カゲっぱいパラダイス~猫の章
●憧れと絶望
いつの世も、どんな世界でも、他人より魅力的な身体になりたいという欲求を持つ者は数多い。他人からの『いいね!』をたくさん集め、どれだけバズったかで価値が決まる、キマイラフューチャーにおいても同じこと。
だが、それを叶えるべく甘い誘惑に乗って施設に遊びに行ったキマイラ達を待っていたのは、悪の組織による恐るべき人体改造だった。
「オラァッ! そんなにナイスバディになりたいなら、俺様が叶えてやるよ! この『業務用集塵機』で、テメェの胸を吸引することでなぁ!!」
ある者は、胸を『業務用集塵機』で強引に引っ張られることで、見るも無残な姿に改造されそうになっており。
「では、僕からは脂肪注入をプレゼントだ。ただし……純度100%の、マシンオイルだけどね!」
また、ある者は、脂肪は脂肪でも機械油を胸に注入されそうになっている。
「うふふ……。それじゃ、私からは全身エステをプレゼントしちゃうね。あ、でも、間違って身体がバラバラになっても、それは御愛嬌ってことで♪」
挙句の果てには、謎の椅子に拘束され、エステとは名ばかりの拷問を受けている者までいる始末。それらは全てナイスバディになるためという名目の下に行われているが……実際は、過激なショックを与えることで、キマイラ達を怪人に改造しようとする行為に他ならない。
「「「もう、いやぁぁぁぁっ! 誰か、助けてぇぇぇぇっ!!」」」
施設の中に響き渡る、哀れなキマイラ少女達の声。だが、その声に答える者は現れず、彼女達は非常にも、ナイスバディとは程遠い姿の醜い怪人にされてしまうのであった。
●邪悪なるシャドーおっぱい
「キマフューでも、相変わらず猟書家が暴れてるみたいね。今回も、シャドパラに騙されて連れて行かれたキマイラ達がいるから、それを助けてあげてくれない?」
毎度の如く騙される方もどうかと思うが、なにしろ相手は悪の組織。手段を選ばず、キマイラ達の欲望を上手いこと利用してくるので仕方がないと、パトリシア・パープル(スカンクガール・f03038)は猟兵達に事件の詳細を説明し始めた。
「猟書家幹部のシャドウキマイラは倒されたんだけど、その意思を継ぐオブリビオンが、相変わらず同じような事件を起こしているわ。要は、なんかイケてる施設だってキマイラ達を騙して集めて……問答無用で怪人に改造しちゃおうとしてるってわけ」
このまま放っておけば、騙されたキマイラ達は全て怪人にされ兼ねない。一刻も早く止めたいところだが、彼らを騙しているのは『影法師怪人』という、一般のキマイラに擬態できる存在なので厄介だ。
「影法師怪人は、正体を現すまでは他のキマイラと区別付かないからね。まあ、正体現したところで、今回の相手はキマイラのオブリビオンだから、あまり見た目も変化ないんだけど……」
影法師怪人として行動しているのは、『カゲキマイラーズ』と呼ばれるオブリビオン達。これまでも、幾度となく過激な行動で注目を集めようとしては、猟兵達にお仕置きされてきた連中である。
そんな連中だからして、今回の行動も過激そのもの! なんでも、『ナイスバディになれる施設』と偽って、魅力的なボディで『いいね!』を集めたがっているキマイラ少女達を集め、そこで過激な改造を施そうとしているのだとか。
「今から行けば、捕まっているキマイラ達が改造される前に、助けてあげることができるわよ。後は、周りの影法師怪人をやっつければ、今回の事件の主犯が出てくるわ」
過激なキマイラのオブリビオンを従えるだけあって、どうやら主犯も過激な動画を投稿しまくっては、何ども垢BANを食らっているらしい。動画の内容に関しては比較的寛容なキマフューで垢BAN常習とか、これはもう絶対に放置してはいけないやつだ。
「ナイスバディに憧れる女の子を騙して、キモグロボディに改造しようとか、マジ許せないし! 相手は過激なことが大好きな感じだから、お仕置きも過激にしちゃってオーケーよ!」
過激なる影のおっぱい……略して、カゲっぱいパラダイス。彼らの企みを阻止し、キマフューの平和を守って欲しいと、パトリシアは猟兵達に依頼した。
雷紋寺音弥
こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。
このシナリオは猟書家の幹部シナリオのため、2章で完結する仕様です。
怪人に改造されそうなキマイラ達を助け出し、事件の首謀者を撃破しましょう。
●第一章
『カゲキマイラーズ』との集団戦です。
捕まったキマイラ達は過激な改造を受ける寸前なので、上手く割り込んで阻止して下さい。
●第二章
猟書家幹部『シャドウキマイラ』の意思を継ぐオブリビオンとの戦いになります。
どうやら、このオブリビオンもまた、過激な動画を投稿しまくっている垢BAN常習者のようですが……。
●プレイングボーナス
キマイラ達に応援されると、プレイングボーナスが得られます。
なお、彼らは現場に留まって猟兵達を応援してくれますが、ユーベルコードの類は使えず、戦力としてはカウントできません。
第1章 集団戦
『カゲキマイラーズ』
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POW : 狼少年「今日も過激なチャレンジを配信するぜ!
自身の【スマホ画面】が輝く間、【迷惑行為や過激な行為による攻撃】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
SPD : 眼鏡狐「この僕を論破できると思っているのかい?
対象への質問と共に、【自身のスマホ】から【相手が負けを認めるまで消えない炎の怪物】を召喚する。満足な答えを得るまで、相手が負けを認めるまで消えない炎の怪物は対象を【根も葉もない誹謗中傷や魂を焼く炎】で攻撃する。
WIZ : パンサー娘「今から私のイケない姿を配信するね❤
【自分のイケない姿を記録した動画】を披露した指定の全対象に【この動画配信者の配下になりたいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
イラスト:さいばし
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
被害者の方々の気持ちも理解出来ますし、急いだ方が良さそうですぅ。
到着と同時に【秤濤】を発動、『乳白色の波動』を放射しますねぇ。
『波動』の速度であれば『改造』開始前に到達出来るでしょうし、即座に『魅了』と『超重力波』で押え込んでしまえば『改造』を止められますぅ。
『迷惑行為/過激な行為』も『超重力波』で押え込まれた状態では行うのが難しく、それでも無理に仕掛けて来るなら、相手の攻撃回数の多さを利用し『刀』と『FBS』による[カウンター]を合わせて斬り捨てましょう。
後は『重力』を強めての圧潰と『FRS』の[砲撃]で順に仕留めつつ、私自身は囚われたキマイラさん達を救助しますねぇ。
●乙女の大敵、許すまじ!
他の人よりも綺麗になりたい。今より、ずっと可愛くなりたい。
どんな世界においても、女子の願いは共通だ。だからこそ、それを利用して罪もない者達を集め、醜い怪人に改造しようなど許されない。
(「被害者の方々の気持ちも理解出来ますし、急いだ方が良さそうですぅ……」)
現場に到着するや否や、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は業務用集塵機で胸を吸引されそうになっているキマイラ少女達を発見した。
あんなもので胸を吸われたら、瞬く間に胸の筋肉が伸び切ってしまう。そうなったが最後、待っているのはナイスバディではなく若くして婆さんのような胸になってしまうという非情な現実。破壊された胸の靱帯は再生しないので、胸を引き伸ばされてしまったが最後、あのキマイラ少女達は、全て『怪人垂れ乳ババァ』にされてしまう!
