蠱毒の勝利者(作者 みども
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#クロムキャバリア 


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#クロムキャバリア


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●勝利者と殺戮者
「―――勝った!勝ったぞ!!!!」
 男が叫ぶ。コロシアム。小国家で良く行われるキャバリアを用いたバトルロイヤルの賭け試合。そのとある大会で、男はついにその大会に参加した中で最強という栄誉を手に入れていた。
 万雷の喝采が己にのみ浴びせられる感覚に酔いしれる中、しかしコックピットの後ろ側から、ザリザリ。ザリザリと不快な音がする。
「―――なんだ?」
 何とはなしに振り向けば、そこには蟲の群。
 叫びをあげる前に、男の口に蟲が、生体寄生型のオブリビオンが入り込んでいく。
 勝利の雄たけびは、沈黙の悲鳴へと変わり、そしてついに殺戮の宴へと変わっていった。

●強きを制する者達
「と、いう訳でじゃな?」
 ココココとアイリ・ガング―ルが笑いながら君達猟兵に語り掛ける。
「賭け試合のコロシアム大会。そこに、オブリビオンが出現するそうじゃ。エヴォルグ弐號機『High'S』。蟲型の生体キャバリアじゃな。ちなみにコイツの特徴は、体を侵食細胞で構成しておる事じゃ。つまりは」
 何らかのキャバリアを侵食して出現する、という事だった。
「とはいえ対象は分かっておる。単純じゃ。侵食するなら当然強い奴の方がよい。という訳で、優勝者がこのオブリビオンに浸食されて、暴れるという筋書きじゃな。そう言う訳でお主らには、このオブリビオンの暴虐を阻止してほしい」
「まずは予選に参加じゃ。キャバリアのバトルロワイヤルやね。ここで勝ち残ってほしい。勿論キャバリア持ってない者もおると思うが、そ奴らにはキャバリアが貸し出されるから安心するといいよ。ともかく、そこで勝ち残るのじゃ」
「そいでその後は決勝やけど、その前にインターバルがある。この間にオブリビオンも侵食するみたいやね。そこで一体どいつにオブリビオンが侵食するのか、調べて欲しい。ちなみにインターバルの間は、各々が戦略を練る時間だそうで、各選手のデータが入力されたシミュレーターで摸擬戦が出来るらしいぞ?それを駆使していちばんつよい奴に検討をつけるもよし、他の何か有用な方法があればそれで探しても良い。いずれにせよ、『猟兵以外で一番強い奴』を見つけるのじゃ」
「その後は決勝。探しだしたオブリビオンを止めるとええ。とはいえ、決勝もバトルロワイヤル。他の選手たちがお主たちを攻撃してくることもあろう。そこらへん、上手くいなす手段も考えておいた方がええかものぅ」
 そう言いながら扇子をパシッと閉じて、アイリが君達に宣言した。
「何にせよ、怪我ないようにね。そのうえで、しっかり勝って来るんじゃよ?」


みども
 こんにちは。みどもです。自己紹介欄等もご確認ください。カッコイイキャバリアが、書きたいです。よろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『アマランサス』

POW ●BSビームライフル・RSダブルバズーカ
【ビームライフル】か【ダブルバズーカ】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD ●BXビームソード
【ビームソード】が命中した対象を切断する。
WIZ ●一般兵用リミッター解除
【一般兵用の操縦系リミッターを解除する】事で【本来のエース専用高性能クロムキャバリア】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


セフィリカ・ランブレイ
キャバリア戦のカン取り戻したいし、それ込みでやらせて貰おう

機体は自分のものは使わず、アマランサスを借りるよ

武装バランスもいい、ポテンシャルも高い。いい機体だね

ま、そういうわけでシェル姉は休んでて
『あ、そ』
と、相棒の意思持つ魔剣はそっけない
面倒見自体は良いんだけどね

今回使うのはビームソードだけでいいや
バトルロワイヤルなら最終的に生き残ってればいいわけだし
少しでも力、磨いとかないとね

まずは戦いながら、回避重視で相手の動き方をある程度把握
その後は
【理崩】とその応用で、相手の攻撃を潰しながら制圧していくよ

汎用性ってのは大事だね。浪漫だけではやってけないなあ
こういう場持ちのいい機体も考えるかな


エドゥアルト・ルーデル
コイツラが試し用の木偶人形共でござるか?

適当な機体を借りるでござるよ!借りもんだから適当にぶっ壊しても良いでござるネ!
全身を【ドット絵】に変換!更に機体を【ハッキング】、端末からデータとなった身体を制御中枢に潜り込ませればこの機体は拙者の身体同然ですぞ
これぞ人機一体の構えでござる!

キャバリアファイトォ、Ready Go!(独特な構えを見せながら)
やたら人間めいた動きでヌルヌルと走り敵機に高速接近、火器を持つ手を掴み曲げちゃいけない方向に極めてもぎる!
他に狙われたら掴んだ奴を蹴り飛ばし、盾にしつつ跳躍!メインカメラ辺りに飛び蹴り!後はもう迫りくる敵機をちぎっては投げちぎっては投げでござるよ


朱皇・ラヴィニア
全員敵の乱戦で先ずは生き残れ、か
ならば精々状況を利用させて貰おう

ブラディエルを纏った状態で操縦
中のシュラウゼルを持久戦仕様に肉体改造
推力移動で敵を攪乱し430で適当なアマランサスを捕縛
盾にして敵の攻撃をやり過ごしつつ
各個撃破の機会を伺おう

引きながら323の乱れ撃ちで敵を近づけず
それでも突っ込んで来た所を
盾にした機体ごと147の貫通攻撃で崩してやる
迂闊に近付けばこうなるよ、と見せしめ

敵の数が減ってきたらこちらから打って出る
グラップルで四肢を破壊し無力化したり
そのままぶつけて重量攻撃
こんな乱戦だ
武器は幾らでも転がっているよ

不意打ちを喰らったら分離して連携攻撃
ここでやられる訳にはいかないからね……!


―――さぁ始まりました予選Aブロック!このバトルロワイヤルを生き残り、決勝へと駒を進めるのは一体どのキャバリアか!?!?
 アナウンサーの威勢のいい言葉と共に、一斉にキャバリア達が戦闘を開始した。
 
 開始の合図に、観客が熱狂の叫びをあげる。ここはコロシアム。それぞれがお気に入りの選手への『応援投票券』を片手に、叫びをあげる。遊び程度に賭けている者の楽し気な叫び。人生を賭けている者の血走った目に口から泡を吹かんばかりな必死の叫び。
 
 そして……その人生が渾然一体となった叫びをかき消すほどの、

 銃撃の音!!

 剣戟の音!!!!!!


―――おーっと!?これは凄いぞ!!エントリーナンバー12!!セフィリカ・ランブレイ!!!コロシアムに初参加の美しい花の乙女!!!キャバリア持ち込み無し、という事で実力は未知数でありながらその美しさで初参加とは思えない程の得票数を得た彼女!
 開幕早々、周囲のアマランサスをビームソードでなぎ倒しています!
 これは綺麗な薔薇には棘があったという事でしょうか!?!?!?!―――――



『言われてるわよ、セリカ』
「シェル姉は休んでて」
『あ、そ』
 コックピットの中、微妙に顔を赤らめながら、セフィリカ・ランブレイは改めて操縦桿を握りしめた。
(トリアイナ以来だし勘、取り戻さないとね)
 
 そう言いながらセフィリカは周囲を見渡す。まだまだ、己と同じ赤い機体は沢山存在していた。

 実の所、予選大会においては、コロシアムにおけるキャバリアの大半は運営による貸し出し機体、アマランサスが占めていた。自前のキャバリアを持っている者達も予選においてはアマランサスを選ぶからだ。
 というのも、予選における乱戦の中、己の商売道具たるキャバリア持ち込んで勝てなければ、割に合わないからだ。
 キャバリアの修理費用だって只ではない。もし己のキャバリアが破損した上で予選落ちなどしようものなら、大赤字だ。
 だから基本的には予選ではアマランサスを使用し、決勝に出たら自前の機体を使いという選択肢を取る者が多い。
 それで競技性が保たれるのか、という話はあるが、そもそも賭け試合。興行の面も多分にあるこのコロシアムでは、少なくともそれは許されていた。

 そう言う訳でコロシアムには、まだまだ己と同じ姿の敵が沢山いる。その中で、不幸にも実況に名指しで呼ばれたセフィリカは、『人気選手』になっていた。
 つまりは注目されているのだ。
「ああ、もう!良い機体だね、これ!」
 まずはビームとバズーカの砲撃だ。それをひらり、ひらりとかわしながら、ビームサーベルを振りかぶった機体に対処する。
「脇腹が、甘いよ!」
 《理崩/ことわりくずし》の一撃が、正確に相手の弱点を打ち崩す。まるでレイピアのように構えられたビームサーベルが、相手の動力部に、正確に突き刺さった。
 いくら何でも死人が出ては不味いと低出力化されたそれは相手の装甲を貫くに至らず、けれどその場で型に『No.5』の塗装がされたアマランサスは機能停止、その場に崩れ落ちた。
 撃墜判定が出されたのだ。

「もう一機」
 更に襲い掛かるアマランサスを見て、そのまま対応しようとしたセフィリカだが、その背後から降り注ぐ遠距離攻撃を見て、迎撃を断念。
 大きく飛び退って距離を取った。
(汎用性が高いというのも大事だね。初めて乗ったのにこっちの手にある程度なじんでくれる。それでいてこちらの無茶に、良く応えてくれる頑丈さ。スプレンティアは現状切り札的な運用しか出来ない以上、こういった場持ちの良い機体も考えておくべきかしら)
 事実、スプレンディアの稼働時間は非常に短い。先ごろ使った時などは状況のせいもあって3分ほどしか持たなかった。それを鑑みると、このエース用の機体のなんと稼働出来る事か。

 セフィリカ自身の理由としては力を磨く為であったが、敢えてビームサーベルのみで戦っていてなお、撃墜数を稼ぐその姿が脅威と捉えられたのだろうか。
 セフィリカへの攻撃の激しさは、他のキャバリアへのそれではなかった。
 細かいダメージ判定が蓄積してもなお、十全に動いてくれるアマランサスの機体性能に微笑みを浮かべる中、セフィリカにばかり注目が向いている中、動きを変えた機体があった。



「キャバリアファイトォ、Ready Go!」
―――おーっと!?!?エントリーナンバー14!!!エドゥアルト・ルーデルのアマランサスの撃墜数が急激にあがっています!
 どういう事でしょう!信じられない柔軟性だ!あれがキャバリアか!?
 バッタバッタと相手をなぎ倒していきます!
 背負い投げに機体の関節破壊!これは酷い!当コロシアム赤字確定の残虐ファイト!運営がアマランサスの修理費にどれだけかかるのかと顔を青くしております!!!
 こちらも大会初参加!そのうえであのどことなくニヤけた顔の軍人崩れ風情といった風貌の妖しい男の投票券を買った皆さま、ご自身の慧眼を誇ってください!そしてそれ以外の方々、残念ながら現状復帰を前提として当コロシアムにおいては貸出キャバリアの改造等は認められております!!
 つまるところ残念ながら不正はありません!大丈夫!この戦いは予選!つまるところ決勝ではないのです。貴方の選手が生き残る目はあるのですから!!!―――

―――おーっと!!!さらに動いたのは真紅の機体!ですがアマランサスではありません!!甲冑のようなその機体は、登録名……『シュラウゼル/ブラディエル』! 
 そう、その可愛らしい見た目はセフィリカ嬢の美貌に比してなお幼い!それでもなお、『機体持ち込み勢』として高い投票率を誇る朱皇・ラヴィニアだ!エントリーナンバーは13。
 恐らく生態系のパーツを使っているのでしょうか?その動きは機械というにはあまりにも滑らか。
 ああ!!!待ってください!!!!!実体剣!実体剣はおやめくださいお客様!!!修理が!修理費用が!!!!
 エントリーナンバー1のアマランサス貫かれて沈黙!勿論コックピットは外しているようですが、その威力に他の選手後ずさってます!!
 その隙に……おや、これは、ルーデル氏と朱皇嬢が……セフィリカ嬢に合流した!?!?!?ああっとこれは!!
 この予選において最多撃墜数を争う3名がそろって、バディを組んでいます!!
 これはこの三名は予選突破確実か!?いや、この状況に他の選手たちもまずは休戦の様子。どうやら3名対他という流れ。
 まさかの!Aブロック無冠の三強対挑戦者達という予想だにしない流れ。勝つのはどちらか!?!?!?!?―――

「うるさいね」
 〈EP-666ウィッチズカース〉の補助も受けつつ、己のキャバリア〈シュラウゼル〉と神経接続しているが故に周囲への感覚が鋭敏になっている朱皇・ラヴィニアが顔をしかめながら仲間の猟兵達へと通信を入れた。
 状況はすでに佳境だ。ブラディエルを『纏っている』シュラウゼルも持久戦用に体を作り替えて、ここまでやってきたが、幸いにしてまだまだ余力がある。
 適度に暴れまわって注目を集めてその後は3人で集まり、他を殲滅。それが予選突破の近道だと、3人は事前に決めていた。
「それにしても……」
 胡乱な目でセフィリカがモニターに映ったエドゥアルトを見やる。
「なんでそんな『子供の下手な落書き』みたいな感じになっているの?フィセター島で見た時はそんなんじゃなかったと思うけど?」
「ニョホホホホホ!!!それはもう!拙者美少女に囲まれて幸せ過ぎて解像度が下がってしまったんですのぅ」
「違う、ね。ボクと多分似ている理由だ」
 と気持ち悪い声を上げて韜晦するエドゥアルトに対して、冷静に指摘するのはラヴィニアだ。

 事実であった。現在、エドゥアルトは《ドット職人の朝は早い/ドットショクニンノアサハハヤイ》によって自身をデータ化した上で機体を端末から【ハッキング】。それによって人機一体の状態を作り出していた。
「いやー。それにしてもシンプルな状況になったでござるな!後は3人で突っ込んで蹴散らして終わりでござる」
「そうだね。このままボクらで突っ込んで、後は乱戦で減らせば、それで予選は突破できるかな?」
「それじゃあ、行くよ!!!」
 セフィリカの号令の元、固まってこちらへと銃口を向けるアマランサスへと、突っ込んで行く。

