭った。
「飛行船に近付かせるな!」
「そんな機体で、このエビルガーロボを止められるものか! チェンジ・パズス!」
 エビルガーロボが変形するとニコラス大尉は護衛の飛行型キャバリアを圧倒的スピードで翻弄し、飛行船へと距離を縮める。
「速い、スピードタイプですね」
 光水属性によって光学迷彩と熱源隠蔽で姿を隠したメルクリウスから、カシムはじっと敵の動きを観察していた。
「ご主人サマ! あれ速さ自慢だよ! もうあれでいこう!」
「ったく……速さ勝負で負けんじゃねーぞ!」
「勿論☆」
 飛び回る敵を見てうずうずと対抗心を燃やしたメルシーに、カシムは仕方ないなとOKを出してユーベルコード『神速戦闘機構『速足で駆ける者』』を発動し機体を超加速させて飛翔した。

「なんだ? 接近する機体……モニターには映ってないぞ?」
 ニコラス大尉がレーダーには映るが姿が見えないと、きょろきょろと機体の顔を動かしメインモニターで敵影を探す。
「先手はこっちから行くぞ」
「先手必勝☆」
 カシムが敵の背後を取ると念動光弾を乱射して背中に叩き込んだ。
「光学迷彩か!」
 姿を消しているのだと気付き、ニコラス大尉はモニターの感度を上げエビルガーロボが自動で補助してメルクリウスの姿を捉えた。そして両腕から巨大なドリルを生やして突撃を開始する。
「見つかっちゃったよ!」
「ここからが本番だ」
 カシムは口元に笑みを浮かべ、同じく敵機に向けて突撃し、交差する瞬間に【BX鎌剣『ハルペー』】を振り抜いた。
「やったか?」
 ニコラス大尉が腕に衝撃があったと振り返る。しかしメルクリウスは無傷。そしてエビルガーロボの右腕のドリルが切断されぽろりと落下した。
「馬鹿な!?」
「もう一本もいただきましょう」
「がっぽがっぽー☆」
 敵を上回る速度ですぐに反転して戻ったメルクリウスが再度ハルペーを振るい、左腕のドリルも斬り飛ばすと、急降下しながら両方のドリルをキャッチして強奪した。
「中々面白い構造ですね。売ればそれなりになりますかね?」
 今回も稼ぎは上々と、敵の武装を奪ったカシムは敵から離れた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラハミーム・シャビィット(サポート)
 シャーマンズゴーストのUDCメカニック×戦場傭兵、25歳の男です。
口調は、掴みどころの無い変わり者(ボク、キミ、デス、マス、デショウ、デスカ?)

人と少しずれた感性を持っていて、面白そうならどんな事にも首を突っ込む、明るく優しい変わり者です。
戦闘時にはクランケヴァッフェや銃火器の扱いは勿論、近接格闘術のクラヴ・マガなどでド派手に暴れ回ります。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


仲佐・衣吹(サポート)
キレイなもの、カワイイもの、ぶち壊そうなんて許さないんだから
バトルだって芸術よ。美しく戦いなさい!

お相手するはアタシことネイル
美術好きな女性人格よ

口調はいわゆる女言葉かしら
身のこなしが一番軽いみたいで
接近戦より距離をとってダガーで戦うのが好きよ

よく使う手は
外套を投げつけて囮や目暗ましからの一撃
ルーンソードで戦ってる途中で手放して虚を突き、袖口から隠し武器としてダガー
光属性を付けたルーンカルテを落としといて、タイミングを見て目潰しフラッシュ
こんなところかしらね

アイテムやユーベルコードはお好きに選んでくれていいわ
使えるものは全部使って、華麗に美しく戦いましょ!


バルタン・ノーヴェ(サポート)
「ご安心くだサーイ! ワタシが来マシタ!」
ご用命あらば即参上! アドリブ連携歓迎デース!

普段の口調:片言口調で(ワタシ、アナタ、デス、マス、デスネ、デショーカ? デース!)
得意な技能:【一斉発射・焼却・武器受け・残像・カウンター・受け流し】

各種武装の中から、ボスに適切なものを選択して用いてくだサーイ!
刀も銃器も、内蔵兵器や換装式ウェポンも、何でもOKデス!

アタック重視でもディフェンス重視でも対応可能デース!
斬り込み、爆撃、弾幕を張ったり、パリィ盾したり、臨機応変に立ち回りマース!

どのユーベルコードを使用しても問題はありマセーン!
オブリビオンを倒して、ミッションクリアのために力をお貸ししマース!