「そこまでです! 大いなる豊饒の女神、その御力の欠片による裁きをお与え下さい」
口で止めるのは不可能と判断し、るこるは速攻でユーベルコードを発動させた。途端に、乳白色のオーラが彼女の全身を包み、それは敵対者を魅了する波動となって、辺り一面に広がって行く。
「ん……なんだ、こりゃ?」
「おいおい、なんか凄い巨乳なお姉ちゃんがいるじゃん!」
波動によって魅了されたカゲキマイラーズ達は、改造手術もそっちのけで、るこるの方へと近づいて来た。これで、とりあえずキマイラの少女達が救えたが、問題なのはここからだ。
「ヒャッハー! 俺達と楽しいことしようぜぇ!」
「そのおっぱい、もしかしてフリー? フリーおっぱいだよね?」
なんとも不愉快な言葉を口走りながら、過激な狼少年のオブリビオン達がるこるへ向かって一直線! ああ、このままでは、狼少年達によって、別の意味で食べられてしまうのかと……そう、思われたが、しかしそうは問屋が卸さない。
「申し訳ありませんが……フリーな女性の胸なんて、ありえないと思いますぅ」
続けて放たれたのは、凄まじく強力な重力波。一瞬にしてプレス機で潰されたようになり、狼少年達は成す術もない。
「おぱっ!? な、なんじゃ、こりゃぁっ!?」
「ぐ、ぐるじひ……動けな……ぶべっ!!」
最後は煎餅の如く潰されて、そのまま骸の海へと消えてしまった。無理にでも抵抗するなら武器を使ってでも制圧すべしと思っていが、そんな必要さえ全くなかった。
「大丈夫ですか? 今、助けてあげますからね」
「うぅ……酷い目に遭ったわ。やっぱり、何の見返りもなくナイスバディにしてもらえるなんて、そんな甘い話はないってことよね……」
狼少年達が潰れたことで、るこるは改めて捕まっていたキマイラ達を助け出して行く。
美味しい話には裏がある。純粋無垢なキマイラ達も、今回の件で、少しはオブリビオンの悪意について学んでくれれば良いのだが。
大成功
🔵🔵🔵
鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
WIZ
今より綺麗になりたい、素敵になりたい、という気持ちを弄ぶ、卑劣な行為だな…許せない!
キマイラの少女達に応援されながらきっちり成敗するとしよう!
キマイラ達に代わってお仕置きだ!
思わずイケない姿の動画にクラクラ来てしまうが…(だって男の子だもん!)
キマイラ達の声援で本来の任務を思い出し、相手の【精神攻撃】をレジストする
精霊の護符を投擲し、相手に命中と共にUC『破邪顕正』を発動
相手に行動不能を付与する
【破魔】付与の刀で叩き伏せる
イケない姿を配信した君は今度はちゃんと逝きなさい!成敗!
ひとまず見た動画は心のメモリーに記録はしておこう、うん
そんな事を思ったのはキマイラ少女達には内緒だ
●逝けない子はお仕置きです!
美しくなるためには、時に痛みを伴う美容整形が必要だ。そんな建前の下、集められたキマイラ少女達に向けて、パンサー娘のオブリビオンがおぞましい拷問器具を向けて行く。
「さ~て、今日はどんなコースで改造してあげようかしら? ふむふむ……バスト針刺し電撃マッサージに、顔面グチャグチャ整形手術に……ああ、そうそう! 痩せるためには、悪い血を外に出すことも必要よねぇ♪」
美容整形とは名ばかりの、あまりに酷過ぎる恐ろしい拷問の数々。それを聞いただけで、拷問椅子に拘束されているキマイラ少女達は、震えながら涙を流して助けを求め始めた。
(「今より綺麗になりたい、素敵になりたい、という気持ちを弄ぶ、卑劣な行為だな……許せない!」)
そんな現場に、満を持して乱入した鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)。美容への憧れを利用し、二目と見られぬ化け物に改造しようなど、絶対に許してはならぬ悪魔の所業。
「そこまでだ! キマイラ達に代わってお仕置きだぞ!」
これ以上、彼女達に乱暴を働かせるわけにはいかない。改造手術を止めるべく、パンサー娘達の前に立ちはだかったひりょだったが、当のパンサー娘達は、余裕の笑みを浮かべており。
「あら? もしかして、新しいお客さんかしら?」
「丁度良かったわ。あなたには、特別サービスしてあげるわね」
何のためらいもなくスマホのスイッチを入れると、そこに記録された、彼女達のイケない動画を配信し始めた。
「なっ……いやいや、そんなところまで見せちゃ……ぁぁぁぁっ! 駄目だ! 画面から視線を外せない!!」
パンサー娘達の生着替え動画から始まり、エッチなことを連想させるような物体を使ったイメージ動画から、エッチな道具を使ったヤバ過ぎる動画まで。どれも、アカウントを凍結され兼ねないレベルの過激な動画ばかりであり、ひりょはそれらに釘付けとなって動けない。
「ちょっと、なにやってんのよ、このヘタレ!」
「あんなのに誘惑されてる場合じゃないでしょ! 助けに来たんだったら、しっかりしてよ!!」
瞬く間に魅了されてしまったひりょに、椅子に縛られたままのキマイラ達がブーイングを飛ばし始めた。彼女達からすれば、突如として現れたヒーローが、ものの数秒で篭絡されては、やってられない気持ちにさせられるわけで。
「お、お願いします! 助けてくれたら、お礼になんでもしてあげますから!」
「カッコイイお兄さん! 頑張って~!!」
中には切羽詰まったことで頭のネジが吹っ切れてしまったのか、逆にひりょを誘惑することで、なんとか立ち直らせようとする者まで出る始末。
「……ハッ! そうだ、こんなことをしている場合じゃない!!」
幸か不幸か、キマイラ少女達の声援によって、ひりょは意識を取り戻した。まあ、お礼に何でもしてあげるなんて言われたら、頑張らないのは男の恥だ。
「幾多の精霊よ、かの者に裁きを……破邪顕正!」
これ以上は、過激な動画など配信させてなるものか。次なる激ヤバ動画が公開される前に、ひりょは護符を投げ付けて、パンサー娘達のスマホ画面を封じてしまった。
「えぇっ! ちょっと、なんか護符がスマホに貼り付いて剥がれないんですけど!?」
「これじゃ、イケない画像が見せられないじゃない! どーすんのよ……って、しまった! いつの間に!?」
混乱するパンサー娘達の隙を突き、ひりょは一気に距離を詰めて、彼女達の背後に忍び寄る。気付いた時には、既に遅し。魔を滅する力を付与した刀にて、イケないオブリビオンを真っ二つ!
「イケない姿を配信した君は、今度はちゃんと逝きなさい! 成敗!」
「「「きゃぁぁぁぁっ!!」」」
直接戦闘は苦手だったのか、パンサー娘達は一撃の下に斬り伏せられ、そのまま霧散してしまった。
「あ、ありがとうございます! 助かりました!」
「その……さっきの約束ですけど……あんまり、変なお願いは……」
拷問椅子から解放され、キマイラ少女達は改めてひりょに礼を述べる。中には自分の軽率な発言を後で恥じている者もいたが、それはそれ。
「いや、心配は要らないよ。俺は……紳士だからね!」
これみよがしに目を反らしつつ、適当な言葉で取り繕うひりょ。
目の前の女の子達と楽しいことができないのは残念だが……ひとまず、先程の動画を心のメモリーに刻んでおいたので、それで満足するとしよう。
大成功
🔵🔵🔵
ワルルーナ・ティアーメル
何?欲望で釣ったがそれを叶えてやるつもりは欠片もない?
……よし、潰すか。そういう輩はこっちとしても迷惑なのでな!
ところで、あのキマイラたちは「味方・仲間」と見なしてよいな?
よいよな?
くく、その怒りや憤りやストレス。この我(の部下)が晴らしてやろう!
【魔王軍第3冠所属:悪魔竜怒りの鉄拳】!!
