大祓百鬼夜行㉕〜おおはらえむくろだま が あらわれた!
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究極妖怪『大祓骸魂』。UDCアースの大いなる邪神でもある彼女は、その細身から想像もつかないほどのUDCアースに対する絶対なる『愛』で以て、UDCアースを永遠にすることを決意した。
すなわち、懐刀『生と死を繋ぐもの(ヤマラージャ・アイビー)』による、UDCアースの殺害。それによって世界を滅ぼさんとしている。
彼女の力は『虞(おそれ)』。それを纏い、振るうことによって、目の前の障害を薙ぎ倒す。
その虞の元はUDCアースとカクリヨファンタズムの地から漏れ出る、不安や恐怖といった負の力。それをこの戦争を通じて、大祓骸魂は集めていた。
全ては愛しきUDCアースを殺すために。
すらり、と抜いた懐刀に虞が集まる。その膨大な力が大祓骸魂のいる、東京スカイツリーの最上部にある『ゲイン塔』の周辺を歪めていく。東京上空を変化させ、今回の戦争に存在した『あらゆる手段』を以て、邪魔をする猟兵を倒し、UDCアースを殺すのだ。
あらゆる手段……それは大祓骸魂が経験せずとも、戦場より彼女に集まってきた虞が知っている。
ほら、その証拠に東京上空がその光景を映し出しているではないか。
子供を遊んでいたり。
ちまっこいかぐや姫の相手をしたり。
屋台グルメを食べまくったり。
お月見したりお花見したり電話で話してみたり連ね鳥居を最速で駆け抜けてみたり。
ようし、デュエリストブレイドで勝負だ!
そんな光景が次から次へと移り変わっていく東京上空。
「……ん~~~?」
思わず首を傾げる大祓骸魂でした。
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「大変です! 大祓骸魂が投げやりになりそうです!」
サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)がばーんとドアを開けて会議室に飛び込んできた。会議室どこだよとか聞いてはいけない。グリモアベースが空気を読んで形成してくれたのである。
そんなわけで会議室で行われる予知の説明会。
「大祓百鬼夜行が大詰めになっているのは皆さんご存じかと思いますが」
今回の戦争の元凶たる大祓骸魂に連なる雲の道がついに開けた。つまり、最終決戦である。
これまでの戦果から、大祓骸魂は万難を排してUDCアースを殺そうとする、という推測が立っていたのだが、サージェが見た予知はそれとは全然別だった。
「『あれ? 私の愛したUDCアースってこんなんだっけ?』とか思い始めてしまったみたいでして」
振り返っていただきたい。カクリヨムーブに染まり切っていた此度の戦争を。『あれ? これ戦争だよね?』という戦いが数多くあったことを。
それを非難しているわけではないのだが、こう、当事者がない人がそれ見せつけられたら、『あれ?』って首を傾げてもおかしくはない。
「変わりつつあるUDCアースを憂いた大祓骸魂は、『私の愛したあなたが変わってしまう前に、殺して私のものにする!』と今にも刺しそうです」
どこの修羅場なのか。
しかしそれをさせるわけにはいかない。というよりも、教えてあげるべきだ。
『あなたの愛するUDCアースはこんなにも多様性を持った素晴らしき世界なのだ』と。
そのためには大祓骸魂に戦いを挑む必要がある。
「というわけで、この戦争における全てを使ってバトルです!」
最終決戦をバトルって言っちゃいけないと思うの。
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大祓骸魂の膨大な虞によって、東京上空は『カクリヨファンタズムが如き空間』に変化している。不安定であるがゆえに、今回の戦争に存在した『あらゆる戦場』を再現する。それは大祓骸魂が今回の戦争に存在した『あらゆる手段』を行使できるということだ。
「しかし、そこにチャンスがあります!」
ぐっ、と拳を握ってサージェが叫ぶ。
そう、大祓骸魂が首を傾げている関係で、不安定な空間がその場に訪れた猟兵の記憶や意志に引きずられるのだ。
「つまり、バトルのフィールドを選ぶことが出来るのです!」
フィールドっていうな。地形効果はないぞ?
だが有利な作戦(プレイングボーナス)は存在する。すなわち、その戦場で繰り広げてきた経験が猟兵にとってプラスになるのだ。
「フィールドを選んで、作戦を選んだら、あとはバトルするだけです!」
勝利条件もまたフィールドによって変わってしまう。真剣なバトルの場合もあれば、デュエルの可能性もあるし、何より屋台の食べ物を食いきるのが勝利かもしれない。
もう何が何だかわからないが、とにかく勝てばよかろうなのだ。
「今回の戦争で体得したあらゆる手段を使い、大祓骸魂を倒しましょう!」
そう言ってサージェは猟兵たちをゲイン塔へ送り出すのでした。
るちる
まいどお世話になってます、るちるです。
たまに『同じ人が書いたとは思えないOPの温度差だなおい』と自分でも思う時がありますが、風邪ひかないようにしてくださいね? ね?
