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大祓百鬼夜行⑩〜歡迎、点心飯店!

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

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●肉まん、あんまん、小籠包!
「おーいキョンシーちゃん、こっちに蒸篭3つね!」
「はぁい!お待ちどうさま♪ささ、じゃんじゃん食べて!」
「うわぁ美味しそう!ではでは…いっただっきまーす!」

 お客たちが囲むまぁるいテーブルに並ぶのは、あったかな湯気を上げる蒸篭。かぶせられた蓋を外せばいっそう濃い湯気の先に――もふもふもふわふわの包子が並ぶ。
「こっちの焼き印入りはタケノコ入りの肉まんで~、こっちのはチーズたっぷりのピザまん!あっ、それは角煮まんだよ~、残った奴はエビカニたっぷり海鮮まんだねっ♪」
 ドドメキョンシーの楽し気な説明も相まって、ぱくりと食べれば口いっぱいに“おいしい!”が広がっていく。下には点心に欠かせないスープたっぷり小籠包の蒸篭に、餡たっぷりの桃まんやゴマ団子、あまく蒸したもち米粽が入った甜点心の蒸篭も待っている。ひとつ、ふたつ、と満足しながら空っぽにした蒸篭を横に避けていく…はずなのに、いつの間にか湯気の立つ新しい蒸篭がどんどんどんどん積みあがっていって。
「ちょ、キョンシーちゃん?俺たちこんなには頼んでないよ??」
「あ、いーのいーのこれサービスだから♪さ、もっと食べなよ。今日はもうじゃんじゃん食べてもらいたい気分なんだぁ。次は何にしようかな?栗入りの粽?それともシュウマイ?まだまだあるよ!」
「む、無理無理無理!そんなに食べられな…もがっ!?」
「いいからいいからほら、食べてよ、ね、ね?」

――もっともっともーっと…おなかがはちきれるくらい食べて行ってね!!

そういってドドメキョンシーが微笑み、ぎょろりと目玉が動いて客たちを見つめていた。

●ちまき、シュウマイ、月餅!
「ボクはさ…自分が行きたい依頼を予知する呪いでも持ってるんだよね…きっと」
 もしかして冒頭のドドメキョンシーは貴方ですか?みたいな恰好をした荒久根・ジジが、なにやらどんよりした空気を纏ってしゃがみこみ、床にのの字を書いている。どうやらこの食いしん坊、今回の食べ放題依頼を予知側に回ってしまったことが悔しいらしい。が、人の集まるのを感じてぷるっと首を振り、仕事モードに切り替えて背筋を伸ばした。
「はいっ!今回は戦争中のカクリヨに飛んでもらうよ~。とある点心を提供するお店の店主が、“もてなし衝動”を大爆発させてもーお客相手に振る舞い放題だって。」
 普段から気前の良さが売りの店ではあるが、今では客の腹具合などお構いなしの押し付け具合。逃げてもまた新しい客を引きこんで食えや飲めやの大騒ぎ、なのでそれを治めてほしいというのが依頼の趣旨だ。
「ま、といっても戦う必要はないよ。とにかく対抗するには…食べまくること!提供される点心を食べて食べて食べまくる!それで相手のダメージになるからね。はぁ…なんて夢みたいな依頼なんだ…やっぱりボクも行きたかった…」
 説明を話しつつショボン…と羽の混ざる髪をくるくるいじりながら、またもいじけた様子を見せるジジ。
「だだだ、だってね!あそこの点心は絶品だってすごく評判なんだよ~!ジューシーな肉まん、ぷりっぷりのエビ水餃子、あっつあつでも啜らずにいられないスープたっぷりの小籠包!それに加えて特にあまーい餡を使った甘味はめちゃくちゃ美味しいらしくて。小豆餡に白餡は勿論のこと、ちょっと変わり種でライチ餡とかソーダ餡の包子や月餅もあるんだよ!それに今なら普段は常連さんにしか出さない隠しメニューの“桃餡たっぷり桃園パフェ”も大判振る舞いって言うしさぁ!」
 普段は桃まんにだけ使われる桃の香りがする白餡をたっぷりつかったパフェで、付け合わせのクリームもレモンを混ぜた桃ゼリーもどれもが美味しい上に、たっぷりとあしらわれた生の桃はまるで翼のように盛り付けられていて、写真映えもバッチリらしい。
「うっうっ…断腸の思いで送り出すから、せめて皆おいしく食べてきてね!あっ、なんあらお土産があってもいいよ!それが無理ならお土産話だけでもー!」
 だけでもー!もー…もー…と、最後まで食い意地を発揮しつつ、グリモアを呼び出して転送を開始した。


吾妻くるる
こんにちは、吾妻くるるです。
今回は皆さまに、戦争真っただ中のカクリヨで任務について頂きます。
…というわけで点心食べ放題へご案内です。
戦争とは??

●基本説明
構成:絶品点心を食べつくせ!
戦闘:なし
判定:【おいしい】


●プレイングボーナス
=============================
プレイングボーナス……屋台グルメを食べまくる(戦わずともダメージを与えられます)。
=============================

●受付期間
公開直後から受付開始します。締め切り、進行などはMSページをご確認ください。戦争依頼なので完結を優先して再送なし、全員採用とはならない可能性があります。申し訳ありませんが、ご了承頂けるとありがたいです。(万が一たくさんいただけた場合は、似たメニューの別依頼を検討します!)

 ドドメキョンシーちゃんが点心を大判振る舞いしていますので、楽しく美味しく頂いちゃってください。冒頭に書いた様なメニュー以外にも点心系なら大概ありますので、お好きなものを頼んでください。点心以外も中華っぽいメニューならだいたい叶うと思います。ちょっぴり変わり種やチャレンジメニューはありますが、ポイズンクッキング的なものはありません。激辛や激甘やロシアン系などは言えば作ってもらえるかもしれません。が、頼んだ以上は食べきらないとドドメちゃんに口に押し込まれる可能性が高いです。気を付けて。


それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『ドドメキョンシー』

POW   :    いただきます!
自身の【身体や服の袖の口】が捕食した対象のユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、[身体や服の袖の口]から何度でも発動できる。
SPD   :    盗んじゃうもんね!
【振り回した袖】が命中した物品ひとつを、自身の装備する【服の袖】の中に転移させる(入らないものは転移できない)。
WIZ   :    ゆらゆらぴょんぴょん
【ゆらゆら揺れつつ楽しげに跳ね回る様子】を披露した指定の全対象に【「この子に自分の持ち物を渡したい」という】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠雨谷・境です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フロース・ウェスペルティリオ
美味しい点心が沢山頂けると聞いて。
ウチ一人で食べるよりも、沢山のナノさんにも一緒に食べて貰った方が、色んなお味を楽しめるかな、と。
後で情報共有するのです。

ナノさんは水まんじゅう姿。料理は情報収集がてら丸呑みしているよ。
ある程度食べたら戻ってきて、体内の『黒花印の目録本』へと料理を収納し、再びお料理回収もとい、当樽(旅団)の新メニューの参考にするためにも、情報収集に勤しみます。
あ、ウチはちゃんと食べてるよ。その分ゆっくりだけどねぇ。

ふふ、点心も美味しいし、キョンシーさんの動きも楽しいし、なんとなく親近感あるし、ウチもお返しに水まんじゅう(和菓子)あげたら良いのかな?
沢山あるので、沢山食べてねぇー



「こちらで、美味しい点心が沢山頂けると聞いて。」
 そういって、円卓の椅子を引いて座る黒い姿がひとり――フロース・ウェスペルティリオ(蝙蝠花・f00244)が、にこやかに手をあげる。注文の意を察したドドメキョンシーが嬉しそうにはいはーい♪と走りよると、正確にはその姿が“ひとり”じゃないことに気が付く。ぽこぽことテーブルに乗るのは、水まんじゅうの姿を取ったおでかけ仕様のナノさんたち。
「わぁ、ひーふーみー…団体さんだねっ!これは振る舞い甲斐もありそう。ささ、ご注文は?って、聞かなくてもオススメいーっぱい持ってきちゃうけどね、今日は」
「それで構わないよ、こっちもメニューを端から頼むつもりだったからねぇ」
「まぁ…まぁまぁまぁ!なーんてステキなご注文!!それならもう机に乗り切らない程積んじゃうからね!」
 大盤振る舞いじゃんじゃん持って来いオーダーに、それを待ってました!と言わんばかりに目を輝かせてドドメキョンシーが厨房から蒸篭を持ってくる。
「ナノさんに出てきてもらって正解かな。一緒に食べて貰った方が、色んなお味を楽しめそう」
 後で情報共有するのです、とふんわり湯気から広がる多種多様な香りに頬を緩めながら、ぱかりと蓋を開いてみる。そこに覗くのは真っ白な包子たち。焼き印が入ったのはタケノコが入ってるという肉まんか。今にも脂が滴りそうな茶色く煮絡めた豚肉が覗くのは角煮まん、よく見ればほんのり桜色が付いたものからは磯の香りがするので、エビやカニが入った海鮮系のようだ。ひとつの蒸篭にほっこりしているうちにも、小籠包にシュウマイ、ゴマ団子にあんまんとバラエティ豊かな点心蒸篭が崩れんばかりに積まれていくので、では頂きましょう、とナノさんにも勧めてから食べていく。
「はふっ…うん、もふもふしてるし、中身もジューシーでおいしいねぇ」
 包子はふかふかに柔らかく、肉汁たっぷりのあんも程よい塩気で、歯触りも心地よい。水まんじゅうナノさんにもその美味しさが分かる…のかはわからないが、ぷるぷる震えながら蒸篭の中身を呑み込んでいく姿は、ちょっと微笑ましくもある。
「わぁお!すんごい食べっぷり…飲み込みっぷり?だねっ」
「あ、この子たちは丸呑みだけど、ウチはちゃんと食べてるよ。その分ゆっくりだけどねぇ。」
 フロース自身がのんびり味わう傍らで、たっぷり点心を飲み込んだ水まんじゅうたちは一度手元へと戻らせ、体内の『黒花印の目録本』へと料理を収納していく。旅団の新しいメニューの参考にするつもりだったけれど、思った以上のデータ量が嬉しくて、思わずふふ、と笑い声が漏れる。――点心も美味しいし、キョンシーさんの動きも楽しいし、しかもなんとなく親近感すら感じる。なら、楽しい美味しい頂き物のお返しに、何かをあげたいと思って。
「キョンシーさん、水まんじゅうは好きかなぁ?よかったこれ、どうぞ」
「えっ、私に?これを??」
 あげるばっかりで、とんと“貰う”ことには意識がなかったのか、きょとんとした顔でドドメキョンシーが手に置かれた水まんじゅうを見る。ぷるるん、としたそれを口にすれば、不思議そうに固まっていた顔はみるみる笑顔になって。
「おーいしー!働いた体に甘いものが沁みるっ」
「沢山あるので、沢山食べてねぇー」
「やったー!あ、でも私だってまだまだいーっぱい!点心ご馳走しちゃうんだからねっ」
 空の蒸篭をご機嫌に片付けながら、新しい蒸篭を取りに向かうドドメキョンシーの背中を、楽しみねぇ、とフロースが微笑んで見送った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

百鳥・円
【花鳥】

薄紫の中華衣装で参加ですよう
もちろん気合十分ですとも!

