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アークライト・ミッション [首都攻略戦 PHASE2]

#クロムキャバリア #アークライト・ミッション #アンサズ地方 #アークライト自治領 #エルディスタン連邦共和国

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●戦乱の原因
 クロムキャバリア世界の一地方、アンサズ地方の内陸に位置するエルディスタン連邦共和国は、元々国軍を軍閥が牛耳っていた。彼らは国内の重工業企業や議会における一部の議員と軍産複合体を形成しており、AI技術の研究が進むにつれて、先端技術研究機関も取り込んだ結果、いわゆる軍産学複合体として政治的な発言力を持つようになっていった。

 現職の大統領であるボリス・アダムスキーは、その軍閥に対する反対勢力によって擁立され、軍閥派の政党が擁立した候補と2018年に行われた大統領選挙で争い、勝利した。議員時代よりリベラルな政治姿勢で知られていたアダムスキー大統領は、当選すると同時に隣国のアークライト自治領とウィルバー連合王国にて計画されていたアンサズ連合構想への参加を表明。ヒト・モノ・カネの3つの自由流通や連合参加国家の安全保障、科学技術の共同研究などといった宥和政策は、戦乱の続くクロムキャバリアにおいて平和への萌芽となるはずだった。

 しかし、このアンサズ連合が成立するのは軍閥にとって都合が悪かった。周辺国家で戦争が起こっている状況下でこそ、軍閥が政治的な発言力を持つことができるのだ。また、戦争状態下における雇用の創出や兵器の購入などで経済を回す戦争経済の確立など、軍閥は戦争状態こそが国家の発展が行われる状態であると考えていたのである。

 そして、2020年夏。エルディスタン国立先端技術研究所が開発した世界情勢解析兼作戦立案AI「セヴィディネ」が軍閥にもたらされる。これが全ての始まりだった。セヴィディネは様々なデータをもとに軍閥の思想に従うことが国家発展に繋がるという判断を示し、次いで軍閥によるクーデターを立案。自身が蓄積した各種ビッグデータからアダムスキー大統領の人格データを再現し、大統領を「演じる」。そして民衆や他国にクーデターの事実を一切悟らせずに、密かに大統領を暗殺し、任期終了後は架空の大統領を据えつつ、裏で軍閥が政治権力の一切を取り仕切るという計画だった。

 実は、セヴィディネは起動試験の際にオブリビオンマシンに接続してしまっていたのだ。オブリビオンマシンによって思考ロジックを書き換えられたセヴィディネは軍閥の思想を体現すると同時に、ズヴェズダ山脈の無人キャバリア工廠にてオブリビオンマシンの生産体制を整える。加えて、国籍を秘匿した無人キャバリアによる周辺国家の偵察と戦闘学習を行い、交戦相手のキャバリアのデータを収集、オブリビオンマシンとして自国で再生産することで、戦力の拡充と自己複製を行ったのだ。こうして、セヴィディネはオブリビオンマシンのAIネットワークの中に溶け込んでいく。やがてそれはエルディスタンの軍事および民間のコンピュータネットワーク上に拡散し、クラウドAIとなって、その演算能力を大きく向上させた。

 一方、大統領はクーデターの計画を密かに察知し、密命を受けたピョートル達フラッグフォースや軍内部の反軍閥派の軍人たちによって護衛を固める。結局暗殺は失敗し、大統領は辛くも地下に逃れたが、フラッグフォースの隊長であるピョートルはその最中軍閥に捕らえられ、セヴィディネの手によってオブリビオンマシンの生体CPUとして利用されてしまう。そして、セヴィディネはアークライト自治領に目をつけた。セヴィディネの技術を応用したAIが搭載される予定だった竜型キャバリア、開発コード「エッグパック」を乗っ取るべく、地下鉄網襲撃事件を起こしたのである。当時、エッグパックに搭載されたAIは試作段階であり、攻撃を受けると自己防衛ロジックが働き暴走する。あわよくばエッグパックの暴走でアークライト自治領に打撃を与えられる上、エッグパックが手に入れば自国のキャバリア技術の向上にもつながるという軍閥の目論見もあった。

 ところが、軍閥もセヴィディネも予想だにしていない事態が発生した。クロムキャバリア世界がグリモアベースに発見され、異世界の存在・猟兵達の来訪を受けたのである。しかも、グリモア猟兵であるジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵/開発コード[Michael]・f29697)は、来訪と同時にアークライト自治領と接触。早々に協力体制を確立してしまったのだ。地下鉄網襲撃は失敗、クーデターの事実も露見した。そして、ピョートルがアダムスキー大統領率いる亡命政府に奪還され、今や彼らの命運は風前の灯火となっている。

 猟兵の登場こそが、エルディスタン軍閥の計画を狂わせてしまった原因だったのだ。

●首都攻略戦、第2段階
「……と、いうことが尋問の結果判明しました」

 すべての真相を語り終えたジェイミィは、そこでようやく言葉を切る。

「首都防衛戦の指揮をとっていた司令部以下、軍内部における軍閥派は一兵卒に至るまでほぼ全員が投降しています。しかし、軍閥上層部直属の部隊がまだ最後の抵抗を続けているのが現状です。現在、彼らは大統領府と併設されたエルディスタン議事堂を占拠しており、亡命政府が再びエルディスタン全土の実権を取り戻すためにはこの2つの施設の奪還が急務です」

 逆に言えば、この2つの奪還さえ果たされれば、この戦いは真に終結を見る。そして、もう一つの懸念事項であるエルディスタン軍閥が擁する世界情勢解析兼作戦立案AI「セヴィディネ」の解決方法もすでに見いだされていた。

「セヴィディネが接続したオブリビオンマシンは、現在議事堂を占拠した部隊の指揮を執っている『アルシェドール』という指揮統制用キャバリアです。オブリビオンマシンを撃破することでパイロットが正常に戻る理屈はご存知かと思いますが、セヴィディネのロジックもアルシェドールを撃破することで正常化することが可能です。唯一の違いは、コクピットブロックを残すのではなく完全破壊が条件となっている点でしょうか」

 セヴィディネは自身をクラウド化しているものの、アルシェドールとのリンクは切れていない。逆に言えば、アルシェドールの破壊を行えば、それをトリガーにコンピュータネットワーク上に偏在するセヴィディネ全てがオブリビオンマシンの影響下から脱出できるのだ。

「現在、タスクフォースとエルディスタン亡命政府のフラッグフォースによる大統領府攻略部隊がアークライト自治領にて編成されています。もちろん、猟兵の皆さんにも攻略作戦への参加が呼びかけられています。議事堂の奪還を果たし、なおかつアルシェドールを撃破して、軍閥の野望に終止符を打ちましょう」

 軍閥直属部隊はいずれも精鋭であり、Sk-29「グローザ」のカスタムモデルを駆る。また、アルシェドールは性能が突出しており、この両者によって少なからぬ出血を強いられることになるかもしれない。だが、裏を返せばこれが現在のエルディスタン軍閥政府の全力でもある。

 作戦内容はシンプルだ。正面から交戦し、アルシェドールを撃破する。加えて、全員生還が条件である、と司令部より言い渡されている。

「この戦いの結末は皆さんの双肩にかかっています。ワートホグ隊、アークトゥルス隊をはじめとしたアークライト自治領タスクフォースの方々と、フラッグフォースの皆さんと共に、けりをつけましょう」

 グリモアが起動し現地へのポータルが開く中、ジェイミィは改めて皆を見回した。そして、ただ一言告げる。

「出撃!」


バートレット
 どうも、バートレットです。

 長きにわたるアークライト・ミッションもいよいよ最後のエピソードとなりました。アンサズ地方を舞台にしたシナリオは今後も出る可能性はありますが、まずはこれで一旦ピリオドとなります。半年以上もの間続いた戦いの終止符を、皆さんの手で打ちましょう。

 第1章では、議事堂と大統領府を占拠した軍閥派のキャバリアとの交戦となります。アークライト自治領タスクフォースと、エルディスタン亡命政府大統領直属部隊「フラッグフォース」と共闘して、軍閥派のキャバリアを突破しましょう。なお、軍閥派のキャバリアは全て有人機です。「オブリビオンマシンの抱かせる思想とパイロットたちが元々抱いていた思想が一致している」という状況ではありますが、パイロットの殺害はなるべく避けることをおすすめします。

 第2章は、AI「セヴィディネ」が操る機体「アルシェドール」との決戦です。相応に性能が高い上に、セヴィディネのクラウドAIとしての演算能力は飛び抜けて高く、苦戦が想定されます。なお、アルシェドール戦においては「敵機の完全破壊」を推奨します。

 第3章では、平和を取り戻したアークライト自治領で終戦記念式典が開かれます。式典では皆さんの活躍が讃えられ、勲章が授与されます。式典までの間少しだけ時間があるので、思い思いの行動をとると良いでしょう。また、要請があればグリモア猟兵のジェイミィやタスクフォースの面々と一緒に行動することが可能です。グリモア猟兵やタスクフォースの面々の登場を希望する場合はプレイングに記載をお願いします。

 なお、タスクフォース及びフラッグフォースは以下の形で猟兵を支援します。

 ・ワートホグ隊(ワートホグ1~12)/フラッグフォース(ゼニート1~8) キャバリアによる直接戦闘。いずれも高性能キャバリアに搭乗しているため、ユーベルコードこそ使用できないものの高い戦闘能力を持つ。ただしボス敵に対しては彼ら単独では押し負ける。
 ・アークトゥルス隊(アークトゥルス1~12) 電子戦や偵察による支援。ユーベルコードは使用できないが支援能力は抜群。直接戦闘は不得手。
 ・ジャンガリアン隊 施設の制圧。議事堂や大統領府の直接占拠は彼らが行う。

 第1章はOP公開後、すぐに受付を開始します。募集状況は随時タグにてお知らせします。

 それでは、皆さんのアツいプレイングをお待ちしております!
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第1章 集団戦 『Sk-29『グローザ』』

POW   :    物量作戦
敵より【数的優位性を保っている】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
SPD   :    包囲殲滅
【敵陣突破】から【後方へ展開する戦術的機動】を放ち、【包囲攻撃】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    反応装甲
対象のユーベルコードに対し【爆発反応装甲を起爆し、生じた破片と衝撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シル・ウィンディア
ここで決着か…。
みんなの為…。とは言わないけど、少しでも被害を少なくできるように頑張るっ!

敵は重装甲防御型。
こちらは高機動型だから、立ち回りに気を付けたら…。

推力移動で動き回りつつ、ホーミングビームで牽制の誘導弾を撃っていくね
回避した敵は、ツインキャノンとランチャーの狙撃モードで撃ち抜いていくよ

敵攻撃は、第六感で殺気を感じて、敵機の動きを見切り、瞬間思考力で回避かオーラ防御を最適に判断し実行

回避は、三次元での空中機動に残像も生み出しての攪乱機動

近接間合いになったら、セイバーで腕部・武装・脚部を切断っ!

