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見えざる闘技場に、また一人の妖怪が姿を現す。
着崩した着物に流れるような黒髪、その美しさと両立するように構えられた大太刀『三途丸』。
刀を堂々と構えるその女は、剣の鬼であった。
「さあ、楽しい殺し合いの時間だね。親分にも頼まれたし、思う存分やらせてもらおうか!」
獰猛な笑みを浮かべつつ、剣鬼もまた挑戦者を待ち構える――。
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「どうもっす! またしても『見えざる闘技場』へカチコミの案内っすよ!」
どこか物騒な言葉と共に、雨谷・境(境目停留所の怪・f28129)がニカッと笑みを浮かべる。またしても大祓百鬼夜行の案内らしい。
「今回の対戦相手は剣鬼『彼岸花のおゆう』っす。彼女は名前の通り大太刀で戦う鬼の剣士っすね。新し親分から『デュエリストブレイド』のカードは貰ったらしいっすけど、TCGとしての対戦より普通の戦闘の方が楽しい! と勝負を挑んでくるっすよ。けど貰ったものは有効活用したい、と鬼の怪力でカードを投げてくるっす。無闇矢鱈な弾幕というよりは、一発一発が重めの攻撃をしてくるんで注意が必要っすよ」
おゆうが投げるカードの威力は凄まじい。
矢のように放たれたカードは岩をも砕く威力ではないか……と境は推測しているようだ。
「勿論気をつけるべきはカードだけじゃないっす。彼女の大太刀『三途丸』の威力だって当然すごいっすよ。その上、彼女は血を操ったり血の味を覚えたりと色々多芸な感じっす。対策は色々必要だからこそ、全力でぶつかって欲しいっすよ!」
遠距離からはカードや血で作られた斬馬刀による攻撃を。
近距離まで迫れば『三途丸』による斬撃や鬼の左手による攻撃を。
どの距離だろうとおゆうは堂々と立ち回り、猟兵達を攻撃してくるはずだ。
「苛烈な攻撃をどうにか掻い潜って、戦いに勝利してきて欲しいっす。今回も大変な依頼だけど応援してるっすよー!」
ぶんぶんと手を振りつつ、境は猟兵達を見送る準備を整えた。
ささかまかまだ
こんにちは、ささかまかまだです。
そもそもどうして妖怪達はカードを投げようと思ったんでしょうね。
●プレイングボーナス
カードの弾幕に対処する。
今回は「多数のカードがぶわっと迫る」というよりは「重い一撃がしばしば飛来する」という感じです。
おゆうは遠距離攻撃の一環としてカードを投げつけてくるようです。
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敵は通常のユーベルコードに加え「カードを武器として投擲する」という攻撃を行います。
投擲されるカードは攻撃力は切れ味の鋭い刃物相当、耐久力は紙のカードそのままです。
うまく対処しつつキョンちゃん達と戦いましょう。
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オープニングが出た時点でプレイングを受付開始します。断章の追加はありません。
今回はサポート様の力も借りつつ早期完結を目指す予定です。
システム的に締め切るまではプレイング受付中ですので、お気軽にご参加下さい。
シナリオの進行状況などに関しては戦争の詳細ページ、マスターページ等も適宜確認していただければと思います。
また、プレイングの集まり次第で不採用が出てしまうかもしれません。ご了承下さい。
それでは今回もよろしくお願いいたします。
第1章 ボス戦
『剣鬼『彼岸花のおゆう』』
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POW : 悪鬼剣『彼岸花』
【血を滴らせた大太刀『三途丸』】が命中した対象を切断する。
SPD : 悪童の爪
【鬼としての力を解放した左手】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【血の臭いと味】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ : 鬼神妖術『羅生門』
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【血で作られた紅の斬馬刀】で包囲攻撃する。
イラスト:tel
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ガイ・レックウ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ニクロム・チタノ
うん、まともに戦うのが一番だよ!
決闘前にボクの真の名を明かそう
ボクの真の名紅明日香の名を以て
チタノヤタテ降臨
うん、二対一じゃないかって?
