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大祓百鬼夜行⑥〜謳へや謡へ

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「語り聞かせはお得意ですか?」
 サティ・フェーニエンス(知の海に溺れる迷走っコ・f30798)なるグリモア猟兵は、『幻朧桜の丘』という地での任務ですと猟兵たちを招集した後、説明もそこそこに唐突な疑問形を投げてきた。
 発してから、言葉が全くもって足りなかった事に気付けば、一瞬アッと声に出しすぐに失礼しましたと頭を垂れる。
「幻朧桜の下で楽しく宴をする事で、幻朧桜が力を増して百鬼夜行を弱体化できるのは、もうお聞き及びの方もいるかと思います。
 その“楽しく宴をする”という部分が、今回赴いていただく先の幻朧桜においては、少々限定される部分があるようでして……」

 曰く、この幻朧桜は自分込みで、むしろ自分という枝や花や幹“と”宴会をして欲しい意思がある、との事。
 そう、『宴会を彩る背景』では無く。
「飲み物や食べ物を掲げて、しなり下がってくる枝に『乾杯』などでも恐らく認めてくれるとは思います、が。
 どうやら最も求めているのは、語り合い、といったものらしく。
 ……幻朧桜はとても大きいので、そこを中心とした四方八方のどこかに仲間がいらっしゃる、とは思いますが……ええ、はい、たまたまその時誰もいないとなると、完全に幻朧桜と一対一、一人対一本となり、お人によっては孤独に語る空間に耐える、ことになるかもしれません」
 しかも幻朧桜が求めているのは、宴に合うような、楽しい、温かい、前向きな、笑顔で語れる内容なのだという。
 ぼっちで笑顔語りかぁー……と遠い目になった者。
 孤独は慣れている、否、孤独では決してない、幻朧桜という立派な宴の相棒がいるではないか、とキリッとする者。
 それぞれの反応を確認してから、少年は続けた。
「えっと、ご自身の武勇伝でも、誰かへの溢れる想いでも、なんでしたら故郷の明るい民謡などでも、とにかく幻朧桜『と』話して食べて飲んで、を『嬉しそうな表情』で行ってくれれば問題はない……かと」
 自分に出来るかと問われたらフードで顔隠すであろう少年、言葉に必死さが入った。
 幻朧桜もちゃんと相槌打ってくれると思いますのでっ。
 フォローのつもりな言葉を伝えて。少年のグリモアが輝いた。


真白ブランコ
 楽しそうな輪を近くからでも遠くからでも眺めているのが大好きな『特技:空気化』なぼっちMS、お世話になっております真白ブランコです。
 やったよ! 戦争二本目出せたよ! もとい、宜しくお願い致します。

 このシナリオのみの性質上【ソロ推奨】。
 ですが、勿論複数名様で幻朧桜を囲って飲み食い語り合いしていただいてもOKです。
 ただしその際には、幻朧桜おいてけぼりでうっかり盛り上がって、幻朧桜が『あれ?背景?自分今背景化してる?』と判断されると、枝チョップが降ってくるかもしれませんのでご注意。
 (判定はゆるゆるの予定なので、あえて一回くらい枝で殴られたいというのも可)

 未成年キャラ様の飲酒や、歌等を歌われたりする場合の版権や著作権に触れる内容のものは、描写不可になりますのでご了承下さい。

●プレイングボーナス……よその戦争を無視して宴会する!
 幻朧桜『と』目一杯語り合ってあげてください。

●早期完結を目指します。2~5名様予定。
 プレイング送信可能な間は、上記人数問わず送っていただいて構いません。
 善処致します。
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第1章 日常 『桜の下で宴会しよう!』

POW   :    美味しい料理や飲み物を提供する

SPD   :    巧みな芸を披露する

WIZ   :    桜の下で語り明かす

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

山咲楽・優枝
【WIZ】
サンドヰッチの入った弁当箱と大きめのミルク瓶を手にして訪れる。
「どうもどうも、ご同朋。まさか異界でお会いするとは思いマセンデシタ」
笑いながら幻朧桜へ向かって頭をペコリ。
「ご覧の通り、僕も桜の一枝。よろしければ少しおしゃべりをしマショウ」
カップに牛乳を注いで乾杯。
「ボクは元はとある山奥にいたのデス。
今はミルクホールで働きながら接客や料理を学んでイマス」
今日のお弁当も手作りデスヨと桜に語りかけマス。
店であった楽しいことや帝都初め色んな場所で食べて美味しかったものの話をしマス。
揚げ物はだいたいパンに挟むと美味しいとか。
「帝都や山でいつも見慣れてはいマスガ、異界でのお花見もいいものデスネェ」




