大祓百鬼夜行⑥〜桜だ!花見だ!!宴会だッ!!!!!~
●戦争中?んなこたァいいんだよパート2
「にゃーん、ずっとたたかってばっかしだとつかれちゃうよね。みんなおつかれさまだよう!」
エインセル・ティアシュピス(生命育む白羽の猫・f29333)は集まってくれた猟兵たちに一口チョコを配っていく。
疲れた時には甘いものっていうので手軽に食べられるものをと思って袋いっぱいに詰めたのを持ってきて、全員に行き渡ったのを確認してから話を切り出す。
「あのねあのね、『げんろーさくらのおか』っていうところにいけるようになったの!
そこにさいてるげんろーさくらっていうのがとーってもきれいで、こころもからだもすごくすっきりさせてくれるんだって!
ずーっとたたかってばっかしだとつかれちゃうから、みんなでおはなみしてきぶんてんかんできたらいいなーっておもうにゃーん!」
戦争中に花見って。いや月見もする必要があったりとかしたけどそれってええんか??という疑問もご尤もであるが、子猫だからといって何の理由もなしにリフレッシュしようぜ!と言っているワケではない。
エインセルのおこさまことばをもう少しわかりやすくすると、幻朧桜の丘に咲く幻朧桜には魂と肉体を癒す不思議な力が秘められている。
異世界から流れ着いたこの桜の下で花見騒ぎをすることで幻朧桜の持つ癒しの力は高まり、戦わずして骸魂のみを浄化し元の妖怪に戻すことができる程の強力なものと化すそうだ。
故に猟兵たちがこの桜の下で花見をすることは猟兵たちの体力気力回復にも繋がる上、今も尚増え続ける大祓百鬼夜行の戦力を大きく抑止することにも繋がるのである。
花見でこの幻朧桜の丘を制圧すれば、力が極限まで高まった桜の花弁が桜吹雪となってカクリヨファンタズム中に飛び、大祓百鬼夜行に加わった多くの妖怪たちを戦わずして元に戻すことができるかもしれない。
戦わずして戦いを制する――カクリヨファンタズムのオブリビオンの成り立ちを考えると、これ程理想的な平和的作戦はないだろう。
「にゃーん。ぼくね、カクリヨのようかいさんたちみんないいひとだから、むくろだまをはがさなきゃいけないからってたたかわなきゃいけないのはやっぱりちょっとかなしかったの。
だから、たたかわなくてもいいほーほーがあるのってすっごくいいことだとおもうんだ!
それにつかれがたまってるとたっくさんやりたいことがあってもできなくなっちゃうもん。みんなのつかれたかおみるのもぼくはかなしいきもちになるにゃーん。
だからいーっぱいおはなみたのしんで、それでまたげんきなかおをみせてほしいにゃーん!」
今回ばかりは戦争のことは一切考えず、疲労回復の為に花見を思う存分堪能して欲しいらしい。
その為にエインセルは宴会用のグッズも沢山用意したらしい……の、だが。
あの、そのムキムキ筋肉が描かれたスーツとか大きなサイコロとかビンゴセットとかあるのはいいんだけどその積み重なった瓦は何ですか???
「にゃーん?えんかいげー、だっけ?それでかわらわりをするひともいるってきいたんだー!
あとぼいすちぇんじゃー?とか、おうごんだいぶつさんマスクとか、ひまわりのおはなになれるぼうしとか、じゅーさんにちのきんよーびマスクとか、おもしろそうなのいっぱいおしえてもらったからもってきたよ!」
誰だこの子猫にそんなもんを教えた奴は!!!!!!
「でもみんなのほうがすっごくものしりだから、もーっとおもしろいおはなみグッズもしってるのかにゃ?
もしよういできるものがなかったらここにあるのすきなだけもってっていいからねー!」
楽しんできてくれることを願って、エインセルは猟兵たちを幻朧桜の丘へと転送するだろう。
羽目をどこまで外すかは――猟兵諸君のさじ加減次第である。とりあえず全力でお花見をしてくればいいと思うな!!!!
御巫咲絢
※注意:このシナリオはトンチキシナリオです。
こんなフレームが出てきたらやるしかないじゃない!!!!!!!!!!!
