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銀河帝国攻略戦⑨~ふていけいらいだーを迎撃せよ~

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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 銀河帝国攻略戦において、猟兵達の活躍により多くのスペースシップが解放軍に加わることとなった。
 解放軍の戦力は既に『エンペラーズマインド』防衛艦隊を上回っており、戦力的な不安はない。
 だが、ワープドライブという力を今までもたなかった彼らは、艦隊戦というものを経験したことがないのだ。
 数はあれども、その動きは戦闘においての素人と同じ。
「帝国側は、そこをついてきたようだ」
 グリモアベースに集った猟兵達に向けて状況を説明していた蓮賀・蓮也(人間のガジェッティア・f01921)は、そこで一度言葉を区切った。
「解放軍に加わったスペースシップのひとつに、帝国側の特殊部隊が近づいている」
 帝国最速と謳われるその部隊の名は『エンペライダーズ』――。
 彼らは宇宙バイク乗りによって構成された特殊部隊で、戦闘に不慣れなスペースシップに対して高速で一撃離脱を繰り返し損害を与え、撤退に追い込もうとしているようだ。
 エンペライダーズの高速戦闘に、まだ艦隊戦の素人である解放軍ではまったくついていけていないようで、このままでは次々と撃退されてしまうだろう。
「だが、猟兵ならば彼らの高速戦闘にもついていくことができる」
 襲撃を受けているスペースシップへと向かい、群がるエンペライダーズを撃退してほしい。
 それが蓮也からの依頼であった。
「このスペースシップに向かっているのは、宇宙バイクに乗った『ふていけいせいめいたい』の一団だ。こんな見た目だが、宇宙バイクを乗りこなして攻撃してくる。気を抜かないでほしい」
 なんだか可愛い形をしているが、宇宙バイクに乗った帝国最速特殊部隊である。
「中にはボスというか、リーダー格が一匹いるようでな。モヒカン型の頭部をしている」
 一瞬、蓮也の眉が嫌そうに歪んだが、まぁ、仕方あるまい。
 特殊部隊なのに、ふていけいで、モヒカンなのだ。
「その特徴と少し他より力が強い以外は見た目も使ってくる能力も同じだ。数は多いが、君らならば遅れをとることもないだろう。この一戦は銀河帝国の攻略戦の一環でもある。助力してくれるものがいるならば有り難い」
 そう言って、蓮也は協力者を募っていった。


江戸川壱号
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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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ふていけいせいめいたいですが、バイクでひゃっはーしてきます。
宇宙空間ですが、通常と同じように自在に動けますので、ひゃっはーしながらふていけいせいめいたいを撃退してください。
よろしくお願い致します。
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第1章 集団戦 『ふていけいせいめいたい』

POW   :    のびーるんるん
自身の肉体を【完全な球体】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
SPD   :    ぽよんぽよんぽよんっ
予め【身体をぽよんぽよんと弾ませる】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
WIZ   :    れっつぶんれーつ
レベル×1体の、【おなか】に1と刻印された戦闘用【ふていけいせいめいたい】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ふていけいらいだー
 宇宙バイクが唸りをあげる――わけはないが、あげているようにも思えるのは向かってくる帝国軍特殊部隊の威容のせいであろうか。
 猟兵達の守るスペースシップに向かってくるは、帝国最速と謳われる特殊部隊『エンペライダーズ』の中のひとつ。
 ふていけいせいめいたいが乗り手を務める異端のエンペライダーズである。
 黒い宇宙空間に溶け込む黒いふていけいせいめいたいは、そのふていけいな体を駆使して器用に宇宙バイクを操り、スペースシップへと向かってきていた。
 見た目はふざけていても、帝国特殊部隊。
 その力は決してふざけたものではない。
 ――はずだ。たぶん。
リグレース・ロディット
よし、よし!敵、どんどん来い!倒してやうわああああかわいくなぁい!!かっこよくもない!!!
【SPD】ぽよんぽよんじゃない!あれ絶対違う!!UCの『凍血燃刃』で固めてぽよぽよさせなくするよ!……敵にじゃなくてバイクを固めた方が良いのかな……?バイクを狙うときは装備の『導きの銀』で壊しやすい所を探すよ……どっちを狙えば倒しやすいかちゃんと考えないとね。
UCの攻撃じゃあ足りなかったら装備の『ドロップシャドウ』で武器を飛ばすね。近くにいる敵は『クライウタ』でざくざくに刻んでやる!!

