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大祓百鬼夜行⑥〜花に、ひと串

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

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 ふわりひらり、満開の桜が薄紅を降らせる中。
 風に乗って漂ってくるのは――食欲をそそる、良い香り。
 その元を辿れば、幻朧桜の丘にやってきた『妖怪串入道』が開く屋台が。
 そう……花見に欠かせないのは、美味しい食べ物や飲み物。

 彼はその名の通り、串に刺さった様々なものを提供する妖怪なのだという。
 例えば、焼き鳥。串揚げ。
 お団子、林檎飴や餅、ミニたい焼き、芋、ロシアン串……等々。
 とにかく、串に刺さっているものなら何でもござれ。
 相棒の炎鳥との息はばっちり、美味しい焼きたての串を提供する妖怪だという。

 まずは、焼き鳥。タレ派でも塩派でも安心、どちらでも希望の味で。
 定番のモモやネギ間、皮やつくねやぼんじり、砂肝になんこつ、ささみに八ツや手羽、レバーやせせり等々の定番のものは勿論。ふりそで、えんがわ、白子などの希少部位も。
 たっぷりの野菜を豚バラ肉で巻き込んだ、大葉巻きやエノキ巻き、トマト巻き、山芋シソ巻きやチーズブロッコリー等々の野菜巻き串や、豚バラや牛ハラミなど、鶏肉以外も沢山串に刺さって焼かれている。
 そして、串揚げ。さくっとした揚げたては間違いなく美味で。
 レンコンや豚カツに牛カツ、エビ、うずら卵、山芋、アスパラ、チーズ等々、希望の具材を串に刺して揚げてくれるので。ソース、レモン汁、和辛子、胡麻ソースなど、好みのソースや調味料でいただける。
 そしてデザートになる甘味も、串に刺して提供してくれる。
 団子各種や沢山連なるミニたい焼き、饅頭に餅、シュークリームにパンケーキなどの洋風スイーツ串、イチゴやパインなどのフルーツ串等々も頂ける。むしろ一口サイズなので、少しずつ色々なものを楽しめるし、シェアするのも良いだろう。

 そして、そんな串料理に合う飲み物も用意されている。
 各種ジュースや茶、珈琲や紅茶類は勿論。ノンアルコールで人気なのは、カラフルなクリームソーダ。好きな色のソーダに、ぷかりアイスを浮かべてくれる。
 成人していれば、各種酒類も頂ける。甘口、辛口、フルーティー、お好みの味わいの日本酒に。赤や白やロゼのワイン、各種チューハイ、焼酎やウイスキー等々。
 串料理に合う、好みのものを出してくれるだろう。

 そんな美味しい串を片手に。
 さぁ、暫し色々なことを忘れて――花見と洒落込もう。

●お花見!
「花見は良いな。花を愛でながら食べるものはまた、美味だ」
 桜模様の硯箱であり、甘味好きの健啖家な筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)は、そうにこにこと笑んでから。今回の案件の詳細を語り始める。
「『幻朧桜の丘』には、異世界より流れ着いたという「魂と肉体を癒やす桜」が咲き乱れているという。もしこの場を制圧できれば、幻朧桜の花吹雪が百鬼夜行を包み込み、全戦場の敵戦力を減らせるかもしれない」
 オブリビオンとの戦いだけではなく、この桜の下でお花見騒ぎをする事でも、桜の力を強め敵を駆逐する事ができるのだという。
 そうなれば、もうやるしかないだろう。
 すごくいい笑顔で、清史郎はこう続ける。
「ということで……桜の舌で、宴会といこうか」
 そして今この丘に、様々な具材を串に刺し、提供する妖怪の姿が丁度在るのだという。
「その妖怪、妖怪串入道は、読んで字の如く、様々なものを串に刺して調理し、提供してくれるという。焼き鳥、串揚げ、おでん串などは勿論。スイーツや珍しいものまで、とにかく串に刺して振舞ってくれるというし。その串料理に合う飲み物も提供してくれる」
 なので、折角振舞ってくれるというのならば、有難く頂いて。
 美味しくて好みの串を片手に、乾杯し、花見を楽しもうと。
 それが敵戦力を減らせる力になるのだという。
「俺は焼き鳥はタレ派、最初は地域限定のもののようだが、豚バラ串から頂きたいな。勿論、スイーツ串も全制覇しよう」
 清史郎はにこにことそう雅に微笑んでから。
 満開桜を掌に咲かせ、薄紅咲き誇る幻朧桜の丘へと猟兵達を導く。


志稲愛海
 志稲愛海です。
 よろしくお願いいたします!

 こちらは、1フラグメントで完結する「大祓百鬼夜行」のシナリオです。
 プレイング受付は5/22(土)朝8:31から開始致します。
 追加冒頭はありません。受付も送信可能な限り受付する予定です。

●プレイングボーナス
 プレイングボーナス……よその戦争を無視して宴会する!

●シナリオ概要等
 楽しくお花見しながら、串料理や飲み物どうでしょうか、という内容です。

 串料理の種類は、定番のものから変わり種まで豊富です。
 成人以上であれば各種お酒もありますし、酒ではないものも沢山あります。
 とにかく、お花見を楽しめば敵戦力を減らせますので。
 思う存分、ご自由にお過ごしください!
 串に刺さっていれば、ロシアン串などもなんかあるようです。
 お一人様でまったりマイペースにでも、大勢でわいわいでも。
 仲良しさんと分け合いっこでも、カオスでも……どうぞお好みでご自由に!
 また、お声掛けあった場合に限りますが。
 清史郎をはじめ当方のグリモア猟兵もご一緒させていただきます。
 これまで接点がなくとも構いません、相手が必要な際お気軽に声掛けて頂ければ。
 妖怪串入道等この依頼の妖怪は骸魂に飲み込まれていない無害な普通の妖怪です。

 公序良俗に反する事、他の人への迷惑行為、未成年の飲酒は厳禁です。
 締切等はMS個別ページやタグ、Twitterでお知らせします。

●お願い
 同行者がいる場合は【相手の名前(呼称可)と、fからはじまるID】又は【グループ名】のご記入をお忘れなくお願いします。

 グループ参加の人数制限はありません、お一人様~何人ででもどうぞ!
 ですが、ご指定の同行者が参加していない場合は返金となる可能性もあります。

 期間内に送信頂いた内容に問題のないプレイングは全採用したい気持ちですが。
 戦争の展開次第ではその限りではないことご了承下さい。

 どうぞお気軽にご参加ください!
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第1章 日常 『桜の下で宴会しよう!』

POW   :    美味しい料理や飲み物を提供する

SPD   :    巧みな芸を披露する

WIZ   :    桜の下で語り明かす

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アリス・フェアリィハート
【アリスと白兎】

【ミルフィ・クロノラヴィット(f20031)】と参加♪

アドリブ等も歓迎です

異世界から流れついた
幻朧桜さん…

わあ…♪
見て下さいミルフィ
とっても楽しそうな
お花見が催されてます…♪

私達も参加しましょうよ…♪

串入道さんから
ミルフィが貰ってきた
串料理を頂きつつ
ミルフィと
お花見を楽しみます♪

私は
色々な『串揚げ』と
デザートに
フルーツやケーキ等の
スイーツ串
お飲物は
メロンクリームソーダで

『お行儀作法』は抜きで
ぱくっと
かぶりついちゃいます♪

『えへっ☆こういう食べ方、してみたかったんです…♪』

お料理を楽しんだ後は
桜さんを観ながら
ミルフィと…

『とっても綺麗ですね…ミルフィ…』

(ミルフィの側に寄り添い)


ミルフィ・クロノラヴィット
【アリスと白兎】

【アリス・フェアリィハート(f01939)】姫様と参加♪

アドリブ等も歓迎

異世界から流れ着いた幻朧桜…
不思議ですわ

本当ですわアリス姫様…♪
これは楽しそうな
宴ですわね…♪

ではわたくし達も
参加と参りましょう

串入道様から
各種串料理を頂いて来
アリス姫様と
花見を楽しみますわ♪

わたくしは
各種『焼き鳥』に『ケバブ』と
飲物は
苺クリームソーダで

『あらあらアリス姫様ったら…お口回りにソースが…♪』

姫様のお口を拭いて差し上げつつ
わたくしも豪快に
串にかぶり付きますわ☆

お料理を楽しんだ後は
桜を観つつ
アリス姫様と…

『きっと桜様も…宴を楽しんでいますわ…』

アリス姫様も…お綺麗ですわ

(アリス姫様と寄り添い合い)



 訪れたその丘を、美しい薄紅に染め上げているのは。
「異世界から流れついた、幻朧桜さん……」
 そう呟きを落としつつも見上げる、アリス・フェアリィハート(不思議の国の天司姫アリス・f01939)の青い瞳にもひらりと。
 咲き誇っては舞い遊ぶ、異世界の幻朧桜。
「異世界から流れ着いた幻朧桜……不思議ですわ」
 聞こえたアリスの声に、ミルフィ・クロノラヴィット(メイドオブホワイトラビット・f20031)もこくりと頷いて。
 そんな不思議で幻想的な景色の中、ふとアリスが見つけたのは。
「わあ……♪ 見て下さいミルフィ。とっても楽しそうなお花見が催されてます……♪」
 満開の桜を愛でながら料理に舌鼓を打つ、花見を楽しむ人たちの姿。
 そしてふわりと漂ってくるのは、食欲をそそる様な匂い。
 アリスの視線を追ったミルフィもそんな人々を見て、一緒に瞳を輝かせて。
「本当ですわアリス姫様……♪ これは楽しそうな宴ですわね……♪」
「私達も参加しましょうよ……♪」
「ではわたくし達も、参加と参りましょう」
 幻朧桜の下で、いざお花見です!
 そうと決まれば、綺麗に桜が眺められる場所を確保してから。
 ミルフィが向かうのは、串料理を振舞っているという妖怪串入道の屋台。
 おすすめなものや気になったもの、アリスの好きそうなものを、程良い量選んで。
 串料理だけでなく飲み物もしっかり調達してきたミルフィが戻れば、まずは軽く乾杯。
 しゅわっと弾けるソーダにアイスが浮かぶ、同じクリームソーダでも。
 アリスはメロン、ミルフィは苺のものを選んで。
 美味しそうな串料理も、いただきます!
 ミルフィは、モモやネギ間、皮やつくねなどの各種焼き鳥に、ケバブの串も。
 アリスは、レンコンやカツ、エビやアスパラなどのさくっと揚がった串揚げ。そしてフルーツやケーキの刺さったスイーツ串は、お楽しみのデザートに。
 由緒正しいフェアリィハート家の息女で大公女なアリスも、今日はお行儀作法は抜きで。
 ――ぱくっ。
「えへっ☆ こういう食べ方、してみたかったんです……♪」
 さくりと良い音を鳴らしながら、かぶりついちゃいます。
 そんな今日はちょっぴり大胆な姫に、ミルフィは微笑んで。
「あらあらアリス姫様ったら……お口回りにソースが……♪」
 手を伸ばして、そっとソースのついた口を拭いてあげてから。
 ――はむっ。
 ミルフィも姫様に続いて、豪快に串にかぶり付きます!
 そんないつもはしない食べ方でいただく料理は、とても美味しくて楽しくて。
 デザートのスイーツ串まで存分にいただいたアリスは、ふと桜色に染まった天を仰ぐ。
「とっても綺麗ですね……ミルフィ……」
 満開に咲き誇り、はらりと薄紅の花弁を舞わせる幻朧桜。
 そんな桜を暫し、ふたりで一緒に眺めながら。
「きっと桜様も……宴を楽しんでいますわ……」
 ミルフィはそっと身体を寄せ、互いに寄り添い合うアリスへと瞳を向けて。
 ひらり、姫様の髪を飾ったひとひらをそうっと摘まんで微笑む。
 ――アリス姫様も……お綺麗ですわ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アディリシア・オールドマン
【オールドマン】
私とダフネ、兄上、ユイミンの4人で参加する。
『わたしがダフネです。オルタナティブ・ダブルで出現しますね』

ほう。凄まじいな、桜。『圧倒されるね……とても、綺麗で……』
まあ、後でいいか。席に座って飲み食いしながら眺めるとしよう。『あの、もう少し情緒と言うかさぁ……!」

焼き鳥、豚肉、ほう、串揚げも豊富だな。片っ端から皿に盛って行くとしよう。
『デザートはユイミンが選んでるから、わたしたちは主菜と飲み物を持っていこう』

さて。年上組はせっかくだ、ニホンシュやショーチューといった現地の酒を飲むとしよう。
『ユイミンはクリームソーダね。お酒はまだ早いよ』
うむ。では、いただきます。『いただきます』


李・玉明
【オールドマン】
妾と、アディ姐にダフ姐、カル兄の4人でお花見なのじゃー♪

これが幻朧桜……。うん、綺麗なのじゃー♪
封神武侠界で桜を見たことがあるけど、これは格別なのじゃ!

そして、おいしそうな串料理がいっぱいなのじゃ♪
お肉がいっぱいで目移りするのじゃ……な、なんと!
甘味の串もあるのじゃ! すごいのじゃ!
林檎やシュークリーム、いろんな串をもらうのじゃ!
いっぱい持ったら、カル兄に合流するのじゃー!

お酒はまだダメなのじゃな。興味はあるけど、仕方ないのじゃ。
でも、クリームソーダもおいしそうだからOKなのじゃ♪
ふっふっふー。お花も綺麗で料理もおいしそうで、すごく楽しいのじゃ♪
それじゃあ、いただきますのじゃ!


カルム・オールドマン
【オールドマン】
俺と、アディリシア&ダフネ、ユイミンの妹3人を引率して、花見会に参加する。
全員アドリブ歓迎で、他者の同席(絡み)も大丈夫だ。よろしく頼む。

ふむ。これが桜か。
家の庭の、ユイミンが出てきた桃の木の花とは、また違った雰囲気を感じるな。
さて、三人が料理を取りに行っている間に席を確保しよう。
桜の下のテーブル席などがよいな。
ああ、こっちだ。

……これは、多くとったな。四人前の量ではないぞ。
まあ……お前たちが食べるのなら文句は言わんが。
ん、酒も用意してくれたか。ありがたい。
では、いただこう。

(上の二人は問題ないが、ユイミンは食べるのは好きだが少食だからな。自分は、食べ残りを片付けるとしよう)



