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大祓百鬼夜行⑨〜激突!妖怪VS妖怪

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行 #災難続く猫娘 #助っ人妖怪有

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●カクリヨのとある竹林にて
「大将達の御指示だ。すまないがお前達も力を貸してほしい」
 オブリビオンとなった『紺夜の蛟』は辺りの竹林の中で声を張り上げた。
 すると竹林の竹の節があちらこちらで光始める。しばらくするとその中より小さなかぐや姫達が這い出て来た。『紺夜の蛟』は自分の力の一部をかぐや姫達に注ぎ込む。
「猟兵達よ。日頃我々の世界をカタストロフから救ってくれて感謝している。だが・・・、今はこうして刃を交えねばならない。大将達からの指示ゆえ・・・、にな」
 カクリヨに住む妖怪としては恩人である猟兵達に刃を向けるなど、本来ならしたくない。だが、大祓骸魂という強大な敵を打ち破る為、己の身を犠牲にしてでも手を打った大将達の気持ちに応えねばならぬ、それが水神の一人である『蛟』の決意だった。
 『紺夜の蛟』は竹林にて猟兵達を待つ。
「猟兵達よ、勝負だ。見事オブリビオンとなった私を討ち取ってみせよ!私を討ち取らねばこの大量のかぐや姫達がカクリヨを蹂躙する事になるぞ・・・」

●とある世界の炎武邸にて
「皆さん、今回はお集まりいただきありがとうございます。カクリヨで起きている大祓百鬼夜行にて動きがありました。私の方で予知した内容ですが・・・」
 炎武・瑠美(天然系お嬢様…らしき者・f31245)は炎武邸に集まった猟兵達に挨拶をすると状況の説明を始めた。
「敵の大将は『紺夜の蛟』。東方妖怪の『蛟』という水神が骸魂に取り込まれる事でオブリビオン化した存在です」
 骸魂は吸血鬼だったようで闇の力を、そして元来の『蛟』として水の力の両方を操るようだ。
「また、気を付けていただきたいのは戦場は竹林でして・・・。普段はただ光だけの全く無害の存在なのですが・・・。今回、この騒動にて竹の節よりかぐや姫の大群が発生している事が確認されています。『紺夜の蛟』だけでなくこのかぐや姫の大群も同時に対処する必要があるのです」

 生まれたてとはいえ、かぐや姫達はかなりの力を持っているようだ。油断は出来ない。
「オブリビオンとなった『蛟』もですが、倒せば骸魂から解放され救出する事が可能です。かぐや姫達も『蛟』の要請に応じる形で協力しているだけのようですので『蛟』を何とかすればそれ以上の抵抗はしてこないと思われます」

 意図的に相手の命を奪うつもりでなければ、『紺夜の蛟』もかぐや姫達も戦闘後に救出する事は出来そうだ。それにしても・・・敵の数が多い。多勢に無勢、そこはなんとかならないものだろうか・・・?そんな猟兵達の表情を見た瑠美は話を続ける。

「今回のこの戦いに際し、現地の妖怪の皆さんに声を掛けてみました。一部の方が力を貸してくれるそうです。少し前に屋台で騒動を起こしていた猫娘さんがいらっしゃったようなのですが、猟兵の皆さんに救われたそうです。『その時の恩返しがしたい』とこちらの協力要請に応じて下さいました。他の皆さんもその方の屋台の常連さんの方らしいです」

 猟兵達ほどの力は持たないにしても力を貸そうとしてくれる妖怪達がいる。それは心強い事だ。もし力を借りたい場合は声を掛けてみると良さそうだ。

「それでは、皆さん。なんとか『紺夜の蛟』を打ち倒し、骸魂から解放してあげてください。よろしくお願いいたします」

 そうして瑠美は猟兵達を『紺夜の蛟』とかぐや姫達が待つ竹林へと送り出すのだった。


黄昏空
 MSの黄昏空(たそがれ・そら)です。このシナリオは戦争シナリオ、1章で完結します。

 さて、今回は竹林での戦いとなります。ボスであるオブリビオン『紺夜の蛟』と交戦する事になりますが、それと同時に竹の中から現れた「光るかぐや姫の群れ」も相手にする必要があります。かぐや姫の群れは生まれたばかりですが戦闘力は高く、侮れない相手となっています。
 『紺夜の蛟』とかぐや姫の群れ、両方を相手にする必要がある為、策を練る必要があるでしょう。