(絡み・アドリブ大歓迎)




「よし、よし! 敵、どんどん来い! 倒してやうわああああかわいくなぁい!! かっこよくもない!!」
 ふていけいらいだーを迎え撃つため飛び出していったリグレース・ロディット(夢みる虚・f03337)は、宇宙バイクに座すものを見て思わず叫んでいた。
 宇宙空間でバイク。
 カッコイイにカッコイイが重なっているのだ。宇宙空間を駆けるバイクなんてロマンな乗り物に乗るのは渋いナイスガイか機械兵か美少女あたりを期待してしまうものだろう。
 だがリグレースに迫る宇宙バイクを操るのは、ふていけいな何かだ。
 ロマンはどこにも見当たらない。むしろ常識も見当たらない。
 しかもふていけいななにかは、リグレースを見つけるとぽよんぽよんと弾みはじめたではないか。
 つぶらな目……? 目と言っていいのか不明だが、目っぽい何かを悪い子らしくつりあげて、ふていけいせいめいたいは、ぽよんぽよんと宇宙バイクの座席の上で体を弾ませている。
 だがなにしろ、ふていけいなので。
 ぽよんぽよんと弾みつつも、なんというか、こう、ねちゃぁ……っと少し座席に残滓が残るのである。
「ぽよんぽよんじゃない! あれ絶対違う!!」
 これが漫画であったならば、きっと顔の周りを汗がたくさん散っているだろう様子で叫んだリグレースは、己の何かが崩れてしまう前にと己の血でできた刃をふていけいらいだーに向けて放った。
「燃える痛みをその身に刻め!」
 弾んでいたふていけいせいめいたいは、リグレースの刃が刺さった瞬間に傷口から凍り始める。
「……!」
 弾む体を凍らされたふていけいせいめいたいは、上手くバイクを操ることができなくなったのか、音も声もなく宇宙バイクから転げおちていった。
 バイクを失えば、ふていけいせいめいたいの動きはそう速いものではない。
 リグレースは落ちたふていけいせいめいたいの命を金色の刃を持つ刀『クライウタ』になんなく喰らわせると、次のバイクへと狙いを定めるため、向かってくる大軍を右目のモノクル――『導きの銀』に映す。
 視覚情報を元に高度な演算を行ってくれるそれは、乗り手とバイク、それぞれの壊しやすい場所をリグレースに教えてくれた。
 この程度の計算は一瞬。
 とはいえモノクルが行うのは演算であり、決断は使い手であるリグレースの仕事である。
 得た情報からどちらを狙う方が倒しやすいかを考えながら、足元の影から武器を形作ってバイクの群れへと飛ばしていった。
 放たれた影は無作為にバイクとふていけいせいぶつを貫いて、その結果からリグレースはバイクよりふていけいせいめいたいを狙った方が良さそうだと判断する。
 バイクは速くとも、ふていけいせいめいたい本体の機動力はさほどでもないのだ。先程のように落としてしまえば、ただのぽよんぽよんした的である。
 方針を決めたリグレースは、次々にふていけいせいめいたいをバイクから落とし、落ちたそれを『クライウタ』に喰らわせていく。
 幸か不幸かふていけいライダーの数は多く、しばらくは喰らいつくす命には困ることがなさそうだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ビスマス・テルマール
……何だか可愛くて破壊したくない気持ちが先行しますけど、オブリビオンである以上、やむ得ないですね。

