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狂える過去と死の迷宮

#ダークセイヴァー #第五の貴族 #異端の神々

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 ダークセイヴァー、地下都市。その館で、吸血鬼は片膝をついた。

『おのれ、異端の神々の玩具めが……!』

 第五の貴族たる吸血鬼が身にまとう赤錆の紋章は、吸血鬼に騎士としての技と鎧を手に入れていた――その第五の貴族をして、目の前の『敵』はそれほどの強敵だったのだ。

『た、タ、TA、讃えヨ、神ヲ、神の力を――』

 黒いローブでその身を覆う骸骨――導師・サッシナスは、ズタボロの身体で襲いかかってくる。実力は伯仲、否、傷を負っている分、サッシナスの方が不利なはずであった。

 しかし、ただの一点。己の身を顧みない捨て身の戦い方が、その戦闘の趨勢を左右する。その事を、第五の貴族は身を持って味わう事となるのであった……。



「ダークセイヴァー世界で新たな動きがあったようじゃ」

 ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)は、そう厳しい表情で切り出した。

「第五の貴族が住まう地下都市へ、異端の神々に憑依された狂えるオブリビオンが侵攻するのじゃが……」

 それだけならば、オブリビオン同士の同士討ちだ。だが、問題は狂えるオブリビオンの習性――憑依する事で、第五の貴族の強大な肉体を手に入れる事ができるのだ。そうして生まれてしまう狂える第五の貴族は、凄まじい強敵となる。そうなる前に、始末するしかない。

「第五の貴族はいち早く狂えるオブリビオンの動きに気付き、地下都市へ至るための迷宮を作動させるのじゃ。これは「死の罠の迷宮」と呼ばれ、大変危険な迷宮じゃ」

 狂えるオブリビオンは傷を負いながらもこれを踏破、第五の貴族の元へとたどり着く。これに対処するには、まず猟兵達が迷宮を抜けて先に第五の貴族を倒し、後でやって来る狂えるオブリビオンを待ち受けて倒すしかない。

「まずは「死の罠の迷宮」を抜けて地下都市の、第五の貴族が住む館にたどり着く必要がある。かなり危険な迷宮じゃが、何としても狂えるオブリビオンより先に到着して、連戦に備えてほしい。頼んだぞ」


波多野志郎
迷宮を抜けるのも大変ですよ、どうも波多野志郎です。
今回はダークセイヴァー世界で迷宮を抜け、第五の貴族や狂えるオブリビオンと戦っていただきます。

第一章、死の迷宮は危険なトラップが無数に仕掛けられています。この危険なトラップをいかにくぐり抜けていち早く地下都市に至るか、が肝となります。そこはアイデア勝負、皆様のプレイングをお待ち致しております。

それでは、地の底たる地下都市でお会いしましょう。
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第1章 冒険 『死の罠の迷宮』

POW   :    防御力を活かし、強引に罠を突破する

SPD   :    罠を解除しながら迷宮を踏破する

WIZ   :    迷宮の隠し通路や仕掛けを暴く

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

桐崎・早苗
アイリーン(f10071)さんと
私の力が役に立つのならば、ご助力いたしましょう
そういえば、この地は初めででございますね…
先ずはこの、迷宮と呼ぶ惑わしの館を進むと

●SPD
主な罠の解除はこの場はアイリーンさんにお任せいたします
私は【式神使い】の技能にて式神の『こち』を使役し周辺の地形の確認と、風の読み取りをさせましょう
風が通る先、すなわち広い空間と繋がっているという事
何かしらの踏破の参考となりましょう
うす暗い場があれば『妖狐の灯篭』で灯りを確保しつつ参ります
ですが、時と場合によりては刀による【切断】にて強引に

アドリブアレンジOK


アイリーン・ミュレット
早苗(f10614)さんと
自分の出身地だし、あたしも少しは貢献を…と思ったけど、一人だとガチ戦闘は心もとなくて
誘いに応じてくれて、ありがとね

●SPD
のん気に探検する暇もないし、ちゃっちゃと踏破しちゃいましょう
本気でいくわ、とUCを発動
道中の仕掛けを解除しながら進むわ
【地形の利用】の知見や【物を隠す】知見、【暗視】も生かして罠や構造を見破る速度をアップよ
地下都市への道で罠まで置いているなら定期的に整備はされる筈
管理用の通路や設備もあるんじゃないかしら?
【鍵開け】でお邪魔して役に立ちそうなものを物色したり通路があれば進みましょう


アドリブアレンジOK


東天・三千六
ふむふむ、その狂ったオブリビオンという輩よりも先に第五の貴族を討ち滅ぼせと……
あちらの戦力増強は避けたいですからね、承知しました

しかし随分とまあ罠の大盤振る舞いですね
ですが……ふふ、僕にはオトモダチがいるので……

進行を妨げる罠や通路たちにUCを使います
僕が迷宮出口へ進むあいだは仕掛けが起動しないようにお願いし、あと近道になる隠し通路があれば誘導して貰いましょうか
あっちかなあ、こっちでしょうか、ほらほら教えてくださいよお
短いあいだですが仲良くしましょうね
魅惑の効果が切れる前にさっさと出口まで急ぎましょう

あはは、親切なオトモダチができて嬉しいです

※アドリブ連携歓迎


神宮時・蒼
……力に、取り憑かれ、ましたか…
…強すぎる、力は、身を、滅ぼす、という、事、ですね

……死の迷宮、とは、何とも、恐ろしい、名の、響き、ですね
何処に何があるか分かりません
とは言え、事態は急を要します
此処は慎重に、周囲を観察しながら自身の【第六感】を信じて進みましょう
飛び道具等飛んでくるかもしれないので常に【結界術】を展開しておきます
音に反応する罠もあるかもしれませんので
移動は【忍び足】で

目の前を阻む罠で、壊せるものは【弾幕】や【衝撃波】で破壊しましょう
解除出来るのであれば、後々の事も考えて解除出来たら、とも思いますが…
今は、進む事を一番に考えましょうか



●死の迷宮は誰でも受け入れる

 ダークセイヴァー世界、第五の貴族が本拠地とする地下都市。そこへ至るための道を塞ぐのは、まさに踏み入った者に死を与えるためだけに作られた迷宮だった。

「……死の迷宮、とは、何とも、恐ろしい、名の、響き、ですね」

 神宮時・蒼(追懐の花雨・f03681)は、そう小さく呟く。石造りの道、まさに「ここに地雷原があります」と立て看板が立てられた道へ踏み込まなければならないのだ。

(「……力に、取り憑かれ、ましたか……強すぎる、力は、身を、滅ぼす、という、事、ですね」)