 そこでグリモア猟兵の瑠美は現地でオブリビオン化していない妖怪達に協力要請を行いました。

(要請に応じた妖怪達)

 猫娘(略:猫)とある事件にて屋台を営んでいた。その際のお礼も兼ねて参戦。素早い動きで敵を翻弄しつつ爪による接近戦を行う。ツンデレ。

 天狗(略:天)上記猫娘の屋台の常連の一人。妖術による敵弱体化攻撃と錫杖による打撃攻撃を行う。寡黙。

 魔女(略:魔)上記猫娘の屋台の常連の一人。魔術による遠距離攻撃及び防御魔法によるダメージ軽減を行う。結構騒がしい。

 上記の妖怪達と協力して事に当たる事が出来ます(無論一人で対処するのもOK)。協力要請を行う際はプレイングに「猫」「天」「魔」どれか一つを盛り込んでください。妖怪達は猟兵ではありませんので、皆さんに比べ戦闘力は劣りますが自分達の出来る範囲で皆さんに協力をしてくれます。

 このシナリオにはプレイングボーナスがあります。

 ①かぐや姫の大群に対処する。
 ②妖怪達と共に戦う(一緒に戦わなくても良い)

 ボスを倒せばかぐや姫達も襲ってくることは無くなります。またカクリヨファンタズムのオブリビオンは「骸魂が妖怪を飲み込んで変身したもの」です。飲み込まれた妖怪「蛟」は、オブリビオンを倒せば救出できます。

 シナリオのスケジュールですが、OPの公開よりプレイングの受付開始。その後平日はお一人ずつ程の採用で執筆を進め14日(金)か、15日(土)には完結させるつもりでいます(上手くいけばそれより前に完了させるつもりですが、確約は出来ません)
 執筆段階でお受取しているプレイングの中からランダムで採用者を決定します(一回ごとにダイスで決めていきます)人数は最小限になるかと思いますが、よろしくお願いします!

 それでは、皆さんのご参加お待ちしております!
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第1章 ボス戦 『紺夜の蛟』

POW   :    蛟牙の鋭槍
【蛟の牙と鱗で鍛造された槍】で攻撃する。[蛟の牙と鱗で鍛造された槍]に施された【水の権能】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
SPD   :    血潮の如き水底へ
【黒い血の如き雨】を降らせる事で、戦場全体が【濁流と化した川】と同じ環境に変化する。[濁流と化した川]に適応した者の行動成功率が上昇する。
WIZ   :    紺夜に舞い踊る翼
肉体の一部もしくは全部を【牙と鱗を持った無数の蝙蝠】に変異させ、牙と鱗を持った無数の蝙蝠の持つ特性と、狭い隙間に入り込む能力を得る。

イラスト:kae

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ルゥナ・ユシュトリーチナです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

水鏡・怜悧
詠唱:改変、省略可
人格:ロキ
吸血鬼と蛟の力……侮れませんね。慎重に行きましょう。
まずはかぐや姫からですね。木属性の触手で竹を操り、行動を阻害します。急に成長させて跳ね飛ばしたり、枯れさせて足場を崩したり、細身の竹を編み籠にして閉じ込めます。
蛟相手は猫娘さんに力を借りましょう。
「竹を足場に。羽を裂いて蝙蝠を落としてください」
肉体の一部であれば、蝙蝠へのダメージも本体のダメージとなるはず。本体の相手はなるべく避けます。風属性の触手で局所的に乱気流を起こして猫娘さんを護りつつ、地面に落ちた蝙蝠は土属性の触手で岩の槍を生み出し、貫き倒します。本体が来たら距離を取り、竹を壁のように生やして攪乱します。



「吸血鬼と蛟の力……侮れませんね。慎重に行きましょう」
 水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)の人格の一つ、ロキは迫って来るかぐや姫の大群の後ろに控える『紺夜の蛟』をその眼で見つめる。どうやら先手はこちらに譲るつもりのようだ。ならば…。

