大祓百鬼夜行⑰〜KAPPAとSUMO!
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それはいわゆる超芸術トマソンと呼ばれる目的はわからないがド派手で色彩も無茶苦茶、だというのに公共の建物なのだという。
子供達にとっては意味不明なそれらは秘密基地を探検したいと思う好奇心が向いてしまうようなそんな場所。
だがそこに巣くう妖怪はとても悪い悪い悪戯好き、迷い込んだ子供達と懐かしい遊びで勝負をして「負けてしまったならばその尻子玉を喰らうぞ」と言い放つ女傑。
古来より相撲好きで知られ、頭に皿を持つ著名な妖怪……そう彼らを人はこう呼ぶ。
『河童』っと。
●グリモアベース
「みなさーんお相撲は好きですか?」
集まった猟兵達にいきなり話題を振って出迎えるグリモア猟兵の村雨・ベル、どうやらそれが今回の事件に関係あるのだろうとは思うのだが細かい事はまずは聞いてからだろう。
「本来は心優しい妖怪が骸魂に喰われ変質して再臨してしまいました、場所はこのわけのわからない公共の税金で作られたド派手な清掃局の中のようですねー」
そう言ってベルが見せたのは外国人デザイナーがデザインして異形の色彩で塗られた怪しげな建物。
確かにこういったものは子供心に何だろうと興味を惹くに違いない。
だが普段は姿は全く見えない場所というこのトマソン、近づいてしまうと普通の子供にさえ見えてしまうのでうっかり近づいてしまうのも仕方がないだろう。
そして近づいた子供達に骸魂によって歪められた妖怪達はこう囁くのだ……。
「ボクと一緒にお相撲を取ろう、勝ったら何でも好きな物を買ってあげるよ、と」
河童といえば古来より相撲好きで中々の力持ち、そんな相手と子供が闘って勝てるわけがない。
負けてしまうと尻子玉を抜いてしまうぞーと脅しているようだが実際どうなってしまうのかはまだわからない。
いや、それを現実にしてしまう前に猟兵達が子供達を救う必要があるわけだ。
「子供達の代わりに勝負を受けるといえばきっと話が通じると思います、ですがそこで相撲に負けてしまったら大変な目に遭ってしまうかもしれません……っ!」
微妙に薄い本の妄想してる気がしないでもないが無視しよう無視。
「そんなわけでこのカッパ少女相手に相撲で勝ってきてほしいんですよ」
そこは問答無用でやっつけるとかではないようだ、どうやらカッパである彼女は武器や妖力を使って戦っているよりも相撲している時が一番倒しやすい状態らしい。
嫌がらせのように相撲用の道具や衣装は全て揃えてあるそうなのでそれを使ってもいいということだ。
「子供達に代わって相撲でカッパに勝つ、うん、とってもわかりやすいですね! というわけで後はよろしくお願いしま~す」
そう言って笑顔でベルは猟兵達を送り出した、相撲を取るという事で何を着させられるかなんて大事な事を言ってない気がするがド忘れしてたってことで許してくださいね……。
轟天
これは1章完結の戦争シナリオです。
大都市に存在する目的のわからない建造物(超芸術トマソン)で大騒ぎの大決戦、やっつけちゃいましょう。
大祓百鬼夜行に関するシナリオでは完結優先で最小人数を採用予定です。
先は長いと思いますので頑張りましょう。
●プレイングボーナス
子供を救出し、代わりに懐かし遊びを受けて立つ。
第1章 ボス戦
『カッパ海坊主』
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POW : 河童大相撲
【踏み込みからの張り手】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : サゴジョウアーツ
【半月刃の付いた三節棍】で攻撃する。[半月刃の付いた三節棍]に施された【神将沙悟浄】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
WIZ : 河童のナイアガラ流し
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【水】属性の【滝】を、レベル×5mの直線上に放つ。
イラスト:あなQ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
星川・アイ
【SPD・アドリブ歓迎】
お相撲……う~ん、TVつけっぱなしの時に見る事はあるけどね~
とにかく、子供達の危機だしアタシも何とかしなくちゃだね
という訳でカッパちゃんのお相撲に付き合ってあげようか!
……あの、まわしとか用意してくれるのはいいんだけど、レオタードの上から付けてもいいかな?
