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大祓百鬼夜行㉕〜其は、神速の愛

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

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#大祓百鬼夜行


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●骸魂恋唄
 東京スカイツリー。
 天を衝くその塔の頂上にて、オブリビオンは、言葉を紡ぐ。

 愛しきUDCアース。
 あなたを思う 私の愛は揺るがない。
 だから 私は帰って来たのです。

 そして、オブリビオン……大祓骸魂は、1人、待つ。
 愛する世界を永遠に変える、その時を。
 それを阻止せんとする猟兵達の訪れを。

●猟兵凱歌
 グリモアベース。
 ヴェルタール・バトラー(ウォーマシンの鎧装騎兵・f05099)の背後に、東京スカイツリーの威容が映し出された。
 ヴェルタールが視線を向けると、最上部にズームしていく。そこにあるのは、アンテナが収納された、高さ約140mに至る巨大構造物……ゲイン塔。
「このゲイン塔に、この戦いの元凶、『大祓骸魂(おおはらえむくろだま)』が出現いたしました。すなわち、百鬼夜行も大詰めでございます」
 大祓骸魂を究極妖怪たらしめているのは、何といってもその膨大な『虞(おそれ)』である。
 虞の影響により、東京上空は、『カクリヨファンタズムが如き空間』に変化するという。
「この空間の特性により、大祓骸魂は、今回の戦争に存在した『あらゆる手段』を行使する事が可能でございます」
 妖怪達、そして親分達が、猟兵達と戦っていたのは、この時のため。
 全身全霊をかけて、この究極妖怪にして最凶の邪神を撃破するのだ。
「そしてこのたびの大祓骸魂は、超加速能力……すなわちターボ移動の力を振るい、戦闘を挑んでまいります」
 ならば猟兵の側も、何らかのターボ手段を使い、高速戦闘で対抗するしかない。
「骸魂の根源である大祓骸魂を救うことは、不可能でございます。悲しき事と判断しますが、これもまた猟兵とオブリビオンの定め。悔いなきよう、ドバババーン、とフルパワーで挑んでくださいませ」
 そしてヴェルタールが、スカイツリーへのゲートを開く。
 2つの世界の存亡を賭けた最終決戦の地へ続く、道を。


七尾マサムネ
 大祓百鬼夜行も、いよいよ、最終局面です。

●プレイングボーナス
 なんとかしてターボ移動しつつ戦う。

 それでは皆様の速さを、大祓骸魂に見せつけてくださいませ!
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第1章 ボス戦 『大祓骸魂』

POW   :    大祓百鬼夜行
【骸魂によってオブリビオン化した妖怪達】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[骸魂によってオブリビオン化した妖怪達]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD   :    生と死を繋ぐもの
自身が装備する【懐刀「生と死を繋ぐもの」】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    虞神彼岸花
【神智を越えた虞(おそれ)】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を狂気じみた愛を宿すヒガンバナで満たし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。

イラスト:菱伊

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

星川・アイ
いよいよ親玉のご登場だね……
さて、それじゃあ全力で突っ込んでやろうじゃないの

そっちが機動戦でいくなら、こっちだって用意はあるよ!

という訳で【ジェナス】に搭乗して出撃
武器改造で機体の【サイドスラスター】の出力限界を突破できるようにしておいたよ
このスラスターの推力があれば、高速移動する敵にも追従できるはず
UCには【スレイプニルAモード】の弾幕で撃ち落としつつ、捌ききれない分は軌道を見切りつつ立体的な機動で躱す
それを乗り切ったらスラスターのリミッターを解除して、全速力を乗せたUCで両断するよ

その愛、この一閃で断つ!