こんにちはこんばんはあるいはおはようございます、初めましての方は初めまして御巫咲絢です。
シナリオご閲覧ありがとうございます!御巫のシナリオが初めての方はお手数ですがMSページを一度ご一読くださると幸いです。
戦争シナリオ5本目です。
全力で花見を楽しんでください。
この時だけは戦いのことは考えてはいけません!!心と頭をからっぽにして全力で宴会するのです!
あなたが花見だと思えばそれが花見だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
前回の月見シナリオと同じで能力値は気にせず公序良俗に反しない範囲でゆるっとフリーダムにプレイングを投げてくださいませ。
飯テロプレイングも大歓迎です。宴会だからね!!!!
お花見なので成人の猟兵の皆様は飲酒OKです。未成年はもちろん飲酒NGですので未成年飲酒のプレイングは全部弾かせて頂きます。
こどもののみものならいいよ(知ってる人いるかはわかりませんが)!!!
●当シナリオについて
当シナリオは「戦争シナリオ」です。1章で完結する特殊なシナリオとなっており、以下のプレイングボーナスが存在します。
●プレイングボーナス
よその戦争を無視して宴会する!
●プレイングについて
受付開始は『5/17(月)8:31~』、締切は『クリアに必要な🔵の数に到達するまで』とさせて頂きます。
最低でも3名様はご案内予定ですが日常シナリオでありかつ速度を重視させて頂きます為、全員をお受けすることはできかねますことを予めご了承ください。
上でも申しておりますが、能力値の選択肢は気にせず思うがままフリーダムなプレイングを投げてください。
ボケ過多上等!ツッコミ不在はいつものこと!!そんなノリでお届けさせて頂きます。
頂いてるプレイングの数次第では第二弾もご用意するかもしれません。
それでは皆様の最高にフリーダムな宴会満喫プレイングをお待ち致しております!
第1章 日常
『桜の下で宴会しよう!』
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POW : 美味しい料理や飲み物を提供する
SPD : 巧みな芸を披露する
WIZ : 桜の下で語り明かす
👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
御園・桜花
「…なるほど?」
マスク眺め
「…なるほど」
ホッケーマスクとボイスチェンジャー装着
「ヒャヒャヒャ、花見を楽しんでねぇ悪いゴは居ねぇがぁあぁ!」
ケータリングカー持込みケバブサンド屋展開
殺人鬼よろしく両手でチャキチャキ包丁鳴らしシュラスコ切ってデスソースやトマトケチャップで和えピタパンに野菜と一緒に突っ込んだ「ブラッディケバブ」作成
召喚したノーム達にも顔におどろおどろしいペイントして料理と配布を手伝って貰う
罰ゲーム用にも提供
「何時か異界で幻朧桜になって、其の地で転生を導くお手伝いが出来ればと、ずっと願っておりましたの。だから先達が棲まう此の地のお花見には、出られるだけ出るつもりでしたから」
楽しげに笑う
尾守・夜野
(…エインセルが何か花見を勘違いしてる気がする…用意してるの忘年会的なあれでは?)
疑問を抱きつつも口には出さんよ
場所によって違うだろうしな
俺は屋台でも出してようか
畑でとれすぎて俺だけで消費しきれねぇしかといって近隣の村まで運ぶのも微妙な量なんだよな
なお、UCにより色々してるから季節感はガン無視
馬車の窓を倒しておけば簡易屋台の出来上がりってな
…まぁ見た目ファンシーなんだが
じゃがバター、焼き玉蜀黍、胡瓜の一本浸けとかの野菜主体のを出してるぞ
じゃがバターは子じゃがか普通か揚げる揚げない色々選べるようにしとくか
なお値段設定は適当
何なら物々交換でも応じるまである
花見しながらぼーっとやって余れば持ち帰る
バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!
HAHAHA! OK、楽しみマショー!
クッキングカーをさっそく有効活用、現地で露店の展開デース!
花見に相応しい甘味や料理(団子やお雑煮・焼きそばやフランクフルトなど)の提供デース!
ドリンクもいっぱいありマスヨー。アルコールは市販の缶や瓶でお許しくだサーイ。
希望の方には、ロシアン・タコヤキをお勧めしマース!
