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大祓百鬼夜行⑳〜雷獣親子帰還作戦(子供編)

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行 #雷獣一家の帰還物語

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#大祓百鬼夜行
#雷獣一家の帰還物語


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●カクリヨからUDCアースへ
「このほつれの中に飛び込めば、お母さんの故郷に帰れるの?」
「あぁ、そんな話があるんだ。お父さんを探しに行こう」
「うん、わかったよお母さん!」
 雷獣の親子は意を決してカクリヨの世界に出来たほつれの中へ飛び込んだ!
 行方知れずになったこの家族の父親を捜しに。

 目を開けるとそこは見知らぬ土地だった。
「・・・お母さん、どこ?おかあさぁぁんっ」
 見慣れぬ土地で独りぼっち。不意に寂しさがこみ上げて来て必死に母親を探すが・・・、返事がない。
「ぐすん・・・どうしよう、ボクひとりぼっちになっちゃった・・・」
 ふらふらと肩を落とした雷獣の子供はその場を立ち去ろうとするが・・・。
 急に目の前を横切った大きな物体に驚き立ちすくむ。あれはカクリヨの妖怪バスに似ているけれどもっと小さい。バス・・・ではないようだ。騒がしい音に怯え、それから逃れるようにすぐ脇にあった公衆電話の中へ滑り込むのだった。

●とある世界の炎武邸にて
「皆さま、お集まりいただきありがとうございます。先日とある筋よりUDCへ現れた雷獣という妖怪の子供の捜索を頼まれまして・・・。なんとか居場所の方が掴めたのです」

 カクリヨの大祓百鬼夜行の影響でカクリヨのあちらこちらに世界のほつれが発生していた。そのほつれに飛び込んだ雷獣という雷を纏った獣の親子が、UDCアースへと辿り着いたという話が以前に報告されていた。
 猟兵達のおかげで母親の方はなんとかなったのだが、その段階で子供の居場所は判明しておらず、炎武家が総力を挙げて調査していたのだ。
 最低でも子供が見付かるまではカクリヨに戻れない、という母親の必死な訴えに理解を示したグリモア猟兵はUDCに一時的に雷獣の母親の保護をお願いした。その際にUDCも捜査に協力してくれる事となり、一気に捜査網が広がったのだ。そしてその結果、雷獣の子供の居場所が特定出来た。

「どうやらこの雷獣の子供の方も骸魂を体内に取り込んでいるようです。なんとか落ち着かせてあげないと気持ちの暴走からオブリビオン化する可能性があります」
 そうなると非常に厄介なことになる。だが今なら、その前に骸魂を除去する事も可能だという。
「雷獣の子供が潜んでいると思われる公衆電話の受話器で雷獣の子供と話をしてみてください。母親が無事である事を伝えてあげたり、励ましてあげたりすれば気持ちも安定するはずです」
 予知の通りであるならば、雷獣の子供が居る辺りは人通りの多く交通の便が良さそうな所。交通機関が止まる時間帯を狙って任務を遂行する事になりそうだ。

 無事に骸魂の除去が行えた後は母親の元へ還してあげる事も出来るだろう。
「お手数ですが、雷獣の子供を落ち着かせる件、くれぐれもよろしくお願いします。現地へはお送りしますね」

 瑠美はそういうと転送装置を起動させたのだった。


黄昏空
 MSの黄昏空(たそがれ・そら)です。このシナリオは戦争シナリオ、1章で完結します。カクリヨからUDCアースへやって来た雷獣の親子。母親の方は『大祓百鬼夜行⑳〜雷獣親子帰還作戦(母親編)』で無事猟兵達によって保護されました。第2弾の今回は行方不明になっていた子供の方を発見した為、そちらへ向かっていただきます。

 雷獣は電気を纏った獣の姿をした妖怪。UDCアースへ辿り着いた際に骸魂を体の内部に取り込んでしまっています。今は見知らぬ土地で独りぼっちとなってしまった雷獣の子供は精神バランス的にかなり危うい状況になっています。
 完全に精神バランスが崩壊した場合、体内に取り込まれた骸魂が完全活性しオブリビオンとなってしまうでしょう。そうなる前になんとか骸魂の除去をする必要があります。

 今は周りの騒音に驚いて公衆電話の受話器から通信網の中に身を潜めているようです。
 雷獣の子供とは公衆電話の受話器越しに通話する事が出来ます。接触を試みて不安で一杯の子供を励まし、落ち着かせてあげて下さい。
 母親は既に保護されている事を伝えてもらっても構いません。猟兵が接触し心の不安を取り除いてあげる事で子供に憑りついた骸魂を除去する事が出来るでしょう。