「……!」
 セフィリカとエドゥアルトが近接兵装メインの現状、接敵するまでの対処は、ラヴィニアの役目だ。
 降り注ぐビームとランチャーの嵐の対処は任せろ、とでも言う風にラヴィニアが前に出る。
 道中、機能停止しているアマランサスをブラディエルに備わった巨大な副腕でそれぞれ1体ずつ持ちあげて、
「ここでやられる訳にはいかないからね……!」
 盾にした。機体が破壊されない程度の小爆発が起きる。
「連射モード!」
 敵機を掲げたまま、〈RS-323Fラピッドラプター〉を連射モードにして前方にでたらめに撃ち放つ。
 あくまで砲撃の圧を和らげる役目であった。実際、その目論見は成功し、
「接敵するよ!」
 そのまま、敵機を投げつければ前方にいたまだ無事なアマランサスも当然避けようとする。しかしこちらの3機に対処するために密集していたのが仇になって、避けるのも難しい。その混乱の隙をついて、集団へと突貫する。
 あとはもう消化試合だ。
 機体が、ラヴィニアとシュラウゼルが持ちうる柔軟性は、あくまで『操縦されている』機体でアマランサスを大きく上回る。
 四肢が破壊され、戦闘不能になる機体が増えるたび、悲鳴と歓声があがる。
(これは、『使う』までもないかな)
 乱戦時、不意打ちを喰らった時用に切り札として残している分離しての連携攻撃、相手の四肢を極めて破壊しながら、ラヴィニアはほ、と息をついた。
 幸い、3体で戦っているからこそ、それぞれにカバーが効く。今もラヴィニアの背後で、エドゥアルトが奇怪な動きで以て機体を破壊していた。
 (そろそろ終わりも近い)
 切り札は、切らないに越したことはないのだ。それに決勝でオブリビオンとも戦うのなら、見せるべきはそちらと思いなおし、目の前の戦いに意識を戻した。  

「ホアチャー!!!!!」
 ラヴィニアが淡々と機体を『処理』していく傍ら、同じように柔軟性を持った動きでありながら、まるで出鱈目なのがエドゥアルトのアマランサスだ。
 こちらはそれこそ、他のアマランサスと外観は全く変わらない筈なのに、その動きの躍動感はまるで違う。
 だからこそ、アマランサスばかりがいるこの乱戦の中にあってもなお、正確に『エドゥアルトのアマランサス』として狙いを付けられ、攻撃が集中している訳だが。
 ラヴィニアのグラップルが軍人の動きだとするなら、エドゥアルトの動きは道化じみた拳法家の動きだった。
 手足をユラユラ揺らしたかと思えば、そのまま相手の腕に巻き付き、気付いたら破砕している。
 そのまま体ごとアマランサスに抱き着いたからと思えば、足の力を蓄えて一気にねじ上がりながら飛び上がり、アマランサスの胴をねじ切りながらその方に両手をついて、倒立。
 腕の動きだけで飛び上がって、そのまま手近な機体に、
「たかがメインカメラをやられると一瞬でも視界が無くなる可能性があるからNTでもないかぎり実際死ぬのですぞー!!!!!!」
 飛び蹴りをかました。
 
 そうして散々暴れる二機の隙間を縫うように、剣閃が奔る。セフィリカのそれだ。機体の動きは、他の二機と比べて固い。当然だ。慣れない機体で、ましてや人機一体になってる訳でもない。それでも、その二機に追随してフォローできるという事実が、その操縦技能の高さを物語っていた。
 派手な二人と違って、あくまで刺すような一撃は、しかし相手の動力部を貫いて、確実な撃墜判定を出してゆく。
(いい加減、終わってくれないかな!?!?)
 その願いを込めて放たれた一撃がアマランサスの一体を撃破した瞬間、ブザーが鳴った。


―――試合、終了ぉおぉぉ!まさかまさかの番来るわせ!無冠の3強は当然生き残って予選Aブロックは終了です!!!彼女達が決勝で強豪たちと相争う時、一体どんな奇跡が、熱狂が産まれるのか!!!非常に楽しみです!!!
 ああ、ああですが皆さま、3強の投票券を買いに行かれるのはしばしお待ちを。まだまだ予選はございます。
 彼ら彼女らのほかにも手練れ、強者はまだまだこのコロシアムに。次の予選は30分後。一旦お手元のビールやおつまみで熱を冷まして、次の試合への期待を高めてお待ちください!―――
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

兎乃・零時
【痛快無比】
アドリブ歓迎!

初めてこの世界来たけど、想像以上に凄い事になってんなぁ…

今回はバルタンのキャバリアに乗って出撃だ!
相乗りしちゃダメとは聞いてないし!たぶん行けるはず!最悪バルタンと合体すりゃいい気もするし…
前創ったステラはキャバリアとは違う奴だしな…今度うちの故郷の奴らに頼んで作ってもらうのも有りか…?(悩む

…ってか機体名からしてカッコいいよな、『スコール』だっけ?

ともあれ今回は全力でサポートに回る!
俺様の魔力も全部乗せて…後は幽世の時の戦争で手に入れたメモリ『分析者(アナライズ)』も合わせて使って敵の弱点に合わせた魔力を練ってバフ盛ってくぜ!
基本は水と光、後は雷も混ぜれそうかな…?


バルタン・ノーヴェ
【痛快無比】アドリブ歓迎!

HAHAHA! バトルの時間デスネー!
正々堂々、賭け試合の大会に参加しマショー、零時殿!

イエス! 相乗りはいわゆる複座式のようなノリ、デスネー!
操縦するのはワタシかミニ・バルタンデスガ、零時殿の魔術サポートがあれば圧倒的デスネー!

このキャバリア、スコールはオブリビオンマシン・メガリス・キャバリア! つまりすごい高性能!
四足歩行の狼型獣化形態へと変形し、高速機動によるクローやフォースセイバーでガンガン白兵攻撃しマース!
二足歩行人型ばかり相手にしてたエブリワンでは、なかなか対応できないデショー!

零時殿のバフを受け、敵機の懐に入り込んで武装や手足を一刀両断! でありますよ!


サエ・キルフィバオム
アドリブ歓迎
キャバリア名『メルク・フィクター』

この予選もオブリビオンに見られてると思うと良い気はしないね
ただ、目星の為に頭数は減らした方がいいだろうし、容赦はしないけど

メルクのスピードを生かして積極的に格闘戦、メルズピナンでビームソードと切り結んでいくよ
搦手を使わなくても【メルズピナン・フィンス】で押し勝っていけるはず
試合中にオブリビオンの気配が掴めれば良いんだけど、それはそれで難しそうだし、なるべくこっちの手の内は控えめにしておきたいね


黒川・闇慈
「古代ローマしかり、人間というのはどんな時代どんな世界でも本当に闘技場が好きですねえ。クックック」

【行動】
wizで対抗です。
キャバリアのバトルロワイヤルということですし、私もアヴィケブロンに搭乗して参加しましょうか。
闘技場ならば泥臭い格闘戦など好まれるのでしょうが……生憎と私の機体は魔導砲撃戦用ですのでね。
属性攻撃、高速詠唱、全力魔法、範囲攻撃の技能を用いてUCを使用します。
リミッターを解除した程度で私の雷から逃れられるとは思わないことです。

「これだけ派手な攻撃ならばそこそこは盛り上がるでしょう。クックック」

【アドリブ歓迎、詠唱フリー】


―――さぁさぁ!次は予選Bブロック!予選Aブロックでは無名の3人が番狂わせを見せましたが、このブロックでは果たしてどうなる事でしょうか?
 ……おおっと!?なんとこのブロックにもまたニューチャレンジャーが!しかも、しかもです皆さま!何と!!『キャバリア持ち込み』!!『キャバリア持ち込み』です!!!
 Aブロックの軌跡を信じて無名のルーキー達を応援し、巨万の富を手に入れるのも、実績を信じて下馬評通りに応援するのも、はたまた堅実に両方とも応援するのも、観客の皆様のお心次第!ただ一つ、たしかなのはもう間もなく投票券の購入が終了してしまうという事です!
 皆さま栄光を掴む心の準備は出来ましたか!?では!3!2!1!……はい!投票券購入は締め切りです!!
 それと同時に、予選Bブロックスタート!!!―――

―――おーっと!まず仕掛けるのは青と白の優美な機体、エントリーナンバー3!メルク・フィクターだ!!流石は持ち込み機体!コロシアムが提供するアマランサスと一線を画するその機体の装甲は……液体金属でしょうか?なんとも涼やか!!
 ちなみに搭乗者のサエ・キルフィバオムさんはそのこう、こう!!!紳士の方々から非常に熱い応援を頂いております!!
 紳士の方々!!どうやらその熱情に浮かされた選択は間違いではないようです!!
 速い!!!速い!!!凄まじいスピードで剣が振るわれてゆきます!しかもどうやらこちらも液体装甲で出来ている様子!なんと!?刀身が伸びているぅ!?!?!?!?―――


(まぁ、この位は……ね) 
 液体装甲を変化させた剣、〈RX-Aメルズピナン〉を振るう〈メルク・フィクター〉を操るサエ・キルフィバオムの顔は、至って平素だった。
 スタートの合図が聞こえたと同時、まずは《メルズピナン・フィンス》を使ってメルズピナンの射程、範囲を一気に広げる。
 その状態でメルズピナンを振るって、《杭縛る茨/クイシバルイバラ》で周囲のアマランサスを無力化。周辺に空白地帯が出来た段階で、一気に跳躍。
 キャバリアの集団から離脱した。
 この状況に先ほどの予選Aブロックの状況が思い起こされたのだろう。出る杭は打たんとばかりにアマランサスがこちらに殺到してくる。
(さて、この予選もオブリビオンに見られているとするなら、良い気はしないね)
 こちらはまだ相手の事が特定できていないのに、相手はこちらの事を手の内をわずかでも知る事になるからだ。
 
 とはいえ、容赦はしない。これからの目星をはっきりつける為に、少なくともサエと『仲間達』はBブロックの選手については自分たち以外、殲滅する方向で話がついていた。だからこそこの状況は、そのための第一段階だ。
 降り注ぐビームやバズーカの弾頭なんて、物の数ではない。ひらりひらりと避けながら、こちらに突貫してくる機体はUCによって拡大されたメルズピナンの刃が押し留める。それでもなおこちらに向かってくる機体はしかし、ビームサーベルでメルク・ファクターと切り結ぶ前に、機能停止していた。
「残念だったねぇ。君達にくれてやる程、安い女じゃないのさ♪」

 《アキュラナティヴ・ムーブ》の応用だ。切り結んではないとはいえ、飛び散ったメルズピナンの液体装甲が、機能停止したアマランサスには付着していた。
 あくまで自身のオブリビオンを己の体に付着した液体装甲で操作するUCだが、そのれ応用でオブリビオンマシンでない一般的なキャバリア程度なら、こんな手品も可能だった。
 状況は、まるでアマランサスが丁度赤い事もあって、闘牛の群とそれを操るマタドールのようであった。
 遠距離攻撃を行っても持ち前の機動性で当たらず、さらには突貫しようにもメルズピナンがそれを阻み、挙句物量に任せてどうにか突破した機体はどういう訳か機能停止する。
 明らかにこのブロックに置いてオーバースペックだった。
 もし生き残って決勝に進出しようとも、明らかに脅威だ。ここで潰しておくに限る。
 そうやって皆が皆、サエに首ったけになっているからこそ、その闘牛達の背後から襲い掛かる脅威に、対応できる者は存在しなかった。


―――やはり!やはりここで動き出したスコール!エントリーナンバーは7!なんとこの機体、二人乗りです!ええ、二人乗り!
 とはいえ皆様もご存じのはず!例えばスーパーロボットなどでは二人乗りの機体が存在する事を!とはいえ驚くなかれ!!
 操縦しているのは20に満たない少年少女!兎乃零時君とバルタン・ノーヴェさんです!なんとヒロイック!いったいどうしてこの二人がキャバリアを手にして、今二人で乗り合いこのコロシアムに戦いに来たのか!!!
 なんともボーイミーツなストーリーは気になる所ですが、どうやら美少年と美少女の組み合わせと言う事で女性の方の応援が多い様子!さて、少年は意中の相手に勝利を届ける事が出来るのか!
 おおっと!?スコール!!変形!変形しました!!!そしてそのままメルク・フィクターを追いい詰めていたアマランサスの群、他の選手たちの群の背中に食らいついたー!!! ―――

「だぁぁぁぁ!!!!!適当な事言いやがって!!!」
 複座型に急遽改造したスコールのコックピットの中、思わず兎乃零時は叫びをあげた。
 いくら何でも顔が赤い。
「ハハハハハ。零時殿、ボーイミーツガールデース!!!」
 にこやかに笑うのはバルタン・ノーヴェだ。
「笑ってる場合じゃないだろ!?」
 たしかに今まで自分とバルタンは何度も共闘している。それはそれ、これはこれだ。
 今だってオブリビオンを撃破するために来たのに。

 そんな零時の恥ずかしさなんて状況は待ってくれない。少し調子がずれた零時へと喝を入れるように、
「行きマショー!」
 ガション!と音がして、〈スコール〉が四足歩行の狼形態へ変形する。
 そのまま獣の動きと俊敏さで、アマランサスへと襲い掛かった。
―――な、なんだぁ!?―――
 叫びが上がって、アマランサスが動力部へと爪を振るわれて、機能停止する。
「二足歩行人型ばかり相手にしてたエブリワンでは、なかなか対応できないデショー!」
 楽し気なバルタンの声。
 思えば、スコールの初陣の時もこの狼形態の利点を駆使して戦ったものだ。
 そうであるがゆえに、この形態と動きには絶対の自信がある。
 加えて、
「零時殿の魔術サポートがあれば圧倒的デスネー!」
 今回は仲間がいるのだ。
「分かってるよ!」
 戦いは始まっているのだ。頭を掻いて、零時もまた、戦いに集中する。
 
 かつて幽世の戦いで、バルタンが零時を守っていた。今度は、零時が守る番だ。
 零時の乗る座席の前方に、メモリをインサートする為の凹部が現れる。そこに、手に入れた力、【分析者(アナライズ)】のメモリを叩き込んだ。

「「カクリヨメモリ、ロゴスイグニッション!」」

 二人の声が唱和する。
 その瞬間、零時の力が、スコールにインストール。バルタンのHUDに、より詳細なデータが浮かび上がる。眼前の敵の行動予測。また行動不能にするにはどの部位を狙えばいいのか。
 さらには、どの属性が有効なのか。


―――The beginning is a tiny, small dot/最初は独り善がりだったかも―――

――――It's just a wedge that pierces one point/けれど信じて進めば――――

  ―――――――Possibility was born here/いつかは叶う――――――

『挫けず!屈せず!へこたれねぇ!やると決めたら絶対やるんだ!俺様はいづれ!〈全世界最強の魔術師〉になる男!不可能なんて覆してやる!』
 〈呪詞/ことば〉が響いて、スコールに雷光が纏わりつく。
 《此の世に不可能など決して無い/ネバーギブアップ》という〈呪/な〉の通り、そのUCは、零時の魔力を喰らって、スコールに諦めない力を叩き込んだ。
「流石デスネーーー!スコールも喜んでマス!」
 雷光が迸り、周囲の敵を近寄らせず、そしてスコールの側は纏った光の魔力が紫電の疾風さを齎す。
 それでは遠距離攻撃でどうにかしようとも、水の魔力がビームを減衰し、ロケット砲弾も流水の力で逸らされた。
 
