急募! ドラゴンスレイヤー!!
●グリモアベースにて
「皆様。お集まりいただき、ありがとうございます」
メイド服を身に纏ったステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は目の前の猟兵に一礼する。
「既にご存知かと思いますが、新たな世界『ブルーアルカディア』への道が開かれました」
雲海に無数の浮遊大陸が浮かぶ空の世界。既に猟兵の中にもその世界出身の者がいるだろう。新たな世界はいつだって胸躍るもの。
「ただ……良いことばかりでは無いのが、猟兵の辛いところですが」
頬に手を当ててため息ひとつ。ステラはグリモアが示した未来の可能性を示す。
「皆様には、辺境の平和な浮島のひとつである『ソニア』をお守りいただきたいのです」
●ソニア
ソニアは本当に平和な島だ。島自体も小さくて争いらしい争いも特に無い。
「この島の守り神は『青き水龍』と言われています」
その水龍の力が結晶した超・召喚石があると言われているが真偽は不明である。
だが。
「その真偽を確かめるべく、屍人帝国『ヒンメル』が尖兵を送ってくるのです」
それが平和的な使者なら問題ないのだが、困ったことにばっちりオブリビオンなのだ。
「辺境にあるソニアに撃退する戦力はありません。また周辺の勇士では時間的な問題で間に合わず」
そこでステラは猟兵の皆の目を見る。
「グリモアの転送で今すぐ駆けつけられる皆様にお願いする他無いのです」
●敵戦力
「敵戦力は空中戦を想定したものになっています」
そう言ってステラは紙に戦力配置を書いていく。
「敵の中核は『ガレオンドラゴン』」
その名の通り、ドラゴンと化した飛空艇(ガレオン)である。
「これが配下である『ブレイドホーク』を引き連れて襲ってくる形となります」
ブレイドホークは鷹の形をした魔獣。つまり、どちらも単独で空を飛ぶ術を有している。
「そのため、空から襲ってくるのが敵の基本パターンになるでしょう」
こちらとしては、ソニアの大地にて地対空攻撃で撃ち落とすか、空中戦を挑むしか無い。
「まず、先陣としてブレイドホークが突っ込んでくるようです」
大量に空を舞うブレイドホークを倒していけば、劣勢とみてガレオンドラゴンが加勢に現れる。
「そこで優先順位を変更。ガレオンドラゴンを先に倒してしまえば、ブレイドホークに対する指揮系統が無くなります」
そうなれば後は有象無象の群れと変わらない。こちらの戦力を見て撤退していくだろう。もちろん倒し切っても何の問題も無い。
「ガレオンドラゴンを倒すまでが、今回のメインオーダーとなります」
そこまで言ってステラは顔をあげる。
「どうか、皆様。お力を貸してください」
そして改めて一礼をするのであった。
●戦い終われば
報酬、にはならないかもしれないが、ご褒美的なものがソニアにあるらしい。
「辺境の島らしいと言いますか。この島には眼下に雲海を一望できる、温泉があるのです」
島を守ってくれた猟兵たちに対して、島の住民は快く提供してくれるはずだ。
「戦いの後はゆっくり身体を温め、休んでいただけると」
そう言って、ステラは微笑む。
「それでは皆様。準備はよろしいでしょうか?」
ステラの、胸の前で合わせた両手の間からグリモアの輝きが漏れ出す。
「ソニアの未来を、どうかよろしくお願いします」
そう言ってステラは猟兵たちをソニアの島へ送り出すのであった。
るちる
まいどお世話になってます、るちるです。
クロキャのOPが纏まらなかったので、さくっとこちらをひとつ。空の世界へようこそ、といった感じで。
●全体
3章構成の通常シナリオです。
リプレイの雰囲気はプレイングに沿った形になります。お気軽にやりたいことをやってみてください。
禁止行為はソニアに対する破壊行為と帝国側への助力です。戦闘の余波で壊れるのは含みません。まあ意図的に壊そうとしない限りは壊れません。
リプレイの皆さんのスタート位置はソニアの大地か、各自の飛空艇からになると思います。
敵は基本的に空にいます。OPにあるように、地対空攻撃や空中戦など、こちらの攻撃を当てる手段を持って参戦くださいませ。
以下のプレイングボーナスがあります。ご活用ください。
プレイングボーナス……敵の空中戦・空中機動に対応する。
●1章
集団戦『ブレイドホーク』との戦闘です。空を覆うくらいめっちゃいます。適当に撃っても当てると思いますが、数が多いので対多数攻撃手段があるといいと思います。もちろん1体ずつ叩き落としていっても可。
●2章
ボス戦『ガレオンドラゴン』との戦闘です。
ソニア上空まで近づいてきますので地対空攻撃も当たります。取り囲んで倒していく形になると思います。この時、残っているブレイドホークは無視して問題ありません(邪魔になりません)
●3章
日常『空の湯でひと息』
OPにある通り、戦いの後の温泉です。混浴ですので水着要ります。公序良俗をお守りくださいね。
できることはフラグメントのPOW/SPD/WIZを参考に、出来そうなことなら何でも大丈夫です。
●飛空艇など空を飛ぶ手段
基本的にはご自身でご用意(アイテム化)頂く方が安全です。
が、この世界も始まったばかりでアイテム資金も無いかと思いますので、ステラ(飛空艇形態)を貸し出します。参加者の乗合馬車みたいな感じでお考えください。
ただし『攻撃・防御問わず戦闘行為はしません』『技能やアイテムの効果も使用しません』『喋りません』
皆さんの思った方へ動く、大きめの空飛ぶ足場と思ってください。装備荷物道具持ち込みは可。
OP承認されましたら、状況を説明する冒頭を追加します。それ以後プレイング受付です。タグもご確認ください。
それでは皆さんの参加をお待ちしておりまーす。
第1章 集団戦
『ブレイドホーク』
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POW : テイルブレイド
【尾の先端の刃】が命中した対象を切断する。
SPD : ホークフェザー
【羽ばたきと共に、刃の如く鋭い羽】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : ホークウインド
【力強い羽ばたき】によって【強風】を発生させ、自身からレベルm半径内の味方全員の負傷を回復し、再行動させる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●視界に映るモノ
グリモアの転送。それが終わった後に猟兵たちの視界を覆い尽くしたのは、どこまでも続くスカイブルー。
そしてその青をゆっくりと黒に染めるヒンメル帝国のオブリビオンたち。
舞台の開幕には間に合った。後は空から来る悪意のことごとくを撃ち落とすのみ。
そうして猟兵たちは自身が最適と考えるポジションへと移動する。
それは大地の端、あるいは空舞う飛空艇。あるいは己が身で空を駆ける。
迎撃体制を整えつつ、猟兵たちはブレイドホークの襲来に備えるのであった。
※補足※
地対空攻撃を行うポイントは島の端になりますが、落ちようとしない限り落ちませんのでご安心ください。
飛空艇に乗り込む方はたぶんどこかにある港から発進できます。
ステラ(飛空艇形態)はキャバリア搭載可能です(たくさんは無理です。重たくて失速します)
御魂・神治
足元なんもあらへんやないかい!
天将『何故空中に投げ出されているのですか』
知らん!転移した時の位置ズレか何かやろ!
これ底なしかいな...無限落下は勘弁な!
武神を強化外骨格形態にして【空中浮遊】して【空中戦】や
でっかい鳥は一体ずつ撃ち抜いてたらキリないな
三神を散弾銃形態にして、リロード速度を高める為に予め【エネルギー充填】しとく
火【属性攻撃】の【乱れ撃ち】で焼き鳥にしたる
今武神の中の人やっとる天将は【情報収集】で敵の位置とかマーキングしといてや
間違っても武神の制御の主導権取って勝手に動くんやないで?
おっと、強風で回復させへんからな
『涅槃』の爆風叩き込んで火の渦にしたるで
風吹けば吹く程大惨事やで!
●絶対にひとりはいるアレ
グリモア猟兵の要請を受けて、御魂・神治(除霊(物理)・f28925)は新しき世界ブルーアルカディアへと飛ぶ。
グリモアの光を受けて、次に気付いた時には既に異世界、空の世界。
そう、だから目の前に空が広がっていても全然不思議じゃ……。
「足元なんもあらへんやないかい!」
あれ? 空中でした。
●というわけで
「うぉぉぉぉぉぉ!?」
空の世界といえど、重力は下に働く。すなわち、神治は下に落ちていく。
『何故空中に投げ出されているのですか』
そこで冷静に響く声。神治が連れている相棒の人工式神(AI)『天将(てんしょう)』である。ちなみに彼女(?)は浮いている。つまり問題なっしんぐ。
「知らん! 転移した時の位置ズレか何かやろ!」
『なるほど……ちなみに下は底なしのようです』
「無限落下は勘弁な!?」
冷静な相棒の言葉に、条件反射ッコミのようなマジ懇願のような。
そんなやりとりをしつつも、天将としては真面目に主のピンチである。いつの間にか傍らに在ったのは人工式神強化外骨格『武神』。これを即座に天人型の強化外骨格形態にして、スラスター噴射。空に浮かびつつ、その手で神治を受け止める。
「ふぅ……」
額の汗を拭って、ようやくひと息ついた神治。だいぶ落下してきたがまだ戦線に復帰できる高度だ。見上げれば空の上には『ブレイドホーク』の群れ。
「でっかい鳥は一体ずつ撃ち抜いてたらキリないな」
だが、足場さえできればこっちのもの。武神があれば空中戦も可能だ。
「天将、三神や」
『了解です』
神治の声に応じて、天将が武神の手に『三神』を握らせる。武神用の大型可変式銃、今回は散弾銃形態。
(火の弾丸の乱れ撃ちで焼き鳥にしたる)
だが、まだ射程には遠い。この時間は、リロード速度を高めるためのエネルギー充填に当てる。
「敵の位置とかマーキングしといてや」
『了解です』
と神治の指示に従って、情報収集も担当する天将。とっても従順な天将はまさしくサポートAIにふさわしい……。
「間違っても武神の制御の主導権取って勝手に動くんやないで?」
『……ちっ』
「舌打ちした今!?」
『冗談です』
そんなやりとりしていたら、ブレイドホークが射程範囲に入った。
先手必勝。
武神の構えた三神から、炎の弾丸が放たれる! 連射によって広範囲に広がった弾幕はさながら炎の網のようにブレイドホークの群れを包み込み、その翼を焼き払って雲海へと失墜させていく。
先手を打たれたブレイドホークたちは、しかし力強い羽ばたきで以て強風を発生させる。その風で墜ちていく仲間を回復するも。
「おっと、強風で回復させへんからな」
素早く神治が次の一手。その手から浮かび上がるのは大量の護符。それは神治の力を受けて幾何学模様を描き複雑に飛翔する。さながら疾風のごとく飛翔する護符がブレイドホークに着弾するや否や、派手に爆発を巻き起こす!
