大祓百鬼夜行㉕〜すべてを愛するがゆえに
●その愛に捧ぐ手向け
「御機嫌よう、今回も集まってくれた皆に感謝を。……大祓百鬼夜行にもいよいよ決着を付ける時だ」
グリモアベースにある作戦会議室、招集に応じた猟兵たちをカタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)は常通りの一礼で出迎えた。
カクリヨファンタズムのみならずUDCアースの存亡をも賭した戦い。今回予知したのはその元凶、究極妖怪『大祓骸魂』との決戦であると彼女は告げる。
猟兵たちの奮戦の甲斐あって遂に開けた大祓骸魂に至る道。
スカイツリー最上部のゲイン塔、敵の操る虞(おそれ)によって幽世同様の空間に変化した東京上空が戦場となる。
また、いわゆる絶対先制能力の類は確認されていない。絶大な力を振るう強敵だが、此方も最初からユーベルコードを活用して対抗する事が出来る。
「最大の特徴として、大祓骸魂とはあらゆる形で戦う事が可能……らしい」
あらゆる。文字通りの意味、グリモア猟兵自身も怪訝の色を滲ませるが予知で見えた事には変わりない。
例えるなら大人が子供の遊戯に付き合うにも近いか。猟兵の望む防衛装置を備えた塔や団地を召喚したり、レースやカードゲームで雌雄を決したり、屋台や宴会でもてなしたり……この大祓百鬼夜行で経験した全てに大祓骸魂は応える。
ただし相手は太古の邪神にして究極を冠する妖怪だ。如何な形を取ろうとこれは戦いであり、狂気に呑まれれば猟兵であろうと無事では済むまい。
「もう一つ。他の妖怪との戦いと違って、大祓骸魂を救う手段は無い。どう向き合うかはキミたち次第だけど……いずれにせよ強く自我を持って臨んでほしい。今回もどうか、無事の帰還と勝利を」
最後は今回も変わらぬ言葉で締め括り、豪奢な装飾の施されたゲートが開いて。
ふーみー
当シナリオをご覧くださりありがとうございます、ふーみーです。
遂に最終決戦となる大祓百鬼夜行、此方は何でもアリのラスボス戦。
プレイングボーナス条件は以下URL先のページに存在するものから任意に一つ選び、対応する番号をプレイング先頭に明記してください。(例:駄菓子兵器で戦うなら⑬)
(URL: https://tw6.jp/html/world/event/020war/020_setumei.htm )
ビックリ身体能力や懐かし遊びなどの詳細な内容もプレイング側で指定可能。
それでは皆様の健闘をお祈りしています。
第1章 ボス戦
『大祓骸魂』
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POW : 大祓百鬼夜行
【骸魂によってオブリビオン化した妖怪達】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[骸魂によってオブリビオン化した妖怪達]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD : 生と死を繋ぐもの
自身が装備する【懐刀「生と死を繋ぐもの」】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ : 虞神彼岸花
【神智を越えた虞(おそれ)】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を狂気じみた愛を宿すヒガンバナで満たし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
イラスト:菱伊
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●狂神遊戯
猟兵たちの転移した先、膨大な虞に歪められた東京上空はさながらカタストロフの息づく異界。虚は実に、実は虚に、夢は現に現は夢に。
幽世の全てを内包する混沌の坩堝が中心部、祝祭纏う旧き邪神は優しく笑う。
「ええ、ええ、ようこそ愛しいあなたたち。最後は何をして遊びましょうか?」
狂おしいほど一途に、真摯に、彼の怪異は何もかもを受け入れる。
呑まれるな。
――ひとたび溺れれば未来は無い。
夜刀神・鏡介
⑤逆鱗を狙う