 辿り着いた丘を埋め尽くしているいろは、異世界から流れ着いた桜の彩り。
 そんな花弁踊る中、足取りも軽く。
「4人でお花見なのじゃー♪」
 はしゃいだように笑む李・玉明(豪華絢爛西欧天女・f32791)は、共に並んで歩く皆を嬉し気に見回す。
 アディリシア・オールドマン(バーサーカーinバーサーカー・f32190)と、今日はオルタナティブ・ダブルで呼んだ”蛮族の女王”ダフネも一緒。
 そんな妹3人を引率するのは、カルム・オールドマン(瞑目の魔術師・f33306)。
 そして4人がやって来た目的は、先程玉明が言っていたように、お花見!
 暫し戦争のことは忘れて、花見を存分に楽しむこと。これが今回の任務である。
 ということで、早速4人は花見を目一杯満喫するために、まずは手分けして花見の準備をすることに。
「これが幻朧桜……。うん、綺麗なのじゃー♪」
 見上げる空を覆いつくすほどの、薄紅のいろ。
 本来は春に咲くその花を、玉明は知っているけれど。
「封神武侠界で桜を見たことがあるけど、これは格別なのじゃ!」
 夢か幻か、朧に咲き誇る眼前の桜は、やはり何だか特別なものに見える気がする。
 そんなことを思いながら、玉明が向かうのは、妖怪串入道が開いているという串料理の屋台。
「ふむ。これが桜か」
 カルムもそうふと、ひらりと花弁降らせる桜に言った後。
 ふと思い返すのは、似たような色の花を咲かせる、家の庭にある木。
(「家の庭の、ユイミンが出てきた桃の木の花とは、また違った雰囲気を感じるな」)
 咲かせるその彩りはどことなく似ているけれど、よくよく見つめてみれば、その花のかたちや雰囲気はやはりそれぞれのもの。
 そんな花を眺めながらも、カルムが担った大事な役割は。
(「さて、三人が料理を取りに行っている間に席を確保しよう」)
 一等綺麗に花を眺めることができる場所探し。
 アディリシアとダフネも、妖怪串入道のもとへと向かいながら。
「ほう。凄まじいな、桜」
『圧倒されるね……とても、綺麗で……』
 丘を染め上げる満開の桜に、ふたりは感嘆の溜息とともに言葉を落とす……のだけれど。
 桜を映していた視線を、アディリシアはすぱっと切り替える。
「まあ、後でいいか。席に座って飲み食いしながら眺めるとしよう」
 まずは食糧調達するべく、良い香り漂ってくる屋台へと。
 そんなアディリシアに、思わずダフネはこう口にせずにはいられない。
『あの、もう少し情緒と言うかさぁ……!」
 けれど、様々な種類がある串料理はどれもとても美味しそうだから。
 花より団子でも、仕方ありません……!?
「おいしそうな串料理がいっぱいなのじゃ♪」
「焼き鳥、豚肉、ほう、串揚げも豊富だな」
 片っ端から皿に盛って行くとしよう、と。
 瞳をキラキラ輝かせ、辿り着いた屋台に並ぶ串の数々に青い視線巡らせる玉明の隣で、早速皿を手に取るアディリシア。
 そして焼き鳥に豚肉、串揚げと、とりあえず色々な種類のものを確保して。
「お肉がいっぱいで目移りするのじゃ……」
 玉明も串に刺さって焼かれる肉を最初は眺めていたけれど。
 ふと瞳に飛び込んできた串に、瞳をぱちくりと瞬かせてしまう。
「な、なんと! 甘味の串もあるのじゃ! すごいのじゃ!」
 肉や野菜だけでなく、甘いスイーツまで串に刺さっているのを見つけて。
 そしてつやつや林檎やミニシュークリーム等々、やはり色々な種類の甘味の串を貰っていく玉明。
 そんなうきうきとした様子を見遣って。
『デザートはユイミンが選んでるから、わたしたちは主菜と飲み物を持っていこう』
 既にアディリシアが主菜のものを選び始めているから、ダフネは飲み物担当です。
 それから、こんもりと沢山、これでもかと皿に積み上げて。
 いっぱい持てるだけ持ったら、席を確保してくれているだろうカルムと合流です!
「ああ、こっちだ。桜の下がやはりよいかと思ってな」
 そして、串料理を貰ってきてくれた妹たちの姿を見つけ、軽く手をあげながらも。
 カルムは思わず、こう呟きを落とす。
「……これは、多くとったな。四人前の量ではないぞ」
 けれど妹たちがとってきたものは、確かにどれも美味しそうだし。
「まあ……お前たちが食べるのなら文句は言わんが」
「さて。年上組はせっかくだ、ニホンシュやショーチューといった現地の酒を飲むとしよう」
「ん、酒も用意してくれたか。ありがたい」
『ユイミンはクリームソーダね。お酒はまだ早いよ』
 沢山の串料理と一緒に楽しめる飲み物も、ちゃんと持ってきたから。
「お酒はまだダメなのじゃな。興味はあるけど、仕方ないのじゃ」
 まだ未成年である玉明は、酒類は飲めないけれど。
「でも、クリームソーダもおいしそうだからOKなのじゃ♪」
 しゅわり弾けるソーダにぷかりとアイスが浮かぶクリームソーダもとても美味しそう。
 ということで、花見をするのに最適な桜の木のしたのテーブル席で、ずらり並ぶ美味しそうな串料理や飲み物をどーんと並べてから。
「では、いただこう」
「うむ。では、いただきます」
『いただきます』
「それじゃあ、いただきますのじゃ!」
 皆で揃っていざ、いただきます!
「ふっふっふー。お花も綺麗で料理もおいしそうで、すごく楽しいのじゃ♪」
 そうわくそわする玉明の様子に、カルムはそっと思うのだった。
(「上の二人は問題ないが、ユイミンは食べるのは好きだが少食だからな」)
 ……自分は、食べ残りを片付けるとしよう、と。
 だからそれまでは、妹たちが食べる様子をみまもりながら――満開に咲く桜を肴に、酒が注がれた杯をゆるりと傾けておくことに。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルミ・エアイン
うさぎさん(f26711)と

うさぎさんはどんな串が好きですか?
やきとりもおいしそうです
ふふ、僕もお腹空いてきちゃいました

実は串もの、あまり食べたことがなくて
わ、良いんですか?
気になるのがありましたら言いますね

早速くいくい、と裾を引っ張ろうとして
うさぎさん、うさぎさん
シュークリームの串があります

すみません、おひとつ下さい
わあ、これはチョコ。こっちはカスタードでした
うさぎさんもどうぞと口元へ持っていきます

僕もあーんと口を開けて
ふふ、いちごチョコもおいしいです

串揚げも食べてみたいです
僕は豚カツを頼みました
……とってもあつそうですね
ふーふー、ふーふー

はい、まだまだ食べちゃいます
次はうさぎさんの番ですね


真白・時政
ルミくん(f13418)と

ンン~いいにお~い!お腹空いてキちゃうネ!
モモにつくねにぼんじり!ドレもコレもおいしそォ!

エエ、そォなのそォなの?
じゃあルミくんが食べたいのにシヨっか
ルミくんのオイシーをウサギさんに教えて?

ウン?
なァにってルミくんが指さす先に見付けたスイーツ串!
ワァワァそんなのあるの!
ウサギさんトキメいちゃ~う!

両手塞がったウサギさん、ルミくんのあーんでぱっくんもぐもぐ
オイシ、オイシ♥
オカエシでイチゴチョコのかかったプチシューをあーん♥
ネネネ、どォカナどォカナ?

串カツもイイネ
んフフ、ヤケドシないヨーニネ

オイシーくってまだまだいっぱい食べられちゃいそォ!
ネネ、次はアレ食べヨ!



 やって来た丘一面に咲き誇るのは、異世界から流れついたという幻朧桜。
 そして、ふんわり……花びらと共に、風に乗って漂ってくるのは。
「ンン~いいにお~い! お腹空いてキちゃうネ!」
 真白・時政(マーチ・ヘア・f26711)の視線の先にある屋台で振舞われている、串料理の美味しそうな匂い。
 そして早速、食欲そそる香りに誘われている時政と並んで歩きながらも。
 ルミ・エアイン(綿雪の子・f13418)は、隣の彼へとふとこう訊ねてみれば。
「うさぎさんはどんな串が好きですか?」
「モモにつくねにぼんじり! ドレもコレもおいしそォ!」
 即返ってきた声に、思わずふわふわと笑み零す。
「やきとり、おいしそうです。ふふ、僕もお腹空いてきちゃいました」
 それから、辿り着いた串料理の屋台をきょろり、ルミは見回して。
「実は串もの、あまり食べたことがなくて」
「エエ、そォなのそォなの? じゃあルミくんが食べたいのにシヨっか」
 ……ルミくんのオイシーをウサギさんに教えて?
 時政のそんな言葉に、ルミはこくりと頷くのだけれど。
「わ、良いんですか? 気になるのがありましたら言いますね」
 早速、隣の彼の裾をくいくいっと引っ張ろうとした瞬間。
 目に飛び込んできた串に、ルミは思わず瞳をキラキラ。
「ウン? なァに」
 そんな彼が指さす先を、時政も追ってみれば。
「うさぎさん、うさぎさん。シュークリームの串があります」
「ワァワァそんなのあるの! ウサギさんトキメいちゃ~う!」
 見つけたスイーツ串に、ふたりできゃっきゃ!
 ということで、串入道にルミはお願いする。
「すみません、おひとつ下さい」
 コロンと可愛らしいプチシュークリームの串を。
 それから、わくわくはむりと、口にしてみれば。
「わあ、これはチョコ。こっちはカスタードでした」
 ひとつひとつ味が違うという、嬉しい串入道の心意気。
 そして他にも色々と頼んでみて、両手が塞がったウサギさんに。
「うさぎさんもどうぞ」
 お裾分けのあーんを。
 それを嬉々と、ぱっくんもぐもぐすれば。
「オイシ、オイシ♥」
 生クリームたっぷりの甘さが、口の中でいっぱいに。
 それから、時政もルミへと、あーん♥
「ネネネ、どォカナどォカナ?」
「ふふ、いちごチョコもおいしいです」
 イチゴチョコがかかったプチシューを、お返しに。
 そんな甘いスイーツ串を仲良くあーんしあいこした、次は。
「串揚げも食べてみたいです」
「串カツもイイネ」
 さくさくな衣を纏った、串揚げ。
「すみません、次は豚カツを下さい」
『はいよ、熱々だから気を付けてな!』
 そう渡されたのは、揚げたてほやほやの美味しそうな豚カツ。
 それを、ルミはじぃっと見つめてみて。
「たしかに……とってもあつそうですね」
「んフフ、ヤケドシないヨーニネ」
 逸る気持ちを押さえつつ……ふーふー、ふーふー。
 一生懸命ふーふーして、ぱくりと口に運んでみれば。
 さくっとした衣に、じゅわりジューシーな豚肉がとても絶品です!
「オイシーくってまだまだいっぱい食べられちゃいそォ!」
 時政も、さくさくほくほく、落ちそうな頬っぺたを思わず押さえつつも。
「ネネ、次はアレ食べヨ!」
「はい、まだまだ食べちゃいます」
 嬉々と視線巡らせ言った彼に、ルミもこくりと頷いて、ほわりと笑んで返す。
 ……次はうさぎさんの番ですね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

椚・一叶
友人のトリス(f27131)と
花を見るのも忘れ
豪快に、焼き鳥にかぶりつく
味付けは塩派
トリスはどちら派だ

何故、串料理はこんなにも美味いのか
箸より食いやすいからか?
今日もまた、沢山食えそう
モモに、皮に、レバー
食べた串の数が多いやつが勝ちな
と、串くわえてにやり
定番は勿論食うが、山芋とかも美味そう
揚げたうずらも外せない
色々な調味料に心惹かれて
塩から和辛子に浮気
美味い、トリスも同じの食うといい
気に入った組み合わせは特別に教えてやる
味変して、同じの何本でもいけそう

しょっぱいのに飽いたら団子も貰うか
美味いのいっぱい、幸せで
勝敗どうでもよくなってきたな
そうか、これも花見
言われた通り、景色を楽しもう


鳥栖・エンデ
友だちのイチカ君(f14515)と
焼き鳥は塩派なボクだよぅ
好きなのは、つくねやぼんじりに
軟骨とかせせりなんだけど
ふりそでに、えんがわ…!
希少部位もあるんだねぇ楽しみだ

串料理は美味しくて食べやすいの分かる〜
ひと口サイズだから沢山入るんじゃないかなぁ
串の数は戦利品だから
勝ち負けはあまり気にしない方だけど…
まぁ愉しいから乗っかっておこう

串揚げも良いよね
豚、牛、鶏肉にうずら卵もチーズも美味しい
色んなソースも試していたら
イチカ君のオススメは和辛子かい?
気に入った組み合わせは
どんどん試そうね〜特別らしいから
ボクのとっておきはねぇ、と軽口挟みつつ

幸せが綻ぶのも花見だよぅ
なんて、この景色を楽しんでいようか



 異世界から流れついたという幻朧桜が咲き乱れる丘。
 見渡す限り、そこは一面の春いろ。
 そしてそんな桜を愛でながら、賑やかに花見を楽しむ人たち。
 ……いや、花も確かに見事なのだけれども。
「トリスはどちら派だ」
 豪快に、はむりっ。
 焼き鳥にかぶりつく椚・一叶(未熟者・f14515)は、まさに花より団子……いや、花より焼き鳥。
 花を見るのも忘れ、友人へとそう訊ねた一叶は、ちなみに塩派です。
「焼き鳥は塩派なボクだよぅ」
 そして訊かれた鳥栖・エンデ(悪喰・f27131)も同じ塩派。
 それから、串料理を振舞ってくれる串入道の屋台をぐるりと見回して。
「好きなのは、つくねやぼんじりに、軟骨とかせせりなんだけど……ふりそでに、えんがわ……!」
 ……希少部位もあるんだねぇ楽しみだ、と。
 そうわくわく笑むエンデの隣で。
 一叶はふと、串入道が焼いたり揚げたりしていく串をじぃっと見つめて。
 そして、こんな疑問を口にする。
「何故、串料理はこんなにも美味いのか」
 串を打たなくても、焼いたり揚げたりすればそれで事足りるはずなのだけれど。
 わざわざ串に通す手間をかけた上に、それは大抵美味い。何故なのか。
 そう真剣に思案する一叶は、こてりと首を傾けつつも紡ぐ。
「箸より食いやすいからか?」
「串料理は美味しくて食べやすいの分かる〜。ひと口サイズだから沢山入るんじゃないかなぁ」
 確かに、エンデも同意するように、がぶりと食べやすい。
 けれど、まぁ。
「今日もまた、沢山食えそう」
 美味しければ、何でもいいです!
 そして……モモに、皮に、レバーにと、再びはむはむ口にしながらも。
 一叶は、串くわえてにやり。
「食べた串の数が多いやつが勝ちな」
「うん、じゃあ勝負だね~」
 そんな挑まれた串料理勝負に、エンデはこくりと頷きながらも。
(「串の数は戦利品だから、勝ち負けはあまり気にしない方だけど……」)
 俄然張り切ってもぐもぐ食べている友だちを見つめ、そっと思う。
 ……まぁ愉しいから乗っかっておこう、なんて。
 そして塩味の焼き鳥も好きだけれど。
「串揚げも良いよね」
 豚、牛、鶏の肉系は勿論、うずら卵やチーズも美味しい。
 エンデはそれをまた、色々な味のソースで試して味わってみたりして。
 定番は勿論のこと、山芋なんて美味しそうだし、揚げたうずらも外せない。
 一叶も串揚げへと手を伸ばしながら、エンデが試している色々な調味料にも心惹かれて、そわり。
 シンプルな塩から、少し刺激を求めて和辛子に浮気してみれば。
「美味い、トリスも同じの食うといい」
 気に入った組み合わせは、友人であり本数勝負のライバルである彼にも、一叶は特別に教えてあげる。
「イチカ君のオススメは和辛子かい?」
 そんなお気に入りの組み合わせを見つけ、ご満悦な様子にエンデも瞳を細めて。
「気に入った組み合わせはどんどん試そうね〜特別らしいから」
「味変して、同じの何本でもいけそう」
 あ、レンコンにカレーソースも美味しかったよ~、なんて。
 ……ボクのとっておきはねぇ、と軽口挟むエンデ。
 そして、しょっぱい味に飽いたって大丈夫。
 甘い団子も追加で貰って、デザートの串も十分満喫します。
 そんな、しょっぱいものも甘いものも……美味いのいっぱい、幸せで。
「勝敗どうでもよくなってきたな」
 数えるのも面倒なくらい溜まった串を見遣りつつ、団子を頬張る一叶に。
 エンデはわらって、こう口にする。
「幸せが綻ぶのも花見だよぅ」
「そうか、これも花見」
 一叶もそう納得したように頷いてから、花見を目一杯楽しむ。
 友だちと一緒の、美味しいものいっぱいなこのひとときに。
 幸せの花をたくさん、満開に咲かせながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

上城・クロウ
フローリエ(f00047)と参加
アドリブ歓迎

串に刺さった様々なものを提供する妖怪。
非常に特異的な生態であると言えます。妖怪という種族はそういう物なのでしょうか。
串料理に特化しているようですが菓子類も―
あ、では私は手前の三色団子からお願いします。10本ほど…持てますか?私も取りましょう。

