大祓百鬼夜行⑩〜集まれカレー星人
●カクリヨの、とある屋台にて
「あれ?店長さんはいないのかい?」
馴染みの猫娘の店長の姿が見当たらないと来店した妖怪が店番をしていた女性に声を掛ける。
「店長?あぁ、どこに行ったんだろうね。まぁ、良いじゃないそんな事は。食べていくんでしょ?」
「むぅ・・・、店長の猫舌ながらも頑張る姿が見たかったんだがなぁ・・・。残念だ」
「す、好きで猫舌なんじゃないんだからねっ!」
「???」
「・・・あ、なんでもないです。おほほほ・・・。さ、召し上がれ!」
なんか店番をしていた女性がどこか店長の仕草と被った気がしたが、姿が違う。首を傾げながらも女性からカレーを受け取ると食べ始める客の妖怪。
「・・・うん、やっぱり美味いな。いくらでも食べれそうだ」
「じゃあ、ジャンジャン食べちゃってね!張り切って作るから!」
「お、おぅ・・・」
女性の勢いに圧倒され思わず頷いてしまったお客の妖怪。その後、延々とカレーを食べさせられる羽目に合うのだった。
●所変わって、とある世界にある夕闇亭にて
「皆さん、カクリヨで大きな戦いが始まりましたね」
夕闇亭の食堂に立ち寄った猟兵達に話し掛けるグリモア猟兵の鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)。手には食堂のオジサンが作ってくれたカレーが。
「実はそのカクリヨで発生している『大祓百鬼夜行』。その一画で事件が発生しているみたいなんです」
話によると、カクリヨでは夜になると謎の屋台が出没するらしい。屋台は色々な種類があるらしいが、ひりょが今回予知したのはそのうちの一つとの事。
「カレーを扱っている屋台らしいのですが、屋台の店長は猫娘さんだったらしいです。ただ、今は骸魂に飲み込まれてオブリビオンになってしまっているみたいです。じゃんじゃんカレーを作りまくっては屋台に立ち寄った妖怪達に食べさせまくっているらしいです。・・・なんて羨ましい、いえ、なんでもありません」
ひとまず、最後のひりょの一言はスルーした猟兵達。そのままだと辺り一帯がカレー塗れになっちゃうから、そのオブリビオンを倒して猫娘を救出する、という事か。早速準備に入ろうとする猟兵達を慌てて呼び止めるひりょ。
「あぁ、実はですね。今回のオブリビオン。『もてなし衝動』が暴走しているみたいなので、それを緩和していけば骸魂を除去出来そうなんです」
という事は、戦わなくても事件の解決が可能、という事か。詳しく話を聞く為、再び席に座り直す猟兵達。
「今回に関しては手荒な真似はせず、ガンガン出されるカレーを食べまくってもらえれば、オブリビオンの『もてなし衝動』を消費していくと思います。食べまくっていけば自然とオブリビオン退治に繋がるかと」
なるほど、となれば今回の任務に必要なのは相手を倒す為の武器ではない、食欲だ。特にカレーが好きな者達にとってはじゃんじゃん食べれる機会になるだろう。
「本当は俺も行きたかったんですがね・・・。カレー食べたい。ですが、現地には俺はいけないのですみません・・・。俺の分まで皆さん、食べまくってきてください!」
ちょっと涙目のひりょの肩をぽむと叩き、猟兵達は彼が準備した転送陣へと飛び込むのだった。
黄昏空
皆さん、カレーは大好きですか?当方は大好きです。1日3食でもいいかな?なんて思う時もあるカレー星人な部分ありますMSの黄昏空(たそがれ・そら)です。
このシナリオは戦争シナリオ。1章のみで完結となります。
猟兵の皆さんには『天邪鬼・サグメ』が出店しているカレー屋さんに乗り込んで、カレーを食べまくっていただきます。
このシナリオは戦闘で倒すのではなく、カレーを作りまくる『天邪鬼・サグメ』を疲弊させる事で骸魂を消耗させ、取り除いていきます。
つまり、このシナリオで相対するのは『天邪鬼・サグメ』というよりはカレーです!