●POW
先ずバイクから振り落とす為に
ビルド・なめろうビームウェポンで『冷えたアジのたたきなます・ビームミサイルポット』を命中率重視で生成

コレとディメイション・なめろうブレイカーの砲撃を一緒に発射。

その時に『スナイパー』『誘導』『範囲攻撃』も併用しぶっ放して(WlZで増殖したのも纏めてコレで対処)バイクから落馬後

ディメイション・チョップスティックとなめろうフォースセイバー(※)で『2回攻撃』の繰り返しで倒して行きます。

※敵の攻撃に対しコレで『武器受け』『盾受け』併用で対処


※アドリブ絡み掛け合い大歓迎




 君は、物理法則を越えた『なめろう』を見たことがあるか――?
 なめろう。
 それは、青魚などを捌き、調味料をのせ、まな板などの上で粘りけが出るまで細かく叩いた料理である。
 つまり、通常は地上にてそのような調理法で作られたものが『なめろう』である。
 だがこのスペースシップワールドに、その常識を覆す使者が居た。
 青い瞳、青い髪、青い肌を持つ一人のクリスタリアンの少女。
 彼女の名はビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)――称号が示す通り、なめろう猟兵である。
(「……何だか可愛くて破壊したくない気持ちが先行しますけど、オブリビオンである以上、やむ得ないですね」)
 ふていけいらいだーの群れを見据え、少しだけ倒さねばならぬことを残念に思いつつも猟兵の務めと切り替えたビスマスが、己のユーベルコードを発動させる。
「生成開始(ビルド・オン)っ! 『冷えたアジのたたきなます・ビームミサイルポット』っ!」
 瞬時にビスマスの青光りする掌の上に現れる、冷えたアジのたたきなますの気に満ちたビームミサイルポッド(命中重視)。
 同時、体に纏う全身鎧装に備わった固定砲台――『ディメイション・なめろうブレイカー』がうなりを上げた。
 ビスマスの青光るクリスタリアンの体に、マゼンタ色の鎧装がよく映える。
 ちょっと何を言っているかわからないと思うが、それは別におかしいことではないので落ち着いてほしい。
 ともあれその光に危機を感じたのか、ふていけいらいだーは、バイクの座席の上でぽよぽよ跳ねながらも分裂を開始した。
 ただでさえ多いふていけいライダーが、バイクは増えないとはいえ騎乗の人数を増やして二人乗りや三人乗りになっていく。
 宇宙バイクの定員に法律的な定めがあるかは不明だが、良い子は真似をしないでいただきたい。
 悪い子の顔になり、ビスマス目指して殺到するふていけいライダー。
 それを迎え打つは、なめろうの気をまとったビームミサイルポッドとディメイション・なめろうブレイカーだ。
「せめて、このなめろうを味わっていってくださいね」
 分裂し増殖したふていけいせいぶつを、ことごとく撃ち抜いていくなめろうビームミサイルとなめろうブレイカーの砲撃。
 なめろうの輝きは、宇宙の暗黒やふていけいせいぶつの黒に決して負けることはないのだと、その砲撃が告げていた。
 バイクから落とされたふていけいせいぶつ達が額に怒りマークを浮かべながら迫るが、ビスマスはその黒くて細長い手のような脚のような何かをアジの如き輝きを見せる『なめろうフォースセイバー』で受け止め、箸が爪のように刺さったガントレット――『ディメイション・チョップスティック』で突き刺し、殴り捨てていく。
 剣とガントレット。
 2つのなめろうアイテムでふていけいせいぶつを切り、突き、叩き潰していく姿は、さながらなめろう作りの如し――。
 ビスマスの手により、ふていけいせいぶつのなめろうが宇宙空間に爆誕したのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

月隠・望月
ふていけい、柔らかそう。だけど、ヒトは見かけによらない、という言葉も、ある。あの見た目も、こちらを油断させる作戦、かも。
外見は関係なく、敵なら倒す。わたしたちは猟兵だから、ね。

敵は高速で移動する。追いかけるより、待ち受ける方がいいかも、ね。
わざと敵に隙を見せるようにして挑発、してみよう。敵がこちらに向かってきたところを攻撃する、作戦。
敵がこちらに来たら、《無銘刀》で【剣刃一閃】を放つ。敵の動きは速いという話、だし、こちらも<早業>で斬りつけて対抗。
また、敵が近づいてきた際には敵の動きを<見切り>、攻撃をまともに食らわないよう、注意。

