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大祓百鬼夜行⑲~もふもふ踏切を攻略せよ?

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

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 いまだ勢いを増す『大祓百鬼夜行』の影響は留まるところを知らない。

 ここ、UDCアースのとある町にある踏切も例に漏れず、現れたオブリビオン妖怪の群れによって占拠されてしまった。その結果、周辺一帯が迷宮化してしまう。
 単線だったはずの線路が数百本にも増え、絶えず妖怪列車が行き来する。そのために、踏切が開く暇が一切なく、完全に開かずの踏切と化してしまった。
 しかし、その踏切迷宮に一緒に取り込まれてしまった一般人はそれが『異常』だとも『現実』だとも認識できない。そのため、違和感なく、そして時間の経過もわからず、いつまでも開かない踏切の遮断機が上がるのをずぅーーーっと待ち続けているのだ。

「はぁ……、なっ、なに!?」
 待つのに疲れてきた女性の足元に突如もふっとした感覚が伝わってくる。しかし、足元を見るもそこには何もいなくて、首を傾げるばかり。ほんの1秒ほど悪寒がしたけれども、今は何ともない。
「なんだったのかしら?」
 首を傾げながら再び踏切待ちに戻る女性。

 実はこういうことが延々と繰り返されているのだ。

 そう。
 その踏切を迷宮化した張本人……つまり骸魂を飲み込んだ妖怪は。
「にゃーーーん」
 数百にもおよぶ猫又だったのである。


 グリモアベースで猟兵の皆を呼び集めた緋薙・冬香(針入り水晶・f05538)はお礼を告げた後、自身が見た予知の内容を告げる。
「簡単に言うと、UDCアースにある踏切が迷宮化しちゃったの」
 その原因はオブリビオン化した妖怪がその場所を占拠したからである。
「『ねこまたすねこすり』って言う名前でね。お察しの通り、すねこすりと猫又が合体しちゃったの」
 既にご存じかもしれないが補足しておこう。
 猫又というのは、猫が長い時を経てしっぽが二又三又と分かれた妖怪。すねこすりはすれ違いざまに人のすねをこすることで生命力を奪っていくという猫に似た妖怪だ。

 つまり、どっちも……もふもふである。

「結果……ふかふかまんまるな毛玉の妖怪が生まれてしまったのよ」
 くっ、と視線をそらす冬香。どちらかというと生まれてしまったことを嘆いているのではなく、現地に行ってもふもふできないことを悔やんでいる。もふもふは生きる糧なのだ……。

「話を戻すわね。その数、数百にも及ぶねこまたすねこすりが踏切を住処にしちゃったのね」
 それによって踏切が迷宮化してしまった、というわけだ。
「やることは至極単純で、ねこまたすねこすりたちを倒して踏切を解放すること」
 なお、ねこまたが妖怪の本体で、すねこすりが骸魂である。つまりすねこすり部分を狙え……あ、見た目全然わかんないですねこれ。
「まぁ、攻撃してもダメージはねこまたに行かないから。そこは心配しなくていいわ」
 倒すのも苦労しないと思う。数は多いけれども。
 むしろ、もふもふとの葛藤のほうが強いかもしれない。もふもふしているだけではすねこすりが喜んでしまうだけなので、そこは心を鬼にして何らかの手段で倒してほしい。
「ちなみに、捕まえたらデコピン一発ですねこすり倒せるから」
 特に心配しなくていいかも?


 あと注意すべきは踏切だろうか。
「妖怪列車が絶えず行き来しているから、無理やり渡ろうとすると跳ね飛ばされるわ」
 死ぬことはないが、めちゃくちゃ痛い。気を付けてほしい。ちなみに敵味方関係なく吹っ飛ばされるので注意してほしい。
 遮断機が上がることはないので、自分から入らないとそのような事態にはならない。ねこまたすねこすりの場合は踏切内に追い込まない限り。
 まぁ、妖怪列車のひき逃げアタックでまとめてねこまたすねこすりを倒すというのも出来なくはない、よ?