このシナリオのプレイングボーナスは『カレーを食べまくる事』となっています。
カレーの種類・味・辛さなどは各自プレイングに盛り込んでもらえればそれを基にリプレイを書かせていただきます。逆に『辛いの苦手』とかで、『辛さ:お任せ』みたいな感じで書いていただくのもオッケーです。お任せ要素のある内容の場合は、こちらでダイスを振って決めてみたりしてみます。
人数がどの程度集まるかは分かりませんが、人数は最少人数になるかと思います。
プレイング受付開始は5/7(金)の8:31~とします。
それでは皆さんのご参加お待ちしております。
第1章 ボス戦
『天邪鬼・サグメ』
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POW : 天邪鬼の呪法『烏白馬角』
攻撃が命中した対象に【『性質反転』の呪印】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【反転の負荷が齎す苦痛や消耗】による追加攻撃を与え続ける。
SPD : 天邪鬼の呪法『表裏比興』
妖怪【天邪鬼】の描かれたメダルを対象に貼り付けている間、対象に【内心と正反対の行動や発言しか出来なくなる】効果を与え続ける。
WIZ : 天邪鬼の呪法『抛磚引玉』
【対象の望む人物や物体の『不完全な再現』】【を召喚する事で生じる動揺や】【喜怒哀楽などの感情を糧とする事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
イラスト:えな
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「鞍馬・景正」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
片桐・公明
【SPD】
楽しそうな本体と少し青ざめた分身の2人で来店する
そして二人で出されたカレーをそのまま食べる
時折店主に向けて雑談を振る
本「カレーは牛、豚、鶏、果ては野菜や魚介なんて種類があるけど、個々のおすすめは何かしら」
本「カレーに調味料を追加するのは邪道と思う人かしら?」
本「私はルーにソースを垂らしたのが好きなのだけど。」
本「あ、ラッキョウと福神漬けは有ります?」
自分の好きなように食べるが、店主が不快になる場合は自重する
小食な分身が倒れてもなお食事を続ける本体
本「だらしがないわね。あ、お変わりください。」
分「だからあたしは大食いじゃねえんだって。」
(絡み、アドリブ歓迎です。)
片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)が件の屋台に顔を出す。
「こんばんは、店主。まずはカレー二つね!」
「おっけーよ?…あら、そちらの方はなんだか顔色悪いわね、大丈夫?」
公明には連れがいた。いや、連れというか…。
「なんであたしまで…」
公明に連れて来られていたのは彼女の分身。UC【邪悪なる別人格】によって現れたもう一人の公明なのだ。だが、分身の彼女はどうも少し青ざめたどんよりした表情をしている。
その成り立ちが『公明の中に潜む闇に染まった自分』というものだから、ともいえるが…。店主は「双子なのかしら?」くらいのつもりなのか、直ぐに2人の前にカレーを差し出した。
「そちらの方は元気が出るように、辛さを倍にしておいたからね♪」
「いや、そんなサービスはいらねぇって…。『♪』付けんなし」
「べ、別に貴方の事を気にしたわけじゃないんだからねっ!」
「あぁ、はいはい…。…はぁ…」
店主のツンデレな一言をスルーし、ため息をつきながら公明の分身がカレーを食べ始める。
その横で軽快なペースで食べ進める公明は、お代わりを頼む際に口休めも兼ねて店主に話し掛けてみる。
「店主、カレーは牛、豚、鶏、果ては野菜や魚介なんて種類があるけど、ここのおすすめは何かしら?」
「そうねぇ…。色々私も試してみたけど、やっぱりオーソドックスなビーフ、つまり牛に戻って来ちゃったわね。ベーシックだからこそ腕の見せ所、という感じかしら?」
「なるほど…、ん、確かにさっきのより味に深みがあるような…」
ビーフカレーを食べながら公明もテーブルの上をチラチラと、あるものを探す。
「店主、ソースとかあるかしら?」
「あぁ、ソースね。こっちの濃い口が合うと思うわね」
店主よりソースを受け取りルーにかける。
「…確かにまたこれさっきより味わいが変わったわね。あまりソースはかけない方がいいのかしら?私はルーにソースを垂らしたのが好きなのだけど。店主はそういうの邪道だと思う?」
「ん~…色々な味を楽しんでほしいから、それもアリかな?とは思うわね。まぁ、ソースをかけない素の味も楽しんでもらえたら嬉しいけれどね」
話をしている感じではカレーにひたむきな情熱をかける妖怪、という印象を公明は抱いた。
「あ、ラッキョウと福神漬けは有ります?」
「あ、はいは~い。こっちね」
結構甲斐甲斐しいし。なるほど、こんな様子ならオブリビオンになる前は妖怪達にも好評だった屋台というのも頷ける。
そんな感じで楽しいやり取りを店主と繰り返す公明の隣で、どんよりオーラの分身がゆっくりと食べ進めている。
「あら?あまり食が進まないのかしら…?…もしかして…味が合わなかった?」
「う、そんな事は…ないけど…。…食べます」
ちょっと涙目になっているっぽい店主に罪悪感を感じた分身は、気力を振り絞りペースを上げる。
「も、もう無理…」
なんとか一杯を食べ終えたが、そこでダウンしてしまった分身。その横でまだまだ余力を残している公明。
「だらしがないわね。もうダウン?あ、店主、お代わりください」
「だからあたしはだからあたしは大食いじゃねえんだって。う、胸焼けが…」
その後、早々にリタイアした分身の分まで食べ進めた公明だった。
大成功
🔵🔵🔵
蛇塚・ライム
ふふ……私(わたくし)の超絶望的な辛党の味覚が役立つ時が来たわね!