ふっくらふわふわ点心!
早速いただいていきましょう
いただきまーす!

肉まんあんまん小籠包!
お勧めはどれも押さえておきたいですね?
火傷しないよーに慎重にいきましょ
じゅわっと零れる肉汁も
とろーりと溢れる餡子も
どれもと〜〜っても美味しい!

ふふー、まどかちゃんは幸せを噛み締めてます
よすがのおにーさんも良いお顔!

今日はカロリーとか邪なものは無視無視です
変わり種も攻めてみましょーか

桃餡たっぷり桃園パフェ!!
噂の裏メニューですね?美味しそう!
たーんと点心を食べたなら
〆のデザートといきましょーか

せっかくですし一緒に映りましょ!
ほらほら!はい、にっこり!


宵雛花・十雉
【花鳥】

点心って美味しいよね
白くてふわふわで
たまに食べたくなるんだ

その衣装、さては気合い十分だね
それじゃあ早速
いただきます

やっぱり定番の肉まんとあんまんは押さえておきたいな
齧ると中身は熱々で
思わず舌を引っ込めながらも慎重に食べていく
すごく美味しいよ

円ちゃん、いい食べっぷり
そうかカロリーのこと全然考えてなかった
今日くらいいっか

ライチ餡とソーダ餡は聞いたことないな
どんな味なんだろ
挑戦してみようかな…

桃餡たっぷり桃園パフェ…!
隠しメニューって聞くと食べてみたくなるんだよね
わ、すごい
見た目も豪華だ
折角だからパフェと一緒の写真、スマホで撮ろうか
こういうのUDCアースでは映えって言うらしいよ
に、にっこり!



「点心って、美味しいよね」
 店の中にふんわりと上がる湯気、蒸された包子のほんのり甘い香り、そしてあちこちの机の上を埋め尽くす蒸篭たち。
「白くてふわふわで…たまに食べたくなるんだ」
 ドドメキョンシーによって運ばれていくあの蒸篭の中身は何だろうか、と想像しながら宵雛花・十雉(奇々傀々・f23050)が目で追いかける。その視界の端にひらり、と見えたのは薄紫色の服の裾。刺繍が施された布地を飾るのは独特の紐飾り――そう、点心と発祥を同じくする、中華衣装の特徴。同じように蒸篭を追っていた百鳥・円(華回帰・f10932)がその視線に気が付いて、すっごくよくわかりますよぅ、と十雉ににっこりと笑みを向ける。
「円ちゃん、その衣装…さては気合い十分だね」
「もちろん気合十分ですとも!」
 美味しいものをめいっぱい食べる――その為ならば、と勝負服もかくやの雰囲気を纏いながら、円が給仕帰りのドドメキョンシーをひらりと手を上げ呼び止める。いかがしましょう?と尋ねる声に肉まんあんまん小籠包!と、基本かつ王道のラインを押さえた注文で応え、十雉も肉まんとあんまんは押さえたいね、と納得の頷きを入れる。迷って決めきれない残りの蒸篭は店主のお勧めにお任せ。そして数分と立たないうちにほっかほかに蒸された蒸篭が、二人のついたテーブルに並べられる。最初に目の前に置かれた蒸篭のふたを開ければ、真白のもふもふ包子がぎゅっ!っと詰まっていて。
「うわぁ…!これはもう、埋もれちゃいたいくらいのふっくらふわふわ点心ですね!早速いただいていきましょう」
「熱々もご馳走のうちだしね。それじゃあ早速…いただきます」
「いただきまーす!」
 二人がせーの、で大事な一口目に選んだのは焼き印入りの肉まん。火傷しないよう上がる湯気をふうふうしながら頬張れば、見た目のイメージを裏切らないもふもふ食感が口いっぱいに広がる。そして追いかけるようにたっぷりの肉汁を含んだ肉だねの程よいしょっぱさに、シャクシャクと歯触りのいいタケノコの食感が合わされば、無敵のおいしさに知らず頬が緩んでいく。次に十雉が手にしたのは小籠包。レンゲに乗せて零さないよう皮を破ってそうっと啜るも、熱々のそれはやっぱり少し舌先にぴりりとくる。でもそれ以上にうんと旨味を凝縮したスープが美味しくて、慎重さを見せながらも箸がどんどんと進んでいく。円も手にしたあんまんをぱかりと割って、溢れた湯気に混ざる甘い餡の香りに笑みをほころばせる。肉まんよりもいっとうふんわりした包子はもう頬擦りしたいほどの柔らかさだし、甘いながらちっともくどさを感じさせないよく練られた中華独特の小豆餡がたまらず、あっという間に食べ終えてしまったほど。でも目の前にはまだまだ蒸篭が並んでいて、中にはシュウマイもゴマ団子も水餃子もお待ちかねという、夢のような光景が待っている。
「ふふー、まどかちゃんは今…幸せを噛み締めてます!」
「うんうん。円ちゃん、いい食べっぷりだもんね」
「そういうよすがのおにーさんも良いお顔!今日はカロリーとか邪なものは無視無視です」
「そうか、カロリーのこと全然考えてなかった…ま、でも今日くらいいっか」
「そうそう、美味しいものの前で数字なんか野暮ってものです。さ、変わり種も攻めてみましょーか」
「そうだな…ライチ餡とソーダ餡は聞いたことないな。どんな味なんだろ」
「じゃ、それにしましょう!すいませーん、追加お願いしまーす!」
 そう注文を入れて運ばれてきたのは、ライチ餡の乗った豆腐花にソーダ餡入りの月餅だ。豆腐花は名に見る通り豆腐に似たほんのり甘いデザートで、ライチの薫り高くさっぱりめの餡とつるりとした豆腐花の食感が合わされば、幾らでも食べられそうな気がするほど。そしてソーダ餡の月餅は、一口齧ると皮の香ばしさにシュワシュワ弾けるソーダの口当たりが面白く、そして意外とバランスの取れた甘みが癖になる組み合わせだった。面白いねぇ、美味しいです!と言葉を交わしながら食べ進めていると、それが嬉しかったのか横からひょいとドドメキョンシーが顔を出す。
「やーおふたりさん、良い食べっぷりだね!素敵!ね、ね、でもまだ食べられそうじゃない?次はこれなんてどう?」
 と、話ながらズズイと勧めるその手には、桃色の盛り付けが目を引くすらりと高いグラスが2つ握られていて。 
「あっ!」
「それって…」
「「桃餡たっぷり桃園パフェ…!」」
 差し出された豪華なパフェに、思わず心当たりのあった名前をハモってしまう。
「噂の裏メニューですね?美味しそう!」
「隠しメニューって聞くと余計食べてみたくなるんだよね…」
「ふっふーん、普段はお得意様だけの特別メニューだけど、今日は大盤振る舞いだからねっ!それに二人ともいーっぱい食べてくれたし、どーぞどーぞ召し上がれ~♪」
 期待を込めた眼差しに応えるように、気前よくニコニコでパフェが差し出された。さすが人気の裏メニュー、透明なグラスに桃ゼリー、桃餡、ジュレ、桃餡、生クリーム…といった具合に重なった層は美しく、そしてなんといっても薄くスライスした生の桃を翼のように飾り付けた天辺は崩すのがもったいないくらいのインパクトがある。
「わ、すごい。見た目も豪華だ。こういうの、UDCアースでは“映え”って言うらしいよ。」
「へぇ、勉強になりますね!」
「じゃあ折角だからパフェの写真、スマホで撮ろうか」
「いいですね!それと一緒に映りましょ!ほらほら、よすがのおにーさんもっとこっちよって!はい、にっこり!」
「えっ、あ…に、にっこり!」
 円が構えたスマホに、桃園パフェとふたりぶんの笑顔を収めて。ちょっぴりぎこちない所はご愛嬌と笑い合って、いざ切り崩して頬張った桃園パフェには、この後たくさんの“美味しい!”が浴びせられた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

千々波・漣音
【漣千】

おお、点心美味そうだなァ!
オレは小籠包が好きだ
折角だから沢山食おう…って、何で競争!?

いや…ちぃ、手当たり次第すぎねェか
まァ食うほど幽世救えるし、いっか…
てか、これって…点心デート、じゃね?(ちらっ
…うん、ちぃには食い気しかないって、知ってる…!(不憫

小籠包は火傷に超注意
でもオレ様は神格高いデキる男だから、少し冷ましとくか
って!それオレが冷まして……!
…ふごっ!?アッ、熱ッ!!?(火傷

パフェも勿論食うぞ(よろよろ
お、SNSでバズりそうな映えるパフェじゃねェの!
食べる前に写メ…ってアッお前、何食べ……ふがッ!?
ん…た、確かに…最高かも、な
もぐもぐ一人勝手に幸せ噛みしめつつ(でもただの不憫


尾白・千歳
【漣千】

いい匂いがするー!
点心!?むっ、どれも美味しそうで迷っちゃうな…
よーし、さっちゃん、どっちがいっぱい美味しい点心食べられるか競争しよ!

選好みせず、目についた点心をパクパク食べる方針
だってどれもいい匂いだから、きっと何でも美味しいはず!
角煮まんは白い皮はふかふかで、甘辛お肉のお味もいい感じ!
ライチ餡とかソーダ餡とか初めての味
デート?あーうん、そうだねぇ(適当
そんなことより、いい感じの小籠包発見~(パク
え?食べちゃダメ?ごめんごめん、これあげるよ(出来たて押しつけ

このパフェすっごい豪華!
さっそく…!(写真無視
うーん、美味しい!さっちゃんも早く食べなよー(口に桃を突っ込み
ね、最高でしょ?