 クロムキャバリア・ジェナス-Vspに吹き付ける、虞の濃密さたるや。
 操縦席の星川・アイ(男の娘アイドル風プロゲーマー・f09817)にまで届くようであった。
虞の源、骸魂の元凶。アイの視線の先にいる存在は、そういうものだ。
「いよいよ親玉のご登場だね……それじゃあ全力で突っ込んでやろうじゃないの」
「全力とは 命の輝き それに死を与えるのが この懐刀の役目です」
 すらり。
 大祓骸魂が抜き放った刀身が、妖しく煌めく。それは、アイに、強大な力とともに儚さを感じさせた。
「行きましょう 翔けましょう」
 大祓の周囲に浮かんでいた玩具達が、変形と合体を始めた。その背に、足に絡繰りめいたブースターを形成。
 加速する。
 爆発的な速度上昇に、アイも一瞬、大祓を見失う。
「これが大祓骸魂流ターボ移動……!」
 だが、敵の能力は把握済み。懐刀が貫いたのは、ジェナスの装甲ではなく、残像に過ぎなかった。
 サイドスラスターによる機動。フルパワーの推力が、大祓ターボモードへの追従を実現しているのだ。これも、ジェナスの汎用性の為せる技であろう。
 塔を飛び出し、空中でぶつかり合う、2つの高速移動体。
「一振りでは たやすく手折られても 重ね合わせれば」
 大祓が愛し気に撫でた虚空から、懐刀の連なりが生まれ出でた。
 強大なる虞を反映したその数は、もはや莫大。ジェナスが伝えてくる正確な数値から、アイはあえて目を逸らす。
「踊りませ 踊りませ」
 空間を切り裂く刀光が、アイを死のダンスに誘う。
 誘いを切り抜けるのは、天地の概念を越えた立体的機動だ。
「スレイプニル・モードA!」
 アイのコールと共に、空に、爆破の華が咲く。
 剣状の先端ゆえ、その弾幕は、もはや斬撃のよう。
 が、爆煙を突破し、ジェナスを狙う懐刀群。
 対するアイは、軌道予測に基づき機動を継続、活路を見出していく。
 抜けた。
 刀群を突破したアイが、大祓の姿を正面に捉える。
 スラスター、リミッター解除。限界突破、音速超過の速力で、大祓へと直進。
 大気を打ち破りながら構えたスレイプニル、その銃身から光が溢れる。
「その愛、この一閃で断つ!」
 高速と高速の、交錯。
 アイの背後、大祓に刻まれた傷から、虞が噴き出した。空を染める鮮血が如く。

成功 🔵​🔵​🔴​

雨谷・境
ここまで来れたっすね!
最後の戦い、気合入れて行くっす!

相手のターボ移動に、俺だけで挑むのはなかなか難しいっすね
という訳で『突撃丸』に乗って戦うっす!
移動は任せたっす!
俺と突撃丸にはオーラ防御を施しつつ行くっすね
虞はバス停で武器受けして、なるべくヒガンバナを生えさせないように気をつけるっす

相手にはすれ違いざまにバス停を振るって攻撃したりするっすよ
でもこれは本命じゃないっす
相手を怯ませたり動きを止めるのが目的っす!

チャンスを見極め発動するのは――俺の妖怪としての役割!
『境目停留所の権能』っす!
バス停をびしっと向けて、妖怪バスに大祓骸魂を攻撃してもらうっす!
俺達の二つの故郷、好きにはさせないっす!!



 雨谷・境(境目停留所の怪・f28129)が到着したゲイン塔。
 待ち受けるは、骸魂の根源にして邪神、大祓骸魂!
「ここまで来れたっすね! 最後の戦い、気合入れて行くっす!」
「勇ましい決意 ならばこちらも 愛を以て応じるが礼儀」
 ふわり、浮かべた玩具達。
 大祓はそれをブロックのように組み合わせると、ターボブースターを作り上げ、その身に纏った。
「簡単にやってくれるっす。これは俺だけで挑むのは難しそうっすね……なら!」
 雄々しき角で天を裂き。境の元に駆け付けた援軍は、『突撃丸』。
「一緒に行くっす! 移動は任せたっす!」
 ぶぉん、と答える相棒を頼もしく思いつつ、境が大祓に立ち向かった。
 爆音と共に、迫る敵。同時に大祓も、動く。
 移動しながら、内に残存した虞をまき散らす。境の逃げ場を刈り取るかのような、無慈悲の範囲攻撃だ。
「しかも、なんて密度っすか!」
 景色を書き換える虞をバス停で受け止めつつ、大祓を追いかける境。
 境のオーラにコーティングされたバス停は、虞に侵蝕される事はない。あえて虞を 受ける事で、ヒガンバナがこの場に咲き乱れるのを防ぐ構えだ。
 出鱈目な速度で境を翻弄する大祓。だが、様々な力を扱えるのと、その力に特化したものでは、練度が違う。
 走りの化身ともいえる突撃丸が、見様見真似で高速を用いる大祓に引けをとらないのは、ある意味道理であった。
 すれ違いざま、大祓目がけ、バス停を振るう境。
 相対速度により、打撃時の威力は、平時より倍化している。
 まともに受けるのは得策ではないと判断したのであろう、大祓は、進路を微調整、バス停を避けていく。
 だが回避行動の分、速度は落ち、移動範囲も制限される。それこそが、境の狙いだった。
 びしっ!
 反転のため、大祓の速度が低下した瞬間、境はバス停を向けた。
 突撃丸が移動を司るのなら、境の役目は、大祓を攻撃するこそ役割だ。
 そして。
 空間を破って出撃したのは……一台の妖怪バス。
 思わぬ乱入者に、大祓がそちらを振り返った瞬間。
 妖怪バスの車体が、大祓と激突した。きっちり、正面衝突といえる角度で。
「俺達の二つの故郷、好きにはさせないっす!!」
 ブースターの破片を散らして吹き飛ぶ大祓に、境が声を投げた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベルベナ・ラウンドディー
ターボとは?
排気の勢いを入力に再利用する装置です
構造的に壊れるまで力の増加が続く

