#ダークセイヴァー
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●グリモアベースにて
「やあやあ猟兵諸君。くるるちゃんの召集に集まってくれて感謝するねっ」
グリモアベースに集まった猟兵達を前に腕を広げ、鏡繰・くるる(属性過積載型バーチャル男の娘・f00144)は愛らしい笑顔と共に元気よく切り出した。
「今回はダークセイヴァーで、ヴァンパイア領主の企みを阻止してもらうよ!」
同族殺し、第五の貴族、人類砦、闇の救済者――オブリビオン・人類側ともに、この2年半で、新たな事実や様々な変化が訪れたダークセイヴァー。
だが今回は、そういった特別な事情はない。ヴァンパイアが人間を虐げると言う、ごく普通の事件だ。
そんなごく普通の悲惨な事件が、この夜と絶望の世界にはいくらでも転がっている。
「今回向かって貰うのは、ヴァンパイアによって作られた薔薇の庭園。ただしその薔薇は全て造花で……そして、その材料は、人間なんだ」
ヴァンパイアの生み出した特殊な呪詛。その呪詛を受けたものは、身体が徐々に薔薇のへと変質していく。骨が、肉が、神経が、皮膚が、血液が。その全てが薔薇の造花に変化するのだ。
その造花は、人間が材料とは思えないほどに美しい。だが、造花ゆえに匂いもなく、枯れる事もない。
そして何より、人間の絶望と怨嗟を纏ったその花は、あまりにおぞましい。
「キミ達に最初に頼みたい事は2つ。まず、庭園のあちらこちらに隠された、呪詛の魔法陣を破壊する事」
魔法陣は庭園全体にいくつも隠されている。そのうち1つでも残れば、他の魔法陣はそれを元にして、時間をかけて再生してしまう。そのため、全ての魔法陣を残さず破壊する必要がある。
魔法陣を残したとしても、オブリビオンを倒せば問題はない。当座の事件は解決する。だが、もしそれを他のオブリビオンが見つめれば、呪詛はまた悪用されてしまうだろう。
「ただし、広域破壊で一気にばーっと薙ぎ払う、みたいな事は出来ない。なぜなら、キミ達に頼むもう1つは、薔薇に『なりかけ』の人達を救出する事だからだよ」
呪詛を受けた人間は、徐々に身体が茎に、葉に変化し、身体から白い薔薇が飛び出してくる。そして花が最後に血を吸い上げ、真っ赤に染まる。
その薔薇が白ければ、助け出す事は可能だ。もちろん、まだそこまで変化していない者も、同様に救出可能である。当然大きく消耗しているだろうが、解呪し治療すれば、元の人間に戻す事が出来る。
「もし一気に薔薇園を焼き払って、その結果元に戻せる人を殺しちゃいましたー、なんて事になったら大変だからね。そうならないように、薔薇園を探索しながら、助けられる人を見つけて助け、魔法陣を探し出して破壊して欲しい」
ただし、完全に真っ赤な花を咲かせてしまった薔薇は、残念だがもう元には戻らない。それはもう、死も同然だ。
「元の人間の意志は残っていないから、放置しても支障はないけど……できれば、彼らのためにも、弔って上げて欲しいな」
まあ、それはオブリビオンを倒した後でも構わない。一方、魔法陣を残せば呪詛によってオブリビオンが強化され、要救助者を残せばかばいながら戦う必要が生じるため、基本的にはそちらが優先である。
だが、猟兵達が薔薇園を荒らせば、当然オブリビオンの妨害が入る。
「薔薇園を管理しているのは、黒百合騎士団。その名の通り黒い鎧に身を包んだ、ヴァンパイアに絶対の忠誠を誓う騎士達だよ」
闇のオーラを纏った剣を振るい、鋭い斬撃や斬撃の衝撃波を放って来る。特筆した能力は存在しないが、その連携と、ヴァンパイアに対する忠誠心は侮れない。
主のため、主の敵を倒すためなら、己の命すら顧みない邪悪の騎士だ。
「そして騎士達の主が、今回の首謀者、エレーネ。吸血姫とも呼ばれるオブリビオンだ」
一見して幼く可愛らしい姫だが、その小さな身体には、圧倒的な怪力を宿している。蝙蝠や魔犬など、数多の眷属を従える強力なヴァンパイアである。
そしてもちろん、こんな薔薇を作り出す程には、残酷な存在でもある。
「人を薔薇に変える……そんな酷い事を、これ以上許してはおけないよね。キミ達」
くるるはそう言うと、わざとらしい可愛らしくポーズを取って猟兵達を見渡す。
「それじゃ、ばっちり解決してきてね。良い知らせを待ってるよ!」
●絶望の庭園
ダークセイヴァーに転移した猟兵達の前に広がるのは、美しい赤薔薇の園。
そう、たしかに美しい。だが、その美しさは絶望に彩られたもの。材料となった人間の恐怖が、その薔薇を取り巻いている。
それを思えば、この美しい光景も、寒々しく感じられる。
「ぅ……ぁ……ぁ……」
そして、その園から響くのは、昏い呻き声。その声を辿れば、全身を薔薇に変じさせつつある、禍々しい姿の人間を見る事が出来るだろう。
ただし、中にはもう、自分では声を発せないほど薔薇に変わっている者もいるかもしれない。声だけに頼るのは危険だ。
助けられる者を慎重に探しつつ、魔法陣を破壊していく必要があるだろう……。
一二三四五六
かくも恐ろしい、普通の事件。
ごきげんよう。久しぶりにダークセイヴァーからの事件をお届けします。一二三四五六です。
補足。
薔薇に変えられているのは、男女問わず美しい者ばかりです。ヴァンパイアの趣味嗜好なのか儀式の特性なのかは分かりませんが、エレーネに会ったら教えてくれるでしょう。
二章三章は、どのような環境で行われるかは一章次第ですが、基本的には純戦です。いい感じに戦いましょう。黒百合騎士団は連携して襲って来て、エレーネは高い能力で押して来ます。
それでは皆様のプレイングを楽しみにお待ちしています。
第1章 冒険
『私の為に花は咲く』
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POW : 研究施設の破壊など
SPD : 囚われた人をこっそり救出するなど
WIZ : 侵入ルート、避難経路の割り出しなど
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
レア・リリシエル
同じ薔薇(私は黒薔薇ですけど)としては人を呪いで無理矢理薔薇にするのは許せないです。なので庭園を歩きながら周りを見て、助けられる人はライオンライドで救出します。そして魔法陣を見つけた場合は杖でポコポコにして破壊してやります。
黒百合・美薔薇
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
ふむ、薔薇であるならボクの管轄内、なんとかしよう。
予知を業務命令と捉えてバトラーズ・ブラックを発動、まぁ任せたまえ。
さて、白い薔薇のは化術肉体改造の多重詠唱で解呪といこうか。赤い薔薇は……式神使いで眷属に作り変えてしまおうか。遺伝情報を元に元の人間を再現するのは可能だが、スワンプマン的な限りなく本物に近い偽物でしかないわけだが、さて。
後は魔法陣の破壊か。黒百合と黒薔薇の眷属(式神使い、集団戦術)達に偵察させ結界術でも索敵し精査しているが果たして取り逃しなくすべてを発見できるかどうか。
まぁ、いい。見つけた魔法陣はエネルギー充填で魔力を吸い上げ破壊しよう。
「同じ薔薇としては……私は黒薔薇ですけど、こんな事許せないです」
ヤドリガミの本体である黒薔薇を模した杖を、ギュッと握り締めるレア。その小さな手に、怒りと憤りで力がこもる。
「絶対、助けられる人は助けて見せます」
決意と共に杖を振るい、黄金のライオンを生み出す。その背に跨ると、庭園を歩き始めた。
『うぅ……うぅぅぅ……』
「っ……酷い……」
少し歩くだけで、すぐに『なりかけ』の人間と遭遇する。話として聞くだけでも残酷だが、実際に目にしたその姿はあまりにも非道で、思わず息を呑む。比較的段階の浅い変化でも、四肢が茎に近づく事で痩せ細り、今にも折れてしまいそうだ。
それを傷つけないように、ライオンの手で慎重に根を――いや、脚を掘り出す。それだけでも呪いが弱まるのか、呻きが薄れ、呼吸が安らかになっていく。
「本当に、許せません……助けられる人は、必ず助けないと」
「ふむ、薔薇であるならボクの管轄内、なんとかしよう」
