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大祓百鬼夜行⑯〜天誅!猟兵仕事人

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

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●ちゃらちゃ〜♪
「ハッハッハッ!いやまったく、あの平民共は実に愚かですな!」
「この俺に楯突いた罰だ」
「金を持たぬ奴らに慈悲など不要でしょう。おお、そうだ。今回の謝礼でして」
「ほほう、これはなんとまあ、山吹色の菓子ときたか……お前も悪よなぁ!」
「いえいえ、貴方様ほどでは……」
 和室に響く笑い声。ところでそのお菓子、美味しいですか?

●必殺、イェーガー!
「UDCアースのとあるゴミ捨て場、そのテレビの一つに本来存在しないはずのテレビ番組が映し出されてるそうよ」
 腕組みをしながら、レイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)が集った猟兵たちに告げた。
「テレビ番組の内容は……サムライエンパイアみたいな世界の中で、悪い金持ちとかを闇に紛れて暗殺する暗殺者の話みたいね。誰にも気づかれず悪を誅する、まあヒーローズアースでいうダークヒーローみたいなものよ」
 ふぅ、と息を吐いて。
「このテレビ番組を放置しておくと、その番組が現実になっちゃうらしくてね。みんなにはその番組の中に入って、その悪い金持ちを華麗に暗殺してほしいってわけ」
 番組の内容に乗っかれば、この事態を引き起こしているオブリビオンを倒すことができる。
 片手に現れたグリモアを稼働させて、猟兵たちにレイは告げた。
「まあ、状況とかは指定できるみたいよ。月明かり眩しい夜道、とある屋敷の一室、どこかの路地裏、なんでもありよ。とにかく華麗に、誰にも気付かれずに暗殺、これに尽きるわ」
 転移の光が纏わりついた猟兵たちに、レイは微かに微笑んだ。
「やるからには全力。それが番組でもなんでもよ。じゃ、よろしく頼むわね。頑張ってきなさい」


夕陽
 チャラチャーチャラチャチャラチャラチャー♪デンデン♪(以下略)
 OPをご覧頂きありがとうございます。初めましての方は初めまして、すでにお会いしている方はこんにちはこんばんは、夕陽です。

 以下、プレイングボーナスとなります。

 プレイングボーナス……番組の企画に全力で乗っかる(戦わずともダメージを与えられます)。

 悪者はOPよりなんか金持ちそうで高利貸しっぽい男(オブリビオン)。なんかこう、ゴリラっぽいです。パワーイズ正義。
 暗殺場所の指定あればプレイングに記載をお願い致します。
 気付かれなければ相手のユーベルコードは発動せずに終わるかもしれません。
 必殺イェーガー!

 それでは、皆様のプレイングお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『西の幹部妖怪』

POW   :    妖怪で紳士で改造人間!
【ゴリラの腕力】【紳士の余裕】【上司妖怪としての責任感】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    ノリノリアゲアゲコォオル!!
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【部下妖怪による応援で得たテンション】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
WIZ   :    強さの証明ッ!!!
対象の攻撃を軽減する【真の紳士の証であるタンクトップ姿】に変身しつつ、【天裂き地穿ち海を割るゴリゴリ紳士流格闘術】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠大門・有人です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

疎忘・萃請
悪い子は鬼が取って食うのがこの世の常識
では、いざ天誅

暗雲立ちこめたる夜の道
ふむ、ようは気付かれずにオブリビオンを倒せばいいのだな?
見つからぬよう、平家の屋根を渡る
うん、あやつ以外誰もおらぬな

すぅ、と右手を掲げ、振り下ろす
……執行、神鳴り墜とし
轟音、閃光、雷がオブリビオンへと落ちていく

……ふふ、これは今となれば自然現象
誰もアタシの仕業とは思わんだろ
もしまだ立っているようであれば、光に目が眩んでいる隙に背後へ立つ
鬼の爪を、そのやわい肉に突き立てようではないか

