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銀河帝国攻略戦⑧~ジェネラル・サルヴァス撃沈命令〜

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●見えざる狙撃手
 銀河帝国が誇る宇宙要塞エンペラーズマインド。それは、帝国が難攻不落たりえる重要な拠点であり、だからこそその攻略に解放軍が懸ける熱意も尋常ではない。
 此処を絶対防衛線と定め決死の覚悟で解放軍を迎え撃つ帝国軍艦隊と、それを突破するために強攻する解放軍の激突は、数的優位を持つ解放軍が徐々に帝国前衛艦隊を押し込みつつあった。
 だが――。
「――味方艦の信号途絶! 撃沈されました!」
「攻撃の発生位置、不明! 索敵範囲外からの攻撃と推定!!」
 突如として攻撃を受け、宇宙の藻屑と消えた解放軍艦艇に、艦隊は恐慌状態に陥る。
 後退しようとするもの、強引に前進するもの、混乱し四方八方に砲撃を繰り返し、展開した弾幕で僚艦を損傷させてしまうもの。
 連携を欠き、数の優位を活かせなくなった解放軍艦隊はそれぞれが互いの進路を塞いでしまう。
 そこに、冷酷な狙撃戦艦の照準がぴたりと合わせられるのだった。

●長距離砲艦を撃沈せよ
「新たなミッションを発令します」
 アレクサンドラは、集った猟兵達を見回して告げた。
「銀河帝国攻略作戦は次の段階に移行、エンペラーズマインド要塞の攻略に向け解放軍各艦隊は順次進軍を開始しました」
 ですが、とアレクサンドラは優勢を否定する言葉をつなげる。
「先行した艦隊が超長距離砲による狙撃で甚大な被害を受けつつあります。皆さんにはただちに出撃、この長距離砲を搭載したディクタトル級戦艦ジェネラル・サルヴァスを撃沈して頂きたいのです」
 アウトレンジからの正確な狙撃は艦隊にとって脅威、士気を挫くにはこれ以上ない武器だが、猟兵の駆る宇宙バイクや戦闘機、まして鎧装騎兵や宇宙服を纏う生身の人間まで正確に狙い撃つことは困難なはず。
 さらにテレポートで接近するまでの危険な航路をショートカットできる猟兵ならば、この危険な狙撃戦艦を比較的安全に攻撃できるだろう。
「ただし、相手は戦艦です。防空網も相応に強力でしょう。接近戦だからと油断は無いようお願いします」
 ご武運を、と敬礼でアレクサンドラは猟兵たちを送り出す。


紅星ざーりゃ
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 こんにちは、紅星ざーりゃです。
 こちらは戦争シナリオ、エンペラーズマイン防衛艦隊への攻撃任務となります。
 敵戦力はディクタトル級戦艦ジェネラル・サルヴァス。強力な狙撃主砲を持つ戦艦です。既に接近した状態での戦闘になりますが、それでも戦艦ともなれば危険な敵。
 どうか油断なく、この恐るべき狙撃戦艦を撃沈してください。
 皆様の熱いプレイングをお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『ディクタトル級巡洋戦艦』

POW   :    主砲発射用意!
予め【主砲にエネルギーを充填しておく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    航空各隊、邀撃に移れ!
【両舷カタパルト】から【直掩艦載機】を放ち、【対宙迎撃】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    オール・ウェポンズ・フリー
【兵装使用無制限状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ベモリゼ・テモワンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アララギ・イチイ
敵の戦闘機やバイクと乱戦をするつもりは無いわぁ
深く静かに進むだけよぉ

装備品のアクア・アララギ号を【操縦】して攻撃よぉ
目立つ行動はせず、【迷彩】で敵の視界を妨害、【念動力】を併用する事で推進装置の稼働は最小限度に抑えつつ、こっそり攻撃可能距離に進むわぁ

周囲の状況を【情報収集・聞き耳】で調査、デブリに紛れるなどして、敵に気付かれ辛いルート選択ぅ

攻撃距離に進んだら【誘導弾】の大口径対艦魚雷8門の【一斉発射】よぉ
【鎧砕き・鎧無視攻撃】で装甲を砕く弾頭を採用だわぁ

攻撃後は反撃を警戒して、その場から離脱よぉ
ちなみに搭乗員を【UC:召喚・機械人形ズ】で増やしておくわぁ
魚雷の再装填や被害対策の役割を与えるわぁ


メイスン・ドットハック
【SPD】
狙撃艦とは厄介じゃのー
じゃけど芋プレイもここまでのようじゃのー

まずは巡洋戦艦指令に対してクラッキングを開始
通信指令やプログラムAIに対して多大なる阻害を与える試み(ハッキング、破壊工作、鍵開け、暗号作成)

さらに出撃する航空艦隊には電脳魔術によるジャマープログラムで対応
偽の小型船や、レーダー阻害する空間などを作り上げて、徹底的に邪魔をする

巡洋戦艦に近づいたらユーベルコード「木を隠すなら森の中」で回転する総面積24㎡の削岩機を複製
戦艦の主要武器砲台に当てて掘り進む
そして止まったらトラップが発動し、そのまま大爆発を起こす
主砲付近なら誘爆も起こせるはずとの狙い


ユーノ・ディエール
連携アドリブ歓迎

アウトレンジからの狙撃……艦隊戦では厄介な相手ですね
航路のショートカットなら透衣束明で
一人まで、私の念動力が届く範囲の方を透明に出来ます
同じ様にスターライダーの方がいれば同道したいですが……

先ずはクルセイダーを高速モードで騎乗
透明化を果たし最短ルートで前進します
気付かれ無い様障害物を念動力で退かしながら
敵艦底部より奇襲、全装備を一斉発射後に
2回攻撃で転進、迷彩で回避行動を取りつつ
こちらに攻撃の目を向けさせます

無制限状態の対空砲火を避けながら
ドローンをばら撒き敵の詳細を把握
本隊の攻撃が始まれば情報を共有し
私は誘導レーザーで対空砲火を一つずつ潰します

役割を果たせば、必ず勝てます!




