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大祓百鬼夜行㉔〜ターボ×最恐×おばあちゃん!

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

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●全日本二宮金次郎選手権
 薪を担ぎ運びながら読書に勤しむ少年の像は、UDCアースの小学校に見受けることができたであろう。
 しかし、夜になるとたくさんの『動く二宮金次郎像』が集まってくるのだ。
 彼等は『全日本二宮金次郎選手権』の選手である。
 もうすでにちょっとわけかわんないなって思った者だっているだろう。これが現実である。各地でマラソン大会が同じように開かれ、地方トーナメントを勝ち上がってきた『動く二宮金次郎像』の猛者たちが、今宵まさに最強の二宮金次郎を決めるために集まってきたのだ。

「それでは全選手入場です!!!!」
 最強の二宮金次郎を決めるフルマラソン大会。その選手入場が行われる。アナウンスを行っているのも、『動く二宮金次郎像』である。
「熊殺しは生きていた!! 薪を山に集めに集めたブロンズ像が蘇った!!! 武神!! 二宮金次郎像だァ――!!!」
「総合マラソンはすでに我々が完成している!! 日本総合マラソン会長、二宮金次郎だァ――!!!」
「組み付き次第、薪を割りまくってやる!! 五輪薪割り代表、二宮金次郎だァッ!!」
「タイマンなら絶対に敗けん!! 暴走銅像の併走を見せたる 特攻隊長、二宮金次郎だ!!!」
「世界ヘヴィ級銅像こそが地上最強の代名詞だ!! まさかこの男がきてくれるとはッッ。二宮金次郎!!!」
「マラソンは実際に走ってナンボのモン!!! 超実戦マラソン!! 本家日本から二宮金次郎の登場だ!!!」
「中国四千年の鋳造技術が今ベールを脱ぐ!! 香港から二宮金次郎だ!!!」
「年老いた王者が帰ってきたッ。どこへ行っていたンだッ チャンピオンッッ。俺たちは君を待っていたッッッ――ってあれ!?」

 無駄に長い二宮金次郎だらけの全選手入場アナウンスが不穏な空気を醸し出す。
 どうしたどうしたと観客がどよめく。
 そう、この最強の二宮金次郎を決めるフルマラソン『全日本二宮金次郎選手権』において、絶対王者たる古老、二宮金次郎がいつまで経っても入場しないのだ。
「フェッフェッフェ! この程度でチャンピオンを名乗るとは片腹痛いわい! ワシこそが最速! 最強! 最高の『ターボ妖怪』!」
 ずるずると二宮金次郎像を引きずって現れたのは、『最恐・妖怪ババア』であった。
 そう、各地に怪談として目撃例が後を絶たぬ車に並走するほどの脚力を見せる『ターボ妖怪』が躯魂に飲み込まれてしまい、『最恐・妖怪ババア』として『全日本二宮金次郎選手権』に出走して、チャンピオンとしての座を己のものにせんとしているのだ。

「さあ、最恐最速の妖怪の名を掛けて、勝負じゃい――!」

●大祓百鬼夜行
 グリモアベースへと集まってきた猟兵達に頭を下げて出迎えるのは、ナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)であった。
「お集まり頂きありがとうございます。今回の事件は狙われた『全日本二宮金次郎選手権』に赴きオブリビオン妖怪を打倒していただきたいのです」
 大真面目な顔をしてナイアルテが言うものだから、猟兵の何人かは流してしまったが、おいそれ流して良い単語じゃない言葉が告げられていた。
 なんて?

「あっ、はい。『全日本二宮金次郎選手権』です」
 ……なんて?
「えっ、ですから、『全日本二宮金次郎選手権』です。42.195kmのフルマラソンに『動く二宮金次郎像』のみなさんが参加し、最強の二宮金次郎を決めるのです」
 どうやら、夜になるとあちこちのUDCアースの地方で『動く二宮金次郎像』たちが集まって、トーナメントのフルマラソンを行い、日本各地から選りすぐりの『二宮金次郎』を集めて日本一の二宮金次郎を決めるらしいのだ。
 だが、何故それをオブリビオン妖怪が狙うというのか。

「それはこの大会の優勝者が新たな『祝祭具』となり、『大祓躯魂』に憑依し、『祓』の力を増すからです。『大祓躯魂』にとっては、捨て置くことのできない脅威であることは代わりありません」
 しかし、このフルマラソンに飛び込んできたオブリビオン妖怪は『ターボ妖怪』と呼ばれるオブリビオン妖怪である。
 その名のとおり、ターボエンジンを積んでるかのように凄まじい速度でフルマラソンをぶっ飛ばしていくのだ。

 その名も『最恐・妖怪ババア』である。

「『最恐・妖怪ババア』さんは、とても疾いのです。勿論、他の二宮金次郎さんたちも疾いのですが、このままでは優勝者、チャンピオンが『最恐・妖怪ババア』さんに決まってしまい、『祝祭具』としての力を奪われてしまうでしょう」
 そうなってしまえば、『大祓躯魂』との戦いに支障がきたすのはわかりきっている。
 運営委員会の二宮金次郎たちに協力し、『最恐・妖怪ババア』を打倒しなければならない。

「ですが、話は簡単ではありません。『ターボ妖怪』ゆえに、疾走を続ける金次郎さんたちや『最恐・妖怪ババア』さんたちに追従できるなんらかのターボ移動手段がなければ、捉えることは難しいでしょう」
 これさえクリアできれば、『最恐・妖怪ババア』を打倒することができるだろう。
 お願い致します、とナイアルテが頭を下げて猟兵達を見送る。

 そう、此処に始まるのだ。
 伝説の一夜。
 猟兵たちを巻き込んだフルマラソン。
 そのなんでもありのハイパーターボなアルティメットマラソンが――!


海鶴
 マスターの海鶴です。

 ※これは1章構成の『大祓百鬼夜行』の戦争シナリオとなります。

『全日本二宮金次郎選手権』を狙うターボ妖怪こと『最恐・妖怪ババア』に追いつき、打倒するシナリオとなっております。
 もうすでにレースは開始されており、たくさんの二宮金次郎たちと『最恐・妖怪ババア』は凄まじい速度で全力疾走しています。
 これらに追いつき、『最恐・妖怪ババア』を打倒しましょう。
 そうすれば、『大祓躯魂』を打倒するために必要な『祓』を得ることができるからです。

 ※このシナリオには特別なプレイングボーナスがあります。これに基づく行動をすると有利になります。

 プレイングボーナス……なんとかしてターボ移動しつつ戦う。

 それでは、大祓百鬼夜行を阻止する皆さんの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
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第1章 ボス戦 『最恐・妖怪ババア』

