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羅針盤戦争延長戦〜沈没船の積荷は誰の物?〜

#グリードオーシャン #猟書家の侵攻 #猟書家 #メリー・バーミリオン #冒険商人 #宝島 #緋色のメリー

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「お前たちよおく聞け!」
 とある日の甲板に手下を集めた緋色のメリーことメリー・バーミリオンは両手を腰に当てて胸を張った。
「この度! 私はレディ・オーシャンから、猟兵達によって壊滅した七大海嘯に代わる組織の新幹部として任命された!」
 まさかのスカウトに船員達から驚嘆の声と拍手の音が上がる。
「そしてこれを受け、私達はグリモアベース攻略のために賞金首の討伐から各地に眠るメガリスの回収に方向転換する! 皆も心しておいてくれ!」
 メリーの話が一旦終わったタイミングで先頭にいた船員が恐る恐る手を挙げた。
「あ、あの、親分、その『レディ・オーシャン』とか『グリモアベース』とかどれも初めて聞く名前っすけど、何者なんすか?」
「知らん!」
 堂々と言い放つメリーに、船員達は総じてその場に崩れ落ちた。どうやらこのメリーさん、幹部の地位を出されただけでホイホイ乗っかり、詳しい話は全く聞いていなかったようだ。
 船員達の反応でようやく自身の失策に気付いた様子のメリーは顔を真っ赤にさせて虚勢を張る。
「ともかく! まずはこの近くに沈んでいるとかいう貿易船に向かおうと思う! どうやらその積み荷の中に高値で競り落とされたメガリスがあるらしいからな! ほら、お前ら全員持ち場に戻れさっさといくぞ!」

「グリードオーシャンは島から少し離れただけで大しけになることは皆様ご存知ですよね?」
 その頃、グリモアベースではルウ・アイゼルネ(滑り込む仲介役・f11945)が猟兵達を集めて話をしていた。
「その嵐に巻き込まれて沈んだ船の積荷を回収したい、ととある商会から依頼を受けておりまして……」
 その船の中には多くの食料品や芸術品が積まれていたそうだが、沈没の衝撃や浸水によってどれだけの物がダメになっているかは見当がつかない。
 だが全て海の藻屑にしてしまうよりも回収した方がまだ赤字が少ない、という判断が下ったらしい。
 しかし当然今もその付近の海は大荒れ。ひょっとしたら『ミイラ取りがミイラになる』というのも往々にして有り得る状況である。
「今回皆様には同行してくださる商会の冒険商人と協力して、大荒れの海に潜って沈没船の中身を回収していただきます」
 ちなみに潜るための道具などは全てその商会が用意してくれているという。それだけの装備があるにも関わらず、猟兵達の協力をわざわざ仰ぐのはコンキスタドールの影を警戒しているためだという。
 商会お抱えの冒険商人達は直接の戦闘でこそコンキスタドールに敵わないが、あらゆる危険を越えて財を得るお宝探しのプロだ。戦闘以外の面ではきっと助けになってくれるだろう。
「最近現地に潜伏していたとみられるレディ・オーシャンの動きも活発になっており、何らかの横槍が入る可能性は捨てきれません。皆様、警戒を怠ることなく今回の案件にあたってください」


平岡祐樹
 うちのメリーさんはシリアル枠です。お疲れ様です平岡祐樹です。

 今回は沈没船の中に眠る様々な積荷を回収しつつ、それを狙ってくるメリーさんをボコボコの返り討ちにすることが目標となります。

 今案件にはシナリオボーナス「冒険商人と協力する」がございます。
 これに基づく対抗策が指定されていると有利になることがありますのでご一考くださいませ。

 なお、今シナリオに参加したとしてもMSからアイテムが支給されることはございませんが、まつわる品を作ることは禁じておりません。その点を了承した上でのご参加よろしくお願いいたします。
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第1章 冒険 『沈没船の探索』