……これにて、落着



 空が灰色の天蓋に覆われた、真夜中だった。
 平家の合間、凸凹とした道を歩くのは、庶民たちを虐げる高利貸しの男だ。
 その脇の平屋の上で、翡翠のような瞳が暗黒の中で輝く。
 疎忘・萃請(忘れ鬼・f24649)は、“鬼”だ。
「悪い子は鬼が取って食うのがこの世の常識。では、いざ天誅」
 この番組、その企画は至って単純。気づかれずに殺す。テレビの中故に、オブリビオンを一撃で倒す、というよりは暗殺を決めることでオブリビオンの虞を削ることができるのだろう。
 無表情の唇が動く。
「ふむ、ようは気付かれずにオブリビオンを倒せばいいのだな」
 平家の屋根の上、颯爽と飛び交うように対象を追跡する。

 ――うん、あやつ以外誰もおらぬな

 確認した。後は屠るのみ。
 萃請が右手を頭上に掲げる。夜の空が一瞬弾けた。む、と雷鳴の残響を聞いた高利貸しの男が頭上を見上げた。

「……吾が怒り、神が怒り、雷と鳴りて。執行、神鳴り墜とし」

 萃請が、その右手を振り下ろす。天より爆ぜた高エネルギーは一点に集い、閃光のごとき速度にて、高利貸しの男へと降り掛かった――!
「――あ、が……ッ!!」
 周囲に迸る雷撃と、蒼の電雷。【神鳴り墜とし】は、オブリビオンを焼き尽くした。
 萃請は屋根から飛び降りると、男の頭上から冷たい視線を送る。
「アタシはお前にとっての鬼、そして天罰というやつだ。お前が成した悪行は、死でさえも生温いが……」
 踵を返して、萃請は静かに言い放った。

「……これにて、落着」

 軽快な音が鳴り響く。倒れ伏した男の背中からのアングル、萃請と男の死体が映し出される。
 現実に捨て置かれたテレビに、ぴしりとヒビが入った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニクロム・チタノ
民を虐げる圧政者だね?
正にチタノの加護を受けた反抗者たるボクの本来倒すべき相手だよ!
相手は肉体派、ボクはあんまり近接戦は得意じゃないからここは作戦が必要だね!
姉妹達アイツのファンだって言ってサインをねだるんだ、そして油断してる隙に後ろから・・・
反抗の一撃を喰らえ
必殺猟兵だよ!



 街の市場を歩く悪の根源たる男。
 その様子を遠くから見つめるのは、反抗の竜チタノによって選ばれた少女、ニクロム・チタノ(反抗者・f32208)だ。
「民を虐げる圧制者だね?正にチタノの加護を受けた反抗者たるボクの本来倒すべき相手だよ!」
 笠をかぶってそのつばに手をあてる。相手は肉体派、ニクロム自身、近接戦はあまり得意ではない。
 暗殺遂行のために、わざわざ相手の土俵で戦うなど愚の骨頂である。
 ニクロムは口元をかすかに微笑ませると、ユーベルコードを発現させる。
「妹達姉様方力を貸して」
 ぼそり、と呟いた途端にニクロムの周囲に現れたのは、2966ナンバーズと呼ばれるニクロムの姉妹達(町娘風)。【哀れな姉妹達(ニクロムナンバーズ)】は、ニクロムの言葉を待っている。
「姉妹達アイツのファンだって言ってサインをねだるんだ」
 こくり、と頷くと、高利貸しの男へと駆けていく。
「あ、あの……!」
「あぁ?なんだ?」
「貴方様は、かの有名なゴ・リ屋の者とお見受けいたしました。いつもお慕い申し上げております――」
 などと姉妹達がわいわいと畳み掛ければ、高利貸しの男は得意げに鼻を鳴らした。
「ふふ、なんだ。よくよく見ればお前達良い女じゃないか。どうだ、俺の屋敷に――」
 そこで、ぞわりと男の背筋に悪寒が走る。背後から感じる静かな殺気。ちらりと後ろを振り向けば、そこにいるのは反抗を司る反面をつけた少女の姿。

