3
【猟書家】林檎を巡るあれやそれ

#アリスラビリンス #猟書家の侵攻 #不和の魔女 #愉快な仲間 #猟書家

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アリスラビリンス
🔒
#猟書家の侵攻
🔒
#不和の魔女
🔒
#愉快な仲間
🔒
#猟書家


0




●始まりは一本の木から
 ティーポットやティーカップの姿をした愉快な仲間達が今日も仲良く暮らす世界。紅茶の華やかな香りに包まれて誰も彼もが幸せに過ごしている。
「この世界も平和そのもの。誰も恨まず、妬まず、愛し続けることができるのかしら?」
 街を一望できる丘で黒衣の女性、不和の魔女が金色に輝く林檎を手に不敵に笑った。彼女の目的は不和を呼び、愉快な仲間達を翻弄すること。
 彼女は丘から姿を消し、街に程近い場所に新たな森が出現した。
 その森になる金色の果実を求めて街に住む愉快な仲間達は我先にと手を伸ばす。
 親愛も友愛も関係なく傷つけ合う、自らが金色の果実を手に入れるために。
「誰もこの林檎から逃れることはできないわ」
 どこかで不和の魔女が笑っている。醜く争う愉快な仲間達の姿をみながら。

●不和を打ち砕くために
「黄金の林檎って言われたら、有名な神話を思い出す子もいるわよね? ってわけでお仕事よ」
 愉快そうな笑みを浮かべて安海・藤子(ダンピールの死霊術士・f02909)は声をかける。今回はやることがいろいろあるため、厄介な依頼ともいえるだろう。
「猟書家がアリスラビリンスでいろいろ暗躍してるってのはみんな知ってるだろうけど、今回は不和の魔女ってやつが愉快な仲間達を争わせてるわ。それを止めて、魔女を倒してほしいの」
 彼の魔女が持ち込んだ林檎から生えてきた不和の森を伐採するか、愉快な仲間達を説得して伐採の手伝いをしてもらわないといけない。彼らの国を不和の森が覆ってしまえば住民達が争い続ける国へと変わってしまうだろう。
「アリスラビリンスで暗躍する張本人の狙い通り、超弩級の闘争の引き金になるわ。それだけは止めないといけない。やってくれるわね?」
 グリモアを起動させ、藤子は笑って周囲を見回した。やるべきことは多いが、一つずつ暗躍の芽を摘み取っていくことでアリスラビリンスに平和は訪れる。
「それじゃ、みんな、頑張ってきてちょうだいね」


紫雨
猟書家シナリオ、今回はアリスラビリンスとなります。紫雨です。
不和の林檎というと某神話を思い出す方もいらっしゃるかと思います。有名な部類ですからね。
今回のプレイングボーナスは以下の通りとなります。
全力で書かせて頂きます。皆様のステキなプレイングをお待ちしております!

プレイングボーナス(全章共通)……愉快な仲間達を正気に戻す、共に森の拡大を食い止める。
35




第1章 冒険 『不和の森を伐採せよ』

POW   :    POWのユーベルコードで伐採する/愉快な仲間達の争いを情熱で止める

SPD   :    SPDのユーベルコードで伐採する/愉快な仲間達を不和の林檎から遠ざける

WIZ   :    WIZのユーベルコードで伐採する/争い合う愉快な仲間達を魔法等で落ち着かせる

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ティエル・ティエリエル
わわわっ、みんな喧嘩はダメだよ!

キラキラキラっと愉快な仲間達の頭上を飛び回って【小さな妖精の輪舞】で妖精の粉を捲いてみんなを治療するよ!

みんなが正気に戻ったら、はいはいはーい! みんな、ボクにちゅーもく!
「存在感」たっぷりな呼びかけで注目を集めて不和の森のせいでみんながおかしくなっちゃってたことをさっと説明するね!
それじゃあ、みんなで力を合わせて急いで不和の森を伐採しちゃうぞ☆ ボクにつづけー♪