愛そのものに良い事だろうが、だからといって故に滅ぼすのだっていうのは笑えないにも程がある。悪いが、容赦なく止めさせてもらおう
それにしても此処は連ね鳥。そして眼前には大祓骸魂――竜の場合は顎の下に逆鱗があると言うが、人相手の場合は一体何処が逆鱗なのか。まずはそれを見極める事からだな
下手に動いて鳥居を飛び出しては困るので、まずは落ち着いて防御優先の構え
敵の攻撃を確実に鉄刀で受け止め、受け流し、反撃として陸の型【爪嵐】による攻撃
一刀で逆鱗を断つ事が出来れば一番だがそれは困難だろう。落ち着いて複数攻撃を行いながら、その時の動きから逆鱗の位置を見極めて、その一点を確実に切断する
ミルフィ・クロノラヴィット
②【他の猟兵と連携して戦う】
アドリブ等も歓迎
遂に
大祓骸魂との決戦
妖怪様達のお覚悟、
そして世界の為に…
【POW】
敵の攻撃は
【第六感】【見切り】【残像】
【オーラ防御】で
防御・回避
【第六感】等で
大祓骸魂や場の状況を把握
他の猟兵との
攻撃タイミングを見計らい
自身のアームドフォートで
【誘導弾】【弾幕】で
大祓骸魂に集まらせない様
骸魂妖怪の動きを制限
一斉攻撃の時が
来たら
【第六感】【早業】
【瞬間思考力】
声かけ等で
タイミング合わせ
【破魔】の【属性攻撃】や
【呪殺弾】を込めたUCを放ち
皆様と一斉攻撃
(味方を巻き込まない様に)
『如何にUDCアースを愛してたとて、滅ぼすなど…せめてわたくし達が…その狂行を… 止めますわ』
●1st Round ― 骸の竜を討て ―
「愛そのものは良い事だろうが、だからといって故に滅ぼすのだっていうのは笑えないにも程がある」
「ええ。如何にUDCアースを愛してたとて、滅ぼすなど……」
並び立つは夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)とミルフィ・クロノラヴィット(メイドオブホワイトラビット・f20031)。二つの世界を守る、その強い意思を以て大祓骸魂の狂愛に相対する。
「悪いが、容赦なく止めさせてもらおう」
「せめてわたくし達が……その狂行を……止めますわ」
「佳い決意です。その輝き、もっと見せてもらいましょうか」
猟兵たちの決意なぞどこ吹く風とばかり、慈しむような笑みは変わらない。軽く片手を打ち振れば神智を越えた虞が揺らぎ、戦場を構成する異界そのものが容易く歪む。
「それにしても此処は連ね鳥居……」
「その通り。なれば場に適した容(カタチ)が作法というものでしょう」
混沌とした戦場のとった姿は竜神の霊山、延々と続く数千本もの連ね鳥居が内と外に猟兵とオブリビオンを隔てる。
「大祓百鬼夜行、きませい」
戯れるように傘を回せば、引き寄せられ集まるは骸魂によってオブリビオン化した妖怪達たち。彼ら、そして大祓骸魂自身に霊山の霊力が流れ込み――
咆哮が世界を揺るがす。
一体一体が本来以上の力を持つ、異形の竜群が形を成した。
「改め、大祓百竜夜行。いざ参りましょうや。――抗ってみせてくださいね?」
千差万別たる竜群の中にあって殊更に巨大という訳ではない。だが、だとしても見失いようのない別格の虞を纏い……竜と化した邪神が愉しそうに笑う。
「大祓骸魂――まさか、あれまで竜になるとは。動きを制限されるのも厄介だが、そんな事を言っている場合でもなし」
「間合いの外の敵はお任せくださいな。射撃砲撃お手の物、ですの」
戦場の空を覆い尽くす程の大祓百竜夜行……質も量も凄まじい大軍勢、見た目の威圧感は此度の戦争でも有数か。絶望的な光景にも怯む事なく、二人の猟兵は各々の得物を構える。
竜と化した妖怪の鉤爪は時計ウサギの残像を切り裂き、諸共に焼き払わんとするブレスは加護のオーラが受け止める。すぐさま弾丸の返礼を見舞えば一撃で分離する骸魂、逆鱗を撃ちさえすれば数を減らせるのは唯一の救いか。
「今は防御優先の時だな」
襲い掛かる竜群の猛攻を確実に受け流し、その逆鱗を斬る。連ね鳥居の戦い、この戦争で幾度も経験した鏡介にはどう動くべきかの心得が身についていた。
「ふふ、お見事です。それではもう一手」
「幾らでも来るといい。いずれにせよ……逃さない」
二人の奮戦を讃えるように笑い、竜邪神の周囲に百を超える【生と死を繋ぐもの】の複製が生み出される。
