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革命家の少女を討て

#クロムキャバリア

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#クロムキャバリア


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●とある企業国家の基地にて
「私達の空を取り戻す為、皆さんどうか力を貸してください!」
 新型のキャバリアから映し出された投影体の少女が、若き兵士達を激励していた。
 少女は革命家として、血気盛んな若者たちの間で称えられ、首都を守る小さな基地の1つを制圧したばかりである。
 革命軍は必要な人材と物資を確保した後に、本来の目的である殲禍炎剣(ホーリー・グレイル)の破壊に動き出そうとしていた。
 殲禍炎剣とは高速飛翔体を無差別砲撃する暴走衛星であり、長年の間クロムキャバリアが空を飛ぶことを許されない元凶である。
 革命軍の殆どは殲禍炎剣で犠牲になった者達の遺児で占められている。
 少女が操る新型のキャバリアなら、殲禍炎剣の破壊が出来ると言われれば、革命に参加するのは当然の事だと言えるだろう。
 そして正規軍の基地を占領した事で、自分達の実力が証明され、革命軍の指揮は最高に高まっていた。
 それに便乗するかのように革命軍を応援する市民も増加する一方、もはや殲禍炎剣の破壊は企業国家の意志そのものともいっていいぐらいだった。
「必ず成し遂げます!皆さんと空を飛べる日はもうすぐです!」

●とある企業国家の軍本部にて
「まったく厄介な事になったものだ…これは全て貴様の責任だぞ!」
「ええ、わかっています。ですから、革命軍…いえ、反乱軍制圧の為の指揮を私に取らせて下さい」
 国軍の総司令と思わしき初老の男が、軍士官の一人を非難していた。
 それに対し軍士官の男は今置かれている危機を打開する為の提案をするが、総司令は一蹴する。
「馬鹿が!今やあの小娘どもは愚民どもに祭り上げられているんだぞ。あの忌まわしい殲禍炎剣を破壊するなどと世迷言を本気で信じているのだ。そんな中、我が軍で制圧してみろ、愚民どもを敵に回すことになる。愚民どもと言えど今は敵に回すわけにはいかんのだ」
 総司令は選挙を控えており、少しでも人気を損なうような真似はしたくないである。
「確かに市民達に恨まれるかもしれません…ですが、手をこまねいていれば取り返しのつかないことになります。責任は全て私が取ります、ですから出撃の許可を!」
「それで愚民どもが納得するものか!頭を使え、軍を使わずに反乱軍を黙らせればよかろう…そうだ、あの小娘を暗殺してしまえばいい、貴様ならその類の知り合いが多いだろう」
「はあ…」
 総司令の元、数多くの汚れ仕事を引き受けてきた軍士官の男であるが、生憎と暗殺者の知り合いなどいなかった。
 そしてこのタイミングでの暗殺ともなれば、たとえ成功したとしても、それを指示したのが誰なのか、市民達の疑惑は軍の上層部に向くだろう。
(どうしてこんな事に…)
 任務中に行方不明になっていた少女が、謎のキャバリアに乗って帰還した頃から、全てが狂いだした。
 若く才能もあり、突っ走る癖はあったが、国に忠実で犠牲が出る事を良しとしなかった少女が過激な思想家にへと変貌したのである。
 謎のキャバリアは正規軍のキャバリアの性能を凌駕しており、少女の過激な思想に同調した若い兵士により、開発中だったキャバリアが強奪され、今や革命軍ともてはやされ、基地の一つが制圧される程の勢力となっている。
 総司令の保身から出た言葉とは言え、暗殺もやむ無しかもしれない。
 だが偵察隊の話では、少女は暗殺を警戒しているのか、キャバリアから一度でも降りる様子もなく、実行するのは困難である。
(そもそもあのキャバリアは何だ…あれと似たようなのを以前にもどこかで…)
 そこで軍士官の男は何故今まで思い至らなかったのかと悔やんだ。
 以前にも暴走したキャバリアが、自軍に多大な被害を与えた事があった。
 協力者の力を得て事無きを得たが、その時の暴走したキャバリアの得体のしれない力は、今少女が搭乗しているキャバリアと酷似しているのである。
「総司令…私の作戦を聞いて頂けるでしょうか?我が軍が手を下さなくとも反乱軍を鎮圧できる方法があります」
 軍士官の男の作戦に耳を傾ける総司令、彼の快諾は得られそうだが、問題は山積みであった。
(果たして彼等が引き受けてくれるかどうか…)
 場合によって自分達が、その役目を果たさなければならないだろうと、軍士官の男は覚悟を決めるのであった。

●グリモアベースにて
「皆、大祓百鬼夜行での戦いお疲れ様だね。おかげ2つの世界が守れて一安心だよ。そんな中なのだけれど、急ぎの依頼が来ているんだ」
 金髪ショートカットのグリモア猟兵、リリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)が依頼内容の説明を始める。
「クロムキャバリアの企業国家で暴れ回っている革命軍を制圧して欲しいんだ。謎のキャバリアに乗る少女がリーダーで、同じ年齢ぐらいの少年少女達で構成されている軍みたいだね。彼女達は軍の基地を制圧した後で、殲禍炎剣を破壊しようとしているみたい…殲禍炎剣を壊す事はクロムキャバリアの悲願とも言っていいのだけれど、私の予知では必ず失敗して殲禍炎剣の反撃にあい、企業国家は壊滅してしまう。だから止めないといけないんだ」
 リリスフィアは状況と依頼主についての説明を続ける。
「依頼主は企業国家の軍上層部だよ。大分前になるけれど、暴走キャバリアを止めた時に出来たコネで、軍士官の一人から依頼が来たんだ。その人が言うには、ただ革命軍を制圧するだけじゃ、市民達の反感を買ってしまうから、別の方法で制圧して欲しいんだって。端的に言うと私達が盗賊団のフリをして、革命軍の物資を強奪し、奪い返しに来た革命軍達を返り討ちにして、そのまま首謀者の少女を倒すという作戦になるかな」
 どこの馬の骨とも知れぬ盗賊団に倒される程度だと市民達が聞けば、革命軍に対する熱も冷めるだろうというのが、軍士官の男の考えだという。
 革命軍の処遇はどうすればいいのか?と猟兵の一人から質問があがる。
「革命軍の生死は問わないだって…だから制圧さえしてくれれば、どれだけ犠牲が出ても咎められることは無いかな。首謀者の少女が乗るキャバリアは当然ながらオブリビオンマシンだから、そのキャバリアの破壊は絶対条件だよ」
 そこでリリスフィアは気まずそうに話を続ける。
「ここからは私が調べた情報と推測になるけれど、革命家の少女はオブリビオンマシンに操られているだけなんだ。今の彼女はオブリビオンマシンの生体ユニットに組み込まれていて、革命家達を惑わせているのは、彼女ではなく彼女の姿を借りたオブリビオンマシンなんだよ。任務中にオブリビオンマシンに襲われ、生体ユニットにされてしまったみたいだね。それに依頼主である軍士官の人なんだけれど、革命家の少女と親子関係にあるんだ。仲も悪く無かったみたいだね」
 一呼吸おいてから、リリスフィアは話を続ける。
「生死は問わないと言ったのは、軍士官という立場と、ただでさえ困難な作戦なのに余計なリスクを背負わせたくないと私達を気遣っての事みたいだね」
 命がけで戦う相手を無力化するというのは、ただ倒すよりも難しい。
 キャバリア相手なら猶更である。
「リスクを高めるようなお願いをしてしまうけれど、首謀者の少女も含めて、革命軍の若者たちは、これからの企業国家にとっても必要な人材をなると思う。だから彼女達の凶行を阻止して助けて欲しいんだ」
 リリスフィアは猟兵達に頭を下げると転送の準備を始めるのだった。


吾妻 銀
 吾妻 銀です。

 クロムキャバリアでのシナリオとなります。
 通常の3章構成のシナリオとなります。
 各章の概要は以下の通りとなります。
 1章:基地内のエネルギーインゴットの強奪。
 2章:資源を奪い返しに来た革命軍のキャバリア(オブリビオンマシン化済)の撃破。
 3章:革命軍のリーダーの少女が乗るオブリビオンマシンの撃破。

 キャバリアに搭乗しての行動が推奨となります。
 持ち合わせがない方でも旧式ではありますが、十分に戦えるだけのキャバリアを貸してくれます。
 キャバリアに不慣れな方でもペナルティはありませんし、UCの使用制限はありません。
 プレイングボーナスも『キャバリアに搭乗して上手に活用する』となります。
 プレイングの受付は各章ごとに断章を書きますのでその直後となります。
 人数制限はありません。
 ペースはゆっくり目となります。

 各章の詳細です。
 1章は冒険シナリオとなります。
 革命軍に盗賊であると思わせる為にも、しっかりとエネルギーインゴットを強奪してください。
 気付かれない内に侵入となりますので、戦闘は発生しません。
 強奪した後のインゴットをどうするかについては言及されておらず、持ち帰っても咎められる事はありませんが、国力を左右するほどの貴重な資源である事はご承知おき下さい。
 2章はオブビリオンマシン化した革命軍のキャバリアとの戦闘となります。
 搭乗しているのは希望に満ち溢れた若い兵士達です。
 キャバリアを破壊すれば無力化できます。
 生死は問いません。
 3章は現状であるオブビリオンマシンとのボス戦となります。
 革命軍のリーダーの少女は生体ユニットとして組み込まれており、戦闘中に会話する事は出来ません。
 救出する事は出来ますが、必須条件ではありません。

 参考までに企業国家の人物情報です。
 革命軍のリーダー:元は軍直属のキャバリア乗りです。新設されたキャバリア部隊で着実に戦果を挙げていました。
 殲禍炎剣から空を取り戻して他国との国交を回復させたいと考えておりましたが、そこをオブビリオンマシンに付け込まれました。
 革命軍:リーダーの少女と同年代の少年少女達で構成されています。
 オブビリオンマシンの影響でリーダーと同様に正気を失っておりますが、殲禍炎剣で家族を失った者も多く、士気は高いです。
 軍総司令:企業国家を守る軍を統治している人物で、我欲が強く政治界への進出を狙っています。
 保身に走る事もありますが、計算高く冷徹な指令を躊躇いなく下せる油断のならない人物です。
 軍士官:今回の作戦の依頼主です。
 革命軍のリーダーとは血縁関係にあります。
 真面目で部下思いの人物ですが殲禍炎剣の攻撃行為が国を亡ぼす結果になる事を理解しており、阻止する為ならいかなる犠牲を払う事も覚悟しております。

 参加をお待ちしております。
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第1章 日常 『エネルギー充填作業』

POW   :    大きいインゴットを数個持ってくる

SPD   :    小さいインゴットを沢山持ってくる

WIZ   :    効率的にインゴットを運び入れる

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 時は夜、革命軍が制圧した基地内では若い兵士達が盛り上がっていた。
 彼等にとっては決戦前夜ともいうべき大事な時間である。
 基地内に備蓄されていた食料で宴会を開いていた。
 酒は持ち込まれていない、飲酒状態でのキャバリア搭乗は、キャバリア乗りのタブーなのだ。
「明日はいよいよだな」
「ようやくあの目障りなガラクタともおさらばだぜ!」
「やっとお父さんの仇が討てる」
 革命軍の兵士である少年少女達はそれぞれの想いを胸に、宴会を楽しんでいた。
「リーダーはどうしたんだ?」
「相変わらずあのキャバリアの中さ」
「こういう時ぐらい姿を見せてくれてもいいのにね」
 リーダーの少女、そして若き兵士達自身もオブビリオンマシンの狂気に侵さている事に気付いていない。
 宴会場である基地の中心から少し離れた場所にある備蓄倉庫には、軍事行動で使用される筈だったエネルギーインゴットが保管されている。
 作戦の重要なカギとなる物資であるにも関わらず、ロクな警備もされておらず作業員が数名いるだけであった。
 本軍に勝利した事で、今更襲撃する者はいないだろうと、油断しての事である。
「あとはこいつをキャバリアに組み込むだけだな」
「ああ、この国から空を取り戻す為に役立ってもらおう」
 エネルギーインゴットから抽出される膨大なエネルギーは、リーダーの少女が乗るキャバリアに搭載されている、対殲禍炎剣の決戦兵器に使用されるのだ。
 そういった意味でエネルギーインゴットを強奪する事は、革命軍の凶行を阻止する事に直結する。
 偵察を終えた猟兵達は、早々に作戦行動を開始するのだった。
オブリビオンマシン・スペクター
自身の宿敵を探し求め、虚空から現れる一機のオブリビオンマシン。
『……どこだ、ここは?妙な場所へ迷い込んだか……まあ、いい。食事(エネルギーインゴット)のニオイがする。それも、かなりの量のようだ』

『ヤツ(宿敵)を壊す為にも、腹拵えは必要だな……』
エネルギーインゴットを発見すると両手に掴んで口を開き、噛み砕いて飲み込みエネルギー充填する。食い切れない分は【錬成カミヤドリ】で分身を作り、念動力で操って虚空に開いた転移用ワープゲート内に運び込み、保存しておくか……