●飛行船防衛
「ドリルがなくなったくらいで! 飛行船さえ墜とせばいい! チェンジ・サタン!」
 変形し夕日を背に飛翔するエビルガーロボが真っ直ぐに飛行船へと迫る。ニコラス大尉は狂気に染まった目で、一般人が多く乗る船を目標に定めた。
「キャバリア戦デスカ? 面白そうですネ」
 ラハミーム・シャビィット(黄金に光り輝く慈悲の彗星・f30964)が面白そうだとメカニックとして敵機体に興味を持ち、飛行船の展望デッキから【UDC討伐用試作超電磁狙撃銃【明けの明星】】を構えた。その照準に飛んで来る敵キャバリアを捉える。そして引金を引くと、放たれた弾丸が高速で飛ぶ。しかし全身を光り輝かせたエビルガーロボが速度を上げ攻撃を避けて迫る。
「なかなかの高機動デスネ。ですがボクの忠実ナ僕達からは逃れられませんヨ」
 ラハミームは笑みを深くしてユーベルコード『獄炎の猟犬共』を発動し、武装した醜悪な犬型UDCの幽霊の群れを召喚した。猟犬の群れは一斉に多目的ミサイルをぶっ放して迎撃の弾幕を張り、その爆発に巻き込まれたエビルガーロボは失速して高度を落とした。

「クソ、邪魔が入ったか! だが何としても船は落とす!」
 ニコラス大尉は操縦桿を引いてエビルガーロボの高度を上げる。
「空を遊覧する船を落そうとするなんて許さないんだから」
 それを阻止せんと仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)がデッキからダガーを飛ばす。
「こんなもの!」
 それをエビルガーロボは腕で弾いた。
「それに一般人を襲うなんて美しくないわ。バトルだって芸術よ。美しく戦いなさい!」
 衣吹は船から空に飛び出し、敵に向かって降下するとルーンソードで斬りつける。それが受け止めようとするエビルガーロボの左腕を深々と切り裂いた。
「生身で斬り掛かるなど正気か! 墜落して死ね!」
 エビルガーロボは腕を薙いで先のダガーと同じように衣吹の体を放り飛ばす。だが衣吹は空中でくるりと回転し、飛行船の護衛に飛んでいる飛行型キャバリアを足場にして軽やかに着地した。
「なんだと!?」
「言ったでしょう? バトルも美しくと!」
 微笑んだ衣吹は跳躍し、さらにエビルガーロボに斬り掛かる。それをエビルガーロボが腕で弾くが、離れ際に衣吹は袖口に隠していたダガーに光り属性を付けて投げ、眩い閃光を浴びせて目晦ましにした。

「モニターが! だが構うものか!」
 白く染まったモニターに外部の状況が分からなくなる。しかしニコラス大尉は構わず前進させて飛行船の方へと舵を取る。
「きゃーーー!」
 突撃してくるキャバリアの姿に、飛行船の乗客が悲鳴を上げた。
「ご安心くだサーイ! 皆さんを助けるため、ワタシが来マシタ!」
 飛行船のデッキに立つバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)が、キャバリア用の鎖付き巨大鉄球【換装式チェインハンマー】をサイボーグアームに装着して強引に振り回し、視界がまだ戻っていないエビルガーロボの鼻っ面に叩き込んで押し戻した。
「ぐぉおお!」
 大きくコックピットが揺れてニコラス大尉は慌てて機体を制御し墜落を免れる。そこでようやくモニターが元に戻った。
「キャバリア用の鉄球を人間が振り回しているだと!?」
 その姿に驚愕したニコラス大尉は、機体を旋回し一旦逃れようとする。
「逃がさないデース!」
 だがそれを許さないと、バルタンは内蔵式グレネードランチャーを発射して爆発を起こした。
「うぉおおおお!!」
 衝撃で揺れるエビルガーロボを操り、何とか射程から逃れる。

「こちらから注意が逸れましたネ。ならば次は当ててみせますヨ」
 他の猟兵へと意識が向いている隙に、ラハミームは明けの明星の銃口を向けて狙い撃つ。放たれた弾丸は精確にエビルガーロボの左目に命中し、メインモニターの半分は破壊した。
「なんだと!?」
 ニコラス大尉は驚き、思わず操縦が乱れる。
「逃がしませんヨ」
 そこへ猟犬の群れによる機関銃の連射が浴びせられ、全身に被弾しながらエビルガーロボが回避行動を取った。
「まだ動けマスカ。バラしてみたくなりますネ」
 キャバリアの構造に興味を持ちつつ、ラハミームは追撃の銃弾を放った。
「こうなったら奥の手だ。まとめて破壊してやる!」
 ニコラス大尉はエビルガーロボを眩く輝かせ、邪悪な閃光せ周囲の生物を消滅させようとする。
「無差別攻撃なんて、全くもって美しくないわ!」
 そこへ護衛キャバリアを足場に跳躍した衣吹がユーベルコード『影の城への招待状』を発動して影色の招待状を飛ばす。それがエビルガーロボに命中すると、光が消え去り機体の動きが止まった。
「なんだ! 何が起きた?」
 突然機能が停止し、ニコラス大尉が慌てて機体のチェックを始める。
「これが美しい戦いというものよ」
 衣吹は飛行船のデッキに着地すると微笑んで仲間に場を譲った。
「今がチャンスデース!」
 バルタンがユーベルコード『火炎放射器』を使い、内蔵している火炎放射器からの猛烈な火焔を放ちエビルガーロボを覆う。
「炎か! 機体温度が……拙い!!」
 内部まで熱が伝わり何とか機体を動かし、エビルガーロボが火焔の射程から逃れる。しかし粘着性を持つ炎がまだ燃え続け、機体はどんどんダメージを負っていた。
「あれは我が国の軍人ではない! どこかの傭兵か?」
 ニコラス大尉は猟兵の練度の高い戦い方に警戒する。しかしそれでもオブリビオンマシンによって高められた戦意は消えず、エビルガーロボを再度上昇させた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