敵を挑発できないようなら、敵に突撃して攻撃する、よ。




 ふていけいライダーは、宇宙バイクのエンジンを無意味にふかして駆け抜けてくる。
 まさしく『ひゃっはー!』とでも言っていそうな様子だ。
 一部が切り崩されつつあるとはいえ、何しろ数が多くまだリーダー格も残っているせいか、だいぶ調子にのっているようだ。

 そんなふていけいらいだーの一団に対し、斬りかかるのではなく待ち受けるのは月隠・望月(天賦の環・f04188)である。
 高速で移動するとはいえ、向こうはこちらの背後にあるスペースシップを目指して来ているのだ。
 まして相手はこちらに損害を与えることを目的とし、一撃離脱の作戦をとっているとなれば、スペースシップを背後に待っているだけで敵は自動的に殺到してくる。
 ならば無理に追いかけ回すのではなく待ち受ければいいと考えたのだ。

 進行方向に望月がいることに気付いても、ふていけいらいだーは速度を緩めない。
 むしろ嬉々として無駄にエンジンをふかし、悪い子の顔になって真っ直ぐにつっこんできた。
 一見して向かってくる様子もない少女が、宇宙空間にたった一人で佇んでいても脅威とは思えなかったのだろうか。
 だが隙だらけに見える望月の姿はもちろん罠であり、フェイントである。
 こちらをひき殺そうとでもいうのか、より速度を上げてきた宇宙バイクをギリギリまで引き付けて躱すと、望月はすれ違い様に頑丈が取り柄の『無銘刀』を振り抜いた。
 ――剣刃一閃。
 瞬きよりも速く目に見えぬ速度で敵を両断した刃は、そこで止まりはしない。連なってやってくるふていけいらいだーを、刃を翻す度に切捨て、屠っていく。
 だが、あまりにも手応えのない切れ味と、斬られる刹那の驚きに目を瞠った顔。そしてぷよぷよとした感触に、少しばかり望月の眉が困惑したように寄った。

(「ふていけい、やわらかそう」)
 随分と可愛らしい見た目だが、ヒトは見かけによらないとの言葉もある。
 あの姿も、もしかしたら見る側を油断させる作戦なのかもしれないと、望月は気を引き締めた。
 外見がどうであろうと、敵ならば倒す。
 それが自分達猟兵なのだから、と。
 
 ほんの一瞬とも言える間に仲間達が倒されたことに流石に警戒を抱いたのか、ふていけいらいだーは何も考えずにつっこむのをやめ、やや遠巻きにした位置で止まったり、周囲をぐるぐる回ったりして様子を窺っているようだった。
 だが向かってこないからといって、望月が向かわぬ道理はない。
 宇宙の闇に溶け込んでしまいそうな漆黒の瞳に敵の姿を映すと、今度は自分から宇宙バイクの群れの中へと身を投じる。

 ふていけいらいだーは、慌てて迎撃しようとするも、密集した場所へ潜り込まれては自由にバイクを操ることもできない。
 ならばとふていけいな体を活かして手足をびよんと伸ばして攻撃するが、それらはするりするりと望月に見切られ避けられて、なかなか当たらなかった。
 いくつものふていけいせいめいたいが手足を伸ばして捕らえようとした結果、まるでそこは望月を囲む網のようになる。
 けれども望月はいつも通りの静かな表情のままで、そこに焦りは見られなかった。
 逃げず、まとまってくれるのならば、こんなに斬りやすいことはない。
 再び手にした刀が閃いて――またも多くのふていけいせいめいたいが一度に切り捨てられる形となったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィロメーラ・アステール
「お前らのようなバイク乗りがいるか!」
おのれ帝国軍めー!
こんなふていけいな連中を送り出すとは、いったい何が狙いなんだ……!?
とにかく倒してから考えるぞ!

【星の遊び場】を発動!
火属性の渦を呼び出して、増殖したヤツらも引き寄せて、まとめて焼却だー!
合体しても、この【属性攻撃】【全力魔法】の前には、お前はただの燃料の塊にすぎないぜ! 火で武装!

……倒した後で考えてもわからない気がするぞ!




