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大祓百鬼夜行⑩〜酒の海に溺れていってね!~

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

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#大祓百鬼夜行


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●カクリヨファンタズム・謎の屋台「無限の酒海」
 カクリヨファンタズム世界には夜になると、軽く一杯やりつつ、様々な屋台グルメを食べられる屋台が存在する。それは妖怪達にとっての、楽しみになりつつある。
 その屋台の内の一つ、「無限の酒海」と暖簾を出している屋台は、グルメ料理はなく、メニューもおつまみ程度。だが古今東西のお酒を揃えた居酒屋屋台なのだ。
「さあさあ、どうぞ一杯」
 ここの店主たる竜神は酒を振るう。味は申し分ないだろう。本人も飲んで楽しんでいるのだから。
 だが大祓骸魂の百鬼夜行の一員に飲み込まれた店主は一昔前とは様子が違う。それは言動からも明らかだ。
「さあ、一杯。いっぱい飲んで! もっともっと! 一気イッキ!」
 客のペースなど考えない酒の濁流。これに耐えれる者は妖怪でも少ないだろう。

●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「このままだとお酒で一杯になっちゃうよ!」
 竜神店主が継ぎ足す酒の量に画面からでも酔いそうになる。そんな光景を電脳ウインドウを操作しながらグリモア猟兵のエィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)は説明を始める。
 この屋台の竜神店主は、百鬼夜行の骸魂に取り込まれた影響で「もてなし衝動」が大暴走し、客を妖力で無理矢理屋台に引き摺り込み、凄まじい量の酒を飲ませようとする。一応酒の種類やおつまみも聞いてくれるが、ノンストップに注ぎ足してくるのだ。
「もてなし衝動さえ解消すれば、骸魂も消滅するらしいんだー。だから皆にはお酒に付き合ってあげてね!」
 様々なお酒を飲んで楽しむもよし。酒盛りをしつつ、酒を消費していくもよし。ただし暴力行為は竜神店主が全力で対応するのでオススメはできない。
 さらに未成年飲酒は厳禁である。何らかの方法でお酒を飲む以外で消費する以外はエィミーが転移させない処置を取る。そこはきっちりルールを守らせる幼女である。
「お酒の他におつまみもあるけど、メインはお酒だからお願いねー!」
 そしてお酒が大量に待つ屋台へと転移術式を展開するエィミー。お酒を楽しむか、限界をに挑むか。それは猟兵次第だ。


ライラ.hack
 酒は百薬の長と言えど、飲み過ぎには注意。
 どうも皆様こんにちは。ライラ.hackです。

 このたびは大祓骸魂を弱める為、謎の屋台により酒やおつまみで溢れ変えさせようとする大祓骸魂勢力のオブリビオンを撃破するのが目的です。
 カクリヨファンタズムでは、夜になると謎の屋台が現れ、妖怪達が軽く一杯やりつつ、ラーメンやおでん、焼き鳥、カレー、フレンチ……なんかを食べに来ていました。強大な妖怪でもある、謎めいた屋台の主人達は、骸魂と合体した後も屋台の営業を続けています……ですが、彼らはオブリビオン化によって「もてなし衝動」が大暴走し、客を妖力で無理矢理屋台に引き摺り込み、凄まじい量の「屋台グルメ」を食べさせようとします。このままではカクリヨが無限の食べ物で埋まっちゃう! 猟兵の出番です!

 補足としてカクリヨファンタズムのオブリビオンは「骸魂が妖怪を飲み込んで変身したもの」です。飲み込まれた妖怪は、オブリビオンを倒せば救出できます。

 以下、特殊ルールとなります。
 プレイングボーナス……屋台グルメ(このシナリオはお酒全般、おつまみ。未成年は飲酒以外の方法を取る)を食べまくる(戦わずともダメージを与えられます)。

 以上となります。酒を大量に飲めるチャンス! おつまみを添えて二日酔いにはご注意を。
 それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『酒呑み竜神『酔いどれオロチ』』