 暗黒の宇宙空間、解放軍主力艦隊と帝国軍エンペラーズマインド防衛艦隊が激突する宙域からやや逸れたその暗礁に、漆黒の巨大な艦影を三人は見た。
 楔形の構造物が幾重にも重なった独特のシルエットはまさに帝国軍の巡洋戦艦ディクタトル級そのもの。
 だが、その艦にはひとつ、通常のディクタトル級とは異なる点があった。
「アウトレンジからの狙撃……艦隊戦では厄介な相手ですね」
 愛機たるスタークルセイダーに跨がり、自らと僚機を念動力で光学的に隠蔽して忍び寄るユーノは、目標たるディクタトル級戦艦ジェネラル・サルヴァスの異様な姿を目の当たりにして息を呑む。
 ただでさえ巨大な船体の倍はあろうかという細く長大な鉄柱を腹に抱え、そしてその鉄柱と艦との接続部に無数のジェネレーターや冷却装置を取り付けた姿はある種優美さすら感じるディクタトル級の装備としてはあまりにも異質で醜悪さすら覚える。
「あんなものまで引っ張り出してくるなんて、帝国軍も必死ねぇ」
 並走するスタークルセイダーを駆るユーノの力によって姿を隠し、また自らも念動力を推進に使用して熱反応を抑えながら飛翔する攻撃艇、アクア・アララギ号。その艦橋で機械人形のクルーを指揮しながら、アララギはジェネラル・サルヴァスの異形の姿をそう評価した。
 あれは強力だが、どうみても完成した兵器ではないだろう。
 で、あるならば。帝国軍はあのような未完成兵器すら実戦投入せざるを得ないほど追い詰められている、とも考えられる。
「まあ、たとえ未完成でもこの距離で撃ち合える狙撃艦とは厄介なものじゃけどのー」
 機械人形に混じってアクア・アララギ号に同乗するメイスンは、未完成兵器ではないかという予測に対してそう答えた。仮にその予想があたっていたとして、既に遥か後方の味方艦隊が攻撃を受けていることに変わりはない。
 既にほぼ完成している――あるいは、それに近い完成率を誇るのだろう。もしあの艦を逃すことがあれば、そしてその有効性を帝国軍首脳部が評価したとすれば。
 この先の戦場で同様の装備を施した艦隊が立ちふさがった時、解放軍はこの戦場の比ではない損害を被る可能性もある。
「所定の距離まで接近次第、私は編隊を離脱して陽動に入ります。迎撃の目を引きつけますから、そちらが主攻を」
 進路を塞ぐ岩塊をそっと念動力で退かして、ユーノは僅かに速度を上げる。
「了解よぉ。こっちは機動戦なんて出来ないし、一撃入れたら反撃が来る前に離脱するわねぇ」
「そういう事なら、攻撃開始に合わせて僕がクラック仕掛けて電子機器を麻痺させてみようかのー」
 先行するスタークルセイダーの背を見送りながら、アララギはクルーに攻撃準備を、メイスンは巨大な敵戦艦への電子攻撃の用意に取り掛かる。
 その時、だ。
 眩い閃光が三人の目を一瞬晦まし、次いで熱を伴う凄まじい衝撃が押し寄せた。敵艦の狙撃砲が強力なレーザーを放ち、廃棄された触媒ガスが吹き付けたのだ。
「――今のは!?」
 振り返ったユーノは、遥か彼方で炸裂する光を見た。チカチカと明滅し、やがて消えていく橙色の光は、あれは。
「……また一隻、やってくれたわねぇ?」
 アララギの柔らかな語調に怒気が滲む。この距離からでは詳細な情報を得ることは出来ないだろうが、それでも先の一撃が解放軍の艦隊にまたも犠牲者を強いたことはわかる。
「芋プレイもここまでじゃのー……これ以上は捨て置けんけぇの」
 安全圏に引き篭もり、一方的に殺戮を繰り返す狙撃戦艦。これは戦争で、その行い自体を悪と断ずるつもりはない。
 解放軍とてそれで犠牲なく勝利出来るならばそうしただろう。だがそれが敵であり、志を胸に集った仲間たちを危険に晒すのであれば。
 三人の猟兵と2つの機影は、一気に加速しジェネラル・サルヴァスへと肉薄する。

『第三射、弾着――今! 反乱軍大型輸送船に命中!』
『敵艦、中央部より破断! 爆沈確認!』
 一方のジェネラル・サルヴァスの戦闘指揮所では、観測手達の報告にクルーたちの歓声が上がっていた。
 敵艦の集結を阻止しきれず、そしてカイザー・レイすら防衛できなかった愚かな先行艦隊とここエンペラーズマインド要塞守護のため選抜された精鋭たる防衛艦隊は練度が違う、皇帝陛下に賜る期待と信頼も違うのだ。
 その証左として与えられたこの試作狙撃砲の威力たるや。この艦がこそ、帝国軍勝利の切り札たらんと言っても過言ではない。そうほくそ笑む砲術長は、砲身冷却と次回射撃の準備を進めるよう号令を下す。
 そこに、ブリッジからの急報が飛び込んだ。
『――敵影、至近に出現す! 狙撃砲の砲撃準備は一時中断、対空戦闘を開始されたしとの事!』
『……チッ、どこから湧いたか知らんが、反乱軍め! 敵影は……バカな、何故この数の接近に誰も気づかない!!』

「木を隠すなら森の中、船を隠すならデブリの中……攻撃を隠すなら、艦隊の中じゃ」
 アクア・アララギ号のブリッジで、軽快にキーボードを叩くメイスン。彼女の指が軽やかに踊るたび、レーダー上に解放軍の識別コードを持った光点が次々と増えていく。
「これは……味方がワープアウトしてきたのぉ? ……いえ違うわ、何も居ない……あなたがやったの?」
 窓の外、居るべき船が居ない。振り返ったアララギに、メイスンは視線をディスプレイに向けたまま頷く。
「空母、輸送艦、巡洋艦、巡洋艦、戦艦、駆逐艦、駆逐艦、駆逐艦、それから駆逐艦……このくらい居れば別動艦隊らしく見えるじゃろうのー」
 レーダー上に突如現れた、不可視の解放軍分艦隊。ワープドライブを解放軍が手にした今、帝国軍はこの反応を無視することはできない。
 もし、主力艦隊の損害を重く見た解放軍が、正面の圧力を減らす決断をしてまでこの狙撃戦艦を叩くための戦力を抽出したのなら。その不安を否と否定できない以上、その一つ一つが電子欺瞞であると確かめるまで彼らは見えない艦隊の脅威に晒され続ける。
「好き放題芋砂したんじゃ、少しくらいは怖い思いしてもらわんとのー」
 おまけを一つ敵艦のシステムに仕込んで、メイスンはひょいと立ち上がって笑う。
「僕の仕事は一段落じゃ、ちょっと休憩してくるのー」
「ええ、ありがと。さあ、私達もこの機に攻撃開始よぉ!」

 ジェネラル・サルヴァスの艦底部を沿うように飛翔するユーノのクルセイダーは、ステルスを解き攻撃を開始した。
 搭載する全ての武装を斉射し、懸架された狙撃砲にダメージを与えて離脱、すぐさま旋回して反復攻撃を行い、彼女は敵部隊に自らの居場所を知らしめる。
 メイスンの策略によって出現した"存在しない解放軍艦隊"を迎え撃つべく出撃した艦載戦闘機が一隊、慌てて旋回してユーノに向かってくる。
「そうです、こっちへ――まだ足りない、もっとこっちに向かってきなさい!」
 敵艦の表面を掠めるほどにスレスレを低空で駆け抜け、追跡する敵機を寄せ付けないクルセイダー。
 時折分離し、展開していくドローンが敵艦の情報を収集して味方へと送信していく。
『クソっ! なんて高度を……墜落したいのか、あのパイロットは!!』
『だがいつまでもあの低空を翔んでいられるかよ! 高度を上げたところで対空砲と挟撃する!』
 追う敵編隊は敢えてユーノを追い越し、正面に回り込んで急降下攻撃を挑みかかる。
 このままスレスレを飛ぶのはあまりにも危険、だが対応のために機首を上げれば自身を撃つ恐れの無くなった艦の対空砲がユーノの背を襲うだろう。
 追い立てられた白鳥が我慢しきれず銃口の前に飛び出すのを、今か今かと待ち受ける対空砲群。
 そして、その射線上にユーノを追い詰める帝国軍航空隊。
「くっ……いいえ、弱気になる必要はありません。私は私の役割を果たして、皆さんを信じる。そうすれば必ず勝てるッ!」
 機首をぐいと引き上げ、急上昇するクルセイダー。待ち構えていた対空砲がこの機を逃すかと照準を一斉にユーノに合わせるが、しかし射撃してこない。
「これは……いえ、詮索するより攻撃を!」
 斉射されたホーミングレーザーが、ユーノを狙う対空砲を次々と撃ち抜き破壊していく。
『何故だ!? ジェネラル・サルヴァス! 何故撃たなかった! ――応答しろ、何とか言え、おい!!』
『隊長! 母艦だけでなく味方部隊とも通信が繋がりません! 完全に孤立状態です……!』
 ユーノを狙うはずだった、協働相手たる艦砲群が機能しなかったことに動揺する航空隊は、更に出撃した部隊全てが通信を喪失したことを知って戦慄する。
 ならば、先程から視野の端々に見える戦闘の光は――
『我が隊はこれより帰艦し、直接状況確認を行う! これは罠である可能性が高い!』
 編隊長は気づいた。気づいてしまったのだ。艦隊という分かりやすい敵影を何故最初に見せたのか。
 通信妨害を行うだけの電子戦能力を敵が持っているならば、最初から姿を隠して忍び寄り、音もなく母艦を沈めることも出来たはずの敵がそれをしなかった。
 つまり敵は、艦隊などではない。大きく美味そうなデコイに航空隊を喰らいつかせ、母艦の守りを薄くすることが敵の狙いだとしたら。
『隊長! 6時方向に所属不明の攻撃艇1、いえ……撃ってきま――』
 母艦に寄り添い、帰艦すべくカタパルトへと急行する編隊の真下、艦の装甲が突如爆発し、破片に巻き込まれた機体が墜落していく。
 しまった――と隊長が操縦桿を引いたとき、既に隊長機にも巨大な装甲板の破片が覆いかぶさり――

