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夜道を走るもふ

#カクリヨファンタズム #戦後

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#戦後


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 宵闇の道、一人の妖怪が帰宅を急ぐ。最近この世界では昼の時間が次第に短くなり、帰る事には真っ暗になっている。まだ星が見えているのが救いだろうか。困ったもんだと足早に進む視界の端をふっと何かが掠め、足を止める。
 目の前にいるのは、一匹の黒猫。但し……二又の尻尾を持った。
「猫か……脅かすなよ」
 猫が彼の前を横切る。黒猫と言えば……。
「黒猫が前を横切ると幸運に逃げられる、だっけか」
 大した事は無いだろうと足を進めかけたその時、局所的に彼の頭上にだけ豪雨が降り注ぐ。
「うわーっ」
 ずぶぬれになって走る彼を、どこからか現れた何匹もの黒猫が見送っていた。

「昼が、消えちまったんだってさァ」
 樹・怜惺(Guardiano della Dea Verde・f31737)が集まった猟兵達を前に眉を寄せて肩を竦めた。
「戦争終わったばっかだけど、カクリヨがまたピンチで」
 あの世界が滅びかけるのは毎度の事なので、もう誰も驚かない。それで、と先を促され説明が続く。
「今回、相手は星読みの牛姫。件ってのが元になってるんだが、星の属性を得たが為に、世界を夜にしてしまえば自分の力が増幅すると思ってるみてェだな」
 その為に昼を消してしまおうとしている……世界が滅びてしまうとしても。
「んで、それがいる場所に通じる道なんだけど、猫がいるんだって」
 猫?
「ん、猫。猫又ってのか、尻尾が二又になってて、もっふもふしてて……で、前を横切られると一寸不幸になる」
 一寸、とはどれくらいだろうかと疑問に思う一同。
「めっちゃピンポイントに雨降ったり、足元にいきなりでっかい石出てきたりとかそういう?」
 地味に影響が大きそうだ。
「まあ、猫だから。構いつつ骸魂祓ってやれば問題ねェんじゃね?」
 軽い調子で言いながらグリモアを手元に呼びだす怜惺。
「って事で、さくっと終わらせて昼を取り戻してやってくれなー」
 手を振りながら、移動する猟兵達を見送るのだった。


真空。
 見て頂き有難う御座います、真空。(まそら)です。
 カクリヨピンチです。まあ、ピンチじゃない時の方が珍しいかもしれない。
 そして安定のもふもふ。

 1章は黒猫又さんを構いつつ道を進んで下さい。
 2章はボス戦です、夜の世界で星属性の件のお姫様から骸魂を祓ってあげて下さい。

 同行者がいる場合は【相手の名前(呼称も)とID】のご記入お願い致します。
 今回のシナリオの構成上、大人数は厳しいかと思います。

 皆様の参加、心よりお待ちしております。
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第1章 集団戦 『どこにでもいる黒猫たち』

POW   :    飛びつき準備
敵より【目線が低い場所にいる】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
SPD   :    もふもふ毛玉
真の姿を更に強化する。真の姿が、🔴の取得数に比例した大きさの【さわり心地の良いもふもふな毛並み】で覆われる。
WIZ   :    本能解放
【まんまるお目々のハンターモード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

御狐・稲見之守
ふんッワシの毛並みの方がもふもふじゃもんねー!!!

[UC方違え]、ワシの立つところ一切全て吉方位とす。
わはははははっこれで不幸とやらもへっちゃらよ
陰陽術をなめるでないゾ、ハハハハハハ!!

おっといかんいかん、ワシとしたことがムキになってしもて。
さて餌付けでもして飼いならしてみせようか。
ってあ、コラ。猫缶開けた音だけでたかってくるでない!

ぐわーッやめ、やめるんじゃ!
もふもふにっ もふもふに溺れてしまう……!!