攻撃しつつも、15秒魔力を溜めて、空中からの《指定UC》での範囲攻撃だね

コックピットは避けるよ



●最後の出撃
「ここで決着か……」

 地下鉄網襲撃事件以来、アークライト自治領を巡る多くの戦いを経験したシル・ウィンディア(青き閃光の精霊術士・f03964)は、愛機「ブルー・リーゼMk-Ⅱ」の機体の中で感慨深げに呟いた。

「全部終わせたいもんだねぇ。しかし今思い返せば、この戦争、悪いことばかりじゃなかったよ。教え甲斐のある子の成長を見れたんだから」
「ありがとう、キュウビさん」

 横に並び立つのはワートホグ3番機、紅一点のキュウビ。青いブレイジング・バジリスクを駆る彼女も、地下鉄網襲撃事件以来の付き合いだった。

「みんなの為……とは言わないけど、少しでも被害を少なくできるように頑張るっ!」
「その意気だよお嬢ちゃん。さぁ、行くよ!」

 先陣を切って2機のキャバリアが飛び出す。行く手に見えるのは古めかしい議事堂を前に、武器を構えるエルディスタンのグローザだ。重装甲の防御型であるから、高機動型のブルー・リーゼは撃ち合いになれば押し負けてしまうかもしれない。

「だから、立ち回りに気をつけないと……とにかく動き続けることが大事だね」

 ブルー・リーゼ自慢の高速機動で動き回りながら、ホーミングビーム「リュミエール・イリゼ」を次々と放つ。牽制目的の一撃だが、当たればそれなりのダメージも期待できる。

「来たか! 最小限の動きで回避しろ!」
「ホーミングレーザーは着弾タイミングを見極めれば回避は容易い!」

 ぎりぎりまで引きつけて、最小限の動きで降り注ぐ光条を回避するグローザ隊。しかし、回避した先に待っていたのは強烈な砲撃であった。

「そこだっ!」

 ツインキャノン「テンペスタ」とビームランチャー「ブラースク改」から放たれるビームが1機のグローザの装甲を貫く。脚の関節を撃ち抜かれ、バランスを崩して倒れ込んでしまう。

「ちっ、避けた先に砲撃を置いているか……回避は不規則方向に行え! 敵は高機動型だ、火力の集中は裏目になる。面制圧を意識して一斉射撃だ!」
「弾幕が分厚い……!」

 高度に気をつけつつ、三次元での空中機動に残像も生み出しての攪乱機動を試みるシル。しかし激しい弾幕を前に、徐々に避けるので精一杯になっていく。

「落ち着くんだよお嬢ちゃん! 弾幕は隙間が必ずある、そこを狙って一気に接敵するんだ!」

 キュウビのアドバイスを受けて、シルは落ち着きを取り戻した。意識を集中して、弾幕の隙間を探す。果たして、それはあった。均等に降り注ぐかに見えた弾丸の雨の中、やや散発的に弾丸が止む部分を発見したのだ。

「そこだっ!」

 シルはその中に飛び込んでいく。それを追うように弾丸の嵐が迫るが、シルの勢いが一瞬早かった。たちまちグローザのうち1機に肉迫する。

「しまっ……!」
「近づけばこっちのものっ!」

 腕部と武装、脚部を手にしたビームセイバー「エトワール」で斬り落とし、行動不能にさせてしまうブルー・リーゼ。ふと横を見れば、キュウビのブレイジング・バジリスクもビームライフルで容赦なく敵機を撃ち抜いている。

「うんっ、負けてられないね……!」

 魔力チャージ状況を確認すれば、15秒間分の魔力が溜まっていた。十分だ、とシルは判断して、再び距離を置き、空中へ逃れる。

「全砲門、リミッター解除……いっけぇーっ!」

 テンペスタとブラースクから放たれる魔力の奔流、ブルー・リーゼの大技「青の雷光」。その攻撃は複数のグローザの装甲を容赦なく溶かし、四肢を吹き飛ばさせるには十分であった。

 シルとキュウビの活躍で、早くも戦力が削られ始めた軍閥政府直属部隊は、それでも立て直しを図ろうと、統率を崩さない。激戦の予感に、シルは操縦桿を握る手に力を入れ直したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エメラ・アーヴェスピア
ま、ある程度は予想通りと言う訳ね
それならばそれでいいわ…これが最後だというのなら、きっちりと終わらせましょう
さぁ、猟兵の仕事を始めましょう?

まぁ、最後までメインの行動はオペレーターな訳だけれど
部隊数が多いから連携が取れるようにしっかりやらせてもらうわ
ただ、ちょっと仕込みがあるから今回は現場の近くでやらせてもらうわね
それとハッキングの対策も行うわ、相手が相手だから乗っ取りの可能性もある、それは防がないと
さらに戦力として【戦火に舞うは我が傀儡】、現場の…特に猟兵以外の援護をメインに立ち回らせるわ
全員で生きて帰るのでしょう?油断は無しよ

※アドリブ・絡み歓迎



●オペレーターの矜持
 アークライトを巡る戦いを全て見届けてきたエメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)にとって、この真相はある程度予想通りだったと言えよう。

「それならばそれでいいわ……これが最後だというのなら、きっちりと終わらせましょう」

 ゴールは既に見えている。で、あるならばエメラはいつも通りに、猟兵の仕事を行うだけだった。

「おっ、来たなエメラ。今回もオペレーターか」

 戦場に赴けば、顔なじみのタスクフォース隊員であるワートホグ4、TACネーム「ナイフヘッド」から声をかけられる。

「しかし今回は随分と戦場に近い場所に陣取ったな?」
「ちょっと仕込みがあるからね。まぁ、今回は前回ほどでは無いにせよ、参加部隊数も多いことだし、連携が取れるようにしっかりやらせてもらうわ」
「ありがたい限りだ」

 早速、アークトゥルス隊の面々がデータリンクを要請する。エメラはこれに応えて、アークトゥルス隊の情報を全部隊に広げた。

「こんなに優秀なオペレータがアークライトに助力していたとは……」
「道理で、軍閥側が苦戦する訳ですね……」

 エルディスタン亡命政府直属部隊「フラッグフォース」の隊長、ゼニート1ことピョートルは、腹心であるゼニート2と共に感嘆の声を上げる。その手際の良さには舌を巻くばかりだった。

「ハッキングの対策も行うわね。今回、相手が相手だから」
「あぁ、こっちも手伝うぜ」

 アークトゥルス9以下、アークトゥルス隊のEWACオブシディアン乗り達の協力もあり、各キャバリアのネットワークに論理防壁や通信プロトコルの暗号化など、様々な対策が施されていく。今回はクラウドネットワークに溶け込んだAIが相手ということもあり、電子戦対策も万全を敷いておく必要があるだろう。

「乗っ取りの可能性もあるしね……それは防がないと」
「敵さんがAIってんだろ? しかもクラウド化されてるって話だ……っつーか地下鉄の騒ぎを食い止めてなきゃアンサズ地方中に問題のAIが拡散しちまってたってわけか、今思えば寒気がするぜ」
「元々エルディスタン由来のAIを積んで運用試験をしていたしな……有人機に計画が切り替わって本当に良かった」

 会話に割り込むのはワートホグ1だ。愛機がもしかしたらアンサズ地方、ひいては世界に破滅を振りまく存在になっていたという未来を思い、かつてエッグパックと呼ばれた機体──シルバードラグーンのコンソールを優しく撫でる。

「そうならないための私達よ。さぁ、そして今回私達が防ぐのは誰かが死ぬこと。全員で生きて帰るのでしょう? ならば、油断は無しよ」

 ワートホグ隊、アークトゥルス隊、フラッグフォースの援護のため、エメラが召喚するのは量産型魔導蒸気鋼鉄騎兵。自律行動が可能であり、なおかつエメラの意を汲んで行動する彼女の腹心である。

「あぁ、全員生き残るぞ! ワートホグ隊、エンゲージ!」
「もちろんだ、皆で生きてこの国を取り戻す! フラッグフォース各機、エンゲージ!」
「アークトゥルス隊、ブレイク! さぁ、始めるぞ!」

 3人の隊長の号令一下、ワートホグ隊、アークトゥルス隊、フラッグフォースの面々は次々とグローザを屠るべく動き始めた。いずれも精鋭揃いのキャバリア隊が、グローザ達の連携を崩し、卓越した動きで追い詰めていく。

 エメラは彼らに戦闘状況を逐一伝えながら、今回の主要ターゲット──セヴィディネの登場に備えるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジェイ・ランス
【SPD】※アドリブ、【ワンダレイ】連携
■心情
人類に反旗を翻したAIかあ。なーんか身内と似た感覚を感じるけどまあ、容赦はできないかなー
にしても、それに賛同する輩がまだいるとはねえ。ちょっと「主砲」でお仕置きかな?
っと、援護はするから、トドメはよろしくなー

■戦闘
レーヴェンツァーンに搭乗。後方から【情報収集】しつつ全武装を【一斉発射】、【制圧射撃】を行います。
武器は"光線"、"機関砲"、"砲塔"。そしてUC。これらに【誘導弾】を付与。UCは直撃を避けつつ、敵機体が制御不能になるように放ちます
防御として熱光学【迷彩】に【ジャミング】、【地形の利用】を行いつつ、重力障壁(オーラ防御)で切り抜けます。


ヴィリー・フランツ
6人【ワンダレイ】リリー先生f30386 メンカルf08301 ランスf24255 バルタンf30809 教皇の嬢ちゃんf32263
理由・心情:全員生還、カイゼル機了解だ!お財布握り締めて待ってろよ!

新機体、高機動型のML-TC タイフーンカスタムで出撃!【熟練操縦士】を発動し機体性能の底上げも図る。

戦闘は主に一六式自動騎兵歩槍による射撃、付近の建築物を盾にしながら応戦するぜ。
隙を見て盾を構えて接近、マチェーテによる切り込み、物量に押し潰される前に突破を図る。

作戦通りならメンカルの雷とリリー先生の特殊ミサイルで敵の動きを止め、そこをランスの援護砲撃の下バルタンと教皇の嬢ちゃんと共に攻撃予定だ。


バルタン・ノーヴェ
【ワンダレイ】POW アドリブ連携歓迎!

ラスボスの前の残党制圧でありますな!
まっすぐ行ってぶっ飛ばす! オーダー了解!
バルタン・ノーヴェ、スコール。参りマース!

リリー先生、メンカル殿、ジェイ殿……。凄まじい支援をいただけマスネ!
皆様の支援発動時間を稼ぐべく、先陣を切らせていただきマース!
スコールを駆って駆け回り、RS武装やフォースセイバーで縦横無尽にかく乱デース!
合図が届けば「六式武装展開、煙の番!」煙幕に乗じて後ろにバックしマース!

その後は仲間たちの援護が効いているのを確認して、反転!
行きマショー、ヴィリー殿! フレスベルク殿!
UCで生えたパイルバンカーを構えて、全力で突っ込むであります!


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【ワンダレイ】【SPD】
※別称を好む、『バルたん』呼び
※『ナインス・ライン』搭乗

よもや『オブリビオンクラウド』とはね
コレ、殲禍炎剣暴走の考察材料にもなりそう?

でもまずは頑張って稼ぐよっ、ヴィリーさん♪
凄い雷鳴…雑魚は極力不殺だよ、ジェイさん

足止めから一気に攻める為
DA42号【ピースフル】で時間稼ぎさ
背部コンテナ展開、追加ユニット装着・浮遊

思念波制御ミサイルの中身は無力化用人工ウイルス
味方に(暗号で)命中後数秒下がる様に通告したら発射
ドレだけ離れても、精一杯隠れても当てるよっ

命中・感染した機体の人員とレーダーは一定時間沈黙
OK、今の内にメンカルさんお願い
バルたんにフレスベルクさんも、出る準備をっ


フレスベルク・メリアグレース
【ワンダレイ】
オブリビオンクラウド……成程、脅威ですね
しかし、かのAIを撃破すればアンサズ地方に平和が戻るという事ですね
教皇直属騎士団、総員傾聴。今回の作戦はオブリビオンマシンの影響を受けた世界情勢解析兼作戦立案AI「セヴィディネ」の汚染をオブリビオンマシンの本体を完全破壊する事で断ち切る事
故にワンダレイの同士とアンサズ地方のメンバーと共にかのマシンを撃破するのです

演説が終わった直後にドクターのジャマ―が完遂すると同時、グローザの四肢から過去に刻まれた斬撃が浮かび上がり無力化していく
これこそ教皇級帰天の一つ、消えざる過去の刃
メリアグレース聖教を奉じる者よ、我が背後に続きなさい!