「――陸の型【爪嵐】!」
「鏡介様!」
その小ささすら活かし完璧な統率で襲い掛かる懐刀を鉄刀の閃きが墜とす。
ミルフィの警告は当然のもの。懐刀一つ一つが受けるごとに確実に死の近づく魔刃、如何に卓越した技巧があったとしてもリスクが大き過ぎる。
「構わない……反撃に備えて」
一撃、受けるごとに死が近づく。積み重なっていく感覚こそが反撃の布石。
彼の扱う剣術、基本が陸。死に至る懐刀の軍勢、迎え撃つたびにその動きは研ぎ澄まされていく。
「それでは……そろそろご褒美をあげましょう」
「っ!」
咄嗟に飛び退き、眼前を切り裂いた竜邪神の腕へと一刀を見舞う。
異形竜と化した百鬼夜行、万象殺す懐刀の雨、二つの死線を乗り越えた猟兵たちへ遂に大祓骸魂が攻撃に加わる。
「……タイミングが命だ。いいな?」
「無論、いつでも合わせますわ」
異形竜の攻勢に懐刀、その脅威とて収まってはいない。
瀬戸際の攻防が続き……遂にその時が訪れる。
「見切った……ッ、行くぞミルフィ!」
「お任せ下さい! 全弾、撃ち尽くしますわ――!」
邪竜神の幾度目かになる突撃、合わせ放つ切り札は【フルバースト・マキシマム】。
全方位へと放たれたありったけの大火力は守るべきものを損なう事無く、迫る悉くを押し留めてみせた。
「大祓骸魂との決戦、妖怪様達のお覚悟、そして世界の為に……勝って、みせますの!」
多数の性質を備えた弾丸を使いこなすミルフィの作った最大の好機、飛び出した影が鉄刀一閃。この瞬間、この道だけは見失う筈が無い。
「これで、決めるッ!」
この刹那の為に研ぎ澄ませた刃――鏡介の斬撃は、邪竜神の逆鱗を正確に断ち斬った。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
月夜・玲
⑰
ふふふ、折角ならこの懐かしい玩具で勝負しないかい?
大祓骸魂くん!
題目はそう、ボールを相手のゴールのシュート!
超!エキサイティン!!
するあの玩具!
これを…2人でします…
やり方分かる?
プラスチック製のボールが落ちてくるからピンボールの要領でガチャガチャして相手側のゴールに入れるだけ!
……これ何が面白いんだろう…
まあいいや、最後にボールが多く入ってた方が負けだよ!
勿論、これは猟兵とオブリビオンとの戦い!
持てる力は何でも利用して戦おう!
そうでもしないと間がもたないし…
私はゴール前の『オーラ防御』でシールド展開!
そして『念動力』ボールの軌道を制御!
ジャンプにカーブショット何でもござれ!
●アドリブ歓迎
●2nd Round ― 三次元活劇決戦 ―
「ふふふ、折角ならこの懐かしい玩具で勝負しないかい? 大祓骸魂くん!」
混沌渦巻く異界と化した東京上空、姿を現した月夜・玲(頂の探究者・f01605)には秘策があった。
「題目はそう、ボールを相手のゴールにシュート! 超!エキサイティン!! するあの玩具!」
てれれれってれー、と取り出し掲げるはあの3Dアクションゲーム(アナログ)。
「これを……2人でします……」
「“……”と“!!”を逆にするとテンションが反転して面白いそうですね」
「ねぇ私の話聞いてた??」
「ボールを相手のゴールにシュート……超……エキサイティン…………するあの玩具……」
「これを!! 2人でします!!」
なお【大祓百鬼夜行】で集まるオブリビオン化妖怪たちは観客席からやんややんや。
本来4人用のこのゲームもフェアプレイ精神に則り一騎打ちである。
「やり方分かる?」
「つまり……頭部を破壊されたプレイヤーは失格なのですね?」
「そんなルール無いよ!?」
腐っても究極妖怪、戦う前から命懸けである。何がつまりだ何が。
ともあれまずは認識共有タイム。ルールを守って楽しくエキサイティン!
「要するに! プラスチック製のボールが落ちてくるからピンボールの要領でガチャガチャして相手側のゴールに入れるだけ!」
(…………これ何が面白いんだろう……)
(CMの雰囲気とか?)
(こいつ頭の中に直接……!)
「まあいいや、最後にボールが多く入ってた方が負けだよ!」
説明タイム終了。
斯くして猟兵と究極妖怪、世界の行く末を賭した決戦の一つが幕を開ける……!
