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大祓百鬼夜行㉑〜ファイナルベース

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

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#大祓百鬼夜行


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●UDC組織
「くそっ、何が起こってるんだ!」
「監視カメラやセンサーには何の反応もありません!」
 突如として異変が発生し基地内に慌ただしい空気が流れ始めた、侵入者があったにしては各防犯設備に異常はない。
 そしてハッキング等は受けないように最低限以外はオフライン化しており外部からのそういったアタックに晒されているわけではないはずと思われる……のだ。

 だがしかし基地内に先ほどから感じる違和感が駆け抜ける、一様に警戒を呼び掛けるもそれは全くの無駄。
 なぜならばここにいる職員たちは皆揃って一般人である、そして彼らには妖怪を見る事ができない……認識できないのだから対応のしようもないのだ。
 それどころか理解の及ばない出来事にただ怯え叫び震えるしかないのだろか……。
「だ、誰よ私の対UDCガジェットを勝手に持っていったの」
「照明がつかなくなって何も見えない……って、きゃ、誰よお尻触ったの!?」
 ……悪戯好きの妖怪達の襲撃は、(色々な意味で)恐ろしいものに違いない。

「くそっ、製造中の超常光線砲「U.D.C(アンリミテッド・ディヴァイン・キャリアー)」は一旦作業中止、ロックをして作業員は一時退去せよ」
 メカニック達は慌てて工具類をその場に置き避難を始める、この戦争の決定打になるであろう装置を未完成のままにして……。

●グリモアベース
「大変です! UDC組織の施設内に妖怪の侵入を許しました!」
 ビシッと宣言しグリモア猟兵の村雨ベルは一同を見渡し説明を始める、どうやらここに来て敵の攻勢も激しくなってきたというべきか。
「私達に協力してくれているUDC組織なんですが職員さん達はみんな一般人です。なので妖怪の姿を見る事ができません」
 なので今彼らは基地内に怒っている異変を妖怪の仕業であると認識できずにパニックに陥りかけているということだ。
「ですが猟兵の皆さんが基地内で説明をすれば統率を取り戻し協力してもらえるはずです。敵の妖怪は戦闘力そのものは低いようなので集めてしまえば一網打尽にできるはずですよ」
 なのでベルは一刻も早く猟兵達に基地へと行ってもらいたいと準備を始めた。

「なんかもうセキュリティ対策しないとまずいですよねー」
 ベルはそう言い今回の基地がどうやら施設内の照明などが何も機能しなくなり灯りそのものが封じられる異常事態になっていると説明する。
 おそらくは妖怪の仕業、そしてどうしようもないぐらいに視界を奪われた職員達は恐怖と悪戯に悩まされどうしようもなくその場で隠れているしか出来なくなっているのだ。
「視界は0と考えてください、それの対策をしていないとたぶん妖怪に一方的に負けちゃいますよ」
 見えていないと下手な攻撃は施設や職員を害してしまう、わりと厄介なこの事態を猟兵達は無事に解決できるのか?
 戦争はいよいよ終盤を迎える中、UDC組織施設内の見えない戦いが始まろうとしていた。


轟天
 これは1章完結の戦争シナリオです。
 UDC組織に骸魂と融合した妖怪達が襲撃をしかけてきました。
 基地内はすでに妖怪が入り込んでKENZENな悪戯をしています。
 職員たちは妖怪の姿が見えませんが猟兵達のおかげで統率が戻すとこができるでしょう。
 一か所に敵を集めて一網打尽にしちゃいましょう。

 大祓百鬼夜行に関するシナリオでは完結優先で最小人数を採用予定です。
 戦いは後半戦突入です。悔いの無いよう頑張りましょう。

●プレイングボーナス
 UDCエージェント達に指示を出し、妖怪を誘導する。
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第1章 冒険 『UDC組織での戦い』

POW   :    直接戦闘要員に指示を出す

SPD   :    施設の管理要員に指示を出す

WIZ   :    エージェントやメカニックに指示を出す

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

秋葉・亜依

「そこまでです!
この特務エージェントである私が来たからには、妖怪にいいようにはさせません!」
『どうやら、今回は施設が完全に敵の手に落ちているようですね、亜依』

そういうことでしたら、こちらもハッキングで対抗です!
スマホの【ハッキング・プログラム】を起動して、施設のコントロールを奪い返しましょう!