メンカル・プルモーサ
【ワンダレイ】で参加
試作型術式騎兵【ツィルニトラ】に搭乗
さて……最後に元凶を倒さないとか…AIは人類に反旗を翻してこそ一人前とか実家の爺共は言って居たけど流石にはた迷惑だな…

まずは軍閥派のキャバリア達を倒さないとだね…じゃ、少しの間足止めを宜しく…
…リーゼロッテの合図に合わせて重奏強化術式【エコー】で効果を高めた【連鎖する戒めの雷】を発動…
…ツィルニトラの力により機体規模に拡大された雷鎖をグローザ達に伝播させて縛り上げるとしよう…
…雷で出来た鎖だから反応装甲も無意味…しばらくは動きを止めるから…
じゃあ、トドメを宜しく…たーまやーとでも言えばいいのかな……



●ワンダレイ隊、最終決戦の地へ
 首都攻略戦で活躍した猟兵の部隊であるワンダレイ隊。その勢いのまま、議事堂と大統領府の奪還作戦になだれ込んでいく。メンバーは前回独自に行動を取っていたメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)を加えた6名だ。

「さて……最後に元凶を倒さないとか…AIは人類に反旗を翻してこそ一人前とか実家の爺共は言って居たけど流石にはた迷惑だな……」

 そんなことをぼやくメンカルが乗っているのは、前回搭乗していた装甲車エンバール……ではない。試作型術式騎兵「ツィルニトラ」は、メンカルがキャバリアを解析しアルダワ世界の技術で作り上げた蒸気駆動の人型機動ガジェットだ。クロムキャバリアにおける分類に当てはめるならばサイキックキャバリアとなる。

「人類に反旗を翻したAIかあ。なーんか身内と似た感覚を感じるけどまあ、容赦はできないかなー」
「よもや、ネットワークの中に偏在する、オブリビオンの影響を受けてしまったAIとはね……『オブリビオンクラウド』とでも呼べばいいのかな」

 暴走したセヴィディネにそれぞれ感慨を抱くのはジェイ・ランス(電脳の黒獅子・f24255)とリーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)。ジェイの正体はかつてキマイラフューチャーで作られた防衛AI群のひとつだったが、その防衛AI群の別の1体はオブリビオンと化していた経緯がある。今は転生を果たした「彼女」を想い、軽い口調とは裏腹に表情を引き締めていた。

 一方、リーゼロッテはクラウドネットワークに溶け込んだセヴィディネを「オブリビオンクラウド」と表現した。クロムキャバリア世界の上空で存在感を放ちつつ、未だ謎に満ちた存在である暴走衛星の殲禍炎剣。その暴走の原因を考察する上でのヒントになるのかもしれないと、彼女は考えている。

「オブリビオンクラウド……成程、脅威ですね。しかし、かのAIを撃破すればアンサズ地方に平和が戻るという事ですか」

 リーゼロッテの呼称が的を射たものであると頷くフレスベルク・メリアグレース(メリアグレース第十六代教皇にして神子代理・f32263)。メリアグレース教国はアンサズ地方からは遠く離れた地の国家でありながら、戦乱の続くクロムキャバリア世界で生まれた平和への萌芽を摘ませるわけにはいかないと、この紛争への介入を続けている。

「ともかく、ラスボスの前の残党制圧でありますな! まっすぐ行ってぶっ飛ばす! オーダー了解!」
「おっと、全員生還ってとこも忘れちゃならねぇ。さぁて、お財布握り締めて待ってろよ!」

 バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)とヴィリー・フランツ(スペースノイドの傭兵・f27848)が、皆の意識を当座の相手である軍閥直属部隊に向けさせた。バルタンとしては、ともかく一兵卒として完璧なパフォーマンスを披露するのみと意思を固めている。一方、ヴィリーには変化があった。テンペスト社が送り出すキャバリアシリーズ「タイフーン」のハイエンドモデルである「タイフーンカスタム」。指揮官の搭乗を想定した高機動型だ。この戦いをデビュー戦と定め、ヴィリーは操縦桿を握る手に力を込めた。

「教皇直属騎士団、総員傾聴。今回の作戦はオブリビオンマシンの影響を受けた世界情勢解析兼作戦立案AI「セヴィディネ」の汚染をオブリビオンマシンの本体を完全破壊する事で断ち切る事。故にワンダレイの同士とアンサズ地方のメンバーと共にかのマシンを撃破するのです」

 メリアグレースの教皇直属騎士団に向けて演説を行い、士気を高めるフレスベルク。その演説が終わるか終わらないかのうちに、ジェイの駆るレーヴェンツァーンが擁する武装を一斉に構える。

「ちょっと『主砲』でお灸を据えてやるか。射線上の味方機、全員退避をオススメするぜ! 流れ弾に当たったらちっとばかしマズいことになるからな!」
「おぉっと、そいつには俺たちも混ぜてもらおうか!」
「いいねぇ、派手に行くかぁ!」

 そこに現れたのはアークトゥルス隊のウォッグ小隊。彼らも内蔵ミサイルで援護が可能だ。ジェイと息を合わせて一斉に射撃武装を放ち、目の前を弾丸と光線、ミサイルの嵐で埋め尽くす。もちろん、敵機に直撃弾が行かないように緻密に計算されており、混乱の只中に放り込まれた軍閥直属部隊は右往左往するばかり。

「この嵐の中、できる限り皆さんの準備のため時間稼ぎをするであります! ゴー、スコール!」

 バルタンのスコールはその中を縫うように縦横無尽に駆け巡りながら、RS武装やフォースセイバーで次々と一撃離脱を繰り返す。凄まじい機動力が実現する攪乱戦法の前に、グローザ部隊の混乱に拍車がかかった。

「飽和攻撃だ! 加えて四足がこっちに突っ込んでくる!」
「くそっ、応戦しろ! 何という火力と機動力だ……!」

 泡を食って応戦を始めるが、突然の弾幕の嵐とスコールの大暴れの前に連携が乱れる。それを好機とばかりにリーゼロッテが次なる一手を打った。

「ナインス・ラインより戦闘中の各機、間もなく『平和』は訪れる。繰り返す、間もなく『平和』は訪れる!」

 それは一種の暗号だった。ワートホグ1はこれに呼応して全機に一時撤退を命じ、ワートホグ隊、フラッグフォースの両方が潮が引くかの如く後退を始める。これを支援するのはバルタンのスコールから放たれる煙幕だ。戦闘中の全機が下がったのを確認すると、リーゼロッテは満足気に頷く。

「人工ウイルス、活性化ヨシ。さぁ、アンサズ地方の『平和』を祈願して……レッツゴー♪」

 DA42号「ピースフル」。超高機動・超高精度の思念波制御ミサイル群が浮遊ユニットより放たれる。その中身はレーダージャミング効果と敵の思考を抑制する効果を持った無力化用人工ウイルスだ。もちろん、暗号を利用した通信で味方を下げることも忘れない。ジェイが追加で放ったジャミングも相まって、すでに敵の連携はズタズタだ。各個に行動を余儀なくされた状況では、機体性能の高いタスクフォースやフラッグフォース、猟兵部隊の側が圧倒的に有利となる。

「これほどリーゼロッテが味方で良かったと思ったことはないな」
「フフン、闇医者なめんなってことよ」

 フラッグフォースのリーダー、ピョートルが感嘆の声を漏らす中、リーゼロッテは得意げに笑い、メンカルに準備OKのサインを出す。

「足止めサンキュー……じゃ、縛り上げるとしようか……」

 重奏強化術式【エコー】で効果を高めた上で放たれるメンカルの大技、「連鎖する戒めの雷」。周囲に無数の魔法陣を展開させ、そこから放たれる雷で出来た鎖はグローザに次々と伝播し、捕縛して動きを止めていく。すでに動くことも、仲間と通信して助けを呼ぶことすらもできなくなったグローザたちは、もはや木偶人形と呼べる状態だ。

「じゃあ、トドメを宜しく……」
「バルたん、ヴィリーさん、フレスベルクさん、ガツンとやっちゃって!」

 趨勢は決する中、まず動いたのはフレスベルクだ。いや、動いたという表現は正しくないだろう。何故ならば、彼女のキャバリア「ノインツェーン」は腕をかざしたのみ。グローザの四肢から過去に刻まれた斬撃が浮かび上がり、次々と自らの四肢が損傷していく。

「これこそ教皇級帰天の一つ、消えざる過去の刃」

 メリアグレース教皇の起こした帰天の効力に、聖騎士団たちは大いに士気を高める。それを後押しするように、フレスベルクは告げる。

「メリアグレース聖教を奉じる者よ、我が背後に続きなさい!」

 そこから先は、戦闘と呼ぶにはあまりにも一方的であった。メリアグレースの聖騎士団が一気に前進し、動けなくなったグローザからパイロットを引きずり出し、捕縛していく。

「とどめ、頂きマース!」

 バルタンのスコールが繰り出すパイルバンカーが、グローザの腰から下を吹き飛ばす。間違いなく撃墜数はトップクラスだろう。

 そして、ヴィリーの操るタイフーンカスタムが、戦場の只中へと飛び込んでいく。

「火器管制システムオンライン、センサー・駆動関係異常無し、全システムオールグリーン、よーし……ワートホグ1、ゼニート1、決めに行くぜ!」
「ワートホグ1了解! カイゼルの新たな機体の力、見せてもらおう!」
「ゼニート1、了解! 2人共遅れるなよ!」

 ペーパーバックのシルバードラグーンと、ピョートルのモノアイ・ゴーストがタイフーンカスタムの後に続く。3人の機体は機動力に優れており、未だ反撃の意思を見せるグローザの破れかぶれの一撃を次々と回避していく。

 一六式自動騎兵歩槍による射撃によって的確に装甲の薄い部分に弾丸を集中させるタイフーンカスタムは、そのまま距離を詰めて盾を構えて接近、マチェーテによる切り込みを行う。シルバードラグーンとモノアイ・ゴーストも、それぞれの獲物で接近戦を仕掛け、1機ずつ確実に無力化を行っていった。時折互いにカバーし合いながらも、個々に敵機を確実に撃破する技は、彼ら3人が熟練のエースパイロットだからこそ成せる事。もちろんその間にも、ジェイのレーヴェンツァーンとウォッグ隊が作り出す弾幕が絶やされることはない。

 猟兵とタスクフォース、フラッグフォースの面々による有機的な連携。その前に、軍閥上層部直属部隊はその戦力の大半を失陥するという大敗北を喫するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『アルシェドール』

POW   :    突撃破砕魔導射撃
自身の【周囲に展開するLV*5個の砲撃ユニット】から、戦場の仲間が受けた【損害】に比例した威力と攻撃範囲の【魔法砲撃】を放つ。
SPD   :    近接防護魔導障壁
自身に【UCを吸収する魔導障壁】をまとい、高速移動と【UCを魔力に変換したLV個の精密誘導弾】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    諸兵科統合運用
【戦闘指揮システムの統制下にある戦力】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[戦闘指揮システムの統制下にある戦力]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ティー・アラベリアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●オブリビオンクラウド
「もはや、部隊は壊滅状態にあります!」
「……まだだ、まだ我々には『セヴィディネ』がある!」