「【破魔爆散『涅槃』】ってな」
そう告げる神治の目の前で、群れを食らうかのごとく派手に爆発を繰り返す護符が、爆風で周辺を火の渦と変化させる。
「風吹けば吹く程大惨事やで!」
神治の言う通り、風を巻き込めば巻き込むほど火の渦が大きくなっていく。それに気付かず、羽ばたいたブレイドホークが炎に飲まれ、離脱しようとしたブレイドホークもまた逃げ遅れて火の渦に巻き込まれる。
「たまには爆発オチも回避せなな!」
『……えっ』
「何仕込んでたん!?」
漫才しながら、追撃の三神でブレイドホークの群れを殲滅していく神治&天将でした。
大成功
🔵🔵🔵
黒木・摩那
ビバ新世界!
やって来ましたブルーアルカディア。
一体どんなところなんでしょうか。
しかし、やっぱりオブリビオンはいるものなのですね。
そして、早速攻められているとか。
それは大変です。
オブリビオン退治、お手伝いさせていただきます。
飛行はマジカルボード『アキレウス』に乗ります。
魔法剣『緋月絢爛』で戦います。
アキレウスで鳥の大群に突っ込んでボードの【シールドバッシュ】と剣の【なぎ払い】で鳥の群れを切り崩していきます。
群れの動きが崩れてきたところでUC【万散鏡花】を発動。
一気に蹴散らします。
●やって来ましたブルーアルカディア
「ビバ新世界!」
ブルーアルカディアの浮島ソニアの大地にすたっと着地した黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は高らかに声をあげて空を見上げる。
(一体どんなところなんでしょうか)
という摩那の疑問に答えるのは、どこまでも続く青い空。そして遠くに見える別の浮島。今、自分の足はしっかりと大地を掴んでいるというのに、目の前の光景はどこまでも空に浮かんでいるのだ。
(こんなにも心躍る世界だというのに……)
はぁ、と摩那はため息ひとつ。
どこの世界でもやっぱりオブリビオンはいるものらしい。その証拠に、せっかくの青い空の一角が空飛ぶ脅威で黒く染められつつある。
「そして、早速攻められているとか。それは大変です」
その言葉を口に出すことで、気持ちを切り替えて。
摩那が素早く戦闘態勢を整える。足元に用意したのはマジカルボード『アキレウス』。これまで様々な世界の空を駆けてきたこのサーフボードはもちろんこの空の世界でも通用する。
「オブリビオン退治、お手伝いさせていただきます」
そう言って摩那はアキレウスを空へと飛翔させるのであった。
一度急上昇した後に、高高度から空を滑空する摩那&アキレウス。摩那の眼下に飛んでいた『ブレイドホーク』たちが摩那に気づいて羽ばたきからの強風を生み出すが、摩那はそれすらも波のように乗りこなしていく。
軽やかにブレイドホークの群れに接近しつつ、摩那はすらりと『緋月絢爛』を抜く。刀身のルーン文字が太陽の光を受けて万華鏡に映り変わる魔法剣を手に、摩那が仕掛ける!
「まずは……!」
アキレウスの角度を縦に立てる摩那。ボトムの部分をブレイドホークの群れに向けて、そのままの勢いで摩那が突っ込む!
ボトム部分でのシールドバッシュにブレイドホークの群れが突き崩れる。態勢を乱したブレイドホークたちの横を、すれ違いざまに一閃すれば、そのまま雲海に失墜していくブレイドホーク。
その一撃では終わらず、2回3回と縦横無尽に緋月絢爛を振るってなぎ払い、ブレイドホークの群れを切り崩していく摩那。摩那の攻撃から逃れたブレイドホークが尾の刃を叩きつけてくるも。
「そうはいきません」
と摩那の念動力が抜群のコントロールを見せてアキレウスを操作。くんっ、と切れ味を見せながら紙一重で尾の刃をかわせば、次の瞬間には摩那に斬り捨てられている。
そしてブレイドホークの群れを一度突き抜ける摩那。素早く空中で方向転換すれば、視界に入ってくるブレイドホークの群れは、乱れに乱れて有象無象の集団と化している。
(ここですね)
勝機、と見て取った摩那はアキレウスを滞空させて。体の前に緋月絢爛を構える。
「分散。構え、目標を設定……」
自身の言葉を指標にして、緋月絢爛の刀身に魔力を流し込んでいく摩那。直後、緋月絢爛の刀身から放たれた光が刃を形成する。その光の刃が分散するように空に生まれ続け、摩那の前に顕現するのは渦巻き状に広がる光の刃。
「……散開!! 一気に蹴散らします!」
【万散鏡花】が摩那の言葉に応じて、幾何学模様を描き複雑に飛翔。光の刃たちが摩那周辺に存在するすべてのブレイドホークたちを1匹残らず捉え、貫き、撃ち落としていく。
「……よし」
摩那がひと息つきながら。アキレウスは自然の風に任せて空を滑空する。向かう先は再びソニアの大地へ。もちろん周辺に敵影――ブレイドホークの姿はない。
「さて、次は」
青い空に滑るように移動しながら、摩那は次なる戦いに備えるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ステフ・ウッドワード
空だー!ひろーい!
吸い込まれそうなほど青い空間に圧倒されるも、だんだんと見えてくる鳥さんたちの群れに気合いをいれる
飛空艇のステラさんから飛び降り、アイテムのウィンディリーフを広げ葉の上に乗り、サーフィンみたいにビューンと空を駆けます!
でっかい鷹が1羽2羽いっぱい!
羽が鬱陶しいので届かない遠くからUCで撃ち落としていきます!くらえーッ!
弱った個体にはソロリ近づいて集中的に光の雨降らせてトドメです
他の鳥に絡まれる前に逃げろニゲロー!
あれ、えっコレなんでしたっけなんとかファイト……ドッグファイト?アタシてばキャットなのに??
葉っぱちゃん急いで急いで後ろに鳥が、アアアアアアアアア雨雨光の雨!!