(勿論、これは猟兵とオブリビオンとの戦い! 持てる力は何でも利用して戦おう! ゴール前をオーラ防御のシールドでブロック、念動力でボールの軌道を制御して防御も攻撃も完璧……)
「――そう思っていた時期が私にもありました」
「どうかしましたか?」
「いやいやいや、おかしいでしょ!」
第一に玲は戦術の要となる念動力とオーラ防御、その扱いに卓越した猟兵である。最初の見立てとて慢心と言うよりは正当な自負と評するべきだろう。それが今やユーベルコードをも尽くしてなお、じわじわと追い詰められつつあるのだ。
「私のボール『生と死を繋ぐもの』は 鈍だけれど 時間をかければ 誰でも 何でも ゴールに入れることができる」
「わけがわからないよ」
(蒼炎に稲妻に重力、これだけ手札を切っても彼岸花の侵蝕を抑えるのに手いっぱい。こっちにはユニットゼロワンの応援もついてるのに――うん?)
「君たちか原因ッ!」
手に汗握り戦いの行方を見守る妖怪たち、【大祓百鬼夜行】――集まれば集まるほど“大祓骸魂自身も強化される”。元より圧倒的アウェー、しかも妖怪たちは世紀の決戦を見届けんと次から次に集まってくる……!
「隙を見せましたね? 純愛をあなたのハートにシュゥゥゥーッ!!」
「って、やば――!」
「やめて! 究極妖怪の特殊能力でボールをゴールにシュゥゥゥーッ! されたら、闇のゲームでゴールと繋がってる猟兵の精神まで燃え尽きちゃう!
お願い、死なないでイェーガー! あんたが今ここで倒れたら仲間や妖怪との約束はどうなっちゃうの?
ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば大祓骸魂に勝てるんだから! 次回、」
「言わせないよ!?!?」
心情的には味方でも今はやはり敵の軍門、死亡フラグが建つ寸前にキャンセル。
とはいえ絶体絶命の危機、一瞬の時間はスロー再生のように引き延ばされ――
――紫電が弾けた。
「孤軍で大した奮戦じゃねぇか。それでこそ送り出した甲斐がある!」
「この声……っ!」
「だからよ……止まるんじゃねぇぞ……」
「それ新し親分のネタじゃない?」
ブブゼラ片手に玲の側へ立つ黄金の竜神――碎輝。猟兵たちに敗れ骸魂より解き放たれたが故に、彼の力は【大祓百鬼夜行】に奪われる事は無い。
「気持ちは嬉しいけど応援に来る戦場ここで良かったの親分!?」
「世界を救おうと命張ってる奴らに優劣なんてあるかよ!」
「良い台詞なんだけどなぁ!」
宿る力は一撃必殺、土壇場で転がり込んだ飛び切りのジョーカー。
たとえ相手が百鬼夜行統べし究極妖怪であろうと、もはや玲を止められはしない。
「「撃滅放電槍を相手のゴールにシュゥゥゥーッ!!」」
「これが……あなたたちの意思の力――」
彼岸花を焼き払い、数多のボールを巻き込みながら、双雷を宿したボールがゴールへ叩き込まれる。
紙一重の決着、戦場を大歓声が震わせ……倒れた大祓骸魂の表情は、どこか満足そうだったという。
大成功
🔵🔵🔵
御倉・ウカノ
⑮
アドリブ歓迎
判定:WIZ
虞しいほどの愛を感じる…狂愛の化身、か。気を抜けばあっさりと吞まれてしまうかもしれないな。だが、あたし…いや、私達も『王子さま』の覚悟まで背負ってやってきてんだ。お前を乗り越えて、世界を救って見せるさ。
真の姿を解放し、自分の持つ技能をフルに生かして虞を避けつつ〈覚悟〉をもってUC『狐薊』を発動するよ。攻撃対象は『大祓骸魂』と戦場に咲き乱れる狂気的な愛を宿した彼岸花だ。戦場が愛で満たされてしまう前に、『大祓骸魂』ごと戦場を狐薊で満たしてやるさ。
「この世界を、お前の愛で満たさせるわけにはいかない。いくぞ、これが私の全力だ…!」
渡塚・源誠
⑫
愛するが故に共に永遠になりたい、か…
愛しいと思うものが在り続けてほしいっていう気持ちは理解できるけど
君がしようとしてるのは、「永遠にする」と同時に「一切の変化を拒む」ことでもあるよね?
