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夕暮れの街角、子供が消える時

#UDCアース

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#UDCアース


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「またねー!」
「うん、また明日ー!」
 夕暮れの街中、小学校の帰りの子供たちが自宅へ向かう。
 次の角を曲がると少年の自宅が見える……というところで、同じ小学校の女の子がこちらを向いていた。
「ねぇ、おにいちゃん?」
「ん、おれ?」
 どうやら低学年らしい、知らない女の子に少年は声をかけられる。
 近くの子じゃない……と思う。
「そう、おにいちゃん。ねぇ、一緒に来てほしいところがあるんだ。」
「え……なに、なんでおれに?」
 突然の申し出に、少し不審に思うものの……。
「まぁいいか、どこに行くの?」
「えっとね……。」
 手をつなぎ、手を引かれると、いつの間にか見知らぬ建物の前にいた。
 何でここに来たのか、そんな考えは全く浮かんでいないが、少年は最後にこう言われた。
「いけにえに、なってくれる?」

「皆さん、どうやらUDCアースで邪神が顕現しようとしているようです。」
 猟兵たちを前に、アト・タウィルは状況を説明し始めた。
「子供を連れ去っては生贄に捧げ、もう少しで復活というところまできているようです。
 皆さんには、その場所を探して復活しかけている邪神の退治をお願いします。」
 ここで印のつけられた一枚の地図を見せ、
「この小学校の周り、印のあるあたりから子供の消息が消えました。
 地図で見た限りでは特に法則性は見えませんね。
 そして、失踪したのは皆男の子とか。」
 さらに、一枚の探し人のチラシを取り出し、
「その子供が最後に見られた時、このチラシの女の子と一緒にいた、という話もあります。
 ゆかりちゃんという、一年ほど前に失踪した女の子だそうです。
 邪神の手下となっているとみるべきでしょうね、注意して当たってください。」
 それではみなさん、気を付けて。
 その言葉とともにゲートが開かれ、路地裏の一角へとつながった。


ヨグ
 ヨグです、今回は失踪事件を調べてもらいます。
 夕暮れの街角で小さな女の子についてきてと言われた時、あなたならどうするでしょう?
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第1章 冒険 『消える子供たち』

POW   :    多くの人から聞き込みをする

SPD   :    行方不明になった現場周辺を調べる

WIZ   :    行方不明になる条件を考察する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ミモザ・クルセイル
【他猟兵との協力、アドリブ行動等歓迎】

◆心情

子供の行方不明事件は見過ごせませんね
チラシのゆかりちゃん?
その子も元は被害者なのかも…?

◆行動
【SPD】現場周辺を調べる

学校の近くなら年齢で怪しまれる危険は少ない筈
念の為にランドセルを背負い小学生を演出

技能は「礼儀作法・追跡・コミュ力・言いくるめ」等を活用

もし通行人がいたらご挨拶
「学校の宿題で地図を書くので、歩いて調べている所です」
「もし、この辺りの事を知っていたら色々と教えて下さい」
と会話し話を聞く
最近変わった事は無いか、等

誰もいない時は
現場付近で「第六感・撮影」を活用
怪しい場所を調べ、ヒントになりそうな物を記録する
万一の時は物陰に隠れてやり過ごす


虚偽・うつろぎ
POW

ふむふむ、行方不明事件かね
まずは件の女の子のことから聞いてまわるかな
情報は足で稼ごう
数が物を言うよ

チラシを持って、行方不明者の情報を聞いて回っていると言えば
多少は情報を聞きやすいかな

男の子がターゲットっぽいし
通学路近辺にしぼって聞き込み調査をやっていこう

大人だけでなく子供にも聞いておくね
男女問わず
聞く内容は
・第一にチラシの女の子
・第二は怪しい建物がないかの情報
例えば人が住んでいないはずなのに人を見たとか
雰囲気がいかにも怪しい建物(人が住んでいる住んでいないは問わず)とか
・第三は行方不明になった男の子たちのこと

通報または人を呼ばれそうになる等の時は
にこやかに然り気無くフェードアウト


篁・綾
…こっちの世界の服に一応着替えて調査をしましょうか。
行方不明となったとされる場所を虱潰しに調べてみましょう。

【情報収集】【第六感】を駆使し、周辺を調べてみましょう。
一応呪術的な方面の可能性も加味して、【呪詛耐性】も活用しながら
何らかの痕跡がないか見て回るわ。

また、周囲に動物がいるようだったら、賄賂(餌)をあげて【動物と話す】【コミュ力】を使って話を聞いてみましょう。

あなた達は何か…変わったものを見たりはしていないかしら…?