ノエル・エアシップ
この島で物資の買い付けをしたい所でしたが…
魔獣の襲来とあってはそれ所ではありません
先ずは脅威を払うとしましょう
ノエルは思いがけず居合わせた身でしたが、即座に参戦を決意
『変身』の掛け声一つ
UC【ガレオンチェンジ】で飛行艇形態…
光翼を生やした飛行船の如き姿へと移行します
ノエルは輸送が専門ですが
自衛の為にと比較的重武装を施している船でもあります
戦闘可能な高度まで浮上して
舷側に装備した並列三連の魔導ビーム砲による範囲攻撃で
空を汚す鳥共をヤキトリにしてやりましょう
飛行艇に乗り込み戦う予定の方がいらっしゃるなら
ノエルへの便乗も是非どうぞ
ええ、共に魔獣達の脅威に立ち向かいましょう
アドリブ連携、諸々歓迎です
●青い空を進む
浮島ソニアの上空を進む一隻の飛空艇。その姿は光翼を生やした飛行船の如きである。
その縁からひとりのケットシーが落ちそうなほどに体を乗り出しながら、吸い込まれそうなほど青い空間に圧倒されていた。
「空だー! ひろーい!」
今の気持ちのままに叫ぶのはステフ・ウッドワード(夕暮れ森の花咲猫・f17855)。このまま風を切って飛んでいれば楽しいこと間違いなしなのだが、見つめる空の青さに徐々に滲み出す黒い影。言うまでもなく帝国の『ブレイドホーク』である。
「先ずはあの脅威を払うとしましょう」
その声はステフの足元から響くようにして彼女のもとへ届く。それもそのはずだ、声を発したのはステフが今乗っている飛空艇――ノエル・エアシップ(蒼空のノエル・f33889)なのだから。
●経緯
ノエルがソニアにいたのは偶然であった。物資の買い付けで寄っていたのだ。だがその街中に魔中の襲来を知った住民たちが駆け巡る。
そうとなっては買い付けどころではない。思いがけず遭遇した戦いだが、ノエルは即座に参戦を決意。
「変身」
と掛け声をひとつ。ユーベルコード【ガレオンチェンジ】、ノエルの姿が飛空艇形態へと変形する。そして飛び立とうとしたところへ転送されてきたステフとともに空へと舞い上がったのである。
●協力体制
そしてノエルとステフは空へ、戦場へとその身を投じる。
「ええ、共に魔獣達の脅威に立ち向かいましょう」
「うんー!」
ノエルの言葉にステフが返事。それを確認してノエルは高度を上げていく。戦闘高度、そこからもう少し高くに位置取ったノエルからステフが飛び降りる。
「お先です!」
と告げたステフが落下……する前に、彼女は手の内にある種に魔力を流し込んで。直後、ステフの足元に顕れるふしぎな葉っぱ。『ウィンディリーフ』、広げれば風に乗って空を飛べる魔法のアイテムである。
「気持ちいーッ!!」
さながら風に乗ってサーフィンのようにステフが空を駆ける。
●鳥の群れ焼き払う船
そんなステフを見送って、ノエルも戦闘態勢に入る。
(ノエルは輸送が専門ですが……)
だがしかし、それは『輸送しかできない』わけではない。この空の世界を渡り歩くために、自衛の為にと比較的重武装を施している船でもあるのだ。
高度は既に十分。あとは……射程。
(来ましたね)
ノエルの船体を見つけたブレイドホークたちが一斉に彼女へ集まってきたのである。
「いきます……!」
ノエルが発声とともに、面舵に進路を切る。船体が横を向き、舷側に装備した並列の三連魔導ビーム砲がブレイドホークの群れを向く。
「空を汚す鳥共をヤキトリにしてやりましょう」
ノエルが放った並列三連魔導ビーム砲が射角いっぱいに広がって、ブレイドホークの群れを飲み込んでいく。
それでも一撃で全てを屠れるわけでもない。広範囲射撃から逃れたブレイドホークたちが急上昇から降下。尾の刃を叩きつけようと接近するブレイドホークたち。
「それは甘い、と言うしか」
通常の飛空艇ならブレイドホークの急激な動きに反応するところまでが精一杯だろう。だが、この飛空艇はノエルそのもの。ならば、知覚と行動が連動していて当然だ、意志ある艇(ふね)なのだから。
言葉を紡ぐと同時に船体がブレイドホークを迎撃するように傾く。そして再び三連魔導ビーム砲。そのままビームを発射しながら船体コントロール。発射されたビーム砲が上から下へとブレイドホークたちを切り裂くようにして焼き尽くす。
「まだまだ。覚悟してもらいましょう」
そういってノエルは新たなブレイドホークの群れに進路を取るのであった。
●風を駆るにゃんこ
一方、ノエルから離れ空を駆けるステフは、ノエルとは別の群れを捉えていた。高度的にはノエルより下。しかしそこにもブレイドホークたちがいたのだ。
「でっかい鷹が1羽2羽いっぱい!」
波を掴まえたサーフィンのごとく、ビューンと空を駆けながら、敵影の確認と距離を掴む。先手必勝、とブレイドホークの群れの上から放つのは【天上瞬く星の棘】。
「くらえーッ!」
ブレイドホークの射程圏外から放った大量の光属性の魔弾がさながら流星雨のように降り注ぐ。二度三度と乱れ飛べば、黒い塊のようなブレイドホークの群れを光の雨が貫き、その場に空の青さを取り戻す。
だがブレイドホークもやられっぱなしではない。どうにかステフの光の雨を回避した数体が回り込むようにして上昇。そして羽ばたきとともに刃の如く鋭い羽を放ってくる。
「わーーーッ!?」
その刃の羽の群れを、これまたサーフィンのように風に乗ってするりと抜けることに成功するステフ。そうすると眼前にはブレイドホークの群れ。弱っているとはいっても動けないわけではない。
「他の鳥に絡まれる前に逃げろニゲロー!」
その意志がウィンディリーフに伝わったのか、葉っぱが加速。
ステフ目掛けて突進してきたブレイドホークをかわして、次へいこうとするステフ……の前に再びブレイドホーク。それもかわして、かわしてかわして。
「あれ、えっコレなんでしたっけなんとかファイト……ドッグファイト? アタシてばキャットなのに??」
こてんと首を傾げてリアクション待ち(?)していたのがいけなかった(?)
そんなステフの背後に、ブレイドホーク(某ハンターみたいな感じで)
「アアアアアアアアア!? 葉っぱちゃん急いで急いで後ろに鳥が、アアアアアアアアア雨雨光の雨!!」
猛然と空中ダッシュしながら、もう一回【天上瞬く星の棘】を放つステフ。しかしどうやら弱った個体だったらしく、接近速度が鈍い。素早く距離を取ったステフは光の雨を集中的に降らせて仕留めるのであった。
●そして二人は合流する
「し、死ぬかと思った……」
「大丈夫ですか?」
再びノエルと合流したステフは、ノエルの甲板に着地。ようやく安全圏だと息を吐く。
事実、二人の視界内にブレイドホークはおらず、こちらへ向かってきた一派は掃討できたようだ。
しかし帝国の攻撃が終わったわけではない。
ステフとノエルは次の行動に備えて、再び戦闘態勢を整えるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
舞塚・バサラ
【SPD】
空を埋め尽くす勢いで御座るなあ…
まあ、狩れるだけ狩って修理に使うで御座るぞ【暁烏】
『御意』
UCを使用しつつ、某の絡繰【暁烏】を可変させての空中戦を挑むで御座る
基本はヒットアンドアウェイ
此方はUCにて高速かつ慣性を無視した動きにて相手方に囲まれぬように動きつつ、【残像】や【早業】で撹乱しつつ、敵の天使核を【暁烏】の可変翼を刀や槍や爪に変化させつつ抜いてゆくで御座る
いやはや、心の臓にあるとは分かりやすくて助かるで御座るな(暗殺、早業、残像、部位破壊、斬撃波、見切り)
機動で掛かる負荷?某、悪霊に御座るゆえな
範囲攻撃できない分は手数と速さで補いつつ兎に角天使核を回収して行くで御座るよ
●
既にヒンメル帝国の斥候『ブレイドホーク』の群れとの戦闘は始まっている。仲間の猟兵たちがブレイドホークを空から墜としていく様をソニアの大地から見上げながら、舞塚・バサラ(變亡する陰陽・f00034)は現況を正確に分析していた。
「空を埋め尽くす勢いで御座るなあ……」
そう呟くバサラであるが、それは諦観の言葉ではない。どちらかというと希望的観測。ゆえに続く言葉は傍らに在った自身のサイキックキャバリア『罰裁羅式改型忍術絡繰「暁烏」』に向けられる。大鴉に変形する機能を持つこの機体は、どうも完全な状態ではないようだ?
「まあ、狩れるだけ狩って修理に使うで御座るぞ【暁烏】」
『御意』
バサラの言葉に応じて暁烏が起動する。直後、大鴉の姿へと変形した漆黒の機体はその翼で空へと飛翔するのであった。
ユーベルコード【陽術:変性流転】はバサラの周辺を熱量操作することで空気抵抗と慣性を自在に殺す技巧である。それはキャバリアに乗っていたとしても違わず効果を発揮する。
以て、周辺の気流を制御したバサラ&暁烏は空の世界の常識すらも無視する、傍目からみたら『わけわからん!?』高機動でヒット&アウェイな攻撃を叩き込んでいく!