 黒猫又の出るという道で、黒髪を靡かせた少女が仁王立ちしていた。
「ふんッワシの毛並みの方がもふもふじゃもんねー!!!」
 ふわりと風に流す髪の上には黒いきつね耳。豊かな尻尾は整った毛並みのもふもふ。勝負、と意気込む御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)は手の中で素早く印を切り、霊符を近くの木へと貼り付ける。
「掛巻も畏き御吉神 方忌を祓い浄め此方より御座しませ――ワシの立つところ一切全て吉方位とす」
 使ったのか自らの立ち位置を吉方とする術。発動したのを確認し、腰に手を当てると大きく高笑い。
「わはははははっこれで不幸とやらもへっちゃらよ。陰陽術をなめるでないゾ、ハハハハハハ!!」
 暫く笑った後、大きい音を出していては猫又達が寄ってこないのではないかと我に返る稲見之守。
「おっといかんいかん、ワシとしたことがムキになってしもて。さて餌付けでもして飼いならしてみせようか」
 服の隠しから取り出したのはUDCアースで売れている、一寸お高い猫缶。タブを引き、缶を開けば肉の良い香りが辺りに漂う。そして、缶を引き開ける音に反応し、暗闇に光るのは。
「ってあ、コラ。猫缶開けた音だけでたかってくるでない!」
 今まで様子を見ていた黒猫又達が、猫缶に目を輝かせ、我先にと近寄る……というよりも稲見之守を埋め尽くす勢いで群がる。何なら背中に上ったり、肩から猫缶を覗こうとするものまで現れる始末。
「ぐわーッやめ、やめるんじゃ! もふもふにっ もふもふに溺れてしまう……!!」
 どうにか猫缶を開け、危なくないよう皿に開けた餌を地面に置けば群がる毛玉。勿論一つで足りるはずも無く、稲見之守を見上げて追加を催促するように小さい声で鳴く。気が付けば持ってきた限りの猫缶を開け、満腹になった黒猫又達は、霊符によって清められた空気にぱたりぱたりとその辺に倒れて気を失っていた。……中には満腹で眠っているだけの子達もいるかもしれないが最早判別は不能。
「う、うむ……もふもふも堪能した事じゃし、良しとするか」
 稲見之守は猫又達によってもみくちゃにされた服を整え、先へと進んで行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミアステラ・ティレスタム
わたしは黒猫さんが大好きです
予想通り、とても可愛らしい猫さん達ですね

猫さん達に、魅惑のウインクを飛ばして
ああ、これは極上のもふ
ふわふわで柔らかな毛並みがとても、とても素晴らしいですね
もふもふ、もふもふ、もふもふ
抱っこして、満足するまで撫でてしまいましょう
え、抱っこと撫でるのおかわりですか?
仕方のない猫さん達ですね(満面の笑み)

おやつも用意しました
猫さん達がこぞって夢中になるという例のアレ
……なるほど納得の威力です
猫さん達、お腹いっぱいになりましたか?
そうしたら、おやすみの時間ですね
浄化を込めて猫さん達を最後にひと撫で
べ、別に猫さん達との触れ合いが名残惜しいだなんて思っていませんよ……?(涙目)