「ふむふむ、行方不明事件かね。」
 情報は足で稼ぐのだよ、という持論を元にとにかく聞き込みをする虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)。
 通学路となっている道で、たまたま通りかかった学校の帰りであろう少女から話を聞いていた。
「お嬢ちゃん、この子を見たことがないかね?」
 1年前に失踪したというゆかりちゃんの写真を見せるが、
「んーん、知らないー。」
「そうかー、お嬢さん知らないかー。」
 ふと考えた素振りを見せ、
「それじゃ、最近いなくなった男の子について、知らないかね?」
「んー……なんかねー、帰るときにー知らない子について行っちゃったってー。」
 子供が連れ去ったこと、までは噂になっているらしい。
 ……と、通りすがりの女性がスマホを取り出し、うつろぎをチラチラと見ながらどこかへ通話するのが、視界の端に映る。
「ありがとう、お嬢ちゃん。」
 あくまで自然に立ち去るように、うつろぎは警察が来る前に素早く立ち去っていった。

「こんにちは!」
「え、ああ、こんにちは。」
 警察へ通報し、スマホを下ろした女性へ声をかける、こちらは小学生になりきったミモザ・クルセイル(倒花・f00333)。
 背負ったランドセルも相まって、女性も近所の子供かと思ったようだ。
「この近くの事を教えてほしいんです、学校の宿題で色々調べてて。」
「へえ、そうなんだ。どういうことを知りたいの?」
 いかにも学校で配られた白地図、という感じのプリントを見せ、
「えっとですねぇ……地図を描きたいから、この近くに変わった建物とかないかなって。」
「ふぅん……変わったモノか。」
 そうねぇ……と、いくつか地図に印をつけながら挙げていく女性。
「そうそう、ここなんか知ってるかもね。」
「ん?なんで?」
「あぁ、君は知らないか。今は誰もいないビルでね、カギとかかかってないから子供の遊び場になってるみたいよ。」
「へぇ~……。」
 ありがとうございました、とお礼をしてミモザは立ち去った。

 通学路の近く、猫の集会場へキャットフードを手に現れたのは篁・綾(幽世の門に咲く桜・f02755)。
 ちょうど集まっていた猫たちへ、彼らに解る言葉で話しかける。
「ちょっと聞きたいことがあるの。」
『ん、なんだイ?』『ただじゃ答えたくないナァ。』『美味しそウ。』
「あぁうん、これは上げるわ。」
 目ざとくキャットフードを見つける猫たちに小さな容器に出して渡し、ある程度食べ終わってから話を聞く。
「この付近で、最近人間の男の子が居なくなってるようだけど、何か知らない?」
『男の子?』『あれかナ?』『幽霊が連れて行っちゃうんダ。』
「幽霊って?」
『うん、幽霊。』『女の子の幽霊。』『イケニエにするんだっテ。』
「……どこに連れてかれるの?」
『あっチ。』『次の曲がり角。』『四角い背の高いとこロ。』
「うん、わかった。」
 ありがとう、と声をかけると、猫たちはまた自由に遊び始めた。

「いやはや、まいった。僕のようなモノは、女の子に話しかけることも許されないとは。」
「それはまぁ……いや、何でもないですよ?」
 ひらがなで『うつろぎ』と読めるような形をとりながら歩くうつろぎを見ながら、ミモザは納得しかけたが話を変える。
「えーと、それはそれとして……なんだか、ここのビルが怪しいみたいですよ。」
 白地図にチェックをした、子供が遊び場にしているというビルの前。
「おや、あなた達もここに?」
 そんな話をしていると、篁が道の角から現れた。
「猫たちが言うには、ここでイケニエにされてるみたいよ。」
「ほう、では中を調べる必要がありますな。」
 うつろぎは、ビルを見上げ?ながら呟いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

鎧坂・灯理
神様案件か。全力で任務に当たるぞ。神様は大嫌いだ。自称する奴は特にな。
まずは調査だ。【SPD】現場周辺を調べよう。「掃除」をするときのように細部を観察し、しっかり「情報収集」するぞ。UCは……戦闘用だから期待は出来んが、猫の手も借りたい状況だからな。一応出しておく。小型の虫型機械を呼び出し、周辺一帯の探索に回す。
足跡や落とし物、不自然に途切れた痕跡なんかがあると重畳なんだがな。


天星・暁音
子供がいなくなる…それと男の子だけ…か。
そういうことなら囮捜査も可能かもね。
小学校の周りか…この小学校に何かあるのかな?
まあ、何もなくとも追跡者にこの学校の男の子達を追跡させてみようか、見張らせるならやっぱり1人でいる子かな。
後は居なくなった子の学年とかそういうの調べてみてどのくらい年齢の子がいなくなってるのかで見張らせる子の目星もつかないかな…