なにせ、超高速で接近してきたと思ったら目の前で完全制止して、次の瞬間には自分の身に暁烏の可変翼が武器に変形して突き刺さるのだ。
ブレイドホークがオブリビオンだったとしてもバサラと暁烏の動きには動揺せざるを得ない。空気抵抗や慣性を完全に無視して攻撃とはそこまでに異質なのだ。
その上、バサラの動きは暗殺者のソレ。素早く死角を捉える術に、正確に一部を貫く技術。ついで息をつく暇すら与えない斬撃。それらが一連の流れとなってブレイドホークに叩き込まれる。
「いやはや、心の臓にあるとは分かりやすくて助かるで御座るな」
そう言いながら、早業のごとく距離を取るバサラ。暁烏の可変翼の先端に確保したのは天使核。暗殺の御業を以てすればこの程度のことは造作もない。
バサラ&暁烏の位置を捉えたブレイドホークたちが羽ばたきで以て、鋭い刃の羽を飛ばしてくるが。
「ここは……こうで御座るな」
それはいとも容易くバサラに回避される。ついで緩急をつけた動きで残像を残しつつ、かく乱。ブレイドホークたちに囲まれぬように、と動きながら、一瞬で死角を捉えては直進&制止。そして瞬く間に可変翼が刀や槍や爪に変化して貫く、斬り裂く。天使核を捉えたら、即座に離脱。
鳥ごときが捉えられる動きではない。
こんなことを繰り返して、中に乗っているバサラは大丈夫なのか、と、他の者が見ていたら思うだろう。およそ人が乗っているとは思えない機動をしているのだから、その負荷は計り知れないダメージとなってバサラに降りかかっているはずだ、と。
(某、悪霊に御座るゆえな)
なにそれずるい。デフォルトで重力キャンセルとか本当ずるい。
そんなわけで。
範囲攻撃できない分は手数と速さで補う、と、大鴉が縦横無尽に空の戦場を駆け巡る。
「兎に角天使核を回収して行くで御座るよ」
『御意』
と本気で回収しまくっていくバサラと暁烏なのでした。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『ガレオンドラゴン』
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POW : 属性変換
【ドラゴンの牙】が命中した敵から剥ぎ取った部位を喰らう事で、敵の弱点に対応した形状の【部位を持つ『属性ドラゴン』】に変身する。
SPD : ガレオンブレス
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【口】から【ブレス砲撃】を放つ。
WIZ : 飛竜式艦載砲
【飛空艇部分の艦載砲】を向けた対象に、【砲撃】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
ヒンメル帝国の先兵ブレイドホークの群れは猟兵たちの活躍で、そのことごとくが雲海へと墜ちていった。空を覆い尽くそうとしていた黒は青き空より払われたのである。
だが、青さを取り戻した空で徐々に大きくなっていく点。それはゆっくりと浮島ソニアへ近づいてくる『ガレオンドラゴン』であった。先のブレイドホークたちを束ねていた飛空艇にして竜である。
その竜が吼える。もはやこれ以上の、帝国への狼藉は許さないという咆哮。その咆哮を聞いて、側に護衛として控えていたブレイドホークたちが下がる。
前に出てくるガレオンドラゴン。
飛空艇にして竜たるオブリビオンがソニアの上空へと達しようとしていた。
※シナリオ補足※
ガレオンドラゴンの位置は、浮島ソニアから砲撃可能な位置~ソニアの上空になります。お好きなタイミングで仕掛けてください(特に指定なくても大丈夫です)
基本的にPOW/SPD/WIZに従った反撃をしてきますが、威嚇射撃と羽ばたきによる強風攻撃はどのパターンでも仕掛けてくる可能性があります(対応がなくても皆さんが不利になることはありません)
黒木・摩那
緒戦はブレイドホーク相手に完勝でしたが、後ろから大物が出てきました。
竜の背に人を乗せる形に改造してあるようです。
この世界の戦象みたいなものでしょうか。
世界変われば、兵器もかわるものですね。
引き続き『アキレウス』で空を飛びます。
ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
砲撃は【念動力】で軌道を逸して避けながら接近。
ヨーヨーの間合いに来たら、竜にヨーヨーを絡めます。
そして、UC【獅子剛力】を発動。
アキレウスで【空中機動】をかけて急降下して、竜を引きずり回します。
舞塚・バサラ
【SPD】
あの巨体にしては信じられぬ速さ、天使核とやらはそれを成し得るので御座るな。
続けて『暁烏』に乗ってUCを使用し空中戦にて候
ソニアに乗り上げる前に出張るで御座る
敵の攻撃は主に口に依存、故に敵より小回り及び旋回性が確実に上回る『暁烏』にて相手の背や尾に張り付き、敵の体を盾にする次第(地形の利用、見切り)
狙うは艦部分の竜骨、バランサーである尾の切断を実行するで御座る(部位破壊、残像、暗殺、ダッシュ、早業、武器落とし)
空中戦ではバランスを崩せば墜落する事必須
されど尋常の理より外れしオブリビオンはそれでも耐える目がある
なら動きを幾らか鈍らせれば後続の方々も戦いやすくもなるで御座ろうて
御魂・神治
※前回から引き続き武神武装中
おー、なんかでっかいの出てきたわ
あんだけデカいと破壊し甲斐があるわ
豆鉄砲でちまちま撃ってても埒開かんし
武神の装甲内部にしこたま仕込んである爆龍符の【爆撃】と、紫電符のプラズマジェットの【焼却・弾幕】で派手にやらせてもらうわ
攻撃は天将の【戦闘知識】の演算でオート回避な、自主的に避けるの面倒やし?
ワイはデカブツをタコ殴りにしたいんや
砲撃やて?そんなもん威力任せで弾き飛ばしたればいい
三神をスナイパーライフル形態にして【破魔】の【エネルギー充填】
【リミッター解除】して相手の砲撃を相殺する形で『八咫』の【貫通攻撃】を口目がけて撃ち込んで内部で大爆発や
●
ゆっくりと、しかし空を切り裂くように。
『ガレオンドラゴン』が浮島ソニアに迫る。天使核の暴走によってその身を竜と化した飛空艇は溢れる力のまま、目の前の島を蹂躙せんと接近してくる。
それをまず迎え撃ったのは、御魂・神治(除霊(物理)・f28925)、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)、舞塚・バサラ(變亡する陰陽・f00034)の3人。
「おー、なんかでっかいの出てきたわ」
神治が遠くを眺めるような仕草でガレオンドラゴンを視認。空での戦いを想定して、先の戦闘に引き続き、人工式神強化外骨格『武神』を天人型の空中戦仕様。サポートAI『天将』が情報収集した敵の有効射程範囲外を滞空する。
「緒戦はブレイドホーク相手に完勝でしたが……後ろから大物が出てきました」
その傍らをマジカルボード『アキレウス』に乗って浮遊するのは摩那。こちらも遠くを眺めるような仕草をしているが、どちらかというと好奇心が勝っている模様?
(竜の背に人を乗せる形に改造してあるようです?)
ガレオンドラゴンの姿をじーっと観察して、そんなことを思いつつ。空の世界であるブルーアルカディア、ならばアレはこの世界の戦象みたいなものなのかもしれない。
(世界変われば、兵器もかわるものですね)
と感想を抱きつつ、視線はしっかりガレオンドラゴンの動きを見据え。
「あの巨体にしては信じられぬ速さ、天使核とやらはそれを成し得るので御座るな」
同じく、観測……というよりは計測か。
『罰裁羅式改型忍術絡繰「暁烏」』を大鴉形態にしてこちらも滞空しているバサラ。こちらも空中戦を仕掛ける態勢だ。
『まだ、計り知れない力があると思われます』
ガレオンドラゴンの情報収集を行っていた暁烏からそのような言葉が発せられれば、頷きを返すバサラ。まだまだ暁烏は『本調子』ではない。回収できるものは回収せねば。
「あんだけデカいと破壊し甲斐があるわ」
神治がそう言って武神を突撃させようとした瞬間。
「来ました!」
摩那が叫ぶ。ガレオンドラゴンが威嚇射撃を行ってきたのだ。というより、無差別広範囲砲撃といったほうがいいか。
「ソニアに乗り上げる前に出張るで御座る」
「ほな、散開ってやつで!」
迫る砲弾に、3人は思い思いの方向へ回避行動を取る。そのまま、『自身の狙い』のための行動へと移行するのであった。
●
「天将、一回距離取るで!」
『了解しました』
撃ち込まれた砲弾に対して武神の態勢を半身にして回避。その手に人工式神強化外骨格『武神』用の大型可変式銃『三神』を握りながら、神治&天将は前を向いたまま後退する。
じっくり狙うには態勢を整える必要がある。そのための距離調整。
「天将、オート回避よろしくな」
『え……』
天将が一瞬嫌そうな顔(?)をしたが、そんなやりとりを許さないほどに、ガレオンドラゴンからの艦載砲から砲撃が断続的に叩き込まれている……武神目掛けて。
「なんでやねん!?」
『単に目についただけかと』
単純に運の話である。だが、回避行動の差でガレオンドラゴンの視界内に留まっていたのが神治の武神だけだったのだ。
だがガレオンドラゴンが前進しながら艦載砲を放ってくるも、軌道を演算で読み切った武神(天将の仕事です)が回避していく。
時折、三神で反撃を放つも、単発ではほぼダメージが見受けられない。
(豆鉄砲でちまちま撃ってても埒開かんし)
撃ち終えた三神を一度仕舞いつつ、神治は次の行動へ移る。それはすなわち。
(ワイはデカブツをタコ殴りにしたいんや)
そのためには距離を詰める必要がある。相手の出方は十分にうかがった、データも(天将が)ばっちり集めた。
「天将、突っ込むで!」
『……砲撃はどうするのですか?』
「そんなもん威力任せで弾き飛ばしたればいい」
『了解しました』
神治の命令を事も無げに了承して。
砲弾の雨が降る中、武神が空を駆ける! 直撃コースの砲弾に対して、逆に速度を上げて、炸裂よりも早く体当たりで砲弾を弾き飛ばす武神。
『ルート、算出済です』
「よし、突っ込め!」
神治の命令のままに、武神がガレオンドラゴンに向けて接近するのであった。
●
神治が図らずも囮のような形となった。それに引き付けられるように前に出るガレオンドラゴン……の横から回り込むように飛翔するバサラ&暁烏。
(敵の攻撃は主に口に依存)
ならばどうするかと言えば、だ。
「故に敵より小回り及び旋回性が確実に上回る此方が優位。回り込むで御座るぞ」
バサラの意志をそのまま実現するように、加速する暁烏。狙いはガレオンドラゴンの背や尾。ここに張り付けば、ガレオンドラゴンからの攻撃はまず届かない。
だが、ガレオンドラゴンもそれを許すほど知性が低いわけではないようだ。視界の片隅を飛翔する暁烏を見て、即座に口だけを反転。生物ならではの動きで暁烏に向けてガレオンブレスを放ってくる。
「暁烏!」
『御意』
バサラの声に暁烏が加速する!! 既にユーベルコード【陽術:変性流転】によって、周辺の気流は掌握済。空気抵抗や慣性を完全に無視した行動が可能ならば。
加速、加速、加速! およそ人の身では耐えきれない負荷も悪霊のバサラには関係なく、完全に無理矢理な機動でブレス砲撃を回避しつつ、バサラと暁烏はガレオンドラゴンの背面を捉える。
(ここまでくれば!)