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



「あれは俺のだ」
「いや、僕のだよ! 邪魔しないで!」
 愉快な仲間達が住む街の一角では取っ組み合いの大喧嘩が起きていた。誰もかれもが金の林檎を欲しがりいがみ合っている。
「わわわっ、みんな喧嘩はダメだよ!」
 喧嘩している彼らの頭上をくるくる回っているのはティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)だ。彼女の鱗粉が彼らに振りかけられている。すると、喧嘩していた彼らの動きが止まった。
「あれ? どうしてこんなこと……」
「なんでだっけ? なんかあったような」
「みんなが喧嘩してた理由、説明するよ。それはね、不和の森っていうのができたからなんだ」
 それぞれが口々に不思議だと首をかしげているとティエルが堂々とした声で説明を始める。誰もが注目する存在感を持つ彼女の声に誰もが耳を傾けた。
「相手の思惑通りにはさせたくない。だから、みんなに手伝ってほしいんだ」
「そうだったのか……俺たちを正気に戻してくれてありがとうな」
「そうなったらこの国が亡びるって、絶対にさせたくない!」
 住民達が説明を聞き、今の状況が大変なことを自覚する。止めてくれた礼をいう者もいればこうしちゃいられないと行動を起こそうとするものも。
「それじゃあ、みんなで力を合わせて急いで不和の森を伐採しちゃうぞ☆ ボクにつづけー♪」
「「おー!!」」
 可憐な声に野太い声が重なって、彼女達は不和の森へと向かっていく。やるべきは森を解体する伐採だ。少しでも浸食を減らすために、大好きな街を守るために。
 可憐なお姫様と一緒に彼らは行動を起こした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラファエラ・エヴァンジェリスタ
不和の林檎、
この林檎を最も美しい女神に…であったか?
であればそれは私のモノだ
…それは、さておいて

UCを使用
我が声を聞き、姿を仰ぐことを許す
愛馬Tenebrarumに騎乗して、争う愉快な仲間たちの傍を征く
「耳に障る。正気に返れ。その見苦しい喧嘩をやめよ」
静かに威圧し、馬上から彼らを見下ろして命じる
「さて、斯様な林檎ごときの為にああも争う異様さに気づけ」
「気づくのであれば、この森の存在を許してはならぬことくらいはわかるだろう?」
必要であれば悪のカリスマと誘惑も遺憾なく発揮しつつ、丁寧に言って聞かせる

「今からこの森を伐採するよ。この国の為だ。故に、どうか貴公らの力を貸しておくれ」



「不和の林檎、この林檎を最も美しい女神に……であったか? であればそれは私のモノだ」
 愛馬の背に乗ってラファエラ・エヴァンジェリスタ(貴腐の薔薇・f32871)は一人呟く。美しい者に贈られたという林檎、それと同じ物であれば美しい者である彼女の手にあるのは道理とも言えた。
「それは、さておいて……拝謁を許す。面を上げよ」
 戯れによる思考を切り替え、彼女の眼前で争う愉快な仲間達を睥睨する。その言葉にようやっと喧嘩をしている彼らは気付いたようだ。
「耳に障る。正気に返れ。その見苦しい喧嘩をやめよ」
 それぞれが目を見開き、美しきラファエラの姿を映した。高貴な存在の前で争い続けることは不敬。ならば、争いをやめ、彼女に傅くことが彼らに今できる誠意だろう。
「も、申し訳ありません……美しい人」
「さて、斯様な林檎ごときの為にああも争う異様さに気づけ」
 溜息と共に傅いた彼らに彼女は告げる。常とは違う物があるならばそれが原因だと考えつくこともできるだろうに、と。
「言われてみたら……でも、なんで喧嘩してたんだろう」
「あの林檎って実はヤバい代物なのかよ。何とかしないと」
 こそこそと話をする彼らを見下ろす彼女の表情はヴェールによって伺うことができない。
「気づくのであれば、この森の存在を許してはならぬことくらいはわかるだろう?」
「は、はい。その通りです」
 誰もが彼女の言葉に首を縦に振る。自分達の街を守るためにもやらねばならない事が明確になった。
「今からこの森を伐採するよ。この国の為だ。故に、どうか貴公らの力を貸しておくれ」
「「もちろんです!」」
 誰もが斧や鉈を手に森へと向かっていく。目を覚まさせてくれた令嬢のため、愛する街のために、一心に木を切り倒す。少しずつだが、森の浸食速度が遅くなってきたようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

斑鳩・椿
WIZ
アドリブ、絡み等可

金色の林檎は気になるけれど…他人から与えられるものに魅力ってあるのかしら?