 見渡す丘に人影一つ。
 待ちわびる枝たちが嬉しそうにしなる様子を、菜の花に蜜をかけたような優しい色の瞳が映しては微笑んだ。
「どうもどうも、ご同朋。まさか異界でお会いするとは思いマセンデシタ」
 山咲楽・優枝(身魂鎮める桜の一枝・f22534)の言の葉へ同意するように、薄桃たちが一斉に揺れる。この幻朧桜は一目理解した。己が同じ御魂持つ者であると。
 ぺこりと一礼した後、優枝と幻朧桜は刹那見つめ合う。
 空気が桜の香りに包まれた。まるで同胞同士、意識共有するかのように。
 そうしてすぐに、今はヒトの身携えるその口から『少しおしゃべりをしマショウ』と紡がれては、太い幹の隣へお邪魔した。
「ボクは元はとある山奥にいたのデス。
 今はミルクホールで働きながら接客や料理を学んでイマス」
 ええ、ヒトの生活にとても興味が湧いて、なんて告げながらカップ二つに大きなミルク瓶を傾けて。一つを幹の根本へ置いて、自分のカップに注がれた牛乳傾け、はい乾杯。
 幹へ置かれたカップの白へ、ひらひらと花びらが落ちては桃色が嬉しそうに泳ぐふう。
 瞳を細めそれを見つめながら。優枝はサンドヰッチの入ったお弁当箱も目の前に広げてやる。
「今日のお弁当も手作りデスヨ。店長さんは色々教えてくれる、優しいヒトなんデス」
 優枝の手元を覗き込むように枝が降りた。
 その枝先から不思議そうな色を読み取って、優枝は頷いて応える。
「ええ、ちゃんと練習すれば誰にでも出来マスよ。
 僕が作れるものは、まだそう多くはありマセンが……そうデスネ、かすていらは少し自信がついてきた気がしマス」
 ヒトの身には、成功や失敗が起きるものなんデスヨー、と茶目っ気秘めた微笑み一つ。
 桜の精は語る。楽しいという感情を目一杯込めて。
「時々故郷の山にも顔を出すと、働いている先の匂いが映っているのか、動物たちに突進受けたり嘗め回されたりもしマス」
 ちゃんと着替えてきてるんデスが、と首をこてん。
 枝花の一つがふと、優枝の髪に引っかかった。
 うん? とそのままにさせていれば、ああっ、と合点が入ったように拳を打ち鳴らす。
「もしかしてこの髪に匂いがついてマスカ? そこは盲点デシタ」
 自分では分からないんデスヨネェ……、そう自身の桜鼠色の一房つまんで、アナタは甘いのがお好きデスカ? と幻朧桜へ問いかけたり。
「僕も甘い物大好きデス。働かせてもらっている所では、他には珍しく揚げ物なんかも出しているんデスが、それはパンに挟むと美味しいんデスヨ」
 初めて食べてみた時の味が思い出されて、自然と笑みが零れた。
 同朋からの体験談は、枝を、幹を、その土を通して幻朧桜へ温かく沁みゆく。
 そよそよ頷く仕草へ、優枝は隣に在る幹へそっと触れた。
「帝都や山でいつも見慣れてはいマスガ、異界でのお花見もいいものデスネェ」
 どうしても帝都では、癒しに忙しくする日々も多くあるけれど。
 あわよくば、他の同朋たちもこうして時々、息抜きに来れたら良い。
 触れ合う桜二つは、同時にそう願いを響かせていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

百海・胡麦
其方は異界に咲くという……気紛れな桜だね
ここの土は如何かい? 好いよ、呑んで話そう。嬉しいよ

サクラミラージュといったかね、彼処は
うん、アタシは此処に住まう妖怪で、百海というよ
百の海と書いて、モモミ
今は大わらわだがね、良い処なんだよ?
其処彼処で異変が起こって、年中お祭り騒ぎさ——嗚呼、いつも通りだね

味の好みは? どこから呑む?
「天人」に乗り「平」から杯に注いだ酒を片手に声を待つ
うん、此の子らは己を支えてくれる友だ
道具を集めるのが好きでね。術も編むよ
掌に『絡繰』で、炎と空から集めた水を集め固め、遊ばせ披露する
其方は癒しの力を持つという、学ばせてくれないか