 まさに前門のメルク・フィクター、後方のスコール。脅威が二つに分かれたからこそ、そもそもがバトルロワイヤルだった事もあって、対応はてんでバラバラになってしまう。
 けれど一つ確かなのは、彼らが前後から攻め立てられて、段々その密度を高めているという事だ。
 そしてそれは、彼らの目論見通りでもあった。



「闇慈ぃ!!!」
「クックックッ……心得ております」
 そうして、この場に存在してなお、戦場を俯瞰するのみに留めて居た機体が、動き出す。

「さぁ、目覚めなさい。〈アヴィケブロン〉」
 黒に金で縁取られた重々しい機体が、ふわりと浮き上がる。
「まさしく、まさしく飛んで火に居る夏の虫と言えるでしょう……クックックッ」
 それは、キャバリアという『科学技術/プロメテウスの火』によって鍛えられた魔導の刃鋼。
『嚆矢は轟雷と成りて、天より至る』
 本来であれば服や防具に刻まれるべき補助詠唱紋が、機体に浮かび上がり、それどころかその背後にまで光の線が構成されていき、立体的かつ幾何学的にある種のパターンで紋様を変える〈72式複合立体型詠唱重加速紋〉を作り出す。
 そして響く声はまるで真言のような、聖歌のような、読経のような、そしてそれら宗教的な音の最大公約数を割り出して冒涜したかのような、『音』だった。

―――高エネルギー反応!?おいおいやべぇぞ!!―――
 そして当然、参加者達もアヴィケブロンに反応する。とはいえ、状況が状況だ。 
 この状況、どう考えても高エネルギー反応がアマランサスに向けられる事は想像に難くない。とはいえ、密集している彼らが逃げようにも、てんでバラバラに動いては逃げ出すことも出来ない。
 この状況においては、アマランサスに乗って参加した者達はお互い相争う狼ではなく、ただ追い立てられる羊でしかなかった。
 そのうえで、メルク・フィクターは柵として、スコールは牧羊犬としての役割を十全に果たしている。
「クックックッ……リミッターを解除しようと無駄です」
 せめてもの抵抗なのだろう。《一般兵用リミッター解除》し、本来のエースとしての性能を取り戻していた。
『ああ。鏑矢は放たれた。而してそれは、開戦の証である。なれど、では』
 
 ふわりと、アヴィケブロンの広げた両手の中央。胸部に鎮座する宝珠〈黒川式魔導大全 機械語翻訳版〉に、〈20式魔導粉砕砲『ハイメギド・カノン』が接続され、砲身を展開した。

『一体誰が、誰に、鏑矢を放ったのだろう。然り、神が、我に放つのである』
 重加速紋が唸りを上げ、魔力が〈黒川式魔導大全 機械語翻訳版〉から〈ハイメギド・カノン〉に充填されていく。
『天上に座す者よ、愚かなり。汝の遍く照らす光ですら、冥府の闇を払う事能わぬというのに』
 照準。
『だが、天罰の雷光は鏑矢として放たれた。されど、天より至る罰しの雷鳴は、我を穿つ事能わぬであろう。罰とはより愚かなりし者に齎されるのなれば』
 紫電の魔力が、完全に砲身へと充填された。もはや、逃れる術などない。
 それを悟ったのだろう。哀れな牧羊犬たちは、他の『敵』が倒れる隙に、逃げ出すタイミングがある事を祈るほかなかった。
「クックックッ。非殺傷にして差し上げますよ。『……塵は塵に。灰は灰に。在るべきところを在るべきところに。我に迫る神罰の雷光、その愚かなる身へと悉くお還しする』……穿て。《雷獄襲軍/ケラウノス・ブリッツ》」

 

―――び、Bブロック予選……終了……!なんと!!!!!なんという事でしょう!最後、黒川・闇慈氏の乗騎、アヴィケブロンが放った一撃が、『スコールとメルク・フィクター」を除いたすべてのキャバリアを戦闘不能に』してしまいました!!!
 いや……いやしかしこれは、ここまで鮮やかな流れは、どう考えても三騎の間で示し合わせていたのでしょう。
 まずはメルク・フェクターの色香に惑わされ、スコールという牧羊犬に追い立てられ、最期にはアヴィケブロンに刈り取られる!見事、見事な戦いでした。
 この3騎に賭けた方々!おめでとうございます!この予選の勝利者あなた方です!
 けれど、どうかお忘れなく。まだまだ予選は続きます。それどころか決勝すらある。この一時の勝利に酔いしれていれば、足元をすくわれる事もあるかもしれません!
 さぁ、予選Cブロックの投票購入は、今からですよ!!!!―――
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

神元・眞白
【SPD/割と自由に】
機械の世界でなら実験に丁度いいですね。こういう状況で実地検証を兼ねて。
幸い周りにもキャバリアは多いので気取られないでしょう。
今回はキャバリアに手を加えて、遠くからでも操作できるように。
キャバリアも人型ですから言い換えれば大型人形。上手くいくかお立合い。

実験ではありますからあまり戦いをしているとコントロールが難しくなりそう。
キャバリアからではなくこちらから周りに干渉して、目立たないように。
バトルロイヤルなら残ればいいんですよね。過程がどうあっても。
私たちは観客席の良い場所を確保しておかないと。それなら眺めも良さそうです。


リーオ・ヘクスマキナ
対キャバリアなら、「ブリキの木樵」の方が適切ではあるんだろうけど……
出来れば、対象の生体キャバリアにはあんまり情報を渡したくないしねぇ

「本番」までは、『アマランサス』っていうのを借りようかな。色も赤だし


事前に他の試合や過去の試合データ等に目を通し、マニューバの参考に

試合開始時点でUC「呪いの赤い靴」を発動
敵機への干渉と自機の制御は半々程度
技量差を密かに敵機の照準をズラしたり関節の動きを悪くしたり等。逆に此方は赤頭巾さんの動作補助でカバー

最初の内は防御、回避主体で動き回りつつ生存を優先
数が減ってきたらUCを敵機への全力干渉に切り替え、動きを止めた所を四肢や武装へ火力を集中させて敵機の戦闘力を奪う


―――どういう事でしょう!?予選Cブロックは波乱のスタート!!!いきなり会場が赤い霧で包まれたかと思えば、その中をアマランサス同士が相争う泥仕合!一騎一騎と僅かづつ脱落者が出ている現状!
 なるほど、確かにAブロックやBブロックのような華やかさはありません!ですが、こういう状況こそ賭けに勝つ興奮と焦燥は高まるもの!!
 AブロックもBブロックも早々に圧倒的な強者が話題と勝利と注目をかっさらっていきました!
 かっさらったがゆえに賭けの結果が早々に結果として出ておりました!
 ひるがえってこのCブロックはどうでしょう!?皆様が応援している騎士はまだ脱落しておりませんか?既に脱落していますか?それともその境目をフラフラとしているのでしょうか!?
 さぁ、どうか声を張り上げて!そうすればあなたの応援した騎士が、勝利に近づくかもしれないのですから……!―――

「AブロックにもBブロックにも圧倒的な強者がいた……か」
 量産機、〈アマランサス〉のコックピットにて、少年がポツリと呟いた。
「いいさ。言わせておいて。ここには強者なんていない。それが、いい」
 そう言って、リーオ・へクスマキナは笑った。
 
 そもそもが、この赤い霧自体がリーオのUCによるものだ。《赤■の魔■の加護・「化身のジュウ:呪いの赤い靴」/パラサイトアヴァターラ・シンズ・レッドシューズ》によって生じた赤い雨と風はエネルギーインゴットや化石燃料、電力を動力とする物品すべてへの干渉を可能とする。
 物質消費文明へと脅威とすら言える悪意に満ちた御伽噺の奇跡は、正しくこの場においても十全にその威力を発揮していた。

「あまりオブリビオンに情報を渡したくもないしね」
 本来なら、リーオ本人がキャバリアに対抗するならば『ブリキの樵』が最適なのだ。
 剣斧と杭打機を備えたあの鋼の巨人が現れたならば、なるほどAブロックとBブロック同様に注目のルーキーがもう一人、華々しく誕生しただろう。
 けれど流石に切り札ともいえるUCの情報までむざむざ渡したくはない。さらには、AブロックとBブロックで暴れた仲間がいるからこそ、敢えて目立たない事で相手からの死角にもなる事が出来るのだ。
 スナイパーは必殺の瞬間まで、息を殺すものである。

「それにしても、中々楽しいね。キャバリアの操縦は!」
 実の所、リーオ自身はキャバリアそのものを持っている訳ではない。切り札の木樵だって、あくまで〈ヴェルメリオ・アヴァター〉によってキャバリア級のサイズに出来るというだけだ。
 だからリーオが今キャバリアを操縦出来ているのは、偏にUCの凶悪な性能と、赤ずきんさんによる動作補助によるところが大きい。

 借りている機体、アマランサスが赤い事もあってか、リーオの動作を補助する赤頭巾さんは上機嫌だ。
 それは機体の動きの滑らかさにも表れており、迫り来るビームサーベルを、砲撃を、光条を、避ける事など容易い
 今はUCの影響を自機と敵機それぞれに割り振っている。つまり『こちらの攻撃は当たりやすく、相手の攻撃は外れやすい』というビギナーズラックの幸運を、無理やり演出していた。
 それでも、多勢に無勢。すべての攻撃がリーオを狙った攻撃ではないからこそ、まぐれ当たりは発生する。
 現に今もほら、乱戦の中、リーオと戦っていなかった機体が、体勢を崩して偶々手に持っていたビームサーベルが不意にリーオの乗るアマランサスへと襲い掛かる。
「しま!?」
 気付いた時には遅かった。
(仕方ない。一撃貰ってその後に反撃で沈めるか……って!?赤頭巾さん!?」
 
 思わず後半の心の声がそのまま言葉に出てくるような驚愕。そう、かつての、丁度クロムキャバリア出身の猟書家との戦い。リーオ自身を捨て身とした攻略法を思い起こしたのだろうか。赤頭巾さんとしては、許せるものではない。
 動作の補助どころか、その制御権すら奪おうとするかのような強引な干渉が、無理やりアマランサスを動かす。
 一撃を貰う筈だったルークの機体は、明らかに間接の柔軟性を無視した機動を実現。まるでプリマのようにクルリとその場で一回転し、思いっきりビームサーベル叩きつけた。
 また、一騎、戦闘不能になる。

「全く、無茶をして……」
 無茶をするのはどちらか。そんな雰囲気が赤頭巾さんから感じられたことに苦笑し、
「いずれにせよ、いい感じに敵機も減ってきている。そろそろ、終わりにしよう……!」
 今まで展開していた赤い雨風のUCによるキャバリアへ干渉を、一気に周辺の敵機へと集中する。
 そうすれば他のアマランサスの動きがどんどん鈍くなってゆき……

(障った?)
 赤い雨の干渉が、とある一騎のアマランサスに弾かれた。すわオブリビオンか?  
 と身構えるも、思い直す。もし本当にそうであったとして、本当にこの場であからさまな真似をするか?
 何より、そのUCの発生源は……
「あそこか」
 狙撃手としての鋭敏な感覚がそれを捉え、リーオのアマランサスの視線が、コロシアムの客席の、とある一角へと向く。
 そこにはちょこんと、銀髪の美少女が座っていた。


「……!」
「おや、お嬢さん、どうされましたか?」
 いきなりピクリと肩を震わせた少女に、すぐ隣に座っていた元キャバリア乗りの老紳士が、心配そうに声をかけた。
 不思議な空間である。そこは、コロシアムの観客席。賭けと戦いに熱狂した人々の叫びに溢れている筈なのに、どういう訳か、銀髪の少女、神元・眞白の周囲だけはヒタリと、静かな雰囲気に包まれていた。

 それは少女の佇まいあまりに静かだからだろうか、もしくはその傍らに控える黒髪の『少女』の存在が、どうやら眞白が何かいい所のお嬢さんであると周囲に思わせ、攫わらぬ神にたたりなしと少しばかり開いた空間になっていたからだろうか。
 ともかくも、賭け自体に一切興味はなく、ただかつて己が存在した戦場へと思いをはせる呼び水として戦いを見に来ていた老紳士にとって、眞白の横に座る事は、都会の喧騒の中で見つけた森林公園で森林浴を行っているかのような、そんな落ちついてリラックスできる行為であったのだ。

「いえ、大丈夫です」
 実の所、眞白としてはただただ、キャバリアという新たな興味の対象へと意識を向けていただけなのだ。まぁ、そのために周囲の喧騒が邪魔だったので、『そういう細工』もしたのだが。
(実際の所、大型人形とそうは変わりないと思っていましたが……)
 眞白は、人形師である。完全自立型の自動人形を己の力で作り上げるには至っていないが、その腕は一級品だ。そう言う訳で、作り上げたのが〈CODE:パペッティーア〉。
 スカート型の多目的コンテナユニットを備えた女性的な躯体のキャバリアを、今回遠隔操作できるように細工を施してみた。
(これまで上手くはいってますが……)
 ともかく生き残る事が大事なのだ。実験も兼ねていたので大胆な行動はとらず、ひたすら回避に専念していたが、動きに支障はなかった。
 《事象を歪めるもの/ターニングポイント》で周りの試合相手から運を吸い取り、自分に還元する事で目立たないようにしていた事も功を奏していた。
 
 それが今、どうやら他の仲間の『猟兵』によるUCの干渉で調子が狂った。遠隔操作するにも、僅かにこちらの意志を人形が反映するのに、僅かにラグが出来ている。
(そういえば、挨拶、してませんでしたね)
 『果たしてキャバリア級の巨大人形を遠隔操作できるのか』という実験も兼ねていた為、眞白自身はずっとコロシアムの観客席にいたからこその齟齬であった。

 とはいえ、得たものも大きい。
(やはりUCが干渉してくる以上、もっと至近距離で操作した方が確実、ですか)
 少なくとも今は、技術的にそうした方がよさそうだった。
 いまだこちらに視線が刺さる。
 静かな表情のまま挨拶がてら眞白がフリフリと手を振れば、赤いキャバリアが頷き一つ。今度は闘技場全体をぐるりと一瞥。
 どうやらアマランサスではない専用機が、今しがた少女がしたのと寸分たがわぬ動きで手を振ったのを確認した。
 