「――反抗の一撃を喰らえ」

 『反抗の妖刀』が翻る。空間に閃いた妖刀の軌跡は高利貸しの男の背中を斬りつけて鞘に収まる。
「ぐ、おおおおおぉ……!」
 うめき声と共に男が倒れる。軽快なBGMが鳴り響き、姉妹とニクロムがじっとその男を見下ろした。
「必殺猟兵だよ!」
 ――現実世界にあるテレビに、ヒビが広がっていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

プレゼナ・ハイデッカー
――随分と悪どくお金儲けに精を出しておられるようで。
その報い、疾く受けて頂くと致しましょうか。

現場は件の悪党の住まいである屋敷。
皆が寝静まった夜、金勘定でもしている処に、障子に影を映すような形で登場。
何者かと問われれば。
「貴方の飽くなき欲望の犠牲となった人々の嘆き悲しみが。私を呼び寄せたのです」
助けを呼ばれる前に素早く踏み込み、「燕」を以てその心臓、抉り抜いてみせましょう。

「天誅……いえ、私にこの言葉は似合いませんね」
過ぎた欲望故に身を滅ぼしたという結果で言うなら。因果応報、と言うべきでしょうね。



 深夜の屋敷。近くにある木の陰で、プレゼナ・ハイデッカー(ロストエクシード・フェアリーテイル・f32851)は笠を被りながらぽつりと呟く。
「――随分と悪どくお金儲けに精を出しておられるようで。その報い、疾く受けて頂くと致しましょうか」

 夜の静けさが包む屋敷内。蝋燭の火の光で映し出される室内には、にやりと口元を歪めながら金勘定を進める高利貸しの男の姿があった。
「ふふふ……全部俺の思うがままだ」
 山吹色の菓子が鈍く光っている。そこで、男は気付く。何者かの気配。
 途端に月明かりが差し込むと、障子に映し出されたのは何者かの影だった。
「!? な……何者だッ!」
「貴方の飽くなき欲望の犠牲となった人々の嘆き悲しみが、私を呼び寄せたのです」
「何を馬鹿げたことを! 皆のもの、であえ――」
 男がそれを言うよりも早く、プレゼナの一撃が障子を木っ端微塵に破壊する――!
 木々が折れる音と共に、男の体が浮き上がる。厭な音と共に、プレゼナの圧倒的な膂力を込めた貫手が男の胸を貫通していた。
 【蓮月流怒龍拳奥義「燕」(エクシードフォース・ペネトレイトスワロー)】。まさにそれは、必殺の一撃。
「ぐ、う、おおおお、おぉ……!」
 胸から手を引き抜いて、プレゼナは踵を返す。畳に広がる血溜まりを流し目で見つめると、その場をゆっくりと立ち去っていく。
「天誅……いえ、私にこの言葉は似合いませんね」
 軽快なBGMと共に、月明かりに照らされるプレゼナの姿。笠を再び被ると月が再び雲へと隠れ、夜の闇へと消え失せていった。
「過ぎた欲望故に身を滅ぼしたという結果で言うなら。因果応報、と言うべきでしょうね」
 闇から聞こえたのは、そんな冷徹な台詞だった。

 ――現実世界のテレビが、さらにみし、と歪む音を響かせる。

大成功 🔵​🔵​🔵​

片桐・公明
【POW】
事前に敵の近辺を調査しておく
(悪を殺すにも証拠は必要だからね。)
最悪調査結果をもとにそれっぽくでっち上げる

舞台に合わせて、水色を基調とした着物に紺色の袴、腰に日本刀を下げ、三度笠を被った浪人、あるいは辻斬りスタイルで2人の会談に乗り込む
「御用改めである!!神妙にお縄に着けぃ」
「とぼけたって無駄よ?あなたたちが"悪"だって証拠は有るんだから。」
証拠を示しつつ2人を問い詰める
山吹色のお菓子も納刀したままの妖刀でひっくり返す

戦闘は妖刀を軸に戦う
敵の攻撃を回避と受け流しで防御
敵の隙を見逃さず袈裟懸けに切り捨て
納刀と共に敵が崩れて終幕



(高い利息……こんなの返済できる額じゃないわね)
 高利貸しの男から金を借りた者たちの情報を探り、あまりに理不尽な金貸しに憤っているのは、片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)である。悪を殺すにも証拠は必要だ。メガネをくい、とあげて屋敷を睨んだ。
 調査結果より、彼の悪名は十二分に理解した。後は――。