「魚雷再装填急ぎなさぁい」
 メイスンの"おまけ"によって一時的に麻痺した防空網。それが再起動する前に破壊して回るユーノのスタークルセイダーに先導され、アクア・アララギ号もまたジェネラル・サルヴァスに肉薄していた。
 古来より魚雷攻撃は接近戦でこそ活きる戦術。アララギの指揮のもと、一個の生命のように連携するクルーたちは次の攻撃準備を整える。
 装填が終われば斉射。放たれた魚雷は敵の装甲に突き刺さり、熱風と鉄片をその内側へと吹き込んで内部から装甲を破壊していく。
「もうすぐ敵の主砲ねぇ」
 敵艦の主砲――狙撃砲ではなく、この距離でも脅威となるディクタトル級標準の対艦ビームキャノンを眼前に捉え、アララギは預かった"奥の手"を使うようクルーに命じる。
「あれを吹き飛ばせば他の皆もきっと楽になるわぁ。魚雷斉射後、あれをぶつけたら敵の増援が出てくる前に全速離脱よぉ」
 アイマム。頷き、攻撃準備に入るクルーたち。8つの魚雷発射管から放たれた対艦魚雷は違わず主砲に直撃し、砲塔を吹き飛ばす。
 その吹き飛んだ砲塔跡に投下されるのは、メイスン特製の削岩機だ。
 本来隕石などを破砕するためのそれは、敵艦に取り付き主砲の痕跡を抉って艦内に突入し――
 そして、爆ぜた。
 主砲に動力を供給するためのパイプラインに誘爆し、大爆発を起こすジェネラル・サルヴァス。
 その炎を背に、アクア・アララギ号とスタークルセイダーが離脱していく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セシル・バーナード
同行:アドニード・プラネタリア(f03082)

索敵範囲外からの一方的な狙撃か。それこそぼくの理想だね。
でも、やられる側じゃ楽しくないなぁ。
皆で力を合わせて撃沈しよう。
交戦宙域に入ったらサウンド・オブ・パワーで皆を強化。

ぼくとアドは邀撃に上がってくる艦載機の群れを引き受けるよ。
戦艦に向かう皆、後は任せた。

周囲に常時フォックスファイアを展開して、「範囲攻撃」で纏めて落とす。
「視力」「暗視」で敵機の機動を見定めて、攻撃の優先順位をつけるよ。

艦載機の攻撃は「学習能力」で理解し、「見切り」かわす。
戦艦撃破まで「時間稼ぎ」で粘ってみせる。

アド、数が多いから気をつけてね。
負傷はシンフォニック・キュアで回復。


アドニード・プラネタリア
同行:セシル・バーナード(セイレーン・f01207)

セシルくんと一緒に戦えるね〜♪
僕うれしいよぉ♪
頑張ろうね♪

戦艦がいかに強くても、僕達に掛かれば、破壊出来ないはずはない!(ビシッと)

同戦場地で戦います。

ユーベルで(全力魔法)を込めて。
100個の矢vs敵航空機。

衝撃波+範囲攻撃の連携もいいかもね。

攻撃技能(生命力吸収,2回攻撃,衝撃波,敵を盾にする,範囲攻撃,破魔)です。

防御技能(残像,敵を盾にする,盾受け,見切り)です。




「索敵範囲外からの一方的な狙撃か。それこそ僕の理想だね」
 でも、やられる側じゃ楽しくない。セシルは宇宙服の中でそう呟き、獲物が網にかかるのを待っていた。
 敵戦艦への第一撃に合わせて、腕利きのハッカーが敵に欺瞞情報を流す手筈になっている。どういう"嘘"を流すつもりかはわからないが、上手く行けば敵の航空隊はこの宙域めがけて殺到してくる――という話だが。
「セシルくんと一緒に戦えるね、僕うれしいよぉ」
 どんなに強い戦艦でも、僕たち二人なら倒せるはずだよ、と気合十分のアドニードに、セシルは苦笑をひとつ。
「アド、僕らの相手は戦艦を守る戦闘機さ。戦艦は皆に任せるって、そう分担したろ?」
「えぇーっ、じゃあ戦艦とは戦わないの!?」
 むっと頬を膨らませるアドニードをぽんぽんと撫でて、セシルは暗黒の宇宙に現れた幾多の光を睨む。
 戦艦ジェネラル・サルヴァス所属航空隊。無数の戦闘機が、この宙域に居る"筈の"解放軍艦隊を迎え撃つべく飛来する。
「罠に掛けられたのはそっちだよ、帝国軍。……僕らは僕らの仕事をやり遂げる」
 だから、そっちもやり遂げてよね。
 対艦攻撃に向かった仲間たちの奮戦に期待して、セシルは圧倒的な戦力差に飛び込んでいく。
「戦艦じゃないのは残念だけど、まあいいや。セシルくん、頑張ろうね!」
 杖を構え、炎の矢を携えやる気をみなぎらせるアドニード。先を行くセシルはふと振り返り、
「アド、数が多いから気をつけてね」
 大切な人が傷つく姿を見たくはない。自分が守らなくては、と決意を込めた歌声を宇宙に広げるセシル。
 その想いを受け止めて、アドニードは更に闘志を高めていく。
「それじゃあ、最初から全力で――ええいっ!」
 全力の魔力で練り上げられた百にも上る炎の矢が一斉に敵の航空隊に押し寄せ、次々とその先鋒を破壊していく。

『――母艦との連絡が途絶! まさか、さらなる別働隊に沈められたのでは……』
『馬鹿を言うな、敵の本隊は真正面に居るのだ! ジェネラル・サルヴァスの砲に狙われながらさらに戦力を寄越す余裕など反乱軍に在るはずがない!!』
『――しか――プドライブ――速艦の――――』
 なんだ、と航空隊の総指揮を執る隊長は、突如不安定となった通信に眉をひそめる。
 今しがた母艦との通信が消失し、今度は僚機との回線すら切断された。反乱軍め卑怯な手を、とその原因を眼前の"解放軍別働艦隊"によるジャミングだと断じた編隊長は、キャノピー越しのハンドサインで編隊を維持したまま加速し、一気にその元凶たる解放軍艦隊を殲滅するべく指示を出す。
 その命令に従い、全機が一斉に速度を上げ――そして、編隊長機を含む指揮官機は次々と正面から飛来した炎の矢に串刺しにされ爆散した。