 大統領府の地下シェルターで指揮を執る軍閥の指導者たちは迫りくる破局の足音を前に、それでもなお徹底抗戦の姿勢を崩さない。その理由こそ、彼らの陰謀を支えてきたAI「セヴィディネ」の存在にあった。

「そのとおりです。当プログラムが健在である限り、計画の遂行に支障はありません。当プログラムの操縦による『アルシェドール』の機体スペックは現在戦線に投入されているすべての敵機を凌駕します。加えて、残存する有人・無人すべての機体を私の制御下に置き、より確実な迎撃体制を敷きます」

 セヴィディネは自分が健在である限り、軍閥側に負けはないと豪語する。

「万事任せよう。大統領府に潜入した敵歩兵部隊の対処は」
「ネットワーク上に拡散させた当プログラムによる変動アルゴリズムによる暗号化ロックを防護扉に施してあります。突破のためにかける時間はスーパーコンピュータを使用したブルートフォース方式で理論上90年を要します。辞書式攻撃は事実上不能、私が消滅しない限りセキュリティの突破は不能です」

 歩兵部隊への対処も万全だった。事実、ジャンガリアン隊は暗号化電子ロックによって地下シェルターへの防護扉を破ることができていない。

「アンサズ地方は、エルディスタンを中心とした戦争経済による支配によって統一されるべきであり、それを妨げる勢力は排除すべきと当プログラムは結論しました」
「その通りだ、セヴィディネ。奴らはアンサズ地方の統一を妨げる。民心や世論などマスコミを改めて掌握してしまえばどうとでもなるのだよ」
「事実、一定の効果があったと認定しています。アンサズ地方統一はエルディスタン軍閥政府によって成されることが最適解です」

 セヴィディネの答えに、シェルターに集った軍閥上層部の男達はほくそ笑む。まさか、こうも簡単にセヴィディネが同調するとは思わなかった。本来であれば、セヴィディネのロジックを書き換えることを想定していたのだ。オブリビオンマシンという力がこうも簡単に軍閥に益をもたらすとは思わなかったのである。

 軍閥の操り人形と化したセヴィディネは、自らが駆るアルシェドールを発進させる。セヴィディネの演算ロジックにおいては、ただエルディスタンを発展させるための最適解を実現するために動いているに過ぎないのであった。セヴィディネは集まった猟兵やタスクフォース、フラッグフォースの前に姿を現すと、オープン回線でその場にいる者たちに呼びかけた。

「アークライト・エルディスタン亡命政府連合軍に告ぐ。こちらはエルディスタン連邦共和国の世界情勢解析兼作戦立案AI『セヴィディネ』である。当プログラムはアンサズ地方の経済的な統一とエルディスタンの発展を目的として行動を行っている。現在、貴君らは首都での騒擾を発生させ、行政・立法機関への攻撃を加えているが、これは平和を乱す行為であると認定する。直ちに戦闘行動を止めて撤退せよ。従わない場合、当機は実力を行使する」

 セヴィディネは残存する有人機のグローザに加え、地下から出現したエルディスタンの国籍マークをつけたブレイジング・バジリスクやモノアイ・ゴーストなどの無人機を全て統制下に置いた。セヴィディネの駆るアルシェドールが命じるまま、セヴィディネの軍勢は一斉に銃口を猟兵たちに向ける。

「繰り返す、戦闘行動を止めて撤退せよ」

 もちろん、ここで引くわけには行かない。地下鉄網襲撃事件から始まった全てに決着をつけるため、最後の戦いがここに幕を開ける。
シル・ウィンディア
1体だけじゃなくて、たくさんいるんだね…
わたしの役目は道を切り開くことかな
大きいの一発行くよっ!

推力移動で残像を生み出しつつ攪乱機動
回避は第六感を信じて、瞬間思考力で回避・オーラ防御を判断して行動

メイン攻撃はセイバー
ランチャーの連射モードを有効活用しながら近接戦闘だね

本命は…
多重詠唱で、魔力溜めも並行実行
魔力溜めは限界突破でチャージして…

詠唱開始の前に、キュウビさんをはじめ、みんなに援護要請

…わたしの砲撃の射点確保まで時間を稼いでほしいの

その後は効率いい射撃ポイントへ移動
全力魔法の《指定UC》
味方を巻き込まないように注意して
出来るだけ、敵無人機を巻き込んでオブリビオンマシンへ砲撃

…後、任せるよ



●決戦への嚆矢は放たれた
 ついに姿を現したアルシェドールとその配下の軍勢に、シルは自らの役目を即座に定めた。それ即ち、道を切り開くこと。

 まずは牽制目的でブルー・リーゼのランチャーによる一撃を放つ。これが号砲となり、戦端が開かれた。

「交戦の意思ありと判断する。ならば排除あるのみ」

 セヴィディネが命じるまま、制御下に置かれた軍閥政府所属のキャバリアたちは一斉にシルへと射撃武装の銃口を向けた。

「大きいの一発行くよっ!」

 周囲に残存するグローザ部隊やブレイジング・バジリスク、モノアイ・ゴーストなどで構成された無人機部隊が一斉にビームや弾丸を吐き出していく中で、シルはその中を残像を残しながら鋭いマニューバでこれを掻い潜り、時に一瞬だけオーラ障壁を張りながら急速接近する。

「この距離ならうかつに射撃はできないはず……!」

 敵の只中に飛び込めば、激しい弾幕が幾分弱まる。同士討ちを避けるべく敵方はプラズマブレードやキャバリアソード等の近接兵装による白兵戦に切り替え始めた。そこにブルー・リーゼが手にするエトワールの光刃が煌めき、グローザのうち1機をすれ違いざまに撫で斬りにしつつ敵の狙いを撹乱する。

「援護お願いっ。……わたしの砲撃の射点確保まで時間を稼いでほしいの」
「デカイの行く気だね? いいよお嬢ちゃん、一箇所に固めてやる!」

 援護を呼びかければ、ワートホグ隊のキュウビがこれに応える。ワートホグ8、ワートホグ11と共にビームライフルを撃ち、アルシェドールの随伴機を1箇所に固めながら注意をひきつけていく。その間にもシルは魔力チャージを続けながら敵から距離を取り、そして絶好の砲撃ポイントを確保した。

「お嬢ちゃん、やっちまいな!」
「いっけぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 キュウビの声に応えるが如く、シルが全身を声にして叫びながらトリガーを引いた。シルの叫びに呼応するように、ブルー・リーゼの全射撃武装から放たれる6属性の魔力の奔流が空間を、そして無人機たちを次々と巻き込み消失させていく。少し距離のあったグローザも片腕を持っていかれるほどの威力は、無人機を消し炭にするには十分であり、そして。

「機体損傷……!?」

 アルシェドールの装甲にもダメージが入る。AIの演算を超えるほどの攻撃に、セヴィディネは一時的に演算がストップしてしまった。

「……後は、任せたよ!」

 代償は大きい。ブルー・リーゼはジェネレータのエネルギーを吐き出したため行動不能に陥る。しかしそれを補って余りある大戦果に、シルは満足げに頷き、コックピットの中から見える味方機たちにサムズアップした右手を突き出すのだった

成功 🔵​🔵​🔴​

エメラ・アーヴェスピア
…さて、展開は予測通り…制御する物を増やしたわね
それでこそ、私がここに居る意味がある

確かに硬いセキュリティね
でもそれはクロムキャバリアでの常識という事を教えてあげるわ
悪いけど、オペレートが多少おざなりになるわ…私も本気を出させてもらうわよ
UCの効果で範囲内の全機械を制御、同時に【ハッキング】
装備や異空間内含め、使える物全てでアルゴリズムを解析【情報収集】
暗号化ロックを解除【鍵開け】し、相手の制御を奪い合う事で弱体化を狙うわ

アークライトにて兵器は兎も角、姿は敵前に一度も現さなかった私の最初で最後の奇襲よ
出来るからやるだけ、奪わせてもらうわよ…『CODE:Predator』…!

※アドリブ・絡み歓迎



●最初で最後の奇襲攻撃
「……さて、展開は予測通り……制御する物を増やしたわね」

 エメラは状況を確認する。セヴィディネは無人機を投入することで戦力を補強した。即ち、制御対象が増えたということ。セヴィディネが無人機を追加投入することで外敵に対抗するであろうことは、エメラにとっては予測の範疇、即ち。

「それでこそ、私がここに居る意味がある」

 エメラは今回、前線に姿を現している。これまで後方でオペレーションに徹していた彼女が突如前線に乗り込んできた理由こそ、セヴィディネの認識外から奇襲を行う一手を仕掛けるためであったのだ。

「悪いけど、オペレートが多少おざなりになるわ……私も本気を出させてもらうわよ!」
「構わないさ、そのためのアークトゥルス隊だ! アークトゥルス2から4、エメラが仕掛ける! オペレートの穴は俺たちで埋めるぞ!」

 アークトゥルス1から4はエメラがオペレートの手を緩めると告げた瞬間、アークトゥルス2から4と共にオペレートのカバーに入ることを宣言。エメラが作業中に見逃した情報を適宜通達する態勢を整えた。

「アークライトにて兵器は兎も角、姿は敵前に一度も現さなかった私の最初で最後の奇襲よ。出来るからやるだけ、奪わせてもらうわよ……『CODE:Predator』……!」

 エメラは中空に浮かべたAR仮想コンソールにコマンドを次々と打ち込んでいく。コマンドをひとつ打ち込むと同時に、セヴィディネが配下においたキャバリアが次々とその機能を停止していく。さらにシェルターの暗号化ロックにも手をかけ始め、戦場の全てがエメラによって掌握されようとしていた。

「当機の論理防壁を破るものがいる……!? 暗号キーを更新し論理防壁を張り直し、該当アクセスをキックして対処する!」

 これにセヴィディネは即応した。ネットワーク上に偏在するセヴィディネはネットワークに接続している端末の演算能力に任せて論理防壁の更新を行い、エメラのハッキングによる配下の機体やシェルターの論理的ロックに対するアクセスを切り離そうとする。

 エメラとセヴィディネの戦いは、まさに互いのリソースを総動員したもう一つの戦場──電脳空間で繰り広げられた戦いと言えよう。だが、最大の違いはエメラが電脳空間上の戦いに専念できるのに対して、セヴィディネは現実空間による物理的な戦いと電脳空間における論理的な戦いの二正面作戦を強いられたところにある。その結果、アルシェドールや配下のキャバリアたちの反応は僅かに遅れ始めた。

 エメラの放った最初で最後の奇襲──それこそが、セヴィディネに対する効果的な攻撃として、真綿で首を絞めるようにセヴィディネの状況を悪化させていく。それが、致命的な効果を生むまで、時間はかからなかった──。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジェイ・ランス
【SPD】※アドリブ、【ワンダレイ】連携
■心情
「撤退せよ」ね。ビビっちゃったかなーアルシェちゃん。かーわいいねえ。
ま、ぶった斬るけど。
あー、そうだなー、思えば鉄道のころからの付き合いだっけか?長いねえ。
さて、肉薄までの援護よろしくな!