 その夜。
「まったくお前というやつは……」
「ハハハ、良いではありませぬか。 今回もどうぞ、これを」
「ああ、山吹色の菓子はいつ貰っても嬉しいものだ」
 和室の中で笑い声が響く。と、そこに。
「御用改めである!! 神妙にお縄に着けぃ」
「な、何者だッ!」
 和室の障子を切り裂いて現れたのは、水色を基調とした着物と紺色の袴、腰に日本刀、三度笠を被った浪人風の人物。もちろんそれは公明である。
「ご、御用改めだと!? ふざけるな、俺達が一体なにを……!」
「とぼけたって無駄よ? あなたたちが"悪"だって証拠は有るんだから」
 がしゃ、と日本刀の鞘で山吹色のお菓子がひっくり返される。床に散らばった小判の山。次いで、その上に調査結果を記した和紙だ。
 今まで媚びていた仲間の一人が、情けない声を出して和室から逃げていく。
「見られたからには仕方ない、ここで貴様を殺してやる!」
 高利貸しの男が刀を抜き放つ。迎え撃つ公明は、冷静な佇まいで妖刀『血吸』を抜き放った。
 斬りかかってきた男の刀を、一歩足を引いて受け流す。二撃、三撃。それでも、公明の立ち振舞いは揺らがない。
「ちょこまかとッ! これで終いだ!!」
 大きく振りかぶられた日本刀、その圧倒的な膂力を抑えつけるのは至難の業だろう。
 だが。
「――隙あり」
 男の日本刀が振り下ろされる前、公明の妖刀が凄まじい速度で男を袈裟斬りに斬り裂いた――!
 ぐ、お、と小さなうめき声をあげて、日本刀を頭上に構えたまま硬直する男。公明が踵を返して、日本刀を鞘に収める。
「その命、貰い受けたわ」
 ばしゅ!と血しぶきが上がり、軽快なBGMが流れ出す。男の死体から広がっていく血溜まりを見ずに歩み出す。公明の後ろ姿がテレビに映し出されて――。

 テレビが更に、ぴしりと軋んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鬼河原・桔華
●POW

なんか見覚えがあると思えば、アレかい
UDCアースに構えている事務所のTVで見た昔の時代劇みてぇじゃないか
趣旨は…法で裁けぬ悪は俺が裁く、か
ははっ、いいねぇ気に入った!
そんなら私も人肌脱ごうじゃねぇか

そうさな……表の顔は手習いの師匠、裏の顔は鬼の血を引く仕事人とするか
夜の晩に人間態のままで始末する悪徳の野郎に忍び寄り、演出も兼ねて獄卒眼鏡を掛け直して夜叉の姿に戻って角を生やそう
その後は人間業とは思えねぇ【怪力】で野郎の首を片手で持ち上げ、首の骨を折るなりサバ折りにしちまったりで、とても人間業とは思えねぇ始末をつけてやる

ついでに町方同心のエキストラ枠で私の舎弟も出して貰う交渉をしてみるかね



ふむ、と考え事か、東方妖怪の鬼河原・桔華(仏恥義理獄卒無頼・f29487)は、このテレビ番組について思考を巡らす。
「なんか見覚えがあると思えば、アレかい。 UDCアースに構えている事務所のTVで見た昔の時代劇みてぇじゃないか」
 正義では裁けぬ悪を裁く。そういう趣旨の番組だ。なるほど、と桔華が笑った。
「ははっ、いいねぇ気に入った! そんなら私も人肌脱ごうじゃねぇか」