其方の、名は?
そう。また飲み交わしたいからね




 移ろいゆくことのない花びらたちは、一歩、此方へ寄るごとに何処かの花の色纏い揺れた後、何者でもない元の色へ戻るその髪の主へ枝を伸ばす。
 幻朧桜のそんな仕草に気付いた視線が、長い睫毛を微か上げ笑みを称えた。
「其方は異界に咲くという……気紛れな桜だね」
 百海・胡麦(遺失物取扱・f31137)の、淡々とした、けれど友好的な声色に枝花たちは歓迎するように花弁を舞わせた。
「こちらこそ、ようこそ、と贈るべきかな。ここの土は如何かい?
 好いよ、呑んで話そう。嬉しいよ」
 うん、アタシは此処に住まう妖怪なんだ。
 そう続けながら、胡麦は一度、丘から一望できる景色へ視線走らせてから再び眼前の大木を見上げた。
「サクラミラージュといったかね、彼処は。其方たちの噂はかねがね。
 アタシは百海というよ。百の海と書いて、モモミ。以後お見知りおきを、だ」
 イケる口かい、味の好みは? どこから呑むのかな?
 一枝一枝で挨拶するが如く触れ終えては、百海はひらり「天人」と呼ぶ箒へ身を預ける。
 大きな大きな幻朧桜、そのてっぺんまで昇っていくと、やっと全体像が見えたと口元を綻ばせ。
 今度は「平」と呼ぶ瓢箪から持参した杯へ酒を注ぎ。
「一献、どうだい」
 「平」をその薄紅咲き誇る頂上で傾けて、良いかな、と宴の主へ問いかける。
 風もないまま、小さな花たちが水滴に期待するようにざわりと鳴った気がすれば、よしきたとそのまま幻朧桜へもご馳走した。
 揺れる枝々を見れば、『喜んでいるのかな』とどことなく伝わって、百海は共に杯を口に含みながら語りかける。
「此処は今は大わらわだがね、良い処なんだよ?
 其処彼処で異変が起こって、年中お祭り騒ぎさ――嗚呼、よくよく思えば、いつも通りだね」
 どこか同意するよう縦に傾ぐひときわ大きな枝。
 次いで、その枝が百海の乗る箒へツンと触れたのに気付けば、首肯し示す。
「うん、此の子らは己を支えてくれる友だ。道具を集めるのが好きでね。術も編むよ」
 そう紡ぐと、掌を枝から少し離し伸ばす。そうして集約する魔力に赤と蒼の輝きが宿り出した。
 UC【絡操】。それは大気に眠る焔と、空から預かった水たちを具現化し操るもの。
 百海は優雅に掌を返し、花びらに触れぬ距離にて赤と蒼で宙に円を描き遊ばせてみせる。
 本来は攻撃に使用している力。けれど今は、宴の相棒へ手向ける一芸として、それは術者の温かな心の在り様で姿を変える力。
 拍手のように、枝々が擦れ花びら舞った。
 其方はおだて上手だ、と妖艶な微笑みが浮かぶ。
「そういえば、其方は癒しの力を持つという。少し、学ばせてくれないか」
 手元に訪れる愛し子たち。それらは必ずしも、幸福な状態とは限らない。
 害成すものであったり、すでに手遅れなものにおいては、己が身が飲み込むことは出来るけれど。
 ――包み、癒すことで、まだその姿形を保てるのであれば……その方が良いときもあろう。
 教授を願い出てからふと、『其方の、名は?』と百海は問うた。
「……また、飲み交わしたいからね」
 未だぽっかりと心の奥底に空いた寂しさは、もはや己が一部。だけれど。
 そう、そんな時、とつとつと語れる相手、付き合ってくれる相手が欲しくなるもので、ね。
 癒しの花びらが百海の周囲へ舞い上がる。
 言霊の響きはらんだ音が一つ、百海の耳にのみ届けられたとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

雨野・雲珠
※アドリブ歓迎

ふしぎ。幽世にも幻朧桜があるなんて…
異国で知人に会えたような気持ちです。
お菓子とお茶を広げながら、何を話そうか考えましょう。
嬉しいこと。嬉しいことかー…

…そういえば、幽世はUDCアースと縁が深いんでしたっけ。
あ!この茣蓙(=レジャーシート)、
UDCアースで買ったんですよ。
すごいんです、全部百円で。ふふふ。ご存じですか?
大切な方と原宿を冒険してタピオカを呑んだこと、
楽しかった思い出を話しましょう。
なんとね、お寿司も回るんですって!