このまま、ガレオンドラゴンの体を盾にするように動けば敵の攻撃は当たらない。
まるで鳥が獲物を狩る時のように、暁烏がガレオンドラゴンに突撃するのであった。
●
バサラが背面に取り付こうとしていた頃。
(今ですね)
摩那もまたガレオンドラゴンに仕掛ける。3人のうち、唯一起動兵器を使用していない摩那はガレオンドラゴンの隙を十二分に測る必要があった。
神治とバサラの攻撃に完全に気を取られている今だからこそ、摩那の動きが活きる。
いまだほぼオートで続いている威嚇射撃の砲弾の雨。その中にアキレウスを加速させて突撃する摩那。
迫りくる砲弾は周囲に張り巡らせた念動力で軌道を自身から逸らせて回避。
ガレオンドラゴンに接近しながら構えるのは超可変ヨーヨー『エクリプス』。謎金属で超頑丈なヨーヨーはガレオンドラゴンに対しても有効な手段だ。
「……っ?!」
だが接近してくる摩那を見逃すほどガレオンドラゴンも抜けていなかったようだ。突如ガレオンドラゴンの口が摩那を向く。そしてその牙による噛みつき攻撃!
サイズ差からすればそれはかなり有効な手段であっただろう。
「なんのっ!」
しかし摩那にはアキレウスによる高速機動がある。念動力で負荷を逃しながら、軽やかにガレオンドラゴンの牙を回避した摩那はそのままガレオンドラゴンの首の後ろへ回り込む。
「いきますよ!」
そしてその手からエクリプスを放つのであった。
●
摩那が放ったエクリプスがガレオンドラゴンの首に巻き付く。
「……!」
ぐっ、と持ち手を引き寄せればエクリプスのワイヤーがガレオンドラゴンを絡めとる。
瞬間、ほんのわずか。動きが止まるガレオンドラゴン。
その隙を逃すバサラ&暁烏ではない。
「今で御座る!」
暁烏の動きがさらに加速する。その翼、羽状の可変武装が刃と化して、艦部分の竜骨とバランサーである尾の切断するバサラ。その御業、不可視の暗殺のごとし。
(空中戦ではバランスを崩せば墜落する事必須)
だが相手は尋常の理より外れたオブリビオンなれば。
(それでも耐える目があるで御座るが)
しかしオブリビオンとて、この世界に縛られている存在。船の核たる部分を破壊されれば、タダで済むわけもない。
(動きを幾らか鈍らせれば後続の方々も戦いやすくもなるで御座ろうて)
そんなバサラの思惑通り、ガレオンドラゴンの動きが目に見えて落ちたのである。
ガレオンドラゴンの注意は自身の周りを飛ぶ摩那とバサラに完全に向けられている。
(ええ感じやん)
いまだ威嚇射撃はオートのように続いているが、回避行動に問題はない。
高速で接近しながら三神をスナイパーライフル形態にする神治。エネルギー充填の時間も十分に稼がせてもらった。
「派手にやらせてもらうわ!」
放つのは、武神の装甲内部にしこたま仕込んである爆龍符と、紫電符のプラズマジェット。爆撃と焼却と弾幕で
『ついでに破魔も付与しておきました』
「さすが出来るサポートAIやな!」
リミッター解除しつつ、放たれる【神器霊弾『八咫』】。
それは威嚇射撃の砲撃を相殺する形で、ガレオンドラゴンの口に吸い込まれていき、そのまま口の中で大爆発を起こす。
「よっしゃ!」
思惑通りに炸裂した八咫を見て神治が歓声を上げた。
(ここしかありません……!)
摩那もまた仕掛ける時を捉えた。ガレオンドラゴンが体勢を崩した今ならば!
ユーベルコード【獅子剛力】を発動!
「アンカー作動……力場解放!」
摩那が叫びながらエクリプスで捕縛したガレオンドラゴンを強引に引っ張れば、その軌道のまま振り回されるガレオンドラゴン。
(このまま!)
両手でガレオンドラゴンを好き勝手にしつつ、爪先がアキレウスを改めて掴む。その仕草に反応してアキレウスが加速。上昇してからの、急降下! その空中機動はそのままガレオンドラゴンへの負荷となる。
「離脱してください!」
「承知した」
摩那の声に、バサラが応える。瞬間、暁烏がその場で舞い、さらに刃の翼で深い傷を刻む付けてから、バサラと暁烏が離脱。
摩那もエクリプスの拘束を解いて、ガレオンドラゴンを空の底へと投げ捨てる!
「おまけや!」
そこへ上からスナイパーライフルで数発叩き込む神治。その衝撃がさらにガレオンドラゴンを空の底へ押し込んでいく。
摩那、バサラ、神治の活躍で、ガレオンドラゴンはソニアから大きく引き離されるのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
ニノン・トラゲット(サポート)
『容赦なんてしませんから!』
『アレ、試してみちゃいますね!』
未知とロマンとお祭りごとを愛してやまない、アルダワ魔法学園のいち学生です。
学生かつ魔法使いではありますが、どちらかと言えば猪突猛進でちょっと脳筋っぽいタイプ、「まとめてぶっ飛ばせばなんとかなります!」の心で広範囲への攻撃魔法を好んでぶっ放します。
一人称はひらがな表記の「わたし」、口調は誰に対しても「です、ます、ですよね?」といった感じのあまり堅苦しくない丁寧語です。
基本的にはいつも前向きで、ネガティブなことやセンチメンタルっぽいことはあまり口にしません。
その他の部分はマスターさんにお任せします!
ステフ・ウッドワード
引き続きウィンディリーフに乗り空を飛んでいます
船なのにドラゴンなんて面白いカタチですね!
うわっ!?なんか威嚇射撃してきました!
風に乗ってうまく避けて…まあまあ近づいて…ッて、でっかい!
うわあ…こわー、ブレス警戒して射線にはいらないよう船底というかおなかのとこに進みます!UC撃ちます!光の雨っ!
翼バサバサされたら風に巻き込まれないようウィンドサーフィンでなんとか…
使い魔梟のピッチー君を召喚して葉っぱを引っ張って飛行補助してもらい体勢整えますね
ドラゴンボロボロになってきたかな?
よしトドメの一撃いきますよ
うりゃー!一点集中全力魔法で光収束させてビーム!撃沈しろーっ!
●
先行した仲間たちが『ガレオンドラゴン』を浮島ソニアから引き離していく。正確に言えば、雲海に向けて墜落していっているのだが。
「ん~~~~???」
そんな様子を距離を取って確認していたのはステフ・ウッドワード(夕暮れ森の花咲猫・f17855)。ふしぎな葉っぱ『ウィンディ・リーフ』は風を捕まえて空を飛べるけども、惜しむらくは風以上の速度が出ない。そんなわけで自力で飛ぶ面々に追い付けないでいたわけだが。
この場合は、幸運だったといえよう。
「うわっ!? なんか威嚇射撃してきました!」
その攻撃はほぼほぼ真下から。つまり雲海の中から。もちろん仕掛けてきたのはガレオンドラゴンである。どうやら、天使核のエネルギーをさらに暴走させて故障を無理矢理修復したようだ。
ただ、相手の砲弾も風を生み出すものであったので。ステフのウィンディ・リーフはその風に押されて自然と砲撃を回避する。
先行した猟兵たちをかいくぐるように、雲海の中からソニアに迫るガレオンドラゴン。その姿がゆっくりと浮上して、その全貌をさらす。
(船なのにドラゴンなんて面白いカタチですね!)
威嚇射撃を回避しながら、そんなことを思いつつ。攻撃を仕掛けるために接近するステフ。遠目から見ると『おっきいなー』くらいだったのだが、まあまあ近づいてくると、ケットシーサイズvsガレオン船である。
「ッて、でっかい!」
思わず叫ぶステフ。その声を聞きつけたのか、ガレオンドラゴンの口がステフを向く。
「うわあーーー?!」
慌てて反転するステフ。うっかり射程内に入ってしまっていたようだ、これはマズイヤバイ。しかし、ウィンディ・リーフは風に乗るタイプの乗り物なので、急速反転とか厳しい。
「アブナイアブナイアブナァーーーッ!?」
ステフが叫んだところへ、空から降る一条の光がガレオンドラゴンの口の中に直撃する!
「大丈夫ですかーーー!?」
それは浮島の端っこから雲海を望みつつ、ステフを見つけたニノン・トラゲット(ケットシーの精霊術士・f02473)の声であった。
●
グリモアベースで『がしっ』とグリモア猟兵に捕まったニノン。かくかくしかじか。そんな経緯があって、ブルーアルカディアの世界へ転送されてきたのだが、好奇心は猫に効く。珍しい空の世界に少しだけ心を奪われていた間に、戦況が進んでいたのは秘密である。
そんなわけで戦線に参上したニノンは、ソニアの島の端っこからガレオンドラゴンと戦っているステフを確認。
(理解しました。あれをぶっ飛ばせば勝ちですね)
『ぶっ飛ばせばなんとかなります!』の心が華麗に当てはまる戦況。口を開けて攻撃しようとしたガレオンドラゴンに【ジャッジメント・クルセイド】をぶっぱしたのである。
●
空での戦いでは高度的な『上』を取った方が強い。ドッグファイトであれば、自分が高みにいないといけないが、【ジャッジメント・クルセイド】なら。
「全力で仕掛けますから、巻き込まれないでくださーいっ!!」
「逃げて、が先じゃないんだー?!」
ニノンの掛け声にステフは思わずツッコむ。
そう、声をかけてからではなく、もう既に放っているニノンさん。しかも高速詠唱で連射。空から雷のごとく降ってくる光に打ち据えられて、ガレオンドラゴンの動きが鈍る。
「わわわーっ!?」
その隙に追い立てられるようにして前線離脱するステフのウィンディ・リーフ。それを逃がすまい、とガレオンドラゴンが無理矢理ブレス砲撃を放ってきた!