それを見ながら決意を強めるレアに、声をかけるのは美薔薇。彼女も、己の名に薔薇を冠する者として、薔薇にはそれなりの思い入れがある。
「まぁ任せたまえ。受けた業務は必ず遂行して見せようとも」
レアが掘り起こした犠牲者に化術をかけ、変化した身体を元に戻していく。夢魔や淫魔の類いである彼女にとって、姿を変える事は専門だ。
「ふむ……こんな所か。後は休めば元の生活に戻れるだろう」
「良かった……」
ほっと胸を撫で下ろすレアと共に、白い薔薇を探し歩き、助け出していく。地面から離して姿を戻せば、呪いは問題なく解ける――が。
「けれど、こっちは……やはりもう手遅れか」
赤い薔薇に触れ、表情を曇らせる美薔薇。それはもう、完全な造花に変わってしまっている。彼女の化術をもってしても、元に戻す事すら出来ない。
(眷属にでも作り変えようと思ったが……)
人であった痕跡すら見つける事は出来なくては、それも不可能だ。まあ、仮に出来たとしても、それは死者から同意なく偽物を作り出すようなもの。あまりおおっぴらにやれる事ではないが。
「さて、あとは……おっと」
そんな事を考えていた所に、彼女の眷属……偵察に放っていた黒薔薇の式神が戻ってくる。その案内によって向かった先に有ったのは、赤薔薇の影に刻まれた魔法陣。
「こうやって隠れているのを取り逃しなく探すのは、骨が折れそうだが……まぁ、いい」
「これが、皆さんを薔薇に変えている魔法陣……許せません」
手をかざし、エネルギーを吸い上げる事で魔法陣を無力化していく美薔薇。
レアも近くで別の魔法陣を見つけると、ライオンの背の上から杖でポコポコと殴って破壊していく。
「頑張って壊して、少しでも犠牲者を減らさないと……」
「そうだね。やれるだけやってみよう」
改めて決意を固めると、レアはライオンで駆け、美薔薇は眷属を放ち。助けられる犠牲者や魔法陣を探しては、一人ずつ、一つずつ対処していく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シホ・エーデルワイス
アドリブ&連携歓迎
…この世界の支配者が吸血鬼で無くなっても
全ての闇が晴れる事は叶わず
零れ落ちてしまう命は少なからずあるでしょう…
それでも
私は助ける事を諦めたくない
時間がかかると助けられる人は減ってしまうでしょう
魔法陣も生存者も第六感と聞き耳に暗視で魔力の流れを見切り
位置を情報収集し
【終癒】で纏めて範囲攻撃
これなら生存者を傷つけず呪詛のみ浄化して救助活動ができ
犠牲者には弔いの祈りも捧げられ
魔法陣も破魔の力で破壊
もう大丈夫
どうか安らかな眠りを…
生存者は医術で応急処置
急を要するなら【祝音】で癒し
コミュ力と礼儀作法で優しく慰めて落ち着かせてから
『聖鞄』へ保護
味方が救助した人も保護が必要であれば引受ける
フレミア・レイブラッド
人を薔薇になんて、悍ましい事を…。
どれだけ世界が変化しても、この世界の吸血鬼の悪趣味さは変わりない様ね…。
【ブラッディ・フォール】で「魔物娘の帝国」の「妖血の蛇女帝」の力を使用(下半身が蛇になり、同様の服装と槍を装備)
【血の魔宴・我が血より産まれよ愛おしき娘達よ】で自身の真祖の血を代償にラミアやハーピィ、ドラゴンやデュラハン、ワーウルフ等々、多種多様な魔物娘の軍勢を生み出し、人海戦術で魔法陣の捜索と「なりかけ」の人達の救出、そして魔法陣及び薔薇園の徹底破壊を指示。
一つの魔法陣も残さない様、救出可能な人々を救出した後はわたしも炎や爆炎の魔術【属性攻撃、高速・多重詠唱】で徹底的に破壊させて貰うわ
『うぁ……ぁ、ぁ……』
「人を薔薇になんて、悍ましい事を……」
呻きを漏らす『なりかけ』の姿に、怒りを抑えきれないフレミア。
「どれだけ世界が変化しても、この世界の吸血鬼の悪趣味さは変わりない様ね」
「でも、吸血鬼が支配者でなくなっても、全ての闇が晴れる事はないのでしょうね……」
シホは赤い薔薇――もう助けられない者達を悼み、僅かの間だけ眼を伏せる。
吸血鬼が戯れに惨劇を引き起こしている事は間違いない。だが、どんな世界でも、どんな場所でも、命は必ず零れ落ちる。全ての闇を晴らす事は叶わない。
「それでも、私は助ける事を諦めたくない」
せめて、この手で掬える命だけでも。悲しみに耽るのはその後で良い。首を振って憂いを振り払うと、静かに呼吸を整え、意識を研ぎ澄ませる。
「……今、助けます」
感覚を最大限に高め、魔力の流れを五感の全てで感じ取る。目で、耳で、肌で……違和感はそこかしこに。手に取るようにそれを把握し、捧げるは癒しの祈り。
「苦しむ者へ救いを。悪しき呪いに浄化を――」
掴んだ流れに沿って光を流せば、白薔薇が枯れ落ち、呪いが霧散していく。加えて魔法陣と言う『根』を断てば、枯れ果てた四肢も元に戻り、植物めいていたその身体に血が通い始めた。
それを見ながらフレミアは、過去に倒したオブリビオンの記憶を呼び起こす。
「さあ、いきなさい。わたしの『娘』達」
下半身を真紅の蛇身へと変え、薄絹をその身に纏う。槍で己の手を斬りつければ、伝い落ちるは真祖の血。地面に落ちたそれは魔物の特徴を持った美しい少女達――魔物娘の軍勢へと変わる。
「救出可能な人がいたらすぐに知らせなさい。魔法陣があったらすぐ破壊するのよ!」
命令に従い、庭園へと解き放たれる魔物娘達。蛇身を持つ者が、羽根の生えた者が、鱗を、獣毛を持つ者が――人ならざる者達が、庭園を支配していく。
……フレミアが模したその姿は、シホにとっては縁浅からぬ存在ではあるが。あくまでそれは記憶の模倣に過ぎない、思う所はあれど今は助ける事が先決と、人々を慈愛の光で癒やし、鞄の中の異空間に保護していく。
「この辺りで助けられる人達は、全員助けたわね?」
そうして救出作業を終えた後、魔物娘達に念を押して確認し、自身の目でもそれを確認するフレミア。槍を高々と掲げ、魔力を集中すると、切っ先に炎を宿す。
「だったら……徹底的に破壊させて貰うわ!」
幾重にも迸る炎が、庭園を舐めるように奔る。もはや二度と人には戻れぬ赤い薔薇を、焼き尽くしていくフレミア。炎は彼女の怒りを示すように、苛烈に燃え盛る。
「こんな悪趣味な庭園、僅かたりとも残しはしないわ!」
人としての亡骸すら持てず、造花の薔薇として死を冒涜される者達。その存在を決して許しはしないと、炎をもって焼き尽くし。そしてその炎に、シホの放つ暖かな光が重なっていく。
「もう大丈夫。どうか安らかな眠りを……」
そんな願いを込めた祈りと共に、燃え尽きていく薔薇。浄化された灰と煙が、風に乗って流れていく……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
篁・綾
WIZ分野。
…あまり人の趣味に文句をつけられる側ではない気もするのだけれど。
まぁいいわ。
指定UCを発動。鬼忍達を召喚。
1班20人程度に分け、避難経路の確保に5班、救助可能な人員の選定及び救助に20班を向かわせるわ。
私は【闇に紛れ】ながら【第六感】と【呪詛、呪詛耐性】の知識を頼りに、周囲の呪いの出処を探しましょう。
まぁ、魔法陣とやらが目立つのならそこまでしなくてもいいかも知れないけれど。
魔法陣は発見次第【破魔】の力を込めた【衝撃波】で破壊。
…後はそう。
一応赤い花になった人を見付けたら、UC【幽世の妖血】を使用して、
強化された【封印を解く】を試してみましょう。
もし効くなら後で生き残りの花にも試すわ
露木・鬼燈
この呪詛の使い方は趣味が悪いなー。
同じ呪詛の遣い手としても…ひくわー。
ん?傀儡爆弾?
あれは効率的なだけだから。
卑劣な術かもしれないけど悪趣味ではない。
いいね?
まぁ、それはそれとしてお仕事をしないとね。
魔法陣を破壊するだけならそう難しいことではない。
僕くらいの遣い手となれば、ね。
呪詛から基点を割り出すことくらいよゆーよゆー。
呪法<蟲喰>
被害者の怨嗟の念を利用して百足型呪詛を生成。
魔法陣を指定して呪詛を解き放つですよ。
後は成果を待つだけでいい。
それだと暇だしもう一仕事しておこう。
『なりかけ』から呪詛を引き剥がすですよ。
引き剥がしたものは反転させて癒しの力として再利用。
我ながらいい仕事したっぽい!
