7
獣化潜入、船団一網打尽作戦

#ブルーアルカディア

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ブルーアルカディア


0




「……あれか」
 雲の中に身を潜めたガレオンの中で、観測手の勇士はその船団を捉えた。
 小柄な船を周囲に従えた意思を持ち、ドラゴンへと変じたガレオン。この雲域を魔の境界とする元凶だ。
「沈めるぞ……!」
 勇士が合図を送る。勇士は一隻のガレオンだけではない、複数のガレオンが協力した合同作戦。
 潜んでいたガレオンが、オブリビオンの船団を囲い、一斉に襲いかかる。その寸前。
「――あ、がッ」
 我先にと勇み進んだガレオンの勇士達が一斉に苦しみ始める。
 悶えるように震える彼らは、次第にその姿を変じていき、服や装備を破り捨てるように新たな肉体が――獣と化した勇士がそこにいた。
 彼らは獣化していない勇士のガレオンへと襲いかかり、勇士の船団は瞬く間に叫喚に呑まれていく。
 それを見張り台から見下ろしていた観測手も、次第に獣へと呑まれていく己の腕を見つめ……。
 思考すら獣へと落ちていきながら、僅かに感じる主の気配に、咆哮を上げるのだった。

◇◇◇

「彼奴等に鉄槌を」
 そして、救いを。
 カセンは猟兵に告げた。
『儡王の羅針盤』――注ぎ込んだ魔力に応じた周囲に、獣兵の呪いを振り撒く呪物。
 天使核の暴走によってドラゴン化したガレオンが操るそれによって、勇士達は接近が出来ない。
 だが、猟兵達であれば、話は別。
 獣化の呪いは発揮されるだろうが、その本質は揺るがないだろう。呪いの効果も操作しうるだろう。
 作戦は、こうだ。
 呪いの影響下で獣化した猟兵達が、周囲の魔獣船団に潜入し、中央のガレオンドラゴンへと接敵する。
 その交戦開始とともに、周囲の船団を勇士が襲撃し、猟兵がガレオンドラゴンと船団の挟み撃ち受けないように撹乱。
 猟兵がガレオンドラゴンの気を引ければ、それだけ呪いの範囲も狭まるだろう。
「要は貴様等だ。奮戦、期待している」
 言い放ち、カセンは猟兵を戦場へと送り出していく。


熱血漢
 いつもの感じです。
 影響範囲に入ったらTFします、って言うかんじです。

第一章。

 獣化して、空飛ぶ船を辿り、中央のガレオンドラゴンに接近していきます。
 どんな獣に変化するかは、イメージで操作もできるので、楽しい感じにやっていただけたらと思います。

「む!お前見ない顔だな、怪しい!」みたいな勘のいい魔獣もいるので、そういう対処もあるといい感じかもしれません。

第二章

 ガレオンドラゴンと戦います。
 ここでも獣化した状態で戦います。

第三章

 採取した美味しい魔獣の肉をたべます。


 よろしくお願いいたします。
86




第1章 冒険 『ワイルド侵入作戦』

POW   :    ワイルド力強い姿で

SPD   :    ワイルド素早い姿で

WIZ   :    ワイルド便利な姿で

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

木常野・都月

数年前まで野生の狐として生きてきたんだ。
俺の場合、獣の姿の方が慣れているんだよな。
それに、狐が偶然船の中を通りがかっても、別におかしくないよな?
多分きっと時々よくある…はずだ。

と言う訳で、狐の姿で中央のガレオンドラゴンのところに向かいたい。

何か他の獣に声かけられたらコヤンと鳴きつつ[動物に話す]で乗り切りたいな。
きっと狐はどこにでも現れるんだ。

クンクン匂いを探しながら、探検開始だ。
風の精霊様、船を[情報収集]してガレオンドラゴンぽい匂いを拾えないかな。

あとは音だな。
狐は聴力が良いからな。
耳をクルクル回して、手がかりになりそうな音を探して歩きたい。

何かないかな。
チィも何か居たら教えてくれ。



 強制的な獣化。大抵の人間は、その精神が元のままであるならば戸惑いが大きいものになるだろう。
 カシカシと後ろ足で耳の後ろを掻いた木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)は自然体な仕草で、黒狐となった体を動かしている。
(俺の場合、獣の姿の方が慣れているんだよな)
 むしろ人間の姿でいる方が時々混乱してしまうほどだ。寝起きに四肢をついて伸びをする癖は未だに抜けきらない。
 ともかく、動きに支障がない事を確認した都月は、物陰に隠れてじっと動き回る獣の船員を眺めていた。
 接近させた小舟を調べようとしたその横をすり抜けて潜入していた都月は、敵を観察する。
(……二足歩行ばかりかと思ったけどな、以外と四足もいるか)
 完全な獣状態になった都月が獣い寄りすぎていて目立たないかという懸念が払拭されたことで、都月は悠々と船内へと躍り出た。
(さて、と……肝心のガレオンドラゴンは……と)
 いてもおかしくない姿なら、堂々としていた方が怪しまれないだろう。とすれ違う獣兵に緊張を表に出さぬようとてとてと歩く。
「チィも何か居たら……ん?」
 背に乗る白い子狐の姿をした精霊は、チィと一つ鳴いて、窓の外を眺めていた。
 都月は、その視線の先を確かめるべく、ひょいと窓枠に前足を掛けるように立ち上がった。
(あれだな、他の船を伝って……ああ、帆を跳べばいけるか)
 船団の中央。ガレオンドラゴンの姿はよく見えた。時折近い船が姿を隠すも、そうそう見失いはしないだろう。
 丁度この場所から、ガレオンドラゴンのすぐ横を飛ぶ船への道程が見えていた。
「ありがとう、チィ」
 耳を澄ませれば時折聞こえる竜の息が大空を震わせている。風の精霊も、それがガレオンドラゴンだと教えてくれていた。
「……っと」
 ふと、都月の耳が近付く足音を拾って、窓枠を離す。
『おい、お前』
 都月に魔牛が声をかけてきた。威圧的――疑われているのか。
 思わず背を伸ばすように振り向いて返事をすると、魔牛は四つ足の蹄を順にならして、都月を睨んだ。
『何をしている、どこの担当だ?』
『え、っと……甲板です。すみません、迷ってしまいまして』
『……』
 帆に近づきたい、そう考えた返事に一通り都月を睨み付けると魔牛はため息を付く。
『新入りか、そこを左に曲がれば甲板に上がれる。獣兵になったばかりは思考もおぼつかんだ。指示にだけ従え』
 そう言って魔牛が放つけしかけるような頭突きをかわした都月は、言葉に従って甲板に向かうことにした。
(うん、怪しまれてはない、かな)
 背後から討たれる事もないらしい。帆を上れば、少し上を飛ぶ隣の船の甲板に飛び乗れるだろう。
 出来るだけ怪しまれないよう、都月はどうにかして上に昇る方法を探るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ワーブ・シートン
【兄さん(f11928)と一緒】
おいらぁ、一緒に付いっていくですよぅ。
なんかねぇ、今回の呪いっていうかぁ、おいらにはぁ、全くぅ、応えてないっていう感じですよぅ。

船に近づくんだけどぉ、おいらはぁ、元からぁ、この姿ですからねぇ。
おいらぁ、グリズリーベア(ハイイログマ)ですからねぇ。
乗り込んだらぁ、普段どおりに動くですよぅ。

狼がぁ、増えたですよぅ…一旦、距離離れておくですよぅ。

バレた?
でもぉ、そんなナリでぇ、おいらにぃ、挑むのですかぁ?