 宇宙とふていけいせいめいたいによって、やたらと黒々した戦場に一筋の流れ星が舞い込んだ。
「お前らのようなバイク乗りがいるか!」
 小さな体でツッコミを入れてくるのは、フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)である。
 艶のある金髪と星型の髪飾りがきらきらと光を反射する様は、フェアリーという体の小ささもあってか、宇宙空間を漂う星くずのようだ。
 幸運を振りまき、みんなを応援するのが主な仕事と自認するフィロメーラの眉がらしくなく吊り上がっているのは、宇宙バイクに似つかわしくないふていけいせいめいたいが乗り手を務めているからのようである。
 わからなくもない。
 帝国最速の特殊部隊に、どうしてこのような動きの鈍い(と思われる)ぽよんぽよんと跳ねるふていけいせいめいたいがいるのか。
 確かに宇宙バイクは速い。ふていけいせいめいたいがぽよぽよしていることを差し引いても速く、戦闘に不慣れなスペースシップならば翻弄されていることだろう。
 だが、だとしてももっと適任がいるはずだ。
 これはもしや、帝国の深淵なる罠なのか――?
 帝国の狙いは不明だが、考えるのは倒した後と疑問を一時的に胸の奥に押し込んがフィロメーラは、ユーベルコート『星の遊び場』を発動して、火属性の渦を生み出す。
 強力な分だけ制御の難しいそれをフィロメーラは小さな体で耐えて操り、宇宙バイクごとふていけいせいめいたいを炎の渦の中へと巻き込み、燃やしていった。
 ふていけいせいめいたいは炎に飲まれながら脱出を模索して合体を試みるも、フィロメーラの全力を注ぎ込んだ炎の勢いは強く、逃れることはできない。
「あたしの全力の魔法の前には、お前はただの燃料の塊にすぎないぜ!」
 炎の中では自慢のぽよんぽよんとした動きも活かせず、目をぐるぐるさせて飲み込まれていくしかできない様子だった。
 一塊のふていけいせいめいたいを燃やし尽くしたフィロメーラは、呼びだした炎をそのまま身に纏うようにして次なるふていけいせいめいたいへと飛んでいく。
 まだまだ数がいるとはいえ、やはり個々は強くない。
 果たして帝国の狙いとはなんなのか――?
「うーん。倒した後で考えてもわからない気がするぞ!」
 小首を傾げて束の間思案した後で、考えるだけ無駄な気がしてきたフィロメーラは、気にせず戦闘に集中することにした。

成功 🔵​🔵​🔴​

仲佐・衣吹
それじゃ僕等も対抗して、れっつぶんれーつ、だよ!
……あぁ、なんかお前の好きそうな敵だなとは思ったよ

オルタナティブ・ダブルで分身に僕ことベストが
本体にオレことサーベルが入って
あの悪いゆるキャラみたいな奴をぶった切ってやるぜ

ふふっ、船内じゃなく宇宙空間を走り回るなんて爽快だねぇ
君達も風を切る音が気持ちいいのかな?(※宇宙空間です)
バイク乗りよりも宇宙服の僕等の方が小回りが利くよね
正面から突っ込んで来たところをすんでで躱したり
追いかけられたら急旋回して逆に後ろへ付いたりしながら斬っていくよ

ぽよんぽよんふざけているヤツを見つけたら速攻で狙っていくぜ
手強そうなのはベストと連携して二方向からぶっ飛ばす


曽我部・律
ふていけいらいだー…。
私が体内に飼っている不定形とは違って可愛げがある存在だな…
だが似たような外形であることに違いない。

上手く、擬態させてモヒカンを形作れれば、
一瞬であれ奴らを当惑させることができるかもしれない。
そこに【謎を喰らう触手の群れ】を打ち込めれば
素早い相手であろうと、感情を追尾して仕留めることができるはずだ。
一応、自分は【オクトCamo】を使って、宇宙空間に潜んでオクトしよう(激寒)