「というわけで。もふもふも楽しみつつ、ねこまたすねこすり退治よろしくね」
 そう言って冬香は猟兵の皆を送り出すのであった。


るちる
 まいどお世話になってます、るちるです。
 もふもふから逃れることはできなかったんです……。そんな感じでゆるふわっと『大祓百鬼夜行』のシナリオをお届けします。

●全体
 1章構成の戦争シナリオです。
 リプレイはゆるふわな雰囲気でお考えください。ねこまたすねこすりのUCを見ていただくとわかると思いますが、ほぼ戦闘力はありません。全力で戦うと、ボーリングのピンのようになぎ倒せると思います。
 もふもふしても大丈夫ですが、もふもふだけでは倒せませんので、デコピンなりチョップなり1発入れておいてください。

 以下のプレイングボーナスがあります。活用してください。
『プレイングボーナス』
 (1)踏切と妖怪電車を利用して戦う。
 (2)猫の本能を刺激する。
 (3)すねをこすらせてあげる。

●1章
 集団戦『ねこまたすねこすり』との戦闘になります。
 戦闘場所は、田舎の踏切周辺。基本的には遮断機の前になると思います。
 一般人については戦闘前にどこかに退避させてあげてください。現実誤認が入っているので『工事にきましたー』とか『警察でーす』とか『向こうでパーティーしてますよー』とか何でもいいので誘導の声をかけるとそれに従ってくれます。何もない場合は一般人がいない場所だったという設定になります。

●ねこまたすねこすり
 以下の技能を持っています。注意してください!
 ①拠点防御(『踏切内』で『丸まっている』と妖怪列車さえ弾き返します。持ち運びは可能です)
 ②生命力吸収(1秒悪寒がする程度の吸収力。クールタイム1時間)
 ③ダッシュ(一瞬で足元に潜り込み、もふっとすりすりしてきます)
 ④ジャンプ(じゃれかかってきます)
 ⑤眠り速度(すっごく速いです)
 ⑥香箱座り(可愛いです)

●補足情報
 カクリヨファンタズムのオブリビオンは「骸魂が妖怪を飲み込んで変身したもの」です。飲み込まれた妖怪は、オブリビオンを倒せば救出できます。


 採用人数については最低限+1~2人といったところを予定。
 プレの受付開始はシナリオ公開されたら。改めて状況の説明を行う文章は追加ありません。

 それでは皆さんの参加をお待ちしておりまーす。
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第1章 集団戦 『ねこまたすねこすり』

POW   :    すねこすりあたっく
【もふもふの毛並みをすり寄せる】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【ねこまたすねこすり仲間】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    いつまでもすねこすり
攻撃が命中した対象に【気持ちいいふかふかな毛皮でこすられる感触】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【次々と発生する心地よい感触】による追加攻撃を与え続ける。
WIZ   :    きもちいいすねこすり
【すねこすり】を披露した指定の全対象に【もっとふかふかやすりすりを味わいたい】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

パルピ・ペルポル
そうね、もふもふは生きる糧だもの。
こんな戦争中こそ楽しまないとだめよね。

一般人については「踏切の向こうで工事が行われるので迂回お願いしまーす」で移動させるわ。
それからまず自身の周囲に雨紡ぎの風糸をこっそり展開しておくわ。
そしてエプロンのポケットからねこじゃらし取り出してふりふりしてみるわ。
ねこまたすねこすりが近寄ってきたら糸で絡めてもふもふしてチョップして退治するわ。
いっぱいいるならテンポよくもふって退治していかないと全部もふれないじゃない。
いやさすがに全部はもふらないけどそのつもりでもふっていくわ。




 グリモア猟兵に転送されて、迷宮化した踏切へ踏み込んだパルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)は、ぐっと拳を握りながら言葉を紡ぐ。
「そうね、もふもふは生きる糧だもの」
 そうですよ、生きる糧なのです。空気くらい大切なのです。
 それに、だ。
「こんな戦争中こそ楽しまないとだめよね」
 もふりすとたるパルピ、本領発揮である!