POW   :    千歳たる年の功
全身を【見るからに凶悪な攻撃的オーラ 】で覆い、自身の【これまで生きてきた年月】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    スーパーBBAチョップ
【触れた者を畏怖させる禍々しく邪悪な妖力 】を籠めた【死角への瞬間移動による接近から続く手刀】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【戦おうとする意志】のみを攻撃する。
WIZ   :    老人会強制加入の呪
攻撃が命中した対象に【突然の耐えがたい腰痛や膝などの痛み 】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【身体の急激な老化とそれに伴う体調不良】による追加攻撃を与え続ける。

イラスト:スダチ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ミカエラ・マリットです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

厳・範
他世界見聞中お爺、世界危機なのでここにいるのだが。

……本当になんでもありなのだな、カクリヨファンタズムは……。
戦争という感じがせん。

すぐに【転変】し、本性の黒麒麟へ。風に舞う。
麒麟の足は速い、追い付こうぞ。

焦熱鎗が馬銜になっているから、それで攻撃しよう。口から火炎放射なのだがな。
浄化の炎ゆえ、燃えるは骸魂のみよ。

相手の攻撃は…わしはこれでも千を越える仙人ぞ。つまりは、老化とは当の昔に無縁になった。
それに、今だと宙に浮くからな。膝の痛みとかが出てきても、あまり影響はないのよな…。



『大祓躯魂』が引き起こした『大祓百鬼夜行』。
 二つの世界が、その脅威に晒されているからこそ猟兵の多くは次々と事件の現場へと転移していく。
 厳・範(老當益壮・f32809)もまたその一人であった。
 多世界の見聞を広げている真っ最中であるが、カクリヨファンタズム、UDCアースの二つの世界が危機に瀕しているがゆえに駆けつけたのだが、『全日本二宮金次郎選手権』なる催しを前に、彼は若干の戸惑いを感じていたことだろう。

「……本当になんでもありなのだな、カクリヨファンタズムは……」
 伝え聞いてはいたのだ。
 数多ある猟兵たちの識る世界。
 彼の出身世界である『封神武侠界』とは異なる世界。言葉で聞くのと実際に見るのとでは、あまりにもその差異が大きい。
 まるで戦争をしているという気分にはならないのだ。

 しかし、すでに『全日本二宮金次郎選手権』のスタートを切られているのだ。
 無数の二宮金次郎像たちをぶっちぎってトップを独走しているのは、オブリビオン妖怪『最恐・妖怪ババア』である。
 老体であろうに『ターボ妖怪』たる力を様々と見せつけながら、疾走する姿は、正直言って恐怖しか感じないかも知れない。
 しかし、範は即座に転変(テンベン)し、瑞獣たる己の本性である黒麒麟へと姿を買え、風に舞うように発生させた雲を足場に疾駆するのだ。

 その速度はターボ妖怪のターボに追いつくのに十分過ぎるものであった。
 焦熱鎗と呼ばれる炎を生み出す槍は黒麒麟としての姿を取った範にとっては馬具である。
 馬銜と呼ばれる口元に付ける馬具へと変えた槍は炎の力を噴出させながら、凄まじい疾駆でもってトップをひた走る『最恐・妖怪ババア』へと迫るのだ。
「ぬぅ! ワシを差し切るつもりかえ! そうはさせん! 見たところナイスミドル! ならば老人会に入らんかい! むしろ、ナイスミドルゆえに絶対に入ってもらう!」
『最恐・妖怪ババア』から放たれる呪い。
 それは突然の耐えがたい腰痛や膝などの痛みを与え、急激な老化を齎す凄まじい力であった。

 だが、すでに齢千歳を超える仙人たる範にとって、人の生における老いなどとうの昔に無縁となったものである。
「無駄だ。わしはこれでも千を越える仙人ぞ」
「だが、ワシの呪いはそれ以上に腰痛や膝の痛み! 軟骨がすり減っってコンドロイチンが必要になってしまうものじゃ! 如何に仙人と言えど逃れられるものかよ!」
 確かにそのとおりである。
 如何に仙人と言えど、腰痛やら膝の痛みは回避できまい。

 しかし、範は仙人であるが、その前に瑞獣である。
 その本性は『黒麒麟』。
 すなわち、大地を蹴っているように見えて、それはわずかに浮いているのだ。
 雲を足場にしている以上、膝の痛みなんてなんのその。
「ず、ずる……! なんじゃ、そのずるー!? ええんか、『全日本二宮金次郎選手権』運営委員会! これずるじゃぞー?!」
 だが、『最恐・妖怪ババア』の声は届かない。
 ていうか、却下された。

 何故なら、すでに運営委員会は猟兵たちの味方である。
 多少のことなら目を瞑るのだ。というか、今も普通に目をつむっている。だって、馬具とは言え、馬銜から炎噴出しているのだ。
「この炎は浄化の炎故。燃えるのは骸魂のみよ」
 圧縮された雲を蹴る範。

 それは天高く跳ね上がり、凄まじい速度で互いに走る『最恐・妖怪ババア』にとって驚異的な跳躍であった。
 呪いの力の効かぬナイスミドル。なにそれ素敵、と頬を赤らめている場合じゃあないぞ!
「今だと宙にういておるからな。膝の痛みとかあんまり影響ないのよな……ともあれ、お主の蛮行を見過ごすことはできん。浄化の炎と共に消え失せるのだな――!」
 馬銜から放たれた炎が、浄化の炎となって『最恐・妖怪ババア』を飲み込んでいく。
 
 UDCアースでは後に、燃えるターボババアとして、今回の騒動が都市伝説として語り継がれることになるのだが、またそれは別のお話である――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

董・白
※アドリブや他猟兵との連携はOKです

【心境】
「ごめんなさい。どこからどうツッコめばいいのかわかりません。」
ターボ?婆…
最強の二宮金次郎?
みんな金次郎像なので誰が優勝しても優勝者は金次郎?(混乱中)

【行動】
う~ん。
私は足が遅いので、ここはこの子に乗って疾走しましょう。
宝貝「哮天犬」です。
道術で哮天犬の脚力を強化して追いかけます。
妖怪ババアを発見したら、結界術で障害物を発生させて行動を阻害しつつ、接近します。
みんな楽しんで…楽しい。うん楽しんで走ってるのです。
邪魔をするのはいけないことです。
破魔効果と雷撃属性を纏った雷公鞭を叩きつけます。



 全国の『動く二宮金次郎像』が一堂に会する『全日本二宮金次郎選手権』。
 それは由緒正しい大会であり、フルマラソンを走り切る凄まじい体力と速度が必要とされる。
『ターボ妖怪』であるオブリビオン妖怪『最恐・妖怪ババア』の疾走は凄まじいものであった。
 猟兵の放った炎に巻かれるようにしながら疾走をやめない根性は確かに二宮金次郎たちにも勝るとも劣らないものであったことだろう。
「アチチチッ! だけどこの程度で諦めてなるものか! ワシこそが最速にして最恐! ターボBBAとしての矜持を見せてるんじゃ!」
『最恐・妖怪ババア』は炎を振り払って、フルマラソンを走り続ける。
 そのど根性はすごいと素直に認めるところであったが、董・白(尸解仙・f33242)は部分部分でクローズアップして見てみれば、それが正直な話よくわからないなぁ、と思うのであった。