「やるじゃないか、アド!」
「えへへ、でしょう!」
 艦隊の影も形も見えない場所で突如として攻撃を受け、通信も出来ないまま指揮官を軒並み失った帝国軍部隊は、一瞬にして混乱の最中に叩き落とされた。
 通信を喪失しても尚連携できる練度の高さが整然とした隊列を維持させたことで、逆にアドニードの攻撃の正確さを助ける結果となったのだ。
 大戦果を挙げた赤毛の少年を褒めながら、金髪の少年もまた混乱する敵を見極める。
 すぐさま立ち直り、同じく冷静さを取り戻した者同士小規模な編隊を再編するもの。
 前後不覚に陥りあらぬ方向へと飛び出してゆくもの。
 そして、状況を掴めぬまま個々に作戦目標――敵艦隊を叩くべく愚直な飛行を続けるもの。
 セシルはふむ、とそれらを効率よく繋ぎ止める術を考え、狐火を放つ。アドニードの炎の矢と比べればその数は遥かに少ないが、その代りに自在に操れる炎だ。それが、撃墜された敵機の残骸を盾に忍び寄る。
 ――そして、敵機が近づいた途端に大爆発。火炎に混じり飛散した残骸の欠片が戦闘機に突き刺さり、新たな残骸を生み出していく。その残骸に新たな炎を忍ばせ、敵の接近を待つセシル。
 だが、いち早く統率を取り戻した部隊がその罠に気づいた。残骸にトラップを仕込まれた、そのことに気づいた戦闘機が僚機の残骸を機銃掃射で破砕し、もろともに狐火をかき消す。
 しかし、彼らには不幸がふたつ重なっていた。
 ひとつは、猟兵のクラッキングにより彼らが一切の電波的な通信、識別手段を失っていたこと。
 もう一つは、部隊の一部が正気を欠いた恐慌状態に陥っていたこと。
『――アイツ! 味方を撃った!?』
『――あの機体、いやあいつらだけ編隊を組んでいる……通信が出来てる? 裏切り者か!?』
 疑心暗鬼に陥った敵部隊は、冷静に状況を打開しようとする仲間に牙を剥いた。
 無数に漂うデブリで視界が悪く、居るはずの敵が居ない。そんな中で耳と言葉を奪われ、帝国軍はわけもわからないまま味方撃ちに突入していく。
「……おやおや。ま、それならそれでもいいさ、助かるしね」
 楽しげに歌いながら、アドニードとともに帝国軍同士の乱戦を脱出したものから狩っていくセシル。
 数が半分を割るまで減ったところで、通信妨害から回復した敵がようやくセシルとアドニードに気づいたときには、既に帝国軍に二人と戦うだけの余力は残っていなかった。
 苦し紛れの機銃掃射を見切り、あるいは敵機の残骸を盾に掻い潜って炎を叩きつける二人の少年。
 その高く涼やかな歌声を通信で拾った帝国軍のパイロットは恐怖する。
『せ、セイレーン……船乗りを惑わす魔物…………!!』
 耳を奪われ、心を奪われ、疑心暗鬼のなか仲間同士の殺し合いまで始まって。
 それもすべて、この少年のような魔性のものの為に――
 キャノピーを割って流れ込み、コックピットを焼き尽くす炎の中で帝国兵は最期に、少年達の誇らしげな勝利の表情を見た。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

東郷・三笠
ふむ、長距離砲艦とな
姿が見えぬ死神は恐ろしいもの
しかし、幽霊の正体見たり枯れ尾花
世界ノ興廃、コノ一戦二在リ
東郷・三笠、推して参る

空中戦11、ジャンプ5、ダッシュ5で三次元移動をしつつ残像1で攻撃を躱し一斉発射11、範囲攻撃2で目についた砲台や直掩艦載機を『タケミカヅチ』で砲撃

『タケミカヅチ』で砲撃しつつ怪力3でブリッジのガラスを割って侵入
その後は鎧無視攻撃9、見切り1、殺気2、礼儀作法2、覚悟2、恐怖を与える1で東郷流電磁抜刀術『閃雷』
冥土の土産にもっていけ
雷剣神の妙技を見よ!東郷流電磁抜刀術―――『閃雷』

敵の攻撃は盾受け8を用いてアサルトシールドフィールドで防御

アドリブで他の方との絡み歓迎


ミハエラ・ジェシンスカ
敵狙撃艦への直接的な戦力投入とは
成る程、グリモアとやらのもたらす優位性は計り知れんな

小手先の技が効く相手でもない
近付いてただ斬る。それだけだ
デブリがあればそれを利用し、接近を試みる
……とは言ったものの。ちぃ、近付けんか!

と、防空網に接近を阻まれる白兵戦用機を装う
主武装のフォースセイバーをこれ見よがしにちらつかせてな

その隙に隠し腕用のフォースセイバー二振りを敵へ向けて飛ばす
ここぞというタイミングを見計らい、念動力で振るい斬りつける
ああ、だまし討ちというヤツだ。悪く思うな
小手先の技だが、フォースセイバーにはこういう使い方もある! ゆけ!




「幽霊の正体見たり枯れ尾花、姿の見えぬ死神も近づいて見れば不格好な長距離砲艦に過ぎん」
「同意する。しかし、敵狙撃艦への直接的な戦力投入とは」
 大胆にして柔軟な戦力運用。かつての戦争では無かったグリモアの持つ戦略的な要素に、ミハエラは驚嘆する。
 接近すら至難の圧倒的な索敵範囲、砲射程を持つ狙撃艦に対し、至近距離に兵力を送り込む。それは圧倒的な優位をもたらす戦場の革新だ。
 そして、この戦場の到るところでその力を持つ猟兵達が解放軍を支援している。銀河帝国であろうと、再び斃すことはできるのだと彼女は剣を握り締めた。
「それにしても……ほう、君は随分面白い剣を使うようだな」
 赤いフォースセイバーを握りしめるミハエラを見遣って、三笠が微かに笑う。
 何のことだ、と聞き返すミハエラに対して、三笠はいや、と言葉を切った。
「なんでもない。さて……東郷三笠、推して参る!」
 アームドフォートのスラスターを全力で展開し、第一次攻撃部隊がこじ開けた迎撃の穴をくぐり抜けてジェネラル・サルヴァスの巨体に迫る三笠。
 自身の防御力を頼みに最短距離を真っ直ぐに突き抜ける彼女と対象的に、ミハエラは堅実に進み、しかし突入の機を欠いてしまう。
「……ちぃ、近づけんか!」
 謎のシステムダウンから復旧した敵艦の対空火器は既に再起動し、猛烈な弾幕をもって接近する敵を迎え撃つ。狙いの防空網の穴も、三笠の突入によって警戒されてしまっては彼女ほどの推力を持たない者には突入困難となっただろう。
 デブリを盾に、あるいは足場にと飛び移りながら攻撃の間隙を狙うミハエラ。されども、飛来する対艦副砲がその身を守り機動を助ける岩塊や戦闘機の残骸、鉄屑を次々と粉砕していく。
「砲手も馬鹿ではないということだな。デブリがなければ白兵戦用のウォーマシン一機狩るのは容易いと」
 事実、フォースセイバーを武装とするミハエラにとって、まず戦闘に持ち込むにも接近することが大前提だ。近づけないのであれば、取りうる手段はそう多くない。――たとえば。
「さて、ディクタトル級の装甲に何処まで通じるか……!!」
 予備のフォースセイバーを投擲し、あわよくば敵の機関砲に突き刺されば。そんなミハエラの抵抗は、機関砲塔を守る防盾によって無慈悲にも弾き返される。
 だが、それでいいのだ。
 投擲ごときの威力でこの改ディクタトル級戦艦に傷を与えることなど出来ぬと。
 故に、飛来する赤い光刃を撃ち落とす必要もないと慢心したその一瞬の隙に、ミハエラは狡猾に滑り込む。
「小手先の技、騙し討ちだが――」
 装甲を弾いて漂う二振りのフォースセイバーを念動力で掴み、裂帛の気合とともに一閃。機関砲は真二つに割れ、弾薬に誘爆して砕け散った。
「悪く思うな。フォースセイバーにはこういう使い方もあると想像し得なかった貴様の落ち度だ」
 ガンカメラ越しに見ているであろう機銃を操る乗員に告げ、更にいくつもの機関砲を切り裂いたことで確保されたランディングゾーンに着地した黒いウォーマシンが駆ける。
 彼女は飛翔するふたつの光刃を振り回し、その腕の一振りをも自在に操り邪魔をする機関砲を破壊し、飛来する弾丸を弾いて猛進する。