霧島・絶奈
◆心情
趨勢を見極めての撤退もまた、指揮官に求められる能力です
其れを見誤り特攻を仕掛ける…
とても優れた軍人であるとは言えませんね

◆行動
【空中浮遊】を活用

【罠使い】の技を活かし「魔法で敵を識別する浮遊機雷」を戦域内に複数散布

確かにキャバリアで相手するには厄介な手合いですが…
猟兵とは其の世界の埒外に居ると言っても過言ではない存在です
ある種の理不尽ではありますが…
「キャバリアを使わずにキャバリアと渡り合える存在」が貴方の敗因です

『反転』し戦闘
其の[超高速回転する腕]とやらは格好の的ですよ

【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


チロル・ツークシュピッツェ
アドリブ歓迎

スーパーロボットタイプのキャバリアかぁ
つーか、ダサっ!なにぃ、あのデザイン、くっそダサいんだけどぉ~
よくあんなんに乗れるよねぇ~?
とはいえ、スーパーロボットのオブリビオンマシンだと流石に量産機のざぁこ共には荷が重いかなぁ?
なら、ミサイル発射管にAU爆雷を装填!十分に引き付けて、いまっ!
アンチユーベルコード爆雷撃てぇぇ!本艦と飛行船周囲に【ユーベルコード撹乱幕】を散布して覆った後に、敵機に主砲及び副砲発射!近づけさせるな!
……ふぅぅ、あとはゾーリに乗ったジェネムⅡ隊のざぁこ共に敵を追い払わせてねぇ、追い払うだけでいいからねぇ~?
あっ、撹乱幕の濃度には常に注意してねぇ?


エルマ・ハインツェル
絡み&アドリブ歓迎

首魁はスーパーロボットタイプかぁ
支援機Gフォーゲルとの合体でクロムキャバリア級に性能が上がってるスーパージェネムでも性能が劣っちゃうねぇ
まぁスーパージェネムも飛べるだけマシかな
手持ちのロングレールガンに、Gフォーゲル搭載で両肩のショートバレルレールガン2門とマイクロミサイルで、飛び回ってる敵を追い込むようにしていくよ
さて、あと数手で命中させられるね。これでチェック……って、えぇ!?
うわ、渦潮で弾もミサイルも届かないか
仕方ない。なら、それを逆手に取らせてもらうよっ
高圧電流を流すワイヤー、ウミヘビを渦潮に向かって射出するよ!
攻防一体の攻撃なんだろうけど、その渦潮が命取りだよ!



●終わっていた戦争
「スーパーロボットタイプのキャバリアかぁ」
 双胴型戦闘空母になっているチロルは敵のキャバリアを見て微妙な声を漏らす。
「つーか、ダサっ! なにぃ、あのデザイン、くっそダサいんだけどぉ~。よくあんなんに乗れるよねぇ~?」
 言いたい放題で相手をボロクソに貶していく。
「とはいえ、スーパーロボットのオブリビオンマシンだと流石に量産機のざぁこ共には荷が重いかなぁ?」
 護衛の飛行型キャバリアが飛行船を守ろうと銃で攻撃しているが、それを避ける機動力を相手は持ち合わせていた。
「牙を失った者が邪魔をするな!」
 ニコラス大尉は怒鳴りつけ、エビルガーロボに8本の腕を生やさせ超高速回転すると、どこからともなく水が発生して周囲全てを大きな渦潮を生み出そうとしていた。
「なら、ミサイル発射管にAU爆雷を装填! 十分に引き付けて、いまっ!」
 チロルが指示を出すと、船員の亡霊たちが急いで準備を行う。
「アンチユーベルコード爆雷撃てぇぇ!」
 号令と共にユーベルコード『ユーベルコード攪乱幕』が発動し、ミサイルが一斉に発射された。それが空中で次々と爆発すると、撹乱幕が自身と飛行船周辺に散布され、敵ユーベルコードに干渉して渦潮になる前に弾け、雨となって地上に降り注いだ。
「無力化されただと!」
 画面にエラー表示が出て機能が妨害され、驚きながらもニコラス大尉はキャバリアを駆って飛行船に近付く。
「……ふぅぅ、あとはゾーリに乗ったジェネムⅡ隊のざぁこ共に敵を追い払わせてねぇ、追い払うだけでいいからねぇ~?」
 飛行船に被害が出なかったことに安堵し、チロルはゾーリに乗ったジェネムⅡ隊に迎撃に向かわせる。
「あっ、撹乱幕の濃度には常に注意してねぇ?」
 撹乱幕が薄い場所では敵が真価を発揮してしまうと、注意して部隊に指示を出した。