そんなわけで、ギャグ寄りネタ寄りの大祓骸魂戦のお届けです。
●全体
1章構成の戦争シナリオです。
リプレイはコミカル、ギャグ寄りネタ寄り、無茶振りOKな感じになります。シリアスは置いて来た、ついてこれそうにないからな。
ノリと勢いでだいたいのことはオッケーですが、18禁描写はダメですよー。それから他人を不快にする描写もしませんのでご了承ください。
以下のプレイングボーナスがあります。活用してください。
『プレイングボーナス』
(1)(全ての戦場のプレイングボーナスから好きなものを選び、使用できます)
●1章
ボス戦『大祓骸魂』との戦闘です。戦闘しなくてもいいです。だがバトルだ、どちらかは勝利し、どちらかは負けるのだ……!
基本的にやることは『説得(ぶつり)』か『異文化交流(わからせる)』か『勝負だ!(友情を育む)』になると思います。試合に負けて勝負に勝つ展開も大いにアリ(成功に分類します)。
プレイングボーナスとともにバトルのルールや勝利条件も簡単に書いてもらえると嬉しいです。キャラ崩壊もお待ちしております。
●
採用人数は決めていませんが、執筆スケジュールを以下の通りとします。
5/31の20時時点で大祓骸魂の攻略が不確実な場合は6/1朝の完結を目標に採用人数を最低限として動きます。
上記の時点で攻略が確実な場合はのんびりプレイング締切に従って執筆していく予定です。
いずれにしても5/31の夜から書き始めます。ネタはゆっくりお考えください。
それでは皆さんの参加をお待ちしておりまーす。
第1章 ボス戦
『大祓骸魂』
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POW : 大祓百鬼夜行
【骸魂によってオブリビオン化した妖怪達】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[骸魂によってオブリビオン化した妖怪達]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD : 生と死を繋ぐもの
自身が装備する【懐刀「生と死を繋ぐもの」】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ : 虞神彼岸花
【神智を越えた虞(おそれ)】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を狂気じみた愛を宿すヒガンバナで満たし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
イラスト:菱伊
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
夜刀神・鏡介
ボーナス:なんとかしてターボ移動しつつ戦う
勝利条件:速さ勝負に勝つ
ターボ移動する大祓骸魂……いや、これは色々な意味で怖い
戦闘力って意味もあるが、何よりも表情が変わらずに猛スピードで動き回るのは最早狂気的なものすら感じる
だが怖れている場合じゃない。奴に追いつく為に――参の秘剣【紫電閃】
神刀の封印を解いて紫紺の神気を身に纏えば行動速度は最大で9倍に。これで奴に追いつける
俺が奴に追いつけば、奴は更に速度を上げる――速さ比べという訳か。いいだろう、受けて立つ
抜きつ抜かれつデッドヒートを繰り広げ、僅差で俺の勝ち
走り終えて何処か爽やかに見える大祓骸魂の顔――なんとなく友情が芽生えたような気がした
気のせいだ
●君は振り切ることができるか?
東京スカイツリーの最上部『ゲイン塔』。そこに佇む『大祓骸魂』に対して、夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)はゆっくりと歩み寄る。近づくにつれ、周辺の景色が変わっていく。この場は鏡介が指定したフィールド。すなわち、『全日本二宮金次郎選手権』のレース会場である。
「……いいでしょう」
鏡介の接近にゆっくりと振り返った大祓骸魂は『生と死を繋ぐもの』を抜き放ちつつ、虞(おそれ)の記憶から戦う術を引き出す。
徐々に戦闘への緊張感が張り詰めていく中、鏡介もその手に『神刀【無仭】』を抜き放つ。
(ターボ移動する大祓骸魂……いや、これは色々な意味で怖い)
何が怖いって、気を抜くと見失った次の瞬間に、目の前に無表情の大祓骸魂がいることだ。いや、戦闘力も怖いんだけど。
(何よりも表情が変わらずに猛スピードで動き回るのは最早狂気的なものすら感じる)
そんな狂気が目の前で展開されている。しゅばばばばーっと直立姿勢で懐刀を持った大祓骸魂がターボ移動している。
(だが怖れている場合じゃない。奴に追いつく為に――)
戦いは始まっている。ならば臆している暇は無い。
「神刀解放。我が刃は刹那にて瞬く――参の秘剣【紫電閃】」
ユーベルコードを解放する鏡介。直後、神刀の封印が解け、紫紺の神気を身に纏った鏡介の行動速度が9倍までに引き上げられる。
(これで奴に追いつける……!)
【参の秘剣【紫電閃】】で以て、大祓骸魂の動きに対応する鏡介。だが、大祓骸魂もまだ本気ではなかったらしい。さらにターボ移動のスピードが上がる。
「速さ比べという訳か。いいだろう、受けて立つ」
何故か戦闘じゃなくて、レースになる会場。抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げて、最後に勝ったのは僅差で鏡介。
「……?」
走り終えた瞬間、横に見えた(レースになったので)大祓骸魂の横顔が、何処か爽やかに見えた気がする。――なんとなく友情が芽生えたような気がした。
(気のせいだ)
全力で気のせいだと思います。
成功
🔵🔵🔴
神代・凶津
丁度いい所に幻朧桜が。なら大祓骸魂を捲き込んで宴会するしかねえなッ!
「・・・まあ、オブリビオンフォーミュラと落ち着いて話をする機会なんて滅多にないですからアリなんじゃないですか。」
東京のコンビニで酒とツマミを買って花見の開始だ、大祓骸魂。現代のUDCアースの花見の良さを叩き込んでやるぜ!