POW   :    桜に酒はよく似合う
【周囲に咲いている桜の花びら】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    月も酒にはよく似合う
非戦闘行為に没頭している間、自身の【頭上に輝く満月】が【怪しい光を照らして包み込み】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
WIZ   :    やはり祭りに酒はよく似合う
【頭上の提灯の怪しくも楽しそうな灯り】を披露した指定の全対象に【倒れるまで踊り狂いたいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は高柳・源三郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

董・白
【心境】
「お酒かぁ。お酒は嫌いじゃないけど。ノンビリ飲みたいです。」
こーいう酒盛りは太公望師が好きそう…。
とりあえず、飲めるだけ飲んでガンバロー。

【行動】
とりあえず大将。おすすめを一杯お願いします。
まずはこの夜の出会いに乾杯。
…うん。意外に異世界のお酒も結構いいです。
量以外は…えーっと…うん。がんばります。
お酒を長く多く飲むコツは、お酒8、お水2の分量で交互に飲む…でしたね。
一か八か、霧露乾坤網を発動して、宝貝の水でアルコールの過剰摂取による胃のダメージを回復。大酒飲みという戦闘能力も強化です。うんイレギュラーすぎる使い方でお師様ごめんなさい。
え、まだおかわり…が、がんばります。


ユリウス・リウィウス
屋台か。ふむ、あれが件のものらしい。邪魔をするぞ、店主。
赤ワインのフルボディを。出来れば良年で。二十年熟成辺りがいいな。十分に開いているだろう。
つまみはチーズの盛り合わせで構わん。

うむ、時間によって円熟した、お手本のようなヴィンテージワインだ。
ん? 無理矢理グラスに注ごうとするのはマナー違反だぞ。俺がグラスをテーブルに置いて初めて、次の一杯だ。
しかしこれはグラス一杯をいつまでも味わっていたくなる味だなぁ。
例えるなら、空へと真っ直ぐ伸びた杉の古木。その葉叢には小鳥の気配も隠れていて。

では次の一杯をいただこう。

一本空いたか。次もこれに勝るとも劣らない一本を頼むぞ。この屋台にどれだけ在庫があるかな?


チェスカー・アーマライト
燃料補給し放題ってか
やったじゃん(機体をベシベシ叩く)
よっしゃ樽で持ってこーい
いや、飲むのはあたしじゃなくてビッグタイガーさ
あたしは下戸なんでツマミだけ食う
(食える時に食えるだけ食っとけ精神)

ガンガン補給してメーターが振り切った
けどイッキコールは止まらない
なんとか給油した分を消費しねーとなんだが

ヘイ店主、突然だが電飾のバッテリー係を雇わねーか
コイツのリアクターはアルコールを分解して電気エネルギーに変換すんだ
派手な看板なら呼び込みも捗るんじゃねーか?って交渉してみる
交渉成立したら、酔っ払って千鳥足になったスタンディングモードの機体をどうにか操縦して屋台の裏に回す
まったく世話の焼ける大虎だぜ


阿瀬川・泰史
いやぁ、飲めども飲めども酒が無くならない。酒飲みにとっちゃ天国ですよねぇ。
え? こちとら徳利のヤドリガミですよ、大酒かっ食らうなど軽い軽い。

嬉々として屋台の席に座り、まずは一人で飲み始め。
「お邪魔しますよぉ。あ、注いでくださる? どうもどうも」
店主の竜神様にお声掛けしながらお酒をいただきましょう。おつまみも適宜挟みたいですが、まぁ無ければ味噌や塩でも。
相応に飲める自信はありますが、三合か四合かもらったところで【杉玉の集い】を使って援軍を呼びましょうか。
「いい酒ですからねぇ、ここの皆さんにも振る舞ってくださいな。ささ、遠慮なく」
いやぁ、箍を外して飲む酒は楽しいですねぇ。