ホラ、アタシのビジュアル的に色々と、ね……
とはいえ力にはそこまで自信はないんだよね
なのでカッパちゃんの力を利用する方向で攻めよう
投げ飛ばされない程度に踏ん張りつつ、相手が押し出してきた所で身体を捻って、その勢いで土俵の外に放り出してあげよう(継戦能力・カウンター・体勢を崩す)
細腕だからって、甘く見ないでよね!
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「ふーん、それじゃ君がボクとお相撲とってくれるの?」
「うんうん☆ アタシがちゃーんと相手したげるから、ほらほら君達は帰った帰った☆」
このままではカッパ相手に相撲を取らねばならなかった子供達を笑顔で追い返し星川・アイ(男の娘アイドル風プロゲーマー・f09817)はくるりと振り返る。
出来れば子供相手に遊びたかったがまぁアイもまだ子供といえば子供、ということで妥協してくれた様子。
普段相撲に興味がなくTVをつけっぱなしにしておいてたまたま目にする程度なのでよくは知らないけれど、回しを装着してやるつもりなのか用意もきちんとしていてくれる。
けっこうこのカッパ、律儀に用意はしてくれるし何なら着替えまで手伝ってくれるほどだ。
骸魂に喰われてオブリビオンと化してもこれということは元々はといえばよほどのお人よし妖怪だったのだろうとアイは思う。
(とはいえー、ビジュアル的に問題あるんだよね~)
男の娘なのだからやはりちうか脱衣はNG、レオタードの上にまわしを着けてみたわけだがカッパはそれでもどうやらオッケーらしい。
「はっけよい、のこった!」
立ち合いからのカッパの強烈なうっちゃり、だがアイは元々が細腕であり腕力ではきっとかなわない。
だからこそ勢いを逸らすように片足でターンしながら変化しカッパをやりすごすアイ、勢いよく立ち合いを飛び出したカッパはそのまま前のめりに倒れてしまい土俵の外へと滑ってしまう。
「ええええええ、ちゃんとボクと相撲とってよー!」
「えへへ☆ ざーんねん、アタシの勝利だよ☆」
ウィンクして見せカッパの抗議を完全無視するアイ、満面の笑みでピースサインをカッパに見せ付けたのだった。
大成功
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夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
相撲、ですかぁ。
あまり経験は有りませんが、何とか頑張ってみますねぇ。
『子供達の代理』として名乗り出て、お相手しましょう。
『秘薬』を摂取して【沃貌】を発動、『巨人の姿』になりますねぇ。
指定する『器官』として『反射神経強化』、更に『反動』を利用して『相撲向けの体型』に増量しましょうかぁ。
服装等を含めた羞恥は[恥ずかしさ耐性]で耐えますねぇ。
基本的には『巨人姿』の対格差を活かして、遠い間合いから突き押し主体で対処、相手を『張り手の間合い』に入れないことを重視しますねぇ。
それでも入られそうになりましたら、強化した『反射神経』による[カウンター]&[重量攻撃]で押し倒しましょう。
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そのへんてこりんな建物へと入ると思っていたよりも広大な空間が開かれていて夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は予想外の光景についつい驚きを隠せなかった。
しかもそれだけの空間でありながらやることは相撲なのだからわからない、子供達を心配して駆け付けてみると今まさに子供達に回しを着けるのをカッパが手伝っているという光景。
なんだろう……ぱっと見ただけだと、親戚のお姉ちゃんが弟達と遊ぼうとしているようにしか見えない不具合。
(むむむ、相撲の経験はありませんがぁ……何とかやってみますかぁ)
決意を籠めて一歩一歩近づくくとカッパに声をかけ自分が相手するから子供達は帰らせろと伝えてみる。
「ん、ボクは相撲とれるならどっちでもいいよー?」
以外にカッパはあっさりとそれに答えそしてピョンと土俵の移動しるこるを待つことにしたらしい。
るこるはそんなカッパに対抗すべく手段を考えた、その末に見出した答えがこれだ。
着衣を脱ぎ捨て豊満な肢体を外気に晒す、そのうえで女神の加護を受けた秘薬を飲みムクムクと巨大化していく肉体。
巨人姿のままで全裸になると色々な意味で丸見えだ、まだ帰っていない子供達がそのお尻を指差して笑っているのがちょっと恥ずかしい。
回しを着けてみるもカッパはこれはやりがいがあると大喜び、そうして恐ろしいまでの体格差で土俵でまみえる二人。
「はっけよい、のこった!」
二人は真正面からぶるかりあいカッパの強烈な張り手がるこるを襲……う前に巨体が倒れこんでくる。
それはそれはもう豊満な乳房(通常の3倍以上)が斜め受けからカッパへと圧し掛かりそして押し潰した。
「むぎゅうう~~~っ」
「ど、どうですかぁ~」
あまりにも酷い決まり手、乳潰しとでもいえばいいのだろか? やわらかな乳房の下敷きになりカッパが目をグルグル回し伸びてしまっていた……。
もしかするとここでトドメをさせたのだろうか、いやそれは言うまい、きっとまだカッパは奥の手を持っていたに違いないのだ。
大成功
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マスクド・サンドリヨン
相撲はあんまり詳しくないけど、ようは格闘勝負よね。だったら任せ――え? マワシで? しかも覆面はダメ?