 蒼は、伝わる振動に小さく胸中でこぼす。既に異端の神々による力を得たオブリビオンは先へ進んでいる――この死の迷宮を、強引に抜けている最中なのだ。

「……何処に、何があるか、分かりません……とは言え、事態は、急を要します……」

 迷っている時間はない。足音を殺し、蒼は迷宮へと踏み込んだ。頼りになるのは、第六感のみ――石造りの通路はあまりにも巧妙で、どこに罠があるかなど視覚で判別は困難だった。

「……っ……」

 ヒュガ!! と前から三本の鋼鉄の短槍が、射出される。それを蒼は展開していた結界術で弾き――。

(「……違、う……こ、れは……」)

 それで終わりではない。文字通り、第二第三の槍が蒼を狙う――しかも、最初のように真正面からではなく左右からだ。

 最初の槍は、きっかけに過ぎないのだ。どこで対応されたか? それで次の罠へと次々に繋げる死のコンボ。あまりにも高い殺意だ。

(「解除出来るのであれば、後々の事も考えて解除出来たら、とも思いますが……今は、進む事を一番に考えましょうか……」)

 簡単に破壊は出来そうにない、その蒼の判断は正しい。自身に当たる短槍のみを狙い、衝撃波で弾くとそのまま蒼は素早く通路を駆け抜けた……。

●美少女怪盗と狐娘

「自分の出身地だし、あたしも少しは貢献を……と思ったけど、一人だとガチ戦闘は心もとなくて。誘いに応じてくれて、ありがとね」
「私の力が役に立つのならば、ご助力いたしましょう」

 アイリーン・ミュレット(カリスマ美少女怪盗アイリーン・f10071)の感謝に、桐崎・早苗(天然風味の狐娘・f10614)は笑顔で答える。薄暗い迷宮、その深い闇を見通すように見つめ、早苗は改めて言った。

「そういえば、この地は初めででございますね……先ずはこの、迷宮と呼ぶ惑わしの館を進むと」
「のん気に探検する暇もないし、ちゃっちゃと踏破しちゃいましょう」

 アイリーンはそう言い切り、一歩前に出る。まとうのは、シリアスな雰囲気と世界レベルの存在感――カリスマ大怪盗の本気、アイリーンの本骨頂だった。

 一歩、ニ歩、三歩進んさところでアイリーンは、足を止める。踏み込んだだけで、カチリ、と壁の向こうで何かが外れる音がする――本当であれば、もう一歩進めば上から拳大の燃える鉛玉の雨が降ってくるはずだったが、天井を開ける機構が解除されたのだ。

「本気でいくわ」
「お任せいたします」

 アイリーンが、高速機動で駆け出す。その後を、迷いなく早苗は続いた。カリスマ大怪盗の本気は、全機構の解除が行える。踏み入れば開くはずの床も、左右の壁から現れるはずの回転ノコギリも、スプリンクラーのように降り注ぐはずの強酸の雨も、仕掛けが作動しなければ意味をなさない。

「ふふん、あたしにかかればこんなものかしら」
「風の流れは向こうですね」

 展開していた式神が風の流れを察知し、早苗に教えてくれる。迷宮とは正確には閉鎖空間ではない。通路があり、風の流れが『外』へと繋がっているものだ。だからこそ、早苗の式神は、それを察知して最短ルートを捜しているのだ。

「助かるわ」

 アイリーンのカリスマ大怪盗の本気は、この状況では絶大な効果を発揮する。だが、発動中は毎秒寿命を削るというデメリットもある――だから、最短ルートを進めるのはありがたい。

 死の迷宮を無人の野を行くがごとく、妖狐の灯篭の明かりで照らしながらアイリーンと早苗は駆け抜けていく。目的地へ、ただ遮二無二に――二人のコンビは、先を急いだ。

●死の迷宮さえ、友として

 ズン……! と振動が迷宮を揺らす。それを感じ取って、東天・三千六(春雷・f33681)は振り返った。

「ふむふむ、あの狂ったオブリビオンという輩よりも先に第五の貴族を討ち滅ぼせと……あちらの戦力増強は避けたいですからね」

 その振動こそ、狂ったオブリビオンが迷宮を抜けている証拠だと知って、三千六は改めて視線を前に戻す。

「しかし随分とまあ罠の大盤振る舞いですね。ですが……ふふ、僕にはオトモダチがいるので……」

 恐れも、焦りも、三千六にはない。当然だ、死をもたらすはずの迷宮でさえ、三千六は恐れない。それどころか、仕掛けが凶悪であればあるほど、脅威であればあるほど頼もしかった。

「失礼、通りますよ」

 寵姫の瞳、その魅惑の視線は生命体だけではなく無機物や自然現象でさえ、有効的な存在と変えるのだ。生命体でない、無機物のトラップであれば三千六が抜ける間、まるで扉を親切に開けてくれる友人のように通してくれる。

 それどころか、だ――。

「あっちかなあ、こっちでしょうか、ほらほら教えてくださいよお」

 かちり、と近道さえもトラップは教えてくれる。効果時間内にとっとと抜けた三千六は、思い出したように振り返った。

「ああ、そうだそうだ。ひとつお願いしてもいいですか?」

 寵姫の瞳で有効的となったトラップに、否はなかった。友は通す、だが、侵入者は通さない――己の役目を果たすため、ガチリ、と作動したトラップは、通路を埋め尽くす水流となって消え――。

『GA、GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA――!!』

 狂えるオブリビオン、導師・サッシナスの怒りの声が遠ざかっていく。水流に押し戻されたのだろう、三千六はそれを確かめる事なく先へと進んだ。

「あはは、親切なオトモダチができて嬉しいです」

 時折狂えるオブリビオンの『邪魔』をオトモダチに頼みながら、三千六は先を急いだ……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『赤錆の騎士』

POW   :    強撃
【瞬時に間合いを詰め、二刀の剣】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    致命へと繋がる
【剣による打ち払い】が命中した対象に対し、高威力高命中の【刺突】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    切り裂き詰める
対象のユーベルコードに対し【超常すら切り裂く斬撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:善知鳥アスカ

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はフィーナ・ステラガーデンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●赤錆の騎士

(「……何が起きている?」)

 吸血鬼は、屋敷の部屋で眉根を寄せた。狂えるオブリビオンの足止めは、思った以上にうまくいっていた……むしろ、うまくいきすぎているぐらいだ。

(「だが、別の何者か……複数の者が、こちらに向かっている……のか?」)

 死の迷宮のトラップの作動を見れば、明らかだ。もうすぐ、この屋敷へとたどり着くだろう……だとすれば、放置はできない。合流などされれば、厄介な事この上ないからだ。

 敵の敵も、敵。そういう状況が生んだ妙だった。吸血鬼は赤錆の紋章を己の胸元へ寄生させると、赤錆の鎧に身を包んだ。ミヂミヂミヂ、と赤錆色の鎧が身を覆っていく――そして、吸血鬼は同じ色の剣を抜いて、中庭へと踏み出した。