なるべく声が響くよう【地形の利用】を意識して、森の中から適切な場所を探します。誰かと目が合えば、【誘惑】するように手招きしてしまおうかしら。そして一気に【いと短し砂上の揺藍歌】で眠らせてしまいましょう。
意識を奪うことが出来なくても、足を止めることはできるかもしれないわ。



 不和の林檎が成る森、音の反響を確認しながら歩く女性が一人。
「金色の林檎は気になるけれど……他人から与えられるものに魅力ってあるのかしら?」
 不思議そうに零す斑鳩・椿(徒花の鮮やかさ・f21417)はちょうどいい場所を見つけ、辺りを見回した。少し遠くからは活気ある声が聞こえてくるが、争っている様子はない。
「森を切り開いてるのかしら? なら、そうじゃない人を引き留めればいいわね」
 確認するように頷いていると彼女の視界にふらふらと何かを求めて歩く愉快な仲間の姿。焦点の合っていない瞳で奥へ奥へと向かう様は異常である。
「ねぇ、何を探しているの?」
「僕だけの林檎。林檎を君も奪うのか」
 椿が声をかけると彼は唐突に彼女へと敵意を向けた。不和の林檎の影響力の強さがうかがえるだろう。だが、椿は動じずに静かに歌を口ずさむ。
「花も草も等しく砂の上で眠りなさい、刃を握ったおそろしいものが近付こうとも」
「うばわ……」
 彼女の歌が聞こえた瞬間、体当たりしようとした愉快な仲間が前に倒れこんだ。安らかな寝息が聞こえてくる。どうやら眠ったらしい。
「声をかけたただけで敵意を向けてくるのね。この森は危ないにもほどがあるわ」
 眠っている愉快な仲間を木の陰に運び、溜息を一つ。まだ、他にも森を彷徨っている者がいるかもしれない、一人でも多く助けようと奥へ進んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『不和の魔女』

POW   :    とても美味しい林檎の迷宮
戦場全体に、【心惑わす林檎の森】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
SPD   :    其の感情を、其は喰らう
【怒り】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【ねじれた魔樹】から、高命中力の【毒の林檎】を飛ばす。
WIZ   :    汝、新たなる苗床
攻撃が命中した対象に【不安を宿す木の芽】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【生命を啜りながら成長する樹木】による追加攻撃を与え続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠黒蛇・宵蔭です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

斑鳩・椿
WIZ
アドリブ、絡み等可

あの林檎は苗床にされた人間から育つのね…ぞっとしないお伽噺だわ
…バットエンドのお伽噺はここで絶たなきゃ

正面から戦うことは避け、森の【地形の利用】を意識して木々に身を隠しながら、耳と尾で気配を探って【見切り】【ジャンプ】【第六感】で攻撃を受けないように回避。
近くの愉快な仲間達や猟兵に攻撃が当たらないよう薙刀を広く【なぎ払い】、時には【かばう】などしながら援護に回る。
不安を宿す木の芽を受けた仲間には【鼓舞】。
「誇りなさい、ここに立っていることを。転がるばかりの林檎には出来ないことよ。そしてあなたはひとりじゃないの」
面の攻撃にはフォックスファイアを。
「まとめて燃えなさい!」



「あら、私の森に手荒い事をしているのかしら? 無駄な事なのに」
「あ……ぁ……」
 うめき声をあげる愉快な仲間に声をかけている黒衣の女性、『不和の魔女』が林檎を手の中で弄びながら笑っている。愉快な仲間の姿が徐々に林檎の木に飲み込まれていくのだ。
「あの林檎は苗床にされた人間から育つのね……ぞっとしないお伽噺だわ」
 警戒しながら森を探していた斑鳩・椿(徒花の鮮やかさ・f21417)は幹の影から顔を顰め、薙刀を構える。決意を込めた瞳でもって不和の魔女を睨みつけた。
「……バットエンドのお伽噺はここで絶たなきゃ。そこまでよ!」
 この場の地形を瞬時に確認してから飛び出す。取り込まれている愉快な仲間を庇うように彼女へ薙刀を振り下ろすと、魔女は後ろへと飛び下がった。
「あら、こんなところまで猟犬が来ていたなんて……まぁ、いいわ。貴女も林檎の養分となりなさい」
 悪意のこもった微笑を浮かべ、林檎の形をした魔法弾が放たれる。背後にいる愉快な仲間を護るように椿は薙刀を構え直した。
「誇りなさい、ここに立っていることを。転がるばかりの林檎には出来ないことよ。そしてあなたはひとりじゃないの」
「あんたは……」
「私もいる。ここで朽ちさせはしない」
「そんなこと、出来るのかしら? 貴女に」
 邪悪に笑う魔女は再び魔法弾を放つ。すべてを飲み込むような量の弾幕。
「できるわ。まとめて燃えなさい!」
 椿の声に応じて数多の狐火が二人を護るように現れる。それらは一つの巨大な狐火となり、弾幕ごと不和の魔女を押し返した。
 森の一角で火柱が上がり、燃える嫌な臭いに甘い匂いが混ざって漂っている。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル
愉快な仲間達と不和の森を伐採して浸食を食い止めたら、ボクは黒幕を探すぞ☆

森の中を飛び回って不和の魔女を発見だ!
お前だなー、みんなの仲を悪くして喧嘩させたのは!ボク怒ったぞー!