「踏切の向こうで工事が行われるので迂回お願いしまーす」
 パルピが踏切の周辺をぱたぱた飛びながらそう告げていく。こういう時フェアリーサイズは最適である。
「えー……仕方ないかー」
 迷宮化によって判断能力が無くなっている一般人たちはパルピの指示に従って、踏切の前から姿を消していく。
(それからっと)
 一般人たちが移動している間に、パルピは自分の周囲に『雨紡ぎの風糸』をこっそりと展開。そしてエプロンのポケットからねこじゃらしを取り出して装備。

 準備は万端だ!

 そして踏切の遮断機の付近から覗き込むと、そこには踏切内で丸まっている『ねこまたすねこすり』たち。いっぱいいる。
「ここで、こう!」
 声をあげながらねこじゃらしをふりふりふりふり。

「「「……!!! にゃーん!!!」」」

 ねこじゃらしが視界内で動く。刺激されまくった猫の本能に突き動かされるように、ねこまたすねこすりたちがパルピの元へ走ってくる。
 そのままねこまたすねこすりの方を向きながら、ぱたぱたーっと後ろへ移動。ねこまたすねこすりたちを釣りだすようにして移動していくパルピ。

 近くの駐車場まで移動したら、レッツ・ぱーりない!

 ねこじゃらしを投げ捨てたパルピは、自分に向かって突撃してくるねこまたすねこすりを。

 もふふっ!(雨紡ぎの風糸を使って空中でキャッチ!)
 べしっ! (【火事場のなんとやら】でチョップ!)
「にゃーん!?」
 ぺちっ。 (ねこまたすねこすりが地面に落ちた音)

 流れるようなもふりすとの所業。この一連の流れでもふもふと骸魂退治がなされているという荒業である!

「いっぱいいるならテンポよくもふって退治していかないと全部もふれないじゃない!」
 パルピさん、さすがのもふりすとである。
 というか、全部もふるつもりなの!?
「いやさすがに全部はもふらないけど」
 もふらないんかい。
「そのつもりでもふっていくわ」
 とのことでした。

 そんなわけでしばらく駐車場には、もふられる音とチョップが炸裂した音が絶え間なく続いていた。
 ちなみに元のねこまたに戻った子たちはパルピの下で積み上がって(寝てました)いき、最後はパルピのもふもふイスになっていたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リリスフィア・スターライト
強気だけれど猫好きな人格のリリスで参加ね
バディペットである銀猫のリンフォースも一緒ね

線路内で丸まっている猫、実際に怖い話よね
一般人が居なくなったタイミングで挑むわ
妖怪列車が来ないタイミングで
エレクトロレギオンを呼び出して
踏切内にいる、ねこまたすねこすりを
捕まえて連れてきてもらうわ
上手くいかないようなら猫缶とかマタタビとかで
私達の方に注意を向けさせられればいいわね

心を鬼にしなければいけないのだけれど
もふもふ具合を間近にして、
ついもふりたくなってしまうわね
それでしばらくは猫達の可愛らしさを
堪能するけれど見かねたリンフォースに注意され
ようやく正気を取り戻すわ
それからは協力して骸魂から解放してあげるわ




「線路内で丸まっている猫、実際に怖い話よね」
 件の踏切から少し離れた場所で待機しながら、リリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)は愛猫にして銀猫のリンフォースを抱きかかえて呟く。
「にゃーん」
 自分に話しかけられたと思ったのか、リンフォースが返事と鳴きつつ、リリスフィアをじーっと見つめる。
「……」
 もふもふ。もふもふ。