 ふんわりと上がる湯気に、高くまで積まれた蒸篭。あちらこちらでそれをパカッ、と開くたびに、おなかの空くような良い匂いが漂ってくる。そんな点心を提供する屋台を前に、千々波・漣音(漣明神・f28184)がパッと顔を明るくする。
「おお、点心美味そうだなァ!」
「点心!?むっ、どれも美味しそうで迷っちゃうな…」
 連れ立つ尾白・千歳(日日是好日・f28195)も、点心と聞くとピピン、と耳を立てて歩み寄り、空いた席を見つけるや否や、食べる気満々で着席して見せる。
「オレは小籠包が好きだから、そこは外せない…」
「よーし、じゃあさっちゃん、どっちがいっぱい美味しい点心食べられるか競争しよ!」
「おう、折角だから沢山食おう…って、何で競争!?」
 平和に美味しく頂こう、という腹積もりだったのに、気が付けば何故か競争にもつれ込んでいて驚く漣音。そのまま承諾も得ずに既にやる気満々で千歳がオーダーを入れ、もてなしたい欲が暴走中のドドメキョンシーが見事な連携を決めて、あっというまにテーブルが蒸篭で埋まっていく。
「んーこの角煮まん、白い皮はふかふかで、甘辛お肉のお味もいい感じ!」
 そして蒸篭の蓋を開けては右から左へパクパク、パクパク。選好みせず、目についた点心をとかく食べ進めるスタイルに。
「いや…ちぃ、手当たり次第すぎねェか」
「だってどれもいい匂いだから、きっと何でも美味しいはずだし!んっ、このライチ餡とかソーダ餡とか初めての味…おもしろーい!」
 言葉通りの食べようにちょっぴり呆れかけたけれど、どれも美味しそうに頬張っているので、「まァ食うほど幽世救えるし、いっか…」と軽く流すことにした。それより何より“点心”“ふたりっきり”“並んで食事”というキーワードから、今の状況を推察するに。
「てか、これって…点心デート、じゃね?」
 ハッ!と今が漣音にとっての“オイシイ”状態なことに気が付いて、デート、の言葉を強調しながら千歳の方へチラチラッと視線を送る。
「デート?あーうん、そうだねぇ…わ、この焼売ジューシー!おいしい!」
 一応肯定…っぽい?言葉は返ってきたが、恐らく秒で忘れて次の点心に飛びついていく姿に。
「…うん、ちぃには食い気しかないって、知ってる…!」
 絞り出すように呟いて、漣音がさめざめと涙を流した。そして勝負はともあれ、とりあえず美味しい点心のご相伴にはあずかろうと適当な蒸篭を開けると、運よくお目当てが顔をのぞかせた。
「おっ、小籠包みっけ。小籠包は火傷に超注意…でもオレ様は神格高いデキる男だからな、少し冷ましとくか」
 と、レンゲに掬い上げた小籠包が冷めるのを待ち、程よくなったところで口へ運び――かけたのだが。
「あ、いい感じの小籠包発見~」
 ひょいパク。
「って!それオレが冷まして……!」
「んむ…美味しい!って、あれ?これ食べちゃダメなやつだった?ごめんごめん、代りにこれあげるよ」
「え、何、もしかしてあーんとかしてくれ…」
「ない。」
 ズボッ。
「…ふごっ!?アッ、熱ッ!!?」
 寄りにもよって蒸篭から出したてのアッツアツ小籠包を口に突っ込まれ、憐れ漣音が悶絶しながら本日二度目の涙を流した。
「あっはっは!仲良しサンなんだねぇ~☆今日はもう大判振る舞いサービスデーだから、そんな2人にはこれもあげちゃう!つめたぁいから、お口の火傷にもちょうどいいかもよっ?」
 そんな突っ込み悶絶の流れを見てトトト、と歩み寄ってきたドドメキョンシーが、テーブルの真ん中に置くのはたっぷりと桃が盛り付けられたパフェグラス。
「うわ、このパフェすっごい豪華!」
「うっ…パフェ?パフェも勿論食うぞ」
 はしゃぐ千歳の声に、よろよろと起き上がってきた漣音がテーブルのパフェを見て、一気に復活を遂げる。
「お、SNSでバズりそうな映えるパフェじゃねェの!これはもう食べる前に写メ…」
「よーしさっそく…!」
 ザクッ。
 漣音がスマホを構えるのと、千歳がパフェの天辺を容赦なく抉り取る音が響いたのは、ほぼ同時だった。2度ある不憫は3度目もある。
「…ってアッお前、何食べ……まだ撮ってねーのにっ!!」
「うーん、美味しい!さっちゃんも早く食べなよー、ほらっ」
「……ふがッ!?」
 響く悲鳴も何のその、桃園パフェにご満悦な千歳が掬った二匙目は、漣音の口に押し込まれて消える。そして。
「ね、最高でしょ?」
 そこに浮かぶのは、満面の笑み。その言葉は、パフェの美味しさに対するものだと分かってるし、さっきのも早く食べればいい、という思いの表れだと知っている。――しかもデートってコトは適当に流されたし、口の中は火傷したし、映えなパフェは撮る前に崩されたし。でも、それでも。そんな風に微笑まれたら。
「ん…た、確かに…最高かも、な」
 一人噛み締める甘いパフェは、確かに幸せの味がした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リンゴ・スターアップル
食べまくれば良いなんて、いいお話だなあ
じゃ、『みんな』と一緒に食べに行こう!

こんにちはー☆魔法少女スターアップルでーす☆
それから、UCで、オウガに食べられたアリスの亡霊の皆と、牛鬼を召喚するよ
いつもは迷宮を食べて貰ってるけど、今日はいっぱい食べていいからね!

と言う訳で点心とか饅頭、春巻、色々貰おうかな!
あ、でもお肉は少な目が良いかな
みんな、肉には抵抗あるだろうから……あ、牛鬼くんは大丈夫かな。
だからお野菜多めでおねがいしまーす!

うんうん、美味しいね、良かったね
皆は餓えて、満足に食べられないまま、食べられちゃったもんね
うんうん、今日だけは一杯食べよう!
キョンシーちゃーん、もっとー!



「食べまくれば良い…なんて、いいお話だなあ」
 ここはカクリヨファンタズム。世界を滅ぼそうと暗躍するオブリビオンと、それを食い止めんと奔走する猟兵とで戦争真っただ中…のはずなのだが、今リンゴ・スターアップル(魔法少女スターアップル・f19739)が見つめる店先では、美味しそうに点心を頬張る人であふれていた。一応これも“食べまくればダメージが入る!”というルールの戦闘ではあるのだが、見る限りは何とも平和な光景だ。そして食べる量が多いほどダメージも増える、ということならば。
「じゃ、『みんな』と一緒に食べに行こう!…こんにちはー☆魔法少女スターアップルでーす☆」
 名乗りと共に、発動させたユーベルコードで呼び出すのは雄々しく立つ牛鬼とその肩越しにふわりと降り立つ――“いつか”のアリスの亡霊達。
「いつもは迷宮を食べて貰ってるけど、今日はいっぱい食べていいからね!」
 空いた席へと着きながらリンゴがにこやかに告げると、アリス達が心なしかそわそわとした様子を見せた。その様子を嗅ぎつけるように、オーダー票を持ったドドメキョンシーが嬉しそうにテーブルへと駆けつける。
「はぁいお待たせ!いっぱいのお客さんは大歓迎だよ☆さ、さ、ご注文は?」
「それじゃあ点心とか饅頭、春巻、色々貰おうかな!」
「やったぁぁ!!いっぱいとか大盛りとか私、だーいすきっ!」
「うんうん!あ、でもお肉は少なめがいいかな。みんな、肉には抵抗あるだろうから……」
 気遣うようにちらり、とアリス達に視線を送ると、数体が頷くような仕草を見せる。此処に居るのは、アリスの国で酷い目にあった子たちばかり。その中には肉に抵抗を抱かせるような出来事もあっただろう。なら、今日は憂いなく楽しんでほしいから、と注文を少し変えていく。
「あ、でも牛鬼くんは大丈夫かな。だからお肉は少な目、お野菜多めでおねがいしまーす!」
「はいはーいまっかせてー!うちはお野菜も美味しいからねっ!」
 自信たっぷりにオーダーを受けて、ドドメキョンシーが厨房へととって返す。そして物の数分で机を埋め尽くすほどの蒸篭が並べられた。まずは春雨とタケノコの春巻、トマトとチーズのピザまん、ぎっしり詰まったコーンまん、ちょっぴり愉快な仲間を思わせるひよこやパンダの形をしたカスタード入りの動物まん…それと牛鬼くん用に分けた蒸篭には、定番の肉まんやシュウマイも届けられた。初めは恐る恐る伸ばされたアリスの手も、最初の1人が齧りついて美味しそうな顔をした途端、私も私も!と次々に手が伸びて、アリス達が蒸篭をどんどんと空にしていく。牛鬼くんもぐもぐもと肉まんで口をいっぱいにしているあたり、とても満足そうだ。
「うんうん、美味しいね、良かったね。」
 嬉しそうに頬張る姿が嬉しくて、リンゴが目を細めて微笑み見守る。――皆は餓えて、満足に食べられないまま、食べられちゃったもんね、と小さく呟く声は、点心に夢中になっている皆には届かない。だが、ひとりのアリスがふとどうしたの?といった視線を向けてくるのに気づいて、なんでもないよっ☆と笑みを返す。
「うんうん、大丈夫!今日だけは一杯食べよう!よーしキョンシーちゃーん、もっとー!」
「はいはーい、よろこんで!」
 無念も恐怖も、今ばかりは美味しいに塗り替えて忘れてしまって。お腹いっぱい食べようね、とリンゴがたくさん注文を重ねていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

包・依然
不謹慎なんですけど屋台で食べ放題って最高じゃないですか?えーと…こちらの屋台は点心のお店ですか?(ひゃっほーいとテンション高く席に着いて)
(UC【医食同源】発動←いっぱい食べる為)

店主さん!店主さん!まずはおすすめの包子と小籠包を!
(はふはふしながら美味しくいただいて)
やはり点心最高ですね。
ひゃあ、料理人としての血が騒ぐ〜もてなしたい欲とかわかりみしかない。
けどけど今日の私はお客さん沢山食べます…!
店主さん!店主さん!どんどん持ってきてください。

(お腹がいっぱいになったらピタリ食べるのはやめて)お残しは食材にも料理人さんにも失礼ですからね…ごちそうさまでした!