 黒の世界に、白光の花が舞い降りる。ミアステラ・ティレスタム(Miaplacidus・f15616)は道を塞ぐように集まっている猫達を見つめ、感激に水宝玉の瞳を緩める。何故なら、彼女は黒猫が大好きだったからで。目の前に群れる黒猫又達はもっふもふの毛に黒く真ん丸な目、正しく好み通りの子達。
「予想通り、とても可愛らしい猫さん達ですね」
 滑らかな頬に手を当て、猫達へとぱちりとウインク。長い睫毛に縁どられた彼女の瞳に見つめられた黒猫又達は、寵姫の魅力の前に為す術無く転がり、撫でられるのを待つだけの状態。
 腰をかがめ、そっと手を伸ばして毛並みに指を埋める。
「ああ、これは極上のもふ……とても、とても素晴らしいですわ」
 ふわふわで柔らかな毛並みが指をくすぐり、撫でるように動かせばさらさらと隙間から逃げていく。暖かで、それでいて滑らか。極上の毛並みだ。
 抱き上げて、ぎゅっと抱きしめつつ背中をゆっくりと撫で撫で。代わる代わる抱き上げ、一通り回ったと思いきや最初の子がお代わりと足に手をかけてくる。
「あらまあ……仕方のない猫さん達ですね」
 言葉は困ったような雰囲気を匂わせつつもその表情は満面の笑顔。可愛らしくて、楽しくて仕方ない。
「ああ、そういえば」
 袖の辺りに隠していたおやつを取り出す。細長いパウチ、猫さんまっしぐらのアレだ。
「はい、どうぞ?」 
 差し出してみれば、我先にと群がる猫又達。ぎゅうぎゅうと押し競饅頭状態で運良くミアステラの前に辿り着いた子が、てちてちとおやつを舐めている。
「……なるほど納得の威力です」
 持ってきた分全てあげてしまおうと、口を開けて両手に持ち、手を伸ばせば腕の先に猫の団子が完成する。もちゃもちゃと動きながらおやつを堪能する猫又達。届かない子が手を伸ばしたり、前にいる子が足を踏ん張ったり等している仕草もまた可愛らしい。暫くして、おやつが尽きた頃には一通り貰えたのか、満足げに毛繕いなど始める猫又達。
「猫さん達、お腹いっぱいになりましたか? そうしたら、おやすみの時間ですね」
 腕に加護の水を纏い、浄化の力を込めて猫又達を最後にひと撫ですれば、黒い煙のような骸魂が身体から立ち上りこてんと倒れこむ。全ての猫又が眠りについたのを確認し、ミアステラは先に進もうかと、歩き出そうとするも。
「べ、別に猫さん達との触れ合いが名残惜しいだなんて思っていませんよ……?」
後ろ髪を引かれるというのはこういう事だろうか、ミアステラは何度も振り返りつつ道を進んで行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

藍沢・織姫
猫ちゃん!(わくわく)
動画サイトでも野良猫と遊ぶ動画とか見ると癒されますよね。
という訳で、私もやってみましょう。

用意する物:猫じゃらし×2、ペット用ウェットシート
まずユーベルコードで呼び出したドローンに猫じゃらしをぶら下げ、ギリギリ届かない高さになるように飛ばします。もう一つは自分で持ちます。そして猫じゃらしで遊びまくります!
疲れて寝っ転がってる、あるいは猫じゃらしに興味の無い猫ちゃんは撫でてみましょう。
警戒しないなら、ウェットシートで顔の汚れを取ってあげます。猫って顔の形とかの関係で、目ヤニや顎の下の汚れを自分で掃除出来ないらしいので。



「猫ちゃん!」 
 道に転がる猫達を見て、目を輝かせる猟兵がまた一人。
 藍沢・織姫(紺碧の歌姫・f03959)は集まる黒猫又を見て、目を輝かせながら用意したねこじゃらしを握りしめる。
「動画サイトでも野良猫と遊ぶ動画とか見ると癒されますよね」
 となればやってみなくては。
 いそいそとねこじゃらしをもう一本取りだすと、動画撮影用のドローンを呼び出し下側に括り付ける。黒猫又がぎりぎり届かない高さで、蛇行するように動かせば猫爆釣。走るのが好きな子はドローンを追いかけ団子状態で右に左に。走る回る姿をドローンから主観撮影で目線もばっちり、猫好きの心をしっかりとつかむ映像に仕上がっているだろう。
 織姫は、自身も持っていたねこじゃらしを使いふるふると動かして猫達を呼ぶ。ドローンねこじゃらしからあぶれた子が今度は織姫へと群がっていく。暫く全力で遊べば、疲れたのかその辺に寝転がる子も出てくる。そうなったらもう一つ用意していたウェットシートの出番だ。転がっている子に近付き、撫でまわしつつお顔のお手入れを行う。
「顎下あたりは自分でお手入れできないですもんね……気持ち良い?」
 丁寧に拭われ、すっきりした子達はご機嫌に織姫の周りでころころとお腹を見せて撫でてと催促。そっとお腹に乗せれば、柔らかな毛が心地良い。
「ふふふ、可愛いですね」
  暫く毛並みを堪能し、疲れた子達が増えたところでドローンも回収。全力で遊び倒した子達は満足したのか、骸魂の影響も薄れているようで。思い思いの場所で転がる姿も一応撮影しておく。
「よし、そろそろ行かなくちゃ」
 名残惜しげに立ち上がると、織姫は出していた道具を片付け先へと進む。世界の危機を救うために。