僕は旅の中で、時間的な移ろいなんかも楽しんでるクチでね
……ごめんね、多分君と僕じゃ、「愛し方」が、どうも相容れない気がするんだ
UCを発動し、【情報収集】と【瞬間思考力】も駆使して早期に地形を把握、死角を活用して刀の攻撃を避けていくよ
回避が難しい時は自分の武器で弾き落とすけど、保険として柄の部分を狙うようにするね
攻撃も【地形(死角)の利用】による武器攻撃での奇襲を、UC効果も重ねた【2回攻撃】×3回、狙っていくよ
カイム・クローバー
④
(景色を見渡すも歪められた世界に眉を顰め)
…おいおい。極上の景色が台無しじゃねぇか。それとも、これがアンタ流の愛のカタチってヤツかい?
俺達だけで遊ぶなんて分かってねぇな。此処は妖怪達の通り道天下の“百鬼夜行”だぜ?妖怪全員で遊ぶに決まってるだろ。なぁ?
骸魂の影響を受けた妖怪達を前に両手を広げて【悪目立ち】。
親分達は全員戦って生かしてる。後は眼前の妖怪達を全員救って、悪いカミサマにお仕置きするだけ。
分かり易くシンプル。…この大群を相手に出来るかどうか?
(笑って)――楽勝。
大群の懐に飛び込んでUCで魔剣を振るい【焼却】で骸魂だけを焼き払う。
さぁ!派手に行こうぜ。Let's rock, baby!
●3rd Round ― 勝ち得るべき未来 ―
「……おいおい。極上の景色が台無しじゃねぇか」
本来ならUDCアースでも有数の発展を遂げた都市を一望できる筈の東京上空、今や邪神の領域へと塗り潰された戦場にカイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)は眉を顰める。
「それとも、これがアンタ流の愛のカタチってヤツかい?」
「お望みとあれば幾らでも。例えば、此れこの通り」
戯れに傘を回す仕草一つで空間が歪む。無より滲み出るように現れたのは入り組んだ迷宮……否、独特な地形へと改造された“迷宮団地”の再現。
そればかりか小柄な邪神からは神智を越えた虞が溢れ出し、狂気じみた愛を宿す彼岸花が戦場を染め上げていく。
「虞しいほどの愛を感じる……狂愛の化身、か。気を抜けばあっさりと吞まれてしまうかもしれないな」
神智をも超越する。言葉にすればあまりに短く、しかし由緒正しい神社の跡取りという素性を持つ御倉・ウカノ(酔いどれ剣豪狐・f01251)にはその脅威が痛い程に感じ取れた。
……だとしても。
「だが、あたし……いや、私達も『王子さま』の覚悟まで背負ってやってきてんだ。お前を乗り越えて、世界を救って見せるさ」
この戦争、全ての戦いはこの決戦の為に踏み越えて来た。妖怪たちと直にぶつかり合い、託されてきた想いこそが大祓百鬼夜行だ。
「……良い意思です。私も加減を忘れてしまいそう」
「ッ……!」
大祓骸魂がウカノに意識を向ける、それだけで溢れ出していた虞が指向性を得て収束。
【虞神彼岸花】――砲撃にも似た一撃、咄嗟に身を躱した地点は爆発するような彼岸花の増殖に埋め尽くされた。
「上等だ。好きにはさせないよ……!」
虞をも押し返さんと猛る気迫の高まり。金の毛並みは白銀の輝きを宿し、青く澄んだ瞳が覚悟に燃える。
「この世界を、お前の愛で満たさせるわけにはいかない。いくぞ、これが私の全力だ……!」
【御倉流巫女神楽『狐薊』】、破邪の花弁が戦場に舞う。
いけ好かない生家に厳しい修練、思い返したところで好きになれる筈も無いけれど――そうして得たものも、紛れもないウカノ自身の力だ。
「臨兵闘者皆陣列在前! 我が劒はこれより禍者を打ち祓うものとなる!」
凛と声を響かせる。神智を越えた虞、その具現化した彼岸花との真っ向からの激突は術者であるウカノまでも取り込もうと蠢く。
「これぞ! 御倉流巫女神楽『狐薊』なりッ!!」
――吹き荒れる狐薊が、彼岸花の侵蝕を振り払う。
迷宮じみた妖怪団地に繰り広げられる彼岸花と狐薊の攻防。水際の拮抗を破ろうと迫った妖怪、その骸魂が正確に焼き斬られた。
(オブリビオン化に加えて彼岸花の影響まで受けたらどうなるか分かんねぇってのに。親玉の差し金にせよ無茶させやがる)