いつ敵に襲われても良い様に、警戒は怠らず次々とエネルギーインゴットを喰らっていく。

『もっと、もっとだ……ヤツを倒すにはエネルギーが足りん』



 革命軍が制圧した基地郊外に自身の宿敵を探し求め、虚空から現れるオブリビオンマシン・スペクター(オブリビオンマシンのヤドリガミ×悪霊・f32439)。
 怨念と憎悪が渦巻く戦場でオブリビオンマシンに生まれ宿った悪しき神霊であり、オブリビオンとして蘇った、意思を持つ邪悪なキャバリアである。
「……どこだ、ここは?妙な場所へ迷い込んだか……まあ、いい。食事のニオイがする。それも、かなりの量のようだ」
 スペクターは基地内に貯蔵されているエネルギーインゴットを感知し、駆動系が歓喜の声をあげる。
「ヤツを壊す為にも、腹拵えは必要だな……」
 スペクターは倒すべき宿敵の姿を思い浮かべながら、基地内の貯蔵庫にへと侵入する。
 スペクターにとっては幸いな事に、作業員もエネルギーインゴットを運搬中で貯蔵庫にはおらず、手つかずのエネルギーインゴットが安置されていた。
「……それでは、いただくとするか」
 スペクターは喜び勇んで、手近にあったエネルギーインゴットを手にし、力任せに噛み砕いて自身の体内にへと取り込むのであった。
「おお…力が湧いてくる。これは実に素晴らしい!」
 エネルギーインゴットから流れる膨大なエネルギー取り込み、スペクターは全身から力が沸き上がるのを感じた。
「もっと、もっとだ……ヤツを倒すにはエネルギーが足りん」 
 だが貯蔵されているエネルギーインゴットの全てを取り込む事は、オブリビオンマシンのスペクターであっても、あっという間に容量オーバーとなってしまうだろう。
 それならばとスペクターは、錬成カミヤドリで自らの分身を生み出し、エネルギーインゴットを運び込ませようとする。
「……何者かが近づいてくるようだ」
 いつ敵に襲われても良い様に、警戒は怠っていなかったスペクターは貯蔵庫内に近づく複数の気配を感知した。
 革命軍かそれとも猟兵達か、どちらにしても鉢合わせになるのは、スペクターにとって非常に都合が悪い。
 無用な戦いは避けるべきと判断したスペクターは、分身と手分けして、少量ではあったがエネルギーインゴットを確保して、早々に転移用ワープゲートを開き、この場から立ち去るのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シホ・イオア
空から屋上に行って侵入とか
ダクトを使って移動とか
普通の視界に入らないよう天井付近を飛ぶとか
隠れるのが苦手なりにできることをやっていきましょう。
エネルギーインゴットを見つけたら
どんどんファリーランドに持ち込むよ。
悪いことに使われないよう一時的に預かるだけ、だよね。
あとでちゃんと返すから。
借用書とか置いといたほうがいいのかな~?

基本戦闘はせずに回避と逃げに徹するよ。



 巨大兵器を主力とするクロムキャバリア。
 基地内の貯蔵庫であるにも関わらず、小さき侵入者の存在に対しては無警戒であった。
「うんしょ、うんしょ」
 フェアリーの少女、シホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)は空を飛んで、貯蔵庫の屋上から換気ダクトに侵入する。
 その際に革命軍の者らしき姿を見かけたが、飛行するシホに気付く様子はまるでなかった。
「ここの人達はフェアリーの事を知らないのかな?」
 そんな疑問を抱きながら、シホはダクトの中を確認する。
 ダクトは人間なら入りきれないほどの狭さだったが、フェアリーであるシホなら余裕で通り抜けられる。
 貯蔵庫は最近建てられたらしく、ダクト内もさほど汚れてはいないようである。
「これなら隠れるのが苦手でも大丈夫そうだね」
 思うように飛べす窮屈ということ以外は問題なく、ダクトからエネルギーインゴットのある奥にへと進む。
「……人はいなくなったみたい」
 周囲に人の気配が無くなった事を確認してから、シホはダクトから外に出てエネルギーインゴットが貯蔵されている場所に辿り着いた。
 エネルギーインゴットが放つ強い輝きは、まるでシホを導いているかのようであった。
「すごい力を感じるね。これを預かればいいのかな?」
 シホは小さな壺を取り出してから、小さな手でエネルギーインゴットに触れる。
 するとエネルギーインゴットは小さな壺に吸い込まれていった。
 小さな壺では到底収まりきらない筈だが、ユーベルコード製の『フェアリーランド』は物理法則を無視するのである。
 小さな壺からエネルギーインゴットの輝きが漏れ出した。
「悪いことに使われないよう一時的に預かるだけ、だよね。あとでちゃんと返すから。借用書とか置いといたほうがいいのかな~?」
 そんな事を考えていた所に、近くで物音が聞こえた。
 同じくエネルギーインゴットの奪取目的に侵入している猟兵達かもしれないが、革命軍の人間かもしれない可能性も考慮して、シホは小さな壺を抱えて入った来たダクト内に戻るのだった。
「あ、借用書置いておくの忘れちゃった!」
 ダクト内でその事に気付いたシホだったが、今更戻るわけにもいかず、まあいいかと開き直った。
 あくまでも自分達は盗賊団としてエネルギーインゴットを盗みに来ているのだと、シホは思い出したのである。

成功 🔵​🔵​🔴​

ノエル・カンナビス
(エイストラ搭乗、キャリアは待機中)

依頼内容はオブリビオンマシンの撃破。
デナイアブルミッションで、カバーは盗賊。了解。

ま、そこは傭兵です。ハイエナ(戦利品漁り)用の
ネットくらいは普通に持っています。
鹵獲品は良い収入になるんですよ。

というわけで、ビームブレイドで扉をバッサリ。
敵兵の類はスタンナーでズドン。
追手にも目立つサイズの大きいインゴットをネットに入れ、
背にぶら下げて悠々と逃げましょう。
逃走路はもちろん、壁をぶち抜いて作ります。

問題はここから。
事前に偵察しておいた、追手のキャバリアと戦っても
被害が出にくい場所に、いかに上手に引きずり込むかです。
[おびき寄せ]がうまく行くといいのですが。



「依頼内容はオブリビオンマシンの撃破。デナイアブルミッションで、カバーは盗賊。了解」
 レプリカントの少女、ノエル・カンナビス(キャバリア傭兵・f33081)は自身のキャバリア『エイストラ』のコックピット内で依頼の内容を読みあげる。
 彼女は猟兵としてではなく傭兵として、この依頼に参加している。
「ここですね」
 事前の偵察でエネルギーインゴットが貯蔵されている場所は判明している。
 ノエルは『エイストラ』の腕部に内蔵されたビームブレイドを取り出して、基地内の扉をバッサリと斬り裂いた。
 基地内だけあって頑丈な扉ではあったが、高出力のキャバリアによる高速かつ正確な一撃に耐える事は出来る筈もなかったのである。
「ありましたね…良い収入になりそうです」
 エネルギーインゴットの輝きを目の当たりにして、ノエルは思わず表情が和らいだ。
 傭兵だけあって戦利品を確保する為の用意も抜かりはない。
 『エイストラ』からネットを取り出して、ノエルは目立つサイズの大きいインゴットを確保するのであった。
「一体何の騒ぎだ?」
「し、侵入者だ。所属不明のキャバリアが基地内に!」
 ようやく整備員達もノエルの侵入に気付き、現場に駆け付け警報アラートを鳴らした。
「ノンリーサル、鎮圧します」
 ノエルは『エイストラ』の外部スピーカーから、麻痺超音波を流して、整備員達を傷つける事無く沈黙させた。
 だが警報アラートは止まず、そう時間がかからない内に革命軍のキャバリアが押し寄せてくるだろう。
「ここは逃げましょう」
 ノエルは脱出ルートを特定すると、その障害となる基地内の壁を『エイストラ』の火器で破壊した。
 自分が盗賊である事を示す為、強奪したインゴットを『エイストラ』の背にぶら下げて、ノエルは悠々と逃走路を進む。
「問題はここから」
 ノエルは事前に偵察しておいた革命軍のキャバリアの性能を確認する。
 彼等と戦っても被害が出にくい場所も既に選定済みで、キャリアも近くに待機させてある。
 ノエルは誘いが上手くいってくれる事を願いながら、『エイストラ』と共に基地内を疾走するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴィリー・フランツ
Pow NG無し
心情・理由:(舌打ち)精神汚染のせいで衛星の迎撃能力が半端ねぇ事を完璧に忘れてやがる。
ヒヨッコ達の目を覚まさせねぇとな。
手段:キャバリアは迎撃地点に待機、俺は軍用トラックに乗りながらは煙草を吸って【喫煙者】を発動、車列に混じり守衛への誤魔化し方を考えるか。
集積所へ侵入後はトラックにインゴットを積むだけだ、フォークリフトも有れば拝借して運搬。
作業員に見付かったら、騒がれる前にパラライズガンを打ち込み気絶させる。

盗れるだけ取ったら後は脱出、迎撃地点に一目散だぜ!
このインゴットはどうするかって?こういった依頼は表沙汰に出来ない分、支払いが滞る事があってな、担保として暫くは預かる感じだ



「…何か騒がしくないか?」
「どうせ調子に乗って喧嘩でもしてるんだろ」
 革命軍による宴会は未だに続いていた。
 既に猟兵達によるエネルギーインゴットの強奪が行われており、警報音もなっているのだが、それに気づいていない兵士達も多数いるのである。
 スペースノイドの猟兵、ヴィリー・フランツ(スペースノイドの傭兵・f27848)は舌打ちしながら、軍用トラックのハンドルを握る。
 革命軍の物資運搬車に紛れて基地内に侵入したのである。
 守衛からも特に怪しまれる事なく侵入できた事に、ヴィリーは逆に不安になるのだった。
「精神汚染のせいで衛星の迎撃能力が半端ねぇ事を完璧に忘れてやがる。おまけに油断までしているときたもんだ」
 彼等のやろうとしている事は愚行以外の何物でもないのだと、ヴィリーは確信した。
「ヒヨッコ達の目を覚まさせねぇとな」
 目的地である貯蔵庫に近づいた所で、ヴィリーは携帯していた煙草を吸って心を落ち着かせる。
 だが貯蔵庫に入ろうとした所で1人の作業員に呼び止められた。
「おい、警報が聞こえていないのか?侵入者が俺達の物資を奪って逃走中だ。ここは危険だぞ」
「ああ、だから物資を移動させておくようにと、リーダーからの指示だ
「リーダーの?…そうか、なら急いでくれこっちだ」
 ヴィリーの出まかせの言葉を、作業員は信じたらしくエネルギーインゴットのある場所にへと案内してくれる。
「助かるぜ。そこのフォークリフトも使わせてもらうぜ」
 ヴィリーは貯蔵庫内のフォークリフトを活用して、トラック内にエネルギーインゴットを運び込んだ。
 トラックに満載になった所で、ヴィリーはフォークリフトを止めて、手伝ってくれた作業員に声をかける。
「後は運ぶだけだな。その前に一服したいのだが、火を貸してくれないか?」
「おいおい…急ぎなんじゃないのか?吸う時は外で吸えよ」
 整備員は飽きれながらも整備員はヴィリーにライターを渡そうと近づいた。
「……悪いな」
 ヴィリーはライターを受け取らず、その代わりにパラライズガンを整備員に撃ち込んだ。
 特殊な波長の光線をその身に浴びた整備員は全神経が麻痺して、その場に崩れ落ちるのだった。
「ここは盗賊らしくいかねえとな」
 ヴィリーはエネルギーインゴットを乗せたトラックで基地内を脱出した。
「あのトラックを追え!」
 革命軍に気付かれ追われる羽目になってしまうが、それもヴィリーの狙い通りである。
「このまま一直線に進むぜ」
 向かう先はヴィリーのキャバリアが置いてある基地から離れた迎撃地点である。
 キャバリアやトラックを隠すのに適した地点を事前に見つけておいたのである。
「大事な担保だ。間違っても破壊されないようにしねとな」
 今回のような依頼は表沙汰に出来ない分、支払いが滞る事がある。
 強奪したエネルギーインゴットはそうなった時の為の交渉材料なのである。
 それからヴィリーは追われながらも無事に迎撃地点へ到着するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

火翅・ナナ
ナナちゃんも殲禍炎剣は嫌いだけどさぁ、失敗してるって分かってる作戦で空が荒れるのは見たくないよねえ。
戦災孤児の子達が無駄に死んじゃうのもぉ……ま、ちょっち後味が悪いし。なるべく穏便に済ませちゃろ

密かに倉庫に潜入して、マクガフィンでエネルギーインゴットを拝借しちゃおう
監視カメラなんかがあったら、【薫製ニシンの虚偽】でハッキングして異常ない画面に差し替える

一度に大量に移動させる手段が無いから、なるべく大きいやつを狙って、他の猟兵さんにそういう手段用意してる人がいたら、運び出したインゴットはその人に任せて持って行ってもらっちゃお