「態勢を立て直さねば、ジャミングの効果範囲はどこまでだ!」
 ニコラス大尉は機体に影響するジャミングの効果が薄れる位置を探ってエビルガーロボを下がらせた。
「首魁はスーパーロボットタイプかぁ」
 エルマ・ハインツェル(ナニカサレマシタ・f33269)は彼我の性能差を比べる。
「支援機Gフォーゲルとの合体でクロムキャバリア級に性能が上がってるスーパージェネムでも性能が劣っちゃうねぇ」
 それもオブリビオンマシンとなれば、通常のキャバリアに比べ格段に性能はよくなっているだろう。
「まぁスーパージェネムも飛べるだけマシかな」
 空中戦ができるなら勝機はあると、スーパージェネムを飛ばし手持ちのロングレールガンを発射する。
「追いついてきたか!」
 ニコラス大尉は回避行動を取り、エビルガーロボが空を飛び回る。
「まだまだ、弾幕を張って追い込んでいくよ」
 続けてエルマはGフォーゲル搭載の両肩のショートバレルレールガン2門とマイクロミサイルを次々と発射して弾幕を張った。逃げ場のない面攻撃に被弾してエビルガーロボが爆発を起こす。
「このままでは――機能が復活した? メイルシュトロム起動!」
 ニコラス大尉がジャミングの範囲を離れエラーが消えたのに気付き、もう一度エビルガーロボの8本腕を超高速回転させる。すると渦潮が生み出され、弾幕が呑み込まれて押し流された。
「これでチェック……って、えぇ!?」
 押し切れると思ったところで敵の奥の手で一気にこちらの攻撃を防がれ、エルマは驚きの声を上げた。
「うわ、渦潮で弾もミサイルも届かないか。仕方ない。なら、それを逆手に取らせてもらうよっ」 強力な攻撃でもやりようはあると、エルマはユーベルコード『電撃攻撃』を使い、渦潮に向けてワイヤー『ウミヘビ』を射出する。ウミヘビは流れに乗って渦を進み、その中心であるエビルガーロボの元に届いた。
「攻防一体の攻撃なんだろうけど、その渦潮が命取りだよ!」
 ウミヘビが生きているようにエビルガーロボの腕に巻き付き、高圧電流を流して感電させた。
「なにぃ!!」
 強烈な電気ショックによってモニターが一瞬ブラックアウトし、機能が消失した為に渦潮が霧散した。

「これほどの護衛がついているなど! こちらの動きが漏れていたというのか!」
 猟兵という想定外の戦力に、ニコラス大尉はウミヘビを切断し機体を下げながら悔しそうに拳でコックピットを叩いた。
「趨勢を見極めての撤退もまた、指揮官に求められる能力です」
 戦いの準備を終えた霧島・絶奈(暗き獣・f20096)はふわりと宙に浮かんでエビルガーロボに近づく。
「其れを見誤り特攻を仕掛ける……とても優れた軍人であるとは言えませんね」
 訓練でどれだけ優秀な成績を修めようとも、実戦経験がなければいい兵士にはなれないと絶奈は戦場の教えを説く。
「煩い煩い! 教官のような物言い! もう我々は一兵士となったんだ!」
 ニコラス大尉はエビルガーロボを絶奈に向け、8本の腕を超高速回転させて水を生み出し、渦潮を空中に作り上げる。
「この位置なら機能が発揮できる! 墜ちろ!」
 大量の水が絶奈を覆い尽くそうと迫った。
「確かにキャバリアで相手するには厄介な手合いですが……猟兵とは其の世界の埒外に居ると言っても過言ではない存在です」
 絶奈は落ち着いて己が内の力を高める。
「ある種の理不尽ではありますが……「キャバリアを使わずにキャバリアと渡り合える存在」が貴方の敗因です」
 そしてユーベルコード『反転』を発動し、周囲を腐敗させる濃霧が漂い人型の異形へと変身した。
「グ、グギィィギギィッ」
 金属が軋むような声を発し、理性を失った獣はただ動くものを粉砕しようと飛び出し渦潮に突っ込んだ。
「自ら死にに行ったか! 生身では原型も――!」
 やったと思っていたニコラス大尉の目に、渦潮から飛び出し懐に入る異形の姿が映った。
「ギィィィィィイイイ!!」
 咆える獣が動き回る腕に飛びつき、一本、また一本と引き千切っていく。
「やめろ! やめろぉ!」
 人型の怪物に襲われ、恐慌状態となったニコラス大尉は、慌ててその場から逃げ出そうとする。