自分で囮になれないか試しつつ世界知識等で行方不明になる条件を探ってみて追跡者に見張らせる子を探して見張らせます。


サフィ・ヴェルク
行方不明になる条件を考察する。邪神の手下となっているというのを頭に入れて、何の邪神かどうかもなるべく推理しつつ、多重人格者なので誰も居ない一人になったタイミングで己と会話して考察を深めていきます。



 少し時は巻き戻り、連れ去られたという場所。
 男装の女性、鎧坂・灯理(不退転・f14037)と穏やかそうな男の子、サフィ・ヴェルク(見た目は優男 中身は不安定な多重人格者・f14072)は、何かが落ちていないか?とまるで掃除でもするかのように観察していた。
「なかなか、痕跡っていうのは見つからないですね。」
「……そうだな。」
 ぶっきらぼうに答える鎧坂は、小型の機械兵器も動員して何かないか探していた。
「なんで小学生の男の子を連れ去るんでしょう?」
「ショタコンの邪神だから、とか?」
「あはは、そんな単純な話じゃないと思うよ。」
「……ああ、私もそう思うぞ。」
 最後の一言以外、多重人格者のサフィの独り言である。
「ん?ああ、これはゆかりちゃんとやらの探索チラシか。」
 機械兵器の一つがつまみ上げた紙片を見ると、確かにそれだった。
「これくらいだな。」
「ですね、ほかにはなさそうです。」
 二人とも埃を払いながら立ちあがり、別の場所へ移動する。
「なぁ、男だったら知らない女の子に『ついてきて』って言われたら、ついていくか?」
「うーん……どうでしょうね?
 僕ならついていくなぁ、告白とかされるかもしれないし。
 あぁ、なるほどね。」
「……なるほど。」
 そういう意味では使いやすい、ということか……と、手下のゆかりちゃんについて考える二人。

 下校時間、小学校の中で目星をつけておいた男の子に、影の追跡者をつけさせた天星・暁音(貫く想い・f02508)。
 被害にあった少年は大体低学年~中学年程度、高学年は居ないとのことだった。
「だったら多分、あの子で大丈夫だと思うけど……。」
 できれば自分が囮になった方がいいんだよね。
 そう考えながら、対象をつけつつ一人で歩いていると、対象の近くに人が常にいることに気が付く。
「一人じゃないと、出てこないんだっけ……。」
 どうしようかな……と考えていると、角を曲がったところに一人の女の子が立っていることに気が付いた。
 追跡対象ではなく、天星の目の前に。
「……ねぇ、おにいちゃん?」
 それは、まさに探し人のチラシで見た顔、ゆかりちゃんだった。
「なに?」
 不自然にならないよう、多少演技をしながら対象を確認する。
「えっとね、一緒に来てほしいところがあるんだ。」
 服に汚れなどは見えない……しかし、
「……なんで?」
 影が、ない。
 時間は夕方、長い影が伸びる時間である。
「まぁいいや、どこに行くの?」
「えっとね……。」
 手を差し出してくるので天星が手を取ると、ふわっとした浮遊感。
 気が付くと、廃ビルの前だった。
「いけにえに、」
「……俺は、ならないよ。」
 ゆかりちゃんは天星の言葉にビクッ!と驚き、一人でビルの中に走っていった。
「本当に転移してたとは思わなかった……けど、場所は解ったからいいかな。」
 そして、服の下に隠していた発信機へ向け、
「今、連れ去った後の場所にいますよ。」

 手にしたスマホで通信機の位置を確認する鎧坂。
「地図の……ここか。」
 急に切り替わったことに少し驚いたが、天星が無事なようでほっと胸をなでおろす。
「神隠しみたいですね。
 ああ、そんな感じだね。」
「神、か。」
 サフィと廃ビルへ向かいながら、鎧坂は呟く。
「……神様は大嫌いだ。自称する奴は、特にな。」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『ゆかりちゃん』

POW   :    「ただいま」「おかあさん、おとうさん」
戦闘用の、自身と同じ強さの【母親の様な物体 】と【父親の様な物体】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD   :    「どうしてそんなへんなかおでわたしをみるの?」
【炎上し始める捜索願いからの飛び火 】が命中した対象を燃やす。放たれた【無慈悲な】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
WIZ   :    「ひどいよ、ひどいよ、ひどいよ」
【嗚咽を零した後、劈く様な叫声 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 廃ビルの中に入ると、一階の広間に赤黒い血で円形の方陣が描かれていた。
「おにいちゃん、おねえちゃん……。」
 入ってきた猟兵たちを見て、ゆかりちゃんは少し戸惑ったような声を上げる。
「ダメ……ここは男の子以外に教えちゃ、ダメだったの。」
 顔に張り付く捜索願が燃え上がり、叫び声が響く。
「……出ていって!」
サフィ・ヴェルク
あいたたた 痛いのは少し、いやかなり嫌ですね。事情は知りませんがあんまり問題を起こされても困るんですよね闘ったら痛いじゃあないですか 僕は下がってます。お願いしますね?