POW   :    沈没船の奥深く、船倉へと潜り込み、財宝や遺物がないか調べてみる

SPD   :    船長室を特定し、残された記録や痕跡から沈没当時の状況を推測する。

WIZ   :    船の周囲に取りついた貝や珊瑚から、どれくらい前に沈んだのか探る。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ニクロム・チタノ
うん大荒れの海は初めてだけどがんばるよ!
冒険商人のみんな今日はよろしくお願いします
ボクは反抗改人の姿で身体能力を強化して潜るよ
これが用意してもらった潜水道具です
別の世界じゃスキューバダイビングって言うんだよこれ
それじゃ行くよ反抗の竜チタノの加護と導きを



「冒険商人のみんな今日はよろしくお願いします」
 沈没場所に一番近いという島から出港した船の通路でニクロム・チタノ(反抗者・f32208)は同行する商人に礼儀正しく頭を下げていた。
「こちらこそ、よろしく頼むぜ。こちとら仕掛けを解くのは得意だが戦うのはダメダメだからな!」
 商人は豪快に笑いながらニクロムの小さな肩を叩く。今はこうやってのんびりと話せているが、あと数刻も経てば凄まじい嵐の真っ只中に突入することになるのだろう。
「この先にあるのが上に用意してもらった潜水道具だ」
 そう言って商人が開けた扉の中に置かれていたのは水が目に入らないようにするためのマスクや息継ぎ用のボンベ、少ない力でより遠くへ泳ぐためのフィンに体温の低下を防ぐためのウェットスーツなどといった他世界でも見覚えのある品々であった。
「……別の世界じゃスキューバダイビングって言うんだよこれ」
 波浪が生じている時は船が流されたり転覆したりする危険性がある上に、海底の砂や泥が巻き上げられることで視界が悪くなり、海上も海中も安全面の問題がありすぎる。それに対する装備としてはやや心配な見た目であった。
「でもわざわざこれを持ってきたってことは、たぶん大丈夫なんだろうな……きっと」
 自分に言い聞かせるように頷いたニクロムは振り返って商人に話しかけた。
「……いつまでそこにいるの。着替えられないじゃん」
「おっと、すまねぇ」
 商人は自分の頭を小突くと慌てて部屋から出て行く。扉が閉まったのを見てニクロムはスーツを持ち上げて裏表を見回した。
 それから数刻後、予想通り大荒れの天候に巻き込まれて大きく揺れる船の甲板に着替えたニクロムが現れる。
 その姿はよく見るスキューバダイビングに挑む観光客であったが、そこから発せられる威圧感は先程までの物とは段違いであった。
「おいおい、緊張しすぎじゃないか? もう少し」
 仮面を外したことで露わになった左目が商人の体を貫く。完全に相手を見誤り、肩を叩こうと手を挙げた体勢のまま固まった商人にニクロムはニッコリと笑いかけてから薄暗い海の中へ足を入れた。
「それじゃ行くよ反抗の竜チタノの加護と導きを」

成功 🔵​🔵​🔴​

鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
WIZ

うわぁ…これはかなり揺れが酷そうだ
俺、羅針盤戦争の際、こういう荒れた海域で戦った時に酔ったんだよな…
救急箱に酔い止めとかあっただろうか?(汗

潜水用の道具を冒険商人に借り受け装備
その上で飴を媒体に固有結界・黄昏の間を発動
水の疑似精霊を呼び出し、自身の水中での適性を底上げしておく
【水中機動】が上昇していれば海中での万一の際の反応速度も速くなる、かな?

冒険商人さんには海上にいてもらい、自分が海中から物資を回収し、引き上げは冒険商人さんにお任せする
ただ、有事の際には合図を送ってもらうように、胴体にロープでもつけておこうかな?何か合ったらそれを引っ張ってもらう、という感じで