『先に侵入者を、次に異端の神々の玩具を……おのれ、厄介な事だ』

 だが、やり遂げなければならない。先に到着する侵入者を迎え撃つために、吸血鬼は屋敷の中庭へと急いだ……。
桐崎・早苗
アイリーン(f10071)さんと
強者の気配を感じます…こちらの力量を計られる前に一気に攻め立てたいところ
●戦闘
まずは私からUC『符術・滅気封命符陣』を放ちましょう
符は恐らくは全力を以てしても防がれると思われます…しかし目くらましにはなりましょう
アイリーンさんには多数の符に紛れさらに攻め立てて頂きたく
そこへさらに、私は『サムライブレイド -漣-』による【呪詛】を込めた【切断】の追撃を与えましょう
【集団戦術】の知見を以て隙を作らぬよう立ち回りたい所
そして間合いのさらに内…手の届く距離となれば【気合い】と共に【怪力】で組み付いて投げ、床へ叩きつけましょう

アドリブアレンジOK


アイリーン・ミュレット
早苗(f10614)さんと
【地形の利用】をしたり【闇に紛れる】などで先手を取れるように
うわ…それにしても強そう
●戦闘
先に早苗さんがUCを使うから、あたしはそれに紛れてUC『血ノチカラ』のヴァンパイアの力で攻撃するわ
カリスマな【オーラ防御】で少しは耐えられるし【生命力吸収】で生命力を【盗み攻撃】して粘りながら手数を叩き込む
可能なら敵の防具の留め具を【早業】で【盗み】緩くして動きの妨害もしたいところ
そこへ早苗さんが追撃してくれる手はずよ
けどこの三段構えで終わりじゃないわ
気が逸れた間にあたしは【存在感】をいちど消して、急所を狙う
そんな四段構えなの

アドリブアレンジOK


東天・三千六
あは、ふふふ
こんばんは
はじめまして
故あってお命いただきまあす

相手は手練れのようですね
斬撃が来る前にUCで行動を封じ、攻撃
拘束が効いている内に雷の【属性攻撃】で追撃します
あちらの切り裂きを警戒し、防御…いえ回避できるよう一定の距離を保ちます
中庭…ということは遮蔽物があるでしょうからそこに隠れつつ、遠くから【斬撃波】や【呪殺弾】で狙います

ええと、こちらに向かっているオブリビオン…サッシナス、でしたか
彼が来る前にこちら終わらせておきたいですね

吸血鬼さん、吸血鬼さん
逃げちゃだめですよ

※アドリブや連携歓迎


神宮時・蒼
……迷宮は、無事に、抜けられた、よう、ですね
…と言う事は、此処からが、正念場
…あれが、件の、吸血鬼。…貴方の、目的は、此処で、潰させて、いただき、ます

【WIZ】
此方のユーベルコードを切り裂いて、相殺、ですか
大変厄介ですね
とは言え、其れは此方のユーベルコードが描く軌道を読んでこそ、なのでは?
相手の攻撃は【見切り】と【第六感】を頼りに避けましょう
無造作に飛び交う【弾幕】を駆使しながら
決まった軌道を描かぬ無月残影ノ舞を放ちましょう
少しでも掠れば、相手の感覚を汚染します
思い通りの動きは出来なくなるでしょう

この後に続く異端も、此方で駆除します
ので、貴方は気兼ねなく眠りについてください



●第五の貴族

死の迷宮を抜けた先、そこは小さな街だった。

「……迷宮は、無事に、抜けられた、よう、ですね……と言う事は、此処からが、正念場」

 神宮時・蒼(追懐の花雨・f03681)の視線はその街でもっとも大きな屋敷へと向けられていた。遠くてもわかる、臨戦態勢の気配に満ち満ちていたからだ。

「強者の気配を感じます……こちらの力量を計られる前に一気に攻め立てたいところ」
「うわ……それにしても強そう」

 蒼と同じく気配を察した桐崎・早苗(天然風味の狐娘・f10614)に、アイリーン・ミュレット(カリスマ美少女怪盗アイリーン・f10071)も同意する。迷宮を抜けたこちらの事を察しているのだろう敵は、既に完全武装を整えていた。

「あは、ふふふ。こんばんは、はじめまして。故あってお命いただきまあす」

 最初に屋敷の庭にたどり着いた東天・三千六(春雷・f33681)の言葉に、赤錆の騎士姿となった吸血鬼は喉を鳴らす――笑ったのだ。

『クク、なるほど。異端の神々の玩具以外にもやはりお前達が来ていたか、猟兵』
「……貴方の、目的は、此処で、潰させて、いただき、ます」

 蒼の言葉に、赤錆の騎士となった吸血鬼は答えない――ただ、行動で応えた。すなわち、地面を蹴って斬りかかる。その凄まじい速度の両の剣によって、だ。

「ちょっとだけびりびりしますよお」

 轟神来雷(シンバツ)――自分に敵意を向ける存在へと呪詛による拘束と霊力を帯びた雷を浴びせる三千六の対応に、吸血鬼は超常すら切り裂く斬撃で雷と拘束を断ち切った。ズザン! と凄まじい衝撃が周囲に駆け抜け、その中をなおも吸血鬼は突き進む!

「……此方のユーベルコードを切り裂いて、相殺、ですか……大変、厄介……ですね」

 だが、蒼が次の手に動いている。宵に咲く茉莉花を掲げ、蒼は紡いだ。

「……此の、嘆きは、泡沫の、如く。……導くは、黄泉への、路。……蝕め、身を窶せ」

 放たれるのは無月残影ノ舞(ジュゴンノマイ)による、呪詛を纏った乱舞攻撃。吸血鬼が赤錆色の剣でそれを受け止めるが、弾幕となった乱舞は一つにとどまらない。

「……此方のユーベルコードが……描く軌道を読んでこそ、なのでは……?」
『チィ!』

 吸血鬼は呪詛の乱舞を、大きく後方へ跳んで回避――そこへ、無数の護符が放たれる。早苗の符術・滅気封命符陣だ。

「疾う、疾う、彼の者の命の気を封じ給え!急急如律令!」

 バラララララララララララララララ! と気の流れを絶ち生命力を弱める霊符が吸血鬼を囲む檻のように展開、中心へ収束する。それを吸血鬼は横回転の一閃で断ち切った。

『猪口才な――!?』

 真似を、と吸血鬼が言い切るより速く。護符と闇に紛れたアイリーンが狙いをすませて音もなく現われた。

「符は恐らくは全力を以てしても防がれると思われます……しかし、目くらましにはなりましょう」
「あたしに流れるヴァンパイアの血を、甘く見ないことね」

 血ノチカラによって真紅の瞳が輝く真の姿――ヴァンパイアへと変身したアイリーンの黒剣『ブラッディ・ローズ』の真紅の刺突が、吸血鬼の赤錆の鎧を貫く! それでもなお、吸血鬼は横へと跳んで紋章への一撃をずらし、間合いを開けた。