生来の弱気が祟って、その条件を飲まされてしまう私。ピジョンの力を借りられなければ、ただの少女……って言う以前に、マワシ一丁じゃ恥ずかしくて、相撲どころじゃなくて。胸を隠すのに精一杯の私は、土俵に上げられて、相撲で遊ばれちゃうの。突っ張りでボロボロになるまで虐められて、吊り上げられたら食い込むお尻を晒されて、トドメに鯖折りの苦痛で失神。もちろん負けたら尻子玉を抜かれて、身も世もない悲鳴を上げて白目を剥いちゃう。
それでも気絶してる私にピジョンが被さってUCを発動してくれるから、後は仲間がなんとか?
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「あー、うん。子供の代わりに相撲とってくれるのはいいんだけど、覆面ぐらい外してよ?」
腰に手を当ててカッパが首を捻りつつマスクド・サンドリヨン(仮面武闘会のシンデレラ・f19368)の申し出に懸念を示す。
いざ相撲と思ったというのにマスクマン特有のマスクは出来ればご遠慮願いたいらしい。
「えっ、マワシつけないと? 覆面もダメっ???」
「ほらー、やっぱさ。ボクもせっかく相撲とるなら楽しみたいしね!」
などと言いながらカッパが回しを手に持って近づいてくる、あまりの押しの強さに生来の気の弱さが災いしグイグイと押されに押され結局マスクに手を駆けてしまう姫華。
(こ、こらっ、姫華! あなた私を離したら色々マズイって!)
ヒーローマスクのビジョンが忠告するのだが相撲を取らないとという使命感がそれに打ち勝ちするりとマスクを外して横へと置いた。
そのままマワシを着けるためか着衣を脱いでしまい全裸をカッパに晒してしまう。
(ん? なんで全部脱ぐのこの子? うーん、マスク取ってマワシつけてくれればボクそれでいいんだけど……まっ、いっか♪)
相撲がとれればそれでいいのでカッパもわざわざ忠告してくれない、なんというかおかげで出来上がったのはマワシ一丁で裸体を晒してしまう姫華、まだどこにも放送なりされていないだけましといったところ。
こうして生身の姫華vs相撲好きカッパの一番が始まる。
「はっけよい、のこった!」
「ううっ、やっぱり恥ずかしいのっ!!」
立ち合いで飛び出すカッパと手で胸を隠してしまい無防備な姫華、どちらが攻め手になるのかなどわかりきった事。
パチンパチンと猛烈な張り手が何発も姫華の乳房がぶたれ赤い手形がくっきりと刻まれていく。
そのまま胸がっつり突き合わせてのマワシの取り合い、と言いたいがはっきり言って一方的な展開。
マワシを取られ吊り上げられると今度はマワシが股間に食い込んでさあ大変、足をバタバタさせて抵抗するもこれでは負けは確実。
「ん-、もうちょっと手ごたえほしかったなー?」
「ひいいいいっ!?」
そのまま土俵から出しては面白くないと鯖折りで腰をボキボキに締め上げられながら姫華は意識を手放してしまった……。
「しっりこだまー♪ しっりこだまー♪」
「きゅぅ……」
泡を吹いて気絶した姫華を土俵から降ろして部屋の片隅まで抱えていくカッパ、その心に湧き上がるのは慢心と油断。
地面に残されたビジョンはこの敗戦を糧に仲間へと道を紡ぐ、これこそが英雄の敗北たる所以なのだ。
なお……後日生還した姫華は数日間足腰が立たないほど、天国気分を味わってきたらしい(あれ?)