 このやりとりを見るに、今日のリリスフィアの担当人格は、強気だけれど猫好きな人格で、リンフォースの飼い主でもあるリリスのようだ。猫好きなリリスとしてはこの事態を放置しておくわけにはいかなかったらしい。

「頃合いね」
 離れて待っていたのは踏切の前に一般人がいなくなるタイミング。どうやら他の猟兵の誘導で移動したらしい。
「いくわよ、リンフォース」
「にゃーん」
 掛け声を一つかけて。リリスはリンフォースとともに、『ねこまたすねこすり』の対処に向かうのであった。


 そしてリリスが目撃した光景は。
「……」
 踏切内で丸まっているねこまたすねこすりたちと、その上を何事もなかったかのように走行していく妖怪列車であった。どうやら拠点防御が発動しているようだ。『ここはボクのお昼寝場所だから譲らないよ!』ってやつですね。
「…………」
「にゃーん?」
 ちょっと萌えつきそうになってるリリスを、肩に乗ったリンフォースがにくきゅうぺしっで引き戻す。
「……今がチャンスね」
 誤魔化しきれてない感はさておいて。
 リリスが【エレクトロレギオン】を呼び出す。呼び出されたレギオンたちがリリスの指示を待つことなく、踏切内に突入。

 もふっ(ねこまたすねこすりを優しく持ち上げた音)
 とてとてとて(安全に運んでいる音)
 とすっ(踏切の外にそっとねこまたすねこすりを置いた音)

 ねこまたすねこすりたちをリリスの元へ運んでくる健気なレギオンたち。
 しかし、その時妖怪列車が通過する!
「あーーーっ!?」
 吹き飛ばされるレギオン(消滅しました)。拠点防御し続けるねこまたすねこすり(普通に寝ています)。
「こうなったら……」
 最終手段である。
 リリスが取り出したのは……猫缶とマタタビだ!

「「「にゃーーーん!!」」」

 こうか は ばつぐん だ!

 一斉に踏切の外に飛び出してくるねこまたすねこすりたち。
 こうして踏切の外にねこまたすねこすりを連れ出す作戦は成功したのである。

 さて、後は。
(心を鬼にしなければいけないのだけれど……)
 でもしかし、目の前にいるまんまるふかふかな毛玉は魅惑的すぎる。
「……」
 ふらーっともふもふに吸い込まれそうになるリリス。というか吸い込まれた。

 もふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふ。

 もふもふ具合と可愛らしさを間近で堪能するリリス。
「にゃーん」
 リンフォース、本日2回目のにくきゅうぺしっ。
「はっ……!」
 見かねたリンフォースによって、正気を取り戻すリリス。
 そして感じるリンフォースからの視線……。
「……うっ。え、えぇ、やりましょう」
 リンフォースに背中を押されて、任務を思い出すリリス。そしてリンフォースと協力して、リリスはねこまたすねこすりたちを骸魂の影響から解放していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
ねこまたすねこすりの香箱座り!
それが一面にいるなんて、かわいさの暴力ですね。

しかし、そのまま居座られたらやっぱり困りますね。
踏切がいつまでも開きませんし。一般人も溜まる一方です。

ここは風でねこまたすねこすり達を飛ばしてしまいましょう。

ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
UC【トリニティ・エンハンス】でヨーヨーに【風の魔力】を付与して全力回転します。
直接ヨーヨーで殴ってもよいですが、ヨーヨーで竜巻を起こして、踏切の向こう側に押し入れます。

あとは妖怪列車で弾いてもらいます。
線路内で丸くならないように、【水の魔力】で水たまりを作っておきましょう。




「……っ!!」
 それは冷静沈着な黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)をして、思わず口元を押さえながら視線を逸らす仕草をしてしまうほどの現象であった。

 踏切の前でズラーっと並んで香箱座りしている『ねこまたすねこすり』たちである。

 めっちゃ可愛い。
 その時、後ろを通り過ぎた妖怪列車の風圧で、ねこまたすねこすりたちの毛がぶわーっとなる。どうやらその風が気持ちよくて行儀よく並んでお昼寝しているみたいだった。
 めっちゃ可愛い。

「かわいさの暴力ですね」
 これ以上、この場に適切な言葉があるだろうか。いや、無い。あろうはずもない。これ格言では?