チタノはボクと一心同体だから気にしないで
遠距離からくるカードは蒼焔の盾で血の斬馬刀は八つの重力槍を開放して重力領域を展開することで防ぐよ
接近して攻撃を【受け流し】からの【カウンター】で反撃だよ
●
彼岸花のおゆうは猟兵達と命のやり取りがしたいらしい。
そんな彼女の元へ姿を現したのはニクロム・チタノ(反抗者・f32208)だった。
チタノは『反抗の妖刀』を構え、堂々とおゆうの前に立つ。
「その刀……真剣勝負をやろうっていうのかい? いいじゃあないか!」
「うん、まともに戦うのが一番だよ! さあ、ボクと決闘だ!」
二人の剣士が揃ったのならば、切り合うのが道理というもの。二人はそれぞれの得物を構え、静かに呼吸を整える。
「あたしは彼岸花のおゆう、剣の鬼さ」
「ボクの名は……真の名は、紅明日香! この名を以て、チタノヤタテ降臨!」
ニクロムが名乗りをあげた瞬間、彼女の胸に刻まれた『反抗の印』が眩く輝く。
すると――そこから、守護竜チタノヤタテが姿を現したのだ。
「おっと、決闘だっていうのに仲間を呼ぶのかい?」
「チタノはボクと一心同体だから気にしないで。二人で戦うのがボクらだから」
最初は訝しげな顔をしていたおゆうだが、ニクロムの言葉が素直だったことやチタノから漂う気配を感じ、それ以上は何も言わなかった。
むしろ――相手が何者であれ、斬り合えるのなら剣の鬼としては十分なのだ。
「そこまで言うなら分かったよ。けれど……あたしは一切容赦しないよ!」
「望むところだ! 行こう、チタノ!」
両者は一歩も譲ることなく、闘技場の中を駆け始める。決戦の始まりだ!
チタノの能力は未知数だが、ニクロム自身の得物は間違いなく刀だろう。
そう判断したおゆうは、まず遠距離攻撃で攻めることにしたようだ。
「鬼神妖術……『羅生門』!」
おゆうの周囲から禍々しい気配が溢れたかと思えば、そこから姿を現したのは無数の紅の斬馬刀だ。
斬馬刀は次々に闘技場の中を飛び回り、そしてニクロムの方へと迫りくる!
「ッ! チタノ、力を貸して!」
ニクロムが叫ぶと同時に、チタノが生み出したのは八つの蒼焔の盾だ。
盾は二人を護るように展開されると、次々に迫る斬馬刀を撃ち落としていく。
けれど敵の攻撃はこれで終わりではない。斬馬刀に紛れるよう、超速のカードも投げ込まれているようだ。
「チタノ、今度は重力槍を!」
守護竜はすかさず重力領域を展開し、カードの速度を緩めていく。
これで敵の攻撃は無力化できた。チタノの加護を信じながら、ニクロムは真っ直ぐに敵との距離を詰める。
まさか彼女がここまで真っ直ぐ向かってくるとは思わなかっただろう。おゆうの反応が一手遅れた瞬間を見定め――。
「これがボク達の力だ!!」
ニクロムが刀を一閃すれば、その一撃は見事におゆうを切り裂いたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
夜刀神・鏡介
デュエル……つまり決闘か。俺も一介の剣士だし、刀と刀の決闘なら望む所だが、カードを投げるとは
いや、使える物は何でも使って勝ちにいくってのは戦闘として正しいし、そんな無粋な事を……とは言わないけれど
それはそれとして、ゲームのカードを武器にしようって考え自体はおかしいと思う
鉄刀を抜いて、弐の型【朧月】の構え
まずはカードの投擲を弾いてから一気に接近。近接戦に持ち込めばカードは投げてこないだろう
敵の攻撃を落ち着いて見切り、刀で受け流して反撃の一閃
特に左手による攻撃は確実に弾いて、敵のユーベルコードが充分な効果を発揮できないように注意して立ち回る
最初から剣一本で攻めてきたら、勝負はわからなかったかもな?
●
「デュエル……つまり決闘か」
依頼の概要を思い返しつつ、夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)もまた見えざる闘技場の中を進んでいく。
そして開けた地点まで辿り着けば――剣の鬼が、鏡介を出迎えた。
相手の得物は血塗られた大太刀だ。剣士である鏡介からしてみれば、刀と刀の決闘なら望む所だろう。
「そちらは剣鬼……けれど、カードも投げてくるのか」
「気に食わないのかい?」
「いや、使える物は何でも使って勝ちにいくってのは戦闘として正しいし、そんな無粋な事を……とは言わないけれど」
鏡介は鉄刀の柄に手を触れて、おゆうの方をじっと見据える。その瞳には確かな意志の光が宿っていた。
「それはそれとして、ゲームのカードを武器にしようって考え自体はおかしいと思う」
「そうかい? これはこれで便利なんだがね……喰らってみればあんたも分かるはずさ!」
おゆうも大太刀と共にカードを構えた。戦いの始まりはもうすぐだ。
相手が実力で示してこようとするのなら、こちらも堂々と立ち向かうだけ。鏡介も鉄刀を抜くと、静かに弐の型【朧月】の構えを取った。
「そうさね、まずはカードの力を見せてやろうか!」
先に動いたのはおゆうの方だ。彼女は禍々しい左手でカードを構えると、礫のように鏡介の方へと投げつけていく。
確かに飛来するカードの速度はかなりのもので、紙で出来ている物体とは思えない威力が出ているだろう。
けれど――守りと返しに特化した弐の型ならば、対処出来ない程でもない。
小さく息を吐きながら、鏡介は次々に刀を振るう。その刃は迫るカードを弾き飛ばし、進むべき道を切り拓いていく。
(近接戦に持ち込めばカードは投げてこないだろう。だから……!)