オーバーレブのレンジまで付き合ってもらいますよ

●仙術・視力・肉体改造
…動体視力の強化

●功夫・受け流し
槍と刀の刃を寝かし、懐刀の攻撃をその上で滑らせるように流す
その勢いを活用してユーベルコード発動、此方の加速に変えます
喧嘩独楽の如く弾き弾かれるイメージです
これだけ刃物が多いと加速には困らないが…布陣を崩す必要はある


●踏みつけ・地形破壊、衝撃波・範囲攻撃
地を踏む反動でさらに加速、その風圧で刃の陣形を吹き飛ばす
最終的には大祓の小娘に接近、槍での串刺しの一撃を叩きこむのが目標です

…事情は色々あるのでしょうがね
とりあえず死ね



「ターボとは? ご存知ですか?」
 ベルベナ・ラウンドディー(berbenah·∂・f07708)の問いかけに、ゲイン塔にたたずむ大祓骸魂は、小首を傾げた。
 その背と足には、ブースターめいた装置がまとわれている。周囲の玩具達をより合わせて作り出した、即席のターボ装置らしい。
「排気の勢いを入力に再利用する装置です。構造的に壊れるまで力の増加が続く。……と、その分だと、原理云々より加速という概念自体を操っている様子ですが」
 理解している様子のない大祓の表情を見て、ベルベナは肩をすくめた。
「疾きこと風のごとし 我が愛は空のごとし 限りのないものです」
 無表情で淡々と告げる大祓に、ベルベナは心のギアを上げた。
「とりあえず……オーバーレブのレンジまで付き合ってもらいますよ」
 ベルベナの瞳に、光が宿る。動体視力強化の発動だ。
 先行したのは、大祓だった。肉体強度など無視した、空中疾走。
「はらはら舞って 命散らして」
 手元に閃く小さな光は、やがて無数の刀の群れとなって、ゲイン塔を満たす。
 全方位殺戮。しかし、緩慢なる死など、ベルベナは、受け入れるつもりなどなかった。直刀と機竜槍を、同時に抜き放つ。
 見えざる手に操られた懐刀を、打ち返し、弾く。
 ターボの加護を受けたためか、懐刀の速度も上がっている。
 だが、ベルベナとて、速力は出し惜しみなしだ。懐刀とこちらの得物がぶつかる瞬間、刃を寝かせた。
 相手の攻撃は、その上で滑るように流れていく。
 それが、ベルベナにとっては、反撃の着火であった。
 弾きの反動に身を任せたベルベナの槍剣が、加速する。
 一度きりではない。懐刀と刃を交えるたび、加速は連続する。もはや喧嘩独楽の如く。
 身を回しながら、ベルベナはゲイン塔を踏み更に加速。溢れた風、その圧が、行く手を遮る懐刀の陣に乗り込み、吹き飛ばす。
 役目を果たした直刀が折れ、後方に飛んでいく。
 視界がクリアになった。その先には、大祓。
 ブースターを噴かして、再加速の構え。だが、レッドゾーンに踏み入るベルベナの突撃は、それを凌駕した。
「……事情は色々あるのでしょうがね。とりあえず死ね」
 疾風迅雷。
 翔け抜けたベルベナの槍撃が、大祓の胸を貫いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜
……へっ。
UDCアースとカクリヨファンタズムがどうなるかって最後の最後だ、
出し惜しみしないつもりでいたけどね……。
ああ。
まさかここで、純粋に「速さ」を極めろってか。
アタシも舐められたもんだねぇ。
これでもいっぱしのライダーなんだ、思い切りぶちのめしてやるよ!

宇宙カブとの付き合いも長くなっちまったね。
いつもの通り『騎乗』して、エンジンもアクセルも全開さ。
【ゴッドスピードライド】での超高速も、
アタシの『操縦』と『運転』テクがありゃ軽いもんだろ。
飛んでくる懐刀を『衝撃波』で散らしつつコースを取りながら、
大祓骸魂へ一直線に『騎乗突撃』!
アタシは生憎、ここをゴールにする気はないんだ。
今は骸の海へ還っとけ!