花見
春の訪れを寿ぐ風習。…風流をまだ完全に理解はできていませんが…彼女の隣で緩やかに過ごす、のは、心地よい、と思います

―綺麗かと問われ、花を見上げ
…古来より、この光景を人々は「綺麗」と呼んだのでしょう。…はい、とても綺麗ですよ。

ふと、寄りかかってくる彼女をこちらも肩で支え
ひんやりとした感触を感じつつゆったりと


フローリエ・オミネ
彼と久しぶりのお出かけ、といっても一応任務なのだけれど
楽しめば良いだけ、気が楽だわ

ふふ、また分析してる。相変わらずね
妖怪も人間も、そう変わらなくてよ

美味しそうな串たちだわ、わたくしはお団子を食べましょう
何味が好き?
取ってあげる。…10本。お皿に乗り切るかしら

たまには外でゆっくりお茶しましょ
傍に冷茶を置いて、彼の隣に腰掛けて一息
お花見の習慣は無いけれども、彼と共に過ごすことは変え難い幸せ

桜が綺麗――なのでしょうね
わたくしの視力の悪さでは、ぼやけた薄桃色が映るばかりで
彼の前では取り繕わず言う

あなたには綺麗に見える?
とね。

目を閉じ、彼にむき出しの肩を寄せましょう



 ひらり、はらりと桜花弁が舞い降る中。
 揺蕩う紫の双眸にも、同じ薄紅のいろを朧に舞わせて。
 フローリエ・オミネ(思操の魔女・f00047)はそっと、その瞳を細める。
(「彼と久しぶりのお出かけ、といっても一応任務なのだけれど」)
 ……楽しめば良いだけ、気が楽だわ、って。
 それからふと、隣に居る彼――上城・クロウ(白紙の設計図・f01157)へと視線向ければ。
「串に刺さった様々なものを提供する妖怪。非常に特異的な生態であると言えます」
 ……妖怪という種族はそういう物なのでしょうか、なんて。
 じぃっと真剣な表情で、屋台で串料理を提供している妖怪串入道を見つめつつ、呟きを落とすクロウ。
「串料理に特化しているようですが菓子類も――」
「ふふ、また分析してる。相変わらずね」
 それからフローリエは、いつもの様に、観察・解析・検証する彼へとこう続ける。
 ――妖怪も人間も、そう変わらなくてよ、って。
 そして、ぐるりと並べられた串を見遣りながら紡ぐ。
「美味しそうな串たちだわ」
『そこの綺麗なお嬢さん、何の串にするんだい?』
「そうね、わたくしはお団子を食べましょう」
 話しかけてきた串入道へとそう返してから。
 フローリエは今度はクロウに訊ねる。
「何味が好き? 取ってあげる」
 そんな彼女の声に、クロウは顔を上げて答える。
「あ、では私は手前の三色団子からお願いします。10本ほど……」
「……10本。お皿に乗り切るかしら」
 そうぱちくり瞳を瞬かせながら、彼ご所望の三色団子と暫しお見合いを。
 そしてクロウも、じぃっと団子を見つめるフローリエへと声を。
「……持てますか? 私も取りましょう」
 それから、団子も無事にちゃんと皿に乗せて。
「たまには外でゆっくりお茶しましょ」
 冷茶をお供に、フローリエは彼の隣に腰掛けて一息。
 そんな彼女には、このようなお花見の習慣はないのだけれど。
 すぐ傍に在る彼を見つめ、思う。
 ――彼と共に過ごすことは変え難い幸せ、と。
 そしてクロウは、周囲で花見を楽しむ人々の姿を見つめながらも、知っていることを反復する。
「花見。春の訪れを寿ぐ風習」
 それは知識として知っているだけで……所謂、風流というものを、まだクロウは完全に理解はできていない。
 ……けれど、でもこう思うのだ。
(「……彼女の隣で緩やかに過ごす、のは、心地よい、と思います」)
 天を見上げれば舞い遊び、そっと静かに地に積もりゆく薄紅。
 周囲にいる人たちも、そんな花のいろに酔っているみたいだから。
「桜が綺麗――なのでしょうね」
 フローリエはそう言の葉を落とす。
 ……わたくしの視力の悪さでは、ぼやけた薄桃色が映るばかりで、と。
 でも、彼の前では取り繕わず口にする。
「あなたには綺麗に見える?」
 そう不意に届いた問いに、クロウは満開に咲く花を見上げてみて。
(「……古来より、この光景を人々は「綺麗」と呼んだのでしょう」)
 だから彼女に、クロウはこう答えを返す。
「……はい、とても綺麗ですよ」
 刹那、肩に寄せられたのは、ひんやりとした感覚。
 目を閉じ、自分に寄りかかってくるフローリエを肩で支えながら。
 クロウはもうひと口、団子をいただきながら……彼女とふたり、ゆったり花見を楽しむことに。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

文・犀雹
一緒に食べようと周・星藍に声をかける
ずっと孤食だったから
誰かとの食事は緊張して、体も喋りもカチコチ
な、何話すのがいいかな……と迷いつつ

星藍はタレ派……というやつなのかい?
僕、自分の味の好みがわからなくて。焼鳥は両方持ってきたんだ
んー、これは串にかぶりついて……いいのかな?
串で食べるのは不慣れ。食べ方が下手
飲み慣れた白酒と合わせて頂く
星藍も飲む? お酒苦手じゃなければいいんだけど
焼鳥っておいしいね。これはタレ派になりそうだ
それに全ての部位を制覇したくなったよ
新たに此処へ持ってこないとだね

時折思い出したように花見
綺麗な景色の中で、誰かとの食事の時間がこんなに楽しいなんて
ぼ、僕、死んじゃうかも……



 薄紅のいろに染まった風景の中、きょろりと。
 視線を巡らせてみれば、たまたま見つけたテーブル付のベンチにはひとり、先客がいて。
 一緒に食べようと、そう文・犀雹(僵尸の宿星武侠・f33444)は彼に声を掛けてみたものの。
「なぁ、犀雹は、焼き鳥の味付けはタレが好き? それとも塩か?」
「えっ? あ……えっと」
 緊張して、体も喋りもカチコチ。
 ずっと孤食だったから、誰かとの食事は慣れていなくて。
 な、何話すのがいいかな……と迷うけれど。
 だが、誘いの声を掛けた周・星藍と名乗った彼は、全く人見知りをしない性格のようで。
「塩も美味いけど、でもやっぱり俺はタレかなー」
「星藍はタレ派……というやつなのかい? 僕、自分の味の好みがわからなくて。焼鳥は両方持ってきたんだ」
 緊張はやはりしてしまうけれど、会話に困ることはなさそう。
「んー、これは串にかぶりついて……いいのかな?」
 そう、くるくると手にした串を回し、どこから食べればいいものかと見つめてみる犀雹だけれど。
「星藍も飲む? お酒苦手じゃなければいいんだけど」
「おっ、いるいる! 酒も好きー」
 合わせて貰ってきた白酒は飲み慣れているから、安心して彼にもお裾分け。
 それから、ちらりと星藍を見遣り、彼の真似っこをしつつ焼き鳥をひとくち、食べてみれば。
「焼鳥っておいしいね。これはタレ派になりそうだ。それに全ての部位を制覇したくなったよ」
「全制覇、いいな! やろう、やろう!」
「新たに此処へ持ってこないとだね」
 もふもふな耳をぴこりとさせて張り切る星藍に、犀雹もこくりと頷き返してから。
 ふと、降ってきたひとひらに気付き、桜色に染まった天を仰いで呟きを落とす。
「ぼ、僕、死んじゃうかも……」
「えっ!? 死んじゃうっ!? し、死ぬなぁ! って、あれ……でも死んで……えっ?」
 ぱちくりとそう瞳を瞬かせ驚く星藍とタレ味の焼き鳥を、犀雹は交互に見つめる。
 ――綺麗な景色の中で、誰かとの食事の時間がこんなに楽しいなんて、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御園・桜花
「此処への最後の機会かもしれないですから…絶対来たかったのです」

頭上に咲き誇る幻朧桜
上から順に5本ずつ串揚げ頼み
桜見上げつつ燗酒ちびちび

異界にも転生があればと思っていた
異界で幻朧桜になって
其処に転生の縁を結びたいとも

此処は一つの理想のカタチ
幻朧桜はUDCにも流れ着くかもしれない

壊れにくい世界
世界を覆う程の幻朧桜

力を増すことが慰撫に繋がるなら

取り留めなく考えながら
子持昆布とバームクーヘンをソースに浸しパクリ
「…あら」
顔が綻ぶ

慰撫が転生に至るには

「次は焼物、野菜全種と肉はタレで」

月が掛かるまで居座り
猪口に落ちた花片ごと飲む

此の地が永く健やかに



そして
骸の海に浮かぶ泡沫に
優しいフォーミュラが増えるよう



 訪れた丘を染めるこのいろは、御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)にとって見慣れたもの。
 けれど、彼女にとって、この場所にはとても大きな意味があった。
「此処への最後の機会かもしれないですから……絶対来たかったのです」
 頭上に咲き誇るのは、普段桜花が身を置く世界でいつも咲き誇っている、幻朧桜。
 とりあえず、串料理を提供してくれる妖怪の屋台で渡されたお品書きに書かれていた串揚げの具材を、上から順に5本ずつ頼んで。
 見上げる桜を肴に、燗酒をちびちびと楽しむ。
 見つめる桜は、いつも見ているものなのだけれど……ここは、幽世の世界。
(「異界にも転生があればと思っていた。異界で幻朧桜になって、其処に転生の縁を結びたいとも」)
 だから桜花にとって、此処は一つの理想のカタチなのだ。
 そしてこの世界に流れ着いているということは。
 ――幻朧桜はUDCにも流れ着くかもしれない。
 桜花はそう、希望を見出し咲かせている。
 壊れにくい世界、世界を覆う程の幻朧桜――力を増すことが慰撫に繋がるなら、と。
 そんなことを取り留めなく考えながらも。
 子持昆布とバームクーヘンをソースに浸して、パクリと口にしてみれば。
「……あら」
 ぱちくりと瞳瞬かせた後、思わず顔が綻ぶ。
 そして……慰撫が転生に至るには。
「次は焼物、野菜全種と肉はタレで」
 猪口にひらり舞い落ちた花片ごと、くいっと杯を傾け飲み干して。
 月が掛かるまで、今日は居座るつもり。
(「此の地が永く健やかに」)
 そしてそう心に紡ぎながら、もう一杯、酒を注いで。
 ――そして骸の海に浮かぶ泡沫に、優しいフォーミュラが増えるよう。
 薄紅舞う空にそっと猪口を掲げて、眼前に広がる理想の風景に、乾杯を。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
戦争なのにこんな感じで良いのかしら…まあいいのよね」
ということで色々な串料理を頂くわ。

フルーツ串は興味深いわね。ぜひ頂くわ。
あとそちらの串揚げとおでんもお願いね。

え、手がたりないって?
ユーベルコード【クォンタム・ハンド】で宙に浮かして持つわ。

…ちょっと前に届かないおでんを取るのにも使った気がするけど、きっと気のせいね。

清史郎さんが通りかかったらシェアするわね。空中に浮かんだ串からお好きなのをどうぞ。

え、デリカシーがないって?
それってたべられますか????



 ……いや、今回に限ったことではないのだけれど。
 でもやはり、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)はこう呟かずにはいられない。
「戦争なのにこんな感じで良いのかしら……」
 他の戦場のことを忘れて、花見を楽しめ、だなんて。
 いいえ、これも、れっきとした戦争なのです……!
 まぁそういう風に聞いたから、まあいいのよね、と。
 ヴィオレッタは深く考えることをやめて。
「ということで色々な串料理を頂くわ」
 きりりと向かったのは、妖怪串入道が開く屋台。
 名前の通り、様々な種類の串料理を提供してくれるとのことなので。
 色の異なる瞳を一通り巡らせ、ヴィオレッタは注文を。
「フルーツ串は興味深いわね。ぜひ頂くわ。あとそちらの串揚げとおでんもお願いね」
『はいはい、承ったよ! って、そんなにいっぱい、お嬢ちゃん持てるかい?』
 そう首を傾け彼女に言った、妖怪串入道だが。
「え、手がたりないって?」
『おっ? おお……!?』
 刹那、ひょいひょいっと難なく串を持つのは、見えない量子結合の手。
 ユーベルコード『クォンタム・ハンド』で宙に浮かして持つから、何も問題ありません!
(「……ちょっと前に届かないおでんを取るのにも使った気がするけど、きっと気のせいね」)
 何だか食べ物を取ったり運ぶために使うことが最近多いような気もするけれど……使えるものは、使うに越したことないです。多分。
 そして、普通なら妖怪みたいに驚く反応をするだろうが。
「おお、美味しそうな串が浮かんでいるな」
「清史郎さんもいる? 空中に浮かんだ串からお好きなのをどうぞ」
「有難う、ヴィオレッタ。では、この一番甘そうなものをいただこうか」
 多分長年箱であったためか、特に臆することなく。雅に笑む清史郎にも、甘いスイーツ串をお裾分け。
 そして、ぱちくりと尚いっそう驚く串入道に、ヴィオレッタは大きく首を傾けてみせる。
「え、デリカシーがないって?」
 ――それってたべられますか???? って。
 ふたりともヤドリガミだから……うん、仕方ない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

冴皎・永然
【暇乞】
季節外れの花見ってのも乙なもんだ
戦の最中で多少気は引けるが
ま、ちょいとばかし羽伸ばしといこうや

なぁ入道さんよ、こういうのとか作れる?
マシュマロにパンケーキにマカロン
これ全部一つの串に刺して欲しいんだけど、ダメ?
笑顔でひとつリクエスト

おい、お前ら見ろこれ
世の女子が羨みそうな夢のスイーツ串作って貰ったわ
チョコもかかって最高に映えってやつだろ!
甘く薫る串を両手にしたり顔

なんだよヤチバ、つれねぇな
新鮮な発想は大事にしてなんぼだぜ
つか豊彦と焔は何やってんだ、漫才か?
介錯なんざお断りだ馬鹿
分けてやるからそれ食って落ち着け

相変わらずの面々に笑い声が零れる
嗚呼、これだからお前らと居るのやめらんねぇわ


東海・豊彦
【暇乞】
…戦の最中だというのに
私たちだけ楽しんでも良いのでしょうか
気が引けつつも誘いは素直に嬉しく

入道殿の方へ向かう三人を見送り
ぼんやり場の雰囲気を味わう
そうだ、私が守りたいものは
こうした日常の…

っ、医者殿、これは?
ええ…古に、村の民からの献上酒なら幾らかは
ですが…

良いのです、焔
それより…私にそれを?
有難う。美味しそうだね

普段、食物は"気"だけを頂くもの
口に入れて"食べる"のは久し…

あつ、…っ!

思わず零れた言葉と涙
口の中を火傷してしまったようだ
ほ、焔、だ、大丈夫だから
そんなことを言わないでおくれ

よ、良かった店主殿
ほら、落ち着きなさい、焔

嗚呼、驚いた
けれど
自然と込み上げるこれこそ
幸福なのでしょう


九紫・焔
【暇乞】
幽世の危機は常なれど
此度の戦、主君(豊彦)の御傷心は如何ばかりか
この宴が少しでも気晴らしになれば
永然殿の誘いに感謝の念を

主君が喜びそうな串を献上せんと苦心
目に留まったのは
入道殿、この串は?
ぷちとまと…成る程
いつか町で見かけた杏飴に似ている
甘味に違いない

口を慎まれよ朱雀野殿
主君への雑言は万死に値する
じろり睨み付け

ささ、と主君に串を渡し見守るも
反応にさあっと青ざめ
な、何たる失態…御身を傷付けるつもりは…!
かくなる上はこの場で我が身を折るしか…ッ
永然殿!介錯を…

眼前の串
甘い香りに気が削がれ
永然殿の言葉に我に返る

…相済みませぬ
頭下げつつ主君の様子に安堵

己もまた面の下で笑んでいることには気付かず


朱雀野・ヤチバ
【暇乞】
いいねェ花見酒!
キナ臭いのにも飽きてたとこサ
カタストロフ肴に
ぱあッとやンのが妖怪の作法だろ

焼き鳥にゃ塩と柚子胡椒ッて相場が決まッてンのさ
辛口の酒も忘れずに
陰気な竜神サマもたまには飲めよ
澄ましちゃいるがてめェもいける口だろ?
升酒強引に手渡し
おー怖…従者は相変わらず馬鹿真面目だな

よォ店主、随分上機嫌だなァ?
…ってオイ、なンだよソレ
映えってお前
女子か!?ガキか!?
カーッ!風情ッてもンがねェ
おれァ要らねェぞ
見てるだけで胸焼けしちまう

…チッ面倒臭くなッてきやがッた
興覚めだ
あとは知らねェ勝手にしろィ!