「戦争中に不謹慎なんですけど…屋台で食べ放題って最高じゃないですか?」
 ふんわりと上がる湯気に、鼻をくすぐる美味しそうな香り。あちこちに見える食を楽しむ人々の姿からは、およそ今いるカクリヨの世界が戦争中とは思えないけれど、と包・依然(瑞獣の超級料理人・f32887)が首を傾げつつもあちらこちらの屋台を覗く。すると、赤い中華提灯が飾られた店からひときわそそられる香りが届いて。
「えーと…こちらの屋台は点心のお店ですか?」
 積まれた蒸篭から漂う香りに、たまらずひゃっほーい!とテンション高く空いた席に座り、いち早く注文すべくめいっぱいに手を伸ばす。
「店主さん!店主さん!まずはおすすめの包子と小籠包を!」
「はいはいドドメちゃんにお任せあれっ☆すーぐにもってきちゃうからねっ」
 注文は逃すまい、ともてなし衝動大暴走☆中のドドメキョンシーが厨房からあっという間に沢山の蒸篭を運んでくる。目の前に置かれた蒸篭のふたを外せば、ふわっと上がる湯気の先に真っ白でふかっふかの包子が覗く。たまらずはふはふと火傷しないよう気を付けながら頬張れば――もふっとしてほんのり甘い包子、じゅわっと溢れる肉汁、シャクシャクと歯触りのいいタケノコ…つまり。
「んん~~~美味しい!やはり点心最高ですね。」
 濃すぎないのに後を引く味のバランスが絶妙で、店の客入りの多さも納得の味わい。続く小籠包も熱々のスープに溶け込む滋味深さに思わず次々と箸が進んで、ちょっぴり舌先を火傷したり。そして依然が美味しく点心を頬張っている間にも、あちこちに堆く積まれた蒸篭が運ばれていくのが目に留まる。
「うわぁ…あんなに沢山の量を…ひゃあ、料理人としての血が騒ぐ〜!もてなしたい欲とかわかりみしかない。」
 お客さんには美味しいものをめいっぱい食べてほしい、というのは古今東西どの料理人にもある欲望だろう。それを余すことなく発揮できるなら、ドドメキョンシーの張り切りようも分かるというもの。何なら自分も!と思わず立ち上がりたくなるけれど、我慢我慢。
「けどけど今日の私はお客さん…持て成してもらう代わりに沢山食べます…!店主さん!店主さん!どんどん持ってきてください。」
「やったー!!おかわり、おかわりだね!?きゃっほーい!私おかわりだいすきだよっ」
 追加オーダーに体中の目を輝かせて厨房に引っ込むドドメキョンシーを、わかるっ…と深い同意の顔で頷きながら見送った。

「さて…流石にお腹いっぱいです。お残しは食材にも料理人さんにも失礼ですからね…ごちそうさまでした!」
 その後もシュウマイ、桃まん、ゴマ団子…と一通り気になったメニューは制覇し、程よくお腹が満たされたところで終わりの言葉を口にする。が、今のドドメキョンシーは蒸篭が空いたとなれば、腹具合など関係なく追加を持ってくるだろう。なのでその前にパチン、と手を合わせて会釈し、他のテーブルの注文を取っている間にこっそりと席を外す。美味しかったですよ、と軒先に小さく言い残す依然の顔は、とても満足げだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティア・メル
【夜獣】

んにー
わたしは何にしようかなあ
迷っちゃうんだよ

わわっ美味しそうだね
ありがとう
受け取って早速一口
ん!すごい
噛んだらじゅわって肉汁が溢れてきたよ
ふふふーすごい美味しいね

ユオはどんな世界にも
取引相手が居るんだと思ってたよ

そうなの?焼売も初めて食べるかも
んふふ、ありがとうなんだよ
焼売もあーん
ん、これもじゅわっと溢れてくるね
本当だ、こんなに小さいのに味がしっかりしてる

桃色のがあるんだよ
かぁいくて美味しそう
ふみふみ、桃あんまんっていうんだね
ユオ、どーぞ
うんっ
半分こにしてユオと分け合いっこ
あんまんって言うだけあって甘いなあ
食後のデザートにぴったりかもしんないね
十分に舌鼓を打ち
この時間にもごちそうさま


ユオ・ノート
【夜獣】

美味そうなもんばっかだな。何から手を付けるべきが逆に悩んじまう。
ティアは食うもん決めてるか?
俺は肉まんだろ。小籠包だろ。焼売も良いな。
肉まんから食うか。
半分にしたら肉汁が溢れてヤバいのなんの。

こっちはティアの分な。
肉汁が溢れて来るから気をつけろよ。
うま。こっちの世界には取引相手が居ないんだよな。
これを機に開拓してみるのも手だな。

焼売って好きなんだよな。こんなに小せぇのに味がしっかりしてるんだぜ?
ティアにもあげよう。
俺にもくれるのか。桃色のか。そりゃあ甘くて美味いだろうな。
これも半分に分けようぜ。
デザートか。言えてる。
美味かったな。んじゃ、いっしょに
ごちそうさまでしたさまでした!



「――あれもこれも、ああそれにこれと。全部ゼェンブ召し上がれ!今日はいっぱい持て成したいから、なにもかもを大判振る舞いダヨッ☆」
 空いた席に着くや否や、目ざとく駆け寄るドドメキョンシーが蒸篭をたんと積み上げていく。その圧巻の様子を写して、ティア・メル(きゃんでぃぞるぶ・f26360)が飴玉のような瞳をぱちりと瞬かせた。
「んにー、わたしは何にしようかなあ」
 こんなにあると迷っちゃうんだよ、と白い指先が開ける先を選びきれずに右へ左へと揺れる。
「美味そうなもんばっかだな。確かに、何から手を付けるべきが逆に悩んじまう。」
 隣に座ったユオ・ノート(夜鳴鶯・f25179)も、蒸篭から上がる湯気にスン、と鼻を鳴らしながら思案げな表情を浮かべる。
「ティアは食うもん決めてるか?」
「どうかなぁ…ユオは?」
「俺は肉まんだろ、小籠包だろ…焼売も良いな。」
 そう言いながら、適当に手近な蒸篭のふたを開けてみると、ふわりと広がる湯気の先に眠っていたのは。
「ああ、ちょうどいい。肉まんから食うか」
 真っ白な包子に焼き印が押された、店自慢の肉まんだった。熱々のそれを火傷しないようそっと掴み、ぱっくりと半分に割る。それだけでこぼれそうになる肉汁をふわふわの包子が吸いあげる様子は、見ているだけでも味への期待が高まっていく。
「こっちはティアの分な。肉汁が溢れて来るから気をつけろよ。」
「わわっ美味しそうだね。ありがとう」
 半分ずつを手に取り合って、早速零さないうちに一口齧ると、ふたりの目がぱっと大きく見開かれる。
「ん!すごい、噛んだらじゅわって肉汁が溢れてきたよ」
「うま。半分にしただけでも肉汁ヤバかったからな。こりゃすごい」
 小籠包もかくやの溢れるスープに、ほんのり甘みのあるふかふか包子。うまみを確りと引きだした肉だねに混ざるタケノコは、シャクシャクと歯触りのよさを演出している。この味を手軽に食べられるとあっては、人の気を引くには十分な素質を感じる。
「こっちの世界には取引相手が居ないんだよな。これを機に開拓してみるのも手だな。」
「へぇ、ユオはどんな世界にも取引相手が居るんだと思ってたよ。」
 ちょっと意外、と呟くティアには、その内そうなるかもな、と最後のひとかけらを口に放り込みながらユアが口の端を少し上げた。そして肉まんを完食して次の蓋を開けると、今度は小さな焼売が蒸篭一杯に詰まっていた。
「焼売って好きなんだよな。こんなに小せぇのに味がしっかりしてるんだぜ?」
 ほら、と差し出されるひとつにはティアが素直にあーんと口を開いて食べると、口の中にじゅわわ、とうまみが広がる。
「ん、これもじゅわっと溢れてくるね…本当だ、こんなに小さいのに味がしっかりしてる」
 肉まんとはまた違った肉だねは、一口サイズなのにガツンと主張のあるおいしさで、おかずとしての人気も頷ける。しっかりした味でそこそこ量もあったのに、ふたりで食べればあっという間にまた一つ蒸篭が空いて、次はわたしが、とティアが新しい蓋を開ける。そこに見えるのはころん、としたサイズが愛らしい桃色のまんじゅう。
「桃色のがあるんだよ。かぁいくて美味しそう」
「あ、それはね~桃あんまんだよっ☆うちは餡にちょーっとウルサイからね。中でもその桃餡はとーっておき!うちの看板ってくらいなの!」
 と、丁度テーブルの空の蒸篭を下げに来たドドメキョンシーが、桃まんの自慢交じりの説明を話してから去っていく。
「ふみふみ、桃あんまんっていうんだね。じゃあこれも…ユオ、どーぞ」
「俺にもくれるのか。」
「うんっ、半分こしよ」
「ああ。自慢の桃餡…そりゃあ甘くて美味いだろうな。」
 期待を込めてぱくりと一口齧れば、まず感じるのは鼻をふわりと抜けていく瑞々しい桃の香り。そしてしっとりとした白餡の甘さ。
「あんまんって言うだけあって甘いなあ…食後のデザートにぴったりかもしんないね。」
「デザートか。言えてる。」
 しょっぱい味付けのものが続いた口に、優しくほどけていく甘味は沁みるような美味しさで。程よくふくれたおなかの、正しく〆に相応しい逸品となった。
「んにー、もうお腹いっぱい…満足しちゃった」
「どれも美味かったもんな。んじゃ、いっしょに」

――ごちそうさまでした!
――ごちそうさまっ

楽しい美味しい時間に終わりを告げて。重なる声には同じように、満たされた笑顔が浮かんでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リュカ・エンキアンサス
晴夜お兄さんf00145と

よし食べよう
実のところ俺は美味しいは全くわからないけれども、食べるのはたくさん食べる
なんで右から左へ同じものが被ろうが気にせず頂いていく

…え、何、お兄さん
楽しむ…自分で作るならまだしも、食べるだけ、だし
味が一緒…なるほど。俺は気にせずとも、お兄さんは気にするかもしれない
よし。ここはお兄さんのために俺がなんとかしよう
(どっかの屋台で
すみません、タバスコ大量にあります?
ない?甘いものなら?わかりました。じゃあその山盛りの甘いスープをこの点心に…
なぜ止める。解せぬ(純粋にお兄さんのためを思ってるのに
いや、甘みが強くていいと思う。はいあーん
(無理やりお兄さんに点心を詰め込んだ


夏目・晴夜
リュカさんf02586と

よし食べましょう
肉とか色々食べましょう
シメには桃園パフェ食べましょう

…なんかさっきから同じのばっか食べてません?
こんなにも種類があるというのに同じやつばっか
もっと点心に関心持って全身で楽しみましょう!
あのですね、リュカさん。これ恐らく全部タダなんですよ?
金には困ってないけど人の金で飯を食うのは大好きなハレルヤとしましては、タダ飯は様々なものを食べまくって味比べするのがオススメです
ほら、この偉大なるハレルヤを見習って肉とか肉とかの様々な味を楽しみましょう!タダで!