普通にたこ焼きの中に、たっぷりすりおろした活きのいいワサビが詰まったたこ焼きを混ぜております!
ちゃんと美味しく状態異常も治療するので、ご賞味いただいても安心デース!
普通に楽しみたい方も、一発笑いを狙いたい方もどうぞデース!
(グルーチョ眼鏡を装備して給仕中)
ミズキ・タカオカ
お花見といえばお団子なぁ~ん。
お気に入りのお店のお団子買っていってもいいけど、きっと足りなくなるからいーっぱいの材料と串と、バーベキューグリル持って行っていっぱいお団子焼いてみんなに配りたいなぁ~ん。
みたらし、きなこ、あんこにずんだ。考えただけでヨダレが垂れそうなぁ~ん。
あ、ずんだとかさくらとかヨモギも春っぽくていいなぁ~ん。
ボクも美味しいものお腹いっぱい食べたいなぁ~ん。
ついでに戦争の様子を歌にするためにみんなの様子も見ておくなぁ~ん。
叙事詩にしていろんな人に聞いてもらうんだなぁ~ん。
踊るのも好きだから、出し物するならボクも一緒に踊ってノソリンに変身しようかなぁ~ん?
語尾は なぁ~ん
●みんなして屋台開いてるんだけどそれならいっそのこと食べ合いっこしてもらいましょう
「……なるほど?」
御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)はじっとグリモア猟兵が用意したホッケーマスクを眺めて。
「…………なる程」
何か思いついたらしい。ホッケーマスクとボイスチェンジャーを借りて幻朧桜の丘へ向かう。
「(…………何か花見を勘違いしてる気がする。用意してる奴忘年会的なアレでは?)」
それを横目にしながら尾守・夜野(墓守・f05352)はグリモア猟兵の知識に不安を覚えた。だが口には出さなかった。
たくさん世界があるから花見の楽しみだってそりゃ人それぞれだから仕方ないね。
「……屋台でも出してようか」
宴会グッズには手を出さず、幻朧桜の丘まで自前の馬車を引いていく。割とファンシーな見た目だけど気にしてはいけない。
馬車の窓を倒しておけば簡単に簡易屋台ができあがるので、後は品物を用意するだけ。
もちろん、大量の野菜は用意済みである。ユーベルコードにより無機物を変換し元に戻した時に手に入れた種から育ててた季節感ガン無視とれたて新鮮な野菜を手に調理を開始する。
まずはシンプルにじゃがバターから。じゃがいもの芽を手慣れた手付きで取り、一部はお湯で茹で、一部は蒸してからオーブンでこんがり、また一部は油でカラッと揚げた上にバターを落とせばじゃがバター完成である。
とうもろこしは特性の醤油ベースのタレをはけでたっぷりと塗りながらこんがり焼いておいしそうな焼きもろこしに、きゅうりはまるごと一本漬けてしまう。
今その場で浅漬けにしたものと以前より保存も兼ねて漬けていた一夜漬けやぬか漬けも用意しておいて。
「よし、こんだけあれば大丈夫だろ」
いつでもできたても用意できるように下準備も済ませておけば屋台として完璧である。
自分の住んでいる廃村の畑でとれすぎて夜野だけでは消費し切れない量あるので、この際多くの人に食べてもらった方が断然良いだろう。近隣の村に運ぶには微妙な量なので屋台のメニューに仕上げただけであるが、微妙な量で村を困らせるよりは間違いなく良い。
「OH!夜野殿も屋台でありマスカー?」
とそこへ同じ旅団の団員にして戦友の一人でもあるバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)が顔を見せる。
「お、バルタンもkぶっ!!!!!!!!」
夜野、思わず噴き出しむせる。
声のする方を振り向いたらグルーチョ眼鏡をつけたメイドさんがいたってなるとそらわかってても噴き出しますね!!!