すたすた離れ独りに
顔出した蛇の使い魔を撫で
遠目に友の姿を眺め酒を飲む

ま、こンな花見もたまには良いか



 天を仰げば、春を思わせる一面の薄紅。
 それは、常桜の異世界から流れついたものであるというが。
「季節外れの花見ってのも乙なもんだ」
 ふいに降ってきたひとひらを指先で遊ばせながら、冴皎・永然(禍ツ火・f28037)はそっと紫の瞳を細め、摘まんだそれを再び空へと還す。
 そんな永然の誘いの声に応じ、この地――幻朧桜の丘へと降り立ったものの。
「……戦の最中だというのに、私たちだけ楽しんでも良いのでしょうか」
 そう不意に耳に届いた東海・豊彦(わだつみのはらひ・f28052)の声に、九紫・焔(海碧に燃ゆ・f28047)は微かふるりと深閑の藍を揺らし思う。
(「幽世の危機は常なれど。此度の戦、主君の御傷心は如何ばかりか」)
 其処彼処で常に滅亡の危機が起こっているこの世界。
 けれど勃発した戦は幽世だけでなく、人の子の世界をも滅ぼさんとするもの。そしてふたつの世界を救うべくあえて大祓骸魂の軍門に降り、その身を犠牲にせんとしている妖怪達の姿を見れば……深い慈しみを抱き、清浄き心を持つ主君の胸の内の痛みは、一体どれほどのものだろうと。
 焔もまた、主である豊彦の傷心を思えば、心苦しさを覚えるも。
「戦の最中で多少気は引けるが。ま、ちょいとばかし羽伸ばしといこうや」
 気が引けつつも、そう言った永然の声に素直に頷き、嬉し気な表情を垣間見せるそのお顔をみれば。
 この宴が少しでも気晴らしになれば、と……焔も誘いの声を掛けてくれた彼へと、感謝の念を抱く。
 いや、戦のことは暫し忘れ、花見に興じること。これも立派な戦への援護射撃となるという話であるし。
「いいねェ花見酒! キナ臭いのにも飽きてたとこサ」
 花見と言えば酒、酒と言えば花見!
 桜いろに染まる丘に漂う食欲をそそる香りと酒の気配に、朱雀野・ヤチバ(馬手に青を弓手に赤を・f28023)は嬉々と紡ぐ。
「カタストロフ肴に、ぱあッとやンのが妖怪の作法だろ」
 そして美しく桜が臨める場所を見つけて腰を落ち着ければ、次は食べ物や飲み物の調達を。
 豊彦に見送られつつも三人が向かうのは、妖怪串入道の屋台。
 その名の通り彼の屋台には、串が打たれた様々な食材が。
 焔は真剣に、じぃっと青に香る瞳を巡らせ苦心する。主君が喜びそうな串を献上せんと。
 そしてふと目に留まったのは、弾けそうに鮮やかな赤。
「入道殿、この串は?」
『これはプチトマトだな! 試しにひと串、どうだい?』
「ぷちとまと……成る程」
 焔はそうこくりと頷き、串入道にそれをひと串お願いする。
 以前、似たものを見かけたことがあるから。
 その時に見た杏飴に似ている、ぷちとまととやらは、きっと甘味に違いないと。
「焼き鳥にゃ塩と柚子胡椒ッて相場が決まッてンのさ。ああ、辛口の酒もなァ」
 ヤチバも、塩味の焼き鳥に柚子胡椒、それに合う酒も調達して。
「なぁ入道さんよ、こういうのとか作れる?」
 串入道へとリクエストするのは、永然。
「マシュマロにパンケーキにマカロン。これ全部一つの串に刺して欲しいんだけど、ダメ?」
 そう笑顔ひとつで頼まれては、ダメなどと言えるわけはなく。
 むしろ相分かった任せとけと、張り切って串を打つ入道。
 そして。
「おい、お前ら見ろこれ」
「よォ店主、随分上機嫌だなァ?」
 視線向けたヤチバへ向けて、しゃきんっと。
「世の女子が羨みそうな夢のスイーツ串作って貰ったわ」
 ……チョコもかかって最高に映えってやつだろ!
 永然がえっへんしたり顔で翳すのは、甘ーく薫る女子力の高い串!
「……ってオイ、なンだよソレ。映えってお前、女子か!? ガキか!?」
 そんないかにも甘そうな串と永然を交互に見つつ、ふるふる首を振って。
「なんだよヤチバ、つれねぇな。新鮮な発想は大事にしてなんぼだぜ」
「カーッ! 風情ッてもンがねェ。おれァ要らねェぞ」
 ヤチバはしょっぱい焼き鳥と辛口の酒を手に、スタスタと歩き出す。
 ……見てるだけで胸焼けしちまう、って。
 そんな三人を待つ豊彦は、ふと周囲を見回して。巡らせた青の瞳を、そっと細める。
 戦の最中ではあるものの……そこには、純粋に花見を楽しむ人々の姿。
 そして、ぼんやりと場の雰囲気を味わいながらも思うのだった。
(「そうだ、私が守りたいものは」)
 こうした日常の……。
「陰気な竜神サマもたまには飲めよ」
「っ、医者殿、これは?」
 映える甘味串を避けるように戻ってきたヤチバから声を掛けられ、彼女へと視線向ければ。
「澄ましちゃいるがてめェもいける口だろ?」
 そう強引にぐいっと差し出されるのは、升酒。
「ええ……古に、村の民からの献上酒なら幾らかは」
 ですが……と、主君が困ったように落とした呟きを、勿論聞き逃さずに。
 すかさず割って入るのは、焔。
「口を慎まれよ朱雀野殿。主君への雑言は万死に値する」
「おー怖……従者は相変わらず馬鹿真面目だな」
 そんな自分をじろりと睨み付ける彼に、ヤチバは大きく肩を竦めてみせて。
「良いのです、焔。それより……私にそれを?」
 従者を宥めながらも、その手にある串へと視線向ける豊彦。
 そして、ささ、と主君に串を渡して。
「有難う。美味しそうだね」
 じっと己の選んだ串を口にする姿を見守る焔。
 竜神の豊彦にとって、普段、食物は"気"だけを頂くもの。故に。
(「口に入れて"食べる"のは久し……」)
 ――はむり。
「あつ、……っ!」
「……!?」
 刹那、思わず零れた主君の言葉と涙に、焔は大きく瞳を見開いた後。
「はふ……口の中を火傷してしまったようだ」
「な、何たる失態……御身を傷付けるつもりは……!」
 熱々のぷちとまとに思わず声を上げたその反応を見れば、さあっと青ざめて。
 そして。
「かくなる上はこの場で我が身を折るしか……ッ」
 ――永然殿! 介錯を……!
 甘い串をうきうき両手に握り戻ってきた永然に、介錯を頼む焔。
「ほ、焔、だ、大丈夫だから。そんなことを言わないでおくれ」
 そして死んで詫びようとする従者に、豊彦もおろおろ。
「つか豊彦と焔は何やってんだ、漫才か?」
「……チッ面倒臭くなッてきやがッた」
 そんなふたりのやり取りに、興覚めだ、と言い捨てて。
 ……あとは知らねェ勝手にしろィ!
 騒がしい厄介事は御免だと、すたすた独り離れるヤチバ。
 そして永然は、主従の様子に大きく首を傾けてから。
「介錯なんざお断りだ馬鹿。分けてやるからそれ食って落ち着け」
 まさに死にそうな顔をしている従者へと、ほら、と。
 差し出すのは、甘ーい串。
 焔はその甘い香りに瞳をぱちりと瞬かせ、ハッと。
 介錯の気も削がれ、向けられた言葉にようやく我に返る。
 その様子に、豊彦も胸を撫で下ろして。
「よ、良かった店主殿。ほら、落ち着きなさい、焔」
「……相済みませぬ」
 ちょっぴりしゅんとしつつも頭を下げる焔も、主君の微笑みに安堵する。
 己もまた……面の下で笑んでいることには、気付かずに。
「嗚呼、驚いた」
 そう紡ぐ言の葉と共に改めて漏れるのは、楽し気な笑み。
 そして豊彦は思うのだった。
 ――けれど自然と込み上げるこれこそ、幸福なのでしょう、って。
「嗚呼、これだからお前らと居るのやめらんねぇわ」
 永然もそう笑い声を零し、相変わらずな面々に瞳細めて。
 ヤチバもひょこりと顔を出した氷雨と日照りを撫でながら。
 遠目に見る友の姿と満開に咲き誇る花を肴に、くいっと、美味い酒を一杯。
 ――ま、こンな花見もたまには良いか、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

越喜来・湊偲
【海風光】
もう桜散ってたのに、此処でまたお花見できるなんて!
へへ、串が食べられるって聞いたらワクワクしちゃって……

焼鳥は肉の身の方はタレ!軟骨や皮は塩で頂きますよっ
倫太郎さん、すずめってあのすずめです??
し、知らなかったっす……
焼鳥もですけど、揚げも食べたいっす!俺もまだ若いんで!
揚げは理嘉さんと同じのでお願いします

わーい!倫太郎さん、太っ腹っすね!
今度キマフュの美味しいお店紹介しますねっ

理嘉さんお誕生日おめでとうございます!
これからは一緒にお酒楽しめますね
確かに楽しむのは花見ですが、お誕生日会も兼ねてっすよ
俺はレモンサワーで乾杯!

ははっ、本当に仲の良い兄弟って感じっすね
これもお酒の醍醐味っす


篝・倫太郎
【海風光】
っし、花見だ!花見!

花見で串つったら焼鳥だろ……

焼鳥は塩で部位はお任せ!
唯一タレで喰いたいのはすずめ!
そう!あのすずめ!結構美味いぜ?

つーか……
別に胃もたれするから串揚げ頼まないとかじゃねぇですぅ

とりあえず、花を堪能できる場所で花見開始ー!
今日は俺の奢り!
え?無償だったら?
わぁったよ、戻ったらも一回奢ってやるってば!
無論、湊偲もな!

リカはハピバ!成人おめでとーさん!
これで無事、酒飲みの仲間入り出来るな
つー訳で乾杯の音頭はお前なー
主役だろ?

……飲む前から頭沸いてンのか?
わわ、冗談だって!湊偲!笑ってねぇで助けろよぅ!

俺は焼酎の水割を手にカンパーイ

でも確かに、花見だし主役は桜なのかもな


百合根・理嘉
【海風光】
あーもー……りんたろはお子様か!
湊偲……も、実はワクワクしてるだろ?

串ものって、案外と色んなのあるんだな
つーか、焼鳥以外も喰おうって
俺は揚げ物系がいい
まだ!若いから!
翌日の胃もたれとか、考える必要ねぇし?

野菜も肉もチーズも色々お勧め揚げて貰おっと
湊偲は何頼むー?

あ、覚えてたんだ?
ダクセに一緒に行った時
成人したら最初の酒は奢るって話
尤も、蜂蜜酒じゃなくてレモン酎ハイだけど

でも、これ無償じゃね?そんな事ねぇ?

え゛っ?!なん……
つーか、主役は俺じゃなくて桜だろ……
これ、花見だろ?

りんたろの一言にヘッドロックぐいぐい

一通り騒いだら、改めて乾杯!

花見しながらの人生初の酒って
貴重な体験ありがとな



 常春の世界から流れついたという、見事に咲き誇る幻朧桜。
 幽世を巡る季節はもう、本来この花が咲く時期は過ぎているのだけれど。
「っし、花見だ! 花見!」
 ひらり薄紅が踊る中、嬉々と幻朧桜の丘へとやって来たのは、篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)。
 そんな見るからにうきうきしている様子に。
「あーもー……りんたろはお子様か!」
 そう大きく溜息をついてみせる、百合根・理嘉(風伯の仔・f03365)だけれど・
「もう桜散ってたのに、此処でまたお花見できるなんて!」
「湊偲……も、実はワクワクしてるだろ?」
 倫太郎だけでなく、心躍らせているのは、越喜来・湊偲(綿津見の鱗・f01703)も同じ模様。
「へへ、串が食べられるって聞いたらワクワクしちゃって……」
 そして今回、花見をしながら頂けると聞いたのは、妖怪串入道が振舞う絶品の串料理。
 早速、まずは食欲そそる香り漂わせるその屋台へと足を向けてみれば。
「串ものって、案外と色んなのあるんだな」
 理嘉がそう呟きを落とすのも納得。
 定番のものから甘味、希少であったり変わったものまで、串を打たれた食材がずらり。
 けれど、串料理と言えばやはり。
「花見で串つったら焼鳥だろ……」
 そう迷わず言った倫太郎に、湊偲もこくこく頷いて。
「焼鳥は肉の身の方はタレ! 軟骨や皮は塩でお願いしますっ」
「焼鳥は塩で部位はお任せで!」
 湊偲に続き、注文を告げた倫太郎は、もうひと串。
「唯一タレで喰いたいのはすずめ!」
 そんな言葉に、思わず湊偲はきょとり。
「倫太郎さん、すずめってあのすずめです??」
「そう! あのすずめ! 結構美味いぜ?」
『お、そこのおにいさんは、なかなかの通だねぇ』
 手際良く、勿論すずめの串も、注文を受けた串を焼き始める串入道。
 そんなすずめの串を、ぱちくりとさせた瞳でじっと見つめて。
「し、知らなかったっす……」
 そう呟いた湊偲の隣で、理嘉も視線巡らせてから。
「つーか、焼鳥以外も喰おうって。俺は揚げ物系がいい」
 ――まだ! 若いから!
「翌日の胃もたれとか、考える必要ねぇし?」
 颯爽と、そう言い放てば。
「焼鳥もですけど、揚げも食べたいっす! 俺もまだ若いんで!」
 湊偲も串揚げをいただきます。だって、まだ! 若いから!
「野菜も肉もチーズも色々お勧め揚げて貰おっと。湊偲は何頼むー?」
「揚げは理嘉さんと同じのでお願いします」
『はは、んじゃお勧めで色々選ばせて貰うか。おにいさんたち、まだ若いからなぁ!』
 確かに、一体何歳なのか分からない妖怪に比べたら、理嘉も湊偲も若すぎるほどであるだろうし。
「つーか……別に胃もたれするから串揚げ頼まないとかじゃねぇですぅ」
 そう言う倫太郎だって、十分若いです!
 そして、美味しそうな食べ物や飲み物を一通り調達して。
 とりあえず、と花を堪能できそうな場所を見つければ――いざ、花見開始です!
 それから倫太郎はふっと琥珀を細め、こう告げる。
「今日は俺の奢り!」
「あ、覚えてたんだ?」
 それは以前、常夜の世界で交わした言葉。
 理嘉はその時のことを思い返し紡ぐ。
 ……成人したら最初の酒は奢るって話、って。
「尤も、蜂蜜酒じゃなくてレモン酎ハイだけど」
 そう手に持ったグラスに満ちた酒に瞳細めるけれど。
 ふと刹那、理嘉はあることに気付くのだった。
「……でも、これ無償じゃね? そんな事ねぇ?」
「え? 無償?」
 確かに、お代なんていらねぇ、って言っていた串入道。
 つまりは、無償である。
 そのことにハッと気が付いた倫太郎は、自分を見ている理嘉へと目を遣って。
「わぁったよ、戻ったらも一回奢ってやるってば! 無論、湊偲もな!」
「わーい!倫太郎さん、太っ腹っすね! 今度キマフュの美味しいお店紹介しますねっ」
 次こそは、奢ります!
 そして、こほん、と気を取り直してから。
 倫太郎は理嘉へと、改めて告げるのだった。
「リカはハピバ! 成人おめでとーさん!」
「理嘉さんお誕生日おめでとうございます!」
 湊偲もそう、祝いの言葉を続けて。
「これで無事、酒飲みの仲間入り出来るな」
「これからは一緒にお酒楽しめますね」
 成人となる誕生日を迎え、大人の仲間入りを果たした彼へとそう笑めば。
「つー訳で乾杯の音頭はお前なー」
「え゛っ!? なん……」
「だって今日の主役、お前だろ?」
 そうしれっと言う倫太郎に、理嘉は首を傾けて口にする。
「つーか、主役は俺じゃなくて桜だろ……これ、花見だろ?」
「確かに楽しむのは花見ですが、お誕生日会も兼ねてっすよ」
 そして、湊偲の言葉に頷きながらも。ちらりと、理嘉を見遣って。
「……飲む前から頭沸いてンのか?」
 そう一言、落とした倫太郎に。
「……りんたろ、何だって?」
「わわ、冗談だって!」
 理嘉のヘッドロックが、ぐいぐい!
「ははっ、本当に仲の良い兄弟って感じっすね」
「湊偲! 笑ってねぇで助けろよぅ!」
 ……これもお酒の醍醐味っす、なんて。
 ほんわか笑む湊偲に、ヘルプ!
 そして、レモン酎ハイにレモンサワーに焼酎の水割、各々選んだ酒を手に。
 一通り騒いだら――改めて、乾杯!
 倫太郎は、くいっと焼酎を飲みながら、春色に染まった空をふと見上げて紡ぐ。
「でも確かに、花見だし主役は桜なのかもな」
 そして理嘉も、倫太郎と湊偲へ視線を向けて告げる。
「花見しながらの人生初の酒って、貴重な体験ありがとな」
 初めての酒を、ふたりと一緒に口にしながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

朱赫七・カムイ
【六道】

おお……あらゆるものが、串刺しになっている!
之が串焼きというものかい?