いやいや何やってるんですか!
それはマジで駄目なやつです
食べなくてもわかる。クソ不味い
うわ、自分で食べ――(完)



 あちこちからふんわりと昇る湯気。どのテーブルにも堆く積まれた蒸篭の山。そして何より鼻をくすぐる美味しそうな香り。いかにも平和そうな屋台の店先に見えて、ここはカクリヨファンタズムの戦争最前線。人々がどんなに顔をほころばせていようとも、映えなパフェを前にスマホを構えていようとも、食すことにより相手を制す戦場なのだ。――なれば。
「よし食べましょう」
「よし食べよう」
 夏目・晴夜(不夜狼・f00145)とリュカ・エンキアンサス(蒼炎の旅人・f02586)が並んで卓に付き、同じ台詞を口にした。
「肉とか色々食べましょう。シメには桃園パフェ食べましょう。あ、注文良いですか。肉と肉と肉で」
「はーいお肉系多めね!リョーカイよ~♪すぐ持ってくるからねっ!」
 オーダーの内容に一切の疑問を挟まず、ドドメキョンシーが嬉しそうに厨房とテーブルを往復し、蒸篭を山と積んでいく。そして告げたとおりに肉まん角煮まんシュウマイに小籠包、とお肉たっぷりのラインナップとあっては、これには晴夜もニッコリ。対するリュカはというと、届いた蒸篭にいただきます、と手を合わせた後は、表情を変えることもなく黙々と点心を口に運んでいく。――実のところ、リュカには“美味しい”は全くわからない。けれども、食べるぶんにはたくさん食べる。ので、右から左へ同じものが被ろうが気にせず頂いていく。

肉まん、肉まん、シュウマイ、シュウマイ、シュウマイ、水餃子水餃子水餃子…

手に届く蒸篭と引き寄せては開き、中に入った点心を食べて空にしていくばかりのリュカ。そして今食べきったのと同じ水餃子の蒸篭を引き寄せても、気にせずそのまま口にしようとしたところで――ガシ、と晴夜に手首をつかまれた。
「…なんか、さっきから同じのばっか食べてません?」
「…え、何、お兄さん」
「こんなにも種類があるというのに同じやつばっか。もっと点心に関心持って全身で楽しみましょう!」
 点心の醍醐味の一つはその種類の多さにある。全メニューを制覇できず自らの胃袋の小ささを嘆くものもいる中で、食べられるだけのポテンシャルを持ちながら味の違いを楽しまないのは実に勿体ない。
「楽しむ…でも自分で作るならまだしも、食べるだけ、だし」
 と、関心の薄そうな様子で首をかしげるリュカに、晴夜がこれ見よがしにハァァァ…と深いため息をついてから、きりっとした顔でテーブルの上を指さした。
「あのですね、リュカさん。これ恐らく全部タダなんですよ?金には困ってないけど人の金で飯を食うのは大好きなハレルヤとしましては、タダ飯は様々なものを食べまくって味比べするのがオススメです」
 自慢にしていいのか悩む内容をいかにも真っ当そうに演説しつつ、近くの蒸篭を引き寄せてリュカに見せつける。
「ほら、この偉大なるハレルヤを見習って肉とか肉とかの様々な味を楽しみましょう!タダで!」
 改めて力強く“タダ”であることを強調しながら、肉まん肉焼売角煮まん辺りをずずいと目の前に進めると、リュカが何かを悟ったように頷いた。
「味が一緒…なるほど。俺は気にせずとも、お兄さんは気にするということか。よし。ならここはお兄さんのために俺がなんとかしよう」
「いやハレルヤのことではなくてですね…、リュカさん?」
 呼び止める声もどこ吹く風、席を立ちあがると近くの別の屋台に歩み寄り、なにやら注文を付け始める。
「すみません、タバスコ大量にあります?…ない?甘いものなら?わかりました。じゃあその山盛りの甘いスープをこの点心に…」
「…いやいや何やってるんですか!」
 不穏な話の流れに珍しく慌てた晴夜が、リュカの肩を掴んで止めるも時すでに遅し。ボチャンボチャンボチャン、という無情な音を立てて小籠包がピンク色のあまーい香りがするスープにダイブしていくのが見えた。顔を揚げれば屋台の看板には『スイーツスープ☆専門店』とキラキラしく書かれているし、案の定出来上がったのは『小籠包in生クリームたっぷり♡春風薫る苺スープ(※商品名)』という地獄のような一品だ。100歩譲って桃まんとか月餅ならまだ救われたかもしれないのに、寄りにもよって沈んでいくのは小籠包だし、その沈みゆく先に選ばれたのは生クリームたっぷり♡春風薫る苺スープ(※商品名)。
「なぜ止める。解せぬ」
 至って真面目に正気にお兄さんを思っての行動を止められて、リュカが酷く不思議そうな表情を浮かべる。しかしこればかりは止めに掛かった晴夜の気持ちが痛いほどよくわかる。
「なぜも何もそれはマジで駄目なやつです。食べなくてもわかるクソ不味い」
「いや、甘みが強くていいと思う。はいあーん」
 点心を口に運んでいた時の関心の無さはどこへやら。このタイミングで今日一番の押しの強さを見せたリュカが、無理やりお兄さんに点心を詰め込もうとグイグイ口元に押し付けて。
「うわ待っ、自分で食べ――」
 と、思わず静止しようと晴夜が口を開いてしまったが最後。

――ごっくん。

「…あれ、お兄さん?どうしたの、おーいお兄さ……、あ」



【夏目・晴夜の墓】

桃園パフェを前にして、憐れ食すことなく没す。

――完――

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

朱赫七・カムイ
【六道】

壮観だね
之が点心…何と食欲を擽られる

サユキ、私も初めてなんだ
楽しみだね
エンリ先輩に教わらねば
ふふ、存分に楽しもうか

サユキ、エンリ!
之は知っている
小籠包は気をつけて
そのまま食べると熱さで悶絶する
少し皮を破りスープを啜るのがいい

あ!サユキ…大丈夫?火傷はしていない?
冷たいもので冷ますかい?
餃子に、そーだ餡の包子もとても美味しいよ
エンリは食べてみたかい?

へぇ、ちまき
面妖な…然し美味しそうだ

桃の形のこれは実に可愛らしい
サユキ、気になるものは皆食べてみよう

すごい、桃園パフェ…私も早速頂こうかな
エンリもかい?あんなに沢山食べていたのに─成程、別腹か
違いない

美味なるものは幸を運び満たしてくれるのだね


波紫・焔璃
【六道】

んー!
和食とまた違ういい匂い
点心も熱いらしいから気をつけてね!

ぇえ?教示?
んー、あたしも本格的なのは初めてなんだよなあ…
ぁ!小籠包は中のスープも美味しいんだけど、すごーく熱いらしいよ
すみませーん、小籠包くださーい!
カムイ、経験したんだね…

んふふ
こっちの筍入りも、豚の角煮もとっても美味しいよ
ソーダもあるの!?食べたいなー

あ、ちまきもある!
んとね、簡単に言うと餅米の炊き込みご飯だよ!

ゎ、見て見て桃まんの中からちっちゃい桃まん!
ごま団子もおいし

ひゃー!桃園パフェおいしそー!
紗雪、食べよ食べよ
え?甘味は別腹なんだよ、カムイ
んー!桃の甘さとさっぱりなレモンがいい!

美味しいと楽しいで幸せいっぱい


氷守・紗雪
【六道】

何処も彼処もおいしそうな香りでいっぱいですねっ
わわ、もくもく湯気がすごいのです!
……熱そう、ですね

カムイさまも点心初めてですか?
ふふふ、ユキもです!初めて仲間さんですねっ
焔璃さま、またご教示お願いします!