 一方で三笠もまた、穴が空いたとはいえそれでも抵抗苛烈な敵の防空網に手を焼いていた。
「少し戦果を欲張りすぎた、か?」
 一回の突撃で最大級の成果を得るには、危険を犯してでも敵の急所を叩く必要がある。
 そして、戦艦という多くの人間の意思によって操られる集合体を最も効率的に麻痺させるならば、その指揮系統の中枢……頂点と言い換えてもいい。全ての意思決定を行う脳たる、艦橋を叩くのが最も有効だ。
 特に正面からこの艦を撃沈しうるだけの火力を用意できない、今回の浸透攻撃においては効率こそが何よりも重要視される。
 だからこそ三笠は、防空網の消滅した第一次攻撃隊の襲撃ルートを離脱し、艦橋へ向けて転進した。
 しかし急所ともなれば守る敵も必死、艦を強引に機動してまで防空網の厚い箇所を三笠に向け、なんとしても彼女を撃墜するべく猛烈な抗戦を見せていた。
「ふむ……それぞれの火力は我の守りを貫くほどではないが……!」
 如何せん数が多くてはうかつに攻め上がることもできないか。三笠はいっそ最大火力の砲撃でここから艦橋を潰せないだろうかと思案するが、万が一にも回避された場合を考えるとあまりよい選択ではなさそうだ。
 飛来した砲弾を残像を残すほどの鮮烈な機動でくるりと回避し、さてどうするかと考える三笠。だが、もうここまで攻め込んだ以上は此処からあれこれと策を弄するよりは多少強引にでも短期決戦を挑んだほうがよいと、タケミカヅチの背後に背負うスラスターの出力を上げ彼女は一気に突進する。
 潰しても潰してもキリのない敵の砲台だが、進路上のものだけを叩けばいいとなると幾らか気も楽になる。こちらに砲口を向けるその全てを相手取るより遥かに数が少なく済むのだから。
 前方から砲弾の雨を浴びせかける機関砲にビームを撃ち込み、爆散するそれの炎をくぐり抜けて艦橋構造物に取り付いた三笠。そこに、
「そちらもブリッジ狙いか」
「おや、我と同じことを考えているとはな!」
 これだけの巨体を無力化するならば此処を潰すのが一番効率がいいだろう、とフォースセイバーの切っ先でブリッジを指すミハエラが合流する。
 違いない、と頷き、二人は飛び上がるとブリッジの分厚い強化耐弾ガラスを切り裂いて艦内に侵入する。
 真空の宇宙に哀れなブリッジクルーが二、三人吸い出されていくのと入れ替わりに飛び込んだ二人の背後でシャッターが閉まり、動揺しながらも艦内に留まることが出来た敵兵がブラスターを抜いた。
『――撃て、射殺しろ!!』
「遅い! 東郷流電磁抜刀術―――『閃雷』」
「囲めば勝てると思ったか? 同じ人間ならそうかもな」
 二人を包囲する兵士たちに、三笠はレールガンさながらの速度で刀を振り抜き、ミハエラは二本の隠し腕を用いた三刀流の早業で彼らを斬り伏せる。
「「冥土の土産だ、持っていけ」」
 一瞬の出来事に何が起こったのかすら理解が追いつかない艦長らしき高級士官に、四つの刃が落とされた。
 斯くて艦橋を制圧した二人の剣士は、入ってきたときと同じようにシャッターを切り裂き再び宇宙へと舞い戻る。
 頭を失った船は、多少与しやすくなったはずだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アリシア・マクリントック
上下の無い空間……さすがに今回はマリアはお留守番ですね。

敵がこちらを狙いにくいとは言っても、被弾すればひとたまりもないですね……エネルギー兵器では斬りはらうのも難しそうですし、砲口の向きに注意しながら回避重視で行きましょう。
ミサイルの上を飛び移って……なんてのもやってみたかったのですけれど。

戦艦相手にどう攻撃すればいいのでしょうか……閃きました!どんな材質であっても急激な温度変化には弱いはず……
炎属性で加熱した後に氷属性で急速に冷却して装甲が弱ったところに必殺の一撃です!
穴が開けばあとはそこから侵入して制圧するなり機関部を破壊するなり、いくらでもできるでしょう。
少なくとも傷くらいはできるはず!


アルトリウス・セレスタイト
千里の道も一歩から。だったか

付近に味方があれば協働

主砲を第一目標とし魔眼・掃滅で消去
可能なら完全に消し飛ばし、最低限使用不能に
格納状態なら付近を消去し露出させてから実行
その後は他の目標を順次対象に

移動は回廊で
見えていれば移動可能なはず

効果なし、或いは主砲の位置を特定不能などであれば破天で爆撃
各種技能を活用し兵装部を狙った面制圧飽和攻撃で機能不全を狙う




『か、艦橋との連絡が途絶えました……』
 司令部たる艦橋が突然のノイズを最後に連絡を絶った。戦闘指揮所に詰める砲術長はその報せを受け、艦長がもはやこの世の者では無くなったことを悟った。
 もともと反りの合わない男ではあった。権威主義的で保守的で、この圧倒的な射程、精度、火力を誇る狙撃砲を携えた最新鋭戦艦たるジェネラル・サルヴァスをこそこそとネズミのように隠して我が身の安全ばかりを気にするような。
 それでいて、この素晴らしき新型兵装が勝ち得た戦果は全て我がものとするような男。あれが死んだというのなら、個人的には両手を挙げて反乱軍を称賛したい程だが、しかし腐ってもあれは艦の頭脳ではあった。
 首なしで生きながらえる知性が存在し得ぬように、この船もこのままでは死に絶えるだろう。故に、砲術長は動揺する部下たちに向かって朗々と宣言する。
『――艦長戦死につき、本艦の指揮権は私が継承する。指揮系統を戦闘指揮所に集中、各部署は引き続き戦闘に集中せよ』
 冷静に指揮を執る新たな頭脳――砲術長こと艦長代行のもと、落ち着きを取り戻していくジェネラル・サルヴァスのクルーたち。
 その動揺が沈静化したのを見計らって、艦長代行は告げる――

