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人民革命~#1 黎明の日

#クロムキャバリア #斉慶人民共和国 #前後編シナリオ #後編は7月上旬に公開予定です

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#クロムキャバリア
#斉慶人民共和国
#前後編シナリオ
#後編は7月上旬に公開予定です


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●望まれぬ夜明け
「この国の正義とはなんだ? ――そう、金だ」
 厳粛に問いかける男の顔つきには鬼気迫るものがあった。
「“共和国”を謳いながら、政を仕切るのは一握りの議員のみ。その議席をどうやって得ているか知っているか? 投票数を金でかき集めて! 犯した罪を金で揉み消し! 大病を患う貧民には見向きもしない……法律も、常識も、金の前ではなんの価値も持たない。それがこの国の現状だ!!」
 共和制とは? 議会の存在とは? ――“人民”とはなんなのだ?

 男の怒りに呼応し、その場に集う者達の憤る気配は膨れ上がっていく。
 これは、黙殺されてきた者の怒り。
 意思ある者達を蔑ろにし続けた末の帰結。
 ――その場に居合わせた一人が虚ろな目で呟いた。
「取り戻さないと……人民の、人民による……人民のための国を」


「クロムキャバリアの小国家、斉慶(ざいけい)にて、反乱の予兆を確認しました。……より正確に申し上げるならば『革命軍による反攻作戦』ですね」
 椅子に腰かける李・蘭玲(老巧なる狂拳・f07136)は、組んだ足の上に手を乗せて話を続けた。
「以前にも斉慶には、オブリビオンマシンが非合法コロシアムに侵入しましたが、今度の事件は革命を起こすための第一歩。革命軍は主に傭兵や小市民の集まりですが、日常的にキャバリアを操縦している者が多く、身分に甘えた防衛隊よりも遥かに技量が高いです」

 今回はそのうちの一人が、試験場に運ばれた機体を強奪する光景を蘭玲は予知した。
 搭乗者はすでに破滅的な思想に狂わされた者。
 発狂したパイロット経由で、機体もオブリビオンマシン化したと予想される。
「ま、その機体も“搭乗者の命を代償に、機械兵器を行動不能にする”という曰く付きの機体ですが……まずは強奪した機体による破壊活動を妨害し、試験場にいる民間人の避難を支援して下さい」
 試験場には軍関係者だけでなく、整備士、清掃員などの民間人も多く出入りしている。
 ……反乱軍が紛れこめる隙と同時に、巻き込まれる市民も多数存在するのだ。

 だが拠点破壊に失敗すれば、強奪した犯人は一時撤退することが予想される。
「強奪した機体は戦力になりますから、拠点へ持ち帰ろうとするでしょうねぇ。地の利は圧倒的に不利なので見失う可能性が高いですが、追跡はできます。見失っても足取りを追って潜伏先を特定しましょう……十中八九、“反乱軍の拠点”でしょうがね」
 拠点を特定されれば、犯人は特攻覚悟で挑んでくる可能性が高い。
 彼らは“腐敗した国家を打倒する”という、大義名分を果たそうとしているのだから。

「いろいろと思うところはあるでしょうが、斉慶が求めているのは“戦力”です。」


木乃
 木乃です! お待ちしていた方は大変お待たせいたしました!!
 クロムキャバリアの前後編シナリオとなります。
 アウトローでダーティな話になると思われますので、ヒーロー志望の猟兵さんはご用心を。
 ・関連シナリオは前哨戦としてカウントしていませんが、舞台となる国家は同じです。
(《斉慶人民共和国》というタグで纏めております)

●舞台設定
 斉慶人民共和国という小国家。
 プラントと同じ高さ15mの建造物しかなく、香港のスラム街(九龍城砦/クーロン城)じみた街並みです。
 一部の金持ちを除いて、住民は隙間を縫って組みこんだ違法建築に住んでおり、非合法賭博が黙認されているなど治安はあまり良くないようです。

『第一章:ボス戦』
 強奪された『ブレイジング・バジリスク』との戦闘です。
 キャバリアを奪って、そのまま試験場の周辺施設を破壊しようとするため、
 試験場を警固する防衛隊と協力して、避難活動を支援して下さい。

『第二章:冒険』
 逃走した犯人の潜伏先を特定します。
 土地勘は相手のほうが圧倒的に有利ですが、目撃情報までは防げないでしょう。

『第三章:ボス戦』
 犯人との決戦になります。
 第一章の機体とは異なるモノになりますので、別の戦法を用意する必要があります。

●諸注意
 猟兵は戦力として期待されていますが、国家の政情への介入は求められていません。
(国の運営に携わっていない第三者というのも理由にあります)
 『政治介入』を目的にしたプレイングは不採用となる可能性が非常に高いです。
 あらかじめご了承下さい。

 その他、注意事項をマスターページにまとめておりますので、参加前にご確認いただけると嬉しいです。
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第1章 ボス戦 『ブレイジング・バジリスク』

POW   :    ブレイジング・シュート
【ライフルの集中射撃】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    バジリスク・ランページ
【右腕のライフル】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ   :    エンジンキラー
自身の【オブリビオンマシン】から【漆黒のオーラ】を放出し、戦場内全ての【エンジン】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●暁の狼煙
 整備士たちは、新たに搬入されたキャバリア《ブレイジング・バジリスク》のメンテナンスを終え、整備用の昇降機から降りてくる。
「こりゃまた、どエラい機体っすよねぇ。上層部はパイロットの替えが効くと思ってるっすんか?」
「キャバリアの怖さを解っちゃいないんだよ。所詮は温室育ちで世間知らずなボンクラども、痛い目に遭わなきゃ理解できないかもな」
 “搭乗者の生命を削る”と聞けば、危険な代物だと解るだろうに。
 呆れた様子で言葉を交わす整備士たちは、試験稼働の前に小休憩を入れようとその場を離れていく。

 ……物陰でその様子を見ていた女性が、ブレイジング・バジリスクと対面しようと歩み寄る。
 ツナギ姿とあって清掃員か、整備士かの判別はつけ難いだろう。
『人民の国、私たちの国……一緒に、取り戻して』
 祈るように呟き、虚ろな目の女はコックピットへ乗りこむ。
 慣れた手つきでスイッチを入れると、操縦棍を握り締めた。
『この国を食い散らす寄生虫も、蝕むだけの病巣も、全部ブチ壊してやる……!!』
 憤りに顔を歪ませる女に呼応し、ブレイジング・バジリスクは殺意に満ちた眼光を光らせる!
メルティア・サーゲイト
 闘争を求めて戦場に居るンだ。政など知った事かよ。
 キャバリアが主体の戦場だから付ける隙ってのがある。航空機による強襲だ。まあ、殲禍炎剣に焼かれて終わるのがオチだから実用的じゃないって話なンだがな。だから、殲禍炎剣ごと航空機で突っ込むなんて考えもしねェだろ。
「システム、巡航モードから戦闘モードだ」
 ま、私はぶつける前に飛行ユニットをパージして着地してるから問題無し。
「贈り物は気に入ったかい? おかわりもくれてやるぜェ」
 遠距離からリニアレールキャノンと巡航ミサイルで火力支援だ。キャバリア相手だとサイズ不利なんでな、セコく行かせてもらうぜ。


ノエル・カンナビス
(POW)(エイストラ搭乗・キャリアは待機)

ま、能書きはどうでもいいことです。
依頼内容は避難民の保護、そのための施設防衛で宜しいですね?

飛行して敵の射線を空に向かせ、注意を惹きましょう。
命中しにくくとも無視もしにくい中間距離で撃ち合います。
無視したら後ろから撃つまでですし。

索敵/第六感/見切り/操縦/空中機動/カウンター/2回攻撃
というところですか。
バイブロジェットで浮いたまま標準装備のジャンプジェットで
回避機動ができるエイストラは、こういうのは得意です。

こうした場合、命中率が上がらないブレイジングシュートは
意味がありません。こちらの鎧無視攻撃/プラズマライフルも
あたれば普通に破壊しますから。



 湿っぽい感情は求められていない。
 向こうから言われてしまえば、むしろ気楽な者もいるもので。
「こちとら闘争を求めて戦場に居るンだ。政など知った事かよ」
 くく、喉奥で笑いを噛み殺すメルティア・サーゲイト(人形と鉄巨人のトリガーハッピー・f03470)の言に、ノエル・カンナビス(キャバリア傭兵・f33081)が小さく頷く。
「能書きはどうでもいいことです、遂行することだけに専念しましょう。作戦目的は避難民の保護、そのための施設防衛ですね」
《MODE STUKA》を発動したメルティアを追って、乗機エイストラとともにノエルも飛翔。

 上空を航行すると、二機はすぐさま殲禍炎剣(ホーリーグレイル)に捕捉された。
 暴走衛星は『空を侵す者は許さない』とばかりに、無差別砲撃を開始。 ――蒼空を裂き、降り注ぐ砲弾が豪雨のごとく襲いかかる!
(「予想以上に激しい砲火ですね、接敵前に落とされる訳には……!」)
 ノエルは地上すれすれの低空飛行に切り替え、試験場へと突入。
 現場には、漆黒のオーラを滲ませるブレイジング・バジリスクが格納庫をハチの巣にしている。
『シねッ!シねェッ! お前らみたいな●●●●どもは●●●してやるんだから!!』
「おーおー、派手にやってんじゃネェか。……システム、巡航モードから戦闘モードだ」
 蛇行するように弾道から回避するメルティアも、直撃コースの砲弾をレーダーで捉えると飛行ユニットを中空でパージ。
 被弾して炎上するのも構わず、そのまま敵機へと特攻させた。