まぁるいふかふかの包子が熱くてあわあわ
雪女の身なれど熱にはちょっとだけ強いユキなので――あつい!
あう、だいじょーぶです
お肉がじゅわーって広がるのですよ

小籠包は中のスープを、カムイさま物知りです!
ちまきはお米なのですね、もちもちしてますー
どれも食べてみたくて目移りしちゃいますね

わあっお二人とも大きな甘味ですよ
桃園ぱふぇというらしいです
一緒に食べましょう?
お腹も心もしあわせで満たされますね



 ふわふわと、あちこちからあたたかな湯気が上がる。誰かが蓋を開けるたびに、おなかの空くような良い香りが漂ってくる。そしてどのテーブルにも、山のように蒸篭が積まれている光景は、そう。
「壮観だね。之が点心…何と食欲を擽られる」
「んー!和食とまた違ういい匂い」
「何処も彼処もおいしそうな香りでいっぱいですねっ」
  朱赫七・カムイ(約倖ノ赫・f30062)が例える通りの光景に、連れ立つ波紫・焔璃(彩を羨む迷霧・f28226)と氷守・紗雪(ゆきんこ・f28154)もうんうんと同意を返した。これは期待できそうだと空いた席について注文を待つ傍ら、丁度近くで開けられた蒸篭からの湯気が、ふわっと一向に流れ込んできて。
「わわ、もくもく湯気がすごいのです!……熱そう、ですね」
「点心は熱いらしいから気をつけてね!」
 ごくり、と湯気を前に顔を引き締める雪女の紗雪に、頷きながら焔璃が注意を促す。
「ユキは点心初めてで…なんだかドキドキします」
「サユキ、実は私も初めてなんだ」
「カムイさまも?じゃあ初めて仲間さんですねっ。」
「ああ。となれば、共にエンリ先輩に作法を教わらねば」
「そうですとも!焔璃さま、またご教示お願いします!」
 先程の注意のせいか、にこやかに二人分の期待の目を向けられて、焔璃が虚を突かれたように首を傾げた。
「ぇえ?教示?んー、あたしも本格的なのは初めてなんだよなあ…」
 何か教えられるようなことは…と、ぐるぐる考えていると、ひとつ思いだしたことを伝えるべく指を立てた。
「ぁ!小籠包!あれは中のスープがすごーく熱いらしいよ。」
「サユキ、エンリ!…私も之は知っている」
 先ほどまでの穏やかな様子はどこへやら。小籠包と聞いて急に深刻な顔になったカムイに、つられて紗雪と焔璃もキュッと顔を強ばらせる。
「小籠包は気をつけて…そのまま食べると熱さで悶絶する。」
「悶絶…それほどまでに…!?」
 愛らしい大きさの食べ物、くらいに思っていた紗雪が、悶絶という言葉のインパクトにわなわなと震えた。
「噫、だから少し皮を破り、冷ましてからスープを啜るのがいい。」
「小籠包は中のスープを、カムイさま物知りです!」
「カムイ、あれを経験したんだね…」
 恐怖から打って変わって尊敬の視線を送る紗雪の傍らで、恐らく既に一戦交えた後だと推察できる具体的なアドバイスに、さぞ熱かっただろうな…と焔璃が一瞬目を伏せて同情する。けれど、小籠包は熱いだけの食べ物ではない。
「でもその熱さの分、すっごく美味しいらしいよ。食べ方も勉強できたし、試してみよう!…すみませーん、小籠包くださーい!」
 たとえ熱くとも、美味しいと聞けば食べずにはいられない。タイミングよく隣のテーブルから離れたドドメキョンシーを呼び止めて注文をいれると、彼女の体中の目がキラキラと輝いた。
「小籠包ね、まっかせて!ね、ね、他にもいろいろどう?肉まんあんまんエビ餃子にちまき…ああ!ソーダ餡なんかはきっとうちでしか味わえないよ!持ってきていいよね、ね!?」
「そうだね、種類には明るくないから、そのあたりは店主にお任せしようか」
「~~~~待ってましたぁ!!!おまかせ、オマカセねっ☆私お任せとかおかわりだいっっすき!待ってて、すーぐ持ってきちゃうから!」
 と、駆け出していくドドメキョンシーは生き生きとしていた。もてなし衝動のせいも勿論あるが、生来こうやって振る舞うことが大好きなのだろう。あっという間に両手いっぱいに蒸篭を抱えて、三人のテーブルにどん、ドン、ドン!!と積んでいく。
「うわわっ、これ食べきれるかな?」
「さ、三人ならばきっと…噫、でも無理はしないように。」
「美味しく頂ける範囲で頑張りましょう…では、いざ!」
 頂きます、と声を重ねて蒸篭を開けば、色とりどりの点心が顔を覗かせて、三人の顔にパッと花が咲く。甘いもしょっぱいもお任せあれ、なふかふかの包子に、笹の葉に包まれたもち米。中には金魚やパンダを象った水餃子もあって、目にも楽しい仕上がりだ。思わず手に取るまぁるいふかふかの包子が思いのほか熱くて、紗雪がちょっぴりあわあわしてしまったけれど。
「雪女の身なれど熱にはちょっとだけ強いユキなので――あつい!」
 あ、でもやっぱりちょっと熱かった。
「あ!サユキ…大丈夫?火傷はしていない?冷たいもので冷ますかい?」
「あう、だいじょーぶです。お肉がじゅわーって広がるのですよ」
 はふはふと息を吐きながら頬張ると、確かに熱いけれど口に広がる肉だねが何とも美味しい。時折シャクシャク、と良い歯触りがするのはタケノコだろうか。食感の違いも楽しんでいるうちに、気づけば両手で包むほどもあった肉まんが消えていた。
「あ、ちまきもある!」
「へぇ、ちまき。面妖な…然し美味しそうだ」
「んとね、簡単に言うと餅米の炊き込みご飯だよ!」
「ちまきはお米なのですね、もちもちしてますー」
 ぺりぺりと葉っぱを捲れば、其処に在るのはおにぎりのような見た目。そろり齧ると米よりもモチっとした食感に、柔らかく味の染みた鶏肉や栗がほくほくと優しい味わいをしている。他にも水餃子や焼売なんてしょっぱい系統以外にも、甘いものも充実していて。
「ゎ、見て見て桃まんの中からちっちゃい桃まん!」
「まぁ、なんて愛らしい…!」
「桃の形とは実に可愛らしい。そーだ餡の包子もとても美味しいよ、エンリは食べてみたかい?」
「ソーダもあるの!?食べたいなー、でもこっちのごま団子もおいしくて…!」
「どれも食べてみたくて目移りしちゃいますね」
「サユキ、気になるものは皆食べてみよう」
「はいっ!あ、でも多かったらその、三等分にしたりして…いいですか?」
「もっちろん!分けて食べればもっと種類が食べられるもんね」
「噫、それに分け合えばまた美味しさも増すというものだ。是非」
 そうやって、薦めて分けて食べ合って。蒸篭の温かさが移ったかのように、体がぽかぽかとあったまった頃。春先の陽気もあって、ちょっぴり口がさっぱりするような、それでいてひんやり冷たいような、そんなものが恋しい気分になる――そう、例えばパフェとか。
「みんないーっぱい食べてくれたね!素敵素敵ッ☆じゃあここらで『桃餡たっぷり桃園パフェ』はいかが?普段は隠しメニューだけど、今日は特別にどーぞだよっ!」
「わあっお二人とも大きな甘味ですよ。桃園ぱふぇというらしいです」
「ひゃー!桃園パフェおいしそー!」
「すごい、桃園パフェ…私も早速頂こうかな」
「紗雪、食べよ食べよ」
「エンリもかい?あんなに沢山食べていたのに」
「え?甘味は別腹なんだよ、カムイ」
「その通りです!ですから、一緒に食べましょう?」
「――成程、別腹か。違いない」
 言われてみれば、自分もそれなりに食べたはずなのに、パフェを前には思わず手が伸びる。なら、それこそ“別腹”ということか。そして何より桃餡を随所に挟みながらクリーム、レモン入りの桃ゼリー、羽のように飾った生の桃…と層になった見た目も美しいパフェを前には、我慢や遠慮なんてするりととけてしまう。掬ったひと匙を口に運べば、お腹の具合も忘れてパクパクとすすんでいき。
「んー!桃の甘さとさっぱりなレモンがいい!」
「食べるたびに少しずつ味が違って、飽きませんね!」
「香りもとても華やかだ…美味なるものは幸を運び、満たしてくれるのだね」
「うんうん、美味しいと楽しいで幸せいっぱい」
「お腹も心もしあわせで満たされますね」

あったか点心に華やかな甘露。それになにより、“はじめて”を一緒に食べる時間は、何物にも代え難くて。

――ごちそうさまでした!、と揃った三人分の声は、ふくふくと幸せそうな色をしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

グィー・フォーサイス
クラウン(f03642)と

ほんとだ、テーブルが回る!
楽しい!

僕はエビ水餃子と翡翠小籠包
いいね、月餅
ソーダとライチが気になるなぁ

おいしそー!
ってすぐに齧り付くと罠なのを僕は知っているよ
僕でも食べれるようにふーふーして冷まさなくちゃ
ふーふー
ん、エビがぷりぷりでおいしい!

何まんってそりゃぁ…
って、クラウン早い!正解!
クラウンは何まんが好きなんだい?

待った、クラウン!
小籠包は箸で摘むと穴が開いて中の汁が出てっちゃうよ!
翡翠小籠包をレンゲに乗せて実演
こうして汁をレンゲに逃がして少し冷まして食べるのさ

月餅は可愛いし美味しそうだ
ありがと、クラウン
んー、おいしー!

エビ水餃子おかわり!
あ、ちまきもくださーい!


クラウン・メリー
グィー(f00789)と

グィー、見て!テーブルがくるくる回るよ!
わくわくしちゃうね!

何頼もっか?俺はね、桃まんと小籠包!
後月餅?も食べてみたい!
ソーダとライチも頼んじゃお!

ひゃわー!とっても美味しそう!
頂きまーす!
桃まん!本物の桃みたい!
グィーは何まんが好き?

わかった!ピザとかパンが好きって言ってたからピザまんかな?
やった!当たった!
俺はね、あんまん!甘いのが好き!

小籠包を箸で掴もうとしたらぷつりと切れそうに
わ、わ!溢れちゃう!

わあ!そうやって食べるんだね!こうかな?
レンゲで掬ってはふはふっ
んんー、美味しい!

月餅って不思議な模様してるね!
はい、グィー!はんぶんこ!

桃まんもおかわりくださーいっ!