怒りの感情に反応して飛んでくる毒林檎は風の「オーラ防御」で弾き飛ばしちゃうよ!
ふふーん、そんな林檎なんて食べないもんねー!

そのまま不和の魔女の周りと飛び回ってヒット&アウェイでレイピアのチクチク攻撃だ!
【スカイステッパー】でのフェイントも交えて最後は片目をレイピアでぐさっといっちゃうね☆

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



「みんなに任されたのもあるけど、ボクは怒ってるんだ!」
 楽しく仲良く暮らしている愉快な仲間達を仲違いさせた黒幕に怒りを抱きながら、飛んでいるのはティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)だ。先ほど遠目に見えた火柱を目標に森の奥へと向かっている。
「酷いわね。私の林檎も燃えてしまったわ」
「見えた、お前だなー! みんなの仲を悪くして喧嘩させたのは!」
 ところどころ黒衣が焦げ、煤けている不和の魔女を見つけた。純白のレイピアを構え、ティエルは宙を駆ける。近づく彼女の声が聞こえたらしく、不和の魔女は咄嗟に杖をかざした。現れたのはねじれた魔樹、その枝には毒々しい色合いの林檎がたわわに実っている。
「あら、新しい猟犬はとっても小さいのね。私の林檎に潰されてしまいなさい」
「そんな林檎、食べないもんね!」
 魔女の声に応じて魔樹は枝をしならせた。大振りな林檎がティエル目掛けていくつも投げ飛ばされる。自らの羽と宙を蹴ったり、身に纏う風のオーラによって迫る林檎を躱していた。
「羽虫みたい、鬱陶しいわ」
 飛び回るティエルを嫌悪感を露わにし、睨みつける。命中の補助を行うもなかなか当たらない。その隙にティエルは魔女の間合い内へと入り込んでいた。
「ボクはここだよ! これはみんなの怒りだ!」
 急上昇を行い、魔女の頭上に飛んだティエル。彼女の声を頼りに上を向いた魔女は逆光に目がくらむ。その隙にティエルはレイピアに全体重をかけた急降下を行った。狙うは魔女の右目。
「っ!?」
 声なき悲鳴が盛りに木霊した。右目を押さえ、ふらつく魔女は更に奥へと姿を消す。負った傷を癒すためにも撤退を選んだ。
「絶対に逃がすもんか!」
 その背に向かって叫ぶ声が森の中に響く。猟兵達は確実に不和の魔女を追い詰めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラファエラ・エヴァンジェリスタ
なるほど、貴公が元凶か
林檎などひとつ食せば飽きるのに…こんなにも要らぬ

愛馬に騎乗し、UC使用
騎士も愛馬もこの身をかばう
ゆえに彼らに仇をなすならば不安を宿す樹木は捨て置けぬ
オーラ防御で極力防ぎたいが
叶わぬならば生命力をあの魔女より奪い返して五分に持ち込むしかあるまい
「茨の抱擁」を魔女に差し向けて、生命力吸収と吸血を

属性攻撃で騎士の剣に、愛馬の蹄に、炎を纏わせ
もしも辺りに残る林檎の木があるならば魔女への攻撃ついでに焼き尽くさせる

自身は「黒孔雀」を広げて扇ぎ、馬上で高みの見物を
「我が騎士よ。その女に限っては騎士道精神など要らぬ」
蹂躙し、踏みつけにして構わない
扇に口元の笑みを隠して、騎士に命じる



 暗く鬱蒼とした森の中、右目を押さえた不和の魔女は木にもたれかかった。傷を癒そうとしている彼女に蹄の音が近づく。
「なるほど、貴公が元凶か。林檎などひとつ食せば飽きるのに……こんなにも要らぬ