『あの迷宮を、あれほどの速さで抜けたのだ――只者ではないとは思っていたが!』

 修正せざるを得ないだろう――神々の玩具と同等か、それを超える『脅威』である、と。

『ならばこそ、押し通る!』
「ならば、それを打ち倒すまで」

 三千六は吸血鬼の言葉にそう答え、両者の戦いは激しさを増していった……。

●赤錆の先に――

 赤錆の騎士の力、それを紋章によって得た吸血鬼は、己の持ち味を理解していた。その鎧からなる防御力と、剣による斬撃。攻防において高い実力を持っている、というのはただ単純な強さを誇っていた。

「本当に厄介ね!」

 その速度と攻撃力に真っ向から対抗できるのは、この場では真の姿へ変身したアイリーンのみ。それでもなお、届かず押されるのだ。

 だが、これは決闘ではない――だからこそ、猟兵達には付け入る『隙』が存在した。

「ええと、こちらに向かっているオブリビオン……サッシナス、でしたか。彼が来る前にこちら終わらせておきたいですからね」

 庭の木々を遮蔽物に、三千六が呪殺弾を撃ち込んでいく。ギ、ギギギギギギギギギギギギン! と吸血鬼が赤錆色の剣で振り向きざまに弾いた瞬間だ。

『ぐ、が!?』
「吸血鬼さん、吸血鬼さん。逃げちゃだめですよ」

 ズガン! と轟神来雷の雷が、吸血鬼を打ち抜いた。動きが一瞬止まる吸血鬼、その刹那の『隙』を、早苗は見逃さなかった。

「ここ、です!」

 間合いを一気に詰めた早苗が、吸血鬼の右腕を取ったのだ。そこから放たれる一本背負い――受け身を取る時間を許さず、早苗は地面へと叩きつけた。

「今です!」

 轟音と共に地面を砕きながら、吸血鬼が地面へとめり込んだ。素早く移動した早苗に、アイリーンが即座に続く。

『が、は――な!?』

 吸血鬼が、目を見張る。赤錆色の鎧、その胴部が外れたからだ。怪盗の面目躍如、アイリーンが赤錆の鎧の留め金を目ざとく見つけ、外したのだ。

「四段構えなの」

 ザン! とアイリーンの黒剣『ブラッディ・ローズ』が振り払われ、胸元の紋章が断ち切られる――どぷん、と血に戻った鎧と剣。そこへ、蒼が迫った。

「……この後に、続く異端も、此方で……駆除します……ので、貴方は。気兼ねなく眠りに、ついて、ください……」
『お、の、れ、えええええええええええええええええええええええええええええ!!』

 蒼によって振るわれる、宵に咲く茉莉花――繰り出された呪詛を纏った乱舞攻撃が、紋章の力を失った吸血鬼の身体を、文字通り切り刻んだ……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『導師・サッシナス』

POW   :    教団の御業・不惜身命の型
自身に【不可視化する呪詛】をまとい、高速移動と【呪詛を纏った両手の骨爪】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    暗殺者の外套
【装備者に同様の効果をもたらす影の外套】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
WIZ   :    暗殺者教団
【敵の死角】から【教団の暗殺者】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。

イラスト:黒江モノ

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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はリーヴァルディ・カーライルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●異端の使徒

『邪、マ、WO、スル、な、A、あ、ア――!!』

 自らを狙うように――否、文字通り狙っているのだ――迫る罠を強引に突破して、導師・サッシナスは迷宮を疾走する。

『が、ア、A、あ、ア、A、あアAあアAああアAあアAああアAあアAああアAあアAああアAあアAあッ!!!!』

 苛立ちをぶつけ、サッシナスは破壊を撒き散らす。もはや、己の目的が果たせない事を知る由もない狂えるオブリビオンは、そのまま全力で先へ先へと急いだ。

 もうすぐ、もうすぐ迷宮を抜ける――抜ければ、そこに目的の存在がいるはずだ。

 そこに正気はない。目的が果たせなければ、ただ破壊する災害へと成り果てるだけだ――それは、ある意味で第五の貴族よりも恐るべき脅威へ堕ちる事を意味していた……。
月夜・玲(サポート)
『さてと、I.S.T起動。お仕事お仕事。』
口調 元気(私、~君、だね、だよ、だよね、なのかな? )


お仕事ついでに研究も出来るんだから、この仕事良いよねぇ
さあ、私の研究成果の実験台になってもらうよ

模造神器という独自の兵器開発を生き甲斐とする研究者
誰にでも気さくに砕けた口調で話しかける
戦いは全て研究の為、楽しみながら戦闘を行う
全ては研究の為、研究と戦闘を楽しめる猟兵生活は結構気に入っている
戦闘スタイルは4本の模造神器から2本を選び、二刀流で敵と戦う形です
UCで遠距離戦闘にも対応したSF剣士

日常ではのんびりと景色を楽しんだり風情を楽しんだり
冒険では考察しながらじっくり進む

あとはお任せ!


土御門・泰花(サポート)
※アドリブ・連携・苦戦描写・UC詠唱変更・その他OK

「あらあら……。ふふ、ご安心を。お手伝い致します」

一人称:私
口調:基本的に敬語。柔和な印象を与える口ぶり。
表情:基本的に柔和な笑みを湛え、義憤もその下に隠す。
性格:普段はおっとりだが「陰陽師の家系の当主」という自覚があり、凛々しくみせる時も。

敵の攻撃は第六感や聞き耳で察知し、早業と軽業、時に地形の利用や空中浮遊にて回避。
式神の白揚羽で結界術とオーラ防御を施し、防御。
もし通用しなければ薙刀で武器受けし、カウンター攻撃。

指定したUCは、戦況と効果に合わせて発動。
可能な限り、早業で敵のUC発動前に発動を狙う。

指定したUCは何でも使用可。
後はお任せ。


鞍馬・景正(サポート)
※サポート不要の場合は却下でお願いします。

「強者の匂い――いざ勝負」

◆キャラ指針
サムライエンパイア出身。
実直で真面目な性格の青年武士。

どんな敵にも怯まず、侮らず、全力を尽くして対峙します。

武人らしい誇りを持ち合わせる相手なら敬意を示し、それとは正反対の外道なら冷淡に勝負を挑みます。

◆戦闘
接近戦では剣術や組討、遠距離なら弓を使用。
羅刹の【怪力】と、武術稽古で培った【見切り】を活かした戦法が得手。

状況によって味方や一般人を【かばう】盾となったり、愛馬に跨って【騎乗突撃】もします。

UCは相手に応じて適切なものを。

◆備考
アドリブ、連携歓迎。
悪事や不正、他猟兵への迷惑行為等はNGで。


スピレイル・ナトゥア(サポート)
精霊を信仰する部族の巫女姫です
好奇心旺盛な性格で、世界をオブリビオンのいない平和な状態に戻して、楽しく旅をするために戦っています
自分の生命を危険に晒してでも、被害者の方々の生命を救おうとします
技能は【第六感】と【援護射撃】と【オーラ防御】を主に使用します
精霊印の突撃銃を武器に、弾幕を張ったり、味方を援護したりする専用スタイルです(前衛はみなさんに任せました!)
情報収集や交渉のときには、自前の猫耳をふりふり揺らして【誘惑】を
接近戦の場合は精霊の護身用ナイフで【捨て身の一撃】を繰り出します
マスター様ごとの描写の違いを楽しみにしている改造巫女服娘なので、ぜひサポート参加させてくださると嬉しいです!



