銀河帝国攻略戦⑨エンペライダーズ撃破作戦
●グリモワベースにて
猟兵達の集まるグリモワベース。
グリモワ猟兵の予兆を聞き、事件解決に向けて現場に出発する為の地点であるが、ここ暫くその場所は緊張感のある賑わいを見せていた。
とある一角でも、陸刀・秋水(Algenib・f03122)が猟兵達に向けて頭を下げている。
「皆さん、本日は集まっていただき有難うございます」
姿勢を戻した秋水がファイルを開き、説明を始める体制へと入った。
「スペースシップワールドにて、銀河帝国攻略戦が行われているのは周知の事かと思います。今回、我々はその戦闘に参加したいと思います」
状況はこうだ。
作戦の主力となるのは『解放軍』のスペースシップ。
猟兵達の活躍もあり、『解放軍』の戦力は『エンペラーズマインド』の防衛艦隊を凌駕しており、戦力的に見れば勝利は難しくないと言える。
だが、ここに一つの問題がある。
『解放軍』の船は多くの民間人が居住する移民船団で、戦闘のプロでもなければ、大規模な艦隊戦の経験が無い。それが弱点となっているのだ。
そこを突く為に、帝国軍は『エンペライダーズ』という特殊部隊を用意。
帝国最速とも言われる宇宙バイク騎乗員で構成されたその部隊で、集団による高速かつ一撃離脱の攻撃を繰り返そうとしている。
『解放軍』側にも警備部隊がいるが、高速戦闘に堪えられないので『エンペライダーズ』の迎撃に出てとしても即座に撃破されるのが目に見えている。
この『エンペライダーズ』の攻撃を看過すれば『解放軍』は撤退を余儀なくされる可能性がある。
「ですので、宇宙空間での高い機動戦闘力を持つ我々で対抗します。宇宙バイクの使用等も当然許可されますので、存分に戦闘を行ってください」
また、と秋水が前置く。
「『エンペライダーズ』の中にはリーダーが含まれております。特徴的なバイクと、長いモヒカン型のヘルメットを装着した者がそれに該当するかと思います。ええ、その……UCDアースの文化の方ならば、世紀末か、や、汚物は消毒か、と呆れた調子で仰りそうな方達なのではと思いますので……」
言葉を濁しながらも、説明を終えたと秋水がファイルを閉じた。
「兵は拙速を尊ぶとの言葉もあります。早速、現地に参りたいと思います。皆さまのご健闘、心より祈っております」
山崎おさむ
【重要】
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●説明
こんにちは、ご覧くださり有難うございます。
宇宙バイクでヒャッハーしている暴走族のような集団が敵となります。
宇宙バイクに乗ったり乗らなかったり出来るシナリオです。
今回は出来る限り速度を優先して運営させていただきますので、よろしくお願いいたします。
第1章 集団戦
『クローン騎兵』
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POW : ジェノサイダー
【自身の寿命】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【ジェノサイドモード】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD : インペリアル・インテリジェンス
【銀河帝国式戦術ドローン】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ : ブラスターレイン
【熱線銃(ブラスター)】を向けた対象に、【連続射撃】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
舞塚・バサラ
・SPD
あいにくと某、“バイク”は乗れぬので御座るなあ
代わりに一つ、某の術をお見せするで御座るよ。
__なに、蛙に御座るよ。貴様らにどう見えたかは、知らぬで御座るがな
ユベコ使用
即座に搭乗し、戦場を行く
4mの某とその倍の大蛙は否が応でも目立つで御座ろうな(存在感)
某目掛けて襲いかかるなら、彼奴めらが乗っているバイクの駆動部やハンドルに苦無を投げて動きを 阻害し(投擲、早業)止まったところをバッサリで御座る(暗殺、鎧無視攻撃、だまし討ち)
某を狙わない?フック付きロープを相手のバイクに引っ掛け…
さあて、月影牙の全速力をごろうじろ、と周囲を全力で駆け抜け、敵を巻き込み振り回し進むで御座る。
●エンペライダーズ迎撃開始