 ふんわり湯気の上がる蒸篭に、おなかの空くような美味しそうな香り。様々な屋台の居並ぶ中で、グィー・フォーサイス(風のあしおと・f00789)とクラウン・メリー(愉快なピエロ・f03642)が足を止めたのは、点心を提供する店だ。積み上げられた蒸篭が乗っているのはテーブルだが、ここは簡素な木の机で出す他の屋台とはちょっと違う。点心は中華、そして中華のテーブルと言えばそう、みんな大好き――“アレ”である。
「グィー、見て!テーブルがくるくる回るよ!」
「ほんとだ、テーブルが回る!楽しい!」
「わくわくしちゃうね!」
 沢山の料理を分けやすいように、とこの回転テーブルなのだが、何も乗ってない状態でくるくる回すのは最早当然のお約束。しかしもてなし衝動大爆発のドドメキョンシーが空っぽのテーブルをそう長く許す筈もなく、あっという間に駆けつけてご注文は?と笑顔で尋ねてきた。
「何頼もっか?俺はね、桃まんと小籠包!」
「僕はエビ水餃子と翡翠小籠包!」
「後、月餅?も食べてみたい!」
「いいね月餅。あ、ソーダとライチの餡も気になるなぁ」
「ソーダとライチ!それも頼んじゃお!」
 メニューを指さし期待を膨らませながらあれもこれもと頼むと、数が増えるごとにドドメキョンシーが明らかに嬉しそうにぴょんぴょん跳ねて、よろしくね!とオーダーを終えれば即座に厨房へ取って返し、山のような蒸篭と一緒に戻ってきた。なんだか頼んだ量よりもちょっと、いやだいぶ多い気もするが、それはそれ。ひとまず一番上の蒸篭を引き寄せて、パカッとふたを開ければそこにはプリプリ、ふわふわの点心がぎゅっと詰まっていて。
「ひゃわー!とっても美味しそう!頂きまーす!」
「おいしそー!じゃあ僕も…って、すぐに齧り付くと罠なのを僕は知っているよ」
 すぐに桃まんにかじりついておいしい!とご満悦なクラウンとは対照的に、慎重さを見せるグィー。そう、点心はどれもこれも蒸したてほかほか――つまり熱いのである。
「僕でも食べれるようにふーふーして冷まさなくちゃ…ふーふー…ん、エビがぷりぷりでおいしい!」
 けどそれもちょっぴりの用心で、あっという間に美味しさへと変わる。つるんとした皮にぷりっぷりの歯触り、海鮮ならではのうまみをぎゅっと凝縮した味わいに、グィーもにこにこの笑みを浮かべる。
「桃まんすごい!本物の桃みたい!グィーは何まんが好き?」
 瑞々しい桃の香りの餡に夢中になってあっという間に食べ終えたクラウンが、何気なく尋ねると、ピピンとヒゲを広げてグィーが答えようとした。
「何まんってそりゃぁ…」
「わかった!ピザとかパンが好きって言ってたからピザまんかな?」
「って、クラウン早い!正解!」
「やった!当たった!」
「そういうクラウンは何まんが好きなんだい?」
「俺はね、あんまん!甘いのが好き!」
 お互いのすきなものを教え合い、それならあれもこれも、と蒸篭を開けているうちに満を持して奥から出てきたのは、熱々ほかほかの小籠包。王道の白と目に優しい緑が交互に並ぶ蒸篭は見た目にも美しく、食べる前から期待が高まっていく。早速クラウンが小籠包を箸で掴もうとしたら、柔い皮がぷつりと切れそうになって、奥のスープがあわや零れる寸前まで顔を出す。
「わ、わ!溢れちゃう!」
「待った、クラウン!小籠包は箸で摘むと穴が開いて中の汁が出てっちゃうよ!」
 プニッとピンクの肉球を見せながら、グィーが待ったをかける。慌てて蒸篭に小籠包を置きなおし見つめてくるクラウンに、お手本となるようレンゲとお箸を持って実践。お箸でつまんだ翡翠小籠包は持ち上げず、滑らせるようにレンゲの上へと乗せて、その上で少し皮を破ってスープを逃がす。
「こうして汁をレンゲに逃がして、少し冷まして食べるのさ」
「わあ!そうやって食べるんだね!こうかな?」
 じっと見つめていたおかげか、直ぐにコツを得たクラウンのレンゲにも無事小籠包が乗せられて、程よく冷めた所で一緒にぱくり。
「んんー、美味しい!」
「お野菜の味が沁みてておいしい!」
「あ、ほんとだそっちも美味しそう!ね、俺もいっこ貰っていい?」
「いいよ!じゃあ僕も白い方もーらいっ」
 シンプルながら肉汁の味わい深い白皮も、野菜とスープの調和がとれた優しい味わいの翡翠皮もそれぞれに美味しく、ひとつ、またひとつと空の蒸篭が積まれていく。その合間にふとクラウンが蒸篭ではなく皿に乗せて提供されていた月餅に気が付き、ひょいと翳すように持ち上げた。
「月餅って不思議な模様してるね!」
「ほんとだ、これはお花かな?可愛いし美味しそうだ」
「はい、グィー!はんぶんこ!」
「ありがと、クラウン。…んー、おいしー!」
「あまーい!んでもって…香ばしい?クルミとか入ってるっぽい!」
「食感も面白いね。お土産にもよさそうだ」
「あまいお土産とか最高!あ、でも食べたいものいっぱいあるから、お土産はそのあとだね!」
「もちろん!あ、すいませーんエビ水餃子おかわり!あとちまきもくださーい!」
「こっちも桃まんおかわりくださーいっ!」
 沢山食べたけれど、“ごちそうさま”にはまだ遠く。あれもこれもと追加注文を入れるふたりの顔は、もてなしに喜ぶドドメキョンシーと同じぐらいに楽し気な笑顔だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

甘利・梓
腹ペコフレンズ・ミラちゃん(f09057)と!

点心食べ放題ですってミラちゃん!私点心も食べ放題も大好きなんですよ!
好きな単語が合体したら大好きに決まってます

何から行きましょう
春巻に焼売、海鮮まんに角煮まん
粽に小籠包は外せませんね!
あっ茉莉花茶もくださーい!

ほかほか蒸したて点心はどれも美味しくて
思わずほっぺを抑えて笑っちゃう
ミラちゃんミラちゃん、どうしよう美味しくて顔がにやけちゃいます
小籠包は熱々だから気をつけて冷まして…ってやっぱり熱ーっ?!

はー…幸せですね、ミラちゃん
美味しい点心をお腹一杯食べるだけでいいなんて…
って隠しメニュー?!なんですかそれ食べる!
おかわりはパフェと胡麻団子追加で!


ミラ・パーチェ
腹ぺこフレンズ!梓ちゃん(f12881)と!
アドリブ歓迎!

点心、点心!
点心食べ放題なんて、とっても素敵な響きよね……!
いっぱい作ってくれる事に感謝をしつつ
しからば、全制覇を目指しましょう!

変わり種もあるのかしら?
ピザまんも気になるし
ぷりっぷりのエビ水餃子に……甘味まで!?
デザートは食後に取っておいて、まずは点心お願いしまーす!

熱っ、はふ……っ!
梓ちゃん、私もほっぺたとろけちゃってないかしら?
熱々出来たてな点心はもう、最高……やっぱり熱い!

幸せよね、梓ちゃん……(御満悦
あっ、桃餡たっぷり桃園パフェ!
梓ちゃん、これ隠しメニューらしいの
一緒に食べましょう!もちろん、胡麻団子も追加で!



――乙女には、好きなものがたくさんある。
可愛い、あまい、きれい、ふわふわ。そんな素敵なたくさんのもの。その素敵なものをありったけ、それも数限りなく楽しめるとあれば――はしゃいでしまうのも当然で。
「点心食べ放題ですってミラちゃん!私点心も食べ放題も大好きなんですよ!」
「点心、点心!点心食べ放題なんて、とっても素敵な響きよね……!」
 キラキラと瞳を輝かせ、甘利・梓(腹ペコ乙女・f12881)とミラ・パーチェ(夢追い人・f09057)がテンション高めに頷き合う。小さく可愛く美味しい『点心』に、いくらでもどうぞ!な『食べ放題』。好きな単語同士が出会ってしまったらそれはもう大好きに決まっている。
「いっぱい作ってくれる事に感謝をしつつ…しからば、全制覇を目指しましょう!」
「もちろん!まずは何から行きましょう、春巻に焼売、海鮮まんに角煮まん…粽に小籠包は外せませんね!」
「そうね、そこは外さずお願いしましょ!あと変わり種もあるのかしら?ピザまんも気になるし、ぷりっぷりのエビ水餃子……」
「まってまってミラちゃん、このライチ餡とソーダ餡のデザートも気にならない!?」
「甘味までこんなに…!?じゃあデザートは食後に取っておいて、まずは点心を此処からここまで…もう全部お願いしまーす!」
「あっ茉莉花茶もくださーい!」
「全部!?やったーーーー☆まかせてまかせてっ、すぐ持ってくるからいーーーっぱい食べてね!」
 大量のオーダーにもてなし衝動大暴走のドドメキョンシーが嬉しそうに厨房へと駆けていき、あっという間に両手いっぱいに抱えた蒸篭をテーブルに並べていく。ついでに茉莉花茶も大きめのポットで提供された。
「うわぁうわぁ、夢みたいな光景…!これ全部食べてもいいのよね!?」
「食べ放題だもの、頂いていいはずよね!にしても本当、天国のような景色だわ…!」
 湯気の立ち昇る蒸篭はもはやかき分けないと向こうが見えないほどに積まれていて、そのどれもに絶品の点心が入っているかと思うと、自然二人の頬がゆるゆるとほどけていく。一先ずお互いに一番近いのを手に取ってぱかりと空ければ、ミラの蒸篭には肉まん、梓の蒸篭には小籠包が、どちらもギュッと詰まっていた。
「熱っ、はふ……っ!熱々出来たてな点心はもう、最高……でもやっぱり熱い!」
 齧りついた肉まんから溢れる湯気を、はふはふと逃がしながらちょっぴり涙目のミラ。
「大丈夫ミラちゃん!?しょ、小籠包も熱々だから気をつけて冷まして…ってやっぱり熱ーっ?!」
 しっかりふぅふぅ冷ましたつもりが、早く食べたい気持ちの方がちょっぴり大きかったようで、熱々のスープに梓も一瞬キュッと目をつむった。けれど、火傷の熱々を通り越したらそこに待ってるのは美味しい味のパレード。じゅわっと溢れ出る肉汁、シャキシャキ歯ごたえのタケノコ、包子はふわふわふかふかでほんのり甘く、ちゅるんとした皮の水餃子はいくらでも入りそうだし、モチモチのちまきは種類も豊富で食べ応えバッチリで。
「ミラちゃんミラちゃん、どうしようどれもすっごく美味しくて顔がにやけちゃいます」
「梓ちゃん、私もほっぺたとろけちゃってないかしら?」
「んー…えいっ!…ミラちゃん大変とろけちゃってる!ほら!」
 と、わざと驚いた表情を浮かべながら、ほっぺたをプニッと触った手を引っ込めると、そこにはミニサイズのパンダまんが乗っていて。
「ふふっ…大変だわ!じゃあ梓ちゃんもきっと…ほら、こんなにふわっと!」
 思わず笑いながら仕返しするように梓の頬をむにっと摘まみ、戻す手には真っ白ふわふわな蒸しパンが覗いていた。そしてそのままお互いのとけたほっぺをぱくっと食べて、おいしいね、と暫くくすくす笑いあった。

「はー…幸せですね、ミラちゃん」
「幸せよね、梓ちゃん……」
「美味しい点心をお腹一杯食べるだけでいいなんて…」
「それで世界が救えてるなんて…」
「「幸せよね…」」
 一通り注文した点心を口にして、まったりと幸福な余韻に浸る二人。あれがおいしかった、これも最高だった、と感想を繰り広げながら茉莉花茶を口にしていると、そこに通りかかるのは大きなパフェグラスをもったドドメキョンシー。どうやら近くのテーブル客の注文らしく、それを見止めたミラがハッとした表情になる。
「あっ、桃餡たっぷり桃園パフェ!梓ちゃん、あれ隠しメニューらしいの」
「って隠しメニュー?!なんですかそれ食べる!おかわりはパフェと胡麻団子追加で!」
「一緒に食べましょう!もちろん、胡麻団子も追加で!」
 と、すっかりデザートの口になったふたりが、戻り際のドドメキョンシーに大きく手を振って呼び止めた。

あれだけ食べたのに、まだ食べるのかって?――勿論、甘いものは別腹ですから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

終夜・嵐吾
【道】

えびだんご!えびだんごは絶対じゃ!
ごま団子も(きり)肉まんも…パフェも食べたいの!
ふふ、わしは小籠包を上手に食べれる狐――一人前頂こう
あっ、せーちゃんそれは内緒じゃ!