「こわー?!」
その射線からも風に乗って離脱。ブレスを回避したステフはブレスが巻き起こした下降気流を捕まえて、高度を意図的に下げる。
下げながら、ステフもまたユーベルコードを発動!
「光の雨だーっ!」
と780個の光属性の魔弾を放てば、それが流星雨のような乱射でガレオンドラゴンを撃ち抜いていく。
攻撃を仕掛けながら、ステフは安全地帯を探していた。
(口から発射するなら、届かないところにいけばいいもんね)
ならば狙いは。口が向きにくい方向、すなわちガレオンドラゴンの船底、おなかに当たる部分!
「ピッチー君、引っ張ってー!」
『おばけのピッチー』君(使い魔として召喚する梟の霊)を呼び出して、葉っぱを引っ張ってもらうことで直進移動を可能としたステフのウィンディ・リーフが狙いの場所へ滑り込む。
【ジャッジメント・クルセイド】はガレオンドラゴンを傘にして回避。そうすれば口が船底へ向かない以上、そこは安全地帯だ。
降り注ぐニノンの【ジャッジメント・クルセイド】とステフの【天上瞬く星の棘】によって、ガレオンドラゴンの船体はボロボロだ。
「よしトドメの一撃いきますよ!」
「わかりました!!」
ステフの言葉にニノンが杖を握り直す。
その杖から放たれるのは【エレメンタル・ファンタジア】。発現するのは氷のダウンバースト。冷気がガレオンドラゴンの船体を凍らせ、さらに動きを鈍らせる。
そこへステフが両手を掲げる。
「うりゃー! 一点集中全力魔法で光収束させてビーム!」
説明ありがとう! という感じで、ステフの思い通りのビームが船底から上に向かって放たれる。氷とビームで挟まれたガレオンドラゴンの船体が徐々にひしゃげていく。
「「撃沈しろーっ!」」
ステフとニノンの声が重なって、二人の攻撃がガレオンドラゴンに叩き込まれるのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
化野・那由他
守り神の青き水龍……蛟みたいなものでしょうか。
いずれにせよ平和な島を荒廃させるわけには参りません。
ここは付喪神奇譚で空飛ぶ布の付喪神「衾」を召喚し、それに【騎乗】して戦いましょう。
妖刀『化骸』を閃かせ、ドラゴンの顔とか腕とか羽とか斬れそうなところを斬り裂いてみます。
ブレスなどは【見切り】つつ【ダンス】するようにひらりひらりと。
名は体を表すと言いますが、如何にも頑丈そうな龍ですね。
攻撃を避けながら刃が通りそうな箇所を見極めましょう。
たぶん頭が狙い所でしょうか。あちこちを責め苛みつつ、眉間に刃を突き立てられないか試してみます。
ただ近づいて斬り裂くだけではなく【念動力】で刀を飛ばしたりしながら。
●
激化する『ガレオンドラゴン』と猟兵たちの戦い。その最中に浮島ソニアへふわりと降り立ったのは、化野・那由他(書物のヤドリガミ・f01201)。ほぅ、と感嘆の吐息をつける程度には、浮島ソニアに被害は及んでおらず、猟兵たちの奮戦がこの島を守っていることを示している。
「守り神の青き水龍……蛟みたいなものでしょうか」
グリモア猟兵の言葉。那由他の『出自』を考えれば後ろ髪を引かれるのはごく自然なことであろう。でもだからこそ、まずは目の前の戦いを終わらせなければいけない。
「いずれにせよ平和な島を荒廃させるわけには参りません」
胸の前で、己の本体でもある奇書『無名奇譚』を開く。風に導かれるように頁がめくられていき。
「年経た器物に叡智あり。古の御業、此処に示さん」
那由他の声が、そこに載っていた付喪神を呼び出す。ソレは布の付喪神『衾』……特定の読者に精神的ダメージを与えそうなインパクトであるが、落ち着いてほしい。元々は一反木綿の仲間みたいな、大きな風呂敷の姿といわれる妖怪である。
衾の上にとんっと乗り込んだ那由他は空へと舞い上がる。その手に抜き放つのは『化骸』――数多の妖物を斬り、妖刀と化した鎬造りの打刀。狙うは最後の力でソニアを砕かんとしているガレオンドラゴン。
衾が風を捕まえる。この空では風を捕まえた方が勝ちだ。その風に乗って那由他がガレオンドラゴンに迫る!
「……!」
まずは羽の先。そして翼の被膜。ガレオンドラゴンの羽ばたきが生み出す風すら利用して那由他が竜の周りを飛びながら、化骸の刃を閃かせていく。
その時、ガレオンドラゴンの速度が僅かにあがる。
「……っ、避けてっ」
咄嗟に上昇しながら、衾に声をかける那由他。直後、ガレオンドラゴンの口からブレス砲撃が放たれる。まずは一射をかわして、しかしガレオンドラゴンが次々とブレス砲撃を放ってくる。ブレスが生み出す風を使って、ダンスのよにひらりひらりとかわしていく那由他と衾だが、それを見て取ったガレオンドラゴンが最後の力で、広範囲にブレスを放つ!
「……っ!!」
その射線を見切った那由他が咄嗟に全身で衾にしがみつく。すると重心が寄ったことによって、衾が『すとん』と急降下して、ブレス砲撃を回避する。
そしてガレオンドラゴンの下に回り込んだ那由他&衾は再び滞空態勢。衾の上で再び立ちあがった那由他は化骸を握る。
「名は体を表すと言いますが、頑丈な龍ですね」
仲間の猟兵の攻撃で既にボロボロであるのに、まだ撃沈していない。だが、あと少しというのは那由他の第六感が告げている。
(ここが攻め時)
ならばこそ無理のしどきでもある。そしてブレスの反動で動きが完全に止まった今なら。
那由他の意志を受けて、衾が急上昇する。
(刃が通りそうな箇所……たぶん……)
一直線にそこへ向かう那由他。その場所とは眉間。生物ならばここを突かれて無事ではいられない箇所。
その那由他の動きを察したガレオンドラゴンもまた動き出す。
「ならば!」
那由他がその手から化骸を投げ放つ。それは胴体の、船体と竜の接続部。弱そうな箇所目掛けて念動力で放った一撃がガレオンドラゴンに突き刺さる。
絶叫するガレオンドラゴン。
だがこれはフェイク。その隙へ那由他はガレオンドラゴンの眉間に辿り着いている。
「これで終わりです!」
再び念動力でその手に引き戻した化骸を両手で掲げて。
那由他は全身で化骸をガレオンドラゴンの眉間に突き刺すのであった。
成功
🔵🔵🔴
大崎・玉恵(サポート)
妖狐の戦巫女×陰陽師女です。
普段の口調は「女性的(わし、おぬし、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)」、気にいったら「尊大(わらわ、おぬし、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、公序良俗に反する行動はしません。
ユーベルコードを絡めた【誘惑】による認識操作や籠絡、【呪符】に【破魔】【焼却】等の【呪詛】を込め【呪殺弾】とする、薙刀による【薙ぎ払い】【2回攻撃】が得意です。
卑劣な手段をとる敵には【威厳】【存在感】を放ち神として振る舞います。
●
「おお……もう終わった感じじゃな?」
空を見上げながら、そう告げたのは。グリモア猟兵に尻尾をもふもふされそうになって回避、その瞬間的な体の硬直の時間でブルーアルカディアに強制転送されてしまった大崎・玉恵(白面金毛・艶美空狐・f18343)であった。
こうなってはしかたあるまい、と事態を把握。浮島ソニアを護るべく『ガレオンドラゴン』の接近に備えていた玉恵だが。
「……おお」
当のガレオンドラゴンは空で爆散した。遠目からでもわかるほどに、船体にヒビが入っていき、内側から竜の体ごと爆発したのである。ちなみに先に戦闘をしていた猟兵の眉間に突き刺した一撃が致命傷となったのだが、そこまでは玉恵からは見えない。
今、玉恵の視界に映っているのはただひとつ。
ソニアの上空からガレオンドラゴンの『破片』が大量に降ってくる光景である。
「……うむ。これ、わしが始末するのかや?」
誰ともなく呟く玉恵。くるり見渡してみても、仲間とおぼしき猟兵たちはいない。皆、空の上らしい。空からも撃ち落としてくれているが、位置の関係上、大技が使えない。
つまり、大ピンチ。
「はぁ……もう」
面倒なことを押し付けられたものだ、と思いながら、ぴっ、と指の間に挟み込むのは呪符。込めるは『焼却』の呪詛。以て、呪殺弾とした呪符を空へと投げつける!
