大祓百鬼夜行⑲〜空より来る
「UDCアースで「迷宮化」が発生した。場所は……あろうことは踏切だ」
ムルヘルベル・アーキロギアは苦い顔で言った。
「このまま放っておくと、物流が停止し人々は永遠に踏切を渡れぬままだ。
被害状況が分かりづらいからこそ、この手の迷宮化は放置できぬ。
そこでオヌシらには、迷宮化した踏切に入りオブリビオンを倒してほしい」
といっても、迷宮化した戦場は一筋縄ではいかない。
「単線であるはずの線路は、迷宮化によって数百本以上に増殖している。
あちこちに踏切があり、ひっきりなしに妖怪電車が行き来しておるのだ。
加えてこの戦場にいるのは、ガーゴイルのような空を飛ぶタイプの敵でな」
グリモアが敵であるオブリビオンの姿を投影した。
「相手は空を飛んでいる……ゆえに、線路に引きずり込むにはちと手間である。
そこをどうにかして地上に釘付けにすれば、あとは電車が片付けてくれよう。
無論オヌシらが実力で片付けてもよいが、数が多いので油断しないことだ」
戦場を味方につけてこその猟兵……不利は有利に転ずるきっかけだ。
「様々な戦地をくぐり抜けてきたオヌシらなら、いくらでも手は見つかろう?
そう信じているからこそ、ワガハイも見込んでこうして託しておるゆえな。
ああ、ちなみに轢くといっても、倒せば妖怪は無事に救助出来る。安心せよ」
それもなにげにどうやってんだという話だが、まあ骸魂を倒すことが重要だ。
ともあれムルヘルベルは、「健闘を祈る」との言葉とともに転移を開始した。
唐揚げ
プレイングボーナス……踏切と妖怪電車を利用して戦う。
敵は空に浮かんでいるため、轢かせる場合工夫が必要です。
このシナリオは、完結を最優先に運営していきます。
第1章 集団戦
『石の守護者『キンバーライト』』
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POW : 空中強襲
【空中】から【地上への強襲】を放ち、【力強い拘束】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD : 石群像罠
合計でレベル㎥までの、実物を模した偽物を作る。造りは荒いが【石化ガスが噴き出す石像】を作った場合のみ極めて精巧になる。
WIZ : 石化鋭爪
【石化効果のある鋭い爪】が命中した対象に対し、高威力高命中の【石化の呪い】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
イラスト:なかみね
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
朱酉・逢真
心情)敵まで飛びやがるかよ。空を制するモンは戦を制すンだっけェ? 賢い、賢い…。だが"空間"は陰に属すンだぜ。
行動)地を歩こう。とぼとぼと無防備にな。襲ってくるなら、いいとも。この腕の中においで。俺は潰され敵さんごと腐らすが、勢いがついてっからすぐ離れるは難しかろう。ついでに辺りのやつごとまとめて《縄》でふん縛る。これァ死んでった《宿(*俺)》らの遺髪でね、思うまま動くンだ。ところで飛びかかられたンだ、勢いで俺の腕は大きく振られてるだろう。その勢いで空間切っておいたよ。ほゥら上から電車が参ります、ご注意ください…次は終点、あの世でございます。いっしょにあの世に落ちようぜ、骸魂の坊やたち。
●地を歩く
とぼとぼと無防備に、背中を丸めて、いかにも弱々しく歩く男がいた。
だが、なぜだろうか……オブリビオンどもは、男を見下ろし唸っている。
何かが――目に見えぬ何かが、とてもとても禍々しいものが渦巻いていた。
それは病といい、毒といい、つまりは死の気配であった。
「ひ、ひ――空を制するモンは戦を制す、だっけかァ? 賢い、賢い……」
朱酉・逢真の赤い瞳がじろりと敵を……いや、空を見上げた。
神の視座は広く、特定のいのちを凝視することなどあまりない。
あるとすればそれは、いのちが終わる時を見届けるくらいのもの。
さもなければ討つべき過去か、あるいは興味深い猟兵に対してだろう。
つまり逢真にとって、群れなす過去は「その程度」のものだった。
一見すると、逢真は打つ手がなく彷徨うばかりに見える。
上空に在るというのは相当のアドバンテージであり、趨勢は彼方が握る。
……はず、である。少なくとも、尋常の戦いではそれが当然だ。
だからヒトは空を自由に舞う方法を模索してきたし、鳥に憧れる。
彼らとて、ヒトが思い描くほど気楽でも自由でもないというのに。
たとえば天候が荒れれば、鳥はヒト以上にダイレクトな影響を受ける。
空にだって天敵は多いし、彼らが空に逃れたのはそもそも地上の天敵を避けるため。
羽休めに降りた瞬間そこを狙われる、なんてこともしょっちゅうだ。
どこでも降りれるわけではない――鳥というのは、過酷な生命なのだ。
他のいのちがそうであるように。だが、あの空の愚者どもはどうだろうか?