「うわぁ……これはかなり揺れが酷そうだ」
 遠方の空を埋め尽くさんばかりの黒雲に鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)は思わず遠い目を浮かべていた。
 遡ること約半年前。グリードオーシャンとサムライエンパイアを繋ぐ道を巡る船上戦にて、ひりょは味方の攻撃の余波のせいで酷い目にあった。その二の舞になりそうな悪天候が目の前に広がっているとなれば、絶望もしたくなる。
「救急箱の中に酔い止めとかあったかな……」
 そう呟きながら自前の救急箱を漁るが、残念ながらその類はない。帰ったら補充することを心に決めつつ、まだ何とかなる内にひりょは薬をもらいに救護室へと向かった。
「酔い止めぇ?」
 そこで待ち受けていた船医は明らかに積んだばかりの荷物から錠剤を取り出す。
「いつもなら『吐いて慣れろ』で載せないんだがな。不慣れな奴が乗るかもしれないからってたんまり持ってこさせられたよ」
「あ、ありがとうございます……」
 見るからに不機嫌そうな船医に感謝を述べつつひりょは薬を飲み切ってから、用意された潜水道具を身につけた。
 そして波と揺れが大きくなり出した所で瓶から取り出した飴玉を指で空に弾いた。
『場よ変われ!』
 飴玉を媒介に発生した水の擬似精霊に自身の水中での適性を底上げしてもらっていると、後ろから商人のうちの1人が話しかけてきた。
「おい、酔い止め貰った奴! くれぐれもレギュレータの中に吐くんじゃねぇぞ! 後で洗うのがめん……詰まって息が吸えなくなるからな!」
 一瞬本音が見えたが、言ってることは正論である。ひりょは笑顔で頷き、底の見えない海へ飛び込んだ。
 波に流されながらも、胴体に巻かれたロープで大きく逸れることなくひりょは沈没船の元へ辿り着く。その側面には何かが激突したのか巨大な穴が空いており、それが致命傷になったことが容易に想像出来た。
 その穴から中へ侵入すると衝撃で割れたとみられる瓶や樽よりも無事な荷物の方が多く見つかった。
 それらに手持ちのロープを括り付けたひりょは穴の所まで引きずり、たどり着いたところで三度立て続けに引っ張り合図を出す。
 すると指示を受け取った商人達によってロープが巻き上げられ、積荷は海上へ勢いよく上がっていった。
「よし、この分なら酔う前に何とかなりそうだ……」
 波の影響を受けない船内に安堵しつつ、ひりょは次の荷物を求めて再び中へ向かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

舞莽・歳三(サポート)
真っ向勝負にならないように慎重に行動しよう。無駄な戦闘は避けていざとなれば逃げることも頭にいれておくのが基本的なスタイルだ
出来るだけ闇討ちでかたをつけたいところ。
卑怯で結構、勝ちゃいいんだよ!
(アドリブやその他全てお任せします!)



 転覆した船に残されているのは積荷だけではない。その船を操縦する者もまた乗っているのである。
 しかし彼らが全員脱出し、生還したという話は終ぞルウや商人達の口から出ることはなかった。
「やーっぱりいるよなぁ……」
 壁越しに奥を覗き込む舞莽・歳三(とし・f30567)の視線の先には巨大なサメの姿があった。
 だがあの程度の大きさではこの船にとんでもない大穴を開けることなど出来ない。おそらく沈んでから、自分達と同じ穴から潜入してきたのであろう。
 だから無理に突っ込んで討伐するようなことはしない。命綱を切られでもしない限りは無駄な戦闘を避け、いざとなれば逃げることも頭にいれておくことこそが歳三のスタンスであるからだ。
 静かにその場から離れ、おそらく寝室であったろう近くの部屋の中を探索していると先程のサメが我が物顔で外の通路を横切っていった。
「流石にビニールは美味しそうじゃねぇからなぁ」
 部屋から伸びる綱に一切興味を示さなかったサメを見送りつつ、歳三はサメが通せんぼしていた奥の部屋へと進む。
 そこには水を吸って白くふやけた水死体が天井に引っかかっていた。先程のサメを始めとする肉食の魚に襲われたのか、いくつかは浮く脂肪を失い、沈んでいた。
 もしこのような奥まった場所でなければ水の流れに攫われ、海の藻屑となってしまっていただろう。だが開けた場所であれば水に流されることで運良く生き延びれた可能性もあったはずだ。
 歳三は目を細めながら命綱を二度引っ張る。すると人一人ほどの大きさの箱が下されてきた。そこに内容物はない。なぜならその役目は遺体を守るための棺桶だからだ。
 歳三は形が崩れないように手はかけず、水死体に重力をかけて動かし、箱の中に収めて海上へと導いていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シフィル・エルドラド(サポート)
 ハイカラさんの勇者×国民的スタアの女の子です。
 普段の口調:明るい(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)
 嬉しい時の口調:ハイテンション(あたし、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