「まずはかぐや姫からですね。あの大軍に横やりを入れられると厄介ですから」
 『紺夜の蛟』は吸血鬼と蛟、二つの強力な力を併せ持つ存在となれば、その戦いに集中出来る状況を先に作り出しておきたい…、ロキはそう考えた。
「かぐや姫達には暫く大人しくしていてもらいましょう」
 ロキは触手の一部を竹に向けて放った。触手は竹に取りつき自在に操り始めた。こちらに向けて突っ込んでくる一軍に対し、その足元から急速に成長させ牽制する。一部は伸びた竹に弾かれて後方へ跳ね飛ばされて転がっていった。
 間一髪で難を逃れた群れが態勢を立て直し進軍してくるが、その足元の竹が急速に枯れ始め底が抜けた。その崩落に巻き込まれ一部の群れは穴の底へ。これで暫くは這い出る事も出来ないだろう。
 尚も食い下がる少数のかぐや姫を竹で出来た籠が覆い被さり閉じ込める。これもロキが放った触手が細身の竹を操り作り出した籠だ。

 ロキは辺りを見渡す。
「どうやら打ち止めのようですね」
「まさか、竹を自在に操るとはな…。なかなかやるではないか」
「次は貴方を倒す番ですよ?覚悟してもらいましょう」
「ふっ、では勝負だ猟兵よ!そなたが竹を操る以上、地をそのまま駆けるのは不利というもの。ならばこちらにも手はある」
 『紺夜の蛟』は片腕を多数の蝙蝠に変え、空中よりこちらを強襲しようと襲い掛かる!

「猫娘さん、手筈通りに」
 相手の行動は予測済み、その為に同行してくれていた猫娘にはかぐや姫へ対処する際はそのまま待機していてもらったのだ。
「わかったわ、貴方が操作する竹を足場にして蝙蝠を叩き落していけばいいのよね?」
「ええ、お願い出来ます」
 猫娘が竹を蹴り跳躍する!ロキが猫娘の着地点に足場となる竹を生やし、猫娘の空中移動を援護する。
 跳躍する猫娘の目の前に蝙蝠達が迫っていた。

「今の私なら機動性では負けてないわよ?覚悟なさいっ!」
 蝙蝠と猫娘が交錯する!竹を蹴り軌道を変則的に変える猫娘は、伸ばした爪で蝙蝠達の翼を切り裂いた!
「くっ、おのれ。猫娘かっ」
 苦悶の表情を浮かべる『紺夜の蛟』。やはりロキの読み通り蝙蝠へのダメージも本体へのダメージへ繋がるようだ。ならば、追撃を!

「落ちた蝙蝠はこちらで処理します。猫娘さん、どんどん叩き落しちゃってください」
 落下した蝙蝠を岩の槍で串刺しにしながら上空へ声を掛ける。
「ええ、この調子で行くわね!」
「おのれっ!蝙蝠達、連携を分断するのだ!」
 一斉に蝙蝠達が猫娘を包囲するように襲い掛かろうとするが…。
「そうはさせませんよ?分断を狙ってくるのも想定済みですから」
 猫娘の死角から襲い掛かろうとしていた蝙蝠達が風の乱気流に弾かれた。あらかじめロキが猫娘の周囲に張り巡らせておいた風属性の触手が乱気流を起こしたのだ。

 地はロキが、空中は猫娘が、それぞれ分担し対処しながら『紺夜の蛟』を追い詰めていくのだった!

大成功 🔵​🔵​🔵​

空亡・劔
この最強の大妖怪である空亡劔を差し置いてこんな凄い大異変を起こすなんて…生意気ね!!

あたしは最強の大妖怪!助けに頼っては今後も頼っちゃうから自らの力で往くわ!

かぐや達は【天候操作】で猛吹雪を引き起こして寒さで動きを鈍らせる!
時刻みを使って超高速で飛んで蛟に挑むわ

【天候操作】猛吹雪を引き起こす
雨なんてすぐ凍るぐらいに

【結界術】で周囲に結界を張ってかぐや達の侵入を遅らせる

蛟!最強の大妖怪があんたを打ち破りに来たわよ!

【戦闘知識】でこれまでの戦いから蛟の癖を【見切り】

あんたの覚悟と期待…確かに受け取った
ならばあたしも全霊を尽くすのみよ!

時空を刻む斬撃を以て【二回攻撃】

我が剣は時空をも切り捨てる!