無口でいかにもな外見の「激情と義憤の悪魔竜」を召喚、
誰かの怒りと憤りを代弁する憤怒竜魔拳で、
迷惑行為の分も載せてその原因に壁パンチ(壁まで追い詰め壁ごと何度も殴打する行為)を叩き込ませるぞ
誰かの抱える世の理不尽への怒りを悪魔竜が代弁しつつ壁と敵を殴っている間にキマイラどもは解放してやろう
※アドリブ歓迎です
●非情の魔竜拳
素敵なスタイルになりたいという願いでキマイラ達を集め、捕らえた上で改造せんとするシャドウパラダイス計画。典型的な悪の組織のやり方だが、魔王にして魔女であるワルルーナ・ティアーメル(百胎堕天竜魔王(自称)・f31435)は、何故か感心することなく、むしろ怒りを覚えていた。
「何? 欲望で釣ったが、それを叶えてやるつもりは欠片もない?」
人を騙し、果ては自分の欲望のために利用するのは悪いことである。だが、悪は悪でも、正々堂々と悪事を働いていない時点で、セコくてケチなみっともない悪だ。
「……よし、潰すか。そういう輩はこっちとしても迷惑なのでな!」
こんな悪が蔓延れば、カッコいい悪事の方は衰退して行く。盗んだバイクで路上に繰り出すようなヤンキーや、堂々と挑戦状を叩きつけて勝負を挑む怪盗などはいなくなり、みみっちい悪事を働く者ばかりになってしまう。
魔王として、それは避けたいことだった。なにより彼女は、他人の欲望を満たすことを己のアイデンティティとしている魔王。故に、欲望を叶えて自らの信徒と増やすことはあっても、欲望を餌に他者を陥れることは好まない。
やはり悪事は、他人から称賛されるような内容であるべきだ。悪は悪でも、悪の魅力とか美学とか、そういったものがなければ三流である。
「ところで、あのキマイラたちは『味方・仲間』と見なしてよいな? よいよな?」
捕まっているキマイラ少女達に、ワルルーナは念のため確認を取った。もっとも、彼女達からすれば、そんな確認よりもまずは身の安全が先だった。
「味方!? なんだか知らないけど、早く助けてよ!」
「あなた、猟兵なんでしょ? この変な連中を、ブッ飛ばしちゃって!」
誰でもいいから、助けてくれ。胸を集塵機で引っ張られるなんて拷問だ。涙ながらに懇願するキマイラ少女達の姿を見て……ワルルーナはいかにも悪そうな笑みを浮かべ、両手を高々と掲げて召喚魔術を行使した。
「くく、その怒りや憤りやストレス。この我(の部下)が晴らしてやろう!」
魔王軍第3冠所属の悪魔竜。呼び出された魔界のドラゴン達は、ストレスや憤りの感情を代弁するために、強力な拳の一撃を叩き込むという存在だ。
「おい、さっきから、なにゴチャゴチャ言ってんだよ!」
「構わねぇ! あいつからやっちまうぞ!」
先程からシカトされていた狼少年達が、集塵機を手にワルルーナへと一直線。しかし、魔竜を従えた状態の彼女に、たかだか業務用の掃除機で挑むなどは無謀の極み。
「グルォォォォッ!!」
憤怒の表情を浮かべた魔竜の拳が、一撃で狼少年達を壁際まで吹き飛ばした。それだけでなく、魔竜は一気に間合いを詰めると、今度は少年たちの襟首をつかみ、何度も壁に叩きつけるようにして、顔面に拳を打ち込み続けた。
「ちょっ……! も、もうやめ……ひゅでぶっ!?」
「わ、分かった! 俺が悪かっ……ぶべらっ!!」
哀れ、フルボッコにされて、瞬く間に顔面がトマトの如く腫れ上がって行く狼少年達。最後は壁をブチ抜く形で隣の部屋に叩き込まれ、彼らは白目を剥いたまま、骸の海へと還された。
「ふむ、とりあえずは片付いたか。では、今の内に……」
敵がボコボコにされて行くのを尻目に、ワルルーナはキマイラ少女達を解放して行く。正義の味方は魔王の柄ではないのだが、ここで恩を売っておくのも、悪い選択ではないだろう。
大成功
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サエ・キルフィバオム
アドリブ歓迎
悪戯にも度ってのがあるよね、お仕置きじゃこれは済まなそう
……もちろん、ここで裁くのは私だけど♪
まずは眼鏡狐の気を惹いて、キマイラさんを毒牙から助けるよ
……眼鏡狐って私と属性だだ被りしてるよね、関係ないけど
どうやら舌戦が好みのようだから、説得するような感じで止めれば、こっちを狙ってきそうだよね
相手が炎の怪物を呼び出してきたら、あからさまにショックを受けたように演技しよっか
追い込まれたら、キマイラさんにも応援してもらえると嬉しいな
【一狐の腋に如かず】の条件を満たしたら反撃開始!
そもそも、悪行をしてる事はなんて言おうと悪行なんだから、論ずる必要も無し
自分の罪を自分の炎で焼かれちゃえ!
●判決、火刑に処す!
自分のスタイルを良くするために、エステ感覚で参加したレジャー施設。だが、その実態は、参加者を捕らえて醜い怪人に改造する、悪の組織の施設だった。
(「悪戯にも度ってのがあるよね。お仕置きじゃこれは済まなそう」)
捕らえたキマイラ少女にマシンオイルを注入しようという暴挙を前に、サエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)は静かな怒りを燃やしていた。
ウォーマシンやレプリカントのような機械種族ならまだしも、有機生命体にマシンオイルなど注入すれば、瞬く間に身体がおかしくなってしまう。いや、むしろ敵の狙いはそれか。マシンオイルを注入することで、キマイラ達を半機械生命体に改造しようとしているのかもしれない。
これは、かなり厳しい裁きが必要だ。勿論、ここで砂漠のはサエ自身。なぜなら、キマフューに明確な法律などないので、つまりは力こそ正義である。
「ねえ、あなた達。そんな馬鹿なことして、何が楽しいわけ?」
今にもマシンオイルを胸に注入しようとしている眼鏡狐達に、サエは敢えて喧嘩を売るような口調で尋ねた。敢えて相手の注意を引くことで、キマイラ達への処置を遅らせようという作戦だ。
「ん? なんだい、君は?」
「僕達の崇高な理念に基づく行動が理解できないとは……嘆かわしい限りだよ」
サエの言葉に反応した眼鏡狐達が、一瞬だが動きを止める。彼らの得意とするのは舌戦。ならば、ここで更に煽ってやれば、きっと目の前のキマイラ達を無視して食らいついてくるはずだ。
「崇高な理念? 人が嫌がることして、どこが崇高なわけ? 今すぐ止めなさいよ!」
この手の相手は、自分の行動を感情論で否定されると、調子に乗って論破しようと意気込んで来るはず。果たして、サエのそんな目論見は見事に的中し、眼鏡狐達は一斉に、サエの心をブチ折るべく罵声を浴びせて来た。
「やれやれ……なにかと思えば、そんなのは君の感想に過ぎないだろう?」
「大いなる目的のためには、個人の感想などゴミ以下なんだよ。それが分からない時点で、君の脳みそは限りなく残念な作りをしているようだね」
さすがは舌戦のプロ。人の神経を逆撫でするような語彙力だけは、カゲキマイラーズ達の中でも一級品。
「うるっさいわね! っていうか、眼鏡狐って、私と属性被ってるじゃない! そういうの、ムカつくのよ!」
それに対し、サエは更に感情論をぶつけて行く。こうすることで、相手は更にこちらを舐め、プライドを圧し折ろうとしてくるはず。
「はぁ……。これだから、頭の悪いやつは嫌いなんだ。感情的に叫べば、それで説得できると思っているのかい?」
「それに、属性が被っていると言っているけれど、僕達からすれば君のような存在の方が恥ずかしいよ。胸にばかり栄養を溜め込んで、脳みそには栄養が行っていないみたいだね」