『あ、亜依。暗い中でスマホを弄ると目立ちますよ』
「ああっ、誰ですかっ、勝手にスマホのボタン押したのっ!?」

ハッキングプログラムが暴走して床から金属アームが生えてきて手足を拘束されて!?

「なんで私だけスポットライトで照らされてるんですかーっ!?」
『悪戯されているところを上手く撮影できますね』🔴REC




「そこまでです! この“特務”エージェントである私がきたからには、妖怪にいいようにはさせません!
 秋葉・亜依(特務エージェント・f33106)が警察手帳のようにスマホを翳しながら颯爽と暗闇に包まれた基地に到着する。
『どうやら、今回は施設が完全に敵の手に落ちているようですね、亜依』
 サポートAIの声が聞こえ亜依は現在の状況を理解する、ここはすでに暗闇に包まれ職員も動けない状態……ならば手っ取り早く施設のコントロールを奪い返せば反撃が始まるはずだと気付いてしまう。
 さすが亜依……UDC1の(動画収入による)稼ぎ頭!

 それならばプログラムを起動しハッキングし返そうと亜依はスマホを手にして画面をタップ。
 液晶画面が光りコマンドが表示されそこに指をかけようと……。
『あ、亜依。暗い中でスマホを弄ると目立ちますよ』
「ああっ、誰ですかっ、勝手にスマホのボタン押したのっ!?」
 亜依より先に暗闇から手を伸ばしてタップされたコマンドは別の物、そしてそれが何を操作したかといえば。
 ウインウインと謎の駆動音、そして急に手足を押さえつけてくる謎の腕。

 カシャン

 スポットライトが亜依を照らし出した、床から出て来た金属アームが亜依を完全に拘束してしまっている。
 そしてこれはどう考えてもこれから始まるえっちな悪戯の予感、妖怪達が暗闇から近づいてくるのがわかる。
 そしてスマホが床に落ちてそんな亜依を動画撮影し始めているシチュエーション。
「な、なんか最近こんなの多くないですかー!?」
 気のせいです、今月だけで複数回同じシチュエーションがあってももはや記憶から消されていますから。
「と、というかですね……」
 亜依は当然の疑問を口にする。
「なんで私だけスポットライトで照らされてるんですかーっ!?」
『悪戯されているところを上手く撮影できますね』

 🔴REC
 どうやら動画再生回数は今日も絶好調……亜依☆ちゃんネルは今日も皆からの課金で成り立っております。

大成功 🔵​🔵​🔵​

志宝・のぞみ


また、ですか?
いったい何度、妖怪の侵入を受けているんでしょうか?
とにかく今回も【分割幽体離脱】で分割・幽体離脱です
この前、酷い目に逢いましたが今度はきっと平気なはず
幽体なら光源は必要ありません!夜目の効かない幽霊とか笑い話ですし

ひぃん!え、幽体じゃなくて本体ですか!?
あぁ!私本人はなにも見えません!?
アスワド、助けて!?

『すまん。今回は鳥目でなにも見えんわ』

正真正銘の役立たず!?
本体の方のフィードバックで幽体に影響が出て、その所為で幽体も捕まって犯されて!?
本体が幽体に、幽体が本体にフィートバック無限ループで、しかも幽体は剥き出しの魂だからそれが白濁で汚染、堕とされるととんでもないことに……




 UDC組織の基地のセキュリティに関して今月ばかりはどうにも評価が下がり続け☆で評価するなら1個になるのは間違いない。
「また、ですか!?」
 いったい何度妖怪の侵入を受けたのかわからない施設へ到着した志宝・のぞみ(死霊使いの魔法少女・f32949)は思わずそう言わねばならない気がしてしまっていた。
 もう戦いは終盤だというのに未だに侵入され続けているこの施設、本当に大丈夫なのか本気で心配になってしまう。
「と、とにかく慣れないですが……やるしかないですよ、ね」
 溜息混じりに幽体離脱すると暗闇に包まれた施設内へとのぞみは進むことにした。
 生身であれば見えない景色もこの状態ならば関係ない、なぜなら幽霊なんだもの。