先ずは幻朧桜を眺めながら駆け付け一杯だ(缶ビールプシュー)
「お酒が駄目ならお茶もあります。」
「おはぎもありますよ。」
大祓骸魂。コイツは相棒の作った謂わばUDCアースのソウルフード。
お前の愛したUDCアースその物と言っても過言じゃねえッ!(過言です)
【使用ボーナス『よその戦争を無視して宴会する』】
【アドリブ歓迎】
●花見だッ!
『大祓骸魂』が佇む東京スカイツリーのゲイン塔。そこに神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)が訪れた瞬間、周囲の風景が幻朧桜に包まれたならば。
「丁度いい所に幻朧桜が。なら大祓骸魂を捲き込んで宴会するしかねえなッ!」
凶津(巫女が持つ謎の鬼面)が叫ぶ。
べしっ。
「痛ぇッ?!」
「うるさい」
どうやら桜(巫女さん)の耳元で大声すぎたようだ。叩かれた。
でも、桜も宴会そのものは否定していない。
「……まあ、オブリビオンフォーミュラと落ち着いて話をする機会なんて滅多にないですからアリなんじゃないですか」
この空間が凶津と桜の思考に引きずられて幻朧桜の丘になったことからもおわかりだろう。
最初からめっちゃ宴会のつもりだったよこの二人!
その証拠に桜の両手にはコンビニ袋が提げられている。中身は酒とツマミだ。もはや準備万端だと言わざるを得ない!
「大祓骸魂。現代のUDCアースの花見の良さを叩き込んでやるぜ!」
「……ん~?」
二人のやり取りを見守っていた大祓骸魂であるが、凶津の言葉にやっぱりこてんと首を傾げるのでした。
だがUDCアースのことと言われたならば、大祓骸魂的に避けて通るわけにはいかない。だって愛するひとだもの。
誘われるがままに、レジャーシートの上に正座して座り込む大祓骸魂。対面に桜と宙に浮いている凶津である。
「先ずは幻朧桜を眺めながら駆け付け一杯だ」
「……駆け付け一杯、とは?」
「悪しき文化ですね」
「悪いことじゃねぇよッ?!」
缶ビールプシュー、からの一気飲み。その様子を問う大祓骸魂に対して、こちら側に引き込もうとする桜と抵抗する凶津。
そして大祓骸魂は手の内にある日本酒(ワンカップお神酒)に視線を落とす。そして、ぐいーっ(真似してはいけません)
「……けぷっ」
いかなお神酒とかで縁があるといっても、一気飲みはさすがにキツかったらしい。若干ふらぁっとなる大祓骸魂を桜が横から支える。
「お酒が駄目ならお茶もあります」
そう言って桜は大祓骸魂の手にお茶のペットボトルを握らせるのであった。
ようやくふらつきが落ち着いたらしい大祓骸魂の前に、桜がつっと差し出したのは。
「おはぎもありますよ」
桜の手作りである。
「……これ、は」
「大祓骸魂。コイツは相棒の作った謂わばUDCアースのソウルフード」
飲みに飲んで、騒ぐだけ騒いでいた凶津が、この時ばかりは真面目な声で話しかける。その声の調子に大祓骸魂も思わず凶津に視線を遣る。
「つまり……お前の愛したUDCアースその物と言っても過言じゃねえッ!」
「……!! これが……!」
凶津の言葉に衝撃を受ける大祓骸魂。
(それ過言なのでは)
と桜が思っていたりするが、凶津と大祓骸魂は二人で盛り上がっているので口と顔には出さないようにした。お茶が美味しい。
そんな桜さんの横で、凶津と大祓骸魂は盛り上がりに盛り上がって。
「……」
「何で刺したァァァッ!!」
「無駄にしないでください」
UDCアースって言われたので。永遠にしなきゃ。
『生と死を繋ぐもの』でおはぎを刺した大祓骸魂に叫ぶ凶津。そして冷静にツッコミを入れる(どこからか出してきたハリセンで二人に)桜さんでした。
大成功
🔵🔵🔵
黒木・摩那
いよいよ決戦です。
しかし、自分の知っているUDCアースとは全然知らない世界になってて、逆ギレしている様子。
ならば、UDCの良さを知ってもらうことで、その絶望から開放してあげなくては。
では、勝負は5000兆円!にしようかと思ったんですが、実費だとエライことになるので、
プレイングボーナス
ラーメン勝負!(戦場10)
ただし、大食いですと、あとが大変ですから、早食い勝負。各ラーメンごとに早く食べた方が勝ちです。
ラーメンは醤油に味噌、塩、各地ご当地に、担々麺と種類は用意しましたから、色々な味が楽しめ?ますよ。
UDCにはこんなにいろいろな味があるんです。
素敵でしょ。
●ラーメンは故郷の味?