アドリブ・連携歓迎



 ここは知る人ぞ知る謎の屋台「無限の酒海」。様々なお酒を振るい、酒に合うおつまみを出してお酒の海に溺れるといったイメージが定着している屋台だ。
 神出鬼没ながらも、誰もが満足して酒をたらふく飲めるということから、酒飲み妖怪達に愛される。そして店主の竜神もまた、生粋の大酒飲みだ。
 店主とは名ばかりに自分も飲んでいる竜神は骸魂に飲み込まれても、酒を出し続ける。そしてまた一人来た客をもてなす。
「いらっしゃい」
「お酒かぁ。お酒は嫌いじゃないけど。ノンビリ飲みたいです」
 そんな心境を吐露する董・白(尸解仙・f33242)。崑崙の竜吉公主へ預けられ、仙人への修行をしている間にお酒を飲む機会もあった。
 師匠も混ざりながらも酒盛りもあったが、マイペースに飲むのが好みなのは否めない。こういうノリは太公望師が好きなのだろうが、白自身はとりあえず、飲めるだけ飲もうと心の中で決意する。
「とりあえず大将。おすすめを一杯お願いします」
「ほうほうお嬢ちゃん初めてかい。ならこの妖怪殺しなんてどうだい」
 そう言って自分が飲んでいる火酒を進める竜神。もはやこの店主、完全に酔っ払いと化していて、己の好きな酒を共有しようとしているだけかもしれない。
 だが興味があったので白は突っ込まない。そして注がれたお酒を片手で持ち、乾杯する。
「まずはこの夜の出会いに乾杯」
 そして一気に「妖怪殺し」のお酒を飲み干す白。口に広がるのは甘みであり、芳醇な香り。
 その後に来る強烈な酒精は妖怪すら殺すという異名を持つほど強いものであった。さすがはカクリヨファンタズム、仙界とは違うが異世界のお酒も味があると白は唸る。
「いい飲みっぷりですな。ささ、もう一杯」
「…えーっと…うん。がんばります」
 すぐ注ぎ足してくる竜神店主に白は苦笑する。量以外は何とかなると思うが、お酒を長く多く飲むコツは、お酒8、お水2の分量で交互に飲むという太公望師の言葉を思い出す。
 そうやって酒を飲み続けるも、このまま無限に飲み続けられるほど白も無尽蔵ではない。なのでさらに耐久する為に「宝貝『霧露乾坤網』パオペエムロケンコンモウ)」を発動する。
「お師様お力お借りします」
 酒で潰れるよりかはということで、白は一か八かの賭けに出る。宝貝の水で胃のの中を満たし、アルコールの過剰摂取による胃のダメージを回復していく。
 さらにアルコールも胃の中で薄めていき、大酒飲みという戦闘能力も強化していく。酔いつぶれそうな気配があった白が復活してきたことを喜ぶ店主。
「やるのう、若いの。ささ、もう一杯一杯!」
「え、まだおかわり…が、がんばります」
 心の中で宝貝のイレギュラーすぎる使い方を謝りつつも、店主の強引な酒の注ぎ方に手を打ってよかったと思う白。とはいえ、一人では潰れてしまいかねない。
 そんな中でユリウス・リウィウス(剣の墓標・f00045)が無表情のまま入ってくる。勿論常連ではないが、目的の屋台に来たのには変わりない。
「ふむ、ここが件のものらしい。邪魔をするぞ、店主」
「いらっしゃい。今日は千客万来じゃな」
 そう言いながら愉快そうに笑う竜神店主。相変わらずお酒を飲み続けている姿は、接客する側としてはあるまじき姿であるが。
 一方のユリウスはさきほどの白は違って如何にも大人の男性といった感じだ。全身鎧を身に纏い、腰の左右に黒剣を吊っていて、騎士団に属しているといってもおかしくは風貌だ。
「赤ワインのフルボディを。出来れば良年で。二十年熟成辺りがいいな。十分に開いているだろう」
「それなら1998年のローヌの赤ワインじゃろうのう。ここは大当たり年で長期熟成に向いたワインに仕上がっておる」
 極上のワインを取り出す竜神店主。他にも当たり年の二十年熟成物のワインは沢山と言わんばかりの仕草である。
 それにゆっくりと頷くユリウス。つまみはチーズで構わないと言いつつ、そのワインがグラスに注がれる。
「うむ、時間によって円熟した、お手本のようなヴィンテージワインだ」
 香りを楽しみ、味をゆっくりと楽しむユリウス。舌で転がしながらも、豊かな赤ワインの風味を堪能していく。
 これぞワインの楽しみ方と言わんばかりに優雅な仕草である。それを見て店主が次を注ごうとするが、それを手を出して止めるのはユリウスだ。
「ん? 無理矢理グラスに注ごうとするのはマナー違反だぞ」
 そう、ワインはグラスをテーブルにおくまでは注ぐべからず。それはマナーの一環である。
 早く酒を注ごうとする店主を抑制しつつ、ユリウスはゆっくりと赤ワインを楽しむ。これぞマイペースでお酒を消費するコツだ。
「しかしこれはグラス一杯でいつまでも味わっていたくなる味だなぁ」
「そ、そうかのう?」
 店主は戸惑いながらも、そう問い返す。ここではお酒は大きく消費するものであり、そこまでゆっくりと飲む妖怪もいなかったからかもしれない。
 そのワインは例えるなら、空へと真っ直ぐ伸びた杉の古木。その葉叢には小鳥の気配も隠れていて―――そんな幻想が思い浮かび、ユリウスはグラスを飲み干す。
「では次の一杯をいただこう」