「ここにきて逃げるなんてダサっ!」
 あまりにもカッコ悪い逃走だとチロルが嘲笑する。
「しかもざぁこの考えなんてお見通しなんだけどぉ~」
 そこには既にジェネムⅡ隊が包囲し、頭を押さえるように戦闘空母が頭上を飛んでいた。そして一斉に発砲し、弾幕が降り注いでエビルガーロボが被弾し煙を上げる。
「こんなところで終われない! まだ我々の戦争は始まってもいないのだぞ!」
 咆えるニコラス大尉に応じ、エビルガーロボが出力を上げて弾幕を抜け出す。しかし絶奈が事前に仕掛けて置いた浮遊機雷が起爆し足を止められた。
「トラップだと!!」
「動きが止まった……機動力を奪うよ!」
 敵の気が逸れた隙に、エルマはロングレールガンによる狙撃で翼を撃ち抜いた。飛行できなくなりどんどんと高度を落していく。
「これで後は動けなくなったところを叩くだけだよ!」
 スーパージェネムがショートバレルレールガンとマイクロミサイルによる追撃を浴びせた。
「ここまで……いいや、まだだ! 残りのエネルギーを全て使ったメイルシュトロムで広域を全て渦潮に巻き込む!」
 ぼろぼろになったエビルガーロボが最大出力で5本に減った腕を回転させ、巨大な渦潮を空に生み出す。
「ギギィ………ギィイイイイイアア!!」
 その動きに反応し、異形となった絶奈が襲い掛かり、残った腕を次々ともぎ取ると渦潮が小さくなっていった。
「そんな……」
 最後のエネルギーを使い果たしたエビルガーロボは完全に停止し、そのまま地上へと落下した。

「私はいったい……何をしていたんだ。まるで長い夢を見ていたような……」
 オブリビオンマシンが壊れると、ニコラス大尉は正気に戻り真っ暗なコックピットを手動で開けた。眩しい夕日が差し込み目を細める。
「戦争が終わったら、みんなで他の国を見てみたい。そんな夢を同期と語ったこともあったな……」
 忘れていた軍学校での思い出が蘇る。戦争を終わらせて皆で平和な世界を過ごしたいと語った記憶。
「大尉!」
 するとそこに軽傷を負った仲間達が集まってきた。皆の顔も晴れ晴れとしていて、正気に戻ったようだった。
「我々の戦争は終わりだ。いや、終っていたんだ」
 完全にオブリビオンマシンの呪縛から抜け出し、ニコラス大尉は清々しい気分でオレンジの空を見上げた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『遊覧飛行』

POW   :    景色を眺めながら軽く食事をとって楽しむ

SPD   :    眼下に広がる景色を絵や写真に残す

WIZ   :    他の乗客や乗員との会話を楽しむ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●遊覧飛行
「ありがとう! 君達のお蔭で飛行船が沈まずに済んだ! この両国の友好を象徴する船が沈んでいたらまた戦争が起きる可能性もあったからな。本当に助かった!」
 船長であるコンラッド中佐は腰が低く、猟兵達に感謝して何度も頭を下げた。
「襲ってきた者達は地上部隊に連絡したから、後は任せて大丈夫。この船はこのまま遊覧飛行を継続して、こんなことくらいでは両国の友好にひび一つ入らないことを証明する……ということになった」
 コンラッド中佐は上からの命令に溜息を吐く。
「軍的には安全を優先して帰還したいところだが、友好のためと言われると反論も難しい。そこでだが、できれば遊覧飛行が終わるまで船に乗って護衛してもらえないかな? もちろん給金は出すし、何事もなければ普通に客としてディナーパーティを楽しんでもらって構わない」
 手を合わせ猟兵達に仕事を頼み込む。何もないと思うが念の為と、またコンラッド中佐は頭を下げた。
 もう何もアクシデントは起こらないだろうが、乗客を安心させるためにも、凄腕の猟兵達に客として乗ってもらいたいのだ。
 そのくらいでいいのならと、承諾した猟兵はパーティ会場に足を運ぶ。
 会場は飛行船の中にしては広々としていて、中央は立食形式で、窓辺の方にはテーブル席も用意されていた。テーブルにはオードブルからデザートまでさまざまな料理が並び、お酒にジュースまで揃えられていて、このパーティの力の入れようが理解できた。
 そこに足を踏み入れると、客や給仕をする乗員に兵士までが並び、一斉に拍手で迎え入れられる。この船を救った英雄として猟兵達は歓迎を受け、楽しい空のパーティが開始された。
カシム・ディーン
食べ放題ですか
美味しいものを好きなだけ食べるというのは幸せですね
「メルシーもキャバリア一機分は食べちゃうぞー☆」