(いよいよ決戦です)
黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)が挑むは、東京スカイツリーの最上部『ゲイン塔』。そこに佇む『大祓骸魂』だ。
摩那の視線の先にいる大祓骸魂は、何かを確認するような、それでいて知ったことを否定するような、微妙な表情を繰り返している。
(自分の知っているUDCアースとは全然知らない世界になってて、逆ギレしている様子)
グリモア猟兵からの話からすればそういうことなのだろう。しかし、そこに逆転の目がある。
「ならば、UDCの良さを知ってもらうことで、その絶望から開放してあげなくては」
摩那が進み出れば、ゲイン塔の周辺がカクリヨファンタズムの謎の屋台通りに変化する。
「……」
その様子を受けて大祓骸魂が摩那を振り向き、二人の視線が絡み合う。
「では、勝負です!」
そう言って摩那は大祓骸魂に勝負を仕掛けるのであった。
というわけで。
屋台通りの真ん中に出現したテーブルに、向かい合って座る摩那と大祓骸魂。そのテーブルの上には摩那がチョイスしたラーメンが並ぶ!
「醤油に味噌、塩。各地ご当地に、担々麺と種類は用意しましたから、色々な味が楽しめ(?)ますよ」
「……ん~?」
大祓骸魂 は こんらん している !
まぁ唐突に猟兵が来たと思ったら、突然テーブルに座って、ラーメンが出てきたのだから、さもありなん。
しかも謎の屋台が腕によりをかけて作ったラーメンたちである。なお、今は定量提示のために並べてありますが、実食の際には熱々のラーメンが提供されます。ちなみに大食い勝負ではなく、食材ロスに優しい早食い勝負である。
(本当は『勝負は5000兆円!』にしようかと思ったんですが)
ほら、実費だとエライことになるから。バズリトレンディ御殿ならよかったのに、とか思っていたのは秘密な摩那さんである。
「改めて。早食い勝負。各ラーメンごとに早く食べた方が勝ちです」
「……いいでしょう」
挑まれたからには戦うしかあるまい。猟兵とオブリビオンはやはり不倶戴天の相手なのだ。あと、UDCアースかかってるし。
そんなわけで勝負が開始されたのである!!
目の前のラーメンを平らげると、流れるように次のラーメンが提供される、これが謎の屋台クオリティ。順番は両者一緒だが、鬼門(?)は担々麺である。
なんていうか、辛い。辛いのでここは辛さに耐性がある摩那に有利!
「……ん? ん~」
というか、大祓骸魂。ラーメンは知っているものの、味は未知の体験だったようで、ひと口ひと口味わっている模様。UDCアースに関わるならば、大祓骸魂は恋する乙女(ただしヤンデル)なのだ。
そんなわけで早食い勝負は摩那の勝利!
「UDCにはこんなにいろいろな味があるんです。素敵でしょ」
「……」
摩那の言葉に、大祓骸魂は手元のラーメンどんぶりに視線を落とす。そこにはスープすらも残っていない綺麗な空の器。それは大祓骸魂の舌にUDCアースの今を刻み込んだ証。
すなわち、摩那がこの場の勝利を収めたのである。
大成功
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月夜・玲
⑰何やかんやで子どもを救ったので懐かしの玩具で対決する!
さあ大祓骸魂!
今回はこのホビーでバトルしてもらおう!
今回ご用意したのはこれ
甲虫達をモチーフにしたゼンマイ仕掛けの玩具!
これを走らせてフィールドから相手を押し出したりひっくり返したりしたら勝ちの簡単なバトル!
お尻の部分にゼンマイがあるから、そこを台に擦ってチャージしてね
ルール毎にチャージ回数が違うから注意ね
けれどこれは決戦
決戦に相応しい特別ルールを用意して来たよ
何とミリオンチャージルール!
何と1万回もチャージする!
は?ミリオンは1万だろ?
じゃあ勝負だ!
チャージミリオン!
うぉぉぉ…手が疲れる…
ともかくバトルイン!
…バトルめっちゃ地味だなあ…
●バトルだ! 好きなヤツを手に取りな!
東京スカイツリーの最上部『ゲイン塔』。
「さあ大祓骸魂! 今回はこのホビーでバトルしてもらおう!」
ばーん、と月夜・玲(頂の探究者・f01605)がその手にしている玩具を突きつける。
「やりますね。何やかやで子どもたちを助け出すとは」
子どもたちいたのか、とかはツッコんではいけない。
「いいでしょう」
そして大祓骸魂も乗っかってくるんかい、とかもツッコんではいけない!
今回、玲がご用意したのはこちらである。
「甲虫達をモチーフにしたゼンマイ仕掛けの玩具!」
ミニカーの甲虫バージョンをご想像いただきたい。ただし走るというよりはぶつかる。
「これを走らせてフィールドから相手を押し出したりひっくり返したりしたら勝ちの簡単なバトル!」
「なるほど……なるほど?」
玩具を手に取った大祓骸魂は一応ルールを理解した模様。
「お尻の部分にゼンマイがあるから、そこを台に擦ってチャージしてね」
「……」
玲に言われるがままに、台の上で数回びーっ、びーっとゼンマイチャージ。手を離すと、台の上をがしょがしょと玩具が突進していく。
注意が必要なのはそのチャージ回数だ。チャージ回数=突進力&耐久時間なので、その回数がお互いで違うとそもそも勝負が成り立たない。
「けれどこれは決戦……」
何故か玲の顔(TOPページのようにシリアス)を一陣の風が緩やかに撫でていく。ひと房色の違う髪が風に揺れて……玲はルールを告げる。そう、決戦に相応しい特別ルールを!
「何と、ミリオンチャージルール!」
「……!」
「何と1万回もチャージする!」
「……100万では?」
「は? ミリオンは1万だろ?」
「あっ、はい」
そんなわけでミリオン(1万回)チャージルールで決戦が行われることになったのである!