 プレイングボーナスは「妖怪と電話で話す」です。

 採用は第1弾と同じく2,3人程度を検討しています。このシナリオが完結した後、次の「父親編」へという形で話は続いていく予定です。プレイング受付はOP公開後から。執筆は早ければ公開日の夜から開始し可能ならば次の日の16時までには完結させるつもりです。
 それでは皆さんのご参加、お待ちしております!
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第1章 日常 『電話で話そう』

POW   :    熱意を持って話しかける

SPD   :    巧みな話術を駆使する

WIZ   :    優しく語りかけ、妖怪を慰める

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。

第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん

おやまあおやまあ、そんな事情がー。ええ、ならば向かいましょう。
…公衆電話かけるの、初めてですけれどー。まあ、使い方調べたのでなんとかなりますよー。

電話して、最初にはじめましてー猟兵です、と声をかけて。
そして、母親がすでに見つかって、安全な場所に保護されていることを話しましょう。
ええ、安心させるが一番ですからー。

大丈夫ですよー。私たちもついてますからねー。
必ず、母親と再会させますからねー。



「おやまあおやまあ、そんな事情がー」

 馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)はグリモア猟兵から事情を聴き現地へ向かう事にした。複合型悪霊である義透は、生前は戦友であった4人が1人となった特殊な存在。その都度その場に適した1人が表に出て来て対応する。
 今回に関しては第一『疾き者』が表に出て来ているようだ。

「離れ離れとは心細い事でしょうねー。ええ、ならば向かいましょう」

 転送された先にぽつんと佇む公衆電話。周りは薄暗く、街灯に照らされた公衆電話は見る人によってはちょっとしたホラーに出て来そうなシチュエーションだ。まぁ、実際は妖怪がその公衆電話と繋がっているわけだからホラーそのもの、とも言えるのだが。
 とはいえ、猟兵であり本人自身も悪霊である義透にとっては別段恐れるようなものではない。それよりは…だ。

「…公衆電話かけるの、初めてですけれどー」

 そう、どちらかというと義透にとっては公衆電話を使う事の方が問題であった。なにぶん今まで使う機会などはなかったのだ。今回の任務の概要を聞いた段階で義透は公衆電話の使い方を調べて来ていた。

「たしか、こうでしたねー。この受話器を上げて…」

 受話器を上げ通話を試みる義透。

「おかしいですねー。受話器を上げてお金を入れ番号を押してみましたが発信音がしませんねー。これは使い方が違っていたのでしょうかー」

 首を傾げた義透、はて、落ち度はないはずだが…。試しに受話器に向かって話し掛けてみる。

「もしもしー。どなたかいますかー?」
「…誰?ボクに話し掛けて来るのは?」

 暫くすると、ノイズのような音と共に微かな声が聞こえて来た。小さな男の子の声。どうやら件の雷獣の子供のようだ。

「はじめましてー猟兵です。無事に繋がって良かったー」
「…猟兵さん?猟兵さんが来てくれたのっ!?ボクお母さんとはぐれちゃって、怖かったんだっ」

 相手の声がちょっと鼻声っぽく感じた義透。どうやら寂しくて泣いていたのだろう。

「ええ、安心してくださいー。あ、そうそう。あなたの母親ですが、無事に見つかりましたよー。今は安全な場所で保護されていますねー」
「ほんと?お母さんが、お母さんが見付かったんだ?良かったぁ…」

 安心させる為に母親の事を切り出した義透。相手もその話にどこかホッとしたのだろう。声に元気が戻ってきたように感じる。

「そういえば、ぼうやは特に体の方は異常とかないですかー?」
「ん~。少し体がだるいかな…って。でも、大丈夫」

 幼い子供の事だ、なかなか自分の体調を冷静に確認する事は出来ていないかもしれない。用心するに越した事はないだろう。

「それなら安心ですねー。今いる公衆電話の周りは普段は車が一杯みたいですが、今は全く車も通っていませんし、落ち着くにはちょうどいいかもしれないですねー。大丈夫ですよー。私たちもついてますからねー」
「うん!ありがとう猟兵さん!」

 元気一杯な返事が返って来た。だが、まだ先の報告の様子だと骸魂が除去されたわけではなさそうだ。もう少し様子を見る必要がある。

「必ず、母親と再会させますからねー」

 義透ののんびりとした口調が、寂しい想いをしていた雷獣の子供の心を落ち着かせてくれたのだろう。義透はその後も子供と受話器越しの会話を続けて行くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

東雲・深耶
公衆電話の受話器に電話をかけて子供に声をかける
大丈夫か、怖がることはない。お前の母親は無事だ
UCを使用して蒸気獣のその力だけを抽出、ラリクマとオルクスの災魔属性の精神浄化魔術で不安を解していく
そう凛としながらも威圧感を与えず、生徒会長としての経験を活かしながら子供を安心させていく