えびだんご…!(箸でつまんで見詰め)
外さくっ中ふわっが好きでの、味も好き
く~やはりうまい!
ふふ、わしのえび団子、高くつくぞい(作ったわけではない)
さぁどうじゃろ~?と揶揄いつつ

次は小籠包食べよ!
あつあつのスープをちゅるっといくのがうまい~
今日はやけどせん!
あちっ!うまっ!(今日はセーフじゃ!)
きよ君もぱくっと!
では次のもいってみよ!わんこ小龍包じゃ!

一杯食べたがまだ甘味もちょいいけそうじゃな
ごまだんご~パフェ~!(もぐもぐ)


砂羽風・きよ
【道】

よっしゃ、じゃんじゃん頼むぞ!
俺等なら楽勝に食えるだろ

うお、嵐吾の目が本気だ
へっ!俺だって小籠包上手く食える自信あるぜ!(謎の闘争心)
――って、本当か嵐吾

来たぜ来たぜ!今なら全制覇行ける気がする!
嵐吾旨そうに食うな
俺もえびだんご食う!食わせろ!うめー!
因みにさっきのは、嘘だよな?

雅はほんとよく食うな?
おいおい、嘘だろ?!そんな食えんのかよ!

小籠包はやべぇ!
このツルッとした食感が最高
レンゲに乗せて――ゴフッ(熱くてむせた)
…今のは練習だ

い、犬なのか?!犬の形してねーよな?!
嵐吾も雅も一緒にどうだ!!(お返しわんこ小籠包)

ふ、俺だってまだまだ食えるぜ!
パフェはひとり1個だな!(後に後悔する)


筧・清史郎
【道】

桃まんやゴマ団子…良いな(最初から甘味
らんらん一推しのえびだんごも楽しみだ
紹興酒か、俺も飲んでみたい

しょうろんぽうは知っている
美味で小さいが、油断ならない食べ物だ
つい先日、らんらんと食したが
らんらんは舌に痛手を負っていたな(暴露

おお…えびだんご、美味だ
えび、ごま、ごま…のループで雅に団子を食す(甘党健啖家
中華まん各種も水餃子も、頂けるものは全て食べよう(美味しく完食

しょうろうぽうも、やはり美味だな(熱いの平気
成程、きよしは今のは練習か
本番にも期待だ(笑顔
らんらんは今日は舌は大丈夫か?
しかし犬さんでも、油断は禁物だ(きり

パフェも一人ひとつで(余裕の笑み
ふふ、幽世を救う為だ、次は何を頂こうか



 ふんわりあたたかな湯気があちこちから上がる。どこのテーブルにも蒸篭が高く積まれ、開けるたびに良い香りが漂ってきて、お腹を擽られるような心地がする。
「よっしゃ、じゃんじゃん頼むぞ!俺等なら楽勝に食えるだろ」
 砂羽風・きよ(後の後悔を彼はまだ知らない・f21482)が元気にこぶしを突き上げながら、食べ放題へと意気込む。
「えびだんご!えびだんごは絶対じゃ!あとごま団子も肉まんも…パフェも食べたいの!」
 続く終夜・嵐吾(絶対にえびだんごは食べるマン・f05366)もメニューを追いかけながらピンッと耳を立たせ、食べたいものを羅列していった。
「桃まんやゴマ団子…良いな」
 筧・清史郎(激甘?ありがとうご褒美だ・f00502)は既に甘味の欄を見ながらうっとりとした表情を浮かべている。ちょっと視点はそれぞれな気もするが、楽しみにしている点においては心はひとつ。
「ふふ、わしは小籠包を上手に食べれる狐――一人前頂こう」
「うお、嵐吾の目が本気だ。へっ!俺だって小籠包上手く食える自信あるぜ!」
「しょうろんぽうは知っている。美味で小さいが、油断ならない食べ物だ。…つい先日らんらんと食したが、らんらんは舌に痛手を負っていたな」
「あっ、せーちゃんそれは内緒じゃ!」
「――って、本当か嵐吾」
「あ、ああ~~~せーちゃん…!!」
「はっはっは、すまないらんらん。――ああ店主、注文を良いか。ここからここまでと…紹興酒もあれば貰えるか?」
 そんなちょっぴり痛い思い出話を口にしつつに、清史郎が涼やかな顔で注文を入れれば、ドドメキョンシーが嬉しそうに厨房へと取って返した。そしてものの数分の内に、三人のテーブルも他と同様、埋め尽くすほどの蒸篭が積まれて行って。
「来たぜ来たぜ!今なら全制覇行ける気がする!」
「まずはえびだんご!じゃが勿論他のも食べる~」
「中華まん各種も水餃子も、頂けるものは全て食べよう」
――かくして、男3人の点心食べ放題が始まった。

●えびだんご
 揚げ物は蒸篭だとふやけてしまう、との配慮か別皿に乗って提供された。蒸したものとはまた違う、揚げたてサクサクの見た目は見るからに食欲をそそる。
「えびだんご…!外さくっ中ふわっが好きでの、味も好き」
 嵐吾が箸で摘まみ上げながら見つめ、ぽいっと口に入れるとあっという間にキラキラの笑みが浮かぶ。サイコロ上に刻んだ衣をまとったサックサクの外側、そしてエビの風味豊かなふわふわぷりっぷりの中身。そのふたつがあわさったならもう。
「く~やはりうまい!」
「嵐吾旨そうに食うな…そんなにかうまいのか!?俺も!俺もえびだんご食う!食わせろ!…うめー!」
「なんと、食べてしまったのかきよし」
「ふふ、わしのえび団子、高くつくぞい」
「えっ」
 ごくん。
「ののの、飲み込んじまったけど…因みにさっきのは、嘘だよな?」
「さぁどうじゃろ~?あ、せーちゃんもどうじゃ?」
「おお…えびだんご、美味だ」
「って雅も食べてんじゃん!嘘だよな?なぁ、嵐吾!雅!?」
「ふっふっふ」
「はっはっは」

●小籠包
 こちらはシンプルに蒸篭に乗せて。蒸したてほかほかの湯気が立ち上り、食べたことがあるものならばつるりとした皮の艶までが美味しそうに映る――そしてちょっぴり痛い舌先も一緒に思い出すかもしれないが。
「しょうろんぽうも、やはり美味だな」
「あつあつのスープをちゅるっといくのがうまい~」
「らんらんは今日は舌は大丈夫か?」
「今日はやけどせん!……、あちっ!」
「らんらん…」
「い、いや今のはセーフじゃし…うまっ!ほれ、きよ君もぱくっと!」
「えーっと、あれだろ、まずはレンゲに乗せて――ゴフッ」
「おっ、火傷か?火傷したじゃろ?」
「…今のは練習だ。」
「成程、きよしは今のは練習か。本番にも期待だ」
「こ、今度こそ…ん、小籠包やべぇ!このツルッとした食感が最高」
「そうじゃろそうじゃろ、では次のもいってみよ!わんこ小龍包じゃ!」
「い、犬なのか?!犬の形してねーよな?!」
「犬さんか、犬さんは良いな…しかし例えどれ程愛らしい犬さんでも、油断は禁物だ」
「やっぱり犬なのか!?違うよな…?よーし、嵐吾も雅も一緒にいくぞ!!」
「まだまだっ」
「しょっぱい、あまい、あまい、と食べればいつまででも食べられるな」
「雅はほんとよく食うな?」
「うむ、ここにある残りの蒸篭くらいなら軽いな」
「おいおい、嘘だろ?!そんな食えんのかよ!」

●月餅
「しっているかきよ君、これは月でうさぎがついたものなんじゃぞ」
「へっ、へぇ~~~幾ら俺でもそんなウソには騙されな…違うよな雅?」
「うさぎさんもまた愛らしいな。そして甘い。甘味は素晴らしい…」
「え、いやいや違うよな?…マジでうさぎが作ってるのか?コレ」
「お、クルミも入っとる!香ばしくてうまい~」
「うむ、幾らでも入るなこれは」
「幾らでもはせーちゃんだけじゃろ~いやでもうまい、もちょっと行けそ…むぐ、」
「な~~~~どうなんだよ~~~答えてくれよ~~~~!?」

●パンダまん
「お、動物型のもあるのか。芸が細かいなぁ…はむっ、これは…カスタードまん!」
「ひえっ、パンダさん齧りよった…」
「なんと、パンダさんの顔があんなに欠けて…さぞ痛かっただろうな」
「はっ!?いや、これまんじゅうだし、く、食いもんだろ?」
「ああ…パンダさん…おぬしのことは忘れん…」
「せめて安らかに眠るといい…きよし、ちゃんとごめんなさいは言ったか」
「ご、ごめんなさい…」
「おっ、カスタードうまい。程よい甘さじゃな」
「耳までしっかりカスタードが入ってるとは、食べ応えもあって素晴らしいな」
「って、食ってる!??ふたりとも普通に食ってる!し!?」
「んっふっふ」
「はっはっは」

●〆はパフェで
――かくてあれやこれやと食べ進め、暫し食休み、というところできよがふと隣のテーブルを見ると、そこに届けられるのはどどーん!と大きなパフェが2つ。桃餡を挟みつつ生クリーム、ジュレ、そして生の桃を翼のように飾ったあれこそは。
「うおー!見たか今運ばれてったパフェ。あれだろ噂の隠しメニューって」
「ふむ、あのサイズならパフェも一人ひとつで行けそうだな」
「まじか!?…ふ、いや、俺だってまだまだ食えるぜ!パフェはひとり1個だな!」
「一杯食べたがまだ甘味もちょいいけそうじゃな、ごまだんご~もちろんパフェも食べる~!」
 美味しそうな隠しメニューとあっては、まだまだ食べる気満々で。3つの特大パフェが届けられた後には――二人分の幸せそうな顔と、一人分のちょっぴり苦し気な顔が、そこには並んでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月17日


挿絵イラスト