『……なによアンタ達。コイツらの味方しようってんなら、アンタ達もブチ壊す!』
 怪しく眼光をギラつかせた敵キャバリアはノエル達を捕捉し、ライフルのマズルが墜落気味の飛行ユニットに向けられる。
 計らずしも相手の注目が上空に向き、ノエルはジェットブースターを噴かすと、ライフルの射程圏内に捉えた。
「回避機動ができるエイストラは、こういうのは得意です」
 撃ち落としている間にプラズマライフルを向け、点検したてのキャバリアを遠慮なく攻撃する。
 女操縦者は上空のユニットを落とすと、ターゲットをノエルに変えて牽制射撃から撃墜するタイミングを計った。
 だが猟兵はもう一人――ノエルのさらに後方からメルティアは砲撃の構え。
「贈り物は気に入ったかい? おかわりもくれてやるぜェ」
 自慢のリニアレールキャノンと巡航ミサイルを打ち上げ、フレンドリーファイアに配慮した火力支援を始める。
 豪快な銃撃戦を展開したことで、相手の注目は憎き国軍から“第三勢力”に向いていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ミハイル・グレヴィッチ
SIRDの面々と共に参加

ふん、クーデターね。傭兵時代に散々相手してきたが、どいつも主張しているコトは同じだ。自分達の主張に酔ってやがる。結局、武力で事を済まそうとしてる時点で、相手と同罪だぜ。
まぁいい。こちとらビジネスなんでな。シビアにいくぜ。

ここで仕留めてやりてぇのは山々だが、まずは他の連中を避難させるのが先決だからな。楽しみは後に取っておくとしよう。
位置を不断に変えつつUCを使用しての弾幕射撃を展開。別にダメージを与えられなくてもいい、周りの連中が避難できる時間を稼ぐだけの牽制ができりゃ御の字だ。

効くか否かはともかく、あんなデカブツ、目ぇ瞑ってても当てられるぜ。

アドリブ・他者との絡み歓迎


ネリッサ・ハーディ
【SIRD】のメンバーと共に行動

革命と言いますが・・・武力に訴え、あまつさえ民間人も巻き込むのも厭わない・・・これは最早テロと言って差支えありませんね。いずれにせよ、早急に鎮圧するのが我々の目的です。

まずは避難誘導が優先ですから、UCの炎の精を召喚し、目標のキャバリア周辺にに纏わり付かせ、周囲の施設への破壊活動を阻害。同時に、付近の防衛隊と協力しつつ、民間人を優先しての避難誘導を行います。

可能だったら、敵の逃亡時にUCの夜鬼の召喚を行い、送り狼として敵の追跡を行います。完全な追跡は無理だとしても、逃亡先に関する何かしらの手掛かりや情報は、できるだけ入手しておきたいですからね。

※アドリブ歓迎


灯璃・ファルシュピーゲル
「SIRD」一員で緊密に連携

事前:キャバリア用狙撃銃(APHE弾入り)と
擲弾発射機(エアバースト弾入り)を指定UCで準備

理想は立派ですね…誰の為にする革命なのかを
まともに考えられる理性がちゃんと残ってたらですが

現着次第、元軍人として淡々と配置へ
施設建屋を遮蔽にし機体を隠蔽(地形利用・迷彩)しつつ
(見切り・情報収集)で敵の動きと避難誘導経路を把握
仲間の攻撃にタイミングを合わせ敵の意識が逸れた瞬間に
脚部と腕関節を狙撃(スナイパー・2回攻撃・鎧砕き)し
確実に戦闘・機動力を削いで味方を支援

敵が避難経路に近づく場合は
即時に擲弾に切り替えエアバースト弾で目くらまししつつ
弾幕形成し接近阻止を図る

アドリブ歓迎



 居合わせた試験場の軍関係者は、突然の襲撃に慌てふためいていた。
 このような“非常事態”に慣れていないことが素人目でも解るほど。
「お、おい、誰だアレを操縦しているヤツは? 一体なにが起きているんだ!?」
「ご覧の通り、破壊活動です。国を護る者がうろたえてどうするのですか?」
 そこへ飛びこんできたのが【SIRD】の面々。
 ネリッサ・ハーディ(クローク・アンド・ダガー・f03206)は指揮官らしき身なりの男に冷静になれと諌める。
「まず施設内の民間業者を優先して避難させ、キャバリアのパイロットを至急施設の防衛に回してください。被害が拡大すれば“上層部からの評価”に関わりますよ?」
 反論を許さないネリッサの指示に、指揮官は大騒ぎで部下を避難活動に回す。
 嘆息を噛み殺すネリッサは視線を暴走するキャバリアに向けた。
(「革命と言いますが……武力に訴え、あまつさえ民間人も巻き込むのも厭わない……これは最早テロと言って差支えありませんね」)
 相手はすでに破滅的思想に汚染されたといえる状態、本人の意志かどうか……それは機体から引きずり降ろさねば解らない。
「フォーマルハウトに住みし荒れ狂う火炎の王――」
 ネリッサは炎の精を召喚し、暴れ狂うキャバリアに纏わりつかせた。赤熱した装甲と外観もあいまって、怒り狂った鬼をイメージさせる。
『焼夷弾くらいでどうにかなると思わないでよ!』
「しばらく炎で視界が悪いでしょう……皆さん、今のうちにこの場から離れてください。あとは我々で対応します」
 相手の言動から状況を分析し、ネリッサは落ち着いた態度で民間人に避難を促す。

 一方、生身で降り立ったミハイル・グレヴィッチ(スェールイ・ヴォルク・f04316)と、キャバリアに搭乗する灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)は、先んじて避難経路を守るように陣取っていた。
「ふん、クーデターね。傭兵時代に散々相手してきたが、どいつも主張しているコトは同じだ。自分達の主張に酔ってやがる」
「理想は立派ですね。……誰のためにする革命なのかを、まともに考えられる理性がちゃんと残っていたら、ですが」
 武力で解決しようしている時点で同罪……そう吐き捨ててミハイルは相棒・UKM-2000Pを小脇に抱えこむ。
「まぁいい。こちとらビジネスなんでな。シビアにいくぜ」
 任務開始の宣言と同時に、爆撃の激しい戦地へミハイルは踏みこむ。
 半壊する格納庫の陰から迂回する灯璃は距離を詰めている間に、敵の行動パターンと避難経路の解析にかかる。
 ――その頃、指示を受けた防衛隊がようやく戦場にやってきた。
『そんな素人に毛が生えたレベルで勝てると思ってんの!?』
 自信過剰な発言に思えたが、視界不良にも関わらず回避運動をこなす敵機と、ムダな挙動の多い防衛隊……力量の差は灯璃でなくともハッキリと理解できる。
「……ミハイルさん、要救護者が増える前に」
「ま、ここで仕留めてやりてぇのは山々だが、優先順位は守らねぇとな?」
 慣れた手つきで撃鉄を起こし、ミハイルは弾幕射撃を開始!
 着弾する銃弾と損傷する装甲による、甲高い金属音が鳴り響く。
「効くか否かはともかく、あんなデカブツ、目ぇ瞑ってても当てられるぜ」
『ああもう、うっとうしいなぁ!』
 重厚な発砲音と弾幕を展開するミハイルに、敵機の右腕ライフルが向けられる。
 突き出された右腕めがけ、すかさず灯璃はスナイピングの一射を飛ばす。
 駆動部めがけて弾丸は吸い込まれ、戦場に鈍い衝撃音が響いた。
「近づけさせはしません。ミハイルさんにも、避難する民間人にも」
 十字砲火(クロスファイア)を意識した連携で、ミハイルと灯璃は敵機を惑わし、防衛隊も援護射撃でわずかながらに支援する。
 徐々に劣勢となる敵の動きを警戒し、ネリッサは最前線を一瞥。
(「まだ逃亡する気配はありませんか。しかし……独学であれほどの操縦技術は身につけられるでしょうか?」)
 微かな違和感を覚えつつ、残りの民間人へ退避を促していく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
やれやれ…国の事情なんぞ知ったことじゃねーがまぁ
此処の雰囲気は小さい頃に住んでた街に似てますね
「こんな場所に住んでたんだご主人サマ」(鶏立体映像がほろり

【情報収集・視力・戦闘知識】
防衛隊の戦力と一般人の状況
どう妨害してどう避難させればいいかを把握して防衛隊と情報共有

UCこっそり発動
【属性攻撃・迷彩】
光水属性をダイウルゴス群に付与
光学迷彩と共に熱源も隠蔽
更に10体ずつ合体

【空中戦・武器受け・念動力】
飛び回りながらも敵の攻撃の回避に努め避けきれないのは武器と念動力で防御

エンジンキラーで動きを止められれば

…やれ

【捕食・二回攻撃・盗み攻撃・盗み】
竜群が飛び掛かり武器もろとも食らいついて破壊蹂躙


鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
WIZ

防衛隊と連携して避難支援ですね、了解しました!
愛機のルクス・テネブラエで出撃
敵のエンジンキラー対策として【結界術】で漆黒のオーラを遮断する結界を形成し周囲を囲う
特に防衛隊は一体が動かなくなると隊としての機能が低下しちゃう
そうならない為にも防衛隊がオーラの影響を受けないように【オーラ防御】も纏わせて結界を強化しておこう

避難が終わるまで間戦い抜く事を決意し、UC『絶対死守の誓い』を発動
回復と攻撃を同時に行いつつその場の戦線を維持する
防衛隊への攻撃はシールド展開し【かばう】
攻撃を援護する場合はルクスビーム砲の拡散誘導型で手堅くダメージを与えていく
今目の前の脅威から人々を守り抜く!