店主さん、この店で一番辛いカレーをくださるかしら?
ええ、あなたが『性質反転』の呪印を私に施して消耗させようとも、それすら乗り切って完食してみせますわ!
私、UDCアースで有名な激辛ラーメン店の激辛最高レベルを毎回頼む常連ですの
あまりにも私が平然にすするものですから、店主さんには『赤き炎のアイドル』なんて異名を言い渡されましたわ……複雑ですの
辛さと苦痛と消耗は受け流し、辛さは火炎耐性+毒耐性で抑え込む
継戦能力で完食までの闘争心を燃やし、勇気で食べ尽くす
ごちそうさまでした
とても美味しかったですわ!
なお、アイドルなので汗ひとつかかない
「あら、いらっしゃい!」
次に屋台に訪れたのは蛇塚・ライム(その罪名は『憤怒』/IGNITE POP DiVA・f30196)だった。
「店主さん、この店で一番辛いカレーをくださるかしら?」
「一番辛いカレー…かしら?う~ん、これなんかどうかしら?」
店主がライムに出したカレーは確かに辛かった。だが、どこか物足りない、そんな印象を受けたライム。その思いを店主にぶつける。
「これが本当にこの店で一番辛いカレーでしょうか?申し訳ないですけれど、とてもそうは思えないのですが…」
「う~ん…、実は『安全に食べれる一番辛いカレー』が今のなの。それよりも辛いのはあるにはあるんだけどね…。あまりに危険だから封印しちゃったのよねぇ…」
「それです、店主。それをいただけますか?」
ライムの発言に屋台の前に集まっていたギャラリー(猟兵達のおかげで騒動に巻き込まれずに済んだ近隣の妖怪達)からザワッと声があがる。
(ふふ……わたくしの超絶望的な辛党の味覚が役立つ時が来たわね!)
「私、UDCアースで有名な激辛ラーメン店の激辛最高レベルを毎回頼む常連ですの」
「あら、そうなの?私はこの世界の事しか知らないけれど…、貴方、かなりの猛者なのね」
「ええ、そうなりますね。あまりにも私が平然にすするものですから、店主さんには『赤き炎のアイドル』なんて異名を言い渡されましたわ……複雑ですの」
「…わかったわ。そこまで言うなら…、かつて私が封印した最高の辛さのカレー、出してあげるわね」
「ええ、あなたが『性質反転』の呪印を私に施して消耗させようとも、それすら乗り切って完食してみせますわ!」
「そんな事、しないわよ。じゃ、ちょっと待っててね」
ライムの宣言に思わず苦笑いした店主はそそくさと準備を始める。次第に周囲に強烈な刺激臭が立ち上り始める。
そして…。
「はい、出来上がり。気を付けて食べてね。封印する前に最後に食べたお客さん、ちょっと色々あったから…」
『ちょっと色々』とはいったい何があったのやら…。
出て来たカレーはぐつぐつと煮え立つような感じで、辺りには目が痛くなりそうなカレー臭が…。周囲のギャラリーからも苦悶の声があがっている。
「では、いただきます!」
そんな中、そのやばそうなカレーにライムは戦いを挑む!
一口…。…、……、辛い、という認識が湧いてこない…、なんだろう、凄く痛い気がする、いや気のせいかもしれない。そういう次元でない気がするのだ。
だが、ライムに撤退の二文字はない。その感覚が無くなってしまうレベルの味も受け流し、噴き出しそうになる全身の汗も抑え込む。これぞ、アイドルとしての矜持!
そうして長いような短いような旅路を、ライムは完走した。
「ごちそうさまでした。とても美味しかったですわ!」
最後まで笑顔を絶やさない。ライムのアイドルとしてのプライドは生半可なものではないのだ!吹き出しそうになる汗も、最終的に抑え込み続けてしまったのだから。
「驚いたわ、まさか貴方みたいな人がいるなんて…。お名前、お聞きしても?」
本当に完食してしまったライムに思わず店主も握手を求める。
「私の名前は蛇塚・ライム、ですわ!」
「ライムさん、ね。貴方の事、覚えておくわね!」
しっかり店主と握手を交わし、その瞬間にギャラリーからも大歓声が!