敵が襲いかかったら、クマの一撃ぶちかます。

アドリブ歓迎


アーネスト・シートン
【義弟(f18597)と】SPD
あのドラゴン、周囲を獣に強制変身させるのですか。
なんとなくだけど、パワー系にはならなそうな感じがするので、パワー系の義弟ワーブを連れてきますよ。グリズリーベアですし。

うん、案の定、狼ですか。
ワーブは変わらないですね。まぁ、そもそも、改造されただけの獣ですし。

しかし、獣に変わっても、船は操縦できるんですね。
でしたら、接近して、潜り込みましょう。

入ってきたはいいですが、まず、どうするかですよ。
気付く連中もいるでしょうし。
気付いた所で、甘いのですよ。
狼は群れ成す動物。
狩りをお見舞いいたしましょうか。
こうなれば、密林の王たる猛虎であろうが、逃げますからね。

アドリブ歓迎



「まぁ、予想通りぃ、だねぇ?」
「うん、狼……ですね。特に変化先をイメージしなければこうなるでしょう」
 接近の最中から変化の始まっていたアーネスト・シートン(動物愛好家・f11928)は、すっかり狼の姿に変化してしまっていた。
「ワーブは変わっていませんね」
 とアーネストが隣を見上げれば、その熊――ワーブ・シートン(森の主・f18597)はゆったりとした動きで頷いていた。
 元々改造された獣だ。耐性があった――というよりも呪いの方が適性を持っていなかったのだろう。
「それでも、変わろうと思えば変われたのでは?」
「んー、翼とかねぇ、考えたぁけどぉ、それはそれでぇ、邪魔かなぁ、ってねぇ」
「……確かに、こうしてみると便利ですが、気を抜くと尻尾を持て余してしまいそうですね」
 アーネストは黒いふさふさの尻尾を揺らした。未知の感覚が備わっている。変な感じだ。
 掴むという事が不得意になってしまった手でも舟は十分に動かせている。そもそも天使核による空艇の操舵は、物理的な舵に頼っていない。
「さて、そろそろですね。観察して彼らの真似をしていきましょう」
「うん、了解ぃ」
 大きな雲の下を抜けて、下から接近していく二人は徐々に高度を上げ船団の真下へと浮上していく。
「予想より数段、楽に忍び込めましたね」
「おいらぁ、普通に歩いてるだけぇ、だけどねぇ」
 外郭の船は新入りが多いらしく、他の獣兵と同じような動きをしていれば、自由に歩き回れた。
 まだ、戦闘中ではないということもあるだろうが。
「んー、ねぇ、橋がぁ、渡してあるよぉ」
「……ですね、物資の交換、いや伝令でしょうか」
 ワーブが見つけた小さな橋。次の船に渡るのに都合が良さそうだ。
「適当な荷物を見繕って、通してもらいましょうか」
「おいらぁ、持つよぉ」
「ええ、よろしくお願いします」
 力持ちのワーブに運搬役を託し、二人は運び込んでも怪しまれない程度の荷を探し始めるのだった。

◇◇◇

「……待て、お前ら」
 そうやっていくつかの船を越えて、幾らか中心へと近付いて来た辺りで、二人は呼び止められた。
「はぁい?」
「見ない顔だな」
 訝しげに近付く獣兵。装飾を見るに指揮官だろうか。彼はワーブへと歩みより、その顔を物色する、ように見せかけ。
「死――っ、!?」
 小槍を引き抜き、ワーブの喉笛を切り裂こうとするが、しかしその腕に深々と食い込む牙。
 どこからか現れた狼が、獣兵の腕に牙を突き立てていた。
「気付いた所で、甘いのですよ」
「ぐ、侵入者だッ!!」
 アーネストの召喚した狼が14。統率者と共に連携で獲物を追いたてる獣。
「……っこの!」
「狩りをお見舞いいたしましょうか。こう囲まれてしまえば、密林の王たる猛虎であろうが、逃げ出しますからね」
 腕を振り払い、槍を振るうもしかし、徐々に傷を増やしていく獣兵。ワーブは、少し顔をしかめてそれを見ていた。
 森で狼の群れに絡まれた厄介な記憶でもあるのか、少し離れていると背後から足音が響く。
「貴様か、侵入者!」
 狼に次々に牙を立てられ、その血で床を汚す指揮官。そして加勢もせずに見つめるワーブを、的確に敵だと見抜いたのだろう応援が、剣を振り上げ迫り来る。
 だが。
「無理ですよぅ」
 蚊を払うようにぞんざいに振り抜かれた熊の大腕が、兵士をかっさらい船の壁に叩きつけた。固い木の壁が軋み上げ亀裂が走る。
 鎧の上から鋭い爪の痕をつけた獣兵は、もう起き上がることはない。
「そんなナリでぇ、おいらに挑むなんてぇ」
「ワーブ」
 彼を呼ぶ義兄の声に、ワーブは振り向いた。
「そろそろ隠しおおせるのも限界のようですね」
 アーネストは、今の騒ぎに駆け付けるだろう増援を考える。
 だが、窓から見えるガレオンドラゴンの姿は大きい。
「幸い随分と近付けました」
「んー、兄さん、一気にぃ、行くのぉ?」
「ええ、強行突破といきましょう」
 ガレオンドラゴンと接触すれば、更に外から砲撃が撃ち込まれる。背後からの攻撃はすぐに気にする必要がなくなるだろう。
 二人は騒がしくなってきた船内を、強く蹴り進んでいく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