 そしてゆっくりと赤ワインを消費していきようやく一本を空いたことを確認するユリウス。じっくり楽しんだ結果であったが、そのおかげで白にもインターバルを作ることができた。
「次もこれに勝るとも劣らない一本を頼むぞ」
 それを知ってか知らずか、次のワインを注文するユリウス。この屋台にはどれだけの在庫があるか胸を躍らせながら次のワインが来るのを待つ。

「燃料補給し放題ってか。やったじゃん」
「いやぁ、飲めども飲めども酒が無くならない。酒飲みにとっちゃ天国ですよねぇ」
 そう言って二人がお酒を消費している時に、次の猟兵達が二人同時に屋台に乗り込んでくる。一人はチェスカー・アーマライト(錆鴉・f32456)であるが、自身の重戦車機体「ビックタイガー」も入店してくる始末。
 そしてもう一人の阿瀬川・泰史(酒と杯さえあればよし・f02245)も飄々とした雰囲気でありながらも、店主がただ物ではないという雰囲気を察する。こいつは酒飲みでも猛者だということを直感で感じ取る。
「よっしゃ樽で持ってこーい!」
「え? こちとら徳利のヤドリガミですよ、大酒かっ食らうなど軽い軽い」
 そう言って豪快にチェスカーが樽での酒を注文し、泰史は一人で悠々と席に座る。対照的な二人ではあるが店主は酒を自分の徳利に注ぎながらも、酒の準備を忘れない。
 そしてチェスカーには酒の樽を豪快に持ち運んでおいてあげる。尻尾で持ち運ぶことができるのも竜神の強みじゃ。
「ほっほっほっ、随分大酒飲みのようじゃのう。これも飲めるか……」
「いや、飲むのはあたしじゃなくてビッグタイガーさ。あたしは下戸なんでツマミだけ食う」
 はっ?という顔をする店主を余所に、まるで一人で動き出した重戦車は酒を飲み始める。そう、このビックタイガーはアルコールでも稼働するリアクターを備える機体なのだ。
 なぜか酒を飲みだした機体を放っておいてチェスカーは食えるだけ食える精神を発揮して、どんどんつまみを消化していく。何ならユリウスのチーズも搔っ攫う勢いである。
「こ、これは侮っていたのう。いい飲みっぷりじゃ、イッキイッキ!」
 ビックタイガーの樽飲みにさすがの店主も驚いていたが、すぐに妖怪の類を思ったのか、どんどん酒を注ぎ足していく。しかしこの機体は、大量に給油すると何故か酔っぱらうのだ。
 ガンガン補給してメーターが振り切ったが、店主の勢いは止まらない。しかし何とか給油した分を消費しないと、さすがのビックタイガーでも追加では飲み切れない。
「ヘイ店主、突然だが電飾のバッテリー係を雇わねーか」
「ほっ、ばってりー?」
 実はチェスカーのビックタイガーはアルコールを分解して電気エネルギーに変換する。そしてその有り余るアルコールを消費電力として消化してしまおうという考えだ。
 派手な看板ならこの屋台の呼び込みも捗るんじゃないか、という交渉を行うチェスカー。始めはわからなかった店主も、快く引き受けてくれたのでチェスカーはそそくさと準備を始める。
「よっしゃ交渉成立だな! おい、酔っぱらってないでこっちこい!」