「防衛隊と連携して避難支援ですね、了解しました!」
 乗機ルクス・テネブラエから鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)は結界術を展開、エンジンキラー対策を整えつつ避難誘導する防衛隊のほうへ。
「やれやれ……国の事情なんぞ知ったことじゃねーが。まぁ、此処の雰囲気は小さい頃に住んでた街に似てますね」
 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)のこぼした言葉に「こんな場所に住んでたんだご主人サマ」と同乗する鶏の立体映像はホロリと涙が。
 メルクリウスの目を借り、避難状況と防衛隊の戦力を分析するカシムだが、
(「敵一機に対して防衛隊は十数機で苦戦中。実戦経験は相手のほうが圧倒的に上……避難状況は6割完了、ですかね」)
 すでに友軍の猟兵が避難を呼びかけていることもあり、防衛隊には避難民の安全確保を優先させたフォーメーションを組むようカシムは防衛隊に提案。
 しどろもどろしていた防衛隊も意思統一されたことで、ようやくそれらしい動きを見せ始めた。

 漆黒のオーラについては国防軍も試験前に把握していた……しかしその“対策”までは考案されていなかったらしい。
 エンジンを強制停止された機体を見つけては、ひりょが補強した結界とシールドを展開し、再起動するまでの時間稼ぎを繰り返していた。
「民間人だってまだ大勢残っているのに! それなら……光と闇の疑似精霊、力を貸してくれ!」
 防衛線を崩させる訳にはいかない!
《絶対死守の誓い》を立てたひりょの機体から闇の波動、光の波動が折り重なるように戦場に響いた。
 光の波動によって防衛隊の機体も少しずつ持ち直し、火力支援する余裕も出てきた。
『チィッ! どいつもこいつも邪魔してくれちゃって!』
 闇の波動で機体が衝撃を受け続ける状況に、女は苛立ちを隠そうともせず、エンジンキラーの出力をあげていく。
 それが自身の命を消耗して発生しているというのに、女はそれを厭う様子がない。
「あれが厄介すぎるけど、対策はあるんですよ」
 メルクリウスの陰に“秘策”を忍ばせ、カシムは本格的に交戦を開始。
 巨大化する右腕ライフルの無差別射撃を念動力で逸らし、すり抜けて距離を詰めていく。

 別方向のひりょはシールド防御を維持しつつ、肩部ビーム砲の照準を合わせ、
「今は目の前の脅威から人々を守り抜く!」
 誘導型のビームが射線上に拡散し、敵機の傷ついた装甲をさらに焼きつけた。
 妨害行動を阻止しようと、何度目かの漆黒のオーラが溢れると、メルクリウスの動きがついに止まる……しかし。
「……やれ」
 無策で飛びこんだ訳ではない――光学迷彩と熱源を隠蔽した10と8体の《帝竜眼『ダイウルゴス』》は一斉に飛翔。
 合体強化された竜たちが、中破するブレイジング・バジリスクに牙を剥く。
 生きた竜の群れに機関部(エンジン)はない。
 姿の見えない幻獣たちは、深紅の鎧を剥がしてしまおうと容赦なく食らいつく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

支倉・錫華
見た目シンプルではあるね。

ま、もともと傭兵だし、国のありように口を出す気はないかな。
雇われた側で戦うのが傭兵だからね。

ところで……。
キャバリアは貸してくれるってことでいいんだよね。

武器とAIを持ち込ませてもらいたいのと、
機体のカスタマイズは許可してもらいたいな。

ただ傭兵とはいっても、周囲に無駄な被害はだしたくないし、
なにもしていない市民……人民だっけ? に被害を出すのは好きではないかな。

【脈動臨界チューニング】で、移動力を5倍、装甲を半分に。
削った装甲の分は【天磐】でフォローしよう。

バジリスクのブレイジングシュートは、
スピードと天磐の受けで流しつつ、
【歌仙】で切り込んで、駆動系を狙っていこう。


枯井戸・マックス
人民の為にやることが人民に血を流させる革命戦争ってのも、如何とは思うがねぇ
ま、あのお嬢ちゃんに聞く耳はないだろうし、まずは『ご挨拶』と行こうか

特大の召喚ゲートから秘蔵のキャバリアを取り出して乗り込み
「実戦に初投入するにはハードな局面だが、その方が燃えるってもんだろ。いくぜ、ゼノギウス!」

ゼノギウスは基本武装を持ち合わせない
「だが拡張性は天下一品だぜ?」
追加召喚した人馬宮デッドリーアロー改を装備させ、攻撃回数5倍、射程半減のショットガンアローを連射しつつブースト接近
得意な近接戦の間合いに持ち込んでブーストチャージで殴り飛ばす
「ちっ、やっぱハイテクは苦手だ。もっと感覚的に動かせるよう調律しねえと」



 秘蔵キャバリアの初陣、というにはいささか血生臭い舞台だろう。
 枯井戸・マックス(マスターピーベリー・f03382)はラウンドグラスの奥で苦笑いを浮かべる。
「人民のためにやることが人民に血を流させる革命戦争ってのも、如何とは思うがねぇ」
 激情にかられた様子からして、聞く耳は持たないかもしれんが。
「じゃ、先に行かせてもらうね」
 別拠点から搬送されたキャバリアに乗りこむ支倉・錫華(Gambenero・f29951)は一言断りを入れて発進。
《脈動臨界チューニング》を施したキャバリアは、装甲を半分まで落とし、移動力は通常の5倍に。
 急ぎで追加した自前の装備、AIユニットも申し分なく機能する。
(「ま、もともと傭兵だし、国のありように口を出す気はない。雇われた側で戦うのが傭兵だからね」)
 スラスターを噴かす友軍機を追って、“ご挨拶”と洒落こむべくマックスも特大の召喚ゲートを開放。
「実戦に初投入するにはハードな局面だが、その方が燃えるってもんだろ。いくぜ、ゼノギウス!」
 召喚された天傲巨人ゼノギウスに飛び乗り、マックスは錫華の後に続く。

 試験場は流れ弾と接触した建物はチラホラと見えるが、他の猟兵達の動きもあって、想定されたものより被害は広まっていない。
 民間人の避難も滞りなく進んでいるが……しいていうなら、ブレイジング・バジリスクを奪った女の気迫と技量に、防衛隊が気圧されている様子が気になるところか。
「傭兵とはいっても、周囲に無駄な被害は出したくないし、なにもしていない市民……人民だっけ? に被害を出すのは好きではないかな」
「そいつは同感。ついでにお嬢ちゃん、ちっとばかし注意を引いてもらえるか?」
「了解、流れ弾までは相手してられないから」
 錫華はさっぱりした返答から急加速。
 中破するブレイジング・バジリスクと接敵し、接近しようとする錫華の機体に迎撃射撃を開始する。
「ゼノギウスは基本、武装は持ち合わせちゃいない……だが拡張性は天下一品だぜ?」
 それを確かめ、マックスはゼノギウスの手元に追加召喚した狙撃特化型光線弩《人馬宮デッドリーアロー改》を弩台から持ち上げた。
「エキスパーーット! 変幻自在のトリックショットをお見舞いするぜ!」
 巨大クロスボウと化したデッドアロー改は射程を半減、攻撃回数を5倍にした連射撃を展開して、気炎を上げるマックスは得意射程まで近づこうと再加速していく。

 後方から飛来する光線を錫華は確認し、射線上からすり抜けつつ敵機に斬りかかる。
『チョロチョロ動き回って、ムカつくわねェ!!』
 冷静さを欠いているように思えるが、射撃精度は侮れるものではなく、ファンクションシールド《天磐》でカバーする場面も少なくなかった。
(「狙うなら……右腕の、駆動部」)
 動作不良を起こしている右肘のヒンジに狙い定め、錫華は敵機をマックスの射線へと誘いこむ。
 加速度は錫華機が数段上、レーザーアローに注意が逸れたその一瞬――駆動部を刺し貫く!
 ――ドォン!
 敵キャバリアの右腕部から小さな爆発が起こり、ライフルがガクリと下を向いた。
『ッ、ライフルが!』
「おっとぉ、よそ見してる場合じゃねぇぞーっと!」
 ブースト加速してきたゼノギウスが滑りこむ。
 超馬力に勢いを上乗せした、超ド級の右ストレートがブレイジング・バジリスクの胴体に直撃。
 敵機は地べたを跳ねて転倒していくが、
(「ちっ、やっぱハイテクは苦手だ。もっと感覚的に動かせるよう調律しねえと」)
 マックスのイメージ通りではなかったようだ。

 火花を散らし始めるキャバリアの中で、女は苦々しく舌打ちをこぼす。
『うぅぅ、防衛隊の連中だけならどうとでもできたのにィィ……!! せめて、コイツだけでも回収しなきゃ……』
 歯噛みする音を漏らしながら、破損した敵キャバリアは疾風のごとくその場から逃亡するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『反乱の予兆』

POW   :    怪しい場所をとにかく調べまくる!

SPD   :    怪しい人物を尾行していけば見つかるかな?