飛び火の熱がちりちりとちょっと当たっただけで淡々としているのに痛がって ユーベルコードのオルタナティブ・ダブルを発動します。
戦闘好きな裏人格のロゼの方が効率的に避け出して攪乱するように動きます。囮にもなります

じゃあ僕が頑張りますよ勿論 僕が囮になるんで誰かやっちゃっていただけません?

傍目からすると急に機敏になって攪乱しつつ囮になりつつ攻撃するチャンスも狙いつつこれじゃあ自分は攻撃出来ないと思い、合理的な判断で攻撃は他者に任せます


鎧坂・灯理
すまないな。そのお願いは聞けないんだ。
戦闘:UCを使用し、小型機械を展開。一体ずつ特攻させる形で、ひたすら相手の攻撃の邪魔をさせる。自分はバイクに乗り、走り回りながら銃撃や投げ縄などで敵の行動を阻害しつつ攻撃し、猟兵たちのサポートをする。隙があればバイクで轢く。
心情:たとえ異形でも、かつては人間だった子供を倒すことに心の中でとても悔しい思いをしており、同時にこんなことをしでかした自称神様に対して殺意混じりの憤怒を抱いている。



「……すまないな。そのお願いは聞けないんだ。」
 鎧坂は小型の機械兵器を展開しながら、ゆかりちゃんの言葉を遮る。
「私は、貴様の後ろにいる神様に用があるんだ。」
 その後ろで、飛んでくる火の粉を見てサフィは頭を押さえながら、
「あつ、熱いのは少し、いやかなり嫌ですね。事情は知りませんが、あんまり問題を起こされても困るんですよね。」
 ぺらぺらと饒舌にまくしたてる。
「闘ったら痛いじゃあないですか、僕は下がってます。だから……。」
 言葉とともに、サフィの姿がもう一つ現れる。
「お願いしますね?
 ああ、解ったよ。」
 サフィは後ろに下がり、もう一人のロゼが前に出る。

「痛い、痛いよ!」
 鎧坂の小型兵器の体当たりが、ゆかりちゃんを襲う。
 ひぐ……えぐ……と、彼女は嗚咽を漏らすのみ。
「……虐めているようで、正直気分が悪い。」
「解りますよ、確かにいい気分じゃないですね。」
 少し手を止め、二人が話をしていると、ゆかりちゃんは急に顔を上げてけたたましい悲鳴を上げた。
「っつ!」
「うわお、これはなかなか強烈だ。」
 鼓膜が破れそうなほどの声に、耳を塞いでなんとか耐える。
「ちっ、これでも怪異か。」
「そうだね。じゃあお姉さん、攻撃はよろしく。」
 ロゼはそのままゆかりちゃんに近づき、サイコキャノンを向ける。
「お兄ちゃんも、出ていってよ!」
 だがそれを発射する暇もなく、ゆかりちゃんの捜索チラシの炎が襲い掛かる。
 紙一重でそれを躱し、
「……予想はしてたけど、本当に余裕がないね。」
 そのまま、ゆかりちゃんの気を引き付ける。

 ロゼの方を向いたゆかりちゃんへ、鎧坂は愛用のバイクに乗り、体当たりをかける。
「きゃあ!」
 小さな体は吹き飛ばされ、壁に血の跡を残してずり落ちる。
「ちっ!」
 怪異とはいえ子供、それも元は人間。
 そんな彼女に手を下さなければならない、彼女をそう変えた邪神とやらに内心怒り狂いながら、鎧坂は手にした拳銃で彼女を撃った。
 まるで人形のように跳ね、そのまま崩れ落ちた……。
「待ってろ、絶対に殺してやるからな。」
「……困ったことに、まだのようですよ。」
 ロゼの言葉に、鎧坂が先ほど撃ったゆかりちゃんを見ると、そこにあるのは血の跡のみ。
 広間を見渡すと、方陣の上にゆかりちゃんが立っていた。
 ……傷は無理やり癒され、痛みに震えている。
「くそ!どこまでも糞ったれな神だな!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