ナナちゃんもマクガフィンも、こっそり動くのは得意なんだよねぇ



「はいはぁーい、ナナちゃんからのプレゼントをどぉぞ♡」
 アンサーヒューマンの少女、火翅・ナナ(未空・f30145)は最新鋭のクロムキャバリア『マクガフィン』と共に倉庫内の侵入を果たしていた。
 ナナ特製のウイルス『薫製ニシンの虚偽(レッド・ヘリング)』によって、基地内の監視カメラをハッキングし、基地内の兵士達に気付かれる事なく、侵入に成功したのである。
 制圧したばかりの基地でセキュリティ面が万全である筈もなく、ナナにとっては赤子の手をひねるも同然であった。
 今の監視カメラがナナの姿を映し出す事は無い。
「ナナちゃんも殲禍炎剣は嫌いだけどさぁ、失敗してるって分かってる作戦で空が荒れるのは見たくないよねえ」
 殲禍炎剣の破壊したいという想いはナナも同じである。
 だが最悪の結果が見えている作戦に、手を貸すほどナナは愚かではない。
 そして革命軍の兵士達も死なせるつもりは無かった。
 元は戦災孤児であった兵士達を無駄死にさせるのは、ナナにとっては後味が悪い。
「なるべく穏便に済ませちゃろ」
 ハッキングによってエネルギーインゴットのある場所を特定したナナは、『マクガフィン』でその場にへと向かう。
 他の猟兵達によるエネルギーインゴットの強奪は開始されているようで、倉庫内はアラーム音が鳴り続けていた。
「他の猟兵さん達に運搬を任せようとも思ったけれど、その時間はなさそうだね」
 猟兵達との合流を諦め、ナナは近くにあった大きめのエネルギーインゴットを、『マクガフィン』で抱えて倉庫内を脱出する。
 当然、脱出ルートもハッキングで確保済みだ。
「ナナちゃんもマクガフィンも、こっそり動くのは得意なんだよねぇ」
 その言葉通り、ナナは誰にも気づかれる事なく、エネルギーインゴットの奪取に成功するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ホワイト・キャスター
やれやれ、手始めに盗っ人の真似事とはね。ま、経験がないと言えば嘘になるようなアタシが言えた立場じゃないか。


若いってのは良いことだが気が緩んでんな。こっそりと入らせてもらってインゴットを奪わせて貰うとしようかね。
なぁに、ちょろまかしたりはしねぇよ。後で穏便に軍の奴らに買い取って貰う。それくらいの儲けがあっても良いだろう?

っと、バレそうになったら愛機のブルーフォッグからジャミング煙幕を展開。
騒ぎが大きくなるかもしれねぇが他の奴らの助けにもなるだろ


疋田・菊月
ははあ、これはまた随分ときな臭い……
まあでも、相手は衛星軌道上ですからね。無茶を言ってはいけません
悪戯に市民を煽り立てるのは良くないです
ご退場願いましょうねー

ふむふむ、どうやら宴会でお楽しみの御様子ですね
となれば、本物の給仕が紛れ込んでいてもおかしくはない筈ですね
カミオさん、ちょっと騒いで人払いをお願いできますかね
そこらのカラスみたいに、食べ物をささーっとかっぱらっていく感じで、そうですそうです

私は場が混乱したら、その辺に待機させておいたシュタインバウアーで物資をかっぱらっていきますよー
うちのキャバリアは地味な量産型ですから、たぶん、きっと、目立たない筈です



 時は遡って、猟兵達が本格的に強奪を始める少し前の事である。

「やれやれ、手始めに盗っ人の真似事とはね。ま、経験がないと言えば嘘になるようなアタシが言えた立場じゃないか」
「ふむふむ、どうやら宴会でお楽しみの御様子ですね」
 型落ちの量産型キャバリア『ブルーフォッグ』を乗りこなす掃除屋、ホワイト・キャスター(バイク乗りの掃除屋・f24702)と、同じく量産型キャバリア『シュタインバウアーmk-2』を乗機とする人造生命の少女、疋田・菊月(人造術士九号・f22519)が同時に基地内の侵入を果たしていた。
 宴会中とはいえ無策で貯蔵庫に向かおうものなら、たちまち気付かれてしまい騒ぎになってしまうだろう。
 それならばと菊月は『シュタインバウアーmk-2』から降りる。
「私が給仕として紛れ込みますから、その隙にインゴットをかっぱらって来てください」
「OK、頼んだよ」
 宴会騒ぎを続けている兵士達の相手は菊月に任せ、ホワイトは『ブルーフォッグ』に乗ったままチャンスが来るまで、基地内に身を潜めるのであった。
「お、給仕さんまでいるのか、それじゃあ俺にも何か飲み物をくれ。アルコール以外でな」
「こっちもだ。食い物が足りてないぞ」
「は~い」
 特に怪しまれる事もなく兵士達の間に入り込んだ菊月は、手慣れた様子で彼等に食事と飲み物を運んで回るのだった。
「若いってのは良いことだが気が緩んでんな…」
 『ブルーフォッグ』内のモニターから宴会の様子を見ていたホワイトは、作戦前に浮かれている兵士達の様子を見て呆れるのだった。
「そろそろいいですかね。出ませ、カミオさん! ちょっと手を貸してくださいな」
 宴会が盛り上がってきた所で、菊月はダイモンデバイスから、悪魔『カミオ』を召喚する。
「そこらのカラスみたいに、食べ物をささーっとかっぱらっていく感じでお願いしますね」
 悪魔『カミオ』は菊月の命に従い、兵士達の目の前で食事をかっぱらっていくのだった。
「な、何だこいつは?」
「俺達の邪魔をしようってか、上等だぜ」
 たちまち兵士達の間で騒ぎが広まっていく。
「それじゃあ頂こうかね。なぁに、ちょろまかしたりはしねぇよ。後で穏便に軍の奴らに買い取って貰う。それくらいの儲けがあっても良いだろう?」
 兵士達が騒いでいる隙にホワイトは『ブルーフォッグ』を走らせ、貯蔵庫内に保管されているエネルギーインゴットの奪取に成功した。
 エネルギーインゴットが放つまばゆい輝きは、かなりの値打ち物である事を証明している。
 それだけにエネルギーインゴットを抱えるキャバリアの姿は目立ってしまった。
「し、侵入者だ。薄汚いキャバリアが紛れ込んでいるぞ」
 いざ脱出という所で、整備員に見つかってしまい、警報音が鳴り響く。
「ち、面倒くさいねぇ!」
 愛機を罵倒された事は気に食わなかったが、ホワイトはエネルギーインゴットの奪取を優先して『ブルーフォッグ』からジャミング煙幕を放出した。
「くそっ!煙幕を張りやがった」
 煙幕に視界を奪われた兵士達は、『ブルーフォッグ』の姿を見失う。
「騒ぎは大きくなったが、これで他の奴らの助けにもなるだろう」
 ホワイトは菊月に通信を送り、一足先に基地を脱出する。
「いい感じで混乱しているようですし、私もかっぱらいましょう」
 騒ぎに乗じて宴会から抜け出した菊月は、待機させていた『シュタインバウアーmk-2』に乗り込んで、エネルギーインゴットの確保に向かった。
「は、早く追いかけろ。大事な物資を奪われるわけにはいかない」
「キャバリアを出せ!アレなら盗っ人どもを一網打尽にできる」
 ホワイトが撒いた煙幕はまだ消えておらず、『シュタインバウアーmk-2』の地味な外装も幸いして、菊月もまた持てるだけのエネルギーインゴットを手に入れる事が出来たのであった。
「それじゃ、ささーと引き上げましょう」
 目的を果たした菊月は、ホワイトに続いて意気揚々と基地を脱出するのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

セレーネ・ジルコニウム
【ガルヴォルン】
「殲禍炎剣の破壊……。
それは全ての人々の願いですが、オブリビオンマシンによってその願いを利用され、国が滅びるのは見過ごせません。
私設軍事組織ガルヴォルン、出撃です」

私はガルヴォルンの旗艦ストライダーの艦長席で【アドバンテージ・アンサー】によって強奪作戦の指揮を執ります。
まずは盗賊として振る舞い、革命軍をおびき出しましょう。

「錫華さん、ストライダーのセンサーで得た革命軍の情報を共有します。
艦内格納庫への受け入れ体制を整えておきますので、エネルギーインゴットの奪取、よろしくお願いしますね」

エネルギーインゴットはストライダーに保管し、我々の軍事活動に有効活用させていただきましょう。


支倉・錫華
【ガルヴォルン】

仕事がやりやすいからいいんだけど、
勝ち戦に浮かれちゃうようだと今後が心配になるね。

士気を高めるのは大事だけど、
最低限の警備くらいはしておかないとなんだけどな。

今回は大佐が指揮してくれるのも安心だね。
大佐の陽動に革命軍が引っかかったら、
送ってもらった情報をもとに備蓄倉庫に侵入。
「了解大佐。ホバートラック突っ込めるようにしておいてね」

【次元召喚分離攻撃】でわたしをもう一人喚びだして、
2人で協力してインゴットを運び出すよ。

アミシアには、ホバートラックで待機していてもらって、
インゴットを積み込んだら、ストライダーに運んでもらおう。

何往復かするつもりで、持っていけるだけ持って行きたいな。



「な、何だあれは?」
「揚陸艦だ。こっちに近づいてくるぞ!」
 基地内の高台で見張りをしていた、革命軍の兵士達は自分の目を疑った。
 見た事の無い揚陸艦が高速で基地に接近しているのである。
 その揚陸艦から少女の声が聞こえた。
「我々は私設軍事組織ガルヴォルンです。我々の軍事活動の為、あなた達の所有する物資を頂戴しに参りました」
 機動戦艦ストライダーの艦長席から革命軍の兵士達に呼びかけるのは、ガルヴォルンを率いる少女、セレーネ・ジルコニウム(私設軍事組織ガルヴォルン大佐・f30072)である。
「殲禍炎剣の破壊……。それは全ての人々の願いですが、オブリビオンマシンによってその願いを利用され、国が滅びるのは見過ごせません」
 セレーネは盗賊として振る舞い革命軍の兵士達の注意を引く陽動役であった。
「な、何がガルヴォルンだ。この盗賊団め!」
「ちょっといい戦艦を持っているからって調子に乗りやがって!返り討ちにしてその戦艦は俺達が使わせてもらうぜ」
 陽動とは知らず、兵士達は出撃の準備を始める。
「……仕事がやりやすいからいいんだけど、勝ち戦に浮かれちゃうようだと今後が心配になるね」
 その様子を影から伺っているのは、ガルヴォルンの一員の少女、支倉・錫華(Gambenero・f29951)である。
 セレーネが革命軍を引き付けている隙に、エネルギーインゴットを奪うのが錫華の役目なのだ。
「士気を高めるのは大事だけど、最低限の警備くらいはしておかないとなんだけどな」
 あまりに上手く行き過ぎて、錫華は逆に不安を覚えるのだった。
 だが信頼している大佐の指揮の元で失敗はあり得ないと、錫華は確信している。
「錫華さん、ストライダーのセンサーで得た革命軍の情報を共有します。艦内格納庫への受け入れ体制を整えておきますので、エネルギーインゴットの奪取、よろしくお願いしますね」
 ガルヴォルン大佐であるセレーネから通信が入り、エネルギーインゴットが保管されている備蓄倉庫の位置が正確に伝えられる。
「了解大佐。ホバートラック突っ込めるようにしておいてね」
 錫華は兵士達の目を盗み、備蓄倉庫へ侵入する。
 倉庫付近は大騒ぎになっており、侵入は容易であった。
「…聞いていたよりも量が少ないみたいだね。これは先客の仕業かな」
 ガルヴォルンといえども、他の猟兵達の動きまでは読めなかった。
 けれども、まだ十分な量が残されている事に錫華は安堵する。
「あとは運び出すだけだね」
 錫華は次元召喚を行い、もう一人の自分を喚びだした。
 喚び出されたもう一人の錫華は頷いて、エネルギーインゴットを抱え込み用意していたホバートラックへの積み込みを開始する。
「運べるぐらいの大きさばかり残っていたのは運が良かったね」
 錫華自身も持てるだけ持って、ホバートラックの荷台に運び込む。
 エネルギーインゴットの放つまばゆい輝きが、トラック内を明るく照らした。
「おいこっちにも居たぞ!」
「性懲りもなく!」
 あと何往復かするつもりでいた錫華であったが、臨戦態勢に入った革命軍の兵士達に発見されてしまった。
「潮時だね。脱出するよ。大佐援護して」
「了解です。合流地点を送るから、そこまでホバートラックで向かって下さい」
 セレーネの指示もまた早く、錫華の携帯端末から合流地点が表示された。
「あのトラックを止めろ。だが物資は傷つけるなよ」
 兵士達がホバートラックの足を止めるべく銃を乱射した。
「もたもたしていられないかな。アミシアも援護して!」
 錫華はホバートラックに待機させておいた、パートナーユニットに兵士達の迎撃を命じて、ホバートラックのハンドルを握る。
 それから両者の間で激しい銃撃戦とカーチェイスが繰り広げられたが、錫華達はホバートラックを機動戦艦ストライダー内に退避させる事に成功したのである。
「錫華さん、やりましたね」
 無事に作戦をやり遂げた、錫華をセレーネが温かく出迎えた。
「…かなりの高純度なエネルギーインゴットですね。大事に保管しておきましょう」
 手に入れた物資はガルヴォルンの軍事活動に大いに役立つだろうと、セレーネは収穫を喜ぶのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『機動殲龍『底這』』