「上下のない空間……流石にマリアはお留守番ですね」
 艦内戦闘など重力下での戦いならまだしも、完全な無重力では相棒である狼、マリアは残念ながら戦力には数えられないだろう。
 ――犬掻きで宇宙を泳ぐ姿も、見てみたくないかというと……ですけれど。
 純白のアーマーに身を包み、アリシアは大人しくベースで主の凱旋を待つ友に想いを馳せる。
「それはさておいて、敵の攻撃が人間大のこちらに当たりにくいとは言ってももし当たればひとたまりもなさそうですね……」
 先程一瞬動きを止め、そして再び動き始めた艦上に無数に並ぶ防空兵器の群れ。その動きは、停止する前に比べて機械的なようにも思える。
 執念がない、というか。それこそ自動で射程に入ったもののみを追い払い、それ以上を望まないような。
 アリシアの覚えた違和は、別方向からの突入ルートを偵察に出ていたアルトリウスが帰還したことで結論へと結びつく。淡く輝く粒子の回廊から出たアルトリウスは見たのだ。
 ――再び艦隊に矛先を向け、稼働を再開した巨大な狙撃砲を。
「それは……!」
「千里の道も一歩から、などと悠長に構える暇はなさそうだ」
「そうですね、あれをまた撃たせてはなりません」
 アルトリウスの報せを受け、アリシアもまた攻撃目標を狙撃砲に定める。艦底部に吊り下げられたあまりにも巨大な砲は、遠目から見れば細く今にも折れそうだが生身の人間から見れば巨大な柱ほどもある太く頑強なもの。それを破壊するには、あまりにも時間が足りなすぎる。
 下方に回り込んだアルトリウスが魔眼の力で狙撃砲を異空に放逐することで破壊しようと攻撃を加えるが、あまりにも巨大なためか、単に頑丈すぎるのか、あるいはその両方か――狙撃砲を破壊するまでには至らない。
「決め手に欠けるな……個人レベルでの攻撃で外部から破るのは困難、か?」
「だとしても、私達がやらなければ多くの犠牲が……ッ!」
 攻撃を受けたことで二人の存在に気づいた艦砲が、狙撃砲の影からアリシアとアルトリウスを撃つ。
 アリシアを引いて回廊に飛び込み、すぐさま付近に脱出するアルトリウス。先程まで二人が居た辺りをビームが薙ぎ払うのが見えた。あれに当たっていればただでは済まなかったはずだ。
「ありがとうございます、アルトリウスさん。……あら?」
 長身のアルトリウスを見上げて礼を述べたアリシアだが、彼の肩越しに狙撃砲に光るものを見た。
 よく目を凝らせば、それは先行した猟兵、第一次攻撃部隊が展開し、未帰還となった偵察ドローンの一機。狙撃砲の装甲の隙間から覗くその発光信号を、アリシアは見つけたのだ。
「……あの機体が彼処にあるということは、何処からか彼処に入れた、ということか。……出られなくなるとはな、可哀想に。だが今からその侵入経路を探す暇は無いぞ」
「いえ、逆に――あそこは、内部構造が外に露出しているのでは?」
 そして、往々にして装甲に守られた機械、それ自体は装甲ほどの強度を持たない。あのポイントを一点集中攻撃すれば、装甲部に攻撃するより効果があるかもしれない。アリシアの提案に、アルトリウスは考え、頷く。
「……やってみる価値はある」
「では、私が第一撃を。アルトリウスさんは第二撃をお願いします。大丈夫、金属を砕く術は考えてきましたから」
 二人は頷きあい、敵艦の迎撃を掻い潜って距離を詰めていく。回避に専念して接近し続ける二人に、狙撃砲への誤射を恐れた敵艦は警備用ドローンを放って迎撃を寄越すが、アルトリウスがそれらを魔眼で消し去り先行するアリシアの背中を守ってみせた。
「行け、後詰めは任せろ」
「ええ! どんな材質でも、程度の差はあれ急激な温度変化には弱いはず。この攻撃で破壊できなくても、きっと第二撃で……!」
 斬撃のガイドラインとなる拘束光線を申し訳なく思いながらも、しかしより多くの命を救うために還れなかったドローンに合わせ、剣に炎を宿して宇宙を駆け抜けるアリシア。全身全霊の一撃が装甲の隙間に突き刺さり、強烈な熱量を焼き付ける。
 すかさず付与する属性を氷に変え、赤熱する狙撃砲を冷やせば、加熱と衝撃、そして冷却を連続で受けたその箇所は歪み、ひび割れた。
「今です、アルトリウスさん!」
 狙撃砲を蹴ってその場を離れるアリシア。それを待っていたアルトリウスの、死の原理を秘めた魔弾が次々と破損部分に着弾し――
 脅威たる狙撃砲が、その砲口に湛える光を霧散させた。
 完全破壊には至っていない、だが確かにそこにある危機は去った――
「たった二人の戦果としては、これ以上を望むべくはないのでしょうね」
「少なくとも正攻法で破壊するにはもう少し手が要りそうだ。突入組に期待しよう」
 ひとまず遥か彼方の解放軍艦隊が守られたことに安堵の吐息を吐いて、危険な艦内戦闘に挑む猟兵の無事を祈る二人。
 狙撃戦艦ジェネラル・サルヴァスを巡る戦いは、終幕を迎えつつある。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

イデアール・モラクス
【PPP開発室にて3人にて参加】
フン、帝国戦艦何するものぞ!
我らの前には鉄屑に過ぎんと教えてやる!

・行動
「我が魔力の粋、味わってみろ!銀河帝国ゥ!」
UC【鏖殺魔剣陣】で呼び出す魔剣の一振り一振りを『全力魔法』で戦艦を穿つほどに巨大化させ威力を増し、『範囲攻撃』で空を埋め尽くす数に増やした上で『高速詠唱』を用いて鬼連射。
「クク…アーハッハッハ!戦艦をぶっ壊すのは愉しいなぁ!滾るなぁ!」
狙うはカタパルト、艦橋を優先。
魔剣は命中したらそのまま『串刺し』にして『属性攻撃』で刀身に電撃を通して『傷口を抉る』ように追加ダメージを与える。
なお、仲間の突入に合わせて突入、内部からも破壊。

※アドリブ大歓迎


フィーナ・ステラガーデン
【PPP開発室の3人で参加】

近づいて戦艦を壊せばいいのね?いいわね大物!
派手に爆発させてやるわ!
宇宙空間って慣れないわねえ!もし不安定ならビードットを足場(捕まる)にするわ!

私は両舷カタパルトを狙うわ!
なんかそこから敵が出てきてるみたいだもの!
じゃあそこを狙えばいっぱい倒せるわよきっと!
【全力魔法】【高速詠唱】を使用して
宇宙を泳ぐマグロの一撃を食らわしてやるわ!突き立てるわよ!
もし直掩艦載機が来たら【属性攻撃】にて迎撃するわ!

チャンスがあれば仲間の突入に合わせて戦艦内部へ突入
中で思い切り暴れてやるわよ!

(アレンジ、アドリブ歓迎
取得UC内等自由に使い自由に描写しても大丈夫ですし、しなくても可)


ビードット・ワイワイ
【PPP開発室にて3人にて参加】
アレンジ歓迎

ビルドロボットにて戦闘機と合体。
自身を【念動力】にて加速させながら戦艦に【空中戦】を挑もう。
【誘導弾】を【一斉発射】放ちて盾代わりとしつつ
【盾受け】しよう。
ある程度翻弄したなら
【鎧無視攻撃】【鎧砕き】にて戦艦の装甲を破りて内部に仲間と共に突入。

侵入に成功したならば艦内システムに【ハッキング】を計り
滅茶苦茶にし【破壊工作】。
邪魔する者は戦闘機の武装にて
撃滅せん。
その後仲間と共に離脱。

見たり見たり見たり、汝らの破滅を見たり。いと群れし弱者なり。我らの破滅を望むならば汝ら自身の破滅も可能性あり。ゆえに汝ら葬られし。汝らに破滅をもたらそう。




『砲身冷却装置に異常発生! 第四射充填、緊急停止します!』
『何らかの外的要因により破損した模様! おそらく敵の攻撃を受けたものと想定!!』
『――左舷三番ハッチに被弾! 隔壁損傷、敵の攻撃です!』
 虎の子の狙撃砲による攻撃を阻止されただけではなく、破損までさせられ修理せねば再射撃は困難。
 それだけでも艦長代行にとっては猟兵への怒りが煮え立つ問題であったが、事態はそれに留まらなかった。
 航空隊が出払った格納庫に通ずるハッチが破られた。となれば次に考えられるのは白兵戦で間違いないだろう。
『保安要員を回せ! 侵入は断固許すな! 一体どんな命知らずが乗り込んできた。海兵隊か? それとも鎧装騎兵か?』
 顎を撫で、前者は散らばられると厄介、後者は迎撃可能な戦力の抽出が面倒だとこめかみに痛むような悩みを覚える艦長代行は、次いで入った報告に耳を疑った。
『接敵した保安要員より報告! 敵は多脚歩行戦車1、女2、巨大マグロ1!!』
『…………は?』
『敵は多脚型歩行戦車に乗った女2名、及び巨大なマグロです!!』