大成功
🔵🔵🔵
ウィーリィ・チゥシャン
尻子玉云々は抜きにしてどっちにしろ勝てばよかろうなんだよな。
そんな訳で受けて立つぜ、その勝負!
……とはいえ、女の子と組み合うのは気が引けるから【足場習熟】と【地形の利用】を活かしたフットワークで相手を翻弄し、頃合いを見計らってぶちかまし勝負に持ち込むと見せかけて相手のタイミングを【見切り】、【フェイント】で躱して相手を土俵外に叩き出す。
試合が終わればノーサイド。
冷やしておいたキュウリあるけど、食うか?
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「くっ、勝てば良かろうなんだな!」
「その意気、その意気! ボクも頑張るからよろしくね♪」
ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)の腰に何の仕掛けもないマワシを巻いてくれているカッパ少女。
これは間違いなく相撲がとりたいだけのただの相撲好き、骸魂に取りつかれてこれということは元々本当に悪戯好きなだけの妖怪だったのだろう。
尻子玉というのも子供達を驚かせるために言ってるだけの線が濃厚だ。
いつもの服の上にマワシだけ巻いてるというチグハグな恰好だが別に脱げとも何も言わない辺りどうやら本当に相撲を取りたい様子のカッパ少女。
かくして少年と少女の激しい大一番がその時を迎えた。
「はっけよい、のこった!」
「ふんっ!」
激しい立ち合い……にはならなかった、ウィーリィもおさすがに女の事組みあうのは気が引けたようで土俵の縄を蹴って横へ横へと素早く移動し華麗なフットワークを見せる。
だがそれではカッパの気は済まないようで次々と張り手も繰り出してくるがそれもまた不発。
ヒョイヒョイと避けるあたりはさすがの熟練者、だが土俵は狭くいつまでも避け続けるのもどうやら無理のようだ。
「むぅー、ボクとちゃんと相撲とってよー!」
「この狭い土俵で俺を捕まえれたらな!」
わざと挑発するかのようなウィーリィ、そしてそれはカッパには大きな隙に見えた。
「てぇぇぇぇりゃー!」
「今だっ!」
逃げ場の無い角へと追い詰めぶちかましを仕掛けてきたカッパにこちらから突っ込むウィーリィ、目の前で掌同士を思い切り叩きつけ決まりては“猫騙し”。
目の前でパンと叩かれた手の音で不意を突かれそのまま土俵の外へと飛び出してしまったカッパ。
「うぇぇぇん、負けたぁぁぁっ」
屈辱の決まり手でガックリと落ち込むカッパに背後から近づいたウィーリィあ懐から取り出したのはいつもの大包丁ではなく冷やしたキュウリ。
それを差し出すと受け取ったカッパがバリボリとそれを噛み締め大泣き状態。
「食うか? ってもう食ってるか♪」
「うー、くやしー!」
満面の笑顔でそれを見ているウィーリィ、子供達は無事に逃がすことができた……後は大一番でこのカッパを倒すだけだと思う。
まあとりあえず今はこのキュウリが食べ終わるまで待ってやろうといい笑顔で見守るのだった。
大成功
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オリヴィア・ローゼンタール
アドリブOK
相撲ですね、以前にも試合をしたことがあるのでルールは分かります
私も一手御指南お願いできますか?
これでも徒手にはそれなりに自信がありますので
不満そうな子供たちには、あとで私が代わりに遊んであげるので、と宥める
公式ユニフォームはご遠慮させていただいて……浴衣が彼女と似たような感じなので大丈夫でしょう
いざ、はっけよい!