POW   :    グラビティカノン
【LV×100km/hに加速し潜航。口部】【重力砲で攻撃。外れても一定時間残留する。】【味方機とデータリンクし敵の行動を学ぶ事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    パラライズケージ
【LV×100km/hに加速し潜航。腹部】【敵にのみ効く複数個の時限式EMP機雷】【味方機とデータリンクし敵の行動を学ぶ事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    エアリアルバスター
【LV×100km/hに加速し潜航。空気を】【圧縮し放つ多数の副砲で攻撃する。】【味方機とデータリンクし敵の行動を学ぶ事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「畜生!やられた」
「盗賊どもが、大事な時に寄ってたかって!」
 盗賊団に扮した猟兵達にまんまとエネルギーインゴットを強奪され、革命軍の兵士達は苛立っていた。
 このままでは殲禍炎剣破壊作戦にも多大な影響が出る。
「リーダー申し訳ございません。俺達が油断していたばかりに…」
「過ぎた事は仕方ありません。まだそう遠くへは逃げていない筈です。直ちに出撃して奪われたインゴットを取り戻してください」
 投影体で指示を送るリーダーの少女は、不測の事態に対しても冷静そのものであった。
 その様子に革命軍の若き兵士達は勇気づけられ、落ち着きを取り戻した。
 だがあくまでリーダーの少女の采配は、オブビリオンマシンに意識を奪われ、感情も抑制されての事なのである。
「出撃するぞ。俺達の未来を奪われてたまるか!」
「やろうぜ。俺達は正規軍にも勝てたんだ」
 兵士達は新型のキャバリアである『機動殲龍』に乗り込んだ。
 海中もしくは地中に潜り込んでの強襲をコンセプトとしたキャバリアである。
 地中から高速で襲い掛かるキャバリア相手に、正規軍はロクな反撃も出来ず敗退し、基地を明け渡す羽目になったのだ。
 兵士達は気付いていないが、『機動殲龍』は全てオブビリオンマシン化している。
 搭乗者の正気を奪う代わりに、本来のスペックよりも数段上の性能を発揮できるのだ。
「見つけたぞ。俺達を迎え撃つつもりか!」
「所詮は寄せ集めだ。『底這』の力を見せてやるぜ」
 基地から出撃した兵士達は逃走する猟兵達を捕捉し、地中を高速で掘り進む。
 これから始まるのは一方的な逆襲、オブビリオンマシンに正気を奪われている兵士達はそう信じて疑わなかった。
ノエル・カンナビス
(エイストラ搭乗、キャリアは待機中)

餌を撒いたら、甘海老とサメの合いの子みたいのが釣れました。
なんでしょうか、これ。

まぁ何でもいいですが。命中率特化の武装はないようですね。
地中移動もこれほど騒がしいと、普通にセンサーに捉まります。
速きゃいいって物じゃありませんよ……。

周辺被害を局限するためには垂直戦闘が要りますね。
ジャンプを主体に回避、撃ち下ろし射撃で迎撃しましょう。

聞き耳/索敵/第六感/見切り/ジャンプ/操縦/空中機動/
推力移動/鎧無視攻撃/貫通攻撃/2回攻撃/継戦能力、
という辺りで上下からの撃ち合いです。
地面も多少は貫通しますよ、私のライフル。

体当たりもダメです。手加減できなくなりますし。



「敵機を捕捉したぞ」
「まずは挨拶代わりだくらえ!」
 地中を潜航して進む機動殲龍『底這』が猟兵達が乗るキャバリアを捕捉した。
 エネルギーインゴットを奪われた革命軍の兵士達は、猟兵達を盗賊団であると信じきっている。
 軍の上層部が差し向けたものであるとは、少しも疑っている様子はない。
 『底這』が一機のキャバリアに対し、足元から多数の副砲を発射した。
 だが襲われた方のキャバリアの対応も早く、機敏に後方に下がって副砲を回避する。
「やるじゃないか…だが今ので動きはわかったぞ。データを友軍機に送る」
 初撃を回避されるも、『底這』に搭乗する兵士は狼狽える事無く、次の手を打つのだった。
「餌を撒いたら、甘海老とサメの合いの子みたいのが釣れました。なんでしょうか、これ?」
 ノエル・カンナビス(キャバリア傭兵・f33081)は、搭乗しているキャバリア『エイストラ』に回避行動をさせた後で、襲撃してきた敵機を分析する。
「まぁ何でもいいですが。先程の様子を見る限り、命中率特化の武装はないようですね。地中移動もこれほど騒がしいと、普通にセンサーに捉まります。速きゃいいって物じゃありませんよ……」
 現にノエルは地中からの『底這』の砲撃を容易く回避してみせた。
 向こうもデータリンクしているようだが、さして脅威にはならないとノエルは判断する。
 問題はどうやって地中を駆けずり回る『底這』を沈黙させるかである。
「ここは周辺被害を局限するためにも垂直戦闘でしょうか」
 ノエルは『エイストラ』を跳躍して、プラズマライフルを構えて地中に潜む『底這』に狙いを定める。
「地中にいる俺達を相手に撃ち合い勝負をしようってか…いい度胸だ」
 『底這』を操る兵士は望むところだとばかりに、重力砲のチャージを開始する。
「地面も多少は貫通しますよ、私のライフル」
 重力砲が撃たれる前に、ノエルはプラズマライフルを『底這』に向けて発砲した。
 ノエルの宣言通り、ライフルから発射された雷は地面をものともせずに、『底這』に命中させた。
「くそ、やられた!盗賊の癖にいい装備を持っていやがる」
 受けたダメージは致命傷ではなかったが雷のショックで、重力砲の発射が中断された事に、兵士は毒づいた。
「これなら手加減しても問題ないですね」
 ノエルは休む間もなく、ライフルから雷を発射して『底這』を追い込んでいく。
 ノエルの腕なら一気に『底這』の動力炉に当てて爆散させる事も可能だが、『底這』に搭乗する兵士の命を奪わない為にも、爆散させずに機能停止にさせる必要があった。
 あのような機体の形状では、体当たりによる近接戦闘で手加減するのも難しい。
 長期戦を覚悟でノエルは『エイストラ』をジャンプさせ、射撃による垂直戦闘を繰り返した。
「中々の強敵だ。複数がかりで墜とせ!」
 『底這』が隊を組んで地中からノエルに挑むも、機体以上に搭乗者との実力差は明白であり、ゆっくりとだが確実に戦況はノエル有利に進むのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シホ・イオア
さすがに地中じゃ機体内に侵入するのは難しいね。
パイロットを傷つけずに救出できればとおもったんだけど。
地面を透過しているわけではないから位置は特定できそう。
けどそのスピードじゃ狙って攻撃を当てるのは難しいかな。

敵の攻撃をダンスと空中戦と残像を組み合わせた動きで回避しつつUCで反撃。
浄化と破魔と精神攻撃でオブビリオンマシンの洗脳に対抗。
パイロットの正気を癒して弱体化・無力化を狙っていこう。
それと結界術も試してみよう。
何か所かに敵の動きを阻害する場所を作れるかもしれない。
動きが鈍れば通常攻撃も有効かもしれないしね。

敵も多いし連携重視で非殺推奨だね。
アドリブ歓迎。


火翅・ナナ
にはは、釣れた釣れたぁ
……って、この反応、地中ぅ!? おもしれーキャバリアもあったもんだにゃぁ

なかなか速くて厄介そうだけどぉ、ナナちゃんマクガフィンの身軽さもちょっとしたもんなんだぜぇ
『底這』が浮上するタイミングを瞬間思考力で察知して跳躍。相手の攻撃のタイミングに合わせてBX-B"ブリンク"を足元に展開して空中に着地。
アドバンテージ・アンサーで優位を取って攻撃
変則的な動きで翻弄しつつ、パイロットは無事なように機体だけを破壊しようとする

ナナちゃん達に敵わないんなら、殲禍炎剣を墜とすなんて夢のまた夢だねぇ
まー今は聞く耳持たないだろーけどさぁ。ちょっと頭冷やしてなよ



「ちゃんと来てくれるかなぁ…」
 誰にも気づかれる事なくエネルギーインゴットを奪う事に成功した火翅・ナナ(未空・f30145)は、逆に不安になっていた。
 次の作戦は追いかけて来る革命軍の迎撃して兵士達を正気に戻す事なのだが、そもそも気付かれなければ追いかけても来ないのではないか?
 だがそんなナナの不安を打ち消すかのように、搭乗しているキャバリア『マクガフィン』のセンサーから敵機の接近が表示される。
「にはは、釣れた釣れたぁ……って、この反応、地中ぅ!?」
 ナナは『マクガフィン』のブースターを吹かせて、その場から急いで飛び退いた。
 その直後にナナの居た地面から重力砲が発射された。
 直撃は避けられたものの重力の塊は残留し、元居た場所に近づく事は出来ない。
「ちぃ、外したか!なら、次はコイツでビビらせてやる」
 地中から奇襲を仕掛けた機動殲龍『底這』は、地上に姿を見せたかと思うと、ナナが搭乗する『マクガフィン』が無傷である事に舌打ちして、再び地中にへと潜り込むのであった。
「おもしれーキャバリアもあったもんだにゃぁ」
「さすがに地中じゃ機体内に侵入するのは難しいね」
 ナナの側に居たフェアリーの少女、シホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)は、耳を澄ませて地中の様子を確認する。
 聞こえてくるエンジン音から『底這』の位置は特定できるが、高速で地中を進むキャバリア相手では、パイロットを傷つけずに救出するのも簡単にはいかないだろう。
「それなら大人しくしてもらわないとねぇ」
 ナナはシホを『マクガフィン』のコックピット内に避難させてから、『底這』が次に仕掛けて来るタイミングを狙って、機体を跳躍させる。
 そのすぐ後に『底這』が仕掛けた時限式EMP機雷が爆発した。
「避けたか?だが逃げ場はないぞ!」
 敵機のみに有効な電磁波が戦場に広く拡散し、猟兵達の足場が奪われたのだ。
 このまま着地すれば電磁波による被害は避けられない。
「なかなか速くて厄介そうだけどぉ、ナナちゃん『マクガフィン』の身軽さもちょっとしたもんなんだぜぇ」
 そこでナナはBX-B"ブリンク"を展開して、電磁波が及ばない空中に足場を構築した。
「着地に成功っと」
 ナナが操る『マクガフィン』は電磁波の被害を受ける事無く、軽やかに着地する。
「シホだってちょっとしたものだよ」
 コックピット内からシホは結界術を展開して、拡散していた電磁波を無力化させるのであった。
「小癪な真似を!撃て撃て!」
 奇襲は通用しないと判断した『底這』隊は、数に任せた砲撃戦にへと切り替えた。 
 副砲による銃弾の嵐が2人が乗る『マクガフィン』を襲う。
 オブビリオンマシンに意識を操られている革命軍の兵士達は、周囲の被害を気にする事無く撃ち続けた。
「パイロットは無事で機体だけを破壊したいけれど…」
「それならシホに任せて!」
 『底這』の攻撃の回避はナナに任せ、シホはパイロットの正気を取り戻すべく、精神を集中させる。
「にはは、それじゃシホちゃんに任せたよ」
 ナナはBX-B"ブリンク"で優位な足場を確保しつつ、『マクガフィン』による変則的な機動で砲撃の嵐を回避し続けた。
「シホちゃん今だよ」
「世界を癒せ、シホの光!」
 シホが持つ聖痕から、彼女が持つカリスマの光が輝き出した。
 あまりにまばゆい輝きは『マクガフィン』から溢れ出して、地中で砲撃を続けていた『底這』をも照らし出すのであった。
「な、何の光だ…何故砲撃が止まる?まさか故障か」
 シホが放つ光に魅了されるかのように『底這』隊は砲撃を止め、機能の大半が理由不明の停止を引き起こすのであった。
「く、俺は一体何を…」
「…何故ここで戦っているんだ?」
 オブビリオンマシンの力が弱まった事で、中に乗っていた革命軍の兵士達も正気を取り戻しつつある。
「ナナちゃん今の内だよ」
「ラジャー」
 『底這』隊の動きが鈍った所で、ナナは反撃に出た。
 今なら兵士達を傷つけずにオブビリオンマシンだけを破壊する事も容易だろう。
「ぐああ!このままではやられる」
「くそ、動け。なんで動かないんだ!」
 『マクガフィン』から発射された光弾が、『底這』に次々と着弾し、機能停止にへと追い込まれていく。
「ナナちゃん達に敵わないんなら、殲禍炎剣を墜とすなんて夢のまた夢だねぇ。まー今は聞く耳持たないだろーけどさぁ。ちょっと頭冷やしてなよ」
 こうして2人は『底這』だけを破壊し、乗っていた兵士達の救出に成功するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィリー・フランツ
wiz※連携OK,NG無し
理由・心情:来たか、それじゃヒヨッコ達を教育してやるか。

手段:車両を隠したらヘヴィタイフーンmk.Ⅹに乗って出撃。
敵の機体は水中ならぬ地中を進む大魚か、厄介だな…
接敵したらスラスターを全開にして後退、形勢不利と見せかけてヒヨッコを誘導するつもりだ。勿論、後退中は肩のクロコダイル速射砲を牽制で撃ちながら必死に逃げ体を装うぜ。