 このままずーーーっと眺めていたい気持ちにもなる。しかし。
「踏切がいつまでも開きませんし。一般人も溜まる一方です」
 そう、それはそれで困る事態になってしまうのだ、UDCアース的に。

 というわけで事態解決に向けて動き出す摩那。

 だが不用意に近づいたら逃げられそうでもある。何か策を打たなければ。
(ここはは風でねこまたすねこすり達を飛ばしてしまいましょう)
 ぽむっと手を叩く摩那。その手に愛用の超可変ヨーヨー『エクリプス』を構えて、摩那は【トリニティ・エンハンス】するのでした。

 ひゅんひゅんひゅんひゅん。

 軽快に風を切る音をさせつつ、エクリプスが摩那の頭上で高速回転している。そのエクリプスには【トリニティ・エンハンス】による風の魔力が付与されている。
(これを全力回転すれば……)
 風の魔力を使って竜巻が起こるって寸法です。

「「「にゃーーーん?!」」」

 お昼寝していたら突然竜巻に巻き込まれた件について。
 成す術もなく、竜巻に巻き込まれたねこまたすねこすりたちはそのまま風に流されて、踏切内に着地……しようとしたら、妖怪列車が来た。
「「「にゃーーーーんっ!!?」」」
 いかな猫とはいえ、着地前にぶつかられたら回避のしようもなく。
 べしべしべしべしっとすごい音を立てて妖怪列車に跳ね飛ばされていくねこまたすねこすりたち。そしてぺしゃっと地面に毛玉の斑点ができていく。

 結果、ひき逃げと地面激突のダメージはすねこすりが持っていく形で骸魂消滅、妖怪ねこまた復活。

 しかし、ねこまたたちもまたお昼寝好きであった……!
 疲れたのでお昼寝しようと思ったのだろう、踏切の外に出るのも面倒だったのだろう。すぐ近くでお昼寝しようとして……。
「「「にゃーん…………」」」
 本日3回目のにゃーん。
 ベストなお昼寝場所が水たまりになってた件について。
(先手を打っておいて正解でした)
 とは摩那の談である。『線路内で丸くならないように』と【トリニティ・エンハンス】の『水の魔力』で、自慢のもふもふがぺっしょりしてしまうような水たまりを踏切内の随所に作っておいたのだ。
 ねこまたすねこすりたちが踏切内にいると迷宮化が解けないからね!

 そんなわけでしょんぼりした雰囲気で踏切から出てきたねこまたたち。
 摩那はそんなねこまたたちを近くの広場(日当たり良好)まで誘導して、今度こそかわいさの暴力を堪能したのでした。もふもふ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

木元・祭莉
アンちゃん(f16565)と!

ハイハイ、ニンゲンさんは下がってー。
ん、コッチでのんびりしててねー♪(退避)

さて、ねこさん。
あー。線路で寝ちゃダメじゃんー!
お、抱き上げたら、にゅいーんと伸びたー♪
ハイハイ、このあたりでおとなしくー(回収回収)

戻ってみたら、ねこ集会始まってた。
お、寄ってきた。
へへ、おいら裸足だから、もふもふ乗ったら足もふもふー♪

尻尾フリフリしたら、ジャンプしてきた!
へへへー、そぉれそぉれー♪(ひょいひょい)
足上げて、脛向けたら、そっちに身をひねってる!
おもしろいー♪(ぽよんぽよん)

ん? 尻尾……?(目が合う妹)

さて、そろそろかな。
じゃ、最後はたまこヨロシクー♪(コケコケコケ)