「この最強の大妖怪である空亡劔を差し置いてこんな凄い大異変を起こすなんて…生意気ね!!」
 空亡・劔(本当は若い大妖怪・f28419)は攻め寄るかぐや姫の大群に動揺する事もなく迎撃準備を整える。
「あたしは最強の大妖怪!助けに頼っては今後も頼っちゃうから自らの力で往くわ!」
 劔は同行を申し出た猫娘達の提案を丁重に断る。これも自身の為、最強の大妖怪はこのような状況でも一人で何とかするものだ!と自分を戒める。
「わかったわ、貴方の武運を祈ってるわね!」
 猫娘達は劔を激励した後、他の猟兵達の援護の為にその場を離れていく。

 この場を離れていく猫娘達からかぐや姫の大群に視線を戻す劔。
 いつの間にか周囲には真っ黒な血の如き雨が降り注いでいた。周りは濁流と化した川のようになっている。その濁流の中に僅かに残っている浅瀬部分に劔が立っているかのような状況。かぐや姫達は『紺夜の蛟』の恩恵を受けている為、そのような濁流の中も一切の乱れなく劔を目指し接近してきている。傍目から見たら絶望的な状況…。だが、劔には不敵な表情が浮かんでいるだけで一切の悲壮感などない!

 猫娘達がこの場を離れるまでの間に仕込みは済ませてある。後は術式を発動するだけだ!
「かぐや、あんた達にはあたしの戦いの邪魔はさせないわよ!この猛吹雪でも喰らいなさいっ!」
 既に編んであった術式を発動させると周囲に猛吹雪が発生した。その吹雪は劔に詰め寄ろうとしていたかぐや姫の大群を次々と呑み込んみ、雨すらも凍り付かせていく。
 凍り付いた雨、そして濁流だったものに巻き込まれかぐや姫達も身動きが取れず藻掻いている。

「ふむ、そなたの力は私の天候操作をも上回るか…。恐るべき力よな」
「次はあんたの番よ、蛟!」
「来い、猟兵!」
 雨を降らせる術を解除した『紺夜の蛟』が鋭槍を構えのが見えた。
「我が身、我が真体は時を統べし魔剣なり!今こそその力を解放せん!!」
 UC【時刻み】を発動させた劔、超高速飛翔で氷結した区域を飛び越えていく。その際に素早く侵入封じの結界を展開する劔。これで凍結に巻き込まれていたかぐや姫達が万一戦線に復帰したとしても、こちらの戦闘の邪魔は出来ない。最強の大妖怪は準備も抜かりはないのだ。

 自身に肉薄して来た劔を鋭槍で迎え撃つ『紺夜の蛟』。鋭槍と殺神魔剣『空亡・紅』が火花を散らす!
「蛟!最強の大妖怪があんたを打ち破りに来たわよ!」
「ふっ、自身を最強と謳うか。その実力、見極めさせてもらおう!」
 速度ではUCの恩恵も受けた劔の方が上回っている。だが、武器の射程は相手が上。間合いを詰めようとする劔を牽制する『紺夜の蛟』。槍の切っ先を紙一重で避け踏み込もうとすると阻まれる。互いに間合いを制する為の激しい攻防が繰り返された。

「なるほど、あながち口だけではないようだ。相手にとって不足なし!」
「あんたもなかなかやるじゃない、あたしには少し劣るけどね!」
「ぬかせっ!」
 激しい攻防の中、今までの戦闘経験から『紺夜の蛟』の癖を見出した劔。一気に勝負に出た!

「あんたの覚悟と期待…確かに受け取った。ならばあたしも全霊を尽くすのみよ!」
「くっ!先程より反応速度が上がっているのか?」
「あんたの動きは見切った!喰らいなさいっ!我が剣は時空をも切り捨てる!」
 時空を刻む斬撃の連撃が『紺夜の蛟』の防御を突破し叩き込まれるのだった!

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
厄介ですがやりようは有りますねぇ。
協力は「魔」さんにお願いしますぅ。

『FBS』を四肢に嵌め飛行、【崇卓】を発動し、戦場全体を『超重力』で覆いますねぇ。
かぐや姫さん達やその攻撃を『重力』で地表に押さえつけ、その上空を飛行して行けば殆ど妨害は受けず、多少なら『FMS』のバリアで防げるでしょう。

蛟さんの攻撃手段も『水』『槍』等ですから、同様に『重力』で或る程度抑えられますので、此方は【崇卓】による『土の壁』を追加して防御を固め、『FRS』『FSS』の[砲撃]で叩きますねぇ。
ただ、数が多い分「かぐや姫さん達への流れ弾」までは対処が難しいですから、此方を魔女さんに防いで頂ければ。