元気一杯で天真爛漫な性格をしていて、ポジティブな思考の持ち主。
困っている人や危機に陥っている人は放ってはおけず
積極的に助ける主義です。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


エリカ・グランドール(サポート)
 サイボーグのシャーマン×電脳魔術士のエリカ・グランドールです。
 戦闘はあまり得意ではありませんが、周囲の状況を観察して違和感のある箇所を発見したり、敵の弱点を推測して隙を作り出すといった行動で皆さんをサポートしたいです。

※セリフ例
「今、何か光りました。ここに何かあるのでは……」
「あの敵の動きには規則性があるわ。うまく狙う事が出来れば……」

 冷静沈着と言う程ではありませんが、ビックリする事はあまりありません。
 あと、笑いのツボが良くわかっておらず「今の、どこがおもしろかったのでしょうか?」と、真面目に聞き返す事もあるようです。

 ユーベルコードは、エレクトロレギオンを好んで使います。



 常に暗雲が空に立ち込め、荒れる海中に日の光は差し込まない。そうなれば船が沈む海底は暗闇に包まれているはずだった。
 しかし潜っている猟兵達が平然と作業を行えるのはシフィル・エルドラド(ハイカラさんの勇者・f32945)がいてこそであった。
「よいしょ……っと!」
 酒瓶が大量に入った箱を持ち上げるシフィルの姿を照らし出すかのように放たれる激しい後光は微かな光を集めるために目を発達させた魚にとっては毒であるが、普段から明るい場所で暮らす者達にとっては見慣れた、ありがたい物。
 さらにこの光はシフィルにとっては作業に没頭している間は外部からのあらゆる攻撃を遮断し、生命維持も不要となる鎧でもある。他の猟兵達が酸素の補充のために上がる一方で、シフィルは淡々と1人作業をし続けられていた。
 しかしいっぱい集めてくるは良いものの、引き上げが追いつかない。海上の商人達が一個持ち上げて下ろしてくる間に水中の猟兵達が3個も4個も持ってくるのだ、パンクするのは必然であった。
「うーん……ちょっと集めすぎちゃったかな。流され……はしないだろうけど一旦上がってお手伝いした方がいいかな」
「その心配はありません」
 命綱を掴んで思案するシフィルをエリカ・グランドール(サイボーグのシャーマン・f02103)が呼び止める。
「ここは私にお任せください」
 その言葉とほぼ同時にエリカの後ろに大量に現れた機械兵器達が荷物を持ち上げ、浮上し出した。
「うっわー、圧巻だね!」
 波にも負けず、風にも負けず、船にまでたどり着いた機械は船員の手を煩わせることなく一体で船底にある倉庫にまで積み荷を運び入れると跡形も残さず消滅した。
 しかしその時には機械兵器達はエリカの元に現れている。商人達の手を借りるよりも速い手際にシフィルは思わず拍手をしてしまった。
「これだけの荷物。放置してしまえばたしかに多大な赤字となってしまったでしょうね」
「そうだね、見てるだけでもみんな高そうだもん。運んでる手が重さ以外のプレッシャーでプルプル震えちゃったよー」
「しかしこれだけの積荷を運ぶならそれ相応の設備や人員を乗せていたはず。なのになぜ、この船は沈んでしまったのでしょう……」
「……エリカさん?」
「あっ、失礼しました。ここは私に任せて、シフィルさんはまた荷物を取りに行ってきてください。見せてもらったリストによるとまだ3分の1残っているはずですから」
「う、うん」
 先程の独り言が気になりつつも、シフィルは言われた通りに船の奥へ戻った。
 再び1人になったエリカは船体に開いた大きな穴に焦点を絞り出す。すると超高度コンピューターを内臓したゴーグルによって金属で形成された壁の計測結果が返ってきた。
 壁は砲弾などで溶かされたり撃ち抜かれりしたのではなく、何かに齧られて壊されていた。
「……この金属を噛み砕ける生物、またはコンキスタドールがまだ存在するということですか」
 七大海嘯をほぼ壊滅させたとはいえ、唯一逃げ延びて所在が不明となっているザンギャバスに、生存が判明した上にこちらも行方知れずなレディ・オーシャン、とこの世界にはまだ不穏な要素が数多く残されている。
 そこへ積み重なり兼ねない生物の存在に、それの残した痕跡である、ノコギリ状に削り取られた断面図に触れながらエリカは眉間に皺を寄せるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『メリー・バーミリオン』