WIZ   :    怪しい情報がないかサーバーチェック

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●赤鬼の行方
 猟兵の活躍により民間人に負傷者はなく、試験場の被害も抑えられた。
 会議室に招かれた猟兵達を、軍服をキッチリと着込んだ、穏和そうな中年の男が出迎える。
「まずは元首閣下に代わって感謝の意を。情報は惜しみなく提供するよう言われていますので、ご参考にして頂ければと思います」
 小ジワの浮かぶ顔をニッコリさせた男は、会議用ディスプレイに斉慶の地図が表示させる。
「強奪された機体は、市街地へ逃亡した直後に反応ロスト、もともと建造物や看板が密集しているため、上空からの追跡も不向き。……殲禍炎剣(ホーリーグレイル)でも撃ちこまれたら、被害はいかほどばかりか」
 ……“市街地の上空では活動は厳禁”と言いたいらしい。

  話を戻して、直前まで移動していた区画は“特に治安の悪いエリア”とされており、
「政府の人間ではない皆様なら“目撃情報”を聞くことは可能かと。傭兵や密入国者、不法滞在者も出入りしている場所なので」
 さらに、このエリアには『半地下』と呼ばれる、地下居住区を広げている場所も多く、逃走経路となりえる場所も多い。
「ま、あれだけの騒動を起こしては“革命派の同志”は動かざるを得ません。“逃走時の痕跡”だって残っているでしょう……特定できましたらご報告だけお願いします」

 情報提供は以上です、と退室しようとする男に『防衛隊は出せないのか』を尋ねると、
「申し訳ないですが、クソ溜めにも使えないクソ揃いは即時懲罰せよと厳命されております」
 男は人の好い笑みで警棒を握り……いろいろと事情を察して、猟兵は次なる行動へ移る。
ノエル・カンナビス
傭兵が出入りしている、特に治安の悪いエリアですか。
ま、否定はしません。さもありなん。

ともあれ私も現役の傭兵です。
傭兵絡みの場所にいろいろ潜り込んで聞き込みましょう。

カバーは――
「盗まれた機体を買い取りたいと思っている企業の依頼」
――でしょうね。
私はその代理人として、強奪犯を探している。

表沙汰に出来ない仕事ですし、急ぎでもありますので、
耳寄りな足取り情報には色を付けますよと高額コインを
ちらつかせます。
もちろんちゃんと払いますよ。大した額じゃありません。

むしろ普通に、強盗に遭いそうですが。
そこはアサルトカービンで(バン!)すみません実弾入ってました。

……これってPOWなんでしょうか。はて。



 ノエルが指定された区域に来てみれば、そこはまさに“混沌”に満ちていた。
 割れたニキシー管の一部が火花を散らし、薄汚れた建物同士を繋ぐよう、吊られた無数の看板上を子供達が駆け回る。
 路上の隅で寝息を立てている路上生活者もチラホラと。
「ここが例の特に治安の悪いエリアですか……」
 傭兵が出入りしているから、と言われれば、ノエルとしては否定するものではない。
 然もありなん、の一言に尽きる。
 ひとまず傭兵絡みの場所はないか、ノエルは住民達に聞いてみると返事はどれも同じ。

 ――だったらマフィアを頼ったらいい。

 どうやら大部分のエリアの秩序は、国防軍に代わって反社会組織が保っているらしい。
(「マフィア、ですか……交渉できるか微妙なイメージですが」)
 窓口役のひとつだという飴屋でノエルを出迎えたのは、マフィア、という単語からは縁遠い印象のおばあちゃん。
「いらっしゃい、この辺じゃ見ない顔ね」
「あなたが“窓口役”ですか」
「まぁまぁ……“そっち”のお客様なの?」
『盗まれた機体を買い取りたい』という企業からの依頼があり、代理人として、強奪犯を捜している――ノエルの話に老婆は静かに耳を傾けていた。
「なにぶん表沙汰にできない仕事ですし、急ぎでもありますので。……必要ならこちらを」
 ノエルは情報料をちらつかせるが、老婆は首を横に振った。
「あなた、政府関係の人でしょ? 装備は良品揃い、身なりも綺麗だし……一企業が2、3時間で把握した情報の割には断定的じゃないかしら」
 見透かしたように指摘する老婆に、内心ヒヤリとさせられる。
 
 そして、老婆はしわくちゃの手を顎に添え、思案の色をみせた。
「でもそうね。“本家”も大騒ぎしてるし、緊急対応が必要か……あなたの捜し物は、きっと“地下”にあるわ」
「地下、ですか」
「そう。この国は高さ15メートルまでの建造物しか造れないけど、“地下構造物には特に制限がない”の。機体の修理や輸送も、だいたい地下で行われるわ」
 確かに密集したエリアが多い斉慶では、搬送手段には一工夫が必要だろう。
 老婆は「ビルを地下用エレベーターに偽装した場所が何個かある」と、位置データをノエルに渡す。
「……まさか、断られるとは」
 治安が悪いと聞いて身構えていたこともあり、ノエルは柔軟な対応に拍子抜けした。
 とにかく、有力な情報は手に入った……気を取り直して、新たな情報を探しにノエルは歩きだす。

成功 🔵​🔵​🔴​

鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
キャバリアの大きさの物体が潜伏するのだから目撃情報はないはずはない…って所か
しかも“特に治安の悪いエリア”を移動していたとなれば目撃情報があっても口を噤んでいる可能性は大

キャバリアのサイズ的に潜伏出来そうな場所がないか、提示された斉慶の地図の該当地域を再チェック

地図から導き出した潜伏候補先へ向かい、小獣の理を発動
小動物達にキャバリアらしき存在の目撃情報を地域に住む小動物達に聞き込みしてもらう
現地の人間から情報が得られるかは微妙な所
【迷彩】施し【目立たない】よう潜伏しながら【聞き耳】で現地の人間の会話を盗み聞きし情報収集してみるか

自身と動物達が得た情報が有益なものであるといいが



 路上で堂々と缶ビールを飲む者、タバコを吹かして息抜きする者。
 ……現代日本では信じられない光景の数々に、目を奪われないよう注意しつつ、ひりょは視線を巡らせる。 
(「キャバリアぐらい大きな物体が潜伏するのだから、目撃情報はないはずはない……って所か」)
 しかも、移動先は“特に治安の悪い”という区画。
 目撃情報があっても、国防軍では口を噤んでしまう者も少なくないだろう、とひりょは推察。
 細い路地に入ってから、ひりょは改めて斉慶の地図に目を向けた。
「キャバリアが潜伏できそうな場所……って、いっても」
 大通りは(防衛隊を動員する都合もあってか)キャバリアが通行できる上に、地図上では建造物が密集している。
 潜伏先を特定する材料としては……力不足が否めない。

「うーん、だったらエリア内を総当たりしてもらうか」
《小獣の理》を発動すると、ひりょの周りに108体の猫や小鳥などの小動物が現れる。
 ひりょの要請に動物達は頷き、その場からすばやく離れていく。
 ただ待っているのも居心地が悪い……ひりょは路地の陰から通りの人々に耳をそばだてる。
 猥雑な環境音に混じって「なあ、さっきの爆発……」と話している、掠れた声が聞こえてきた。
 よーく聞いてみると、内容は『国防軍がまたトラブったか否かの賭け』――市民は騒ぎに気付いているが、詳細は把握しておらず、しかも日常的な事件と認識しているようだ。
(「もう少し、詳しい話を聞きたいんだけど……ちゃんと聞いてみたほうがいいかな?」)
 逡巡するひりょの周囲に数匹の動物が戻ってくる。
 いわく『ボロボロの真っ赤なヤツは建物に入って、その後にゴゴゴーって音がした』という。
 この情報だけでは漠然としているが、他の情報と組み合わせれば役立つハズ。
 不安は拭いきれないが、他の動物達を待ちながら、ひりょは住民達の声に意識を集中させた。

成功 🔵​🔵​🔴​

支倉・錫華
キャバリアはアミシアに任せて、わたしは市街地に降りて情報収集だね。

『特に治安の悪いエリア』か。斉慶としては守る気とかはなさそうだね。
ま、防衛隊はこないみたいだし、そのぶんいろいろ情報は集めやすいかな。

こういうところの情報源は、だいたい酒場に集まるものではあるよね。
できればボスっぽい人に話聞きたいし、カタギじゃない感じの人に接触して、
「わたしを貢ぎ物にしてみるとか、どう?」
とか提案してみようかな。

偉そうな人の貢ぎ物になれたら、そこからが本題。
「ね。反乱軍の赤いキャバリアってどこにいったの? わたしたちを助けてくれると思ってたんだけどな」

経験上男がいちばん口が軽くなるのは、ベッドの上、なんだよね。



 留守中の機体はAIユニット・アミシアに一任し、錫華は問題のエリアへ。
(「“特に治安の悪いエリア”か、斉慶としては守る気とかはなさそうだね」) 防衛隊も来ないようなので、情報も集めやすいだろう。
 そうと来れば、情報の集まりやすい場所へ向かうが吉か。
 錫華は賑やかな飲食店に入ると、物々しい雰囲気の一角が目に付いた。
 マフィアというより“極道”らしき厳つい男が1人と、見るからに下っ端の男3人が同席して食事中……悪目立ちする集団だった。
 只者ではない一団めがけて、錫華はスタスタ歩み寄って声をかける。
「なんだぁテメェ? メシの邪魔すんじゃねーよ!」
「あなた達、手柄が欲しくない? 例えば……わたしをボスへの“貢ぎ物”にしてみるとか、どう?」
 エリア内を仕切る組織。その幹部クラス以上と接触するなら“色仕掛け”がいいだろうと考えた。
 ならば、末端の構成員を利用できれば、チャンスの芽は出てくる。

 錫華の提案を聞いて、極道風の男は笑い声をあげた。
「っくく、ハハハ! そんなことしたらオヤジに去勢されてドブに沈まされるぞ。“他人をオモチャにするヤツ”には特に容赦ねぇからなぁ」
(「……このゴツい人、ボスと親しいのかな」)
 こんなところに幹部クラスの人物がいるとは。
 だが、やるべきことは変わらない――錫華は厳つい男に近づいて、
「ね。幹部の人なら色々知ってるよね、反乱軍の赤いキャバリアがこの区画に来たみたいなの。どこにいったか知らない?」
 錫華の物言いに下っ端達は「気安く話しかけんじゃねぇ!!」と今にも飛びかかる勢い……男は騒ぐ部下をなだめつつ、食事を済ませた。
「襲撃騒ぎはそいつの仕業か……“下”が騒がしい原因と同じだとしたら、マズいな」
 錫華の発した単語に男はブツブツとこぼし、その様子を錫華が注視する。