ある程度まとまったら【EMP弾頭】をコングⅡ重無反動砲に装填、後はヒヨッコの集団に向けて打ち込めば炸裂範囲99m内の機体は全部ダウンするって寸法だ。

これが現状、ヒヨッコ達を無傷で確保出来る唯一の手だな、他の猟兵と連絡を取り合って連携し、成功させんとな



「来たか、それじゃヒヨッコ達を教育してやるか」
 ヴィリー・フランツ(スペースノイドの傭兵・f27848)は奪取したエネルギーインゴットを乗せた車両を隠し終えてから、重装甲型のキャバリア『ヘヴィタイフーンmk.Ⅹ』に乗り込む。
 その直後に革命軍のキャバリアが追いついてきた。
「見つけたぞ!随分とノロそうなキャバリアじゃないか」
 機動殲龍『底這』を駆る革命軍の兵士達は挨拶代わりとばかりに、地中から飛び出してヴィリーに姿を見せつけたかと思うと、すぐに地中にへと潜っていった。
「敵の機体は水中ならぬ地中を進む大魚か、厄介だな…」
 重装甲であるがゆえに他のキャバリアよりも鈍重な『ヘヴィタイフーンmk.Ⅹ』では、高速で死角に潜り込める『底這』を相手にするには分が悪い。
「投降するなら命だけは助けてやるぞ!」
 革命軍の兵士が降伏勧告が行われる。
 そしてヴィリーの返事を待たずに地中から砲撃が開始された。
 『ヘヴィタイフーンmk.Ⅹ』に着弾し、コックピット内に激しい金属音が響き渡る。
 1発1発は『ヘヴィタイフーンmk.Ⅹ』の重装甲をへこませる程度の威力でしかないが、積み重なれば重大な損傷を被るだろう。
「ち…仕方ないな」
 ヴィリーは『ヘヴィタイフーンmk.Ⅹ』のスラスターを全開にして後退した。
「そんな動きで逃げ切れるものか!」
 『底這』との機動力の差は歴然で、兵士の指摘通り『ヘヴィタイフーンmk.Ⅹ』の全速でも逃げ切れられはしないだろう。
 だがヴィリーの狙いは『底這』に追いかけさせて、一か所に誘導させる事にあった。
「くそ!来るんじゃねえ」
 革命軍の兵士達に狙いを悟られないよう、ヴィリーは『ヘヴィタイフーンmk.Ⅹ』の肩のクロコダイル速射砲を乱射し、必死に逃げ回っている体を装った。
 同時に『底這』を散開させない為の牽制も兼ねている。
 そうとは気づかずに、ヴィリーの砲撃を容易く回避した兵士達は嘲笑を浮かべるのだった。
「当たらないな…俺達が戦いとはどういうものなのか教育してやるぜ」
 調子づいた兵士達は『底這』に重力砲の発射体制をとらせた。
 高威力の一斉射撃で一気に勝負を付ける腹積もりである。
「そうかい、じゃあこの特別仕様の弾をどう受けるのか教えてもらおうか!」
 一斉射撃の為に『底這』の動きが止まった今が好機である。
 ヴィリーはEMP弾頭をコングⅡ重無反動砲に装填し、『底這』隊の中心に向かって発射した。
「しまった!」
「野郎、これを狙っていたのか!」 
 EMP弾頭に巻き込まれた『底這』隊は、その機能の大半が停止に追い込まれる。
 同様の兵器を『底這』も所有していたが、その威力を発揮できたのはヴィリーの方だったという事だ。
「くそ、通信機もイカれた。これじゃ救援が呼べないぞ!」
「こんな奴に…」
 『底這』が受けた被害は深刻で、EMP弾頭の余波が収まるまでは兵士達は身動きも取れそうにない。
「これが現状、ヒヨッコ達を無傷で確保出来る唯一の手だな」
 ヴィリーは他の猟兵達と連絡を取ってから、『底這』に搭乗している兵士達を確保しにかかるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

疋田・菊月
おやまぁ、お魚ですってよ!
餌につられて、続々と出てきました
これは大漁ですねー
とはいえ、相手は地面に潜行しているわけですから、生半可な攻撃は届かないみたいですね
では、少々銃器に負担がかかりますが、特殊弾頭を使いましょう

ご存じですか? 発破を使った漁もあるんですよ。
そちらが機雷を敷設するというなら、こっちも手投げ弾で対応いたします
地中と地上、はたしてどちらが爆発が大変か、
答えは、爆竹を掌の上で握るか握らないかで変わります
機体を麻痺させるEMP搭載のようですが、先に迎撃しちゃいますねー

さ、爆発に嫌気がさして飛び出して来たら、ホットロードの出番です!
炸裂徹甲弾をお見舞いしちゃいますよー!


ガトウ・ガドウィック
さらなる灰燼拳を、知るために手に入れた、キャバリア……ここで使わずしていつ使う!
革命軍よ!盗賊団の灰燼拳は、ここにいるぞ!はっはっは!!

……影も形も見えん。
しかしそれなら答えは1つ。そう、灰燼拳だ!怪力を持って、地形破壊をおこない、隠れた相手をいぶり出す!
見つからなくとも、問題ない、なぜなら灰燼拳だからだ。己を鼓舞し、勇気を込めて、さらなる範囲攻撃を行おう。
拳へ力溜めて打ち下ろし、衝撃により吹き飛ばし、必ず見つけ出してみせよう!

近場にいたならグラップルで投げ飛ばし、遠くにいたなら即座にUCを使う。
腕へと元気を漲らせ放つ……これぞ灰燼拳だ!
直には撃ち込まん。彼らは、生きて帰らねばならないからな。



「おやまぁ、お魚ですってよ!餌につられて、続々と出てきました。これは大漁ですねー」
 既に交戦している猟兵達から、革命軍のキャバリアの情報を聞かされた疋田・菊月(人造術士九号・f22519)は、彼等に対抗する準備を進めていた。
 新たに合流した灰燼拳伝承者である青年、ガトウ・ガドウィック(灰燼拳・f15641)も、菊月に続いてキャバリアに乗り込んで革命軍が来るのを待ち構える。
「革命軍よ!盗賊団の灰燼拳は、ここにいるぞ!はっはっは!!」
「…盗賊団如きが自分から名乗るとはいい度胸だ!」
 ガトウが名乗りをあげた直後、機動殲龍『底這』の一団が地中から姿を現して、2人に対して砲撃を浴びせる。
「活きの良いお魚ですねー」
「さらなる灰燼拳を知るためにはいい相手になりそうだ」
 菊月とガトウは自らのキャバリアを巧みに操り『底這』の砲撃を回避する。
 他の猟兵達から得られた情報のおかげで、奇襲にも咄嗟に対応できたのだ。
「ち…外したか。だがお楽しみはこれからだ」
 砲撃が収まり2人がいざ反撃に出ようとした所で、再び地中に潜られてしまうのだった。
「生半可な攻撃は届かないみたいですね…では、少々銃器に負担がかかりますが、特殊弾頭を使いましょう」
「……影も形も見えん。しかしそれなら答えは1つ。そう、灰燼拳だ!」
 菊月とガトウはそれぞれの手段で、地中を潜航する『底這』の対処に向かう。
 まず先に動いたのは菊月だ。
「ご存じですか? 発破を使った漁もあるんですよ」
 菊月は『底這』が潜んでいる方へ手投げ弾を投げつける。
 『底這』がトラップとして仕掛けていたEMP機雷と手投げ弾がぶつかり合い、地中と地上で爆発が巻き起こった。
「ち、これじゃあ機雷がまともに機能しないぜ」
 爆発によるEMP機雷を無力化された事に、革命軍の兵士は舌打ちして『底這』を地中の深くにへと入り込ませる。
 猟兵達から手の届かない場所に潜んで隙を伺うつもりなのだ。
「見つからなくとも、問題ない、なぜなら灰燼拳だからだ」
 『灰燼拳』の名を冠する無骨なキャバリアのコックピット内で、ガトウは己を鼓舞する。
 そして気迫が最高潮にまで達した所で、ガトウは『灰燼拳』の拳を大地に叩きつけた。
 それだけで周辺の大地は破壊され、巨大なクレーターが出来上がった。
 『底這』が地中に穴を開けていた事で大地が脆くなっていたのも、あっさりと陥没した理由である。
「この馬鹿力が!」
 大地が破壊された事で、地中に潜り込んでいた『底這』隊の姿が曝け出された。
 その光景はさながら浜辺に打ち上げられた魚のようである。
「ホットロードの出番です!炸裂徹甲弾をお見舞いしちゃいますよー!」
 菊月はここぞとばかりに炸裂徹甲弾を装弾して、姿が露になった『底這』に向けて発砲した。
「ぐああああ!」
 炸裂徹甲弾は『底這』の1機を大破させた。
 中の兵士は気を失ったようだが、コックピットへの直撃は避けた為、命に別状はないようである。
「眼前全てを吹き飛ばす、これこそが灰燼拳だ!!」
 ガトウは『灰燼拳』の怪力で手近にいた『底這』を掴んで投げ飛ばした。
 投げられた『底這』は宙を舞い陥没した大地に叩きつけられる。
「く…やられる!」
 『灰燼拳』の拳が眼前に迫り、叩きつけられたダメージで身動きの取れない『底這』に搭乗している革命軍の兵士は死を覚悟した。
 だが『灰燼拳』の拳は『底這』のコックピットには直撃せず、動力部だけを破壊するだけであった。
「お前らには生きて帰ってもらわなければならないからな」
「そういうことだね」
 それからも菊月とガトウは自身が得意とする戦法を十二分に発揮して、襲い来る革命軍を返り討ちにするのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

支倉・錫華
【ガルヴォルン】

追っ手が地中から……機体の選択間違えてないかな。
まぁ、厄介なのは確かだけど。

ん、わかった、ナズグルででるね。

アミシア、センサーを地中に。反応きたら教えて。

【歌仙】と【天磐】を構えて、モグラ叩き。
行動不能にして、ストライダーが飛べるようになるまで時間を稼ごう

むぅ、これはやってみると意外と面倒だね。

え、ストライダーが止まった?
この爆発は機雷……! 回り込んだヤツがいたか。

大佐、だいじょぶ? 被害は?

もうこうなると手加減してあげられないね。
地形が変わるからあまり使いたくなかったけど……。

アミシア、【FdP CMPR-X3】『バンカーバスター』モード。

地面ごと撃ち抜かせてもらうよ!


セレーネ・ジルコニウム
【ガルヴォルン】
「敵の新型キャバリア……
小型地底戦艦タイプですか!?」
『敵戦艦群、地底へ潜航。レーダーからロスト。
まずいのう、地上戦艦モードのストライダーとは相性の悪い相手じゃ』
「くっ、全速で回避行動!
飛行モードへの移行のため主動力機関の臨界急いでください!」