●死の迷宮にて――

 迷宮が、鈍く振動する――月夜・玲(頂の探究者・f01605)は、小さく呟いた。

「お仕事ついでに研究も出来るんだから、この仕事良いよねぇ。さあ、私の研究成果の実験台になってもらうよ」

 模造神器という独自の兵器開発を生き甲斐とする研究者である玲にとって、この世界の異端の神々、その力の一端を与えられた敵は試し調べるのに足る存在だ。

「さてと、I.S.T起動。お仕事お仕事」

 玲が《RE》IncarnationとBlue Birdを抜いた、その直後だ。真横の壁が向こう側から粉砕され、導師・サッシナスの骨の手が伸びてきた。

『が、ア、A、あ、ア、A、あアAあアAああアAあアAああアAあアAああアAあアAああアAあアAあッ!!!!』
「おっと」

 ただ、無造作に振るう暴力でさえ武器越しに伝わる『重さ』がひどい――玲は素直に二振りの剣で受け止めると、踏ん張らずに後方へと下がった。

「あらあら……。ふふ、ご安心を。お手伝い致します」

 そこへ土御門・泰花(風待月の菫・f10833)が泰花の霊符を放つ。ババババババババババババババババ! と展開される泰花の霊符、その霊符が白揚羽の式神となってサッシナスを覆っていった。

『じゃ、魔、ダ!!』

 ヒュガ!! と自身を包む白揚羽の式神の群れを、ナッシナスは骨爪で切り払う。ズザン! とナッシナスが振り払った刹那、ヒラリと舞い降りる人影があった。

 それはカランと尻尾に巻いた精霊布のリボンについた鈴を鳴らして着地した、スピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)だ。バサリ、と愛らしいフリルを施した改造巫女服の袖から精霊印の突撃銃を取り出すと、スピレイルはガガガガガガガガガガン! とナッシナスへ向けて掃射した。

『NU――う、ウ――ッ!!』
「今です!」

 ナッシナスは炎の宿る銃弾を受けながら、影の外套を召喚。その姿を消そうとする直前に、スピレイルの声を受けて鞍馬・景正(言ヲ成ス・f02972)が一気に間合いへと飛び込んでいた。

「強者の匂い――いざ勝負」
『Oーガ、か――!!』

 ガギン! と影の外套を切り裂いた景正の濤景一文字とナッシナスの骨爪が、火花を散らす。互いに一歩も退かぬ刃と骨の交差、その音が死の迷宮へと響き渡った。

●異端の力

 ギ、ギギギギギギギギギギギギギギギギ――!! と無数の火花が、死の迷宮に狂い咲く。真正面から景正が、その隙に回り込んだ玲が背後からナッシナスと鎬を削る結果だ。

(「いや、これはすごいもんだね」)

 狂えるオブリビオンは、その名の通り異端の神々から与えられた力によって暴走している節がある――だからこそ、技の精度が落ちている……そこが狙い目だと玲は思っていた。

 読みは間違っていなかった、問題はその斜め上を行かれた事だ。

「異端の神々によるバフ、その身体能力だけでここまでかぁ」

 そう、その身に宿る力――否、暴力だけで技の衰えを補って余りあるのだ。確かに、これを第五の貴族という強者が得てしまえば、紋章の力と共に脅威となっただろう。

『か、ハ、a――!!』

 突如として、景正と玲の背後から召喚された暗殺者教団が襲いかかった。

「させるとでも?」

 その一人の手首を掴み、景正が組討術によって小手返しの要領で投げ飛ばす! それによって、玲の背後から襲いかかっていた暗殺者が動きを止め――。

「ここ!」

 玲が横回転、繰り出された衝撃波が暗殺者教団を薙ぎ払った。その間に、ナッシナスが横へ飛ぶ。迷宮の壁を足場に跳躍したナッシナスへ、式神の白揚羽と共に泰花が跳んだ。

「ふふ、私の動きについてこられますか?」

 白揚羽の舞によって繰り出される泰花の巴形薙刀【菫】による、連続斬撃。それをナッシナスは骨爪によって迎撃、受け止めていく!

「ライトニングリボンバラージ!」

 泰花の背後で共に舞っていたスピレイルによる電撃で構築された無数の巨大な紐が、ナッシナスを縛り、ズガン!! と電撃を放った。ナッシナスの動きが止まった瞬間、夙夜を駆る景正と玲が、同時に斬撃を――。

『ぐ、ガ、ガGAガがガGAガがガGAガがガGA――!!』

 ガギン! と右腕が断ち切られ、強引にナッシナスはその右腕の骨を迷宮の床へと――ガギン! と落とし穴の罠を発動させると、そのままナッシナスは自ら落とし穴へと身を踊らせ、深い闇の底へと落ちていった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

北条・優希斗(サポート)
『敵か』
『アンタの言う事は理う解できる。だから俺は、殺してでも、アンタを止めるよ』
『遅いな』
左手に『蒼月』、右手に『月下美人』と言う二刀流を好んで戦う剣士です。
自らの過去を夢に見ることがあり、それを自身の罪の証と考えているため、過去に拘りと敬意を持っております。その為オブリビオンに思想や理想があればそれを聞き、自分なりの回答をしてから斬ります。
又、『夕顔』と呼ばれる糸で敵の同士討ちを誘ったり『月桂樹』による騙し討ちを行なったりと絡め手も使います。
一人称は『俺』、口調は年上には『敬語』、それ以外は『男性口調』です。
見切り、残像、ダッシュ等の機動性重視の回避型の戦い方をします。


藤・美雨(サポート)
私は藤・美雨
デッドマンの猟兵さ
キョンシーじゃない、キョンシー擬きだよ

戦う時は近接攻撃を中心に
強化した肉体で怪力で暴れまわったり
装備した刃物でザクザク切り込むのが好きかな

死んでいるから怪我にはあんまり執着しない
危なくなればヴォルテックエンジンで自分を叩き起こすからね
負傷は気にせず気力で突っ走るのが好きだよ
その方が楽しい!