「それで、情報は」
「うちも調査中でな……それ以上は言えねぇよ。名前も所属も解らない、謎のお嬢さん?」
 ――口が軽い人間より、口が堅い人間を組織は重用する。
 だからこそ、情報を獲得する為には『信頼させる要素』が必要だっただろう。
 幹部の男は紙幣をテーブルに置くと「自分を安売りするんじゃねぇぞ」そのまま部下を連れて外へ。
「マフィアの幹部というより風紀委員じゃないかな、あれ……でも、組織の秩序か」
 腐敗していく政府、秩序を遵守するマフィア――斉慶のあべこべな社会構造が垣間見えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

灯璃・ファルシュピーゲル
SIRD一員で連携

戦争の多い地域だと、
やっぱりこの手の街は重宝されますね…

軍人崩れの密売屋を装って街区に潜入、
先ずはよく取引や輸送の警備に使われやすい
傭兵・チンピラに接触し(情報収集)

丁寧にしゃべりつつも隙を見せない態度をとって、
素人では無い事を解からせ(コミュ力)信用を得たら
・最近、キャバリア等の大きな輸送が行われてるのを見ていないか
・近辺の取り仕切り、情報通の密売屋
を聞き出します

聞き出せたら味方に情報展開しつつ
密売屋に接触、商談を装いつつ
アイテム:badge of Troyを使用(催眠術)
最近、キャバリアの補修用部品や搭載火器類を
大量に買っている話を聞かないか聴取します

アドリブ歓迎


ネリッサ・ハーディ
【SIRD】のメンバーと共に行動

さて、先の逃走したキャバリの行方を追跡する訳ですが・・・あのサイズのものを目的地まで誰の目にもつかず、何の痕跡も残さずに目的地に運搬するというのは、完全に分解して運搬しない限りはまず難しいと思われますし、何より先の逃走状況では分解秘匿しての輸送の可能性は低いと思われます。

逃走した方向を中心に、足跡等の痕跡や付近住民の目撃情報の聞き込みを行い、ある程度逃走した方角の絞り込みがついた、らそれらを踏まえUCの夜鬼を召喚し、逃走したと思しき方向に向かわせ周囲の痕跡等を捜索して追跡し、キャバリアの逃走ルートと逃走先を特定します。

※アドリブ・他者との絡み歓迎


ミハイル・グレヴィッチ
SIRDの面々と共に行動

ふん、あの俺たちに状況説明した中年男、以前俺が軍にいた時に会ったロシア対外情報庁の担当者に似てて、虫が好かねぇ。あんなのがいるんじゃ、この国で革命を喚き散らす連中が出てくるのも無理ねぇな。

さてと、情報収集か…まぁ俺としては荒事の方が得意なんだが、仕方がねぇな。あんなデカブツを秘密裏に運ぶとなると、比較的人目のつかない地下居住区の重量物運搬可能な辺りに、夜間こっそりと運ぶだろうな。俺ならそうする。その辺りを中心に目撃情報の聞き込みでもするか。
この辺は、いわゆるアンダーグラウンド的なヤツが多く住んでるみてぇだし、聞くときにちょいと「鼻薬」を嗅がしてやるのをわすれねぇとな。



【SIRD】の面々が移動する道中。
「ふん、あの俺達に状況説明した中年男……俺が軍にいた時に会ったロシア対外情報庁の担当者に似てやがった」
 ミハイルは不機嫌そうに眉根を寄せていた。
 あんなのがいては、声高に“革命”を主張する者が出ても無理はない。
「虫が好かねぇ」と彼が吐き捨てているうちに、目的のエリアに到着する。
「戦争の多い地域だと、やっぱりこの手の街は重宝されますね……」
 灯璃の視界だけでも、建物に寄りかかって居眠りする酔っ払い、無許可だろう露店販売に、コワモテの柄シャツ集団。
 ……見るからに粗暴そうな者達で溢れかえっていた。
 街中の様子を眺めつつ、ネリッサはふむ、と顎に手を添える。
「さて、先の逃走したキャバリの行方を追跡する訳ですが……あのサイズのものを、誰の目にも触れず、痕跡も残さず、目的地に運搬する……というのは、完全に分解しない限りはまず難しいと思われます」
 敵機の逃走理由は、機体損傷による戦略的撤退。
『秘匿に輸送する』というのは困難だろう、とネリッサは推測を述べる。
「私は逃走方向を中心に痕跡の調査、住民の目撃情報を集めようと思いますが……ミハイルさんと灯璃さんは?」
「ま、騒ぎを起こしちゃ集まるモンも集まらねぇしな。あんなデカブツを秘密裏に運ぶとなると、地下居住区を使わねぇ手はないだろううぜ」
「私は密売業者を装って傭兵やチンピラに接触しようと思います」
 捜索範囲が広い以上、一度別れたほうがよさそうだ。
 ということで……それぞれ聞き込み対象を探しに、別々の方向に歩きだす。

 いっそ清々しいチンピラ具合な集団に、灯璃は颯爽と歩み寄る。
 声をかけた直後は睨みを利かせてきたが、ひるむ気配を一切見せない灯璃に、警戒しつつも話を聞く姿勢に変わる。
「それで最近、キャバリアなどの大きな輸送が行われているのを見ていませんか?」
「キャバリアなんて傭兵連中が勝手に持ちこむし、地下闘技場の選手もよく調整してっからなぁ。変なところがあっても解んねぇよな?」
 同意を求める声に、ほかのゴロツキ達は頷く。
 多くの人間がなんらかの手段でキャバリアを持つため、パッと見て不審に思うことが少ないようだ。
「では、この区画を取り仕切っている方と、情報通の同業者がいたら教えてください」
 チンピラから必要な情報が揃えると、彼らの訝しむ視線を背に受けながら次の目的地へ。

 市中の痕跡を探すネリッサは、逃走した方角を確認しつつ、移動の痕跡を探っていた。
「この焼けたスリップ痕、かなり新しいものですね」
 身を屈めて指を這わせるネリッサだが、背後の気配に気付き、振り向くと同時に銃を突きつける。
 ――そこにはよれたタンクトップ姿の男の子。
 小学生ほどの少年は慌てて両手をあげた……ちょうど良いと思い、ネリッサは立ち上がる。
「この辺りにボロボロの赤いキャバリアが来ませんでしたか?」
「う、うん。すっげえスピードであっちに行った」
 少年の指差した方向を記録すると、エリア内での行動範囲が地図上から絞られていく。
 土地勘がある者なら、あるいは――ネリッサは質問をもうひとつ。
「その機体が行きそうな場所は解りますか?」
「エレベーター! みんなキャバリアを直すときは、広い場所がいいからって地下に持ってくんだぜ」
 姉ちゃんも壊したら持ってけよなと、得意げに話す姿は実に微笑ましい。
「ありがとうございます。……今回は運がよかったですが、スリはいけませんよ?」
 ネリッサに釘を刺されると、少年はバツが悪そうに離れていった。
 ……周囲に人目がないことを確かめ、ネリッサは夜鬼を召喚。
(「似た痕跡を探りつつ、地下エレベーターも絞り込まないとですね」)
 夜鬼を通して痕跡を探しつつ、ネリッサは地下エレベーターの特定を急ぐ。

 “半地下”と呼ばれる居住区は、名の通りに一部が地上に突き出した地下区域だった。
 やってきたミハイルを迎えたのは、下水と生ゴミの“不衛生なニオイ”。
「ひっでぇな、衛生管理の重要性ってのを痛感するぜ」
 だが、そういう場所だからこそ“お上品な連中は近寄らない”のだ。
(「俺が敵の立場なら……人目につきにくい地下居住区、そこで重量物運搬ができる場所に夜間こっそり運ぶ。利用しない手はない」)
 情報を集めるべく、通路でタバコを吹かすご婦人に声をかける。
 相手はアンダーグラウンドの住人だ、色々なことを把握していた。
「半地下からもっと下に“キャバリアを搬入出する線路”があるのよ! ほら、地下コロシアムに運ぶとか、他エリアに直行するなら必要でしょ?」
「だが、そういう場所は管理するヤツらがいるだろ。不審者が出たらすぐ解らねぇか?」
「マフィア連中の共有区域ってとこね。内紛とか、独裁国家から逃げてきた人達の玄関も兼ねててさ。……まあ、敵が入ったと解れば総動員で潰しにいくし、怖い場所に変わりないわね?」
 “密入国者や不法滞在者が多い”という事情も、この地下線路が関係しているのだろう。
(「出入りする分には比較的カンタンか……間違いねぇ、そこから革命派の拠点に繋がるルートがある」)
 確信を得たミハイルだが、足取りを追われないよう対策も忘れない。
「おっと、ご婦人。顔にまつげがついてるぜ」
 おやと視線が逸れた一瞬――噂好きのおばさんは“鼻薬”を嗅いで深い眠りに落ちていった。