篁・綾
…ごめんなさい、あなた達は、もう…

【早着替え】で普段の着物になりつつ、味方と連携しながら立ち回るわ。
【見切り、第六感】で攻撃や動きを見極め、【フェイント】を入れながら【なぎ払い、鎧無視攻撃、2回攻撃、範囲攻撃、目潰し、マヒ攻撃、破魔、祈り、衝撃波、封印を解く】を駆使して
UC【緋桜剣戟】で桜の花を散らしながら周囲の敵へ手数重視の攻撃を行うわ。
攻撃に対しては【残像、オーラ防御、呪詛耐性、激痛耐性、武器受け】等で対応。
…あの子が当人であれ、まやかしであれ、人の心を弄ぶようなやり方は絶対に許さないわ。
間合い内であれば【カウンター、なぎ払い、2回攻撃】で反撃を加えるわ。


天星・暁音
君たちのことも哀れだとは思うけど…
それでも誰かを生贄にするっていうそんな行為を見過ごす訳にはいかないんだ。
だから、邪魔させて貰うよ。
まあ生贄条件は満たしてるみたいだから囮としても役に立てるかな?
気を引けばその分、皆も動きやすいよね。

全力魔法、高速詠唱、範囲攻撃、なぎ払い、スナイパー、援護射撃、誘導弾を用いた虹色の光線で撃ちぬいたり、銀の糸で敵の行動を阻害したり解体して味方の援護を行います。

誘惑やおびき寄せで囮しつつ攻撃は第六感、見切り、敵を盾にするで防いだり躱したりします。


サフィ・ヴェルク
しょうがありませんね。物は試しに邪神相手には邪神で対抗しますか。こればっかりはあんまり使いたくはないんですけどね……僕もよくわからないので、コレは。

戦闘はサフィの顔でUC謎を喰らう触手の群れを使用
精神的にUCを操作してるのはサフィで、ロゼの方がサフィの体を操作して闘いや動きのサポートを。
コートの裾から触手を出してゆかりちゃんを拘束しようとして様子見
場合によってはゆかりちゃんが復活する前提で触手で仕留めると思います。物理的攻撃であれば何でもおまかせします。

内心早く仕留めないと一緒に闘っている人の精神上よろしくなく戦闘に支障が出てはいけないなと考えて憎まれ役も出る。



「……ごめんなさい、あなたは、もう……。」
 明らかに邪神の加護、もとい呪いをかけられている様子を見て、篁は覚悟を決めた。
 普段着であり戦装束でもある着物姿に見る間に変わり、刀を引き抜きながら、
「私にできるのは、なるべく苦しまずに逝かせることだけよ。」
「君のことも哀れだとは思うけど……。」
 天星も三日月をあしらった杖を構え、ゆかりちゃんと対峙する。
「それでも、誰かを生贄にするっていうそんな行為を、見過ごす訳にはいかないんだ。」
「ぐす……うん、おにいちゃんは、そうなんだよね。」
 痛みをこらえるように、方陣の中で立ちあがるゆかりちゃん。
 ゆらり、ゆらり……と、方陣の中からさらに二人の人影が立ちあがる。
「でもダメなんだ。いけにえが必要、だから……!」
 その言葉を合図に、スーツ姿の男とエプロン姿の女の姿をした影が襲い掛かってきた。

「両親ってところかしら、ね!」
 天星を捕まえようと走る、二体の間に入る篁。
「生贄に捧げさせるわけには、いかないよ。」
 両手に持った刀を振るうごとに、桜の花びらが散った。
 それはまるで桜吹雪のごとく、剣閃が見えないほどの速度で振るわれた。
 篁の横を通り抜けた二人の人影は崩れ落ち、桜の花びらに覆われて消えた。
「うそ……お父さんもお母さんも、ダメなの?」
 放心しているようなゆかりちゃんへ篁は駆け寄り、急に横に飛んだ。
 その後ろにいるのは、虹色の光線を湛えた天星。
「虹の制裁!!」
「きゃあ!」
 七色に輝く光がゆかりちゃんを貫き、さらに神の祝福を受けた銀糸を絡み付かせ、動きを封じた。
「あとは、お願いします!」
「解った!」
 さらに横から篁が迫り、一閃。
 ごと……とゆかりちゃんの首が落ち、桜の花びらが一枚散った。
「……この子が当人であれ、まやかしであれ、人の心を弄ぶようなやり方は絶対に許さないわ。」