泉・星流
枸橘・水織(f11304)と行動

肉体が組み替えられる感覚を覚えたら、『飛行能力~』『手は使える方が~』…そんなイメージを思い浮かべる
肉体の変化に衣服が破れ…露わになる獣化した姿

「…こういう姿になったか…」

人と鳥が合わさった姿…下半身は羽毛に包まれと鉤爪の足…尾羽も生えて完全に獣化…上半身も首元や胸元が羽毛に包まれ、背には大鷹の翼

OPで出てきたガレオンの勇士の…呪いにかかった犠牲者を装って行動…感のいい魔獣とかにあったら…片言で…

「…ボクハイママデナニヲシテタ…?」

…と言って、自我が希薄な魔獣を装う

指定UCは身体能力をさらに強化する為に使用


なお…水織とは獣化後は視線を極力向けないようにしてます


枸橘・水織
泉・星流(f11303)と行動

星流の獣化に気づくと、水織の獣化が開始される
獣化した姿は星流と同じような人と鳥の姿が合わさったような姿
違いは羽毛の色が青い事と、胸元を隠す羽毛が多めという事

感が良い魔獣と会った場合…あえて自我が芽生え始めたような態度で…

「ワタシタチハサキホドウマレタバカリ…ワタシノホウガスコシジガガアリマス」

潜入後は指定UCを使用して、ガレオンドラゴンを目指す…かたわら、妖精達に油や火を用いてこっそり火事などを起こさせたりする



獣化のイメージは星流の獣化した姿にひかれたようなもの…
羽毛に包まれている姿の為、そういう風には見て取れないが、実は全裸と気づいて気恥ずかしくなっていたり



「獣、か……」
 泉・星流(人間のマジックナイト・f11303)は、舟が近付くにつれ、ぞわり、と体内を擽られるような感覚に苛まれていた。
 これが呪いの兆しなのだろう。
「ん……、これ、変な感じ、ね」
 枸橘・水織(オラトリオのウィザード・f11304)が、少し冷や汗を浮かべながら、笑みを向ける。
「うん、でも、やっぱり聞いた程の変化は、ない、かな」
 グリモア猟兵の話では、思考まで濁るという話だったが、その兆候はない。あくまで体の変化のみ。
(これなら……)
 星流は、水織に頷いて眼を瞑る。イメージするのは、空を飛ぶ翼、そして射撃能力を歪ませないような手の形の保持。
 人と鳥が混ざりあった魔獣の姿が、星流の脳裏に描き出され。そして――。
「星流……?」
 水織の声に、星流は目を開ける。
 手首から羽毛に包まれている手。羽毛は胸や首まで包み込んでいる。
「こうなったか……」
 腹は薄い産毛程度で変わりはしないが、腰から下はまた羽毛に包まれ、足先は鉤爪に変じていた。背には大鷲の翼、尻の上からは尾羽まで生えていた。
 衣服は体型の変化に耐えきれなかったか、床に布切れとなって散らばっている。
(脱いでおけばよかったか?)
 と思うものの、水織の目の前で全裸になるのも、水織に服は脱いでおけ、と言うのも躊躇いが残る。
 そして、その躊躇いの内に水織の変化までもが始まってしまっていた。
 膨らむように羽毛が溢れる水織の服が内側から弾ける。スカートが捲り上がり、その白い脚の付け根へと視線が吸い込まれていく。
「――ッ」
 星流は、決定的な瞬間を見るよりも早く、体ごと視線を彼女から逸らしていた。妹のような存在とはいえ、女の子の着替え(とは違うが)を覗き見るのはダメだろう。
 そうして、気まずい数秒間を経て現れた姿は、星流の姿とよく似ていた……ような気がした。
 気がしたというのは、ちょっと今、水織の姿を星流は直視しないようにしているからではある。羽毛に覆われているとはいえ、裸で向かい合っているという状況に直面しないように。
 水織は、星流の姿を強いイメージとして変身している。違うのは、羽毛が青色なのと、胸元の毛量が多いことだ。
「……それじゃあ、行きましょ?」
 それが、無意識に胸を隠したいと考えた結果なのだと自覚する。
 そんな気恥ずかしさを表情には出さずに、水織は翼を試運転して、空へと舞い上がるのだった。

◇◇◇

「意外と普通に動けるな」
 今まで無かった部位でも十分に動かせていた。呪いのおかげ、というのも変な話ではあるが。
 とはいえ、指をそのままにしておいて良かった。服が合わなくなったように銃器のような細かい操作の必要な武器には困っただろう。
「……うん、お願い」
 星流の傍ら、水織は羽を元に作り出した妖精へと小声で合図を送っている。
「どうかした?」
「武器庫、榴弾とか色々ある部屋があったって」
 火をつければ盛大に燃える。ガレオンドラゴンに近づいた辺りで騒ぎを起こせれば、目眩ましのついでに、勇士達の援助にもなるだろう。
「だから、合図したら火事を起こしてもらおうと……」
「し、誰かくる」
 水織の言葉を星流が遮る。星流が防御のために高めた身体能力、それが近付く何者かの動きを示している。
「貴様等、なぜここにいる? 変化した兵は甲板へ――」
「ァ……」
 近付く魔獣が問い掛ける言葉を星流が遮った。
「……ん?」
 視線が彼に向けられる。本来であれば殊更に神経を逆撫でする行為でしかないが。
「……ボクハイママデナニヲシテタ……?」
 虚ろな目で、言葉にならぬような声に、魔獣は追求を緩める。
「スミ……マセン」
 と今度は水織が、星流よりも僅かに明瞭に話し出した。
「ワタシタチハ、サキホドウマレタ、バカリ……ワタシノホウガ、スコシ、ジガガ、アリマス」
「はあ、出来が悪いとすぐこれだ。まあ良い、お前、甲板に上がれ」
「ハイ、スグニ」
 落胆したような声で魔獣は二人を見過ごして巡回に戻っていく。
「……急ごうか」
 二人は頷く。二度同じ魔獣に出会えば流石に警戒される、いや、不良品として処分されるか。
 ともかく、早く次の船に渡ろう、と意見を一致させて彼らは翼を広げるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ブリッツ・エレクトロダンス
☆へえ、獣化の呪物ねえ。
っても俺らキマイラはもう最初っから合成魔獣みたいなもんだけどな。
(ブリッツは合成度0%…に見えて猫の性質が混ざっている)

だからまあ、獣化の影響なんざ早々受けねえよ。…受けねえよな?
(そんな事を思いつつ、降下乗船―――あっこれめっちゃ骨格とか歪んでるような気がする全身クソ痛い意識飛ぶ)

クソ、思いっきり影響喰らった…今の状態は…原型のクロヒョウか。
大型獣だから目立ちやすいのが難点だな…っと。
(禁止コードを実行しクロヒョウの子供姿に)

これでよし、と。
後は死角になるガレオン船下部を飛んでいけば………
(なお見つかったら騙し打ちの強化肉球パンチで速攻で黙らせる模様)