もりもり食べますが一応話もしてみますか
この国の歴史とどのように和平へと至ったか
何、興味です

この闘争に溢れた世界だからこそどのような試みで至ったかですね
「危うくつぶれそうだったけどねー」
こう言うのは盟約や貿易など色々な交渉も発生しそうですね

後は御飯も名物とかも食べますよ
昔はろくなもの食ってなかったので色々グルメも気取ってみたいですしね
本当は酒もと言いたいが僕は駄目っぽいですね
「ノンアルもあるよ!」
しかたねーですね(くぴくぴ)

後は戦いの歴史も聞いてみましょう
これも興味ですね



●食べ放題
「食べ放題ですか。美味しいものを好きなだけ食べるというのは幸せですね」
「メルシーもキャバリア一機分は食べちゃうぞー☆」
 カシムがテーブルいっぱいに並べられた食事を見て表情を綻ばせると、人型の銀髪少女になったメルクリウスのメルシーも背後霊のようにべったりと引っ付いて、盛りだくさんの食事に目を輝かせた。
「とりあえず高そうな肉からいきましょうか」
「全部乗せちゃえばいいよー!」
 二人はあれこれと皿に盛り付けもりもりと食べる。

 少年少女が食欲旺盛なのを微笑ましく見ていた人々も食が進み、アルコールも入ると口が軽くなり見知らぬ者同士でも会話が弾み出す。
「いやーしかし戦争が終わって良かった。戦時だと食べ物も制限されてたからね」
「本当に、うちなんて男が全員兵士になっちゃったもんだから心配で心配で――」
 そんな話に興味を持ってカシムも会話に加わった。
「そういえば、どうして戦争が始まったんですか?」
「最初はプラントをめぐるいざこざだったって話しだよ。お互い相手が悪いって言い合って、そこから小規模な戦いが始まって、戦乱がどんどん広がっていったってさ」
「もう50年以上前の話だからねぇ、実際のところはわからないって聞いたよ」
 お喋り好きな人たちがあれこれと教えてくれる。
「人も資源も使い過ぎて、数年前にこのままじゃ両国が滅びるってところまでいったんだよ」
「そうそう、そこで両国の英雄が上層部を無視して武装解除して、手を取り合って休戦にこぎつけたんだよねぇ」
 そんな話を食べながらカシムは聞いていた。
「なるほど。限界まできて兵士が戦いを放棄した形ですね」
 もぐもぐと口を動かしつつカシムは納得して頷く。
「危うくつぶれそうだったけどねー」
 その横ではメルシーが、皿に盛ったと思ったら消える勢いで食べていた。

「このミートパイが美味しいですね」
「だねー☆」
 沢山ある料理の中でもサクサクのパイにグレイビーソースが入ったミートパイが絶品だった。
「それは戦争前からある郷土料理でねぇ、両国で愛される料理なのよ」
 この友好の場に相応しい料理だと、周囲の人々も美味しそうにパイとワインを楽しんでいた。
「本当は酒もと言いたいが僕は駄目っぽいですね」
「ノンアルもあるよ!」
 自分も飲みたいと思っていると、メルシーが葡萄ジュースの入ったグラスを持ってきた。
「しかたねーですね」
 二人はくぴくぴとジュースを飲み、お酒っぽく気分だけでも味わい腹いっぱいになるまで食事を堪能した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

霧島・絶奈
◆心情
向き不向きはあるとはいえ…
「平穏を維持する」為の行為なれば軍人の務めではあるでしょうね
其の為の助力は吝かではありませんし、個人的にも楽しませて頂きましょう

◆行動
バルモア・グレンブレア殿をお誘いさせて頂きます

お久し振りです、バルモア殿
先日のアポカリプスランページでは大変でしたが…
御壮健な様子で何よりです

祝杯を一人で上げるのも味気ないものでして…
宜しければ御一緒頂けませんか?
とは言え、飲める年齢にこそなりましたが飲酒は初めての経験でして…
宜しければお薦めな飲み方など有りましたら教えて頂けたらと思います

食べ合わせや飲み合わせ等はあるのでしょうけれど…
バルモア殿はどの様な銘柄がお好みでしょうか?