もはや、演技抜きにしてもブチ切れたくなるような言葉を、眼鏡狐は次々とサエに浴びせて来た。その上で、彼らは炎の獣を召喚し、サエのことを襲わせる。こいつらは眼鏡狐達を論破するか、あるいは彼らに対して負けを認めなければ絶対に消えることはない、なんとも厄介な存在だ。
「なっ……!? ちょっと、なにそれ! 論戦にモンスター召喚するとか、反則でしょ!?」
いきなり戦闘を仕掛けられ、狼狽えるサエ。無論、これも演技の一環だ。本当は、蹴散らそうと思えば簡単に蹴散らせるのだが、そのためには準備が必要なわけで。
「ひぃっ! か、怪物よ!」
「そんな……猟兵さん! 負けないで!!」
苦境に追い込まれるサエを、キマイラの少女達が応援する。この世界において、声援はパワー。彼女達の力も利用して、サエは全身の力を抜いたまま、敵の攻撃を正面から受け。
「成功した……って、思ったでしょ。ざーんねん♪」
炎に巻かれながらも、ニヤリと笑って見せる。すると、途端に炎の怪物達はサエの身体に吸収され、今度は眼鏡狐達を標的にする形で排出された。
「うわっ! こら、何をするんだ、貴様!」
「僕が分からないのか? くっ……創造主に逆らう欠陥品め!!」
まさか、自分達が襲われるとは思っていなかったのか、眼鏡狐達は完全にパニック状態である。こういう連中は、普段は冷静だが突発的なトラブルには滅法弱い。普段から論理的にじっくりと物事を組み立てて考える癖がついているので、瞬間の判断力が劣るのだ。
「そもそも、悪行をしてる事はなんて言おうと悪行なんだから、論ずる必要も無し。自分の罪を自分の炎で焼かれちゃえ!」
「そ、そんな……うわぁぁぁぁっ!!」
最後は、サエにバッサリ言い捨てられる形で、眼鏡狐達は炎に巻かれて消えてしまった。後に残されたのは、かつては彼らであった燃えカスの灰。そして、真っ黒焦げに焼け果てて、レンズの溶けた眼鏡だけだった。
大成功
🔵🔵🔵
リカルド・マスケラス
「どもー、ヒーローマスクのお届けっすよー!」
そんな感じ現れる狐のお面
「そんな訳で助太刀させて欲しいっすよー」
などと【コミュ力】で交渉してキマイラのおねーさんの1人の体を借りる
さて、炎の怪物の対処法っすけど……
「何から何まで間違ってる気がするっすけど、論破以前の問題っす」
と鎖鎌なりキマイラの爪なりに氷の【属性攻撃】を付与して攻撃してさっさと倒す
「正しかろうが何だろうが、相手を納得させられず嫌がらせてる時点でダメっすよ。屁理屈ばかりで面白くないって言われるタイプっすよ」
後はUCで複数のおねーさんに憑依して一気にボコす
「いたずらに敵ばっか作るような事しかしないから、こうなるんすよ」
●ヒーローマスク危機一髪!
捕らえられたキマイラ達を救うべく、シャドウパラダイスに潜入したリカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)。だが、目の前で正に改造されんとしているキマイラ少女達がいるにも関わらず、今の彼は怪人相手にあまりにも無力。
原因は、今の彼が単なる仮面でしかないことだ。ヒーローマスクは他人の身体を借りる形で、その真価を発揮する。故に、誰の身体も借りていない今の彼は、単なる空飛ぶ仮面でしかないのだ。
「どもー、ヒーローマスクのお届けっすよー!」
それでもリカルドは、何ら気にせず敵とキマイラ少女達の間に割り込んだ。いったい、これは何の冗談なのか。あまりに無謀過ぎる行動に、その場にいる誰もが硬直したまま動かない。
「そんな訳で助太刀させて欲しいっすよー」
周りの空気など意に介さず、リカルドは済し崩し的にキマイラ少女の身体を借りる。そう、身体がなければ現地調達すればいい。それがリカルドの基本的な戦い方であったのだが……果たして、今回ばかりは少し焦りもあったのだろうか。
「……やれやれ。そんな合体をした程度で、勝った気になったとは笑わせてくれるね」
「君がどれだけ強いのか知らないが……身体を拘束された状態で、まともに戦えると思っているのかい?」
マシンオイルの入った注射器を片手に、眼鏡狐達が呆れた様子で溜息を吐いた。肉体の現地調達。それはいい。しかし、その肉体が全て敵に捕まっていた場合、果たしてどうやってピンチを切り抜けるのかと。
「君のような、後先考えない者の相手は腹に据えかねる」
「そういうわけで……さっさと焼け死んでくれ。無論、仮面だけね」
拘束されたままのリカルドに、眼鏡狐達が一斉に炎の獣を放って来た。これは拙い。今、ここで離脱すればリカルド自身は助かるかもしれないが、代わりに憑依しているキマイラ少女が丸焦げになってしまう。
「さあ、いい加減に観念したらどうだい? 君が負けを認めるまで、そいつは君を焼き続けるよ」
眼鏡狐達が言う通り、炎はリカルドの身体だけでなく、やがてキマイラ少女の着ていた服にも燃え移った。このままでは、本当に焼け死んでしまう。だが……幸か不幸か、服に燃え移った炎は少女を拘束していたロープにも引火して、彼女を拘束から解き放ってしまった。
「なっ……! しまった!?」
眼鏡狐達が気が付いた時には、もう遅い。少女が解き放たれたということは、リカルドもまた自由に動けるようになったことに他ならず。
「何から何まで間違ってる気がするっすけど、論破以前の問題っす」
これ以上、好き勝手にはやらせない。鎖鎌に氷を纏わせ、それを振り回すことで、リカルドは次々と炎の獣を霧散させ。
「正しかろうが何だろうが、相手を納得させられず嫌がらせてる時点でダメっすよ。屁理屈ばかりで面白くないって言われるタイプっすよ」
眼鏡狐達が何かを言う前に、彼らの行いをバッサリと切り捨てた。
「ふ、ふん! そんなもの、所詮は君の感想ではないか!」
「納得できないなら、僕達を論破してみせればいい。できるのか? ……できないだろう? だから、僕達のやることに文句を言わないでもらいたいな!」
売り言葉に買い言葉。さすが、舌戦に自身があるだけあって、眼鏡狐達は最後まで自分の非を認めようとはしない。まあ、彼らの言い分にも正論が含まれているため、まともに論破しようとすると厄介なことは確かなのだが。
「面倒臭い相手っすね。だったら、ここは力で分からせるしかなさそうっすね」
このまま言葉を交わしていても時間の無駄だと、リカルドは彼らと話すことを止めた。拝借しているキマイラ少女の爪を使い、拘束された他のキマイラ達を次々に開放すると、さらに自分を大量に分身させ。
「さあ、楽しい宴の始まりっすよ!」
なんと、解放したキマイラ少女達に、分身を一斉に憑依させてしまった。
「な、なんだと!? こんな……馬鹿な!」
驚愕する眼鏡狐達だったが、もはや戦力の差は歴然だった。そして、騙され改造されかけたキマイラ少女達の怒りは、リカルドの分身に憑依されても止まらない。
「こいつら! よくも好き勝手にやってくれたわね!」
「私の胸に機械油を注入するですって!? だったら、まずはアンタが自分で試しなさいよね!」
荒れ狂う暴力の嵐。もはや、暴徒と化した少女達は誰も止められない。自慢の爪で眼鏡狐達をズタズタに引き裂き、注射器を奪って彼らの尻に針を突き刺し、果ては眼鏡を踏み潰してフルボッコ!
「あ……ががが……」
数分後、そこに気づかれていたのはボコボコにされた眼鏡狐達の成れの果て。正論? 大義名分? そんなものは関係ない。いざ、戦いに突入してしまえば最後、戦場においては力こそ正義だ。
「いたずらに敵ばっか作るような事しかしないから、こうなるんすよ」
最後に、ボコボコにされた眼鏡狐達に向けて、リカルドは冷たく言い放ったのであった。
成功
🔵🔵🔴
クロエ・アスティン
許せない……絶対に許せないでありますよ!