広大な宇宙空間を切り裂くように多数の宇宙バイクが疾駆していく。
行先は『解放軍』の移民船、目的は船への攻撃だ。
それを喰い止める為にやって来た舞塚・バサラ(多面巨影・f00034)は、顎に手を遣ると軽く首を傾げた。
(「あいにくと某、”バイク”には乗れぬで御座るなあ」)
あのバイクの速度に追い付けるのか。だが、彼には一つの切り札がある。
先程の余裕ある仕草も、その手段を持っているからこそ。
顎から手を下ろし、小指を立てた両手の指先を触れ合わせると、その作り上げた形から黒い何かが伸びて行く。
――なに、蛙に御座るよ。貴様らにどう見えたかは、知らぬで御座るがな。
生み出された巨大な蛙の影絵がエンペライダーズの進行を塞ぐように現れた。バサラはひらりとその上に乗る。
「ふむ、これは壮観でござるな」
眼前に広がるのは敵の集団だ。存在感を放つ蛙に向こうも気付いたようで、突撃が来るとバイクの動きで察したバサラは、懐から取り出した苦無を構えて先頭のバイクのハンドルへと投擲する。
早業の攻撃を受けた一台は横へと転び、それに後続の数台が巻き込まれていくのが見えた。
その間、バサラを乗せた蛙は、トン、と宇宙を跳ねていた。巨大だからこそ、その跳躍は遠く、速く、あっという間に距離を詰めると、バイクのハンドルに捕まり浮遊していた騎兵に、陰陽剣の反逆スル夜光と陽術刀の不知火火車を振るう。鎧の硬さもその二振りの前では意味を成さず、バイクから離れた騎兵から赤く丸い液体が毀れ始めたのを、ちらりと横目にしてからバサラは再び蛙を跳躍させた。
次の瞬間、彼のいた場所を襲うようにドローンを背に付けた騎兵が銃を撃っていく。追撃をかけるように、どんどんと光線がバサラを追ってくるも、影絵の蛙の速度には追い付けていない。
「さあて、月影牙の全速力をごろうじろ」
翻弄するように周囲を駆け抜けながら、フック付きロープも手にしてバサラが高らかに笑った。
大成功
🔵🔵🔵
アメリア・イアハッター
モヒカン型ヘルメット?
頭突きでもしてくるのかしら……
まぁ、きっと目立つのでしょうね
1つ狙ってみましょう!
・方針
敵リーダーを狙って攻撃
奇襲
・行動
事前準備として宇宙の色に溶け込める様な黒い服、帽子を着用
宇宙バイクのエアハートが黒い機体であることも活かし、転移直後は動かず目立たない様に息を潜める
その間、敵リーダーがいる場所を見極める
目印は情報にあった他と違う特徴的なバイクとヘルメット
それと敵が纏まっている場所があればそこに注意する
見つけたらUC使用
目立つ機体をまずは狙い騎兵自体は倒せればラッキー程度
きっと他の仲間が倒してくれる
敵が庇っても親衛隊みたいなのは潰せる筈
見つかった後はドッグファイトだ!
光指さぬ場所は漆黒の闇となる宇宙空間に溶け込む黒を纏い、アメリア・イアハッター(想空流・f01896)は、矢張りこちらも黒色の宇宙バイクのエアハートに騎乗して息を潜めながら走り抜けるインペライダーズを眺めていた。
『ヒャッハーーーー!!』
『あそこにいるぞ、援軍だぁーー!』
仲間に引き付けられたインペライダーズが叫びながらアメリアの頭上を通り過ぎて行く。その後からも続いて来る集団をじっと見詰めていたアメリアは、最後尾に近い位置に雰囲気の違う一団を見付けて注意を向けた。
「あれって……。モヒカン型ヘルメット?」
遠目に見ても頭一つというか、モヒカン一つというか。他よりも上に伸びたシルエットを見付けて、思わずアメリアが目を丸くする。
「……本当に目立ってるよ」
あれがきっとリーダーに違いない。それなら折角の機会と、アメリアは魔力を集積させていく。
「倒せればラッキー程度で、きっと他の仲間が倒してくれます!」
自分の目的は敵リーダーへの奇襲。これで敵の足が浮き立てば撹乱にもなるし、そうなれば信頼する仲間達が優位に立った戦いが出来る筈。
大量のマジック・ミサイルが静かに生み出され、真っ直ぐにリーダーのいる集団目掛けて飛んで行く。
『ぐおぉっ!?』
『うぎゃああ!』
『敵襲か! どっちから飛んで来たぁ!』
着弾する端から爆発が巻き起こり、混乱する様子が伝わって来た。だが、そんな騒ぎを沈めるように声が響いて来たのは流石と言えるかもしれない。
『あっちだ! お前ら、行って来い!! 他の奴らは撃ち返せ!!』
指揮する声はリーダーのものだろう。自分を囲む部隊の一部を削られ、自分もある程度の被弾をしつつも素早く立ち直るとアメリアがいる方向へ向けてブラスターの銃撃が一斉に飛んで来た。