成功 🔵​🔵​🔴​

クリュサオル・ロードナイト
人格:今回に限りどちらが対応しても同じだと思います

オブリビオンどこ…ここ…?
と言うかここは一体どこだ…おっと買ったばかりのキウイフルーツが。
待てそれはボールじゃない、あぁぁ食べられてしまった…てか猫がキウイ食うんか(キウイ:マタタビ科マタタビ属)
そんなに腹が減っているなら、猫用の食べ物ならこっちの猫缶を…待て今開けるから落ち着ギャー痛い痛い!!(猫タックルで缶を落とし、拾って開けた瞬間に噛まれる)※幸運Lv0

猫達にたかられて埋もれようが引っ掻かれようが、形見の指輪だけは何としても死守!!



 クリュサオル・ロードナイト(光と闇の狭間・f33687)は何故か買い物した袋を抱えたまま夜道へと踏み込む。
「オブリビオンどこ……ここ……?」
 辺りを見回しても、人影は無い。道から外れたところで何か光ったような気がするが、今のところは分からない。
「と言うかここは一体どこだ……おっと買ったばかりのキウイフルーツが」
 光るものを見ようと身体を屈めた瞬間、買い物袋からキウイフルーツが転がり出る。道に転がるそれを手にしようとした瞬間、横から現れた黒い塊がキウイを弾き飛ばした。
「待てそれはボールじゃない」
 弾いたキウイに群がる黒猫又達。匂いを嗅ぎ、ちょいちょいとつつき……やがて勇気ある一匹がはむりと齧る。広がる香りをかいだ瞬間、残りの猫達もキウイへと群がっていた。ちなみにここまでおおよそ1分もかかっていない。
「あぁぁ食べられてしまった……てか猫がキウイ食うんか」
 キウイは木天蓼科だからか、猫又達はかなり気に入ったようだ。完熟で香りが強かったのも影響しているかもしれない。
「そんなに腹が減っているなら、猫用の食べ物ならこっちの猫缶を……待て今開けるから落ち着ギャー痛い痛い!!」
 袋から猫缶を取り出し、タブを引っ張った瞬間だった。気付いた猫又達が全力ダッシュ、身体をよじ登り背中へ飛びつき、一番にご馳走にありつこうとクリュサオルを巻き込んだ状態で争いが始まる。猫達にたかられながらどうにか地面に缶を置き、二つ三つと増やせば身体に上った子も離れ、ようやく一息。
「まいったな……ん?今度はなんだ」
 ご飯にありついた子が今度は撫でろと膝をつつく。しゃがんで撫でれば、今度は撫でる手を求めて群がる猫。
「ちょ、うわ……!?」
 懐に入りこむ子が首から下げたものに触れて、思わず胸元を抑える。
「これだけは……!」
 形見の指輪を庇いつつ、クリュサオルは猫又達が満足するまで撫で続けた。
 その結果。
「お、満足した……のか?」
 こてりと転がる猫又達から、骸魂が抜けていく。すでに大分薄れていたためか、クリュサオルの浄化の力で祓えた様だ。
「よし、先に進むか」
 最後にそっと黒猫又を一撫でし、クリュサオルは夜闇の中を歩いて行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『星読みの牛姫』