●酒の楽しみ方
「向き不向きはあるとはいえ……「平穏を維持する」為の行為なれば軍人の務めではあるでしょうね」
 パーティに軍人は向いてはいないが、それが人々の平穏の為ならば参加せざるを得ないのだろうと、絶奈はカチコチになっている軍服姿の兵たちを見やる。
「其の為の助力は吝かではありませんし、個人的にも楽しませて頂きましょう」
 自分もその賑やかしの一つと成ろうと煌びやかな空の催しに加わる。
「お久し振りです、バルモア殿」
 絶奈は微笑んでそこへ遅れてやってきたバルモアを出迎える。
「先日のアポカリプスランページでは大変でしたが……御壮健な様子で何よりです」
「ああ、先の戦争の時は本当に助かった。まさかこの年で現場に出ることになるとは思ってなかったのでな、年寄りの冷や水というやつで腰にきてしまった」
 バルモアは感謝してあの後暫く腰を痛めたことを笑い話にして語り合う。

「祝杯を一人で上げるのも味気ないものでして……宜しければ御一緒頂けませんか?」
「私でよければ喜んで。パーティで一人飲むなど味気ないからな」
 絶奈のお誘いにバルモアは笑顔で頷く。
「とは言え、飲める年齢にこそなりましたが飲酒は初めての経験でして……宜しければお薦めな飲み方など有りましたら教えて頂けたらと思います」
「そうか絶奈は今年二十歳になったばかりだったな」
 絶奈は初めての飲酒体験に何を飲んだらいいのか尋ねる。
「食べ合わせや飲み合わせ等はあるのでしょうけれど……バルモア殿はどの様な銘柄がお好みでしょうか?」
「うむ。酒とは場に合わせて飲むものだと思っている。一人ならウイスキーだが、こういったパーティで飲むならワインが合うだろう」
 バルモアはテーブルに並べられている2本のワインボトルに手を伸ばす。
「これを飲み比べてみるとしよう」
「……今年のものと20年前のものですか?」
 絶奈がラベルに書かれた年代を見る。バルモアがそれを2つずつグラスに注いだ。
「初めての酒など美味しいと思う方が珍しい。それならば面白いと思える経験の方がいいだろう」
 二人は今年のものからグラスを持ち、軽くグラスを合わせて乾杯と口にする。
「少し渋い葡萄の果実水といった感じですね」
「では次にこっちを試そう」
 続けて20年もののワインを飲むと先ほどよりもまろやかな味が広がった。
「渋味が減っています。他にも何か複雑な……」
「年経て角が取れたな。人と同じで成長し深みができるのが酒の面白いところだ」
 人も酒も時間が熟成させて新たな一面を覗かせる。
「人と同じですか……確かに面白いものです」
 絶奈はほんのり上気した顔で微笑み、20年の年月を確かめるようにワインを味わった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

チロル・ツークシュピッツェ
アドリブ歓迎

わぁ~、こんなことがあったのに遊覧飛行続行とかぁ~、ばぁーかじゃないのぉ♥
乗ってる大事な客も政治に翻弄されて大変だねぇ~、身の安全より友好の象徴が大事なんだってぇ~
仕方ないから、チロルは艦の姿のまま飛行船の僚艦として護衛するよぉ~
え~?パーティなんかにアタシみたいにメスガキが出たら煽ったりして大変なことになっちゃうよぉ~?
お互いの為にもアタシは護衛の艦してた方がいいよぉ~?
あ、窓から見えない方がいいなら位置は工夫するしぃ~、逆に安心の為に見えた方がいいならそうするよぉ~?
まっ、懲罰艦の幽霊船なんて見えない位置にいた方がいいかもだけどねぇ~?



●空の護衛
「わぁ~、こんなことがあったのに遊覧飛行続行とかぁ~、ばぁーかじゃないのぉ♥」
 襲撃があったばかりだというのにパーティは続けられている。本当に人間というのは理性よりも感情で動く生き物だとチロルは小馬鹿にする。
「乗ってる大事な客も政治に翻弄されて大変だねぇ~、身の安全より友好の象徴が大事なんだってぇ~」
 長く艦として人間の傍で見守ってきたが、いつも感情に振り回されて合理的判断が下せないで、さらに困った事態に陥るのが常だった。
「仕方ないから、チロルは艦の姿のまま飛行船の僚艦として護衛するよぉ~」
 どうしようもない人間達を守ってやろうと、チロルは飛行船の後尾について護衛していると、飛行船の副官から通信が入る。