 大祓骸魂。
 2つの世界の滅亡の引き金となったオブリビオンを前にして、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は武者震いしていた。
「……へっ。UDCアースとカクリヨファンタズムがどうなるかって最後の最後だ、出し惜しみしないつもりでいたけどね……」
「死にゆくものが笑う 不思議なものですが なぜでしょう 分かる気がします」
 ゲイン塔にて小首をかしげる大祓に、多喜は、笑い声で応えた。
「まさかここで、純粋に『速さ』を極めろって言われるとは思ってなかったからさ。 アタシも舐められたもんだねぇ」
 多喜の眼前、大祓の姿が変わっていく。周囲の玩具達が寄合、形を変えて、大祓の背中と脚部を強化したのだ。
 童女にはいささか不釣り合いなそれこそ、ターボ装置。燃料は、有り余る虞か。
「原理はよくわかりませんが 速く動けばいいのです」
「よくもそんな簡単に言ってくれるねぇ。これでもいっぱしのライダーなんだ、思い切りぶちのめしてやるよ!」
 そして多喜は、愛車に語り掛ける。
「お前との付き合いも長くなっちまったね」
「用意はいいですか では 参りましょう」
 どん、と重い音が、多喜の体に叩きつけた。
 空気が叩かれた音、大祓が加速した印だ。が、多喜もまたほぼ同時にスタート。
 先行するのは、大祓だ。だが、ターボ能力を獲得したとはいえ、大祓の人の姿は、速く走るようにはできていない。
 それに対し、多喜の宇宙カブは、最初から走るために生まれて来た。ゆえに、大祓に肉薄を果たすのは、ある意味当然と言えた。
 単純な速度勝負では、多喜を凌駕できないと悟ったのであろう。
 抜いた懐刀を、宙に放る大祓。恐るべき速度で飛来したそれを、多喜はかわす。
 その背後で、懐刀は転身を果たした。それも、無数に増殖を果たして。
 軌道も速度も刀の数だけ。すなわち、懐刀包囲網。
 しかし、多喜の顔に浮かぶのは、笑み。
 行く手を塞ごうとする刀の群れを、衝撃で吹き飛ばす。
 ここに決められたコースなどない。それは転じて、自らコースを作りだしてよい、という事でもある。
 進路、クリア。大祓を『捕まえた』。
「アタシは生憎、ここをゴールにする気はないんだ。今は骸の海へ還っとけ!」
 神速の邪神を、多喜のゴッドスピードが貫いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
え!?
あの格好でターボ移動すんの!?
マジで!?
凄くない??
しゃかしゃか足動かしてんの!?
ちょっと見せてよ見せて!!


EX:I.S.T[BK0001]に騎乗
そして【Link=Ex:I.S.T】起動
私自慢の発明品のバイクでターボ…何だろターボおかっぱに追い付く!
でもこれだけじゃダメだ…
そう、追い風が必要だ!
『天候操作』で私に追い風が来るように風を操作
これで一気に追いつく!
近付いたら左手に空の記憶を抜刀
『斬撃波』で足元を狙って放ち、少しでも速度を落とさせ並走する!
大祓骸魂の右側に並走したら、斬撃を食らわせて更にバイクで横から体当たり!
更に追い抜いて前に出て急ブレーキ!
煽り運転ダメ!絶対!