「警戒してンだろう。けど、いつまでも辛抱は出来んわなァ」
逢真はくつくつと笑った。はしゃぐ幼子を見守るような笑みである。
「さァ、おいでな――優ァしく抱きしめてやるぜ、ひひ――」
はたして、彼のその戯言にほだされたか。
あるいは獣の本能が、いよいよ痺れを切らせたか。
空にいればいい愚か者どもは、吸い寄せられるように死に向かった。
ぐちゃりと。
逢真の身体はあっけなく、腐った果実のように潰れた。
当然その身体は病毒の塊であり、まず先陣を切った愚か者が腐り落ちて死ぬ。
問題はそこからだ――集団自殺めいた愚行の報いは《縄》としてもたらされた。
潰れた宿のはらわたがびゅるびゅると蠢き、本性を現して獲物を縛る。
無為に、あるいは役目を果たして死んだ逢真"自身の"遺髪だ。
髪とは魔性を宿す。それが、病毒の化身たる男の容れ物であればなおのこと。
縛られたものは逃れることなどできるはずはなく、もがく。
地を引っ掻いた爪先が、ぶちまけられた四肢をでたらめに転がした。
ちぎれた腕が放物線を描いて飛んでいくとそら……"空より来たる"。
『ご注意ください、次は終点、あの世でございます――なァんてな。ひひひ!』
妖怪電車が空から地へ落ちた。愚か者どもは逢真の後を追うように潰れた。
『いっしょにあの世へ落ちてあげるぜ、坊やたち』
逢真の声は甘やかなものだった。
骸魂に待っている冥府(モノ)が、安らかなものとは限らないが。
大成功
🔵🔵🔵
トリテレイア・ゼロナイン
踏切内部へ落としても、電車が来る前に飛翔して逃げられると…
この群れは接近戦を挑む傾向があるのが幸いですね
カクリヨの為にも、UDCアースの物流の為にも疾く終わらせましょう
空中からの強襲の速度、位置、数をマルチセンサーでの●情報収集と瞬間思考力で見切り、肩部と腕部格納銃器を展開
UC装填した乱れ撃ちスナイパー射撃
直撃ではなく敵の周辺で炸裂させ、より多くのガーゴイルの四肢や羽根を凍結
機動力失い落下する軌道を射出するワイヤーアンカーでの●ロープワークで踏切内部へ落ちるよう引っ張り誘導
纏めて電車に轢いてもらいます
…騎士と言うのも憚られる戦法なので
せめて骸魂から解放された妖怪達を丁重に保護してゆきましょう…
●地ヘと堕とす
効率と合理の面から見れば、空から遠距離攻撃を降り注がせるのが最適解だ。
空にあるということは最大のアドバンテージであり、崩しがたい難所。
ならばあとは、雨のように攻撃を降り注がせれば事足りる――尋常の戦いなら。
だが、猟兵は尋常の存在ではない。
オブリビオンもそれをわかっているようで、奴らは強襲戦術を好んだ。
近づいて、叩き潰す。それもまた、空の優位を生かした強烈な攻撃である。
「――来ますね」
トリテレイア・ゼロナインのマルチセンサーが起動し、敵を視認した。
強襲体勢に入った敵の、予測速度および現在と着弾位置を計測、そして計算。
普通であれば全力で回避すべきだが、そんな悠長なことは言ってられない。
これはUDCアースを救うための戦いであり、緊急性の高い依頼でもある。
「ふたつの世界のため、手早く終わらせます」
トリテレイアはその場に踏みとどまり、肩およぶ腕部の銃器を展開。
敵が最大加速した瞬間、超低温化薬剤封入弾頭を射出!
タイミングを仕損じれば、彼はバラバラに引き裂かれてしまうだろう!