「わわっ!」
連続射撃の絶え間ない弾幕がアメリアのエアハートを掠めていく。急いでアメリアはアクセルを回して走り出しながら、自分を追い掛けて来ようとするインペライダーズを振り返る。
「逃げる、と見せかけて!」
アメリアの帽子のリボンが軽やかに踊るり、エアハートがバレルロールの軌道を描く。そのまま敵の背後を取ると再びマジック・ミサイルを浮かび上がらせた。
「――キミも一緒に踊ろうよ!」
ドッグファイトに入ったアメリアだったが、その声は楽しげだった。
成功
🔵🔵🔴
アーレイラ・モンクスフード
さてさて、世界を救う一滴となりましょうか。
高速戦闘が得意なようなので、それを潰すような闘いを心がけましょう。
「おいで」
ユーベルコード発動、星霊を呼び出します。
「ふふ、やはりここは落ちつきますか、存分に暴れて下さいね」
岩屑や残骸の装甲片などと共に、ふわふわと近づき
射程に入ったら突撃。
デブリの推進剤?勿論星霊ですよ。
敵も突撃して来るならよし、ライダーに正面から岩や装甲ぶつけます。
避けようにも星霊に軌道変えさせぶつけますし、それを上回るなら陰から星霊飛び出させ直接攻撃します。
回避して散開するなら、デブリを盾に銃撃で各個撃破です。
目立つ指揮官っぽいの居たら余った星霊殺到させて叩きます。
――さてさて、世界を救う一滴となりましょうか。
仲間の活躍に負けてはいられないと、アーレイラ・モンクスフード(真昼の白夜・f02061)は、微笑を湛えた唇から甘い誘いの言葉を紡ぎ上げる。
「おいで」
まるで漂うエーテルのように。目には見えない力が、ふわりとアーレイラの手元に落ちてくる。
「巡り廻る星の子ら、数多にして独りなる者よ、その一握を我が前へ」
最初に生まれたそよぎが契機であったかのように、ふわふわと落ちる雪のような存在がアーレイラの回りで次第に形を得て行く。
アーレイラは己が召喚した星界精霊の群れへ慈しむように微笑んでみせた。
「ふふ、やはりここは落ちつきますか、存分に暴れて下さいね」
前へと滑る指先に誘われて星霊達が岩屑や残骸の装甲片を抱えるように取り付いて行く。そこからはアーレイラの望むまま。星霊達は意志あるデブリと化し、射程に入ったエンペライターズへと襲い掛かって行く。
『こんな所にデブリ帯があるなんて聞いてねぇぞ――たわば!?』
『ヒャハハ! こんなもの避けちまえば関係ねぇぜー!』
突撃の速度のままでデブリとの質量に突っ込んでしまった者達が吹き飛ばされた。高速戦闘を得意とするのが、ここでは弱点として働いてしまったのだ。犠牲を出しながらも普通のデブリと考えた後続が回避に入るも――。
「そう来るのも読んでいますよ?」
ただデブリを飛ばして終わりなんて事は無い。アーレイラが指先を踊らせると星霊達が彼らを追って正面からデブリを衝突させていく。そこから逃れる者もいたが、星霊達はデブリから離れると直接飛び出して攻撃を仕掛けて行くのだ。
それでも尚、運良く生き延びた者達が散開して自分を囲もうとしているのに気付いたアーレイラは即座にデブリを盾として集めた。
『あんな所に女がいるぜぇーーー!』
『サイキッカーかなんかか? よく解んねぇけどやっちまえぇぇ!!』
星霊の仕業とは気付かぬエンペライダーズではあったが、とにかく敵に違いないとブラスターを発射する。盾となったデブリが赤熱していき、完全に貫通する前にアーレイラはその場から離脱していく。
「よく解らないままに戦っては負けてしまいますよ? それを私達が教えてあげますね」
アーレイラの回りに星霊達の同意の意志が波及していく。百にして一なる星霊が、さざめくようにこの場を支配しているのだ。
成功
🔵🔵🔴
ラザロ・マリーノ
逃げる相手を叩くのが戦争じゃ一番楽なんだが、俺の能力じゃ高速離脱する相手を倒すのは難しいな。
なら、正面から受けて立つか。
ユーベルコード「竜の再誕」で召喚した恐竜に【騎乗】。
さらに、マスカレイド・マスクで幻影をまとって『エンペライダーズ』に【変装】するぜ。
一瞬迷わせるだけでも、高速戦闘なら十分な隙になるからな。
宇宙ドラゴンの力を借りて、【空中戦】【フェイント】で相手の攻撃をかわしながら【ダッシュ】で接近。
【怪力】【串刺し】でハルバードを叩き込むぜ。
もっと気の利いた相手なら、馬上槍試合の気分が味わえたんだがなぁ。
宇宙空間に音を伴わない咆哮が響いた。
――記憶の彼方に果てたる竜よ! 再び大地を蹂躙しろ!