「俺達だけで遊ぶなんて分かってねぇな。此処は妖怪達の通り道天下の“百鬼夜行”だぜ?」
黒銀の炎纏う魔剣を片手に朗々と声を張るカイム。手慣れた扇動、敵地の中央で大仰に両手を広げる男へ隠れ潜む妖怪たちの視線が集中する。
親分たちとも全員戦い、死なせる事無く此処まで辿り着いた。この期に及んで犠牲者など出させるものか。
「妖怪全員で遊ぶに決まってるだろ。なぁ?」
「お誘いとあらば応じる他ありませんね。ですがこの大祓百鬼夜行……お相手はあなた一人で足りるでしょうか?」
為すべきは分かり易くシンプル。大祓骸魂の問いには余裕の笑みで返してみせる。
「――楽勝」
振るう魔剣は【必滅の刃】。
邪神のユーベルコードをも焼き斬り、しかし肉体を傷つける事は無い……それだけのユーベルコード。それだけで十分。妖怪の大群へと正面から飛び込み、獅子奮迅の大立ち回りを演じてみせる。
「さぁ! 派手に行こうぜ。Let's rock, baby!」
応じる妖怪たちの雄叫びは歓声にも似て、決戦は熾烈を極めていく。
「凄い戦場だよねぇ。世界の命運なんてもの、本気で背負っちゃってるんだから」
「あなたもその一人でしょう」
渡塚・源誠(風の吹くまま世界を渡れ・f04955)が振るう対のナイフ、団地の地形を活用した奇襲を童女の如き邪神は大きく躱してバックステップ。
「あらら、やっぱりそう簡単には獲れないか」
「私の力を見誤っているでもなし。素晴らしい勇気、誇るべき意思です。ああ、やはりあなたたちは愛おしい……」
「……愛。愛するが故に共に永遠になりたい、か……」
愛しいと思うものが在り続けてほしい、その想いは源誠にも理解できる。大切なものが喪われて喜べる者など、一体どれだけ居るだろう。
だとしても――百をも超える懐刀の刃が宙に踊ろうと、源誠が揺らぐ事は無い。
「君がしようとしてるのは、「永遠にする」と同時に「一切の変化を拒む」ことでもあるよね?」
【旅人的見識の活用】は迷宮化した妖怪団地の地形を最大限活かす為のユーベルコード。本来は不利となる懐刀の物量を前にしても、一歩も譲らずに渡り合う。
「僕は旅の中で、時間的な移ろいなんかも楽しんでるクチでね」
世界を殺そうとする邪神、その狂愛に偽りは無い。だが、その愛を受け入れた先には……源誠の慈しむ輝きは無いのだ。
「……ごめんね、多分君と僕じゃ、「愛し方」が、どうも相容れない気がするんだ」
「ご尤もです。私の愛は、あなたの想いも呑み込む事でしか共に在れない。……ですが、宝物の価値を自ら損なってしまうとしても……喪いたくないのです」
「我儘な邪神様だ。あんまり長く生きると、そうなっちゃうのかなぁ」
困ったような微笑。平行線に終わった問答は無意味だろうか。
否――これまで通り細心の注意を払い慎重に。これまで以上に強く、決着を付ける為に力を振り絞る。
「その愛に餞別を。折角用意してくれた地形だ、ちょっとばかり頑張るとしよう!」
源誠の得物はナイフだけではない。襲い掛かる懐刀を躱しながら張り巡らせていた魔糸、魔力を込めた金属札の仕込み――最大数の手数、発揮し得る力を以て勝負に出る。
「此処が最後の大一番と見た! さぁ、決めてやれ!!」
神懸かりさえ思わせる凄絶な巫女神楽、勢いを増した狐薊が彼岸花を覆い隠す。
「クライマックスには間に合ったらしい。アンタにもとっておきを馳走してやるよ!」
引き寄せられた大祓百鬼夜行、悉くを救ってみせた黒銀に燃える斬撃が閃く。
「……ああ。こんなに愛しているのに、本当に儘ならない……困ったものです」
邪神の振るう力は最後まで加減も容赦も無く、猟兵たちも永遠にせんと猛威を振るい。
故にこの結末は死力を尽くした猟兵たちが――そしてこれまでの戦い全てが――掴み取ったものに他ならない。
「……まったく……それさえも、愛おしいのですから」
残念そうに、嬉しそうに。最後まで微笑を浮かべながら、その骸魂は砕け散った。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
緋翠・華乃音
⑦月に狩り:🏠
――月は、割れていない方が美しいと思わないか?
