2
大祓百鬼夜行⑫〜団地妻って言いたかっただけ

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行


●妖怪団地にて
「!? 何をなさるんですか!?」
『ゲヘヘ……、お主は儂と合体するのだ』
「おやめ下さい……私には夫も子も!」
『黙れ……お主はもう儂には逆らえぬ。ほうれ、儂がお主に入り込んでゆく様子が解るであろう』
「い、いやーーーっっ!!!」

●というお話だったのサ
「……何がどうとは申さぬが、これが破廉恥な何かでは無い事は解られよ」
 ヤクモ・カンナビ(スペースノイドのサイキッカー・f00100)はすんごく微妙そうな顔をした。カクリヨファンタズムの外れの『妖怪団地』に住まう鬼女たち(以下『団地妻』)が大江鬼衆を名乗る骸魂に取り憑かれ、大祓百鬼夜行に挑む猟兵たちの前に立ちはだかったのだ。
 さて、気を取り直して詳しく説明してゆこう。
「わらわ等は大江鬼衆の妨害を乗り越えて、『雲の道』を妖怪親分らの元へと繋げねばならん……この団地妻たちを倒して憑く骸魂から解放し、次の道へと進むのじゃ!」

 団地妻たちは元々団地の地形を利用して戦う『団地闘法』を修めた、『団地武装団』の一員であった。ベランダから真下の敵を急襲してみたり、階段の手すりを盾にしながら団地への侵入者に反撃してみたり。
 が……そのタダでさえ家庭を守るための技を得た団地妻たちが、今や骸魂に取り憑かれたことにより、力まで手に入れてしまったのだ!
 これを打倒しようと思うたら……此方も団地の地形を利用し戦う他は無い!!

 ……とは言うがこの団地、実は迷宮化までしてしまっているそうではないか。
 例えば、押し入れを開けたら別の家のベランダに繋がっていたり、駐輪場に“屋上に降りる階段”が穴を空けてたりする。もしかしたら電気のヒモを引っ張ったら出口が切り替わるみたいな変なギミックもあるかもしれない。
 まあ、それらの攻略が勝利の鍵じゃのと、ヤクモは頭痛そうに説明するのだった。
「幸いにもあちらも迷宮化された団地を完璧には使いこなしてはおらぬ……こちらが家具やら何やらを妙な使い方してみると、存外、凄まじい効果を発揮してくれるやもしれんの」
 たとえばおもちゃ箱の中の黒曜石のブロックを四角く並べて中に火を灯してみるとか。


あっと。
 何度でも言う。これは破廉恥なシナリオではないぞ!!!

 ……というわけで、あっと。でございました。皆様にはこの団地迷宮を攻略し、大江鬼衆に取り憑かれた団地妻(見た目的には幼妻のようですが鬼なのでたぶん見た目通りの年齢ではないのでしょう)らを倒して救出していただきます。
 といっても救出するために何か特別なことをする必要はなく、普通に敵を倒すだけで十分です。

 プレイングボーナスは、『迷宮のように改造された団地を利用して戦う』こと。団地迷宮に何があるのかを全て説明することはしきれませんが、ひとまずは、『一般的な集合住宅にありそうなものを、驚くべき方法で利用してみる』と上手くゆくのではないかと思います。
 皆様の突飛で面白い発想を楽しみにしています。
49




第1章 集団戦 『大江鬼衆』

POW   :    棍棒撃
単純で重い【棍棒】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    鬼化覚醒
【鬼の力】に覚醒して【大鬼】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    鬼神[リョウメンスクナ】
骸魂【リョウメンスクナ】と合体し、一時的にオブリビオン化する。強力だが毎秒自身の【財宝】を消費し、無くなると眠る。

イラスト:塒ひぷの

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​
仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

二つの世界を救う為に…
悪しき妖怪を引きずり出す為に…
そして…団地妻達を救う為に…団地妻?
ともかく行くぞ…私は処刑人だ!
…団地妻って何だろう?

敵の攻撃を[見切り]つ
[闇に紛れ目立たぬ]ように団地内を移動しよう
[地形の利用]で普段使ってないであろうベランダの足下にある
避難通路内に身を隠し敵が来るのを待とう

敵が来たら妖刀を抜き振るい背後から飛び出して
【暗殺剣「墓場鳥」】により敵の急所を狙い目掛け
[串刺して傷口をえぐり暗殺]し
[破魔]の力で骸魂だけ追っ払い団地妻を救出しよう…

…ここどこ?
目の前に敵がいて良かったけど
身に覚えのない場所にいる…

ここどこですか…?
あと団地妻って何ですか…?