でも死んでるからといって人生を楽しんでいない訳じゃない
飲食とかは出来るし好きだよ
綺麗なものや楽しいものに触れるのだって大好きさ

他の猟兵に迷惑をかける行為はしないよ
例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動もしない
気持ちよく勝って帰りたいし!

あとはおまかせ
よろしくお願いするね!


伊坂・和良(サポート)
伊坂和良の主人格には戦闘能力が無いので主人格での戦闘は行わないのでござる。
アイテム【多種多様の面】を付ける事で別人格を呼び起こし戦闘できるのでござる。
使用ユーベルコードは着けている面に対応しているので秘密の設定に(○○面装着時)と書いているのでお手数ですが見て頂けたら嬉しいでござる。
口調は主人格(わし、お前さん、ござる、ござろう、〜でござろう?)
天狗面(わし、お主、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)
ひょっとこ面(おいら、お前さん、だ、だべ、だべさ、だべ?)です。


久遠寺・遥翔(サポート)
UCでフレアライザーや派生形態に変身するか
イグニシオンに【騎乗】して戦う
死角を突いたりといった戦法に躊躇はない
戦いでは取れる手を全力でとる
ただ人質を取ったりなんて義にもとる真似はしないけどな
救助対象がいる場合それ優先で動くぜ

変身・騎乗どちらの場合でも基本的に【空中戦】を仕掛ける
飛行系UCの速度やワイヤーを使った【地形の利用】【ダッシュ】による高速機動戦闘だ
相手の攻撃は【第六感】【視力】を駆使した心眼で【見切り】ながら【残像】でかわし
避けきれない攻撃を【オーラ防御】や【各種耐性】で受け流しながら【カウンター】の
【生命力吸収】する黒焔で対象を【焼却】する【2回攻撃】を叩き込む戦術になる


桜井・乃愛(サポート)
 桜の精のパーラーメイド×咎人殺しの女です。
 普段の口調は「元気(私、~さん、だ、だね、だろう、だよね?)」、偉い人には「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は明るく天真爛漫で、少し天然ボケな感じの少女。
一番好きな花は桜で、その他の植物も好き。
強敵にも怖気づく事は少なく、果敢に挑む。
人と話す事も好きなので、アドリブ歓迎。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●迷宮での激闘

 ズダン! と導師・サッシナスが着地する。落とし穴の先、そこは大きな広場になっていた。何階分降りてきただろう? 降り立った瞬間にサッシナスは即座に身構えた。

『……しツkoいな、猟Heい』
「敵か」

 そこに待ち構えていたように、北条・優希斗(人間の妖剣士・f02283)が左手に蒼月、右手に月下美人――二振りの妖刀を抜く。

 サッシナスからすれば、死の迷宮での大きな消耗を強いられた事実に屈辱さえ感じていた。いや、むしろここまでの道のりと戦いを経てなお、戦闘能力を維持しているのは異端の神々から授かった力があったからこそ――

『――抜ケめNO、無イ』

 思考の途中で、ナッシナスはその場を蹴って後退する。半瞬遅れ、異界の技術で作られた鋼翼――フェンリルをイグニシオンへと変形させて騎乗した久遠寺・遥翔(焔黒転身フレアライザー/『黒鋼』の騎士・f01190)の一撃が、迷宮の床を打ち砕いた。

「隙はないか」
『当Zeんダ!!』

 キャバリア・イグニシオンの死角から、無数の暗殺者が召喚され襲いかかる。それをゴォ!! と不意に巻き起こった旋風が、吹き飛ばした。

「天狗様の力のお裾分けじゃ」

 天狗面をつけた伊坂・和良(面の力を借りるオッサン猟兵・f22018)の天狗式飛翔術だ。暗殺者達が着地した瞬間、遥翔のイグニシオンが砕いた床石を掴んだ藤・美雨(健やか殭屍娘・f29345)が走り込んだ。

「さあさあ踊れ、しっちゃかめっちゃかにね!」

 視界が陰る――暗殺者達がそれを見上げると、殺戮乱舞(トリプロ)を用いた美雨の床石による押し潰された。

「あなたが強いのはわかっています。ですが、ただで通すつもりはありません」
『厄kaイ、だナ。猟兵、To言うノHa――』

 サッシナスと向かい合い、怯むことなく桜井・乃愛(桜花剣舞・f23024)は凛と言ってのける。

 傷を負ってなお、その狂えるオブリビオンから発せられる圧力は衰えていない。影の外套を召喚したサッシナスは、その場で気配を消して無音で床を蹴った。

●命懸けの『疾走』

 剣戟が、次々と加速していく。優希斗の蒼月と月下美人の二刀に対し、サッキナスは右腕を失いながらも、左腕と両足、さまざまな部位を利用して拮抗した。

『異端ノ神々に、報イるNoダ――こレはソノたMeノ力デあRu!』
「それがアンタが戦う理由か」

 右の回し蹴りからすぐさま戻ってくる後ろ回し蹴りをスウェーでかわし、優希斗は間合いを測る。

 優希斗は、自らの過去を夢に見ることがある。そして、それこそを自身の罪の証と考えているのだ。だからこそ、優希斗は過去に拘りと敬意を持っている――。

「恩に報いる、か。アンタの言う事は理解できる。だが、だからこそその先にある悲劇を止めよう」
『ヤレるMonoナら、ヤってMiロ!』

 影の外套をまとい、サッシナスが姿を消す。その瞬間、優希斗も残像を残し姿を消した。隠形と高速機動、その二つの激突は――蒼き斬撃が、結果を出す。

「終わらせる。汝の裡に潜むその罪と魔と深淵を」

 闇技・罪業断裂蒼覇斬(アンギザイギョウダンレツソウハザン)――その蒼月による斬撃が、影の外套をすり抜けサッキナスの骨の身体を捉える。サッキナスの動きが止まる――その瞬間を狙って、乃愛が軽機関銃『ブルーミング・ファイア』を構えた。

「さぁ、これでお終いにしてあげるよ!」

 ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ! と狙いをつけない乃愛の必殺の弾丸豪雨(ガトリング・スコール)が、体勢を崩したサッキナスに命中する。姿形を捉える必要がないほどの、広範囲掃射――銃弾の豪雨を受けて、サッキナスの影の外套が細切れに消し飛んだ。

「悪逆を喰らえ、煉獄の焔ッ! 獄焔砲(ケイオスフレア)ッ!!」
『グ、が、A、AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA――』

 姿を現したサッキナスへ、遥翔が駆るイグニシオンは間髪入れずに機神太刀"迦具土"を振り下ろした。その漆黒の刀身を持つキャバリア専用の太刀は、人間サイズのサッキナスには巨大すぎる。左腕の骨爪で受け止めるが、その威力だけで床が砕けた。