 かぐや姫の大群はあくまで妖怪、オブリビオンと違って倒してしまうわけにはいかない。
「厄介ですがやりようは有りますねぇ」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)には策が思い浮かんでいるようだ。
「それでは魔女さん、手筈通りのよろしくお願いしますぅ」
「あぁ、任されたよ。あたしの馴染みの店を救ってくれた恩人だからねぇ。精一杯頑張らせてもらうわよ」
 どうやら先の屋台の騒動の際、状況を見守っていた中に今回同行した魔女もいたらしい。猫娘を救出する為に尽力してくれたるこるの事も知っていたようだ。

 るこるは小箱より戦輪を取り出し四肢に嵌める。竹林から上空へ舞い上がったるこるは戦場全体を見渡す。
 るこるという攻撃対象を見失ったかぐや姫達は辺りをきょろきょろと見回している。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その祭壇の理をここに」
 その場でUC【豊乳女神の加護・崇卓】を発動させたるこるは、その力を使い戦場全域に超重力を発生させた。その超重力に押さえつけられたかぐや姫達は何も出来ずに地表に縫い付けられたように身動きが取れなくなる。

「いや~、こりゃまた凄いもんだねぇ…」
 るこると同様に魔法の箒で空中へ移動していた魔女もその効果と範囲に目を見張った。
「あんた、食べるだけじゃなくて凄い力も持ってるんだねぇ。たまげたよ」
「それでは、すみませんがかぐや姫さん達の方をよろしくお願いしますねぇ」
「おっと、いけないいけない。仰天し過ぎてあたしの仕事を忘れる所だったよ。…あの中に入っても大丈夫なんだね?」
「はいぃ、敵味方の識別を付けて行っていますので、魔女さんにはあの超重力は働きませんねぇ」
「そうかい、それを聞いて安心したよ。あんな超重力くらったら、あたしの腰がやられそうだしね、ひゃひゃひゃ」
 安心した表情で身動きの取れなくなっているかぐや姫達のいる地上へ降りていく魔女。
「さて、それではこちらは蛟さんの方へ向かわないとですねぇ」
 るこるは飛翔したまま反撃出来ないかぐや姫達の上を通過し『紺夜の蛟』の元へと向かった。

 戦場全体に発動している超重力は『紺夜の蛟』にも例外なく影響を与えていた。
「くっ、この超重力…猟兵の力か!」
 流石にかぐや姫のように地表へ縫い付けるレベルで動きを封じる事は出来ていないようだ。
「流石に完全に身動きを封じる事は出来ませんでしたかぁ。ですが動きに制限が掛かっている今はチャンスですねぇ」
「くっ、させるかっ!」
 『紺夜の蛟』は槍の先端より水弾を放ってきた。だが、その威力は必殺の一撃には程遠い。るこるの前に突然現れた土の壁によって水弾は防がれる。
「今のは驚きましたねぇ。槍の届かない範囲なら問題ないかと思っていたのですがぁ」
「この場を完全に掌握されているのか、くっ」
 『紺夜の蛟』にとっては必殺の一撃を放つにはるこるのいる位置は射程外。動きを制限されている今、詰め寄る事も出来ない。

「では、砲撃開始しますねぇ」
 るこるの装備が一斉に火を吹いた。『紺夜の蛟』は手に持った槍で一部を弾き飛ばしたが数が数だ。直ぐに劣勢に立たされていく。
 流れ弾が『紺夜の蛟』の周囲にいるかぐや姫に当たりそうになるが、その周囲に張り巡らされた魔女の結界によって弾かれ、被害は出なかった。
 るこるはその事に安心し『紺夜の蛟』を砲撃にて追い詰めていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リアナ・トラヴェリア
あと少し…、天狗の人、少しお手伝いをしてもいい?
かぐや姫達の足止めとか攻撃の弱体化ってできる?

多分今なら相手も疲労で動きが鈍くなってる、その間に爆発力のある攻撃で一気に畳み掛けたいんだ。
竹林の中だからあんまり速度を出して飛ぶことはできないけれど、かぐや姫たちからの攻撃ならそこまでダメージを受けないはず。一気に蛟に近づいて覇王の腕を発動するよ。

封印解除なんてさせない、そのまま全力を出せない内に畳み掛けて行くよ。あなたの意思がそれほど強いのなら、行動に出る前に決着をつけるつもりで。
その吸血鬼の骸魂だけを討つことはできない、けどあなたなら!