ストライダーの艦長席で内心の焦りを隠しつつ、クルーに指示を出します。
錫華さんには艦の護衛についてもらうよう頼みましょう。

「【特殊部隊】は対キャバリア装備で敵地底戦艦へ砲撃をお願いします」

迎撃砲撃をおこないますが、艦の周囲でEMP機雷が起動し、艦の動きが止まります。

「復旧いそいでくださ……きゃああっ」
『敵の攻撃で艦の各所に損害発生じゃ』



「見つけたぞ!報告に聞いていた地上戦艦だ」
「あれが奴等の拠点に違いない。先に向かった同志達の連絡がないのは気がかりだが、逃す手は無いな」
 先行していた革命軍は他の猟兵達に迎撃されいる頃なのだが、そうとは知らずに兵士達は目の前の獲物に狙いを集中させるのであった。
「大佐、追っ手が地中から……機体の選択間違えてないかな。まぁ、厄介なのは確かだけど」
「敵の新型キャバリア……小型地底戦艦タイプですか!?」
 艦内で待機していたガルヴォルンの少女、支倉・錫華(Gambenero・f29951)の知らせを聞いた、機動戦艦ストライダーの艦長を務める少女、セレーネ・ジルコニウム(私設軍事組織ガルヴォルン大佐・f30072)が困惑の表情を浮かべる。
「へへ、いい的じゃないか」
 地中からの強襲を得意とする機動殲龍『底這』にとっては、小回りの利くキャバリアよりも、地上戦艦の方が与しやすい相手なのだ。
「あそこに俺達から奪った物資が積み込まれている筈だ。俺達に手を出した事、死ぬほど後悔させてやるぜ」
 革命軍の兵士達は地上戦艦に照準を合わせ、砲撃を開始する。 
 艦内のクルーが艦砲射撃で応戦するも、『底這』は地中深くに潜り込み射程外に逃げられてしまう。
「敵戦艦群、地底へ潜航。レーダーからロスト。まずいのう、地上戦艦モードのストライダーとは相性の悪い相手じゃ」
「大佐、敵機から重力反応が!」 
 そして『底這』が逃げた方角から重力反応が感知された。
 どうやら強力な重力砲で戦艦を沈めるつもりのようだ。
 錫華の知らせを聞いてセレーネに冷や汗が流れる。
「くっ、全速で回避行動!飛行モードへの移行のため主動力機関の臨界急いでください!」
 セレーネは内心の焦りを隠しつつ、艦長席からクルーに指示を出した。
「錫華さんは艦の護衛をお願いします」
「ん、わかった、ナズグルででるね」
 錫華は艦内の搭載機であるガルヴォルン製量産型キャバリア『ナズグル』に乗り込んで、急ぎ出撃する。
「アミシア、センサーを地中に。反応きたら教えて」
 パートナーユニットに指示した後で、キャバリア用の片刃の実体剣『歌仙』とキャバリア用ファンクションシールド『天磐』を構える。
「キャバリアが出てきた所で同じ事だ!」
 地中に潜んでいた『底這』から重力砲が発射された。
「させない!」
 錫華はストライダーを庇って『天磐』で重力砲を受け止めた。
「く…これだから重力は!」
 『天磐』のおかげで機体への直撃は防げたものの、残留する重力により『ナズグル』の動きが大きく阻害されてしまう。
 モグラ叩きの要領で直接叩くつもりでいたが、この有様では防御に専念するのに手一杯だろう。
「むぅ、これはやってみると意外と面倒だね…でも、それでも時間は稼げる」
 ストライダーが飛行モードへの移行を終えれば、艦と連携して反撃に移る事が出来る。
 錫華はそれまでに『底這』の砲撃を耐えればいいのだ。
「特殊部隊は対キャバリア装備で敵地底戦艦へ砲撃をお願いします」
 飛行モードへの移行するまでの間に、セレーネはクルーに砲撃の指示を送る。
 だが革命軍の兵士達による仕掛けがストライダーに迫っていた。
「網にかかったぞ。抜かるなよ」
 地中内で散開していた『底這』によって、ストライダー付近に仕掛けられていたEMP機雷が起動したのである。
 機雷から発生した電磁波により、艦内のシステムに障害が発生し、航行不能に陥ってしまう。
「復旧いそいでくださ……きゃああっ」
 セレーネが慌てて指示を出そうとした所で、『底這』の砲撃がストライダーを激しく揺らした。
「え、ストライダーが止まった?この爆発は機雷……!回り込んだヤツがいたか。大佐、だいじょぶ?被害は?」
 正面の『底這』を抑えていた錫華がストライダーに危機に気付いて、急いで通信を送る。
「敵の攻撃で艦の各所に損害発生じゃ」
「了解…もうこうなると手加減してあげられないね。地形が変わるからあまり使いたくなかったけど……」
 錫華は『ナズグル』の出力を上げ、自身もまた感覚を研ぎ澄まし、第八感の域まで高める。
「アミシア、『バンカーバスター』モード。地面ごと撃ち抜かせてもらうよ!」
 キャバリア用多目的ライフル『FdP CMPR-X3』に徹甲弾を込め、『底這』が潜んでいる地面に向けて発射した。
「ぐあああ!くそっ、何て破壊力だ」
 『ナズグル』から放たれた徹甲弾は地面を貫通し、『底這』の1機に命中した。
「機体が動かねえ!やってくれるぜ」
「油断したな。ま、後は俺達に任せな。向こうの船もロクに動けない。敵は1機のキャバリアだけだ」 
 『底這』は機体同士でデータリンクさせ、狙いを錫華の乗る『ナズグル』に絞る。
 破壊力を極限に高めた『ナズグル』といえど、キャバリアの連携を前には苦戦は避けられない。
「もしもの時は大佐と艦内の人達だけでも脱出を…」
 錫華が自らが盾となる覚悟を決めた所で、救いの手が差し伸べられた。
「敵機が接近してきただと?」
「まさか俺達以外はやられたというのか!」
 ガルヴォルンの窮地に、各地で革命軍の迎撃に成功した他の猟兵達が救助に駆け付けたのである。
 これで形勢は一気に逆転となった。
「た、助かりました…」
「今までのお返しはさせてもらうよ。今度はちゃんと手加減してあげるけれどね」
 他の猟兵達の援護を受けて態勢を立て直した、セレーネと錫華は残っている『底這』の制圧に取り掛かるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『エヴォルグ捌號機『Explode』』

POW   :    灰燼爆焔『Explode』
【両腕】から【戦場の全対象に大規模な爆発を起こす榴弾】を放ち、【戦場を破壊する。外れても地形を変えた被害】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    焔焔焼燬『Ignition』
【可燃性の粘着質な液体と爆発する榴弾】を降らせる事で、戦場全体が【大規模な爆発を起こす危険地帯】と同じ環境に変化する。[大規模な爆発を起こす危険地帯]に適応した者の行動成功率が上昇する。
WIZ   :    爆手爆砕『Combustion』
【爆発を利用し高速移動。伸縮する腕の連打】が命中した対象に対し、高威力高命中の【爆発する重い腕で殴り飛ばし、止めの榴弾】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はビードット・ワイワイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 エネルギーインゴット奪還に向かった革命軍の兵士達は、盗賊団に扮した猟兵達に敗れた。
 今はオブビリオンマシンの呪縛から解放され、保護されている。
「なあ…あんたら一体何者なんだ?」
「どうして私達はこんな所に…」
 革命軍の兵士達は正気は取り戻したものの、それまでの記憶が曖昧で自分達の置かれている状況を理解できないでいた。
 猟兵達が説明しようとした所でアラートが鳴る。
 どこからか榴弾が飛来し、爆発を起こすのであった。
「どうして邪魔をするのですか?私達は空を取り戻したいだけなのに…」
 エヴォルグ捌號機『Explode』、革命軍のリーダーの少女が乗る出所不明のキャバリアである。
 そしてその正体がオブビリオンマシンである事を、猟兵達は既に知っている。
「あの声は…」
「そんなどうして…」
 リーダーの声を聞いた革命軍の兵士達が困惑の表情を浮かべる。
 だがリーダーの少女が次に発した言葉は意外なものだった。
「モウシバイハイイダロウ。ジャマヲシタツモリナノダロウガ、オマエタチノキタイヲカイシュウスレバ。ワガジョウジュハタッセイサレル」
 声こそ少女のものであったが、その性質は全く異なっていた。
 少女を操っていたオブビリオンマシンがその本性を現したのである。
「ヒツヨウナノハモノダケダ。ダレヒトリトシテイカシテハカエサヌ」
 それだけ告げると、『Explode』の両腕から大量の榴弾が発射された。
 仲間である筈の革命軍の兵士達を巻き込む事を何とも思っていないようである。
 オブビリオンマシンとの最後の死闘が幕を開けたのである。
ノエル・カンナビス
機体?

まぁ新機種開発用の実験機ですので
市販されていませんが、
待っていればいずれ完成版が売り出される予定です。
性能も上がりますので、待った方がいいですよ。

危険地帯と言っても――熱を出さないバイブロジェットで
浮いていればいいだけで。仮に爆発しても圧は上に抜けますし、
オーラ防御(と称するガーディアン装甲の近接防御機能)で
相殺もできますし、火炎耐性もありますし……。
もう適応済みと言えるんじゃないですか、これ。

ということで遠慮なくビーム撃ちます。

で。

名前と顔を変えて生涯を他国で生きる気があるなら、
跡形もなく消し飛んだことにして国外に運びますけど。
資金は充分に確保しました。インゴットで。

どうします皆さん?


ヴィリー・フランツ
Pow※連携OK
心情・理由:クソッタレ!?敵味方お構い無しかよ!オマケに努力目標だがパイロットを生かせってか?達成出来たら追加料金を請求してやるか!

手段:先ずは助けたヒヨッコを逃がさにゃならん、奴のヘイトを稼がねぇとな。
シールドを構え、肩のクロコダイルを撃ちながらヒヨッコのいない方角へ移動、【熟練操縦士】も発動させ機体性能も底上げ、更に増加装甲もある、単純な撃ち合いじゃ負ける気はしねぇよ。

ヒヨッコの退避が完了したら遠慮はいらねぇ。
無反動砲に速射砲、ミサイルによる砲撃、弾が切れたら無反動砲を捨てRXバーンマチェーテを抜いて近接攻撃、コアが何処だか判らんから、両腕・背面の大砲を切らせてもらう。


シホ・イオア
まずは兵士さん達を避難させないとね。
というわけでフェアリーランドにご招待。
あ、中にエネルギーインゴットがあるからしっかり守っててね。

避難完了したら本格的に戦闘に参戦。
(爆発してる戦場を見て)あー、どうしたもんかな、これ。
とにかくリーダーちゃんを助ける方向で動こうか。
上空から爆発に紛れて接近できる隙を伺うか
先の戦闘でボコボコになった地中に隠れて接近するか
味方の機体の影に隠れるか。
接触できればこっちのもの。
敵の体を盾に攻撃をかわしてパイロットのもとへGO
救助の際に邪魔なものは火力で排除。
救助後はフェアリーランドに。

うーん、シホもキャバリア欲しいなぁ。
アドリブ連携歓迎。



 本性を現したオブビリオンマシン、エヴォルグ捌號機『Explode』は可燃性の粘着質な液体と爆発する榴弾を降らせていく。
 『Explode』の無慈悲な強襲によって、猟兵達と救出された革命軍の兵士達が居る場所は、いつ大規模な爆発に巻き込まれてもおかしくない危険地帯と化すのだった。
「この機体が欲しいのですか?まぁ新機種開発用の実験機ですので市販されていませんが、待っていればいずれ完成版が売り出される予定です。性能も上がりますので、欲しいのでしたら待った方がいいですよ」
 自分達のキャバリアを狙っている様子の『Explode』に対して傭兵の少女、ノエル・カンナビス(キャバリア傭兵・f33081)は淡々と返答する。
 そして爆発の被害を抑える為、ノエルは自身が搭乗する『エイストラ』に搭載されているバイブロジェットにより、機体を浮遊させた。
 大地から離れる事で爆発による圧力を上にへと逃がすのである。
 更に機体の火炎耐性も高く、危険地帯と化した戦場に適応するには十分と言えるだろう。
「ということで遠慮なくビーム撃ちます」
 ノエルは『Explode』いる方角に向けて、プラズマライフルによる無差別攻撃を開始する。
 ビームによって誘爆した榴弾が、戦場を赤く染めていく。
「クソッタレ!?敵味方お構い無しかよ!」
 その一方スペースノイドの傭兵、ヴィリー・フランツ(スペースノイドの傭兵・f27848)は、重装甲キャバリア『HL-T10 ヘヴィタイフーンMk.Ⅹ』にシールドを構えさせて、爆発から自身と革命軍の兵士達を守っていた。
 兵士達には一刻も早くこの場から非難して欲しかったが、彼等はその場を動けずまごまごしていた。
「くそ、逃げられない…」
「どうしてこんな事に…」
 熟練の兵士なら危険地帯の真っただ中でも動けたのだろうが、オブビリオンマシンの洗脳から解放されたばかりで体調も万全とはいえず、頼みの綱であったキャバリアを失った事で、未熟な若い兵士達は動けずに絶望するばかりである。
「オマケに努力目標だがパイロットを生かせってか?」
 絶え間なく襲い掛かる爆発をシールドで耐えながらも兵士達の様子に、ヴィリーは苛立っていた。
 この仕事を達成できた際には高額の追加報酬を要求してやろうと、ヴィリーは決意を固めるのであった。
「まずは兵士さん達を避難させないとね」
 キャバリアを持たないフェアリーの少女、シホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)は、危険地帯の中でも落ち着いた様子で壺を取り出した。
 エネルギーインゴットを格納した時のように、革命軍の兵士達も壺の中に広がるフェアリーランドに避難させるのである。
 だがエネルギーインゴットと違って意思のある兵士達を避難させるには、彼等に抵抗してもらう訳にはいかない。
「その壺に入れというのか…まさかそのままずっと閉じ込めるつもりじゃないだろうな」
「そんな魔女がいるって聞いたことがあるぞ!」
 詳細はシホには知る筈もないが、小さな容器に吸い込ませて閉じ込めるという話は、クロムキャバリアでも伝えられているようである。
 リーダーに裏切られたばかりの革命軍の兵士達が、疑心暗鬼に陥っているのも無理はない事ではあった。
「みんなは操られていただけなんだから、別に酷い事はしないよ。リーダーちゃんのことも必ず助けてあげるからね。その代わり、中にエネルギーインゴットがあるからしっかり守っててね」
「わ、わかった…このままじゃどうせ焼け死んでしまうんだ」
 他に選択肢もなく、シホの言葉に革命軍の兵士達は渋々と頷いて、一人また一人とフェアリーランドの中にへと避難していった。
 その様子をコックピット内から見ていたノエルは、革命軍の兵士達の処遇について考える。
 操られていたとはいえ、彼等のした事は紛れもない国家反逆罪である。
 罪人として引き渡すか、それとも彼等が望むなら国外に逃亡させるのもいいだろう。
 幸いにもこれだけの爆撃である。
 爆発に巻き込まれて全員死亡した事にするのは容易いだろう。
 エネルギーインゴットを手に入れた事で逃亡させるだけの資金の用意も、今のノエルにはあった。
「どうするかは皆さんに決めてもらいましょう」
 このぐらいで戦後については置いておき、ノエルは目の前のオブビリオンマシンの対処に意識を集中させる事にした。