 ブリッツ・エレクトロダンス(★3:DJ.Blitz・f01017)はナメていた。
「獣化の呪物ねえ、つっても俺らキマイラはもう最初っから合成魔獣みたいなもんだけどな」
 最初っから獣である。黒豹のキマイラだ。なら獣化の呪いなんて関係無いだろうと。
 ナメていた。
 だからだろうか、いざ、敵船に降下――という段になり。
「んお?」
 ふらりと、一瞬立ちくらみがしたかと思えば船床に体を打ち付けていた。
「うん、……? ん? ちょ、え、ま……ッ」
 ドバン、と盛大に腰を打った痛みも冷めやらぬ内に、更なる痛みがブリッツを襲う!
 ゴキッ、グブ、ぎっ――。凡そヒトのからだから鳴ってはいけないような音が骨を伝いブリッツの脳に叩き込まれると同時に、骨格からして変化していく激痛が走る。
「イデデデ、いや、冗談じゃ……ぁッ、ちょ、ぁ゛、アッ――!」
 空しい絶叫と、ブリッツの意識が雲の中で消えていく。
 そうして生まれた新生ブリッツは、まんま黒豹の姿をしていた。
 艶めく毛色に、猫化特有のしなやかな腰付き。太い手足は重い体をしっかりと支えて、なお、更に機敏な動きを可能としている。
 目を覚ましたブリッツは、自分が自然に四つ足で立ち上がった事にため息をつく。
「クソ、思いっきり影響喰らった」
 原型の黒豹。
 一応猫やらの混ざりものである本来のブリッツとは違い、純度100の黒豹だった。
「……釈然としねえ」
 グリモア猟兵の話では変化に痛みはないような説明だったはずだ。貧乏クジを引いた。損な気がしてならない。
「まあいい、こうなりゃコレで行くしかねえ、けど」
 ブリッツは、眼科にみえる船を見定める。落ちても着地は問題ない。だが、流石に大型獣。
 降ってきたら怪しまれるだろう。
「よし」

◇◇◇

 子猫が歩いている。
 いや、黒豹の子、というべきか。
 ブリッツである。
「へ、ちょろいもんだ」
 ガレオンの側底部。停留用の金具や窓の枠。誰も見に来ないだろうような狭い足場を伝いながら、ブリッツは意気揚々と邁進している。一歩足を踏み外せば、どうなっているかも知らぬ空の底へとまっしぐらだが、気にした様子はない。
「ん、なんだ?」
 と窓枠で、ひとつ休憩と立ち止まったその瞬間。
「の、ぁ」
 首根っこを摘ままれ、ブリッツは色々な動物の混じりに混ざった謎生物の眼前にクレーンゲームの商品の如く掲げ上げられていた。
 口が開く。そして、一言。
「不細工なガ――きゅ」
 いう前に、ブリッツの前足がk魔獣の顔をひっ叩く。
 じゃれつくような光景だが、ズドゴン、と強化された前肢の威力は凄まじく、魔獣のからだは反対側の壁へと強かに叩きつけられると、瞬く間に意識を手放す。
「超絶美男子の光差すような顏の間違いだっての」
 呆れるように前足で顔を洗い、ブリッツは再びガレオンドラゴン目掛けて、跳んでいくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ガレオンドラゴン』

POW   :    属性変換
【ドラゴンの牙】が命中した敵から剥ぎ取った部位を喰らう事で、敵の弱点に対応した形状の【部位を持つ『属性ドラゴン』】に変身する。
SPD   :    ガレオンブレス
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【口】から【ブレス砲撃】を放つ。
WIZ   :    飛竜式艦載砲
【飛空艇部分の艦載砲】を向けた対象に、【砲撃】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「合図だ、呪いが収まる瞬間に、突っ込むぞ!」
 飛空艇に待機していた勇士達が、呪いを観察しながら今か今かとその瞬間を待ち――。
 戦火が上がる。
 竜の咆哮が空を震わせる。
 その瞬間、勇士達の一斉攻撃が空域を揺るがせた!

◇◇◇

ガレオンドラゴンとの戦いです。

一隻のガレオンごとドラゴンと化しているので、体に張り付いて戦ったり、空を飛んだり、船団の一つを奪ったりして戦う感じです。

お好きなかんじでどうぞ。
ブリッツ・エレクトロダンス
☆さーて…おっそろしいほどに射撃精度がいいんだよなあ…
ま、今の俺は的が小さい分当たりにくいんだが、それでも不安要素は大きいんだ―――っ、と!

作戦プラン!
艦載砲の手が届かない至近距離まで肉薄して、強化猫パンチで内臓とか内部構造に衝撃をぶち込む!
今の俺なら時速465km、超絶スピード違反級の速度でブッ飛べるからな!
…まあ、そんだけスピード出してると砲撃が回避し辛くなるんだが、そこは砲撃音を探知して、動体視力で弾道見てうまく回避…回避、できるか…?



「うにゃッは!?」
 ブリッツ・エレクトロダンス(★3:DJ.Blitz・f01017)は、自分の真横を通り過ぎていった砲撃に、笑いすら込み上げながら真横から風を発散する荒業によってギリギリの回避を見せた。
「今の当てるのか、やっべえな?」
 子猫の足裏に風を当てて浮遊しながらブリッツは、尚もこちらに照準を定めようとする艦載砲に感嘆を送る。
 今でも時速200kmオーバーの高速飛行状態。更に子猫化によって被弾面積は狭くなっているというのに、あのまま突っ込んでいれば確実にワンキルされていた所だ。
「のわ――ッ、あ、ダメだな! これ!」
 このまま外周をフラフラしていたらそのうち確実に打ち落とされてしまう。
 一台では不足と見られたか、二台目の砲塔のがらんどうの目玉と目があった瞬間にそれを悟る。
 即座に回避するも、それを追う二つの砲塔。飛ぶ、というより烈風で吹き飛びながら体勢を保っている――に近い飛行の中で、足裏から吐き出す風力で微調整を繰り返しつつ、ブリッツは速度を引き上げていく。
 作戦プランはこうである。
「突っ込んでぶん殴る……! お腹は柔らかそうじゃねえの!」
 ぎゅん、と空を駈りながらブリッツは己の肉球に力を込める。
「マックス時速465km、捕まりゃ一発免停不可避の超絶スピード……ぶっとッヒュ」
 キュン、と過度なドップラー現象で残りのセリフが甲高い摩擦音のようになるほどの加速を得て、ブリッツは一気にガレオンドラゴンへと肉薄していく。
 放たれる砲撃を避け、瞬く間にガレオンドラゴンへと到達した仔黒豹の小さな手が、その巨体の側面に触れ、瞬間。
 ドパンッ!! 衝撃が弾けた。
 強化猫パンチ、そこに風力操作を掛け合わせた掌打にガレオンドラゴンが巨体を歪ませ、軋み上げる。
「の――?」
 ブリッツが見えたのはそこまでだった。突っ込んだ勢いのまま、体勢が崩れたブリッツの体を慣性が容赦なく拐っていく。
 まるでバウンドするボールのごとく吹っ飛んだブリッツが空中で姿勢を整えた時見えたのは、倍増する砲口。
「や、っべ……!」
 間髪いれず放たれる砲撃の嵐に細かい回避を放棄した加速にのる。
「ひゃあ、あぶ、あぶ」
 そうしてガレオンドラゴンの胴体に肉球スタンプを押したブリッツは、あからさまに警戒を強めたガレオンドラゴンの周りを囮のようにくるくると舞う事にするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

木常野・都月

風の精霊様、[空中浮遊、空中戦]をお願いします!