持たざる者への悪逆非道なこの仕打ち、戦女神様に代わってお仕置きであります!
狼少年が『業務用集塵機』を取り出して襲ってこようとしても、戦槌で速攻で叩き壊してやるであります。
そんなもので大きくなったら苦労しないでありますーーーと全力全開の【ほーむらんであります!】
怒りのままに振りぬいたので最長飛距離を記録。
キマイラの中の持たざる者達の声援を受けつつ
さぁ、次はどいつでありますか新たな得物を求めるであります。
※アドリブや連携も大歓迎
●持たざる者の逆襲
古今東西、世界の壁さえ超えたとしても、人の願いはさして変わらず。
今の自分よりも美しくなりたい。スタイル抜群の美女になりたい。そんな願いは、人間以外の住民しかいないキマイラフューチャーでも同じこと。
だが、自らの欲望を果たすためだけに願いを利用し、他人を騙して野望を成就させようとする者達がいる。そんな連中の存在を、クロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)は許せなかった。
「許せない……絶対に許せないでありますよ! 持たざる者への悪逆非道なこの仕打ち、戦女神様に代わってお仕置きであります!」
貧相な体型をなんとかしたいと考える者達の願いを利用し、あまつさえ怪人に改造してしまおうとは! そんな悪行、断じて見逃すわけにはいかない。ハンマー片手に乱入するクロエだったが、そこへ集塵機を手にした狼少年達が襲い掛かる!
「ハッ! おいおい、ド貧乳が何か言ってやがるぜ!」
「どうせなら、てめぇの胸も大きくしてやるよ! ただし……失敗して垂れても、責任取れないけどな!」
クロエの胸が小さいことを馬鹿にしつつ、彼らは一斉に攻撃を仕掛けて来た。だが、内なる怒りに支配され、果てはキマイラ達の声援も受けた今のクロエに、迷惑行為による攻撃などは児戯同然!
「そんなもので大きくなったら、苦労しないでありますー!」
迫り来る狼少年達を、全力のフルスイングで吹っ飛ばして行く。横殴りのハンマーの直撃を受け、彼らは次々と施設の屋根を突き抜けて、そのまま空の星となった。
「さぁ、次はどいつでありますか!」
数人吹っ飛ばした程度では、クロエの怒りは収まらない。完全にドン引きしている狼少年達を、今度はこちらが攻める番だ。
「うわぁぁぁっ! 逃げろぉぉぉっ!」
「貧乳に殺されるぅぅぅっ!!」
神をも恐れぬ暴言を吐き、残りの敵は逃げ出した。が、それで許してやるクロエではなく、彼らを執拗に追い回すと、まとめて天高く吹き飛ばした。
「「「どわぁぁぁっ! 畜生ぉぉぉっ!!」」」
持たざる者の怒り、その身に受けてから死んで行け。ブチ切れたクロエの全力攻撃によって、キマイラ少女達を改造しようと企んでいたカゲキマイラーズ達は、仲良く揃って殲滅された。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『豚房流爪術士『子豚・うしねこ』』
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POW : 豚房流爪術・にゃいんらいぶす!意味は知らないにゃ
自身の【肉体(特に乳)を映す配信用カメラのレンズ】が輝く間、【手足乳の爪それぞれ】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
SPD : 豚房流爪術・大サービス!また次のアカウントでにゃ
【胸の爪が変形展開しフルオープン、攻撃形態】に変形し、自身の【アカウントが配信終了後多分BANされるの】を代償に、自身の【乳の攻撃力とリーチ、及び瞬間的な視聴者数】を強化する。
WIZ : 豚房流爪術・おっぱい揺らしてぴょんぴょんするにゃ
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
イラスト:すねいる
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠子豚・オーロラ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●親玉現る!
キマイラ少女達を改造せんと暗躍する、悪いキマイラ達は撃破された。
だが、戦いはまだ終わらない。今回の事件を目論んだ親玉。猟書家の意思を継ぐオブリビオンこそが、本来の黒幕なのだから。
「……うにゃっ!? あいつら、ぜ~んぶやられちゃったのかにゃ? まったく……口先ばっかりで、頼りないやつらだにゃ」
配下が全て倒されたことで、業を煮やした親玉が猟兵達の前に姿を現す。猫のキマイラをベースに、爆乳と牛柄パンツをミックスさせた、猫なんだか牛なんだか、そして豚なんだかよく分からないオブリビオン。豚房流爪術士『子豚・うしねこ』だ。
「やっぱり、中途半端な過激ネタでしか再生数稼げないようなやつらはダメダメにゃ。どうせなら、おっぱいポロリの大サービスくらいする覚悟が欲しいものだにゃ」
ドサクサに紛れ、とんでもないことを言い放つ子豚・うしねこ。そんなことをすれば、アカウント削除待ったなし……いや、むしろこんな感じで禁止動画ばかりアップしているから、カゲキマイラーズ達と意気投合していたのかもしれないが。
「まあ、それでも、これだけたくさんのキマイラ達を集めてくれたから、今回は良しとするにゃ。後は……この子豚・うしねこが、お前達を直々に巨乳へ改造してやるから、ありがたく思うのにゃ」
貧乳に生きる権利なし。だが、巨乳になるなら、命だけは助けてやる。そう言って、あくまで怪人に改造されることを、ドヤ顔でキマイラ達に勧めている子豚・うしねこ。
こんなやつ、下手に逃がしたらそれだけで周りに大迷惑を掛け兼ねない。過激な動画を投降し、キマイラ達を騙して改造しようと企む怪人に、正義の鉄槌を食らわせろ!
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
怪人化させず、希望者に豊胸を施すだけなら止めはしませんが。
容赦無用の様ですぅ。
『FBS』を四肢に嵌め飛行、【仰域】を発動し『乳白色の波動』を纏いますねぇ。
子豚さんの『爪術』は攻撃回数の強化、威力は殆ど変わらない様ですから、【UC】且つ『攻撃』である以上は吸収可能ですので、『波動』で守りを固め『FRS』『FSS』による[砲撃]と『FMS』のレーザーで攻撃しましょう。
まあ『吸収する力の性質』と回数を考えますと、『F●S』各種の強化に回した余剰分が胸に回りそうですが、子豚さんへの挑発には良いですかねぇ?
キマイラさんの中に『豊胸希望』の方が居たら、女神様への入信をお誘いしても?
鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
WIZ
敵の揺れ動く胸部装甲に一瞬目が行き…思わず往復ビンタとか出来そうな胸囲だなと思ってしまった
驚異的な胸囲、という奴か
しかし…、あそこまで大きいと日常生活は大変そうだな
先程のキマイラ達の声援(一部ブーイング)の事もある
気を引き締めていこう!俺は女の子に罵声を浴びせられて喜ぶ性癖はない…はずだから!(自信ない
紳士的な笑みをキマイラ達に送り、声援をもらいつつ戦う
ジャンプするたびにメトロノームみたいに動く胸部なんかに騙されや…しないぞ!
その下より【空中浮遊】で追いつつ、敵に向け【生命力吸収】の【範囲攻撃】を放つ!
その胸部の大きさが仇となったな!こちらが見えまい!
聖者の裁きを喰らえ!
サエ・キルフィバオム
運営の苦労も考えないなんて、配信者の風上にも置けないね
因みに巨乳改造ってどうやってするわけ?
さっきの連中とは違ってまともな方法なんでしょ?