「じゃあ勝負だ! チャージミリオン!」
玲の言葉を号令に、玲と大祓骸魂がチャージを開始する。
じーっ、じーっ、じーっ。びーっ、びーっ、びーっ。
言葉は無く、ただただチャージの音だけがその場に響く……!
(うぉぉぉ……手が疲れる……)
まさか自分の提示したルールで自分がダメージを受けるとは。でもそんなこと口に出せない。だって目の前では大祓骸魂が無表情のまま、機械のようにチャージし続けているからだ。たぶん、疲れてはいる……いるはずだ。あれ? これ玲に不利なのでは?
だが、負けるわけにはいかない!
「ええい、ともかくバトルイン!」
チャージを終えた玲と大祓骸魂の手から甲虫が解き放たれる!
がっしょがっしょ、がしっ、がっしょ……ずずず……ぽてっ。
「……当たりどころが悪かったのでしょうか」
バトルフィールドから落ちた自分の甲虫を拾い上げる大祓骸魂。
(……バトルめっちゃ地味だなあ……)
勝利した玲は勝利のポーズ(甲虫を手に構えている)を決めながら、そんなことを思っていたのでした。
大成功
🔵🔵🔵
レナータ・バルダーヌ
ゴボウさん、今回の戦いで体得したことといえば……。
『大根に勝つ方法だな……えっ、そういうことじゃない?』
ゴボウ料理はまた上達したと思いま……えっ、それも違う?
いずれにせよ、今のわたしとゴボウさんならどんな敵も虞るに足りません!
ここにバズリトレンディ御殿で買ったゴボウの残りがあります。
つまり、今回の勝負は【お料理】対決です!
折角買ったのに食べないと勿体ないですからね。
敵はたくさんの包丁を操るみたいですけど、謎のゴボウ生物の亜種『愉快なゴボウさん』たちがいれば負けません!
『俺たちゴボウの仲間はUDCアースにもいる、今も昔もな……つまりだ』
あなたの愛する世界は何も変わっていないので安心してください!
●ゴボウが導く結論!
東京スカイツリーの最上部『ゲイン塔』。そこに訪れたレナータ・バルダーヌ(護望天・f13031)は出発前にグリモア猟兵から聞いた言葉を思い出していた。
そう、今回の戦争で体得したあらゆる手段を使って大祓骸魂を倒すのだ。
「ゴボウさん、今回の戦いで体得したことといえば……」
彼女の手にはゴボウがあって……ナンデ? いや、ただのゴボウじゃなかった。謎のゴボウ生物だった。なのでしゃべる。
『大根に勝つ方法だな』
「そうじゃなくって」
『えっ』
残念ながらその方法では大祓骸魂に勝てそうにない。それが成り立つと、大祓骸魂は大根になってしまう。戦争の大ボスが大根ってどういうことなの。
その時、レナータがハッとする。
「私、ゴボウ料理はまた上達したと思いま……」
『そこでもない』
「えっ」
戦争と関係あるのかと言われれば関係あるのだが、戦う術か否かと言われると。
だがしかし、その時レナータとゴボウさんは閃いた。
「『ゴボウ料理では負けないのでは?』」
そうだ、今のレナータとゴボウさんなら……!
「どんな敵も虞るに足りません!」
『……』
愉快なゴボウさんが別角度から無言でツッコミを入れてきました。
そんなわけで、料理対決に持って行こうとするレナータ。
「ここにバズリトレンディ御殿で買ったゴボウの残りがあります」
「それを食べればいいのですね?」
「違います!?」
『折角買ったのに食べないと勿体ないですからね』とは思っていたが、そんな生かじりしてくる勢いだとは思っていなかったレナータさん。
対して大祓骸魂は『生と死を繋ぐもの』を複製して一斉に投擲。ゴボウを切り刻もうとする。
「ゴボウさん!」
『任せておけ』
レナータの言葉に応じて包丁を構えるのはたくさんの愉快なゴボウさんたち。レナータはゴボウさんたちと協力してゴボウ料理に取り掛かる。
【愉快なゴボウさんディナー!】発動!
ゴボウさんとゴボウ料理を楽しんでいない大祓骸魂の動きが5分の1だ! 今のうちに料理を仕上げてしまえ!
しゅぱぱぱぱっと、愉快なゴボウさんたちが動いて、ついでに複製された生と死を繋ぐものを叩き落として、瞬く間にゴボウさんディナーの場が整えられる。
すなわち、テーブルに座っている大祓骸魂とその前に並ぶゴボウ料理の数々である。
「……」
いつの間に座らされていたのか。気付いた時にはこうなっていた。恐ろしいモノ……いや、ゴボウへの情熱ゆえか。
『俺たちゴボウの仲間はUDCアースにもいる』
そういって大祓骸魂にゴボウ料理を勧めるゴボウさん。勧められるままに大祓骸魂はゴボウ料理を口に運んでいく。
『今も昔もな……つまりだ』
「あなたの愛する世界は何も変わっていないので安心してください!」
そう、それは過去より連綿と続く、生命の歴史。ゴボウの潮流である。今も昔もゴボウがある。すなわち、世界は変わっているようでその根底にあるモノは何も変わっていないのだ、と。
そう告げるレナータとゴボウさんたちに、大祓骸魂はゴボウ料理完食で応えるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ルルチェリア・グレイブキーパー
※アドリブ歓迎
愛するが故にUDCアースを滅ぼすだなんて、そんな事はさせないわ!