POW   :    野郎共、仕事の時間だ!
レベル×1体の【海賊船団員】を召喚する。[海賊船団員]は【したっぱ】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD   :    お宝発見アイ〜伝説の海賊を添えて〜
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【大海賊の霊】が出現してそれを180秒封じる。
WIZ   :    大逆転! 元の木阿弥大津波
自身の【サーベル】から、戦場の仲間が受けた【屈辱の数】に比例した威力と攻撃範囲の【津波】を放つ。

イラスト:和狸56

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は十六夜・巴です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「げっ、あの船……まさか先を越されたか!?」
 猟兵と商人達による作業が終わりを迎えた頃、遠方から一隻の船が迫ってくる。
「親分、どうしましょう!」
「どうもこうも無いよ、私達は海賊! 欲しい物を持っている相手が交渉出来ない相手なら、力尽くで奪い取るのみ! 者共かかれー!」
「がってんしょーち!」
 メリーからの勇ましいかけ声と共にドリフトしてきた海賊船は商船に強引に詰め寄る。
 衝突しかねないほどに接近した距離から大量の海賊達が商船に乗り込んでくる。そしてその後に続いて満を辞して、猟書家の座を手に入れた緋色のメリーは猟兵達の前に再び現れるのであった。
鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
WIZ

メリーか!羅針盤戦争以来の交戦になるな…
商人の皆さんはやらせない!無論、今回の物資だって奪わせないぞ!

メリーの津波に対抗する為、前方に津波を遮る防波堤の様に結界を【結界術】で張り巡らせる
商人さん達には船をその結界の範囲内に維持してもらって津波被害を軽減してもらうよう尽力してもらおう

海賊の手下及びメリーは俺が!
UC【絶対死守の誓い】を発動し闇の波動で敵を迎撃
闇の波動を喰らった敵を海へ【吹き飛ばし】、少しでも雑魚の数を減らそう
メリーにもダメージを与えつつ、更に精霊の護符を【乱れ撃ち】で放ち、攻撃
護符には風の疑似精霊の力を付与し、鎌鼬による【属性攻撃】でメリーを切り刻む!



「メリーか!」
 羅針盤戦争以来の邂逅に、ひりょは思わず声を上げる。その声がした方に顔を向けたメリーの得意げな表情は一転して憤怒に染まり出した。
「お前……ここであったが百年目! 上着を被せて紳士アピールをしたかと思えば、目を光で潰したりびしょ濡れにして濡れスケにしたり……あの屈辱、忘れてないわよ!」
「いやそんなつもりでやったんじゃない!」
 やったのは事実だが、完全なる八つ当たりを食らったひりょは慌てて否定する。しかし怒りで頭がいっぱいのメリーにその訴えは届かない。
「私はあの時学んだんだ、猟兵の賞金額なんて飾り。どいつもこいつも化け物揃いだってね! だからデッドオンリーの全力全開でいかせてもらうわ! 『大逆転! 元の木阿弥大津波』ー!」
 そう言ってメリーがサーベルを天に翳すと彼方から何十隻も飲み込めそうなほどの津波が押し寄せてきた。
「商人の皆さんはやらせない! 無論、今回の物資だって奪わせないぞ!」
 顔を強張らせながらひりょは護符を空にばら撒き、結界を生成する。津波がそれに激突すると凄まじい水飛沫が外の景色を塞いだ。
「操舵手さん! 結界の範囲からこの船を出さないでください!」
「言われなくとも分かってる! 俺らだって海の藻屑はごめんだ!」
 飛沫はかかってこなくとも結界が受けた衝撃は伝わり、隣接する船を大きく揺らす。その中でひりょは津波が起こした揺れで体勢を崩した海賊の姿を見逃さなかった。
『光と闇の疑似精霊、力を貸してくれ!』
 間髪入れずにひりょの体から放たれた闇の波動が両脚をしっかりつけてなかった海賊を吹き飛ばす。船縁に引っかかれなかった者はそのまま荒れ狂う海に落ち、海水に飲まれてそのまま上がってこなかった。
「お前、よくも!」
「親分の攻撃に動揺したあいつらが悪いんじゃないか!?」
 怒りの声をあげるメリーに向け、体勢を崩してなかった同胞はピンピンしてるじゃないか、と言外に主張しつつひりょは護符に風の疑似精霊の力を付与する。
 そして回りながら投げつけると護符は鎌鼬となって、近寄ろうとする海賊やメリーの服を切り刻んでいった。
「ぐっ……また私の下着をみたいのかこのエロ小僧!」
「だから違うんだってー!」
 経緯を何一つ知らない商人達からの無言の圧を背中に感じつつ、ひりょは闇の波動を受けて動きの鈍った海賊の腹を蹴飛ばした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニクロム・チタノ
せっかく作業が終わったのになんて空気の読めないヤツなんだ許さないよ!
乗り込んで来てくれてありがとう、おかげでやっつけに行く手間が省けたよ
反抗の加護あり
なんせキミ達が乗り込んで来たところはボクの重力領域だからね
動けないしたっぱは無視して猟書家をやっつけるよ
体を護りの蒼焔で覆ってさあ切れるものなら切ってみなよ、手を火傷しても知らないよ?
相手が戸惑っている隙に反抗の雷装を撃ち込ませてもらうね!
無法者には反抗の鉄槌を