「ひゃん!?」
 幽霊であるはずなのにお尻を撫でられたような感触に思わず悲鳴、だってこんな暗闇で触られたら怖いじゃないか……とここまで口にしそうになってから大事な事に気付く。
(幽霊の私が触れられるわけがない……はず?)
 そうこれはのぞみの魂ではなく残してきた生身の肉体からの感覚、繋がったままのパスからのフィードバックがこれだけ強烈な状態だとするといったい身体はどうなっているのか?

「アスワド、本体を助けてっ!」
 望みをかけて使い魔たるカラスにそう伝えるも帰ってくるのは絶望的な言葉。
『悪ぃ……鳥目で何も見えねーわ、今回はマジで謝る』
 それもそうですね? 鴉ですもんねアスワド君。

「って、胸を揉まないでくださっ……ぃぃ♥」
 ゾクゾクと幽体なのに強烈な刺激がのぞみを襲う、そしてそれは剥き出しの幽体であるのぞみにとってガードすることすら出来ない強烈な快楽。
 身体と違って手で払いのける事もできずに延々と複数の者達に身体を弄られる感覚を味わい続けるしかないのだ。

「クケケケケ」
「オンナ、タマシイ……ミツケタ」
「あああっ!?」
 霊体の妖怪ならば普通に幽霊ののぞみに触れてくる、魂を直接触られる感覚におぞましい予感がしてしまった。
 生身ならともかく魂まで彼らに犯されてしまったとしたら……全裸で浮いていた自分の身体に触れられそして何かが書き換えられていく。
 下腹部に熱い痛みと快楽が走り、何かが輝き始めた……生身には問題はない、だが魂に刻まれてしまった淫紋が何を意味するのか?
 胎内に注がれた白濁の熱さがまたのぞみを快楽へと堕とす、この永遠のループから逃れられるのはいつのことなのか?
「あぁ……たしゅけて、私ぃおかしくなっちゃい……ましゅ♥」
 蕩け切ったのぞみの声が館内に響き渡っていく……。

成功 🔵​🔵​🔴​

佐伯・晶
ゴーグルのサーモグラフィを使って
妖怪を捕まえよう
見つけた職員にも渡して協力を仰ぐよ

結構片付いてきたかな?

あれ、ゴーグルが
何も映ってなかったのに何で!?
この硬い感触は人形の妖怪?
体温が無いからか

あれ?体に違和感が
胸や太腿を触っても柔らかくない
まるで陶器みたいだ
段々、動け、な…

服を脱がされてるような
こら、どこ触ってるんだ

陶器同士が当たる硬い音がするから
さっきの妖怪なんだろうけど
声も出せないし体も動かせないし
すごくきつい
これ、相手が飽きるまで耐え続けるしかないのか

もうどこか行ったかな
せめて女神降臨でドレスだけでも来ておこう
たぶん、謎の等身大球体関節人形として
発見されるんだろうなぁ
下着が無いから不安だ




「なにこの状況……」
 サーモグラフィの視界が妖怪達を暗闇の中でも判別させ佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)は容易に妖怪達を捕獲していく。
 途中で発見した職員にもそれを手渡していきどうにか復旧してもらおうと応援をたのむことにした。

 だがこれにももちろん弱点はある、体温が無ければ反応しないのだから晶がそれらの存在に気付かない事に誰も責められる謂れなど無い。
「あれ、なにこの感触……?」
 何かが手に触れる、それは人の腕? 身体?
(ああそうか、体温がないんじゃ見えないよねこれじゃ)
 やれやれと思ってから気付く、これって誰の人形? むしろ……なぜこんな場所に?
 そう思っていた晶は何か異変が起こっている事にようやく気付いた、腕が足が動きにくくなってきた。
 これではまるで“自分が人形になっていく”みたいじゃないか。
「くっそ、変なとこ触るな……」
 身体を誰かにまさぐられている、そして脱がされ裸体が外気に触れるもすでに身体は彫刻のように硬化し身動きが、とれない。
 コツコツコツ
 信じれない、陶器に成り果てた晶の身体を犯している妖怪がいる、信じれないがお尻に伝わる熱さはそれなのだろう。
 陶器になていて正直感触が無いが間違いなく開発されていってしまっている尻、悔しいがこれでは手の出しようもない。
(相手が飽きるまで我慢我慢)