ちょっと興味があるかなー
みたいな演技して近づいて、カゲキマイラーズが残していったマシンオイルをぶちまけて床を滑るようにしちゃおう
【コード・スカルプチュア】で相手のユーベルコードをコピーして、空中戦に持ち込もうか
あの体躯じゃ同じ技でも私の方が速度が出るだろうからね
パワーで地面に抑え込まれたら危険かもだけど、その胸じゃ足元は見えないでしょ、着地したのはさっき撒いたマシンオイルの上だよ
胸が大きすぎて足元がお留守になっちゃったんだね♪
ワルルーナ・ティアーメル
大サービス……え、胸を露出させるだけなの?
いや顔を写さず胸だけでよいのならそれが貴様の胸である必要もないではないか?
大体胸が大きければそれでよい訳でもなくない?欲望とはそう単純な話では………なぜ我の胸を見る(※大きくはない)
えーいもういい!来い我が第7の軍勢よ!
(※男の淫魔もいるほか、外見年齢も様々です。そしてデビキン水準の頑丈さ)
風俗店やSMクラブからホストクラブに普通のメイドカフェ、さらには完全に健全なマッサージ店の経営までこなし、
対象の年齢も性別もフェチも問わず露骨なエロス頼みでなく対応できるお前たちの力、
とりあえず肌露出すればいいと思ってる駄猫に教えてやるがよい!
※アドリブ、ネタ他歓迎
クロエ・アスティン
そんな甘い言葉に騙される自分ではありません!
これから自分は自然と大きくなっていくでありますよ!
【戦女神に捧げる聖なる祈り】の力で服が一瞬で分解・再構成されて、謎の光と共に戦乙女姿に変身であります!
応援してくれているキマイラ達が録画した変身シーンの再生数が一気に跳ね上がって……?
天使の羽で飛び回りながら、うしねこのジャンプした回数を数えながら必殺の一撃を叩き込むチャンスを待つであります。
あんな、派手に揺らしながら……ギルティ……ギルティであります!!!
ジャンプの回数を使い切ってただ落ちていくだけになったところで、この槍の一撃でえぐってやるであります!
※アドリブや連携も大歓迎
リカルド・マスケラス
「正直、自分は巨乳好きっすよ。でも何事も限度があるわけっすよ。ほら、霜降りのお肉が好きでも脂身だけを食べたい訳じゃないみたいな……」
これ以上好みについて語ると周りから反感買いそうな気もするのでこのくらいにしておくとして
「さて、お仕置きの時間っす」
キマイラのお姉さんの体を借り、鎖鎌で戦う
「コンプライアンス的に封じさせてもらうっすよ!」
【ロープワーク】で胸を爪ごと縛って開かないようホールド。さらに【グラップル】【怪力】でUCの絞技と関節をキメて
「正直、絞技での酸欠顔を配信させるような趣味もないんで、さっさと終わらせるっすよ」
これで倒しきれなくても、攻撃力は減らせるから味方への支援にもなるっすかね?
●巨乳isジャスティス?
配下を全て倒されたことで、ついに猟兵達の前に姿を現した子豚・うしねこ。周囲を完全に取り囲まれているにも関わらず、彼女の頭には逃走や降参の二文字はないらしい。
「お前達、覚悟するにゃ。この、子豚・うしねこ様の前に現れたのが、お前達の運の尽きだにゃ」
両手の爪と爪を擦り合わせて砥ぎながら、うしねこは猟兵達を品定めするように見渡している。その度に、巨大な胸が左右に揺れて、嫌でも目を引いてしまう。
(「な、なんというか、往復ビンタとか出来そうな胸囲だな……。それに、なんだか色々と目に毒だよ……」)
敵の巨大な胸元から目を反らした瞬間、仲間の胸が目に入ってしまい、鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)は思わず目を瞑った。
うしねこの爆乳も凄いが、その他にもスタイルに恵まれた者がいるのも事実。この戦い、健全な男には色々な意味で辛い。正に、セクシーダイナマイト大決戦だ。
「……正直、自分は巨乳好きっすよ。でも、何事も限度があるわけっすよ。ほら、霜降りのお肉が好きでも脂身だけを食べたい訳じゃないみたいな……」
それでも、さすがに限度があるだろうと、リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)が突っ込んだ。しかし、自分の趣味についてあまり言い過ぎると、ギャラリーや仲間達から厳しい視線を送られそうだったので、それ以上は何も言わずに黙っておいた。
「限度? お前、何を言っているんだにゃ。この世界は、巨乳こそ正義! 胸の大きくない女は、殺されても文句言えないんだにゃ!」
そんな女を、巨乳に改造して救ってやろうというのだから、むしろ感謝して欲しい。もし、良かったら、お前達も漏れなく爆乳に改造してやろう。
無茶苦茶な理由を盾に吠える、子豚・うしねこ。しかし、彼女のそんな発言は、クロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)のように、ささやかな胸元しかない者をブチ切れさせるのには十分だった。
「そんな甘い言葉に騙される自分ではありません! これから自分は自然と大きくなっていくでありますよ!」
まあ、ドワーフである彼女が、果たして幼女の姿から成長できるのかは、また別の話なのだが、それはそれ。
「大体。胸が大きければそれでよい訳でもなくない? 欲望とはそう単純な話では………なぜ我の胸を見る!」
なお、同じく胸の小さなワルルーナ・ティアーメル(百胎堕天竜魔王(自称)・f31435)もまた、うしねこからすれば豊胸手術の対象だった。胸に対するフェチは人様々なはずなのだが、どうやらうしねこにとっては、巨乳以外は存在さえ認められないらしい。
そこまで言い切るのであれば、むしろ気になるのは改造の方法だ。まさか、先のカゲキマイラーズ達のように、掃除機やマシンオイルで豊胸させようというわけでもあるまい。
「因みに、巨乳改造ってどうやってするわけ? さっきの連中とは違って、まともな方法なんでしょ?」
どうせ、下らない方法だろうと思いつつも、サエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)は敢えてうしねこに尋ねた。果たして、そんな彼女の問いに対する、子豚・うしねこの解答は?
「ふっふっふ……聞いて驚くんじゃないにゃ。豊胸といえば食塩水! と、いうわけで、この私が直々にお前達の胸をカットして塩漬けにするという方法を、昨日徹夜で寝て、今3分くらいで考え出したにゃ!」
なんというか、予想の斜め上を行く酷さだった。
確かに、豊胸手術の一環として、生理食塩水の入ったパックを胸に詰めるというものはある。だが、胸を切り裂いて塩漬けにするなど、ただの拷問! むしろ、塩漬けの原理で胸がしぼみそうな気が……というか、徹夜で寝て3分で考えたってことは、要するに今、この場で適当に考えた方法ということではないか!
「怪人化させず、希望者に豊胸を施すだけなら止めはしませんが……容赦無用の様ですぅ」
あまりの酷さに、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は、それ以上何も言うことができなかった。胸を切り裂いて塩漬けとか、もはや怪人化云々抜きにしてもヤバ過ぎる。さすがは、あのカゲキマイラーズ達の親玉だけあって、やろうとしていることの酷さは大差ない。
こんなやつ、これ以上は生かしておいても、碌なことにならないだろう。キマイラフューチャーの未来を守るべく、そしてなにより、あらゆる女性の胸を守るべく、猟兵達と子豚・うしねこの戦いが幕を開けた。
●ザ・スプラッターバトル?