 羅針盤戦争では対峙してないニクロムに、メリーは「毎回毎回お宝やら何やらを見つけた所で横取りを仕掛けてくる面倒くさい女海賊」という印象しかない。
 だからこそ全ての沈没した積荷を引き上げ終え、あとはのんびり揺られるだけだと思って腰掛けていたニクロムは眉間に皺を寄せてメリー達を睨みつけるに至っていた。
「せっかく作業が終わったのに……なんて空気の読めないヤツなんだ許さないよ!」
「さっきからうっせえぞクソガキ!」
 そう言ってカトラスを振りかぶった海賊の顎をニクロムの小さな拳が的確に捉え、宙に浮かす。
「……まあ、もう手遅れかもしれないけどさ」
 音を立てて落ちた海賊に見向きもせず、気怠そうにニクロムはゴーグルを外して頭を振り、仮面をつける。すると仮面に開いた穴から赤い炎が灯った。
「なんせキミ達が乗り込んで来たところはボクの重力領域だからね」
 その言葉と共に急激にかかった圧に海賊達が甲板の上で押し潰される。長であるメリーはサーベルを杖代わりにして耐え抜き、本性を見せたニクロムに向かって叫んだ。
「その仮面、あんた、重力使いの……!」
「ああ、そういや素顔を見せたのは初めてだったっけ。でもゴーグルで目が隠れてたってちゃんと見てれば気づけたと思うけど……残念だったね、二度も同じ手に引っ掛かるなんて」
 挑発にメリーは歯を食いしばって悔しがるだけで反論出来ない。相手が何も出来ないことが分かっているニクロムはさらに口撃を重ねていく。
「あのクマさんの島でしっかりトドメをさせたと思ってたんだけどな。逃げ足だけは一級品なのかな? でも乗り込んで来てくれてありがとう、おかげでやっつけに行く手間が省けたよ」
 蒼い焔をまといながら、ニクロムはゆっくりと近づく。過酷な状況でも怒りで奮起した海賊達はその脚を止めさせようと足掻くが、手も刃も等しく焼かれ、引っ込められる。
「さあ切れるものなら切ってみなよ、手を火傷しても知らないよ?」
 海賊達を煽りつつ脚を止めたニクロムは、背が高いが重力に耐えるためにニクロムの顔の位置まで体を屈ませたメリーを真正面から見据える。
「『反抗の加護あり』。無法者には反抗の鉄槌を」
 そう言って手を空へ伸ばせば黒雲から空気を震わす音が響いてくる。
「今度は逃がさない」
 そしてその源はメリーの体を狙いすましたかのように貫いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