動ける体を得て孤独を知りましたが、喜びも増えました。
今日の思い出もそのひとつです。
聞いてくださってありがとう。
きっとまた参りますね、と枝に唇を落とします。




 桜珊瑚の色を称えた瞳がやって来るのへ、花弁がはらりと手招きする。
 冬枝がぴくりとそれに反応すれば、雨野・雲珠(慚愧・f22865)は今日の話し相手をしっかりと見上げた。
 ――ふしぎ。幽世にも幻朧桜があるなんて……。
「あ、同じことを思いました? はい、俺も、異国で知人に会えたような気持ちです」
 桃色誇る枝と、新芽をその身に眠らせている枝とが触れ合って、自然と会話が成立した。
 幹の根元に体を寄せて、持参したお菓子とお茶を広げていると、頭上から素朴な疑問を感じ取る。雲珠は、これまで何度も誰かとやり取りしたことのある言の葉を、幻朧桜へも伝えてやる。
「そうですね。ヒトのように動ける体ですが、必ずしも飲食取る必要はないです。
 ただこう、娯楽……じゃない、楽しみ? の一つとして覚えました。
 誰かと一緒に、同じ食べ物をつつくのは意外とウキウキするものだな、って」
 だからきっと、あなたもそれを体験したかったんじゃないかな。
 そう思った言葉はそっと胸の内のみに響かせて。
 嬉しいこと。嬉しいことかー……。
 すすすー……とお茶を飲み下す音。
 移ろうことの無い自分たちと違って、周囲は目まぐるしく入れ替わる。
 日々、様々な感情と対面して、様々な感情に翻弄されて。当然その中で、嬉しいことも数知れず。
 暫し思案を巡らせてから、雲珠は『あ』と思いついた旨を零した。
「そういえば、幽世はUDCアースと縁が深いんでしたっけ。此処の世界に来ているあなたにとって、身近に感じるお話の方が、盛り上がるかもですよね」
 ならば、と雲珠は今自身が座っている物を指さして。
「この茣蓙、UDCアースで買ったんですよ。そうですね、サクラミラージュでは、『畳』と呼ばれて売っているお店もある……そうそう、そこです。それと似た感触で。
 けどUDCアースのそこのお店はすごいんです、全部百円で。
 ふふふ。ご存じですか?」
 物品の売買の中で、如何にお金節約してやり繰りするか、考えるの案外面白いんですよ、なんて幼い容貌の中に、しっかりちゃっかりとした笑み浮かばせる。
「それから、大切な方と原宿を冒険してタピオカっていうのを呑みましたね」
 タピオカとは、という今度の疑問へ、自分も受け売りだけれどと付けてから雲珠は活き活き説明したり。
「なんとね、お寿司も回るんですって!」
 この間、粋の良い海鮮類をグリードオーシャンで堪能したけれど、回るお寿司はとんと見かけなかったからいつか見てみたいんですよね。
 そう続ける自身の言葉たちは、得てして食べ物系、隣に必ず誰かが在った話だなと雲珠は気付く。
 ――自由に動ける体を得て孤独を知りましたが、喜びも増えました。
 こんなに幸福でいいのだろうか。自分にその資格はあるのだろうか。そう葛藤する時とてあるけれど。
 確かなのは、今日もその幸福な思い出のひとつだという事。
「聞いてくださってありがとう。きっとまた参りますね」
 ほどなく会話の終わりに差し掛かれば。
 雲珠は聞き上手な、促し上手な幻朧桜の枝を引き寄せ、そっと唇を落とした。
 そんな二つの桜を今だけ隠すように、しんしんと純白の花弁が周りを覆う。
 また会えるときまで、健やかでありますように。
 祈りに応えて無意識に発動された【花吹雪】は、桜自身たちへは効果がないのか二つの桜の意思か。眠ることなく、ただ粛々と白き守り手となりこの場を癒すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

草守・珂奈芽
よーし!わたし――あたしが好き勝手くっちゃべるけどよろしくぅ!
周りの精霊さん達も集めてカンパーイっ!
あ、中身はただのジュースなのさ

あたしの話はこの小さい精霊さんのコト
見た目は光の粒……って見えるべか?
実はそこらにもケッコーいるんだよ
幻朧桜さんとこは特に居心地いいってさ!

でさー、あたしってばどこ行ってもこーゆー子達に好かれるのさ
同族意識らしーけど……クリスタリアンなのにね
実は似てたりする?どう?(袖を掴んで一回転)
ってごめんね、応えてもらってもあたしは分かんないのさ
おかげで体弱かった頃も、今じゃ戦いでも助かってるけどね

戦いといえば精霊さん達との連携&活躍も……
へへ、賑やかで楽しくなってきたのさ!