 そして、3人は再び顔を合わせる。
「――で、ワケありな人間をマフィアが匿ってきた結果がこの治安、だろうな。灯璃は密売業者でなにか聞けたか?」
「数年前から傭兵でもなく、地下闘技場の選手でもない人間が現れるようになったと……相手が顔見知りだったり一見さんだったため、マフィアには相談しなかったようですね」
 マークされないよう時間をかけていただけに、今回の独断専行は革命派にとっても非常事態では? と灯璃は予想。
 狂気が伝播したせいで計画が露見しようとは……笑い話にもなるまい。
「逃走先の地下エレベーターも特定できました。あとは地下の逃走路を割り出せれば……追いつけるかと」
 ネリッサの言葉に灯璃とミハイルは頷き返し、他の猟兵にも情報を送るってSIRDはすぐに動きだした。
 次なる移動先は――地下の奥深く。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メルティア・サーゲイト
 んじゃ、ドールを降ろして情報収集に行こうかねぇ……ま、情報が食い付く罠を張るんだが。
 それだけ治安が悪い場所でキャバリアらしき物がコクピット開けて座ってたら絶対盗みに来るだろ? だが残念だ。私のそこはコクピットに見えるだけの飾りで私を操縦する機能は一切無い。ハッチを閉めれば袋の鼠だな。
「んじゃ、インタビューだ知ってる事は洗い浚い吐きな」
 捕まえた奴が欲しい情報を持ってなくても問題無い。
「今お前に盗聴器と爆弾を取り付けた。知ってる奴を連れてきたら解除してやる。余計な事を言ったら……分かるな?」
 解除するのは爆弾だけだがなァ。何、死ぬような威力はねェよ。



 試験場で大暴れしてゴキゲンのメルティアも情報収集へ。
 本体とも言うべきゴーレムユニットは、路地裏に片膝をつくと、胸部を開放。
 ドールユニットを降ろすと、主導権もドールへ移行。
「そんじゃ、情報収集すっか……ま、向こうから来てもらうんだが」
 コックピット部分を開放したままのゴーレムユニットを放置し、メルティアは近くのテナントビルの屋上へ。
 
 見下ろす形でゴーレムユニットを監視すること、数十分。
 ほとんどの者が通り過ぎていく中、辺りをキョロキョロと見回して近づく者が現れた。
「このキャバリア、なんか小っちぇな」
 解る者には統一規格に満たない全長から“別物”と解るだろう。
 ……もっとも、比較対象がないため、見間違える可能性は充分にある。
 疑念を拭い切れていない様子だが、痩せっぽちの男は開放された胸部部分に乗りこむ。
(「残念。そこはコクピットに見えるだけの飾りなんだよな」)
 “私”を操縦する機能は一切無いというのに。
 乗りこんだ直後、ハッチを閉ざして男をドールの収納部に閉じ込めた。
「なんだぁ!!?」
 ビルから飛び降りたメルティアは笑いを噛み殺し、本体にゆっくり近づく。
「他人のモンを盗もうなんざ、イイ度胸だなぁ? んじゃ、インタビューだ。知ってる事は洗い浚い吐きな」
「いや退けようとしただけ……つーか路駐すんなよ!」
 男の反抗的な態度も意に介さず、メルティアは尋問を開始する。

 メルティアはいくつか質問を投げかけて、
「だから知らねぇっての、知ってても教えるかよ!」
 男はこの一点張りである。
 手荒な扱いにすぐ屈していては、ここで生活するのも難しいのだろう。
(「強情だな、もうこいつは使えねぇな……プランBといくか」)
 メルティアは次の作戦に移り、ゴーレムユニットの内部アームを動かす。
 暴れる男を押さえつけると、背中に装置を忍ばせた。
「今、お前に盗聴器と爆弾を取り付けた。知ってる奴を連れてきたら解除してやる。余計な事を言ったら……分かるな?」
「じゃあマフィアの連中を連れてきてやるよ。『恐喝して回るヨソモンが現れた』と知って、連中と対話ができればいいな」
 発言の真偽は定かではないが、発破をかければ……対話が難しくなる未来は容易に想像できた。
(「治安が悪いっつっても“無法じゃねぇ”ってか、面倒くせぇ場所だな」)
「そんじゃ、そのマフィアの連中を連れてこいよ」
 爆弾を解除してからメルティアは男を解放。
 ……しばらくして、抗争直前のごとき緊張感をはらむ物々しい金属音と、いくつかの足音が盗聴器越しに聞こえてきた。

成功 🔵​🔵​🔴​

カシム・ディーン
UC起動
やれやれ…ひでー国ですね
「それなら革命を手伝う?」(銀髪少女メルシー
武力による革命ってのは大抵碌な事にならねーよ
理想を通すには相応の代償がある
それを民衆ってのは受け入れるのは…まぁ難しい

【情報収集・視力・戦闘知識】
敵の立場に立って潜伏し隠れるのに適した場所をピックアップ
メルシーと手分けしての情報収集
主にいつもと違う異常がないかの確認と
自分の視認による痕跡の確認

常に念話でメルシーと情報共有

目撃情報と都市の見取り図を付け合わせて潜伏場所を予測

下手に攻撃しても空の恐ろしい衛星から攻撃きそうですしね

後はほかの猟兵にも得た情報は提供

色々終わったら此処の歓楽街とかあるなら遊びたいですね(へらへら



 カシムがユーベルコードを発動すると、メルクリウスは銀髪の少女――メルシーに姿を変える。
 浮世離れした雰囲気のメルシーを伴い、カシムは薄汚れた街中を歩く。
「やれやれ、ひでー国ですね」
『それなら革命を手伝う?』
 メルシーの問いにカシムは軽く首を振る。
 武力による革命とは、大抵ロクな結果にはならないのだから。
「理想を通すには相応の代償がある。それを民衆ってのは受け入れるのが……まぁ、難しい」
 相手の規模が解らないだけに、代償も未知数。
 なにより、失ったモノは二度と戻らない……それをカシムはよく知っていた。

「ま、辛気くせー話は置いといて」
 敵の立場に立ち、潜伏するならどこがいいか……カシムは“半地下”の話を思い出す。
「隠れるんならやっぱ人目につかねー所、となれば……半地下ですかね」
『半地下? 半分が地面の下なの?』
「多分そーいうこと」
 生活居住区ということもあり、入口はすぐに見つかった。
 地上よりも濃厚な不潔さに、カシムは顔をしかめるが、避けて情報を逃すのも癪。
 メルシーに地上の捜査を任せ、半地下の内部をカシムは一人進んでいく。
(「換気口はあるみてーですが……換気と言うより、酸素供給って感じですか」)
 周囲を観察しながら歩いていると、曲がり角から同い年くらいの少年達が出てきた。
 呼び止めた少年達は、初めて見るカシムに興味津々な様子。
「いつもと違うこと? マフィアのオッサン達が大騒ぎしてることか?」
「大騒ぎですか、理由とか知ってるんで?」
「“試験場が”どうとか“強奪犯が”どうとか言ってたけど……危ないから、お前も首突っ込むのはやめとけよ。殺されちまうぞ」
 心配する少年に、返事代わりの愛想笑いを浮かべて、カシムは足早に立ち去る。
 深い溜め息をこぼすカシムにメルシーの念が届いた。

『ご主人サマ、痕跡みたいなの見つけたよ! 地面に傷が付いてて、壁もちょっと焼けてた所があったの♪』
「んじゃ、地図に印つけといてください。あとで逃走先の特定に使うんで」
『よーし、いっぱい見つけるぞ☆』 さらにヤル気を出してメルシーは捜査を再開。
 もう少し目撃情報を集めたら呼び戻そう……そう思いつつ、カシムは狭い窓を見上げる。
 色々と済ませたら歓楽街に寄ってみようか。
 なにが出てくるか楽しみに思いつつ、カシムは次の住人に聞き込む。

成功 🔵​🔵​🔴​

枯井戸・マックス
「地下ねえ…どこかの建物にエレベーター付きの偽装倉庫があるってのが妥当な所か」
先行して調べている猟兵から情報を共有してもらいながら街並みを見渡す
それらしい建物は見当たるだろうか

「そんじゃ俺は足で稼ぐとしますか。キャバリアが通った跡が残ってたら御の字だ」
怪物バイク、ゼノシリウスに乗って街を駆け巡り、それらしい建物を片っ端から探してみよう
マフィアや反乱軍の目に着くのは想定内
むしろ来てくれなきゃ困る

途中で荒事に巻き込まれたら、ユーベルコードで依代と人格チェンジ
(荒っぽい仕事は前任者の方が得意でね)
「なんだテメェら…?殴られないうちに知ってる事ゲロっちまいな。整形手術の当てがある奴だけかかって来い」



「地下ねえ……どこかの建物にエレベーター付きの偽装倉庫があるってのが妥当な所か」
 先行する猟兵から送られてきた情報を確認しつつ、マックスは高さ15メートルに詰めこまれた街を見渡す。
「そういや建物はプラントと同じ高さで統一してるんだったな、目星もつけられねぇな……そんじゃ足で稼ぐとしますか」
 狼を象ったモンスターバイク《ゼノシリウス》に跨がり、マックスは斉慶を駆けていく。
 キャバリアが入れそうなシャッター、ゲートのある建造物はすぐに目に付いた。
 外観はいわゆる“立体駐車場”に近く、違いがあるとすれば、上階に格納するスペースを設けていないところか。
(「建物同士でゴチャゴチャする地上より、土地面積を確保しやすい地下に格納してるって所か」)
 地下にも居住区を作るなど、独特の文化に感心しつつマックスは疾駆する。