豚房流爪術士を名乗る子豚・うしねこ。だが、爪術を使うとはいえ、彼女の持ち味はあくまで乳! 故に、最強の武器も爪というよりは、むしろ巨大な胸であると言っても過言ではない。
「にゃはははは! お前達、謝るなら今の内にゃ! 特に、そこの貧乳二人は、最初から勝ち目なんてないから降参するにゃ!」
自慢げに胸を揺らしながら、うしねこはクロエやワルルーナを挑発する。だが、ここで怒りに我を忘れては敵の思うつぼなので、クロエは歯噛みしつつも耐え忍ぶ。
(「あんな、派手に揺らしながら……ギルティ……ギルティであります!!!」)
おのれ、この豚だか猫だか牛だかわからん生命体め! 今に見ていろと、槍を握る手に力を込めるが……一方で、ワルルーナの方は、もう色々な意味で限界だった。
「えーい、もういい! 来い、我が第7の軍勢よ!」
多種多様、様々なフェチに対応した大量の淫魔を呼び出し、それらをうしねこに嗾ける。だが、うしねこも然るものだ。彼女の配信用カメラがキラりと輝いたかと思うと、途端に動きが俊敏になり、両手両足、そして胸に装着された爪による、凄惨な引っ掻き祭りが始まった。
「行け、我が軍勢よ! とりあえず肌露出すればいいと思ってる駄猫に、教えてやるがよい!」
「いや、そんなこと言っても、俺達バトル展開なんて無理……あぎゃぁぁぁっ!!」
ワルルーナの無茶ぶりに抗議する暇もなく、彼女の呼び出した淫魔達が次々にうしねこの爪の餌食になって行く。淫魔達は様々なエロサービスや篭絡術にこそ対応しているものの、純粋なガチバトルで相手を倒すような力は持っていないのだ。
「にゃはははは! これぞ、豚房流爪術・にゃいんらいぶす! 意味は知らないにゃ」
全身に返り血を浴びながら、うしねこがドヤ顔で笑っていた。これはこれで、グロ表現で規制が掛かりそうな光景である。幸い、悪魔達は身体だけは頑丈なので、ズタズタのグチャグチャにされても死ぬことはなさそうだが。
「さあ、次は誰が挽肉にされる番かにゃ?」
爪の血を軽く舐めながら、うしねこが尋ねた時だった。
「なるほど……君は、そういう激しいのが好きなんだね? あぁ、僕も久々に血が滾るよ」
「うふふ……私って、血を見ると興奮しちゃうの♪ ねえ、あなたの中身、もっと私に見せてちょうだい❤」
血の海から這い上がって来た二人の淫魔。その瞳からは完全に光が失われており、口元には不気味な笑みを浮かべている。
「うにゃっ!? な、なんだか、ヤバそうなやつらが出て来たにゃ……」
これには、うしねこもドン引きだった。
ワルルーナの呼び出した淫魔達は、『あらゆるフェチ』に精通している。当然、狂デレやサイコ愛といった、およそ一般人には理解できない異常性癖も例外ではない。
血の海から這い上がって来た淫魔達は、正にそういう連中だった。腹を刺されても喜び、相手がグロい姿になっても喜び、果ては死体や人体パーツの一部でさえ愛するガチもんのS級変態だ。
「ひぎゃぁぁぁっ! こっち来るにゃぁぁぁぁっ!!」
相手の纏った異常なオーラを察してか、うしねこはメチャクチャに爪を振り回して暴れ回った。が、しかし、何故か彼女の攻撃は誰一人として傷つけることなく、そのまま虚空に消えてしまった。
「にゃ、にゃ!? こ、今度は何が起きているにゃ!?」
在り得ない事象のオンパレードに、うしねこは完全にパニック状態。そして、そんな彼女の前に現れたのは、乳白色のオーラを纏ったるこるである。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その衣を纏いて供物を捧げましょう」
先程の斬撃は、全てるこるが吸収して、自らの力に変えていた。あらゆる攻撃を吸収するユーベルコードを発動していたのだから、当然のことながら斬撃の運動エネルギーも吸収されてしまう。おまけに、るこるのユーベルコードの真骨頂は、エネルギーの吸収だけに留まらない。
「危ない爪は、そろそろしまっていだたけると助かりますぅ」
るこるが、軽く波動を放っただけで、それを浴びたうしねこの爪が引っ込んだ。それだけでなく、何故か設置しておいた配信用カメラのレンズが全て割れ、完全に使い物にならなくなってしまった。
「にゃ、にゃんと!? いったい、何がどうなっているにゃ!!」
これでは、もう攻撃回数を増やすことは絶対にできない。切り札の一つを封じられ戸惑う子豚・うしねこに、るこるの操る浮遊砲台の容赦ない砲撃が繰り出され。
「にゃぎゃぁぁぁぁっ!!」
砲弾とレーザーの嵐を受けて、真っ黒焦げにされてしまった。なお、その反動で、るこるの胸がついにはうしねこのサイズを超えるまでに巨大化したことは、爆乳を自負するうしねこに対し、更なる精神的な追い討ちとなった。
●垢バン覚悟の大サービス!?
真っ黒焦げにされたうしねこは、猟兵達の意外な強さに、思わず逃げの姿勢になった。
「こ、これは別に、逃げるんじゃないにゃ! 戦略的撤退というやつだにゃ!」
殆ど負け惜しみのような台詞を吐きながら、包囲網を脱出するために大ジャンプ! だが、果たしてそう簡単に彼女を逃がしてしまう程、猟兵達も甘くはない。
「どこへ行くつもりなのかな? まさか、本気で逃げられると思ってる?」
うしねこの前に、サエが立ちはだかった。まあ、ここで逃がすつもりなど毛頭ない。もっとも、それはうしねこも同じであり、こんなところで倒されるつもりはないようで。
「うぐっ!? こ、こうなったら、もうヤケだにゃ! 垢バン覚悟の、大サービスしてやるにゃ!」
胸を覆っていた爪が大きく開き、自ら爆乳を盛大にポロリ! そのまま爪でサエを挟み込むべく、真上から圧し潰すようにして襲い掛かってきた。
(「くっ……! さすがに、あの質量で抑え込まれたら……」)
機動力では自分が上だと踏んでいたサエだったが、これは拙い。空中戦を仕掛けようにも、あのパワーで押し切られては堪らない。
このまま戦っても不利だ。そう判断したサエは、敢えて敵が落下して来るのを待つと、ギリギリのところで攻撃を回避した。幸い、いくらリーチが伸びたとはいえ、敵の攻撃が近接に特化していたのは幸いだった。
「にゃははは! これで終わりだにゃ! 覚悟ぉ!!」
巨大な胸の影が、覆い被さるようにしてサエに迫る。しかし、サエは何故か不敵な笑みを浮かべると、両手を突き出して敵の攻撃を受ける構えを取った。
「なんのつもりだにゃ? そんなもので、この攻撃を受けられるはずがにゃ……はにゃぁっ!?」
そのまま押し切らんと攻撃を繰り出すうしねこだったが、着地と同時に盛大な転倒をかまして攻撃が不発に終わる。いったい、これはなんなのか。気づけばなにやら全身がベトベトしており、おまけに随分と機械臭い。
「あは♪ つまみ取った……♪」
そんな中、サエはうしねこの胸を両手でしっかりとホールド! 慌てて離れようとするうしねこだったが、再び何かで滑ってしまい。
「ふぎゃぁっ! な、なんだか、上手く動けないにゃ!」
「残念、あなたが着地したのは、さっき撒いたマシンオイルの上だよ。胸が大きすぎて、足元がお留守になっちゃったんだね♪」
なんと、サエは先の戦いでカゲキマイラーズ達が豊胸用に使っていた、マシンオイルをブチ撒いていたのだ。だが、胸が大き過ぎた上に攻撃しか頭になかったうしねこは、それに気付かず油地獄へ自ら突っ込んでしまったのである。
「そして……ここからが私の本領だったり♪」
まともに動けないうしねこに、サエが両手を向ける。すると、その先からいきなり爪を装備した巨大な胸……要するに、うしねこの胸と同じ物体が射出され、爪を広げてうしねこに襲い掛かったではないか!