いざ、決戦のバトルフィールドへ! カモン謎の屋台!
私は屋台グルメを食べまくり、なんやかんやで大祓骸魂を倒すわ!
まずは粉もの! たこ焼き、いか焼き、お好み焼き!
ソースの香りが食欲を刺激するわ!もぐもぐ……
次に串焼き! とうもろこし、ソーセージ、いかの姿焼き!
いか焼きといかの姿焼きでいかがダブってしまったわ、もごもご……
瓶ラムネで一気に流し込み、次よ!
うっ!粉ものが水分を吸って胃が苦しい……!
まだよ、まだ諦めない!絶対にカクリヨもUDCアースも守るんだから!
甘いもの!リンゴ飴、かき氷、ベビーカステラ!
デザートは別腹よー!
●私の屋台はUDCアースだ!
東京スカイツリーの最上部『ゲイン塔』。
「愛するが故にUDCアースを滅ぼすだなんて、そんな事はさせないわ!」
ルルチェリア・グレイブキーパー(墓守のルル・f09202)が『大祓骸魂』を指して叫ぶ。
「ならば……どうするというのです?」
ゆっくりと振り向いた大祓骸魂は『生と死を繋ぐもの』をすらりと抜き放つ。
張り詰める緊張……。
「いざ、決戦のバトルフィールドへ! カモン謎の屋台!」
あれ?
「私は屋台グルメを食べまくり、なんやかんやで大祓骸魂を倒すわ!」
「……はい?」
ルルチェリアの行動に、『この子本当に大ボスかな?』って言うくらい可愛く首を傾げる大祓骸魂でした。
そんなわけで、大祓骸魂は こんわく している !!
そんな大祓骸魂は気にせず(?)に、ルルチェリアは屋台へ突撃だ!
「まずは粉もの!」
たこ焼き、いか焼き、お好み焼き! 定番メニューがずらりと並ぶ!
「ソースの香りが食欲を刺激するわ!もぐもぐ……どう?!」
「どう、と言われましても」
めちゃくちゃ美味しそうに食べるルルチェリアに問われて、真面目に困惑している大祓骸魂。
だが、ルルチェリアは止まることを良しとしない!
「次に串焼き! とうもろこし、ソーセージ、いかの姿焼き!」
ここで必殺の串ものだ! たくさんあるよね!
「そしていか焼き……っていかの姿焼きでいかがダブってしまったわ、もごもご……もごっ!?」
「ああ、もう」
いかいかダブルで思わず喉を詰まらせたルルチェリアの背をぽむぽむ叩く大祓骸魂。近くにあった瓶ラムネがルルチェリアに手渡される。
「んっく、んっく……ぷはぁっ。次よ!」
瓶ラムネで一気に流し込み、事を無きを得たルルチェリアは次へ行こうとして……しかし悲劇(?)が襲い掛かる。
「うっ!粉ものが水分を吸って胃が苦しい……!」
そりゃまぁそこまで食べれば。だが、だがルルチェリアはその手を止めない。
「まだよ、まだ諦めない!絶対にカクリヨもUDCアースも守るんだから!」
悲壮(?)な決意で次へ手を伸ばすルルチェリア!
そこに並んでいるのは……。
「甘いもの!リンゴ飴、かき氷、ベビーカステラ!デザートは別腹よー!」
『別腹ならさっきまで食べた分関係ないのでは?』とはツッコまないでおいた大祓骸魂でした。
「これで、これで屋台制覇よ!!」
「ええ、頑張りましたね」
天に拳を突き上げて、屋台全制覇を宣言するルルチェリア。そこへ大祓骸魂が拍手を送る。
これはこれでUDCアースへの愛なのかな、って思った大祓骸魂はなんやかやで勝手にダメージを受けているのでした。
大成功
🔵🔵🔵
黒沼・藍亜
【PB:襲われている人々が殺されないようにする】
うん、ご覧のあり様なんすよ。悪いっすねー
でもこれ主にカクリヨを巻き込んだアンタのせいだからね?