木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と

まつりん、線路が沢山
そして、丸いもふがたくさん…(至福な顔)
ん、このもふパラに案内してくれた冬香の分もたんともふろう

ん、線路は渡れな…(妖怪列車が通る)
ま、まつりん、今の列車の中、見た?
こう、わぁぁぁぁ…!て感じ…て、わぁぁぁぁ!(すねにもふっ)

は、もふもふ
見下ろすと香箱座りで見上げるもふ猫
はうっ!(かわゆさクリティカル
の、のどゴロゴロしていいですか?(はぁはぁ)

もふもふ…はふ

はっ、そこにももふが
目に入ったふわふわ茶色をもふり
…この毛並み、最上のもふ!
んむ…む?これはまつりんの尻尾
ふふ、道理で一番良いもふ

最後はもふっと抱きしめて
さ、妖怪さんのもふも堪能させて?




 木元・杏(シャー・オブ・グローリー・f16565)は目の前の光景を心に刻んでいた。
「まつりん、線路が沢山」
 と兄の木元・祭莉(マイペースぶらざー・f16554)に呼びかけたように、ひとつの踏切の中に線路があり得ないほどたくさん並んでいる。
 そして。
「丸いもふがたくさん……」
 その踏切の至るところに、『ねこまたすねこすり』が丸くなって寝ていた。
 その光景を見る杏の顔は至福という言葉では表しきれない、この世の尊さで満ちている。
「ん、このもふパラに案内してくれた冬香の分もたんともふろう」
 ぐっ、と拳を握って空を見上げる杏。そこにはイイ笑顔でサムズアップしているグリモア猟兵が浮かんでいた……ような気がするたぶん。

 そんな妹の裏で祭莉は一般人の退避を行っていた。
「ハイハイ、下がってー。ん、コッチでのんびりしててねー♪」
 祭莉の誘導に、『なんかあるのかなー?』的な感じで移動していく一般人たち。
 ようやく事件を解決する段取りが整ったわけである。

 目の前にあるのは迷宮化した踏切。すなわち異常現象。そこを走っていくのは幽世から零れだした妖怪列車だ。
「ま、まつりん、今の列車の中、見た?」
「え?」
 あわあわしながら振り返る杏に対して、祭莉はよく見てなかったのかそれとも興味がなかったのか。
「こう、わぁぁぁぁ……! て感じ……て、わぁぁぁぁ!」
 腕をぶんぶん使いながら説明する杏の足元に、不意のもふ。
 びっくりして飛び退く杏の足元には、香箱座りで杏を見上げるねこまたすねこすりたちがいたのである!
「は、もふもふ。はうっ!」
 それは杏が萌え死んだ効果音です。かわゆさクリティカル。
「の、のどゴロゴロしていいですか? ……いいですか!?」
 杏ちゃん、はぁはぁしちゃいけません。ねこまたすねこすりたちがびびってます。
 それでも敵意は感じないせいか、ねこまたすねこすりたちが自身の身を杏に晒す。

 もふもふ。もふもふ。もふもふ。

「はふ……」
 至福の時がそこにあったそうな。

 一方、自身ももふ尻尾を持つ祭莉は。
「戻ってみたら、ねこ集会始まってた」
 と踏切内のねこまたすねこすりたちの元へいく。
「さて、ねこさん。あー。線路で寝ちゃダメじゃんー!」
 早速抱き上げようとする祭莉。
 にゅいーん。
「お、伸びたー♪」
 猫は伸びる。それは自然現象である。
「ハイハイ、このあたりでおとなしくー」
 てきぱきと回収していく猫業者の祭莉である。