 あたかも大都会のターミナル駅の駅ビルがごとく聳える団地迷宮を、仇死原・アンナ(炎獄の執行人あるいは焔の魔女・f09978)は静かに見上げた。
 これから踏み出す一歩の先は、カクリヨファンタズムとUDCアース、2つの世界を救うため。悪しき妖怪を決戦の場に引きずり出すために。
 そして……そのための礎となった団地妻たちを解放するために! ……団地妻?
 団地妻って何だろう。それが何なのかはよくわからないけど、ともかく、アンナの為すべきことだけは一つ。
 何故なら、アンナは処刑人だから。団地妻たちに取り憑いた骸魂を処刑する……それさえできれば十分なはずだ!

 上階から鬼の膂力で降り注ぐ家具を避け、アンナは死角へと滑り込む。上下からの視線をすっかり塞ぎ、室内からの目も届かない、ベランダ足下の避難通路へ。
 刀の柄に手をかけて、五感全てを研ぎ澄ます。当然、隣の棟からは丸見えだろう……事実、団地妻たちは騒然として、主婦の情報網を通じて騒ぎ立てている。
 だが彼女らがアンナの居場所を強襲した時、そこに彼女の姿はなかった。
「あれっ!? どこに――」
 強襲を企てた団地妻のひとりが困惑の声を上げた時……その声は途中で途切れさせられる。感じるのは鋭い危険な衝撃と、何かが抜け出てゆく快楽にも似た感覚。
「奥様……後ろ、後ろ! 破魔の暗殺剣の使い手が潜んでますわ!?」
 隣接棟から誰かが警告を飛ばしたが、その時にはアンナは団地妻の骸魂だけを斬り次のベランダへ。

 暗殺剣、『墓場鳥(サヨナキドリ)』の真骨頂は、敵に居場所を知られぬ立ち回りにこそあった。もっとも、主婦情報網はすぐにまたアンナの居場所を突き止めてはくるが……その後団地妻たちがそこまで辿り着くための時間があれば、再び背後を取るなど容易い仕事。
 アンナは、変幻自在に居場所を変えて、団地迷宮の奥へと足を進める。何度かめにもなる襲撃者を全て同様に退け……ふと彼女は小さく洩らす。
「で……ここは、どこ? 身に覚えのない場所にいる……。あの……どなたか教えてください……。ここ、どこですか……? あと、団地妻って何ですか……?」

大成功 🔵​🔵​🔵​

泉・星流
要するに…『鬼嫁』…と言う奴か…
(突如…何か所の窓から金棒が投げられる)

行動
団地内は静かに【忍び足】で移動
団地内の暗がりを利用して【オーラ防御・迷彩】を組み合わせて【目立たない・闇に紛れる】
さらに物陰に身を隠しながら行動【地形の利用】

対象を見つけたら、UCを用いて距離に応じた武器を使用して攻撃、強力粘着液で相手を身動き取れないようにする【スナイパー・全力魔法・属性攻撃・制圧射撃・視力・暗視】

遠:BSS
中:BBR(上記に加えて【弾幕】も使用)
近:BSG

身動きが取れなくなった対象は『ルーンブルーム』による打撃で攻撃【優しさ】

相手のUCに対して
自分のヘソクリを犠牲にしてまで戦うなんて、嫁の鏡だな…



 そういった喧騒は泉・星流(人間のマジックナイト・f11303)にとって、都合のいい目眩ましになってくれていた。
 植木の陰をこっそりと進み、開けっぱなしの四畳半の窓に当たりをつける。部屋の主はキッチンの窓辺に見える……侵入者の姿を探して喚き散らしているさまはを見て、星流の口から思わず一言洩れる。

「要するに……『鬼嫁』、と言うやつか……」

 ぱりーんどしーん。
 突然上のほうのどこかの窓が割れ、巨大な金棒が降ってきた。
(危なっ!?)
 咄嗟に息を潜めた星流だったが……金棒が事故によるものか狙いをつけられたのかまでは定かではない。
(とにかく、追っ手に取り囲まれる前に次に進もう)
 一旦深呼吸をして、再び抜き足差し足忍び足。ようやく件の窓の真下に辿り着いたなら……ひょいと小柄な体を部屋の中へと踊らせる。