風に乗ってガレオンドラゴンに死角から接近したい。
風の精霊様は、敵の[情報収集]をお願いします!
[野生の勘、第六感]も使って機動力を活かそう。

程よく柔らかそうな所が見つかるといいな。
見つからなくても、死角を攻めれば相手を出し抜けるかも?

弱点を見つけたら、UC精霊疾走で体当たりだ。
雷の精霊様、一緒にお願いします!

敵の攻撃は[カウンター、高速詠唱、属性攻撃]で迎撃出来るといいな。
難しそうなら、雷の精霊様の[オーラ防御]の電磁障壁で防げるといいな。

砲弾は金属。多分電磁力で砲弾を止めたり弾いたり出来るんじゃないかな。

追撃でガブーッて出来たらラッキーだな。



「流石に、足場はないですか」
 木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)は周囲からの砲撃と、一部猟兵のもたらす騒ぎに混乱する甲板を駆け抜け、一路ガレオンドラゴンへと接近していく。
 飛空艇そのものがドラゴン化したその存在に近づくには、ただ敵の飛空艇を伝うだけでは届かない。
「まあ、分かってた……風の精霊様、お願いします!」
 だがこの空に、船以外はなく、あるのはただ風ばかり。都月はそれでもなお、甲板の端から躊躇うことなく、跳躍する。
 子狐の体が宙を舞い、弧を描きそのまま落下していく。そうなるはずだった軌道は、中空を踏み締めた肉球によって覆された。
「――感謝します、精霊様!」
 願いに応じた風の精霊によって、都月の体は宙を滑るように浮遊する。
「さて」
 ガレオンドラゴンと並び飛び、都月はその巨体を観察していた。
 柔らかい部位。定番で言えば首だが、そこに飛び込むまでに迎撃される未来が浮かぶ。
(……ダメ、なら……足の付け根)
 と巡らせた視界に、竜の体がむき出しになった付け根が写る。そこから胸へと至る胴体下部。
 砲台が並ぶ側面を横切れば胸に突っ込むことも出来るだろう。
「狙われる、でもやれないことは無い、か」
 猟兵へと放たれる砲撃に、都月は覚悟を決める。ぶっつけ本番、待ったは効かない。
「雷の精霊様、力を貸してください」
 浮遊、ではなく疾駆の為に風を掴むように、四肢で踏み締める。僅かな構え、その後に雲を吹き散らすかのように都月はガレオンドラゴンの側を駆け抜ける。風が都月の前で渦を巻き、ライフル弾のように世界が加速する中で、竜の砲台が都月に狙い定め、砲弾を放つ。
 駆ける都月の目に黒い塊が迫る。足を止めない。完璧な偏差射撃。この速度で突っ込めば確実に直撃する砲弾を前に、信じて都月は前進した。
 砲弾が迫る。肉薄し――バヂン!! と何かが弾ける音と共に都月を狙っていた砲弾が、跳ねて見当違いの方向へと落ちる。その瞬間に都月は、胴体を過ぎガレオンドラゴンの懐へ――。
「一緒に、お願いしますッ!」
 都月を運ぶ風の精霊、砲弾を弾いた雷の精霊。彼らが都月に己の力を纏わせていく。
 黒い子狐は、その姿を変じ、巨大な獣へと膨らんでいく。風と雷を統べるかのような出で立ちはさながら黒雲が意思を持ったように。
「――ッ!」
 獣が駆けた。
 疾風迅雷を滾らせた黒狐がガレオンドラゴンへと、目にも止まらぬ速度で突っ込み。
「ゴ、ァアアアッ!?」
 突進と共に突き立てた牙が、ガレオンドラゴンの悲鳴を空に響かせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アーネスト・シートン
義弟(f18597)と一緒

ついに、ここまで来ましたね。
こうなれば、ドラゴン化したガレオンをどうにかしないとですよ。
ならば、わたくしは、滅竜銃で攻撃致しますか。
しかし、UCの殆どが動物変身…いや、これなら、まだどうにかですよ。
イタチの変身ですが、このUCは…獣人体にでもなれますから、これで滅竜銃を使っておきますよ。

相手はドラゴンならば、コレで吹き飛ばすまでですよ。


ワーブ・シートン
兄さん(f11928)と一緒

おいらもコレに対して、どうにかしないと思ってるんですよぅ。
ますぅ、兄さんの攻撃を援護するためにぃ、ドラゴンと戦う方法なんですけどぉ…あったぁ!

しばらく使ってなかったUCですけどぉ。
スーパー・ジャスティス使うですよぅ。
これならぁ、空飛べますからぁ、ドラゴンの横っ面、殴れるですよぅ!

一気にいくですよぅ!

アドリブ歓迎



 叫ぶガレオンドラゴン。
 その身をよじる動きでぶれた尾が、近くの船をへし折り残骸と化していく。
「……危なかったですね」
 つい先程まで足場にしていた船が堕ちていくのを見てアーネスト・シートン(動物愛好家・f11928)は苦笑も僅かに呟いた。
 ガレオンドラゴンの暴れっぷりに一隻離れた飛空艇に移ったのは正解だったようだ。
「この船はぁ、まだ気付かれてぇ、ないみたいだよぉ」
 アーネストについて難を逃れたワーブ・シートン(森の主・f18597)が、周囲を警戒する。
「ですね……としても時間の問題。早くあちらを片付けてしまわないと」
 二人は空を駆る猟兵を追うガレオンドラゴンへと視線をやる。
 とはいえ、アーネストは空飛ぶ巨大獣に対して有効な手が少ない。
「とはいえ、どうにかできないこともない、ですかね」
 アーネストの体が変化し、鼬の獣人姿へと変わる。と同時に、リボルバー型の銃をその手に握っていた。
「ここからなら届くでしょう、ワーブは……」
「うん、おいらもぉ、どうにかできそうだねぇ」
 アーネストが見たワーブは、その体毛の表面に黄金色のオーラをそよがせている。重く体を支えていた両脚は艇の甲板を離れて浮遊している。
「すっかり忘れてたぁ、けどぉ、こういうのもできたんだぁ」
 ワーブがアーネストに頷けば、彼もまた弟へと頷き返す。
「お願いします」
「分かったぁ、そいじゃぁ」
 最高時速7600km。驚異的な飛行速度でワーブがガレオンドラゴンへと肉薄する。
 一瞬で意識を吹き飛ばしそうな爆音もオーラが遮ってくれる。僅かに目を逸らせば雲の景色が転変するような高速飛行で、ワーブは一気にガレオンドラゴンの眼前へと躍り出た。
(さてぇとぉ、兄ちゃんはアソコ。なら――)
 ギロリと、視界に現れた小バエのごとき存在を竜が睨む。
「こっちですよぉ」
 口が開かれるより先に、ワーブは再び一気に加速する。砲台に狙われぬようジグザグな稲妻のような軌跡を描きながら、空を駆けるワーブ。
 それを船上で見上げるアーネストは、不動の構えに銃口をガレオンドラゴンへと向けていた。
(気を引いてくれている――正面からの撃ち合いになれば、流石に敵わないでしょうからね)
 一撃を放てば、即座に場所を変えなくてはいけない。ワーブが身を呈し隙を作ってくれると言うのなら、その一撃を強打に。
 リボルバー、退魔銃に込める破魔の呪を最大効率で竜へと届かせる。その一瞬と照準。
 引き金を引く。
 砲弾を避けたワーブは、次いで放たれた爪の一撃の前に曝された。
 ワーブを狙ったガレオンドラゴン本体の攻撃。速度もその質量もワーブとは比べ物になら無いその一撃は。
 ただ一発の弾丸で、その精細を欠いた。
「さすが兄さんだねぇ」
 込められた呪が、弾丸そのものの威力を埒外に引き上げ、胴体の中心から全身に衝撃を叩き込む。
 勢いを殺がれた爪の一撃、それだけでも容易く人を切り殺せるだろう一撃ではあるがワーブがそれを恐れない。
 ワーブを狩るには足りぬ鋭さだ。爪をくぐり抜け、その腕を蹴り上げて黄金のオーラに加速。音速を裕に越える超速の一撃。それがガレオンドラゴンの顔面を殴り飛ばし――。
 移動を終えたアーネストの第二射が竜のあぎとを狙い定める。
「さて、それでは」
「一気にいくですよぅ!」
 連撃が、ガレオンドラゴンを追い詰めていく。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