尚、後日談であるが…。事件解決後、この屋台では『赤き炎のアイドル:ライム』の名が伝説の人として語り継がれることになったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
九十九・静香
アドリブ、連携、OK
カレーですか
発汗作用もありスパイスは健康への効果もあるとか……
ならば、皆で美味しく頂くしかありませんね
まずは車椅子令嬢姿で来店し普通のものを頂いてみましょう
まあ、辛いながらもコクや旨味が溜まりませんわね
ああ、汗が出てきました……ではそろそろここで、筋肉令嬢姿に変身!
発汗しつつスクワット!そのエネルギー消費と共にカレーを食べていきます!
むぅ!身体がもっと辛さを求めていますわ!
店主!もっと辛い物を!
そしてUC発動!86人の超筋肉軍団を呼び、皆でカレーを食べて同時にトレーニング!発汗トレーニングができて美味しい物も味わえてかたすとろふも防げる!なんて素晴らしい、皆様頑張りましょう
「カレーですか。発汗作用もありスパイスは健康への効果もあるとか……。ならば、皆で美味しく頂くしかありませんね」
九十九・静香(怪奇!筋肉令嬢・f22751)は車椅子令嬢姿で来店し普通の辛さの物を注文した。
「店主さん、カレーを一ついただけませんか?」
「いらっしゃい!わざわざ車椅子で来てくれたんだね…。よし、張り切って作らせてもらうわね」
差し出されたカレーを一口、口に運ぶ静香。口の中に素朴ながら芳醇な味わいが広がる。
「まあ…、辛いながらもコクや旨味が堪りませんわね」
程よい辛み、それでいて味は深みがある感じで、これは確かに美味しい。
静香は夢中になってカレーを口に運ぶ。次第に静香の頬に汗が伝うようになってきた。事前に話を聞いていた通り、これはいい汗をかく事が出来そうだ。
「ああ、汗が出てきました……。では、そろそろここで…」
すると静香の体に異変が。みるみるうちに立派な筋肉の令嬢姿に!
「えっ!?どういう事?!私のカレーで何かとんでもない反応がっ?!」
ちょっとパニックを起こし掛けた店主だったが、静香が事情を説明する事で落ち着く事が出来た。非常にオブリビオンらしくないオブリビオンと言える。宿主となった猫娘の影響が大きいのだろうか。
「あぁ、良かったわ…。私のカレーが何かとんでもない事を引き起こしたんじゃないか…って。不思議な体質を持っていらっしゃるのね、貴方」
事情を説明している間にも筋肉令嬢姿の静香はスクワットを欠かさない!カレーを食べた事によるものとスクワットによるもの。二つの発汗によるエネルギー消費を補うようにカレーを食べ進めていく。
たちまちカレーを一皿平らげてしまった静香。
「むぅ!身体がもっと辛さを求めていますわ!店主!もっと辛い物を!」
「あ、はいはい…ちょっと予想外の展開に呆然としていたわ…。はい、どうぞ」
「これは…先ほどよりもさらにいい発汗トレーニングになりますね!是非皆さんで行わなければ!」
静香はUCを発動させ老若男女様々な筋肉信者の人々を召喚したのだ!
「皆さん、これから発汗トレーニングですわ!このカレーを食べながら!店主、皆さんにも私と同じものを!」
「は、はいぃっ!一気に増えたわねっ!これは全力で応えないとね!」
周囲に立ち込める熱気に当てられたのか店主にも気合が入った。オブリビオンとして肉体の限界に挑むようにガンガンとカレーを作って提供していく店長。
無事に皆にカレーを配り終えた頃には店主も汗だくになっていた。
「店主もなかなかにいい汗をかいたようですね」
「ええ、本当に…」
店主と会話を続けながらも他の信者達と共に発汗トレーニングを続ける静香。
「発汗トレーニングができて美味しい物も味わえてカタストロフも防げる!なんて素晴らしい、皆様頑張りましょう!」
一種異様な熱気が立ち上る屋台周囲。それを見守るギャラリーと店主。
「…もしよければ、皆さんもやってみますか?初心者用のトレーニングをお教えしましょう」
事件解決後、この界隈で発汗トレーニングが流行ったとか流行ってないとか…。店主が前よりちょっとガタイが良くなったなどの噂が流れたという。
大成功
🔵🔵🔵
緋月・透乃
ふむー、カレーを食べ続けるだけで解決できるとは平和だねぇ。
……でも殴ったほうが速いのでは?