 愛馬に腰かけたラファエラ・エヴァンジェリスタ(貴腐の薔薇・f32871)は洋扇を広げ口元を隠した。声音に滲むのは呆れの響き、眼差しも凍えるほど冷たい。
「それは貴女へではないわ。あの愉快な者達を争わせるための物よ」
「尚、不愉快だ。我が騎士よ」
 深手を負っていようとも己が目的を達するためと邪悪に魔女は笑う。その姿にラファエラは柳眉を顰めた。彼女は自らを護る騎士を呼ぶと鋭利な言葉にて沙汰を下す。
 現れたのは白銀の甲冑を纏い、白馬に騎乗した騎士の姿。ラファエラを護るよう魔女へと駆けてゆく。彼女は護られるだけではない、静かに確実に騎士を手助けする一手を講じた。
「貴女はお飾りなのかしら? まとめて新たな樹木にしてあげる」
「その程度の挑発、意味などない。我が茨よ、吸い尽くせ」
 不和の魔女が杖を振るい、反撃しようとした瞬間、彼女の足元から黒き茨が現れる。愛する人と行う抱擁のように茨が彼女の四肢を捉えた。茨を振りほどかねば動くことは難しいだろう。
「これは、おのれ!」
「我が騎士よ。その女に限っては騎士道精神など要らぬ、蹂躙せよ」
 主の言葉に従い、騎士は赤く輝く剣を上段から振り下ろした。魔女が地に倒れ、その体躯は白馬に踏みつけられる。火属性を与えられた彼らの攻撃によりこの場に漂うのは血肉の焼ける嫌な臭いのみ。
「ついでだ、我が騎士よ、この場にある樹木すべて焼き尽くせ」
 口元を隠したままラファエラは騎士に命じる。倒れ伏す魔女を警戒しつつも不要な林檎の樹を燃やしていく。
 魔女の森も命もあとわずか。愉快な仲間達の平和まであと少し。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神楽坂・神楽
不和の種を蒔き、そして諍いを見て楽しむ、か。
見た目どおり、あくどい性格をしておるな。
この平和な世界にお主のような者は不要。
骸の海に……いや、儂が全てを喰らってやろう。

森の迷宮か。
まずは上空へと転移しよう。
そちらならば、*石の中にいる*というようなことにはなるまい。
《氣》をもって敵の居場所を探り当てて、高速移動。

林檎は《氣》を纏わせた拳で砕いて《刻印》で吸収。
転移で敵を翻弄しつつ、拳や蹴りをもって叩きのめす。
敵を弱らせたならば、《刻印》で分解・吸収しよう。

儂の《刻印》は大食いでな。
林檎だけでは満たされぬ。
お主の身体も心も全て喰らってやろう。

全てを終わらせられたら、紅茶を一杯頼もうかの。



「何故、こんな事になったの? 私は間違えてないはず」
「不和の種を蒔き、そして諍いを見て楽しむ、か。見た目どおり、あくどい性格をしておるな」
 何とか立ち上がる不和の魔女、杖を支えにしてどうにか立っているいる有様。変わらぬ在り方に神楽坂・神楽(武術指導員・f21330)は険しい表情をしている。
「そうかしら? ずっと、面白可笑しくなんて飽きてしまうものよ」
「それはおぬしだけであろう。この平和な世界にお主のような者は不要だ」
 魔女は邪悪に笑った。その姿は誰がみても悪としか言えないだろう。神楽が静かに構える。
「貴女もここで朽ち果てなさい。私の邪魔をした事を後悔しながら、ね」
 杖を振り上げた途端に魔女の姿が掻き消え、辺りは林檎の樹が壁のようにして姿を現す。どうやら彼女が迷路を作り出したようだ。
「森の迷宮か。では、上から探すが早いだろうな……そこか」
 氣を纏い、迷路の上空へと飛び上がる。空から見た迷路は残っている森を取り込んだようでかなり広い。奥から邪悪な気配を探し出すとそちらへと空を駆けた。
「見つけたぞ。骸の海に……いや、儂が全てを喰らってやろう」
「お、おのれ……おのれぇーっ!」
 魔女の正面に降り立った神楽。叫ぶ魔女の懐に氣を纏わせた幾度も拳を叩き込む。それだけではない、彼女に刻まれた刻印が大口を開け、魔女の体を同時に喰らっていた。拳が振るわれるたび、魔女の体が消えていく。
 魔女の叫びは途中で完全に途絶えた。彼女がいたという証はどこにもなく、満足げに刻印は口を閉じる。
「これにて一件落着。さて、彼らに紅茶を一杯頼もうかの」
 広がっていた森が徐々に消え去り、この場には不和を招く物は無くなった。満足げに頷いた神楽は街へと向かっていく。
 平和になった世界で飲むお茶は何よりも美味しいのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年07月14日
宿敵 『不和の魔女』 を撃破!


挿絵イラスト