丁度隣にバルタンのクッキングカーがあるようで、彼女の調理した焼きそばやフランクフルトをミニ・バルタンズが注文したお客さんに配って回っている。
全員グルーチョ眼鏡をつけているのは多分きっとそういう気分だったんじゃないかな。
「あの、バルタンそれ何で??」
「折角のお花見ですから!ユーモアやジョークも溢れていた方が面白いと思いマース!」
「お、おう、そうか……」
「それはそうと、おいしい焼きもろこしの匂いがしたので釣られてやってきたでありマース!おひとつおいくらデスカー?」
「ああ、値段は適当に決めてるからな。何なら物々交換でもいいぞ」
「OH!でしたらこちらの用意した屋台メニューを提供致しマスヨー!交換でどうデショウカ!」
「んじゃあそれで……ん?」
どこからともなく聞こえる派手な音。
「おや、何かのイベントデショウカ?」
バルタンが首を傾げて音の聞こえる方を見るので、夜野も釣られて顔を向けると、そこには一台のクーリングカーが派手なデスでメタルな曲をバックで流しながらやってきていた。
二人してぽかーんとしているが、クーリングカーはそんなこと露知らずとばかりに屋台を展開し―――
「ヒャヒャヒャ!!花見を楽しんでねえ悪いゴは居ねぇがぁあぁ~~~~!!!!!」
中にはわざとおどろおどろしいブラッディなペインティングを施したホッケーマスクをつけ両手でチャキンチャキンと包丁を鳴らす桜花の姿が!
しかもボイスチェンジャーでわざと声もドスの効いたバリトン低音ボイスに変えている!というかこのデスでメタルな曲をどこで見つけてきたのか!サクラミラージュにそんなんあるか!?
とても可愛らしい見た目をした淑やかな女性がまさかホッケーマスクつけてこんな売り込み方するとは世の中わからないものですねえ(?)!
「Wow!ホラーっぽく見えてとてもコメディアンな屋台でありマスネー!」
「ええ……??」
「いらっしゃいませ。よろしければいかがですか?」
二人に気づくと一気にトーンが変わっていつもの淑やかな声で接客する桜花。ただしホッケーマスクは着用した状態でにこやかに話しかけながら、である。
シュラスコを切り、トマトケチャップをかけて混ぜ込んだ後彼女が召喚したノームたち――もちろん同じようにおどろおどろしいペイントとホッケーマスク着用済である――が用意していたマヨネーズを少量塗りキャベツを乗せておいた程よく焼き目のついたピタパンに挟めば、桜花特性「ブラッディケバブ」の完成だ。
実においしそうである。
「おー、うまそうだな!」
「ご希望でしたら罰ゲーム用にデスソースで仕立てたものもご用意できますよ」
「罰ゲーム用」
「罰ゲーム用でしたらワタシもお勧めのものがありマスヨー!ロシアン・タコヤキデース!」
調理開始!とユーベルコードを発動しバルタンは目の前でロシアンたこ焼きをものの10秒で作り上げた!流石超級料理人!
めちゃくちゃ素早いその中、夜野は確かに見た。
たこを入れる過程の中、確かに、バルタンがたっぷりすりおろした生わさびをたっぷり投入していたのを……
それはもう、夜野が真っ青になるレベルの量が、たこ焼きの、中に――!