『――A、AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!』

 ミシリ、と巨大化した骨爪が、強引にイグニシオンの一撃を逸した。ズン! と床を切り裂き、漆黒の魔炎が床に一直線の軌跡を残す。

「ここにはおあつらえ向きなものが揃ってるね」

 そして、美雨の殺戮乱舞(トリプロ)が発動――戦場の地形や壁、元から置かれた物品や建造物を利用するそのユーベルコードは、まさにこの死の迷宮でこそ活きる。

 ヒュガガガガガガガガガガガガガガガガガガ! と一斉に降り注ぐ投擲槍の雨。それを受けて動きが止まったサッシナスへ、美雨は服の袖に仕込んだ大量の暗器を叩きつけた。

『グ、が――ッ!!』

 サッキナスが、後方へ飛ばされる。そこに待ち受けていたのは、天狗面をつけた和良だ。それに気づいたサッキナスは空中で反転、巨大化させた骨爪で和良を――。

「風よ、敵を斬り裂け」
『――ッ!?』

 バチン!! とサッキナスの骨爪が届く前に、大きく弾かれた。風の衣を身に纏い、攻防一体の鎌鼬を生み出したからだ。そのまま和良が一気に間合いを詰めようとした直後、召喚された暗殺者軍団が和良の前へ立ち塞がった。

 即座に、和良は鎌鼬を操る。いくら立ち塞がろうと障害にはならない――無理矢理道をこじ開ける、それだけ……の、はずだった。

「……ほう」

 天狗の面、その奥で感嘆の声が上がった。暗殺者達はただ立ち塞がったのではない、自ら鎌鼬に身を踊らせ、肉と血で道と視界を塞いだのだ。

 まさに、導師の手足となるべき暗殺者達。その生命さえ対価に生まれた一瞬で、サッキナスは迷宮の奥へと転がり込んだ。

「ここで暗殺者を使い潰す勢いか」
「こうなると、後は先行した人達に任せるしかないですね」

 イグニシオンの機神焔砲"天照"で暗殺者達を焼き払いながら遥翔は言い捨て、乃愛は小さく息をこぼす。

 逃しはしたものの、サッキナスの戦力は大きく削れた。ならば、後はそれを確実なものにするだけだ――猟兵達は決死の覚悟で道を塞いだ暗殺者軍団へと向き合った……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

東天・三千六
わあ、すごいうるさい声ですねえ
こんなこわいオブリビオンはここから出してはいけませんね
きちんと始末しないと
あなたの目的がなんであれ、ここで終わりですよ
ばいばーい

相手はどうやら身が軽い…動きが速かったり消えたりするようなので、こちらは手数で対抗しましょう
不可視の腕を周囲に呼び出し、敵存在の気配を察知したら間髪入れず掴みます
ふふ、掴めなくとも遠くまで行ったとしても追いかけさせますから
あとは、そう、動けなくなるよう引き千切っちゃいましょうか

●アドリブ連携歓迎


アイリーン・ミュレット
早苗(f10614)さんと
●心情
さて、これで最後ね…気を抜かずに行こうじゃない!
…と敵を待ってたら何かを察知した早苗さんが先に動いて敵の姿が出てきた
不可視化…!やっぱり早苗さんに来てもらって良かったわ
さあオブリビオンには消えてもらうわよ!

●戦闘
UCで自己を強化しながら対応するわ
攻撃や呪詛はカリスマな【オーラ防御】で弾きつつ、生命力を盗む【盗み攻撃】で【生命力吸収】しながらしぶとくいって【存在感】を見せつつあたし自身が囮になる!
そんないつもの戦術よ!
丈夫さには自信があるんだから、このあたしに簡単に膝をつかせられるとは思わないことね
よそ見なんてさせないわ!このーっ!


桐崎・早苗
アイリーン(f10071)さんと
●戦闘
…呪術に類するものが近づいております
であれば、UC『九星凶方陣』にて
符を撒き構築せし陣は【占星術】を元に気の流れを占いしもの…占星術により可視化した気の流れを陰陽五行の理にてずらして新たに流れを作ることで神秘の力を削ぐ【結界術】となりましょう
魔をうち破りて【呪詛】を祓い、そして清め給え…!
力を削ぎ姿が可視化したなら敵の優位を削げるはず
『呪殺符』でアイリーンさんを援護しつつ二刀で攻防混ぜた攻撃を
●戦闘様式
・右を前に向けた半身の構え
・基本は片足を軸に円の動きで半歩動いての回避や受け流し
・右に刀、左に短刀の二刀流で蹴りや掌底も混ぜる


神宮時・蒼
……さて。…連戦、ですね…
…残念、ながら、貴方の、目的は、ご覧の通り。…ボクたちが、倒して、しまい、ました
…けれど、逃がす、つもりは、ありませんし、其方も、ひかない、でしょう?

【WIZ】
相手の攻撃に対処できるよう【第六感】に頼りつつ、周囲に結界術を展開しておきましょう
結界が破られたとしても、少々の時間稼ぎにはなる筈です

ボクも、呪いの、存在、では、ありますが…
貴方とは、少し、在り方が、違うよう、ですね
まあ、それも、些細な事、でしょうか

ものすごい、執念ですね
ならば、その執念ごと、燃やしてしまいましょう
【魔力溜め】と【高速詠唱】で【徒花惨烈ノ陣】を描いて、相手を炎に包みます

さようなら、狂える、誰か



●導くモノが導かれ

 ダークセイヴァー、地下都市。その『天井』が、轟音を立てて爆発した。

『が、ア、A、あ、ア、A、あアAあアAああアAあアAああアAあアAああアAあアAああアAあアAあッ!!!!』
「わあ、すごいうるさい声ですねえ」

 ガリガリガリガリガリ! と巨大化させた骨爪を壁に突き立て落下の速度を殺す導師・サッシナスの怒りの叫びに、しみじみと東天・三千六(春雷・f33681)はこぼす。

「……さて。…連戦、ですね……」

 神宮時・蒼(追懐の花雨・f03681)が呟く目の前に、サッシナスが降り立った。その殺気と憤怒の圧を前にしながら、蒼は表情ひとつ変えずに告げる。

「……残念、ながら、貴方の、目的は、ご覧の通り。……ボクたちが、倒して、しまい、ました……けれど、逃がす、つもりは、ありませんし、其方も、ひかない、でしょう?」
『――やっテくレタな、猟兵』