「――姐さん、騒ぎがありやしたぜ」
「ほう、そうかい。 それはお前に任せるぜ。私がいなくても、問題ないよな?」
 手習い所、その近くの窓から、舎弟の妖怪(町人同心として)桔華に連絡をしてきた。
 周囲を見渡せば、必死で学に励む者たちの姿。静かな時間を邪魔しないように――気付かれないように、小声で会話していく。
「そりゃそうなんですが、どうやら例の高利貸しが裏で手を引いてるみてえでして」
「……なるほどねぇ」
 それなら、と舎弟の妖怪に指示を出す。
「場所を用意しな。 あとは私がやる」
 承知、と姿を消した舎弟の足音を聞きながら、桔華の双眸がぎらりと輝いた。

 その晩。
「へっ……金がねえ奴らに用はねぇな。 これだから貧乏人は……」
 ぶつぶつと独り言を続ける高利貸しの男が、自らの屋敷に帰るために暗い道を歩いている。
 その後ろから、凄まじい覇気。
 獄卒眼鏡をかけたその瞬間、ぎちりと頭に生えたのは夜叉の姿である証拠の角だ。
後ろから忍び寄り、そして男の首を掴む。
「ご、が……!な、なんだ……貴様は……ッ!」
「通りすがりの手習いの師匠さ。 てめぇはやりすぎたんだよ」
「な、に……!」
 ぎりぎりと首を締め付けていた腕の力、その怪力によって、ごきりと首の骨が折られた。だらりと下がった四肢を見て、桔華がそのまま道端に投げるように死体を捨てる。
 軽快なBGMが鳴り響いて、桔華の姿が月光と共に映し出された。

 ――現実に捨てられたテレビの軋む音が激しくなっていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィオナ・ウンベカント
さすらいのいんちき易者とは世を忍ぶ仮の姿。
法で裁けぬ悪人を、触る事無く念じて殺す。人呼んで「神通力のおフィオ」とはわらわの事ぞよ。
そなたの晴らせぬ恨み、このわらわが晴らして進ぜよう…(こんな感じでいいのかな?)
仕掛ける場所は人気のない通り。
標的が通りかかる場所で辻占いのフリをして待ち構えよう
「もし、そなた…死相が出ておるぞよ」
目の前を通る標的にそう声をかけ、思わず足を止めた所でさらに続ける
「そなたが食いものにした人々の怨霊が、そなたをとり殺そうとしておるのじゃ…こんな風にのう!」
そう言って手を翳すと同時にサイコキネシス発動、宙に吊り上げた上で首を折って始末して去っていく
「くわばら、くわばら…」



 番組のタイトル【必殺イェーガー】が表示されると同時に、フィオナ・ウンベカント(マスター・オブ・ジークヴァルト・f21922)の独白が入る。
「さすらいのいんちき易者とは世を忍ぶ仮の姿。法で裁けぬ悪人を、触る事無く念じて殺す。人呼んで「神通力のおフィオ」とはわらわの事ぞよ」
その後ろ姿の後、再びちらりと振り返る。
「そなたの晴らせぬ恨み、このわらわが晴らして進ぜよう…」
 そしてそのまま去っていく。完璧な導入である。
(こんな感じでいいのかな?)
 過去の記憶のないアリスではあるが、どのようなことをやればいいのかはグリモア猟兵から聞いている。
 場面が変わり、町の通り。高利貸しの男が通行人から恐れられるように距離を置かれているが、当の本人は自信たっぷりだ。やがて人通りの少ない道を進んでいると。
「もし、そなた…死相が出ておるぞよ」
「あぁ?」
 真横から声。男がそちらを見れば、辻占いが手をちょいちょいと動かしている。
「わらわは人呼んで神通力のおフィオ。お主の死相、ちぃと見させてはくれんかの?」
「へっ、占いだと?バカバカしい!世の中金だ!金が全てだ!」
 ふ、とフィオナの口元がかすかに歪んだ。
「ああ、その通りだとも。金。全て金。そうしてそなたが食いものにした人々の怨霊が、そなたをとり殺そうとしておるのじゃ……」
 フィオナの指が男を指差した。そこから迸る不可視の衝撃。不可視の力場。
「こんな風にのう!」
 サイキックエナジーが迸り、男が宙に浮いていく。
「ご、お……っ!な、なんだ……!」
「おお、怨霊がこんなにも……」
 ごぎり、と男の首がへし折られる。軽快なBGMと共に男の死体が地面へと落ちた。
「くわばら、くわばら…」
 数珠を持って拝むフィオナ、その赤い瞳がきらりと輝いた。