「ごめんなさい。どこからどうツッコめばいいのかわかりません」
 ターボ? 婆……最強の二宮金次郎? みんな金次郎だから誰が優勝しても優勝者は金次郎?
 ぐるぐるぐるぐると白の頭の中を駆け巡っていくいろんな情報の断片が、彼女の思考を乱すのだ。
 正直言って、神仙へと至るための修行であっても、まだ単純な気さえしてくる。
 二宮金次郎が二宮金次郎で、二宮金次郎が二宮金次郎に。

 彼女の頭の中は二宮金次郎が一人、二宮金次郎が二人と言う具合にスリープシープさながらに回り回って未だ混乱の中にいた。
 けれど、やるべきことはすでに委細承知しているのだ。
「どちらにしたってやることはかわりません。頼みましたよ、宝貝「哮天犬」(パオペエコウテンケン)」
 顕聖二郎真君より借り受けた大空も自在に駆ける黒い狼を召喚し、白はその背に乗る。
 自身の身長の二倍はあろうかという大きな狼と共にターボ妖怪である『最恐・妖怪ババア』に負けないくらいの凄まじい速度でフルマラソン会場を走り抜ける。

 自分の足でなくてもいいのかというツッコミが入りそうな気がしないでもないが、今や運営委員会は猟兵に協力してくれている。
 ユーベルコードだからセーフ。
 そんな理屈でオッケーサインが出ているのだ。
「さらに道術で脚力を強化して……!」
 白の道術によって強化された『哮天犬』が勢いよく大地を蹴って走り抜ける。二宮金次郎たちをごぼう抜きして、『最恐・妖怪ババア』へと迫るのだ。

「小娘がしゃらくさい! 喰らえ、ババアのチョップを!」
 それは瞬間移動したのかと見紛うほどの速度で白の背後へと迫るのだ。
 振り下ろした手刀が白の細い首筋へと振り下ろされる。
 しかし、その手刀は白の張り巡らせた結界術に寄って阻まれてしまう。鈍い音が響き渡り、結界が砕けるも、白は『哮天犬』の首元を握って、手綱を引くようにしながら反転させる。
「みんな楽しんで……楽しい。うん楽しんで走ってるのです。邪魔をすることはいけないことです」

 若干、楽しんでいるのか不安になった。 
 だって『動く二宮金次郎像』である。それぞれに特色があるそうであるが、正直言って白には見分けが付かないし、表情もわからない。
 けれども、きっと楽しいはずなのだ。
 最強を決めるという選手権であっても、きっと彼等は自分たちのアイデンティティを持って、自分が最速であると知らしめるために競っているのだ。うんきっとそうたぶんめいびー。
「だから――! 雷公鞭で、それを邪魔しようとするお婆さん、あなたはここでストオプです!」

 白が振るう雷公鞭の一撃が手刀を放った『最恐・妖怪ババア』にクロスカウンターのように打ち込まれ、その一撃を持って雷撃を叩き込むのだ。
「ほぎゃ――ッ!? アババババッ!? 電気あんまにしたって強すぎッ!?」
 年寄る背には勝てぬまい!
 放たれた雷撃の一撃は、電気マッサージ程優しくはない。むしろ、調子を狂わすであろう。
 白はその一撃を持って、『最恐・妖怪ババア』を打ちのめし、次々と追い抜いていく二宮金次郎たちを見送る。

「きっと邪魔なんてさせはしません。どこからツッコミ入れていいかわからなくっても、それだけはきっと確かなんですから――!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

メイスン・ドットハック
【SPD】
単純に追いつけばいいという話じゃのー?
それなら僕に任せておけば安心じゃのー。ではさっそく行くぞー

キャバリアKIYOMORIに搭乗して、オブリビオンマシン形態「清盛」に変形
ジェットウイングを飛ばし、さらにUC「帝雷を纏いし機竜よ、稲妻となれ」を発動して追加加速してフルスロットルでいく

AIドクトル・アメジストにコースのショートカット、最適な進路を計算して貰い、そこにトレースして操縦できるようにする

ターボ妖怪に追いついたら、肩から凍結誘導ミサイル弾をピンポイントで叩き込み、二宮金次郎を巻き込まないようにする
動きが鈍くなった所で、レーザークローで斬り刻む

ババアは大人しくお茶でも飲んでおけのー



 ターボ妖怪であるオブリビオン妖怪『最恐・妖怪ババア』は炎やら電撃やらでいい塩梅にやられつつも、『全日本二宮金次郎選手権』の優勝を未だ諦めていなかった。
 大きく他の『動く二宮金次郎像』たちから離されてはいたが、未だその速度はおとろえていなかった。
 先頭は譲ってしまったが、未だ此処から大いにまくりあげることは可能である。
「ワシを誰だと思っておる! 『最恐・妖怪ババア』じゃぞ!」
 ものすごい速度で走るターボエンジンどっかに付いているんじゃないかと思わんばかりの速度で持ってフルマラソンのコースを走り抜けていく。

 その速度は普通に戦うにはあまりにも速すぎ、猟兵たちもまたなんらかの対抗手段を講じなければならないほどであった。
「単純に追いつけばいいという話じゃのー? それなら僕に任せておけば安心じゃのー」
 そんな声が転移した世界に響き渡る。
 UDCアースで夜な夜な開かれている『動く二宮金次郎像』によるフルマラソン。その決勝である『全日本二宮金次郎選手権』に降り立ったのは5m級戦術兵器であるキャバリア『KIYOMORI』を駆るメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)であった。
 彼女のキャバリア『KIYOMORI』はジェットウィングを装備しており、空へと舞い上がる。
 凄まじい推進力を伴って飛ぶ姿は、もはやマラソンとまるで関係ないけれど、別に猟兵たちがこのフルマラソンで優勝する必要はない。

『大祓骸魂』の力を弱める『祝祭具』となる優勝者である妖怪をサポートすればいいのだ。
 それゆえに猟兵たちの目標は唯一。
 そう、『最恐・妖怪ババア』の打倒だけである。
「こうなったらもう誰も止められんけーのー!」
 メイスンの瞳がユーベルコードに輝く。
 帝雷を纏いし機竜よ、稲妻となれ(トール・レーゲンブリッツ)と叫ぶユーベルコードの力の奔流は、ジェットウィングにさらなる加速を追加し、竜雷を纏った姿が、夜のUDCアースに疾駆する。