ユメ・ウツロギ
仕掛けられているという特殊な呪詛の魔法…その技術自体には興味がありますが、正直、人間を薔薇に、などとは理解できませんね。したくもないです。
とりあえず、まだ救出できる人達を救出しつつ、見つけた魔法陣は軒並み破壊【破魔】させて貰うです。
後は【錬金術】で造花にされた人達を安らかに眠らせる為の薬と、救出した人達やこの地の呪いを浄化する為の浄化薬を調合するです。
人の意思が残ってないとはいえ、無意識化の苦しみ等は残ってると思いますので、安らかに眠らせてあげられるなら、それが一番だと思うです。
後は救出した人達を元に戻したり、この地に残る呪いを浄化しないといけないですからね。
やる事は多いです。
「この呪詛の使い方は趣味が悪いなー。同じ呪詛の遣い手としても……ひくわー」
「正直、人間を薔薇に、などとは理解できませんね。したくもないです」
忌まわしい呪いの術式を前に、眉を寄せる鬼燈。ユメも、好奇心を上回るほどの怒りを覚え、嫌悪を露わにする。
「その技術自体には興味がありますが、だからと言って……どうしました?」
「や、あまり人の趣味に文句をつけられる側ではない気もするわね、って」
そんな中、綾は微妙に視線を逸らす。生み出した分身を捨て駒にするような戦術を使うせいか、他人の戦術に文句を付けづらい。
「まあ、ただの分身なら、犠牲者は出ません、ですし?」
「そうそう、そーいうのは効率的なだけだから。卑劣な術だけど悪趣味ではない」
一方で鬼燈は、他者を傀儡にするような戦法にも堂々と胸を張る。まあ彼の場合、使い捨てるのはどうせ殺すべきオブリビオンなのだから、その言もあながち間違ってはいないが。
「いいね?」
「いや、私に同意を求められても困るけど……まぁいいわ」
まあ確かに綾も、無辜の一般人を使い捨てるような事はない。胸を張って正義などとは言えないが、悪意に堕ちるつもりもない。
「とにかく、さっさとやれる事はやりましょうか」
幻桜の嵐を生み出し、幽世と繋げば、そこから姿を現すのは鬼忍の霊。これもまた、彼女の操る傀儡の一つとも言えようが。
「避難経路の確保と、救助可能な人員の選定及び救助。班ごとに分担して、迅速に」
それに手早く指示を出し、庭園の探索に向かわせる。何かを探すにはやはり、分かりやすくの人海戦術が効率的だ。
「あとは、魔法陣も探す必要があるわね」
「うむ、と言う訳でお仕事するですよー」
逆に鬼燈は、己の技術をもって探索する。庭園に渦巻く、犠牲者達の怨嗟の念と、それを縛り付ける禍々しい呪詛。どちらも鬼燈にとっては、馴染みの深い感覚だ。
「僕くらいの遣い手となれば、ね。よゆーよゆー」
魔法陣が生み出す、呪いの流れ。それを捕まえると、こちらから呪詛を放ち、溶け込ませる。百足を象ったそれは、基点めがけて逆流し、魔法陣をズタズタに引き裂いた。
「この調子で全部喰らい尽くして貰うっぽい!」
呪詛の源は、犠牲者の怨嗟。吸血鬼への呪いには、なるほど恨みも募ろう。それを最大限に利用するのは、非情ゆえか、あるいはこれもまた情か。
「あとは、『なりかけ』から呪詛を引き剥がすですよ」
「こちらも調合出来ましたです」
ユメがそう言って見せるのは、錬金術で創り出した浄化の薬。蒐集の魔女として集めた情報から、この場の呪いに最適な秘薬を作り出す。
「さあ、今助けますね」
「う、ぁ……うぅぅ……」
その薬を優しくかけてやれば、枝のように細くなった四肢が色艶を取り戻す。人とは思えぬその姿が徐々に元の姿へと戻り、苦痛の呻きが安らかな寝息へと変わっていく。
「ふぅ……良かった、ちゃんと効きましたです」
「こっちも効き目ばっちりっぽい!」
鬼燈は、引き剥がした呪詛を反転させ、癒やしの力として再利用する。呪いによって奪われた生命力を補填してやれば、こちらも元の姿を取り戻していって。
「我ながらいい仕事したっぽい!」
「この調子なら、助けられる人達は助けられそうね」
そうして助けた人々は、綾の鬼忍が避難させていく。だが、その綾は、そちらを見てはいない。
「――助けられる人達、は」
彼女が触れるのは、赤い薔薇。もはやそれは死体も同然――いや、それ以上。完全な薔薇の造花でしかなく、人としての面影も、纏う怨嗟の思念を残すのみ。
ゆえにそれはもう、何をしても元に戻る事はない。彼女の妖血をもってしても。
「せめて、安らかに眠らせてあげましょう。それが一番だと思うです」
「ええ、そうね」
血を垂らした赤薔薇から、怨嗟が解放され、天に昇っていくのが感じられる。人の姿に戻す事は出来なくても、せめてこのくらいは。
「これで少しでも、苦しみが和らいでくれれば良いのですが……」
ユメもこちら用に調合した薬を、薔薇にかけていく。痛みも苦しみもなく、弔えるように――もはや、この『薔薇』には、そんな感覚もないだろうけれど。それでも、少しでも静かに安らかに、眠れるように。
「もっとちゃんと治療したいですし、大地も浄化したいですし……やる事は多いです」
浄化され、灰になっていく薔薇を見ながら、決意を新たにするユメ。憤りも悲嘆も今は行動力に変え、薬を手にして精力的に庭園を駆け回っていく。
大成功
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第2章 集団戦
『黒百合騎士団員』
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POW : 斬撃
【装備している剣による斬撃】が命中した対象を切断する。
SPD : 闇斬撃波
【闇を纏う事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【斬撃の衝撃波】で攻撃する。
WIZ : 闇剣強化
【自身の寿命】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【闇のオーラを纏った剣】に変化させ、殺傷力を増す。
イラスト:純志
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「エレーネ様の庭園を荒らす者は、お前達か?」
魔法陣を破壊し、『成りかけ』を元に戻し、赤い薔薇を弔って。
庭園を解放していく猟兵達の耳に、金属鎧の音と、鋭い糾弾の声が響く。
「なるほど、お前達が猟兵……吸血鬼の治世に逆らうと言う者達か」
現れたのは、漆黒の鎧に身を包んだ女騎士の一団。彼女達は猟兵を囲むように展開し、こちらに剣を向けて来る。個々人の能力には抜きん出た所はないが、連携と統制の取れた動きが目を引く相手だ。
「ならば、我ら黒百合騎士団にとっても敵だ。エレーネ様の庭園を荒らした罪、その命をもって贖うが良い!」
彼女達に有るのは、曇りのない深い忠誠心。吸血鬼に従う己を一切疑わず、その強い信念をもってこちらに挑んでくる。
その忠誠の正しさがどうであれ、決して侮れる相手ではない。彼女達を討ち取り、エレーネを引きずり出す必要がある。
レア・リリシエル
黒百合騎士団の皆さんの忠義心は素敵だと思いますけど、オブリビオンに従うなんてダメです。なので、相手の攻撃からあっちこっちに逃げ回りながら、この人達を止めるために【アルジェント・グラキエス】で一回凍らせておきます。他の猟兵がいるなら、その人に前衛を任せて私は【ナハト・レフェクティオ】でその猟兵を治癒します。そして私も杖でポコポコ叩いてやります!
フレミア・レイブラッド
人々を恐怖と暴力で従わせて何が治世か!
悪趣味な行いで人々を無残な姿に変えて…主共々罪を償うと良いわ!
【ブラッディ・フォール】で「あの日の記憶が牙を剥く」の「帝竜ガイオウガ」の姿(魔力で帝竜の姿を再現構築し、外殻として纏った姿)へ変化
全てを焼き尽くせ!帝竜の劫火!
ガイオウガの巨体で睥睨しつつ、【垓王牙炎弾】で庭園ごと焼き尽くし、押しつぶすように火山弾を叩き込み、炎故に斬撃等の物理攻撃を受けない【垓王牙炎操】の竜の炎や【垓王牙炎弾】の炎の獣で騎士団を攻撃。
接近して来た敵はガイオウガの巨体でなぎ払ったり踏み潰し、変化させた【垓王牙溶岩流】で消滅させるわ
この庭園は跡形も残さない。全て燃え尽きるが良い!