 そんなわけで踏切内からねこまたすねこすりたちを退避させた祭莉。
「ふー」
 とひと息ついていたら、ねこまたすねこすりたちが寄ってきた。祭莉のすねが魅力的(すねこすり的に)だった模様。
「へへ、おいら裸足だから、もふもふ乗ったら足もふもふー♪」
 足の裏でもふもふを堪能しながら地面に座り込む祭莉。
 そして尻尾をフリフリとすれば、ねこまたすねこすりたちの本能を刺激したのか、ジャンプしてじゃれかかってくる。
「へへへー、そぉれそぉれー♪」
 尻尾をひょいひょいと移動させて猫の本能を刺激していく祭莉。
 他方、足上げて、すねを向けてみたり。そうするとまだすねこすっていない子たちが駆け寄ってきて身をひねってる。
「おもしろいー♪」
 ぽよんぽよん、とした感覚を楽しみつつ、祭莉は上機嫌。

 その頃、杏はもふに埋もれていた。仕方ない、だってもふだもの。もう、もふの海からは戻れない。
 そんな感じで至福に身を任せて、視界に入るもふをひたすらもふもふしていく杏。
「はっ、そこにももふが……!」
 新しく視界に入ってきたもふもふはふわふわ茶色。躊躇うことなくもふる。
「……この毛並み、最上のもふ!」
 もふもふもふも……ふ?
「んむ……む? これはまつりんの尻尾」
 もふ覚えがあると思ったら、兄の尻尾だった。
「ふふ、道理で一番良いもふ」
 満足げに顔を埋める杏。

 しかし、もふもふしているだけではこの事件は解決しないのである。
「さて、そろそろかな」
 十分に堪能した祭莉が立ち上がる。
「じゃ、最後はたまこヨロシクー♪」
 と【守護神降臨(テンテキ・ガ・キタ)】使用。
 世界一凶暴と噂される、戦闘用ニワトリ型ロボが召喚される。そのままどどどどーっとねこまたすねこすりたちの群れに突撃していくメカたまこたち。
「「「にゃーん!?」」」
 その衝撃ですねこすりの骸魂は霧散していく。
 後に残ったのは元の妖怪ねこまた。
 そこへ杏がてててーっと駆け寄っていき、もふっと抱きしめる。
「さ、妖怪さんのもふも堪能させて?」
 最後までもふを堪能しつくすつもりの杏ちゃんでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

菫宮・奏莉
もふもふのもふもふをもふもふするためにも、
すねこすりさんを倒さないとですね!

あ、でも、すねこすりさんももふもふっぽい……。
ちょっと倒すのがかわいそうになっちゃいそうで、
困っちゃうところですね。

相手は猫さんとすねこすりさんの合体みたいですので、
ここはそれをめいっぱい活用ですね!

自分のすねの包帯にチーズの香りをつけておけば、
猫さんとすねこすりさんの両方を惹きつけられるのです!

わたしのところにきてくれたら、
まずはすねをこすってもらって、しっかり味わってから、
【乱れ注射器】でお注射して治しちゃいましょう。

すねこすりさんから、猫又さんにもどったら、
本物のチーズを上げながら、猫さんの海に沈むのですよー♪




 グリモア猟兵に転送されてUDCアースに降り立った菫宮・奏莉(血まみれ勇者・f32133)はぐっ、と拳を握る。
「もふもふのもふもふをもふもふするためにも、すねこすりさんを倒さないとですね!」
 もふもふがゲシュタルト崩壊しそうな勢いだが、やることは合っている。

 だから、奏莉は迷宮化した踏切の前に立ったのだ!
 視界の中に入ってくる『ねこまたすねこすり』たち!

「あ、でも、すねこすりさんももふもふっぽい……」
 さっそく、もふもふに心が揺れた。仕方ない、だってにゃんこでもふもふだもの。
 ちょっと倒すのがかわいそうになってしまいそうな点が困ってしまうところだが、倒さないとこの踏切は一生このままである。
 なので、奏莉さんは頑張って気合を入れ直す。
「相手は猫さんとすねこすりさんの合体みたいですので、ここはそれをめいっぱい活用ですね!」
 さすがもふりすと。これまでの経験がモノを言った瞬間であった。