「さらにAIドクトル・アメジストによるショートカット、最適な進路さえあればのー!」
 シュミレートで導き出された最短距離。
 そのショートカットコースを一気にメイスンは『KIYOMORI』と共に飛ぶ。
 すでにマーカーで『最恐・妖怪ババア』を補足しているゆえに、その背中が見えた瞬間に凍結誘導ミサイルを放ち、追い越されつつある『動く二宮金次郎像』たちを巻き込まぬためにピンポイントで襲撃するのだ。
「ぬぅ! 年寄りに冷水をぶっかけるつもりか! ワシを年寄り扱いするな!」
 いや、別にしとらんのじゃけーの、とメイスンは闊達たる言葉を紡ぐ。
 しかし、放ったミサイル弾を躱し、瞬時にメイスンの死角へと瞬間移動したのかと見紛うほどの速度で現れる『最恐・妖怪ババア』。

「もらったぁ! ってなんじゃこのカラクリ!? デカすぎじゃろ!?」
 キャバリアは5m級戦術兵器である。
 その巨大さは妖怪たち的に言えばデイダラボッチ的な大きさである。その巨大さゆえに、手刀を繰り出そうとしても、どこらへんが首か今一わからずじまいであったのだ。
「ババアはおとなしくお茶でも飲んでおけのー」
 ぐるりと機体を反転させたメイスンが『最恐・妖怪ババア』へと向き直り、凍結誘導ミサイルを打ち込む。

「ババアじゃと! ワシはまだまだイケるじゃろうて!」
 ミサイルを躱し、まるでサーカスのように躱し続ける『最恐・妖怪ババア』。
 それを追って『KIYOMORI』がジェットウィングを噴射させて追いすがる。その動きはまさに曲線と直線のカーニバルであった。
 夜空に浮かぶBBAとキャバリア。
 世にも奇妙な光景がUDCアースの夜空に刻まれ、遂にはレーザークローの超高速斬撃の一撃が『最恐・妖怪ババア』へと放たれるのだ。

「悪いことは言わんけーのー! 年寄りはもう寝る時間じゃけー! 若者たちの催しに首を突っ込むのはやめておくんじゃのー!」
 それじゃーの! とメイスンはさらなるレーザークローの斬撃を『最恐・妖怪ババア』に打ち込み、そのよぼよぼながらも凄まじい最恐オーラ纏うBBAを大地へと失墜させるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。

第一『疾き者』唯一忍者にして最年長(50)
一人称:私 のほほん

今住んでいるのはUDCアースなんですけどー。こんなことしてたんですねー。

では、すぐにUC使いましてー。
虎です。厳密には窮奇ですけどー。
ふふ、久しぶりに使いますが、かなり速くなりましてー。
雷に打たれてくださいなー。
ちなみに、止まったら陰海月のパンチがいきますよー?

あ、私は四天霊障にて結界術はってますので、攻撃弾きますねー?
ああ、参加者じゃなくて、余計なものを除きに来た有志猟兵ですからねー?


陰海月、速さについていけないので、義透の影の中で大人しく待機。止まったら、ぷきゅっと触手パンチ。



 レーザークローの一撃によって大地に失墜したオブリビオン妖怪『最恐・妖怪ババア』は未だ走ることをやめなかった。
 何故ならば『ターボ妖怪』であるからだ。
 彼女の存在意義は走り続けることである。
 そう、最速で走り続け、あらゆるものに追いつき併走し、おどろかせる。時には並走した車の運転手を殺してしまうこともあるだろう。
 けれど、今宵競う相手は『動く二宮金次郎像』である。
 彼等は『大祓骸魂』に仇を為す『祝祭具』へと変わるかも知れない存在である。

『大祓百鬼夜行』に連なるものとして、それは見過ごすことの出来ないことであった。
 ゆえに『最恐・妖怪ババア』はひた走る。
 フルマラソンであろうが、なんであろうが走るのだ。
「だーらっしゃー! 細かいことはどうでもいいんじゃ! ワシがてっぺん取ったらぁ!」
 ものすごい形相である。
 最恐にして最強最速の名を我がモノとするために『最恐・妖怪ババア』は走るのだ。

「今住んでいるのはUDCアースなんですけどー。こんなことしていたんですねー」
 そんなのほほんとした声が『最恐・妖怪ババア』の頭上から降ってくるのだ。
 何奴と見上げたさきに在ったのは、翼を生やした虎にまたがる馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の姿であった。
「そらとぶ虎!? なんじゃあ、それはぁ!?」
 その驚きも最もである。
 正確には窮奇と呼ばれる怪物である。『疾きモノ』のユーベルコードに寄って現出した翼の生えた虎は、凄まじ速度で走り続ける。

 それだけではない。
 周囲に弱い雷と言えど雷撃を振りまき続けるのは『最恐・妖怪ババア』としても鬱陶しいことのこの上なかった。
「雷に撃たれてくださいなー。もしかしたのならば、肩こりが解消されるやもしれませんよー」
「んなわけあるかい! ここまで来てやられるわけにはいかんのじゃい!」
 走る『最恐・妖怪ババア』の走りは、ここに来て加速していた。
 猟兵たちの攻撃に寄って減速し、レースの順位を落としていたのだとしても、まさかの巻き返しでごぼう抜きにしてくのだ。

「年の功を舐めるなぁ!」
 放たれた凶悪な攻撃的オーラが噴出して、『疾き者』と『翼の生えた虎』を襲う。しかし、それらは『疾き者』の張り巡らせた霊障の結界によって弾かれるも、砕けていく。
 さすがはBBAである。
 伊達に年は食っていないのである。

「一位は取らせはせんのじゃい!」
「ああ、参加者じゃなくて、余計なものを除きに来た有志猟兵ですからねー?」
 次の瞬間、雷撃まといながら肉薄した『翼の生えた虎』より放たれたのは、『疾き者』の影に潜んでいた影海月の触腕パンチの一撃であった。
 それは不意打ちと言ってもいい程の完璧なタイミングであった。
 高速で走り続ける『最恐・妖怪ババア』にとって、それは躱しようのない攻撃であったことだろう。

「ぷきゅるっ!」
 放たれたパンチの一撃は『最恐・妖怪ババア』の顔面に打ち込まれ、盛大に後方へと吹き飛んでいく。
 若干、『動く二宮金次郎像』の何体かを巻き込んでしまったが、彼等は銅像である。ハチャメチャに硬いのである。
 対する『最恐・妖怪ババア』はオブリビオン妖怪と言えど、BBAである。
 ちょっと心配になるくらいの音を響かせながら、跳ね飛ばされて宙に舞う姿を『疾き者』は、あちゃーという顔で見送る。

「……あまり無理はなさらずにリタイアをされることをおすすめしますよー?」
 なんて声を掛けたけれど、きっと復帰するんだろうなーと他人事のように感じながら、『疾き者』と陰海月はうまいこと妨害できたことを確かめてハイタッチするのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紫・藍
藍ちゃんくんでっすよー!
あやー、元気なおばーさんなのでっす!
いつまでも高みを目指す姿勢は嫌いではないのでっすがー。
金次郎さん達や観客の皆様が楽しみにしていた大会を台無しにしてしまうのは、めっ! なのでっすよー!