「護衛任務を受けてくれて感謝します。しかし貴艦の乗組員は誰もパーティに出なくてもいいのですか?」
「え~? パーティなんかにアタシみたいにメスガキが出たら煽ったりして大変なことになっちゃうよぉ~? お互いの為にもアタシは護衛の艦してた方がいいよぉ~?」
 艦自身がチロルとは知らずに副官が尋ねると、チロルはいつもの軽い口調で煽る。
「た、確かに。その口調では何か問題が起きるかもしれませんね」
 両国友好のパーティで問題が起こるのを想像し、副官は納得してそれ以上誘うのを止めた。
「あ、窓から見えない方がいいなら位置は工夫するしぃ~、逆に安心の為に見えた方がいいならそうするよぉ~?」
 チロルが嫌味っぽくパーティの邪魔にはならないように配慮すると伝えた。
「まっ、懲罰艦の幽霊船なんて見えない位置にいた方がいいかもだけどねぇ~?」
「いいえ、貴艦は我が方の乗客全てを救ってくれたのです。皆が貴艦の雄姿を見れば安心するでしょう。見える位置での同行をお願いします」
 チロルが自分のことを卑下するような言葉を無邪気に口にすると、副官がその言葉を否定し、是非とも皆に姿を見せて欲しいと頼んだ。
「ちょっと命を救われただけでちょろすぎ~。ほんと人間ってばぁーか♥」
 口汚く罵りながらも、褒められ調子に乗ったチロルは艦を動かし、見せびらかすように夕日に赤く照らされながら並走した。
「あっ、ママ! 助けてくれた船が飛んでるよ!」
「ほんとうね、ありがとうって手を振りましょう」
 その姿をパーティ会場の窓から見た人々は歓声を上げ、チロルの艦の姿を目に焼き付けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エルマ・ハインツェル
アドリブ歓迎

やー、護衛というなら外でキャバリア乗ってた方がよくない?
スーパージェネムでも、分離してGフォーゲルをサブフライトシステムしてジェネムⅡが乗るので空飛べるし
まぁパーティに出られるなら文句は言わないけどねっ
あ、服装はどうしよ。ドレスコードにあったドレス貸してくれる?
え?ぺったんこだから胸が合わない?
……全身義体だから、巨乳パーツに換装するよ!だから、その大袈裟な詰め物は不要だからね!
マナーや立ち振る舞いも電脳にインストールすれば完璧!
全身義体だけど飲食も問題なく出来るしね、しなくてもエネルギー確保出来れば問題はないんだけど
ふふん、完璧な立ち振る舞いで猟兵が野蛮な輩ではないと安心させるよ



●空のパーティ
「やー、護衛というなら外でキャバリア乗ってた方がよくない?」
 エルマは護衛ならキャバリアがいいんじゃないかと飛行船の窓から外を見る。するとそこには護衛の飛行型キャバリアが並走していた。
「スーパージェネムでも、分離してGフォーゲルをサブフライトシステムしてジェネムⅡが乗るので空飛べるし……」
「お待たせしました。どうぞ、こちらです」
 そう考えていると、女性添乗員にパーティ会場の方へと案内される。
「まぁパーティに出られるなら文句は言わないけどねっ」
 パーティを楽しめるならその方がいいと、理想の後輩女子っぽく楽しそうに足を運ぶ。

「あ、服装はどうしよ。ドレスコードにあったドレス貸してくれる?」
「えーっと、貸しドレスはありますが……」
 途中で更衣室に案内されると女性添乗員がエルマの胸元に視線を下ろし、ごにょごにょと耳打ちした。
「え? ぺったんこだから胸が合わない?」
 エルマは自らのぺたーんとした胸を手でなぞる。もしドレスを着るならと、たっぷり胸を底上げするパットが用意された。
「……全身義体だから、巨乳パーツに換装するよ! だから、その大袈裟な詰め物は不要だからね!」
 詰め物でドレスなんて悲しすぎると、巨乳パーツに換装して自前のボディでドレスを着こなした。
「こんなものかな?」
「まあ! お似合いですよ!」
 くるりとエルマが回転してドレスの裾をひらりと浮かべ、変なところがないかチェックすると女性添乗員が本心から似合っていると褒めてくれた。満更でもない気分でエルマは微笑む。
「マナーや立ち振る舞いも電脳にインストールすれば完璧!」
 準備完了とパーティ会場に入ると、人々が美しいドレス姿と洗練された所作にほうっと感嘆の声を漏らした。
(「ふふん、完璧な立ち振る舞いで猟兵が野蛮な輩ではないと安心させるよ」)
 どうだとばかりにエルマは人々の視線を引き付け、本物の令嬢のように談笑し、パーティを楽しむ人々の輪に溶け込んだ。
「食べる必要はないけど、食べる事はできるからね」
 エルマは美味しい食事を味わいながら外を眺める。沈む夕焼けの後には月夜が会場を包み込む。その光景に人々は見惚れ、こうして敵対していた同士の人々が穏やかに過ごせることを喜び合う。
 静かな夜空を賑わすのは銃砲ではなく、人々の楽しそうな笑い声だった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年10月19日


挿絵イラスト