 その巨大マグロでハッチをぶち破り格納庫に突入したのが、フィーナとイデアール、ビードットからなるPPP開発室一行。
 戦闘機と合体したことで高機動航宙形態へと変形したビードットによる、警備ドローンや防空兵器群との熾烈な空戦や、イデアールの巨大魔法剣による乱舞でカタパルトが破砕される大迫力の突入戦がそれぞれワンシーンぶんほどあったのだが、ビードットにしがみつくフィーナがGの負荷で少し描写を憚られる表情をしていたり、何よりマグロのインパクトがとんでもないので此処は描写を割愛する。
「ぜー、ぜー…………ほらね、此処から敵がいっぱい出てくるのよ。あの飛ぶやつは良く爆発するからここを派手に吹き飛ばせばこの船だって」
 同級の戦艦との戦闘経験のあるフィーナが、艦載機を根こそぎ爆破すれば大ダメージを与えられると語るが、ぐるりと筒状の頭部を回して辺りを見回したビードットがそれに異を唱える。
「見えぬ。予備艦載機の姿は無く」
 がらんと広い格納庫には、水揚げされたばかりの巨大マグロの他には予備戦闘機の一機も残されては居ない。
 もともと狙撃砲関係の機材を積み込むため、艦載機の搭載数を削っていたこと。そしてそれが既に全力出撃し全滅していたこと。それによって格納庫は寂れた魚河岸の如くマグロ一尾が存在するだけのただの広い空間と化していたのだ。
「ふん、銀河帝国め、我らの前に恐れをなして逃げ出したか。利口なやつだな、アーッハッハッハ!!」
 勝ったとばかりに嗤いながら、マグロと共にハッチを破壊するため放った巨大な魔力の剣を手持ちのサイズに縮めるイデアール。
「ふ、ふぐぐぐぐ…………! 居たのよ! 鏡のところで戦った船には居たの!! もーっ! 居なさいよ飛ぶやつ!!」
 フィーナがずん、と地団駄を踏み、マグロがびくんと高く跳ね、奥の隔壁からトルーパーの集団がわらわらと現れ牽制のブラスターを放ち、すぐさまイデアールの投げた魔剣とビードットの航空機関砲で制圧された。
「まあそれはいい。爆発のための火薬が無いのは事実なのだ、どうやってこの船を沈める?」
「我、メインシステムへの介入に成功せり。艦橋は既に陥落、戦闘指揮所が司令中枢なり。これを制圧さば、艦の機能は喪失せり」
「えっ、えっ、あの私攻撃出来なかったんだけど?」
 一瞬のうちに発生した戦闘に参加しそこねたフィーナが二人を交互に見るが、ビードットはわが道を行くと言わんばかりにシステムにハッキングし、この船の現状を知ると同時にこちらへ押し寄せる敵兵を隔壁を開閉してあらぬ方向へと誘導するなど勝手に八面六臂の大活躍。
 イデアールはイデアールでその指揮所とやらはどっちだ、とずかずか一人先に進んでいく。
「ま、ま…………待ちなさいよーッ!!」

「されど戦闘指揮所の防備厚く、この戦力での襲撃は危険なり」
 戦闘指揮所に続く通路、大勢のトルーパーが触手に絡まれたり剣を突き立てられたり黒焦げになって斃れたりしているその先に待ち受ける敵影に、ビードットは警告を発する。
 進路を塞ぐように二足歩行戦車クラスの機動兵器が複数。流石にそれを三人で突破するのは至難であろう。
「どうする、フィーナ、ビードット?」
「どうするって言っても、どうしようかしら」
「我、提案せり」
 ――指揮所の制圧を断念せり。弾薬庫を爆破せん。
 その悪魔的な提案に、フィーナとイデアールの表情がにぃ、と笑顔に変わる。
「そうと決まれば転進よ! あんなの相手にしてる場合じゃないわ!」
「だな、あいつは此処を守る以上のことはしてこないようだ、追い掛けてはこないだろう」
「我、案内せり」
 ひょい、とビードットに飛び乗ったフィーナとイデアール。仲間を便利な乗り物扱いしているようだが、実際便利だし走るより早いのだから仕方ない。僅かな抵抗を魔法と銃撃とマグロの嵐で蹴散らし、三人は弾薬庫にたどり着く。
 厳重に封鎖されていた隔壁をビードットの航空用ミサイルが破壊し、押し入った一行はその膨大な弾薬備蓄量につばを飲んだ。
 砲弾、ミサイル、航空燃料。ブラスター用のエネルギーパックに、艦載ビームキャノンの予備ジェネレーター――
「これだけあれば簡単にこの船を吹きとばせそうじゃない……!」
「見たり見たり見たり、汝らの破滅を見たり。いと群れし弱者なり。我らの破滅を望むならば汝ら自身の破滅も可能性あり。ゆえに汝ら葬られし。汝らに破滅をもたらそう」
「ビードットがこれほど興奮しているところは中々見たこと無いぞ、私」
 ともあれ。
「我が魔力の粋、味わってみろ!銀河帝国ゥ!」
「汝らに破滅をもたらそう」
「やっと私の見せ場が来たわ!! いいわね大物、派手に爆発させてやるわ!」
 三者三様の攻撃が放たれる。
 イデアールの魔法剣が厳重に防護された弾薬箱を破壊し、燃えやすいように火薬や燃料をぶちまけて、
 ビードットの全力火力投射が片端からそれに火を付けて回る。
 そしてこの場でもっとも爆発を得意とするフィーナの杖から、黒い――ダイヤと呼ばれる高級魚が――
「アンタじゃない!!」
 哀れマグロは火炎の中へ。追い打ちに放たれたすごく熱い黒い炎をはじめとした火炎魔法が、脂の焼けるいい匂いを爆風に乗せて一瞬漂わせた。
 マグロの尊い犠牲のおかげで弾薬庫の破壊に成功した一行。誘爆していく弾薬庫は留まるにはあまりにも危険だと、再び大急ぎで脱出していく。
 入ってきたハッチから航宙形態のビードットにしがみついてフィーナとイデアールが飛び出すと同時、その背後で盛大な爆発が格納庫を薙ぎ払い宇宙へと押し寄せる。
「間一髪だったわね!」
「クク…アーハッハッハ!戦艦をぶっ壊すのは愉しいなぁ!滾るなぁ!」
「破滅、見届けたり……!」
 敵艦に大ダメージを与え、帰投する三人。
 その横を、格納庫の爆発に巻き込まれいい感じに火の通った巨大マグロがすいーっと流れていった。
「…………最後まで何なのよ、もーっ!!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

春日・釉乃
こっちも奥の手を使うしかっ!

あたしは機械鎧『鶴姫』を着込んで鎧装騎兵姿となり、背部に接続した『ヴァリアブル・エクシード・ブースター』の[ダッシュ2]の力で一気に踊り出て、一撃離脱の戦法でユーベルコードの【蒼き清浄なるセカイのために】を使用。
機械鎧用の核バズーカを発射して、[鎧無視攻撃3]の破壊力で敵を一網打尽に追い込む!

「ミディア・スターゲイザーの理想を掲げる為に…! 銀河帝国攻略戦、成就の為に…! エンペラーズマインドよ!私は帰って来た!」

ある程度の損害を与えられたら、救済の炎を沈下させ…後続の友軍に残存戦力の掃討を任せて宙域から離脱するね。
あ…モチロン、他の方との連携やアドリブはOKだよ!