というわけで!
藍ちゃんくん黙るのでっす!
(地形も利用した高速移動に加えて、藍ちゃんくんの進行方向にブラックホールを出しては消しの吸引力に依る引きつけ加速もしちゃうのでっす!
おばーさんが見えてきたなら、楽器演奏で背後を気にさせたり、ブラホ吸引によるおばーさんの減速を目論むのでっす!
トドメは敢えての死角を作ってのおびき寄せ&だまし討で移動した途端に設置ブラホにしまっちゃおうなのでっすよー!)



『全日本二宮金次郎選手権』のレースはまだまだ続いている。
 オブリビオン妖怪『最恐・妖怪ババア』は、猟兵に寄る一撃で吹き飛ばされ、後続の『動く二宮金次郎像』たちに跳ね飛ばされながら盛大に宙を舞った。 
 どちゃりと、やーな音を立てて大地に落ちた『最恐・妖怪ババア』は、しかしてしぶとく立ち上がるのだ。
 BBA無理しちゃだめだって思っても諦めないのがフルマラソンであろうと言うように復活を遂げ、走り続けるのだ。
「この程度でワシの走りを止められるものかよ! ワシは優勝するんじゃい!」
 もう目的が若干違ってきているような気がしないでもないが、『ターボ妖怪』たる信念があるのだろう。
 伊達に歳を重ねてはいないのである。

「藍ちゃんくんでっすよー!」
 そんな『全日本二宮金次郎選手権』のライブ会場に紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)のコールが響き渡る。
 サイリウムの輝きが満ちる会場に在りながら、藍の名を呼ぶコールが鳴り止むことはないのだ。
 それに応えるように藍は手を振り言葉を紡ぐ。
「あやー、元気なおばーさんなのでっす! いつまでも高みを目指す姿勢は嫌いではないのでっすがー。金次郎さんたちや観客のみなさんが楽しみにしていた大会を台無しにしてしまうのは、めっ! なのでっすよー!」
 そうだー! と観客たちが声を張り上げる。
 もう会場のボルテージは上がりっぱなしである。藍は頷いて、ライブ会場から飛び出す。

 いつだってにぎやかな藍であったが、押し黙ることは希であった。
 というか、そんな時が片時でもあっただろうか。
 ……ハッ!? もしや、藍ちゃんくんが黙るだなんて世界の終焉なのでは!?(ワールドエンド・サアイレンス)とライヴ会場に嫌な空気が満ちていく。
 けれど、それらを振り払うように藍のユーベルコードが輝く。
 藍ちゃんくんが黙ることで世界に生じた虚。
 それを纏い、高速移動と沈黙の特異点から生じる疑似ブラックホールが全てを飲み込み消し去る吸引力で空間毎加速していく。

 それは凄まじい加速となってライヴ会場から一瞬で『最恐・妖怪ババア』を捉えるのだ。
「なんじゃあ!? いきなり現れよってからに! っていうか、なにそれ!?」
 藍は楽器を演奏しながら、ブラックホールによる加速を得て、『最恐・妖怪ババア』に迫るのだ。
 それまで猟兵たちが散々に妨害したとはいえ、『ターボ妖怪』である『最恐・妖怪ババア』の速度は未だ衰えていない。

 それを猛追するのは、あまりにも非現実的であったし、同時に楽器を演奏しているのもまた拍車をかけていたのだ。
「ブラックホールで吸引なのでっすよー!」 
 がぉんって音がしそうな空気を削り取るブラックホールで藍は『最恐・妖怪ババア』に迫る。
「って簡単にさせるもんかよ! そりゃぁ!」
 一瞬のまぶたを閉じた瞬間、『最恐・妖怪ババア』の姿が藍の視界から消える。
 それはユーベルコードである。
 猟兵である藍の死角を突く手刀の一撃が首筋に迫るのだ。

「そうくると思っていたのでっす!」
 必ず手刀に寄る死角からの攻撃をする。
 それはわかりきっていたのだ。だからこそ、そこにブラックホールを『置いて』いたのだ。
 そう、おびき寄せにだまし討である。
 そして、迫る『最恐・妖怪ババア』がどれだけ疾くても空間を吸い込むブラックホールから逃れるわけはないのだ。

「しばらくブラックホールの中で反省していてくださいなのでっすよー!」
 藍の言葉はもう届いていないであろうけれど、怨嗟の声と共に『最恐・妖怪ババア』は暗闇のブラックホールへと吸い込まれていくのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

姫川・芙美子
ターボばあちゃん…「高速並走型都市伝説」ですね。
あの二宮金次郎さん達と競るとは凄いです。相手にとって不足はありません。
私は産怪。子供の妖怪の総合体。かけっこや鬼ごっこなら負けませんよ。

【鬼事】発動。
「鬼足」の【封印を解き】強化された脚力と妖力でおばあさんを【追跡】。とてとてと可愛く女の子走りで謎の高速走行。都市伝説「100km少女」とは実は私の事です。
にまりと【恐怖を与える】微笑みを浮かべつつ追いすがります。ほぉら、捕まえちゃいますよぉ。
相手が消えた瞬間に【逃げ足】で急加速し死角転移攻撃を回避。ダメですよ。捕まえるのは鬼の役目です。
「鬼髪」を伸ばし捕らえて「鬼手」の【怪力】で攻撃。つかまえた。



 ブラックホールに飲み込まれたオブリビオン妖怪『最恐・妖怪ババア』は、如何ともし難いタイムロスを強いられてしまったけれど、凄まじいオーラを纏ってブラックホールという牢獄を突き破って『全日本二宮金次郎選手権』のレースに舞い戻るのだ。
 凄まじい執念というほか無い。
「ワシが一番なんじゃ! レースである以上、それが『最恐・妖怪ババア』であるワシの存在意義! どれだけ離されていても、このターボがあればなぁ!」
 猛追に次ぐ猛追である。
 どれだけ引き離されても諦める事を知らないかのように、追いつき追い越せ引っこ抜けである。
 走れ、走れ、BBA!
 ちょっと応援したくなってきてしまうのは気のせいだろうか。

 しかし、このフルマラソンで『最恐・妖怪ババア』を優勝させるわけにはいかないのだ。
『大祓骸魂』を弱めるためには、どうしてもこのフルマラソンの優勝者が『祝祭具』となって力を削いでもらわねばならないのだ。
「ターボおばあちゃん……『高速並走型都市伝説』ですね。あの二宮金次郎さんたちと競るのはすごいです……」
 姫川・芙美子(鬼子・f28908)は凄まじい追い上げを見せる『最恐・妖怪ババア』の走りに驚嘆こそすれ、彼女を止めることを躊躇うことはしなかった。