噫、ルーファス
たくさん持ってきたよ
たい焼き串に沢山肉串、野菜串とパンケーキ串(これが一番多い)
どれも迷う逸品ばかりだが持てるだけもってきた

ルーファスとエンリはどんな串をもってきたんだい?
ルーファスのそれも美味しそうだ
エンリはどれが好き?
成程…私も食べてみよう

乾杯、いいね
始まりはこうでなくては
酒でないのもよいものだ
私は桜色のソーダにバニラのアイスをのせる

カツンと鳴らす音が心地いい

見事な花より団子だね
けれど笑顔が花のように咲いているから花見と言える

パンケーキ串は主食だが
他の甘味串も持ってこよう

どれがいいか
選ぶのも楽しいな


ルーファス・グレンヴィル
【六道】

ふは、お前らの反応最高!
そう、それが串焼きだ
どれも美味そうだろ

沢山の串を掻っ攫ってから
桜の下のスペースへ

ちゃんと取ってきたか?
オレは焼き鳥メインにつまみ系だな
カムイのパンケーキは……
本当串に刺す必要あったのか

ま、乾杯しようぜ
オレ? ノンアルだよ
未成年が居るからな、と笑って
クリーム乗った赤いソーダを掲げ

まず焼き鳥のタレを食いつつ
あいよ、これだろ、焔璃
手付けてない焼き鳥と串揚げを交換
お、この串揚げも美味いな
桜の下で食べるから良いんだよ
たまには花より団子で楽しもうぜ

だからスイーツ串も取りに行く
カムイ、お前、まーたパンケーキを……
そんなに美味いならオレも食ってみるか
ほら、焔璃も食ってみようぜ


波紫・焔璃
【六道】

おかずみたいなのから甘味まで
いろんなのが串に刺さってる!

もっちろん!いっぱい持ってきたよ!
あたしはこれ
肉巻きのトマトとチーズ!串揚げもあるよー

え、待って
カムイの、串に刺す必要あるの?ていうの多くない?
というかパンケーキがいっぱい!!

乾杯するー!
ルーファスはお酒?
あたしは茜色のソーダに桜のアイス

肉巻きトマトの串をむぐむぐ
ぁ、ルーファスの焼き鳥美味しそう!
串揚げと一個交換しよ?
カムイには肉巻きチーズをおすすめ!

いひひ、串もソーダも美味しいね
景色がいいとより美味しく感じる!

スイーツ串!!
どーっれにしよおっかなぁ
苺は必須でー…お団子と、シュークリーム!
…は!カムイのパンケーキがまた増えてる!?



 幽世の丘を染め上げるその色は、異世界から流れついた春のもの。
 そして、ふわり鼻を擽る美味しそうな香りに誘われ、皆で辿ってみれば。
「おお……あらゆるものが、串刺しになっている!」
「おかずみたいなのから甘味まで、いろんなのが串に刺さってる!」
 様々な具材が全て、串に刺さって提供されている屋台。
 ひとつひとつの食材は知っていても、それが串に刺さっている姿は物珍しくて。
 思わず声を上げた朱赫七・カムイ(約倖ノ赫・f30062)と波紫・焔璃(彩を羨む迷霧・f28226)に、ルーファス・グレンヴィル(常夜・f06629)も楽し気に笑う。
「ふは、お前らの反応最高!」
「之が串焼きというものかい?」
 じいっと、並ぶ様々な串を目にしつつ訊いたカムイに、頷くルーファス。
「そう、それが串焼きだ。どれも美味そうだろ」
 そして早速、焼き立て揚げたて熱々のそれらを沢山掻っ攫って皿に確保!
 カムイと焔璃も思い思いの串を選べば、皆で向かうのは、花見に最適な桜の下。
「ちゃんと取ってきたか?」
「もっちろん! いっぱい持ってきたよ!」
「噫、ルーファス。たくさん持ってきたよ」
 焔璃に続いて頷いたカムイは、ふたりの手にある串にも興味深々。
「ルーファスとエンリはどんな串をもってきたんだい?」
「オレは焼き鳥メインにつまみ系だな」
「あたしはこれ。肉巻きのトマトとチーズ! 串揚げもあるよー」
 串料理とひとことに言っても、それぞれ選んだものにも個性がでていて。
 焼き鳥でも沢山の部位を塩かタレか選べるし、肉から野菜その他色々なものを揚げた串焼きも薬味をかえれば味変に。
「ルーファスのそれも美味しそうだ。エンリはどれが好き?」
「んと……じゃあ、これ! 肉巻きチーズがおすすめ!」
「成程……私も食べてみよう」
 そうこくりと頷いた、そんなカムイが貰ってきた串は。
「どれも迷う逸品ばかりだが持てるだけもってきた」
 たい焼き串に沢山肉串に野菜串、あとパンケーキ串とパンケーキ串とパンケーキ串。
「え、待って。カムイの、串に刺す必要あるの?ていうの多くない?」
 ……というかパンケーキがいっぱい!!
 そう瞳をぱちくりとさせる焔璃と同時に、ルーファスも首を傾ける。
「カムイのパンケーキは……本当串に刺す必要あったのか」
 いえ、串に刺さっているからこそ、ミニサイズに切ってあって食べやすいし、色々な味が少しずつ楽しめるのです! ……多分。
 そんな、色んな意味で様々な串料理をずらり並べてから。
「ま、乾杯しようぜ」
「乾杯、いいね。始まりはこうでなくては」
 花見と言えば、やはりまずは皆で、乾杯です!
「乾杯するー! ルーファスはお酒?」
「オレ? ノンアルだよ」
 未成年が居るからな、と焔璃に笑うルーファスが掲げるのは、クリームが乗った赤いソーダ。
 焔璃も同じクリームソーダだけど、茜色のソーダに桜のアイスが乗ったもの。
「酒でないのもよいものだ」
 そう朱砂の彩細めるカムイの手には、ぷかりとバニラアイスが浮かんだ桜ソーダ。
 そんなそれぞれのいろがしゅわりと弾けるグラスを、花弁舞う空へと掲げて――乾杯!
 カツンと鳴らす音も、口にした炭酸とアイスの冷たさも、心地いい。
 そしてしゅわりとソーダを飲んだ後、ルーファスはまずはタレ味の焼き鳥をぱくり。
 焔璃も、肉巻きトマトの串をむぐむぐ口にしながらも。
「ぁ、ルーファスの焼き鳥美味しそう! 串揚げと一個交換しよ?」
 弾けるソーダと同じ茜の瞳をキラキラ。
 そんなトレードの交渉も、ルーファスには想定内。
「あいよ、これだろ、焔璃」
 交渉成立、焼き鳥と串揚げを交換こ。
「お、この串揚げも美味いな」
 はむりと食べてみれば、焼き鳥とはまた違った美味しさ。
「見事な花より団子だね」
 カムイは幸せそうに交換した串を食べるふたりを見つつも、続ける。
 ……けれど笑顔が花のように咲いているから花見と言える、って。
 自分の顔にもほわほわと笑み咲かせながら。
「桜の下で食べるから良いんだよ」
「いひひ、串もソーダも美味しいね。景色がいいとより美味しく感じる!」
 この状況を見れば、やはり花より団子なのだけど。
 でもきっと、花があるからこそ、団子もより美味しいのです。
 さらに皆と一緒ならば、なおさら。
「たまには花より団子で楽しもうぜ」
 ルーファスはそう言って、ふたりを見回してから。
 ニッと笑んで、続ける。
「だからスイーツ串も取りに行く」
「スイーツ串!!」
 ええ、花も団子も、どうせなら全部目一杯欲張っちゃいます。
「どーっれにしよおっかなぁ。苺は必須でー……お団子と、シュークリーム!」
「私は、イチゴパンケーキとバナナチョコのパンケーキ、あとは抹茶のパンケーキ。ああ、この桜パンケーキも外せない」
「……は! カムイのパンケーキがまた増えてる!?」
「カムイ、お前、まーたパンケーキを……」
 また色々なパンケーキ串をほくほくと手にするカムイに、焔璃とルーファスは思わずツッコまずにはいられないけれど。
 にこにこと笑みながら、カムイはふたりにこう返すのだった。
「パンケーキ串は主食だが、他の甘味串も持ってこよう」
 そう――パンケーキ串は主食です!
 そんなカムイの言葉に、ルーファスもパンケーキ串へと目を遣って。
「そんなに美味いならオレも食ってみるか。ほら、焔璃も食ってみようぜ」
「あたしも桜パンケーキ串を食べてみようかなぁ」
 手に握るのは、みんなお揃いのパンケーキ串!
 そんな、パンケーキをはじめ、屋台に並ぶ沢山の串を皆でわいわい眺めながら。
 花弁舞う桜の下、カムイは満開の笑みをほわり、咲き綻ばせる。
 ――どれがいいか選ぶのも楽しいな、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クレア・オルティス
【まじかる!】

串料理いっぱいあるね
どれにしようか迷って決められないよぅ
そうだ…!お店の人に選んでもらおう
嫌いなものはないからオススメの串盛り合わせを頼もう
飲み物は…クリームソーダ
初めて飲むからすごく楽しみ
串料理は三人でシェア
みゆもれーじも好きなものがあったらどんどん持っていってね
私も遠慮なく頂いちゃうぞ

ほぇ?ロシアン串?
一本の串に三つ
そのうちどれか一つは…なんだろ?激辛なのかな?
面白そうだね、やってみよう…!
わくわくしたものの、いざ自分の番になるとヒヤヒヤ
れーじ…あげるよ、ほら、男の子はいっぱい食べたほうがいいっていうし…!
ぽんっと零時口に投げ込む
れーじ…はい、お水…


兎乃・零時
【まじかる!】
アドリブ歓迎!

串料理!
色々合って迷うなぁ~
定番の奴も美味いし、甘い物なんてあんのか……スイーツ串…だと…!?(そんな至福の串が!?)
ともかくいっぱい食おう!
あぁ、三人なら全部喰き切れるさ!
飲み物はリンゴジュースかなー
これも甘いし
串料理はシェアしつつ食べちまおう!
好きな物かぁ…色々選んじまおう!
焼き鳥系とかもうめぇし串揚げも良いなぁ

ロシアン串か…良いぜ良いぜ!やってみよう!
激辛かぁ、まぁいきなり当たる事はねぇだろ(もぐもぐ……)

美味し…から…美味しい…ぞッ!
(全部喰ったら当然ロシアンが当たるので辛さで死ぬ)
(流石に辛ぇ………)(涙目)(でも食べる)(口の中が大渋滞)
ありがとクレア…


音海・心結
【まじかる!】

沢山の串料理ですねっ
甘いものもしょっぱいもの
定番から変わり種まで
どれも魅力的に見えてひとつなんか選べませんっ

気になるものを片っ端から選んでいって
3人ならきっと食べれますよね? ふふり

飲み物はブルーハワイベースにアイスクリームが乗ったもの
ふふり
クリームソーダの親戚ですっ
お揃いみたいでかわゆい

選んだ串は残さず全部食べて
最後に頼んだのはロシアン串

さて、最後の勝負とゆきましょう

手近にあったものを選び
まじまじと見つめる
そうゆえば、辛いの苦手でした

横で食べる零時をちらり
……やっぱり零時にあげます
答えを聞くより早く彼の口に放り込んで
美味しいですか?
彼ならきっと美味しいと言ってくれると信じて



 眼前に広がる景色は、常春の世界から流れついた満開の桜いろ。
 そして、ひらりと桜花弁が舞う中で。
「沢山の串料理ですねっ」
「串料理いっぱいあるね」
 音海・心結(瞳に移るは・f04636)とクレア・オルティス(宵闇・f20600)が並んでじいっと見つめているのは、屋台に並ぶ沢山の串に刺さった具材。
「串料理! 色々合って迷うなぁ~」
 兎乃・零時(其は断崖を駆けあがるもの・f00283)も、水色の藍玉をきょろりと巡らせる。
 妖怪串入道が提供するのは、様々なものに串を打って焼いたり揚げたりした串料理。
 いや……焼いたり揚げたり、ただそれだけではなく。
「甘いものもしょっぱいもの、定番から変わり種まで……どれも魅力的に見えてひとつなんか選べませんっ」
「定番の奴も美味いし、甘い物なんてあんのか……スイーツ串……だと……!?」
 心結の声を聞いた零時は、思わず瞳を煌めかせつつも見開く。
 スイーツ串……そんな至福の串が!? なんて。
「どれにしようか迷って決められないよぅ」
 クレアもふたりと一緒に、沢山の串に刺さった具材とにらめっこ。
 焼き鳥でも色んな種類があるし、タレや塩の味の違いも。串揚げも、肉から野菜、その他いろいろ。
 そして散々悩んでいたクレアの頭に刹那、ピッカン名案が。
「そうだ……! お店の人に選んでもらおう」
 嫌いなものはないから、オススメの串盛り合わせをとお願いして。
 任せときな! と頼もしい返事と共に選んでくれたのは、定番のねぎまや皮などの焼き鳥とカツと野菜の串揚げ。
 それに、少し珍しい部位の焼き鳥やトマトバジルチーズの串揚げに、あとはデザートにとプチシューの串も。
 そんな串入道にお任せしたクレアの隣で。
「3人ならきっと食べれますよね?」
 気になるものを片っ端から選んでいきながら、心結はふふり。
 零時も、こくこく頷いて。
「ともかくいっぱい食おう! あぁ、三人なら全部喰き切れるさ!」
 美味しそうなものをあれもこれもと、手元の皿の上へ。
 それから色々な種類の串料理を選んだ後は。
「飲み物はリンゴジュースかなー」
 ……これも甘いし、と。
 零時が手にしたのは、リンゴジュース。
 食べ物は勿論、花見には美味しい飲み物も欠かせないから。
「クリームソーダ、初めて飲むからすごく楽しみ」
「みゆのは、クリームソーダの親戚ですっ」
 クレアは定番の、緑に弾けるソーダにバニラアイスが浮かんだものを。
 心結のものは、ブルーハワイベースにアイスクリームが乗ったもの。
 心結はふふりと笑んでから、クレアのものと自分のものを並べてみれば。
「お揃いみたいでかわゆい」
 そうふたりで顔を見合わせて、今度は一緒にふふり。
 それから、それぞれ選んだ飲み物同時、カチリとグラスを合わせて――乾杯!
 乾杯が終わればいざ、串料理を堪能しながらのお花見、開始です!
 いえ、あまりにも美味しそうだったから……ちょっとこんもり、沢山取りすぎたかもしれないけれど。
「串料理はシェアしつつ食べちまおう!」
「みゆもれーじも好きなものがあったらどんどん持っていってね」
「みゆのもいっぱい食べてくださいね」
 皆でシェアし合いながら食べれば、楽しいし、きっと完食できるだろうから。
「好きな物かぁ……色々選んじまおう!」
「私も遠慮なく頂いちゃうぞ」
「焼き鳥系とかもうめぇし串揚げも良いなぁ」
 焼き鳥も串揚げもスイーツ串も、どれも皆で全部、美味しくいただきます!
 そして選んだ串は残さずぺろり、食べてしまえば。
「さて、最後の勝負とゆきましょう」
 きりりと心結が言い放ち、最後に頼んだのは――ロシアン串!?
「ほぇ? ロシアン串?」
「ロシアン串か……良いぜ良いぜ! やってみよう!」
「一本の串に三つ、そのうちどれか一つは……なんだろ? 激辛なのかな? 面白そうだね、やってみよう……!」
 零時とクレアも勿論、張り切ってその勝負に乗ります!
 そしてまずは先陣を切って、零時が選んだものをもぐもぐ。
「激辛かぁ、まぁいきなり当たる事はねぇだろ」
 しかし零時は、色々な意味で持っている男。
 手近にあったものを選び、心結はまじまじと見つめてから。
(「そうゆえば、辛いの苦手でした」)
 クレアもわくわくしたものの、いざ自分の番になるとヒヤヒヤしちゃって。
 おもむろに、ふたり揃って、横で食べる零時をちらり。
 そして。
「……やっぱり零時にあげます」
「れーじ……あげるよ、ほら、男の子はいっぱい食べたほうがいいっていうし……!」
 ――ぽいっ。
 ――ぽんっ。
「え? ……んぐ!?」
 答えを聞くよりも早く、自分が選んだものを彼の口へと放り込む心結とクレア。
 それから、もごもごもぐもぐと食べる零時に、心結はこう訊ねてみる。
「美味しいですか?」
 彼ならきっと美味しいと……そう言ってくれると信じて。
 ええ、零時はちゃんと期待に応える男。
「美味し……から……美味しい……ぞッ!」
 から……美味しいです!!
 いえ、ロシアン串を全部食べたのだから、勿論。
(「かっっっらッ!? ふごっ、さ、流石に辛ぇ………」)
 めちゃめちゃ辛かった……!
 そんな容赦ない辛さに死にながら、涙目になりつつも。
 全部もぐもぐと食べる零時の口の中は、大渋滞の大事故に。
 そして辛さに悶えぷるぷる震える彼に、クレアはそうっと差し出す。
「れーじ……はい、お水……」
 そしてそれを零時は受け取って、ガブガブ飲み干すのだった。
 ありがとクレア……そう痺れる舌で喋れないながらに、涙目で語って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