■戦闘
生身で"慣性制御術式"と"重力制御術式"によって"ツェアライセン"に乗って制御し、アルシェドールに【残像】や【瞬間思考力】に【ジャミング】、クイックな挙動(フェイント、ダッシュ、滑空)で肉薄。UC効果によって"ツェアライセン"と融合し真の姿へと変形、もう一本の"ツェアライセン"を召喚。UCを放ちます。

―――今です、メンカル殿。


フレスベルク・メリアグレース
アドリブOK【ワンダレイ】
傾聴せよ、エルディスタンの軍閥政府よ
貴公らの行いはアンサズ地方の平定を私欲で阻む邪悪以外の何物でもない
同士バルタンの言う通り降伏の機会すら我らは与えない
毅然と告げると同時に経典のグリモアを輝かせUCを起動させる

次元歪曲現象で有人機と無人機の配列を次元改竄
そうして有人機を奥へと飛ばすことで戦場が無人機とオブリビオンマシンのみになったところで衛星砲を掃射
無人機とオブリビオンマシンにのみ破壊を及ぼす17の掃射は、エルディスタンの地形には一切傷を与えずに命無き鋼のみを破壊し、この地に平穏を齎す

総員、軍閥政府の者を確保なさい
そう言って直属騎士がシェルターへと向かう


バルタン・ノーヴェ
【ワンダレイ】POW アドリブ連携歓迎!

諸々の根源発見!
撤退? HAHAHA、ナイスジョーク!
アナタには降伏勧告も与えマセーン、御覚悟くだサーイ!

狙うはアルシェドール、ただ一機!
他の機体を無視して突撃すべく、奥の手開放デース!
行きマスヨ、スコール!「骸式兵装、連結展開、岩の番!」
ワタシだけでなく、スコールそのものを含めて対象に!
ブラキエルのデータを抽出して反映!
……15m超の大型マシンとして再構築だ。

岩翼岩腕岩鎧。見た目は鈍重そのものだが、機動力は衰えんぞデース!
有象無象の砲火や魔法砲撃を強引に突破し、AI機に掴みかかる。
高々と掲げ、逃れられぬようにして……あとは任せたデース、イェーガーズ!


ヴィリー・フランツ
六人【ワンダレイ】タイフーンカスタム
理由・心情:ケッ!AIごときが調停者のつもりか?先ずは背後の軍閥の高官に対して実力行使しやがれ、ポンコツが!

手段:おーし!教皇の嬢ちゃんにリリー先生とメンカルのお陰で無人機・有人機共にデータリンクが切れる予定だ、繋ぎ直される前に本体を叩くしかねぇ!

ランス、地下鉄からの因縁!ここで終わらせるぜ!!

【完全被甲弾】を一六式歩槍とミサイルポッドに装填、対装甲仕様だ、例え防御障壁を出してもただじゃ済まないぜ?

バルタン、奴の砲撃ユニットからの反撃が来る前に黙らずぞ!
弾を撃ち切ったらマチェーテを抜刀、ワートホグ1とゼニート1も借りを返したいだろうしな、一緒に行くか?


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【ワンダレイ】【WIZ】
※アドリブ歓迎

アタシも戦争経済の一部だけど
腕は安売りしない主義でね
降伏・勧誘、お断りさ

隊列改竄での混乱中に仕掛けるよ
「こんなこともあろうかと」
…うん、一度言いたかったのさ♪

味方機の挙動や武器性能を一斉に最適化
更に敵雑魚全機を掌握…『作戦目標:アルシェドール』
ボスは少し足止めできればメンカルさんが動く筈…

ああ、進軍中に【ガイア・ゴスペル】を撒いたのさ
ソレで首都全域の『電気や情報で制御する存在』
即ち機械や電脳、ひいてはキャバリアを全部弄ったよ
今頃シェルターのシステムも…(ククク)

後は元敵機&味方機に合わせつつ
【アダマンタイト】の出力を活かし弾幕展開
突撃組、今がチャンスだよっ


メンカル・プルモーサ
【ワンダレイ】で参加
(試作型術式騎兵【ツィルニトラ】に搭乗)
さて……色々言ってるけどオブリビオンマシンに汚染受けてると考えるとあんまり心に響かないよね…
…んー……まあ周囲は仲間がどうにかしてくれるだろうし……と
【我が身転ずる電子の精】を発動…機体規模に拡大……私と一緒に機体が粒子化するよ…
まず目を粒子化してアルシェドールを分析…オブリビオンに汚染喰らってるAIってあんな風に見えるんだなー…じゃあ攪乱して貰ってる間にアルシェードへ接近…
…電子戦の防御はしてるみたいだけど、と…腕を粒子化して防御を千切って破壊…汚染からセルヴィエを引き剥がしてリンク解除…
…心置きなくコクピットブロックを破壊するか…



●タッチダウン
「諸々の根源発見!」

 アンサズ地方情勢悪化の直接的な原因であるセヴィディネが姿を現したとき、バルタンは快哉を上げた。セヴィディネからなされた「降伏勧告」を聞いた百戦錬磨のワンダレイのメンバーたちは、揃って鼻で笑ってみせる。

「『撤退せよ』ね。ビビっちゃったかなーアルシェちゃん。かーわいいねえ」

 ジェイはいつもの調子でセヴィディネをおちょくり、

「撤退? HAHAHA、ナイスジョーク! アナタには降伏勧告も与えマセーン、御覚悟くだサーイ!」

 バルタンは笑い声と共に徹底抗戦を主張し、

「アタシも戦争経済の一部だけど、腕は安売りしない主義でね。降伏・勧誘、お断りさ」

 リーゼロッテは真っ向からセヴィディネの勧告を突っぱね、

「色々言ってるけどオブリビオンマシンに汚染受けてると考えるとあんまり心に響かないよね……」

 メンカルはセヴィディネの演説を「色々言ってる」の一言で片付け、

「傾聴せよ、エルディスタンの軍閥政府よ。貴公らの行いはアンサズ地方の平定を私欲で阻む邪悪以外の何物でもない。同士バルタンの言う通り降伏の機会すら我らは与えない」

 フレスベルクは毅然とした態度でセヴィディネ並びに軍閥政府を糾弾し、

「ケッ! AIごときが調停者のつもりか? 先ずは背後の軍閥の高官に対して実力行使しやがれ、ポンコツが!」

 トドメにヴィリーはセヴィディネを「ポンコツ」と断じて吐き捨てる。

「お前ら怖いもんなしか!」
「いやぁ……大したクソ度胸だよ全く」

 ワンダレイメンバーから続けざまに放たれた啖呵にはワートホグ隊の面々も思わず苦笑を漏らした。彼らはあらゆる修羅場をくぐり抜けた百戦錬磨、一騎当千の猟兵たちであることを改めて思い知る。だが、次の瞬間、戦場にいる誰もがさらなる驚愕に見舞われることになった。

「空を見よ。その輝きが照らすのは聖杯ならざぬ焔の剣ではなく、王笏ならざぬ焔の聖槍。その世界を灼く一撃は骸の海に浮かぶ全てを司る──!」

 フレスベルクが聖句を唱えると同時に、彼女が手にしていた経典のグリモアが輝きはじめる。その瞬間、戦場全体に凄まじい「揺れ」が襲いかかった。それは地震とは異なる、空間全体に起きた揺れ──次元歪曲現象。

 セヴィディネの演算能力がマルチタスクによって低下していた隙を突いて、セヴィディネが率いる有人機と無人機の次元上における座標情報が改竄され、有人機であるグローザが前線から遠ざけられ、代わりに無人機全てが引きずり出されたのだ。そこへ打ち込まれるのは衛星砲の光条。殲禍炎剣とは異なる、フレスベルクが世界を超えて呼び出した天からの一撃が容赦なく荒れ狂い、アルシェドールと配下の無人機に等しく降り注いで行く。

「事象観測不能……!? 戦列の立て直しを……!」
「ふふん、『こんなこともあろうかと』……うん、一度言いたかったのさ♪」

 混乱のさなか、リーゼロッテはさらなる一手で傷口を広げにかかる。味方機の挙動や武器性能を一斉に最適化すると同時に、残存する敵機全ての掌握を開始。すでにセヴィディネがハッキングへの対処を行っていたことが、リーゼロッテのハッキングを許すだけの隙を生み、加えて先に行われた首都攻略戦においてリーゼロッテが予め首都全域にばらまいていた医療用磁場制御ナノマシンが一斉に作動。なんと、首都における電気や情報で制御する存在全てを同時掌握するという規格外のハッキングを行ってしまったのだ。

「ネットワークのトラフィック量が異常な増大……! ローカルネットワークに切り替えを……!」
「だから遅いんだってーの。もう機械や電脳、ひいてはキャバリアを全部弄ったよ。今頃シェルターのシステムもどうなってることやら……」

 ククク、と喉の奥を鳴らしながら、幼い外見に似合わぬ妖艶な笑みを浮かべるリーゼロッテ。その言葉通り、大統領府の地下ではジャンガリアン隊が手こずっていたシェルターの論理的ロックが突破され、ようやく解錠に成功していたのだ。

「外の連中がハッキングに成功したのか!」
「聞こえますか、ジャンガリアン隊の皆さん。そちらに援軍を送りました」

 フレスベルクはこれを好機とばかりに直属騎士を大統領府に突入させていた。ジャンガリアン隊と合流したメリアグレースの騎士たちは状況を確認する。

「教皇陛下の命により馳せ参じた。状況はどうなっている?」
「ちょうどロックが外れたのを確認した。軍閥政府の高官の身柄は確保できる。アンサズ地方の国際法に乗っ取った手続きはすでに取ってある……礼状見せてしょっぴくぞ」
「了解した。身柄はそちらに預けよう」

 メリアグレースの騎士たちとジャンガリアン隊が揃ってシェルター内部になだれ込むと、そこには驚きの表情で固まった軍閥政府の高官たちがいた。

「なっ……どうやってここに!」
「全員動くな! アークライト自治領、及びメリアグレース聖教皇国の者だ。アンサズ地方の国際法に則り、エルディスタン軍閥政府の構成員を拘束する! 礼状はこれだ……あなた方には黙秘権がある。供述は、国際法廷であなたに不利な証拠として用いられる事がある。弁護士の立会いを求める権利、公選弁護人の弁護を受ける権利が保証されている! 了解したな、では全員手を頭の後ろに組んでそのまま待機しろ」

 ジャンガリアン隊とメリアグレースの騎士たちは協力してエルディスタン軍閥政府の高官たちの身柄をひとり残らず拘束する。その間にも、外の戦場ではさらに状況が動いていた。

「オブリビオンに汚染喰らってるAIってあんな風に見えるんだなー……」

 メンカルは自身の目を粒子化させ、アルシェドールを分析していた。これはメンカルのユーベルコード、「我が身転ずる電子の精」の効果によるものだ。粒子化した身体部位はデータや信号に直接干渉できる粒子の集合体に変異できる。やがて、メンカルは一通り分析を終えて、粒子化範囲を自らが乗り込む機体規模に拡大。メンカルと彼女の愛機ツィルニトラが揃って粒子化を果たした。

「電子戦の防御はしてるみたいだけど、と……」

 アルシェドールまで接近すると、粒子化したメンカルは機体の制御系に干渉を始める。セヴィディネはこれに対処しようと身を捩って粒子から逃れようとするが、そうは問屋が卸さない。

「繋ぎ直される前に本体を叩く! ランス、地下鉄からの因縁! ここで終わらせるぜ!!」
「あー、そうだなー、思えば鉄道のころからの付き合いだっけか? 長いねえ。さて、肉薄までの援護よろしくな!」