巻き込まれた一般人を救助しつつ事態を少しでも誤魔化すためUCで
「萌え擬人化された大祓骸魂」と「その狂信者の霊の群れ」を乗せた「痛すぎる神殿」を召喚。
相手の攻撃へ対し信者たちを肉盾にして、
その間に一般人に「変なオタ系イベントに巻き込まれた」と記憶偽装、
後はボクも粘液状UDC『昏く暗い黒い沼』を足元に広げ触腕も出させて総攻撃っす
……アンタが「あんなこともあったね」と
終わってしまった恋愛譚(ロマンス)も笑い話にできる存在だったらよかったのにね
※アドリブ歓迎です
●
東京スカイツリーの最上部『ゲイン塔』。そこに佇む『大祓骸魂』の背後に立ったのは、黒沼・藍亜(人間のUDCエージェント・f26067)であった。
「うん、ご覧のあり様なんすよ。悪いっすねー」
藍亜が指さすのは眼下、すなわち地上。
そこにあったのは大祓骸魂の『痛すぎる神殿』。もちろん大祓骸魂が関与しているものではなく、藍亜が呼び出したものだ。
「でもこれ主にカクリヨを巻き込んだアンタのせいだからね?」
「……」
藍亜の言葉に、無表情に視線を戻す大祓骸魂。
『そんなことはどうでもいい』と言わんばかりに、神智を越えた虞(おそれ)を解き放ち。『UDCアースを殺す邪魔をするな』と周辺を狂気じみた愛を宿すヒガンバナで満たしながら、藍亜に向けて歩み寄るのであった。
藍亜が地上でやってきたこと。それは大祓骸魂の影響で集まってきたUDC-Nullに襲われていた人々を助けてきたということだ。
ここで藍亜が取った手段は【冒涜的な異端なる神殿】。
『萌え擬人化された大祓骸魂』と『その狂信者の霊の群れ』が集う『痛すぎる神殿』を召喚。それによってこれが『祭り』だと錯覚させて、事態をごまかしつつ、一般人を安全圏に避難させてきた。
一応、『変なオタ系イベントに巻き込まれた』と記憶偽装する努力もしてきたようである。
それが終わった残滓が地上の神殿で。後は大祓骸魂と対決するのみ。
迫りくる大祓骸魂に対して、藍亜は粘液状UDC『昏く暗い黒い沼』を足元に広げ、触腕も出させて総攻撃。大祓骸魂から放たれた虞を相殺しながら、大祓骸魂の体を打ち据えていく。
「……アンタが『あんなこともあったね』と終わってしまった恋愛譚(ロマンス)も笑い話にできる存在だったらよかったのにね」
そんな言葉を告げながら。
成功
🔵🔵🔴
ケルシュ・カルハリアス
※ プレイングボーナス : ㉓ バズり形態「大祓骸魂よりもバズる事で、より多くのハートを集める。」
※ 連携・アドリブOK
相手が変わってしまったからって早まっちゃダメですよ!
その愛をいっそ【アート】にぶつけてはいかがですか!
だから僕と【アート】対決でどっちが多くバズるか勝負しましょう!!!テーマは『自分の愛するもの』!とにかく多くバズった方の勝ちです!!!
僕は呼んだ【ウイングサメ】を【集団戦術】の応用で隊列を組ませ【アート】を手がけていきます。もちろん鮫への【情熱】も忘れずに。
勝負しといて言うのもあれですが、アートに大事なのは表現者の思いだと思います。僕達にも貴女の思いは届きました。
●愛し愛され?
東京スカイツリーの最上部『ゲイン塔』。そこに佇みながら、愛しきUDCアースを永遠のものにせんと最後の一刺しの機会を窺い続ける『大祓骸魂』。
……の前に、なんか飛んできた。
「相手が変わってしまったからって早まっちゃダメですよ!」
「……」
無表情なので傍目からはよくわからないが、たぶんビックリしている大祓骸魂である。
彼女の目の前に現れたのは、自身が呼び出した『絵の具鮫』に乗った、自身の姿も全力鮫リスペクトなケルシュ・カルハリアス(鮫絵師・f29842)である。ちなみに鮫は1匹ではなくて、群れである。どういうことなの。
だが、その『どういう』を語るには時間が足りない。詳しくはケルシュのプロフィールを参照してほしい。
そこにあるのは、情熱と愛。ありきたりな言葉で申し訳ないが、その言葉以外に彼を表現しては失礼とすら思えるほどの、情熱と愛である。
そしてその迸りが言葉となって告げられる。
「その愛をいっそアートにぶつけてはいかがですか!」
「……はい?」
ケルシュの想定外過ぎる言葉に、大祓骸魂がこてんと首を傾げて問い返してきた。なお、語尾は下げてください。
「だから僕とアート対決でどっちが多くバズるか勝負しましょう!!! テーマは『自分の愛するもの』!」
「……なるほど」
ここに至って大祓骸魂も理解する。つまり、ケルシュの鮫愛と大祓骸魂のUDCアース愛、どちらがより深いかの勝負。そういうことなのだろうと。
「とにかく多くバズった方の勝ちです!!!」
「……なるほど?」
ちょっと思っていたのと違う勝負方法だった。
そんなわけでアートバトル、スタート!
ケルシュは鮫からゲイン塔に降り立って、空をキャンパスとして向かい合う。その周辺には絵の具鮫、ユーベルコード【ウイングサメ】で呼び出した、翼を持つ友がいる。
「いきましょう」
ちょっと緊張気味なのか、声が強張りつつも、ケルシュの言葉に応じて、絵の具の体を持つ鮫たちが空へ向かう。集団戦術よろしく隊列を組んで、ケルシュの指示に応えていく鮫たち。それが描くのは大空のアートであり、ケルシュの愛である。
もちろん、鮫への情熱も忘れず、バッチリ。
対して、大祓骸魂はイスに座って油絵のキャンパスに向かい合っていた。
「……ん~~~?」
首を傾げているのは絵の描き方であって、愛に迷いはない。愛に迷いはないけれども、筆は迷う。結果、べしっと大味な筆遣いでキャンパスにUDCアースの風景が描かれていく。それは……おそらく原風景。大祓骸魂とUDCアースの、忌まわしくも美しい思い出。
バズリ対決の結果は愛とキャンパスのスケール感でケルシュの圧勝。
だがケルシュは大祓骸魂に声をかける。
「勝負しといて言うのもあれですが、アートに大事なのは表現者の思いだと思います」
「……」
キャンパスを抱えている大祓骸魂は、視線をケルシュへ向ける。
「僕達にも貴女の思いは届きました」
そう告げるケルシュの言葉に嘘偽りはひとつもなく。
そこには確かに、アーティストとしての共感があったのだ。
大成功
🔵🔵🔵
馬飼家・ヤング
⑯
アドリブトンチキ超展開大歓迎!