POW   :    輝星は瞬き、拳撃が翻り、過去を再現す
【流星に匹敵する速度と衝撃力を秘めた拳撃】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    星海は拓き、天上へ誘い、現在を侵略す
【追尾能力を備えた流星群】を降らせる事で、戦場全体が【宇宙空間】と同じ環境に変化する。[宇宙空間]に適応した者の行動成功率が上昇する。
WIZ   :    星々は巡り、予言を結び、未来に固定す
【体内を巡る星々の動きを読み取る】時間に応じて、攻撃や推理を含めた「次の行動」の成功率を上昇させる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ルゥナ・ユシュトリーチナです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 進んだ道の先、開けた草原。
 空を見上げ佇む人影。
 がさりとなる草に、青い髪を翻して振り返ったのは角持つ姫君。
「来たか……誰が来ようとも昼を返す事は出来ない」
 片手を空にかざせば、応える様に流星が夜空を過る。
「取り返したくば……私を倒せ」
御狐・稲見之守
ごきげんよう、良い晩であるナ。
ワシは年中夜でも構わんが
さすがにそれで滅びてしまってはナ。

しかしまあ星の属性か。ふふ、よろしい。
[UC荒魂顕現]我為す一切是神事也。
天裂き地割る神業畏み畏み奉願祈るべし。
来たれ星々の凪、その瞬きを疾く鎮めよ。

そうして彼奴の体内から星々の輝きを奪ってやろう。
これで御自慢の星属性も役には立つまいよ。

そして、ふふ。
さあ黒猫又よ、彼奴の前を横切るんじゃ。
待て違う、ワシの前じゃない。



 夜闇の中、薄く光るように浮かび上がる姿。草原を揺らす風に髪を靡かせ、此処へと続く道の方を向いたまま何かを待つような。
 星読みの牛姫が待ち構える草原に踏み込んだのは御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)。
「ごきげんよう、良い晩であるナ」
 朗らかに挨拶の言葉を投げかけるも、その目は鋭く牛姫を見つめている。
「ワシは年中夜でも構わんが、さすがにそれで滅びてしまってはナ」
「……滅びてしまうならそれまで、という事」
 落ち着いた声音で返すと、空を見上げる牛姫。輝く星々へと目を向け、何かを読み取ろうとでも言う様に。
 その姿を見た稲見之守は、落ち着いた様子で笑みを零す。牛姫が星の属性であるというなら、彼女にはそれを防ぐ手段がある。同じように空を見上げると、朗々とした声で詠う。
「我為す一切是神事也。天裂き地割る神業畏み畏み奉願祈るべし。来たれ星々の凪、その瞬きを疾く鎮めよ」
 現人神として人々の祈りを背負う稲見之守、荒魂顕現でその力を空に向ければ、星々の輝きが鈍っていく。
「何を、した」
 力の素を削られ、険しい顔で稲見之守を睨む牛姫。その様子を見て、稲見之守は再び笑みを零す。
「なぁに、星々の輝きを少々奪っただけじゃ、これで御自慢の星属性も役には立たぬの」
 再びざあっと音を立てて草原が揺れる。この場に近寄ってきた何者かの気配を稲見之守は、牛姫を指さすと。
「そして、ふふ。さあ黒猫又よ、彼奴の前を横切るんじゃ」
 その声に答えるように現れたのは目を覚ました黒猫又達。草を揺らして稲見之守の方へと走り寄ろうとする、が。
「待て違う、ワシの前じゃない」
 ぎりぎりで自分への被害を回避する稲見之守。方向転換した黒猫又は牛姫の前を横切り……次の瞬間。
「な、っ……!」
 強風によってどこからか飛んできたぼろ布が視界を塞ぎ、ピンポイントに降り始めた雹が牛姫の身体を打ち据える。先程貰った餌のお礼か、一寸不幸が強力になっていた。
「中々の威力じゃナ」
 思わぬ効果に僅かに声が引きつる稲見之守。ご機嫌に走り回る黒猫又。抜け出そうと藻掻く牛姫。
 戦場は予想外の混沌を描いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

藍沢・織姫
流星の拳(秒速数十km)に宇宙空間に「体内の」星の巡り(=曇りで星が見えなくても平気?)。
どれも私のユーベルコードでどう対処すべきか迷うところですが…