 そこは、恐らくは子供部屋だった。あちこちにおもちゃが積み上げられて、星流の姿を部屋の主から隠す。
 が……それらのおもちゃの大半は、本来、小柄とはいえ160cm以上もある彼より大きいものではないはずだ。
(迷宮化のせいで、ものの大きさや距離がおかしくなってるね)
 そんな分析を冷静に行なった。どこがどう、一度それさえ把握してしまえば、それ以上惑わされる心配はない。
 むしろ……判ってしまえば利はこちらにあった。
(あの物陰は見た目通りの距離だからBSG、こっちはもっと近く見えるけれどBSSの準備が必要だね)
 拘束魔力弾を距離別の武器に篭め、どこから敵が来てもいいよう準備する。だから……突然の強襲を企てた団地妻に対しても、星流は難なく動きを止める!

 団地妻は手近なカレンダー裏のへそくりを手に取り掲げ、リョウメンスクナの骸魂の力を自身に呼び込んだ。
「家を守るために自分のヘソクリを犠牲にしてまで戦うなんて、まさしく嫁の鏡じゃないか」
 団地妻の行動には星流も感嘆するが、かといってリョウメンスクナの力が拘束を引き千切るまで待つ義理もない。
「悪いけど、自由になられる前に浄化させてもらうよ」
 星流が団地妻を魔法の箒で祓ったならば、骸魂はすっかり消滅させられてしまった。

成功 🔵​🔵​🔴​

オルヒディ・アーデルハイド
アドリブ・連携歓迎

迷宮化した団地、鬼になった団地妻
まるでアリスラビリンスみたいだね

目には目を、歯には歯を、鬼には鬼を
交差する運命でオウガと化す
鬼女になった団地妻の為にボクも鬼(オウガ)になって戦い解放する

体当たりして取っ組み合い押し倒して抑え込む

この柱は取れるぞ、棍棒として使えそうだ
最初はわからなかったけど、棍棒撃を受けて、一見に狭そうな団地内だが空間が歪んでいて壁に当たる事なく棍棒を振り回せる事に気付く
ベランダがリフトになって昇降機みたい
階段を上ろうとしたら段差が無くなって坂になって滑って登れない
凄いシステムを発見、団地が変形合体してロボットになるぞ



 一方その頃……オルヒディ・アーデルハイド(アリス適合者のプリンセスナイト・f19667)は角材を振り回し、並み居る団地妻たちをまとめて蹴散らしていた。
「すごい、まるでアリスラビリンスみたいだね」
 見慣れたはずの団地が捻じくれてできた迷宮に、大江鬼衆へと変わった団地妻。それはオルヒディの見知った世界とよく似ているから、戦い方もよく解る。
「目には目を、歯には歯を。それから……鬼には同じく鬼を!」

 オウガの力を発揮した…オルヒディの膂力は、大江鬼衆に憑依された団地妻にも引けなど取らなかった。
 団地妻が金棒を振り回すのならば、こっちも棍棒を振り回すまで。この角材は元々柱だったものだ……だが団地が迷宮化するに当たって、仕込み柱とでも呼ぶべきものになったのだろう。オルヒディはそれが簡単に引っこ抜けるものだと気付いて、自らの武器と化したのだ!
 ……しかも。
 彼が気付いたのはそれだけじゃない。
「あれっ、こんなに狭い部屋なのにみんな思いっきり金棒を振り回してる?」
 不思議に思って部屋を駆け回ってみれば、実際の空間は見た目より広い。団地妻たちが金棒を振るっても壁や天井に当たらないのは、きっとそのせいだったのだ。
「じゃあボクも……同じように戦うよ!」

 縦横無尽に柱を振り回すオルヒディの前には、さしもの団地妻たちもたじたじだ。
 武器対決では叶わぬと取っ組み合いに持ち込んだなら、逆にすっかり押し倒される。どうにかベランダ際まで追い詰めたものの、すんでのところでふとんばさみを物干し竿掛けに引っ掛けられて、秘密のベランダエレベーターを起動させられる。
「なんだこれ、まるで秘密基地みたいだね。ぽちっとな」
「こらっ、勝手に弄らない! あーっほら、階段が坂になって登れなくなっちゃったじゃない!」
「こっちのレバーは……すごい! 建物が変形合体してロボットになるぞ?」
「きっとウチの旦那の仕業だわ!? 毎週DIYに打ちこんでると思ったらこんな仕掛けまで作ってたのね!?」