「ですが、相手にとって不足はありません。私は『産怪』。子供の妖怪の総合体……」
 ならばこそ、かけっこや鬼ごっこで負ける道理などないのだ。
 芙美子の瞳がユーベルコードに輝く。
 鬼事(オニゴッコ)とはすなわち、彼女の得意分野を更に伸ばすものである。
 これはフルマラソンであるが、芙美子たち猟兵は違う。
 そもそもがフルマラソンで優勝することが目的ではない。『最恐・妖怪ババア』を優勝させないことが最大の目的であればこそ、これはすなわち鬼ごっこである。
 逃げる者があり、追う者がある。

 その一点に置いてのみ、芙美子は『ターボ妖怪』である『最恐・妖怪ババア』の速度を上回る加速を見せるのだ。
 とてとてと見た目は女の子走りである。
 正直早そうに見えない。
 けれど、現実は違う。あんな走り方なのに、凄まじい速度で走る『最恐・妖怪ババア』に追いついているのだ。
「だにぃ!? なんでそんなフォームで追いついとるんじゃ!?」
「都市伝説『100km少女』とは実は私のことです」
 えっ、嘘まじで!? と近くを走っていた『動く二宮金次郎像』たちが驚愕している。え、そんなに有名なの?

 芙美子こそが、『100km少女』であるというのならば、『最恐・妖怪ババア』に追いつくのもまた道理であったことだろう。
 にまりと微笑むのもまたちょっと怖さを際立たせる。
「ほぉら、捕まえちゃいますよお」
「しゃらくさい! 小娘がワシのように年季のはいった走りができるかえ! どっせい!」
 それは見事なカットバックドロップターンである。
 いや、何言ってんのかわからんけど、そう形容するしかないほどに見事な死角を突いた瞬間移動であった。

 芙美子の背後を完璧に取った『最恐・妖怪ババア』の手刀が迫るのだ。
 振り下ろされ、確実に芙美子こと『100km少女』を大地に沈めようとした手刀は果たして、芙美子を捉えることはなかった。
「だめですよ、捕まえるのは私の役目です」
 背後を完全に取ったと思った『最恐・妖怪ババア』の体に鬼髪が絡みつく。それは芙美子の操作する髪であり、凄まじい強度でもって『最恐・妖怪ババア』の体を拘束し続けるのだ。
「ほら、捕まえたあ」
 にんまりと微笑んで、芙美子は己の『鬼手』を振るう。

「ほぎゃ!? 老人じゃぞ、こっちは! 年長者は敬うもんじゃろ? そうじゃろ!?」
 慌てる『最恐・妖怪ババア』。もうなりふりかまっていなかった。
 完全に捕らえられたら走るどころではないのだ。けれど、芙美子は微笑んで言うのだ。
「はい、ですから、おばあちゃん、お肩をトントンいたしましょう」
 凄まじい怪力で始まる孫の肩たたき。
 芙美子は子供の妖怪の総合体。
 ならばこそ、おばあちゃんにすることと言ったら一つである!

「ぎぃやぁ――!?」
 まるで釘を大地に打ち込むみたいに芙美子は鬼手でもって『最恐・妖怪ババア』を地面にめり込ませるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
音声のみの実況中継では大変ややこしくなりそうなレースですね
ああ、大会運営委員の腕章などは御座いますか?

UC装着し飛翔し並走

お楽しみの最中失礼いたします、マダム
このレースは二宮金次郎限定のレース
レギュレーション違反である以上、貴女は出場資格をお持ちでないのです
どうかこの若輩者を助けると思って、観覧席へお戻り頂けませんでしょうか?

攻撃を回避

さて、騎士としてご婦人への義務は果たしましたので
お引き取り願います

横スピンからの怪力大盾殴打でコース外へ弾き飛ばし
素早くレーザー照準ロックオン
重力波で大地へ叩き付け
急降下し全備重量乗せた大盾殴打で地面とサンド

…年齢を重ねればそれ相応の振舞いをして頂きたいものです



『全日本二宮金次郎選手権』は益々持ってヒートアップしていた。
 どの『動く二宮金次郎像』が勝利を収めるのか、観客たちも実況も固唾を呑んでいた。
 しかし、そこに現れる闖入者がいる。
 そう、オブリビオン妖怪『最恐・妖怪ババア』である。
 猟兵達によってレースから取り除かれんと攻撃を受けてもなお、彼女は不死鳥のごとく蘇っては首位奪還を狙うのだ。
 地面に肩たたきでトントンされてめり込まされても、這い上がって凄まじい速度で走り抜けるのだ。
 ある意味、フルマラソンの実況としてはドラマティックそのものであったが、残念なことに猟兵達はこれを阻止しなければならないのだ。
「猟兵がナンボのもんじゃい! 年寄りは敬うべきじゃろうて! こんなヨボヨボ婆さんが、並み居る二宮金次郎たちをぶっちぎって勝利してこその撮れ高じゃろがい!」
 いや、そういう話ではないのだけれど。

「音声のみの実況中継では大変ややこしくなりそうなレースですね」
 トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は大会運営委員の腕章を身につけ、戦機猟兵用重力制御兵装装備型強化ユニット(エクステンションパーツ・タイプ・グラビティ)を纏い、フルマラソンのレースの最中であるコースに飛ぶ。
 重力、慣性制御機構を備えた追加装備は、トリテレイアを凄まじい速度で飛翔させる。

「お楽しみの最中失礼致します、マダム」
 トリテレイアは機械騎士である。
 相手がオブリビオン妖怪であろうと、よぼよぼしわしわのおばあちゃんであろうと、関係ないのである。
 騎士道とはすべからく女性に対しては紳士であらねばならぬのだ。
 だからこそ、凄まじい速度で並走し続け、『最恐・妖怪ババア』に呼びかけるのだ。
 ものすごい凶悪なオーラを纏いつつ疾走するおばあちゃんならぬマダムは、くわっ! と目を見開き機械騎士を見やるのだ。
「なんじゃい!」
「このレースは二宮金次郎限定レース。レギュレーション違反である以上、貴女は出場資格をお持ちではないのです。どうかこの若輩者を助けると思って、観覧席へお戻りいただけませんでしょうか?」
 迫る攻撃的オーラを躱しながら、トリテレイアは慇懃無礼に伝えるのだ。

 彼にとって、マダムはマダムである。
 平和的に解決できるのであれば、それにこしたことはない。だからこそ、最初に言葉を尽くしたのだけれど、それは『最恐・妖怪ババア』には通じないようであった。
「レギュレーションだかレギュレーターだか、イレギュラーハンターだか知らんが! レースをしている以上ワシの出番じゃろうがい! ターボ妖怪の威信を掛けたフルマラソンにワシが出ないでなんとするんじゃ!」
 あくまで拒絶である。