アドリブ歓迎



 しゃかしゃかしゃか!!
「え!?」
 月夜・玲は驚愕した。
 辿り付いた終着点、決戦の地ゲイン塔で対峙した大祓骸魂は……ターボ移動していた。それもあろうことか、空中を。
 よく見れば、大祓が周りに漂わせていた玩具達が変形し、ターボブースターめいた装置に合体している。
 しかし、慣れぬ力の行使で手探り状態なのであろう。玲の眼前、世界崩壊の首魁は、どこかコミカルな動きでゲイン塔をらせん状に駆け上がっていた。
「この格好でターボ移動!? マジで!? 凄くない??」
「これが正解なのか 私にはわかりません ですがこれぞ神速」
 足の高速稼働とは裏腹にアルカイックスマイルを維持する大祓は、背後を二度見した。
 玲だ。EX:I.S.T[BK0001]に騎乗した玲が、自身に追随してきていたからだ。
 ユーベルコード【Link=Ex:I.S.T】により高速形態へと最適化されたバイクが、大祓のターボを追走する。
「私自慢の発明品のバイク! ターボ……何だろターボおかっぱに追い付いてみせる!」
 EX:I.S.Tとリンクした玲を、引き離そうとするターボおかっぱ……大祓。
 ターボの原理や機構など、大祓には実際、関係ない。加速という概念そのものを身にまとった状態と言える。
 そして、投じた懐刀が、空を埋め尽くし、玲を切り刻む。
 玲は、ぐ、と歯噛みした。次第に、両者の距離が離れ始めたからだ。
「今のままじゃダメだ……なら!」
 轟、と、突風が吹きつけた。
 玲の招いた追い風が、バイクの性能を越えた加速をもたらす。あたかも、世界が玲に味方したかのように。
 邪魔な懐刀をも吹き飛ばし、大祓の背後に追いつく。
 彼我の距離は、数メートル。玲は、『空の記憶』を抜刀。左手で握ったそれを振えば、衝撃波が大祓の足元を襲う。
 ターボが概念だろうがなんだろうが、足を使って加速している以上、そこを狙われれば減速するのは道理。態勢を崩した事で、大祓との並走を果たす。
 敵の右側をとった玲は、再び斬撃を放つ。袖をかざして防御する大祓へと、バイクを寄せ、体当たりを食らわせる!
 がくっ、と、大祓の速力が一気に落ちた。
 その瞬間を狙い、遂に相手を追い抜く玲。進路上に立ち塞がり、急ブレーキ!
「煽り運転ダメ! 絶対!」
 ターボ大祓が、盛大にクラッシュした。

成功 🔵​🔵​🔴​

二條・心春
あのひとも私と同じ、いやそれ以上にこの世界を愛しているのに、戦わなければいけないのは悲しいですね……。けど、本当に世界のことを想うのなら、永遠に止めて未来を奪ってはいけないと思います。

ターボ能力には、私も【ウェポン・ブースト】でブースターを付けた槍に掴まって高速移動して対応します。
虞を回避するのは難しいかも。こちらは地形の影響が少ない空中で戦い、「第六感」で直撃は避けたいですね。この世界に住みUDCと共に戦う私ですから、精神攻撃には強いと思います。何とか耐えましょう。
反撃の機会を伺って、槍に炎を纏わせて花を焼き払いながら突撃です!貴方のことは、私達が忘れません。どうか安らかに眠ってください。



 決戦の地、ゲイン塔。
 二條・心春(UDC召喚士・f11004)は、直接の対面を果たした大祓骸魂の、どこか憂いを秘めた表情を、悲し気な眼差しで見つめた。
「このひとも私と同じ、いやそれ以上にこの世界を愛しているのに、戦わなければいけないのは悲しいですね……」
 けれど、本当に世界のことを想うのなら、永遠に止めて未来を奪ってはいけないと、心春は思うのだ。
「私は 止まらない 世界を止める その時まで」
 大祓骸魂の周囲に浮かんでいた玩具の数々が、その身にまとわれる。
 虞の力を受けて変形したそれは、加速装置。ターボ移動を可能にする即席のブースターだ。
「さあ ついてこられますでしょうか」
 大祓が、走る。
 速い。普通のターボ妖怪でさえ、圧倒的な速力を叩き出すのだ。まして、最大最凶の骸魂ならば。
 だが、心春も負けてはいない。いや、負けてなどいられない。
 槍にブースターを装着すると、それに掴まり、大祓を追いかける。
「さあ 虞を 恐れて おそるおそる」
 歌うように、言の葉を紡ぐ大祓。
 ターボ邪神が噴き出す虞が、心春へと吹き付ける。発生源である大祓が高速で移動しているため、虞の放射は広範囲に及ぶ。
 いかに最終戦場までたどり着いた心春の実力をもってしても、全てから逃れるのは、容易ではない。
 ゆえに心春は、塔という足場を離れ、空中を戦場とする事を選んだ。
 ひときわ強い虞が、矢のように迫る。槍を制御し急旋回。直撃を避けると、背後でヒガンバナが咲いた。
「花の苗床にされるのは免れましたね」
 しかし、虞がはらむ狂気は、心春の精神をも蝕む。
 だが、元よりこの世界に根を張り、UDCと共に戦う心春だ。邪神による精神攻撃に耐える事には、多少の自信がある。
 如何に高速を誇り、莫大な虞を操る事が出来ると言っても、常時発動など叶うものか。
 そして、好機は訪れた。
 虞の放出、その勢いが弱まった瞬間を狙い、槍を繰り出す心春。その切っ先が、炎を熾す。
 周囲に咲き誇るヒガンバナを焼滅しながら、心春は加速。全身全霊をこめた突撃が、一気に相手との距離を詰め、大祓の胸を貫いた。
「貴方のことは、私達が忘れません」
 だから。
「どうか安らかに眠ってください」
 ぐ、と心春が力をこめると、大祓が炎に包まれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
ディスポーザブル02に搭乗操縦。