「エレーネ様のため、命を捧げよ!」
「あなた達の忠義心は、素敵だと思いますけど……」
襲い来る黒百合騎士団から、身を翻して逃げるレア。当然追いかけて来た所で、振り向き本体の杖を掲げる。
「オブリビオンに従うなんてダメです!」
「むっ、これは……!?」
その杖から放たれるのは、冷たく凍てつく吹雪。騎士達の黒鎧に霜が降り、白く染まっていく。
「そのまま凍りついていてください!」
「くっ、動けない……がはっ!?」
その白を、再び黒が覆う。放たれた黒薔薇の花吹雪が蝕めば、次々と地に斃れていく騎士達。
「これ以上悪い事を、しないでください!」
「悪とは、エレーネ様の、吸血鬼の治世に逆らう事だ!」
だが騎士達は仲間を盾にして、その屍を越え、強引にレアに迫る。狂信にも似た忠誠の前には、説得の声は届かない。
その剣が、レアへと迫り……だがそこで、レアと騎士達の間に立ちはだかるのは、怒りの表情を浮かべるフレミア。
「人々を恐怖と暴力で従わせておいて、何が治世か!」
その怒りを現すように、彼女の身体を灼熱の外殻が覆っていく。過去に戦ったオブリビオンの再現――呼び起こしたる記憶は、帝竜に名を連ねた炎の王。
否、炎の女王と言うべきか。巨体を纏ったフレミアは、君臨者として騎士達を見下ろし、睥睨する。
「悪趣味な行いで人々を無残な姿に変えて……主共々、罪を償うと良いわ!」
「何っ……ぐ、あああ!?」
全身から吹き出す火山弾が、花を燃やし、雪を溶かし、そして騎士達を焼き払う。炎の竜と獣が地を駆け空を舞う度、全てが灰へと変わっていく――いや、灰すらも残すつもりはない。
「全てを焼き尽くせ、帝竜の劫火!」
「くっ……エレーネ様の庭園を、これ以上荒らさせるものか!」
仲間達を焼滅させられながら、それでも騎士達はあくまで忠誠を叫ぶ。致死の炎を恐れる事なく、闇を纏った剣で突き進んでくる。
「どこまでも、愚かな……!」
「否、吸血鬼に逆らう事こそ愚かなのだ!」
溶岩で薙ぎ払い、巨体でそれを阻むフレミア。それでも命を恐れぬ特攻が、巨竜の肉体へと肉薄する。黒き刃が竜の皮膚を裂き――そしてその傷が、黒薔薇によって塞がれる。
「何だと……!?」
「仲間は傷つけさせません!」
竜の背の上に立ち、杖を掲げて黒薔薇を撒くのは、もちろんレアだ。先程は敵を蝕んだ黒薔薇が、今度は癒やしの力を持って巨竜の全身を包み込む。さらなる強固な護りが敷かれたフレミアの肉体には、騎士達が命を費やしても届く事はなく。
「さあ、下がってください!」
「っ、くっ!?」
決死の思いで外殻に飛びついて来た騎士達を、レアが杖で叩いて落とす。地に落ちた騎士は再び立ち上がろうとするが、その頭上に巨大な影が差して。
「潰れなさいっ!」
「っ――!?」
断末魔の悲鳴すら許さず、帝竜の巨足がその身体を踏み潰す。いや、潰すのみならず、その肉体を焼き尽くし。
「この庭園は跡形も残さない。全て燃え尽きるが良い!」
足の下から広がる溶岩が、周囲を覆い尽くしていく。地面すら溶解させるほどの――常夜の世界で太陽を思わせる程の炎が、騎士達ごと、辺り一面を焼滅させていく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
黒百合・美薔薇
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
ふむ、連携と統率に優れている、か。ならば分断するのがセオリーというもの。ナイトメアラビリンスを展開してフロアごとに分断を試みよう。
黒百合も黒薔薇も拘束プレイが大好きだから頑張ってくれたまえ。ま、いくら武器を強化しようと手数まで増えるわけでなし、式神達の愛に囚われるのも時間の問題だろう。
そうそう、ここに住まう燐蟲達は女性の蜜が好きでなぁ、ところで黒百合騎士の皆様は蟲姦はご存知かな。何、直によくなる。
さて、迷宮に囚えた黒百合騎士のリーダー格は、と。ボクの愛でトロトロに蕩けさせて、肉体改造で眷属に作り変えてあげよう。破壊の衝動も情熱の炎に焚べ情欲に変えてヤる
「ふむ、連携と統率に優れている、か。ならば分断するのがセオリーというもの」
「っ、これはっ!?」
黒き百合と薔薇で迷宮を作り上げ、騎士団の分断を図る美薔薇。迷宮の壁からは無数のから蔦が伸び、騎士達を襲う。
「黒百合も黒薔薇も、拘束プレイが大好きだから頑張ってくれたまえ」
「穢らわしい真似を……!」
迷宮の各所に散らばった騎士達が、必死に闇の剣で蔦を切り払おうとする。だが彼女達の本分は連携、個々の剣技はそこまで優れている訳ではない。分断してしまえば、蔦で捕縛する事は難しくない。
「っ、離せ、この……ひゃ、んっ!?」
「そうそう、ここに住まう燐蟲達は、女性が好きでなぁ?」
そうして捕らえた騎士達の身体を、迷宮の蟲達が這い回る。嫌悪と屈辱に顔を真っ赤に染め、激しく身を捩る騎士達の姿を、嗜虐的に見つめる美薔薇。
「何、直によくなる」
「なるものかっ……ぐっ、くっ……離せっ……いっそ殺せ……ああっ!」
美薔薇の前にいる騎士は、耐え難い感覚にそう吐き捨てて来る。だがそんな言葉は彼女にとって、興奮を煽るばかり。
「そういうテンプレートな事を言われると、トロトロに蕩けさせたくなる」
「何を、やめっ……ろぉっ!?」
その興奮のままに騎士を捕らえ、蕩かせようとする美薔薇。耳元で愛を囁けば、騎士はさらなる嫌悪に身を震わせるが、強固な拘束は外れず。
「破壊の衝動も情熱の炎に焚べ、情欲に変えて眷属としてあげよう」
「セレーネ様以外に……仕えるものか……ひ、い、ぃぃぃぃっ……!?」
忠誠を穢す美薔薇の愛に、騎士は涙を流し悲鳴を上げる。
大成功
🔵🔵🔵
ユメ・ウツロギ
治世と言うなら、もう少しまともな統治をしてから言って欲しいですね。
治めもせずに人間を欲望のまま犠牲にするだけではその辺の獣と変わりません。
寧ろ獣の方がマシですね。
ブルームに【騎乗】し、空中から多重属性【魔法、高速詠唱、多重詠唱、誘導弾、属性攻撃】による【フルバースト】の【一斉発射】を展開。
【多重詠唱】により、一陣から二陣、三陣と詠唱を重ねて【フルバースト】を多重発動し、【弾幕】を密に展開。
敵の逃げ場を奪い、そのまま【フルバースト】の物量で一気に叩き潰させて貰うです。
敵の接近は雷の結界【属性攻撃、結界術】を周囲に展開して接近を阻むと同時に、敵を追い込む罠として周囲に配置しておきます。
シホ・エーデルワイス
アドリブ&連携歓迎
声に冷たい静かな怒りが籠る
貴女達はこの庭を作る為に人里等を荒らして浚ってきたのでしょ?
救助しに来る者や報復を受ける事は覚悟の上ですよね?
家畜が何を言う
とでも思ったかしら?
そう…
私達はお互いを対等な相手と認めない限り相容れる事は無く
主張は平行線を辿るのみ
だから
今は武をもって家畜ではない事を示しましょう
敵の攻撃は第六感と聞き耳による読心術で見切り
ダンスの様な動きで残像回避と
剣を聖銃の零距離射撃カウンターで弾き飛ばしつつ
闇のオーラを浄化する破魔の祈りを籠めた聖光属性攻撃の誘導弾で【星奏】
発砲音も剣を弾く音も楽器演奏の旋律に組み込んで誘惑
これが大勢の命を預かり守って戦う者の覚悟です!
「貴女達はこの庭を作る為に、人里等を荒らして浚ってきたのでしょ?」
冷たい、静かな怒りの籠もった声で、騎士達を睨みつけるシホ。
「救助しに来る者や報復を受ける事は、覚悟の上ですよね?」
「何を言っている? 我らはセレーネ様の物を、ここに持って来ただけだが」
だがそんな彼女の問いは、それ以上の不条理で返される。怪訝そうな表情は、その言葉が心底の物だと示しており……あまりの言葉に、目眩すら覚える。
騎士達は、人の自由意志に一切の価値を認めていない。人を虐げている自覚すらない。「そう、ならば、これ以上幾ら言葉を重ねても無意味ね」
「お前達の言葉など意味はない。吸血鬼の治世に従う、それだけが人の意義だ」
同じ人の形をしただけの、決して相容れぬ存在。シホが怒りを覚えるのと同様に、騎士達もこちらに怒りを向ける。その剣を掲げ、闇を纏わせ――そこに降り注ぐ魔力弾の雨。
「っ!? 何っ!?」
「治世と言うなら、もう少しまともな統治をしてから言って欲しいですね」
降らせたのはユメだ。魔法の箒で風を駆り、色鮮やかな多重の弾幕を解き放った。数多の属性を持つ魔弾が、次々と騎士達を地に打ち倒していく。
「治めもせずに人間を欲望のまま犠牲にするだけではその辺の獣と変わりません」
「っ……セレーネ様を、獣呼ばわりするか!」
だが騎士達の方も、徐々に体勢を立て直してくる。それと同時に、主への侮辱へ怒りを露わにして――そんな様子に、肩を竦めるユメ。
「寧ろ獣の方がマシですね」
「なっ……貴様ぁっ!!」
挑発の意味合いを否定はしないが、それは半ば本心だ。シホが騎士に怒りを抱いたように、騎士もユメへと怒りを抱く。前陣に身を挺しての防御役を揃え、後衛が空中への斬撃波を試みて。
「そうはいきません」
「何っ、ぐっ!?」
だがそこへ地上から肉薄するのはシホ。上に意識がいった敵陣に斬り込み、二丁の聖銃が騎士の心臓を撃ち抜いた。
「言葉が無意味なら武をもって、家畜でも道具でもない事を示しましょう」
「ならば正しき支配を、我らが教えてやろう!」
仲間が倒されても動揺はなく、騎士達は剣をシホへと振り下ろす。だが、その刃が捕らえるのは、彼女の残像のみ。
「ならば私も教えてあげます。あなた達のそれは、覚悟でも勇気でもない!」
「っ!?」
そしてお返しの零距離射撃が、振り下ろされた剣を逆に弾き飛ばした。その動きはまさに舞うが如く、戦いの音と言う旋律に合わせ、戦場(ステージ)の中央に躍り出る。
「これが、大勢の命を預かり守って戦う者の覚悟です!」
「がっ……!!?」
銃口から放たれる色鮮やかな幾何学模様が、華麗なる音と聖なる光を奏でる。思わず目を奪われるような魔弾が、騎士達の急所を次々と撃ち抜いた。
「さあ、こちらも畳み掛けますよっ!」
「っ……ああっ!?」
そこへさらに、ユメも追い打ちの魔力弾を降り注がせる。先程の弾幕が雨の如くであるならば、今度のそれはまさしく雨。かわす事の出来ぬ高密度の斉射が、次々と騎士達を貫いて。
「くっ、これ以上やらせは……がああああっ!?」
味方を盾にする事でユメへの接近を図った者は、張り巡らされた雷の結界に囚われ、地に墜ちる。そこで待っているのは破壊の雨か、その雨を唯一掻い潜る旋律の舞い手か。
「逃げ場は有りません。獣に相応しく、ただ狩られなさい!」
「この、ようなっ……!」
そうして逃げ場のない牢獄の中で、騎士達は狩られ、消えていく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
篁・綾
アドリブ連携歓迎。
さて、数はなかなか。
であれば、その数を利用させて貰いましょう。
では侵食しましょう。この場所を。
指定UCを発動。自身の武器や周囲の敵への侵食を開始するわ。
まぁ、仲間を攻撃しても特に何も思うところは無さそうなタイプだけど、
存分に暴れて貰うわ。
UCの結晶から幻と【催眠術】を相手をかけ、【鎧無視攻撃、精神攻撃】で連携を乱しながら攻撃していきましょう。
武器を侵食したら武器を操り、腕を侵食したら腕を操り、【だまし討ち】を。
囲まれたなら【敵を盾に】し、【目潰し】し。
【残像】と【見切り】も駆使して立ち回りながら、緩やかに彼女らを結晶で【捕食】していきましょう。
さあ……全てを差し出しなさいな。
露木・鬼燈
今日は尋常な勝負って気分じゃない。
隠忍として処理させてもらうですよ。
秘伝忍法<霧纏>
まずは周囲を霧に沈めて潜伏。
敵の体内に侵入したナノマシンは臓腑を傷つける。
時間を掛ければそれだけで始末できる。
まぁ、そこまで待たなくてもいいけどね。
呼吸に支障が出ればそれだけで容易く殺れるからね。
近接戦闘職にとって呼吸が乱れるのは文字通り命取り。
技が鈍るのはとーぜんのことだし、五感も鈍るからね。
音もなく忍び寄り…首を掻き切る。
これでイケルイケル。
噴き出す血は水遁で霧に変えるですよ。
霧はより濃くなるし、その匂いは臭覚を殺す。
殺せば殺すほど効率は良くなるっぽい!