泉・星流
みおちゃん(水織・f11304)と行動

【オーラ防御・結界術】で魔力を身にまとって防御強化
【視力・見切り・空中戦・逃げ足】で艦載砲などの敵味方の攻撃が飛び交う中を人と鳥の姿が合わさった魔獣の姿でガレオンドラゴンを目指す

ガレオンドラゴンにまで辿り着いたら、鉤爪で足場をしっかりと掴み・爪を食い込ませる

その後、指定UCで周囲を攻撃…翼や艦載砲などを狙って、まずは戦闘力や行動力を削ぐ
十分に戦闘力・行動力を削いだら、魔力弾で攻撃していく
【制圧射撃・弾幕・乱れ撃ち・属性攻撃・視力・捕縛】

船体がボロボロになってきたらBRに装備を切り替え【魔力溜め・全力魔法】での魔力の【砲撃】で船体を攻撃【鎧砕き・貫通攻撃】


枸橘・水織
星流さん(f11303)と行動

【オーラ防御・結界術】で魔力を身にまとって防御強化
敵味方の攻撃の攻撃が飛び交う中を【情報収集・視力・見切り】で切り抜け、人と鳥の姿が合わさった魔獣の姿でガレオンドラゴンを目指す

ガレオンドラゴンに辿り着いたら、鉤爪で足場をしっかり掴み周囲の魔力の捕捉【情報収集・学習能力・集中力】、指定UCを使用

船体や翼を生成した槍や剣で貫いたり、長い鎖などを巻き付けて動きを制限したりする【捕縛】

十分に戦力を削いだら、【魔力溜め】をして指定UCを使用、生成場所をガレオンドラゴンの上に設定して巨大な鉄球や槍などを降らせて攻撃する…船体やドラゴン部分を貫かせる【全力魔法】



「みおちゃん……!」
 猟兵とガレオンドラゴン。両者の攻撃が互いに放たれあう激戦の嵐の中。明確に枸橘・水織(オラトリオのウィザード・f11304)を狙撃する砲撃に泉・星流(人間のマジックナイト・f11303)が彼女の手を引き、一気に下降する。
「ありがと……っ」
「いや、大丈――!」
 薙ぎ払うように光熱のブレスが奔る。水織と星流は互いを突き飛ばすように距離を取り、過ぎた熱線に吹き上がる風に翼をのせ、下降した高度を取り戻しながらガレオンドラゴンへと一気に近づいていく。
「あれを、どうにかしたいな」
 放たれる砲撃。威力も脅威では有るがソレ以上に、狙いの正確さ。偏差射撃の巧みさ――まるで此方の動きを読んでいるかのようなそれが、近づこうとしても中々ソレを許してくれない。
「……っと」
 翼を互い違いに傾け風を受け、錐揉みするように軌道を無軌道に変化させることで直撃コースに放たれていた弾丸を避ける。翼の動きにも慣れてきたが、反面、風に影響を受けやすくもなっている。予測もされやすいのかもしれない。
(……水織も同じかな)
 互いに視界から離れないよう位置取っている水織もおそらく同様に接近デキていない状況に、星流は魔法弾を生成する。
「これだけ奮発すれば、幾らかは食らってくれるだろ?」
 拘束魔法を編み込んだ魔法弾。その数500弱。一気に放たれたそれらがガレオンドラゴンへと殺到していく。
 着弾する数の暴力にさしものガレオンドラゴンも身を揺るがせる。――かのように見えたそれは、しかし、ガレオンドラゴンの体に傷一つつけることはなかった。
 その代わりに、その翼や胴の砲台に絡みつく高粘着力の粘液。攻撃が止む。その一瞬に水織が一気にガレオンドラゴンへと突っ込んだ。
(様子見してちゃ、引き剥がされそうよね)
 水織の読み通り、既に粘液の向こうで砲台が動いている。狙いの正確さは薄れるだろうが、発射さえされれば近距離では脅威ともなり得る。そこを水織が一気に接近して、生成した武具を粘液をも貫いて砲台を沈黙させていく。
「これで!」
 ガレオンドラゴンが今度こそ悲鳴を上げる。世界をも震わせるような轟音に耳を塞ぎながらも水織と星流は鉤爪でそのガレオンドラゴンの上部を掴み、体を固定する。
 振り払われないよう。二人は視線を合わせる。
「全力で」
「叩き込む、だよね」
 さながら魔女が扱うように、箒を手にした星流が返す。魔力光が輪となり背を向けあった二人の周囲を巡る。混ざり互いを高め、魔法は空に現れた。
 浮かぶ星の如き魔力弾と、星環のようにその周囲を巡る巨大な武器群。
 鉤爪を離す。狙いは定めた、周囲の魔力は掌握した。
「これでおしまい」
 あとは放つだけ。
 周囲の船団すら巻き込む衝撃が、落ちた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『おいしい魔獣』

POW   :    ボリューム満点の肉料理をいただく

SPD   :    まろやかな味わいの卵料理をいただく

WIZ   :    ひと手間かけた臓物料理をいただく

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 というわけで、勇士の飛空艇の甲板。
 開かれるのは魔獣の肉による、祝勝パーティだ。
 牛豚鶏などなど……に似た魔獣の肉を、雇った料理人たちが仕上げてくれる料理が並び、奮発した美酒や果実水が並ぶ。
 あちらこちらで力比べや飲み比べが始まって結構な騒ぎではあるが、ここはかつて近づけば死あるのみだった雲域。まだ近づくものはいない。
 暗い空の下、松明を焚いた甲板は明るく騒がしいが、船室の裏にでもいけば落ち着いて座れるだろうスペースはある。作戦成功の立役者である猟兵も、あれやこれやと囃し立てられるが抜け出すのも難しくはないだろう。
 魔の雲域は解放された。
 賑わいを増していくだろう雲海。響くのはまだ勇士の勝鬨だけだった。