火土金水・明
「そう簡単にあなた達に引き上げた物を渡す訳にはいきません。」(冒険商人さん達を【かばう】ように、メリー達の前に立ち塞がります。)
【POW】で攻撃です。
攻撃は、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【銀色の一撃】を【範囲攻撃】にして、『メリー・バーミリオン』と召喚された者達を纏めて攻撃します。相手の攻撃には【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。



「くそっ、メリーさんが危ないぞ!」
「お前ら、少しぐらい壊れても構わねぇ! 撃って撃って相手の注意を逸らせ!」
 距離を取られないよう、船に残っていた海賊達が親分の危機に口々に叫びながら砲弾を装填する。
 そして凄まじい轟音と共に次々と放たれたそれらは弧を描き、商船の壁や甲板を穴だらけにするかに見えた。
「許しませんよ」
 しかし砲弾は触れる前に空中でみじん切りにされて失速し、津波に飲まれて海の藻屑となった。
「そう簡単にあなた達に商人さん達を傷つけさせたり、引き上げた物を渡す訳にはいきませんから」
 商人達をかばうように、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)が着地する。
「き、火土金水……」
「おや、あの雷を喰らっていてもまだ口が利けるのですか。流石の頑丈さですね」
 普通の人間なら致命傷を通り越して即死しかねない一撃を喰らったにも関わらず、ふらつきながらも未だに2本の足で立てているメリーに目を丸くしつつ、明は銀色の剣の切先を向ける。
「無法者には『一筋の一撃を』」
 そう呟いた次の瞬間には、明はメリー達の背を取っていた。直後、海賊達の体に切り傷が生まれ、そこから血が勢いよく噴き出す。
 相手が体勢を崩していればより致命的な箇所に命中する剣筋は、強い重力によって這わされていた海賊達との相性が抜群すぎたのだ。
「だーもう、あいつら簡単にやられやがって! もう我慢ならねぇ俺も行ってくる!」
「よせ、何のあれもなく行ったらお前も同じ目にあうだけだぞ!」
「だからといってメリーさんを守らねぇわけにはいかねぇだろうが!」
 仲間達が次々とやられていく様に、海賊船の方から焦りから不和が生じ始める。次は逆に攻め込みにいこうか、と思案していると息も絶え絶えな声がかけられた。
「ま、待ちなさい……!」
 振り返れば両手でサーベルの柄を握りしめて構え、こちらを睨みつけるメリーの姿があった。
「割と深めに入ったと思っていたのですが、火事場の何とやらですかね。これ以上酷い目に遭いたくなければ、体が動くうちに撤退された方がよろしいかと」
 余裕綽々な態度を取る明の姿に癪が触ったメリーは瀕死の体をおして叫ぶ。
「うっさい! 私はね、この船に担ぎ込まれたメガリスを持ち帰らず、逃げ帰るわけには、いかないのよ!」
「そうですか。では次の方、よろしくお願いします」
 そう言って明はメリーが視界から外した場所にいる者にトドメを託した。

成功 🔵​🔵​🔴​

山理・多貫(サポート)
「おな、か空きました、ね…。」

つねに飢餓と吸血欲と戦っている吸血鬼です。
食べ物(吸血)をもとめて様々な場所・世界にぷらりと立ち寄ります。
行動指針は倫理破綻系(なれど自分では常識人だと思っています)
食欲を優先して行動しがち。
いろいろ言い訳を作って食べてしまいがち。
若い子を襲いがち。

NGは修復不能Lvでのマントの損傷描写
他はなんでもOKです。グロエロも〇、引き立て役も〇

無表情系 
台詞では変なところで詰まる感じで「、」が入ります。


シフィル・エルドラド(サポート)
 ハイカラさんの勇者×国民的スタアの女の子です。
 普段の口調:明るい(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)
 嬉しい時の口調:ハイテンション(あたし、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