「愛で世界を壊す。それは、なんだ?」
愛するから殺すなどと、そんな物を愛だというならば。

UC発動、爆発的に増大したスピードに、メクサラのブースター形態を合わせて加速。六腕内蔵パルスマシンガンの弾幕を展開し、敵の操る懐刀を弾き、反応速度と瞬間思考力で懐刀を高速で掻い潜り肉薄する。

「誰があなたと共に落ちる事を望んだ!誰があなたの愛を受け入れた!」
属性攻撃、灼熱の光剣を発し、斬りかかる。
躯体から生えるそれにフェイントを織り交ぜ、

「あなたの愛は、迷惑だ!!」
全力の否定と共に、怪力、隙を作って02の脚で蹴る。
重力制御能力で超過重を込めた、超重の重量攻撃で、ぶっ飛ばす!



 重力を操り、滞空する六本腕の異形。
 ディスポーザブル02に搭乗した朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)が、ゲイン塔に立つ大祓骸魂を見下ろした。
「愛で世界を壊す。それは、なんだ?」
 小枝子の問いに、大祓が答える。張り子の虎を、折り鶴達をターボ装置としてまといながら。
「それは願いです 私のささやかな 大切な」
「ふざけた事を」
 愛するから殺すなどと、そんな物を愛だというならば。
 大気が、弾けた。02と一心同体と化した小枝子の加速だ。
 赤き光剣の形状は、武器から加速装置へと移行している。
 だが、その進路上に大祓の姿は、なかった。相手もまた、ターボで離脱していたのだ。
 高速の戦闘が、スカイツリー上空で繰り広げられる。
 大祓は、舞と呼ぶには、あまりに直線的な動き。だが、その操る懐刀達の動きは自由自在、天衣無縫。
 刃と同じ数だけの異なる軌道を描き、02を解体せんと迫る。
 大祓が告げた通り、一振り一振りがなまくらだとしても、全てを受けて無事な装甲など存在するだろうか。
 ゆえに、小枝子は、弾幕で応戦した。
 02の六腕から展開したパルスマシンガンが、大祓と、その周囲を穿つ。
 懐刀が弾き飛ばされ、割れ、砕かれ、そして折れる。
 儚く散る残骸と、健在な刀群の迷路をかいくぐり、目標へと突き進む小枝子。
 自身の五感と操縦技術、そしてそれを実現する02の機動性が合わさった時、道は開かれた。
 空に浮かぶ大祓へと、肉薄を果たす。
「誰があなたと共に落ちる事を望んだ! 誰があなたの愛を受け入れた!」
 02を敵の元へと届けたメクサラが、ブースターから剣の形を取り戻す。
 躰体から発せられた灼熱の光剣が、大祓を斬る。
「あなたの愛は、迷惑だ!!」
 六腕六剣による全力の否定が、空に響く。
 剣への対処に注力する余り、大祓は他への意識がおろそかになっていた。
 そう、武器は剣だけではない。キャバリアとは、それ自体が威力の塊。
「誰よりこの世界を思うあなたの振舞いが、誰よりこの世界に相応しくないと、なぜ気づかない!」
 キャバリアの重量による衝撃を。
 重力制御による超過重を。
 そして、小枝子の想いを乗せた超重の一撃が、大祓の体を、遙か地上へと吹き飛ばした。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナイ・デス
オブリビオン化で歪んだ……そう、思いたいです
あの人が愛した世界は、生きている世界だと、思うのです
だから

それを愛と言うのなら
せめて、愛された世界の一部となって
愛し(殺し)て、祓い、永遠として……
覚えていたいと、思います

【肉体改造】彫像と融合し、新生ダイウルゴスに
【生命力吸収】の光、フロンティアライン。侵略ではなく、守護する側として
願い参加してもらう。世界に、一時的な竜化を、一体となって
【覚悟、継戦能力】耐えながら、光り
百鬼夜行の妖怪さん達にも、願う
巨体は、一歩の距離も大きく、それで超加速に対応し