河童の剛腕に【怪力】で対抗し、組み付き投げ飛ばしを試みる(グラップル・投擲)
張り手の前の踏み込みを【見切り】、【熾天流星脚】による【カウンター】で脚を狙い、【体勢を崩す】
空振りした張り手を掴んで転ばせる――いわゆる蹴手繰りで倒す
事が済めば、子供たちとお相撲で遊んであげる
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「はいはい、ここは私に交代してくださいね~。後でちゃんと私が相手してあげますので」
駄々をこねる子供達を優し気な微笑むシスターが一人、赤い淵の眼鏡から覗き込む眼差しはまさに聖女そのもの。
オリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)のそんな言葉(と手渡されたお菓子)に納得したのか“外で待ってようぜー”と子供達は建物の外へと駆け去っていく。
それを見届け振り返ればカッパ少女が“もういいの?”とばかりにマワシを見せ付けてきたのだがオリヴィアは即決で拒否。
「ええーっ、なんでマワシ巻いてくれないのー!」
「お・断・り・し・ま・す。 というかですね、あなたもよくよく見ればマワシ巻いていないのでは?」
「はっ!? そうでしたーーーーっ!」
気付いてなかったんかい!?と心の中の関西人がツッコミ入れてくれた気がする。そういえばここまで戦った猟兵達は気付いていなかった。
カッパ自身が脱いでもいないしマワシなど着けていないということを。
「ですが、心配はご無用!」
シスター服に手をかけシスター服を一気に脱ぎ捨てた……と思いきや下から出てきたのはなんと浴衣姿、どこをどう着ていたのかは謎だがまあ見事なイメチェンにそこのカッパも普通に拍手しない!
「おおーっ、お揃いだー」
「これならば貴女と似たような感じですし、文句はないでしょう?」
ここはドヤ顔で押し切る気満々のオリヴィア、その勢いに色々な意味でツッコミを忘れたカッパは全くもって文句なく土俵へと向かう事にした。
「さぁ見合って見合って……」
「はっけよい~のこった!」
建物の隙間から結局覗いていた子供達が掛け声をあげ二人の相撲はここに盛大にぶつかり合う。
ここに来て唯一まともに相撲を取りに来たオリヴィア、その怪力で踏み込みそして相手の衣装を掴み握りしめる。
カッパもカッパでその強い足腰は全く揺れずに浴衣姿の聖女との力比べに集中していた、がっぷり六つ……なかなかの名勝負。
ジリジリと互いが押し合い投げ合おうと気合をこめて攻め続ける二人、だが拮抗したままでなかなかに勝負がつきそうにない。
強引な投げから抜け出し一度距離を取り合う二人は今度は張り手よる打撃戦へと持ち込んだ。
強烈なその一撃は常人ならば即死級、だがそれを払いのけ直撃を避けるが次第に回転が上がっていきまるで張り手の連打連打。
(今がチャンスです!)
カッパの強烈な張り手の前の踏み込み、これこそが見つけた最大の隙であり勝利への第一歩。
カッパの強烈な張り手を脇へと逸らし同時にオリヴィアの脚が狙ったのはカッパの踏み込んだ利き足。
そこを蹴られてしまうと前のめりになるしかなく勢い余ってカッパはそのまま土俵へとズサーッと勢いよく倒れていく。
「決り手、蹴手繰り……ですよ」
「くうっ、くっやしー!」
バアンキューと倒れたカッパ、その手には帯の端っこ……帯の端っこ?
相撲で完璧に敗北したカッパ少女、だが帯はオリヴィアの巻いていた物でありそのまま抜き取られ浴衣がはだけてしまい白い素肌が公衆の面前に!(子供しか見ていません)。
「どうだーっ、君の不浄負けだぞーっ!」
「そんなわけないでしょー!」
ゴツン
悪戯っぽく悪あがきに叫んだカッパの頭に出来た大きなたんこぶ、そのままその一撃で一発昇天してしまったらしい。
ジンジンと真っ赤に染まった拳を振りながらオリヴィアは勝利の余韻にひた、れない。
「眼鏡のおねーちゃん、遊ぼうー」
「なんで脱いでるのーいっけないんだー」
「いえ、ですからこれは今のお相撲でですね!?」
無事だった子供達に囲まれながらオリヴィアは今度こそ勝利を実感することができた。
こうして怪しげな場所で起こるはずだった事件は解決し子供達の笑い声が建物に響き渡るのだった。
大成功
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