 いっそ静かな声、だが、感情のない声ではない。怒りが許容量を超えてしまったからこそ、逆に表現しきれなくなった――そんな声だ。

「こんなこわいオブリビオンはここから出してはいけませんね。きちんと始末しないと」
『こッチNo台詞だ。次ガあRuト思ウなYO』

 三千六の軽口に、サッシナスは一歩前に出る。その戦意に、アイリーン・ミュレット(カリスマ美少女怪盗アイリーン・f10071)は胸を張って笑い言った。

「さて、これで最後ね……気を抜かずに行こうじゃない!」

 次の瞬間、サッキナスの姿がかき消える。一瞬見えたのは、影の外套――姿を消したサッシナスは、その骨爪を巨大化させ死角へと回り込んだ。

 それに対応したのは、桐崎・早苗(天然風味の狐娘・f10614)だ。

「……呪術に類するものが近づいております。まずは九紫、八白、七赤、六白……、さらに五黄、四緑、三碧、二黒、そして一白。……我、九星の理を以て汝に厄を与えむ……!」

 早苗の九星凶方陣は、自身を中心に地面に九宮図の陣を刻む。占星術により可視化した気の流れを陰陽五行の理に当てはめ、そして、ずらして新たに流れを作った。

 その効果は覿面だ。法則が書き換わったその結界内では、理が『ズレ』る――それによって、ナッシナスの姿が暴かれたのだ。

「不可視化……! やっぱり早苗さんに来てもらって良かったわ」

 すかさず、アイリーンが地を蹴る。自称カリスマの意地(ジショウカリスマノイジ)によって、自身の防御力を上昇させたアイリーンはサッシナスの骨爪を受け止めた。

「さあ、オブリビオンには消えてもらうわよ!」
『Hoザけ!!』

 サッシナスは構わない、受け止めたアイリーンごと骨爪を振り抜いた。

●狂えるオブリビオン

 異端の神々の力は、強大だった。

(「満身創痍、そのはずなのにね」)

 三千六は、サッシナスの姿を見る。傷を負っていない箇所など、その骨の身体にはない。死の迷宮を抜けるために、多くの労力を払ったはずだ。右腕は肘から下がない。本来なら召喚するはずの暗殺教団さえ、もう呼び出す余力もない。

 だと言うのに――なおも、サッシナスは猟兵達と拮抗していた。

 影の外套による隠形は、早苗によって暴かれている。もはや残っているのは四肢――否、右腕がないから三肢か――、その格闘能力しかない、そのはずだった。

『――A、AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!』

 下から杭のように、サッシナスの膝が跳ね上がる。それをアイリーンは、両腕で受け止めてのけぞらされた。

「こ、の……! こんなの、いつもの戦術よ!」
『GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!』

 生命を盗み、アイリーンは回復する――だが、サッシナスの動きは止まらない。いや、なおも加速して、着地と同時に後ろ回し蹴りでアイリーンの延髄を蹴り抜こうとした。

「させません!」

 その蹴り足に、早苗は呪殺符を投げ放つ。そして、唱えた。

「魔をうち破りて【呪詛】を祓い、そして清め給え……!」

 バチン! とサッシナスの足が大きく弾かれ、体勢を崩す。そこへ蒼が、雨に薫る金木犀の切っ先を向けた。

「……儚き色彩、無垢なる白。……されど、纏うは、死の香り。……劫火よ、燃え尽くせ」

 咲き乱れるのは、体温に触れると炎上する花――蒼の徒花惨烈ノ陣(モウエンノジン)が無数の火柱を立ち上げさせる! だが、サッシナスは止まる事なく、その徒花惨烈ノ陣を駆け抜けていた。

 その光景を見て、三千六がこぼす。

「……相手はどうやら身が軽いようですね」

 そう、ただの身体能力である。狂えるオブリビオン、異端の神々の力を宿した『過去』――暗殺者としての技量を狂気で落とされてなお、サッシナスは強敵だった。

 死の迷宮を抜け、吸血鬼との戦いを終えての連戦。その疲労があったが、もしも向こうが無傷であったならな? それは、もはや脅威というのも生温い強敵だったろう。

「……ボクも、呪いの、存在、では、ありますが……貴方とは、少し、在り方が、違うよう、ですね。……まあ、それも、些細な事、でしょうか……」

 蒼の目から見ても、それは異常だった。それほどの、呪いと呼ぶしかないのが異端の神々が授ける力なのだ。

『コロス、コロス! 殺シ尽くシTe――!!』

 むき出しの殺意、暗殺者であればあってはならないむき出しの激情を燃料に、サッシナスが前へ出た。巨大化する骨爪、それを見てアイリーンが真っ直ぐに立ち塞がった。

「よそ見なんてさせないわ! このーっ!」

 アイリーンの黒剣『ブラッディ・ローズ』の重い一撃とサッシナスが薙ぎ払った骨爪が、火花を散らす。威力、膂力、勢い、どれもが狂えるオブリビオンの方が上だ――しかし、アイリーンは全身で飛び込むように骨爪を食い止めた。

「丈夫さには自信があるんだから、このあたしに簡単に膝をつかせられるとは思わないことね!」

 ただ、その矜持と意地でアイリーンは後退する事を拒絶する。動きが止まった瞬間、滑るような足取りで早苗が間合いを詰めた。

「参ります!」

 だが、早苗の疾走に合わせサッシナスの回し蹴りがその側頭部を狙って放たれていた。タイミング、速度、角度、どれもが完璧なカウンターだ。しかし、早苗は右足で急停止、横回転してその蹴りの命中の瞬間、威力を殺し切り――。

『グ、オ、OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!?』

 横回転の勢いを利用した右の刀による斬撃が、サッシナスの胴を薙いだ。その威力に吹き飛ばされたサッシナスは、着地と同時に駆け出す!

「こちらは手数で対抗しましょう――掴め、殴れ、潰せ、引き千切れ」

 三千六の召喚した不可視の腕――群腕(ハラカラ)が、膨大な数となってサッシナスへと襲いかかった。その見えない腕に、サッシナスは気配で察知し疾走。舞うような動きでかわし続け――!

「ふふ、掴めなくとも遠くまで行ったとしても追いかけさせますから――」
『グ、う!?』

 一本の腕が、サッシナスの左足首を掴む事に成功すると、次々と足を掴み引きちぎった。その『手応え』に、三千六は微笑んだ。

「あなたの目的がなんであれ、ここで終わりですよ、ばいばーい」

 ボキン、という乾いた粉砕音――地面に転がったサッシナスへ、蒼は囁く。

「……ものすごい、執念ですね……ならば、その執念ごと、燃やして、しまいましょう……」

 蒼が描くのは、徒花惨烈ノ陣。ゴォ!! と立ち上る火柱の中、サッシナスが声にならない叫びを上げる。

『―――――――ッ!!』
「……さようなら、狂える、誰か」

 地下都市の『天井』にまで届いた火柱は、灰一つ残さない。外套も、骨も、異端の神々の力さえ燃やし尽くし、ここに一つの戦いが終わりを告げた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年06月30日
宿敵 『導師・サッシナス』 を撃破!


挿絵イラスト