 もう、団地妻たちにオルヒディは止められない。誰か、誰かこのカオスを終わらせてくれ妖怪団地が壊滅する前に!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

水鏡・多摘
成程、団地。
家を守るには技術が必要じゃがそれを攻撃に使うとは…
よかろう、龍神としてそれを打ち破ってくれよう。

とりあえずスイッチ類は片っ端から押したり切り替えてみる。
ブレーカー…?よく分からぬが落としてみよう。
色々家具のある部屋を探し、部屋の押入れの中に隠れ符で式神を展開。
他の部屋に移動させ敵を誘き寄せてみる。
敵が来たらUC起動し奇襲で祟り縄でぱしんと叩く。
箪笥が倒れたり天井の電源コードが切れて感電したり…不幸は連鎖するものじゃ。
…コンロ用のボンベが爆発するとかも?
巻き添えを食らいそうな不幸には神珠で結界を構築し防ぐ。
骸魂追い出したら作った式神で安全な所まで避難させようか。

※アドリブ絡み等お任せ



「よかろう!」
 そんな誰かの魂の叫びに応えてみせたのは、龍神、水鏡・多摘(今は何もなく・f28349)だった。
「確かに、家を守るには技術が必要じゃ。しかし、それを攻撃に使うとは……」
 ……おや? 口調の雲行きが怪しいぞ?
「……龍神としてそれを打ち破ってくれよう! 骸魂全てを骸の海へと還し、戦いを終わらせることのみが救いの道じゃ!」

 厳しい顔でそう気炎を上げると、多摘はもそもそと手近なお宅に上がり込んだ。
「兎に角、いろいろと押したり引いたりすれば戦いを有利に進められる筈じゃ。何せ、これらは今は敵に有利な配置になっとる筈じゃからのう……」
 大事なものこそ触りにくい場所にあるに違いないと踏み、探し当てたのは玄関近く上方の装置。
「『30A』? 何の意味かは解らぬが、『入』にあるのじゃから『切』にしてみよう」
 するとバチンという激しい音とともに、辺りの空気が変わったのが判った。
「ふむ? 部屋を覆っていた結界が消えたかな? これは重畳、これより我の力を見せてくれようぞ」

 妖気ブレーカーが落ちて結界を失った部屋の中を漁っているうちに、守りに良さそうな押し入れに当たりをつけた。
「此処ならば、後ろを気にせず戦えるじゃろう……ほうれ式神たちよ、団地妻たちを此処まで誘き寄せて参れ」
 呪符が次々に小さな龍へと変わり、四方八方に向かって飛んでゆく。しばらく霊気を溜めつつ待っていたならば……まるで蝿でも追いかけるように、蠅叩きを手にばたばたとやって来た団地妻。
 押し入れの中に目を遣って、多摘に気付いた時にはもう遅かった。鞭のように放たれた祟り縄に篭められた『呪い』が――結界さえ残っていれば多少は抵抗できたかもしれないが、強烈な不幸の力が、彼女の中の骸魂を掴んで離さない!
「出ていきなさい!!」
 彼女が多摘を追い払おうと蠅叩きを振り上げた時、“不幸にも”蠅叩きは天井からぶら下がる電灯を破壊した。
 感電。
 驚いた拍子に電灯そのものが落下する。
 慌てて身を捻れば棚に手を突き倒し、中身が全部降りかかる……衝撃で、コンロ用ボンベが破裂する。

「我ながら、酷いことをしてしまったわい」
 痛ましそうな顔を作って、多摘は堪らず逃げ出した。その腕には気を失った哀れな団地妻……骸魂の抜けた彼女の身体を、彼は式神たちに安全圏まで運ばせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

音取・金枝
アドリブ歓迎

団地妻、なにやら親近感を覚える響きです。そういう目に逢いやすいという意味で
いえ、金枝は団地には住んでいませんが
それでも夫を持つ妻の仲間として、彼女達を救いませんと
あと金枝にはまだ子供いないんですけどね