「わー、おいしそうな料理がいっぱいなぁ~ん」
そんな中、のんびりとした口調で遅れてやってきたのはミズキ・タカオカ(お団子ノソリン・f33463)。
バーベキューグリルの台や炭を両手に、大量に材料が入っているであろうリュックサックを背に負ってやってきた。
「OH!お疲れ様デース!バーベキューデスカ?」
「いんやあ、お花見と言えばお団子なぁ~ん。だから、いーっぱいの材料と串持ってきて、グリルでいっぱいお団子焼いて配ろうと思って持ってきたなぁ~ん。
みんなで食べようなぁ~ん」
「まあ、それはありがとうございます。お礼にこちらのケバブをご馳走致しますね」
「ワタシもお雑煮や焼きそばをご馳走しマース!食べ合いっこも良いものデース!」
「んじゃ俺からも。じゃがバタとか漬物で良ければ好きに食ってくれよ」
ブラッディケバブ、お雑煮、焼きそば、フランクフルト、ロシアン・タコヤキ、じゃがバター、焼きもろこし、きゅうりの一本漬け、みたらしだんご、ずんだ団子、あん団子、きなこ団子、白玉団子、ごま団子、草団子、坊ちゃん団子、でんぷん団子、花見団子、焼き団子、
そして諸々のドリンク(※アルコールは市販の缶や瓶モノ)が桜の下一同に介した。何て豪華な献立であろうか。
団子多くないって?たまたまだよたまたま。花より団子って言うし。
「う~ん、おいしいなぁ~ん!みんな料理が上手なんだなぁ~ん」
「ミズキ殿も、素晴らしい調理の腕を持っておられマスネー!」
「んぐっ!!!!!!?」
「あらまあ夜野さん、大丈夫ですか?お水をどうぞ」
「……ぷはっ!すまねえ助かった……とんでもねえ量のわさびだったぜ……口直しにケバブもらうわ……」
「どうぞ、ケチャップを使っているのはこちらですよ」
「OH、夜野殿当たりを引いてしまいマシタカー。おーじゃがバター、素晴らしいほくほく感デース!」
「お雑煮もダシがきいてていい感じなんだなぁ~ん……」
桜の下、美味しい食事を食べながらわいわいやいやい賑やかに。
桜花の召喚したノームとバルタンのミニ・バルタンズがチャーミングに……ノームの装いが大分おどろおどろしいのでチャーミングと言うには微妙なラインになりそうだが元々小さくて可愛いからチャーミングってことにしておこう。そうしておくんだ。いいね?
そう、チャーミングにダンスしているところにノソリンに変身したミズキが加わってますます盛り上がりを見せたり、戦場のことなどすっかり忘れた至福の一時が訪れる。
風が吹き、幻朧桜の花びらが風に舞い、桜花の頭部に生えた桜もそれに呼応するかのように幾枚か風に乗って。
そのどれもが、仄かに光ってカクリヨの空を吹き抜けていく。それを見やって、再び前で繰り広げられてるパフォーマンスを見て。
「楽しいですね、とても」
「とっても楽しいデスネー!桜花殿も満喫しておられるようで何よりデース!」
「何ていうか、そっちが一番楽しそうだな?」
「ええ。何時か異界で幻朧桜になって、其の地で転生を導くお手伝いができればと、ずっと願っておりましたの」
桜の精は幻朧桜から生まれる妖精種族。
影朧を癒し転生させる力を持つ彼女らは、やがて皆幻朧桜へとなり在るべき場所に還って輪廻の流れを見守り、時に助けることとなる。
故にこの幻朧桜たちは、桜花にとって偉大なる先人に他ならない。
「だから先達が棲まう此の地のお花見には、出られるだけ出るつもりでしたから」
桜花は再び幻朧桜を見上げる。
幻朧桜――かつての先達は、桜花のその意志を喜ばしく思うかのようにそよ風に揺れて、花びらを一枚桜花の持っている紙コップに落とす。
それはまるで緑茶に茶柱が立ったかのように、幸運を呼んでくれるような気がした。
「なる程なぁ~ん……桜花さんは優しい人なんだなぁ~ん。いい歌になりそうだから、書かせてもらってもいいなぁ~ん?」
「あら、詩ですか?」
「戦争の様子を叙事詩にしてたくさんの人に聞いてもらおうと思ってるなぁ~ん。こういうのはできる限り後まで語り継がれた方がいいと思ったからなぁ~ん」
「……――まあ、そうだな。戦争の歴史から学べることはたくさんあると思うし。悪くねえとは思うぜ?」
「語り継ぐことで防がれる被害というのもありますカラネー。でも今はとにかくお花見を楽しみマショー!」
「ええ、めいっぱい楽しみましょうか」
「もちろん、しんみりしたのだけじゃなくて今日みたいな賑やかなのもたくさん歌にするなぁ~ん!」
「頑張れよ。……うぐっ!?バルタンお前、わさび入り何個入れたよ!?」
「あ、それは今新しく作ったロシアン・タコヤキデスネー。また当たりを引くなんて中々ないデスヨ!」
やいのやいのわいわいがやがや。
おいしさと暖かさと心地よさが詰まった花見はきっと夜が明けるまで続いたかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
ただ、幻朧桜たちは猟兵たちのその姿を喜んでくれたのは確かだろう。
虞に染まったカクリヨの空を清めるかのように、桜吹雪が吹き抜けていったのだから――。
大成功
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