大祓百鬼夜行⑳〜生まれ変わってでも、君の傍に行く
「……今日で三周忌だな。リサ」
そう、墓前で悲しそうに呟く少年の姿がUDCアースの墓園にある。
「交通事故で亡くなったと聞いた時には何の悪い冗談だと思ったけど……本当にいなくなっちまったのかよ」
墓石に水を上げ、幼馴染の冥福を祈る少年。
その姿からは故人を偲ぶ思いがひしひしと見ている者に伝わっていく。
「……今でもな、大学から帰ってきたら当たり前のように俺の家にいるんじゃないかって思うんだ……そんなわけないのにな」
水をかけ終えると、少年は線香を取り出して捧げる。
「もう俺、独りぼっちだよ。叔父さんの家に今はいるけど、お前がいないんじゃな」
やがて墓石に向けていた頭を上げ、墓前から去ろうとする少年。
その後ろ姿は、哀惜の感情で満ちていた――
「……ん?あれ、ワタシどうしてこんなところに……えーと、幽世は……うわ、そうだ!猟兵の為に百鬼夜行を行うんだった!」
そう呟いて長い金髪を翻らせながらリサという名の西洋妖怪は跳ね起きて――そこがカクリヨファンタズムではない事に気が付いた。
「え、ここって……もしかしてUDCアース!?」
そう驚愕の声を上げると同時に胸に去来するのは胸を締め付けるような哀愁。
「……行かなきゃ。でも、どこに?」
混乱する頭を体と同じく動かしながらも、リサという名の西洋妖怪はUDCアース内を彷徨っていく。
「そうだ、ネット……ネットってものがあったんだ」
その、西洋妖怪として転生した際に得た『電気を操る能力』を以て。
「リョーヤ。待っててね……」
「またまたUDCアースに「電気を操る妖怪」が現れたよ!皆はこのリサって言う西洋妖怪を説得して浄化してほしいな」
深紅の九尾の妖狐の少女、レーヴァ・アークルージュ(超学園級の烈焔魔導士・f29627)は集まった猟兵達にそう告げる。
「今回の対象となるリサっていう西洋妖怪の女の子は元はUDCアースにいたアメリカ人の女の子だったんだけど、三年前に交通事故にあって亡くなった後にカクリヨファンタズムで西洋妖怪に転生したみたい。そこで幼馴染だった斎藤・涼矢っていう男の子に接触するために『電気を操る能力』を用いているみたいだね」
そう言って二人の関係性を表した書類の画像を展開し、レーヴァは猟兵達に告げる。
「今回は涼矢君とリサちゃんの再開を手助けする依頼だよ。二人の再開を侵されないようこの戦争にも勝って行こうね」
黒代朝希
心情系第二弾。
UDCアースを破壊されないようモチベーションを上げて貰ったらなと思います。
プレイングボーナス……妖怪と電話で話す。
第1章 日常
『電話で話そう』
|
POW : 熱意を持って話しかける
SPD : 巧みな話術を駆使する
WIZ : 優しく語りかけ、妖怪を慰める
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎
ふむ。つまり、リョーヤ殿とリサ殿の橋渡しをお手伝いすればよいのデスネー?
お任せくだサーイ!
戦場でなくともメイドとして助力いたしマース!
頼みマスヨ、バルタンズ!「バルルッ!」
リョーヤ殿の元に派遣し、物陰や屋根の上から偵察してもらいマース!
位置情報の確認と彼を誘導するためデスネー。
ワタシは公衆電話からリサ殿に連絡を取り、案内しながらお二人のエピソードを聞きしマショー!
お二人の秘密のシチュエーションなどがあれば、再会の演出に用いることができそうデス!
道端でひょっこり出会うより、思い出のロマンス場面でまみえるほうがインパクトはありマスネ!
今回は終始裏方として、影から見守りマス!
リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【SPD】
※アドリブ絡み歓迎
純粋な想いは美しい、故に悲しいねえ
『コード・テスタロッサ』の生体電脳で電話回線網侵入
リサさんに音声通話でコンタクト取るよ
「あーもしもし?アタシはリリーさん、しがない猟兵さ」
「涼矢くんの居場所へ、知り合いのアメリカ人に案内させるよ」
実は【コールヘリオ・オフィサーオーダー】で出したヘリオ
ま、金髪碧眼同士だから信じてくれるとは思うけどさ
『マム、合流したよ!行き先は墓地付近だね?』
『そ、交通法規と移動経路に注意。リサさんの無事が第一だよ』
『アイ、マム!』
「当然だけど、ずっと傍には居られない」
「だから奇跡を活かして、想いを出し切りな」
「2人が未来に進む、最高のチャンスだよ♡」
「ふむ。つまり、リョーヤ殿とリサ殿の橋渡しをお手伝いすればよいのデスネー?お任せくだサーイ!戦場でなくともメイドとして助力いたしマース!」
サイボーグのメイド、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)はそう呟いてUDCアースに転移していく。
「そういう訳で頼みマスヨ、バルタンズ!リョーヤ殿の元に赴き、物陰や屋根の上から偵察してもらいマース!」
「バルルッ!」
自身と同じ姿の自立型サポートロボット【ミニ・バルタン】をユーベルコードを用いて召喚し、涼矢の元へと差し向けたバルタン。
「ワタシは公衆電話からリサ殿に連絡を取り、案内しながらお二人のエピソードを聞きしマショー!」
そう言って自身は公衆電話へと入り、リサへと電話をかけていく。
「……もしもし?」
「ハーイ!ワタシはバルタン・ノーヴェ!猟兵デース!」
カクリヨファンタズムの妖怪は大多数が猟兵に好意的である。故にバルタンは初手から自身が猟兵であることを告げ、リサの信頼を勝ち取ろうとする。
「(リサ殿とリョーヤ殿。お二人の秘密のシチュエーションどがあれば、再会の演出に用いることができそうデス)」
道端でひょっこり出会うより、思い出のロマンス場面でまみえるほうがインパクトはある。そう考えてバルタンは奉公人としての巧みなトークでリサから話題を引き出していく。
「(今回は終始裏方として、影から見守りマス!)」
そう心中で呟き、リサの話を聞いていくバルタン。そこに、【ミニ・バルタン】からの報告が入る。
「純粋な想いは美しい、故に悲しいねえ」
声色は幼い少女の物、しかしそこに宿る感情は老練さと艶。
それはつまり、その声の主は少年期を過ぎて経験を積んだ者という事だ。
声の主はリーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)。145㎝の小柄な体躯に反し、老練な精神性を持つクロムキャバリアの闇医者だ。
「あーもしもし?アタシはリリーさん、しがない猟兵さ」
バルタンと同じく公衆電話に入り、リサへと通話を試みるリーゼロッテ。
「アナタは……いえ、アナタも猟兵?」
「その通り、今から涼矢くんの居場所へ知り合いのアメリカ人に案内させるよ」
その言葉と同時に起動させるユーベルコードの名は『Op.NULL:CALL.HELIO [OF]』。
情報生命体ヘリオ――その姿は金髪碧眼との事だ。
「マム、合流したよ!行き先は墓地付近だね?」
「そ、交通法規と移動経路に注意。リサさんの無事が第一だよ」
リサと接触したヘリオの通信を聞きながら、リーゼロッテは思う。
「(当然だけど、ずっと傍には居られない)」
骸の海に浮かぶ異世界の住人の内、リサはカクリヨファンタズムの西洋妖怪で涼矢はUDCアースの人間。
その壁は、大きいというものではない。
「(だから奇跡を活かして、想いを出し切りな。2人が未来に進む、最高のチャンスだよ)」
心中でそう呟いたと同時、バルタンが連れてきた涼矢がリサに待ってもらっている場所に現れて――
ここから先は、UDCアースに存在するある報告書の一部を抜粋しよう。
斎藤・涼矢。三年前に事故死した幼馴染の女性を『西洋妖怪』なるUDC-Pとして召喚するユーベルコードを保有する。
詳しいことは、SSSランク秘匿案件『大祓百鬼夜行』の書類にて、記載されている。
つまり、更なる奇跡は起きた。
少年が、少女を呼び出せるユーベルコードを身に着ける事によって。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