えーっと…、ふていけいで、モヒカン…。ふていけいでモヒカンでひゃっはー…。
全然想像できん…結構難しいな、こんな感じか?…まぁ適当でいいか…。


ビスマス・テルマール
そろそろ頃合いでしょうか?
なら、ここでラストオーダーにしましょう。

●POW
トリニティ・チルドナメロウを
攻撃力重視で発動

『空中戦』で飛び回り

ふていけいらいだー達を冷凍クロマグロソードで『なぎ払い』『範囲攻撃』『2回攻撃』『属性攻撃(氷付与)』『料理』『早業』併用で片っ端から纏めて倒してしまいましょう

相手の攻撃には冷やし孫茶バリアで『盾受け』で受けて、冷凍クロマグロソードで攻撃時の技能併用のカウンターで料理し返しますね

他の猟兵と連携しつつ動き
ディメイション・なめろうブレイカーの砲撃に切り替え仲間を『誘導弾』『範囲攻撃』『一斉発射』『属性攻撃(味噌)』併用で支援も忘れず。

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎




「それじゃ僕等も対抗して、れっつぶんれーつ、だよ!」
「……あぁ、なんかお前の好きそうな敵だなとは思ったよ」
 ぽよんぽよんと分裂するふていけいらいだーに対抗して、自らもユーベルコートで分身を生み出したのは仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)である。
 おだやかな声音で弾むように言った方がベストで、呆れと諦めが入り交じった声でこぼすのはサーベル。
 二人分の人格はユーベルコートによって仮初めの『もうひとりの自分』としての形を得て、増え続けるふていけいらいだーを待ち構えた。
「ふふっ、船内じゃなく宇宙空間を走り回るなんて爽快だねぇ。君達も風を切る音が気持ちいいのかな?」
 宇宙空間で風が巻き起こらないことなど承知で、そんな風に嘯いてみせるのはベストの方だ。
 宇宙バイクの方が速いとしても、接近してしまえば小回りがきくのは生身同然で乗り物を操作する必要もない猟兵達であるのは明白。
 見ている限り、動きが速く数が多くても個々の力はそれほどでもなさそうとなれば尚更だ。
 にこにこと楽しそうな表情のまま待ち構えていたベストは、正面からつっこんでくるふていけいらいだーの一機をぎりぎりまで引き付けておいて、直前でひらりと躱す。
 勢いのままベストをすり抜けてしまったふていけいらいだーは慌てて方向転換しようとするが、遅い。
 反転している最中のふていけいらいだーの背後には既にサーベルが迫っており、手にした剣で斬りつけるところ。
「悪いゆるキャラみたいな奴だな」
 眉を顰めながらぽよぽよしたそれを切り捨てたサーベルがすぐに次の獲物を狙いに行った。


 猟兵達の活躍により、ふていけいらいだーはかなり数を減らしている。
 これならば、宇宙バイクに乗っている上どう視界を確保しているのか謎なサイズで、かつぷよんぷよんしたり伸びたり増えたりするせいで分かり辛かったリーダー格を探せるかもしれない。
 自作の光学迷彩装置『オクトCamo』を使って宇宙空間に溶け込みながら、曽我部・律(UDC喰いの多重人格者・f11298)はその時を待っていた。
 潜む際に『オクトCamo』を使って宇宙空間に潜んでオクトしよう。などとダジャレめいたことを考えていたのは秘密だ。
 ともあれ重要なのは、ふていけいせいめいたいからリーダーを探し出す方法である。
(「私が体内に飼っている不定形とは違って、可愛げがある存在だな……。だが似たような外形であることに違いはない」)
 律の体に棲むのはとてもあのような可愛らしいものではないが、不定形の黒っぽい姿を取るところは似ているとも言える。
 そこで律は、『それ』を使ってふていけいせいめいたいのリーダーに擬態させることにした。
 どこに潜んでいるかは知らないが、リーダーと同じような特徴を持つ者が現れたなら有象無象のふていけいらいだー達が当惑するかもしれないと思ったからである。
 ふていけいで、ぽよんっとしていて、モヒカンぽい頭部。
 ふていけいで、モヒカンで、ひゃっはー。
 事前に聞いていたリーダー格の特徴を思い出しながら己の身に棲まうものを変形させていくが、改めて繰り返してみると意味がわからない。
(「全然想像できん……。結構難しいな、これ。こんな感じか……? まぁ、適当でいいか……」) 
 なんとなく黒く丸い形にしたソレの頭部に、モヒカンのようなトサカのような凸部を形作ってみたはいいが、これでひゃっはーとは……と色々と疑問が尽きない。
 元よりふていけいなのだ、大雑把でも問題なかろうと多少の違いには目を瞑ることにして、律はソレをふていけいらいだーに見えるようにふよふよと動かした。
「……!?」
 ざわり。
 ふていけいらいだー達の間に、動揺が走った。気がする。たぶん。
 その動揺と疑問の感情を追うべく、律は謎を喰らう触手の群れを放ち、ふていけいらいだー達を喰らわせていく。
 疑問を覚えたふていけいせいめいたいを喰らい、追い、喰らう。
 リーダーを知らなければ、囮を見て疑問にも思うまい。
 疑問の感情が強いということはつまり、本物のリーダーを知っている――近くに居る可能性が高いということ。
 宇宙バイクの機動力がどうであろうと、感情の強さに変わりがなければ触手は問題なく目標を追尾していく。
 ひとつひとつ辿り――やがて最も強い『疑問』の持ち手に食らいついた。
「見つけたぞ……モヒカンで、ひゃっはー……」
 