 そうしたなら、UCによって反応が鈍くなったアマランサス達を、リーオのアマランサスが四肢や武器を破壊して戦闘不能にし、脱落させてゆく。パペッティーアとは敵対しない構えのようだった。
 そしてリーオと同じように、けれど少しぎこちない動きでパペッティーアもまた、アマランサスを戦闘不能にさせていった。
「面白いですなぁ」
 ぽつり、老紳士が呟く。
「面白いですか?」
「ええ、あの、女性的なキャバリア。恐らく一点ものなのでしょうが……ワシが戦争していた時は、あんなに優美な機体は見たことがありませんでした。どうにも皆が皆、無骨な機体で。それと比べてみると、時代の移り変わりを感じざるを得ないものです。まだまだ動きには粗が見えますが、そう。ああいう機体が活躍するのなら、きっとこれからの時代も良くなってくるでしょう」
「そうですか」
 頷きを一つ。


――――Cブロック、試合終了!!!さぁどうですか皆さま!たしかに先ほどと比べるとアマランサスばかりのこの試合でした!!!!赤い雨と風が降りしきる中、多くの機体を撃破したのはリーオ・へクスマキナ。
 荒削りな力強い操縦を見せたかと思えば、繊細な動きで攻撃を回避したりなど、まるで二人乗りかのような、変幻自在の操縦技術は果たして決勝にて勝利の栄誉を手に入れる一助となるのか!こうご期待です!
 そしてエントリーナンバー24!神元・眞白!!機体持ち込みという事でA,Bブロックの状況を鑑みて下馬評の人気も高かった彼女ですが、先ほどのブロックの専用機と比べるとなるほど活躍の度合いは、撃破数は劣っております!
 しかし観客の皆さま、『彼女』はあくまで今回、他のアマランサスの武器を拾ったりなどして敵を撃破しておりました。つまり、『彼女本来の武装』はまだ見ていないのです!
 つまりは、果たして綺麗な薔薇がどれだけ鋭い棘を隠しているのか、決勝にこうご期待!!
 さぁ、まだまだ予選は折り返し!観客の方々が、応援する選手の、勝敗や如何に……!―――
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第2章 日常 『シミュレーターで模擬戦』

POW戦いは力だ! 一騎当千のスーパーロボットや指揮官用キャバリアを選ぶ
SPDキャバリアの性能が勝敗を決める全てではない! 敢えて量産機を選択する
WIZ人知を超えた謎の存在こそ最強! サイキックキャバリアやジャイアントキャバリアを選ぶ
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


朱皇・ラヴィニア
WIZ
シミュレータで模擬戦しつつシュラウゼルの調整を
成程、一筋縄ではいかない相手ばかり……
やっぱりゼルの反応が若干遅い。そろそろ潮時かな

目的は二つ
一つは猟兵以外で脅威になる対象を絞る事
特にしぶとい奴が怪しいかな
最後に立っていた奴に寄生するでしょ、多分
ついでにシミュレータをハッキングして
他の参加者の戦闘情報も収集しておこう

もう一つはゼルのチューニング
これまで十二の戦場を生き延びてきたけど
まともな整備をする暇は余りなかったからね
装甲を戦闘データを基に最適化
避弾経始を考慮した形状に
合わせて駆動系のブラッシュアップ
推進器と拘束具も改修して……出来た

行こう、シュラウゼル=ザイン
後は精々、派手に暴れようか


カシム・ディーン
UC常時発動
シミュレーターか
量産機を使いますか
「えー…メルシー使わないのー?」(ひょっこり銀髪少女
色々なシチュエーションは想定するのも戦略です
あー…おめーは決勝で使ってやるから我慢してろ
「わーい☆」

【戦闘知識・視力】
量産型で戦いながらも基本的にやられてばかり
但し倒し方を冷徹に分析
主にどういう攻撃を好むかも分析

メルシー
【情報収集】
聞き込みしまくるぞ☆
最近戦い方が変わったり雰囲気変わった人がいないか聞いてみるぞ

後は参加者の自慢話とか
おだてつつ聞いてみる

後で主と合流

情報を合わせて戦い方と攻撃の癖
過去にオブビリオンマシンに乗った人との戦いを思い出して共通点が無いかを細々と確認してみる


サエ・キルフィバオム
アドリブ歓迎

ん~、一通りシミュレーターをやってみたけど、ちょっとしっくりこないなぁ
能あるなんたらは~って言うし、ここのデータを信用しきるのも違う気がする
よーし、こういう時は客観的意見でも求めてみようかな♪

それじゃ、観客席に行って情報収集しよう!
大会の職員には止められるかもだけど、上手い事目を盗むなり丸め込むなりでどうにかなるでしょ
さっきの試合で応援してくれてた人も多いし、ちょっと観客サービスしてあげれば喜ばれるよね?
それで、皆に優勝候補の人気具合を聞いて回っちゃおうかな~

あ、メルクの方は【アキュラナティヴ・ムーブ】で警戒態勢にして、周囲の様子を伺わせておけば万全だよね


「ねぇねぇ、聞いて聞いてサエちゃんちゃん!ご主人サマがね!メルシー使ってくれないの!」
「あはははは。大丈夫じゃないかな?ちゃんと決勝戦の時には使ってくれるよ」
 予選が終わって決勝までの合間、サエ・キルフィバオムは観客席の方へと来ていた。
 どうにもシミュレーションで情報を集めるにもしっくり来ず、それならばと観客席の方へと繰り出してきた次第だ。
 以外にも、大会の運営から止められる事はなかった。
 そこはそれ、このコロシアム自体が興行である以上、こういった所でアピールして、それこそパトロンを得ようとするキャバリア乗りも少なくはないらしい。
 プラントの技術力で賄われているとはいえ、起動兵器を持とうとすると、いかんせん金がかかるものだ。

ならば、といった風にサエは情報収集の為に限られた時間を使う為、観客席へと繰り出したわけだが、そこに1人、銀髪の少女がついてきていた。
(それにしても、この娘がキャバリアねぇ……)
 どう見たって可愛らしい少女にしか見えないが、どうやらカシムのUCで少女の形態になっている意志あるキャバリアらしい。
(ま、そんなこともあるか)
 自分自身、メルク・フィクターとだって何の因果か巡り合ったようなものだ。そういう出会いだってあるのだろう。
 そう思いながら、観客席へと繰り出していった。

「はぁ~~い♥♥先ほどは応援ありがとう♪」
「うおおおおおおおお!!!!!!!!」
 そうやってサエが甘い声を出せば、観客席でワイワイがやがや、決勝戦において誰を『応援』するか議論していた男達が、アツい声援を投げかけた。
 それもそのはず。
 そう、サエは、豊満であった。
 そりゃ、もう。そもそもピンクの髪に鋭い瞳が誘うように美しいのだ。そんな美少女がさらにはキャバリアに乗る為のパイロットスーツでそのナイスバディを晒し、健康な汗をかいた姿を見せて、なおかつ自分への応援のお礼を言ってくるのだ。
 そらもう紳士なら、大興奮だろうが……!
 そういう訳でサエの周りには先ほどの試合で応援していた男達が我先にと集まって行き、そのこちらをあわよくば触ろうとする手を歴戦の振る舞いでさばきながら、サエは情報を聞き出してゆく。
 内容としては、それぞれの男達の考える『今大会』の優勝候補だ。即ち誰が一番勝ちやすいか。
 当然猟兵達が一番に上がってくるからこそ、聞くべきは2番手3番手。そういった情報を、効率よく聞き出してゆく。

「よーし☆メルシーも頑張るぞー!!!みんなー!先ほどは応援ありがとー☆☆☆」
「「「「「「「誰?」」」」」」
「なんで!?」
 当然であった。そもそもメルシーはキャバリアであって、先ほどの予選において選手として登録されていた訳ではない。知名度なんてある筈もなかった。
 当然メルシー自体もその事実に気付き、
「あ!わ!ほら!!ごしゅじ……カシム選手の!キャバリアの整備を担当してる、メルシーです☆さっきはカシム選手を応援してくれてありがとうね!!」
「おお!あのDブロックの!」
 そういったならやにわに男達が活気づいた。
「そんなに可愛らしくてキャバリアの整備が出来るなんて、お嬢ちゃんは偉いねぇ」
 男は男でも、老人ばかりだったが。
 どうやらメルシーの可愛らしい雰囲気は、サエが惹きつけた男達とは別の方向性の男達を引き付けたらしい。
 だからこそ、得られた情報もまた別の角度からのものであった。
 それは、今までの大会における積み重ね。いきなり戦い方が変わった人がいないかどうかだったり、以前から戦い続けているけれど勝ち切れない人がいないかどうかであったり。
 着実に、二人はこれからの戦いに必要になる情報を集めていくのであった。



「ああ、良い感じじゃないか!」
 ところ変わってシミュレーターにおいて、カシム・ディーンは笑いながら撃破されていた。
「ありがとう」
 撃破したのは、朱皇・ラヴィニアがあやつるシミュレーター上において再現されたシュラウゼル=ザインだ。
 今回のシミュレーターによる戦闘もまた、最期にカシムの乗る量産型キャバリア、アマランサスをザインが撃破して終了した。
「どう、何かつかめた?」
 仮想モニタに映る景色が無機質な状態になって、ラヴィニアは静かにカシムへと問いかけた。
「ああ、そろそろ行けそうだ。もう1セット行くぞ」
「了解」
 そう、二人は只管摸擬戦を行っていた。
 状況のセットアップを主導するのはラヴィニアだ。彼女が改めて摸擬戦の設定を行い、開始すれば、ラヴィニア、カシム双方が乗るシミュレーターにはコロシアムの景色が浮かび上がる。
 そして対峙するのはアマランサスとシュラウゼル=ザイン。
 勿論この2機だけではない。他にも決勝戦に参加するであろう既に発表されている猟兵以外の選手たちの機体もまた、そこに存在していた。
 
 しかも明らかに、単なるシミュレーターで再現できる精度ではない。明らかに、詳細を知っていなければ出来ないような再現度。
 つまるところ、ラヴィニアのハッキング能力の面目躍如といった所だった。
 今この瞬間、シミュレーターを使っている選手のデータしか入手出来ていないが、ここまで詳細な情報をハッキングで入手するのは正直コロシアムのルールに合わせると違反ではあったが、そこはそれ。バレなければという奴である。
「それじゃ、行くよ」
「ああ、来い!」
 短いブザーが鳴り、戦闘が再び開始される。

(ああ、いいじゃないか!!)
 慣れない機体の動きをどうにか制御しながら、カシムはニヤリと笑みを浮かべた。反撃はしない。知りたいのは、自分たち以外の決勝進出者の攻め手。
(ガツガツしてるやつは、3騎程か?)
 何が何でも勝つ。相手を撃破してやる、という気概のある奴を冷静に見定める。
 盗賊としての勘が、『そいつらが妖しい』と語り掛けてきていた。
(まぁ、ここに居るやつが大会進出者の全部ってわけじゃないから断定はできないが……)
 レーザーが迫り来る。半身になって避ける。そこに追撃のミサイル。ビームで撃ち落とす。爆炎が前方の視界をふさぎ、それを目隠しとして機体が刃を振り下ろした。
「あぶね!!」
 どうやらカシム自体はDブロックで自前のキャバリアで暴れた事もあって優先度の高い脅威と設定されているようであり、千客万来だ。
 
 だからこそ、その隙をラヴィニアが縫う。
(モーメントの係数……修正。照準システムの感度を調整)
 カシムを狙う他の機体を撃破しながら、ラヴィニアはシュラウゼルのシステムを調整してゆく。
 これまでもう10を超える程の戦場を経てはいるが、だからこそだろう。細かく調整する暇など無かった。
 一撃与えるたびに、最適化が行われる。
 装甲はより厚く、流線型に。
 ストレスの掛かりやすい駆動系も効率的に。
 そして、推進系統も、拘束具もより戦いに見合った形に。
 あくまで修正自体はシミュレーター内にはなるが、ラヴィニアとシュラウゼルは<アカシックエンコーダー>と<ウィッチズカース>を介して一心同体のようなものだ。
 だからこそ、このシミュレーションを終えた時には、ラヴィニアのシュラウゼル=ザインはより効率的で、より確かな力を得ているだろう。

「……出来た。そっちは」
「ああ、十分だ」
 シミュレーター内で僅かに形を変えたシュラウゼル=ザイン操りながら、ラヴィニアが再びカシムへと問いかける。あちらも大体のところは把握したらしい。
 ならばあとは消化試合だ。二騎は残るシミュレーター上の敵を排除していった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

セフィリカ・ランブレイ
それじゃあ片っ端から模擬戦をやってみよう!

強いやつの目星をつけておく
とはいえ、真の強者は力を温存できてるから、あくまで目安だけど

初戦を踏まえてリミッターを調整して瞬発力を調整
あとは機体の反応をできる限り敏感に
ちょい、欲しい反応より遅い時があったし

後は、光剣を自前の光剣に交換してと
取り回しも出力も、拘った分こっちのが上だしね
ま、今できるのはこんなトコか

『セリカは、機械いじってる時楽しそうよね』
ポツリと、シェル姉…相棒の魔剣が告げる

それだけ出来てたら、天国なんだけどね

さて、時間があるようなら猟兵仲間のデータとも闘いたいな。
一緒に戦った人達もツワモノ揃いだったし、良い訓練になりそう!