 それから時間がかかったものの、ノエルとヴィリーが『Explode』の注意を引きつけてくれているおかげで、3人の付近に居た兵士達の避難は無事に完了するのだった。
「ドコヘニゲヨウトオナジコトダ。スベテハカイスルノミ」
 フェアリーランドに避難した兵士達に対して何の感情も抱く事なく、リーダーの少女の身体を借りた『Explode』が言葉を発し、両腕から新たに榴弾をばら撒いて戦場を更に破壊していく。
 直撃は免れても、このまま戦場が破壊され続ければ爆発を防ぐ遮蔽物も無くなり、猟兵達にとって不利な状況となるだろう。
「あー、どうしたもんかな、これ…」
 救助を終えて2人に加勢しようとするシホだが、キャバリアを持たないフェアリーでは、圧倒的な火力を誇るオブビリオンマシンに対して正面から挑める筈もなく、一旦地中に身を隠して様子を伺う事にした。
 オブビリオンマシンによって掘り進められ、何度も爆撃を受けた事で地中は脆くなっており、フェアリーにとっては絶好の隠れ場所となる隙間がいくつも存在していたのだ。
「ヒヨッコ達は避難できたか…ならば遠慮なくいかせてもらおう」
 これまで防戦に徹していたヴィリーだったが、その必要もなくなった事で攻勢に転じる。
 キャバリアの武装である無反動砲に、肩に積んであるクロコダイル砲とミサイルポッドを構えて、一斉射撃の姿勢をとった。
 その代わりにシールドを外した事で、爆発で機体に損傷を受けるが、重装甲のおかげで致命傷には至らない。
「火器管制システムオンライン、センサー・駆動関係異常無し、全システムオールグリーン、よーし…反撃開始だぜ!!」
 ヴィリーはキャバリアの全砲門を開いて、無反動砲に速射砲、ミサイルを『Explode』のいる方角に発射する。
「オノレ…」
 それに対して『Explode』も負けじと弾数を増やして、襲い掛かる砲弾を迎え撃つ。
 キャバリア同士の撃ち合いが始まった。
 誘爆により戦場はあっという間に燃え広がり、危険地帯から火の海にへと変わる。
「単純な撃ち合いじゃ負ける気はしねぇよ」
 弾数こそ劣るものの、ヴィリーの熟練した操縦により繰り出される正確無比な射撃が、『Explode』の両腕の砲台を潰していく。
「H・S・F、ラディエイション」
 そこへノエルからの援護射撃も加わって、形勢は猟兵達に傾くのであった。
「うーん、シホもキャバリア欲しいなぁ」
 2人の活躍ぶりを見て、憧れの感情を抱きつつもシホは地中から『Explode』に接近しつつあった。
 だが火の海と化した戦場に出れば、いくら猟兵といえども生身であるシホでは耐えきれないだろう。
 地中から『Explode』にもっと接近して飛び移る必要がある。
「…もう少し右でしょうか」
 キャバリアのセンサーからシホの位置を把握していたノエルはビームを発射して、『Explode』を彼女がいる位置にへと誘導させる。
 シホがリーダーの少女の救出に向かっている事は、ノエルも承知済みなのである。
「こいつもプレゼントだぜ」
 それはヴィリーも同様で、接近戦にへと移ろうとしていた所を踏みとどまり、ミサイルを発射する。
「ソノテイドカ!」
 発射されたビームとミサイルが誘導であるとは気づかずに、『Explode』は容易くそれらを回避した。
 そしてシホがいる場所にへと、『Explode』は移動させられたのである。
「お、良い位置に来てくれたね」
 丁度『Explode』が足元に来てくれた事で、シホは気付かれる事なくオブビリオンマシンに飛び乗る事が出来た。
 飛び乗った場所が機体を安定させる為の冷却装置の近くであったのは、シホにとっては幸運な事である。
「う~これは頑丈だね」
 そのままリーダーの少女が居るコックピットに入り込もうとしたシホだったが、頑強な装甲に行く手を阻まれた。
 破壊しようにも振り落とされないよう気付かれずに攻撃するのは、現状では困難であると認めざるを得ない。
 外で戦ってくれている猟兵達が、眼前のオブビリオンマシンを更に追い込んでくれれば、いずれはコックピット内に入り込めるチャンスも来るだろう。
 それまでに隠れていられればの話であるが。
「必ず助けるから待っていてね!」
 それでもシホは覚悟を決め、『Explode』の体内に小さな身体を潜め、爆発による熱気に耐えながら、その時が来るのをじっと待つのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

火翅・ナナ
うひゃあ、とんでもねー範囲攻撃。一発でも喰らったらやばいねぇ
でも、マクガフィンは元々『そういう機体』なんだよねぇ
一発貰うのが先か、そっちを墜とすのが先か、チキンレースと行こっか。

あ、革命軍の子達はさっさと逃げちゃってね。これからは真面目にやるんだよぉ


「我、魂無き者。汝、姿無き者。――我ら囚われざる者。Code:Silow-Ruli、解放」

リミッター解除し榴弾が降る戦場を駆ける
瞬間思考を限界まで高め、爆発はBX-B"ブリンク"で防御・もしくは爆風を利用して加速

少女を極力傷つけないよう、エヴォルグの四肢や武器を狙いSOC-006-F “グリード”で攻撃


【瞬間思考力】【限界突破】【軽業】【重量攻撃】



「テイコウハムダダ…スベテヲハイニシテクレル」
 損傷を負いながらも、可燃性の粘着質な液体と爆発する榴弾の雨を降らせ続けるエヴォルグ捌號機『Explode』。
 搭乗者である少女すらも生体パーツとしてしか扱っておらず、敵味方関係なく無差別に破壊の限りを尽くす姿は、オブビリオンマシンそのものであった。
「うひゃあ、とんでもねー範囲攻撃。一発でも喰らったらやばいねぇ」
 トリッキーな動きを得意とするクロムキャバリア『マクガフィン』を操る火翅・ナナ(未空・f30145)は、逃げ遅れた革命軍の兵士達を抱えながら爆心地から退避する。
「でも、マクガフィンは元々『そういう機体』なんだよねぇ…」
 非常に高い機動力と敏捷性を備えもつ『マクガフィン』だが、その代償に装甲は薄く、重装甲なら軽微な被弾でも致命傷となりかねない。
 だがそのような危機的状況にあっても、ナナは笑みを崩す事は無かった。
「一発貰うのが先か、そっちを墜とすのが先か、チキンレースと行こっか…あ、君達はさっさと逃げちゃってね」
「あ、ああ…」
 『マクガフィン』は高速で戦場を駆け抜け、手に抱えていた兵士達を爆撃が及んでいない地域に避難させた。
「これからは真面目にやるんだよぉ」
 兵士達が避難していく様子を見届けた後、ナナは爆発が起きている中心地にへと舞い戻るのであった。
「我、魂無き者。汝、姿無き者。――我ら囚われざる者。Code:Silow-Ruli、解放」
 枷がなくなったナナは躊躇なくリミッター解除し、榴弾が降る戦場を駆ける。
「…ニゲラレハセヌ」
 だが高速で駆けるのは『マクガフィン』だけではなかった。
 『Explode』は爆発を利用した高速移動で『マクガフィン』に追いすがってきたのだ。
 『マクガフィン』の装甲の薄さに目を付けた『Explode』は、伸縮する腕の連打でを一気に墜とす腹積もりである。
「そうこなくちゃねぇ…」
 瞬間思考を限界まで高めたナナは、『Explode』と同じく爆風を利用して、襲い掛かる腕を紙一重で避けた。
 そして大振りの攻撃を外した事で、『Explode』に大きな隙が生まれた。
「次は当然こっちの番だよねぇ」
 ナナは『マクガフィン』の腕に装着していたクロー型兵器『SOC-006-F“グリード”』で反撃に移る。
 狙いは『Explode』の四肢及び武器である。
 中にいる革命軍のリーダーの少女を極力気付付けない為の配慮である。
 『SOC-006-F“グリード”』は、『Explode』の右腕部の榴弾の発射口を斬り裂いた。
 装弾されていた榴弾が誘爆し、『Explode』本体をも巻き込む。
 『マクガフィン』も爆発に巻き込まれないよう、ナナは咄嗟に機体を後退させた。
「やりすぎちゃったかねぇ…」
 思いの外派手な爆発にナナは心配になったが、『Explode』が健在な姿を見て逆に安心する。
「コウルサイヤツメ…オマエカラシマツシテクレル」
 『Explode』は怒りを露わにして、狙いをナナが乗る『マクガフィン』に定め、一斉砲撃の構えを取った。
「まだまだレースはこれからだよ」
 ナナは望むところとばかりに笑みを浮かべたまま、『マクガフィン』を更に加速させるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ガトウ・ガドウィック
その願いはとても立派だ!努力と、研鑽の果てに、叶えるべきだろう!
なればこそ、オブリビオンに先走らされ、散りゆくその前に……決めねば!

引き続き、キャバリアでの戦闘だ。
踏み込みからの範囲攻撃を繰り返して、地形破壊を行うところからだ。暗殺するが如く、陰に隠れて接近する。
爆撃が来たら拳圧で爆炎を吹き飛ばす。そして瓦礫を投げつけつつ、怪力で再びこちらからも地形を変えてやろう!

接近後即座に、UCを叩き込み繋がりへ亀裂を入れる。元気を与え鼓舞する拳、これぞ灰燼拳なり。
戻ってこい!解放を目指す者が、囚われていてどうするか!何の為に立ち上がった!
そしてオブリビオン!夢を汚した貴様には、限界突破の拳をくれてやる!



 灰燼拳伝承者、ガトウ・ガドウィック(灰燼拳・f15641)は、流派にちなんで『灰燼拳』と名付けた無骨なキャバリアのコックピットから、革命軍のリーダーの少女に呼びかける。
「殲禍炎剣(ホーリー・グレイル)を破壊し空を取り戻す…その願いはとても立派だ!努力と、研鑽の果てに、叶えるべきだろう!」
「ソノネガイをワレガカナエテヤロウトイウノダ」
 だが返答したのは少女の意識を乗っ取った、エヴォルグ捌號機『Explode』の邪悪な意志であった。
 ガトウの闘志に火が宿る。
「なればこそ、オブリビオンに先走らされ、散りゆくその前に……決めねば!」
 ガトウは『灰燼拳』を自身の手足のように動かして拳法の構えを取らせる。
 そして鋭い踏み込みから『Explode』に接近を試みる。
 だがその前に榴弾による爆風が巻き起こり、『Explode』への接近が拒まれた。
「簡単には接近出来ないか!」
 それならばと、ガトウは爆風を逆に利用して『Explode』の死角に回り込んだ。
 そして静かに距離を詰めていく。
 その動きはさならが暗殺者のようであった。
「カクレテモムダダ!」
 だが『Explode』も手をこまねいてはおらず、自分の周辺を手当たり次第に爆撃する。
「気合で爆撃も吹き飛ばす、それが灰燼拳だ!!」
 襲い掛かる爆撃に対して、ガトウは『灰燼拳』の拳を繰り出して、爆炎ごと吹き飛ばした。
 だが爆撃により地表は破壊され、近づこうにも足場がない。
「足場がないなら作ればいい」
 ガトウは落ちていた瓦礫を力任せに投げつける事で、足場を形成していく。
 爆風と爆音のおかげで『灰燼拳』が捕捉されていない内に、ガトウは『Explode』への接近を果たすのだった。
「元気を与え鼓舞する拳、これぞ灰燼拳なり」
 そしてガトウは躊躇なく気合を籠めた灰燼拳による一撃を、『Explode』のコックピットのある胴中央に叩きこんだ。
「グググ…」
 ガトウが放った『灰燼拳』の拳は、『Explode』に取りついているオブビリオンマシンの邪悪な精神のみを攻撃した。
「戻ってこい!解放を目指す者が、囚われていてどうするか!何の為に立ち上がった!そしてオブリビオン!夢を汚した貴様には、限界突破の拳をくれてやる!」
 ガトウは確かな手ごたえを感じると、中に乗っている少女に力強い言葉で何度も呼びかけた。
「う、うう…」
 『Explode』の中から少女のうめき声が聞こえた。
 ガトウの拳はオブビリオンマシンの意志を退け、少女の精神に確かに届いたのだ。
「ムダナコトダ。オマエモワガグンモンニクダルガイイ」
 だがすぐに立ち直った『Explode』の左腕から榴弾が発射される。
「ぐおおお!」
 至近距離で榴弾による爆発を受けた『灰燼拳』はたまらずによろけた。
 だが気合で体制を立て直して、ガトウは『Explode』に拳を振り下ろす。
「そしてオブリビオン!夢を汚した貴様には、限界突破の拳をくれてやる!」
 『灰燼拳』の渾身の一撃が『Explode』に直撃し、『Explode』の装甲に亀裂を入れるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

セレーネ・ジルコニウム
【ガルヴォルン】
「ストライダー、被害報告!」
『側面装甲大破。これ以上の戦闘は危険じゃ!』

機動戦艦のAIの言葉に、艦長席から立ち上がり、クルーに告げます。

「なら、私自ら出撃します!
ストライダーは安全圏まで退避を!」

格納庫で発進準備を終えているキャバリア『スティンガー』に搭乗し、ストライダーのデッキから発進します。

「錫華さん、お待たせしました。
協力して敵を倒しましょう!」

【オーバーブーストマキシマイザー】でスティンガーのリミッターを解除。
高速飛翔することで爆発する戦場を駆け抜け、ミサイルポッドを乱射して攻撃です。

「錫華さん、今っ!」

タイミングを合わせてキャバリアブレードで一閃です。


支倉・錫華
【ガルヴォルン】

ストライダーは下がってくれた……。
って、大佐は出るのか。ま、そうなるよね。

『スティンガーとのリンク完了。位置ホールドします』
「アミシア、ありがと」

大佐は上からヒットアンドアウェイか。
なら、わたしは地上からいかせてもらおう。

大佐のミサイルポッドの攻撃に合わせて突撃したら、
相手の【爆手】を【アウェイキング・センシズ】で読んで、
【天磐】で流したら、【歌仙】を【カウンター】で入れていこう。