迫るカード弾幕を一通り撃ち落とし、鏡介は力強く地を蹴飛ばす。
その勢いで彼の身体が大きく飛び出れば、おゆうは嬉しそうに大太刀を振り上げた。
「いいねぇ勢いがあって! けれど忘れちゃいけないよ、あたしは剣鬼さ!」
「……確かにそちらの剣の腕は素晴らしいんだろう。だが……」
鏡介はおゆうの発した言葉の真の意図を理解していた。あの言葉は――ブラフだ。
すぐに鉄刀を自身の右へと構えれば、そこに叩き込まれたのは鬼の左手だった。
おゆうは大太刀に意識を向けさせ、左拳による殴打を狙っていたのだ。
「チッ……見切られてたかい!」
「最初から剣一本で攻めてきたら、勝負はわからなかったかもな?」
次は純粋な刀同士の試合をしてみたい。そんなことを考えつつ、鏡介は静かな一閃を放つ。
その鋭い斬撃は、おゆうの骸魂を確かに削っていった。
大成功
🔵🔵🔵
マリア・ルート
こういうタイプの方が『まだ』わかる気がしていいわよね。わけがわかんないけど武器として使えそうだしとりあえず利用する的な。
(二重の意味で)決闘、望むところよ。
早いうちから指定UCを使用。
(早業)(範囲攻撃)(弾幕)で相手のカードに対抗しつつ相手の動きを妨げるように戦う。カードが飛んで来たらなるべく早く武器で防御するか破壊するけど、自分にどうしても当たりそうな分は武器を周囲展開して(オーラ防御)を重ねて防御。
(野生の勘)でタイミングを見極めて相手に肉薄をしかけ、手刀などでカウンター狙いをした後、怯んだところで武器を一斉にぶち当てに行くわ!
生憎カードじゃないけど、これが私の飛び道具よ!
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猟兵達から傷を刻まれつつも、おゆうは未だカードを構えて立ち向かおうとしているようだ。
そんな彼女の様子を見遣り、マリア・ルート(紅の姫・f15057)は小さく笑みを浮かべる。
「こういうタイプの方が『まだ』わかる気がしていいわよね。わけがわかんないけど武器として使えそうだしとりあえず利用する的な」
自分も様々な武器を使って立ち向かうタイプだからだろうか。マリアはおゆうのことを好意的に見ているようだ。
そんなマリアに対し、おゆうもニカッと笑みを向けている。
「おう、分かってるじゃないか。あんたも決闘、しに来たんだろう?」
「ええ。決闘、望むところよ。二重の意味でね」
おゆうがカードと大太刀を構えたのならば、マリアも無数の武器を自分の周囲に展開していく。
さあ、激しい弾幕勝負の始まりだ。
事前に説明は聞いていたものの、おゆうのカード弾幕は想定以上の威力だった。
飛来するカードが頬を掠めるだけで心の臓が竦み上がってしまいそうだが、マリアは決して敵から目を逸らさない。
「血見猛猟・百器野行……銃火器類はカードの狙撃に集中! 近接武器は敵の方へどんどん向かっていって!」
指揮官のように展開した武器達に指示を飛ばしつつ、マリアは少しずつ機を待った。
下手に踏み込むのだって危険だろう。生半可な武器では鬼の大太刀に立ち向かえるかは怪しいのだから。
けれど相手のカードも無限ではないだろう。そう信じ、マリアは迫る弾幕への対処に意識を向ける。
銃弾で撃ち落とせないカードがあれば、大きな剣を盾にして身を守る。少しでも損傷を減らすことが肝心だ。
そうしていけば――少しずつ、相手の攻撃は弱まっていく。
「……今ね!」
直感的にチャンスを感じ取り、マリアは一気に闘技場の中を駆けていく。
それでも迫るカードはルートブレイドでどうにか切り払い、決して足を止めることなく前へ前へ。
おゆうもマリアの接近を感じ取り、大太刀を構えたが――。
「私の武器を舐めないことね!」
「何だい!?」
咄嗟に撃ち込んだ銃弾が、おゆうの動きを大きく制限する。
その瞬間にマリアは敵の懐へと飛び込んで、思い切り手刀を叩きつけた。
衝撃でおゆうの身体が傾けば――あとは一気に決めるだけ!