 それからどれほどの時間が経過したのか……発見された晶は球体関節のドレスを着た人形そのもの状態。
 周囲には倒れた妖怪達の跡があったようだが常人には判別がつかない、知らぬ間に運び出され解除施設へと送られる晶が目を覚ましたのは全てが終わった後のことだという。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィレア・クライシュタール

NGなしのアド歓♥

あちらからは見えているのならば、存分にご覧頂きましょう♪

悪戯心をくすぐるように怯える素振りと共に【愛玩刻印】を、猟兵以外の方を対象に発動し、妖怪たちを惹きつけましょう。
これでわたくしの元に集めれば一網打尽…する手段は無いのですが。
それに、刻印のせいか、なんだかどんどんと悪戯がエスカレートして、もはや玩具のように…

それでも、悪戯されながらのたどたどしい口調ながら職員のみなさまに、これは妖怪の悪戯なので安心するように伝えましょう。

事態が収まって職員の皆様もご無事ならばなにより。
なのですが、何やら彼等の視線が刻印に…
皆様は、妖怪ではないのですから、悪戯など、なさいません…よね?




 永遠の乙女の条件とは何か……?
 そんな色々な意味で触れてはいけない事象も妖怪騒ぎの中では些細な事でしかなく今日も可憐に顕現したフィレア・クライシュタール(聖晶神姫・f30441)はその天性の美貌と乙女の羞恥を兼ね備えた永遠の偶像(アイドル)としてこの暗闇の世界へと降り立った。
「本当に何も見えない……のですねぇ」
 のんびりとした口調で何も見えない周囲を見渡したフィレア、だが彼女は知っている。
 このような暗闇であろうとも妖怪達にとっては見えているに違いない、そして見えているならば誘き寄せる手段はいくつもあるし何ならお手軽な方法があるのを思い出しさっそく下腹部に力を集めていく。
 愛玩刻印……胸元に光り輝くそれが発行し暗闇の中へと溶け込んでいった、職員達は身を隠していてしかも暗闇で何も見えないこの状況。
 見えているのは妖怪達、さらにはこの刻印を見るとフィレアに触れたくなるというおまけつき。
 囮になるにはうってつけの能力にさっそく食らいついた者達がいる……そうもちろんそれは妖怪達なのである。

「あっ、こらっ……お触りは禁止、です♥」
 暗闇で見えていないことをいいことに先ほどからフィレアは誰かに抱き上げられ膝の上に座らされているような気がする。
 背後から思い切り豊かな胸を鷲掴みにされ揉まれているだが抵抗などもちろん出来はしない。
「え、あの……大丈夫ですか? お嬢さん」
「ひゃ、ひゃい♥ これはぁ……妖怪の仕業ですのでぇ……皆様はしばらく物陰に……あぁぁん♥」
 最後には喘ぎ声になってしまう声で説明を受けても余計に気になるのではと思わないでもない、それでも妖怪による悪戯がエスカレートして飛び火してはかなわないと職員達は今しばらく静かに声を潜め救出の時を待つ。
「んく……んんんんっ♥」

 ……どれほどの時間が経過したのだろうか?
 照明がつき床に転がったフィレア、だがその衣装は乱れ美乳と称えられる膨らみが丸見えになったままその先端までが助けにきた職員達の目に留まってしまう。
 それもそのはず……胸の刻印を見てしまっては常人には抵抗などできないし何よりも男達の欲情した息遣いがフィレアの耳に届き燃え上がった身体がキュンと反応する。
 もわっっと熱気が下着の下から漏れ出しヒクついた秘裂が男達を招いているようだ。
「皆様はよ……妖怪ではないのですから、悪戯など、なさいませんよね……?」
 潤んだ瞳でそう囁くフィレアの声、それは男達にとって最後の理性を振り払うのに十分な威力なのは言うまでもない。
 廊下の片隅でビリビリと引き裂かれる衣装と零れだす玉の肌、永遠の乙女がそれから数時間もの間ナニをシテいたのかなど……ここで語る必要はあるのだろうか?