星野・祐一
【花澤まゆちゃん(f27638)と一緒に】

おー色んな串料理があって目移りしちゃうな
俺はそうだな…かわとつくねと焼き饅頭で!
あと飲み物はまゆちゃんと一緒ね

まゆちゃんとベンチに腰を下ろしたら一緒に串焼きを一口
んーうまい!食がどんどん進むぜ
オーケイ、じゃあ食べ合いっこしようか、どっちの串焼きもおいしいぞ

幻朧桜をまゆちゃんと眺めるのはこれで何度目かだけれど
何時見ても、綺麗だなぁ…
それはサクラミラージュでも他の世界でも変わらなくて
なんだかそれが嬉しく感じる

いいね、実は俺も串揚げとか野菜巻きとか食べたかったんだよね
残った饅頭をぱくり、まゆちゃんと手を繋いだら
店主に新しい注文をお願いしに行こうか

アドリブ歓迎


花澤・まゆ
【星野祐一さん(f17856)と一緒に】

どの串もみんな美味しそう!
あたしは…そうだなあ、とりあえずねぎまと
焼きマシュマロの串をいただこうかな
もちろん桜色のクリームソーダも欠かせません

祐一さんと桜の下のベンチに腰掛けていただきます
あつあつで美味しいね
祐一さんのも一口頂戴、駄目?
おねだりシェアでいろんな味を楽しんで

サクラミラージュ以外でこうして幻朧桜を見るのは不思議
でも、やっぱり綺麗
祐一さんと一緒に桜を見るのは何度目だろう?
いつ見ても、綺麗に見える
それが嬉しい

舞う花びらの中、マシュマロぱくり
串のおかわり、行っちゃう?行っちゃう?
次は豚カツが食べたいなあ

アドリブ歓迎です



 思わず目を奪われてしまうのは、丘を染め上げる桜の彩りもだけれど。
 ふわり、花弁とともに風が運んでくるのは、食欲をそそる美味しそうな匂い。
 そして今、星野・祐一(シルバーアイズ・f17856)と花澤・まゆ(千紫万紅・f27638)のふたりの前にずらりと並ぶのは。
「おー色んな串料理があって目移りしちゃうな」
「どの串もみんな美味しそう!」
 そう、種類豊富な串料理!
『おふたりさん、何にするんだい? いくつでも食べてくれよ!』
 屋台の主である妖怪串入道は、巧みに食材に串を打ったり焼いたり揚げたりしながらも、ふたりに声をかけてきて。
「俺はそうだな……かわとつくねと焼き饅頭で!」
「あたしは……そうだなあ、とりあえずねぎまと焼きマシュマロの串をいただこうかな」
 そして祐一に続き、串をリクエストした後、まゆはきりり。
 ――もちろん桜色のクリームソーダも欠かせません、って。
 祐一も、飲み物はまゆとお揃いの桜クリームソーダを選んで。
 焼きたて熱々の串と、アイスが浮かんでしゅわり弾ける薄紅のソーダを手に、桜の景色を歩いて。
 見つけた桜の下のベンチに並んで腰を下ろせば、冷めないうちに……いただきます!
「んーうまい! 食がどんどん進むぜ」
「あつあつで美味しいね」
 ぱくりと焼き鳥を口にして、その美味しさに祐一が笑み零せば。
 まゆもはふはふ、頷きながらも同じように笑み咲かせて。
 それから……ちらりと彼を見上げ、こんなお強請りを。
「祐一さんのも一口頂戴、駄目?」
 勿論そんな美味しい申し出を、断る理由なんてないから。
「オーケイ、じゃあ食べ合いっこしようか、どっちの串焼きもおいしいぞ」
 祐一は喜んで自分の焼き鳥を差し出して、互いの串を交換こ。
 美味しくて嬉しくて楽しい、おねだりシェアをふたりで。
 それから祐一はふと、咲き誇る桜を見上げて思う。
(「幻朧桜をまゆちゃんと眺めるのはこれで何度目かだけれど。何時見ても、綺麗だなぁ……」)
 サクラミラージュから流れつき咲き誇っている、眼前の薄紅の彩り。
 此処はそんな常春の世界ではなく、幽世の丘なのだけれど。
 でも――こうやってふたり並んで眺める桜の花は、他の世界でも変わらなくて……なんだかそれが嬉しい、って。
 そして、見上げる青の瞳にも桜花弁をひらり、舞わせながら
(「サクラミラージュ以外でこうして幻朧桜を見るのは不思議。でも、やっぱり綺麗」)
 ……祐一さんと一緒に桜を見るのは何度目だろう?
 それはちゃんと数えてみないと、もうわからないくらいだけれど。
 でも、まゆもやはり思うのだった。
 いつ見ても、綺麗に見える――それが嬉しい、って。
 それから舞う花びらの中、マシュマロをぱくりと口にした後。
 ほわりと口の中に広がった優しい甘さに笑み零してから。
 まゆは、すぐ隣にいる彼の袖をそうっと掴んで、くいくいっ。
「串のおかわり、行っちゃう? 行っちゃう?」
「いいね、実は俺も串揚げとか野菜巻きとか食べたかったんだよね」
「次は豚カツが食べたいなあ」
 祐一も残った饅頭をぱくりと頬張ってから、おかわりの提案に、笑み返し頷いて。
 新しい注文をお願いするべく、ふたり並んで再び歩き出す。
 いつもと変わらない桜降る彩りの中を――いつものように、手を繋いで。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

華折・黒羽
【華道】

串料理というのは
こんなにも種類があったんだな
ああ、行こう

相も変わらずの賑やかさ
返事を待たずに引かれる手が懐かしくて
思わず溢れる苦笑
クラウン、串は逃げない
あまり駆けすぎると転ぶぞ

と言ったところではしゃぐ様子は変わりなく
差し出された芋を一齧り
…美味しい
ほくりと口の中で転がり広がる甘さ

俺は、野菜が食べたい
えのき巻きを取り、クラウンを真似るように
食べるか?と差し出す
ぱくり平らげれば甘味の番とみたらし団子を

炭酸は、未だあの刺激が慣れないけれど
美味しい飲み物だとは知っているから
俺もあなたの眸色に近い黄色のそーだを

ああ、乾杯
咲って傾ければ炭酸が弾ける
さあ、まだまだ満腹度合いは三分程
次は何を食べようか


クラウン・メリー
【華道】

わあ、全部串に刺さってる!
くろりん、行こう行こう!

彼の手を取ってあっちこっち連れ回し
ふふー、だって早くいっしょに食べたくてっ!
転びそうになったら俺の手を引いてね?

いつの間にか俺より大きくなった身長に
にっこりと笑顔を浮かべて

お芋とたい焼き食べたい!

いただきまーす!
はい、くろりんも!あーんっ
串をぐいと口元へ寄せて

くろりんのはお野菜だ!
俺も食べて良いの?
ふふー、どっちも美味しいね!

苺とパイン串を手に持って
あ、あっちからも良い香りがする!

わあ、このクリームソーダいろんな種類があるよ!
俺は青色ソーダにしようかな!くろりんの瞳の色!
えへへ、とっても綺麗!

ね、くろりん。乾杯しよ!
いっぱい食べるぞー!



 常春の世界から流れついた彩が、ひらひらと幽世の丘を染め上げる中で。
 ふわりと漂ってくるのは、思わずおなかが鳴りそうな美味しそうな匂い。
 その香りに誘われ、桜咲く風景にある屋台へと目を向ければ。
「串料理というのは、こんなにも種類があったんだな」
「わあ、全部串に刺さってる!」
 色々な食材が、ぷすりと串に刺さっていて。焼いたり揚げたり、美味しそう。
 そして、ぱちりと瞬かせた瞳で、じぃっと屋台を見つめる華折・黒羽(掬折・f10471)の手を引いて。
 わくわく逸るように、クラウン・メリー(愉快なピエロ・f03642)は桜の景色を駆け出す。
「くろりん、行こう行こう!」
「ああ、行こう」
 そして、黒羽はこくりと頷きつつも、共に歩むクラウンをちらり。
 ……相も変わらずの賑やかさ、って。
 けれど、返事を待たずに引かれるその手は、懐かしくて。
 思わず、苦笑とともに溢れる言の葉。
「クラウン、串は逃げない。あまり駆けすぎると転ぶぞ」
 いや、黒羽にはわかっているのだ。
 こう言ったところで、彼がはしゃぐ様子は変わりないと。
 そして、やっぱり。
「ふふー、だって早くいっしょに食べたくてっ!」
 ……転びそうになったら俺の手を引いてね? って。
 クラウンはにっこりと笑顔を浮かべて向ける。
 いつの間にか俺よりも大きくなった身長の彼の顔を、ほんのちょっぴりだけ、見上げて。
 それから、ぐるりと眼前に並ぶ串を目にすれば。
「お芋とたい焼き食べたい!」
『はいよ、芋とたい焼きだよ!』
「わぁ、ありがとう! いただきまーす!」
 串入道から受け取った串を、早速ぱくりっ。
 そしてクラウンは、持っているその串を、ぐいと。
「はい、くろりんも! あーんっ」
 黒羽の唇に寄せるクラウン。
 そして差し出された串の芋を、さり気なく何度か悟られぬよう、ふーふーしてから。
 そうっとはむり、一齧りしてみれば。
「……美味しい」
 口の中で、ほくり。転がり広がるのは、優しい甘さ。
 それから黒羽も、手を伸ばして。
「俺は、野菜が食べたい」
 手にしたのは、焼きたてのえのき巻き。
 そしてそれを――食べるか? って、クラウンへと差し出してみる。
 さっきの彼の、真似っこをするように。
「くろりんのはお野菜だ! 俺も食べて良いの?」
 そう差し出された串に、ぱあっとクラウンは笑顔を咲かせた後……はむっ。
「ふふー、どっちも美味しいね!」
 芋もえのき巻きも、交換こすれば尚、とても美味しい。
 そんな美味しい串をぱくりとなんなく平らげれば。
 次はそう、甘味の番!
 黒羽は甘辛いみたらし団子を、クラウンは苺とパイン串を手に持って、いざデザートタイム……なのですが。
 ぴくりと瞬間、反応を示すクラウン。
「あ、あっちからも良い香りがする!」
 また別の、美味しい気配を察知しました!
 そこには、しゅわっと弾ける様々な色。それにぷかぷか浮かぶのは、色んな味のアイスクリーム。
「わあ、このクリームソーダいろんな種類があるよ!」
 クラウンはカラフルなグラスをぐるりと眺めてみてから。
 選んだのは、今すぐ傍にあるものと同じ。
「俺は青色ソーダにしようかな! くろりんの瞳の色!」
 そして受け取ったそれを、嬉し気に眺めてみる――えへへ、とっても綺麗! って。
 黒羽は、そんなしゅわしゅわしているクリームソーダを見つめながらも思う。
(「炭酸は、未だあの刺激が慣れないけれど、美味しい飲み物だとは知っているから」)
 それから選んだのは、やはり――俺もあなたの眸色に近い黄色のそーだを、と。
「ね、くろりん。乾杯しよ!」
「ああ、乾杯」
 そんなうきうき弾ませる心の様に、咲って傾ければ炭酸が弾けて。
 乾杯をすませれば、いざ!
「いっぱい食べるぞー!」
「さあ、次は何を食べようか」
 ふたりは気合いを入れて、新たなる串を選ぶべく視線を巡らせる。
 丘を染める桜は満開だけれど――満腹度合いはまだまだ、三分程だから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

百鳥・円
【まる】

なーに言ってるんですかあ
何時だって食い意地張ってる訳じゃないですよ
桜を愛でることだって好きですよ

毎日毎日眺めている彩りではありますが
なんででしょうねえ、飽きるってことがないんです
桜の花は、ずうっと好きですよ

今日はたーんと食べて飲みましょ!
クリームソーダを掲げて乾杯ですの
かーんぱい!

レンコンにアスパラ、それから牛串!
さっぱり美味しく塩レモンで食べてみましょ
うんうん、美味しい!さっぱり美味しいですよう

ひと通りをいただいたのならデザートタイムですの
おにーさんの代わりにたーんと食べておきますね
このミニたい焼きの中身はなんでしょう?
餡子?カスタード?どれでも大歓迎!

ふふー、美味しいってしあわせ!