僕はナノマシンがセンサー代わりになるのでへーきっぽい。
「今日は、尋常な勝負って気分じゃない。隠忍として処理させてもらうですよ」
鬼燈も、薔薇の庭園に思う所があったのか。潜伏し、霧で騎士達を包み込む。
「む、霧だと? 隠れた所で……!」
騎士達も当然これが猟兵の仕業だとは理解しており、奇襲を警戒する。背中合わせに、どこから来ても迎え撃てるようにしっかりと身構えて。
「……か、はっ!?」
だが、内からと言うのは、その想定外。その口から血を滲ませ、呻きを漏らす。驚きと困惑で目を見開く騎士――の首筋が、ぱくりと開いて。
「がっ……」
「はい、隙あり。容易く殺れるですよ」
音もなく迫り、音もなく殺し、音もなくまた霧の中に消える鬼燈。噴き出す鮮血が白霧と混じり合って、桜に色づいていく。
「く、まさか毒か……!?」
(毒じゃなくてナノマシン、って言ってもわからなそうっぽい)
散布した霧に含まれるのは、ナノメタル……吸い込んだ騎士の内臓を傷つけ、体機能を内側から破壊する。すぐに殺せるものではなくとも、隙を作るには十分以上。そして隙さえあれば、鬼燈にとって殺す事は容易い。
「霧のどこかにいる筈だ……捜し出して殺せっ!」
当然騎士達も、このままではまずいと理解しており、剣を構えて迎え撃つ体勢を取る。呼吸と感覚を鈍らされながらも、しっかりと互いを守り合いながら、接近に備えて。
「そこだっ!」
「がっ!?」
騎士達は霧の中に生まれた気配めがけ、鋭い斬撃を繰り出していく。それは狙い違わず相手を捕らえ、騎士の肉体を斬り裂いた。反撃の斬撃は冷静に受け止め、別の騎士がトドメを刺す。
「か、はっ……!?」
「よし、この調子……だ……?」
巧みな連携で、目の前の騎士にトドメを刺す騎士達。……なにかがおかしい。一旦、体勢を立て直そうとする騎士。だが、気配を感じれば反射的に剣が、腕が動く。近づく者を次々と斬り捨てる。
……もちろん、自然にこのような同士討ちが起こる筈もない。
「数はなかなか。であえば、その数を利用させて貰うのが良いわよね」
仕向けているのは綾。鬼燈の生み出した血混じりの霧に紛れ、桜色の結晶を周囲に植え付ける。相手の身体を、武器を、こちらの意のままに動かしながら、幻と催眠によってそれを気づかせない。
「さあ、このままじっくりと侵食していきましょうか」
「――早く、敵を……エレーネ様の敵を倒さねば……!」
霧が五感を鈍らせているのも、丁度よい。その霧の中を動き回り、騎士達の攻撃範囲から逸れる。
いくら催眠に陥れているとはいえ、なにかの弾みで斬られる事は十分に有り得る。それを避けるため巧みな位置取りで、時には敵を盾にしてでも攻撃を防ぐ。
「くっ、だが、なにかが……おかし、がっ!?」
「おかしくないですよー。なのでゆっくり眠ると良いっぽい」
正気を取り戻しそうになれば、その騎士はすぐさま鬼燈が暗殺する。霧で視界を遮られていようとも、ナノマシンをセンサー代わりにすれば、五感に何不自由はない。
むしろ、普通に目で見るよりも精密に、騎士の動きを把握し、次々と切り捨てて、血を噴き出させて。
「そろそろ、侵食し尽くしてあげる」
そうこうするうちに、結晶は騎士達の全身を覆い尽くす。脳すらも侵食してしまえば、後はもう、好きに調理するだけ。
「さあ……全てを差し出しなさいな」
「差し出すものなどない……この命すらもエレーネ様に捧げている……!」
そう口にする騎士達の全ては、しかし綾の思うがまま。同士討ちによって、その命すら差し出させていく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『吸血姫エレーネ』
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POW : 夜天の鬼
【その身に備わった圧倒的な怪力】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 紅血の姫
自身の【白肌を飾る血紋】が輝く間、【優雅に舞い切り裂く四肢と翼】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : 不死の王
自身の【内に溜め込んだ血と命か、下僕達のそれ】を代償に、【蝙蝠や魔犬等の眷属の群】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【不浄の力を纏った爪や牙】で戦う。
イラスト:らいらい
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ハイドランジア・ムーンライズ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「あら、あらあら?」
騎士達を退けた猟兵達。完全に焼き尽くされた庭園に、今度は邪気を感じさせない声が響く。
「私の薔薇と、可愛い黒百合達はどうしたの? あなた達が壊してしまったのかしら?」
赤いドレスに身を包んだ幼き吸血姫、エレーネ。人を薔薇に帰ると言う外法を編み出し実行した、張本人である。
「どうしてそんな酷い事をするの? 折角綺麗だったのに」
だと言うのに彼女は、悪意を感じさせない様子で、不思議そうに首を傾げた。心の底から、それが疑問だと。何故自分が非難されるのか、何一つ理解しない顔で。
「だって、人間は老いるし、死ぬでしょう? せっかく美しいのに、すぐに朽ち果ててしまう。可哀想。だから、永遠に枯れない造花にしてあげたのに」
そう、彼女は告げる。自分は良い事をしていたのだと。それなのに邪魔をするなんて酷いと。そう、心の底から口にする。
「みんな私の物なんだから。私が責任をもって、美しいままでいさせてあげるの。当然の義務でしょう?」
高貴なる者の義務(ノブレス・オブリージュ)。彼女は心底、自らがそれを果たしていると信じている。だが、それは、吸血鬼の考え方だ。決して人としては相容れない。
――何より。
「人間達が嫌がらなかったか? そんな事、どうでも良いでしょう? わがままをいちいち聞いてはいられないわ」
そこに、人の自由はない。ただ、彼女の考える善意のまま、拒む事も許されず支配されるだけ。
そんな善意を、認める訳にはいかない。
「そう……仕方ないわ。あなた達は、私の薔薇園に蔓延る雑草なのね」
美しい白肌に、淫靡な血紋が浮かび上がる。その身体から流れる血が、眷属となって彼女の身を守る。
エレーネは明確に、猟兵達へと敵意を向けてくる。
この、幼くも残酷な支配者を打ち倒し、人々に自由を取り戻すのだ!
レア・リリシエル
人は皆、自身の意思があり、自由なのです。その意思を縛ることを許すことは出来ないです。だから倒します!初めに【ライオンライド】で呼んだライオンに乗って【錬成カミヤドリ】で自分の本体(器物)を増やします。攻撃には【アルジェント・グラキエス】で止めて【ナハト・ローゼ】、味方の猟兵をサポートする時は【ナハト・レフェクティオ】で回復をします。もし近接戦闘になったら【ブラック・オブ・ブラッド】で大剣にして味方の猟兵のサポートを意識して戦います!