しかしそこは歴戦の猟兵たる、トリテレイアだ。
計算され尽くした射撃は、見事に敵を空中で氷漬けにした。
パァン! と爆ぜた弾頭内の薬剤が撹拌され、敵の四肢や翼を凍てつかせる。
機動力および攻撃のための器官を凍結させられた敵は、軌道制御が不可能に。
トリテレイアを中心に、まるで花が咲くような歪曲した軌道で墜落した。
「逃げられては困ります。あなたたちが来るべきは――あちらです」
トリテレイアは敵を見逃さぬ。ワイヤーアンカーが落下する敵を縛り上げた。
まるで大網で大量の魚を捕まえるかのように、絡め取った敵を地面に叩きつける。
向かう先は、当然――妖怪電車が走り込んできた線路上!
轟音が響き、オブリビオンだったモノの残骸があたりにぶちまけられる。
残骸はすうっと消えてなくなり、気絶した無傷な妖怪が倒れていた。
「手荒な方法になってしまいましたが、どうかお許しください」
騎士というにもはばかられる戦い方をした負い目からか、彼は言った。
気絶した妖怪たちを抱え、保護のため迷宮空間を脱出する。
これが世界と彼らのためになるはずだと、トリテレイアは信じていた。
大成功
🔵🔵🔵
メンカル・プルモーサ
……ふむ……空中に浮いている、か…確かにあの高さなら電車も届かないと…
…でも、空飛べるからって完全に油断してるなあれ…
…じゃあ、素直に落ちて貰おうか…キンバーライト達に対して【星を墜とす大地の手】を発動…
…空に居るキンバーライト達をまとめて地面に縛り付けるよ…
…あとは電車が始末してくれる…と、簡単に行けば良いけど…
…うん、やはり数が多いだけにいくらか運良く線路に落下しないで残っているね…
…このまま押しつぶしても良いけど油断は禁物…動けないうちに術式装填銃【アヌエヌエ】に破砕術式を込めた弾丸を装填…何発か叩き込むことで骸魂を破壊するとしよう……
●星を堕とす
頭上を取る……これはどんな戦場でも絶対的な優位を意味する位置取りだ。
対空攻撃をするにせよ、同じように飛翔して接近するにせよ、
敵の行動は上から丸わかりであり、それをただ迎撃すればいいだけの話。
上を取った側が対地攻撃を仕掛けるならなおのこと、そのタイミングは自由。
そしてこの戦場は、地と空とで明らかに戦いやすさが違う。
つまりは打つ手なしである。もっとも、それが常識の範疇であればの話。
「そっちが高みの見物をするなら……こっちに落ちてきてもらおう……」
メンカル・プルモーサは言い、コン――と杖で地面を叩いた。
すると彼女の足元から、メンカルを中心として魔法陣が展開される。
青白く輝く魔法陣が魔力を噴出し、彼女の白衣と髪をたなびかせた。
「重き力よ、掴め、落とせ。汝は重圧、汝は天墜――」
口訣が重々しく響き渡ると、敵は何か異様な気配を察知する。
あれは、続けさせてはいけない。止めなければいけないという本能の警告。
敵は鋭い爪を展開し、猛禽めいて急降下するが――もう、遅い。
「――魔女が望むは、底より出でし昏き腕。さあ、素直に落ちてきて」
メンカルが杖を掲げた。すると、ズン!! と、空間がのしかかった。
正確に言えば、敵にだけ作用する強烈な擬似重力があたりを蓋したのである。
これが疑似重力展開術式、『星を墜とす大地の手(スターライト・フォール)』。
空あるものを地へと縛り付ける、究極の地対空ユーベルコード!