 というわけで早速。
 奏莉は自分のすねの包帯にチーズの香りをつけて、誘惑の態勢。すねにチーズ。つまり。
「猫さんとすねこすりさんの両方を惹きつけられるのです!」
 どっちからでもじゃれかかってこい、という奏莉の構え。

 そして妖怪列車が通り過ぎたタイミングで奏莉はこっそり踏切内に侵入。素早くてててーっと踏切内を歩いて遮断機のところまで戻る。

 奏莉の誘惑が炸裂だ!(ただし、ねこまたすねこすりに対して)

「「「にゃーーーーーんっ!!!」」」
 奏莉の後をついて、ねこまたすねこすりたちが殺到してきた!
「わっ、わわわっ」
 慌てて遮断機から外に出て、近くの広場まで誘導する奏莉。
 そして無人の広場にくれば、あとはこっちのものだ! 具体的にはもふ的に!

 広場の真ん中でくるりと振り返ると間髪を入れず、ねこまたすねこすりたちが飛び掛かってきた。いや、奏莉のすねに殺到した。

「にゃ、にゃにゃにゃ~~~っ!」
 もふ。もふもふ。もふもふもふもふっ。

 すねをこすられる度にぞくぞくっとする感覚と、足元に至高のもふもふが押し寄せる感覚。
 もふりすと的にはもふもふが優先されるらしい。これを逃すなんてもったいない!

 そして奏莉のすねをこすったねこまたすねこすりたちは、満足げに奏莉の足元に座っていく。香箱座りである。もふ。
 これは意図したわけではないのだが、奏莉にとって最適なポジションだった。
「お注射の時間なのです」
 奏莉の声で生み出されるユーベルコード製の注射器。お体に良かったり悪かったりするのが玉に瑕だが、今回はどちらにしても大丈夫だろう。
「お注射して治しちゃいましょう」
 と奏莉が【乱れ注射器】で、えいっ、とねこまたすねこすりにお注射していく。香箱座りしているのでとっても注射しやすい。というかここ猫の病院でした? 奏莉ちゃん、猫の天使でした?

 そんな感じで妨害もなく。奏莉のお注射攻撃ですねこすりの骸魂は霧散していき、そこに残ったのは元の妖怪ねこまた。
 注射が終わってほっとしたのか、立ち上がってふるふるふるっと身を震わせる。
「わっ、もふっ、もふっ」
 もふもふの毛で撫でられている感覚に、奏莉はくすぐったくなって語彙を失う。いいよ、もふで。伝わるから。

 そんなわけで奏莉の足元には、たっくさんのねこまたたち。
「ご飯なのですよー」
「「「にゃーん♪」」」
 奏莉が本物のチーズを取り出すと、お腹が空いていたのか、ねこまたたちが寄ってくる。そこにできたのはもっふもふの絨毯である。

 あぐあぐ、もふもふ。あぐあぐ、もふもふ。

 食べている間もしっかりもふる奏莉。どうやらねこまたたちに警戒心は無いらしい。むしろお礼と言わんばかりにもふらせてくれる。
 これはチャンスだ。そう……!
「ふふ、今度こそ猫さんの海に沈むのですよー♪」
 宣言して、猫さんの海にダイブする奏莉。
「もっ……ふぅ♪」
 全身で柔らかなもふもふを堪能しつつ、人をダメにする猫さんの海に蕩けていく奏莉ちゃんでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​



 こうして、UDCアースの迷宮化踏切の中に生息(?)していた『ねこまたすねこすり』たちはどうにか退治され。元に戻ったねこまたたちも猟兵の手を借りて、カクリヨファンタズムに戻っていった。
 影響が無くなり、踏切もまた、元の普通の踏切に戻った。

 これでここは大丈夫だろう。踏切的にもねこまた的にも。

 カクリヨファンタズムでは猟兵たちに対して、もふを提供するねこまたの住処ができたそうな。

最終結果:成功

完成日:2021年05月17日


挿絵イラスト