フレミア・レイブラッド
人を自身のモノだと宣い、命を好き勝手にする悪趣味と傲慢さ。
相も変わらずの愚かさね。
【吸血姫の覚醒】で真の姿を解放。
真祖の魔力による多属性の魔力弾の連射【属性攻撃、高速・多重詠唱、弾幕、誘導弾、全力魔法】を放ち、敵を牽制・足止めしつつ、【念動力】で瞬間的に動きを拘束。
本命の魔力砲撃【高速詠唱、全力魔法、砲撃、破魔】を叩き込んで攻撃。
敵の攻撃を高速飛行と【見切り、第六感】で回避し、こちらも【怪力】と【覚醒】の膂力による攻撃を叩き込み、追撃の魔力弾・魔力砲撃を加えるわ。
わたしも膂力と速度には自身があるのよね。
最後は【破魔】と【聖属性】も加えた【限界突破】【神槍グングニル】を叩き込んであげるわ!
「人を自身のモノだと宣い、命を好き勝手にする……相も変わらずの愚かさね」
「まあ、酷い。どうしてそんな事を言うの?」
吸血鬼の悪趣味と傲慢さに、心底嫌悪を露わに吐き捨てるフレミア。だがエレーネは自らのズレを全く自覚せず、胸を押さえて嘆く。
「私は、人間の事を思ってやっているのに」
「人は皆、自身の意思があり、自由なのです。それを縛るのを、許す事は出来ないです」
そんな身勝手な言葉を、レアは強く否定する。黄金の獅子を召喚し、その背に騎乗しエレーナを見下ろして。
「だから、倒します!」
本体である杖がいくつもに分かたれ、黒薔薇の花弁へと姿を変える。吹き荒れる花吹雪が一斉に襲いかかれば、エレーネはその美しさに、目を輝かせた。
「まあ、綺麗……あら?」
だがその花吹雪は、文字通りの吹雪を伴う。凍てつく冷気は大地を凍結させ、エレーネの眷属達を次々と凍結させていく。
「綺麗だけど、寒いのは嫌いよ」
コロコロと表情を変え、今度は不満を露わにするエレーネ。その血紋を輝かせ、翼を広げて舞い上がる。花びらを切り裂き、吹雪の中を突破しようと……した所で、空から降り注ぐ無数の魔弾。
「きゃあっ!?」
「あなたはそこでじっとしていなさい!」
それを降らせるのは無論、フレミアだ。真祖の魔力を宿した色とりどり魔弾と強力な念動力が、飛ぼうとするエレーネを地上に釘付けにする。
ばかりかその雨は、凍りついた眷属達を、次々と粉砕していく。
「酷いわ、私の可愛い眷属達を」
「酷いのはどちらかしら……と言っても、あなたには通じないでしょうねっ!」
さらに魔槍の先端から解き放つは、輝く魔力の砲撃。破魔の力を宿した光が、エレーネの身体を包み込む。
「そのまま、消し飛んでくれてもいいのよ……っ!?」
「酷いわ、本当に酷いわ!」
だがエレーネはその光の中を強引に突っ切り、フレミアの元へと飛んでくる。浄化の光に肌を焼かれ、痛みに涙を流しながら、スカートを翻しての蹴りを放って来て。
「だから、あなたを刈り取ってあげるっ!」
「お断りよっ!」
その蹴りを、魔槍で受け止める。一見して幼く見える2人の吸血姫、だがその膂力は互いに凄まじい。ぶつかりあった槍と足が、重い音を響かせた。そこからは空中戦、互いに激しくぶつかり合う。
「私も膂力と速度には、自信があるのよね!」
「もう、どうして刈られないの!」
自分の思い通りにならない相手への苛立ち。子供の癇癪のように、怒りを露わにするエレーネ。
2人の激突は拮抗し……だが、徐々に趨勢が傾いていく。
「もう、この薔薇っ! この黒い薔薇のせいっ!」
「あなたの好きにはさせません……私が守りますっ!」
地上からレアが飛ばす薔薇の花弁は、フレミアを守り、その傷を包み癒やす。それを助けにフレミアが傷を厭わぬ大胆な攻撃を繰り出し、槍で強引に地上へと叩き落として。
「きゃあっ!」
「さあ、トドメよっ!」
魔槍に魔力を収束させながら、急降下してそれを追うフレミア。一方地上では、レアが血を杖の上に滴らせ、黒薔薇の大剣へと変わっていく。
「これが私のもう一つの姿……さあ、いきますっ!」
「っ、嫌っ、やだっ……!」
必死に空中で動きを制御し、立て直そうとするエレーネ。だがその時には、上下から二人の猟兵が迫る。魔槍が、大剣が、彼女を挟み撃つように迫り。
「消し飛ばしてあげるっ!」
「これで……断ち切りますっ!」
槍が心臓を貫き、大剣が背を切り裂く。深い傷を負わせ、エレーネの身体から噴き上がる鮮血。神槍の聖なる力がその身を灼き、黒薔薇が凍らせていく。
「うぅぅうっっ……酷いっ……酷いっ、酷いっ……!」
痛みに泣き叫びながら、こちらを睨みつけるエレーネ。だが彼女が、己の罪を認める事はない。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
出遅れたかしらぁ?まぁ、可愛らしい吸血姫ちゃんのところには間に合ったからヨシとしましょ。
さて、結界術で“なかよし”領域を展開して、と。おっと、“理(ルール)”に反したらペナルティー(神罰)よ♪ロリショタ男の娘化ナーフの化術肉体改造に、エロトラブルからの強制“なかよし”の刑よ♡
はぁ♡蝙蝠男の娘や魔犬娘達の絡み最高だわ♪
じゃ、エレーネちゃんは私と“なかよし”しましょうねぇ☆化術肉体改造でエレーネちゃんの肥大化した秘豆を咥え込みつつ、分身(式神使い)で後ろからやっぱり化術肉体改造で生やした2本の御理解竿で前後の穴を貫いてあげる♪
えっちなのうみそおいしいです♡
「出遅れたかしらぁ。可愛らしい吸血姫ちゃんには間に合ったからヨシとしましょ♪」
「あら、可愛い? でもダメよ、当然の事を言われても、手加減なんかしてあげない!」
アリスに可愛らしいと言われ、嬉しそうに微笑むエレーネ。だが、まだ心の幼い吸血姫は、アリスの言葉に潜む邪な欲望に気づかない。
「そんな事言わずに、“なかよし”になりましょう?」
「あら? あらあら?」
そんな欲望の結界が戦場に広がれば、エレーネの眷属達が可愛らしい少年少女へと姿を変える。その光景を見て驚きに目を丸くし、しばたたかせるエレーネ。
「えっ、えっ、どうなってるの!?」
「これが私の理よ。はぁ、眼福だわ……♪」
元よりその眷属達は、エレーネの血から生まれたもの。独立した意志には欠ける。アリスはそれを、己の欲望と妄想で塗り潰していく。
結界の力で魂を略奪し、エレーネから奪い取り……その身体を絡み合わさせて。
「えっ、えっ、えっ!? やだっ、何してるの!」
「だから言ったでしょ、“なかよし”になって貰ってるの♪」
強制的に絡み合うその姿を、うっとりと見つめるアリス。エレーネは困惑しきりで、恥ずかしさに顔を赤く染める。
「やだ、こんな……きゃっ!?」
「じゃ、エレーネちゃんは私と“なかよし”しましょうねぇ☆」
そして、そんな狼狽の隙をつき、アリスは一気にエレーネと襲いかかる。妄想の毒牙は吸血姫をも逃さず、その身体を作り変えて。
「ほら、えっちな事しましょ、可愛い吸血姫ちゃんを理解らせてあげる♪」
「やだ、やだやだぁっ!」
分身も生み出し、前後から挟み撃ちにして、激しく突き上げ弄ぶアリス。エレーネは自分がされている事を半分も理解出来ないなりに、いやいやと首を振り悲鳴を上げる。
大成功
🔵🔵🔵
ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
今回は微グロ
POW
悲しいですね……
醜く生きる事しか知らぬ人間どもには
貴女様の優しさも永遠の素晴らしさも理解できないのですわ
私は雑種のドゥルール。
僭越ながらエレーネ様の寵愛をいただきたく参上いたしました
抵抗もせずに引き裂かれ
彼女好みの花にされるも『永劫火生』で強化復活
激しい愛を有難う御座います。
今度は私の愛を受け取って下さい♪
守護霊の【ドーピング】で更に強化して【ダッシュ】で接近。
超高速の一撃を【見切り・スライディング】で避けつつ
スカートの中に潜り【化術】で小人化して局部に侵入♥
自身から30cm以内が射程でも 自身の体内には攻撃できない筈。
蜜蜂のように彼女の華を【慰め・生命力吸収・大食い】
「悲しいですね……醜く生きる事しか知らぬ人間どもには」
エレーネの前に、恭しくかしずくルル。オブリビオンを愛し、人を憎む彼女は、エレーネの外法を賞賛する。
「貴女様の優しさも永遠の素晴らしさも理解できないのですわ」
「あら、別に悲しくはないわ? だって人は我儘だから、私達が導くのでしょう?」
そんな彼女の言葉に対し、エレーネは不思議そうに首を傾げる。彼女にとってはそれが真実、であるならルルには何の異論もない。
「素晴らしいご配慮ですわ。どうかこの雑種のドゥルールにも、寵愛を下さいませ」
「うーん、でも薔薇に変える魔法陣は壊されちゃったし……」
困ったわ、と首を傾げるエレーネ。花に変えるのはあくまで彼女なりの善意、今度もそれに応えようと真剣に悩む。
「でしたら、そのお美しい四肢で、私を飾ってくださいませ」
「あら、そんな事で良いの?」
そんな彼女にルルが求めれば、エレーネは四肢でルルをズタズタに引き裂く。人の基準では残虐でも、幼い吸血姫にとっては、それもまた善意で。
「激しい愛を有難う御座います。今度は私の愛を受け取って下さい♪」
「ひゃんっ!?」
そうして裂かれたルルの身体が灰になり、その一片が蘇る。小さな姿のまま、エレーネの服の中に――いや、身体の中に潜り込んで。
「やっ……やああっ……嘘つきっ、騙すなんてぇ!」
「あら、騙してなど……これが私の愛なのです、エレーネ様」
情熱と愛をもって、その魂を己に取り込もうとするルル。エレーネはその事に怒り、悲鳴を上げて抗議する。
だが、己の愛を望まぬ相手に押し付ける……それはエレーネがしている事と本質的に変わりはない。オブリビオンと、オブリビオンを愛する者は、相容れぬままその愛を語る。
大成功
🔵🔵🔵
黒百合・美薔薇
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
ふむ、可愛らしいお嬢さんだ。ボクの愛で穢したくなる。
『夜姫』として驚かせ力をアップした夢魔に変身しリミッター解除。限界突破した継戦能力による耐久性と再生力でエレーネの攻撃に耐えようか。
はは、驚いたかい?妖怪たるボクは心臓も首も脳も急所たり得ないのさ。ありえないなんてことはないさ。ああ、だんだんと息があがり優雅さに陰りが見えてきたね、まぁ無理もない。継続ダメージで疲労の蓄積を加速してきたのだから。
どれだけ強大な力を持とうとも、疲労で動けなければ意味は無いだろう?