元気一杯で天真爛漫な性格をしていて、ポジティブな思考の持ち主。
困っている人や危機に陥っている人は放ってはおけず
積極的に助ける主義です。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「はいはい、任されました!」
 シフェルの元気の良い返事に反応し、振り返ったメリーは振り下ろされた剣をサーベルの腹で受け止める。
 それからしばらく刃を何度も振るったシフェルであったが、メリーの防御はなかなか破れない。
 だが攻撃に転じることも出来ず、受けっ放しになっている船長の姿に討ち入らなかったことで重力の影響から逃れられていた船員のフラストレーションは限界にまで達していた。
「くうっ……もう我慢ならねぇ! 俺はいくぞ!」
 新たに突っ込んできた海賊達の行く手を遮るように1人の少女が不意にフラフラと横切ってきた。
『…………ダメ……』
 船酔いをしたのか、寝起きなのかも分からない無気力にも見えるその姿に先頭を行く海賊は怒鳴りながら斬りかかった。
「退きやがれ小娘!」
「あ、あさご、はん……」
 しかし少女は緩慢なステップのままその一撃をまるで枯れ葉のように避けると、露わになっている海賊の首元に噛みついて勢い良く吸い出した。
「あ、ああ、ああっ!?」
 剣を手からこぼし、全身を震わせながら叫ぶ同胞の姿に後ろに続いていた海賊達の出足が鈍る。
「おいし、くない。ドロドロ、でし、た。もっと、やさいと、かたべて」
 不満そうに少女———山理・多貫(吸血猟兵・f02329)が口を離すと海賊はその場で崩れ落ちる。だがまだ息は微かに残っていた。
 多貫は他の海賊達に目を向け、首を傾げる。
「あな、た達は、美味しい?」
 まるで品定めをするような視線に海賊達は震え上がって後退っていく。
「……わすれ、もの。もっと、おいし、くなって、でなおして」
 どうせ似たような食事を取っているんだろうな、と思っていた多貫は足元で痙攣する海賊の首根っこを掴むと逃げ出した海賊達に投げつけた。
 そんなやり取りが交わされている一方で、このままでは埒があかないと判断したのか、シフェルはおもむろに距離を取り直した。
「はっ、こんなボロボロの私に一太刀も当てられないなんて、この間みたいに後ろで歌ってるのがアンタにはお似合いのようね!」
 防ぎ切った、と息を切らしながらも勝ち誇るメリーをシフェルは鼻で笑う。
「それはどうかな?」
 するとシフェルの剣を受け続けていたサーベルに紋様となるように刻まれた傷に反応し、大量の剣が空中に顕現した。
「『この間』みたいに一発で斬り伏せたらつまらないからね。二度と他人を困らせないように今度は徹底的にやらせてもらうよ」
 息を呑むメリーに向け、言われたことを強調しながら言い返したシフェルは見せつけるように、自分の持つ剣の切先を向けた。
『私の剣からは、逃れられないよ!』
「もっ、木阿弥大津波!」
 全て流し去ろうとメリーはサーベルを掲げて津波を引き起こすが、波を切り裂くように突き進んだ剣は、まるで避雷針に集まる電気のようにサーベルに殺到する。
 度重なる衝撃に耐え切れなくなったメリーの手からサーベルが飛ぶ。攻撃手段を失ってたじろぐメリーに向けてシフェルは勇ましく吠えた。
「さあ、次はメリーさんあなたがああなる番だよ!」
「ぐ、ぐぐぐ……!」
 地面に落ちる前に八つ裂きにされ、元の形を失った愛刀の末路を見せつけられたメリーは歯を食いしばると背を向け、自分の船へと跳び戻る。
 するともう動けないであろう仲間の救出を諦めたのか、メリーの船は勢い良く商船から離れ出した。
「猟兵め、覚えていろー!」
「何度かかってこようと同じことだと思うけどねー!」
 最後に振り返り直し、捨て台詞を吐いたメリーへシフェルは勝ち誇るかのような笑顔で手を振り、見送るのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​


 こうして沈没船の積荷や船員の遺体は全て無事に商会へと届けられた。
 一先ず何を狙っていたかは分からないが、メリーの企みを阻止できたことと併せて猟兵達は安堵しながら帰路につくのであった。
 だが彼女の首を取れなかったこと、その目的、そして船を沈めた存在など、懸念材料はまだまだ残っている。
 七大海嘯が壊滅してもなお荒れ狂う海が、猟兵達を優しく受け止める日はまだ遠い。

最終結果:成功

完成日:2021年07月12日


挿絵イラスト