◇◇◇
 第三章、宴です。
 上記の通りです、お好きにどうぞ。
 キリが良いなってなったら終わります。
枸橘・水織
星流さん(f11303)と行動

服は星流と同じく勇士の方からいただきました

心ココにあらずといった感じで呆けている…彼女も相応に獣化したときの影響で疲労はある…が、理由はそこではなく、戦闘時に獣兵の姿で星流と触れ合った時の事に想いをはせていた
戦闘中で、そこに気を取られている場合ではなかったとはいえ、その時々の事はよく覚えている【情報収集・学習力w】

そして呆けているせいで、自分が星流の肩に寄りかかっているのにもまったく気づいていません

となりで星流がむせているのに気づいて、慌てて果実水の入った器を差し出したりします


泉・星流
みおちゃん(水織・f11304)と行動

獣化から解放後…服は勇士の方々からいただきました

なんかすごく疲れた気がする…
戦闘のみならず、獣兵の呪いの効果とはいえ、獣化(特に翼や羽根など)により体力を使い…獣兵時は身体能力や体力が強化されていて疲労感はなかったが、そこから解放されて疲労感が一気にきた

未成年なので飲酒はしませんが、おなかが空いているのでとにかく食べます
勢いよく食べたりしているので、食べ物を喉につまらせたりw

水織に寄りかかられても、彼女も疲れているぐらいにしかおらず、気を使ってそのまま放置して身を預けさせたままお肉とか食べたりします



「なんかすごく疲れたな……」
 泉・星流(人間のマジックナイト・f11303)は、両手に食事を抱えるようにして持ちながら、枸橘・水織(オラトリオのウィザード・f11304)が座る隣に腰を下ろした。
「また、いっぱい取ってきたのね」
「お腹すいちゃって」
 あはは、と乾いたように笑う星流に、水織はあまり彼の顔を見ることも出来ずに顔をそむけた。
 疲れてるのかな、と思う星流の予想に反して、水織の心中は少し動転していた。確かに疲れてはいるけれども、それはそれとして。
(羽毛があったとはいえ……はだ、裸で、触れ、ふれあ……っ)
 落ち着いているような表情とは裏腹に、水織は手の感触を猛烈に反芻していた。普段見えない腰や腹、羽毛に覆われていたとはいえ、全身の裸姿が脳裏にこびりついている水織は彼の顔を見ることも出来ない。
 つまりは、あちらもこっちの姿を覚えているだろうということもであり。
 加えて、討伐後、獣化の呪いが解け始めてから勇士に服を貸してもらえるまでの少しの間、彼に自分の体を見られたかも……?
 ぐるぐると思考が同じところを周り続けているうちに、眠気が襲ってきたのか、うつらうつらと頭を隣でガツガツとご飯を食べる星流の肩に預けている事に、水織は気付かない。
(疲れてるなあ)
 と、星流はといえば、まさか考え事にふけっているとは思わず、そのまま寝かせてあげようという考えだった。考えではあったのだが。
「……っ、ごほ、っ……詰まった……っ」
 急に星流が咳き込み、水織は驚いて頭を離す。どうやら大口で食べていた食事を喉につまらせてしまったらしく。
「お、お水……はい!」
「あ、ありがと……っ」
 慌てて水織が差し出す水に、星流は喉を洗い流す。
「ご、ごめん、起こしちゃって」
「ふふ、だいじ――」
 大丈夫、そう言いかけた水織は、ついさっきまで彼の肩に頭をあずけていた事に今更になって気付いて、思考停止のまま固まってしまうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

木常野・都月

魔獣の肉…どんな味だろう。
今まで色んな肉を食べて来たけど、この世界の獣の肉は初めてだ。

働いたあとだからお腹も減った!
チィもおいで!
ご飯食べよう!

この世界に詳しくないけど、勝ったら負けた相手を食べる事は、普通の事だ。
遠慮なく俺達の腹に詰め込もう。

飲み物は…俺は仕事のあとだし、果実酒をシュワシュワーソーダで薄めたやつ!
チィは赤ちゃんだからジュースだな。
…リンゴのジュース?
あるかどうか聞いてらみよう。

良い匂い…
肉を焼いて食べるのは人の文化の楽しい所だ。

よし、揃った!
せーの!いっただきます!

美味しい!
肉汁が溢れて最高だな!?

しかも鮮度がいいから生命力…精気も滲み出て…堪らない!
チィもよく噛むんだぞ?



「リンゴ? ああ、あるぜ」
「じゃあ、ソレも一つ」
「あいよー」
 木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)は、大雑把に計り入れられたリンゴジュースのジョッキを指に引っ掛ける。
 もう一つのジョッキには果実酒をソーダで薄めたミックスサワーだ。仕事終わりだからガッツリ飲むのは我慢して、ゆっくりと体を休めることにする。
「チィ!」
「うん、あってよかったな」
 頭の上で、タシタシと都月の耳を嬉しげに叩くチィに、返しながら適当に座れる場所を探す。
「ふふ、いい匂いだ」
 木皿に置かれたテールステーキらしき料理から立ち上る刺激的な香りが、都月の内蔵を期待にふくらませる。茶褐色に焼けた表面に、内側からにじみ出る肉汁が、透明なしずくとなって肉質のシワの隙間にきらめいている。知らず知らずの内に唾液を呑み込んで都月は、空いている即席の机を陣取った。
「どんな味だろう……この世界の獣の肉は始めてだ」
 今までいろんな肉を食っては来たけれども、空に浮かぶ世界。その味は想像も出来ない。
「……それじゃあ、いっただきます!」
 もう待てない。とばかりに都月はフォークとナイフの中間みたいな食器で肉を突き刺して、かぶりついた。
 ググ、と強い肉質。詰まった繊維の硬さが弾力よく都月の歯を受け止め、顎の力が加わって心地よく弾ける。瞬間、口中に広がるのは獣肉の臭い、柑橘類のような瑞々しい香辛料。氷を舐めたような鋭い甘みが一瞬だけよぎったと思えば、それが肉の脂の旨味と甘みを引き連れてくる。
 引きちぎり口の中で咀嚼すれば、奥に潜む肉汁が溢れてくる。アルコールの飛んだ酒の仄かな香りがまろやかなコクを生み出して舌に残る。それをまとめて喉に流し込めば、通った道が途端に喜ぶような新鮮な、そして活発な生命力。
「よく噛むんだぞ?」
 口端に付いたソースを舐め取った都月は二口目をと肉を持ち上げ、隣で小さめの肉を食べるチィに注意する。尾でも肉質は固め、チィの顎には少し手強いかも知れない。だが、チィは気にした様子もなく、むしろがっついている。
 問題なさそうだ。そう感じた都月は、二口目に大きく口を開いた。
 まだまだ、肉は残っている。それでもなくなるのは早いだろう、そんな確信とともに。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アーネスト・シートン
【ワーブ(f18597)と一緒】
肉を手に入れたってことは、消費しないとですよ。
今回の労を願って、狼たちを呼び出しますか。
せっかく手にした肉ですし、皆さんで頂いてくださいね。