 高く昇った幽世の月光に照らされて、花緑青の胸の石がきらり瞬けば来人の合図。
 それを見止めた幻朧桜の枝々が、座る場所を指すようにしなる様子へ、草守・珂奈芽(意志のカケラが抱く夢・f24296)は笑顔を咲かせた。
 よかった、歓迎してくれたみたいさ!
 よーし! わたし――あたしが好き勝手くっちゃべるけどよろしくぅ!
 気合十分、親しみ込めて。
 宴となればまず音頭を取らんとね。
 招かれた幹の下、綺麗に花弁が敷き詰められた所へ腰を下ろすと、珂奈芽は草化媛と呼ぶ魔導人形携えて。蛍石光に輝く召喚陣を発動させた。
【精霊の愛し子(エレメンツ・ファミリア)】
 その身は精霊の宿り木の如く。愛し子の呼びかけにこの地の風の精が応え、姿を現す。
 君たちも良かったら寄っといでー!
 珂奈芽の瞳には、この場所に来た時から幻朧桜に寄り添う小さな精霊たち、その粒子が目に入っていたゆえに。
「えっと、3、4……りゃ? カップ足りるかなっ?」
 幻朧桜まじえた光の数だけ、カップを置いて。とくとくとジュースを注ぐ。
「ではっ、ステキな出会いに! カンパーイっ!」
 珂奈芽の声に合わせ、小光たちが、花弁たちが舞い上がった。
 わぁっ……幻想的な景色になったのさっ。
 うっとり見上げていたその髪の一房を、つんつんとする枝があった。
「うん? あっ、ごめんお話聞きたいよね……え? このコたちのこと?」
 召喚した精霊が、そよりと珂奈芽の耳に風を吹かせると、今幻朧桜が感じている疑問が自然と閃いた。
 通訳ありがとう!
「このコたちは小さな精霊さんたちさ! 見た目は光の粒だけど、実はそこらにもケッコーいるんだよ。
 幻朧桜さんのとこは、特に居心地いいってさ!」
 精霊たちが口々に告げてくることを、今度は自身が通訳し伝えれば、枝々がまた嬉しそうにしなった。
「普段気付かなかった? そっかー、あたしがいるから今は姿見せてくれてるのかな。
 あ。なんかあたしってば、どこ行ってもこーゆー子達に好かれるのさ」
 ある日聞いてみたら、同族意識みたいなものらしーんだけど……あたし、クリスタリアンなのにね。
 未だ自分でも好かれている事が謎であれば、首を傾げたり。
「実は似てたりする? どう?」
 カップを一度幹の傍に置かせてもらって。
 珂奈芽は閃く袖を掴むと、その太い幹へ見せるようにその場でクルリッと一回転。
 三色アーガイル模様に、花びらが柄に混ざるよう触れ合った。
 またそよりと耳元で風が鳴る。
「え、似てる!? どこさ!?
 ……奔放な雰囲気? 幻朧桜さん、それ褒めてるっ?」
 打てば響く珂奈芽の返しに、精霊たちと桜の花々が笑うように揺れた。
 もうっ、とむくれたフリをしながらも、その口元は楽しそうにすぐにほぐれた。
「きっとあたしだけじゃ、応えてくれても分からなかったけどさ、こうして精霊さんの力を借りて色々な事が出来るようになったんだ」
 体が弱かった頃……そんな自分を囃す周囲に、自分は何も出来ない存在にのし上げられてるようで、がむしゃらに夢を、理想を追って頑張ってきて。
「けど、一人じゃない、って気付かせてくれた人たちがいたのさ。
 自己満足でもいーんだって。あたしがあたしだから、助けられた人たちがちゃんといるんだって、教えてくれた、思わせてくれた人たちが。
 だから、今度こそあたしは心から、みんなの手をとれるヒーローになりたい、って思えるのさ」
 もちろんまだまだ失敗も多いんだけどねー、と舌を出してみせれば、応援する空気たちが珂奈芽を包み込むのが分かった。
「へへっ。賑やかで楽しくなってきたのさ!
 そうそうっ、精霊さんたちの助けといえば、この間すっごいカッコイイ連携が出来てさ!」
 いっぱいあったジュースたちが空っぽになるまで、明るい声と小光と花弁の宴は続いたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月18日


挿絵イラスト