 ならばこそ、トリテレイアは息を吐き出すようにアイセンサーを点滅させた。
「さて、騎士としてご婦人への義務は果たしましたので、お引取り願います」
 一瞬の交錯。
 重力制御兵装装備型強化ユニットを横スピンさせ、ユニットの遠心力を利用した大盾の殴打でもって『最恐・妖怪ババア』を強制的にマラソンコースから除外し、トリテレイアは追う。
「ごへぇっ!? いきなりんじゃ! ワシは年長者やぞ!」
「……年齢を重ねれば、それ相応の振る舞いをして頂きたいものです。それが歳を重ねるということであると思うのですが……マダム!」
 素早くレーザー照準でロックオンされた重力波が『最恐・妖怪ババア』に照射され、その体を大地に縫い付けるのだ。

 しかし、噴出する攻撃的オーラが重力波をも打ち破って、トリテレイアに迫るも、大盾で防ぎながら空より舞い降りる巨大なユニットごと全重量を乗せた渾身のシールドバッシュが炸裂する。
「名付けるのならば、隕石落としとでもしましょうか――!」
 放たれた大盾と機体重量をもって、質量兵器と化したトリテレイアは『最恐・妖怪ババア』を再び大地へと釘付けにし、めり込ませるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルクス・アルブス
【勇者パーティー】

薪を背負ってアピールに余念のない人vs『ターボ妖怪、最恐・妖怪ババア』ですか。
どうやって追いつきましょうか……って、え?

ピアノの上ですか……乗り物!? 師匠まさか!?

しーしょー!?
この『ぶっぱ悪魔『最強・悪魔ババア-!』
わたしのピアノになにしてくれるんですかー!?

先頭にはたてましたけど、
ピアノ、音出なくなっちゃったじゃないですか!

こうなってはしかたないですね!
サージェさんの落とし穴に向かって、ライブ演奏です!
楽器の正しい使い方を見せておかないと、子供の教育にバッドです!

【協奏曲第一番】で、同時に攻撃と回復です!

あ、あれ?
サージェさん、シャインさん、それは酷くないですか!?


シャイン・エーデルシュタイン
【勇者パーティ】
「『全日本二宮金次郎選手権』ですか。
ここはパーティメンバーから『お前は委員長か』と言われている私が、選手権実行委員会の委員長として、不正参加している妖怪を取り締まらなければなりませんね。
さあ、フィアさん、先頭集団まで一気にお願いします」

ええ、走っている相手に追いつくには、コースをショートカットして飛んでいくのが一番です。

「今です、サージェさん、落とし穴で不正参加者を足止めしてください。
私は裁きの光で攻撃します。
ルクスさんも攻撃……って、そ、それはっ!?」

ルクスさんのあまりに下手な音楽に頭を押さえて倒れ込んでしまい。

「ルクスさん。
あの不正参加者を捕まえたらお説教ですからね」


フィア・シュヴァルツ
【勇者パーティ】
「ふむ。長距離を走るブロンズゴーレムやアンデッドに追いつく足が欲しいとな。
ならば、我の魔法に任せておくがよい」

ルクス、サージェ、シャインよ。ルクスのグランドピアノに乗るがいい。

「楽器とは――乗り物だっ」(くわっ

ピアノを【竜滅陣】で吹き飛ばし、乗っている3人を一気に走っている一団の先頭まで送り届けてやろう!

「うむ、勢いよく飛んでいったな。
我、今回もいい仕事した」

それにしても、我が直接赴かずに済んでよかったぞ。
老人会に強制加入とか言われたら、我、そんな年じゃないと言ってキレるからな?
不死身の我は永遠の美少女。年は取らないのだ。
腰痛や胸の重さによる肩こりとは永遠に無縁なのだよ!


サージェ・ライト
【勇者パーティー】
なるほど全日本二宮金次郎選手権
えっ?なにごと?

とにかくターボお婆ちゃんを止めないと!
どうやって…フィアさん何かいい案が?
ふむふむ?
ルクスさんのピアノの上に乗って?
って何してんのこのぺたん魔女ー!?(【VR忍術】どれだけ離れていても声が届く非難の術)

まったく!
でも敵影捕捉です!
参ります!【VR忍術】重力ハンマー付き落とし穴の術!
説明しましょう!
この術は飛び越えようとした瞬間
上から重力ハンマーが降ってくるので
必ず落ちるのです!

では後はシャインさんとルクスさんに攻撃お任せ…ごふっ!?(演奏聞いた
し、シャインさん、後は、任せました…(がくっ

※アドリブOK



 勇者パーティは四人組である。
 つい最近まで三人組であったけれど、悪霊として復活を遂げた委員長ことシャイン・エーデルシュタイン(悪霊として蘇ったクレリック・f33418)が加わったことに寄って四人組に再結集したのだ。
 一時はツッコミ役不在でサージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)は全くと言っていいほど忍べていなかったが、これで解消されたようであった。いや、元からそんなに忍べておらんじゃろっていうツッコミは野暮である。
 クノイチなんだから忍べてないはずがないだろいいかげんにしろ!
 とは言え、シャインは難しい顔をしていた。
「『全日本二宮金次郎選手権』ですか。ならば、私が選手権実行委員会の委員長として、不正参加している妖怪を取り締まらなければなりませんね」
 とても良い顔をしている。
 使命感に溢れた勇者パーティを導かんとするクレリックとして申し分ない顔である。いや、悪霊だけど。

「お前は委員長かッ!」
 と言葉に出しそうになったフィア・シュヴァルツ(漆黒の魔女・f31665)は言葉を飲み込んで現状を把握する。
 多くの猟兵達によってターボ妖怪こと、オブリビオン妖怪である『最恐・妖怪ババア』はフルマラソンのレースから大きく遅れている。
「ふむ。長距離を走るブロンズゴーレムやアンデッドに追いつく足がほしいところだな」
「薪を背負ってアピールに余念のない人VS『ターボ妖怪、最恐・妖怪ババア』、ですね」
 フィアの言葉を翻訳したのは、ルクス・アルブス(『魔女』に憧れる自称『光の勇者』・f32689)であった。

 オブリビオン妖怪を排除するにしても、どうにかして追いつかなければならない。それほどまでの速度なのだ。
「どうやって追いつきましょうか……」
「ならば、我の魔法に任せておくが良い」
 我大魔術師ぞ? とフィアが得意満面な顔をしている。こういうときって大抵ろくなことにならないよなーってわかりそうなものであるが、勇者パーティは仲良しである。
 仲間を信頼することこそが力であると掲げていてもおかしくないのである。きっとそうなのである。
「では、フィアさん、先頭集団まで一気にお願いします」
「うむ。ルクス、サージェ、シャインよ。ルクスのグランドピアノに乗るがいい」
 ――んん?

 なんで?