「うにゃっ! いったい、どうなっているにゃ!? いきなり、おっぱいだけが……にゃぎゃぁぁぁっ!」
爪に挟まれ、悲鳴を上げるうしねこ。自分の技を食らって悶絶しているわけだが、これはなかなか酷い絵面。
少し、考えてみてもらいたい。美少女の両手から巨大なバストだけが発射され、本来の持ち主に襲い掛かっている様を。多数の胸が持ち主に襲い掛かるという、なんともシュールな光景を。
そういうユーベルコードだと言われれば、確かにそれまでである。サエの使用するコード・スカルプチュアは、一定時間の間、受け止めたユーベルコードを『両手』から何度も『発射』できるというものだから。
(「う~ん……さすがに、これは酷過ぎるっすね」)
誰得なのかも分からないおっぱい祭りが開催される中、リカルドはキマイラ少女の身体を借りつつも微妙な表情。確かに、大きな胸は魅力だが、それだけが飛び交い、果ては凶器として用いられる世界はどうなのかと。
「これ以上は、色々と限界っすね。コンプライアンス的に封じさせてもらうっすよ!」
再び胸の爪を展開しようとしたうしねこへ、リカルドの投げた鎖鎌の鎖が絡みつく。こうなっては、もう胸の爪を展開することができない。続けて、怪力に任せて掴みかかり、相手の首元と関節をしっかりと確保だ。
「うぐぐぐ……く、苦しいにゃ……」
強烈な締め技を食らい、うしねこの顔が見る間に青ざめ始めた。このままでは、白目を剥いた上に泡を吐き、失禁した状態で失神は確実。先程よりも、更に酷い絵面になりそうであり、さすがにこれを外部に配信するわけにはいかないが。
「……っ!! げほっ! がほっ!? な、なんとか、抜けられたにゃ……」
マシンオイルのぬめりを利用して、うしねこはなんとかリカルドの拘束から離脱した。だが、それでも鎖鎌による拘束だけは解除できず、うしねこは第二の切り札である、胸の爪による攻撃手段も失ってしまった。
●巨乳断罪!
戦う度に胸が揺れ、果ては盛大なポロリまで連発するおっぱいバトル。その、あまりに過激な戦いに、ひりょは完全に攻撃を仕掛けるタイミングを失っていた。
(「くっ……なんて危険な戦いなんだ! これじゃ、敵が動く度に胸が気になって仕方ないよ!!」)
目を瞑って戦えるような術があれば別だったが、そんなもの、当然のことながら持ち合わせていない。しかし、そうこうしている間にも、うしねこは残された最後の切り札……胸を揺らしながらの大ジャンプを駆使して、猟兵達の包囲網を突破せんと跳ね回る。
「ちょっと! なにやってんのよ!」
「怪人が逃げちゃうじゃない! 見惚れてないで、しっかりしなさいよ!!」
敵の胸元に釘付けになっているひりょに、キマイラ少女達からのブーイングが飛んだ。殆ど罵声に等しい応援だったが、それも彼女達の言葉を聞いて、ひりょはなんとか自分を取り戻した。
「よ、よし、 気を引き締めていこう! 俺は女の子に罵声を浴びせられて喜ぶ性癖はない……はずだから!」
正直、自身はなかったが、それはそれ。紳士的な笑みをキマイラ達に送りつつ、ひりょもまた敵に対抗すべく飛び上がる。その一方で、今まで攻撃のチャンスを伺っていたクロエもまた、ここぞとばかりに翼を広げて飛翔した。
「――いと気高き戦女神、戦いの地に立つ我らに加護を……我の生命を光に……」
瞬間、クロエの服が破れるようにして弾け飛び、代わりに戦乙女の鎧が彼女の身体に装着されて行く。戦うヒロインのお約束、ちょっとエッチな変身シーンというやつだ。途端に、彼女の戦いを実況中継している動画の瞬間再生数が爆発的に伸びたが、これはむしろ好機である。
「えぇい、貧乳は引っ込んでろだにゃ! お前達の相手をしている暇なんてないんだにゃ!」
果敢に空中戦を仕掛けて来るクロエの方へ、うしねこの視線が集中する。実際、目の前に敵がいたら、そちらへ意識が向いてしまうのは仕方がない。が、それは同時に彼女の意識を足元から反らし、死角に回り込むだけの隙を生じさせるには十分であり。
「その胸部の大きさが仇となったな! こちらが見えまい! 聖者の裁きを喰らえ!」
「……にゃぁっ!? し、しまったにゃ!!」
いつの間にか、真下に回り込んでいたひりょが、胸元に聖痕を刻みつけて聖なる光を放った。そう、うしねこの死角とは、正にその巨大な胸の下。あまりに胸が大き過ぎて、うしねこは自分の目で足元を見ることができないのである。
それは戦士として……いや、下手すりゃ生物として大いなる欠陥だった。何事も、過ぎたるは及ばざるが如し。胸だけ必要以上に巨大化させたところで、それはセクシーでもなんでもなく、滑稽なだけである。
「うにゃぁぁぁっ! お、落ちるぅぅぅっ!!」
ひりょの攻撃でバランスを崩したのか、うしねこはついに空中ジャンプをすることもできないまま、重力に引かれて落下を始めた。
そして、その真下で槍を構えているのは、今まで怒りを溜めに溜めてきたクロエだ。ここまで我慢して来た全てを聖槍に乗せ、力の限り回転させながら、相手の胸元目掛けての重突撃!
「その駄肉、この槍で抉ってやるであります!」
「ぎにゃぁぁぁっ!! そ、そんな馬鹿にゃぁぁぁっ!!」
胸元の肉を抉り飛ばされ、ドリルの如きクロエの槍に粉砕されて行く子豚・うしねこ。この世の貧乳、全ての怒りを乗せた一撃が、ついに爆乳オブリビオンを打ち破った瞬間だった。
●新たなる宗教?
戦いが終わり、解放されたキマイラ達。だが、怪人にされることは避けられても、それは同時にナイスバディを手に入れる機会が失われてしまったことでもあり、なんとも寂しい表情になっていた。
「はぁ……。やっぱり、楽してセクシーなんて無理だったのかなぁ……」
「『いいね!』を稼ぐなら、地道にダイエットするしかないのかも。あ、でも、そんなことしたら、胸まで痩せて……うぅ、どうしたらいいのよぉ!!」
理想のボディは一夜にして非ず。故に、彼女達の胸を大きくする方法など、そう簡単には思いつかないわけでして。
「う~ん……貰うのは好きだけど、与えるのって苦手なのよね……」
「我の淫魔軍団でマッサージを……いや、それでも、さすがに胸を瞬間的に巨大化させることは不可能か……」
サエもワルルーナも、これには少しばかり困り顔。そもそも、仮にマッサージだなんだとやったところで、体質に合わなければ意味はない。
(「別に、そこまで大きくなくても、綺麗な胸ならそれでいい気が……」)
(「まあ、こういう時は、余計なことは言わない方が吉っすね」)
なお、ひりょとリカルドの二人は、藪蛇を避けて敢えて何も言わなかった。この場合、彼らの判断は英断である。胸についての話題はデリケートなので、迂闊に男が口を挟むと、それだけでセクハラ認定されてしまい兼ねない。
「う~ん……そんなに、胸を大きくしたいのですかぁ? それなら、私の女神様の教えに入信されませんかぁ?」
そんな中、るこるは自らの信じる豊乳女神への勧誘を開始。どう考えても怪しさ満載なのだが、しかし彼女の体型は、女神の確かなご利益を感じられるものであり。
「豊乳女神! それって、どんな教えなの?」
「入信すれば、私もナイスバディになれちゃうってこと!?」
意外なことに、キマイラ達の食い付きは悪くなかった。そして、彼女達と同じく、豊乳女神の誘惑に負けそうな者が、もう一人。
(「豊乳女神の教えでありますか!? ……い、いや、ダメであります! 自分が信じるのは、戦女神様だけでありますよ!!」)
思わず宗派を鞍替えしそうになり、クロエが慌てて首を振る。なお、その後のキマイラフューチャーにて、一部の者達の間で『豊教(ほうきょう)』という謎の教えが流行ったという噂だが、それはまた別の話である。
大成功
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