真の姿:側頭部とくるぶしにも小さな翼が生える
これと【指定UC】を使ってみましょう。
そして拳の直撃を食らわないよう、体勢を崩さないように回避(落ち着き・見切り・空中○○系技能活用)しながら応戦。直撃を避けても衝撃波で体力を削られる・体制が崩れるかも知れないのでその都度変身、こちらからも攻撃(カウンター・十分大きくなったら踏みつけ・重量攻撃などが使えそう)



 背中の藍色の翼を頼りなげに羽搏かせ、ふらつきながらも僅かに浮いた状態で牛姫と対峙する藍沢・織姫(紺碧の歌姫・f03959)。
「どう対処するべきでしょうか……」
 ここからどう動くか、相手の動作一つも見逃さないと目を凝らし、同時に意識を集中させることで自身の力を戦闘向けに開放していく。艶やかな髪を掻き分けて側頭部から同色の翼が、踝の辺りにも小さな翼が現れ、左腕の傷から炎が強く噴き出す。背の翼は確りと空気を抑え、体勢を安定させる。
「……成程。その位で、どうにか出来ると?」
 対峙する相手の変化をじっと見つめ、牛姫が軽く眉を顰める。次の瞬間、開いていた距離を詰め織姫へ向けて一気に飛び掛かる様に振り下ろされる拳。しかし織姫は予測していたのか、落ち着いてその攻撃を避けるとくるりと横に回り、肘を叩き込むように体当たり。再び距離を開く。
「まだまだ、です」
 織姫は小さく呟くと再度自分の力の鍵を一つ外した。あっという間に身体が大きく、増えた翼が二重になり、ばさりと風に揺らぐ。体勢を立て直した牛姫が再度拳を向けるも、僅かに身体を反らすだけで躱し、逆に地獄の炎を纏わせた拳をぶつける。
「――うあっ……!!」
 怯んだ隙に更なる変身。最早、織姫の身体は牛姫の数倍になり、翼の羽搏きが大きく草原を揺らす。
「今度はこっちから行きます!」
 だん、と地面に踵が打ちつけられる。今の大きさなら牛姫との距離は一歩もかからない、ひょい、と上げられた足が牛姫を踏みつけた。
 足の下から牛姫が藻掻き出る。かなりの痛手を負ったのか、揺らぐ体には先程までの力強さは感じられない。
「猟兵、共が……まだまだ、私は戦えるぞ……!」
 よろけ乍らも戦意を失わない牛姫を織姫が見下ろす。その身体が、夜空を遮り牛姫を陰の中へと閉じ込める。
「いいえ。勝つのは私達猟兵です」
 牛姫に、星の光は届かない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レイカ・ヴァンスタイン(サポート)
フェアリーの聖者×プリンセス、8歳の女です。

戦闘は苦手で援護や救助、支援など中心です。
武器は人間大の人形(銃火器持)ですので、運搬作業も可能です。
普段は悪戯(許せる範囲)で遊ぶ※戦闘とは別です。

普段の口調は「マイペース(ウチ、相手の名前+ちゃん、なの、なの?)」
苦しい時は「愛想笑い(ウチ、相手の名前+ちゃん、なの、なの?)」です
幼いので殆どひらがなで喋ってます。