気付けば景色は歪められ
ススキの群れと、割れた月の見える平野の夜に
少しで構わない。
君と話がしてみたかった。
いや、君の話を聞きたかったと言うべきか。
君の行動の全ては愛ゆえなのだろう?
行動原理は誰からも責められることじゃない。
けれど、愛を抱いているのは君だけではないよ。
どうして猟兵は君を否定するのか。
答えは簡単だ。
君の愛の成就は、君以外の人々の愛と引き換えだから。
君は殺すことで愛を為そうとしている。
でも、死んでしまった世界では誰も何も愛せない。
全員が、とは言わないけれど。
誰も君を憎んでいる訳じゃない。
君の手段が間違っていた。
それだけだ。
●Final Round ― おくる言の葉 ―
「――月は、割れていない方が美しいと思わないか?」
緋翠・華乃音(終奏の蝶・f03169)の言葉に、その邪神は罅割れた異形の月を見上げる。
本来はありふれた夜景が広がる筈の東京上空。幽世を再現した風景は未だ大祓骸魂がこの空間を支配する力を残している証左に他ならず、しかし彼女が戦意を見せる事は無い。
或いは戦いを挑めば応じるだろうが。大祓骸魂には初めから戦意など無かった。
「月見の席がお望みですか。お団子などいかがでしょう?」
「いや……少しで構わない。君と話がしてみたかった」
並んで腰を下ろす。
これまでの激闘が嘘のように、流れる時間は穏やかで。
「正しくは、君の話を聞きたかったと言うべきか」
「いいでしょう。私もお話は好きです」
無邪気に微笑んで語りだす。
今や忘れ去られた遥かな過去より目にしてきた命の営み。彼らに愛を抱いてから、その想いを自覚してから、どれほど世界が輝いて見えるようになったか。
時に初恋に頬を染める少女のように熱っぽく、時に我が子を慈しむ母のように優しく。
彼女の紡ぐ声、言葉、その一つ一つが悪意無き呪詛だ。識れば狂気に蝕まれ、耳を傾ければ心を呑まれる。根本的な規格の話、邪神とヒトは解り合えるように出来てはいない。
猟兵であってもそれは同じ。
……徒人よりは少し深くまで踏み込める。その些細な差に、果たしてどれ程の意味を見出すのだろうか。
瑠璃色は染まらず、ただ静かに頷く。
「君の行動の全ては愛ゆえなのだろう? 行動原理は誰からも責められることじゃない」
けれど、と続く言葉。
二人並んで見上げる夜空、破滅の幼生を孕む月は“あってはならないもの”だ。
「愛を抱いているのは君だけではないよ」
「………………」
「どうして猟兵は君を否定するのか。答えは簡単だ。……君の愛の成就は、君以外の人々の愛と引き換えだから」
殺すことで愛を為そうとした妖怪。
けれど、死んでしまった世界では誰も何も愛せないのだと。
「全員が、とは言わないけれど。誰も君を憎んでいる訳じゃない」
「…………そう、ですか」
皿に盛られていた団子を口に運ぶ。
夢のように柔らかくほどけたその味わいはどこまでも甘く。
「……知っていました。私の愛があなたたちと相容れない事も、こうしてあなたたちが立ち上がる事も」
尤も此処までの輝きを見せてくれるとは思いませんでしたが。白み出した夜空を見上げながら、くすくすと笑う。
「……そうですか。私も……私でさえ、憎まれるだけではなかったと言うのですね?」
「ああ。君の手段が間違っていた、それだけだ」
「ふふっ……私の、敗けです。この愛を果たせなかった事は残念ですが……輝くあなたたちを見ることが出来て。その言葉を聞けて、本当に良かった……」
憑き物が落ちたような事は無い。
ただ、刃ではなく心を以て祓える邪神が居たという話。
大祓骸魂は虞と共に消え失せて……気付けば残された華乃音の上に、ありふれた東京の空だけが広がっていた。
―― 大祓骸魂、決着 ――
大成功
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