「生憎カードじゃないけど、これが私の飛び道具よ!」
先程までは防御に回していた銃火器を自身の周囲に呼び寄せ、そしておゆうに向けての一斉掃射。
凄まじい勢いで放たれた弾の雨が、邪悪な骸魂を穿っていったのだ。
大成功
🔵🔵🔵
影山・弘美
「血を操ったり、血の味を覚えたり……なんだか吸血鬼みた」(スコン!)
物思いにふけってる最中に、投げつけられたカードが額に突き刺さってあっさり気を失う
そして、流れ出た血からもう一人の自分が現れてからが本番
「いくら何でも早すぎでしょ……ま、血に狂った鬼程度なら、何とでもなるわ。本当に血を操る者の力を見せてあげる。」
カードを投げられても刀で斬られても、血で出来た肉体は損傷が血煙となって吹き飛ぶだけ
刀は血まみれなら、その血を吸収すれば再構築は難しくない
ふわりと優雅に近づいて抱き留めて、美味しそうな首筋に牙を突き立てよう
「骸魂は初めてね……どんな味かしら?」
残らず吸い取ろう、元の妖怪に戻るまで
●
此度の対戦相手は剣士としても優れているようだが、同時に鬼としての性質も強く有しているらしい。
ダンピールである影山・弘美(吸血鬼恐怖症・f13961)からしてみれば、そんなおゆうの性質に思うところもあるだろう。
「血を操ったり、血の味を覚えたり……なんだか吸血鬼みた……」
「おいおい、隙だらけだよ?」
「あうっ」
すこーん。弘美は物思いに耽ってしまい、既に試合が開始していたことに気付いていなかったようだ。
気がつけばおゆうが投げたカードが弘美の額に直撃し、彼女の身体はぱたりと地に伏せる。
突き刺さったカードからは鮮血が溢れ、かなり痛々しい光景を広げてしまっていた。
「なぁんだ呆気ない……いや?」
最初はがっかりしていたおゆうだが、流石に彼女も剣の鬼。弘美の異変にはすぐに気付いたようだ。
見れば――溢れ出した鮮血から、もう一人の弘美が姿を現していたのだから。
「いくら何でも早すぎでしょ……ま、血に狂った鬼程度なら、何とでもなるわ」
すくっと立ち上がったのは、吸血鬼としての弘美だ。彼女は倒れ伏すもうひとりの自分に溜息を吐いてから、改めて楽しげに鬼を見遣る。
「……本当に血を操る者の力を見せてあげる」
「そこまで言うなら……見せてもらおうじゃないか!」
こうして改めて試合が始まる。妖艶に、けれど楽しげに笑う鬼同士。最後に立つのはどちらだろうか。
相手が強者だと理解した瞬間、おゆうは一切の遠慮を止めたようだ。
彼女は遠慮なくカードを投げつけ、弘美の身体をバラバラに崩しにかかる。
けれど――この程度の攻撃は、吸血鬼にとって恐れるに足らないだろう。
「あら、乱暴ね」
カードの直撃により弘美の身体からは血飛沫が飛び散るが、それもすぐにただの血煙に変わる。
血煙は風に乗って闘技場の中を舞い踊り、一気におゆうの方へと迫った。
弘美が身体を再構築する瞬間を見計らい、おゆうは大太刀を振るってきたが――それすらも、吸血鬼にとっては好機にしかならない。
「刀の血を拭っておかないから悪いのよ?」
再構築した身体に刃を突き立てられようと、元々刀身に付着していた血液を奪い取れば再生だって簡単だ。
こうして弘美はおゆうと密着、ふわりと抱きつき――彼女の開けた首筋へ、勢いよく牙を突き立てた。
「骸魂は初めてね……どんな味かしら?」
耳を劈く悲鳴も気にせず、弘美はひたすら血を啜る。おゆうの身体から、悪しきものが抜けきるまで。
おゆうの血は思っていたより甘かった。骸魂の血に鬼の血、どちらも味は悪くない。
すっかり悪い血を抜き取られたおゆうは、その場にぱたりと崩れ落ちる。
弘美も彼女の首から離れ、口についた血液を優雅に拭った。
「ごちそうさま。これで終わりね……あとは、貴女達が目覚めるまで待つだけかしら」
倒れ伏すもう一人の自分とおゆうを見遣り、吸血鬼の弘美はゆるりと笑みを浮かべていた。
大成功
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