変身は、あえてしません!
同じ妻として戦いましょう!
此処は、団地の小さな公園ですか
この広さならば召喚呪法・無貌の巨神像(コールスペル・フェイスレス)で、金枝篇・三眼混沌編集再編版からデウスエクスキャバリア『フェイスレス』を招喚して大鬼となった団地妻にぶつけます
フェイスレスと団地妻が取っ組み合いになったら、金枝は対霊狙撃銃バレットM82で支援射撃をします



「昼下がりの団地、暇を持て余した団地妻。何も起きないはずもなく――♡」
 ベルゼ・アール(怪盗"R"・f32590)のそんなナレーション。一時はUDCアースの裏社会を騒がせた怪盗"R"は、家事を一段落つけた後の団地妻の心理を見逃さなかった。
「そう、彼女らは秘密の遊戯に手を出すものと決まってるわ! それは……」

 こっそり子供たちよりよっぽど遣り込んでいる、『脳トレゲーム』や『パズルゲーム』!

「知ってるわ。一息ついたついでについ手が伸びるんでしょ?」
 得意の量子幻惑怪盗術で盗み出し、電源を入れたらスコアをチェック。ベルゼの口許がサディスティックに歪んだように見えたのは、恐らくは気のせいではあるまい。
「あら、脳年齢24歳ですって。お子さんの年齢から考えると随分お若いみたいだけれど……残念ながら私から見ればオバサンね」
 実年齢18のアドバンテージを大人気なく活かし、あっさりと脳年齢記録を更新してみせたベルゼ。ついでに……パズルのハイスコアのほうも。
 そして……侵入者に気付いて駆けつけた本人へとゲーム機をシュート! ご丁寧にスコア画面を表示した状態であるがため……彼女はそれを無視ししきれない!

「気になるでしょ? 大丈夫よ、私は逃げも隠れもしないから。ハイスコアを奪還して後顧の憂いを断つまで幾らでも待ってあげる」
 ベルゼを威嚇しながらもちらちらとスコア画面に目を落とす団地妻に対して、ベルゼは挑発してみせた。
「そんなことを言われましても、私は屈しませんから! ……」
 ……屈した。
 血眼になってハイスコア奪還を目指す団地妻。無論、ティーンエイジャーかつキャリアウーマンたるベルゼのスコアを超えられるわけがなく――ってあの。そろそろ骸魂の意識なんて跡形もなくなって、完全に団地妻本人の意識になってませんか?

 かくして団地妻に憑依していた骸魂は、何もできぬまま成仏させられた。
 どうやってもハイスコアを更新できずに崩れ落ちた、一人の団地妻の泪とともに。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。

第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:漆黒風

はてねぇ、何でしょうね、団地妻って?
鬼は別に?私も堕ちかけてましたので。
ま、それよりも。助けるために戦うのが先ですねー。

んー、団地ってのも想像つかないんですがー(戦国乱世出身)
建物がたくさんで、隠れる場所も多数。この地形を利用して、隠れながら移動しましてー。

階段の踊り場へ。上も下も注意せねばなりませんが。
ふふふ、私の攻撃を階段で避けることなぞできませんよね?
対象は骸魂のみにしてますから、戻った方は怪我しませんし。

…財宝消費も、少なくすめばいいですがね?防御は、内部の三人が結界術してますからー。



「はてねぇ……で、結局何だったんです? 団地妻って?」
 無秩序に天に向かって生える建造物と、その間を歩き回る巨大ロボ。これでは何を以って『団地』と呼ぶのかさえ戦国乱世出身の馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)には想像もつかなかったが、言えるのはここに彼の為すべきことがあるということだ。
 目の前の光景の呼び名がどうであれ、建物と隠れる場所が無数にあることだけは確か。
「ならば、それを利用して団地妻とやらを助けるため戦うだけですねー」

 義透のいる階段に、上から下から集まってくる団地妻。その攻撃を、ひらりひらりと左右に躱しつつ、構えるのは漆黒色の棒手裏剣……そして。
「本来であれば、私がそうできるのと同様に、貴女がたも手すりを盾にして避けるのでしょうなー……が、私の方はちょいとばかり仕掛けがありましてー」
 義透がその手裏剣を指先でちょいと捻ったならば、手裏剣は無数の鬼蓮の花弁と化した。そして、舞い上がるように団地妻たちへと吹雪く。
「ふふふ。これでは手すりを障害物にすることも叶いますまいて。多少の障害物があろうとどこまでも回り込む花びらから逃れようと思ったら、只管に距離を稼ぐのが正解……はて、この狭い階段でそれができますかねー?」