キリエ・ニール
サルヴァス、ねぇ。
…冷たい未来を見るのは、目に悪いんだ。
ちょっと無茶するよ。

狙撃手にこれ以上乱されちゃ、まず困る。
だから僕は、万が一あの戦艦が解放軍に向けてエネルギー充填済みの主砲を放った時の迎撃に徹する。
コードを使用。
重視するは攻撃力。
無重力空間を利用し、周囲に大量の刀剣を展開。
メカニックの知識と第六感で発射のタイミングを計り、聖者のエネルギーを両腕に集中。
発射と同時解放軍と味方を庇い射線上に出現…二回攻撃、二刀流に構えた数打、無数の刀剣を引き抜き衝撃波を放ち…捨て身の一撃だ。
火傷もなにも気にするもんか。
エネルギーを真っ二つに切り裂きながら直進、戦艦に取り付き、残った刀剣でぶった斬る!




『弾薬庫で火災発生! 誘爆止まりません!』
『隔壁閉鎖――駄目です、二重に不明のプロテクトが掛けられています! ダメコン間に合いません!!』
『代行、退艦命令を。我々の任務は既に達成したものと考えます』
 試作新型兵装をぶっつけ本番で実戦投入し、反乱軍の艦艇三隻を撃沈。運用データを蓄積し、この試作狙撃砲が十分に実戦投入に足る代物だと証明してのけた。
 あとはこのデータを持ち帰り、後方で出撃を待つ僚艦への配備を具申する。そのためにも、ジェネラル・サルヴァスを失おうとクルーが還らなければ意味はない。
 副官の説得に、艦長代行は諦めを滲ませて頷いた。
『総員退艦。なんとしても本艦の運用データを皇帝陛下のもとへ持ち帰れ。この狙撃砲の光が、帝国の新たな栄光の光とならんことを』
 慌ただしく脱出の準備を始めたクルーたちを見送り、しかし副官と艦長代行は戦闘指揮所に留まっていた。
『逃げないのですか、"砲術長"殿』
『私は艦長が死んだ時、艦の危機より嫌いな男が消え私がこの艦の指揮権を握れることを喜んだ。士官としてあれよりマシでも船乗りとしては失格の男だ。おめおめ逃げ帰れるものかよ』
『全く……狙撃砲の調整はお一人では骨でしょう。それで、どれを狙うんです。戦艦? 空母? それともあの皇帝陛下の威光を汚す忌々しい女の母艦になさいますか?』
 馬鹿め、私を捨てて逃げていれば次の砲術長はお前だったのだぞと苦笑して、砲術長は次なる目標を指示した。

「サルヴァス、ねぇ……」
 その名前にはよい記憶がない。冷酷な帝国騎士、かつてキリエが交戦した彼は、最後まで皇帝と銀河帝国の国是に忠実な殺戮者だった。
 その名を受け継いだのであろう戦艦が、今全身から炎を噴き出して傾いていく。
「これであの冷たい未来を見ることはもう無いの、かな」
 あの男によく似た、冷徹な死の光を放つ巨砲。それが四度解放軍の人々を襲うことが無いよう駆けつけたキリエだったが、その悪寒もサルヴァスの名に感じた錯覚だったか、と苦笑する。
「ま、僕の出番が無かったならそれはそれで――」
 違う。まだだ。まだ、この船は死んではいない。
 第六感がうるさいほどに警鐘を鳴らす。その目が視た未来は――
「くっ、そ…………無茶するしかないかなあ、これは!!」
 爆発の光に紛れ、狙撃砲が発光していく。冷却装置が破損した砲で無理に射撃すれば、負荷で自らも吹き飛ぶだろう。
 だろうに、それでも尚撃つというのか。自らの命を捨ててでも殺したいと、そう言うのか。
 キリエは担いだケースから両の手に刀を抜き、砲口の前に立ち塞がる。
『――――目標、反乱軍移民船団。これが本艦の最後の任務である……撃て』
「させ、る……もんかぁぁぁぁッ!!」
 巨大な戦艦すら撃ち抜く狙撃砲の攻撃は、二振りの刀ごときで斬れはしない。
 ましてキリエの剣は数打ち、大量生産品だ。刀匠の魂が篭った業物のようにはいかない。
 だが、キリエ自身はそれも承知の上。足りないぶんは技量と度胸で補い、それでも足りないぶんは幾らでも変わりの刀を振るって無理やり埋める。
 一秒と持たず融解し、砕け散る刀を次々と投げ捨て、絶対に艦隊を守るという決意だけを拠り所に抗うキリエ。
 ジェネラル・サルヴァスとキリエの激突は、彼ら自身にとっては永劫にも等しく永い戦いで――
 ――そして、それは刹那の出来事でもあった。
 狙撃砲が負荷に耐えきれず、根本から爆散する。強力なビームの光も途切れ、ぼろぼろになったキリエはしかし自らが生きていること、そして移民船団が守られたことを確かに感じ取った。
「やってみれば……できる、もんだね…………いてて…………ッ!?」
 戦いは終わり、目の前では巨大な狙撃戦艦が最期の時を迎えている。だが、キリエはそれを感じ取った。感じ取ってしまった。
「…………まだ、続けるっていうのか……?」
 崩壊する船体から脱出していく小型艇。その一つ一つが、ジェネラル・サルヴァスの戦闘データを――この恐ろしい狙撃戦艦がどれだけの船にとって脅威となり得るかの記録を持って逃げようとしている。
「駄目だ……あれを逃しちゃいけない……!」
 手を伸ばすキリエだが、彼にはもう撤退を試みる脱出艇を叩くだけの余力は残っていない。
「――大丈夫よ」
 脱出艇に伸ばす手を、力強く握る人がいる。
「あたしに任せなさい、あれが逃げると……不味いんでしょう?」
 凛と涼やかな声は女性のものだ。その鎧装騎兵は、キリエをしっかりと引き寄せ抱えると、猛烈な勢いで爆沈しつつあるジェネラル・サルヴァスの上へと抜けていく。
「奥の手を取っておいてよかったわ。さあ……!」
 多くの勇士達の命が、その死が無駄でなかったと示すために。
 ミディア・スターゲイザーの理想を、あまねく宇宙に掲げるために。
 この戦争を、解放軍勝利のうちに成就させるために。
「エンペラーズマインドよ、私は帰ってきた!」
 補給を受けては次の戦場へ。多くの宙域を転戦し、何度も戦場に舞い戻った彼女は自らの胸に刻んだ戦争への決意を高らかに詠い上げる。
 そしてキリエとは反対の肩に担いだ砲から放たれた弾頭は、崩壊したジェネラル・サルヴァスの残骸に直撃し――
「綺麗……だけど、この光は……」
「使い方を間違えないうちは、頼もしい武器よ。今はそういうことにしておきましょう」
 眩い閃光が、脱出艇――この暗黒に潜む狙撃手のばら撒いた種子を残さず焼き尽くす。
 鎧装騎兵、釉乃はそれを見届けるとゆっくりと宙域を離脱してゆく。
 燃える狙撃戦艦は燃えるままに。二度とあのような兵器が現れぬよう。

 斯くして、エンペラーズマインド攻略艦隊の静かな脅威として潜む銀河帝国軍の狙撃戦艦ジェネラル・サルヴァスは猟兵達の活躍により撃沈され、その情報が帝国軍に回収されることもなかった。
 狙撃手の恐怖から解き放たれた解放軍は、すぐにでも進撃を再開し、そしてエンペラーズマインド要塞を見事攻め落とすことだろう。
 戦いはまだ始まったばかり。猟兵達はこれから訪れるだろうさらなる激戦に身構え、しかしきっと勝利できるのだと確かな確信を胸に抱いて宇宙を征く。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月07日


挿絵イラスト