では、今度はボクの愛で満たしてあげよう。お嬢さんが果てるたびにボクの愛は深く根をはるだろう。
「ふむ、可愛らしいお嬢さんだ。ボクの愛で穢したくなる」
「まあ。汚れるのは嫌よ?」
美薔薇の言葉をあまり理解しないまま、その四肢を振るうエレーネ。近づく美薔薇を拒むように、その腕で首を斬り飛ばす。
「あら? あっけないのね」
「……そう思うかい?」
だが美薔薇は、地面に転がった首だけでエレーネを見上げ、悠々と言葉を紡ぐ。妖怪である彼女にとって、人の急所などと言う概念は意味をなさない。
「まあ……どうなってるの!?」
「はは、驚いたかい?」
目を丸くして驚いたエレーネは、その頭部を足蹴にして引き裂き、残った胴体も引き裂いていく。完全にバラバラになり……そして、元の形に戻っていく。
「もうっ、何なのよっ。気持ち悪いわ!」
「その言い様は酷いな。少し違う身体を持っているだけさ」
何度も何度も引き裂かれ、その度に再生を繰り返す美薔薇。それを嫌うエレーネは、ムキになってさらに美薔薇を引き裂く。
そうして引き裂かれるうち、エレーネに付着した美薔薇の一部が、その体力を蝕んで。
「はぁ、はぁ……!」
「ああ、息が上がり、優雅さに陰りが見えて来たね。まぁ無理もない」
それが十か二十を数えた辺りで、ついにエレーネの攻撃が止まる。その目の前で、美薔薇が元の身体に戻って。
「では、今度はボクの愛で満たしてあげよう」
「や、やだぁっ、来ないでぇっ!」
怯えるエレーネに身を寄せ、抱きしめ、胸を押し付けて。心ゆくまで、吸血姫の身体を愛していこうとする美薔薇。
当然エレーネはそれを全力で拒むが、疲労した身体を押さえつけ、その唇を奪っていく。
大成功
🔵🔵🔵
サイコ・クレイリリィ
お任せプレ。
「花は散るからこそ美しい」
オブリビオンを捕食し一つになりたいと願うクレイジーサイコ。
また、仙術による癒し行為に興奮を覚える変態であり、癒す為の傷を自傷行為までしてでも用意する。ダメージはご褒美であり、受けるほどに元気になっていき、継戦能力が高まる。
股間の七尺の妖刀の封印を解く、エレーネの貞操を盗み攻撃で略奪し性魔術(仙術)で捕食、クイックドロウで串刺しにした七尺の妖刀の先端から情熱をエレーネの中に注ぎ込む。
「そんなに罵倒されたら……より情熱が滾ってしまいます♡」
「気絶も狂気への逃げも許しません。でも快楽堕ちは許可します」
「一つになりましょう♡」
捕食して一つに
「花は散るからこそ美しいんですよ?」
「どうして? 美しいなら、ずっと散らない方が良いでしょう?」
サイコの言葉に、心底不思議そうに首を傾げるエレーネ。オブリビオンとの間には、やはり、価値観の断絶が存在する。
ただし――。
「だったらこのボクの手で、散らして食べてあげましょう♪」
「え、なんでっ!? 気持ち悪い!」
この場合は突然服を脱ぎだすサイコの方も、常人とはかなり外れているが。エレーネも目一杯引いた表情をして、眷属を飛びかからせて来る。
「ああ、そんなに痛めつけられ、罵倒されたら……より情熱が滾ってしまいます♪」
「何!? 何なの、気持ち悪いっ!」
サイコはその爪や牙を、かわす事なくその身で受け止める。痛みを堪えて治癒の仙術で自らを癒やせば、癒やしの快楽にますます昂って。
「やだっ……やだやだ、来ないでっ! きゃあっ!?」
「ダメです、逃しませんっ♪」
怯えるエレーネを、正面から抱きしめ、携えた『妖刀』で貫いていく。当然抵抗され、全身を裂かれるが、彼にとって傷とは治癒の準備に過ぎない。
「気絶も狂気への逃げも許しません。でも、堕ちるのは許可します」
「やだやだぁ、気持ち悪いぃ!」
当然、エレーネは堕ちるどころか全力で抵抗してくるが、反撃で痛めつけられても、罵倒されても、サイコは昂ぶるばかり。幼い吸血姫を捕食しようと、その身体を強く抱きしめて。
「一つになりましょう♪」
「ぜっ……たいっ、いやぁぁぁっ!」
エレーネは、己の傷も顧みず、と言うより傷も気にならないほど、強引にその抱擁を振り払う。未知の化け物を見る目でサイコを見つめて。
「ああ、その目も興奮してしまいます♪」
「ぜ、絶対あなたおかしいんだからっ!」
それにすら滾る表情を見せてやれば、引き攣った表情で逃げていく。
大成功
🔵🔵🔵
篁・綾
アドリブ連携歓迎。
傍迷惑な善意ね。ああいうのを独り善がりと言うのかしら…。
指定UCを発動。【破魔、マヒ攻撃、範囲攻撃】を駆使して、浄化の桜の嵐で戦場を増える有象無象諸共攻撃。
手勢の数が多いのであれば、多いなりの対応を取るとしましょう。
同時に、相手の動きを【見切り】、【残像】も織り交ぜ離合集散を適時繰り返し攻撃を回避。
【カウンター】で花びらによる【目潰し】や、刀から【2回攻撃、鎧無視攻撃】を駆使した【衝撃波】を撃ち込んで行きましょう。
間合いが近ければ、直接斬りつけても構わないわ。
美しいまま死にゆくのならば、本望なんでしょう?ねえ?
と甘やかな悪意をそっくり返しつつ。
さあ、儚く消えよ、悪意の虚!