…まぁ、実年齢は私19なんだが、猟兵化で外見年齢が基本18のままなのだからUDCの手配で『高校3年生』のままにしておいたのだが、それはともかく

下手にそこから動くと危ないのは分かるな?
直に迎えが行くからそれまでそこにいた方がいい
不安なら私が話をしてやる。安心しろ
そう言って話をしながら子供の心を宥めていく



 次に公衆電話の受話器を取ったのは東雲・深耶(時空間切断剣術・空閃人奉流流祖・f23717)だ。先程の猟兵の感じでは、この公衆電話の受話器を取った段階で既に雷獣の子供と通話が可能な状況となっているのかもしれない。

 深耶はひとまず受話器に越しに声を掛けてみる事にした。

「もしもし、聞こえるか?」
「…もしもし、うん、聞こえるよ?」

 試しに声を掛けてみたが、どうやら無事に件の雷獣の子供と繋がったようだ。

「私は深耶という。お前を救出に来た猟兵だ」
「助けに来てくれたの?ありがとう!独りぼっちだったから凄く怖かったんだ」
「大丈夫か?もう怖がることはない。それにお前の母親も無事だ。私達の仲間が見つけ出して保護している」

 相手に話し掛けながら深耶はUCを発動させた。

「魔頂天廻・それは完全なる蒸気獣に他者在っての己を知らせる」

 小声で発動させたUCによって出現した蒸気獣のその力だけを抽出する。ラリクマとオルクスの災魔属性を活用し精神浄化魔術を受話器ごしに雷獣の子供にかけようと試みてみる。相手は受話器の向こう、かつ実体のない状態だ。どこまで効果があるかはわからないが…。

「?お姉ちゃん何か言った?」
「いや、なんでもない。それよりも、そちらは身を潜めている間にどこか体に異常とかはないか?違和感というか」
「ん~…、特に感じないかなぁ…。あ、でも、ここへ飛び込む前は凄く怖い思いしたんだ。何か大きな物がぶわーって凄い音を立てながら近付いてきたりしたから」

 どうやらUCを発動させた時の声が小声であったものの相手にも聞こえたらしい。その辺りはさりげなく暈かして話を進める深耶。
 話術的な所に関しては深耶としては自信がある方だ。なにぶん生徒会長をしている身、年下の生徒達への対処などは日頃から慣れているし、そういう立ち振る舞いを心掛けているからだ。
 凛とした態度を取りつつも相手に威圧感は与えないような言葉を選び会話を進めていく。今、やらねばならない事は相手の気持ちを落ち着ける事なのだから。
 顔が見えない状況の為、相手の反応がわかりにくいので対応が取りにくいのは確かだ。だが、やってやれない事は無い。
 深耶の落ち着いた、それでいて落ち着けるかのような口調に雷獣の子供も少しずつ落ち着きを取り戻していっているように感じられる。

「あぁ、その物体は恐らく車、というものだな。カクリヨにも妖怪バスとかがあるだろう?あれのもう少し小さいものだ。運転は人間がやっているがな」
「あ、そうなんだ!あれが車かぁ…」
「今は、時間帯的なものもあって車は周りにはない。その点は安心だが…。まだ予断を許さない状況ではあるからな。下手にそこから動かない方がいいだろう。問題ないとこちらが判断出来たら迎えを寄こすことも出来る。母親と再会出来るまでもうしばらくの辛抱だ」
「うん、もう少しだけ我慢してここにいればいいんだね!ボクへっちゃらだよ!」
「よし、いい子だ。もうしばらく時間が掛かるだろうから、少し私が話でもしようか?今までの私の話など、色々と話せることはあるぞ?」
「え、本当?猟兵のお姉ちゃんの武勇伝、とかも聞けるの?」
「あぁ、もちろんだ。前に合った話だがな…」

 そうして深耶は相手が気の済むまで色々な話を聞かせるのだった。カクリヨから出た事のなかった子供にとって、それは凄く興味深い楽しい時間だったことだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

木元・杏
おかあさんはもう大丈夫
次はあの子を探しに行こう、胸に残るこの歌と一緒に

おかあさんの時は繋がるか不安だったけど、今度は大丈夫
受話器手に取り、そっと静かに、雷獣のおかあさんの子守唄を口ずさむ
あの子ならきっと反応する

雷獣の子供が出たら、こんにちはとご挨拶
わたしは杏。「おかあさん」からこの子守唄を聞いて、あなたを探しに来た
あなたのお名前は?