救えない
けれど、優しく葬ることはできると思うから
【浄化】の光で、虞を撃ち祓う

永遠に、おやすみなさい



 スカイツリーのゲイン塔、その上で待つ大祓骸魂を、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)は、天空より見つめていた。
 その姿は、既に竜と化している。天に掲げた彫像との融合を果たし、新生ダイウルゴスへと。
 一方、ナイを迎えた大祓もまた、初見の装いであった。周囲の玩具類を組み合わせ、即席のターボ装置を作り上げた、らしい。
 両者の想いは、皮肉にも、同じ。
 この世界のために。ただし大祓のそれは、ねじくれた愛だ。
「オブリビオン化で歪んだ……そう、思いたいです。あの人が愛した世界は、生きている世界だと、思うのです。だから」
 ナイの巨大な竜身が、輝きを放つ。否、むしろ輝きを受けているのだ。この世界そのものから。
「それを愛と言うのなら。せめて、愛された世界の一部となって、愛し(殺し)て、祓い、永遠として……覚えていたいと、思います」
「それは私の求める愛ではありません だから私は 私の愛を貫くのです」
 虚空が、戦い始めの合図を鳴らした。大祓のターボ加速が、大気を打ったのだ。
 それを迎え撃つは、世界守護の巨竜。
 サイズの異なる二つの光が、空でぶつかり合う。幾度も、幾度も。互いに憂いを後に残さぬために。
 大祓の次の手は、オブリビオン群となって顕現する。
 百鬼夜行……愛らしきものも禍々しきものも。等しく骸魂に取り込まれ、ナイを襲撃する。
 浴びる猛攻とは裏腹に、ナイを包む光は、強さを増していく。それは、想いの結晶。
 ナイの願いに応えた、世界そのものの輝きだ。それだけでなく、百鬼夜行にて戦い、救った妖怪達の想い。
 そしてナイの想いは、眼前の百鬼夜行をすら揺さぶった。動きが抑制され、速力を保っているのは大祓のみとなった。
 出力、燃料ともに、虞にてまかなう大祓が圧倒している。だが、ナイ=ダイウルゴスが上回っている部分がある。
 巨体だ。
 一歩の距離は、大祓の何倍も大きい。
 そして、妖怪達の想いが、ナイを前へ前へと突き動かす。
「救えない。けれど、優しく葬ることはできると思うから」
 無数の想いを束ね、ナイが放つは、竜の吐息。
 浄化の祈りを込めた奔流が、虞を撃ち抜き、祓う。
「永遠に、おやすみなさい」
 ターボ装置の残骸を散らして、地へ落ちる大祓へと、ナイがささやきを送った。

成功 🔵​🔵​🔴​

水鏡・多摘
…高速ですっ飛んでくる大祓骸魂はまずそうじゃな。
警戒の外から突っ込んで刺されそうじゃし。
しかし我はこの邪神を滅ぼさねばならぬ。
ならばどのような条件だろうと勝たねばならぬ。

基本支援で行動。
UC即座に起動、空へと飛翔し初撃を回避する。
この状態で全速で飛び回れば簡単には捕まるまい。空中戦と空中機動は得意分野。
更に破魔の力を込めた神罰の雷を降らせオブリビオン達を弱らせてくれよう。
空中でもターボで近づいてくる可能性は警戒し常時高速思考で情報処理、結界宝珠で全周に結界を張り奇襲に備え。
更に天候を操作し雨を降らせ足場を悪くし速度を落とせないか試す。
隙があれば呪詛のブレスを吹き付け攻撃。

※アドリブ絡み等お任せ



 決戦の地・ゲイン塔に赴いた水鏡・多摘(今は何もなく・f28349)を待ち受けていたのは、神速の疾走体であった。
 目の前の虚空を翔け抜けたその正体こそ、大祓骸魂。此度はターボ能力を発動し、空中すら駆け巡るという。
 その速さを警戒すべく、距離を置いたところで、刹那にその差は埋められるであろう。
 多摘の悲観的な予測を裏打ちするように、大祓が語り掛ける。
「私の速さにはかないません ただ死の時を待つのです」
「冗談を!」
 大祓の勧告を、しかし多摘は一笑に付した。
「我はこの邪神を滅ぼさねばならぬ。どのような条件だろうと勝たねばならぬ」
 そして大祓の神速が、遂に多摘に向けられた。衝撃が生み出した輪を、くぐり抜ける大祓。
 しかし、大気を叩いたものは、もう一つあった。
 天に昇る巨体。それは、竜と転じた多摘自身である。
 上方へと逃れた多摘を、大祓が追撃した。強制的な進路変更で、竜の尾を追いかける。
 相手の異常なまでの速度、しかし、完全なる竜と化した多摘にとって、空は庭のようなものだ。
 むしろ、大祓の方が、こちらの領分に不用意に足を踏みいれたともいえる。
 邪神の神速も、天翔ける竜神を捉えることは、容易ではない。加えて高速の思考が、大祓の軌道を予測し、奇襲の隙を与えない。
「ならば集うのです 愛しき世界の最期を より豊かにするために」
 大祓の元に、無数の闇が現れる。
 それは、オブリビオン化させられた妖怪の群れ。壮観なり、これぞ大祓百鬼夜行。
 多摘が見た事のあるものも、初見のものも。スカイツリー上空を埋め尽くしたオブリビオン達が、一斉に己の力を解き放った。
 空域を埋め尽くす力が、多摘の周りを飛び交う。
 だが。
 空が、晴れる。
 天より降り注いだ雷が、百鬼夜行を焼き払ったのだ。
 それは、多摘の下した神罰。ほとばしる破魔の雷光が、オブリビオン達の骸魂を貫いていく。
 魔の力を祓われ、骸魂が消えゆく中、大祓自身がターボパワーを全開。空を駆け抜け、多摘に肉薄する。狙いは、竜の首一つ。
 しかし、神速の襲撃者は、宝珠の形成した結界によって拒絶された。
 すれ違う大祓の背中に、風を吹かせる。
 いつの間にか、空は黒。多摘に操作された雨風が、大祓の自由と速さを奪い取る。
 大祓の速度が落ちた、絶好の好機を、つかみ。
 多摘の竜息が、大祓を飲み込んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