「「「!?」」」
敵は加速を失い、まるで見えない手に押し付けられるように落下した。
あまりの勢いに地面がべこんと凹んで、蜘蛛の巣じみた亀裂を走らせる。
そのダメージ自体が強烈なため、一撃で四肢が圧し曲がった個体もいた。
頭を打ち付けて絶命した敵は、まだしもマシかもしれない。
「全部轢かれてくれると……マシなんだけど」
カンカンカンカン――……鳴り響く信号と、警笛の音。
眩いライトが線路の向こうから近づいてきて、もがく敵を照らし出す。
まるでピン留めされた羽虫のようだ――手も足も出ないという意味ではよく似ている。
メンカルはふわりと浮かび上がって安全圏に逃れながら、術式装填銃を構えた。
線路からズレてしまっている敵を、無表情で狙撃、頭部を破壊。
同時に妖怪電車が通過する――ぐしゃりという嫌な音が、あたりに響いた。
「……骸魂だけが消えるってわかってても、あんまりよくない光景だな……」
あとに残った無傷の妖怪たちを確認したうえで、メンカルは嘆息した。
もっともこの迷宮を作り上げたのは、他ならぬあのオブリビオンどもだ。
それを思えば、因果応報で片付けてしまえる話ではあった。
大成功
🔵🔵🔵
フィッダ・ヨクセム
攻撃を躱すというのは、不慣れだが目立つ方には、自信ありだ。
振るう武器は、俺様の本体
UCで普段使い倒す妖怪鬣犬を模した姿で作り出すぜ
炎の魔法を全力で打ち込んで、だ。
所詮炎なので本物には劣るが
偽物だろうと、燃える肉食獣は目立つだろう
目立たなければ、単純に俺様が怒号で挑発する
UC使用後なら蒼天牙撃も合わせて、投擲武器として挑発道具に使うわ
槍投げ感覚でスナイパーする感じ
石の体でも何かが当たればこッちみるだろ
魔力を込めた分、炎は形状を維持して頑張ると期待する
流石に武器無しで追われるのは怖いんで
情けない悲鳴(演技)でも上げて、踏切に逃げ込むわ
間抜けな負け犬ほど、ああいう奴らは追い回して潰したくなるんだろ?
●空より来たる
フィッダ・ヨクセムは、空の敵を狙い撃つような便利な術式を持たない。
攻撃「出来ない」わけではないが、敵は機敏であり生半可な攻撃は避けられる。
であれば、それを逆に利用すればいい――フィッダはそう考えた。
「さァてと――んじゃ、せいぜい哀れで情けなく見えるように頑張ッか」
フィッダは燃える妖怪鬣犬……を模した魔力の塊に飛び乗る。
ごうごうと赤く燃える身体は、空からはガイド・ビーコンにも見えるだろう。
敵の注意が集まる。フィッダは見えぬように笑い、走り出した。
「本物にャ劣るが、さぞかし目立つだろうよ! さァ、来い!!」
フィッダはダメ押しに怒号をあげると同時に、加速した。
早く動く物体は、それだけでオブリビオンの狩猟本能を刺激する。
それが、生意気にも地面を這いずり回り、こちらを誘っているのだ。
たちまち獣の群れは翼をはためかせ、愚かな獲物を刈り取ろうと目を眇めた。
「いいぞ、その調子だ……そのままついてきな」
フィッダの狙いは、敵の群れをおびき出し、線路に誘導すること。
間抜けな負け犬と思われれば思われるほどいい。すべては演技である。
「ひィいいい~~~、誰か助けてくれェ~~ッ!!」
などと、普段なら絶対にあげないような無様な悲鳴まであげる入念さ。
ばさりばさりと、上空から脅かすような翼音がいくつも聴こえる。
愚かで哀れな獲物を追い詰めているつもりなのだろう。……それでいい。
(ッても、さすがに武器無しで追いかけられんのはゾッとすんな……!)
もっとも、フィッダにとってまったくリスクのない作戦ではなかった。
もしも敵が攻撃できる間合いに来てしまったら、そこでゲームオーバーだ。
空からの攻撃に、徒手空拳で対処できるような手段はない。
仮に敵を撃退したとしても、意図を悟られて二度目は不可能だろう。
だから、全力で逃げる。すると敵は、さらに嗜虐心を刺激されて追い続ける。
「いい気になりやがッてよ……後悔させてやるぜ」
じわじわと反抗心が燃えてきた。フィッダはさらに加速する。
カンカンカンカン――遮断器が音を鳴らす。フィッダは踏切を、越えた!
「さァ、来い。此処まで来て見逃す選択肢はねェよなァ!?」
警告音に、さしもの敵も一瞬だけためらうような仕草を見せた。
だが、獲物がそこにいる。その誘惑には抗いきれず、急降下する敵の群れ!
「ばァーか」
かりそめの炎の獣は、フィッダを踏切の向こう側へといざなった。
敵が高度を落とした瞬間、警笛の音が響き、眩いライトがあたりを照らす。
――轟音と猛烈な風が通り過ぎた。
骸魂であったモノ、つまりオブリビオンの残骸があたりに飛び散る。
妖怪電車が通り過ぎれば、あとに残るのは気を失った無傷の妖怪たちのみ。
「狩人気分でいい気になッてッから、足元掬われんのさ」
フィッダがそう言うと、かりそめの獣はひゅぼっ!! と燃えて消えた。
炎が空間を洗い流すように、迷宮化がほつれ、闇へと溶けていく――。
大成功
🔵🔵🔵