そのラザロ・マリーノ(ドラゴニアンのバーバリアン・f10809)の喚び声に応えて再誕したのは恐竜だ。この場では宇宙ドラゴンと呼ぶべき巨大爬虫類の背にはラザロが乗っている。
戦争では逃げる相手を叩くのが一番楽だが、自分の能力では高速離脱をするエンペライダーズを倒すのは難しい。
なら、正面から受けて立つ。ラザロは槍斧へと姿を変えたドラゴンハルバードを敵へ向けて振り下ろした。
「行くぜ! 殴って解決だ!!」
そう言ったラザロは、清々しいほど真っ直ぐに恐竜を駆けさせていく。迫る彼を見て、驚いたのはエンペライダーズの方だ。
『おいおい、何で仲間が突っ込んで来るんだぁ!?』
『あいつが乗ってるイカした乗りもんは何だぁ!?』
そんな声が出るのもその筈、変装したラザロの姿はエンペライダーズのそれなのだ。
『いや、待てよぉ? 俺達に向かって来るって事は……仲間だろうが敵だぁ!!』
『なるほどなぁ!! 撃て撃て! 撃ち落しちまえ!!』
「チッ!」
エンペライダーズの頭上に銀河帝国式戦術ドローンが放たれた。うっかり騙されてくれるのではと思いそうになったが、どんな思考回路だと言いたくなるような理由から攻撃に移られてラザロが小さく舌打つ。だが、顔には笑みが浮かんでいた。
「でも、一瞬迷ったよな? それが隙になるんだぜ!」
狙いの高まる射撃が皮一枚を掠めるような状況を、宇宙ドラゴンの力を借りて行うフェイント織り交ぜた三次元軌道で躱して行くラザロが、ドラゴンハルバードを確りと構える。体を支える為の尻尾にも力を込め、穂先から自分の体全てが一直線になるイメージだ。
そして、斜めに跳んだ直後に急制動をかけると一台のバイク目掛けて飛び込みながら、剛腕からドラゴンハルバードを突き出した。
「腹が! ガラ空きだぜっ!!」
ドン、と激しい衝突の衝撃が体全体を通り抜けて行く。串刺しになった宇宙バイクをドラゴンハルバードを振る事で放り出したラザロは、すぐに宇宙ドラゴンの巨体を捻らせた。
『うぎゃあああああ!?』
しなる太い尾でエンペライダーズを弾き飛ばし、飛ばされた彼らは慣性のままに飛んで行く。宇宙服の推進力で復帰してくるにして、もう少し時間はかかるだろうし、宇宙バイクが戻ってこなければ驚異度は格段に落ちる。
「もっと気の利いた相手なら、馬上槍試合の気分が味わえたんだがなぁ」
遠くなっていく姿を見ながら呟いたラザロは、まだ気は抜けないなとドラゴンハルバードを構え直すと、次の敵を捜す為に移動を始めた。
大成功
🔵🔵🔵
白峰・慎矢
雫(f05281)と一緒に戦おう
『解放軍』の皆も頑張ってくれてるみたいだから、俺達も頑張ろう、雫。
雫が敵の動きを止めてくれてるみたいだから、【錬成カミヤドリ】で作った弓を使ってとどめを刺していこう。「2回攻撃」で手数を増やして、「第六感」を働かせたり「フェイント」を織り交ぜて上手く攻撃を当てていこう。
うん、要は騎馬兵の武将を打ち落とす感じだよね。
敵が接近してきたら「残像」「見切り」で攻撃をかわして、刀で応戦する感じかな。
白峰・雫
慎矢(f05296)と一緒に戦うよ
宇宙空間での戦闘は初めてで不安だけど頑張らないとね
とりあず邪魔をすればいいかな
野生の勘となぎ払いを使って敵の動きを妨害するように【フォックスファイア】で攻撃するよ
敵の攻撃は残像とダッシュで躱すよ
重力の軛から解き放たれた世界は地上で養った感覚が通用しない。
そんな中で戦闘は出来るのだろうか。推進器で姿勢を維持しながら、初めての事に不安を感じる雫が視線を滑らせると、そこにはいつも通りに慎矢がいて、雫に笑いかけてくれている。
「また不安なのかい?」
小さく首肯する雫に慎矢は、雫の頭を撫でる癖を出す。
「『解放軍』の皆も頑張ってくれてるみたいだから、俺達も頑張ろう、雫」