呪符がガレオンドラゴンの破片に張り付いた瞬間。
「最たる苦しみは内にある。己が炎に焼かれよ」
玉恵が言霊を紡ぐ。【想起・忌火】――呪符を起点に、ガレオンドラゴンの破片全てに広がっていく癒えない傷跡と呪いによる断続的な精神攻撃。
ガレオンドラゴンが『元は飛空艇であった』というのなら。その船体に刻まれているはずだ、航行不能になりかけた過去が。ガレオンドラゴンがガレオン船のままであったなら、この攻撃は通じなかったはず。されど、かの船はドラゴンに、生物へと化してしまった。ゆえに、過去(トラウマ)がその身を燃やし尽くす。
破片が炎に包まれる。玉恵に接近したものから次々と自ずから。
「よう燃えるのう」
空を見上げながら玉恵が呟く。玉恵からすれば、落ちてくる破片から燃え上がっていくのだから、楽なものだ。舞扇で自身を扇ぎながら、のんびりまったり玉恵さん。
そして破片のことごとくが燃え尽きる。炭化した破片が風にさらわれて、消えていく。
「後始末としては、上等じゃろう」
その様子を確認して、玉恵は安堵の吐息をつく。
こうして、浮島ソニアに迫っていた屍人帝国『ヒンメル』の脅威は去ったのである。
成功
🔵🔵🔴
第3章 日常
『空の湯でひと息』
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POW : ゆっくりお湯に浸かり、身体を温める
SPD : 打たせ湯で身体をほぐす
WIZ : 雄大な景色を眺めて楽しむ
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
見事、浮島ソニアへ襲い掛かってきたドラゴンを倒した猟兵たち。
『ドラゴンスレイヤー』の名を得た(?)猟兵たちは、ソニアにある街の人々に歓声とともに受け入れられたのである。
「何もない島ですが……」
とソニアの人々が口々に言うが、その次に出てくるのはグリモア猟兵が言っていた温泉のことであった。
「せめてものお礼です。ゆっくり身体を休めてください」
そういってソニアの人々は、自分たちの憩いの場を猟兵たちに提供するのであった。
●
その温泉は簡単に言うと島の端っこにあった。もちろん露天風呂状態。
正確な地形を言うなら、温泉があるのは崖の上。とはいっても一歩踏み出せば雲海真っ逆さまという位置ではなく、多少内陸にある高さのある山の上といったほうがいいか。なので、『雲海に落ちそう』という心配はいらない。
湯舟はふたつ。
ひとつは雲海を一望できる上の湯。ここから島の端っこまでは距離が短く、また雲海までは視界を遮る障害物が一切ないため、雲海が非常に綺麗に見えるのだ。半面、逆側は山になる。警戒心の低い動物くらいは姿を現すかもだが、あるのは木と山肌だけである。また湯舟としては小さいので、ゆっくり過ごすのがメインとなる。
もうひとつは打たせ湯がある下の湯。上の湯から零れ落ちるお湯が滝のように落ちている滝つぼをそのまま湯舟にしただけだったりする。こちらは見れる景色が山とか森とかになる代わりに、とても深いし、広い。泳げます。騒ぐならこちらがおススメ。
またどちらも天然の温泉を利用したものであるため、湯舟は上と下にひとつずつだ。つまり、混浴オンリー。一応、脱衣所は脱衣所は男女別々になっている。性別不詳の方は別途そういう人用のスペースがあるのでそちらをご利用されたし。
どちらも持ち込みオッケーである。ゴミは持ち帰ってください。
そんなわけで公序良俗を守って楽しく温泉しましょう。
※捕捉※
時刻は夕暮れになります。ちょうど雲海に夕日が差し込む時間帯でしょうか。
気温はほどほどで露天風呂日和。
ゴミさえきちんと処理すれば食べ物持ち物玩具持ち込みオッケーです。
そして混浴です。ひとりで入る時以外は水着を着用してください(公序良俗のため)
入浴のタイミングは他の人とずらすことが可能です、プレイングで指定ください。
その他、公序良俗にひっかかりそうなことはこちらでプラス方向へマスタリングしますので、ボーダーライン気にせずにやりたいことをどうぞー。
この章のみの参加もお待ちしております。
(一応)ステラに御用がある方はお声がけください。お邪魔にならない程度にお伺いします。メイドです。
黒木・摩那
ドラゴンも無事に倒して、帝国の侵攻も撃退して。
ひと仕事終えた後のひと風呂はよいものですね。
せっかくですから、名物という雲海を一望できるお湯を選びます。
ブルーアルカディアの天空風呂。
間違いないですね。
覗きとかの不貞の輩の心配をしなくて良いのもいいですね。
茶でも飲みつつ、のんびりとお湯にふやけたいです。
●天空の湯
「は~~~~…………」
気持ちよさそうな声がすぅっと空に溶けていく。
「ひと仕事終えた後のひと風呂はよいものですね」
温泉にまったり浸かりながら、空を見上げているのは黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)。
浮島ソニアに迫っていた脅威、屍人帝国『ヒンメル』。その尖兵たる鷹とドラゴンを無事に倒して、帝国の侵攻も撃退、と大仕事の後の温泉は格別なので。
「は、ふぁぁ……」
思わず吐息が漏れるのも仕方がないのです。
ソニアの住民に教えてもらった温泉に浸かりに行くにあたって。
(名物という雲海を一望できるほうがいいですし)
せっかく入るのだから、と摩那が選んだのは上の湯である。あと上を選んだのは他にも理由がある。
(覗きとかの不貞の輩の心配をしなくて良いのもいいですね)
そう、ここの温泉は良い意味で半管理状態で公共施設化している。なので性別で損をするような運営にはなっていないのだ。
この時間帯に他にも客がいるのなら水着が必要で一応用意してきたが、その心配は杞憂だったようで。
摩那が温泉の湯舟も温泉から見える風景も、独り占めできたのでした。
というわけで冒頭の、開放感溢れるシーンなのである。
ゆっくり時間をかけて浸かるなら半身浴のような状態が良いという。
そんな情報に従って、温泉の縁に座って半身浴のような状態の摩那は、そこから眼下に広がる光景に、思わず吐息をこぼす。
「ブルーアルカディアの天空風呂。間違いないですね」
そこに広がっていたのは……夕日に染まる雲の海。本来の白ではなく夕日を受け止めて雲海は橙に輝いていた。
雲の海は風でゆっくりと流されていることがわかる。それはさながら海の水のごとく。されどそこから雲が無くなることも崩れることもなく。ただただ、この空の底にたゆたっている。
ブルーアルカディアの世界の話を聞くに、住民は雲海そのものにあまり良い感情を抱かないのかもしれないが、それでもこの光景だけは万人が見るべきだと摩那は思う。
ちょっと気に入ったので、摩那さん入浴続行。
「のんびりとふやけましょうか」
お茶でも飲みながらと手を伸ばすのは、お湯の上に浮かべたお盆。そこには摩那が持ち込んできたお茶の類が、ずらっと並んでいる。
そしてのんびりまったり気の向くまま。空を眺め、雲海を眺め、お茶を口に運んで、代わりに吐息を温泉に零して。
摩那はこの戦いでの疲れを癒して、英気を養うのでした。
成功
🔵🔵🔴
御魂・神治
温泉かいな?ワイも入ってこや
ん?思ったより上半身ゴツいやて?
まぁ、銃火器使うとるからな、着痩せする方や
天将『アンバランスといった方が正しいかと』
せや、天将背中流してや
...なんやその露骨に嫌な顔は...顔芸になっとるやないかい
いつもは無表情で不愛想やのに
ほれ、実体化や!
背中手ぇ届かんから洗ってや
天将『はい』
それは飛空艇掃除する為のデッキブラシやろ!
皮膚ボロボロになるわ!
天将『そうですか』
せやからポリッシャー持ち出すな!余計アカンヤツやろ!
天将『背中流せと命令しましたよね?実行します』
すまん、すまんかった
身体くらい自分で洗うわ!
せやからその物騒なポリッシャー置いて?な?な??
●温泉でもあまりかわらない?
屍人帝国『ヒンメル』の侵攻を撃退した猟兵たちにもたされた温泉の情報。
それは御魂・神治(除霊(物理)・f28925)の元にも届いていた。
「温泉かいな? ワイも入ってこよ」
と早速神治は件の温泉へと向かう。
幸いにしてこの時間帯は神治以外誰もいない。いくら神治が男だからって、覗かれたら『キャー』とかいう事案(?)になりかねない。
そんなわけで脱衣所で服を脱いで、温泉の湯舟へと向かう神治。
その身を誰かが見たのであれば、こう言うだろう。『思ったより上半身ゴツい』と。
その実、服装のことを差っ引いても、神治は着やせするタイプだった。そも、武器の類は銃火器を扱っているのだ。それを支える筋肉が細いわけがない。
『アンバランスといった方が正しいかと』
「なんでやねん」
唐突なツッコミは、神治の側に浮くサポートAI的存在であり、人工式神でもある『天将』からであった。ちなみに女性のアバターであるが、そこまでは管理している人も突っ込まない。AIはAIなので混浴とか関係ないのだ……いや、他の人がいたらまた話は別だけれども、そういう意味でも神治はラッキーであった。
というわけで、天将を連れて神治が温泉に辿り着く。
「せや、天将背中流してや」
『…………』
「……なんやその露骨に嫌な顔は……顔芸になっとるやないかい」
天将の顔を見て、思わずツッコミせざるを得ない神治。それほどにまで天将のリアクション、というか表情がすごかったのだろう。
「いつもは無表情で不愛想やのに……ほれ、実体化や!」
神治が腕を振る。ユーベルコードによって、天将が実体化と同時に神治と同じ大きさとなって、温泉の縁に着地。ちなみに水着(?)っぽいのは着ているようである。
「背中手ぇ届かんから洗ってや」
さっきのアンバランスという言葉はまさにここに繋がっていた。つまり筋肉が付きすぎて手が後ろまで回らないのだ。
それを知っている天将はゆっくりと神治の後ろに回り込んで、返事を返す。
『はい』
大人しく返事をした天将に、一抹の不安を感じた神治が咄嗟に振り向く。
「それは飛空艇掃除する為のデッキブラシやろ! 皮膚ボロボロになるわ!」
神治の視線の先にいたのはデッキブラシを構えて、むしろ今から何かと戦うの? っていうくらい気合を入れていた天将であった。ちなみにデッキブラシは新品でブラシの毛がつやつやしている。堅そうだ。
『そうですか』
残念そうにデッキブラシを仕舞い込む天将。だが命令に忠実な天将はがさごそと次の得物(?)を探していた。
『ではこちらで』
「せやからポリッシャー持ち出すな! 余計アカンヤツやろ!」
いや、むしろどこから取り出したのソレ? っていうくらい滑らかかつ不自然の無い仕草で、いつの間にか天将の手にポリッシャーが握られていた。いや、握られていたというか、地面を走って神治に飛び掛かろうとしていた。
『背中流せと命令しましたよね? 実行します』
そう、あくまで天将は神治の命令に忠実なだけなのだ! きっとたぶんおそらくめいびー!