ユメ・ウツロギ
まともな統治もしていないのに私の物とは流石の傲慢ですね。
私達が雑草なら、貴女は食虫植物といったところでしょうか。身勝手に食い荒らす貴女は毒花ですらありません
【高速詠唱、結界術、属性攻撃】で聖なる結界を展開し、敵及び敵の眷属の行動範囲を限定。
【破魔】と聖属性【属性攻撃】を付与した【魔力溜め】【ブラスター】の詠唱を開始し、同時に【破魔】の力を付与した聖属性の魔術【属性攻撃、高速詠唱、多重詠唱、全力魔法、誘導弾】による【弾幕】を展開。
結界で逃げ場を限定された敵に向けて【一斉発射】による【弾幕】を叩き込んで眷属諸共魔術の【弾幕】で敵を抑え込み、解放した全力の【ブラスター】を敵本体に撃ち込むです。
「まともな統治もしていないのに私の物とは、流石の傲慢ですね」
「え、なんで? だって私の物でしょう?」
嫌悪を篭めたユメの言葉に、不思議そうに首を傾げるエレーネ。人が吸血鬼の所有物である事を、当然の事と一切疑っていない。
そんな様子に、綾も冷たい視線を向け、ため息を漏らす。
「傍迷惑な善意ね。ああいうのを独り善がりと言うのかしら……」
「なんで? なんで? 私ほど人の事を想っている吸血鬼はいないわ?」
ますます疑問を増すばかりのエレーネ。その表情はあどけなく愛らしいが、沸き起こる感情は嫌悪ばかり。
「私達が雑草なら、貴女は食虫植物といった所でしょうか」
「酷いわ、どうしてそんな事を言うの?」
ユメの言葉に反発し、眷属をけしかけて来るエレーネ。吸血鬼の血で生まれた獣達が、まさしくこちらを捕食せんと迫り……それを阻むのはユメの、聖なる結界。
「身勝手に食い荒らすだけの貴女は、毒花ですらありません!」
不浄の血を縛る事で動きを鈍らせると、それを聖なる魔弾で撃ち抜いていく。次々と弾け飛び、元の血へと戻っていく眷属達。
「手勢の数が多いのであれば、多いなりの対応を取るとしましょう」
さらに綾も、その身を桜の花弁に変えて戦場を包む。吹き荒れる花吹雪もまた、浄化の力を伴って眷属達を包み込んで。
「くぅっ……気持ち悪い力! だったらあなた達は、私の庭園を荒らす害虫だわ!」
「酷い言われようね。桜は好みじゃないのかしら?」
浄化に嫌悪を抱き、苛立ちを露わにするエレーネ。その背後で、花弁が集まって綾の姿を取り戻す。背後からの斬撃が、相手の背を深々と斬り裂いた。
「きゃあっ!? もう、何っ!?」
当然エレーネも反撃してくる……が、反撃が繰り出される時にはもう、綾は再び花弁と化して散っている。そしてまた別の場所に現れ、眷属を斬り捨てて。
「どこを攻撃してるのかしら。こっちよ?」
「もうっ、ちょこまかっ……鬱陶しいっ……本当に害虫だわっ!」
思い通りにならない事に、苛立ちを隠せない吸血姫。そんな彼女を煽るように、綾は離合集散を繰り返す。戦場のあちこちに現れては消え、エレーネの攻撃を回避し続けて。
「だったら、もうっ、全部斬り裂いてやるわっ!」
「……その決断は少々、遅いですね」
苛立ちと共に血紋を輝かせ、翼を広げるエレーネ。だが、そんな彼女が全力の攻撃に移るよりも早く、ユメが箒の上から静かに告げる。
広げた魔導書に集まるのは、時間をかけて溜め込んだ白炎の魔力。莫大な輝きを頭上に見上げ、流石のエレーネも焦った表情を浮かべた。
「っ、させな……きゃっ!?」
「美しいまま死にゆくのならば、本望なんでしょう? ねえ?」
だが、それを阻止する動きを阻むのは、綾の桜吹雪。顔面を包み込み、その目を塞ぐ。すぐに払いのけられるが、時間稼ぎとしては十二分。
「さあ、儚く消えよ、悪意の虚!」
「食虫植物に相応しく、これで、駆除してあげます」
桜が離れると同時、降り注ぐ白炎の閃光。常夜の世界に生じた眩いばかりの輝きが、エレーネの身体を焼き尽くす。
「きゃあああああっ!? もうっ、もうっ、こんなのっ!」
「……あなたが人々に与えた苦痛の、何百分の一でも感じてくれれば良いのですが」
全身に火傷を負い、悲鳴を上げながらゴロゴロと転がっていくエレーネ。苛立ちと憎悪をこちらに向ける彼女へ、ユメは冷たい視線を返す。
大成功
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シホ・エーデルワイス
敵の言に
怒りは冷めて悲しみの眼差し
ああ…そうでした
世界を壊す事が役割のオブリビオンとは基本的にそういう存在でした
そして
彼らに毎回怒っても心が疲れるだけと分かっていたはずでした
それでも怒ってしまったのは…恋人の影響かしら
私が成すべきは…守る為に戦う事!
聖光属性攻撃の浄化誘導弾で弾幕を張り
敵を目潰しした隙に
『聖笄』で光学迷彩を纏って目立たなくなり
上空から吸血姫を【樹浄】でスナイパー
戦後
1章で探索できていない区画があれば
1章同様の方法で隅々まで救助活動し『聖鞄』に保護しつつ
【樹浄】で樹を植え地中に染み込んだ呪詛も浄化
救助した人達は人類砦へ連れて行き【復世】で治療
これなら四肢が欠損していても生やせます
露木・鬼燈
よくあることだけど…
価値観がちがーうっ!
まぁ、それはそれで殺りやすいですが。
躊躇なく骸の海に沈められるのです。
ですが強敵であることに変わりはない。
油断せずに行くですよ。
吸血鬼は力の源である血を焼いてしまえば滅びるらしい。
他に方法はあるらしいけどね。
この場で僕ができるのはこのくらい。
聖なる炎で一面を焼き払う…とゆーわけにはいかない。
もうちょっとスマートに、ね。
<破滅の枝>をぶち込んで焼き滅ぼすっぽい!
太陽と浄化のルーンで弱点特効!
効果は抜群だけど動きを止めないと当てるのは難しい。
頭部に戦槌を叩き込んでやればイケルイケル!
死中に活あり。
受け流しからのカウンター。
結構重症だけど死んでないからセーフ。
「もう、どうして私に従わないの? 人間は私に従うのが幸せなのに!」
「ああ……そうでした。オブリビオンとは基本的にそういう存在でした」
苛立ちと共に、心の底からの疑問を投げかけるエレーネ。この期に及んでなお、一切の考えを改めぬ様に、シホは深くため息を漏らす。
「毎回怒っても、心が疲れると分かっていた筈なのに……」
そう、分かっていた筈なのに。それでも怒ってしまったのは――脳裏に浮かぶのは、最愛の恋人。
「……そう、そうですね」
その姿を思えば、虚しさも晴れる。例え相手と相容れなくても、関係のない事。
「私が成すべきは……守る為に戦う事!」
「きゃっ!?」
確固たる決意と共に放つのは、聖なる光。それに目を眩ませたエレーネは、一瞬目を閉じ――その隙に、紫陽花柄のヘアバンドに触れるシホ。するとその身体が、音も気配もなく消えていく。
「もう、どこいったの……っ、何!?」
「余所見は禁物っぽいっ!」
そして代わりにエレーネへと飛びかかるのは、鬼燈だ。魔剣を手にして斬りかかり、刃のような四肢と真っ向から打ち合っていく。
「くっ、もう、邪魔っ!」
「流石に隙がない。これは油断せずに行くですよ」
四肢と翼、その全てを武器とするエレーネに対し、魔剣の一本で渡り合う。手数では劣る分、慎重に、確実に隙を伺って。
「雑草はさっさと刈られなさい! それがあなたの果たすべき役目でしょう!」
「よくあることだけど……価値観がちがーうっ!」
なかなか仕留められない鬼燈に対し、エレーネは苛立ちを露わにする。それが正しいと心から信じているようで、なんとも理解し難いが。
「まぁ、それはそれで殺りやすい。躊躇なく骸の海に沈められるのです」
「何よ、沈む訳なんか――きゃあっ!?」
そうして、斬り合いが極限に達した所で突然、一発の弾丸がエレーネの身体に叩き込まれた。弾丸はなにかの種子で、エレーネの悪しき力を糧に成長する。
「何、なによこれ、なんで、どこから!?」
(世界を守る為――オブリビオンは倒す。それが私の役目)
撃ち込んだのはシホ。先程姿を消した彼女は、空に舞い上がり、聖銃からその一発を叩き込んだ。知覚の外からの一撃は、吸血姫にも対応出来ない。
「今っぽいっ!」
「っ、ふん、こんなの全然っ!」
それを隙と見た鬼燈は、魔剣を戦槌に変えて一気に振り下ろす。だがエレーネも、咄嗟に血紋を輝かせて反撃を繰り出してきた。一気に加速したその掌が、腹部へと迫り――。
「死中に……活あり!」
「なっ……きゃああっ!?」
防御も回避もせず、捨て身のクロスカウンターを叩き込んだ。流石のエレーネも悲鳴を上げ、地面に倒れる。それを見下ろした鬼燈は魔剣を頭上に掲げて。
「これで滅ぼすっぽい!」
「ッ……!?」
天から降り注いだ巨大な杭が、エレーネの心臓を刺し貫く。刻まれたルーンが輝けば、太陽の如く輝いて。
「吸血鬼は血を焼いてしまえば滅びるらしい。これでスマートに滅ぼすですよ」
「あ、ああああああああ……!」
力を失った吸血姫の身体を、シホの種子が包み込む。人々を邪法で薔薇へと変えた吸血姫は、全ての力を失って滅び――。
後には、一本の薔薇の木だけが残された。
「無茶をしますね……」
「死んでないからセーフ!」
エレーネが滅んだ後、改めて、救出した人々を治癒復元していくシホ。ついでに鬼燈も治す事になるのは、若干想定外だったが。
その後は念の為庭園の隅々まで確認し、見落としがない事を確認。生存者は全員、鞄の異空間に保護していく。彼らは人類砦に護送する事になるだろう。
「願わくば……花は、人々の心を癒やす物でありますよう」
呪詛に侵された地に、聖なる種子を植えていく。いつか、この種子は花を咲かせる事だろう。禍々しい造花などではない、本当に美しい花を。
それが人々の希望となる事を祈り、猟兵達はこの地を去るのだった。
大成功
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