霧島・絶奈
◆心情
UDCアースにとって、貴女はまさしく『忘却(オブリビオン)』であるわけですか…
せめて愉しみましょう、この『逢瀬』を

◆行動
『涅槃寂静』にて「浄化」属性の「ウインドシア」を行使
【空中浮遊】と併用し風に乗る事でターボ移動と成します
序でに敵に対空戦闘を強いる事で地形のヒガンバナ化を妨害

【罠使い】の技を活かし「魔法で敵を識別するサーモバリック爆薬」を【衝撃波】で周囲一帯に散布し【範囲攻撃】

更に【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】
彼我の相対速度を含めれば超高速戦闘ですが…
故にこそ空間諸共蹂躙する各種【範囲攻撃】が活きます

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復



 霧島・絶奈(暗き獣・f20096)は、ゲイン塔にて佇む、大祓骸魂との相対を果たした。
「UDCアースにとって、貴女はまさしく『忘却(オブリビオン)』であるわけですか……せめて愉しみましょう、この『逢瀬』を」
 絶奈が告げた後、空がざわめき始めた。
 生まれるのは、風だ。ただしそれはウインドシア、と呼ばれる現象として機能する。
 風の織りなすズレや歪み、それすらも使役して、絶奈はターボ移動を実現させたのだ。
「貴女も 雲も風であろうも 私の愛を止める事は できません」
 大祓もまた、玩具群から作り出した即席のターボ装置をまとい、空中疾走を開始した。
 しかし、今の空中は、絶奈によって仕立て上げられた戦場。そこに引きずり出された大祓の体が、想定外の方向へと吹き飛んだ。
 ダウンバーストだ。ターボ移動の態勢や速度を、維持できる状況ではない。ただし、普通ならば。
 だが、それを大祓は逆手に取った。周囲を汚染すべく放った虞が、本来の想定を超えて広範囲に拡大したのである。
 絶奈の避けたそれは、ゲイン塔はおろか、スカイツリーをヒガンバナで彩った。
 幻想的な光景を一瞥し、風を乗りこなす絶奈が、衝撃波を繰り出す。
 大祓を捉える事はなかったが、元よりそれが目的ではない。衝撃波に乗せて、爆薬を散布する事だ。
 高速で空を疾駆する大祓が、爆発した。絶奈の魔法をプログラムされた爆薬は、ただ大祓だけを敵と識別し、炸裂する。
 広域に展開した爆薬から、大祓が逃れようとすればするほど、爆発が連鎖する。
 そして、大祓の進路上に待ち受けていたのは、絶奈の洗礼、新たな衝撃波。
 真っ向からそれを浴びた大祓の速力が、ますます削り取られる。
 大祓本体ではなく、この戦場を支配する事。空間全てを生かした超速戦闘であるが ゆえに、絶奈のとった策が功を奏したようだ。
 とは言え、高速でのやりとり、絶奈も負傷は免れぬ。
 大祓はその地力を以て、絶奈はその生命吸収能力を以て、戦闘を継続させる。
 神と邪神。
 異なる神性の激突は、空間をも揺るがす。
 その決着が、遂に訪れる。
 大祓から四肢の自由を奪い取った直後、その全身を、絶奈の衝撃波が直撃した。
「また私から 愛する世界を 奪い取ろうというのですか」
 全ての虞を失い、落下する大祓を、絶奈は見下ろした……否、看取った。
 体を無数のヒガンバナの花弁と為し、花吹雪と共に消えゆく邪神の、最期を。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年05月31日


挿絵イラスト