おかあさんが保護された事もう聞いてる?
うん、大丈夫。安心して?
皆でおとうさん、探しに行こう
おとうさんもきっと大丈夫
だって、おとうさんは強いものだから
わたしのおとうさん、音痴でバカでヘタレ(おかあさん談)だけど強かった
あなたのおとうさんは?
ふふ、早く会いに行こう



(おかあさんはもう大丈夫。次はあの子を探しに行こう、胸に残るこの唄と一緒に)

 グリモア猟兵から聞かされた雷獣の母親の近況に関して少しホッとした表情を浮かべた木元・杏(シャー・オブ・グローリー・f16565)。
 母親を保護する際に杏は今回と同じように話し掛け、落ち着かせる為に尽力していた。その際にその母親から聞いていたのだ。その時の事は直ぐに思い出せる。
 杏がよく自身の母親に唄ってもらっていた子守唄を口ずさみ、それに伴って雷獣の母親も口ずさんでいたのだ。「そうね。私がぼうやによく歌ってあげた子守唄はね…」と言いながら。

 普段から杏は手元に持っているうさみんと共にダンスを踊って仲間達を援護したりしている。歌などは特に耳に残りやすいのだ。それだけではない、雷獣の母親の気持ちのこもった子守歌は、杏の心にも染みわたる物だったから…。だからこそ、耳で聞いただけでも完全にコピーする事が出来ていた。

 グリモア猟兵の準備した転送陣に乗り件の公衆電話の前までやって来た。

(おかあさんの時は繋がるか不安だったけど、今度は大丈夫)

 今度は自信を持って行動出来る。杏は受話器を手に取り、そっと静かに、雷獣の母親が杏に唄ってくれたあの子守唄を口ずさんだ。あの子ならきっと反応する、と確信を持ちながら。

「…もしかして、お母さん?」
「こんにちは。ごめんね、お母さんじゃなくて」
「ううん、大丈夫だよ!でも、そのお唄、お母さんが良く唄ってくれてたんだ」
「うん、知ってる。わたしは杏。あなたの『おかあさん』からこの子守唄を聞いて、あなたを探しに来たの」
「そうなの?お母さんを知ってるんだ?」
「ええ、お母さんを救い出す際にわたしもその場にいたの」
「お母さん、元気だった?」
「ええ、あなたの事を凄く心配していたけれどね」
「そっかー…」

 母親の事を直接知る者と出会えて、その様子を聞けたのでホッとしたのだろう。

「おかあさんが保護された事もう聞いてる?」
「うん、他の猟兵さん達が教えてくれた!『無事だ』って」
「うん、大丈夫。安心して?もうじきあなたも無事にそこから出られるはずだから。そうしたら皆でおとうさん、探しに行こう?」
「…お父さん、無事…なのかなぁ…」

 父親の話になると少し気持ちが沈んだようだ。だが、それは全く手がかりがなかったから。カクリヨを母親と共に渡り歩いて探したが父親を見つける事が出来なかった、という話は聞き及んでいる。だからこそ、杏は言葉を紡ぐ。

「おとうさんもきっと大丈夫。だって、おとうさんは強いものだから」
「そう…かなぁ?」
「うん、そうだよ。わたしのおとうさん、音痴でバカでヘタレだけど強かった。ヘタレの部分はおかあさん談、だけど。あなたのおとうさんは?」
「う~んとね…」

 それから杏と雷獣の子供は色々な話をした。父親の事、そして雷獣の子供の名前など…。杏は会話を重ねるごとに子供の方が元気になっていくのを感じた。骸魂が除去出来るのもそう遠い話ではないのではないだろうか?

「ふふ、早く会いに行こう」
「うん!」
 二人はかなり打ち解けていた。そして…。


 猟兵達の尽力のおかげで、雷獣の子供は落ち着きを取り戻したようだ。その証拠に電話の受話器から何かが立ち上って天に吸い込まれていった。どうやら無事に骸魂を除去する事に成功したようだ。

 直ぐに猟兵達はグリモア猟兵を介しUDCへ連絡を取り、雷獣の母親を連れて来てくれるように段取りを取った。

 そして今、2人は無事に再会する。

「ぼうや!」
「おかあさぁぁんっ」

 お互いの無事を喜び涙を流す2人。そしてさらに朗報が伝えられる。雷獣の父親らしき目撃情報が見付かったというのだ。今は速報であり、詳しくは情報を纏める時間が必要との事だ。だが、それにはそこまで時間は掛からないだろう。じきに父親の救出作戦も決行される事となるのは明白だった。

 それまでの少しの間だが、雷獣の母子は引き続きUDCで保護する事となった。もうじき3人でカクリヨに戻れるのだ、という希望を持ちながら。

【続く】

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月16日


挿絵イラスト