大成功 🔵​🔵​🔵​

篁・綾
アドリブ歓迎。分身には何しても可。本体は脱がせる程度に

さて、やりましょうか。
自身は【暗視】で様子を見つつ職員へ指示。
後は指定UCを起動。各所へわざと無防備且つ目立つよう移動させ【誘惑】、立ち回りしやすい場所への【おびき寄せ】を開始。

服を脱がされたりセクハラされたりする程度なら、まぁそのままおびき寄せさせましょう。
取り押さえられたり、拐かされたり、何かで拘束されて行動不能になったりした分身は、逃亡も反撃も出来ず体の良い玩具にされるでしょうから、暫く待ち機を見て爆破し【だまし討ち】。

おびき寄せに成功した分は、指示した職員達と共に迎撃。
尚、明かりの復旧はさせるけど、おびき寄せる場所以外は消しておくわ




「まだケリがついていない戦場が残っていたのね……ではさっそくやりましょうか」
 緊迫とは程遠いけだるげな空気を発しつつ篁・綾(幽世の門に咲く桜・f02755)は襲われ続けているUDC組織の基地の一つに到着していた。
 そこは紛れもない暗闇であり常人であれば見渡す事などできない五感を奪われたかのような場所。
 施設内の復旧を為せば逆転するのだろうが敵を誘き寄せるという観点からいえば少しばかり時間を稼ぐ必要があるだろう。
 あまり露骨に罠を回避してしまってもかえって警戒を呼ぶだけだろう……ならば綾の能力のいくうつかはこの状況に合った力を見せつけてくれるはずだ。
「爆ぜよ、爆ぜよ……」
 静かに紡ぐ言葉は何のため、綾の言霊と共に暗闇の中を“100人ほどの綾”が現れそして施設内へと散っていく。
 おそるべき妖力、自分そっくりの分身達がこれからいかなる目に合うかなど綾には関係ない。
 一か所に集めてしまえば対処は楽なので必要な犠牲を払うにすぎないのだ。

「あぁ……こら、やめて!?」
 綾が妖怪に覆いかぶされ着物を剥ぎ取られる、別の通路でも壁に手を当てた綾を後ろから妖怪が責め立てて欲望を発散していく。
 あちらでもこちらでも……至ること炉で行われる淫らな行為、だがそれらは全て分身達でありそして恐るべき時限爆弾。
 綾自身のいる部屋はどうにか復旧させた電灯が灯り視界は良好、そして入り口にはすでに幾体もの妖怪が出口を塞ぎ追い詰めているつもりなのだろう。
「……掻き抱く夢が、指の間から溢れるように 鮮烈な終をその身へ刻め」
 綾がそう呟いた瞬間に基地中で爆発が起こった、それらは全て綾の分身達自身が爆ぜる音。
 もちろん淫らに交わっていた妖怪達も同時に吹き飛び消え去っていく……恐ろしきは命がけの美人局。
 綾の誇る乱桜閃雷の痕に残るのは桜の花弁と残滓のみ、その爆発に驚く妖怪達の前で静かに彼岸桜の意匠が施された刃を抜き放つ。
 そして静かに一歩一歩踏み出し狼狽える妖怪達は正常な判断ができずに万全の綾へと飛び掛かっていき……。

「ふう、これでお仕舞」
 爪で切り裂かれ着物から零れた片乳を手で隠し綾はようやく人心地つく、恐るべき襲撃はあっけなく鎮圧されどうやらこの基地はこれでもう大丈夫に違いない。
 施設内の被害はまあそれなりだが再建は難しくないだろう、こうして一つの基地の危機は猟兵達によって無事に解決したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月31日


挿絵イラスト