 そんな疑問を持っても素直にグランドピアノの上に乗る三人。ちょっと素直すぎないかな。
 シャインに至っては、まるで疑問に思っていないし、なんならそのとおりですみたいなかおをしている。
 サージェはとにかくターボおばあちゃんを止めなければと言う強い意志があったし、ツッコミ役をお役御免したから油断していたのかも知れない。
「ふむふむ? ルクスさんのピアノの上に乗って?」
「楽器とは――乗り物だっ」
 くわっ。
 一部の方々からものすごい批判が来て炎上間違いなしな発現であったが、ここカットね。書いた記者はコレだから。

「師匠まさか!?」
 ルクスが気がついた時はもう遅い。
 フィアの瞳がユーベルコードに輝き、その剣呑たる大魔術を行使するのだ。すんごい早かった。
 今までで一番詠唱早かったんじゃないかってくらい早い発動であった。
「漆黒の魔女の名に於いて、我が前に立ち塞がりし全てを消し去ろう――竜滅陣(ドラゴン・スレイヤー)!」
 放たれた大魔術の一撃がまるでブースターのようにグランドピアノを押し上げる。

「って何してんのこのぺたん魔女ー!?」
「しーしょー!? この『ぶっぱ悪魔『最強・悪魔ババアー!』 私のピアノになにしてくれてるんですかー!?」
 サージェとルクスは口々に罵った。いやまじでなにしてんだと言うくらいの殺人的な加速で持ってグランドピアノが空を飛ぶ。
 そらとぶグランドピアノ。
 なんか邦画のタイトルでありそうよね。

 しかし、そのぶっぱのおかげで大幅にマラソンコースをショートカットできたのは、僥倖と呼ぶべきであろうか。
「うむ、勢いよく飛んでいったな。我、今回もいい仕事をした」
 ふぃーと汗を拭う感じで、良い仕事した感を演出するフィア。
 そんな彼女を知り目にグランドピアノは飛びに飛んだ。
 その上でシャインはさすがです、と何か得意げであった。走っている相手に追いつくにはコースをショートカットして飛んでいくのが一番である。
 やり方はなんていうか、こう、脳筋であったけれど、間違いのない方法であったことは間違いない。

「それにしても我が直接赴かんで良かったぞ。老人会に強制加入とか言われたら、我、そんな都市じゃないってキレるからな?」
 いやぁ、お年寄りはみんなそういうんスよ。
 年寄り扱いすんな! つってね! けれどフィアは不死身であり、永遠の美少女である。年は取らないのだ。そう、腰痛や胸の重さによる肩こりとは永遠に無縁なのだ!
 言っててちょっと悲しくなるが、まあ、それでいいのだ! だってフィアだからね!

 ぶっぱによるブースターで飛翔するグランドピアノ。
 その上で指示を出すシャイン。
「今です、サージェさん、落とし穴で不正参加者を足止めしてください」
「まったく! でも敵影補足です!」
 サージェの瞳に映ったのは、先行した猟兵によって大地にめり込まされたオブリビオン妖怪『最恐・妖怪ババア』の姿であった。
 なんとかめり込んだ大地から抜け出して、ぜーはー言っている姿が忍びないけれど。まあ、私クノイチですから、とサージェはユーベルコードを発動させるのだ。
「メモリセット! チェックOK! 参ります! VR忍術(イメージスルノハカッコイイワタシ)、重力ハンマー付き落とし穴の術!」
 もう術の名前からしてわけわからん。
 ルクスはグランドピアノの音がでないことに涙目になりつつ、シャインは司令塔として、未だ、サージェサン! みたいなどこかのタキシードな仮面みたなノリでいる。

 だから、サージェが説明するのだ。
「説明しましょう! この術は飛び越えようとした瞬間、上から重力ハンマーが降ってくるので必ず落ちるのです!」
 説明要るかな!? それ!
「なんじゃ!? ようやく抜け出したと思ったら、上からハンマー!? どこのアクションゲームぴこぴこじゃい!」
 自分が埋まっていた穴に再び叩き込まれた『最恐・妖怪ババア』。
 最早この時点で彼女の優勝はなかった。けれど、まったくもって容赦しないのが、猟兵たちである。
「トドメは私の裁きの光――ジャッジメント・クルセイドで……」
 ルクスさんも、あわせてとシャインが言う横でルクスの瞳が輝く。

 グランドピアノはだめになってしまったけれど、ユーフォニアムがまだあるのだ。 そう、協奏曲第1番(キョウソウキョクイチバン)はここからである。
「こうなっては仕方ないですね! ライブ演奏です! 楽器の正しい使い方を見せておかないと子供の教育にバッドです!」

 むぅむむむむむ、むむむむむー!

 不協和音である。
 これ以上の説明のしようがないほどの不協和音であった。子供の情操教育に悪いというのであれば、この不協和音こそが最たるものであったことだろう。
 耳をつんざく不協和音。
 不協和音が不協和音を連れてやってきてステップを踏むような耳が不孝になるたぐいの音。
 不協和音って何回言うんだっていうくらいに不協和音。
「し、シャインさん、後は、任せました……」
 がふっ、とサージェが倒れ伏す。
 あまりの不協和音にがっくりと彼女はグランドピアノの上に倒れ伏す。『最恐・妖怪ババア』も同様である。

 あの元気なオバアはどこに行ったんだと言うくらいにがっくり膝をついている。
 続く不協和音。
 それはもう大変にたいへんん惨状であった。
 二宮金次郎たちが先に行っていてくれてよかった。これでは彼等も巻き込んでいた。
 シャインもまたいつもの余裕さはなく、頭を抑えて倒れ込んでしまう。
「あ、あれ!? サージェさん、シャインさん、それはひどくないですか!?」
 倒れ込む敵ならまだしも、味方まで倒れ込んでいる現状にルクスはおろおろしている。
 まさか自分の演奏でこんなことになるなんて微塵も思っていなかったのだろう。

 いつだって純粋さが善良であるとは限らないのだ。
 良かれと思ってやったことが裏目に出ることだってある。不協和音が呼ぶ不協和音に『最恐・妖怪ババア』は追い抜かれるというスピード勝負以前に、大変に教育に悪い戦慄で持って滅ぼされるのだ。
「ああ――、今度は耳栓持ってくる、べきじゃったの、ぅ……!」
 断末魔の叫びとともに消滅していく『最恐・妖怪ババア』。
 それは勝負に敗れるという消滅ではなく、耐え難い不協和音から逃げたいという一心であったことだろう。

 恐るべきはルクスの演奏技術である。
 オブリビオンを滅ぼすほどの演奏。それは褒められたことであったけれど……。
「ルクスさん、後でお話がありますから。お説教ですから」
 シャインの言葉にルクスはなんで!? と顔を引く付かせる。
「ルクスの演奏は、まあ、そのぉ、独創的じゃからなー我も一目置いておる」
 うんうんと遅れてやってきたフィアがしたり顔である。
 全部わかっててやったな感がひどいとサージェが恨めしそうにしている中、ルクスだけが、ひどくないですか!? と叫ぶ声がゴールの空砲となって、『全日本二宮金次郎選手権』の閉幕を告げるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月27日


挿絵イラスト