「うん、不安だけど頑張らないとね」
そんな日常の延長かのように仲睦まじい家族の遣り取りを邪魔するのは、粗暴な絶叫だった。
『ヒィイッヤッハァアアアーーーー!』
『こうなったら全軍突撃だぁーー!!』
激しく宇宙バイクを駆動させながら、けたたましいような様子でエンペライダーズの残存兵力を集めた分隊が船に特攻しようと疾走してくる。
「えっと……。とりあえず邪魔をすればいいのかな」
頼んだ、との慎矢の言葉に頷き、雫は大気無き世界でも煌々と燃える火を灯す。初めて二人で戦った時よりも数を増した狐火に囲まれながら、緊張しながらも敵を見る雫は勘を頼りに狐火を撃ち放っていく。
「あの人達に当てるには、多分この辺りだね」
狐火の動きは薙ぎ払うものへ。炎に突っ込む形となったエンペライダーズを後続を遮る篝火へと変えると、慎矢が練成ヤドリカミで生み出した弓を構えて引き絞った。
「良いね、丁度動きが止まってるよ」
雫が突撃を妨害してくれた今が好機と、篝火と化した敵だけでなく、動きに躊躇いを出した敵もと、己が手腕と勘働きを活かして虚実織り交ぜながら間断無く矢を放って行く。宇宙での戦いではあるが、騎馬兵を落とす要領と思えば違和感は無い。
「雫、来るぞ!」
「うん!」
一旦矢を撃ち終えた慎矢が、炎を突き抜けて迫るエンペライダーズを見て喚起の声を上げる。銀河帝国式戦術ドローンで強化されたエンペライダーズの射撃しながらの突撃を、雫は俊足を活かし、慎矢は刀を手にハンドルの動きを見切る事で横跳びに回避する。多少掠めるものもあったが、この程度ならば支障は出ない。
「もう一度行くよ、慎矢」
「雫、あの妙なヘルメットを被ってるのが多分、リーダーだよ。 あれを中心に狙ってくれるかい?」
通り過ぎ様に敵を斬った慎矢が、雫にあれだと指示を出す。長い背凭れ付きの宇宙バイクに乗る、モヒカン型ヘルメットを被ったエンペライダーズのリーダーが慎矢の視線の先にいた。
「任せてっ」
身を翻した雫が、減った敵の数に合わせて溶け合わせた狐火を放つ。合わさった分だけ先程よりも火力の高い炎は一気にエンペライダーズを包み、燃え拡がっていく。
『うぉおおおおおお!?』
『燃えるぅ! 消毒されちまう!!』
奇怪な叫び声を拾う宇宙服からの音声を聞きながら、再び慎矢は弓を構えた。見るのは、燃えながらも旋回してこちらに突っ込んでこようとするリーダーだ。
「派手な兜も武将っぽいと言えば、そうかな」
サムライエンパイアでは武将である事を示す為に奇異な兜を被っていた者は珍しくないのだから、あのヘルメットもその類と思えば、弓で狙うのにしっくり来るのではないか。
そんな事を考えながら、討ち漏らしはしないと、慎矢はぎりぎりまでリーダーを引き付ける。そして――。
『てめぇら、ぶっ殺してやるよ――ぽっ?』
リーダーのヘルメットに矢が立った。次に宇宙バイクの燃料部に矢が立つと、既に纏わり付いていた雫の炎がそこへと回り、漏れ出したエネルギーと干渉して激しい閃光が起きた。
白く眩い爆発の後に残ったのは、四散した破片と一瞬の静寂だ。
「終わったの、かな?」
「そうみたいだね」
二人は顔を見合わせると、じわじわと沁みる勝利の実感に喜色を滲ませていく。
「やったね、慎矢」
「ああ、やったな、雫。頼もしかったよ」
はにかんで頬を少女のように染める雫に、笑みを浮かべた慎矢がエンペライダーズがいなくなった先を見た。
まだまだ戦いは続いて行く。けれど、今この場にいた敵は仲間達と協力し合って無事に撃退し、移民船も守る事が出来たのだ。ならば、この一時くらいは素直に喜んで良いだろうと慎矢は、尾を振って喜ぶような様子の雫に目を戻すと穏やかに微笑んで見せるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