まあどんなカレーをだしてくるのかも気になるし、ここは大食いといこうか!
私にとってカレーは特別好きでも嫌いでもないってところかなー。だされれば食べるけれど自分から選ぶかはなんともって感じ。
辛いのはそれなりに強いし好きだね。
辛さが選べるのなら、甘いものから始めてだんだん辛くしていくよ。辛さで味覚が鈍る前に色々味わいし。
あと重要なこことしてにんじんを大量に入れて欲しいね!
食べ方はしっかり味わいつつも早食いで!ごはんものはかきこみたいんだよねー。作る側が追いつけない程の勢いを見せるぞー!
(ふむー、カレーを食べ続けるだけで解決できるとは平和だねぇ。……でも殴ったほうが速いのでは?)
グリモア猟兵から話を聞いた時に緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)が思った素直な感想だ。
透乃は戦うのが好きだ。特に強い敵との戦いは心躍るものがある。そう言う意味では透乃にとって物足りない任務になりそうなのだが…。
「まあどんなカレーを出してくるのかも気になるし、ここは大食いといこうか!」
フードファイターでもある透乃は、今回は素直に食べる方での戦いを主体に動く事にするのだった。
(う~ん…強そうじゃない…かなぁ…。一応オブリビオン、なんだよね?)
現地に着き、店主を見た時の透乃の第一印象はそんな所だった。
『天邪鬼・サグメ』。真の力を発揮した時はもっと強敵、であろうが…。今回に限ってはどうも宿主である猫娘の内面に大きく影響を受けているようだ。
(なんだか、その辺にいる妖怪達とあまり変わらない気がする。どんどん食べ物を出してくるっていう面倒な部分さえ除けば)
そこまでグリモア猟兵も想定はしていなかったのだろうが、戦闘ではない方法での決着を取ったのは正解だったのかもしれない。
(私にとってカレーは特別好きでも嫌いでもないってところかなー。出されれば食べるけれど、自分から選ぶかはなんともって感じだし。辛いのはそれなりに強いし好きだね)
「店主、カレーを一つ。辛さは…選べるの?」
「いらっしゃい。ええ選べるわよ?10段階かしらね。どうしておく?」
「じゃあ、まずは一番甘い奴を」
「は~い、それじゃあ準備するわね。少しだけ待ってもらえる?」
言い忘れていた大事な事があり、透乃は準備にかかろうとした店主を慌てて呼び止めた。
「あ、ちょっと待って。大事な事を言い忘れてたんだ。にんじんを大量に入れて欲しいね!にんじん大好きなんだ」
「あら、そうなのね。わかったわ、にんじんマシマシにしておくわね。まっかせなさい♪」
(う~ん、やっぱり結構友好的…なのかな?こっちの要望にも積極的に応えてくれるし)
そうこうしている内に、最初の一皿目が出来上がったようだ。
「はい、一番甘い奴ね」
透乃は一口、口に放り込む。
(うん…、もっと凄く激甘なのが来るかと思ったけど、そうでもないみたいね。…なんというか凄く良心的、というか)
甘さに関しては『皆が味覚を楽しめる甘さ』を目指しているのでは、と透乃はフードファイターとしての経験から結論を出した。
お客さんの事を鑑みた良心的な屋台。なるほど、それならばいちフードファイターとしては、今の状況を打開して良き店主へと戻してあげるのもやぶさかではない。透乃は本気を出す事にした。
「お代わり。次はもう一段階辛めで。後、量は大盛でいいかな?」
「え…。もう食べたの?びっくりしたぁ。凄い食べっぷりね。よし、私もそれなら張り切っちゃおうかな?」
店主も透乃の食べっぷりに感銘を受け、本気を出す事にした。
これより2人の白熱した戦いが始まる!
透乃はどんどん辛さの段階を上げていく事で味覚が鈍くなる前に色々と味わう作戦を。
だが、それに比べ店主は透乃が食べきれるのか、お代わりするのか確認してから動かねばならず…。店主は防戦一方となっていく。そして…。
「あ…。仕込んでおいたカレーが…」
猛者の猟兵達が平らげたおかげで、店主が準備したカレーを食べ尽くしてしまったのだ。特に最後の透乃の猛攻は激しいものだった。恐るべしフードファイターである。
「なんか…満足しちゃった…かな…」
満足げな表情を浮かべた店主から何かが離れていくのが猟兵には見えた気がする。
倒れ込んだ店主の元へ駆け寄ると、そこにはどこか満足そうな表情を浮かべた猫娘が横たわっていた。
大成功
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