 疾走している道中、マックスの背に鋭い視線がいくつも向けられ始めた。
(「マフィアか、反乱軍の連中か。……ま、目に付くのは想定内だぜ」)
 むしろ来てくれなければ困る、注目を引くようにマックスはゼノシリウスを駆り続ける。
 感じる視線は常に2つ、3つ。
 完全にマークされたことはマックス自身も理解できた――だが奇妙なことに、相手に接触してくる気配がない。
(「どういうことだ? 派手に駆け巡っているってのにマークされただけって」)
 ならばと、相手が接近しやすいよう大通りにゼノシリウスを停めて、一服するフリをしてみる。
 監視の目は先ほどの倍に増えて、物陰から覗きこんでいる人陰もマックスから見えた。
 おそらく地元マフィアなのだが、接触してくる気配がない……まるで“相手が敵かどうか見定めている”かのよう。
 誤って一般人を殺したとなれば組織内でも問題となる。
 マックスが“決定的な敵対行為”をとる瞬間を待ち構えているのだろう。

 ……その代わりといってはなんだが、目に痛い柄シャツの男たちがマックスに近づいてきた。
「よぉよぉ、ニイちゃんイイ単車持ってんじゃーん。なにこれ、狼モチーフ? うっわ、すごくね!」
 馴れ馴れしい態度の男はゼノシリウスに手を伸ばす。
 だが、その無遠慮な手をはたき落とし、マックスは鋭く睨みつけた。
「なんだテメェら……? 地元のガキか?」
「だったらなんだよオッサン!? ぜってー今ので骨折れたっしょ!」
 大袈裟に痛がっているが、皮フが少し赤くなっただけ。
 この程度で骨を折る“虚弱体質”が、ケンカをふっかけようとは……片腹痛い。
「これ以上殴られたくないなら、知ってる事ゲロっちまいな……整形手術の当てがある奴だけかかって来い」
 ひと悶着起こしたマックスだったが、監視するマフィアは柄シャツグループを助けることはなかった。
 あれでマフィアと敵対する理由にはならない――そう判断したのかもしれない。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『機械体・破滅を司り導く破滅』

POW   :    悔いに身を貫かれる恐怖
命中した【両腕の顔面の目と口】の【中から、額と同じ結晶】が【生えて伸びると錐状】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
SPD   :    闇へと身を飲み込まれる最後
【両腕の顔面から放つ無数の波動弾】が命中した対象に対し、高威力高命中の【精度で脚部の「口」から巨大な黒い波動】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    内より自身を暴かれる絶望
【射出した後に巨大化する両腕の顔面】が命中した対象の【全身を挟み込むと対象の全身】から棘を生やし、対象がこれまで話した【幸せな思い出、それが失われる絶望への比例】に応じた追加ダメージを与える。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はイリス・アンリリンキッシュです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●革命の闇
 最下層に位置するキャバリア用貨物路は、迷宮のごとく複雑な造りをしていた。
 不自然な傷のつくレールに沿っていくと、ゆるやかな坂道に変わっていき、地上へと引き戻される。
 そこは斉慶の領土から離れた、国外に通じる出口。
 乾ききった荒野が広がる中、猟兵はついに逃走するオブリビオンマシンを見つけた。
『スラスターの出力が上がらない、どうしよう追いつかれ――――ッ!?』
 焦燥する女はレーダーの反応に振り返り、猟兵の姿を捉える。
 ギリ……、と歯を食いしばる彼女の声は震えていた。
『……どうして、どうしてあんな連中の味方するのよ……私は、あいつらのせいで、あイつラノせイで――アイツラノセイデェェェェェッ!!!!』
 怒りと悲しみと憤りと、無力感とやるせなさと絶望と……あらゆる負の感情が混ざりあった叫びに呼応し、オブリビオンマシンは不自然に痙攣しはじめる。

 深紅の装甲は禍々しい紫色へ。
 両肩は黒山羊の角のようにねじ曲がり。
 失意に堕ちるモノを嘲笑うような、赤と青の顔が揺れる。

 変形したオブリビオンマシンの異様さに驚いていると、先ほど試験場で見た中年男から通信が届いた。
 追跡に成功した旨を伝えると、男は諾の意を示す。
「機体の損失は避けたかったですが、贅沢は言えません。強奪されたキャバリアを破壊し、パイロットの身柄を確保してください。彼女は貴重な情報源です、機体ごと潰さないようお願いします」


 ※補足:今回は斉慶領土に非常に近いです。空中戦を行おうとすると、衛星軌道上の暴走衛星・殲禍炎剣(ホーリーグレイル)の無差別砲撃により、壊滅的な被害が発生します。
ノエル・カンナビス
確保してもどうせ死にそうな気もしますけれど。
その情報で助けられる人数を考えると、
ここで死なせるわけにも行きません。

先制攻撃/指定UC一つで勝負は決まりです。
たとえ無数の弾丸であれ、全方位を埋め尽くしでも
しない限り私には命中しません。

あとはどこまで無力化させられるか。
範囲攻撃/キャノンは直撃させずに手足を巻き込ませ、
貫通攻撃/ライフルで左右の顔を粉砕しましょう。
再生しそうな気もしますが、消耗くらいはするはずです。

時間は私に有利に働きます。
ライフルを直撃させる機会を的確に狙うとしましょう。

(以下描写不要)
全て終わったら『例の』飴屋さんで飴を買い、
『例の』コインで支払いましょう。お釣りは貰いません。


メルティア・サーゲイト
 やっぱりさ、私ってば基本相手よりデカくて重いのが取り柄じゃん? 自分よりデカいのが当たり前だとどうにもやり難い訳で。
「なら、私の方がデカくなりゃいいだけなンだが」
 フロートによる高速移動で射線を確保。腰、肩、太腿部のガトリングカノンを一斉射撃。ただし、標的に当たらない様にだ。
「当てない攻撃なら避けにくいだろ?」
 ワインダー弾幕だ。こちらへの接近と回避を潰す。その上で両手のリニアレールカノンで相手の脚部の関節とキモい腕を狙撃。
「大丈夫、計算上操縦席だけは残る」
 前面装甲を展開、装甲内蔵と背部6基の五六連マイクロミサイルの一斉射撃、所謂フルオープンアタックで締め。
「やっぱ、こうでないとなァ」



 嘆き叫ぶオブリビオンマシンを前にしても、ノエルの表情は変わらなかった。
「確保してもどうせ死にそうな気がしますけれど」
 しかし、全容が明らかになっていない革命派を知る、重要参考人でもある。
 彼女の握る情報で救える人がどれほどか考えれば、ここで死なせる訳にはいかない。
 甲殻類を思わせる四脚が歩きだす前に、ノエルの機体が飛び出す。
 再びドールユニットと接続し、重装甲となったメルティアも荒野を駆ける。
「ったく、私の取り柄は相手よりデカくて重いってとこなんだけど」
 自分より大型の相手は、いかんせん対処しづらい。
 やり慣れない状況での対応となると、苦戦する可能性も出てくる。
「そんなら、私の方がデカくなりゃいいだけなンだが――コード認証、バインダーの精製上限をオーバーライド」
《MODE SINGULARITY(モードシンギュラリティ)》を発動。
 メルティアのゴーレムユニットに外付け外装と動力が追加され、通常のウォーマシンを上回る“巨大兵器”に姿を変えていく。

『消エチャエ! 無クナレ! アイツラも、コノ最低ナ国モ!!』
 揺れる顔面から放たれる無数の波動弾。
 乾いた大地にいくつも穴を残すエネルギー弾に、
「――ラグのお時間です」
 ノエルは舞うようにいなし、熱弾の隙間をかいくぐって、漆黒の波動も軽やかにかわす。
(「初弾は回避成功。あとはどこまで無力化させられるか」)
 ノエルの展開するプラズマキャノンに、四つ足をギチギチ動かすオブリビオンマシンは余波にも構わず、子供のように両腕を振り回した。
 不気味に目玉を動かす凶相に、フロート加速するメルティアが射線を確保。
「当てない攻撃なら避けにくいだろ?」
 腰、肩、大腿部のガトリングガンを一斉射撃!
 あえて本体を狙わないワインダー――扇状に広がる弾幕で、敵機の行動範囲を狭めていく。
(「……今なら」)
 好機とみてノエルはライフル射撃に切り替え、左右の顔に照準――粒子ビームは嘲る顔面を的確に穿った。
『コレで終ワルと思ッタらオオ間違いなンだカラ!!』
 しかしオブリビオンマシンは残骸を切り離し、断面からは新たな醜い顔が生える。
「再生しそうとは思いましたが、消耗くらいはするはずです」
「虫みたくガサガサ動く上に機体からアタマ生やすとか、キモいンだっつの」
 嫌悪を露わにしつつ、メルティアは両腕のリニアレールカノンを敵に向け、
「大丈夫、計算上操縦席だけは残る」
 荷電粒子弾を皮切りに、前面内蔵、背部搭載分あわせて五六連マイクロミサイルのフルオープンアタックを開始。
 発射される結晶体を消散させ、閃光のごとき弾道とマイクロミサイルの豪雨が敵機を襲う。
「やっぱ、こうでないとなァ」
 爽快な重爆撃と舞い上がる砂埃に、メルティアはスカッとして口角を吊り上げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

灯璃・ファルシュピーゲル
SIRD一員で連携

勘違いですね。別に政府も革命も興味はありませんよ?
単純に、革命を言い訳に虐殺の片棒を担ぐだけの走狗になり果てるのが
目に見えてるので制圧するだけです

まずは指定UCで狼達を四方から両腕狙いで強襲(先制攻撃)させ
赤青顔の使用を妨害、更に同時召喚の黒霧で敵頭部センサー等を
覆い視界を遮蔽して射出攻撃の狙いを妨害すると共に注意を引付け
ミハイルさん達の接近・回り込みを支援する(援護射撃)