神元・眞白
【SPD/割と自由に】
実験は上々。他の方の干渉がありましたが問題なく動かせる、と。
次は離れても動かせるか。どこまで離れれば制御できなくなるか。
興味がありますが動かなくなるのも大変です。そこは次の機会に。

決勝戦に進んでくる方が憑かれるというなら、予選の様子を見返してみます。
こういう場所ですから決勝のためとすれば準備してくれるでしょう。
魅医、こういう時ですから勉強のために見ておいて。私は次の準備。
特定しなくても気になるのを幾つかぐらいに。答え合わせはもうすぐ。

私は猟兵の皆さんの情報を集めておきましょう。
決勝では顔を、顔を?合わせることになりますし装備や戦い方を念入りに。


「ん。ありがとう。助かったよ」
 己に割り振られたキャバリアの整備ブースで、セフィリカ・ランブレイは傍らに立つ銀髪の少女に声をかけた。
「ええ。かまいません。顔を合わせておきたかったですし」
 静かな声で頷いて応えるのは、神元・眞白だ。珍しく、普段は流したままの髪をポニーテールにして、ツナギ姿だ。
 そう、二人はセフィリカの乗る予定のアマランサスを調整していたのだ。
 

 大会決勝と予選の合間、そもそも己の『実験』を主としていた為、今回共に戦う仲間である猟兵とまだあまり顔合わせ出来ていなかった眞白が、たまたままず挨拶に来たのがセフィリカのいる所で、丁度アマランサスを自分好みに調整したかったセフィリカが、眞白もまた機械の調整が出来ると知って引き込んだ形である。
「いやーやっぱり高級量産機とはいえ、リミッターがかかってたからね。中々重かった。これでなんとかできそうだ」
 とセフィリカは満足げだ。
 反応を敏感にして、瞬発力も底上げ。こちらも眞白同様に金髪をポニーテールにしてのツナギ姿。
 丁度金の髪に赤い瞳。白銀の髪に青い瞳と、その美しさも相まって、横に並んでいれば姉妹のようであった。
「セリカは、機械いじってる時楽しそうよね」
 その様に、もしかすると少女にあったかもしれない未来に、何か思う所があったのだろうか。
 ポツリと魔剣シェルファが呟いた。

「それだけ出来てたら、天国なんだけどね」
 その言葉に、セフィリカも眉根を下げた笑みを浮かべる。
「ビームサーベルの規格を変更しましょう」
 少し沈んだ空気を入れ替えるように、眞白が提案する。
「そうだね。やっぱり近接戦闘を挑むには、自前の方がやりやすい」
 そう言って、二人して掌のエネルギーバイパスを《SBX-07》用のモノに変更してゆく。ハード面は戦術器を制作する事からこういった細工に長けた眞白が。武装の変更によるOS等ソフト面の変更は、セフィリカが行う事になった。

「この調整終わったら、摸擬戦、手伝ってくれる?」
 機体のシステムに変更をかけながらセフィリカが聞いた。
 彼女としては、後は片っ端から摸擬戦を行って、強い敵を探しだすつもりなのだ。
 そうすれば当然、今回オブリビオンに浸食されているであろうキャバリアも絞り込めるという事。
 そしてそれには、
「恐らくはオブリビオンが侵食する対象を探しだすつもりなのでしょうが、流石に機体を調整した時間を考えると、難しいかと」
 眞白が待ったをかけた。
「それもそうか。それだったら猟兵仲間のデータとも戦いたいな!強者ばかりだったし」
 その言葉に、眞白がフ、と力の抜けた表情をして。
「その前に……魅医」
「はーい!!!!」
 そう言いながら、現れたのは情報端末を抱えた明るい茶色の髪をポニーテールにしたメイド服の少女であった。
 眞白の戦術器、〈魅医〉である。
 セフィリカのキャバリア調整を手伝っている間に、経験値を貯めさせる目的で、予選の間の各種試合を調査させていたのだ。
 前提として、観客席からキャバリアを操っていたからこそ、全ての試合を見る事が出来た眞白がある程度怪しい対象をピックアップした上でのことにはなるが。
 ともかく、その情報端末には、オブリビオンが侵食する対象となるであろう怪しい選手のデータが入っていた。

「これを使って、摸擬戦しましょう。答え合わせは、すぐそこに」
 眞白の用意の良さに、セフィリカも好戦的な笑みを浮かべる。
「ありがとう眞白ちゃん!いいね。それは。とてもいい。候補は、そんなに多くないんでしょう?」
「おそらくは」
「なら、一緒に戦う猟兵の仲間のデータも一緒に入れて、摸擬戦しよう!」
 そう言いながら、情報端末を受け取って、セフィリカがアマランサスのコックピットに入り込む。
 眞白の〈CODE:パペッティーア〉は丁度整備ブースでも隣だ。リンクさせれば一緒に摸擬戦する事もたやすい。
「ええ。私も、直接の操作には慣れたかったので」
「直接!?」
 思いがけない言葉に驚きながらも、二人は共同で試合開始までの間、十分経験値を積むのであった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

エドゥアルト・ルーデル
次に使う機体どないしょでござるなァ

調べ物しようとシミュレータ室に来てみれば見知らぬ影、これは…【知らない人(極めて発見され難い)】でござるね、誰だお前は!
手があるに越したことはないしまあいいか、この知らない人を野に放つでござるよ

拙者はシミュレータにちょろっと【ハッキング】カマして各選手データを片っ端からスッパ抜いて閲覧でござるよ
競技化されてんなら大体戦績やら評価やら顔写真とか色々載ってんでござろう

そして知らない人には選手と格納庫の機体を実際に見に行ってもらいますぞ!知らない人なら見つからんだろう、視界を共有してじっくり観察出来る訳ヨ
そいつらの中で誰が本当に勝ち抜くかは機体と顔を見ればわかる


黒川・闇慈
「さて、調査のお時間というわけですねえ……クックック」

【行動】
wizで行動です。
いくらデータを入力してあるとはいえ、私のアヴィケブロンの魔術的な挙動を再現するのには無理があるでしょうし……ここは観戦モードを用いて、有力な機体達を自動操作で戦わせてみましょう。
もちろんこれにもある程度の限界はあるでしょうが……おおまかにどんな戦法か、どんな傾向の機体かはわかるはずです。
じっくりと観察し、決勝の戦術を練らせていただきましょうか。

「画面だけ見ていると完全にロボットゲームですねえ……クックック」

【アドリブ歓迎】


リーオ・ヘクスマキナ
うーん、スペック上の重量と整備記録との差?
いや、人間にも寄生するようなサイズなら重いとは限らないか
そも整備記録を手に入れようにもハッキングには疎いしなぁ……
仕方ない、今回も赤頭巾さんに頼ろうか

UC「鉄王の財宝」で『隠れている敵を探すため』の器物を召喚
『白雪姫』の魔法の鏡の手鏡と、『王様の耳はロバの耳』のロバ耳のカチューシャ
赤頭巾さん曰く、「タブレット付属式の音波式スキャナー」との事

コロシアムの整備員に変装し、猟兵以外の参加者のキャバリアをギリギリまで調べて回る


……正直、他の猟兵達も強かったからぶっつけ本場でも大丈夫だとは思うけどさ
事前に情報があるなら、それに越したことはないよね


「大丈夫かこれ……」
 事前の情報収集OK。予選と本選で機体の乗り換えすらルール上許されているこのコロシアムにおける試合においてさえ、禁止されているルールがある。
 それは即ち、『予選と決勝の間に各決勝出場者への機体に対する許可なき直接的な工作』である。
 過去のデータや予選の試合映像。さらにはそこから類推するなど、それは戦略として許されよう。
 しかし興業の側面も非常に大きいこのバトルロワイヤルにおいて、例えば事前にキャバリアの関節部に細工をしておいて決勝時にでくの坊にするなどされては、興ざめであるためだ。
 加えてもしそれが許されると、暗闘に発展して際限がないという事情もある。
 勿論ペアであったりチームで参加する場合もあるので、お互いに了承しているなら話は別であるが、少なくともロバの耳を象った機械的なカチューシャを備えた少年、リーオ・へクスマキナは他の選手のキャバリアを調べるのに許可をもらっている訳ではなかった。

(赤頭巾さん曰く、『タブレット付属式の音波式スキャナー』の役割はあるらしいけど……)
 《赤■の魔■の加護・「化身の拾弐:鉄王の財宝」/パラサイトアヴァターラ・トレジャー・オブ・ハンス》は戦っている対象に有効な童話の武器や機械、動物を召喚する。
 実際にスキャナー代わりの魔法の鏡は、リーオが欲しい情報を的確に与えていた。
 即ち、
(どこか、例えばコックピットの裏辺りに不審な存在がいないかどうか)
 最初はスペック上の重量と実際の重量の差から特定しようと思ったが、そもそも相手はオブリビオンである。重量があるのか?という懸念もあった為、そちらから攻めてみる事にした。
(それにしても、見つからないな)
 今の機体で5機目。やはりスキャナーで精査してみても不審な点は存在しなかった。
(いや、確実にどっかの機体には不審な点がある筈なんだ……!)
 いまだ不審な機体が見つからない事と、刻一刻と減っていく時間にリーオの中で焦りがあったのか。
「おい!お前!!他の選手の所でも見たぞ!しかもそのこそこそした動き!まさかどこかのチームのスパイか?違反だぞ!!!」
 大会運営側の警備員が、厳しい声を上げる。
(しまった……!)

 思わず、体が固まった。とはいえリーオ自体も戦闘者だ。緊張は一瞬。近づいてくる気配に、すぐに他の場所へと逃げ出せるように体を解して、その時を待つ。
 ある程度近づかれなければ、逃げるのも難しい。
「全く……どこのチームの奴だお前は……誰だお前!?!?!?!?」
「え!?」
 自分の遥か手前の誰かに、警備員が困惑した声を上げる。
 思わずリーオもそちらへと視線を向ければ、
「誰だお前!!」
 思わず声をあげた。
 そう、警備員に〈知らん人〉が捕まっていた……!知らん……誰ェ……怖いィ……


「おお しらんひとよ つかまってしまうとは なさけない」
 所変わって、直接機体を操作するタイプでなく、あくまで選手のデータを入力して相性を見る用の大きなシミュレーター室において、エドゥアルト・ルーデルが、まるで刻を見たかのようにツ……と一筋涙をこぼした。
「クックックッ……UC一つに大仰な方ですね」
 それを茶化すのは、同じくシミュレーター室にいた黒川・闇慈である。
 二人は、先ほどまで神元・眞白の戦術器、魅医のシミュレーションにおける不審な対象の洗い出しに付き合っていた。

「まぁ、これでリーオ殿も動きやすくなったでござろう」
 先ほどの涙はどこへやら。己のUC、《誰だお前!!/ダレコイツ》によって生成された〈知らん人〉と共有した視界の端、硬直から抜け出してするりと動き出したリーオを無感情な瞳で見送った。
「クックックッ……いいのですか?たしかすべての選手と機体を見回る筈だったのでは?」
「舐めるんじゃねぇよ。んなもんとっくに終わってる」
 一瞬の鋭い殺気。それに対して、闇慈はまるでどこ吹く風とでも言うように笑っている。
「誰が本当に勝ち抜くかも大体顔見りゃ分かった……とはいえ、せっかくお仲間がいるんだ。確証は沢山あった方がいいからそこはフォローするがな。にしても、次に使う機体どないしよでござるなぁ……」
 こちらの威圧にもまるで堪えたところがない闇慈に飽きたかのように、エドゥアルトは大きく椅子に座りなおした。

「っていうか闇慈殿の方はいいんでござるか?」
「クックックッ……そもそも、私のアヴィケブロンの魔術的な動作をシミュレーションしようという所からして烏滸がましい。有力な機体同士をここで戦わせて挙動を見る方が有意義というものですよ。それにしても画面だけ見ると、ロボットゲームのようではありましたが」
「おっ!闇慈氏、ゲームやるでござるか!?」
 意外であった。この黒衣の不審者から、まさかそんな言葉が出ようとは。迷彩服の不審者が驚きの声を上げた。
「プログラムもまた新たなる言語にこの世界に現象を顕すものでしょう?ならば魔術の一種と言う事も出来ます。娯楽とはいえ、その極致の一つとなれば、興味もあるものですよ。クックックッ」
「闇慈殿はクッソめんどくせぇ世界の見方してるでござるなぁ」
 

 ともかく、二人とも、不審な対象の洗い出しは先ほど魅医と共同で終わらせている。
 エドゥアルトがシミュレーター内に直接ハッキングをかけて、片っ端から手に入るだけの選手と機体のデータを手に入れたから、それも楽に終わったが。
 とはいえ、こちらのシミュレーターにデータを入れておらず、あくまで実機と同様の動きを出来る操縦するタイプのシミュレーターに、それを使用する際のみデータを入れているチームもあるらしく、そちらのデータは手に入れる事が出来なかったが。そちらはラヴィニアの領分だ。
 であった。つまり二人ともここでは一仕事終えて有体に言って、暇なのであった。

「クックックッ。使う機体に悩んでいるようですが、そのままアマランサスを使えばいいのでは?」
 手持ち無沙汰になった闇慈が、話題を振る。
「いやぁ!ほら!拙者のスーパーパゥワで操縦したわけでござるよ?関節部がこう、ガクガクガクッとなってるわけでござるなぁ」
 参った参ったと、これもまた特に深刻に考えてる訳でもなさそうに笑う。
「クックックッ。その様子だと腹案がないわけでもなさそうですが?」
「そりゃ物資の不足なんざ戦場じゃよくある事ですからなぁ。なんとかするでござるよ」
 そう言って男は、笑い声を、同胞の猟兵へと投げかけるのであった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

バルタン・ノーヴェ
【痛快無比】アドリブ歓迎!

インターバル。ひとまず食事を摂って栄養補給しつつ、ターゲットの捜索デース!
シミュレーターで模擬戦で様子見しマショー!

ふーむ……。このパイロット。
アマランサスで勝ち残った方デスガ、他と動きが違いマスネ。
本人の洞察力がマシンの反応速度とベストパッチしてて、機体性能を完全に把握してマース! 
シミュレーターのデータでここまで動きを読まれるなら、本物はもっとやりマスネ!
彼がオブリられれば、かなりの強敵デース!

対応策デスガ、戦争ではなく試合ゆえ。
コックピットから飛び出して本体攻撃って訳には行きマセーン。
もっと加速するか、あるいは開き直って飽和攻撃をするのが良いかもしれマセンネー。


兎乃・零時
【痛快無比】
アドリブ歓迎!

インターバルはご飯を食べて力溜めつつ!
ターゲットの捜索するためにもシュミレーターとか使いつつ色々調べてみるぜ!
パルにも捜索手伝って貰おうかな

ぇ、アマランサスで勝ち残った奴?まじかよそんな奴居るのか…あ、ほんとだ動きちげぇ
こりゃやべぇ奴じゃん
今の機体に出来る最大限を最高に引き出してるようなもんだし…いっちょ試しにシュミレーションしてみっか
あっれぇ―!?
全然あたら…ちょ…此奴想像以上に強いな!?
絶対本物はもっと強い奴だ…ッ!

そうだな、ごり押しじゃだめだ、弱点を……いや、それだけじゃ…むむ
戦争と違って直接ってのは厳しいしな、なら飽和攻撃と加速、どっちも出来るようやってみっか


「おー!デリシャスデース!」
「思ったよりもおいしかったな!」
 兎乃・零時とバルタン・ノーヴェがまずインターバルに入ってやったことは、栄養補給であった。つまるところはお昼である。
 腹が減っては戦が出来ぬ。至言である。そういう訳で腹を膨らませた二人は、今一度、シミュレーターの中に入り込んで、めぼしい相手と戦って見る事にしていた。
「それでバルタン、目星はついているんだっけ?」
「オー!そうデース!アマランサスで勝ち残ったパイロットですガ、他と動きが明らかに違う方がいまシタ」
 そして《スコール》のコックピットに二人して入り、データをダウンロード。モードは一対一だ。

 そうして戦いが始まる。
「うおおおお!!!確かに強い!!」
「デショー!?」
 叫びながら、スコールがアマランサスへと襲い掛かる。獣の動きを、機械の四肢が力を込めて迎え撃つ。
 本来であればその素早い動きに翻弄される筈のアマランサスはしかし、
「本人の洞察力とマシンの反射神経がぴったりマッチしてて、隙がありまセーン!対戦相手は相当、アマランサスを使い込んでマスヨ!」
 それはつまり、長らくこのコロシアムで戦っているという事で、もしこれだけの使い手が優勝できていないとするならば、なるほどそれは相当の執念であろうと察する事が出来る。

「ああ、ホントにな……!」
紫電の疾風さが機体を掠る。避けられた。ビームが水の魔力で減衰すると知るや否や、実体弾に切り替えての攻撃だ。
 なるほど、戦巧者。
 セフィリカが先だって、アマランサスを調整していたが、あれはつまり『キャバリア本体の方をセフィリカに合わせる』行為であるとするならば、コチラの方は、『操縦者の方がキャバリアに合わせる』形だ。
 それだけアマランサスを知り尽くしているという事でもある。
「零時殿、これで、シミュレーターデス。つまりは」
「本物は、もっと強いって事か……!」
 おりしも、零時の式紙、パルが他の猟兵達の集めた情報を運んできてくれた。それを鑑みれば、
「やっぱりあいつが、本命だ……!」
「デショウネー!!!」

 二人して、額に汗が伝った。
「どうする!?」
 零時が焦った声を出す。
「そうですネー、やはり飽和攻撃でしょうカ」
 たしかに、彼は戦巧者だ。戦巧者ではあるが、あくまで独り。ならば、皆で一斉に攻撃すれば、勝ち目はある。
「やっぱりそうなるか」
「はい。彼がオブリられれば、かなりの強敵が予想されマース!少なくとも小手先の方法では無理でショウ」
「だったら、そこをどうにかするのは俺の役目だな」
 そう言いながら、零時が今自分にできる精一杯で、術式をくみ上げていく。
「だったら、俺様達の役割は、移動砲台だな。沢山動いて、沢山撃ちまくろう」
「Orderデース!それじゃあ、零時殿!その方向でいきまショウ!」
 そう言いながら、バルタンが操縦桿を握り込む。

「一気に加速しますヨ!シミュレーションのため魔術そのものは再現できませんガ、それによる強化をパラメーターに反映させる事は出来マース!……気絶しないでくださいネ?」
「あったり前だろ!俺様は、最強だからな!」
 そう言った少年の情けない叫びが聞こえるまであと10秒。ともかく、戦いの時は、近づいていた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第3章 ボス戦 『エヴォルグ弐號機『HighS』』

POW ●蟲速一閃・邂逅斬
【レベルの二乗倍の速度まで加速する事 】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【すれ違い様に手か足】で攻撃する。
SPD ● 最速保持機『HighSpeed』
【自機の最速の一撃 】で攻撃する。[自機の最速の一撃 ]に施された【速度制限】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
WIZ ●霹靂閃蟲・飛蟲斬
自身に【空気の流れを感知する触覚の感知網 】をまとい、高速移動と【共に敵の攻撃を避け空気を切り裂き飛ぶ斬撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はビードット・ワイワイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


―――さぁ!やってまいりました決勝戦!今回は大番狂わせ!さらにはルーキーの顔が眩しい!皆様!もはや覚悟は済みましたでしょうか!?
 投票券の購入時間は既に過ぎ去っております!泣いても笑ってももはや後は結果を祈るのみ!さぁ!決勝戦のゴングが、今鳴り響きました!!!―――

 そうして戦いが始まった。その瞬間、とある機体に対するオブリビオンの浸食が始まる。本来であれば勝ち残り、1人になったその瞬間を狙うはずだったそれは、猟兵達に
狙われている事を本能的に察知したのだろうか、幾分早めに動き出した。
 アマランサスを精密に操る熟達した操縦技術に、オブリビオンの凶悪な力が合わさる。
 その機体は、確かに猟兵達が情報を集め、『おそらくそうであろう』と予測を立てた機体そのものであった。
 だから、君達に動揺はない。けれども、決勝戦もまた乱戦の中だ。当然猟兵でない機体は君達の邪魔をしてくる。さぁ、罪なき者達の妨害を乗り越えて、惨劇を防ごう!!
朱皇・ラヴィニア
あれが本命かな……それにしても厄介だね、この数!

ゼルは持久力を肉体改造しブラディエルを纏って出撃
ヘイロゥの推力移動で攪乱しつつ
323の乱れ撃ちで牽制
有象無象を引き付けて仲間が本命へ攻撃する手助けを
痺れを切らせて突っ込んでくる雑魚は
147の貫通攻撃で無力化し機体ごと盾にさせて貰う

粗方雑魚が片付いたら666の接続深度を最大
より過敏な操縦に適応出来る様に――ここで本命を狙う
高速戦闘が得意なら狙わせてあげよう
壁を背に正面から来た所、武装最適化でエルを脱ぎ
すれ違い様に着させて捕縛してやる
さあゼルザイン、初陣だ
武器改造で拳を強化
グラップルで敵の機動力を無力化し
リミッター解除して相手が止まるまで殴り続ける!


セフィリカ・ランブレイ
見立て通り、アイツか

『提供データが正確だものね』
と、水を差すのがシェル姉、相棒の魔剣だ

機体は私向きに調整済
光刃でいなし、瞬発力で他参加者の妨害は振り切る


問題の敵…ほぼ蟲だこれ!
速度と人知を超えた駆動……長続きはしないだろうね
回避に徹せば勝てるけど……中の人はダメか

果敢に攻めるけど、相手は空気の流れでこっちの動きを読んでくる

残念ながら性能勝負じゃ向こうに軍配だ
倒せる相手とみれば一気に畳みかけてくるだろう

【精霊の加護】

別に禁止はされてないでしょ?
パイロットが精霊魔法を使うなんて事も、あるかもしれない!
急な地面の隆起、接地面の氷結
威力は僅かでも、僅かな隙を作るには十分。その瞬間は見逃さない!


リーオ・ヘクスマキナ
あー、やっぱりあの機体だったのかぁ。他のアマランサスには無かった変な反応あったしなぁ
……あれが生体系オブリビオンの反応なら、後でメモしておかないと

開始前から【ブリキの木樵】をキャバリア級で顕現
背部ウェポンラックを足場代わりに乗り込み、粘度の高いペイント弾を装填した短機関銃を引っさげて参戦

一般人からすれば正気とは思えないこの戦術に、一瞬でも躊躇えばこちらのもの
無関係のアマランサスにはカメラにペイント弾を連射して視界を潰しつつ、木樵の剣斧で武装を腕ごと叩き落として無力化

キャバリア級ボスを相手には決め手が欠ける為、ボス相手にはペイント弾や楯での進路妨害、牽制をメインに、他の猟兵のサポートに回る


―――おーっと!?どういう事か!?エントリーナンバー、〇〇の選手の機体が一気にアマランサスから異形の機体へ!!!
 たしかに貸し出しのアマランサスは現状復帰とオーバーホールを条件としたある程度のチューンナップは許可されておりますが、これは果たして!本当に新品のアマランサスへと元に戻すことが出来るのか!?
 とはいえ、今まで決勝まで残りつつも優勝する事が出来なかった選手にとってはこれが切り札と成り得るのか……おおっと!?強い!強い!!!
 周囲のキャバリアをダメージも一切無視して薙ぎ払っていきますが……あーっと!?
 いけません!あの攻撃はコックピット狙い!失格!失格になってしまいます!選手どうした!?もはやその狂戦士のような暴威にはそのような事区別がつかないのか!?
 こういった時の緊急停止コードは……!?(観客に聞こえないように小声で『効いてない!?』)
 ……!なんという事でしょう!今しがたコックピット狙いの攻撃を防いだのは、オリジナルのキャバリアを引っ提げた、リーオ・へクスマキナ選手だぁ!!!!―

「運営側も状況を理解してるならさっさとこの試合自体一旦止めて欲しいけどね!!!」
 ペイント弾を命中させ、相手の視界を一瞬だけ奪う事でコックピットを狙った一撃を逸らす事に成功したリーオ・へクスマキナは叫んだ。
 《赤■の魔■の加護・「化身のヨン:ブリキの木樵」/パラサイトアヴァターラ・ランバージャック》で作り出した鋼の巨人は、常とは違いキャバリア程度の大きさになっている。
 その左手にはペイント弾入りの短機関銃を。右手には樵の剣斧を引っ提げて、キャバリア同士の戦いの渦の中へと飛び込んでいる。
 もちろん、ペイント弾入りの短機関銃などで優勝を狙うつもりなんかない。オブリビオンを撃破したら降参すればいい位の勢いであった。
 だから、
「止まってくれよ……!」
 ペイント弾を発射し、大会参加キャバリアの目を潰し、その隙に剣斧で武器を打ち払って、無力化。
 とにかくオブリビオン以外の機体を無力化し、皆のサポートに特化する事にしていた。

 当然それ自体は有用ではあったが、当然オブリビオン側にとっても邪魔であるため、
(『来るわよ!』)
「おわぁっと!?」
 赤頭巾さんの鋭い叫び。寿命なんていう代償なんて一切気に掛けない雷速瞬閃の《最速保持機『HighSpeed』》が、触腕を振るう。
 赤頭巾さんの言葉が無ければまともに喰らっていただろう。体勢を崩しながらもリーオが回避。
 そしてその隙を逃す一般キャバリアではない。彼らとて、決勝に残る手練れなのである。
 勿論彼ら自身も今一番の脅威であるのはオブリビオンの方であるのは理解していたが、それがどういう種の脅威であるか理解できない彼らにとって、今集中してて叩くべきは積極的に他の機体を無力化するリーオの方であった。
 砲弾が、ビームが、すかさず四方八方よりリーオの機体へと降り注ぐ。
 そしてそれを、
「厄介だね、この数!」
 電磁速射砲、《RS-323Fラピッドラプター》の光が撃ち抜いていった!

「助かった!ラヴィニアさん!」
「どういたしまして。行くわよ」
 爆炎の中、リーオへと向かって来て、その背をカバーするように背中合わせになったのは、朱皇・ラヴィニアと彼女の乗る赤い<ブラディエル>を纏った<シュラウゼル=ザイン>だ。
 僅かな静寂の後、すぐさま二人して<Highs>へと突貫してゆく。
 電磁速射砲の光が煌めき、ペイント弾が乱れ飛ぶ。対象以外の『障害』をものともせず、即席ながら息の合った連携で、着実にオブリビオンへと近づいていった。
「こっちは決め手に欠けるけれど、そっちは!?」
 そしてオブリビオンへと接敵する直前、リーオがラヴィニアへと問いかければ、返ってくるのは
「当然、ある……!」
 という頼もしい声。
 だからこそ、
「よし来た!任せた!」
 《最速保持機『HighSpeed』》の一撃を、リーオの巨人が真っ向から受け止めた。
『――――!』
 ぎちぎちと、まるで蟲のように、焦りの咆哮が上がる。
(ああ、あれが生体系オブリビオンの反応――――)
 記録しなくては。当然のこととして自身が搭乗している部位からは外した場所で受け止めているため、あくまで鋼の巨人にだけダメージが入っているリーオは少し場違いな反応を心に思い浮べた。
 ともかく、高機動が得意な機体が、足を止めた。それは即ち明確な隙という事で、一歩、シュラウゼル=ザインがリーオより機械の足で明確に敵へと近付く。


――行こう/EP-666ウィッチズカース超過駆動――

――深く深く海の底へ/キャバリアと生体パーツの接続深度を上昇させます――

――揺蕩うが如く、溶けてゆく/
        《武装強制最適化/バスター・フォーメーション》、開始――

――鋼(あなた)の手はボクの手。私の足は鋼(あなた)の足/最適化完了――

――鋼(あなた)の眼で、ボクに広い世界を見せてくれ――

 弾かれた矢のように<Highs>へと向かってゆくシュラウゼル=ザインの《武装強制最適化/バスター・フォーメーション》が起動。この戦局に最適化するために、赤い鎧の中から、ビキビキと金属がつぶれ、再鍛される音が聞こえる。
 何を、するのか。単純である。リーオの作り出した一瞬の隙は、確かにラヴィニアとオブリビオンの距離を縮めさせた。けれど、それだけでは足りない。
 迎撃する方が早いと《蟲速一閃・邂逅斬》を発動するタイミングを虎視眈々と狙っている。だから、
「ブラディエル、パージ!!!」
 バガン!と爆発するような音がして、一気に<ブラディエル>の装甲が展開して、中から<シュラウゼル=ザイン>が飛び出してくる。最適化され、よりシャープなシルエットとなった<ゼルザイン>が、そのまま<ブラディエル>の手を握った。
 飛び出した速度の乗った状態で、そのままに、<ブラディエル>が<ゼルザイン>をオーバースローで『HighS』へとそのまま『投擲』。

『―――!?』
 タイミングを見誤った《Highs》が、無理やり《蟲速一閃・邂逅斬》を発動。しかし、
「当たらないよ!」
 彼我の距離が近すぎた。既に<ゼルザイン>は《Highs》の懐にいる。鋭い手足の攻撃も、体をわずかに逸らすだけで躱し、一気に体を丸めてからの、
「行け……!」
 鋼の体がアッパーカットを叩き込んだ。

『―――!?』
 《Highs》の体が仰け反って宙を舞う。そしてそこに逃がさないとばかり、《ブラディエル》が組み付いて拘束した。
 そのまま空高く飛び上がる《Highs》へと、
「セフィリカ!」
「ラヴィニアちゃん!よろしく!!!」
 追いつかんと、今しがたアッパーカットを放った<ゼルザイン>が踏み台として組んだ手を足場にして、その助力を得ながら、セフィリカ・ランブレイの<アマランサス>が、宙を舞った。

「見立ての通り、アイツだったか」
 矢のように鋭く、宙を飛翔しながら、セフィリカが拘束された『Highs』へと迫ってゆく。
『提供データが正確だものね』
「それはそうだけども、もう!」
 相棒の魔剣、<魔剣シェルファ>の茶化した声に水を差されながらも、セフィリカの瞳はしっかりと敵を見据えている。
 その脅威を感じ取ったのだろうか。
 衝撃波が、斬撃となってセフィリカの方へと飛散する。どういう訳かブラディエルによって拘束されて、視界も上手く確保できてない筈なのに、嫌に正確な狙いであった。
 それを<SBX-07>の光刃で切り払いながら、セフィリカが深く頷く、
「それはそうだよね」
 敵は、《霹靂閃蟲・飛蟲斬》による『空気の流れを感知する触角の感知網』があるのだ。見えてなくたってこちらを認識するのは容易い。
 だからこそ、相手が消耗するまで回避に徹するのがセオリーだろうが、それをしてしまえば、《Highs》に取り込まれたキャバリア乗りの命が無くなる。
 だからこその積極策だ。

「『趣味のおかげでね。一通りの精霊との契約は済ませてんだよね!!』」
 言葉と共に発動するのは、《精霊の加護/レインボウ》だ。
「別に禁止は、されてないでしょう!?」
 事実、『パイロットが精霊魔法を使う事を禁じる』なんていうルールはどこにもなかった。
 先ほどのアマランサスへの調整は、これも含まれている。即ち、己の精霊魔法をこの機体でも使いやすくするというもので、力を借りるのは当然、
「《黄槍の飛竜/フェインナルド!!!》」
 七色最速飛竜の力が、アマランサスの背後に浮かび上がった無数の魔法の矢へと装填され、無色から黄色へと変化する。

 そのまま、
「放て!」
『!?!?!?!?!?』 
 ギチギチとほぼ蟲のようなオブリビオンが困惑の音を鳴らす。当然だ。今まで補足出来てた筈の相手が補足できなくなったのだ。
 放たれた魔法の矢が、空気をかき乱されたせいだ。
 焦りが、おおざっぱな対応を選択させた。
 無理やり、《霹靂閃蟲・飛蟲斬》の斬撃が、四方八方へと放たれる。その被害を一番に受けるのは当然拘束している<ブラディエル>で、赤い鎧が拘束する力を失って落ちてゆく。
 そしてそこへ一気に突き刺さるは、魔法の矢だ。
『ッギィ!!』
 侵食型オブリビオンの声なき叫びが響き渡る。
 そしてそこへ、
「この瞬間は見逃さない!!!」
 飛竜の風の支援を受けた最速の一撃が、『HighS』の体を灼き裂いた。
 セフィリカの攻撃による確かなダメージを受けて、再びオブリビオンは、地へと叩きつけられるのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

兎乃・零時
【痛快無比】
アドリブ歓迎!


ついに決勝戦か…!
対策もした
何よりテメェ自身が慣れねぇもんに乗ってるんだ!なら後はそう、勝てばいい!
どのみちやる事は変わらねぇ!

普段は体に適応してる物体変質の魔術をスコールに…機体に適応!
属性は光、水
【輝光】と【激流】の混合だ…ッ!
装甲は気にしねぇ
触れた存在を魔力へ変える物体変質の力でカバーする
そんで攻撃回数を拡張!

機体が魔力体に近しく成れば俺様のサポートも通りやすくなる
雷・水・光の属性付与で!速さも!力も!限界超えて迸る!
『俺が主軸の魔力』なら空中に浮かすのだって造作もねぇ…!【空中浮遊×空中戦】

攻撃チャンスが来たらため込んだ魔力を機体の力に変えて
全部ぶつけちまえ!


バルタン・ノーヴェ
【痛快無比】
POW アドリブ歓迎!

HAHAHA! 決戦の時デスネー!
アマランサスのままであれば厳しいバトルでしたが……その不慣れなオブリビオンマシンになったのであれば、勝機が増えマース!
ワタシたちの役割は移動砲台! プランは我らに有り! 参りマース!

零時殿の魔術によって、シャイニング・スコールと化した今、機動力は引けを取りマセーン!
いくらハイスピードタイプであっても、飛行機能を伴って天井付近に取り付けば、届きマセーン!
チクチクとガトリングを撃って……痺れを切らして飛び掛かってくるところが、狙いデース!

「六式武装展開、鉄の番!」
チェインハンマーを展開して、真上から地面へ叩きつけるであります!


『我が身 我が魔 我が力 我が名を此処に』
 地面に叩きつけられた〈Highs〉に、獣が迫る。正確には狼型の獣化形態へと移行した<スコール>だ。
「HAHAHA! 決戦の時デスネー!」
 楽し気に笑いながらバルタン・ノーヴェが機体を操る。たしかにダメージを喰らっているとはいえ、敵はオブリビオン。まだまだ装甲も、機体自体によ余裕がある。
『―――!』
 ぎちぎちと、蟲の哭き声がして、発動するのは《蟲速一閃・邂逅斬》。尋常ではないスピードが付与されて、迎え撃つのではなくこちらから襲い掛かるとでも言うかのように、自身へと迫り来る<スコール>へと突撃してゆく。
「零時殿!!」
『果て無き道は踏破され!! 積まれし歳月は実を結ぶ!!!!』
 焦るバルタンの声に応えるように、詠唱の声が高らかに響く。高速詠唱は得意ではないが、四の五の言ってられる状況ではない。
 汗と瞳より命の雫を垂らしながら、高らかに読み上げられるそれは、詠唱等よりも、もはや甲高い音の集まりだ。
 

 彼我の距離が一気に詰まる。バルタンもまた、己の責務を果たす為に正面を見やる。〈Highs〉の両手足に備わった鋭利な刃の、一体どれがまずこちらへと襲い掛かるのか。
 額に汗。極限の集中の中、バルタンの瞳が、敵の左脚が跳ね上がるのを認識した。
 ニヤリ、思わず笑みが浮かび上がる。
(―――残念、デース)
 アマランサスのパイロットにはある種、バルタンの中に尊敬の念があったのだ。
 自身もまたキャバリアを操る者として、どれだけの鍛錬の末にキャバリアをまるで手足のように操れるようになったのか、なんとなく察せるものがある。
 だからこそシミュレーションでもその操縦技術を最大限の脅威として零時と二人で対策を取ったのだが、
(不慣れな、オブリビオンマシンとなってしまいマシタ)
 取り込まれたパイロットの経験は、当然アマランサスに最適化されたものだ。確かに耐久力と攻撃力、さらに敏捷性やら、全てのスペックが今は上だろうが、それでも、
(きっと、アマランサスのままの方が強かったデース……!)
 だから、避けれない筈がない。
 バルタンは、<スコール>は、体を捻って下から迫り来る初撃を、確かに躱した。

 まずは初撃でこちらを縫い留めて、残りの手足の斬撃でこちらを刈り取るつもりだったのだろう。左足の攻撃が外れても、構わず敵が無理やりすれ違ったこちらへと刃を向けてくる。
 お互いに離れつつある現状、致命傷とはならないだろうが、三方から来るそれは、たしかなダメージを与えてくるだろう。
 そしてその前に、
『改変し!!変質せよ!!!』
 零時の詠唱が完了する。
「カクリヨメモリ、ロゴスイグニッション!」

――宝人《クリスタリアン》、インストール――
 
 目の前のコンソールに、メモリを叩き込みながら。

『我が手によって変革を為せ!《物体変質/マテリアルモデュヘケイション》!!」
 瞬間、スコールの表面を幾何学的な光の筋が一瞬奔り、すれ違ってなお、〈スコール〉を切り裂かんとした〈HighS〉の刃が、虚しく空を切った。
 〈スコール〉が一気に加速したのだ。
「だぁーー!!!!ハッハッハッ!!!どうだ!!!!」
 コックピット内、すさまじいGにちょっと色々と酷い事になりそうなのを、気合いでやり過ごしながら兎乃・零時が爆笑する。
 カクリヨメモリによって、<宝人《クリスタリアン>のメモリがインストールされた今、零時にとってスコールは、自身の体にも等しい。だからこそ、己に適応させている物質変質の魔術を、スコールにも適応できた。
 属性は光と水。
 だからだろうか、スコールは今、光り輝いていた。まさにシャイニングスコールといった風情。
「行け!バルタン!」
「ハイ!」
 言葉と共に<シャイニング・スコール>が躍動する。零時の飛行魔術すら力を与え、今や先ほどよりもより早く、さらには三次元的な動きで『HighS』へと襲い掛かってゆく!
 
 勿論、スコールを狙うのは『HighS』だけではない。明らかに強化された機体を脅威と見たのか、周囲の決勝参加者からも砲撃や銃弾が飛ぶが、
「効かねぇ!!」
 スコールが光っているのはなにもそれが綺麗だからではない。その纏った零時の魔力が、レーザーと砲撃の質量は光の魔力によって、熱量は水の魔力によって受け止められ、それによって得られたエネルギーを魔力へと変換し、スコールの力と成してゆく。
 受け止めきれる限界はあれど、今この瞬間、零時の魔力によって、スコールは確かに無敵だった。
 攻撃を魔力に変換して、より早く、より鋭角的に動き、なおかつ隙を見せずに一定の距離を保ってガトリングで『HighS』を攻撃してゆく。
 相手からも斬撃は飛ぶがしかし、表面を掠る程度だ。

 自分の攻撃は通らないのに、相手からの攻撃は僅かながらでも少しづつ自身を削ってゆくという事実に、『HighS』が焦れた。
 たまらず、大ぶりな攻撃が一つ、スコールへと襲い掛かる。
「当りまセン!!」
 獣の体が身を捩って避けた。そしてそれこそが罠だった。避けた方向へ、すかさず迫る3方向からの攻撃。
 そしてそれこそが、スコールもまた、待ち望んでいた攻撃だった!
「今でス!零時殿!!」
「ぐっ……うおおおおおおお!!!!!!!」
 瞬間、スコールが人型形態に変型。さらに身をよじらせて回避。『HighS』の頭上に位置する。
『六式武装展開!!』
 取り出したるはチェインハンマー。そしてその先端、ハンマー部分に、零時が今までスコールへと纏わせていた魔力が集約する。
 加えられた攻撃によって、本人以上に高まった魔力を鼻血すら出しながら、裂帛の気合いで無理やりハンマー部分に集め、
『鉄の番!』
 《鉄拳制裁/アイアンフィスト》が叩きつけられた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

エドゥアルト・ルーデル
結局アマランサスは置いてきた
戦いについて来れそうにないでござる

代わりの機体はこいつ!電脳魔術で創造した20m前後ぐらいのロボット架空兵器でござる
ちょっと危険が危ないので具体名は言わないが…まあビームライフルとビームサーベルは持ってるんじゃないスかね

モブ共に騒がれると神経が苛立つ…
初っ端に片付けるに限る!スラスター吹かして大ジャンプ!自分より巨大な機体が飛べば度肝抜かれるでござるな
その間に纏めてライフルで撃ち抜く

目標にはサーベルと頭部バルカンで牽制、加速しようが攻撃に近づくのは確定なのでカウンターに本命のパンチを叩き込むだけでござる
昔のは結構殴る蹴るするからこれぐらいは出来て当然でござるな


 なんという事だろうか。時空の壁も、次元の壁も、版権の壁も超えて、《例のアレがこの世界に現れたようです/クロスオーバートカカイニュウトカソウイウヤツ》。
「いやぁ!!!アマランサスは置いてきましたぞ!戦いについて来れそうにないでござる!」
 トリコロールカラーにツインカメラアイを光らせて、尖ったブレードアンテナを備えたその機体は、全長20メートル程。
 他の機体が持ちえない巨体を以て、戦場を睥睨するのはエドゥアルト・ルーデルだ。
 当然、大きいものは的になる。規格外のキャバリアを前にして、一番の脅威と見たのか大会参加者達の集中砲火が襲い掛かる。
 当然、特殊な技術で精製されたチタン合金製の装甲を電脳魔術において疑似再現しているからこそ得られた耐久力は、そのような『モブ』の攻撃などものともしない。
 しかし、
「騒がれると神経が苛立つな……」
 子供じみたノリの男は、子供じみた冷酷さを大人らしい殺意でコーティングした冷たい感想を抱く。
 
「まずは雑魚からでござるな!」
 スラスターを吹かして大ジャンプ。この巨体が浮かび上がるなんて想定外だったのだろう。一瞬周囲の機体達の攻撃が一瞬止む。
「そこぉ!」
 実の所、エドゥアルトの脳内にフレクサトーンの音が鳴り響いたかは定かではない。
 しかし、電脳魔術師としての技能が、正確な射撃を可能にした。
 今まで自分を狙っていた機体の、火器だけを正確にビームライフルが狙い撃ち、無効化してゆく。
「さぁて!本命でござる!」
 そして。、バーニアによる飛翔が最高点に達する。エドゥアルトの乗る機体は空を飛ぶこと自体は出来ない。あくまで飛び上がるだけだ。
 だからこそ後は重力に従って落ちてゆくだけで、その着地点には、『HighS』が、居る。
「ハハハハハ!まるで昆虫標本だなぁ!おい!!!!」

 『HighS』は、先ほどバルタンと零時に叩きつけられたダメージから未だ立ち直る事が出来ていなかった。軋む体をどうにか動かし、空を見上げる。そこには己の大きさを優に越す巨体が、空から襲い掛かってくるのだ。
『――――!!!』
 ビキビキと関節が軋みを上げる。それを無視してなお、無理やり動いて迎撃態勢を整えた。
 交差するように、空へと『HighS』が飛びあがる。《蟲速一閃・邂逅斬》が発動して、今しがた飛び蹴りの体勢を整えていたエドゥアルトの機体の脚部が大きく切り裂かれる。このままでは着地もままならないだろう。
 しかし、
「おい」
 エドゥアルトの機体が、『HighS』を掴んでいた。
「どこに逃げやがる」
 そのまま再び、『HighS』を地面に叩きつけて、己も着地。脚を大きく切り裂かれているがゆえに、不格好な着地となってしまったが、構わない。
 そもそもこの機体自体が、所詮は電脳魔術で作り出した仮初で、なおかつエドゥアルトはこのコロシアムでの勝利なんてどうでもいいのだ。
 だから、
「昔のは結構殴る蹴るするからこれぐらいは出来て当然でござるな!!!」
 その機体が現実に仮想展開できなくなる限界まで、『HighS』を殴り続けることだって、可能なのだった。
大成功 🔵🔵🔵

サエ・キルフィバオム
さぁて、どう相手をするべきかな……?
パイロットに罪はないし、助けてあげたいよね

まずは他の参加者をどうにかしようか
どうせ予選でメルクは大暴れしちゃったし、マークされてるだろうからね
こっちから仕掛けても対応されて、相手のパイロットが無駄に消耗しちゃうかな

とはいえ、マークされているなら無視され続けないはず
他の参加者と戦っている時にわざと隙を見せておびき寄せて、カウンターを狙っちゃおうか
【グラール・フォーシス】、予選じゃこれは見せてないよね♪
変幻自在のメルクの力、読み切れると思わない方がいいよ!


カシム・ディーン
機神搭乗
「ご主人サマ!あの虫さんスピード自慢だよ!」(興奮気味の鶏立体映像
そのようだな
たまには真っ向勝負もやってやるか

「メルシーは速さなら負けないぞ☆」

【情報収集・視力・戦闘知識・医術】
その動きと癖
生体構造上の弱点
乗り手の戦いの方向性を分析
搭乗者の位置も把握
UC発動
【念動力・空中戦】
念動障壁を纏い超高速機動を制御
飛び回るが暴走衛星の影響の出ない範囲の高度を維持

【属性攻撃・弾幕・スナイパー】
砲撃兵装から超高熱熱線を乱射して焼き尽くしにかかり

【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
一気に距離を詰めて鎌剣による連続斬撃からその鎌らを強奪して戦力低下を狙い

好機を見出せば機体から搭乗者の強奪もとい救出も試み


「うっとおしいわね!分かっていたけど!」
 戦いの最中、流石に焦れたようにサエ・キルフィバオムは叫ぶ。
 今現在、彼女は『HighS』に近づく事すら困難であった。先ほどの予選で、<メルク・フィクター>は大暴れだった。
 だからこそ、より強くマークされているのだ。
 状況としては、先ほどとそうは変わらない。すなわち、皆が皆、メルク・フィクターに向かって遠距離兵装を打ち込んでくる状態。
 けれど先ほどと違うのは、打ち込んでくる相手が、少なくとも決勝まで上がって来た手練れという事実であった。
 即ち、
「さっきよりも当りが強い!!」
 先ほどの予選のように、ひらりひらりと躱してゆく、という訳にもいかなかった。
 
 それでもいまだに一発も貰ってないのは、
「――大丈夫!?サエちゃん!?――まだ行けますか?」
「大丈夫よ!勿論ね!!!」
 モニターに映る若い男、カシム・ディーンとその上に乗っかる鶏の立体映像、メルシーだ。
 メルク・フィクターと<界導神機『メルクリウス』>は今、2機で並走していた。
 迫り来る砲撃を<RBS万能魔術砲撃兵装『カドゥケウス』>の魔力砲撃が相殺し、それでも抜けてくる攻撃は、<RX-Aメルズピナン>の斬撃が対処する。
 膠着状態であった。
 なお、『HighS』は丁度、決勝参加キャバリアの壁に挟まれた反対側だ。
 今はエドゥアルトの機体と殴り合い斬り合いの怪獣大決戦中。流石にオブリビオンの方に軍配が上がるのか、エドゥアルトの機体の方がドンドン存在を薄れさせているが、着実にダメージを喰らっているらしい。
 他の参加者達もそちらに手を出せば自分もただでは済まないと認識しているらしく、もっぱら予選で猛威を振るった専用機2騎の対処の方に意識を割いてるらしい。

「こればっかりは、予選で暴れたせいで仕方ないですが、サエ。《トランディ・フォーム》はどうですか!?」
「意味が無いわ!ロックを外して敵性判定無くしても、マニュアルで打ち込まれるしロックが無くてもこの弾幕の密度よ!」
「ならば、俺が何とかするしかない、と。捕まってください!」
「HighSはこっちで動きを止める!」
 メルクフィクターの手をメルクリウスががっしりと掴む。
「了解!ー任せて!メルシーも速さなら負けないぞ☆ー」
 厚い層の向うを見やれば、そこには丁度HighSをボコボコにして、自身もボコボコになったトリコロールカラーの巨人がついに電脳魔術による仮想体を構成できずに消失し、エドゥアルトが漫画染みた表現で吹っ飛んでいく所であった。
「行くぞ!加速装置起動!!!」


――……らぴす ふぃろそふぉるむ あくてぃぶ☆――
 メルクリウスのコックピットに可愛らしい声が響いた。界導神機そのものたる賢者の石が、拍動する。
――……たらりあ おーばーどらいぶッ!!!――
 コックピット内に、念動障壁の予測展開ルートが表示される。それは、殲禍炎剣による狙撃圏内ギリギリを狙って飛翔できるルートでもあった。甲高い音と共に、<RX-B高機動ウィング『タラリア』>に、力と、虹色の光が収束する。
――いけるよ、マスター!!!――
「行くぞ!メルクリウス…お前の力を見せてみろ…!《神速戦闘機構『速足で駆ける者』/ブーツオブヘルメース》ッ!!!!」
 言葉共に、加速が入る。
 念動障壁に沿って、メルクリウスが一気に加速。ヴェイパートレイルすら引いて、一気に『HighS』の頭上に躍り出た。
「行け!」
「ええ!」
 そのまま眼下に、メルク・フィクターを放り投げる。目標は、『HighS』だ。

 迎撃せんと神速の触腕が4つ、迫り来る。そのうち3つは、メルクリウスの超高熱線が迎撃した。しかし残りの一つが、メルク・フィクターの脇腹を抉る。
「ッ……!」
 衝撃を唇を噛んで押し殺し、サエは正面、眼下に位置する『HighS』に対して不敵な笑みを浮かべる。
 敵もまた先ほどのサエの戦い方を見ていたのだ。
 《アキュラナティヴ・ムーブ》の影響を受けてはたまらないと、即座に己がダメージを与えた先端部をパージ。侵食型オブリビオンの力として、再び刃を再成形。
「確かに、その対処は正しいけど……これは見た事ないでしょう!?」
 パージされ、液体金属が付着した刃の先が、そのまま、一気に液体金属で覆われ、水晶色の刃となる。
「食らいつけ!変幻自在のメルクの力、読み切れると思わない方がいいわよ!!!」
 《グラール・フォーシス》によって完全に水晶色になった刃が、お返しとばかりに速度を持って、『HighS』へと突き立つ。場所は、コックピットの近く。

『――――!?!?!?!?!?』
 まるで断末魔のように、蟲の叫びが響く。UC《グラール・フォーシス》の能力は、敵の部位を喰らう事で、弱点に対応した外装及び武装に液体金属が変化するというものだ。
 そして今回の『HighS』は、侵食型オブリビオン。つまり、突き立った刃は、逆浸食の能力を有していた。コックピット周りがドンドン、液体金属の水晶色へと変化してゆく。どうにかその浸食を抑えようと、たまらずたたらを踏んで、己のコックピット部に刃を向けようとする『HighS』を見て、
「今!」
 サエが叫んだ。
「了解!!」
 カシムが答えた。
 
 一直線に『HighS』を上空より強襲。<BX鎌剣『ハルペー』>が、脆くなったコックピットの装甲を切り裂く。そしてその場で一回転し、今度は切り裂いたコックピットに右腕を叩き込んだ。
 

 静寂。

 ややあってから、スルリと滑らかな、それでいて慎重な動きでメルクリウスの腕が引き抜かれる。その手の中には、取り込まれていた筈のパイロットが気絶して横たわっていた。液体金属の逆浸食によって、介抱されたのだ。
 宿主を喪って、ぐらりと『HighS』が一歩下がる。とはいえ、まだ完全に撃破された訳ではない。
 が。
「パイロットを確保した!離脱しましょう!」
「分かったわ!」
 カシムはパイロットを確保しており、サエもまた機体がダメージを受けている。 
 あとは仲間に任せようと、二人は一旦距離を取るのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

神元・眞白
【WIZ/割と自由に】
準備はまずまず。お相手の目星をつけて、キャバリアの調整も上々。
本番を想定してこちらも手はいくつか用意しておきましょう。
とはいえ必要な手を必要なだけ。引き出しは開けないに越したことはありません。

予選の状況は他の方も知っているでしょうし、機体を偽装しましょう。
セフィリカさんには悪いのですが、味方からとも言いますし。
外付け武装として貸出用のキャバリアに見せて、目立たないよう変装を。

周りに紛れながら皆を降ろしていって……こういう時にコンテナは便利ですね。
必要な際には多方向からの一斉掃射。魅医、その際は操縦を預けます。
それまでは他の機体に取り付いたり、瓦礫の陰にいてもらいましょう。


黒川・闇慈
「さてさて、お祭りも終わりにしましょうか。クックック」

【行動】
SPDで対抗です。
相手は高速戦闘を行ってくるようですので、お付き合いしましょう。
全力魔法、高速詠唱の技能を用いてUCを使用します。
アヴィケブロンに搭乗し、アヴィケブロンそのものを超アストラル体に転化させます。物理法則から解き放たれたこの状態ならば、高速戦闘にも対応できるでしょう。
乱戦の中で他の参加者の機体に接触しても、アストラル体ならばすり抜けることができますしね。機動戦の自由度も上がるでしょう。
アストラル光を収束し、レーザーとして発射して攻撃です。

「真理の光で貴方を骸の海に還して差し上げましょう。クックック」

【アドリブ歓迎】


「ごめんなさいね」
 戦いの終焉は、その言葉から始まった。
 場所は、アマランサスに乗って密集していた一般の大会参加者達。その内側、アマランサスに外装を偽装していた<CODE:パペッティーア>に乗る神元・眞白の言葉だ。
 誰に向けられたものか。
「敵を騙すにはまず味方から、とも言うし」
 そう、眞白がセフィリカの整備を手伝ったのは、『これ』の為でもあった。そう、
「アマランサスの、構造は大体把握できたわ」
 キュッとその手に備わった、不可視の『糸』が操られる。
 その瞬間、
「「「「「「「「「!?!?!?!?!?!?!?!?!?」」」」」」」」」
 眞白の周辺に存在した、全てのアマランサスが行動不能になった。
 アマランサスが他の猟兵達に夢中になっている間、密やかなにその操作系統をクラックしたのだ。

 皆に意識が向いてたからこそ、隠れてすべてのアマランサスをクラッキングする事が出来た。そのまま、膝をついたアマランサスのコックピットが開く。
「みなさーん!キャバリアが停止した以上はもう失格ですよね!?ですがまだキャバリアの戦闘は続いています!危険ですのでこちらにー!!」
 戦術器、<魅医>が声を張り上げる。あまりに突然の展開に、選手たちは言葉もないが、だからこそ少女の声に素直にしたがった。何せよ、そうするしかなかった のだ。
 眞白が降ろしたコンテナに、粛々と収容されていく。
 そしてそれを、看過するオブリビオンではなかった。
 
 パイロットが先に取り出されたからであろう。直線的な、けれどどこか獣じみた動きで人々の群に突き進んでゆく。
「クックックッ……私をお忘れで?」
 そしてそれを、今まで魔術的な光学迷彩で隠れていた黒川・闇慈の乗る<アヴィケブロン>が押し留めた。
 《最速保持機『HighSpeed』》が、最速の一撃が、アヴィケブロンを真っ二つにしようと迫り来る。
「ああ、それは当たったら痛そうですが、しかし。パイロットが居なくなった事で、全力を発揮するのは難しいようですね。クックックッ」
 言葉と共に、〈72式複合立体型詠唱重加速紋〉が作り出した多重防御魔法陣が、ガラスが割れるような音をさせてその一撃を防御する。
『――――!』
 ギチギチギチと、己の苛立ちを示すような音がして、『HighS』が、行動不能に陥ったアマランサスの群へと隠れる。

「クックックッ。飛んで火に入るなんとやら……さぁ『無(む)から無限(む)へ。無限(む)から無限光(ゆう)へ。流れ出て王冠を成せ。星幽よりきたる真理と共に、我は王冠を掲げ、栄光たる王国へ至る巨兵なり。なれば頂きの座に就いたならば、汝ら不浄が座すべき場所など在りはしない。――Hekas, hekas este, bibeloi―――』」
 《王国に至れ真理の王冠/エメス・ケテル・マルクト》が降臨する。光り輝く超アストラル体へとその身を転換したアヴィケブロンが、無数に座り込むアマランサスなどまるで存在しないかのように、『HighS』へと突撃する。
 
 そして実際、アヴィケブロンの前に、アマランサスは存在しないに等しかった。
『―――!?!?』
 ギギ、と蟲の不快な驚きの声が響く。
 立ちふさがるアマランサスを、アヴィケブロンが『すり抜けていた』。
 そのまま、超アストラル体の体がぶつかる。敵対存在にだけ物理的な影響を持つというまさに理不尽な形態は、確かに『HighS』を吹き飛ばした。
 しかし、敵もさるものである。パイロットすら救出され、後は己の討伐でパイロットを正気に戻すのみという状況でありながら、未だに高速機動用の機体である己の強みを喪っていない。
「む……」
 そう、高速移動だ。素早く四肢を活用し、不動のアマランサス達をまるで木に見立てて、高速移動を開始した。

「これはこれは……」
 たしかに、アヴィケブロンはアマランサスをすり抜けて動くことが出来る。アストラル体の体も高速戦闘には対応しているだろう。
 翻って、黒川・闇慈自体はどうだろうか?
「一応、デスクワーク主体なのですよねぇ」
 そういう事であった。超高速で動くオブリビオンに、超高速で近寄って近づいて殴る。それなら可能だ。だが、そこに三次元軌道が合わさったなら、即座に対応するのは難しい。
 勿論多重展開魔術式陣による自動照準機能でアストラル光を四方八方にブチかまし、『HighS』を捉える事は可能だ。
 しかしそれは、
(コンテナもある事ですし)
 悪手である。一般の決勝参加者を満載したコンテナにだって被害が及びかねない。
 そうやって攻めあぐねている内に、敵が次の手を打って来た。
「ム?」
 高速移動する際に、僅かにアマランサスを切り付けている。なるほど。それで他の機体も侵食してオブリビオンマシンを増やそうという魂胆なのだろう。
 事ここに至って、闇慈は満足した風に頷いた。
「クックックッ……停止したアマランサスを、『自分が利用出来る程無防備だ』と油断しましたね?神元さん?」
「ええ……『皆、行って』」
 眞白の静かな言葉と共に、今まさに『HighS』が掴んで枝としたアマランサスが急に起動し、その足を掴んだ。
『!?!?!?!』
 そして他の『枝』に跳ぼうとした『HighS』がそのまんまつんのめって倒れた所に、周囲のアマランサスが一斉に飛び掛かった。

 そもそも、『一体誰が、アマランサス達を停止させたのか』という事である。眞白である。人形師である。ならば、《百器大波乱/センジュツキ・トニカクタクサン》を使えば、こう言った芸当も可能である。
 もしパイロットがまだ健在であったなら、奇襲に警戒を怠る事はなかっただろう。 
 しかし、脳に当たる部分は既に救出され、もはやこの敗北は必定であった。
 どうにかアマランサスの群から抜け出そうと藻掻く『HighS』に、アマランサスを通り抜け、悠々とアヴィケブロンが接敵する。
 その手のひらには、収束したアストラル光が。
「クックックッ……それでは、さようなら」
 押し付けられたアストラル光が、『HighS』本体を焼き尽くしてゆく。
 それと同時、僅かながら浸食を受けていたアマランサスの機体達の浸食も止まり、光が収まったころには、もはやボロボロとなったアマランサスが、そこには存在した。
 オブリビオンを撃破して、アマランサスの群から離れ、アヴィケブロンもまたアストラル状態を解除する。
 奇妙な沈黙があった。他の猟兵達も離脱して、残るは、眞白と闇慈のみ。両者の機体が対峙する。 
 ややあって、眞白がコックピットを開いた。
 そのまま両手を上げて、
「降伏します」
 試合が、終了した。


―――なななな、なんという事でしょう!!!優勝は‼‼黒川・闇慈の乗るアヴィケブロン!アヴィケブロンです!あまりにも途中で超常現象染みた展開が連発したため私も実況の口が止まるという大失態を犯してしまいましたが!みなさま!どうだったでしょうか!?彼を応援した方は億万長者になる覚悟は出来ましたか!?
 新たな勇者に拍手を!そして戦い抜いたすべての選手に万雷の喝采を!どうか!!!!!―――

 アナウンサーの言葉に一拍置いた後、観客たちの喝采が響き渡る。
「さて、どうしましょうか」
 図らずも手に入った賞金を、まずは猟兵達と山分けする事を、考えるのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年08月09日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