パンパカパーン!
今日から始まる新番組「チキチキ爆笑にらめっこグランプリ」!
国民的(ナニワ限定)スタァ渾身の爆笑ギャグで笑い死にさせたるでー!
あんたが大祓骸魂やな!
骸魂なんかおおはらえー!(追っ払え)
狂気じみた愛? んなもんヒガンバナー!(知らんがな)
渾身の爆笑(?)ギャグが滑る度に
どこからともなく用意された熱湯風呂にダイブしたり
口に咥えた強力ゴムテープをパッチンされたり
上空から落下したタライが頭を直撃したり
ベタな罰ゲームが次々と馬飼家を襲う!
…なんかおしおきタイムの方がウケてへん?
あ、笑ったな!今一瞬「プッ」と笑ったな!
ナニワ名物ハリセンチョップ!(ばしーん)
●バカウケオイシイ
東京スカイツリーの最上部『ゲイン塔』。そこに佇む『大祓骸魂』は……これまでの猟兵の攻撃(?)で、ちょっと躊躇いが生まれていた。
UDCアースを永遠にする(訳:あなたをころして私も死ぬ)のは変わらないのだが。自分の知らない新しい彼(注:恋人ではありません)を知ることに興味がないと言えば嘘になる。
そんなことを思っていたら、いつの間にか周辺がテレビ番組のセットっぽくなっている。これは……まさか!
「パンパカパーン! 今日から始まる新番組『チキチキ爆笑にらめっこグランプリ』!」
始まってしまいました新番組。『よーし、どこからツッコもう!』、そんなことを出来る相方などいなく、またこの場には首を傾げるだけの大祓骸魂しかいない。
なので、司会(?)の馬飼家・ヤング(テレビウムのちっさいおっちゃん・f12992)のなすがままだ!
「記念すべき第一回のゲストは『大祓骸魂』ちゃんやー!」
そう、ゲストになってた。いや、首を傾げながら座っているのでたぶん本人理解できていない。けども、ヤングにはそんなの関係ねぇ!
「国民的(訳:ナニワ限定)スタァ渾身の爆笑ギャグで笑い死にさせたるでー!」
ヤング、司会と思いきや、全力でメインでした。
そんなわけですすすーっと大祓骸魂の横に移動するヤング。
「あんたが大祓骸魂やな! 骸魂なんかおおはらえー!(追っ払え)」
そこで渾身の爆笑(?)ギャグだ!
「……」
だが滑った。
ステージにスライドインしてくる熱湯風呂。そしてダイブするヤング。起きる笑い!
「狂気じみた愛? んなもんヒガンバナー!(知らんがな)」
だがヤングは諦めない。テイク2!
「………」
でも滑った。
いつの間にか強力ゴムテープを咥えさせられているヤング。直後起こる悲劇はご想像の通りだ! パッチン!(吹っ飛ぶ)
そこで笑いが起きる!
「あかんな。返事ない。妖怪だけにようとるんかい?」
「いえ、素面です」
「ここで?!」
ヤングが立ち去ろうとした時、大祓骸魂が返事。振り向いた瞬間に上からタライである。最後だけウケた……いや。
「……なんかおしおきタイムの方がウケてへん?」
それ、言うたらあかんやつや。
だがここでそっと大祓骸魂が視線を逸らす。というか俯いている。
あ、これ笑うの我慢してるやつ。きっとたぶんそう。
ならば仕掛けるにはここしかない! 大祓骸魂が笑ったその瞬間に仕掛けるのは!
「ナニワ名物ハリセンチョップ!(ばしーん)」
ユーベルコードじゃないのかよ!
とツッコんでくれる相方は以下略。
そんな感じでステージの上はヤングの独壇場に。ユーベルコード【喜劇王☆爆誕(タイショー・オブ・コメディアン)】の効果もあって、大祓骸魂のギスギスした雰囲気を徐々に霧散させていく。
――争いなんてアホくさ! 止めや止め!
そんな感情がこの場を支配していき。
大祓骸魂の存在理由もまたゆっくりと揺らいでいくのであった。
●終戦
ヤングを含めて。
『大祓骸魂』に相対した猟兵たちが行ったのは、大祓骸魂を直接否定するわけではなく、UDCアースを愛する術を伝えるということだ。それは結果的には大祓骸魂の存在を否定することだけれども。
「ああ 愛しきUDCアース(あなた) いまは一度 退きましょう」
大祓骸魂の想いを揺らがせるには十分な理由であった。
きっと大祓骸魂がUDCアースの魅力を喰らい尽くした時、またこうなるのかもしれないが。
その時にはまたきっとUDCアースは未来(まえ)に進んでいる。
未来は、過去には負けないのだ。
大成功
🔵🔵🔵