天狗の人もありがとう、また機会があったらよろしくね。



「あと少し…」
 リアナ・トラヴェリア(ドラゴニアンの黒騎士・f04463)から見ても『紺夜の蛟』の消耗はかなりの物である事が予想できる。
「天狗の人、少しお手伝いをしてもいい?」
 リアナの問いかけに頷く天狗。
「かぐや姫達の足止めとか攻撃の弱体化ってできる?」
「…長くは無理だが、可能だ」
「ありがとう、180秒だけ時間を稼いでもらえる?多分今なら相手も疲労で動きが鈍くなってる。その間に爆発力のある攻撃で一気に畳み掛けたいんだ」
「…やってみよう」
「では、お願いね。これで私は蛟に専念出来るわね…」

 リアナとの会話の後直ぐに術を発動させた天狗。天狗を中心に光の陣が広がっていき、かぐや姫達の動きが止まった。
「今だ」
「ありがとう!」
 感謝の言葉をかけると共にリアナは『紺夜の蛟』に向け、駆け出した!
 途中でかぐや姫達が必死にリアナへ攻撃を仕掛けようとするが、思うように体が動かないようだ。構わずリアナは竹林の中を滑空する。

「くっ、追撃かっ!ただではやられんぞ、猟兵!」
 リアナの予想通り今までの猟兵達の攻撃によりかなり消耗しているようだ。だが、近付いて来るリアナを見て最後の力を振り絞り起死回生の一撃を放とうとする!
「封印解除なんてさせない!」
 『紺夜の蛟』を間近に、リアナはUC【混ざりゆく覇王の腕】を発動させる!
「そのまま全力を出せない内に畳み掛けて行くよ!180秒で、全てを終わらせてみせる!」
 リアナの右腕と黒鱗剣が融合を果たし、その殺傷力が増した右腕で『紺夜の蛟』と切り結んだ。

「くっ、なんという力だ。私が打ち負けているだと?」
 消耗によるパワーダウンもあるのだろうが、『紺夜の蛟』は自身の力を開放するより前にリアナと切り結ぶ事になった為、本来の力を出せず完全に競り負けた。
 戦闘開始時の俊敏さは既になく、全身は傷だらけ。防戦一方の中、リアナの攻撃もかろうじて致命傷は避けているものの、それもそう長くは続かないだろうと思われる。
 だが、そんな状況の中も『紺夜の蛟』の戦う意思だけは健在のようだ。瞳を見ればわかる。
「その吸血鬼の骸魂だけを討つことはできない、けどあなたなら!」
 その不屈の意志に希望を見出すリアナは一気に勝負に出た。

 リアナの渾身の上段切りが『紺夜の蛟』を襲う!咄嗟に手に持った槍でガードしようとするが…
 度重なる戦闘で傷ついていた槍は、リアナの殺傷力を増した一撃を防ぐことが出来ず…。
 槍を真っ二つにしたリアナの黒鱗剣が『紺夜の蛟』の体に深く、深く突き刺さる。

「…見事だ…猟兵…。私の…完敗…だ」

 致命傷の一撃を受け崩れ落ちる『紺夜の蛟』。その体から吸血鬼らしき魂が抜け落ちていく…。どうやら骸魂を排除する事が出来たようだ。

 蛟はかろうじて息をしているようだ。かぐや姫達がわらわらと集まって来て蛟の手当てをしている。致命傷に思われた傷だが、その大半のダメージは骸魂が負ったのだろう。
「大丈夫か?」
「あ、あぁ…何とか…な。本当に凄いのだな、君達猟兵は。君達になら…大将達を、この世界を救えるかもしれない…そう思えるよ」
 リアナの問いかけに、苦しみながらも蛟は答えた。
 戦闘可能時間ギリギリの戦いを制したリアナは蛟の受け答えにホッとしたのか、その場に倒れ込みそうになる。それを支えたのは天狗だった。

「ありがとう。おかげで助かったよ。また機会があったらよろしくね」
「…それはこちらのセリフだ。感謝する」
 天狗もこの危機を打開してくれたリアナ達猟兵に寡黙ながらも感謝の言葉を述べるのだった。


 戦いは終わった。
 かぐや姫達ももはや敵意を感じさせない。蛟も一命を取り留めたようだ。
 猟兵達の活躍がなければ最悪の事態になっていただろう局面は、無事に解決へと至ったのだった。

【完】

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月11日


挿絵イラスト