「ひ!ぐうう……。」
 と、声のした方を向くと、首から血を滴らせたゆかりちゃんが紫色の触手に絡み付かれていた。
「あんまり使いたくはないんですけどね……僕もよくわからないので、コレは。」
 サフィは、先ほどの戦いからまた邪神に復活させられると判断し、出てくるであろう方陣の上で触手を構えていた。
「いやああああ……もう、私じゃ……。」
「うん、勝てないだろうね。」
 無慈悲に言い放ち、さらに触手を締め上げる。
「……君に生贄を捧げさせてる神だって、君を生き返らせるのに力を使うはずさ。
 そう、だから……今君を殺しつくす。
 うん、何度も何度も、ね?」
「ぐ、えう……。」
 そのままサフィは、だらんと力が抜けるまで触手で締め上げていた。
「君が解放されるには、そうするしかないんだ。」
 少し力を緩めた……と思えば、ゆかりちゃんの体が消えた。
「げほ!ぐううう……」
 サフィの足元に投げ出されたゆかりちゃんの体に、祝福された銀糸がまとわりつく。
「……もう、終わらせるよ。」
「い、や……あ。」
 天星の操る銀糸はゆかりちゃんを締め上げ、神の祝福をその身に与えていく。
 邪神の力を、絞り出すかのように。
「せめて、安らかに。」
 頃合いを見た篁の剣閃により、ゆかりちゃんの首は切断された。
 そのまま、黒い灰へと変わっていく……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『灼紅の女王・ブラッドクィーン』

POW   :    敵から護る赤黒くおぞましきモノ
【敵対 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【絡みつく赤黒き触手の群れ】から、高命中力の【高粘着性の強酸溶液】を飛ばす。
SPD   :    解放されてはならない狂気の姿
【世界に隠匿された真の邪神の身姿 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ   :    死しても逃さぬ邪悪なる降霊
【 自身に挑んで返り討ちにあい支配された敵】の霊を召喚する。これは【生前に使用したユーベルコード】や【得意としていた武器】で攻撃する能力を持つ。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアイリス・スノーキャッスルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ゆかりちゃんが崩れて消えたのと同時に、方陣が赤黒い闇を放つ。
 その中から現れたのは、赤い触手の塊。
「ふふ、あの子はなかなか悪くない手駒だったのだけど……。」
 触手から持ち上がる女性の上半身が、猟兵たちを見渡す。
「不十分とはいえ、動ける程度になるほどの生贄をくれたのだから。」
 赤黒いドレスを纏ったソレは、楽しそうに舌なめずりをし、
「ふふ、あなた達をもらえば、私はこの世界に顕現できる。」
 抱きとめるような動きをしながら言い放つ。
「さぁ、私の血肉となる名誉を与えましょう!」
サフィ・ヴェルク
現れた赤い触手から飛びのいて

「ああ。随分とお美しい神様がいらっしゃいましたよ」とサフィ
「お綺麗ですね。お誘いどうも。でもお断りしますね」とロゼ

前回の流れのまま引っ込めるのも変な気もするので、UC謎を喰らう触手の群れ展開させたままに行動
敵には目があるので出したままの触手で【だまし討ち】などでフェイントしつつ【目潰し】なども行って攪乱。
UCの強い攻撃で確実に痛手を与えていきます

ゆかりちゃんのとどめいただけたので、他に強い攻撃もっていらっしゃる方居たらそちら優先でお願いします

勝てる目が見えたら誰かに促すか自分が適役なら乗り込みもします
事が終ればゆかりちゃんのこともあったので落ち込んで静かになります


篁・綾
邪悪に満ちし悪しき神…!
今ここで叩くわ!

【覚悟】を決め、【衝撃波、なぎ払い、2回攻撃、鎧無視攻撃、マヒ攻撃、破魔】を駆使し、UC【月牙乱桜】で邪神へ攻撃を加えるわ。
「…こちらが相手よ、紅い邪神。鬼さんこちら、とはよく言ったものね」
注意を引いたら、相手の視界の端から消えていくような感じで、
【おびき寄せ、時間稼ぎ、目潰し、見切り、残像、第六感】、UC【桜花絶影】を駆使して、回避と敵の周囲での高速移動に専念、撹乱を試みるわ。

攻撃を受けた場合は【武器受け、オーラ防御、激痛耐性、呪詛耐性】で耐えましょう。

…この悪意に、もう何人の命も奪わせてなるものか!


天星・暁音
お生憎さまだけど、俺は君如きの捧げものにされるつもりはないよ。
何よりあの子達を利用し弄んだ。その行為を黙って許すつもりもない。
俺は俺の全力でもって君の邪魔をしてあげるよ。
貴方を永遠の闇へと放逐する為に…

味方を鼓舞し、敵を誘惑し誘き寄せ味方の行動がしやすように補助しつつ、銀糸で相手の行動を阻害し全力で味方を癒して援護します。
第六感、見切り、オーラ防御、盾で受け等で回避、防御し多少の攻撃は覚悟、激痛耐性で無視します。