ゼロ・クローフィ
【まる】

花見か
普段は酒飲むくらいしかしないが
お前さんは花より団子か?
へー、花も好きなのか
そりゃ悪かったな
確かにお前さん所の桜は綺麗だよな

とお前さんはまだ酒は飲めないな
ノンカクテルか…クリームソーダがあるぞ?
甘いのは俺はいらんからな
はいはい、カンパイ

串に刺したら何でもありかよ
タレの串を一口
結構美味いな

お前さん結構食うな
美味いか?そりゃ良かったな

スイーツはお前さん専門だな
どんだけ食うだよ
普通の串より多めだな
ほら、こっちのスイーツも美味そうだぞと彼女へ

そうだな、たまにはこういうのも良いかもな
幸せそうに食べる彼女をくくっ笑いながら横目で見つつ



 訪れた一面春色の丘で、これからやるべき任務……それは。
「花見か」
 そう――ゼロ・クローフィ(黒狼ノ影・f03934)の言う様に、花見。
 花見を全力で楽しむことこそ、幽世の地で起こっている戦争の力になるという。
 周囲を見回せば、すでに暫し他の戦場のことを忘れ、楽し気に過ごす人たちの姿が。
 それからゼロはふと、隣にいる百鳥・円(華回帰・f10932)へと視線を移して。
「普段は酒飲むくらいしかしないが、お前さんは花より団子か?」
「なーに言ってるんですかあ、何時だって食い意地張ってる訳じゃないですよ。桜を愛でることだって好きですよ」
 返ってきた声に、緑色の瞳を細めてから。
「へー、花も好きなのか。そりゃ悪かったな」
「毎日毎日眺めている彩りではありますが。なんででしょうねえ、飽きるってことがないんです」
 ……桜を愛でることだって好きですよ、って。
 続いたそんな言葉に、納得した様にひとつ、こくりと頷く。
「確かにお前さん所の桜は綺麗だよな」
 そして勿論、花も好きだけれど。
「今日はたーんと食べて飲みましょ!」
 やっぱり、食べることだって好きだから。
 存分に食べて飲んで、これでもかと花見を満喫する気満々の円。 
 花を愛でながら、まずは一杯――といきたいところだけれど。
「……と、お前さんはまだ酒は飲めないな。ノンカクテルか……クリームソーダがあるぞ?」
 ゼロは見つけたクリームソーダを、じっと見つめてから。
 嬉々として甘そうなそれを受け取る円に、言っておく。
「甘いのは俺はいらんからな」
 そして、甘くない酒と甘いクリームソーダをそれぞれ、桜色の空へと掲げれば。
「かーんぱい!」
「はいはい、カンパイ」
 桜の花見の、はじまりはじまり。
 それから花見には欠かせない、美味しい食べ物を貰いに、串入道の屋台を覗いてみれば。
 焼き鳥や串焼きなどの定番のものから。
「串に刺したら何でもありかよ」
 スイーツ串やロシアン串など、思わずツッコまずにはいられないものまで。
 ふたりの前には、様々な串料理が。
 ゼロは、絶品のタレがついた焼き鳥をひとつ、手にして。
 はむりと一口、食べてみれば。
「結構美味いな」
 酒も進む、なかなかの美味。
「レンコンにアスパラ、それから牛串!」
「お前さん結構食うな」
 円も、気になった串をじゅじゅっと数本一気に焼いて貰って。
 ……さっぱり美味しく塩レモンで食べてみましょ。
 そう、きゅっと絞ったレモンと塩で、熱々ほくほくの串揚げをいただいてみれば。
「美味いか?」
「うんうん、美味しい! さっぱり美味しいですよう」
 大満足な、いくらでも食べられそうなさっぱり感。
 そして返ってきた言葉と、ふーふーはむはむ口にする彼女の様子に、ゼロは再び瞳を細める。
 ……そりゃ良かったな、って。
 それからひと通り串料理をいただいたのならば、やはり。
「デザートタイムですの」
「スイーツはお前さん専門だな」
「おにーさんの代わりにたーんと食べておきますね」
 任せたと言わんばかりのゼロに、気合を入れてこくりと円は頷いて。
 彼女が選んだ串を見て、ゼロは思わず苦笑する。
「どんだけ食うだよ。普通の串より多めだな」
 けれど、おすすめだよ! と店主が勧めるスイーツ串をひとつ、受け取って。
「ほら、こっちのスイーツも美味そうだぞ」
 ころんとまんまるプチシューが連なった串を彼女へ。
 そんな手渡された串を受け取ってから。円はふと、首を傾けて串入道に訊ねてみる。
「このミニたい焼きの中身はなんでしょう? 餡子? カスタード?」
 とはいえ、どれでもオッケーの大歓迎なのだけれど。
『小倉あんもカスタードも、桜餡もあるぜ? なんなら、3種類とも刺すかい』
 差し出されるのは、違う中身のミニたい焼きが仲良く連なった特別な串。
 それをはむりと食べ比べしながらも、円は笑み咲かせる。
「ふふー、美味しいってしあわせ!」
「そうだな、たまにはこういうのも良いかもな」
 ゼロはそんな幸せそうに甘い物を頬張る彼女の姿を、横目で眺めつつも。
 くくっと笑いながら、隣で咲き誇る笑顔も、一等美味い酒の肴に。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フリル・インレアン
ふわぁ、幻朧桜が綺麗ですね。
ですが、こっちは花より団子ですね。
アヒルさん、少しは桜を眺めたりしませんか?
おかわりって、全然人の話を聞いていませんね。

串入道さん、おまかせでおかわりをお願いします。
あ、焼き鳥は抜きでお願いします。
アヒルさんが怒ってしまいますから。

はい、アヒルさんおかわりを持ってきました・・・よ。
ふふ、全然花を見てくれないから幻朧桜さんのおかえしでしょうか。
アヒルさんのおでこに桜の花びらが乗ってますね。



 此処は戦争真っ只中の、カクリヨファンタズムの世界のはずなのだけれど。
 フリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)が見つめているのは、別の世界でいつも咲き誇っている花。
「ふわぁ、幻朧桜が綺麗ですね」
 それもそのはず、この花――幻朧桜は、異世界からこの丘へと流れついたものであると聞いたから。
 けれど周囲を見回せば、やはり少しだけ、見慣れている常春の世界とは印象が違って。
「ですが、こっちは花より団子ですね。アヒルさん、少しは桜を眺めたりしませんか?」
 暫し戦争のことは忘れ、美味しいものを手に花見に興じる人々の姿。
 そんな様子を見つつもフリルはアヒルさんへと、ふと訊ねてみたものの。
「おかわりって、全然人の話を聞いていませんね」
 いつの間にか、最初に貰ってきたものをぺろりと平らげて。
 おかわりの串をちゃっかり要求するアヒルさん。
 でも、花見を楽しむことこそ、戦力になるという話だから。
 フリルは再び、串料理が沢山並ぶ屋台へ。
「串入道さん、おまかせでおかわりをお願いします」
『おまかせな! 焼き鳥のおまかせかい? それとも串焼き?』
 そう訊ねてきた串入道に、フリルはこう答える。
「あ、焼き鳥は抜きでお願いします」
 ……アヒルさんが怒ってしまいますから、って。
 ええ、何気にアヒルさんも鳥ですから!
 それから調達が終われば、わくそわとおかわりを待つアヒルさんの元へと戻って。
「はい、アヒルさんおかわりを持ってきました……よ」
 ふと、串揚げやスイーツ串を差し出しながらも、思わずフリルは笑ってしまう。
「ふふ、全然花を見てくれないから幻朧桜さんのおかえしでしょうか」
 そっと手を伸ばして――アヒルさんのおでこに桜の花びらが乗ってますね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

終夜・嵐吾
せーちゃんに声かけて

串もんか~
酒のつまみとしてもええよね~
せーちゃんは何にするかの?
わしは日本酒と~やきとり…串揚げ…迷う…!
もう手当たり次第気になるもんもらっていこ

桜見ながら美味いもんくって酒のんで
ええもんじゃな~
戦争なんを忘れてしまいそになる

ところでせーちゃん
わしはロシアン串を用意しておってな…
さぁ、どれにする?
わしはこれじゃ!うまい。これはタコ串じゃったか。お次はこれじゃ!

…はふ、めっちゃいっぱい食べたの~
あとは甘味か~
わしはこのあげドーナツ(プレーン)1本で十分…
せーちゃんは存分に好きな甘味を食べるとええ
わしのことは気にせんでええよ(食育…!)
わしはこれと茶で十分じゃからね??(念押し



 舞い降る桜花弁を、もふもふ灰青の尻尾で遊ばせながら。
「串もんか~。酒のつまみとしてもええよね~」
「ああ、花を愛でながらいただくのも良いな」
 終夜・嵐吾(灰青・f05366)はへらりと笑みつつ、友と共に屋台に並ぶ沢山の串を見遣って。
「せーちゃんは何にするかの? わしは日本酒と~やきとり……串揚げ……迷う……!」
「らんらん、鶏ささみ大葉もあるぞ。卵黄付のつくねも欠かせないだろう?」
「確かに、それは欠かせん……! もう手当たり次第気になるもんもらっていこ」
 そんな、酒を片手に美味なものをふたり楽しむ事は、常ではあるけれど。
「桜見ながら美味いもんくって酒のんで、ええもんじゃな~」
 嵐吾は乾杯した酒をくいっと口にしながらも、ふは、と笑みながら紡ぐ。
 ……戦争なんを忘れてしまいそになる、と。
 けれど今は、全力で花見を楽しむことこそ、敵戦力を削ぐ力となるのだから。
「ほら、せーちゃんあいとるよ。せーさまに御酌~」
「ふふ、らんらんももう1杯どうだ」
 いつも通り楽しく美味しく、友と過ごすだけ。
 そしてふにゃりご機嫌に、嵐吾がずずいっと差し出すのは。
「ところでせーちゃん。わしはロシアン串を用意しておってな……さぁ、どれにする?」
 どれかひとつが激辛な、ロシアン串揚げ!
 そして……わしはこれじゃ! と選んだ串をぱくり、口に運べば。
「うまい。これはタコ串じゃったか」
「ふむ、俺のは蓮根だな」
「せーちゃんも当たらんかったか。お次はこれじゃ!」
 そう食べ進めるけれど……どちらも当たらない??
 そして、激辛入れ忘れたんじゃろか……なんて呟く嵐吾へと、清史郎は勧める。
 俺のこの豚カツも一口どうだ? と。
 そしてそれを、いるいる~とはむり、口にした瞬間。
「!!!? かっっっら!?」
 そんなこんなで、串料理を美味しく楽しくいただけば。
「……はふ、めっちゃいっぱい食べたの~あとは甘味か~。わしはこのプレーンのあげドーナツ1本で十分……」
 ……せーちゃんは存分に好きな甘味を食べるとええ、と。そう先手を打った上で。
「わしのことは気にせんでええよ。わしはこれと茶で十分じゃからね??」
 そう、念押しするけれど。
 まるでサプライズ、みたいに友から差し出されたのは……特別に嵐吾の分も作って貰ったという、激甘スイーツ串。
 そしてそのドロ甘さを見つめつつ、嵐吾は遠い目で呟く――やはり食育、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヘルガ・リープフラウ
❄花狼
カクリヨにも幻朧桜が咲くなんて……
なんて幻想的な光景なのかしら
今が戦争だということを忘れてしまいそう

思い出すのは先日の羅針盤戦争のこと
あの時もチョコの沸く泉でチョコフォンデュを楽しんだりしたわね
優しい心や何気ない日常、懐かしい思い出がこの世界の力になるんですもの
存分に楽しみましょう

ヴォルフのおすすめのチーズフォンデュも素敵
心行くまであったかチーズを味わって
食後のデザートにチョコなんていかが?

イチゴやバナナ、マシュマロやプチケーキを串に刺して
甘くとろけるチョコフォンデュに潜らせて
今はわたくしもお酒が飲めるから
ふわり、酒精に誘われて
ほろ酔い加減で頬も熱くなる

ヴォルフ……とても幸せよ


ヴォルフガング・エアレーザー
❄花狼
確かに、これから激しくなるだろう戦いに向けて
英気を養うことも大切だ
何より……この桜舞う光景に心躍らせるヘルガがとても愛おしい

串に刺してあれば何でも良いのか
ああ、確かにあの時のチョコフォンデュを思い出す
せっかくだから腹ごしらえもしたいし、甘味ばかりでも飽きがくる
チーズフォンデュというのはどうだろう
小さく切ったパンや温野菜を串に刺して
鍋で温めたチーズに潜らせる

食事のお供には二人でワインを
こんな風にお前と酒を酌み交わす日が来たのだな
今日まで二人が生きてこれたことに感謝して

食後のデザートにはチョコフォンデュを
甘いひと時
彼女の微笑み
咲き誇り舞い散る桜に祝福されて

ああ、俺も
幸せだ



 眼前に咲き誇る華のいろは、初めて見るものではない。
 何なら、年中通して見ることが出来るのであるけれど。
「カクリヨにも幻朧桜が咲くなんて……なんて幻想的な光景なのかしら」
 そう……此処は、常春の世界ではなく、幽世。
 今、目の前で満開に咲く花たちは、異世界から流れついたものだという。
 ヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)は見上げる瞳の青にも、春の彩りをひらりと舞わせながらも思う。
 ……今が戦争だということを忘れてしまいそう、と。
 この幽世は今まさに、戦争の只中にあるのだけれど。
 他の戦場のことは暫し忘れて花見に興じれば、幻朧桜の力が強まり、敵戦力を減らすことが出来るという。
 それに、戦も最終局面を迎えようとしている今、このような時間もきっと必要。
(「確かに、これから激しくなるだろう戦いに向けて、英気を養うことも大切だ」)
 ヴォルフガング・エアレーザー(蒼き狼騎士・f05120)はそれから、すぐ傍に在る妻の姿を見つめる。
 何より……この桜舞う光景に心躍らせるヘルガがとても愛おしい、と。
 微か揺れる白い髪に咲く蒼いミスミソウの花。さらに、淡い薄紅のひとひらが戯れるかのように舞い降り、美しい彼女をより飾って。
 刃を振るう戦場とは違った、花を愛でるこんなひとときに心弾ませるその姿をみれば、ヴォルフガングの心も愛しさで満たされる。
 そんなヘルガと共にヴォルフガングが足を向けたのは、妖怪串入道が串料理を振舞う屋台。
「串に刺してあれば何でも良いのか」
 ずらり並ぶのは、串料理定番の焼き鳥や串焼きは勿論、フルーツやスイーツが刺さったものまで様々。
 それらを眺めつつもヘルガが思い出すのは、先日の羅針盤戦争のこと。
「あの時もチョコの沸く泉でチョコフォンデュを楽しんだりしたわね」
 敵を倒すことも、戦争となれば必要になってくるけれど、でも。
「優しい心や何気ない日常、懐かしい思い出がこの世界の力になるんですもの」
 だからヘルガは、ヴォルフガングに笑み咲かせる……存分に楽しみましょう、って。
「ああ、確かにあの時のチョコフォンデュを思い出す」
 ヴォルフガングも彼女の言葉に頷いた後、こんな提案を。
「せっかくだから腹ごしらえもしたいし、甘味ばかりでも飽きがくる。チーズフォンデュというのはどうだろう」
 小さく切ったパンや温野菜の串を、鍋で温めたチーズにくるりと潜らせて食べる。
 眼前の様々な串に刺さった食材を美味しくいただけるのに、お誂え向きの食べ方。
「ヴォルフのおすすめのチーズフォンデュも素敵」
 そうヘルガは彼の言葉に微笑み返してから。
 さらに、楽しそうに付け加える。
「心行くまであったかチーズを味わって、食後のデザートにチョコなんていかが?」
 皿に取っていくのは、イチゴやバナナ、マシュマロやプチケーキの串。
 ……甘くとろけるチョコフォンデュに潜らせて、と。
 そして美味しい食べ物の次は、食事のお供の飲み物を選んで。
 桜の下で、まずはカチリとグラスを重ね合わせ、乾杯を。
 ふたりが手にした飲み物は――ワイン。
「今はわたくしもお酒が飲めるから」
「ああ。こんな風にお前と酒を酌み交わす日が来たのだな」
 先日成人の誕生日を迎えた妻と、こうやって共に酒を飲める喜び。
 何よりも、ヴォルフガングは感謝を抱いて止まないのだ。
 今日まで二人が生きてこられたことに。
 ヘルガも飲みやすいフルーティーな甘めのワインの酒精に、ふわり誘われて。
 ほろ酔い加減で熱くなる頬も、舞い降る桜のような淡い薄紅のいろに。
 そしてふたりで、串に刺したパンや温野菜にチーズを纏わせ、存分に味わってから。
 食後のデザートには、チョコレートフォンデュを。
 今度は、フルーツやスイーツの串をくるりとチョコの泉に浸しながらも。
 ヘルガはいつも共に在る彼へと笑み咲かせ、紡ぐ。
「ヴォルフ……とても幸せよ」
「ああ、俺も幸せだ」
 ヴォルフガングもそう笑み返し、今という時間を彼女と共に楽しむ。
 甘いひと時、彼女の微笑み――そして咲き誇り舞い散る桜にひらり、祝福されながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