 チェスカーはさっそく屋台裏にまでビックタイガーを操縦する為に乗り込む。一応動かすことができるが、機械なのに酔っ払っているので千鳥足になる。
 汎用性に優れた二脚タイプの人型形態「スタンディングモード」故にそれもやむを得ないが、それでも苦心しながら運転して裏まで回す。そして電気系統を繋げて看板が強烈な光を発していく。
「まったく世話の焼ける大虎だぜ」
 そう言いながらも輝ける看板になった屋台を見上げるチェスカー。これでまだまだ酒が飲めるとばかりに、ビックタイガーに祝い酒をガンガン回していく。
 一方の泰史はというと、嬉々として屋台の席に座って一人で飲み始めていた。さきほどまでど派手な樽で飲む客を相手にしていた店主はすかさずお酒を注いでいく。
「お邪魔してますよぉ。あ、注いでくださる? どうもどうも」
「ほっほっほっ、こちらこそすまんのう。どんどんやってくだされ」
 竜神の店主にもまったく怯むことなく、お酒を飲み干していく泰史。彼は人間ではなく、陶器製の徳利が魂を得て、小柄な青年の姿を取ったヤドリガミである。
 故に気を張って飲むこともなく、自然体に屋台を楽しみ、酒を楽しみ、雰囲気を楽しむ。おつまみも適宜挟んでいきながら、時には無造作に味噌や塩を味わっていく。
「ほう、乙ですな」
「こういうおつまみはお酒を美味しくしますからねぇ」
 朗らかに笑いながら、店主と乾杯する泰史。本人はいくらでも飲める自信はあるものの、この屋台の酒を空にしていくにはもっとペースを上げなくてはならない。
 そう思って三合か四合貰ったところで能力「杉玉の集い(スギダマノツドイ)」を発動する。すると泰史に釣られるように酒飲み集団が店に押し寄せてくる。
「いい酒ですからねぇ、ここの皆さんにも振る舞ってくださいな。ささ、遠慮なく」
「おお、これほど来るとは……ささ、飲んでいって下され!」
 喜色満面で酒飲み集団を持て成す竜神店主。援軍に来た酒飲み達の輪に入って飲んでいく泰史。
 箍を外して飲む酒は楽しく、ペースはどんどん進む。泰史とその集団に混ざって、白もユリウスもその輪に加わっていく。チェスカーも屋台裏からその喧噪が聞こえて笑顔になる。

 そして酒宴を楽しみ、次々と酒が消費されていく。その中でついに酒の備蓄がなくなり、屋台を閉めなくてはならない状態に陥る。
「これほど飲んで頂けるとは……ありがとうございました」
 竜神の店主が頭を下げると、身体に取り付いていた靄が霧散していく。おそらくは取り憑いていた骸魂が滅んでいったのだろう。店主が満足した気持ちになったが故に、耐えきることができなかったのだろう。

 その様子を見てほっとする猟兵達。そして竜神の店主はまた酒を補充する為にカクリヨファンタズムの世界を放浪していくのだろう。
 次に入店する時はわからないが、この酒宴は忘れることのない思い出であろう。激闘が続く百鬼夜行の戦いで、その酒は確かに猟兵達を癒したのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月13日
宿敵 『酒呑み竜神『酔いどれオロチ』』 を撃破!


挿絵イラスト