 現れた邪神から飛びのいたサフィ、
「ああ。随分とお美しい神様がいらっしゃいましたよ。」
 そして、表に出るもう一つの人格のロゼ。
「お綺麗ですね。お誘いどうも。でもお断りしますね。」
「邪悪に満ちし悪しき神……!」
 篁は彼岸桜の意匠の刀を構え直し、邪神へ殺気を向けながら宣言する。
「今ここで叩くわ!」
「おやおや、怖いことを言う女狐だこと。」
 クスクスと嗤う邪神は猟兵達を見渡し、天星に目を止める。
「可愛い子もいるのね。ふふ……あなたの血、いただこうかしら?」
「お生憎さまだけど、俺は君如きの捧げものにされるつもりはないよ。」
 邪神をにらみつけながら、天星は三日月の杖を構える。
「何よりあの子達を利用し弄んだ。その行為を黙って許すつもりもない。」
「ふふ、あの子、ね。」
 邪神がつぶやくと、影から1体の霊が現れる。
 ……顔は捜索チラシで隠されているが、
「いくらでも、会えるわよ?」
 ゆかりちゃん、だった。

「ちっ!見てられないわ!……こちらが相手よ、紅い邪神!」
 駆け出す篁を赤黒い触手が迎え撃つ。
「ふふ、女狐に用はないわ。」
 邪神が意識を向けると、篁の姿はない。
 舞い散る桜の花びらがあるのみ。
「おや、どこへ」
「鬼さんこちら、とはよく言ったものね!」
 背後に生まれた殺気へ邪神が振り返ると、まさに刀で横薙ぎにされるところであった。
 赤黒い触手で受け、体を躱す邪神。
「ち!小癪な!」
 そして、その視界が別の触手に塞がれた。
「僕の事も忘れちゃ、困りますよ。」
 紫色の触手を絡み付かせ、サフィは邪神の視界を奪う。
「く!……ゆかり!小奴らを殺せ!」
 邪神は自身の触手を周囲へ無差別に解き放ち、ゆかりちゃんは言葉に呼応するように捜索チラシから浮かび上がる炎を猟兵達へ放つ。
 篁は自身へ向かう触手を切り払いながら飛び退る。
 サフィは自身の触手の制御に気をとられ、炎を浴びてしまう。
「ぐあ!っく、先ほどまでのゆかりちゃんとは、威力が違いますね。」
「……なかなか攻撃に移れないな。」
 そんなサフィに降り注ぐ、天からの清浄な光。
「傷ついた翼に再び力を!……ふぅ。」
「ありがとう、すまないな。」
 癒しの光を使い、疲労の色が見える天星を労うサフィ。
「俺のことはいいよ。さて、」
「く!?なんだ、これは!」
 天星が空中を掴むような動作をすると、邪神が自身の体を襲う異変に気が付いた。
「俺は俺の全力でもって、君の邪魔をしてあげるよ。」
 神聖な銀の糸を絡み付かせ、動きを封じた天星。
「よし、行くぞ!」
「ええ、この機を逃すわけにはいきませんね。」
 篁は刀を構えて駆け出し、サフィは紫の触手を解き放つ。
 触手は邪神の体を締め上げ、さらに動きを止めさせていた。
「これで動けませんね。」
「ぐ、貴様ら!」
「……この悪意に、」
 言葉とともに邪神の体へ刀を突き刺す篁。
「もう何人の命も奪わせて、なるものか!」
「ぐああああああ!」
 後ろから自身に向けてゆかりちゃんの炎が迫っていることを察し、邪神の体を蹴とばして飛び退りながら距離をとる。

「もう許さんぞ、貴様ら!」
 悪鬼の様相で猟兵たちを睨み、声を上げる邪神。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

虚偽・うつろぎ
ほほう、赤い女とな
そういえばそんな化身を持った邪神もいたね
どちらにしろ僕の糧になることに変わりないよ

UCはジバクモードを使用
中々クィーンに近づくのは難しそう
ならば離れた位置より纏めて攻撃してみよう
召喚されたもの達も纏めてね

自身から22m半径内の全ての敵を対象にするので
場所的に十分余裕でクィーンを範囲内におさめることは可能だと推測

まずクィーンに向かってダッシュで近づきUCの範囲内に入ると同時にジバクモード発動
技能:捨て身の一撃を最大限駆使した一撃
この一撃に全力を注ぐよ

捨て身ゆえ、この攻撃の後はまともに動けず離脱するしかないかな
ボロボロに倒れたまま隅っこに放置でも可です

アドリブ連携等ご自由にどぞ


鎧坂・灯理
おやおやこれはこれは……華のような邪神殿だ。
腰から下がラフレシアそっくりですな。いやあ実によく似合っていらっしゃる!
戦闘:バイクに騎乗し可変式銃器をショットガンに変形させ、ゆかりちゃんを射撃。一時的に黙らせる。邪神に向けて先端を輪状にした頑丈なワイヤーロープを投げて引っかけ、転倒や引きずり攻撃による行動の制限を狙う。暴走モードになったら停車し、UCを使用して銃器を狙撃銃に変形させ、顔(特に目と歯)と心臓を撃ち抜く。殺せるとは思っていない。
「もう許さん」だ? それはこっちの台詞だ醜悪!