・ユーベルコードは必要に応じて、多少の怪我は厭わず積極的に行動(支援中心)します。
・他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
・あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 どうにかして体制を立て直さんとする牛姫の前に、ゆっくりとした足取りで進み出たのは黄色の和風ドレスを纏った少女……ではなく、その方に座り銀色の髪を揺らす一人の妖精。彼女を乗せているのは彩光隊と名付けた彼女が使役する人形のうちの一人だ。
 レイカ・ヴァンスタイン(銀光精・f00419)は座ったまま牛姫を指さし、唇を尖らせる。
「もー、ずっと夜とか駄目なんですの」
 指をさされた牛姫も黙ってはいない。遮るものが無くなった星空に手をかざし、その力を蓄えようと星々へと祈りを捧げる。
「ずっと夜であれば、私がこの世界を統べる事が出来る……陽の光等必要ない」
「そんな事出来るわけないじゃないですかー、世界が滅びちゃう前に止めてみせますの」
 レイカは即座にもう一体、水色の服を着た人形を呼び出すと軽やかに空へと飛び上がる。
「花吹雪は星の煌めき寄りて、禍の者を攻め立てん」
 レイカの紡ぐ言葉に合わせ、2体の人形が袖をひらめかせその場でくるりと回る、途端無数の小さな白い花へと姿を変えると、一気に牛姫を覆い尽し、溢れた花は夜空を覆い草原を白の花畑へと変えていく。
「離れろ……っ!!」
 細かな白の花は視界を塞ぎ、集中を乱し、張り付いてそこからレイカの聖なる力を牛姫へと注ぎ込む。血が流れることは無いが、確実に骸魂を削り落としていく。折角溜めた力が消え去っていくのを感じて牛姫は悔し気にレイカを睨みつけた。
「さあ、昼を返してもらいますの」
 吹く風に乗って雪柳の白の花が舞い踊る。レイカを守り、骸魂を退ける美しい花の演舞はまだまだ続く。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミアステラ・ティレスタム
夜は好きですし、個人的に一番落ち着く時間でもあります
ですが、このように歪められた理は正さねばなりません
安寧なる世界のために、わたしは祈りましょう

星属性、ですか……
わたしも星を操りますので、少々戦い辛い相手ではありますね
今回はわたしの聖者としての力をお見せしましょう

星が瞬く煌めきよりも強い強い光を此処に
光に浄化の力を込めて、光の竜巻を放ちましょう
光の奔流が星々の輝きを掻き消し、今闇を祓いましょう
聖なる光を貴女に

星が巡るように時間も巡る
昼があるからこそ、星は一層の輝きを持つのです



「夜は好きですし、個人的に一番落ち着く時間でもあります……ですが、このように歪められた理は正さねばなりません」
 ミアステラ・ティレスタム(Miaplacidus・f15616)は胸の前で手を組み、瞳を伏せる。ミアステラも牛姫と同じく星の力を糧とするため、この戦いは聖者としての力を中心に使うつもりだ。
「安寧なる世界のために、わたしは祈りましょう――祈りを以て揺籃の時を齎しましょう」
 牛姫が星へと手を伸ばす……と同じようにミアステラは祓いの光を周囲を舞う風に乗せる。風が光の粒を宿し、ゆっくりと渦を巻く。次第に大きくなる光の竜巻が強い明るさで牛姫の瞳から星の輝きを奪い去る。放たれた竜巻がゆらゆらと揺れつつ進みながら光の粒を増やし、やがて光の柱となり牛姫を包み込んでいく。
「聖なる光を貴女に」
 瞳を伏せたまま深く頭を下げるミアステラ。光に照らされた髪は白く輝き羽のように広がって、僅かな後上げられた顔は唯穏やかに。
 光の柱に包まれた牛姫から骸魂が剥ぎ取られ、光の中に小さく黒く光る粒となって空へと昇る。光の柱の中をくるくると回りながら、上へ上へ――やがて空の彼方、星の向こうへと消えていった。
 後に残るのは倒れ伏した件の女性。星の力を失ったその姿は、先程までと違い一切の禍々しさを感じ取ることは出来ない。
「星が巡るように時間も巡る。昼があるからこそ、星は一層の輝きを持つのです」
 碧玉の瞳を空へと向ける。去った骸魂を見送る様に、一度星降る空をぐるりと見まわし、地平線の彼方へと目を留める。
 其処に見えるのは僅かな紫色、夜が明けようとしているのだろう。
「この世界は救われました、ね」
 件の女性が起き上がる気配がする。手を差し伸べ、助け起こして共に帰還の道を辿る……足元には何時の間にか、黒猫又達がころころと転がり、草と戯れ、世界が救われた事を喜ぶようにはしゃぎまわっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年06月20日


挿絵イラスト