一撃入れたら、相手の注意をこちらに引き付けて、連携。
「大佐の上からの一太刀、躱させないよ!」

モノ、ね。
ま、そんなこというダメ指揮官はたくさんいるけど……。
ほんと、大佐の爪の垢、生で食べさせたいね。



 エヴォルグ捌號機『Explode』から発射された榴弾による無差別爆撃は、私設軍事組織ガルヴォルンの機動戦艦ストライダーに深刻な被害をもたらしていた。
「ストライダー、被害報告!」
 ガルヴォルンの指揮官である少女、セレーネ・ジルコニウム(私設軍事組織ガルヴォルン大佐・f30072)が、機動戦艦に搭載されているAIに呼びかける。
「側面装甲大破。これ以上の戦闘は危険じゃ!」
 AIの声も心なしか焦りが感じられる。
「なら、私自ら出撃します!ストライダーは安全圏まで退避を!」
「了解!後退します。急いで!」
 被害状況を聞いたセレーネは、即座にクルーたちに指示を出した。
 戦艦内のクルー達も慌ただしく動き出す。
「『スティンガー』の発信準備は完了しています。いつでも出撃可能です!」
「大佐、ご武運を!」 
 機動戦艦はクルー達に任せて、セレーネは試作型キャバリア『スティンガー』に搭乗し、混迷の戦場にへと出撃するのであった。
「このままじゃスティンガーが…」 
 その一方でガルヴォルン製量産型キャバリアで『Explode』と応戦していた、ガルヴォルン所属の少女、支倉・錫華(Gambenero・f29951)もまた苦境に立たされていた。
「コノテイドデハワレニハトドカヌ…コッパミジンニナルガイイ」
 カスタム性の高さがウリの量産型キャバリアではあるが、『Explode』のように攻撃に特化したキャバリア相手では、どうしても火力面で劣ってしまう。
 機動戦艦を守りながら戦うにも限界はあるだろう。
 そう錫華が感じていた所で、ストライダーが動いたのである。
「ストライダーは下がってくれた……。って、大佐は出るのか。ま、そうなるよね」
 頭脳明晰だがドジっ娘なためよく問題を起こし運動全般が苦手なセレーネが前線に出る事に、錫華は一抹の不満を感じる。
 だがこの状況ではそれも止む無しと気を取り直して、錫華はパートナーユニットであるアミシアに機体同士でリンクするよう指示する。
「スティンガーとのリンク完了。位置ホールドします」
「アミシア、ありがと」 
 パートナーユニットの仕事の速さに感謝したところで、セレーネから通信が入る。
「錫華さん、お待たせしました。協力して敵を倒しましょう!」
「うん、わかったよ大佐!」
 2機のキャバリアが連携して『Explode』に挑む。
「イッキフエタトコロデジョウキョウハカワラヌ!」
 『Explode』は使える砲門全てを開いて、ありったけの榴弾を2機のキャバリアにへと発射した。
「その攻撃パターンはお見通しです!」
 爆撃を受け続けていた間に『ストライダー』のAIに、『Explode』のデータを解析させていたのだ。
 セレーネは『スティンガー』のリミッターを解除し、ブースターを全開にして高速飛翔を開始する。
「火力とスピードならこっちだって負けません!」
 セレーネは限界までに性能を引き出した『スティンガー』で、爆発する戦場を駆け抜け、ミサイルポッドからミサイルを乱射する。
 榴弾とミサイルの雨がぶつかり合い、戦場はより激しい爆発と轟音に包まれた。
「大佐は上からヒットアンドアウェイか。なら、わたしは地上からいかせてもらおう」
 注意が上空に向いた隙に、錫華は自身の感覚を研ぎ澄まして、量産型キャバリアを駆って『Explode』に突撃する。
「ムダダオマエノウゴキハミエテイル」
 だが『Explode』の反応も早く、接近してくる錫華に対して、伸縮自在の腕を伸ばした。
 少しでもその腕に触れれば爆発し、怯んだ所に止めの一撃を食らわせるという寸法である。
「こっちも全部、見えてるよ」
 錫華もまたこれまで戦闘で、『Explode』の攻撃手段は熟知しており、キャバリア用ファンクションシールド『天磐』で爆発する前に受け流すのだった。
 そしてキャバリア用の片刃の実体剣『歌仙』で、カウンターの一撃が『Explode』に入った。
「モノ、ね。ま、そんなこというダメ指揮官はたくさんいるけど……。ほんと、大佐の爪の垢、生で食べさせたいね」
「オノレ…」
 挑発に触発された『Explode』の注意が錫華の方に向く。
 それは上空を駆けるセレーネにとって最大のチャンスであった。
 今までミサイルでの砲撃に徹していたセレーネは、一転して『スティンガー』にキャバリアブレードを装備させ、『Explode』に急速接近する。
「錫華さん、今っ!」
「大佐の上からの一太刀、躱させないよ!」
 2つの刃がほぼ同時に、『Explode』の装甲を深く斬り裂くのだった。
 機体に深刻なダメージを負った『Explode』は膝をつく。
「グググ…」
「これで止め!」
 錫華が再び斬りかかろうとした所で、『Explode』が必死の抵抗を見せた。
「キサマラ…ムクイヲウケルガイイ」
 体勢を崩した状態で『Explode』は爆風を利用して、強引にその場から離脱し、生き残っている砲門から榴弾を発射したのである。
 その狙いは2機のキャバリアではなく、後退している機動戦艦ストライダーであった。
「っ…そうはさせません!」
 セレーネは迷う事無く、『スティンガー』を疾走させて、ストライダーを庇うようにして榴弾を、その身に受けるのであった。
「きゃあああ!!」
「大佐っ!!」
 直撃を受け墜落した『スティンガー』を見て、冷静な錫華も慌てて通信を入れる。
「……私は何とか無事です。錫華さんは止めをお願いします」
 『スティンガー』は大破といってもいいダメージを負ったものの、コックピット内は無事だったらしく、セレーネから通信が返ってくる。
 だが『スティンガー』は身動きが取れず、まともに戦えるのは錫華だけとなった。
「……了解。必ず仕留めてみせる!」
 錫華は静かな闘志を燃やして、『Explode』を見据える。
 強引な姿勢で榴弾を発射した代償で、更に機体にダメージを負った『Explode』は一時後退しようとしていた。
「今更、逃げるつもり!」
 それを黙って見過ごす訳もなく、錫華はキャバリアのエンジンを全開にして、『Explode』に斬りかかるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

疋田・菊月
おやぁ、なんだか片言になってしまいましたねー
ハイカラな言葉は難しいので、問答は無用ということでー

しかしながら、あちらさんののびーるアームはちょっと厄介ですよ
カミオさん、ちょっと向こうからはるちゃんを持ってきてください
え、運転は無理? うーん、じゃあそこのボタンをぽちっと押してもらえると、中に積んでる光量子砲を射出できると思うので
よし、それをキャバリアとドッキング!
右腕のアームキャノン、モストロ共にアクティブ!
さあさ、お待たせしました
オーケストラのお時間ですよー

え、ドッキングまでの時間はどうするって?
大丈夫、早業でできるだけ急ぎますし、それまでは威嚇射撃と制圧射撃で誤魔化し誤魔化しですよ、えへへ



「ググ…アノイマワシキエイセイモ、オマエタチモスベテヲハカイスル」
「おやぁ、なんだか片言になってしまいましたねーというか暴走していますねー」
 人造生命体の少女、疋田・菊月(人造術士九号・f22519)が駆け付けた頃には、エヴォルグ捌號機『Explode』の装甲は剥がれ、関節部からは火花を散らしていた。
 この様子なら撃墜も難しくはないだろう。
 だが『Explode』が大量に積んでいる榴弾もまた暴発してしまう。
 当然、コックピットにいる革命軍のリーダーの少女も助から無いだろう。
「問答は無用みたいだけど、これは難しい問題ですねー」
 少女の生死は問わないと言われてはいるが、菊月はどうしたものかと考え込む。
 だがそんな事はお構いなしに、暴走気味の『Explode』は腕部を伸ばして、菊月が乗るキャバリアに襲い掛かる。
「しかも、あちらさんののびーるアームはちょっと厄介ですよ。カミオさん、あのオブビリオンマシンの中にいる子を助け出してくれませんか?」
 菊月は相棒であるクロウタドリの姿をした悪魔のカミオさんにお願いしてみるが、首を横に振られてしまう。
「やっぱり無理?じゃあはるちゃんに積んでいる光量子砲を射出してください。運転は出来なくても、はるちゃんの中のボタンをぽちっと押してもらえればいいから」
 そう菊月に言われてカミオさんは、自動随伴輜重機『はる』のある方向にへと飛んで行った。
「やっぱりやるしかないかなー」
 『Explode』の猛攻を凌ぎながら、菊月は少女の救出は諦めて撃墜するしかないと覚悟を決めていた所に通信が入った。
「はいは~いー、え、中にいる女の子は潜伏している子が助け出してくれるから、遠慮なくやっていい?」
 他の猟兵からの通信を菊月は信じる事にした。
 そしてカミオさんにより光量子砲が射出される。
「よし、ドッキング!右腕のアームキャノン、モストロ共にアクティブ!」
 菊月は光量子砲とのドッキングを開始する。
 だがドッキングが完了するまで『Explode』が待ってくれる筈もなく、伸縮する腕による連打に襲われる。
「大丈夫、誤魔化し誤魔化しですよ、えへへー」
 菊月はキャバリアの予備兵装で威嚇射撃を行い、『Explode』の動きを鈍らせる。
「さあさ、お待たせしました。オーケストラのお時間ですよー」
 数発殴られはしたもののドッキングは完了した。
 そしてキャバリアの全武装を一斉に発射する。
「グオオオオオオオオ!」
 一斉砲撃による圧倒的な弾幕に『Explode』は身動きも取れず、かろうじて保たれていた装甲も破壊され、ついに限界を迎えた。
 『Explode』は機能停止し、残っていた弾薬と共に爆散するのであった。
 菊月は爆発に巻き込まれないようキャバリアを後退させる。
「盛大にやったけれど大丈夫かなー」
 心配になって爆発した『Explode』の周辺を確認するが、脱出したフェアリーが飛び去っていくのを目撃して、菊月は胸を撫でおろした。
 フェアリーの猟兵は何でも収納できる壺を持っている。
 リーダーの少女もその壺の中に保護されたのだろう。
「ご清聴ありがとうございましたー」
 そしてオブビリオンマシンが完全に破壊できた事を確認してから、菊月は意気揚々とその場を引き上げていくのであった。

「ふん…それで反乱軍どもは盗賊団と共に全滅したという事かね」
 軍士官の男の報告を聞き終えた総司令は、つまらなそうな表情を浮かべる。
「はい…彼等は勇敢にも誰一人逃げる事無く最後まで戦ったのです」
「そのぐらいの美談があった方が、愚民どもも少しは大人しくなるだろうな。貴様が雇った連中は、中々優秀なようだな。何より全滅というのが素晴らしい。収容所も死体処理場も予約でいっぱいだからな。余計な後始末をしなくて済む。だが貴重な物資の多くを失ったのは失態だな。これでは面目も丸潰れだ」
 反乱軍による脅威は去ったものの、盗賊団に奪われた物資は結局返ってこず、強奪された新型のキャバリアも一機も残さずに破壊されるという有様である。
 そして何よりほんの一部とはいえ、正規軍が反乱軍に敗北したという事実をなかった事にはできない。
 これでは以前から計画していた領土拡大作戦も中止せざるを得ないどころか、国防するらもままならないだろう。
「これは貴様の責任だぞ。この大きな損失を埋めるプランを考えたまえ。それまでは退役など出来ぬと思え」
 総司令の無理難題に軍士官の男はただ黙って頷くのであった。
(これでは娘に会いに行けるのは当分先になりそうだな)
 責任を押し付けられた軍士官の男の仕事は山ほどあった。
 殲禍炎剣の破壊という希望を失った国民達のケアと、甚大な損失を被った軍の立て直し、そして正気を取り戻した革命軍の兵士達の移住先の手配である。
 特に最後に関しては秘密裏に進めなければならない。
「彼等が信頼に足る者達であると確信できたのが唯一の収穫か…」
 猟兵達の活躍は期待以上で、リーダーの少女も含めて革命軍の兵士達を殺す事なく、元凶であるキャバリアの撃破に成功したのだ。
 生き延びた革命軍の兵士達は、死んだことにして国外に逃がす、猟兵達の提案を軍士官の男は聞き入れたのである。
 猟兵達の話では洗脳されていただけとの事だが、それでも反乱分子として極刑を下すしかなかっただろう。
 律義に奪われた物資を返却してくれる猟兵もいたが、革命軍の兵士達の逃亡先での生活資金として、奪われたままにしておく事にした。
「彼等に頼るような事態がまた起きなければいいのだがな…」
 総司令が去った後の指令室で、軍士官の男は溜息をつくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年06月23日


挿絵イラスト