局長や仲間の攻撃で敵の動きが鈍ったら連携し
UC:オーバーウォッチも使用し腕関節・装甲破損個所狙いで
狙撃(スナイパー)し確実にダメージを与え戦闘力を奪い
搭乗者を極力生かして制圧するよう戦います

アドリブ歓迎


ネリッサ・ハーディ
【SIRD】のメンバーと共に行動

最早、原形を留めてませんね・・・本性を現しましたか。
今回の目標は、オブリビオンマシンの撃破。但し、パイロットは生存した状態で確保しろとのオーダーですので、可能な限り無傷で確保して下さい。
まぁ状況が状況ですから・・・多少の負傷には目を瞑って貰いましょうか。

UCの炎の精を召喚し、他のメンバーが行動し易い様に全方位から攪乱を兼ねた攻撃を仕掛けます。また、可能だったらメインカメラ等のセンサー系列や関節部分等に炎の精を突入させ、これらの損壊を試みます。もっとも、今の姿ではこれらの部分を特定するのも難しいのかもしれませんが・・・いずれにせよ、打てる手は全て行いましょう。


ミハイル・グレヴィッチ
SIRDの面々と共に行動

この状況でパイロットは捕らえろって?
ったく、安全なデスクでふんぞり返って命令出す方は気楽でいいな、おい。

おーおー、すっかり見た目が禍々しくなっちまったなぁ。ひょっとして、アレに乗ってるヤツの姿も人間辞めてるんじゃねぇのか?それを捕らえろって?ま、努力はしてやる。けど、間違って一緒に吹き飛ばしちまっても、それは不幸な事故だぜ。

他のメンバーの攻撃に敵が気を取られている隙に、俺は気付かれない様にして相手の側背に回り込み、UCでRPG-7V2で攻撃。一撃でクリティカル狙える部位目掛けて攻撃。とはいえ、見た目すっかり変っちまってるからどこに叩き込めばいいのやら。ま、何とかなるべ。



 砂煙を裂いて現れるオブリビオンマシンの姿は、さながら怪獣映画で暴れるモンスター。
 斉慶の一般兵であれば、もう手が付けられないと逃げだしていただろう。
「この状況でパイロットは捕らえろって? ったく、安全なデスクでふんぞり返って命令出す方は気楽でいいな、おい」
 苦虫を噛み潰した顔をするミハイルだが、武装はしっかり携行。
 帰って仕事終わりのビールを飲むにはまだ早い。
「最早、原形を留めていませんね……ですが、今回の目標はオブリビオンマシンの撃破。まぁ状況が状況ですから……多少の負傷には目を瞑って貰いましょうか」
 オーダー通り、可能な限り身柄を確保する――灯璃とミハイルに作戦目標を通達し、ネリッサは炎の精を招来させる。

 獣がごとき女の咆吼が響く中で、灯璃は周囲に漆黒の森を思わす霧を出し“影狼”を飛ばす。
「勘違いですね。別に政府も革命も興味はありませんよ?」
 革命を言い訳に虐殺の片棒を担ぐ、そんな走狗に成り果てる結末が目に見えている。
 だから阻止する。制圧するだけだと。
 食らいつく影狼の群れに対し、オブリビオンマシンは両腕部を乱暴に振り回す。
 力ずくで蹴散らそうというオブリビオンマシンへ、今度はネリッサの炎の精が視界やセンサーをかき乱す。
 状況を確認する為のシステムさえ機能しなければ、キャバリアも重いだけの着ぐるみ同然。
 それすら理解できないのか、
『こんなので止まレないワ! みんな壊せバイイ! 殴れバなんでも壊れて潰れて失せるんダカら!!』
「おーおー、すっかり禍々しくなっちまったなぁ。ひょっとして、アレに乗ってるヤツの姿も人間辞めてるんじゃねぇのか?」
 半狂乱になるパイロットに、ミハイルは思わず失笑をこぼした。
 無茶な仕事を振られたが、企業努力というヤツは果たすつもりでいる……誤って爆死しても“不幸な事故”でしかない。
 
 炎の精と黒い霧で敵機は視界不良、センサーも動作不良。
 二人が牽制・かく乱を続けているうちに、ミハイルは暴走するオブリビオンマシンの背面へと回り込んでいた。
(「急所に一発ぶちこんでやろうと思うが、見た目はすっかり変わっちまってる……どこに叩きこめばいいのやら」)
 だが、ガタついた機体ならば、ウィークポイントはいくらでもある。
 体勢さえ崩せば、あとは二人が上手くやってくれる……ミハイルはRPG-7V2のスコープを覗く。
 敵機が回避行動をみせた直後――狙い澄ました対戦車弾は重心のかかる脚部にクリーンヒット。
「集中攻撃を開始します」
「打てる手は全て行いましょう」
 破損した関節部めがけ、灯璃は精密な射撃精度で弾丸をねじこみ、メリッサは破損部から焼き尽くそうと炎の精を殺到させる。
 落ちた脚の断面と同じように、敵機本体もバチバチと火花を散らしはじめた。
『終わレないのに、止まッテハイケナイのに……こんなところで、まだ、終わッテらンナいのよォォォオオオオオオッッ!!』

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
WIZ

ルクス・テネブラエに搭乗

指示通りコックピットは狙わないよう細心の注意を払う
【念動力】でロボットチョコを遠隔操作
ビームシールドを展開させ突撃させる
敵の両腕のが顔面とロボットチョコが接触した段階でUC『破邪顕正』を発動、行動不能効果を付与し敵の隙を一瞬でもいいから作り出す

出来た敵の硬直時間を狙い
ルクスビーム砲の一点集中型、収束ビーム砲を撃ち込む
続けて行くぞ!
テネブラエソードの闇の波動を剣に纏わせ、衝撃波を放ち敵の防御の上から【貫通攻撃】を叩き込む

貫通攻撃で空いた敵の傷口に向けテネブラエソードを水平に構え突撃
【全力魔法】力を注ぎ込んだ剣で一閃
敵の機体の一部だけでも損傷させられれば!


支倉・錫華
キャバリアは貸してもらってるのにそのまま乗るね。

あんな連中、か。たしかに話を聞いた感じだと、
『斉慶』の偉い人よりマフィアのほうがしっかりしている感じだね。

とはいえ、依頼としても猟兵としても『オブリビオンマシン』は殲滅しないとね。

パイロットに関しては確保か。
クライアントオーダーは守っておかないといけない、かな。

【アウェイキング・センシズ】を使って、相手の攻撃を予測。
【天磐】で攻撃を流して、こちらからは【歌仙】でカウンター攻撃を狙っていこう。

狙うのは主に関節部と駆動部。コクピットには当てないように気を付けるよ。
相手の動きを止めたら、パイロットを連れ出して確保。
『斉慶』側に引き渡すことにしよう。



 悲嘆の雄叫びはオブリビオンマシンが傷つくほど強くなっていた。
「あんな連中、か。たしかに話を聞いた感じだと、『斉慶』の偉い人よりマフィアのほうがしっかりしている感じだね」
 彼らは“仁義”を重んじていた――錫華の脳裏にこれまでのやりとりがよぎる。
 だが、依頼としても、猟兵としても、このまま見送ることはできない。
「俺が先に仕掛けます! 行け、ロボットチョコ!」
 念動力で稼働するスーパーロボットはビームシールドを展開、ひりょの指示を受けて真っ正面から突撃を開始した。
巨大化する顔面は質量変化に耐えられなくなってきたのか、両眼から涙のごとく亀裂を走らせロボットチョコへ迫る。
 赤い顔面に押し潰されそうなロボットチョコだが、受け止めると同時に、退魔を伴った波動で本体ごと余波に巻きこんでいく。

『マだ、マダァァア……!!』
 強引に振りかぶった青い顔面は錫華に狙いを定めた。
 ギシ、ギシ、と軋む音はスピーカー越しにも聞こえてくる。機体は限界を迎えつつあるというのに、気迫は衰えていない。
「すごい執念……そうまでしてやりたいこと、なのかな」
 錫華は《アウェイキング・センシズ》で相手の動きを予測し、青い頭をかわす。
 追撃で放たれた波動弾をかいくぐって、錫華は敵機へ肉薄する――!
(「狙うのは関節部と、駆動部」)
 実体剣《歌仙》の刃が、軋む腕部と脚部を両断。切断された腕と脚が音を立てて地を転がる。
「続けて行くぞ!」
 ルクスビーム砲で赤顔を破壊し、ひりょも地面すれすれの高度で滑空――そして、テネブラエソードを水平に構え。
「コックピットは狙わない、機体の一部だけでも損傷させられれば!」
 刀身には闇の波動……衝撃波に守りを崩され、オブリビオンマシンの脇腹を深々と刺し貫く。
「――これで、終わらせる!!」 
 魔力を注ぎ込んだ全力の一閃――破滅の化身と化したオブリビオンマシンは、耐え難い傷に再びひきつけを起こし……崩れ落ちた。
 機能停止したことを確認し、錫華は警戒しながらキャバリアだったものに近づく。

●どうして?
 オブリビオンマシンごと妄念を失ったのか、コックピットから降ろされた女は、ぼんやり放心していた。
 自我を失ったように見えたが、そうではないらしい。
「……父さんと母さんを殺したのに」
 虚空を見つめたまま女は独り言をこぼす。
「……弟も殺したのに、なんであいつらは許されてるの…………おかしいよね、“先生”……」
 “先生”と呼ばれる人物が、革命派の指導者なのか?
 問われた女は虚空を見続け、腕を引かれても、拘束されても抵抗する気配すらなかった。

 だが、答えは近いうちに解るだろう。
 誰に望まれずとも、夜明けはやってくるのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年06月16日


挿絵イラスト