「……」
冷や汗を垂らす神治。これは分が悪い。どこで分岐を間違ったのか……?
ポリッシャーの進撃を結界術で受け止めつつ、その分岐点を素早く分析する神治。
そうだ、ここしかない……!
「すまん、すまんかった。身体くらい自分で洗うわ!」
『……』
「せやからその物騒なポリッシャー置いて? な? な??」
『そうですか。残念です』
神治の言葉(というか命令取り消し)にポリッシャーを仕舞い込む(どこへ?)天将。残念という言葉はどこにかかっていたのか……それは聞かない方がいいだろう。
こうして、神治は命の危険を間一髪のところで振り払ったのである! 温泉入りに来たのにナンデ?
温泉にはこの後、ゆっくり浸かりました。
成功
🔵🔵🔴
ノエル・エアシップ
「皆さん、凄い戦いぶりでした…」
温泉に浸かり、先程迄の戦闘を思い出すノエルです
ノエルも戦った鳥達ならまだしも
ガレオンドラゴン程の大物ですと
普段のノエルでしたら概ね逃走一択です
積み荷も投げ捨て、少しでも速度を稼いで逃げるか
或いは、全財産を使い潰す覚悟で
手持ち全ての召喚石を叩き割るか…
そんな相手に立ち向かい、倒して見せた方々の
勇敢さ、強さと言ったら…
とは言え、ノエルも実は気付いています
どうやらノエルもまた、あの方々と同じ存在に
猟兵として覚醒している、と言う事
「ノエルも、何時かはあれ位迄に強くなれるのでしょうか…」
そう、仲間や友達
護りたい物を守れるくらいに…
呟きは湯気と共に、空へと消えて行くのです
●
こぉぉーん…………。
ししおどしの音が辺りに響き渡る……いや、ししおどしとかないですたぶん。そういうまったりとかのんびりとかいったそんな雰囲気を感じていただきたい。
そんなゆったりとした時間の中、ノエル・エアシップ(蒼空のノエル・f33889)は上の湯の湯舟に浸かりながら、はふ、と吐息を漏らす。
「皆さん、凄い戦いぶりでした……」
お湯に揺蕩いながら思い出しているのは、先に繰り広げられた空の激闘である。
ブレイドホークの群れを撃退した後。ノエルは群れを放棄して島へ降下しようとしているブレイドホークの追撃に移った。1体とてソニアの住民にとっては脅威に違いないのだから。結果、ガレオンドラゴンとの戦いは他の者に任せる形にはなったのだが、逆にその一部始終を見ることが出来たのである。
(普段のノエルでしたら概ね逃走一択です)
魔獣の襲来とあって空へと飛び上がったノエルであるが、そもそも彼女は輸送艇のガレオノイドである。一応の武装はあれど、戦闘を前提にした飛空艇とは違う。
だから、ガレオンドラゴン程の大物になると『立ち向かう』という選択肢は自殺行為に近い。
(積み荷も投げ捨て、少しでも速度を稼いで逃げるか……或いは、全財産を使い潰す覚悟で手持ち全ての召喚石を叩き割るか……)
いずれにしても、助かるのは命ばかりといったところか。『無事』の定義は人それぞれだが、その状態が輸送を任務とするノエルにとって無事とは言い難い。
そんな状況を……彼らは、猟兵たちはひっくり返したのだ。立ち向かい、倒すという手段で。
(あの方々の勇敢さ、強さと言ったら……)
先に漏れた吐息は、そんなノエルの内なる想いが形になったもの。
だが……ノエルの顔に浮かんでいる感情は憧れや感謝だけではない。
「…………」
そう、気付いている。『そう』なったのがどのタイミングだったかはわからない。それでも感じるのだ。
(ノエルもまた、あの方々と同じ存在に……)
猟兵として覚醒している、ということに。
「猟兵……ですか……」
この世界で生きるだけの存在であったなら、頼もしい勇士としか思わなかったかもしれない。しかし、『そちら』側に入り込んだ今ならば。
その大変さも……そしてその強さの源もわかるような、気がする。
「ノエルも、何時かはあれ位迄に強くなれるのでしょうか……」
それは不意に、そして思わず零れた呟き。
これからも学生連合所属の学生兼輸送艇として彼女は生きていくだろう。しかしそこに色んな事が入り込む。彼女が猟兵であるがゆえに、遭遇する危機だってあるかもしれない。
そんな時。ノエルは戦えるのだろうか、と思うのだ。
(そう、仲間や友達……護りたい物を守れるくらいに……)
ほぅ、と口から洩れた吐息と一緒に、想いが空へと溶けていく。
それはまだ想いが形になりかけているだけのもの。ノエルがこれからどのような旅路をその身に刻むかは、まだ誰もわからない。
あるのは……この空のように広がる無限の可能性。
成功
🔵🔵🔴
化野・那由他
それでは、雲海を一望できる上の湯に参りましょう。
少し前に調達した水着があるので、それを着て。
どの世界にあっても露天風呂というものは風情があって良いですね。
余り人の気配のないときを見計らって堪能することと致しましょうか。
本体の本を念動力でふわふわと浮遊させながら、お湯に浸かって景色を堪能します。……本体が水没したら私、即死なので。たぶん。
景色に見とれていると段々とのぼせてきてうっかり気絶してしまいそうなので、もし可能でしたら、ステラさんに冷たい飲み物とか水菓子(フルーツ)とかが手に入らないか尋ねてみます。
素敵なお召し物ですね、と衣装に惹かれて服の話題を振ってみたり。
※アドリブ大歓迎です!
●
思うに。
温泉とは老若男女問わず、好きな人は好きというものであろう。それが例え、書物のヤドリガミであっても。
「どの世界にあっても露天風呂というものは風情があって良いですね」
ほぅ、と吐息をこぼしながら、化野・那由他(書物のヤドリガミ・f01201)は上の湯から見える絶景を堪能する。
ちなみにいつも持ち歩いている&本体である奇書『無名奇譚』はいま現在、念動力でふわふわと宙に浮いている。
(……本体が水没したら私、即死なので。たぶん)
即死理由が切ない。
ご褒美タイムの温泉にて。
「それでは……」
と那由他が選んだのは、雲海を一望できる上の湯。あまり人の気配がない時を見計らって訪れたつもりだが、万が一を考えて、水着着用である。
ああ、いけません。普段、包み隠されている(?)艶やかな神秘(?)が解放されています。これはいけません。よかった他に誰もいなくて、あやうく湯けむり魅惑的すぎます事件(?)が発生して犠牲者が出るところでした。
変なモノローグが流れて参りましたが、横に置いておいて。
那由他の目的であるところの景色は今日も悠然と揺蕩っていて。夕暮れ時に照らされて、橙色の雲がゆっくりと流れていく。
「……」
吐息を漏らしつつ、景色を堪能……うん、那由他さんのぼせかけてますね?
「大丈夫ですか? 那由他様?」
ふら~っとなりかけた那由他にそっと手を添える人影……ステラである。
「ええ。ちょっとのぼせかけたようです」
そういう那由他の口からはついでと言わんばかりに魂も抜けかけていた……のだが、ステラはそっと胸の内にしまっておいた。
「那由他様、こちらを」
「あぅっ。あ、ありがとうございます」
ステラが差し出したのは氷入りのバナナジュース。それを不意に那由他の頬にそっと当てれば、その冷たさに思わず悲鳴をあげる那由他。ステラに悪戯の意志はなく、氷嚢代わりに当てただけのようだ。
冷たいジュースをちゅー、と飲み込むと、火照った体がどうにか落ち着いてくる。合わせて気分も落ち着いてきた那由他は改めてステラを見て、またまた吐息をこぼす。
「素敵なお召し物ですね」
「那由他様こそ」
お互いに微笑みを浮かべる那由他とステラ。二人とも仕事(グリモア)中はクールな見た目が売り(?)だ。何か色々シンパシーを感じるところもあったかもしれない。意外なところから、まったりおしゃべりタイムが始まって、二人はのんびり雲海を見つめる。
そんな感じで、浮島ソニアの露天風呂での一幕は平和に、とても平和に過ぎていく。
願わくば、この光景がずっと続きますように、と。
那由他はそっと心の内で思うのであった。
成功
🔵🔵🔴