 ついに、ふていけいらいだーのリーダーを見つけた猟兵達。
「そろそろ頃合いでしょうか? なら、ここでラストオーダーにしましょう」
 ならば後は一気にたたみかける時と、リーダー格への道を作る役目を買って出たのはビスマスであった。
『Namerou Hearts Chilled!』
 ビスマスがまとう鎧装にカードを挿入すると、機械音が響く。
「冷製なめろう武装転送っ!」
 ビスマスの声に従っていずこからか現れるのは、冷やし孫茶バリア、冷製なめろう水餃子型の鎧装、冷凍マグロソードの3つだ。
 3つの冷製なめろうパワーにより攻撃力を高めたビスマスは、慣れた様子で宇宙空間を蹴ってふていけいらいだー達の集団へと飛び込むと、冷凍マグロソードで薙ぎ払っていく。
 なめろうはひとつでも器まで舐めるほど美味しい料理。そのパワーを複数身に纏ったビスマスに、もはや怖いものはない。
 冷製なめろうと冷凍マグロの冷気に触れたふていけいせいめいたいはたちまち冷凍になり、次なる冷凍マグロの硬すぎる一撃で砕けていった。
 ふていけいなら、冷凍して固形にしてしまえばいい。
 チルドナメロウの力により、ふていけいせいめいたいはそのアイデンティティーを失い、砕かれていく。
 果敢にふていけいの手足を伸ばしてビスマスに攻撃しようとするも、冷やし孫茶バリアに阻まれては、やはりふていけいの手足は弾力性を失って冷凍されてしまうのみ。
 つまり――今度はふていけいせいめいたいの冷製なめろうの出来上がりであった。


「さぁ、ふていけいせいめいたいはこのとおり、冷製なめろうに。どうぞ皆さん、今のうちにリーダーを」
 ビスマスは再び鎧装を『ディメイション・なめろうブレイカー』にチェンジすると、その砲撃でもって更なる道を切り開いていく。
 そこへ駆け込んでくるのは、2人の衣吹――ベストとサーベルだ。
「あそこだ……。外すなよ……」
 ビスマスが切り開いた道を通り、律の触手を辿って二つの影が追う。
「ほんとにモヒカンだねー」
「逃がさんように挟みこむぞ」
「まかせて」
 一人で二人。二人で一人。
 二つの影が左右からモヒカン頭のふていけいせいめいたいに迫り――すれ違い、交差すると同時に切り裂いた。

「……!!」
 声もなく、モヒカン型の凸部をつけたふていけいせいめいたいは切り裂かれ、溶けるように消えていく。

 すると、リーダーが倒されたことを悟った残りの幾らかのふていけいらいだー達は、宇宙バイクをあわてて方向転換させると一目散に逃げていくではないか。

「わー、逃げ足はやーい」
「まさか帝国最速というのは……逃げ足のことか……?」
 ベストと律の呟きが、先程と比べ随分と閑散としてしまった宇宙空間に響く。

 ともあれこうしてエンペライダーズは退けられ、スペースシップは守られたのだった

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月06日


挿絵イラスト