 現実世界のテレビにノイズが走っていく。終わりが近い。

大成功 🔵​🔵​🔵​

四王天・燦
様式美に従って高利貸に騙された長屋の皆さんが掻き集めた小判を分配しておきましょ
この小判は連中の好物の山吹色のお菓子とは違うんだ…血が染みついてやがる、なんてね

予め部下は神鳴の峰打ちでボコっておきます
テンション上がると面倒だもんっ

他の猟兵から逃げてきたところ、雑木林あたりで仕置を行うよ
忍び足で気配を殺し、先制攻撃で奇襲し、暗殺開始
真威解放でデストラップを絡めつけてやる

首や手足に絡めて動きを封じるよ
足に絡めたデストラップを枝などを通して引っ張り逆さ釣りで吊り上げる
部下なら皆、早寝しているよ

奴さんの落下地点に石を蹴り置いて脳天から落とすぜ
脳天直撃の瞬間にレントゲンシーンが入って仕置完遂さ
南無阿弥陀仏



 にやり、と笑うのは妖狐の四王天・燦(月夜の翼・f04448)。
 番組には様式美というものが存在する。高利貸に騙された長屋に住むものたちから掻き集めた小判を分配する。
 片手に持った小判を掲げて、燦の金色の眼が輝く。
「この小判は連中の好物の山吹色のお菓子とは違うんだ…血が染みついてやがる」


「おい、誰かいないのか!いくら呼んでも返事がないとはどういうことだ!」
 屋敷の中をどたどたと歩く音が響く。高利貸しの男が屋敷の部屋を一つ一つ確認していたのは、屋敷にいるはずの護衛や奉公人の姿が一切見られないからだ。
 そして、がらりと開けた障子の先、倒れ伏している護衛の一人を発見する。
「!? な、なんだ、どうした……!」
 揺すってみるが、返事がない。どうやら気絶しているようだ。

 ――何者かの視線を感じる。

 じっ、とこちらを見られているような厭な視線。そして……とんでもない殺気も。
 高利貸しの男の額に汗がにじむ。このままでは、自分も殺られる。
 そう思ったのか、屋敷から外へと駆け出した。

 息を整える暇もなくただ走る。走って、走って、走り続けて。
 そうして雑木林にさしかかったときだ。踏みしめた一歩が、途端に引きずられる。
「お、わああああああぁぁッ!!」
 鋼糸によるデストラップによって、高利貸しの男が逆さに吊り下げられた。首と手足全てを拘束され、身動きすら取ることができない。
 雑木林の一つの木の陰から、『神鳴』という銘を持つ刀を携えた燦が姿を現す。
「残念だね、部下なら全部昼寝しているよ」
「き、貴様ッ! こんなことをしてただで済むと思うなよッ!?」
「ほう、そうか」
 鋼糸がくい、と引っ張られた。更に上へと上がっていく高利貸しの男を見ながら、燦が近くにあった石を蹴った。
「ま、待て……! 何をする気だ……やめ――」
「その言葉、そっくりそのまま返してやるぜ」
 鋼糸の足の拘束が緩む。真っ逆さまに落下していく高利貸しの男が、真下にあった石に激突――!!レントゲン写真がドン!!頭蓋骨が砕け散る!!
 ばたりと倒れ伏してそのまま動かなくなった男から踵を返して、燦は小さく呟いた。

 ――南無阿弥陀仏。

 軽快なBGMが流れ、終幕。



 猟兵たちが、テレビの中から帰還する。見れば、ノイズの走る画面はやがて沈黙し、テレビが軋みをあげるとそのまま黒い煙を吐き出した。
 どうやら、番組そのものが現実に侵食することはなくなったようだ。
 猟兵たちがグリモアベースへと帰還する。捨て置かれたテレビの山、そこには静寂だけが残されたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月14日


挿絵イラスト