サフィ・ヴェルク
*シナリオ中にUC修正したので今までの統合した感じのプレイング書いてます。真の姿解放されたので 描写します

コートの裾から出ていた触手が、姿を変質させる それらは集まり、影となり、サフィの体よりも何周りも大きい、白い影

「……思い出しました これは確か、こう使うんです」

白い影の眼光が凍て付く白い光を放って何度も攻撃します
凍らせて動き止めたく思います。
炎が迫ってきているというのもあるので凍らせて防いでサポートなどを行います。

連携とります。アドリブ大丈夫です、真面目でも発狂でもボコボコにされても大丈夫ですご迷惑おかけしてしまいすみません



「おやおや、これはこれは……華のような邪神殿だ。」
 鎧坂は自身の怒りを抑えることもなく、嘲る様に言葉を吐く。
「腰から下がラフレシアそっくりですな。いやあ実によく似合っていらっしゃる!」
「あぁ、死臭を放つらしいですしね。」
 サフィも鎧坂に同調しながら脇に立っていた。
「赤黒い色といい、お似合いの姿だな!」
「ほほう、赤い女とな?そういえば、そんな化身を持った邪神もいたね。」
 その横で、『うつろぎ』の文字を器用に折り曲げ、うつろぎは邪神を見定めていた。
「まぁどちらにしろ……。」
 心なしかニヤリと笑ったような文字になり、機会を窺う。
「僕の糧になることに、変わりないよ。」

「次は貴様らか!」
 邪神は自身の触手をうねり震わせ、粘液を滴らせる。
 雫が落ちると、煙を上げて床を溶かしていた。
「さぁ来るがいい!」
「あぁ、望み通りにしてやる!」
 自身の銃器をショットガンに可変させて構えながら、鎧坂は愛用のバイクのキーをひねる。
 エンジンをふかし、突撃の様子を見せると、邪神のそばのゆかりちゃんが捜索ポスターから炎を発し始めた。
 ……が、そこに降り注ぐ白い光。
「思い出しました。」
 鎧坂が後ろを振り返ると、自身の数倍はある白い影が立っていた。
「これは確か、こう使うんです。」
 サフィの声でつぶやく白い影は、目の位置から発した白い光でゆかりちゃんの炎をかき消し、そのまま彼女ごと凍り付かせた。
「よし、ちょうどいい!」
 そこへ鎧坂のショットガンが火を噴く。
 ゆかりちゃんが砕け散るのを見ながら、一気に邪神へバイクで距離を詰める。
「ちぃ!小癪な!」
 溶解液を滴らせた触手で迎え撃とうとする邪神へ、途中で軌道を変えつつフックロープを投げつける鎧坂。
「ぐ!き、貴様!」
 それは邪神の体に巻き付き、引きずり倒した。
 が、邪神の触手にロープを溶かされ、すぐにロープは離れる。
「もう許さんぞ!」
「「もう許さん」だ? それはこっちの台詞だ醜悪!」
 ロープを捨てた手で即座に狙撃銃に組み直し、邪神の心臓、目と鉛玉を撃ち込む。
「ぐああああああ!」
 これにはたまらず、赤い血を流してのたうち回る邪神。
「少し、おとなしくしてもらいましょう。」
「く……か、からだ、が……。」
 さらに、サフィの光線が邪神を照らす。
 血は凍り付き、床に張り付く邪神へ、近づく一つの塊。
「みんな、伏せたまえよ。」
 塊はうつろぎの文字を取り、邪神に張り付く。
「ゴッドうつろぎアタック!!」
「……!」
 とっさにバイクの影に隠れる鎧坂と、元のサイズに戻ってその後ろに隠れるサフィ。
 途端に部屋に響く轟音。
 うつろぎが自身の体を爆発させて、邪神を文字通り粉々に砕いたのだった。
 ……音が止み、煙がはれる。
 バイクの影に隠れた二人が様子を窺うと、一部が文字化けをしたようになってはいたが、邪神のかけらの中にうつろぎが横たわっていた
「我は神風となり……HPは1になる……。」
 そのフォントは、やり遂げた男のフォントだった。

 こうして、一つの事件が幕を下ろした。
 すっかり暗くなった街を歩き、猟兵達はグリモアベースへ帰還する。
 後に残るのは、邪神になり損ねた灰の欠片。
 そして、ゆかりちゃんの捜索ポスターだけだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月15日


挿絵イラスト