都槻・綾
宜しければ
清史郎さんと過ごしたく


はらはら舞う桜は
全てを無垢なる白に還す雪片みたい

骸魂や妖し達の悲しみと献身が癒されますよう
胸の裡で祈念

然れど
願い事は願うだけでは叶わない
だからこそ

此の時を存分に楽しまなくては――ね、

真摯な眼差しから
悪戯な笑みへ
くるりと表情を華やがせて

手にした酒杯をおひとつ、あなたへ
軽く掲げ持ち
ささやかな乾杯を

同じ宿り神
同じく健啖家

何だか親近感を覚えてしまって、と
さやさや笑う間にも
次々と平らげていく串の数々、酒精の器

どの串にどの酒が合うか
そんな気の置けぬ会話が楽しい

欠けた香炉が故に
幾ら吞めど食せど満ちない身なれども
共に酌み交わす朋あらば
全串制覇、二巡目三巡目だって
きっと軽やかに



 ふと天を仰げば、はらはらと舞う桜花弁たち。
 そして幽世の丘に降り積もるそのいろを、青磁色の双眸にも舞わせながら。
 都槻・綾(絲遊・f01786)はそっと、その瞳を柔く細める。
 ――全てを無垢なる白に還す雪片みたい、と。
 同時に、胸の裡で祈念する。
(「骸魂や妖し達の悲しみと献身が癒されますよう」)
 けれど、綾は知っているから。
 ……然れど、願い事は願うだけでは叶わないと。
 だからこそ。
「今、此の時を存分に楽しまなくては――ね」
 桜色の空へと真摯に向けた眼差しから、くるり。
 悪戯な笑みへと表情を変じさせ、華やがせて。
 ふと見れば……己と全く同じ様に、綺麗にこんもりと様々な串が盛られた皿を手にした、見知った姿が。
「清史郎さん。宜しければ共に、花も団子もどうでしょう」
「ふふ、綾もいける口か。勿論、喜んで」
 そして声を掛けた清史郎と、のんびり桜が臨める場所に腰を落ち着かせてから。
 共に酌み交わした酒杯を軽く空へと掲げ持って――ささやかな乾杯を。
 ふたり、同じ宿り神であり、そして同じく健啖家。
「何だか親近感を覚えてしまって」
「ああ、俺もだ。杯があいているな、綾。もう一杯どうだ?」
 そう、さやさやと笑い合う間にも。
 次々と綺麗に平らげられていく数多の串たちや、増えていく空になった酒器の数々。
 けれど本人たちは、あくまで涼し気な顔で。
「串揚げには、このキレのあるしっかりとした味わいの酒が良く合いますね」
「さっぱりした塩味の焼き鳥には、軽くてスッキリとしたこの酒が良いな」
 にこにこと笑み合いながらも、交わすのは杯と気の置けぬ楽しい会話。
 そして綾は、追加で貰ってきた串や酒にほくほくと笑み零しながらも、思う。
(「欠けた香炉が故に、幾ら吞めど食せど満ちない身なれども」)
 全串制覇……いや、二巡目三巡目だって、きっと軽やかに。
 満開の桜を共に愛でながら、ひとの身を得た香炉と硯箱は、今を大いに満喫する。
 ――共に酌み交わす朋あらば、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鈴久名・紡
花見に串もの……
呑めない歳でもないけど……花見だものな

濃いめのお茶と甘味の串ものをお供に花見

……普通の三色団子も
串ものになるんだろうか?
もしそうなら、りんご飴も串もの?
いや、それはないのかな?
でもいちご飴や山査子飴は団子みたいになっているし……?
どうなんだろう

そんな他愛のない事を想いながら
和洋中、色々な甘味の串を楽しむ

あぁ、勿論お前も楽しむよ
腰を落ち着けた先の、空を、桜を見上げてそう告げて

柔らかく甘い餅の和風甘味串
こしあんが舌で溶ける、ゴマ団子と桃饅頭の中華甘味串
シュークリームとバウムクーヘンの洋風甘味串

違いを楽しみながら過ごす


感情変化が判り難いタイプ
甘味好きなのでにテンション駄々上がり中



 過ぎ去ったはずの、幽世の春。
 けれど足を踏み入れた丘には、異世界から流れついたという桜が満開に咲いていて。
 眼前に広がるのはまさに、花見には絶好の景観。
 そして花見に欠かせないのは、美味な食べ物や飲み物。
 刹那、風に乗って漂ってくるのは、話に聞いていた串入道という妖怪が振舞う串料理の良い匂い。
 そんな屋台に、鈴久名・紡(境界・f27962)はふらりと立ち寄ってから。
(「花見に串もの……呑めない歳でもないけど……花見だものな」)
 選んだのは、濃いめのお茶と甘味の串もの。
 それをお供に、ひらり舞う桜を眺め、花見をしながらも。
「……普通の三色団子も串ものになるんだろうか?」
 紡はふと、団子をひと串手に取って呟きを落としつつ、真剣に考えを巡らせる。
(「もしそうなら、りんご飴も串もの? いや、それはないのかな? でもいちご飴や山査子飴は団子みたいになっているし……?」)
 ……どうなんだろう、なんて。
 そんな他愛のない事を想いながらも、ぱくりと。
 色とりどりの三食団子を頬張っていれば。
「…………」
 ふいに、串入道が他の客に林檎飴を渡す姿を目撃する。
 林檎飴も、妖怪串入道の基準では、どうやら串ものらしい。
 そして三食団子にプチシュー串、ミニたい焼き串を、はむはむ食べる紡。
 そんな彼は一見、黙々と食べているように見えるけれど。
 その心内は、何気にわくわくそわそわ。
 もぐもぐ味わえば幸せいっぱい、実はテンション駄々上がりであった。
 けれど、そんな美味しい団子だけでなく。
「あぁ、勿論お前も楽しむよ」
 腰を落ち着けた先の、空を……咲き誇る桜を見上げ、そう告げる紡。
 そして、和風餅の甘味串を頬張れば、その柔らかさと甘さに思わず瞳を細めて。
 ゴマ団子と桃饅頭の中華甘味串は、こしあんが舌でほわりと溶けてゆく。
 それから次は、バウムクーヘンの洋風甘味串――和洋折衷、同じ甘味でも、色々な味の違い楽しんでゆく。
 暫し戦争のことは忘れて……今は、咲き誇る桜の花たちと共に。

大成功 🔵​🔵​🔵​

灰神楽・綾
【不死蝶】
梓、梓、いっぱい貰ってきたよ
両手いっぱいに串料理を持って梓のもとへ
お団子、ミニ鯛焼き、プチシュー、ミニロール、フルーツ各種…
串料理って串焼きや串揚げはよく見るけど
スイーツ系の串って珍しいじゃない?
だからあれこれ食べたくなっちゃってさ~
ん、このロールケーキふわっふわで美味しい
ほら、梓も食べてみなよ(あーん

あはは、梓ってばおじさんみたーい
いい感じに出来上がっている梓を微笑ましく見つめながら
俺が飲んでいるのはクリームソーダ
桜のような優しいピンク色
ソーダで口の中をすっきりさせたら
またいくらでも食べられそう

ねぇ梓ぁ、いつか家でも串パやろうよ
二人で色んな具材を持ち寄るとかどう?


乱獅子・梓
【不死蝶】
おぉ、サンキュ、綾……
って甘いものばっかりだな!?
そういうのはあとでデザートとして食うものだと思うが…
相変わらずの綾の自由さに苦笑しつつ
あーんされたミニロールを受け取る
…おぉ、本当だ、めちゃくちゃ美味い
この手の食べ物は「映え」重視なものも多いが、これは味も絶品
あの妖怪、なかなかやるな…!

甘いものもいいが、塩気も欲しくなるな
焼き鳥や串揚げをあれこれ貰ってくる
そしてこれらに合うドリンクは…やはりビール!
青空の下、舞い散る桜を眺めながら
焼き鳥とビール…なんて至福の時間だろうか

はは、お前ならそう言い出すと思った
お前が具材を用意したら
闇鍋ならぬ闇串とかロシアン串とか始まりそうだけどな



 ひらひらと、異世界では常に咲いている桜のいろが舞い降り、満ちる中。
「梓、梓、いっぱい貰ってきたよ」
 そううきうきと戻ってきた灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)の両手には、いっぱいの串料理が。
 お団子にミニ鯛焼き、プチシューやミニロール、フルーツ各種――。
「おぉ、サンキュ、綾……って甘いものばっかりだな!?」
 確かに、串料理を振舞ってくれるという妖怪串入道は、色々な具材に串を打って提供してくれる妖怪とは聞いていたが。
 串料理といえば、定番の焼き鳥や串揚げを思い浮かべていた乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)は、綾のチョイスに思わずツッコミの声を上げる。
 そんなたくさんの甘い串たちに驚愕する梓に、綾はしれっと笑って返す。
「串料理って串焼きや串揚げはよく見るけど、スイーツ系の串って珍しいじゃない?」
 だからあれこれ食べたくなっちゃってさ~、って。
 いや、それも分かる。甘い物は美味しいし、沢山種類があればあれもこれも食べたくなる。
 だけど。
「そういうのはあとでデザートとして食うものだと思うが……」
 ……それは、食後のデザートでは?? なんて。
 最初から全力でスイーツ三昧という相変わらずの綾の自由さに、梓は苦笑しつつも。
「ん、このロールケーキふわっふわで美味しい」
 早速ぱくりと、クリームたっぷりなミニロールケーキの串を食べてみた綾は、ほわほわ笑んでから。
「ほら、梓も食べてみなよ」
 そう、梓にも差し出して――あーん。
 そんな、綾からあーんされたミニロールを受け取ってから。
 もぐもぐと、梓も味わってみれば。
「……おぉ、本当だ、めちゃくちゃ美味い」
 それから、じいっと綾が貰ってきたスイーツ串たちを見遣り、梓は呟く。
「この手の食べ物は「映え」重視なものも多いが、これは味も絶品」
 そう……何だか綾が持つと妙にしっくりくるような気がする、可愛らしい見た目や色使い。
 串を刺す角度も映えを意識した絶妙さ、さらに味も美味しいとくれば。
 ――あの妖怪、なかなかやるな……! と。
 いや、甘いものも美味しくて良いのだけれど。
 ……塩気も欲しくなるな、と。
 甘い串をはむりと食べている綾を後目に、焼き鳥や串揚げをあれこれ貰ってくる梓。
 そして、こんなしょっぱい系の串に合う飲み物と言えば――やはりビール!
 熱々の美味な串を頬張り、冷えたビールをごくごく呷って、ぷはぁっとやれば。
「青空の下、舞い散る桜を眺めながら、焼き鳥とビール……なんて至福の時間だろうか」
 何という幸せな、大人の花見の醍醐味。
 そんなビール片手に、いい感じに出来上がっている梓を、綾は微笑ましく見つめながら笑って。
「あはは、梓ってばおじさんみたーい」
「なっ、おじさん……!?」
 何気に衝撃を受けている様子にも構わず、綾が口に運ぶのは、しゅわり弾ける桜色。
 咲き誇っている花とお揃いの、優しいピンク色をしたアイスが浮かんだソーダ。
 そんな爽やかな炭酸で、口の中をすっきりさせれば。
「またいくらでも食べられそう」
 綾はまたひとつ、今度はミニ鯛焼きの串を手にしながらも。
 気を取り直しビールを再び美味しそうに口にする梓へと、こんな提案を。
「ねぇ梓ぁ、いつか家でも串パやろうよ。二人で色んな具材を持ち寄るとかどう?」
「はは、お前ならそう言い出すと思った」
 けれど、そう綾が言うだろうことは、梓にとって想定内。
 それから、桜がひらり舞う中、ほろ酔い気分で笑って返す。
 ――お前が具材を用意したら、闇鍋ならぬ闇串とかロシアン串とか始まりそうだけどな、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月守・ユア
【月刃】

わぁあ!美味しそうなのいっぱいあるよ!月都さん!
目を輝かせて大はしゃぎ

ボクはね~
スイーツ系も食べたいなぁ
焼き鳥もいいなぁ!
色々買いあさってくるね★

バラ肉の野菜巻き、卵やキノコ系!
シュークリーム、パンケーキ!
色んな串を買ってきたよー!

心配そうに見る月都さんにきょとん
にぃっと笑う
大丈夫!どんと美味しいの食べるんだ~

う~ん♪どれも美味いっ
これも、あれも!と食べていたら
リスみたいに頬いっぱいに口に食べ物をつめていた
もぐもぐ♪幸せに食べていたら
月都さんがスマホのカメラ向けてたから
ドヤァ!とキメ顔!

面白かっただろ♪
お、いいよー!2人でまたどっか楽しく出かけよう!
ボクが飽きない旅を約束しようっ


紅呉・月都
【月刃】

おー、すげー数の串
馴染みのある物から
何でソレを刺した?と思う物までを見渡して

で?何から食う?
傍らのユアに尋ねる
俺?あー…
無難に焼き鳥にすっかな

おう、悩んでこい
そう告げて一度別れ
約束していたテーブルで合流したのだが
目前の山に思わず顔を顰める

ユアお前、コレ全部食うのかよ
あー…まぁ、いいや
腹壊すなよ?
心配しつつ
持ってきたタレの焼き鳥各種とエビとアスパラの串揚げを頬張る

あぁ、そういや甘いもんあったな
果物のだけ取ってきたけど…ぶっは!
ユア、おまっ…その顔!!
めいっぱい頬張ったその顔に遠慮無く吹き出し、笑う
スマホで写真を撮っておく

…ふ、は
あー、笑ったわ
またどっか行こうぜ
ユアとならぜってえ飽きねえわ



 異世界から流れついたという、桜のいろに染まる丘で。
「わぁあ! 美味しそうなのいっぱいあるよ! 月都さん!」
 キラキラと全力で輝くのは、月守・ユア(月影ノ彼岸花・f19326)の月のような金の瞳。
 そんな大はしゃぎな彼女と共に、良い匂い漂わせる屋台を覗き込むのは、紅呉・月都(銀藍の紅牙・f02995)。
「おー、すげー数の串」
 妖怪串入道はその名の通り、色々な食材を串に刺して振舞ってくれるのだという。
 串料理の定番である、焼き鳥や串揚げは勿論。
(「……何でソレを刺した?」)
 思わずそうツッコまずにはいられない、ちょっと変わったものまで。
 月都はそれらをぐるりと一通り、見回してみてから。
「で? 何から食う?」
 傍らでわくわくそわそわ、瞳を輝かせるユアに尋ねてみる。
「ボクはね~野菜巻きも美味しそうだし、スイーツ系も食べたいなぁ。月都さんは?」
「俺? あー……無難に焼き鳥にすっかな」
「焼き鳥もいいなぁ!」
 そして、色々買いあさってくるね★ と満開に笑み咲かせるユアに、月都はこくりと頷いて告げる。
「おう、悩んでこい」
 それからそれぞれ好きな串を選ぶべく、一旦ふたり別れて。
 予め確保しておいたテーブルで合流……したのだけれど。
「色んな串を買ってきたよー!」
 ドンッとユアがテーブルに置いた串の数々に、瞳を見開いた後。
 思わず顔を顰める月都。
「ユアお前、コレ全部食うのかよ」
 こんもり盛られた、目の前の山を見遣りながら。
 バラ肉の野菜巻きに、卵やキノコ系などなど、盛りだくさんの串に加えて。
 勿論、シュークリームやパンケーキなどのデザート串も忘れません!
 そんな心配そうに視線向ける月都に、きょとんと首を傾けるユアであったが。
「あー……まぁ、いいや。腹壊すなよ?」
 言った後、ぱくりと。
 ももや皮などのタレの焼き鳥各種と、エビとアスパラの串揚げを頬張り始めた彼に、にぃっと笑って返す。
「大丈夫! どんと美味しいの食べるんだ~」
 ということで、いただきます!
 バラ肉の野菜巻きをはむり、うずら卵や玉子焼きの串をぱくり、エリンギやしいたけなどのキノコ串ももぐもぐ。
「う~ん♪ どれも美味いっ」
 そうほくほく幸せそうに、これも、あれも! と食べていたユアだけれど。
 一通り焼き鳥や串揚げを食べ終わった月都は、ふと顔を上げて。
「あぁ、そういや甘いもんあったな。果物のだけ取ってきたけど……ぶっは!」
 瞬間、盛大に吹き出して笑ってしまう。
「ユア、おまっ……その顔!!」
 目の前の、まるでリスみたいに目一杯食べ物を頬張った、ぱんぱんになった口や頬に。
 そして、月都が写真を撮るべくスマ―トフォンを構えれば。
 しゃきーんと、キメ顔でドヤァ!
 月都は、そんなリスさんみたいな顔のユアを激写した後。
「……ふ、は。あー、笑ったわ」
「面白かっただろ♪」
 沢山の串を手に、引き続きえっへん得意顔をする彼女へと、こう続ける。
「またどっか行こうぜ」
「お、いいよー! ふたりでまたどっか楽しく出かけよう!」
 ……ボクが飽きない旅を約束しようっ。
 そう向けられた満開の笑顔と言の葉に、月都は頷く。
 ――ユアとならぜってえ飽きねえわ、って。
 幻朧桜が美しく咲き誇る中、自然と綻び咲いた笑みを返しながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月29日


挿絵イラスト