あ、ワーブもですか。
ともかくとして、基本野菜のわたくしは、この際に頂いたほうがいいですかね。
貴重な魔物ですし、いつもは動物たちを食べたくないって所があるので。

さて、普通に焼いて、ステーキにして食べておきましょう。


ワーブ・シートン
【兄さん(f11928)と一緒】

肉ですねぇ…
おいらもぉ、たまにはぁ、食べないとですけどねぇ…
生でもいけるんですよぅ…あぁ、人間ってぇ、生で肉を食べれないんですねぇ。
おいらぁ、雑食だからぁ、(クマの中でも肉食傾向が強い灰色熊)問題ないですねぇ。
肉だけだとぉ、飽きる感じかなぁ…
やっぱりぃ、果物もぉ、食べるですよぅ。



「普段、あんまり肉食はしないのですが」
 というより、あまりしたくない。動物好きが講じて食の好みにも影響している。
 とはいえ、手に入れてしまったならば、消費はしないといけない。捨て置くのはそれはそれとして自然に反するだろう。アーネスト・シートン(動物愛好家・f11928)は、譲り受けた肉の塊を前に、そう頷いた。
「おいらもぉ、たまにはぁ、食べないとですけどねぇ……」
 と、そんなアーネストにワーブ・シートン(森の主・f18597)が、彼の背越しに肉を覗くように見つめた。
「おいらはぁ、生でもいけるけどぉ」
「はは、人間はそうもいかないですからね」
 と、その前に。
 そう言ってアーネストは、敵船で活躍してくれた狼達を呼び出した。
「せっかく手にした肉ですし、皆さんで頂いてくださいね」
 肉の塊をいくらか譲り渡せば、リーダー格の個体がそれを咥えて狼達に分け与えていく。
 そんな様子を見つめるアーネストの横でワーブは肉の横にある素材を見ていた。
「野菜もぉ、あったんだねぇ」
「果物もありましたよ、肉の調理に一通り使うとの事で」
 流石にこの世界のシェフの手法は知らないので、簡単に処理できる野菜だけを貰ってはきたアーネストが、良かったら食べますか? と問いかける。
「んー、欲しくなったらぁ、取りに行くぅ」
「そうですか。さてと、では普通に焼いてステーキとしましょうか」
 おいらは、生でいいかな、と火から少し離れた甲板に座り込んで、肉塊を抱えるようにして食らいつく。
 勇士達のにぎやかな声と、アーネストが焼く肉の脂が鉄板に弾ける音。
「んー……、やっぱりぃ、果物ぉ」
 そんな明るく、温かな空間。初めこそ嬉しそうに肉を噛んでいたワーブも、段々ともにょ、っとした表情になっていた。肉だけという食事に飽きてきたワーブは、アーネストが言っていた果物を取りに、のっしと立ち上がるのだった。
 途中で勇士に絡まれて手に大量の果物やら飲み物を押し付けられたワーブがやや困ったように帰ってくるのはもう少し後の話。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ブリッツ・エレクトロダンス
☆お仕事終わりぃっ!

さーて…パーティタイムだひゃっはー!
とりあえず何から食べっかなー…お、この組み合わせも悪くねえな(トーストっぽいものに何かの小型魔獣の目玉焼きを合わせて…どこかの空飛ぶ島を巡る冒険譚に出てきそうなトーストを仕上げる)
お、いいなこれ。

(それからその後…またたびっぽそうな感じの植物系アルコール飲料とかですっかり出来上がっている…大丈夫?獣化解除されたはずなのにメンタルが子猫化してない?)



「パーティタイムだひゃっはー!!」
 ブリッツ・エレクトロダンス(★3:DJ.Blitz・f01017)は仕事から開放された喜びをはっちゃけさせながら、スキップするように料理や素材が並ぶテーブルを眺めていた。
「さーて、何から食べよっかなー」
 並ぶ肉、肉、野菜、肉。
 そんな中に見つけたのは、小型魔獣のものらしき卵。初めは軽く食べれるようなものがいい。そう考えていたブリッツに妙案が浮かんだ。
「てなわけで、じゃーん。どこかの空飛ぶ島を巡る冒険譚に出てきそうなトースト!」
 食パンにマヨネーズ、チーズを乗せほどよく焼いた上に、濃厚な魔獣卵の目玉焼きを乗せた、シンプルながら強い一品。
「いいじゃん、いいじゃん……っとと」
 かぶりつけば、ぷるんと弾力ある白身が香ばしい小麦の香りと重なって鼻腔を埋める。更にもう一口齧れば、膜を破いてもなお、緩やかな球体を保つような濃い黄身が広がり、濃厚なコクとともに旨味が舌に絡みつく。
「ふい、んまかった。でもまだ足りねえなあ……と、ん……、こいつぁ……?」
 気付けば瞬く間に平らげてしまったブリッツは、次の獲物を探し、見つけたのは。

◇◇◇

 一人の男に駄々甘えしている大型獣がいた。
「にゃーんだよ。収まりいいんにゃから、動くにゃにゃあ。あぁ?」
 ブリッツだった。
 勇士のあぐらの中に、ブリッツが体を丸めていた。喉を掻かれながらゴロゴロと喉を鳴らす姿は、さながら親に甘える子猫じみている。
「……誰だよ、マタタビ酒持ち込んだやつ」
 離せば気分を損ねるので、撫でる手を休められない勇士は、そっと周囲を睨むも犯人はいないようで誰もが肩を竦めるばかり。
「んにゃ、マタタビの匂いする」
「そりゃあ、お前が酒溢したから……、いや嗅ぐな嗅ぐな! なあ、誰か代われよ!」
 すんすんと鼻先を脚に押し込まれる勇士は、遠慮も威厳も欠片すら残っていない雲域解放の立役者に思わず静かに叫ぶ。なにも知らずに端から見れば、怪しげな雰囲気を醸し出す二人であり――事情を知る者からすれば良い酒の肴でsる。
 よって代わる者などおらず。
「お熱いねえ、船室の空きあるぜ?」
「いやあ、英雄に見初められるなんてな! 枕だけど!」
「島に戻ったら覚えてろよ……?」
「んー、うるせえにゃあ」
「……」
 ドスの聞いたブリッツの声に一瞬静まる勇士達。枕役の彼がブリッツの体を撫でることで不機嫌が溶解していったのを見て、息をつく。
 結局翌朝、酔いが覚めるまで彼はブリッツの子守りに従事することになったのだという。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年08月11日


挿絵イラスト