 団地妻たち――正確には彼女らに憑く骸魂たちに勝利の目があったのだとすれば、斃れるより早く義透を倒すことだけだった。彼女らもまたへそくりを賽銭代わりに、リョウメンスクナに助力を願う。ああ、実に恐ろしい。スクナの力で義透を打ち破るまで、どれほどのへそくりを捧げねばならないことか!
「確かに、私一人ではスクナの力を止めきれませんねー。貴女がたが斃れるより早く、私のほうが斃れてしまうます」
 けれど……はて? 何時どこで、誰が『義透は一人だ』なんて言いましたっけ?
「私、生憎『四人で一人』の悪霊でしてー。他の三人分の結界術を破るには……支払うのがへそくりだけで済めばいいですね?」

大成功 🔵​🔵​🔵​

山梨・玄信
あー…なんでも、ねっとでは既婚女性の事を鬼女と呼ぶらしいが…。

【POW】
わしは搦め手は苦手なんじゃが……団地妻という者は他人の噂話や秘密が大好きと聞く。
そして、団地は家の集合体じゃ。
つまり、秘密の宝庫。

第六感、探索、情報収集、ハッキングなどを駆使して、日記、アルバム、ノートパソコンを集めて敵の襲撃に備えるぞ。

鬼女に出会ったら「あー、奥さん。これは◯号室の押し入れに隠されていたじゃが…」と言いながらながら集めた物を出して興味を引くのじゃ。物を渡し、夢中になった所に灰燼拳をお見舞いするぞ

不意打ちなどで棍棒の一撃が来た時は第六感と見切りで躱し、避けきれなければオーラ防御で受け、激痛耐性で耐えるのじゃ



 秘密の遊戯。それからへそくり。
 つまりは『団地妻』という言葉には、『人に言えぬ秘密』がつきものであったのだ。
「団地妻という者は、他人の噂話や秘密が大好きと聞くが。それが団地という家の集合体に集うのだとすれば……それはすなわち、『秘密の宝庫』じゃ」
 山梨・玄信(3-Eの迷宮主・f06912)はそう結論づけて、では搦め手の苦手な自分には何ができるのかと頭を捻る。
「やはり、秘密を暴いてみるに限るかのう? それで相手がどう出るのかは判らんが、何にせよ、大きな揺さぶりにはなるはずじゃからな」

 日記、アルバム、ノートパソコン等。なんでも『ねっと』では既婚女性のことを鬼女と称し、様々な情報媒体を駆使した彼女らの集合知は、巨悪――全ての主婦の敵さえ打倒するらしい。
「鬼が出るか、蛇が出るか……いや、鬼が出ることだけは間違いなかったのう」
 そんな魔窟に足を踏み入れるとあらば、自ず感覚も研ぎ澄まされるというもの。全ては速やかに行なわれねばならないという危機感が、玄信の第六感を最高レベルに保つ。
「むむ……ここじゃな!」
 押し入れの古い料理本の間に、玄信はそれを見出した! 手早く中身を確かめて、ひとまず部屋内から脱出する。その直後……待ち構えていたかのように振るわれる金棒の一撃!!

「待たれよ、奥さん! これはこの404号室の押し入れに隠されていたものじゃが……」
 どうにか咄嗟の判断で避け、逆にそう切り出したなら、目の前の団地妻は血相を変えて、玄信の手からその日記帳をふんだくった。
「あなた、夫の知り合いじゃないわよね!?」
 キッと玄信を睨みつけた後、必死に日記帳に異常がないかと確認する団地妻。えーと、うん。どう答えても玄信は修羅場から逃げられそうにない。
 仕方ない。玄信は強く拳を握った。
「こんな時は……こうじゃ!」
 そしてその拳を団地妻の脳天に!

 日記帳を検めることにばかり気を取られていた彼女は、玄信の一撃をまともに受けて、そのまますっかり気絶した。
 無事に骸魂を討伐した後、彼女と夫の関係がどうなるか……そこまでは流石に玄信の知ったことじゃない。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベルゼ・アール
昼下がりの団地、暇を持て余した団地妻、
何も起きないはずもなく…♡

怪盗"R"は見逃さないわよ!
この団地に眠るお宝、それは「ゲーム機」!
団地に忍び込んで量子幻惑怪盗術で盗み出すわ!