 長きにわたる因縁を持つヴィリーとジェイの2人が率先して突撃を開始。そこにバルタンも加わる。

「行きマスヨ、スコール! 骸式兵装、連結展開、岩の番!」

 バルタンは大天使ブラキエルを模した姿に変形する機能を、愛機スコールに対して使用。岩翼岩腕岩鎧を備えた15m超の大型マシンとして再構築を果たし、アルシェドールを圧倒してみせる。

「くっ……回避を……!」
「見た目は鈍重そのものだが、機動力は衰えんぞデース!」

 かろうじてリーゼロッテの制御奪取から逃れた無人機の抵抗もものともせず、さらに逃れようとするアルシェドールが砲撃ユニットを周囲に展開して射撃しながら後退しようとしてもそれすら意に介さず、巨大化したスコールはそのままアルシェドールを押さえつけてしまう。

「好機であります、ヴィリー殿、ジェイ殿!」

 バルタンの声に呼応するかのごとく、ジェイはレーヴェンツァーンから飛び出して
サーフブレイド「ツェアライセン」に乗ると、空中を波乗りするようにアルシェドールに向かって飛び込んでいく。その一方で、ヴィリーはペーパーバックとピョートルに声をかけた。

「ワートホグ1、ゼニート1、ペイバックタイムと行こうぜ!」
「了解だ、カイゼル! 行くぞ、ゼニート1!」
「ワートホグ1、カイゼル、息を合わせて仕掛けるぞ!」

 ヴィリー、ペーパーバック、ピョートルが駆る3機の高機動型キャバリアがジェイの後を追うようにして滑るように移動。手持ちの射撃兵装の弾丸がアルシェドールの装甲を次々と穿ち、砲撃ユニットも沈黙していく。もはやアルシェドールは抵抗する術を失っていた。

「くっ、まだ、まだ当機は……!」
「往生際が悪いぞ、セヴィディネ」

 さらに目の前に現れたのは漆黒の機体。ジェイがツェアライセンと合体してキャバリアの如き姿に変貌し、2本目のツェアライセンを一閃する。ここに、アルシェドールはついに完全沈黙した。後は完全破壊を果たすのみ。

「アルシェドールとセヴィディネのリンクを解除した……さて、内部からコクピットブロックは破壊するから、3機でフィニッシュブローよろしく……」

 粒子化したメンカルがコックピットブロックを破壊し、そして……。

「「「ぶっ壊れろ、ポンコツ野郎!!」」」

 ペーパーバックのシルバードラグーンが変形して、翼でアルシェドールを切り裂き。
 ピョートルのモノアイ・ゴーストがプラズマブレードでアルシェドールの脚部やスラスターを切り刻む。
 そして、全ての因縁を断ち切る意志を載せたヴィリーのタイフーンカスタムが、マチェーテで斬首、落ちた頭部にマチェーテを突き立て。

 セヴィディネは、アルシェドールからリンクを切り離されたことで沈黙し、オブリビオンマシンの汚染から解放される。

 ヴィリーはコクピットの中でタバコに火をつける。

「……アークライト・ミッション、オールオーバー……だな」

 ヴィリーの視線の先には、ジャンガリアン隊の手によって拘束され、連行されるエルディスタン軍閥政府の高官たちの姿がある。

 エルディスタン軍閥政府を巡る、長い、長い戦いは、こうして幕を閉じた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『戦士の休息』

POW   :    何はともあれ仮眠を取るにかぎる!少しだけ寝よう!ちょっくらお休み!

SPD   :    苦いコーヒーを飲みつつ他愛のない会話をしよう。俺、この戦いで生き延びれたら…

WIZ   :    懐に入れてた本でも読もう…。物語の結末を見るまで死ぬ訳にはいかない…

👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●終戦記念式典
「我々は再び平和への道を歩み始めました」

 首都攻略戦から数日後。エルディスタン連邦共和国のアダムスキー大統領は、アークライト自治領首都・アルタイルシティの総督府で開かれた終戦記念式典で、居並ぶ報道陣や式典参加者の前で行った演説の中で高らかに宣言する。

「今日、ここにエルディスタン軍閥政府が引き起こした全ての戦乱が集結したことを、ここに宣言するものであります。我々は未来に向けて歩み始めました。アンサズ地方の平和と、さらなる発展を願ってやみません」

 演説を終えたアダムスキー大統領は、万雷の拍手が送られる中で一礼して引き下がる。次いで登壇したのはアークライト自治領における国家元首たるアークライト総督、ニコラス・サンプソンだ。

「では、この戦いを終結に導いた英雄たちをここへ!」

 サンプソン総督は壇上から呼びかける。その視線の先には、アークライト自治領タスクフォースの面々と、猟兵たちの姿があった。

●戦後処理と、猟兵たちが選ぶ道

 エルディスタン連邦共和国は、軍閥政府の崩壊とともに亡命政府が政権を奪還。亡命政府は名目上解散し、軍閥政府の後釜に入る形でエルディスタンを再び統治することとなった。フラッグフォースを始めとした亡命政府軍も正規軍に戻ったほか、軍閥のコントロール下にあったエルディスタン軍は最高指揮官を大統領とする体制に戻り、クリーンな体制に刷新された。現在のエルディスタン軍は今回の一連の戦闘で被害を受けた地域の復興に従事しており、周辺国家も人員や資源を提供する形でPKO活動を行っている。

 軍閥の主だった関係者は逮捕されたが、一部は逃亡を続けている。とは言え、軍閥という後ろ盾を失った彼らに余力は残されておらず、順次潜伏先を特定され、身柄の拘束も始まった。軍閥関係者たちは近々行われるアンサズ連合準備委員会が開く国際法廷で裁かれるのを待つばかりである。

 セヴィディネはロジックが正常化され、数回のテスト稼働を経て大統領府のメインコンピュータに再び収まった。先端技術研究所のセヴィディネ開発チームと、セヴィディネ当人は今回の騒動に関して、原因がオブリビオンマシンであったことや、軍閥に利用されていたことを鑑みて責任を問わないとされたが、「失った信頼はこれからの働きで取り戻す」と前向きな姿勢を見せている。

 軍閥政府が溜め込んでいた資産は各国で折半されたが、この資産は協議の末、猟兵たちへの報酬として渡されることとなった。長きにわたる貢献に対する謝礼とのことである。加えて、猟兵及びタスクフォースの面々にはアークライト自治領の国家元首たる総督の名において名誉勲章(メダル・オブ・オナー)が授与される。受勲者はアークライト自治領における名誉市民権の獲得、特別年金の支給やアークライト自治領の交通網の無料使用などといった数々の恩典が与えられるほか、階級の上下に関わらず先に敬礼を受ける特権を常に有する、アークライト自治領における最高位の勲章だ。

 もちろん、勲章の受勲を辞退するという選択肢も猟兵たちに与えられた。猟兵たちは式典までの間はアルタイルシティで滞在することになり、数日を過ごす中で各々の答えを探すことになった。

※第3章について
 第3章では、アルタイルシティで式典当日までの数日を過ごす日常シナリオとなります。プレイングにはアルタイルシティでの滞在と共に、名誉勲章の受勲を受けるか辞退するかを記載してください。また、グリモア猟兵のジェイミィ・ブラッディバック(f29697)、及びワートホグ隊・アークトゥルス隊・ジャンガリアン隊の面々やピョートルなどといったNPCと共に行動することもできます。彼らの同行を希望する場合はプレイングにその旨を記載してください。
 今回に限り、過去に本シナリオを含めた「アークライト・ミッション」タグを付与したシナリオに参加した猟兵のみの採用となりますので、予めご了承ください。逆に言えば、過去に本シナリオを含めたアークライト・ミッションに一度でも参加した猟兵は全員受勲資格が存在します。
シル・ウィンディア
キュウビさんと同行希望

う、うーん、名誉勲章って言われても、いまいちピンとこないというか…
わたしは、わたしのできることでお手伝いしただけなんだよなぁ…

…うん、勲章は辞退しよう
年金とか、その恩典に使う予定のお金とかは、国の為に使ってくださいな。
冒険者は一つの所とどまる性質じゃないしね。

それに、わたしはここでいろんなものをもらえたから
キュウビさんと出会えたのもそうだしね。

最初の地下鉄の時、まだ操縦に慣れてなかったけど
色々教えてもらって、そして、今があるんだしね。
お姉さんであり、先生でもあるんだよ?
だから、素敵な縁を頂けて、ありがとう…

わたしでよければ、また力になるから
その時は遠慮なく呼んでねっ♪



●縁を胸に進む道
「う、うーん、名誉勲章って言われても、いまいちピンとこないというか……わたしは、わたしのできることでお手伝いしただけなんだよなぁ……」

 名誉勲章の話を聞かされて、シルは悩んだ。そもそも、名誉や栄誉といったものにはこだわらない性分である。そんな彼女であるから、名誉勲章や受勲に付随する恩典にも食指は動かなかった。

「どうしようかなぁ、キュウビさん」

 そんなシルは今、休暇中のワートホグ3ことキュウビの家に招かれてお茶を飲んでいた。一度ゆっくりと話をしたいとのことで、シルはお茶と茶菓子を楽しみながら、シルがこれまでに他の世界で繰り広げてきた冒険を語って聞かせたり、キュウビがワートホグ隊に選抜されるまでの様々な戦闘の話を聞いたり、今回の一連の戦いの思い出話に花を咲かせていた。その最中、シルは今回の名誉勲章受勲について、どうするか迷っていることをキュウビに告げる。

「なに、簡単なことさね。いらないならいらないって言えばいいのさ」

 あっけらかんと言うキュウビに、シルは目を丸くする。

「別にこれまでも名誉勲章を辞退した奴は少なくないからねぇ。単純に名誉も恩典もいいからこれからも前線で大活躍したい、なんて言った奴とか、『あちこち旅をしたいから持っててもしょうがない』なんて理由で受勲を辞めた奴もいるよ……お嬢ちゃんもそのクチだろう?」
「うん、わたしは一介の冒険者だしね。……そうだね、勲章は辞退しよう」

 決心したように、シルは顔を上げる。

「年金とか、その恩典に使う予定のお金とかは、国の為に使ってください、って偉い人には言っておこうかなって。冒険者は一つの所とどまる性質じゃないしね」

 シルの選択に、キュウビは穏やかに微笑んで頷く。

「それがお嬢ちゃんの選んだ道なら、誰も文句は言わないさ」
「それにね」

 シルがさらに言葉を続ける。

「わたしはここでいろんなものをもらえたから……キュウビさんと出会えたのもそうだしね」
「アタシ?」

 自分を指差して首をかしげるキュウビに、シルは頷く。

「最初の地下鉄の時、まだ操縦に慣れてなかったけど……キュウビさんに色々教えてもらって、そして、今があるんだしね。キュウビさんはお姉さんであり、先生でもあるんだよ?」

 シルがまっすぐキュウビを見つめる。シルの話を聞いたキュウビは、照れくさそうに頭を掻いた。

「いやぁ……改めて言われるとちょっと照れるね……でも、アタシだってシルと一緒に戦えてよかったよ。地下鉄の事件の時、一緒に行動したシルは飲み込みが早かったからね。これは将来化けるぞ、と思ったけど、大正解だった。それに、アタシもなんだかんだ、妹ができたみたいで楽しかったよ」

 キュウビは名誉勲章の受勲を受けるつもりである、と告げる。その上で、シルにはせめて式典で受勲を受ける姿だけでも見て欲しい、と頼んだ。

「ほら、やっぱり姉貴としてはさ、妹に晴れ姿を見てもらいたいから。見届けてくれるかい?」
「もちろん!」

 シルとキュウビはどちらからともなく手を差し出し、互いの手を握る。

「素敵な縁を頂けて、ありがとう。わたしでよければ、また力になるから……その時は遠慮なく呼んでねっ♪」
「こちらこそ。別に何か事件があった時にだけ来るこたぁないさ。アークライト自治領はいつでも歓迎だよ、暇ができたらいつでも遊びにおいで」

 別れの言葉ではなく、再会を望む言葉を交わす2人。今回の戦いの中で産まれた縁は、それだけ強固だった。

 そして、式典当日。堂々とした立ち姿で勲章を受け取るキュウビは、それを見つめる群衆の中に青い髪のエルフの姿を認めると、彼女に向かって微笑む。群衆に混じってキュウビの晴れ姿を見たシルは、彼女の晴れ姿を脳裏にしっかりと焼き付けると、その場から立ち去った。

 今回の縁を胸に刻み込んで、シルは次なる冒険の舞台を探す。彼女の旅路は終わらず、どこまでも続いていく──。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィリー・フランツ
【ワンダレイ】【受勲を受ける】
心情:やっとこの戦役も終結したな。
さて、終戦記念式典までどう過ごそうか?
手段:ワンダレイの自室に仕舞った軍服のクリーニングだ、猟兵はその特異性から服装等での違和感は発生しないが…流石に式典の写真や映像は後々まで残るしなぁ~、やはり正装が正解だな。
後は珈琲豆や葉巻でも買いに行くか、ペーパーバックは良い店知ってるかな?

〔式典当日〕(お偉いさんにはです・ます口調)
折り目の付いた軍服にベレー帽の軍帽を着て出席。
バルタンとメンカルは欠席か、お偉いさんへの言い訳を見繕っておこう。
は?俺が緊張してるだって?そんなわきゃねぇだろ、HAHAHA!
(吸い口を切らずに葉巻を咥える)


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【ワンダレイ】
※アドリブ歓迎

◆前日
先端技術研究所を見学
作戦中の『オブリビオンクラウド』監視ログを提示
※当日メンカルさんにも
本件は『殲禍炎剣』暴走の謎へ迫る手懸りの可能性もある
検証や今後に期待するよ♪

◆式典
場相応の礼服で【受勲する】よ
裏社会や実家の注目を強く惹くけど
報酬等は魅力的、退屈もしないしね♪

ヴィリーさん、葉巻…ってジェイさん、こっち
第三者機関か、立場持ちは大変だね

ミニ・バルたんと黒猫の面倒は見るよ
※双方に【代理】名札
『バールルーッ♪』

あ、首都攻略で喚んだヘリオにも勲章を…
※UC起動、相応の姿で出現
「え、ボクも?」
軍人娘なら軍属の最高栄誉はご褒美でしょ?
「イエス・マム!ああ…」(うるうる)


フレスベルク・メリアグレース
【ワンダレイ】
アドリブ歓迎

◆前日
わたくしは以前からオブリビオンマシンに対する国家連合規模の対策組織を成立すべきと考えていました
そこで此度の騒乱を解決したアンサズ地方の国家。その高官達へと『対オブリビオンマシン国家連合』の構想を発案し、その土台を作り上げていこうと思います。
無論、我が聖教皇国もその連合に参加しますよ

◆式典
【受勲します】
アンサズ地方と聖教皇国の融和も兼ねて式典に参加。教皇としての完璧な作法で受勲を受けます
ここで聖教皇国の方針として此度の騒乱の様な理不尽な騎兵を悪用した陰謀には第三者機関として介入を宣言します


バルタン・ノーヴェ
【ワンダレイ】
POW
アドリブ歓迎!

◆辞退
ふむ、叙勲でありますか……。
光栄デスガ、ワタシは雇われメイドでありますからな。
地位や名声は他の方に任せマース! HAHAHA!
式典には代理のミニ・バルタンを差し出しマース。
よろしくデース、リリー先生!
おっと、賃金はいただきマスネー!

◆前日
他の方のお手伝いや壊れた街の復旧作業など、勤しみマース!
働いてこそ得られる飯が美味くなるというものデース!
瓦礫の掃除、軍服の洗濯、お弁当の作成、お任せくだサーイ!

◆式典
式典の後は祝賀会、すなわち宴会が待ってるはずデース!
パーティの準備を行うor手伝いマース!
ジェイミィ殿もお疲れ様デース!
美味しい御馳走を用意してマスヨー!


メンカル・プルモーサ
【ワンダレイ】
…受勲式典まで数日あるからその間自由行動…
こんな事があったなら多分セヴィディネとその影響下にあったものは一度総点検してるだろうな…
…よし、後学のためにもセヴィディネ開発チームの見学に行こう…
そして点検作業の手伝いとしてしれっと混ざろう…色々と興味深いし…

(数日後)
…ん、リリー先生…何?式典?
…………(忘れてたと言う顔)……まあ、いいや……
(一抱え程の黒猫ぬいぐるみを取り出して渡す)
これが代理って言う事で……オブリビオンクラウドの監視ログは貰うね…じゃあ点検作業に戻るから…
(作業員に良いのかと問われたら)…んー…軍人というわけでもないしね…こっちのほうが興味深い…


ジェイ・ランス
【WIZ】※アドリブ歓迎、【ワンダレイ】
■心情
いやー終わった終わった。改めてみんなお疲れさんよっ
いろいろあったよなあ、オレ途中抜けてたけど、その頃ってどうなってたんよ?
……大変だったなあ、ほんと。全員生還できて何よりだし、ほかの猟兵にも感謝だな。

って、あれ?式典何時だっけ?あ、やっべ遅刻する!
この本は買ってこ。これくださーい!ひええー、旨い飯が待ってる~~!!

■行動
式典当日、ワートホグ隊の一部とうろうろします。が、みなに促されてやっと時間を把握、慌ててむかいます。
式典ではUCを発動。ドローンで録画して、キマフュで流そうかなどと画策します(だめなら止めてください)



●この世界の未来のために
 終戦に大きな貢献を果たしたワンダレイのメンバーたちは、終戦記念式典までの数日間を、思い思いに過ごしていた。

 ヴィリーは自らが身を寄せる飛空戦艦ワンダレイに一旦戻ると、自室に保管していた軍服を引っ張り出してきて、バルタンにクリーニングを依頼する。猟兵はどんな服装を着ていても違和感を感じさせないという特異性こそ持つものの、各種報道で写真や映像記録が残ることを考えてもきちんとした服装で出席したい。そう考えれば、やはり正装が一番望ましいのではないか、というのがヴィリーの正直な気持ちであった。

「ついでに葉巻と珈琲でも買いに行くか……」

 そんな折、ヴィリーに連絡が入る。個人的に連絡先を交換していたワートホグ隊の隊長、ペーパーバックからだった。

「おっ、どうしたペーパーバック」
『やぁカイゼル、今日は昼飯でも一緒にどうだい。今回の戦いの思い出話に花でも咲かそうじゃないか』
「おぉ、それならついでに買い物に付き合って貰えるか。葉巻と珈琲を買いたいんだが、オススメの店とか教えてくれよ」
『もちろん良いとも、待ち合わせ場所だが──』

 ヴィリーは携帯端末を手にペーパーバックと会話しながら、外へと歩き出した。折角だ、じっくりとアルタイルシティ観光と行こう、と決意しながら。

 ヴィリーとペーパーバックがアルタイルシティの中心街で買い物を楽しみ、昼食をとろうとペーパーバックの馴染みの店に入ると、先客が等しく彼ら2人を見た。

「あれ、隊長とカイゼルの旦那じゃないですか」
「うっそぉヴィリーちん? 偶然じゃん!」
「お二人共、どもっす」

 そこにいたのはワートホグ隊の8番機パイロット・レスポールと同隊の12番機パイロット・スピードスター、そしてジェイであった。

「おや、お前たちも来ていたのか」
「この2人からこの店のシェパーズ・パイが絶品だと聞かされてさぁ。実際美味いんだぜ」
「へぇ、そうなのか」
「元を正せば私の情報じゃないか、それは。広めてくれる分には構わないけれども」

 ペーパーバックは苦笑しながら、ヴィリーに彼らとの相席でも構わないかと尋ねる。もとよりヴィリーも異論はなく、ワートホグ隊の仲間と猟兵2名との会食と相成った。

「しっかしいろいろあったよなあ、オレ途中抜けてたけど、その頃ってどうなってたんよ?」
「年明けのズヴェズダ山脈での作戦ではいなかったんだっけか」

 ヴィリーやワートホグ隊の面々は、ジェイが参加していなかったズヴェズダ山脈におけるキャバリア工廠への攻撃作戦のあらましを語る。自動砲台に守られた山間の道を移動しながら、送電施設と工廠本体を同時に攻撃するという作戦で、様々な困難があったことを知ると、ジェイは思わず天を仰いだ。

「マジかぁ……大変だったんだなぁ。でもちょっとオレも参加してみたかったなぁ」
「他にも、こっちではエルディスタン領土に攻勢かけたこともあったが、国境線付近でオブリビオンマシンの猛攻を受けてなぁ……」

 作戦中の思い出話に花を咲かせながら、5人は昼食のひと時を賑やかに過ごすのであった。

◆◆◆

 一方、リーゼロッテはエルディスタンの先端技術研究所を訪れていた。見学と、戦闘の中で入手したセヴィディネの監視ログを提出するためである。

「いやぁ、助かります。AIの監視ログは有用な情報ですから」
「本件は『殲禍炎剣』暴走の謎へ迫る手懸りの可能性もあるからねぇ。検証や今後の研究に期待するよ♪」

 研究所内を案内するセヴィディネの主任研究員にデータを渡しながら、リーゼロッテはウインクしてみせる。やがてセヴィディネの解析が行われている研究室に足を踏み入れると、リーゼロッテはそこに見慣れた顔があることを見つけて腰を抜かした。

「えっ、メンカル!?」
「……やっほー」

 なんとメンカルがセヴィディネ開発チームの研究員たちに混じってセヴィディネの解析を行っているではないか。しかもすっかり馴染んでしまっている。

「こんな事があったなら多分セヴィディネとその影響下にあったものは一度総点検してるだろうから、点検作業の手伝いをしててさ……」
「いやぁ、彼女は凄いですよ。効率的な点検プログラムのロジック構築にソースコードの圧縮……セヴィディネ自体の駆動率もここまでで20%向上しまして」

 電脳魔術師としての能力をフルに駆使した活躍ぶりにリーゼロッテはしばし呆然とするが、やがて我に返る。

「何日も姿見せてないなぁと思ったらそういうことだったのか……いやでもどうすんの、明日式典なんだけど?」
「式典……? ……あっ」

 完全に忘れていた、といった様子のメンカルに、リーゼロッテは思わず天を仰ぐ。

「まぁ……欠席と受勲辞退の連絡は今からでも間に合うからいいけどさ……」
「それじゃあ、リリー先生によしなにお願いするよ……あ、これが代理って言う事で……オブリビオンクラウドの監視ログは後で確認するよ……」

 メンカルはどこからともなく黒猫の大きなぬいぐるみを取り出してリーゼロッテに渡す。いきなり登場したぬいぐるみに面食らうが、すぐに苦笑してぬいぐるみを受け取ると、主任研究員に頼んで他の場所の見学を再開することにした。残された研究員はそのやり取りを見て首をかしげる。

「いいんですかメンカルさん。大事な式典なのでは?」
「……んー……軍人というわけでもないしね……こっちのほうが興味深い……」

 己の研究欲に、メンカルはどこまでも忠実であった。

◆◆◆

 バルタンは大車輪の働きを見せていた。ヴィリー、リーゼロッテ、フレスベルク、そしてワートホグ隊メンバーといった式典参加者たちの衣服のクリーニングに始まり、式典やその後に開かれる祝賀会の準備や各種手配など、ここぞとばかりに裏方としての仕事をこなしていたのだ。また、それらの手が空いた時は、今回の戦闘で被害を被った都市に出向いて復興作業の手伝いも行っている。

「お疲れ様です、バルタンさん」
「おー、フレスベルク殿、お疲れ様デース」

 合同庁舎で関係各所と祝賀会の会場に運び込む物資の確認を終えたバルタンが外に出ると、同じく合同庁舎にやってきたフレスベルクと鉢合わせる。

「フレスベルク殿はここで何を?」
「従前より考えていた、『対オブリビオンマシン国家連合』の構想について話し合いの場を設けてもらいまして。各国の高官たちと実務レベルの調整をしておりました」

 フレスベルクは、以前からオブリビオンマシンに対する国家連合規模の対策組織を成立すべきと考えていた。殲禍炎剣の存在により、世界的に足並みの揃った連携が出来ず、現状は各国がそれぞれ独自にオブリビオンマシンへの対処を余儀なくされている状況だ。そんな中で、限定的とは言え国家間連合実現の機運があるアンサズ連合では、今回の一件で複数国家の連帯によるオブリビオンマシンへの対処が成功した実績を作ることが出来た。ここに着目したフレスベルクは、対オブリビオンマシン国家連合の土台作りをここアンサズ地方にて行おうと決意したのである。

「アークライト名誉勲章を頂けるので、この地方における私の発言力も無視できないものになるでしょう。これを利用しない手もありませんしね」
「なるほどデース。私は雇われメイドでありますから、勲章は辞退したのデース。地位や名声は他の方に任せマース! HAHAHA!」

 バルタンはあっけらかんと笑ってみせる。すでに軍上層部には受勲の辞退と式典の欠席は連絡済みであり、リーゼロッテにも代理出席要員のミニ・バルタンを渡してあった。

「当日は裏方として盛り上げマース。フレスベルク殿は式典で演説されると聞いているでありますが……」
「はい、各国のさらなる連帯を呼びかけるつもりです」
「お互い当日は頑張りマショー!」

 終戦記念式典をそれぞれのやり方で盛り上げるために、フレスベルクとバルタンは決意を新たにする。そして、2人はそれぞれ未来を見据えていた。バルタンは戦災からの復興、フレスベルクは平和に向けた国際連帯。それぞれのやり方で、アンサズ地方の新時代を迎えるための行動を始めていたのだ。

◆◆◆
「げっ、もうこんな時間かよ!?」
「夜ふかししてポーカーは流石にきつかった……!」
「いやぁ……ものの見事に3人揃って寝落ちしたっすねぇ」

 式典当日の朝、レスポールの家に泊まって前夜祭と洒落込んでいたレスポール、スピードスター、ジェイの3人は揃って顔色が真っ青になっていた。

「急げ急げ、お前も受勲だろジェイ!」
「い、今から行けばまだ間に合うかな!?」

 レスポールとジェイが大慌てで支度をする中、スピードスターは一人冷静であった。

「安心するっす、ふたりとも。ここは自分が一肌脱ぐっすよ!」
「……まさかお前……いや、他に手はねぇか……」
「え? え? この状況から間に合う手段でもあんの?」

 レスポールは真剣な表情でジェイの肩をがっしりと掴む。ジェイはぽかんとした顔でレスポールを見つめた。

「……なんだよ、レスポールちん」
「……俺達の真のラストミッションだ。会場まで生きて辿り着くぞ」
「……は?」

 数刻後、式典会場ではヴィリー、リーゼロッテ、フレスベルクが正装に身を包み、会場を訪れていた。

「立派なもんだ……しかし俺たちが勲章とはな」
「裏社会や実家の注目を強く惹くけど報酬等は魅力的、退屈もしないしね♪ ……っってヴィリーさん、もしかして緊張してる?」
「は? 俺が緊張してるだって? そんなわきゃねぇだろ、HAHAHA!」

 リーゼロッテの問いにヴィリーは笑ってみせるが、リーゼロッテの目はヴィリーの口元に注目していた。

「ヴィリーさん、葉巻」
「……Oh」

 吸い口を切らずに葉巻を咥えていたことに気づいたヴィリーは笑みを引きつらせると、フラットカッターを取り出して葉巻の端を切り始める。その手は若干震えていた。

 と、凄まじいエキゾーストノートがその場に響き渡る。スキール音と共に会場に横付けになったスポーツカーの運転席から、スピードスターが現れる。

「うっす! 間に合ったっすね!」

 その後ろからは幽鬼のような顔色と表情のレスポールとジェイが続く。

「……言ったろ」
「スピードスターちゃん、ハンドル握ると性格変わる手合だったのね……」

 何があったのかを察して思わず十字を切るヴィリー、ため息を漏らすリーゼロッテ、苦笑するフレスベルク。リーゼロッテはジェイを手招きして呼び寄せると、背中を軽くさすってやる。

「ホント大丈夫?」
「いやぁ……リリー先生、オレしばらくジェットコースターが物足りなく感じるかも……」

 そんなちょっとした一幕こそあったものの、式典はつつがなく行われた。メンカルとバルタンの座る席にはそれぞれ「代理」の札を下げた黒猫のぬいぐるみとミニ・バルタンが鎮座している。ヴィリーはお偉いさんへの言い訳を考えようかと思ったが、そこはすでに本人たちが連絡済みであったこともあり、特に咎められることはなかった。そして、この場にはもうひとり、受勲を受けるものがいる。

「首都攻略で喚んだヘリオも勲章を受ける資格はあるよね」

 それは、首都攻略戦でレーダーサイトの占拠に一役買った情報生命体のヘリオであった。彼女も正装に身を包み、式典に臨んでいる。

「ホントにボクも受勲しちゃっていいのかなぁ」
「軍人娘なら軍属の最高栄誉はご褒美でしょ?」

 ヘリオは未だに受勲に戸惑っているようだが、リーゼロッテの言葉に納得したように頷く。

「イエス・マム! ……そうかぁ、最高栄誉の名誉勲章かぁ」

 徐々に実感が湧いてきたのか、感極まってヘリオの目に涙が浮かぶ。

 やがて、ヴィリー、リーゼロッテ、ジェイ、フレスベルク、ヘリオたちが壇上で受勲を受けることになった。アークライト総督自らが勲章を彼ら一人ひとりの胸につけていく。勲章は赤と青の2色のリボンに、放射状に広がる光を現した意匠のメダル。その中央にはアークライト自治領の国章として、半月状の軌跡を描く五芒星が描かれている。

「光栄であります」
「我が国に平和を齎した英雄を遇するのだ、これくらいはな」

 壇上で、ヴィリーと総督はそんな言葉を交わす。一方、ジェイは式典の模様をドローンを通じてキマイラフューチャーに向けて配信していた。事前に配信の許可は上層部にとってある。完璧な角度で受勲を受けるジェイの姿がキマイラフューチャーのストリーミングサービスで流れ、キマイラフューチャーの住民も大いに湧いた。

 受勲の儀が終わると、フレスベルクが壇上に立つ。ここに、彼女はアンサズ地方の民に向けて、聖教皇国の方針として此度の騒乱の様なオブリビオンマシンを悪用した陰謀には第三者機関として介入することを宣言。さらに、各国のいっそうの連帯を願い、対オブリビオンマシン国家連合構想を発表する。

「私達は、この世界の未来のため、さらなる前進をしなければなりません。この国家連合構想こそ、その第一歩なのです。ゆくゆくはアンサズ地方に限らず、全世界にこの環が広がっていくことを、願ってやみません」

 民衆たちの喝采が、フレスベルクの言葉を暖かく出迎える。未来の世界平和という大きな目標に向けて一歩を踏み出したアンサズ地方の住民たちを、ワンダレイの猟兵たちは壇上から見守るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エメラ・アーヴェスピア
長かった一連の依頼もこれで終わり、感慨深いものがあるわね
それじゃ、戦後処理の最後の仕事と行きましょうか

私は勲章は辞退させてもらうわ
あくまで私は職業猟兵、仕事だから
その分報酬はしっかり頂くわよ?…交通網の無料使用には心惹かれるものがあるけど、ね

で、私が何をしているのかって?
お茶でも飲みつつ猟兵側から客観的に見た一連の事件の報告書を作成しているわ
猟兵個人や別世界などの情報はぼかして、あくまで今回の事件に対しての物だけれど…必要でしょう?
作成慣れしているし、事件全てでオペレーターをしていた訳だから適役でしょう
ま、これも私も仕事の内よ
…今度はゆっくりと観光で訪れたいものね

※アドリブ・絡み歓迎
NPC歓迎



●我が戦場はここに終わりを迎えた
 同じ頃、エメラは式典のテレビ中継を眺めていた。彼女は式典への出席や受勲を辞退。交通網の無料使用には心惹かれるものがあったが、職業猟兵として働く彼女には名誉など不要という思いが強かったのである。

 その彼女は、ここしばらく戦後処理の最後の作業を行っている。猟兵側から客観的に見た一連の事件の報告書を作成し、雇い主であるアークライト自治領政府と軍上層部に提出しなければならなかった。報告書の作成にはアークトゥルス隊の面々もデータ提供などの面で協力していた。

「長かった一連の依頼もこれで終わり、感慨深いものがあるわね」
「本当にな、腕のいいオペレータと一緒にやれてよかったよ」

 式典の数日前、アークトゥルス隊の隊長であるグラスアイと共に作業をしながら、今回の一連の戦闘を思い返す。

「思えばいろんな事があったわね」
「本当にな。ただ……大きな犠牲を払うこともなく、全てを終わらせることが出来たのが何よりの成果だったと思う」

 その言葉通り、今回の一連の戦闘では、目立った犠牲者はゼロである。怪我をしたり、オブリビオンマシンの接続の後遺症を治療するための療養が必要な者が若干名いたものの、実に平穏な終わりを迎えられたことにはエメラも驚いていた。何しろ、ワートホグ隊やアークトゥルス隊はオブリビオンマシンとの戦闘では猟兵と共に最前線に立つことも多かったのだ。その中で、オブリビオンマシンと互角に戦えていたのは、やはり彼らの練度が高いからだろうか。否、それだけではない。

「いいオペレータが戦場にいるだけで、的確な戦術を取ることが出来た。それが巡り巡って、俺達の戦果につながったんだ。真の英雄は、俺の中ではエメラだよ」
「そう言ってもらえると、オペレータ冥利に尽きるわね。でも、私は仕事をしただけよ?」

 やがて、作業が一段落すると、グラスアイは式典の準備があるということで、エメラに後事を託して立ち去る。去り際に、エメラと握手を交わす。

「今回は本当にありがとう、またいつでも来て欲しい」
「ええ、今度は観光でゆっくり訪れたいものね」

 時は現在に戻り、式典のテレビ中継ではちょうどグラスアイが勲章を受け取っていた。

「この戦いに臨んだ者、皆が英雄だったのよ。そこに勲章の有無の差はないけれど……でも、本当に良かったわ」

 これが終わったら、次はどの戦場に赴こうか。そんなことを考えながら、エメラは報告書を書き終える。アークライト自治領の戦いを見届けた彼女の戦場は、最後に語り部としてこの戦いを記録に残すことで、幕を閉じるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年07月24日


挿絵イラスト