そう、暇を持て余した団地妻がすることは決まってるわ!
それは「脳トレ」と「パズルゲーム」!
家事が一段落した後つい手が伸びるんでしょ?
今回私が盗み出すのは…貴方達の脳年齢の記録とパズルゲームのハイスコアよ!
全ての記録を塗り替えた上で鬼化覚醒する前にゲーム機をお返しして、骸魂の成仏を賭けてハイスコア勝負を挑むわ。
私は華の18歳、加えて社長秘書。ティーンエイジャーかつキャリアウーマンの私の頭脳に団地妻の貴方達が勝てるかしらねぇ?



 いつしか猟兵たちの戦いは、団地妻たちに憑依した骸魂とのものというよりも、団地妻たちとのものになっていたようにも見えた。それはつまり骸魂どもの力が戦いの中で弱まって、団地妻たちへの支配力を失いつつあったことを表していた。
 戦況はまさしく佳境そのもの。残るは最後の骸魂を浄化して、全ての戦いを終わらせるだけだ。

 建物と建物の間の小さな公園が、最後の戦いの舞台であった。崩れた砂の城を残した砂場を挟んで、音取・金枝(若奥様は秘密の変身ヒーロー・f25315)と最後の敵は対峙する。
「金枝は団地には住んでいませんし、まだ子供もいませんが、団地妻という言葉には親近感を覚えます……そういう目に遭いやすいという意味で」
 ちょっぴり気まずそうに目を逸らし、しかし、次の瞬間には拳を握った金枝。どちらも同じ夫を持つ身。ならばナイアルティンへの変身などせずに、妻同士で決着をつけましょう!

「こちらも望むところですわ!」
 金棒を振り上げた最後の団地妻は、咆哮すると巨大な鬼へと化した。団地の建物を根こそぎ引っこ抜き、それを振り回すという鬼女流団地闘法究極奥義!
 対して……金枝も奥義を放つ。
「開け、『金枝篇・三眼混沌編集再編版』! いあ! にゃるらとてっぷ! 現れなさいデウスエクスキャバリア『フェイスレス』、その力をあの大鬼に!」

 ……妻同士 is 何? 金枝の呼び掛けに応えて現れた巨大機械邪神像が、正面から大鬼に組みついた。大鬼と邪神像が一進一退の攻防を繰り広げる度に、建物ごと大きく振り回される団地住民ら。
「助けてママー!」
「我慢なさい! この程度乗り越えてこそ立派な団地武装団の一員になれるのよ!」
 悲鳴が上がるが大鬼は止まらない。無論、邪神像なんて代物が住民を気にかけるわけもない。双方互角の怪獣大決戦は、誰かが崩さぬ限りは終わらない!

 ……そう。崩さぬ限りは。

「ここは、金枝の出番です」
 怪獣たちの足下に歩みを進めた金枝は、決意の表情とともに対霊狙撃銃バレットM82を構えた。あの大鬼を倒すには、あまりにも心許ない豆鉄砲。けれども両者の均衡を崩すだけならば、その豆鉄砲さえあればいい。
 放たれた魔導科学製の呪詛弾は、違うことなく大鬼の弁慶の泣き所を打った。だから妻同士って言葉はどこ行った。反射的に足を引いた鬼。それは邪神像が押し込むのに十分なバランスの崩れ方であり、あれよという間に大鬼は倒れ込む!
 放り出された団地の建物。それは住民たちの団地闘法により元の位置へと戻るが、大鬼自身の姿勢が戻ることはなかった。
 団地妻たちに憑いていた、最後の骸魂が宿主より抜ける。それは別の宿主を見つけることもできずに……力を使い果たして虚空へと消える――。

 ――団地妻たちの戦いは、かくして終わりを迎えたのだった。
 迷宮化した彼女らの住まいも、次第に元の姿に戻るのだろう。猟兵たちは次の道への手がかりを得て、団地妻たちも何事もなかったかのように日常へと戻りゆく……ごく一部の、魂に業を背負った妻たちを除いては。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月03日


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#カクリヨファンタズム
🔒
#大祓百鬼夜行


30




種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト